説明

電気機器

【課題】複数種類いずれのタイプの充電式バッテリを装着した場合でも、ユーザの判別操作を行うことなく複数種類のいずれかのタイプかを自動的に判別して、充電式バッテリの給電可能な残容量をユーザに分かる状態とする。
【解決手段】電灯付きラジオ10はバッテリ識別スイッチ70を備えるので、複数種類となる2つの充電式バッテリ80のタイプのうちいずれのタイプの充電式バッテリ80であるかを識別することができる。また、電灯付きラジオ10はターミナル基板65を備えるので、バッテリ識別スイッチ70にて識別された充電式バッテリ80のタイプに対応して充電式バッテリの給電可能な残容量を算出することができる。また、電灯付きラジオ10は液晶画面部51を備えるので、ターミナル基板65にて算出された充電式バッテリ80の給電可能な残容量を外部に認識可能に出力することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源としてタイプが相違する複数種類の充電式バッテリを装着可能に構成される電気機器に関する。なお、このタイプが相違する複数種類の充電式バッテリとしては、例えば電動工具の電源として利用されるような複数種類の相違する定格電圧にて構成される電動工具用充電式バッテリ等が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電灯付きラジオ等の電気機器にあっては、電動工具の電源として利用される電動工具用充電式バッテリを電源として利用するものが知られている。この種の電動工具用充電式バッテリを電源として利用する電気機器は、装着された電動工具用充電式バッテリから供給される電力により駆動する。ところで、このような電動工具にあっては、利用分野により電動工具が出力する駆動力に大小の差がある。このため、このような電動工具に装着される電動工具用充電式バッテリは、大きな駆動力が得られるように給電する定格電圧が高く設定されるものや、コンパクト化を図るために給電する定格電圧が低く設定されるもの等、複数種類がある。なお、この電動工具用充電式バッテリを充電する充電器は、このように相違する複数種類の電動工具用充電式バッテリのいずれであっても、相違する複数種類の定格電圧に合わせて充電回路が切り替わって該電動工具用充電式バッテリを充電できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−119537号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、上記した電気機器にあっては、ユーザの作業効率の観点から、電動工具用充電式バッテリの給電可能な残容量を分かるようにしておきたい。そこで上記した電気機器にあっては、電動工具用充電式バッテリの給電可能な残容量を目視確認できるようにしたものが知られている。具体的には、電動工具用充電式バッテリの給電可能な残容量を算出する算出回路と、この算出回路により算出された給電残容量を表示する液晶画面とを備えた電気機器が知られている。このように構成された電気機器によれば、液晶画面にて算出回路により算出された給電残容量を表示して、電動工具用充電式バッテリが給電可能な残容量が分かるようになる。そうすると、この電動工具を使用するユーザは、装着している電動工具用充電式バッテリの交換タイミングを計ることができて有利である。
【0005】
しかしながら、上記したように複数種類の電動工具用充電式バッテリのいずれかを装着しようとすると、上記した算出回路は、この装着する電動工具用充電式バッテリの定格電圧に合わせた算出回路に設定することが要される。このため、装着する電動工具用充電式バッテリの定格電圧に合わせてユーザが算出回路の選択をするとなると、電動工具用充電式バッテリの定格電圧をユーザが判別してスイッチ操作をしなくてはならず、ユーザにとって手間がかかって不便なものとなってしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、電源としてタイプが相違する複数種類の充電式バッテリを装着可能に構成される電気機器であって、複数種類いずれのタイプの充電式バッテリを装着した場合でも、ユーザの判別操作を行うことなく複数種類のいずれかのタイプかを自動的に判別して、充電式バッテリの給電可能な残容量をユーザに分かる状態とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するにあたって、本発明に係る電気機器は次の手段をとる。
すなわち、本発明の第1の発明に係る電気機器は、電源としてタイプが相違する複数種類の充電式バッテリを装着可能に構成される電気機器であって、複数種類の前記充電式バッテリのタイプのうちいずれのタイプの該充電式バッテリであるかを識別するバッテリタイプ識別手段と、前記バッテリタイプ識別手段にて識別された前記充電式バッテリのタイプに対応して該充電式バッテリの給電可能な残容量を算出する残容量算出手段と、前記残容量算出手段にて算出された前記充電式バッテリの給電可能な残容量を外部に認識可能に出力する外部出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この第1の発明に係る電気機器によれば、バッテリタイプ識別手段を備えるので、複数種類の充電式バッテリのタイプのうちいずれのタイプの充電式バッテリであるかを識別することができる。また、この電気機器によれば、残容量算出手段を備えるので、バッテリタイプ識別手段にて識別された充電式バッテリのタイプに対応して充電式バッテリの給電可能な残容量を算出することができる。また、この電気機器によれば、外部出力手段を備えるので、残容量算出手段にて算出された充電式バッテリの給電可能な残容量を外部に認識可能に出力することができる。これによって、この第1の発明に係る電気機器によれば、いずれのタイプの充電式バッテリを装着した場合でも、この装着した充電式バッテリのタイプを識別し、この装着した充電式バッテリの給電可能な残容量を外部に認識可能な状態とする。もって、複数種類いずれのタイプの充電式バッテリを装着した場合でも、ユーザの判別操作を行うことなく複数種類のいずれかのタイプかを自動的に判別して、充電式バッテリの給電可能な残容量をユーザに分かる状態とすることができる。
【0009】
第2の発明に係る電気機器は、前記第1の発明に係る電気機器において、前記バッテリタイプ識別手段にて識別される前記充電式バッテリのタイプとしては、該充電式バッテリにより給電される定格電圧、該充電式バッテリに具備されるセルの数、該充電式バッテリに具備されるセルの材料等の、給電可能な残容量に影響を与える要素により、区分けされるタイプであることを特徴とする。
