説明

電気負荷制御装置

【課題】 複数の電気機器の動作タイミングを制御し、電力供給装置を安定運用する電気負荷制御装置を提供する。
【解決手段】 電気を供給するタイミングを制御するタイミング信号を周期的に発生するタイミング発生器と、入力されるタイミング信号と、それぞれの電気機器を識別するため設定された基準レベル信号と、を比較し、一致したときに一致信号を出力する検出回路と、一致信号により導通する導通スイッチと、電気機器をオンオフさせる操作スイッチと、を備え、複数の電気機器のうち、操作者により操作スイッチがオンされた電気機器は、該電気機器に備えられた検出回路が一致信号を出力するタイミングで、導通スイッチが導通し、電気を供給する電気負荷制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気負荷制御装置に関し、特に複数の電気機器に対して電気を供給するタイミングを制御する電気負荷制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
単一の電力供給装置に複数の電気機器を接続し、動作させる場合には、これらの複数の電気機器は、それぞれが必要に応じて動作開始することから、必然的に非同期に動作開始することになる。そのため、2台以上の電気機器が同時に動作を開始することがある。この様子を図6に示す。図6の上段は、10Aの電流を消費する機器Aと、5Aの電流を消費する機器Bが異なるタイミングで動作を開始した状態を示している。一方、図6の下段は、10Aの電流を消費する機器Aと、5Aの電流を消費する機器Bが同時に動作開始した場合を示している。同時に動作開始した場合には、電力供給装置は電流ゼロからいきなり15Aの電流を供給することになる。
【0003】
このように、機器Aと機器Bが同時に動作開始する場合としては、操作者によって同時にオン状態にされた時である。また操作者の操作が同時でなくても、機器内部に有する制御装置の動作遅れにより結果として機器Aと機器Bが同時に動作を開始する場合がある。このように複数の電気機器が同時に動作開始した場合には、1つの電力供給装置は電流ゼロからいきなり15Aの電流を供給することになる。このような場合、電力供給装置にとって瞬時に供給電流が多大に変化することになり、出力電力の変動やバッテリーなどの電力供給機器の劣化また、これらを防ぐための保護機器の追加によるコストの増大を招くという問題を抱えることになる。
【0004】
これを解決するための手段として特許文献1(特開2002−264637号公報)には、複数の電気負荷に対して異なるタイミングで電力供給開始、または停止する電気負荷制御装置を具備し、複数の機器の同時動作及び停止を無くし、電力の急激な変化を制御する技術が開示されている。また、特許文献2(特開2007−099065号公報)には、複数の負荷装置に対し同時に作動要求があった場合、制御装置が予め定められた優先順位に従い、作動、非作動を制御することで、電力の急激な変化を制御する技術が開示されている。
【0005】
これらの提案を簡単に示したものを図7に示す。これらの先行特許文献においては、負荷の作動を集中的に制御する制御装置を必ず具備している。さらに負荷となる複数の電気機器のそれぞれに対して所望の制御を行うため、複数の電気機器と制御装置とは予め専用の配線により接続されている。そのため、例えば、標準では搭載されない機器(図7の機器E)がオプションで追加になる場合を考慮した制御を具備する必要がある。そのため、複数の電気機器の搭載、非搭載の組み合わせ種類、また電気機器そのものの種類の違いなどにより、予め制御装置に具備しなければならない制御方式が複雑になるという課題を有している。
【0006】
また、制御装置が制御することを前提としているため、例えばルームランプのような操作者がスイッチを押して点灯させるだけの単純な電気機器においても、同様な制御方式が必要になる。操作者がルームランプのスイッチを押して点灯させる場合、一旦スイッチの情報を制御部に通知して、その上で制御装置がルームランプの点灯を行うなどの必要がある。図7の機器C、機器Dに示されるように機器から制御装置へ、制御装置から機器への配線や回路が複雑になり、単機能の電気機器にさえマイコンのような高価な制御回路を必要とするという欠点がある。
【0007】
また特許文献3(特開2008−252961号公報)では、例えば、移動体通信システムにおける無線基地局のように、電力供給タイミングを電源装置側で一括管理する技術が開示されている。特許文献3では、電源装置側からの制御信号により電力供給タイミングを遅延させることで、電力供給タイミングを重ならないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−264637号公報
【特許文献2】特開2007−099065号公報
