説明

電気機器

【課題】 エジェクトボタンに係るデザインの自由度を高めると共に、カードの不用意な離脱を防止する。
【解決手段】 スロット3を通じて挿入されるカードKを収容する収容コネクタ7のエジェクト機構を作動させるエジェクト棒8の先端部8aに対向して、筐体のデザインに合致した別部材のエジェクトボタン4を押込み可能に配置する。エジェクトボタン4のロックを行うスライド部材6を筐体内部に設けられる支持部材11に対して摺動可能に取り付け、スライド部材6がエジェクトボタン4のロックを解除した位置にあることをセンサ20で検知する。スライド部材6は、摺動位置によりエジェクトボタン4のロック及びロック解除を切り替えて、不用意にエジェクトボタン4が押し込まれてもカードKが離脱することを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送の受信に係る半導体カード、又は記憶メディアカード等のカードを装着できるようにした電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器の中で携帯型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)と云った情報機器、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラのような撮像機器等には、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)が策定した規格に準じたPCカード、コンパクトフラッシュ(Compact Flash 登録商標)の規格に準じたCFカード等のカードの装着を可能にしているものがある。このようなカードの種類には、半導体メモリを内蔵した記憶媒体、有線又は無線での通信機能を備えた通信機器等のように様々なものが存在する。
【0003】
また、地上波デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、又は110度CSデジタル放送等の各種デジタル放送の受信を行うデジタルチューナ機能を備えた電気機器は、デジタル放送の暗号化された放送波に対する暗号解除用のデータを記憶するB−CASカードと云うカードを装着できるようにしている。
【0004】
上述したような各種カードを装着する電気機器は、開口したスロットを筐体に形成すると共に、筐体の内部にコネクタを設けて、スロットを通じて挿入されたカードをコネクタで保持収容する。また、収容対象のカードがCFカード以上の大きさの場合、コネクタにはエジェクト機構が併設されることが一般的である。コネクタにエジェクト機構が設けられる場合、筐体のスロットの傍にエジェクト機構を作動させるエジェクト棒の端部を表出させて、このエジェクト棒の端部をユーザが押圧することでコネクタからカードを離脱させる。
なお、収容したカードの脱落防止に関しては下記の特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平5−145881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エジェクト機構を作動させるためのエジェクト棒の端部を表出させる場合、電気機器の筐体に対してエジェクト棒の端部をデザイン的にマッチさせて配置することは困難であるので、表出するエジェクト棒の端部が電気機器の外観デザインを損なわせると云う問題がある。特に、この問題は筐体前面にスロットを設ける電気機器では顕著になる。
【0006】
また、エジェクト棒は、コネクタにカードが収容されていれば、機器の作動状態に関係なく押圧可能になるため、カードと機器との間でデータの送受が行われている場合でもエジェクト棒が押圧されるとカードが離脱する。このような状況でのカードの離脱は、送受されていたデータの消滅、機器の作動不良等と云った各種不具合を引き起こす。例えば、受信中のデジタル放送の番組を録画している録画装置のエジェクト棒が録画中に誤って操作されてB−CASカードが離脱すると、正常な受信が不可能となり、録画内容が台無しになる。
【0007】
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、エジェクト棒とは別体のエジェクトボタンを設けることで、筐体のデザイン性を高めるようにした電気機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、エジェクト機構を作動できる状態とできない状態とに切り替える機構を設けて種々の不具合の発生を防止する電気機器を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、エジェクト機構を作動できる状態であればカードとのデータ送受を停止状態にして不具合の発生を未然に防ぐようにした電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る電気機器は、筐体に形成した挿入口を通じて挿入されるカードを収容する収容部、及び該収容部に併設してある被押圧体を備え、該被押圧体が押圧されることに伴い前記収容部に収容されたカードを前記収容部から離脱するようにしてある電気機器において、筐体内への押し込みが可能であり、押し込まれた場合に前記被押圧体を押圧するように前記被押圧体に対向配置してある押込み釦と、該押込み釦を押込み可能状態又は押込み不可能状態に選択的に切り替える切替部材とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、筐体内へ押込み可能な押込み釦をカード離脱用の被押圧体と別体にして対向配置するので、筐体表面には被押圧体ではなく、自由にデザインできる押込み釦が表出するようになり、筐体のデザイン性を高められる。