この第2の発明に係る電気機器によれば、識別される充電式バッテリのタイプとしては、充電式バッテリにより給電される定格電圧、充電式バッテリに具備されるセルの数、充電式バッテリに具備されるセルの材料等の、給電可能な残容量に影響を与える要素により、区分けされるタイプであるので、これら各種の給電可能な残容量に影響を与える要素により、区分けされたタイプの充電式バッテリを装着可能に構成される電気機器とすることができる。
【0010】
第3の発明に係る電気機器は、前記第1または前記第2の発明に係る電気機器において、前記バッテリタイプ識別手段は、該電気機器に対する前記充電式バッテリの装着に関する検出により、複数種類の前記充電式バッテリのタイプのうちいずれのタイプの該充電式バッテリであるかを識別するスイッチにて構成されることを特徴とする。
この第3の発明に係る電気機器によれば、バッテリタイプ識別手段は、電気機器に対する充電式バッテリの装着に関する検出により、複数種類の充電式バッテリのタイプのうちいずれのタイプの充電式バッテリであるかを識別するスイッチにて構成されるので、充電式バッテリの装着に関連付けて充電式バッテリのタイプを識別することができて、単純な構成とすることができる。
【0011】
第4の発明に係る電気機器は、前記第3の発明に係る電気機器において、前記電気機器に対する前記充電式バッテリの装着に関する検出は、前記充電式バッテリの装着動作に依存していることを特徴とする。
この第4の発明に係る電気機器によれば、電気機器に対する充電式バッテリの装着に関する検出は、充電式バッテリの装着動作に依存しているので、電気機器に対する充電式バッテリの装着に関する検出を、充電式バッテリの装着動作に応じたものとすることができる。これによって、スイッチの切替えが充電式バッテリの装着動作の動きを利用したものなるので、このスイッチの切替えを確実に行えることとなる。
【0012】
第5の発明に係る電気機器は、前記第4の発明に係る電気機器において、前記充電式バッテリの前記装着動作は、スライド動作方式であることを特徴とする。
この第5の発明に係る電気機器によれば、充電式バッテリの装着動作は、スライド動作方式であるので、スライド動作のストロークを利用して電気機器に対する充電式バッテリの装着に関する検出を行うことができる。これによって、スイッチの切替えがスライド動作のストロークを利用したものなるので、このスイッチの切替えを、さらに確実に行えることとなる。
【0013】
第6の発明に係る電気機器は、前記第2から前記第5のいずれかの発明に係る電気機器において、前記バッテリタイプ識別手段にて識別される前記充電式バッテリのタイプとしては、前記定格電圧が18Vである充電式バッテリと、前記定格電圧が14.4Vである充電式バッテリとの、2種類のタイプの充電式バッテリであることを特徴とする。
この第6の発明に係る電気機器によれば、バッテリタイプ識別手段にて識別される充電式バッテリのタイプとしては、定格電圧が18Vである充電式バッテリと、定格電圧が14.4Vである充電式バッテリとの、2種類のタイプの充電式バッテリであるので、これら2種類の定格電圧のタイプの充電式バッテリを装着する場合に、18Vまたは14.4Vの、いずれかの定格電圧の充電式バッテリであるかを識別することができる。
【0014】
第7の発明に係る電気機器は、前記第4から前記第6のいずれかの発明に係る電気機器において、前記スイッチは、該電気機器に対する前記充電式バッテリの装着動作時における、該電気機器に対する該充電式バッテリの電気接続の前に該電気機器に対する前記充電式バッテリの装着に関する検出ができるように、該充電式バッテリを装着する部分に設けられていることを特徴とする。
この第7の発明に係る電気機器によれば、スイッチは、電気機器に対する充電式バッテリの装着動作時における、電気機器に対する充電式バッテリの電気接続の前に電気機器に対する充電式バッテリの装着に関する検出ができるように、充電式バッテリを装着する部分に設けられているので、電気機器に対する充電式バッテリの電気接続の前にスイッチの切替えを行うことができる。これによって、この電気機器によれば、充電式バッテリから電気機器に給電する前に、いずれのタイプの充電式バッテリであるかを識別することができる。したがって、充電式バッテリから電気機器に給電する前に、該充電式バッテリの定格電圧に対応した回路を選択することができて、電気機器を構成する回路に対して過電圧をかけないようにすることができ、電気機器の機能を有利に確保することができる。また、このように充電式バッテリから電気機器に給電する前に該充電式バッテリの定格電圧に対応した回路を選択することができると、電気機器の誤作動も防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る電気機器によれば、複数種類いずれのタイプの充電式バッテリを装着した場合でも、ユーザの判別操作を行うことなく複数種類のいずれかのタイプかを自動的に判別して、充電式バッテリの給電可能な残容量をユーザに分かる状態とすることができる。
第2の発明に係る電気機器によれば、給電可能な残容量に影響を与える要素により区分けされたタイプの充電式バッテリを装着可能に構成される電気機器とすることができる。
第3の発明に係る電気機器によれば、充電式バッテリの装着に関連付けて充電式バッテリのタイプを識別することができて、単純な構成とすることができる。
第4の発明に係る電気機器によれば、スイッチの切替えが充電式バッテリの装着動作の動きを利用したものなるので、このスイッチの切替えを確実に行えることとなる。
第5の発明に係る電気機器によれば、スイッチの切替えがスライド動作のストロークを利用したものなるので、このスイッチの切替えを、さらに確実に行えることとなる。
第6の発明に係る電気機器によれば、18Vまたは14.4Vの、いずれかの定格電圧の充電式バッテリであるかを識別することができる。
第7の発明に係る電気機器によれば、充電式バッテリから電気機器に給電する前に、該充電式バッテリの定格電圧に対応した回路を選択することができて、電気機器を構成する回路に対して過電圧をかけないようにすることができる上、電気機器の誤作動も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電灯付きラジオの外観を斜視にて示す外観斜視図である。
【図2】機器本体のバッテリ装着部を見えるように示す外観斜視図である。
【図3】機器本体の内部構造を見えるように示す内部構造斜視図である。
【図4】液晶画面部を拡大して示す拡大図である。
