電気鍍金組成物及び電気鍍金方法
半導体ウエハ等の製造過程のミクロ電子加工物における凹設された微細構造体を金属化により充填する電気鍍金組成物及び方法を開示する。電気鍍金組成物は銅及び硫酸の混合物を含むことができ、銅濃度と硫酸濃度の比が約0.3〜約0.8である。また、開示された電気鍍金組成物は、硫酸濃度が約65〜約150g/L(溶液1リットル当たりのグラム数)であるとき、銅濃度がその溶解度の限界近くにある銅及び硫酸の混合物を含むことができる。かかる電気鍍金組成物は、また、促進剤、抑制剤、ハライド及び/又は平滑剤等の慣用の添加剤を含むことができる。製造過程の半導体加工物に形成された溝及び/又はコンタクトホール等の要点内に、導電性材料を電気化学的に析出させる方法が開示され、開示された電気鍍金溶液を使用する複数の陽極反応器の利用に適した方法を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)本出願は、2003年10月16日出願の米国特許出願第10/688,420号の優先権を主張し、その全体が参照により組込まれる。(技術分野)本発明は、全般的に、半導体加工物(semiconductor workpieces)に形成された溝及び/又はコンタクトホール等の要点(features)内に、導電性材料を析出させる電気鍍金組成物(electroplating compositions and methods)及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ又は半導体ウエハ基板等のミクロ電子加工物からの半導体集積回路及びその他のミクロ電子品の製造においては、加工物(workpieces)に金属層を設け、集積回路上の各種の素子を電気的に相互接続する、相互接続金属化(interconnect metallization)が、しばしば必要である。電気的相互接続は、従来から、スパッタリング又は同様の技術により、半導体加工物(例えば、ウエハ)表面に導電層を最初に堆積させることによって半導体素子に形成されてきた。導電層の不必要な部分は、ホォトレジスト等から形成されるパターンマスクを用いて、化学的ドライエッチング法により除去される。以前の素子(devices)においては、配線回路の形成にアルミニウム又はアルミニウム合金が使用されていた。しかし、益々複雑化する半導体素子に対応するために、半導体素子の配線を益々小さくしなければならなかった。これは、言い換えると、エレクトロマイグレーション(electromigration;電子泳動)に起因してより高い電流密度及びより短い存続期間につながっていた。これに加えて、細線化はRC(抵抗/容量)の遅延を増大させるより高抵抗をもたらす。
【0003】
エレクトロマイグレーションに起因した過大なRCの遅延及び素子の不具合を避けるために、優れた導電性及び高いエレクトロマイグレーション抵抗を有する銅などの金属が、配線を形成するために使用されてきた。しかし、(前述の処理におけるような)加工物の表面全体にわたって堆積された銅又は銅合金にドライエッチングを行うことは困難である。そのため、ダマスク模様処理(damascene processng)として公知の新たなアプローチが採用されている。銅配線には、最初に溝(trench)すなわちカナル(canal)が、配線のために加工物表面に所定のパターンに従って形成される。また、二重のダマスク模様処理では、コンタクトホール又はビア(vias)が加工物に切り込まれ、ある金属層をその上層又は下層の金属層に接続する。これらの溝又はコンタクトホールには、その際銅又は銅合金が充填される。この方法は、エッチングによる導電層の不要な部分を除去する工程が不要となり、加工物表面が研磨されて、鍍金された金属の過剰な被覆層を除去する必要がある。
【0004】
しかし、今日の素子の設計における前記配線溝及び/又はコンタクトホールの形状は、配線幅がより狭くなっているので、アスペクト比(溝及び/又はコンタクトホールの幅に対する深さの比)がかなり大きい。素子の溝及び/又はコンタクトホール等の要点の小さな寸法(例えば、1μmというサブミクロン、更に0.25μmというサブミクロン)は、金属を堆積する従来のスパッタリング法により、要点を平坦な金属層で充填することを困難にさせる。各種材料を蒸着させるために化学蒸着法(CVD)が採用されてきたが、銅又は銅合金に適したガス材料を調製することは困難である。
【0005】
典型的には銅又は銅合金である導電性を必要とする材料で溝及び/又はコンタクトホールを充填するために、その後、加工物を鍍金溶液中に浸漬することによる電解鍍金が用いられてきた。電気鍍金方法は、典型的には、鍍金処理前に、加工物に析出される薄く連続した電気伝導性のシード(種)層を必要とする。シード層は、一般に銅のような導電性の金属から形成される。次に、所望の金属の電気鍍金は、シード層に電気バイアスを印加し、電気バイアスの存在下にシード層全体に鍍金を施す金属イオン含有の電気鍍金溶液に、ウエハ基板等の加工物を曝すことによって、一般に遂行される。銅(例えば、硫酸銅)と酸又は導電性の塩(例えば、硫酸)とを含む電気鍍金組成物を使用することができる。硫酸等の酸を電気鍍金組成物に添加して、均一電着性の達成に必要な鍍金組成物に高いイオン伝導度を付与する。「均一電着性」とは、ウエハ基板等の加工物に金属を均一に析出する鍍金組成物の能力をいう。酸は、電極反応に関与しないが、電気鍍金組成物中の抵抗率を低下させるので、加工物の表面全体に鍍金材料の絶縁保護被覆(conformal coverage)をもたらす。組成物の銅濃度が低く酸濃度が高いと、組成物の均一電着性が向上する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の鍍金溶液で遭遇する問題は、高いアスペクト比の溝及び/又はコンタクトホール内での析出処理(deposition process)も物質移動により影響を受けるということであり、即ち、溝及び/又はコンタクトホールへの金属の拡散が、(より大きな要点の素子に共通であるように)電界の大きさに加えて析出反応の反応速度に影響を及ぼすということである。従って、鍍金イオンを加工物表面に供給する速度は、鍍金表面に印加する電圧又は電流密度と無関係に、鍍金速度を制限することができる。良好な均一電着性を与える高度に導電性の電気鍍金組成物(例えば、酸濃度の高い組成物)は、良好な被覆が得られず、素子上の比較的小さな要点(features)内を、即ちサブミクロンの大きさの溝及び/又はコンタクトホール内を充填しない。これは、しばしば析出物の質の低下を招き、充填欠陥、典型的にはボイドに繋がる。比較的小さな溝及び/又はコンタクトホールの充填に前記組成物を使用すると、しばしばボイドが生じる。良質の析出を得るためには、析出処理において、物質移動速度が高く、溝及び/又はコンタクトホール付近又はその内部での反応剤濃度の低下が小さくなければならない。しかし、典型的に高い酸濃度の鍍金浴中では、移動速度が比較的低い金属イオン濃度により制限される。
【0007】
鍍金される金属イオンの移動は、電気鍍金組成物中の鍍金される金属イオン濃度に直接関係する。より高い金属イオン濃度は、小さな要点内への金属の移動速度がより速くなり、かつ、空乏層内、即ち陰極表面の境界層内での金属イオン濃度がより高くなり、それ故に、より速くより良質の析出を達成することができる。しかし、比較的大きなアスペクト比を有する基板の溝及び/又はコンタクトホール内に銅を充填するために、均一電着性及び被覆均一性に優れた鍍金組成物を使用すると、前述のように、組成物の充填能が貧弱である。溝及び/又はコンタクトホールが充填される前に、溝及び/又はコンタクトホールの入口がしばしば塞がれ、これによってボイドを形成しやすくなる。また、ボイドは、鍍金処理中のシード層での不均一な核形成、不適当な核形成、及び鍍金中の大きな粒子の生成などの他の力によって生じることがある。あいにく、典型的に低い酸を用いると、高い金属濃度の鍍金組成物は、均一電着性が劣り、添加剤の活性が抑制され、その結果、要点内に鍍金されていない領域が生じる。
【0008】
かなりの数のボイド及び/又は不均一な析出は、典型的には、貧弱なエレクトロマイグレーション抵抗だけでなく、導電率をひどく低下させることになる。ある場合には、開回路及び素子の不具合を引き起こすのに、ボイド及び/又は不均一性が十分大きいことがある。簡単にいうと、当業者には公知であるが、鍍金組成物の銅濃度が低く酸濃度が高いと、鍍金組成物は高い導電率及び良好な分極性を有し、これによって均一電着性が向上することになる。これに反して、鍍金組成物の銅濃度が高く酸濃度が低いと、組成物の金属イオン移動が良好になることは公知である。換言すれば、良好な要点の充填を可能にするには、高いアスペクト比の溝及び/又はコンタクトホールの底部に金属イオン濃度が十分存在するであろう。
【0009】
従来の鍍金組成物(即ち、銅濃度が低く酸濃度が高いか又はこれとは逆(visa versa)の組成物)を使用することにより持ち込まれる問題に対処する試みは、十分に満足できるものではなかった。例えば、特定の抑制剤、促進剤及び/又は平滑剤(leveler)等の各種の添加剤が様々な濃度で使用されてきた。使用される他の添加剤としては、塩化物(chloride)等のハライドイオンが挙げられる。使用される添加剤は、当業者には公知であるが、鍍金組成物が、高い酸濃度であって低い銅濃度であるか、これと反対の濃度であるかどうかに依存する。ある種の添加剤は、ある電位で金属原子の析出速度を低下させ、これによって析出処理を阻害することができ、一方、別の添加剤は、ある電位で金属イオンの析出速度を速め、これによって析出速度を促進することができる。あいにく、入手可能な鍍金組成物は、金属イオンの移動が幾分制限される比較的高いアスペクト比の要点を処理すると、要点の充填(feature filling)問題を十分に解決するに至っていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電気鍍金組成物及び電気鍍金方法は、以下に詳細に説明するように、驚くほど優れた充填能を提供し、サブミクロン・サイズの高いアスペクト比の要点に対して下から上への充填能により優れた銅の析出を保証して、ボイド(voids;空所)の存在を低減させるかあるいは実質的に皆無にするものである。電気鍍金組成物及び方法を利用して、半導体加工物の高いアスペクト比を有する半導体素子の溝及び/又はコンタクトホール等の素子の要点内に、金属を電気鍍金することができる。開示された組成物及び方法は、加工物の金属層の製造に用いられる広範な工程に適用可能である。説明を簡素化するために、組成物及び方法は、主として、集積回路又はその他のミクロ電子部品を形成するために処理される、半導体ウエハに形成された要点の金属化に関連して検討される。開示された組成物及び方法は、前記半導体ウエハや要点に限定されるものではないが、金属化を必要とするあらゆる加工物に関連して使用されることができる。「加工物(workpiece)」なる用語は、半導体ウエハに限定されるものではないが、むしろ、概ね平行な平面の第一及び第二の表面を有し、かつ比較的薄い基板をいい、半導体ウエハやセラミックウエハの他に、ミクロ電子回路又は部品、データ記憶要素又は層、及び/又はミクロ機械要素が形成されたその他の基板を含む。
【0011】
電気鍍金組成物は相対的な濃縮を予め回避した銅及び酸を含む。電気鍍金組成物は、驚くほど優れた充填能、特に、寸法がサブミクロン(例えば、0.12μmの溝)の高いアスペクト比の要点に対して下から上に銅を析出する充填能を提供して、ボイドの存在を低減させるかあるいは実質的に皆無にする。更に、電気鍍金組成物は、シード層(seed layers;種の層)に向かう腐食がより少なく、同様に優れた充填能を提供する。電気鍍金組成物は、銅及び硫酸の水性混合物を含むことができ、硫酸濃度に対する銅濃度の比(濃度はg/L)が約0.3〜約0.8である。前記組成物は、また、硫酸濃度が約65〜約150g/Lであるとき、銅濃度がその溶解度の限界近くにある銅及び硫酸の水性混合物を含むことができる。前記組成物は、また、促進剤、抑制剤、ハライド(halides;ハロゲン化合物)及び/又は平滑剤等の慣用の添加剤を含むことができる。開示された方法は、半導体加工物上に銅を析出する電気鍍金組成物を利用する。更に、前記方法は、サブミクロン・サイズの高いアスペクト比の要点に対して下から上への充填能を有する優れた銅の析出を保証して、ボイドの存在を低減させるかあるいは実質的に皆無にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
銅及び硫酸等の酸からなる従来の電気鍍金組成物は、銅濃度が比較的高いときはいつでも、熱の影響を低減して合理的な充填能をもたらすために比較的低い酸濃度を有するか、あるいは、銅濃度が比較的低いときはいつでも、鍍金組成物の均一電着性が良好となるように比較的高い酸濃度を有する。本発明の電気鍍金組成物は、このような従来の通念に従うものではない。実際、本発明の組成物は酸濃度により近い当量の銅濃度を有する。
特定の実施の形態において、本発明により考案された電気鍍金組成物は、銅及び硫酸の水性混合物を含み、銅濃度と硫酸濃度の比(g/Lと記載された濃度の全ては、溶液1リットル当たりのグラム数である)が約0.3〜約0.8である。別の特定の実施の形態において、電気鍍金組成物は銅及び硫酸の混合物を含み、銅濃度と硫酸濃度の比が約0.4〜約0.7である。更に別の実施の形態において、電気鍍金組成物は銅及び硫酸の混合物を含み、銅濃度と硫酸濃度の比が約0.5〜約0.6である。
【0013】
他の実施の形態において、電気鍍金組成物は銅及び硫酸の水性混合物を含み、組成物中の銅濃度は、硫酸濃度が約65〜約150g/Lであるとき、その溶解度の限界の約60%〜約90%の範囲にある。更に他の実施の形態において、電気鍍金組成物は銅及び硫酸の水性混合物を含み、組成物中の銅濃度は、硫酸濃度が約70〜約120g/Lであるとき、その溶解度の限界の約60%〜約90%の範囲にある。他の特定の実施の形態において、組成物は、濃度が約35〜約60g/Lの銅と、濃度が約65〜約150g/Lの硫酸との水性混合物を含む。他の実施の形態において、組成物は、濃度が約45〜約55g/Lの銅と、濃度が約75〜約120g/Lの硫酸との水性混合物を含む。
上述の範囲にある銅及び硫酸を有するあらゆる電気鍍金組成物は優れた充填能を提供するであろうが、特に有用な電気鍍金組成物は、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸、又は約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸の水性混合物を含む。その他の典型的な実施の形態では、約60g/Lの銅及び約65g/Lの硫酸、又は約47g/Lの銅及び約70g/Lの硫酸の水性混合物を含む。
【0014】
本発明の電気鍍金組成物に用いられる銅源としては、例えば、硫酸銅、フッ化ホウ酸銅、グルコン酸銅、スルファミン酸銅、スルホン酸銅、ピロリン酸銅、塩化銅、シアン化銅、これらの組合せ等の銅塩が挙げることができる。本明細書では主として硫酸銅について言及するが、あらゆる好適な源から入手し得る銅が、開示された組成物に使用可能であることを理解すべきである。
電気鍍金組成物は、硫酸との組合せ又は硫酸に代えて、フッ化ホウ酸等の他の鉱酸、メタンスルホン酸(MSA)、アミド硫酸、アミノ酢酸、これらの組合せ等の有機酸など、鉱酸と有機酸の組合せを含有してもよい。電気鍍金組成物は、小さな要点への充填を支援するために、更に、抑制剤、促進剤、平滑剤等の添加剤を含むことができる。
【0015】