また、押込み釦は切替部材により押込み可能状態と押込み不可能状態とに切り替えられるので、カードが収容されている場合は、切替部材により押込み釦を押込み不可能状態にすることにより、不用意なカードの離脱を確実に防止できるようになる。
【0010】
また、本発明に係る電気機器は、前記切替部材は、直線状に移動することが可能であり、移動範囲の一端側に位置する場合に前記押込み釦の押込みと干渉する干渉部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、切替部材を直線状に移動可能にして、移動範囲の一端側で押込み釦と干渉させるので、切替部材の位置を移動させる操作を行うことにより押込み釦の押込み可能状態と押込み不可能状態とを容易に切り替えられる。
【0011】
さらに、本発明に係る電気機器は、前記切替部材は、前記筐体に対向するように配置してあり、前記筐体は、前記切替部材と対向する箇所に前記移動範囲に応じた長さの孔を形成しており、前記切替部材は、前記孔を通じて筐体の外方へ突出する突出部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、筐体に形成された切替部材の移動範囲に応じた長さの孔より突出する突出部を切替部材に設けることで、突出部により切替部材を移動させる操作を確実に行えるようになり、さらに、移動範囲に応じた長さの孔により移動範囲を超えるような操作が切替部材に対して行われることを防止でき、切替部材に対する良好な操作性を確保できる。
【0012】
また、本発明に係る電気機器は、前記カードにはデータが記憶されており、前記収容部に収容されたカードからデータを取得するデータ取得手段と、前記押込み釦が押込み可能状態であるか否かを検知する検知手段と、該検知手段が押込み可能状態であることを検知した場合、前記データ取得手段がデータを取得することを停止させる手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、押込み釦が押込み可能状態であるか否かを検知手段で検知し、押込み可能状態であることが検知されると、カードからのデータの取得を行わないので、カードが不用意に脱離しても、カードに対する処理を行っていないため、処理中のカード脱離に伴う各種不具合の発生を確実に防止できるようになる。
【0013】
さらに、本発明に係る電気機器は、前記カードにはデジタル放送の放送波に係る処理用のデータが記憶されており、デジタル放送の放送波を受信する受信手段と、該受信手段が受信した放送波に対する処理を前記データ取得手段が取得したデータに基づき行う放送波処理手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、カードから取得したデータに基づきデジタル放送の放送波に係る処理を行うことに対して、処理中にカードが不用意に脱離することが防止されるので、デジタル放送を確実に受信でき、カード離脱によるデジタル放送の受信に対する不具合の発生を防止できるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にあっては、筐体内へ押込み可能な押込み釦をカード離脱用の被押圧体と別体にして対向配置するので、筐体のデザイン性を高めることができ、また、押込み釦を切替部材で押込み可能状態と押込み不可能状態とに切り替えることで、不用意なカードの離脱を確実に防止できる。
【0015】
また、本発明にあっては、切替部材を直線状に移動可能にして、移動範囲の一端側で押込み釦に干渉させるので、切替部材の移動操作により押込み釦の押込み可能状態と押込み不可能状態とを容易に切り替えられる。
さらに、本発明にあっては、切替部材の移動範囲に応じた長さの孔より突出する突出部を切替部材に設けることで、切替部材の移動操作を確実に行うことができ、切替部材に対する良好な操作性を提供できる。
【0016】
また、本発明にあっては、押込み可能状態であることが検知されると、カードからのデータの取得を行わないので、処理中のカード脱離に伴う各種不具合の発生を確実に防止できる。