【図5】給電する定格電圧が14.4Vに設定される充電式バッテリを装着した場合のバッテリ識別スイッチの作動状態を側面視にて示す一部切欠き断面図である。
【図6】給電する定格電圧が18Vに設定される充電式バッテリを装着した場合のバッテリ識別スイッチの非作動状態を側面視にて示す一部切欠き断面図である。
【図7】数値表示の例である液晶画面部を拡大して示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る電気機器を実施するための実施の形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。図1は、電灯付きラジオ10の外観を斜視にて示す外観斜視図である。図2は、機器本体15のバッテリ装着部60を見えるように示す外観斜視図である。図3は、機器本体15の内部構造を見えるように示す内部構造斜視図である。なお、以下の説明を分かり易くするために、図1等に示すとおりで機器本体15と充電式バッテリ80とを含む電灯付きラジオ10に関する前後上下左右を規定している。
この図1〜図3に示す電灯付きラジオ10は、本発明に係る電気機器の一例である。この電灯付きラジオ10は、電力を利用して、電灯とラジオとの双方の機能を発揮する電気機器である。このため、この電灯付きラジオ10は、これら双方の機能を発揮するための各種の構成を具備する機器本体15と、この機器本体15に装着させることにより電源として機能する充電式バッテリ80とを備えて構成されることとなっている。なお、図1は、機器本体15に充電式バッテリ80が装着された電灯付きラジオ10を図示するものであり、図2は、この機器本体15から充電式バッテリ80が取り外された電灯付きラジオ10の機器本体15の裏側を図示するものとなっている。
【0018】
次に、機器本体15の概略について説明する。この機器本体15には、上記したように後に詳述する充電式バッテリ80を装着可能とするバッテリ装着部60が設けられて構成される。すなわち、この電灯付きラジオ10の機器本体15は、図1等に示すように、概略、電灯部20と、ラジオ部40と、バッテリ装着部60とを備える。
電灯部20は、この電灯付きラジオ10の略上半分において構成されている。すなわち、図1に示すように、電灯部20は、概略、手握り部21と、操作スイッチ部25と、照射部31と、を備える。
手握り部21は、ユーザの手により握られる部分であり、適宜のグリップ形状にて形成されている。この手握り部21は、ユーザの手により手握りし易くなるように、適宜の滑り止め樹脂部材22が外装をなしながら配設されている。
操作スイッチ部25は、次に説明する照射部31への給電のオンオフ切替え可能に構成される。この操作スイッチ部25は、機器本体15の最上部であり上記した手握り部21の前側部に位置決められている。このため、この操作スイッチ部25は、上記した手握り部21を手握りした状態で握り手の親指で押下することができて、操作性に優れたものとなっている。すなわち、この操作スイッチ部25は、図3の内部構造でも示すように、いわゆる押下式の接点スイッチ26と、制御基板28とを備える。接点スイッチ26は、広く利用される機械式の接点スイッチであり、押下されるたびにオンオフが切り替わる。なお、この接点スイッチ26は、適宜に変形可能なゴムカバー体29により外周部分が被覆されている。接点スイッチ26は、このゴムカバー体29により接点スイッチ26側への防水機能が確保されている。また、制御基板28は、この接点スイッチ26の押下に基づくオンオフの切り替わりにより、照射部31への給電を制御するようになっている。
【0019】
照射部31は、被照射体に向けて照射するように点灯するものであり、照射方向が上下方向で変更することができるように首振り式の連結構造を有して構成される。この照射部31は、機器本体15の上側部かつ最前部に位置決められている。すなわち、照射部31は、図3の内部構造でも示すように、首振り連結部32と、照射ユニット35とを備える。首振り連結部32は、照射ユニット35を機器本体15に対して適宜に回動させるとともに、適宜の回動位置で照射ユニット35を支持するように構成される。このため、照射ユニット35の照射方向は、上下方向に向けた角度調節をすることができるようになっている。照射ユニット35は、ユーザにより上記した操作スイッチ部25をオンとした場合には電力が供給されて照射状態となり、上記した操作スイッチ部25をオフとした場合には電力の供給が遮断されて消灯状態となる。すなわち、照射ユニット35は、電力が供給されることにより点灯する不図示の点灯ランプと、この点灯ランプの点灯を集約して指向させる反射鏡部(図示符号37)とを備える。不図示の点灯ランプ部は、適宜のLED(light emitting diode)で構成されており、上記した制御基板28による給電の制御により点灯したり消灯したりする。反射鏡部37は、広く利用される反射鏡構造が利用されている。なお、この照射ユニット35は、点灯ランプ部の交換をし易くするために内部が簡単に開け閉めできるように、螺子回しカバー体38により蓋構造がなされている。
【0020】
ラジオ部40は、この電灯付きラジオ10の略下半分において構成されている。すなわち、図1に示すように、ラジオ部40は、概略、操作部41と、液晶画面部51と、出力スピーカ部56と、を備える。また、
操作部41は、概略、主たるラジオ部40の操作を行う主操作部42と、副たるラジオ部40の操作を行う副操作部43と、これら主操作部42および副操作部43からの操作入力にしたがって制御処理する制御基板47とを備える。すなわち、主操作部42は、ラジオ部40の給電のオンオフ切替えや、AM放送およびFM放送の周波数帯域の切替えをするものであり、機器本体15の上側の側面部分に配設されている。この主操作部42を一度押下すると、ラジオ部40に給電されないオフ状態からラジオ部40に給電するオン状態に切り替わるとともに、AM放送の周波数帯域が選択されるものとなっている。これに対して、この主操作部42を再び押下すると、ラジオ部40に給電するオン状態のまま、AM放送の周波数帯域からFM放送の周波数帯域に切り替わる。さらに、この主操作部42を再び押下すると、ラジオ部40に給電するオン状態のまま、FM放送の周波数帯域からAM放送の周波数帯域に切り替わる。そして、この主操作部42を長押しすると、ラジオ部40に給電するオン状態からラジオ部40に給電されないオフ状態に切り替わる。また、副操作部43は、概略、音量操作部44と、チューニング操作部45と、プリセット操作部46とを具備しており、機器本体15の略中間の側面部分に配設されている。具体的には、音量操作部44は、次に説明する出力スピーカ部56からの出力音量を調整する押下スイッチである。また、チューニング操作部45は、同一周波数帯域において周波数を段階調整するための押下スイッチである。また、プリセット操作部46は、予めセッティングされた周波数に瞬時にアクセスするための押下スイッチである。