また、電気鍍金組成物は、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、これらの組合せ等のハライドイオンなどの添加物を含有してもよい。開示された組成物のある実施の形態において、相互作用すると共に一定の電圧で銅の析出を抑制するに十分な量で、あるいは印加される所定の電流密度を得るために過電圧を高めるに十分な量で、塩化物がある抑制添加剤(例えば、ポリエーテル類)と一緒に添加される。当業者には公知であるが、添加されるハライド濃度は、典型的には、特定のハードウェア用に選択された操作パラメータにより決定される。開示された組成物のある実施の形態において、ハロゲン濃度は約10ppm〜約100ppmである。例えば、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約50ppmのHClを添加することができる。別の実施の形態において、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約20ppmのHClを添加することができる。析出速度を低下させる抑制剤の補助に、及び/又は析出速度を高める促進剤の補助に用いられる、その他の好適な添加剤(当業者には公知であるが)を添加してもよい。
【0016】
抑制剤は、一般に、陰極の分極を高め、基板表面に吸着して、吸着された領域に銅の析出を阻害するか又は低減させる。鍍金組成物に添加される抑制剤としては、例えば、広範な比率で混合されるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム/ブロック共重合体からなる抑制剤等の、2成分ポリエチレングリコールをベースとした抑制剤を挙げることができる。例えば、コネチカット州ウエスト・ヘイヴン(West Haven)所在のエンソン社(Enthone, Inc.)から市販の銅・バス・ビアフォーム(CUBATH ViaForm)抑制剤(DF75)、又はマサチューセッツ州モールバラ(Marlborough)所在のシプレー社(Shipley Company)から市販のシプレーC−3100抑制剤を使用することができる。
電気鍍金組成物の実施の形態では、あらゆる好適な種類の抑制剤及び濃度を包含することができる。例えば、約2ml/L〜約30ml/L、又は約2ml/L〜約10ml/Lの濃度で、銅・バス・ビアフォームDF75 抑制剤を使用することができる。更なる例として、約5ml/L〜約25ml/L、又は約10ml/L〜約20ml/Lの濃度で、シプレーC−3100抑制剤を使用できる。ある特定の実施の形態において、約2ml/Lの CUBATH 抑制剤が、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に使用される。別の例では、マサチューセッツ州モールバラ所在のシプレー社から市販のシプレーC−3100抑制剤が、約17.5ml/L の濃度で、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に使用される。
【0017】
促進剤は、陰極の分極を低下させ、吸着される領域に銅の成長を促進する吸着部位において抑制剤と競合する。鍍金組成物に用いられる促進剤としては、例えば2ナトリウム・ビススルホプロピルジサルファイド(SPS)等の硫黄含有化合物を挙げることができる。より小さな分子次元の促進剤は抑制剤より早く拡散できる。例えば、エンソン社から市販の CUBATH ViaForm 促進剤(DF74)又はシプレーB−3100促進剤(シプレー社から市販)を使用することができる。電気鍍金組成物の実施の形態では、例えば、CUBATH ViaForm DF74等の促進剤を包含することができる。かかる促進剤については、約2ml/L〜約30ml/L、又は約2ml/L〜約8ml/Lのあらゆる好適な濃度で使用できる。例えば、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約5ml/Lの促進剤を使用できる。CVD等の被覆率に優れたシード層には、約8ml/Lの前記促進剤を使用できる。底部被覆率が貧弱な(例えば、底部のボイド)シード層には、約2ml/LのDF74又は同様の促進剤を使用できる。別の実施の形態において、約10ml/LのシプレーB-−3100促進剤(シプレー社から市販)が、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に使用される。
【0018】
抑制剤及び促進剤は要点の周辺に濃密に存在し、抑制剤が銅の成長を阻害するので、シード層の小さな張り出しは要点内のボイドに繋がる要点口を閉塞することができる。従って、抑制剤の大部分が地形学的な要点の頂部で活性であり、下から上への成長を達成するように要点内部の活性において促進剤が抑制剤より優勢である、電気鍍金組成物は特に有用であるといえる。
かかる成分の濃度は、特定のハードウェア及び/又は所望の操作条件に最適となるように変化させることができる。電気鍍金組成物に対する添加剤(例えば、ハライド、促進剤、抑制剤、任意の平滑剤)の好適な濃度範囲は、当業者には公知であるが、選択される特定の処理及び/又は手段(tool:例えば、温度、回転速度、流速、電流密度)に関する具体的な操作条件に依存して変化させることができる。
【0019】
要点の充填後に促進反応を継続すると、要点上に銅の過剰な成長が生じて表面に突出部を作り出す。そのため、エンソン社から市販の CUBATH ViaForm 平滑剤DF79又はシプレーU−3100平滑剤(シプレー社から市販)等の平滑剤を本明細書に開示された電気鍍金組成物に添加することができる。突出部における電流を弱めて平滑にされた表面を形成するために、その他の好適な平滑剤を使用することができる。電気鍍金組成物の具体的な実施の形態では、約0.5ml/L〜約3ml/L又は約1.0〜約3.0ml/Lの平滑剤濃度を包含する。例えば、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約2.5ml/LのDF79平滑剤を使用できる。別の例では、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約2ml/LのシプレーU−3100平滑剤(シプレー社から市販)を使用できる。
【0020】
本発明の電気鍍金組成物の操作温度は、約15℃〜約30℃又は約22℃〜約27℃の範囲とすることができる。例えば、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物の操作温度は、約25℃で実用的であることが判明した。
本発明の電気鍍金組成物を使用する鍍金方法は、例えば、モンタナ州カリスペル(Kalispell)所在のセミツール社(Semitool, Inc.)、カリフォルニア州サンノゼ(San Jose)所在のノヴェラス・システムズ社(Novellus Systems, Inc.,)、又はカリフォルニア州サンタ・クララ(Santa Clara)所在のアプライド・マテリアルズ社(Applied Materials, Inc.)により目下市販されているタイプの噴水式鍍金反応器で実施されることができる。これらの機器は、単一のディスク様陽極又は陽極粒子からなるバスケットのいずれかを用いて、単一の陽極として機能する陽極系を備えた鍍金反応器が組み込まれている。
しかし、米国特許第6,497,801号明細書、米国特許第6,569,297号明細書、米国特許第6,565,729号明細書、及びPCT出願公開 WO 00/61498に記載されたタイプの多重陽極反応器で実施される鍍金方法が、本明細書に記載された電気鍍金組成物の使用に特に適している。米国特許第6,497,801号明細書、米国特許第6,569,297号明細書、米国特許第6,565,729号明細書、及びPCT出願公開 WO 00/61498は、本明細書に援用される。
【0021】
図7(a)は、代表的な鍍金ステーション110の一部概略した断面図を示す。支持部材140は、回転モータ144及びこれに連結されたロータ142を備える。ロータ142は接点組立体160を支持する。ロータ142は、裏当て板145及びシール141を備えることができる。裏当て板145は、これが加工物101の裏側に接触する第一位置(図7(a)に実線で示される)と、裏当て板145が加工物101の裏側から離間した第二位置(図7(a)に破線で示される)との間の加工物101に対して、直交する方向に移動する(矢印T)。
接点組立体160は、保持部材162、この保持部材162により保持される複数の接点164、及び保持部材162とロータ142の間に延びる複数のシャフト166を備えることができる。接点164は、加工物101上のシード層の一部に係止するように構成された、リング形式のバネ接点又はその他の形式の接点とすることができる。市販の支持部材140及び接点組立体160を使用することができる。特に好適な支持部材140及び接点組立体160が、米国特許第6,228,232号明細書、米国特許第6,080,691号明細書、米国特許出願09/385,784号、米国特許出願09/386,803号、米国特許出願09/386,610号、米国特許出願09/386,197号、米国特許出願09/501,002号、米国特許出願09/733,608号、及び米国特許出願09/804,696号に開示されており、これらの全ては本明細書に援用される。
【0022】
鍍金ステーション110は、外部ハウジング即ち外部チャンバ131と、このチャンバ131内に配置された内部チャンバ132(両チャンバとも概要が図7(a)に示されている)とを有する反応容器130を備える。内部チャンバ132は、少なくとも1つの電極(図7(a)には図示されていない)を保持し、本発明の実施の形態における電気鍍金組成物等の処理液の流れを加工物101に案内する。処理液は、(矢印Fで示されるように)堰を溢流して、再循環、再利用又は廃棄のために処理液を捕らえる外部チャンバ131内に流入する。
操作時には、支持部材140は、反応容器130の加工物処理部位(加工物の平面等)で加工物101を把持して、少なくとも加工物101の鍍金表面を処理液に没入させる。加工物101の鍍金表面と内部容器132内に位置する1又はそれ以上の電極(図7(b)を参照して以下により詳細に説明する)との間に電位を加えて、処理液中に電界を形成する。例えば、あるプロセスでは、接点組立体160は、内部容器132内の電極に関して負電位の状態にバイアスされ、導電性材料を加工物101上に鍍金する。また、このプロセスのある態様では、1つの電極(「泥棒(thieving)」電極)が、他の電極に関して負電位の状態にバイアスされ、加工物101への材料の貼付け均一性を制御する。
【0023】
図7(b)は、泥棒電極を含む多重電極を有する反応容器130の実施の形態の概略図である。反応容器130は、内部チャンバ132と外部チャンバ131の間に螺旋状の排水路134を備える。排水路134は、内部チャンバ132を溢流する本発明の実施の形態における電気鍍金組成物等の処理液を受け入れ、処理液を液体出口135に向けて案内する。液体は、一次入口136a及び二次入口136bを通って内部チャンバ132に流入する。一次入口136aは、内部チャンバ132内の処理液の一部を一次流出ガイド170に案内する一次流路137に連結される。一次流出ガイド170は、流れを内部チャンバ132の中心軸線139に向けて案内する穴171を有する。その結果、流れは、一次流出ガイド170から充填されるべき加工物の要点に向かって上方に進む。
二次入口136bは、例えば本発明の実施の形態と同一又は異なった電気鍍金組成物等の二次液体を複数の電極に案内する、分配装置189に連結されることができる。内部チャンバ132は4つの同心電極180を備える。制御装置183は、電極180a〜dに作動可能に接続して各電極に流される電流を個別に制御し、従って、電極と加工物の要点の間の対応する導電経路を制御する。
【0024】
電極180は、仕切り178で分離された複数の対応する電極区画室177(区画室177a〜177dとして示される)を有する界磁形成ユニット(field shaping unit)176内に収容される。分配装置189は、二次液体を複数の対応する分配装置チャンネル179(分配装置チャンネル179a〜179dとして示される)を経由して各区画室177に案内する。従って、二次液体は、分配装置189を通り、電極180のそばを通り去って、加工物の要点に向かって上方に進む。電極180により形成される電界上の界磁形成ユニット176の効果は、仮想線の電極位置181a〜181dで示されるように、電極180があたかも各区画室177の出口に位置するかのごとくである。
一次流出ガイド170は、一次流体入口136aから上方及び外側に延びる、内側に面した容器壁138(図7(b)に点線で示される)を形成する。穴182を有する遮蔽体184が、電極180と加工物101の要点の間に位置し、加工物の要点と流体の流れと反応容器130内の電界との相互作用を制御することができる。
【0025】
図7(b)に示される反応容器130において、各区画室177は、液体及び気泡が通過する1又はそれ以上の穴(例えば、ホール及び/又はスロット)174を有する。従って、各区画室177に捕らえられた気泡は、内部チャンバ132から流出するまで、各区画室の穴174を通って半径方向外側に進む。各区画室177は界面(interface)部材175を備えることができる。界面部材175は、二次液体を加工物の要点に向かって通過させるのは可能であるが、空気の気泡及び他の粒子を捕捉するように構成された、フィルタ又はその他の要素を含むことができる。別の実施の形態では、界面部材175は、二次流体が要点に向かって通過することを阻止するか又は実質的に阻止するが、イオンを加工物に向かって通過させるのは可能なイオン膜を含む。実際、二次流体は、穴174を通り、螺旋状の排水路134を経由して内部チャンバ132から流出する。第一流体を分離した排水部(図示せず)に収集することができる。別の実施の形態では、イオン膜は、イオンだけでなく流体の通過を可能にする。
【0026】
半導体ミクロ電子加工物等の加工物上で複数の方法を遂行できる処理機器に、1又はそれ以上の前述の反応器組立体を容易に一体化することができる。かかる処理機器の1つは、モンタナ州カリスペル所在のセミツール社から市販の電気鍍金装置である。図9(a)及び図9(b)はかかる一体化の例を示す。
図9(a)の装置は複数の処理ステーション210を備える。これらの処理ステーションは、1又はそれ以上の洗浄/乾燥ステーション及び1又はそれ以上の電気鍍金ステーションを備える(その他の好適な浸漬−化学的処理機器は電気鍍金組成物を使用することができる)。前記装置は、急速熱処理(RTP)に適した少なくとも1つの熱反応器を含む符号215等に熱処理ステーションを備える。
加工物は、中央の路線225に沿った直線移動用に配置された1又はそれ以上のロボット移送機構220を用いて、処理ステーション210とRTPステーション215の間に移送される。1又はそれ以上のステーション210は、また、現場洗浄を遂行するのに適した構造体を組み込むことができる。ロボット移送機構だけでなく全ての処理ステーションは、濾過された空気が陽圧で供給される収納庫内に配置され、これによって、ミクロ電子加工物の処理効率を低下させることのある空気中に浮遊する夾雑物を制限することができる。
【0027】
図9(b)は、本発明の電気鍍金組成物を使用できる別の代表的な処理機器を示す。図9(b)に示された処理機器は、少なくとも1つの熱反応器を含む部分230に位置するRTPステーション235を備え、機器一式に一体化することができる。図9(a)の処理機器と異なって、少なくとも1つの熱反応器は、専用のロボット機構240によって使用可能にされる。専用のロボット機構240は、ロボット移送機構220によりロボット機構に移送される加工物を受け取る。移送は中間の中継(staging)ドア/領域245を介して行うことができる。そのこと自体は、処理機器の反応器部分230を他の機器部分から衛生的に分離することが可能になる。更に、かかる構成により、既存の機器一式の性能を高めるために取り付けられる分離したモジュールとして、アニール(焼き鈍し)ステーションを導入することができる。
【0028】