さらに、本発明にあっては、カード離脱によるデジタル放送の受信に対する不具合の発生を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る電気機器に相当するデジタル放送の受信機能を備えた録画装置1の斜視図である。録画装置1は、直方体状の筐体2の前面2aにカードK(B−CASカード)の挿入用のスロット(挿入口)3を形成しており、スロット3の右横方にはカードKのエジェクト用のエジェクトボタン4(押込み釦に相当)を配置し、さらに、エジェクトボタン4の右横方にはエジェクトボタン4のロック用のスライド部材6(切替部材に相当)を水平方向に摺動可能に設けている。
【0018】
エジェクトボタン4は、図2にも示すように、筐体2の内部に配置されてスロット3から挿入されるカードKを収容する収容コネクタ7(収容部に相当)に併設されるエジェクト棒8(被押圧体に相当)とは別体で設けられている。そのため、エジェクトボタン4は、エジェクト棒8に束縛されることなく自由にデザインできるようになる。本実施形態では、エジェクトボタン4は筐体2の前面デザインに合わせて大型の正方形にされて筐体2の前面2aに設けた四角穴2bの中に配置され、筐体2のデザイン性の向上を図ると共に、エジェクトボタン4の操作性も高めている。なお、四角穴2bに配置されたエジェクトボタン4は、裏面4aの一部がエジェクト棒8の先端部8aと近接して対向する位置関係になっている(図2、図3(a)(b)参照)。
【0019】
また、エジェクトボタン4は、裏面4aの上下箇所よりブーメラン状の取付部9a、9bを夫々延出し、各取付部9a、9bを筐体2の内部に設けられた四角棒状の支持部材11の上下側面11b、11cにピン10で回動可能に取り付けている。よって、エジェクトボタン4は、各取付部9a、9bを介してピン10を中心に回動でき、筐体内へ押し込み可能にされている。なお、エジェクトボタン4の取付部9a、9bは図示しないバネにより付勢されており、それによりエジェクトボタン4はバネの反力に抗して押し込むようになっている。
【0020】
一方、スライド部材6は、所要の厚さを有する長板部16に凹状のガイド部17を組み合わせた形状で成形されており、支持部材11の前面11aに沿って直線状に摺動可能になっている。スライド部材6は、長板部16のエジェクトボタン4側になる一端部16aをエジェクトボタン4の押込みに干渉させる干渉部にしており、長板部16の前面16bにはレバー6a(突出部に相当)を突出している。このレバー6aは、スライド部材6が対向する筐体2のエジェクトボタン4の右横方となる箇所に形成した横長の矩形孔5を挿通して筐体2の外方へ突出する。矩形孔6aの長手方向の寸法は、スライド部材6の摺動範囲に対応しており、矩形孔6aでスライド部材6の摺動範囲を規制すると共に、レバー6aによりユーザがスライド部材6の容易に摺動操作をできるようにしている。
【0021】
また、スライド部材6のガイド部17は、長板部16のレバー6aが設けられた箇所付近から他端部16c側の範囲に設けられている。ガイド部17は、支持部材11の前面11aと当接する摺動面を有する摺動部17aと、摺動部17aの上下両端より支持部材11の上下側面11b、11cに当接するように突出する当接部17b、17cとを有し、全体的に凹状になっている。ガイド部17は、当接部17b、17cが支持部材11の上下側面11b、11cに当接することで摺動方向のズレを防止し、筐体2の前面2aと平行的な位置関係を維持してスムーズな摺動を実現している。
【0022】
なお、ガイド部17及び支持部材11には、スライド部材6が摺動範囲の両端で夫々位置決めされるように、緩やかな係合が行われるノッチと凸部がそれぞれに形成されている。また、スライド部材6のガイド部17は、上側の当接部17bの他端部16c側に板状の被検知部18を突出している。
【0023】
一方、スライド部材6を摺動させる支持部材11の上面11bには、スライド部材6がエジェクトボタン4から離反した側の摺動端に位置することを検知するリミットスイッチ20aを有するセンサ20を取り付けている。図3(b)に示すように、スライド部材6がエジェクトボタン4から離れた摺動端に位置する場合、センサ20のリミットスイッチ20aはスライド部材6の被検知部18により押し込まれ、センサ20がスライド部材6の位置の電気的に検知できるようにしている。
【0024】
なお、図2に示すように、収容コネクタ7は、カードKを挿入する開口7aが筐体2のスロット3に一致するように筐体2の内部に配置されており、収容されたカードKを離脱させるエジェクト機構に係るL字状片7bを後端から突出し、収容コネクタ7に併設されるエジェクト棒8の後端部8bと結合させている。そのため、エジェクト棒8が押圧によりカードKの挿入方向と同方向へ移動すると、L字状片7bが連動して収容コネクタ7のエジェクト機構を作動させ、収容されたカードKを離脱させる。
【0025】
次に、上述した構成のスライド部材6を摺動させることによりエジェクトボタン4をロック解除状態(押込み可能状態)と、ロック状態(押込み不可能状態)とに選択的に切り替える状況を説明する。