これら主操作部42および副操作部43(音量操作部44、チューニング操作部45、プリセット操作部46)の操作は、制御基板47に入力される。このように入力された制御基板47は、主操作部42および副操作部43からの操作入力に基づいて適宜に制御処理し、この制御処理した処理内容を、液晶画面部51および出力スピーカ部56に入力する。なお、図示符号49は、AMアンテナである。このAMアンテナ49は、AM放送の周波数帯域を選択している場合に、AM放送の電波を受信する。
【0021】
液晶画面部51は、上記した制御基板47から入力される制御基板47の制御処理内容に基づき、外部に認識可能に表示出力するものである。つまり、液晶画面部51は、ラジオ部40のオン状態で機能している場合に、このラジオ部40に関する情報を表示出力する。このため、液晶画面部51は、上記した制御基板47の制御処理の処理内容が入力される表示制御基板52と、この表示制御基板52にて制御処理された処理内容に基づき、外部に認識可能に表示出力する表示液晶画面53とを備える。なお、表示液晶画面53は、広く利用される液晶パネルを具備して構成される。
図4は、表示液晶画面53を拡大して示す拡大図である。この表示液晶画面53は、4種類の情報を表示出力する。すなわち、表示液晶画面53における図示符号531は、AM放送およびFM放送のいずれの放送であるかを表示するものである。また、液晶画面部51における図示符号532は、現在選択されている周波数を表示するものである。また、液晶画面部51における図示符号533は、現在選択されているプリセット操作部36の操作番号を表示するものである。また、液晶画面部51における図示符号534は、後に詳述するが、充電式バッテリ80の給電可能な残容量を表示するものである。なお、この液晶画面部51は、後に詳述するが、外部に認識可能に表示出力する本発明に係る外部出力手段に相当する。
出力スピーカ部56は、上記した制御基板47から入力される制御基板47の制御処理内容に基づき、外部に音声出力する。つまり、出力スピーカ部56は、広く利用される不図示の増幅器と不図示の振動板とを具備して構成され、外部に音声出力するようになっている。この出力スピーカ部56は、照射部31(電灯部20)の下側であり、この電灯付きラジオ10の前面側に面するように配設されている。
【0022】
次に、バッテリ装着部60および充電式バッテリ80について説明する。なお、このバッテリ装着部60には、給電する定格電圧が14.4Vに設定される充電式バッテリ81と、給電する定格電圧が18Vに設定される充電式バッテリ86との2種類のタイプの充電式バッテリ80を装着可能に構成される。なお、バッテリ装着部60に対する充電式バッテリ81,86のスライド装着は、機器本体15の後ろから前に向けて充電式バッテリ81,86をスライド移動させることにより、バッテリ装着部60に対して充電式バッテリ81,86が装着されるようになっている。
この充電式バッテリ80(定格電圧14.4Vタイプの充電式バッテリ81,定格電圧18Vタイプの充電式バッテリ86)は、広く利用される電動工具の電源として、電動工具本体に装着される電動工具用充電式バッテリである。すなわち、これらの充電式バッテリ81,86は、充電された電力を給電することにより駆動モータを回転駆動させて利用する電動工具、すなわちドライバ、レンチ、ドリル、レシプロソー、チェーンソー、バンドソー、ジグソー、マルノコ、グラインダ、タッカ等の電力駆動の電動工具の電源として利用される電動工具用の充電式バッテリとなっている。
つまり、上記した給電する定格電圧が14.4Vに設定される充電式バッテリ81と、給電する定格電圧が18Vに設定される充電式バッテリ86とは、給電する定格電圧が相違することでタイプが区分けされるものである。また、これらの充電式バッテリ81,86は、この電灯付きラジオ10の機器本体15および電動工具本体(不図示)に対してスライド装着させるタイプの充電式バッテリである。このため、詳細に図示していないが、これらの充電式バッテリ81,86の双方は、ともにスライドガイド部82,87および係止フック構造体83,88が設けられている。すなわち、これらの充電式バッテリ81,86は、スライドガイド部82,87によって機器本体15に対するスライド装着が案内されるとともに、係止フック構造体83,88によって機器本体15に対するスライド装着状態が保持されることとなる。また、これらの充電式バッテリ81,86には、充電および給電するに際して、不図示の充電器、不図示の電動工具本体、上記した機器本体15等に電気的に接続するためのターミナル端子(不図示)が設けられている。
【0023】
すなわち、上記した機器本体15に設けられるバッテリ装着部60は、図2に示すように、概略、スライド装着ガイド部61と、接続ターミナル部63と、バッテリ識別スイッチ70とを備える。また、図5は、バッテリ装着部60に14.4Vの充電式バッテリ81を装着した場合のバッテリ識別スイッチ70の作動状態を側面視にて示す一部切欠き断面図である。また、図6は、バッテリ装着部60に18Vの充電式バッテリ86を装着した場合のバッテリ識別スイッチ70の非作動状態を側面視にて示す一部切欠き断面図である。スライド装着ガイド部61は、上記した定格電圧14.4Vの給電タイプの充電式バッテリ81および定格電圧18Vの給電タイプの充電式バッテリ86の、スライドガイド部82,87が嵌め合わされ、この状態で機器本体15に対する充電式バッテリ81,86のスライド装着を案内する。接続ターミナル部63は、上記した定格電圧14.4Vの給電タイプの充電式バッテリ81および定格電圧18Vの給電タイプの充電式バッテリ86の、ターミナル端子(不図示)が嵌め合わされるようになっている。なお、この接続ターミナル部63はリード板に形成された雄形をなしており、これに対してターミナル端子(不図示)はリード板が嵌入可能な雌形をなしている。つまり、このバッテリ装着部60に装着させる充電式バッテリ80(81,86)の装着動作は、機器本体15の前後方向でスライドさせることによるスライド動作方式となっている。なお、バッテリ装着部60に充電式バッテリ80(81,86)がスライド装着すると、係止フック構造体83,88が係止凹部62に嵌まってスライド装着完了状態となる。
【0024】