本発明の電気鍍金組成物は、加工物に相互接続及びビアを形成する無数の加工物金属化処理方法のどのようなものにも利用できる。例えば、図8(a)〜図8(d)は、幾つかの可能な電気化学的析出による金属化処理のフローチャートを示し、開示された電気鍍金組成物を使用して、相互接続、ビア又はその他の前記要点を形成することができる。
典型的なダマスク模様の処理フローが図8(a)に示されている。ダマスク模様の処理において、加工物には、まず、溝(又は素子のその他の要点)が形成された絶縁層上に配置される金属シード層及びバリア/接着層が設けられる。シード層は、次の金属電気鍍金工程中に電流を流すために用いられる。典型的には、シード層は、幾つかの方法のうちの1つを用いて貼り付けられ得る、金属からなる非常に薄い層である。例えば、金属のシード層は、物理蒸着法又は化学蒸着法により堆積され、約500Å厚のオーダで層を作製することができる。また、銅、金、ニッケル、パラジウム、及び殆どないしはその他の全ての金属からシード層を形成することができる。シード層は、絶縁基板に凹設された溝又は素子のその他の要点の存在により入り組んだ表面上に形成される。
【0029】
ある方法において、本発明の電気鍍金組成物を使用する前に、シード層の電気化学的な(電極又は電気分解による)補修又は増強工程が行われる(図8(a)に示されていない)。具体的には、シード層を次の金属の堆積に適したものとする必要があるか、あるいは、「増強された」シード層を設ける別の堆積工程で、既に存在するシード層上に追加の金属を堆積させて増強する必要がある場合に、極く薄いシード層等のシード層を補修することができる。増強されたシード層は、典型的には、加工物内に分布する実質的に全て凹設された要点の側壁上の全ての箇所における厚さが、加工物表面の外側に配置された名目上のシード層の約10%以上である。例えば、シード層の増強工程は、米国特許第6,290,833号明細書及び米国特許第6,565,729号明細書に開示された通りに行われ、これらの特許文献は本明細書に援用される。シード層の増強工程が行われると、次に洗浄工程に進むことができる。
【0030】
引き続き図8(a)を参照して、銅層がシード層上に被覆層の形態で電気鍍金される。被覆層は上層を形成する程度に鍍金され、相互接続配線の形成に用いられる溝(又はその他の素子の要点)を充填する銅層が設けられる。銅層は、その後、典型的にはDI(脱イオン)水で随意洗浄され、銅層を(随意)乾燥することができる。洗浄/乾燥は、行われるならば、電気化学的鍍金が生じるチャンバで、あるいは使用される鍍金用機器に応じて別のチャンバで行うことができる。
引き続き、加工物を剥離ユニットに移送し、例えば斜角エッチングする(bevel-etch)などして過剰の銅を除去する。本明細書に開示された電気鍍金組成物を使用するある方法において、過剰の銅は、例えば、本明細書に援用される米国特許号明細書に開示された方法等の方法により、加工物の裏側及び/又は加工物の処理側の周縁から選択的に除去される。その後、斜角エッチングされ、裏側が清浄化された加工物を洗浄できる。裏側の清浄と最初のDI水洗浄を同時に行うことができる。
【0031】
鍍金、洗浄及びエッチングの各工程を同一のチャンバで行っても、別々のチャンバで行ってもよい。エッチングされた加工物は引き続きアニール処理される。アニール処理前に、加工物を例えばDI水で洗浄してもよい。あらゆる好適な方法により加工物をアニール処理することができる。例えば、加熱炉を用いた従来の方法により加工物をアニール処理してもよく、あるいは、本明細書に援用される米国特許第6,508,920号明細書に開示された方法等の方法により、100℃以下の温度で又は周囲の室温でさえもアニール処理することができる。加工物は、その後化学機械研磨されて、例えば、素子の要点に望ましいとされるものよりも過剰に析出された銅を除去できる。
図8(b)に示されるように、本発明の電気鍍金組成物を利用する代替処理は、表面欠陥を制限してそこから不要な材料を除去するために、銅の析出前に清浄化又は湿潤の前工程を含めることができる。図8(b)に示されるように、清浄化又は湿潤の前工程、銅鍍金、裏側の清浄化及び/又は斜角エッチング、及びDI水洗浄の工程の全ては、鍍金用機器で行ってもよい。その後、鍍金用機器の外部でのアニール処理及びCMP工程が続くことになる。
【0032】
本発明の電気鍍金組成物の使用に好適な別の可能な処理において、銅の析出前にシード層の補修又は増強工程を行うことができる(図8(c))。シード層の補修工程は第二シード層の電気化学的な析出を含み、次にDI水洗浄に進むことができる。例えば前述したようなあらゆる好適な手段により、第二シード層の析出を行うことができる。図8(c)に示されるように、シードの補修、銅鍍金、裏側の清浄化及び/又は斜角エッチング、及びDI水洗浄の工程の全ては、鍍金用機器で行ってもよい。その後、鍍金用機器の外部でのアニール処理及びCMP工程が続くことになる。
図8(d)に示されるように、本発明の電気鍍金組成物を利用する別の代替処理において、銅鍍金、裏側の清浄化/斜角エッチング、DI水洗浄、及びアニール処理の工程の全ては、鍍金用機器で行ってもよい。その後、CMPを鍍金用機器の外部で行うことができる。
【実施例】
【0033】
前述したように、あらゆる種類の加工物の金属化処理方法により、多数の電気鍍金用機器に本発明の電気鍍金組成物を使用することができる。更に、本明細書に開示された電気鍍金組成物を使用して、多数の処理パラメータを金属化処理に用いることができる。利用される処理パラメータは、充填される要点、使用される機器、及び当業者には公知であるその他の前記可変事項に依存する。代表的な実施例にすぎないが、1つの可能な処理を以下に示す。
【0034】
加工物の相互接続及び/又はビア等の素子の要点内に銅の電気化学的な析出を行っている間(前述した方法の1つ又はその他のあらゆる好適な方法による)、酸性の電気鍍金組成物がボイドの形成に繋がる薄いシード層を腐食(エッチング)することができる。従って、開示された実施の形態の電気鍍金組成物に加工物を浸漬した状態で、例えば約0.1V〜約1.0Vの加工物負荷バイアスを加工物の鍍金表面に印加することができる。例えば、200nmの加工物について0.4V以上の負荷バイアスでは、ボイドのない要点の充填をもたらすことが判明した。鍍金効率を更に高めるために、例えば200nmのウエハに1.0μm厚の銅を析出する鍍金については、電気鍍金組成物に浸漬した状態でウエハを約40rpm〜約200rpmで回転させることができる。鍍金の際に、ウエハは約10rpm〜約150rpmで回転される。鍍金方法の典型的な実施例では、ウエハを、浸漬した状態で約75rpmで回転させ、鍍金の際に、1.0A(アンヘ゜ア)で5秒間ほど約75rpmで、1.0Aで25秒間ほど約40rpmで、そして、4.5Aで所望の厚さに析出するに必要な残りの時間約40rpmで回転させる。当業者には公知であるが、回転速度、バイアス、及び使用時間は、使用される鍍金用機器及び形成されるべき素子に依存する。
【0035】
鍍金効率を更に高めるために、例えば200nmのウエハに0.85μm厚の銅を析出する鍍金については、ウエハは電気鍍金組成物に浸漬した状態で約40rpm〜約200rpmで回転された。鍍金の際に、ウエハは約10rpm〜約150rpmで回転される。鍍金方法の典型的な実施例では、ウエハを、浸漬した状態で約75rpmで回転させ、鍍金の際に、1.0Aで5秒間ほど約75rpmで、1.0Aで5秒間ほど約40rpmで、2.0Aで39秒間ほど約40rpmで、そして、8.22Aで所望の厚さに達するまで約60rpmで回転させる。
これらに代えて、そして電流密度を設定して鍍金効率を高める可能な方法を更に説明すると、約400Åの銅のシード層を有する200nmのウエハに1μmの銅の析出を行うことができる。ウエハを約150rpmで回転することができる。電流密度を約2mA/cm2〜約70mA/cm2とすることができる。これに代えて、所望の厚さに達する時間まで電流密度を約3mA/cm2〜約25mA/cm2としてもよい。勿論、採用される電流密度を鍍金処理中に変化させることができるが、典型的には、低い電流密度で開始して高い電流密度で終了するとは限らない。
【0036】
実施例1及び比較データ
本発明の電気鍍金組成物の代表的な実施例を表1に示す。
表 1
成 分 濃度(g/L)
銅 50
硫酸 80
促進剤(DF74) 5.0
抑制剤(DF75) 2.0
平滑剤(DF79) 2.5
塩化水素 50*
* ハロゲン濃度はppm
好適な電流密度で(例えば、前記したようなもの)、図2(e)、図3(d)、図4(d)〜(f)、及び図5(b)に示される結果のように、ボイドのない充填が本実施例の電気化学的組成物を用いて達成された。
【0037】
比較のために、同一の濃度の同一の添加剤を用いて同一の条件下で、従来技術の電気鍍金組成物を試験に供した。図4(a)〜(c)に見ることができるように、ボイドのある要点が得られた。具体的には、従来の高い銅と低い酸の組合せを含む従来技術の電気鍍金組成物(即ち、50g/Lの銅及び約10g/Lの硫酸)は、視認できるボイドを有するビアが生じた。図4(a)〜(c)対図4(d)〜(f)に示された結果の比較から、従来技術の高い銅/低い酸の電気鍍金組成物(図4(a)〜(c))は、相互接続の下部領域に写真中のダークスポットとして見える、有意のボイドを有する相互接続の形成が生じたことを明示している。図4(d)に示されるような本発明の一実施例の電気鍍金組成物を使用する相互接続の充填は、図4(d)の写真に見ることができるように、相互接続の溝を完全に充填する前に停止されるけれども、視認できるボイドのない相互接続が形成していて、従来の電気鍍金組成物の結果よりも有意に改善されていた。更に、図4(f)に示されるような実施例の電気鍍金組成物を使用して形成される相互接続は、多少のボイド化を示すけれども、相互接続におけるボイドの数及び大きさが、図4(c)の写真に見ることができるように、従来技術の高い銅/低い酸の電気鍍金組成物を使用して形成される相互接続に生じるボイド化と比較して、有意に少なく、かつ小さくなっている。
【0038】
更なる比較のために、別の従来技術の電気鍍金組成物(即ち、従来の低い銅/高い酸の組成物)について、同一の添加剤を用いて(同一の濃度で)同一の条件下で試験を行ったところ、図5(a)に示されるように、継ぎ目のあるボイドを有する溝が生じた。具体的には、20g/Lの銅及び180g/Lの硫酸を含む従来技術の電気鍍金組成物は、金属化された溝に継ぎ目のあるボイドが生じた。相対的に、本発明の実施例の電気化学的な鍍金組成物、具体的には、80g/Lの硫酸及び50g/Lの銅を含む組成物は、(図5(b)に示されるように)同一の大きさの溝にボイドのない要点を生じた。
【0039】
実施例2及び比較データ
本発明の電気鍍金組成物の別の実施例を表2に示す。
表 2
成 分 濃度(g/L)
銅 40
硫酸 100
促進剤(B−3100) 10.0
抑制剤(C−3100) 17.5
平滑剤(U−3100) 3.0
塩化水素 20*
* ハロゲン濃度はppm
例えば前記したような好適な電流密度で、図6(b)に示されるように、ボイドのないビアの充填が本発明における本実施例の電気鍍金組成物を用いて達成された。
比較のために、従来技術の電気鍍金組成物について、実施例2と同様にして、同一の添加剤を用いて(同一の濃度で)同一の条件下で試験を行った。図6(a)に見ることができるように、従来技術の電気鍍金組成物ではボイドのあるビアの充填が得られた。具体的には、比較対象の従来技術の電気鍍金組成物は、従来の高い酸及び低い銅の組合せ(即ち、20g/Lの銅及び180g/Lの硫酸)からなり、図6(a)に示されるように、視認できるボイドのあるビアを生じたが、一方、本発明の実施例の電気鍍金組成物は、驚くほど優れた結果を示し、図6(b)に示されるように、ボイドのないビアの充填が達成された。
【0040】
実施例3
図2(a)〜(e)に示されるように、相互接続の高さの1/2で幅が約0.12〜約0.15μmである銅半導体の相互接続の溝が、多様な実施例の電気鍍金組成物を使用して充填され、これらの組成物は、酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させたものであり、従来技術の多様な組成物と比較された。具体的には、図2(a)及び図2(c)に示されるように、20g/Lの銅及び80g/Lの酸を含む従来技術の電気鍍金組成物を使用して、相互接続の溝を充填した。これらの図面の写真に見ることができるように、従来技術の低い銅/高い酸の組成物は、視認できるボイドを有する素子が得られる。しかし、相対的に、図2(b)及び図2(d)に示されるように、銅の溶解度の限界に近い銅濃度及び酸濃度からなる本発明の電気鍍金組成物は、形成されるボイドの数が比較的少ない素子が得られた。具体的には、図2(b)及び図2(d)に示されるように、35g/Lの銅及び80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物を使用して相互接続の溝を充填したところ、優れた結果を与えた。
【0041】
実施例4
図2(f)の図式にまとめられた結果が数多くの実施例を示すように、銅濃度を段階的に高め、かつ酸濃度を比較的低く保持した電気鍍金組成物が試験に供された。この低い酸濃度に対する銅濃度の増大(従来の通念に反する)は、やはり驚くほど優れた結果を与えた。
具体的には、酸濃度及び銅濃度をそれぞれ10g/L〜150g/L及び20g/L〜50g/Lと変化させながら、添加剤濃度及びハライド濃度を一定に保持した。鍍金後、鍍金されたウエハを横断方向に切断して、ボイドの有無を検査した。試験に供された各実施例の電気鍍金組成物について、3種類の各々の大きさ(0.12、0.15、0.20μm)に充填される5個の要点を検査した。5個のうち充填された要点の数を各大きさ毎に数えた。満点は各大きさで5となる。このデータは、その後、統計分析ソフトウェア・ツール(即ち、JMP統計分析ソフトウェア・プログラム)に入力され、前記ツールは、図2(f)に示される図式化されたレバレッジ(leverage)のプロットを作り出した。図2(f)から見ることができるように、銅濃度が比較的高く、かつ酸濃度が比較的低い電気鍍金組成物(即ち、銅濃度が溶解度の限界に近い本発明の実施例の電気鍍金組成物)は、要点の下から上への充填能が統計学的に有意に改善される。
【0042】
実施例5及び比較データ
図3(a)〜(d)に示されるように、次の電気鍍金組成物を使用して、相互接続の高さの1/2で幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続の溝を充填した。なお、前記組成物は、銅濃度を20g/L又は50g/Lとして硫酸濃度を変化させたものである(図3(a)及び(b)では、それぞれ20g/Lの銅と80g/L及び150g/Lの酸、図3(c)及び(d)では、それぞれ50g/Lの銅と10g/L及び80g/Lの酸)。図3(a)に示されるように、20g/Lの銅及び80g/Lの酸を含む電気鍍金組成物を使用して、相互接続の溝を充填した。
比較のために、図3(b)に示されるように、20g/Lの銅及び150g/Lの硫酸を含み、従来の典型的な高い酸/低い銅組成物と類似の電気鍍金組成物を使用して、相互接続の溝を充填した。かかる組成物を用いると、やはり劣悪な結果が得られた。
更なる比較のために、図3(c)に示されるように、50g/Lの銅及び10g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物を使用して、相互接続の溝を充填した。その結果を図3(c)に示す(なお、図3(d)に示された結果は、前記実施例1に記載のように、本発明の電気鍍金組成物を使用すると優れた結果が達成されることを示している)。
【0043】
実施例6
図3(f)の図式にまとめられた結果が更に示すように、銅濃度を溶解度の限界又はその近くまで高めながら酸濃度を高めていくと、要点の充填が統計学的に有意に改善される。数多くの実施例の電気鍍金組成物が試験に供され、これらの組成物は、酸濃度を段階的に高め、銅濃度を特定の酸濃度における溶解度の限界近くまで比較的高く保持したものである。