【特許文献3】特開2008−252961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記したように、単一の電力供給装置から複数の電気機器を駆動する場合には、複数の電気機器が同時動作することがある。複数の電気機器が同時動作した場合には、電力供給装置から、瞬時に大きな電流が供給されることで、電力供給装置の安定運用ができなくなるという問題がある。また安定運用するための電気負荷制御装置が複雑で、高価になるという問題もある。
【0010】
本発明は、簡単な構成で、複数の電気機器の動作タイミングを制御し、電力供給装置を安定運用できる電気負荷制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの観点によれば、電力供給装置から複数の電気機器に電気を供給する電気システムにおいて、前記複数の電気機器に電気を供給するタイミングを制御するタイミング信号を周期的に発生するタイミング発生器と、前記複数の電気機器のそれぞれは、前記タイミング信号と、それぞれの電気機器を識別するために設定された基準レベル信号と、を比較し、一致したときに一致信号を出力する検出回路と、前記一致信号により導通する導通スイッチと、電気機器をオンオフさせる操作スイッチと、を備え、前記複数の電気機器のうち、操作者により前記操作スイッチがオンされた電気機器に、該電気機器に備えられた検出回路が一致信号を出力するタイミングで、導通スイッチが導通し、電力供給装置から電気が供給される電気負荷制御装置が得られる。
【0012】
本発明の他の観点によれば、電力供給装置から複数の電気機器に電気を供給するように構成された電気システムにおいて、タイミング発生器が前記複数の電気機器に電気を供給するタイミングを制御するタイミング信号を周期的に発生させ、検出回路が前記タイミング信号と前記複数の電気機器のそれぞれに設定された基準レベル信号と一致したときに一致信号を出力し、前記複数の電気機器のなかの特定の電気機器の操作スイッチが電気システムの操作者によりオン状態にされている場合には、前記特定の電気機器の検出回路からの一致信号により導通スイッチが導通し、前記特定の電気機器に電力供給装置から電気が供給され、前記特定の電気機器の操作スイッチがオフ状態の場合には、前記特定の電気機器に電気が供給されない電気負荷制御方法が得られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電力供給装置を安定運用できる電気負荷制御装置が得られ、以下に記載するような効果を有する。第1の効果は、電力供給装置に接続される電気機器への電気供給タイミングを同時にならないように制御する事が可能となることである。第2の効果は、これらを制御する上で、高価で複雑な制御装置などを必要としないことである。第3の効果は、単一の制御線で制御が可能であり、複雑な配線を必要としない。第4の効果は、機器の増設などした場合でも複雑な追加制御など必要とせず、容易に同様の効果を得ることが可能であることである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電気システムにおける電気負荷制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るタイミング信号の一例であるパルス波形図である。
【図3】本発明に係る電気機器の一例であるブロック図である。
【図4】本発明における電気機器への電気供給を説明するタイミング図である。
【図5】本発明に係るタイミング信号の他の例であるパルス波形図である。
【図6】電気機器の動作開始に伴う電力供給装置から供給される電流値の変化を示す図である。
【図7】従来の電気システムにおける電気負荷制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1には本発明の一実施形態に係る電気システムにおける電気負荷制御装置の構成を示すブロック図を示す。図2には、タイミング発生回路から出力されるタイミング信号の一例であるパルス波形図を示す。図3には、電気機器のブロック部の一例を示す。図4には、本発明における電気機器への電気供給を説明するタイミング図である。図5には、タイミング信号の他の例であるパルス波形図を示す。
【0016】
図1に示す電気システムは、タイミング信号発生器1、共通バス配線2、電力供給装置3、標準装備電気機器群4(機器A〜D)、オプション装備電気機器群5(機器E)から構成されている。
【0017】
タイミング信号発生器1は、複数の電気機器のそれぞれを識別するためのタイミング信号を出力する。このタイミング信号は、例えば図2示されるような周期信号である。共通バス配線2は、タイミング信号発生器1からのタイミング信号を複数の電気機器のそれぞれに伝達する共通の配線である。電力供給装置3は、標準装備電気機器群4及びオプション装備電気機器群5のそれぞれの電気機器を動作させるための電力を供給する。車を例に取れば発電装置であるオルタネーター並びにバッテリーに相当し、電気機器を接続する電源線として「+(プラス)」と「−(マイナス)」の配線を具備する。標準装備電気機器群4は、電気システムに標準として装備される電気機器である。オプション装備電気機器群5は、電気システムにオプションとして装備される電気機器である。