図5および図6に示すように、接続ターミナル部63は、ターミナル基板65に電気接続されている。つまり、充電式バッテリ80(81,86)の不図示のターミナル端子が接続ターミナル部63に電気接続された場合には、このターミナル端子を介してターミナル基板65に、充電式バッテリ80(81,86)に充電された電力が流れる通電可能状態となる。なお、このターミナル基板65は、特に図示していないが、定格電圧14.4Vの給電タイプの充電式バッテリ81と、定格電圧18Vの給電タイプの充電式バッテリ86とに応じて、回路が切り替えて制御処理できるように構成されている。つまり、このターミナル基板65は、本発明に係る残容量算出手段に相当し、次に詳述するバッテリ識別スイッチ70にて識別された充電式バッテリ80(81,86)の定格電圧(14.4V,18V)の2種類のタイプに応じて、この充電式バッテリ80(81,86)の給電可能な残容量を算出することができるように構成されている。なお、充電式バッテリ80(81,86)の定格電圧(14.4V,18V)の2種類のタイプに応じた給電可能な残容量を算出とは、2種類のタイプに適合した回路を選択することにより行われるものとなっている。ここで、この2種類の充電式バッテリ80(81,86)の定格電圧(14.4V,18V)のタイプに応じたそれぞれの回路は、それぞれの定格電圧(14.4V,18V)に応じた満充電(フル充電)の全容量を考慮して給電可能な残容量を算出するものとしている。また、図3等に示す符号66は、ターミナル基板65を冷却するためのヒートシンクである。
【0025】
次に、バッテリ識別スイッチ70について詳述する。
バッテリ識別スイッチ70は、本発明に係るバッテリタイプ識別手段に相当する。すなわち、バッテリ識別スイッチ70は、上記したように定格電圧14.4Vの給電タイプの充電式バッテリ81と、定格電圧18Vの給電タイプの充電式バッテリ86との、2種類の充電式バッテリ80のタイプのうちいずれのタイプであるかを識別する。すなわち、このバッテリ識別スイッチ70は、電灯付きラジオ10の機器本体15に対する充電式バッテリ81,86の装着に関する検出により、2種類の充電式バッテリ81,86のタイプのうちいずれのタイプの充電式バッテリ81,86であるかを識別するスイッチ構造にて構成される。
図5および図6の余白に図示する丸抜き図面は、このバッテリ識別スイッチ70に関する箇所を拡大して図示するものである。バッテリ識別スイッチ70は、この図5および図6の丸抜き図面で示すように、概略、接点スイッチ71と、接触進退部材75とを備える。接点スイッチ71は、上記した操作スイッチ部25にも配設される接点スイッチと略同様の機械式スイッチにて構成されている。すなわち、接点スイッチ71は、接触通電状態でスイッチオン状態となり、非接触非通電状態でスイッチオフ状態となる機械式スイッチにて構成されている。
【0026】
図5および図6の丸抜き図面で示すように、接点スイッチ71は、通電状態あるいは非通電状態を検出するスイッチ本体72と、上下動することによりスイッチ本体72を通電状態あるいは非通電状態に切り替えるスイッチレバー73とを備える。スイッチ本体72の内部には、通電状態をオンオフ切り替える接点構造が設けられている。スイッチレバー73は、この接点構造のオンオフ切替えを行うものである。すなわち、スイッチレバー73は、常態時に下側に位置するようになっている。このようにスイッチレバー73が下側位置に位置している場合には、スイッチ本体72の接点構造はオフ状態となり、スイッチ本体72は非通電状態となる。これとは逆に、スイッチレバー73が常態時の下側から上側に押されて該上側位置に位置している場合には、スイッチ本体72の接点構造はオン状態となり、スイッチ本体72は通電状態となる。なお、このようにスイッチ本体72の通電は、ターミナル基板65に向けて送られるものとなっている。つまり、ターミナル基板65は、スイッチ本体72の通電と非通電とを識別することにより、上記したように定格電圧14.4Vの給電タイプの充電式バッテリ81と、定格電圧18Vの給電タイプの充電式バッテリ86との、2種類の充電式バッテリ80のタイプのうちいずれのタイプであるかを識別するようになっている。具体的に言えば、ターミナル基板65は、スイッチ本体72が通電となっていると判断した場合には、定格電圧14.4Vの給電タイプの充電式バッテリ81が装着されていると識別し、スイッチ本体72が非通電となっていると判断した場合には、定格電圧18Vの給電タイプの充電式バッテリ86が装着されていると識別する。
【0027】
また、スイッチレバー73には、接触進退部材75が取り付けられている。図5および図6の丸抜き図面で示すように、接触進退部材75は、基端側(図示上端側)となる連接部76と、先端側(図示下端側)となるバッテリ接触部77とを具備する。連接部76は、スイッチレバー73と結合するようにスイッチレバー73に取り付けられている。このため、スイッチレバー73と接触進退部材75とは一体可動するようになっている。この接触進退部材75の先端側(図示下端側)は、バッテリ装着部60から外部に突き出すバッテリ接触部77として形成される。このバッテリ接触部77は、バッテリ装着部60において前後方向に延びた矩形溝となる突出孔79から外部に突き出すように形成されている。このバッテリ接触部77は、図示するように先端が尖った側面視逆三角形にて形成される。詳しく言えば、バッテリ接触部77は、充電式バッテリ80のスライド装着方向に沿った前後方向に面して勾配を有するように適宜の傾斜形状が形成されている。このように突出孔79から外部に突き出すように形成されるバッテリ接触部77は、充電式バッテリ81のスライドガイド部82が当てられる部分である。また、このバッテリ接触部77の傾斜形状は、充電式バッテリ81のスライドガイド部82がスライド装着方向で当たるように形成されている。
【0028】
具体的には、図5に示すように、充電式バッテリ81をバッテリ装着部60にスライド装着させた場合には、充電式バッテリ81のスライドガイド部82はバッテリ接触部77に後ろから前に向かうように当てられて、充電式バッテリ81はバッテリ装着部60にスライド装着される。そうすると、このバッテリ接触部77は上側に向けて移動させられて、接触進退部材75自体も上側位置に位置することとなる。これによってスイッチレバー73は、常態時の下側から上側に押されて該上側位置に位置し、スイッチ本体72の接点構造はオン状態となり、スイッチ本体72は通電状態となる。このようにスイッチ本体72が通電状態となると、ターミナル基板65は、スライド装着されている充電式バッテリ80を定格電圧14.4Vの給電タイプの充電式バッテリ81であると識別し、この定格電圧14.4Vに適合した回路を選択することとなる。次いで、このように適合した回路を選択したターミナル基板65(残容量算出手段)は、この適合した回路により算出された充電式バッテリ81の給電可能な残容量の情報を、上記した液晶画面部51に送ることとなる。そして、この液晶画面部51は、目視により外部に認識可能に表示出力することとなる。つまり、液晶画面部51における図示符号534により、充電式バッテリ81(80)の給電可能な残容量を、ユーザに目視可能に表示されるようになっている。なお、この給電可能な残容量は、図示符号534のとおりで給電可能な残容量を3段階で区分けして表示することができる3段階図柄表示となっている。