具体的には、酸濃度及び銅濃度をそれぞれ10g/L〜150g/L及び20g/L〜50g/Lと変化させながら、添加剤濃度及びハライド濃度を一定に保持した。鍍金後、鍍金されたウエハを横断方向に切断して、ボイドの有無を検査した。試験に供された各実施例の電気鍍金組成物について、3種類の各々の大きさ(0.12、0.15、0.20μm)に充填される5個の要点を検査した。5個のうち充填された要点の数を各大きさ毎に数えた。満点は各大きさで5となる。このデータは、その後、統計分析ソフトウェア・ツール(即ち、JMP統計分析ソフトウェア・プログラム)に入力され、前記ツールは、図3(f)に示される図式化されたレバレッジのプロットを作り出した。図3(f)から見ることができるように、銅濃度が溶解度の限界又はそれに近いと、要点の下から上への充填能が統計学的に有意に改善される。
【0044】
本発明の電気鍍金組成物及び方法について、複数の実施の形態及び実施例を参照して説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態及び実施例に限定されないことが理解されるであろう。一方、本発明は、添付の特許請求の範囲に定義される発明の精神及び範囲内に含まれる変形例、代替例及び均等例の全てを包含することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】約25℃における硫酸中の硫酸銅の溶解度を説明するグラフである。
【図2(a)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2(b)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図2(c)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図2(d)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図2(e)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図2(f)】試料の銅濃度を連続的に高めた電気鍍金組成物における酸/銅の比を変化させたときの要点への充填結果を示す図解的プロットである。
【図3(a)】銅濃度を約20g/Lとして酸濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図3(b)】銅濃度を約20g/Lとして酸濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図3(c)】銅濃度を約50g/Lとして酸濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図3(d)】銅濃度を約50g/Lとして酸濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図3(e)】電気鍍金前の相互接続溝の高さの1/2で幅が約0.023μmである相互接続溝のSEM写真である。
【図3(f)】試料の酸濃度を連続的に高めた電気鍍金組成物における酸/銅の比を変化させたときの要点への充填結果を示す図解的プロットである。
【図4(a)】酸濃度を約10g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(b)】酸濃度を約10g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(c)】酸濃度を約10g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(d)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした本発明の電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(e)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした本発明の電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(f)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした本発明の電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図5(a)】酸濃度を約180g/Lとして銅濃度を約20g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.2μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図5(b)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした本発明の電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.2μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図6(a)】酸濃度を約180g/Lとして銅濃度を約20g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成されたビアの高さの1/2で、幅が約0.16μmである銅半導体のビアのSEM写真である。
【図6(b)】酸濃度を約100g/Lとして銅濃度を約40g/Lとした本発明の実施の形態における電気鍍金組成物の実施例により形成されたビアの高さの1/2で、幅が約0.16μmである銅半導体のビアのSEM写真である。
【図7(a)】電気化学的組成物を利用する処理機器用の処理チャンバないしは反応器を備えた代表的な電気的処理ステーションの断面図である。
【図7(b)】電気化学的組成物を利用することができる代表的な処理チャンバないしは反応器の部分断面図である。
【図8(a)】本発明の電気化学的組成物及び方法を利用する半導体加工物の金属化を実施する、数多くの可能な方法のうちの1つを示す代表的な処理のフローチャートである。
【図8(b)】本発明の電気化学的組成物及び方法を利用する半導体加工物の金属化を実施する、数多くの可能な方法のうちの1つを示す代表的な処理のフローチャートである。
【図8(c)】本発明の電気化学的組成物及び方法を利用する半導体加工物の金属化を実施する、数多くの可能な方法のうちの1つを示す代表的な処理のフローチャートである。
【図8(d)】本発明の電気化学的組成物及び方法を利用する半導体加工物の金属化を実施する、数多くの可能な方法のうちの1つを示す代表的な処理のフローチャートである。
【図9(a)】電気鍍金組成物を利用することができる代表的な処理機器を示す。
【図9(b)】電気鍍金組成物を利用することができる代表的な処理機器を示す。
【技術分野】
【0001】
(優先権)本出願は、2003年10月16日出願の米国特許出願第10/688,420号の優先権を主張し、その全体が参照により組込まれる。(技術分野)本発明は、全般的に、半導体加工物(semiconductor workpieces)に形成された溝及び/又はコンタクトホール等の要点(features)内に、導電性材料を析出させる電気鍍金組成物(electroplating compositions and methods)及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ又は半導体ウエハ基板等のミクロ電子加工物からの半導体集積回路及びその他のミクロ電子品の製造においては、加工物(workpieces)に金属層を設け、集積回路上の各種の素子を電気的に相互接続する、相互接続金属化(interconnect metallization)が、しばしば必要である。電気的相互接続は、従来から、スパッタリング又は同様の技術により、半導体加工物(例えば、ウエハ)表面に導電層を最初に堆積させることによって半導体素子に形成されてきた。導電層の不必要な部分は、ホォトレジスト等から形成されるパターンマスクを用いて、化学的ドライエッチング法により除去される。以前の素子(devices)においては、配線回路の形成にアルミニウム又はアルミニウム合金が使用されていた。しかし、益々複雑化する半導体素子に対応するために、半導体素子の配線を益々小さくしなければならなかった。これは、言い換えると、エレクトロマイグレーション(electromigration;電子泳動)に起因してより高い電流密度及びより短い存続期間につながっていた。これに加えて、細線化はRC(抵抗/容量)の遅延を増大させるより高抵抗をもたらす。
【0003】
エレクトロマイグレーションに起因した過大なRCの遅延及び素子の不具合を避けるために、優れた導電性及び高いエレクトロマイグレーション抵抗を有する銅などの金属が、配線を形成するために使用されてきた。しかし、(前述の処理におけるような)加工物の表面全体にわたって堆積された銅又は銅合金にドライエッチングを行うことは困難である。そのため、ダマスク模様処理(damascene processng)として公知の新たなアプローチが採用されている。銅配線には、最初に溝(trench)すなわちカナル(canal)が、配線のために加工物表面に所定のパターンに従って形成される。また、二重のダマスク模様処理では、コンタクトホール又はビア(vias)が加工物に切り込まれ、ある金属層をその上層又は下層の金属層に接続する。これらの溝又はコンタクトホールには、その際銅又は銅合金が充填される。この方法は、エッチングによる導電層の不要な部分を除去する工程が不要となり、加工物表面が研磨されて、鍍金された金属の過剰な被覆層を除去する必要がある。
【0004】
しかし、今日の素子の設計における前記配線溝及び/又はコンタクトホールの形状は、配線幅がより狭くなっているので、アスペクト比(溝及び/又はコンタクトホールの幅に対する深さの比)がかなり大きい。素子の溝及び/又はコンタクトホール等の要点の小さな寸法(例えば、1μmというサブミクロン、更に0.25μmというサブミクロン)は、金属を堆積する従来のスパッタリング法により、要点を平坦な金属層で充填することを困難にさせる。各種材料を蒸着させるために化学蒸着法(CVD)が採用されてきたが、銅又は銅合金に適したガス材料を調製することは困難である。
【0005】
典型的には銅又は銅合金である導電性を必要とする材料で溝及び/又はコンタクトホールを充填するために、その後、加工物を鍍金溶液中に浸漬することによる電解鍍金が用いられてきた。電気鍍金方法は、典型的には、鍍金処理前に、加工物に析出される薄く連続した電気伝導性のシード(種)層を必要とする。シード層は、一般に銅のような導電性の金属から形成される。次に、所望の金属の電気鍍金は、シード層に電気バイアスを印加し、電気バイアスの存在下にシード層全体に鍍金を施す金属イオン含有の電気鍍金溶液に、ウエハ基板等の加工物を曝すことによって、一般に遂行される。銅(例えば、硫酸銅)と酸又は導電性の塩(例えば、硫酸)とを含む電気鍍金組成物を使用することができる。硫酸等の酸を電気鍍金組成物に添加して、均一電着性の達成に必要な鍍金組成物に高いイオン伝導度を付与する。「均一電着性」とは、ウエハ基板等の加工物に金属を均一に析出する鍍金組成物の能力をいう。酸は、電極反応に関与しないが、電気鍍金組成物中の抵抗率を低下させるので、加工物の表面全体に鍍金材料の絶縁保護被覆(conformal coverage)をもたらす。組成物の銅濃度が低く酸濃度が高いと、組成物の均一電着性が向上する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の鍍金溶液で遭遇する問題は、高いアスペクト比の溝及び/又はコンタクトホール内での析出処理(deposition process)も物質移動により影響を受けるということであり、即ち、溝及び/又はコンタクトホールへの金属の拡散が、(より大きな要点の素子に共通であるように)電界の大きさに加えて析出反応の反応速度に影響を及ぼすということである。従って、鍍金イオンを加工物表面に供給する速度は、鍍金表面に印加する電圧又は電流密度と無関係に、鍍金速度を制限することができる。良好な均一電着性を与える高度に導電性の電気鍍金組成物(例えば、酸濃度の高い組成物)は、良好な被覆が得られず、素子上の比較的小さな要点(features)内を、即ちサブミクロンの大きさの溝及び/又はコンタクトホール内を充填しない。これは、しばしば析出物の質の低下を招き、充填欠陥、典型的にはボイドに繋がる。比較的小さな溝及び/又はコンタクトホールの充填に前記組成物を使用すると、しばしばボイドが生じる。良質の析出を得るためには、析出処理において、物質移動速度が高く、溝及び/又はコンタクトホール付近又はその内部での反応剤濃度の低下が小さくなければならない。しかし、典型的に高い酸濃度の鍍金浴中では、移動速度が比較的低い金属イオン濃度により制限される。
【0007】
鍍金される金属イオンの移動は、電気鍍金組成物中の鍍金される金属イオン濃度に直接関係する。より高い金属イオン濃度は、小さな要点内への金属の移動速度がより速くなり、かつ、空乏層内、即ち陰極表面の境界層内での金属イオン濃度がより高くなり、それ故に、より速くより良質の析出を達成することができる。しかし、比較的大きなアスペクト比を有する基板の溝及び/又はコンタクトホール内に銅を充填するために、均一電着性及び被覆均一性に優れた鍍金組成物を使用すると、前述のように、組成物の充填能が貧弱である。溝及び/又はコンタクトホールが充填される前に、溝及び/又はコンタクトホールの入口がしばしば塞がれ、これによってボイドを形成しやすくなる。また、ボイドは、鍍金処理中のシード層での不均一な核形成、不適当な核形成、及び鍍金中の大きな粒子の生成などの他の力によって生じることがある。あいにく、典型的に低い酸を用いると、高い金属濃度の鍍金組成物は、均一電着性が劣り、添加剤の活性が抑制され、その結果、要点内に鍍金されていない領域が生じる。
【0008】
かなりの数のボイド及び/又は不均一な析出は、典型的には、貧弱なエレクトロマイグレーション抵抗だけでなく、導電率をひどく低下させることになる。ある場合には、開回路及び素子の不具合を引き起こすのに、ボイド及び/又は不均一性が十分大きいことがある。簡単にいうと、当業者には公知であるが、鍍金組成物の銅濃度が低く酸濃度が高いと、鍍金組成物は高い導電率及び良好な分極性を有し、これによって均一電着性が向上することになる。これに反して、鍍金組成物の銅濃度が高く酸濃度が低いと、組成物の金属イオン移動が良好になることは公知である。換言すれば、良好な要点の充填を可能にするには、高いアスペクト比の溝及び/又はコンタクトホールの底部に金属イオン濃度が十分存在するであろう。
【0009】