先ず、図2、図3(a)に示すように、スライド部材6がエジェクトボタン4側に摺動端に位置する場合、スライド部材6の長板部16の一端部16aが上下の取付部9a、9bの間を通過してエジェクトボタン4の裏面4a側に位置する。この場合、図3(a)に示すように、ユーザがエジェクトボタン4を押し込もうとしても、スライド部材6の一端部16aがエジェクトボタン4の裏面4aと当接して干渉し、エジェクトボタン4の押し込みが防止されてエジェクトボタン4はロック状態になる。
【0026】
図3(a)のロック状態から図3(b)に示すように、ユーザがレバー6aに指をかけてスライド部材6をエジェクトボタン4から離反する側の摺動端へ移動させると、スライド部材6の一端部6aがエジェクトボタン4から離れてエジェクトボタン4はロック解除状態になる。また、ロック解除状態では、センサ20のリミットスイッチ20aが被検知部18により押し込まれ、センサ20はスライド部材6がエジェクトボタン4から離反した摺動端に位置すること、即ちロック解除状態であることを検知する。
【0027】
ロック解除状態では、図4に示すように、ユーザによりエジェクトボタン4が押し込まれると、エジェクト棒8の先端部8aがエジェクトボタン4の裏面4aで押圧されてエジェクト棒8が図中の白矢印方向へ移動する。このエジェクト棒8の移動により収容コネクタ7のエジェクト機構が作動し、収容コネクタ7にカードKが収容されていれば、そのカードKを離脱する。
【0028】
図5は、本実施形態の録画装置1の主要な内部構成を示すブロック図である。録画装置1は、デジタル放送の放送波の受信処理を行うチューナ部21(受信手段に相当)、暗号化された放送波のデコード処理を行うデコード部22(放送波処理手段に相当)、外部の表示装置(テレビジョン装置等)と接続されて、デコードされた内容(放送番組)を外部の表示装置で表示するための処理を行う表示処理部23、デコードされた内容を図示しない記憶媒体に記憶すると共に記憶した内容を再生する処理を行う録画・再生処理部24、及び各種制御を行うCPU25を有する。
【0029】
CPU25は、ロック解除状態を検知するセンサ20と接続される共に、カードKを収容する収容コネクタ7とコネクタインタフェース部26を介して接続されている。なお、CPU25は、リモコン装置30からの操作指示を受け付けるリモコン受光部27、及び装置本体に設けられた操作部28とも接続されている。
【0030】
センサ20は検知手段に相当し、図3(b)に示すように、リミットスイッチ20aが被検知部18により押し込まれてロック解除状態を検知すると、検知信号をCPU25へ送る。コネクタインタフェース部26はデータ取得手段に相当し、CPU25の制御に基づき収容コネクタ7に収容されているカードKが記憶するデコード処理用のデータをカードKから読み出してCPU25へ伝送する処理を行う。
【0031】
また、CPU25は、図示しないメモリに記憶されたプログラムに基づき所要の制御処理を行っており、録画装置1の電源スイッチがオンされてユーザからリモコン装置30又は操作部28を介して指示を受け付けると、その指示に応じた作動を行うように各部21、22等に対する制御を行う。例えば、デジタル放送の所要チャンネルの番組を受信する指示を受け付けると、CPU25はチューナ部21で指示されたチャンネルの放送波を受信し、受信した放送波に係る暗号化された放送内容をデコードするためにカードKからコネクタインタフェース部26を介してデコード処理用のデータを読み出し、そのデータに基づきデコード部22でデコード処理を行わせる。なお、デコードした放送内容は表示処理部23又は録画・再生処理部24へ送られ、表示又は録画処理が行われる。
【0032】
本実施形態でCPU25が行う特徴的な処理としては、センサ20から検知信号が送られている間にユーザからデジタル放送の番組受信の指示を受け付けても、番組受信に係る処理を行わないことが挙げられる。即ち、センサ20から検知信号がCPU25へ送られていない場合、CPU25は通常通りにユーザから受け付けた指示通りに各種制御処理を行うが、一方、センサ20から送られる検知信号を受けている場合、CPU25はコネクタインタフェース部26でカードKからデコード処理用のデータを読み出すことを停止するように制御を行う。
【0033】
そのため、録画装置1は、センサ20から検知信号が送られると云うロック解除状態では、収容コネクタ7にカードKが収容されていてもデジタル放送に係るデコード処理が行えなくなる。デコード処理を行って正常な放送内容にするには、図3(a)に示すようにスライド部材6をエジェクトボタン4側の摺動端へ移動させてエジェクトボタン4をロック状態にし、センサ20からの検知信号がCPU25へ送られないようにする必要がある。ロック状態であれば、エジェクトボタン4は押し込めないので、デジタル放送の受信中に誤ってエジェクトボタン4が押されても収容コネクタ7のエジェクト機構が作動することはなく、カードKが離脱することもない。その結果、デジタル放送の番組録画が台無しになるような事態は未然に防止される。
【0034】