【0018】
図2には、タイミング発生回路から出力されるタイミング信号の一例である周期毎(T)に電圧レベルが異なるパルス波形図を示す。本実施例では、パルス周期(T)で各パルスの電圧レベルはv、vの2倍、vの3倍と変化とし、n種類の電圧レベルのパルスを全周期nT時間で繰り返すものとする。このnは自然数であり、図1で示される「機器A〜E」の数以上であり、機器Eのようなオプションで追加される機器が更に予測される場合は、余裕をもって数を設定しておくものとする。ここで周期毎(T)におけるそれぞれの電圧レベルは、機器A〜Eのそれぞれを識別するために割り付けられた機器固有の電圧レベルである。例えば、機器Aには電圧レベルv、機器Bには2v、機器Cには3v、機器Cには4v、オプションの機器Eにはnvの電圧レベルが、割り付けられているとする。
【0019】
図3は図1の機器A〜Eの一例であり、本実施例で示した図2のタイミング信号を検出する検出回路と、その動作例として電灯器(ランプ)を用いて説明するものである。電気機器は、コンパレータ6a、6b、排他的論理和回路7からなる検出回路と、操作スイッチ8と、サイリスタ9と、ランプ10から構成されている。コンパレータ6a及び6bにはタイミング発生器から出力されるタイミング信号と、基準電圧Vref−H及び基準電圧Vref−Lとが入力され、タイミング信号の電圧レベルと、基準電圧Vref−H及び基準電圧Vref−Lの電圧レベルが比較される。基準電圧Vref−H及び基準電圧Vref−Lは、タイミング信号のうち機器それぞれを識別するために割り付けられた機器固有の電圧レベルを検出するための基準レベル信号であり、それぞれの機器毎に、設定される。
【0020】
コンパレータ6a及び6bの出力は排他的論理和ゲート回路7に入力され、コンパレータ6a及び6bの出力が不一致の場合に、排他的論理和ゲート回路7からハイレベルが出力される。排他的論理和ゲート回路7からの出力は、サイリスタ9に入力され、出力がハイレベルの場合、サイリスタ9がターンオンする。操作スイッチ8は、電気システムの操作者がそれぞれの電気機器を動作させるためのオン/オフ操作に使用される。ランプ10は電気機器であり、電力供給装置3から電気が供給される機器である。このように電力供給装置3のプラス端子とマイナス端子との間に、操作スイッチ8とサイリスタ9とランプ10が直列に接続されている。操作スイッチ8がオンで、サイリスタ9がターンオンしたときに、電力供給装置3のプラス端子がランプに接続され、ランプに電気が供給され、ランプが点灯する。
【0021】
図4に、図3の電気機器への電気供給を説明するタイミング図を示す。図4には、タイミング信号、コンパレータの出力、排他的論理和ゲート(Ex−ORゲート)出力、操作スイッチのオン/オフ状態、電気機器(ランプ)の点灯/消灯状態を示す波形をそれぞれ示している。図1〜4を参照して、電気システムにおける電気負荷制御装置の動作について説明する。図1に示す通り、本発明が具備するタイミング発生器1は図2に示す周期(T)毎のn種類の電圧レベルの信号パルスを、周期nTで繰り返し出力する。図1において機器A〜Dは、共通バス配線2により、タイミング発生器1と接続される。以下においては、例として、電気機器Cはランプであり、ランプに割り付けられた機器固有の電圧レベルは3vであるとして説明する。
【0022】
図3のコンパレータ6a、6bのマイナス端子には、それぞれ基準電圧 Vref−L と Vref-H が入力される。基準電圧 Vref−L と Vref-H は、図4で示されるように、あらかじめ設定されているものとする。タイミング信号の電圧レベル3vを検出するため、基準電圧 Vref−Lは電圧レベル3vよりも低い電圧であり、基準電圧 Vref−Hは電圧レベル3vよりも高い電圧である。基準電圧Vref−Lの電圧レベルは、タイミング発生器の出力するパルス電圧2vより大きく、3vより小さい値である(2v>Vref-L>3v)。基準電圧Vref−Hの電圧レベルは、タイミング発生器の出力するパルス電圧3vより大きく、4vより小さい値である(3v>Vref-H>4v)。このように、基準レベル信号である基準電圧 Vref−L、あるいは Vref-H としては、対応するタイミング信号の電圧レベルよりわずかに低く、あるいは高い電圧レベルがそれぞれ設定される。
【0023】
図4に示す通り、コンパレータ6aの出力はタイミング信号がv、2vの場合にはローレベル、基準電圧Vref-Lより大きい電圧レベル(3v以上)が入力された場合だけ、ハイレベルを出力する。一方コンパレータ6bの出力は、タイミング信号がv、2v、3vの場合にはローレベル、Vref-Hより大きい電圧レベル(4v以上)が入力された場合だけハイレベルを出力する。コンパレータ6a、6bの後段に接続された排他論理和ゲート(Ex-ORゲート)は入力論理が異なる場合のみハイレベルを出力する。基準レベル信号として基準電圧 Vref−L(2v>Vref-L>3v)と、Vref-H(3v>Vref-H>4v)とが設定された電気機器Cでは、タイミング信号の電圧レベル3vのパルス信号のみに対応して、Ex-ORゲートから、ハイレベルが出力される。