従来の鍍金組成物(即ち、銅濃度が低く酸濃度が高いか又はこれとは逆(visa versa)の組成物)を使用することにより持ち込まれる問題に対処する試みは、十分に満足できるものではなかった。例えば、特定の抑制剤、促進剤及び/又は平滑剤(leveler)等の各種の添加剤が様々な濃度で使用されてきた。使用される他の添加剤としては、塩化物(chloride)等のハライドイオンが挙げられる。使用される添加剤は、当業者には公知であるが、鍍金組成物が、高い酸濃度であって低い銅濃度であるか、これと反対の濃度であるかどうかに依存する。ある種の添加剤は、ある電位で金属原子の析出速度を低下させ、これによって析出処理を阻害することができ、一方、別の添加剤は、ある電位で金属イオンの析出速度を速め、これによって析出速度を促進することができる。あいにく、入手可能な鍍金組成物は、金属イオンの移動が幾分制限される比較的高いアスペクト比の要点を処理すると、要点の充填(feature filling)問題を十分に解決するに至っていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電気鍍金組成物及び電気鍍金方法は、以下に詳細に説明するように、驚くほど優れた充填能を提供し、サブミクロン・サイズの高いアスペクト比の要点に対して下から上への充填能により優れた銅の析出を保証して、ボイド(voids;空所)の存在を低減させるかあるいは実質的に皆無にするものである。電気鍍金組成物及び方法を利用して、半導体加工物の高いアスペクト比を有する半導体素子の溝及び/又はコンタクトホール等の素子の要点内に、金属を電気鍍金することができる。開示された組成物及び方法は、加工物の金属層の製造に用いられる広範な工程に適用可能である。説明を簡素化するために、組成物及び方法は、主として、集積回路又はその他のミクロ電子部品を形成するために処理される、半導体ウエハに形成された要点の金属化に関連して検討される。開示された組成物及び方法は、前記半導体ウエハや要点に限定されるものではないが、金属化を必要とするあらゆる加工物に関連して使用されることができる。「加工物(workpiece)」なる用語は、半導体ウエハに限定されるものではないが、むしろ、概ね平行な平面の第一及び第二の表面を有し、かつ比較的薄い基板をいい、半導体ウエハやセラミックウエハの他に、ミクロ電子回路又は部品、データ記憶要素又は層、及び/又はミクロ機械要素が形成されたその他の基板を含む。
【0011】
電気鍍金組成物は相対的な濃縮を予め回避した銅及び酸を含む。電気鍍金組成物は、驚くほど優れた充填能、特に、寸法がサブミクロン(例えば、0.12μmの溝)の高いアスペクト比の要点に対して下から上に銅を析出する充填能を提供して、ボイドの存在を低減させるかあるいは実質的に皆無にする。更に、電気鍍金組成物は、シード層(seed layers;種の層)に向かう腐食がより少なく、同様に優れた充填能を提供する。電気鍍金組成物は、銅及び硫酸の水性混合物を含むことができ、硫酸濃度に対する銅濃度の比(濃度はg/L)が約0.3〜約0.8である。前記組成物は、また、硫酸濃度が約65〜約150g/Lであるとき、銅濃度がその溶解度の限界近くにある銅及び硫酸の水性混合物を含むことができる。前記組成物は、また、促進剤、抑制剤、ハライド(halides;ハロゲン化合物)及び/又は平滑剤等の慣用の添加剤を含むことができる。開示された方法は、半導体加工物上に銅を析出する電気鍍金組成物を利用する。更に、前記方法は、サブミクロン・サイズの高いアスペクト比の要点に対して下から上への充填能を有する優れた銅の析出を保証して、ボイドの存在を低減させるかあるいは実質的に皆無にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
銅及び硫酸等の酸からなる従来の電気鍍金組成物は、銅濃度が比較的高いときはいつでも、熱の影響を低減して合理的な充填能をもたらすために比較的低い酸濃度を有するか、あるいは、銅濃度が比較的低いときはいつでも、鍍金組成物の均一電着性が良好となるように比較的高い酸濃度を有する。本発明の電気鍍金組成物は、このような従来の通念に従うものではない。実際、本発明の組成物は酸濃度により近い当量の銅濃度を有する。
特定の実施の形態において、本発明により考案された電気鍍金組成物は、銅及び硫酸の水性混合物を含み、銅濃度と硫酸濃度の比(g/Lと記載された濃度の全ては、溶液1リットル当たりのグラム数である)が約0.3〜約0.8である。別の特定の実施の形態において、電気鍍金組成物は銅及び硫酸の混合物を含み、銅濃度と硫酸濃度の比が約0.4〜約0.7である。更に別の実施の形態において、電気鍍金組成物は銅及び硫酸の混合物を含み、銅濃度と硫酸濃度の比が約0.5〜約0.6である。
【0013】
他の実施の形態において、電気鍍金組成物は銅及び硫酸の水性混合物を含み、組成物中の銅濃度は、硫酸濃度が約65〜約150g/Lであるとき、その溶解度の限界の約60%〜約90%の範囲にある。更に他の実施の形態において、電気鍍金組成物は銅及び硫酸の水性混合物を含み、組成物中の銅濃度は、硫酸濃度が約70〜約120g/Lであるとき、その溶解度の限界の約60%〜約90%の範囲にある。他の特定の実施の形態において、組成物は、濃度が約35〜約60g/Lの銅と、濃度が約65〜約150g/Lの硫酸との水性混合物を含む。他の実施の形態において、組成物は、濃度が約45〜約55g/Lの銅と、濃度が約75〜約120g/Lの硫酸との水性混合物を含む。
上述の範囲にある銅及び硫酸を有するあらゆる電気鍍金組成物は優れた充填能を提供するであろうが、特に有用な電気鍍金組成物は、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸、又は約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸の水性混合物を含む。その他の典型的な実施の形態では、約60g/Lの銅及び約65g/Lの硫酸、又は約47g/Lの銅及び約70g/Lの硫酸の水性混合物を含む。
【0014】
本発明の電気鍍金組成物に用いられる銅源としては、例えば、硫酸銅、フッ化ホウ酸銅、グルコン酸銅、スルファミン酸銅、スルホン酸銅、ピロリン酸銅、塩化銅、シアン化銅、これらの組合せ等の銅塩が挙げることができる。本明細書では主として硫酸銅について言及するが、あらゆる好適な源から入手し得る銅が、開示された組成物に使用可能であることを理解すべきである。
電気鍍金組成物は、硫酸との組合せ又は硫酸に代えて、フッ化ホウ酸等の他の鉱酸、メタンスルホン酸(MSA)、アミド硫酸、アミノ酢酸、これらの組合せ等の有機酸など、鉱酸と有機酸の組合せを含有してもよい。電気鍍金組成物は、小さな要点への充填を支援するために、更に、抑制剤、促進剤、平滑剤等の添加剤を含むことができる。
【0015】
また、電気鍍金組成物は、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、これらの組合せ等のハライドイオンなどの添加物を含有してもよい。開示された組成物のある実施の形態において、相互作用すると共に一定の電圧で銅の析出を抑制するに十分な量で、あるいは印加される所定の電流密度を得るために過電圧を高めるに十分な量で、塩化物がある抑制添加剤(例えば、ポリエーテル類)と一緒に添加される。当業者には公知であるが、添加されるハライド濃度は、典型的には、特定のハードウェア用に選択された操作パラメータにより決定される。開示された組成物のある実施の形態において、ハロゲン濃度は約10ppm〜約100ppmである。例えば、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約50ppmのHClを添加することができる。別の実施の形態において、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約20ppmのHClを添加することができる。析出速度を低下させる抑制剤の補助に、及び/又は析出速度を高める促進剤の補助に用いられる、その他の好適な添加剤(当業者には公知であるが)を添加してもよい。
【0016】
抑制剤は、一般に、陰極の分極を高め、基板表面に吸着して、吸着された領域に銅の析出を阻害するか又は低減させる。鍍金組成物に添加される抑制剤としては、例えば、広範な比率で混合されるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム/ブロック共重合体からなる抑制剤等の、2成分ポリエチレングリコールをベースとした抑制剤を挙げることができる。例えば、コネチカット州ウエスト・ヘイヴン(West Haven)所在のエンソン社(Enthone, Inc.)から市販の銅・バス・ビアフォーム(CUBATH ViaForm)抑制剤(DF75)、又はマサチューセッツ州モールバラ(Marlborough)所在のシプレー社(Shipley Company)から市販のシプレーC−3100抑制剤を使用することができる。
電気鍍金組成物の実施の形態では、あらゆる好適な種類の抑制剤及び濃度を包含することができる。例えば、約2ml/L〜約30ml/L、又は約2ml/L〜約10ml/Lの濃度で、銅・バス・ビアフォームDF75 抑制剤を使用することができる。更なる例として、約5ml/L〜約25ml/L、又は約10ml/L〜約20ml/Lの濃度で、シプレーC−3100抑制剤を使用できる。ある特定の実施の形態において、約2ml/Lの CUBATH 抑制剤が、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に使用される。別の例では、マサチューセッツ州モールバラ所在のシプレー社から市販のシプレーC−3100抑制剤が、約17.5ml/L の濃度で、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に使用される。
【0017】
促進剤は、陰極の分極を低下させ、吸着される領域に銅の成長を促進する吸着部位において抑制剤と競合する。鍍金組成物に用いられる促進剤としては、例えば2ナトリウム・ビススルホプロピルジサルファイド(SPS)等の硫黄含有化合物を挙げることができる。より小さな分子次元の促進剤は抑制剤より早く拡散できる。例えば、エンソン社から市販の CUBATH ViaForm 促進剤(DF74)又はシプレーB−3100促進剤(シプレー社から市販)を使用することができる。電気鍍金組成物の実施の形態では、例えば、CUBATH ViaForm DF74等の促進剤を包含することができる。かかる促進剤については、約2ml/L〜約30ml/L、又は約2ml/L〜約8ml/Lのあらゆる好適な濃度で使用できる。例えば、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約5ml/Lの促進剤を使用できる。CVD等の被覆率に優れたシード層には、約8ml/Lの前記促進剤を使用できる。底部被覆率が貧弱な(例えば、底部のボイド)シード層には、約2ml/LのDF74又は同様の促進剤を使用できる。別の実施の形態において、約10ml/LのシプレーB-−3100促進剤(シプレー社から市販)が、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に使用される。
【0018】
抑制剤及び促進剤は要点の周辺に濃密に存在し、抑制剤が銅の成長を阻害するので、シード層の小さな張り出しは要点内のボイドに繋がる要点口を閉塞することができる。従って、抑制剤の大部分が地形学的な要点の頂部で活性であり、下から上への成長を達成するように要点内部の活性において促進剤が抑制剤より優勢である、電気鍍金組成物は特に有用であるといえる。
かかる成分の濃度は、特定のハードウェア及び/又は所望の操作条件に最適となるように変化させることができる。電気鍍金組成物に対する添加剤(例えば、ハライド、促進剤、抑制剤、任意の平滑剤)の好適な濃度範囲は、当業者には公知であるが、選択される特定の処理及び/又は手段(tool:例えば、温度、回転速度、流速、電流密度)に関する具体的な操作条件に依存して変化させることができる。
【0019】
要点の充填後に促進反応を継続すると、要点上に銅の過剰な成長が生じて表面に突出部を作り出す。そのため、エンソン社から市販の CUBATH ViaForm 平滑剤DF79又はシプレーU−3100平滑剤(シプレー社から市販)等の平滑剤を本明細書に開示された電気鍍金組成物に添加することができる。突出部における電流を弱めて平滑にされた表面を形成するために、その他の好適な平滑剤を使用することができる。電気鍍金組成物の具体的な実施の形態では、約0.5ml/L〜約3ml/L又は約1.0〜約3.0ml/Lの平滑剤濃度を包含する。例えば、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約2.5ml/LのDF79平滑剤を使用できる。別の例では、約40g/Lの銅及び約100g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物に、約2ml/LのシプレーU−3100平滑剤(シプレー社から市販)を使用できる。
【0020】
本発明の電気鍍金組成物の操作温度は、約15℃〜約30℃又は約22℃〜約27℃の範囲とすることができる。例えば、約50g/Lの銅及び約80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物の操作温度は、約25℃で実用的であることが判明した。
本発明の電気鍍金組成物を使用する鍍金方法は、例えば、モンタナ州カリスペル(Kalispell)所在のセミツール社(Semitool, Inc.)、カリフォルニア州サンノゼ(San Jose)所在のノヴェラス・システムズ社(Novellus Systems, Inc.,)、又はカリフォルニア州サンタ・クララ(Santa Clara)所在のアプライド・マテリアルズ社(Applied Materials, Inc.)により目下市販されているタイプの噴水式鍍金反応器で実施されることができる。これらの機器は、単一のディスク様陽極又は陽極粒子からなるバスケットのいずれかを用いて、単一の陽極として機能する陽極系を備えた鍍金反応器が組み込まれている。
しかし、米国特許第6,497,801号明細書、米国特許第6,569,297号明細書、米国特許第6,565,729号明細書、及びPCT出願公開 WO 00/61498に記載されたタイプの多重陽極反応器で実施される鍍金方法が、本明細書に記載された電気鍍金組成物の使用に特に適している。米国特許第6,497,801号明細書、米国特許第6,569,297号明細書、米国特許第6,565,729号明細書、及びPCT出願公開 WO 00/61498は、本明細書に援用される。
【0021】
図7(a)は、代表的な鍍金ステーション110の一部概略した断面図を示す。支持部材140は、回転モータ144及びこれに連結されたロータ142を備える。ロータ142は接点組立体160を支持する。ロータ142は、裏当て板145及びシール141を備えることができる。裏当て板145は、これが加工物101の裏側に接触する第一位置(図7(a)に実線で示される)と、裏当て板145が加工物101の裏側から離間した第二位置(図7(a)に破線で示される)との間の加工物101に対して、直交する方向に移動する(矢印T)。
接点組立体160は、保持部材162、この保持部材162により保持される複数の接点164、及び保持部材162とロータ142の間に延びる複数のシャフト166を備えることができる。接点164は、加工物101上のシード層の一部に係止するように構成された、リング形式のバネ接点又はその他の形式の接点とすることができる。市販の支持部材140及び接点組立体160を使用することができる。特に好適な支持部材140及び接点組立体160が、米国特許第6,228,232号明細書、米国特許第6,080,691号明細書、米国特許出願09/385,784号、米国特許出願09/386,803号、米国特許出願09/386,610号、米国特許出願09/386,197号、米国特許出願09/501,002号、米国特許出願09/733,608号、及び米国特許出願09/804,696号に開示されており、これらの全ては本明細書に援用される。
【0022】
鍍金ステーション110は、外部ハウジング即ち外部チャンバ131と、このチャンバ131内に配置された内部チャンバ132(両チャンバとも概要が図7(a)に示されている)とを有する反応容器130を備える。内部チャンバ132は、少なくとも1つの電極(図7(a)には図示されていない)を保持し、本発明の実施の形態における電気鍍金組成物等の処理液の流れを加工物101に案内する。処理液は、(矢印Fで示されるように)堰を溢流して、再循環、再利用又は廃棄のために処理液を捕らえる外部チャンバ131内に流入する。