これとは逆に、図6に示すように、充電式バッテリ86をバッテリ装着部60にスライド装着させた場合には、充電式バッテリ86のスライドガイド部87はバッテリ接触部77に当てられることなく、充電式バッテリ86はバッテリ装着部60にスライド装着される。そうすると、このバッテリ接触部77は上側に向けて移動せずに接触進退部材75自体も常態時のままの下側位置に位置することとなる。これによってスイッチレバー73は、常態時のまま下側位置に位置したまま、スイッチ本体72の接点構造はオフ状態のまま、スイッチ本体72は非通電状態のままとなる。このようにスイッチ本体72が非電状態のままとなっていると、ターミナル基板65は、スライド装着されている充電式バッテリ80を定格電圧18Vの給電タイプの充電式バッテリ86であると識別し、この定格電圧18Vに適合した回路を選択することとなる。次いで、このように適合した回路を選択したターミナル基板65(残容量算出手段)は、この適合した回路により算出された充電式バッテリ86の給電可能な残容量の情報を、上記した液晶画面部51に送ることとなる。そして、この液晶画面部51は、目視により外部に認識可能に表示出力することとなる。つまり、液晶画面部51における図示符号534により、充電式バッテリ86(80)の給電可能な残容量を、ユーザに目視可能に表示されるようになっている。なお、この給電可能な残容量も、図示符号534のとおりで3段階表示となっている。
【0029】
なお、このバッテリ識別スイッチ70は、電灯付きラジオ10の機器本体15に対する充電式バッテリ80(81,86)の装着動作時における、機器本体15に対する充電式バッテリ80(81,86)の電気接続の前に、機器本体15に対する充電式バッテリ80(81,86)のスライド装着に関する検出ができるように、充電式バッテリ80(81,86)を装着するバッテリ装着部60に設けられている。具体的には、バッテリ識別スイッチ70の配設位置は、スライド移動する充電式バッテリ80(81,86)のターミナル端子84,89がバッテリ装着部60の接続ターミナル部63と電気接続される前に、充電式バッテリ81のスライドガイド部82に当たるようになっている。つまり、スイッチ本体72の通電状態および非通電状態によるターミナル基板65の充電式バッテリ80(81,86)の識別、ターミナル基板65による充電式バッテリ80(81,86)の定格電圧に適合した回路の選択、これらが完了した後に、スライド移動する充電式バッテリ80(81,86)のターミナル端子84,89が、バッテリ装着部60の接続ターミナル部63に電気接続されるようになっている。つまり、バッテリ識別スイッチ70は、充電式バッテリ80(81,86)のスライド装着動作に依存して、機器本体15に対する充電式バッテリ80(81,86)の装着に関する検出を行うこととなる。
【0030】
上記した電灯付きラジオ10によれば、バッテリ識別スイッチ70を備えるので、複数種類となる2つの充電式バッテリ80(81,86)のタイプのうちいずれのタイプの充電式バッテリ80(81,86)であるかを識別することができる。また、この電灯付きラジオ10によれば、ターミナル基板65を備えるので、バッテリ識別スイッチ70にて識別された充電式バッテリ80(81,86)のタイプに対応して充電式バッテリ80(81,86)の給電可能な残容量を算出することができる。また、この電灯付きラジオ10によれば、液晶画面部51を備えるので、ターミナル基板65にて算出された充電式バッテリ80(81,86)の給電可能な残容量を外部に認識可能に出力することができる。これによって、上記した電灯付きラジオ10によれば、いずれのタイプの充電式バッテリ80(81,86)を装着した場合でも、この装着した充電式バッテリ80(81,86)のタイプを識別し、この装着した充電式バッテリ80(81,86)の給電可能な残容量を外部に認識可能な状態とする。もって、複数種類いずれのタイプの充電式バッテリ80(81,86)を装着した場合でも、ユーザの判別操作を行うことなく複数種類のいずれかのタイプかを自動的に判別して、充電式バッテリ80(81,86)の給電可能な残容量をユーザに分かる状態とすることができる。
【0031】
また、上記した電灯付きラジオ10によれば、識別される充電式バッテリ80(81,86)のタイプとしては、充電式バッテリ80(81,86)により給電される定格電圧のタイプによるものであるので、給電可能な残容量に影響を与える要素により区分けされたタイプの充電式バッテリ80(81,86)を装着可能に構成される電灯付きラジオ10とすることができる。また、上記した電灯付きラジオ10によれば、バッテリ識別スイッチ70は、電灯付きラジオ10に対する充電式バッテリ80(81,86)の装着に関する検出により、複数種類の充電式バッテリ80(81,86)のタイプのうちいずれのタイプの充電式バッテリ80(81,86)であるかを識別するバッテリ識別スイッチ70にて構成されるので、充電式バッテリ80(81,86)の装着に関連付けて充電式バッテリ80(81,86)のタイプを識別することができて、単純な構成とすることができる。また、上記した電灯付きラジオ10によれば、電灯付きラジオ10の機器本体15に対する充電式バッテリ80(81,86)の装着に関する検出は、充電式バッテリ80(81,86)の装着動作に依存しているので、電灯付きラジオ10に対する充電式バッテリ80(81,86)の装着に関する検出を、充電式バッテリ80(81,86)の装着動作に応じたものとすることができる。これによって、バッテリ識別スイッチ70の切替えが充電式バッテリ80(81,86)の装着動作の動きを利用したものなるので、このバッテリ識別スイッチ70の切替えを確実に行えることとなる。また、上記した電灯付きラジオ10によれば、充電式バッテリ80(81,86)の装着動作は、スライド動作方式であるので、スライド動作のストロークを利用して電灯付きラジオ10に対する充電式バッテリ80(81,86)の装着に関する検出を行うことができる。これによって、バッテリ識別スイッチ70の切替えがスライド動作のストロークを利用したものなるので、このバッテリ識別スイッチ70の切替えを、さらに確実に行えることとなる。