また、本実施形態の録画装置1は、ロック解除状態でユーザからデジタル放送の受信指示を受け付けた場合、ユーザにスライド部材6をエジェクトボタン4側へ移動させてロック状態にすることを促すために、図6に示す警告画面31を表示する処理を行うようにしている。警告画面31に係るデータは、図5に示さないメモリ部に予め記憶されており、CPU25がセンサ20からの検知信号を受けているときに、リモコン受光部27又は操作部28からデジタル放送受信の指示を受け付けると、メモリ部から警告画面31に係るデータを読み出して表示処理部23へ送り、表示処理部23は接続されている外部の表示装置へデータを出力し、警告画面31を表示させる。
【0035】
なお、録画装置1に係るエジェクトボタン4に係るロック機構は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、スライド部材6は、エジェクトボタン4と干渉する以外に、係止、係合する構成等を適用でき、スライド部材6の形状を変更しエジェクトボタン4の取付部9a、9bを係止すること、エジェクト棒8が動かないように係合する構成等も適用可能である。さらには、エジェクトボタン4のロック状態とロック解除状態とを切り替えるためには、摺動式のスライド部材6を必ず使用する必要はなく、押込み式の部材でエジェクトボタン4に対するロックの状態を切り替えるようにしてもよい。
【0036】
また、本発明は、録画装置以外にも、B−CASカードを挿入してデジタル放送を受信できるテレビジョン装置にも勿論適用可能であり、さらには、カードKがB−CASカード以外の他のカード、例えばメモリカード、通信カード等であれば、そのようなカードの挿入に対応した電気機器に広く適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る録画装置の斜視図である。
【図2】収容コネクタ、及びエジェクトボタン等に係る構成を示す拡大斜視図である。
【図3】(a)はエジェクトボタン4のロック状態を示す概略図、(b)はロック解除状態を示す概略図である。
【図4】ロック解除状態でエジェクトボタン4が押し込まれた状態を示す概略図である。
【図5】録画装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】警告画面を示す概略図である。
【符号の説明】
【0038】
1 録画装置
2 筐体
3 スロット
4 エジェクトボタン
5 矩形孔
6 スライド部材
6a レバー
7 収容コネクタ
8 エジェクト棒
11 支持部材
16 長板部
16a 一端部
20 センサ
K カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に形成した挿入口を通じて挿入されるカードを収容する収容部、及び該収容部に併設してある被押圧体を備え、該被押圧体が押圧されることに伴い前記収容部に収容されたカードを前記収容部から離脱するようにしてある電気機器において、
筐体内への押し込みが可能であり、押し込まれた場合に前記被押圧体を押圧するように前記被押圧体に対向配置してある押込み釦と、
該押込み釦を押込み可能状態又は押込み不可能状態に選択的に切り替える切替部材とを備えることを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記切替部材は、
直線状に移動することが可能であり、
移動範囲の一端側に位置する場合に前記押込み釦の押込みと干渉する干渉部を備える請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記切替部材は、前記筐体に対向するように配置してあり、
前記筐体は、前記切替部材と対向する箇所に前記移動範囲に応じた長さの孔を形成しており、
前記切替部材は、前記孔を通じて筐体の外方へ突出する突出部を備える請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記カードにはデータが記憶されており、
前記収容部に収容されたカードからデータを取得するデータ取得手段と、
前記押込み釦が押込み可能状態であるか否かを検知する検知手段と、
該検知手段が押込み可能状態であることを検知した場合、前記データ取得手段がデータを取得することを停止させる手段と
を備える請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の電気機器。
【請求項5】
前記カードにはデジタル放送の放送波に係る処理用のデータが記憶されており、
デジタル放送の放送波を受信する受信手段と、
該受信手段が受信した放送波に対する処理を前記データ取得手段が取得したデータに基づき行う放送波処理手段と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−92359(P2006−92359A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278317(P2004−278317)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】