操作時には、支持部材140は、反応容器130の加工物処理部位(加工物の平面等)で加工物101を把持して、少なくとも加工物101の鍍金表面を処理液に没入させる。加工物101の鍍金表面と内部容器132内に位置する1又はそれ以上の電極(図7(b)を参照して以下により詳細に説明する)との間に電位を加えて、処理液中に電界を形成する。例えば、あるプロセスでは、接点組立体160は、内部容器132内の電極に関して負電位の状態にバイアスされ、導電性材料を加工物101上に鍍金する。また、このプロセスのある態様では、1つの電極(「泥棒(thieving)」電極)が、他の電極に関して負電位の状態にバイアスされ、加工物101への材料の貼付け均一性を制御する。
【0023】
図7(b)は、泥棒電極を含む多重電極を有する反応容器130の実施の形態の概略図である。反応容器130は、内部チャンバ132と外部チャンバ131の間に螺旋状の排水路134を備える。排水路134は、内部チャンバ132を溢流する本発明の実施の形態における電気鍍金組成物等の処理液を受け入れ、処理液を液体出口135に向けて案内する。液体は、一次入口136a及び二次入口136bを通って内部チャンバ132に流入する。一次入口136aは、内部チャンバ132内の処理液の一部を一次流出ガイド170に案内する一次流路137に連結される。一次流出ガイド170は、流れを内部チャンバ132の中心軸線139に向けて案内する穴171を有する。その結果、流れは、一次流出ガイド170から充填されるべき加工物の要点に向かって上方に進む。
二次入口136bは、例えば本発明の実施の形態と同一又は異なった電気鍍金組成物等の二次液体を複数の電極に案内する、分配装置189に連結されることができる。内部チャンバ132は4つの同心電極180を備える。制御装置183は、電極180a〜dに作動可能に接続して各電極に流される電流を個別に制御し、従って、電極と加工物の要点の間の対応する導電経路を制御する。
【0024】
電極180は、仕切り178で分離された複数の対応する電極区画室177(区画室177a〜177dとして示される)を有する界磁形成ユニット(field shaping unit)176内に収容される。分配装置189は、二次液体を複数の対応する分配装置チャンネル179(分配装置チャンネル179a〜179dとして示される)を経由して各区画室177に案内する。従って、二次液体は、分配装置189を通り、電極180のそばを通り去って、加工物の要点に向かって上方に進む。電極180により形成される電界上の界磁形成ユニット176の効果は、仮想線の電極位置181a〜181dで示されるように、電極180があたかも各区画室177の出口に位置するかのごとくである。
一次流出ガイド170は、一次流体入口136aから上方及び外側に延びる、内側に面した容器壁138(図7(b)に点線で示される)を形成する。穴182を有する遮蔽体184が、電極180と加工物101の要点の間に位置し、加工物の要点と流体の流れと反応容器130内の電界との相互作用を制御することができる。
【0025】
図7(b)に示される反応容器130において、各区画室177は、液体及び気泡が通過する1又はそれ以上の穴(例えば、ホール及び/又はスロット)174を有する。従って、各区画室177に捕らえられた気泡は、内部チャンバ132から流出するまで、各区画室の穴174を通って半径方向外側に進む。各区画室177は界面(interface)部材175を備えることができる。界面部材175は、二次液体を加工物の要点に向かって通過させるのは可能であるが、空気の気泡及び他の粒子を捕捉するように構成された、フィルタ又はその他の要素を含むことができる。別の実施の形態では、界面部材175は、二次流体が要点に向かって通過することを阻止するか又は実質的に阻止するが、イオンを加工物に向かって通過させるのは可能なイオン膜を含む。実際、二次流体は、穴174を通り、螺旋状の排水路134を経由して内部チャンバ132から流出する。第一流体を分離した排水部(図示せず)に収集することができる。別の実施の形態では、イオン膜は、イオンだけでなく流体の通過を可能にする。
【0026】
半導体ミクロ電子加工物等の加工物上で複数の方法を遂行できる処理機器に、1又はそれ以上の前述の反応器組立体を容易に一体化することができる。かかる処理機器の1つは、モンタナ州カリスペル所在のセミツール社から市販の電気鍍金装置である。図9(a)及び図9(b)はかかる一体化の例を示す。
図9(a)の装置は複数の処理ステーション210を備える。これらの処理ステーションは、1又はそれ以上の洗浄/乾燥ステーション及び1又はそれ以上の電気鍍金ステーションを備える(その他の好適な浸漬−化学的処理機器は電気鍍金組成物を使用することができる)。前記装置は、急速熱処理(RTP)に適した少なくとも1つの熱反応器を含む符号215等に熱処理ステーションを備える。
加工物は、中央の路線225に沿った直線移動用に配置された1又はそれ以上のロボット移送機構220を用いて、処理ステーション210とRTPステーション215の間に移送される。1又はそれ以上のステーション210は、また、現場洗浄を遂行するのに適した構造体を組み込むことができる。ロボット移送機構だけでなく全ての処理ステーションは、濾過された空気が陽圧で供給される収納庫内に配置され、これによって、ミクロ電子加工物の処理効率を低下させることのある空気中に浮遊する夾雑物を制限することができる。
【0027】
図9(b)は、本発明の電気鍍金組成物を使用できる別の代表的な処理機器を示す。図9(b)に示された処理機器は、少なくとも1つの熱反応器を含む部分230に位置するRTPステーション235を備え、機器一式に一体化することができる。図9(a)の処理機器と異なって、少なくとも1つの熱反応器は、専用のロボット機構240によって使用可能にされる。専用のロボット機構240は、ロボット移送機構220によりロボット機構に移送される加工物を受け取る。移送は中間の中継(staging)ドア/領域245を介して行うことができる。そのこと自体は、処理機器の反応器部分230を他の機器部分から衛生的に分離することが可能になる。更に、かかる構成により、既存の機器一式の性能を高めるために取り付けられる分離したモジュールとして、アニール(焼き鈍し)ステーションを導入することができる。
【0028】
本発明の電気鍍金組成物は、加工物に相互接続及びビアを形成する無数の加工物金属化処理方法のどのようなものにも利用できる。例えば、図8(a)〜図8(d)は、幾つかの可能な電気化学的析出による金属化処理のフローチャートを示し、開示された電気鍍金組成物を使用して、相互接続、ビア又はその他の前記要点を形成することができる。
典型的なダマスク模様の処理フローが図8(a)に示されている。ダマスク模様の処理において、加工物には、まず、溝(又は素子のその他の要点)が形成された絶縁層上に配置される金属シード層及びバリア/接着層が設けられる。シード層は、次の金属電気鍍金工程中に電流を流すために用いられる。典型的には、シード層は、幾つかの方法のうちの1つを用いて貼り付けられ得る、金属からなる非常に薄い層である。例えば、金属のシード層は、物理蒸着法又は化学蒸着法により堆積され、約500Å厚のオーダで層を作製することができる。また、銅、金、ニッケル、パラジウム、及び殆どないしはその他の全ての金属からシード層を形成することができる。シード層は、絶縁基板に凹設された溝又は素子のその他の要点の存在により入り組んだ表面上に形成される。
【0029】
ある方法において、本発明の電気鍍金組成物を使用する前に、シード層の電気化学的な(電極又は電気分解による)補修又は増強工程が行われる(図8(a)に示されていない)。具体的には、シード層を次の金属の堆積に適したものとする必要があるか、あるいは、「増強された」シード層を設ける別の堆積工程で、既に存在するシード層上に追加の金属を堆積させて増強する必要がある場合に、極く薄いシード層等のシード層を補修することができる。増強されたシード層は、典型的には、加工物内に分布する実質的に全て凹設された要点の側壁上の全ての箇所における厚さが、加工物表面の外側に配置された名目上のシード層の約10%以上である。例えば、シード層の増強工程は、米国特許第6,290,833号明細書及び米国特許第6,565,729号明細書に開示された通りに行われ、これらの特許文献は本明細書に援用される。シード層の増強工程が行われると、次に洗浄工程に進むことができる。
【0030】
引き続き図8(a)を参照して、銅層がシード層上に被覆層の形態で電気鍍金される。被覆層は上層を形成する程度に鍍金され、相互接続配線の形成に用いられる溝(又はその他の素子の要点)を充填する銅層が設けられる。銅層は、その後、典型的にはDI(脱イオン)水で随意洗浄され、銅層を(随意)乾燥することができる。洗浄/乾燥は、行われるならば、電気化学的鍍金が生じるチャンバで、あるいは使用される鍍金用機器に応じて別のチャンバで行うことができる。
引き続き、加工物を剥離ユニットに移送し、例えば斜角エッチングする(bevel-etch)などして過剰の銅を除去する。本明細書に開示された電気鍍金組成物を使用するある方法において、過剰の銅は、例えば、本明細書に援用される米国特許号明細書に開示された方法等の方法により、加工物の裏側及び/又は加工物の処理側の周縁から選択的に除去される。その後、斜角エッチングされ、裏側が清浄化された加工物を洗浄できる。裏側の清浄と最初のDI水洗浄を同時に行うことができる。
【0031】
鍍金、洗浄及びエッチングの各工程を同一のチャンバで行っても、別々のチャンバで行ってもよい。エッチングされた加工物は引き続きアニール処理される。アニール処理前に、加工物を例えばDI水で洗浄してもよい。あらゆる好適な方法により加工物をアニール処理することができる。例えば、加熱炉を用いた従来の方法により加工物をアニール処理してもよく、あるいは、本明細書に援用される米国特許第6,508,920号明細書に開示された方法等の方法により、100℃以下の温度で又は周囲の室温でさえもアニール処理することができる。加工物は、その後化学機械研磨されて、例えば、素子の要点に望ましいとされるものよりも過剰に析出された銅を除去できる。
図8(b)に示されるように、本発明の電気鍍金組成物を利用する代替処理は、表面欠陥を制限してそこから不要な材料を除去するために、銅の析出前に清浄化又は湿潤の前工程を含めることができる。図8(b)に示されるように、清浄化又は湿潤の前工程、銅鍍金、裏側の清浄化及び/又は斜角エッチング、及びDI水洗浄の工程の全ては、鍍金用機器で行ってもよい。その後、鍍金用機器の外部でのアニール処理及びCMP工程が続くことになる。
【0032】
本発明の電気鍍金組成物の使用に好適な別の可能な処理において、銅の析出前にシード層の補修又は増強工程を行うことができる(図8(c))。シード層の補修工程は第二シード層の電気化学的な析出を含み、次にDI水洗浄に進むことができる。例えば前述したようなあらゆる好適な手段により、第二シード層の析出を行うことができる。図8(c)に示されるように、シードの補修、銅鍍金、裏側の清浄化及び/又は斜角エッチング、及びDI水洗浄の工程の全ては、鍍金用機器で行ってもよい。その後、鍍金用機器の外部でのアニール処理及びCMP工程が続くことになる。
図8(d)に示されるように、本発明の電気鍍金組成物を利用する別の代替処理において、銅鍍金、裏側の清浄化/斜角エッチング、DI水洗浄、及びアニール処理の工程の全ては、鍍金用機器で行ってもよい。その後、CMPを鍍金用機器の外部で行うことができる。
【実施例】
【0033】
前述したように、あらゆる種類の加工物の金属化処理方法により、多数の電気鍍金用機器に本発明の電気鍍金組成物を使用することができる。更に、本明細書に開示された電気鍍金組成物を使用して、多数の処理パラメータを金属化処理に用いることができる。利用される処理パラメータは、充填される要点、使用される機器、及び当業者には公知であるその他の前記可変事項に依存する。代表的な実施例にすぎないが、1つの可能な処理を以下に示す。
【0034】
加工物の相互接続及び/又はビア等の素子の要点内に銅の電気化学的な析出を行っている間(前述した方法の1つ又はその他のあらゆる好適な方法による)、酸性の電気鍍金組成物がボイドの形成に繋がる薄いシード層を腐食(エッチング)することができる。従って、開示された実施の形態の電気鍍金組成物に加工物を浸漬した状態で、例えば約0.1V〜約1.0Vの加工物負荷バイアスを加工物の鍍金表面に印加することができる。例えば、200nmの加工物について0.4V以上の負荷バイアスでは、ボイドのない要点の充填をもたらすことが判明した。鍍金効率を更に高めるために、例えば200nmのウエハに1.0μm厚の銅を析出する鍍金については、電気鍍金組成物に浸漬した状態でウエハを約40rpm〜約200rpmで回転させることができる。鍍金の際に、ウエハは約10rpm〜約150rpmで回転される。鍍金方法の典型的な実施例では、ウエハを、浸漬した状態で約75rpmで回転させ、鍍金の際に、1.0A(アンヘ゜ア)で5秒間ほど約75rpmで、1.0Aで25秒間ほど約40rpmで、そして、4.5Aで所望の厚さに析出するに必要な残りの時間約40rpmで回転させる。当業者には公知であるが、回転速度、バイアス、及び使用時間は、使用される鍍金用機器及び形成されるべき素子に依存する。
【0035】
鍍金効率を更に高めるために、例えば200nmのウエハに0.85μm厚の銅を析出する鍍金については、ウエハは電気鍍金組成物に浸漬した状態で約40rpm〜約200rpmで回転された。鍍金の際に、ウエハは約10rpm〜約150rpmで回転される。鍍金方法の典型的な実施例では、ウエハを、浸漬した状態で約75rpmで回転させ、鍍金の際に、1.0Aで5秒間ほど約75rpmで、1.0Aで5秒間ほど約40rpmで、2.0Aで39秒間ほど約40rpmで、そして、8.22Aで所望の厚さに達するまで約60rpmで回転させる。
これらに代えて、そして電流密度を設定して鍍金効率を高める可能な方法を更に説明すると、約400Åの銅のシード層を有する200nmのウエハに1μmの銅の析出を行うことができる。ウエハを約150rpmで回転することができる。電流密度を約2mA/cm2〜約70mA/cm2とすることができる。これに代えて、所望の厚さに達する時間まで電流密度を約3mA/cm2〜約25mA/cm2としてもよい。勿論、採用される電流密度を鍍金処理中に変化させることができるが、典型的には、低い電流密度で開始して高い電流密度で終了するとは限らない。
【0036】
実施例1及び比較データ
本発明の電気鍍金組成物の代表的な実施例を表1に示す。
表 1
成 分 濃度(g/L)
銅 50
硫酸 80
促進剤(DF74) 5.0
抑制剤(DF75) 2.0
平滑剤(DF79) 2.5
塩化水素 50*
* ハロゲン濃度はppm
好適な電流密度で(例えば、前記したようなもの)、図2(e)、図3(d)、図4(d)〜(f)、及び図5(b)に示される結果のように、ボイドのない充填が本実施例の電気化学的組成物を用いて達成された。
【0037】
比較のために、同一の濃度の同一の添加剤を用いて同一の条件下で、従来技術の電気鍍金組成物を試験に供した。図4(a)〜(c)に見ることができるように、ボイドのある要点が得られた。具体的には、従来の高い銅と低い酸の組合せを含む従来技術の電気鍍金組成物(即ち、50g/Lの銅及び約10g/Lの硫酸)は、視認できるボイドを有するビアが生じた。図4(a)〜(c)対図4(d)〜(f)に示された結果の比較から、従来技術の高い銅/低い酸の電気鍍金組成物(図4(a)〜(c))は、相互接続の下部領域に写真中のダークスポットとして見える、有意のボイドを有する相互接続の形成が生じたことを明示している。図4(d)に示されるような本発明の一実施例の電気鍍金組成物を使用する相互接続の充填は、図4(d)の写真に見ることができるように、相互接続の溝を完全に充填する前に停止されるけれども、視認できるボイドのない相互接続が形成していて、従来の電気鍍金組成物の結果よりも有意に改善されていた。更に、図4(f)に示されるような実施例の電気鍍金組成物を使用して形成される相互接続は、多少のボイド化を示すけれども、相互接続におけるボイドの数及び大きさが、図4(c)の写真に見ることができるように、従来技術の高い銅/低い酸の電気鍍金組成物を使用して形成される相互接続に生じるボイド化と比較して、有意に少なく、かつ小さくなっている。