【0032】
また、上記した電灯付きラジオ10によれば、バッテリ識別スイッチ70にて識別される充電式バッテリ80(81,86)のタイプとしては、定格電圧が14.4Vである充電式バッテリ81と、定格電圧が18Vである充電式バッテリ86との、2種類のタイプの充電式バッテリ80であるので、これら2種類の定格電圧のタイプの充電式バッテリ80(81,86)を装着する場合に、14.4Vまたは18Vの、いずれかの定格電圧の充電式バッテリ80であるかを識別することができる。
また、上記した電灯付きラジオ10によれば、バッテリ識別スイッチ70は、電灯付きラジオ10の機器本体15に対する充電式バッテリ80(81,86)の装着動作時における、電灯付きラジオ10の機器本体15に対する充電式バッテリ80(81,86)の電気接続の前に電灯付きラジオ10に対する充電式バッテリ80(81,86)の装着に関する検出ができるように、充電式バッテリ80(81,86)を装着する部分に設けられているので、電灯付きラジオ10の機器本体15に対する充電式バッテリ80(81,86)の電気接続の前にバッテリ識別スイッチ70の切替えを行うことができる。これによって、この電灯付きラジオ10によれば、充電式バッテリ80(81,86)から電灯付きラジオ10に給電する前に、いずれのタイプの充電式バッテリ80(81,86)であるかを識別することができる。したがって、充電式バッテリ80(81,86)から電灯付きラジオ10に給電する前に、該充電式バッテリ80(81,86)の定格電圧に対応した回路を選択することができて、電灯付きラジオ10を構成する回路に対して過電圧をかけないようにすることができ、電灯付きラジオ10の機能を有利に確保することができる。また、このように充電式バッテリ80(81,86)から電灯付きラジオ10に給電する前に該充電式バッテリ80(81,86)の定格電圧に対応した回路を選択することができると、電灯付きラジオ10の誤作動も防止することができる。つまり、上記したバッテリ装着部60に定格電圧14.4Vの充電式バッテリ81を装着する場合には、バッテリ識別スイッチ70のスイッチ本体72が通電状態となるまで、ターミナル基板65は、定格電圧18Vの充電式バッテリ81に適合した回路を選択していることとなる。このため、このような場合に充電式バッテリ81のターミナル端子84がバッテリ装着部60の接続ターミナル部63に電気接続してしまうと、ターミナル基板65が定格電圧18Vの充電式バッテリ81と誤認して作動しかねないこととなる。しかしながら、上記したバッテリ識別スイッチ70は、機器本体15に対する充電式バッテリ80の電気接続の前に定格電圧14.4Vの充電式バッテリ81であることの識別ができるようになっているので、このような誤認しての作動を防止することができることとなる。
【0033】
なお、本発明に係る電気機器にあっては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、次のように適宜個所を変更して構成するようにしてもよい。
例えば、上記した実施の形態にあっては、手持ちすることができる電灯付きラジオ10を、本発明に係る電気機器の例示として説明するものであった。しかしながら、本発明に係る電気機器としては、上記した電灯付きラジオ10の例に限定されることなく、例えば、携帯用の電動工具(携帯電気ドライバー)や、園芸工具(草刈機、生垣バリカン)や、携帯音楽プレーヤーを接続して大きな音を出力する音楽出力装置等、適宜の電気機器であってもよい。
また、上記した実施の形態における本発明に係るバッテリタイプ識別手段は、機械式スイッチとなる接点スイッチ71を具備するバッテリ識別スイッチ70にて構成されるものとなっていた。しかしながら、本発明に係るバッテリタイプ識別手段としては、これに限定されるものではなく、複数種類の充電式バッテリのタイプのうちいずれのタイプの充電式バッテリであるかを識別する機能を有するものであればよいものである。つまり、充電式バッテリが、該充電式バッテリの充電残量を検出する充電残量検出部と、該充電残量検出器により検出された該充電式バッテリの充電残量を制御信号として送信する送信部とを具備し、この送信された制御信号により複数種類の充電式バッテリのタイプのうちいずれのタイプの充電式バッテリであるかを識別するものであってもよい。
【0034】
また、上記した実施の形態にあっては、充電式バッテリ80(81,86)の給電可能な残容量を外部に認識可能に出力する外部出力手段として、液晶画面部51を例示して説明するものであった。しかしながら、本発明に係る外部出力手段としては、このように目視により外部に認識可能に出力する例示に限定されることなく、例えば適宜の点灯表示する表示出力であってよく、また例えば上記した出力スピーカ部56等にて音声出力するものであってもよく、充電式バッテリの給電可能な残容量を、外部に認識可能に表示出力あるいは音声出力のいずれかがなされればよいものである。
また、図4における符号534に示すように、上記した充電式バッテリ81(80)の給電可能な残容量は3段階図柄表示によるものとなっていた。しかしながら、本発明に係る給電可能な残容量の表示としては、このような3段階図柄表示に限定されることなく、4段階や5段階で区分けして表示する4段階図柄表示や5段階図柄表示によるものであってもよい。加えて言えば、本発明に係る給電可能な残容量の表示としては、このような段階的な図柄の表示によるものに限定されることなく、例えば図7に示すような数値表示によるものであってもよい。すなわち図7は、数値表示の例である液晶画面部51Aを拡大して示す拡大図である。図7に示す液晶画面部51Aは、充電式バッテリ81(80)の給電可能な残容量の数値表示の専用画面に切り替えた表示液晶画面53Aを示している。つまり表示液晶画面53Aは、図4に示す選択放送の種別(531)、図4に示す選択周波数の数値(532)、図4に示すプリセット操作番号の番号(533)等を表示出力することなく、給電可能な残容量の数値のみを表示出力するものとなっている。この表示液晶画面53Aにおける図示符号534Aは、充電式バッテリ81(80)の給電可能な残容量を、該充電式バッテリ81(80)の満充電に対してのパーセンテージ数値として表示するものである。この図示符号534Aのように、充電式バッテリ81(80)の給電可能な残容量をパーセンテージ数値により表示すると、上記した段階的な図柄の表示よりも、より詳細に充電式バッテリ81(80)の給電可能な残容量が分かる利点がある。なお、上記した実施の形態にあっては特に図示していないが、音量操作部44を押下すると、出力スピーカ部56からの出力音量を数値化して表示するように、表示液晶画面53は出力音量を数値表示の専用画面に切り替わるようになっている。