【0024】
電気機器Cでは、タイミング信号の電圧レベル3vのパルス信号のみに対応して、Ex-ORゲートから、ハイレベルが出力される。Ex-ORゲートからのハイレベル信号は、サイリスタをターンオンする。このようにそれぞれの電気機器には、割り付けられた特定の電圧レベルのみに対応して、Ex-ORゲートからハイレベルが出力できるように、基準レベル信号がそれぞれの機器に設定される。そのためそれぞれの電気機器は、入力されたタイミング信号と、設定された基準レベル信号とが比較され、割り付けられた特定の電圧レベルの時のみ、Ex-ORゲートからハイレベルを出力し、それ以外の電圧レベルではEx-ORゲートからローレベルを出力する。従ってそれぞれの機器のEx-ORゲートがハイレベルを出力するタイミングは異なり、一致しないことになる。
【0025】
ここで、ランプ10 に接続された操作スイッチ8を操作者が不特定なタイミングでオンした場合、オンした瞬間にはサイリスタ9がオン状態ではないため、電気が供給されず、ランプは点灯せず、電力は消費されない。しかし、その後にタイミング発生器から出力された電圧レベル3vのパルス信号に同期して、Ex−ORゲートがハイレベルになり、サイリスタ6がターンオンし、ランプ10には電力供給装置のプラス端子、マイナス端子が接続され、ランプが点灯する。
【0026】
このような回路を電気機器A〜Dに具備し、電気機器A〜Dにはそれぞれ対応する固有の特定電圧を割り当てる。割り当てられた電圧レベルに対応するように基準レベル信号として基準電圧Vref-H、Vref-Lの電圧レベルを各々で変更して、コンパレータに供給する。このようにタイミング発生器から出力されるn種類の電圧レベルを、電気機器に各々割り当てることで、電気機器A〜Dは異なるタイミングで、電源をオンする事が可能となる。ここで、機器Eのように標準では接続されない機器があった場合でも、あらかじめタイミング発生器の出力するパルスの種類nを接続が予測される機器数より多くとっておく。このようにすることで、特別な制御や配線を必要とせず、その後オプションとして追加される機器Eにおいても、同様に動作させることが可能であり、効果を得ることが可能となる。
【0027】
また図5には、タイミング信号の他の例であるパルス波形図を示す。本特許の構成手段であるタイミング発生器の出力信号は、図2に示すようなものだけでなく、周期的に異なる波形を出力すれば、同様の効果を得ることは可能である。図5(A)は、一定の周期(T)におけるパルス幅が、t〜ntのn種類のパルス幅を有するパルス信号をnTの周期で繰り返しているタイミング信号である。また図5(B)は、一定の周期(T)におけるパルスの周波数が、nf〜fのn種類の周波数を有するパルス信号をnTの周期で繰り返しているタイミング信号である。これらの波形の場合、実施例図3に示す検出回路は電圧レベルでなく、パルス幅或いは周波数を検出する回路に変更されるが、これらの検出回路の具体的手段は、容易に構成できることからその説明を省略する。
【0028】
本実施例では、図3のような簡単な検出回路を電気機器に追加することで、電源をオンするタイミングを生成することが可能である。しかしながら、車載ナビゲーションシステムのように複雑な機器の場合、あらかじめ機器内部に制御装置が組み込まれていることが一般的であり、これら組み込まれている制御装置を検出回路として利用することも可能である。そのように機器内部に制御装置が組み込まれている場合は、タイミング発生回路からのタイミング信号を組み込まれている制御装置の検出回路に接続するだけで、容易に構成することができる。
【0029】
本発明の電気負荷制御装置は、共通の電力供給装置から複数の電気機器へ電気を供給するタイミングを制御することができる。電気負荷制御装置は、タイミング発生手段と、共通バス配線と、それぞれの電気機器に備えられた検出回路と、導通スイッチと、操作スイッチと、から構成される。タイミング発生手段は、各電器機器に電気を供給するタイミングを制御するタイミング信号を発生する。共通バス配線は、タイミング発生器からのタイミング信号を複数の電気機器全てに接続する。検出回路は、タイミング信号と、それぞれの電気機器を識別するために設定された固有の基準レベル信号と、を比較し、一致したときに一致信号を出力する。導通スイッチは、検出回路からの一致信号により導通する。操作スイッチは電気システムの操作者が電気機器をオンオフさせるためのスイッチである。複数の電気機器のうち、操作者により操作スイッチがオンされた電気機器は、該電気機器に備えられた検出回路が一致信号を出力するタイミングで、導通スイッチが導通し、電気が供給されることになる。
【0030】