【0038】
更なる比較のために、別の従来技術の電気鍍金組成物(即ち、従来の低い銅/高い酸の組成物)について、同一の添加剤を用いて(同一の濃度で)同一の条件下で試験を行ったところ、図5(a)に示されるように、継ぎ目のあるボイドを有する溝が生じた。具体的には、20g/Lの銅及び180g/Lの硫酸を含む従来技術の電気鍍金組成物は、金属化された溝に継ぎ目のあるボイドが生じた。相対的に、本発明の実施例の電気化学的な鍍金組成物、具体的には、80g/Lの硫酸及び50g/Lの銅を含む組成物は、(図5(b)に示されるように)同一の大きさの溝にボイドのない要点を生じた。
【0039】
実施例2及び比較データ
本発明の電気鍍金組成物の別の実施例を表2に示す。
表 2
成 分 濃度(g/L)
銅 40
硫酸 100
促進剤(B−3100) 10.0
抑制剤(C−3100) 17.5
平滑剤(U−3100) 3.0
塩化水素 20*
* ハロゲン濃度はppm
例えば前記したような好適な電流密度で、図6(b)に示されるように、ボイドのないビアの充填が本発明における本実施例の電気鍍金組成物を用いて達成された。
比較のために、従来技術の電気鍍金組成物について、実施例2と同様にして、同一の添加剤を用いて(同一の濃度で)同一の条件下で試験を行った。図6(a)に見ることができるように、従来技術の電気鍍金組成物ではボイドのあるビアの充填が得られた。具体的には、比較対象の従来技術の電気鍍金組成物は、従来の高い酸及び低い銅の組合せ(即ち、20g/Lの銅及び180g/Lの硫酸)からなり、図6(a)に示されるように、視認できるボイドのあるビアを生じたが、一方、本発明の実施例の電気鍍金組成物は、驚くほど優れた結果を示し、図6(b)に示されるように、ボイドのないビアの充填が達成された。
【0040】
実施例3
図2(a)〜(e)に示されるように、相互接続の高さの1/2で幅が約0.12〜約0.15μmである銅半導体の相互接続の溝が、多様な実施例の電気鍍金組成物を使用して充填され、これらの組成物は、酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させたものであり、従来技術の多様な組成物と比較された。具体的には、図2(a)及び図2(c)に示されるように、20g/Lの銅及び80g/Lの酸を含む従来技術の電気鍍金組成物を使用して、相互接続の溝を充填した。これらの図面の写真に見ることができるように、従来技術の低い銅/高い酸の組成物は、視認できるボイドを有する素子が得られる。しかし、相対的に、図2(b)及び図2(d)に示されるように、銅の溶解度の限界に近い銅濃度及び酸濃度からなる本発明の電気鍍金組成物は、形成されるボイドの数が比較的少ない素子が得られた。具体的には、図2(b)及び図2(d)に示されるように、35g/Lの銅及び80g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物を使用して相互接続の溝を充填したところ、優れた結果を与えた。
【0041】
実施例4
図2(f)の図式にまとめられた結果が数多くの実施例を示すように、銅濃度を段階的に高め、かつ酸濃度を比較的低く保持した電気鍍金組成物が試験に供された。この低い酸濃度に対する銅濃度の増大(従来の通念に反する)は、やはり驚くほど優れた結果を与えた。
具体的には、酸濃度及び銅濃度をそれぞれ10g/L〜150g/L及び20g/L〜50g/Lと変化させながら、添加剤濃度及びハライド濃度を一定に保持した。鍍金後、鍍金されたウエハを横断方向に切断して、ボイドの有無を検査した。試験に供された各実施例の電気鍍金組成物について、3種類の各々の大きさ(0.12、0.15、0.20μm)に充填される5個の要点を検査した。5個のうち充填された要点の数を各大きさ毎に数えた。満点は各大きさで5となる。このデータは、その後、統計分析ソフトウェア・ツール(即ち、JMP統計分析ソフトウェア・プログラム)に入力され、前記ツールは、図2(f)に示される図式化されたレバレッジ(leverage)のプロットを作り出した。図2(f)から見ることができるように、銅濃度が比較的高く、かつ酸濃度が比較的低い電気鍍金組成物(即ち、銅濃度が溶解度の限界に近い本発明の実施例の電気鍍金組成物)は、要点の下から上への充填能が統計学的に有意に改善される。
【0042】
実施例5及び比較データ
図3(a)〜(d)に示されるように、次の電気鍍金組成物を使用して、相互接続の高さの1/2で幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続の溝を充填した。なお、前記組成物は、銅濃度を20g/L又は50g/Lとして硫酸濃度を変化させたものである(図3(a)及び(b)では、それぞれ20g/Lの銅と80g/L及び150g/Lの酸、図3(c)及び(d)では、それぞれ50g/Lの銅と10g/L及び80g/Lの酸)。図3(a)に示されるように、20g/Lの銅及び80g/Lの酸を含む電気鍍金組成物を使用して、相互接続の溝を充填した。
比較のために、図3(b)に示されるように、20g/Lの銅及び150g/Lの硫酸を含み、従来の典型的な高い酸/低い銅組成物と類似の電気鍍金組成物を使用して、相互接続の溝を充填した。かかる組成物を用いると、やはり劣悪な結果が得られた。
更なる比較のために、図3(c)に示されるように、50g/Lの銅及び10g/Lの硫酸を含む電気鍍金組成物を使用して、相互接続の溝を充填した。その結果を図3(c)に示す(なお、図3(d)に示された結果は、前記実施例1に記載のように、本発明の電気鍍金組成物を使用すると優れた結果が達成されることを示している)。
【0043】
実施例6
図3(f)の図式にまとめられた結果が更に示すように、銅濃度を溶解度の限界又はその近くまで高めながら酸濃度を高めていくと、要点の充填が統計学的に有意に改善される。数多くの実施例の電気鍍金組成物が試験に供され、これらの組成物は、酸濃度を段階的に高め、銅濃度を特定の酸濃度における溶解度の限界近くまで比較的高く保持したものである。
具体的には、酸濃度及び銅濃度をそれぞれ10g/L〜150g/L及び20g/L〜50g/Lと変化させながら、添加剤濃度及びハライド濃度を一定に保持した。鍍金後、鍍金されたウエハを横断方向に切断して、ボイドの有無を検査した。試験に供された各実施例の電気鍍金組成物について、3種類の各々の大きさ(0.12、0.15、0.20μm)に充填される5個の要点を検査した。5個のうち充填された要点の数を各大きさ毎に数えた。満点は各大きさで5となる。このデータは、その後、統計分析ソフトウェア・ツール(即ち、JMP統計分析ソフトウェア・プログラム)に入力され、前記ツールは、図3(f)に示される図式化されたレバレッジのプロットを作り出した。図3(f)から見ることができるように、銅濃度が溶解度の限界又はそれに近いと、要点の下から上への充填能が統計学的に有意に改善される。
【0044】
本発明の電気鍍金組成物及び方法について、複数の実施の形態及び実施例を参照して説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態及び実施例に限定されないことが理解されるであろう。一方、本発明は、添付の特許請求の範囲に定義される発明の精神及び範囲内に含まれる変形例、代替例及び均等例の全てを包含することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】約25℃における硫酸中の硫酸銅の溶解度を説明するグラフである。
【図2(a)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2(b)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図2(c)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図2(d)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図2(e)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.12μm〜約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図2(f)】試料の銅濃度を連続的に高めた電気鍍金組成物における酸/銅の比を変化させたときの要点への充填結果を示す図解的プロットである。
【図3(a)】銅濃度を約20g/Lとして酸濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図3(b)】銅濃度を約20g/Lとして酸濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図3(c)】銅濃度を約50g/Lとして酸濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図3(d)】銅濃度を約50g/Lとして酸濃度を変化させた電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.15μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図3(e)】電気鍍金前の相互接続溝の高さの1/2で幅が約0.023μmである相互接続溝のSEM写真である。
【図3(f)】試料の酸濃度を連続的に高めた電気鍍金組成物における酸/銅の比を変化させたときの要点への充填結果を示す図解的プロットである。
【図4(a)】酸濃度を約10g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(b)】酸濃度を約10g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(c)】酸濃度を約10g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(d)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした本発明の電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(e)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした本発明の電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図4(f)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした本発明の電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.25μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図5(a)】酸濃度を約180g/Lとして銅濃度を約20g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.2μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図5(b)】酸濃度を約80g/Lとして銅濃度を約50g/Lとした本発明の電気鍍金組成物の実施例により形成された相互接続の高さの1/2で、幅が約0.2μmである銅半導体の相互接続のSEM写真である。
【図6(a)】酸濃度を約180g/Lとして銅濃度を約20g/Lとした従来技術の電気鍍金組成物により形成されたビアの高さの1/2で、幅が約0.16μmである銅半導体のビアのSEM写真である。
【図6(b)】酸濃度を約100g/Lとして銅濃度を約40g/Lとした本発明の実施の形態における電気鍍金組成物の実施例により形成されたビアの高さの1/2で、幅が約0.16μmである銅半導体のビアのSEM写真である。
【図7(a)】電気化学的組成物を利用する処理機器用の処理チャンバないしは反応器を備えた代表的な電気的処理ステーションの断面図である。
【図7(b)】電気化学的組成物を利用することができる代表的な処理チャンバないしは反応器の部分断面図である。
【図8(a)】本発明の電気化学的組成物及び方法を利用する半導体加工物の金属化を実施する、数多くの可能な方法のうちの1つを示す代表的な処理のフローチャートである。
【図8(b)】本発明の電気化学的組成物及び方法を利用する半導体加工物の金属化を実施する、数多くの可能な方法のうちの1つを示す代表的な処理のフローチャートである。
【図8(c)】本発明の電気化学的組成物及び方法を利用する半導体加工物の金属化を実施する、数多くの可能な方法のうちの1つを示す代表的な処理のフローチャートである。
【図8(d)】本発明の電気化学的組成物及び方法を利用する半導体加工物の金属化を実施する、数多くの可能な方法のうちの1つを示す代表的な処理のフローチャートである。
【図9(a)】電気鍍金組成物を利用することができる代表的な処理機器を示す。
【図9(b)】電気鍍金組成物を利用することができる代表的な処理機器を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性ベースの電気鍍金組成物であって、約35〜約60g/Lの銅と、約65〜約150g/Lの硫酸と、グリコールをベースとする抑制剤とを含む組成物。
【請求項2】
前記グリコールをベースとする抑制剤が、約2〜約30ml/Lの濃度で存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約2〜約30ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約30〜約60ppmの塩化水素を更に含む請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
電気鍍金組成物であって、約35〜約60g/Lの銅と、約65〜約150g/Lの硫酸と、約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤とを含み、残余が水である組成物。
【請求項7】
更に銅析出促進剤を約2〜約30ml/Lの濃度で含む請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記銅析出抑制剤がランダム又はブロック共重合体である請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記銅析出抑制剤が銅・バス・ビアフォーム(BATH ViaForm)抑制剤又はシプレーC−3100抑制剤である請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記銅析出抑制剤がグリコールをベースとする請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
銅析出促進剤を更に含む請求項6に記載の組成物。
【請求項12】
前記銅析出促進剤が、銅・バス・ビアフォーム(BATH ViaForm)促進剤又はシプレーB−3100促進剤である請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記銅析出促進剤が、SPSである請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
約10〜約100ppmの塩化水素を更に含む請求項6に記載の組成物。
【請求項15】