【0035】
また、上記した実施の形態にあっては、タイプが相違する複数種類の充電式バッテリとして、給電する定格電圧が相違することとなる2種類の充電式バッテリ80(81,86)を例示して説明するものであった。しかしながら、本発明に係る電源としてタイプが相違する複数種類の充電式バッテリとしては、この給電する定格電圧が相違する2種類の充電式バッテリ80(81,86)の例示に限定されることなく、充電式バッテリ80(81,86)に具備されるセルの数、充電式バッテリ80(81,86)に具備されるセルの材料等の、給電可能な残容量に影響を与える要素により区分けされるタイプであってもよい。加えて、充電式バッテリのタイプに関する種類数も、上記した2種類のみに限定されることなく、例えば3種類や4種類等の適宜の種類数のいずれのタイプかを識別するものであってもよい。具体的に言えば、上記したバッテリタイプ識別手段としてのバッテリタイプ識別スイッチ70は、バッテリ装着部60に1つ配設されるものであったが、本発明に係るバッテリタイプ識別手段は、このような数を限定するものではなく、例えば複数のバッテリタイプ識別スイッチ70が配設されるものであってもよい。また、このバッテリタイプ識別スイッチ70による検出としては、充電式バッテリ80のスライド装着の装着動作に依存することに限定されることなく、充電式バッテリ80の給電可能な残容量に影響を与える要素の情報を、残容量算出手段(ターミナル基板65)に向けて送信できるようにする制御可能な構成によるものであってもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 電灯付きラジオ(電気機器)
15 機器本体
20 電灯部
21 手握り部
22 滑り止め樹脂部材
25 操作スイッチ部
26 接点スイッチ
28 制御基板
29 ゴムカバー体
31 照射部
32 連結部
35 照射ユニット
36 プリセット操作部
37 反射鏡部
38 カバー体
40 ラジオ部
41 操作部
42 主操作部
43 副操作部
44 音量操作部
45 チューニング操作部
46 プリセット操作部
47 制御基板
49 AMアンテナ
51 液晶画面部(外部出力手段)
52 表示制御基板
53 表示液晶画面
56 出力スピーカ部
60 バッテリ装着部
61 スライド装着ガイド部
62 係止凹部
63 接続ターミナル部
65 ターミナル基板(残容量算出手段)
66 ヒートシンク
70 バッテリ識別スイッチ(バッテリタイプ識別手段)
71 接点スイッチ
72 スイッチ本体
73 スイッチレバー
75 接触進退部材
76 連接部
77 バッテリ接触部
79 突出孔
80 充電式バッテリ
81 定格電圧14.4Vの充電式バッテリ
86 定格電圧18Vの充電式バッテリ
82,87 スライドガイド部
83,88 係止フック構造体
84,89 ターミナル端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源としてタイプが相違する複数種類の充電式バッテリを装着可能に構成される電気機器であって、
複数種類の前記充電式バッテリのタイプのうちいずれのタイプの該充電式バッテリであるかを識別するバッテリタイプ識別手段と、
前記バッテリタイプ識別手段にて識別された前記充電式バッテリのタイプに対応して該充電式バッテリの給電可能な残容量を算出する残容量算出手段と、
前記残容量算出手段にて算出された前記充電式バッテリの給電可能な残容量を外部に認識可能に出力する外部出力手段と、を備えることを特徴とする電気機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電気機器において、
前記バッテリタイプ識別手段にて識別される前記充電式バッテリのタイプとしては、
該充電式バッテリにより給電される定格電圧、該充電式バッテリに具備されるセルの数、該充電式バッテリに具備されるセルの材料等の、給電可能な残容量に影響を与える要素により、区分けされるタイプであることを特徴とする電気機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電気機器において、
前記バッテリタイプ識別手段は、該電気機器に対する前記充電式バッテリの装着に関する検出により、複数種類の前記充電式バッテリのタイプのうちいずれのタイプの該充電式バッテリであるかを識別するスイッチにて構成されることを特徴とする電気機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電気機器において、
前記電気機器に対する前記充電式バッテリの装着に関する検出は、前記充電式バッテリの装着動作に依存していることを特徴とする電気機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電気機器において、
前記充電式バッテリの前記装着動作は、スライド動作方式であることを特徴とする電気機器。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれかに記載の電気機器において、
前記バッテリタイプ識別手段にて識別される前記充電式バッテリのタイプとしては、
前記定格電圧が18Vである充電式バッテリと、前記定格電圧が14.4Vである充電式バッテリとの、2種類のタイプの充電式バッテリであることを特徴とする電気機器。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれかに記載の電気機器において、
前記スイッチは、該電気機器に対する前記充電式バッテリの装着動作時における、該電気機器に対する該充電式バッテリの電気接続の前に該電気機器に対する前記充電式バッテリの装着に関する検出ができるように、該充電式バッテリを装着する部分に設けられていることを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−70504(P2013−70504A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206990(P2011−206990)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】