複数の電気機器の検出回路のそれぞれに固有の基準レベル信号を設定することで、検出回路からの一致信号が出力されるタイミングを異ならせることができる。この一致信号を使って、電気機器に電気を供給するタイミングを制御することで、複数の機器が同時に動作を開始することを制御する電気負荷制御装置が得られる。電気負荷制御装置により複数の機器の動作開始を異ならせることで、電力供給装置の出力電力の変動やバッテリーなどの電力供給機器の劣化を防止でき、安定運用可能な電力供給装置が得られる。本発明によれば、簡単な構成で、複数の電気機器の動作タイミングを制御し、電力供給装置を安定運用できる電気負荷制御装置、及び電気負荷制御方法が得られる。
【0031】
以上、実施形態例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施形態例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 タイミング発生回路
2 共通バス配線
3 電力供給装置
4 標準装備電気機器群
5 オプション装備電気機器群
6a、6b コンパレータ
8 操作スイッチ
9 サイリスタ
10 電気機器(ランプ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給装置から複数の電気機器に電気を供給する電気システムにおける電気負荷制御装置は、前記複数の電気機器に電気を供給するタイミングを制御するタイミング信号を周期的に発生するタイミング発生器と、
前記複数の電気機器のそれぞれは、前記タイミング信号と、それぞれの電気機器を識別するために設定された基準レベル信号と、を比較し、一致したときに一致信号を出力する検出回路と、前記一致信号により導通する導通スイッチと、電気機器をオンオフさせる操作スイッチと、を備え、
前記複数の電気機器のうち、操作者により前記操作スイッチがオンされた電気機器に、該電気機器に備えられた検出回路が一致信号を出力するタイミングで、導通スイッチが導通し、電力供給装置から電気が供給されることを特徴とする電気負荷制御装置。
【請求項2】
前記タイミング発生回路から出力されるタイミング信号は、共通の信号バス配線により前記複数の電気機器のそれぞれに供給されることを特徴とする請求項1に記載の電気負荷制御装置。
【請求項3】
前記タイミング発生回路は、タイミング信号を周期毎に、出力することを特徴とする請求項1または2に記載の電気負荷制御装置。
【請求項4】
前記導通スイッチはサイリスタであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気負荷制御装置。
【請求項5】
前記タイミング信号は、異なる電圧レベルを有するパルス信号であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気負荷制御装置。
【請求項6】
前記タイミング信号は、異なるパルス幅を有するパルス信号であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気負荷制御装置。
【請求項7】
前記タイミング信号は、異なる周波数帯のパルス信号であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気負荷制御装置。
【請求項8】
電力供給装置から複数の電気機器に電気を供給するように構成された電気システムにおける電気負荷制御方法は、タイミング発生器が前記複数の電気機器に電気を供給するタイミングを制御するタイミング信号を周期的に発生させ、検出回路が前記タイミング信号と前記複数の電気機器のそれぞれに設定された基準レベル信号と一致したときに一致信号を出力し、
前記複数の電気機器のなかの特定の電気機器の操作スイッチが電気システムの操作者によりオン状態にされている場合には、前記特定の電気機器の検出回路からの一致信号により導通スイッチが導通し、前記特定の電気機器に電力供給装置から電気が供給され、
前記特定の電気機器の操作スイッチがオフ状態の場合には、前記特定の電気機器に電気が供給されないことを特徴とする電気負荷制御方法。
【請求項9】
前記タイミング信号は、異なる電圧レベルを有するパルス信号であることを特徴とする請求項8に記載の電気負荷制御方法。
【請求項10】
前記タイミング信号は、異なるパルス幅を有するパルス信号であることを特徴とする請求項8に記載の電気負荷制御方法。
【請求項11】
前記タイミング信号は、異なる周波数帯のパルス信号であることを特徴とする請求項8に記載の電気負荷制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−103710(P2011−103710A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257098(P2009−257098)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】