水性電気鍍金組成物であって、約35〜約60g/Lの銅と、約65〜約150g/Lの硫酸と、約2〜約30ml/Lの銅析出促進剤と、約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤と、約40〜約60ppmの塩化水素とを含む組成物。
【請求項16】
前記銅析出抑制剤がグリコールをベースとする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記銅析出促進剤が硫黄含有化合物である請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
約50ppmの塩化水素を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
電気鍍金組成物であって、約45〜約55g/Lの銅と、約75〜約120g/Lの硫酸と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項20】
前記グリコールをベースとする抑制剤は濃度が約2〜約10ml/Lである請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
約2〜約8ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
約30〜約60ppmの塩化水素を更に含む請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
前記銅析出促進剤が硫黄含有化合物である請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
平滑剤を更に含む請求項19に記載の組成物。
【請求項26】
電気鍍金組成物であって、銅と酸の溶液のg/L比が約0.4〜約0.8である銅及び硫酸の水性混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項27】
前記銅析出抑制剤がランダム又はブロック共重合体である請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記銅析出抑制剤が銅・バス・ビアフォーム(BATH ViaForm)抑制剤又はシプレーC−3100抑制剤である請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
前記銅析出抑制剤がグリコールをベースとする請求項26に記載の組成物。
【請求項30】
約2〜約30ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
前記銅析出促進剤が銅・バス・ビアフォーム(BATH ViaForm)促進剤又はシプレーB−3100促進剤である請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
前記銅析出促進剤がSPSである請求項26に記載の組成物。
【請求項33】
約10〜約100ppmの塩化水素を更に含む請求項26に記載の組成物。
【請求項34】
電気鍍金組成物であって、銅と酸の溶液のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の水性ベースの混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含み、銅と酸のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の混合物を含む電気鍍金組成物のみが加工物に銅を析出させるために使用される電気鍍金組成物。
【請求項35】
電気鍍金組成物であって、硫酸濃度が約65〜約150g/Lであるとき、組成物中の銅濃度がその溶解度の限界の約60%〜約90%の範囲にある、銅及び硫酸の水性混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項36】
前記銅析出抑制剤が約2〜約30ml/Lの濃度で存在する請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
約2〜約30ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項36に記載の組成物。
【請求項39】
約30〜約60ppmの塩化水素を更に含む請求項36に記載の組成物。
【請求項40】
前記銅析出抑制剤は、濃度が約2〜約10ml/Lである請求項36に記載の組成物。
【請求項41】
約2〜約8ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項36に記載の組成物。
【請求項42】
前記銅析出促進剤が、硫黄含有化合物である請求項36に記載の組成物。
【請求項43】
前記銅析出抑制剤が、グリコールをベースとする請求項36に記載の組成物。
【請求項44】
電気鍍金組成物であって、約40g/Lの銅と、約100g/Lの硫酸と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項45】
前記銅析出抑制剤が約2〜約30ml/Lの濃度で存在する請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
約2〜約30ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項44に記載の組成物。
【請求項48】
約30〜約60ppmの塩化水素を更に含む請求項44に記載の組成物。
【請求項49】
前記銅析出抑制剤は濃度が約2〜約10ml/Lである請求項44に記載の組成物。
【請求項50】
約2〜約8ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項44に記載の組成物。
【請求項51】
前記銅析出促進剤が硫黄含有化合物である請求項44に記載の組成物。
【請求項52】
前記銅析出抑制剤がグリコールをベースとする請求項44に記載の組成物。
【請求項53】
水性電気鍍金組成物であって、約50g/Lの銅と、約80g/Lの硫酸と、約2〜約10ml/Lの銅析出抑制剤と、約2〜約8ml/Lの銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項54】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
加工物の鍍金方法であって、
シード層を含む素子の複数の要点を有する加工物を供給して、該素子の複数の要点を金属化する工程と、
約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、及びグリコールをベースとする抑制剤を含む電気鍍金組成物を使用して、前記素子の複数の要点内に銅を析出させる工程と、を含む方法。
【請求項56】
シード増強処置工程を更に含む請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記加工物を洗浄する工程及び乾燥する工程を更に含み、銅の析出が行われるチャンバ内で、前記洗浄する工程及び/又は乾燥する工程が行われる請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記加工物に析出した銅を選択的にエッチングする工程を更に含む請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記加工物に銅が析出した後、該加工物の裏側を清浄化する工程を更に含む請求項55に記載の方法。
【請求項60】
約100℃以下の温度で前記加工物をアニール処理する工程を更に含む請求項55に記載の方法。
【請求項61】
銅を析出させる前に、前記加工物を清浄化する前処理工程を更に含み、析出を行う同じ鍍金用機器内で、前記加工物を清浄化する前処理工程が行われる請求項55に記載の方法。
【請求項62】
前記電気鍍金組成物が、約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、及び約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤を含む請求項55に記載の方法。
【請求項63】
加工物の鍍金方法であって、
シード層を含む素子の複数の要点を有する加工物を供給して、該素子の複数の要点を金属化する工程と、
約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、約2〜約30ml/Lの銅析出促進剤、約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤、及び約40〜約60ppmの塩化水素を含む電気鍍金組成物を使用して、前記素子の複数の要点内に銅を析出させる工程と、を含む方法。
【請求項64】
前記電気鍍金組成物は、銅と酸のg/L比が約0.4〜約0.8である銅及び硫酸の混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤と、を含む請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記電気鍍金組成物は、銅と酸のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含み、銅と酸のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の混合物を含む電気鍍金組成物のみが、加工物に銅を析出させるために使用される請求項63に記載の方法。
【請求項66】
金属化相互接続構造を適用する処理方法であって、
最初の析出処理により金属シード層が形成された加工物を供給する工程と、
加工物に対し反応器の主流体チャンバ内の異なった位置に配置された複数の同心状の陽極への電気鍍金電力の供給を含む析出処理により、反応器の主流体チャンバ内で前記シード層上に追加の金属を電気化学的に析出させることによってシード層を補修して、増強されたシード層を用意する工程と、
約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、及びグリコールをベースとする抑制剤を含む電気鍍金組成物を使用して、前記増強されたシード層上に金属を電解析出させる工程と、を含む処理方法。
【請求項67】
前記電気鍍金組成物が、約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、及び約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤を含む請求項66に記載の処理方法。
【請求項68】
金属化相互接続構造を適用する処理方法であって、
金属シード層が形成された加工物を供給する工程と、
反応器の主流体チャンバ内の複数の電極への電気鍍金電力の供給を含む析出処理により、主流体チャンバ内で前記シード層上に追加の金属を電気化学的に析出させることによってシード層を補修して、増強されたシード層を用意する工程と、
前記シード層の補修中に、少なくとも2つの電極への電力の供給を個別に制御する工程と、
銅と酸のg/L比が約0.4〜約0.8である銅及び硫酸の混合物、銅析出抑制剤、及び銅析出促進剤を含む電気鍍金組成物を使用して、前記シード層を補修するために用いられる処理の析出速度よりも、電解析出処理の析出速度が実質的に速い条件下に、前記増強されたシード層上に銅を電解析出させる工程と、を含む処理方法。
【請求項69】
前記電気鍍金組成物は、銅と酸のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の混合物を含む請求項68に記載の処理方法。
【請求項1】
水性ベースの電気鍍金組成物であって、約35〜約60g/Lの銅と、約65〜約150g/Lの硫酸と、グリコールをベースとする抑制剤とを含む組成物。
【請求項2】
前記グリコールをベースとする抑制剤が、約2〜約30ml/Lの濃度で存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約2〜約30ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約30〜約60ppmの塩化水素を更に含む請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
電気鍍金組成物であって、約35〜約60g/Lの銅と、約65〜約150g/Lの硫酸と、約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤とを含み、残余が水である組成物。
【請求項7】
更に銅析出促進剤を約2〜約30ml/Lの濃度で含む請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記銅析出抑制剤がランダム又はブロック共重合体である請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記銅析出抑制剤が銅・バス・ビアフォーム(BATH ViaForm)抑制剤又はシプレーC−3100抑制剤である請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記銅析出抑制剤がグリコールをベースとする請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
銅析出促進剤を更に含む請求項6に記載の組成物。
【請求項12】
前記銅析出促進剤が、銅・バス・ビアフォーム(BATH ViaForm)促進剤又はシプレーB−3100促進剤である請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記銅析出促進剤が、SPSである請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
約10〜約100ppmの塩化水素を更に含む請求項6に記載の組成物。
【請求項15】
水性電気鍍金組成物であって、約35〜約60g/Lの銅と、約65〜約150g/Lの硫酸と、約2〜約30ml/Lの銅析出促進剤と、約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤と、約40〜約60ppmの塩化水素とを含む組成物。
【請求項16】
前記銅析出抑制剤がグリコールをベースとする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記銅析出促進剤が硫黄含有化合物である請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
約50ppmの塩化水素を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
電気鍍金組成物であって、約45〜約55g/Lの銅と、約75〜約120g/Lの硫酸と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項20】
前記グリコールをベースとする抑制剤は濃度が約2〜約10ml/Lである請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
約2〜約8ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
約30〜約60ppmの塩化水素を更に含む請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
前記銅析出促進剤が硫黄含有化合物である請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
平滑剤を更に含む請求項19に記載の組成物。
【請求項26】
電気鍍金組成物であって、銅と酸の溶液のg/L比が約0.4〜約0.8である銅及び硫酸の水性混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項27】
前記銅析出抑制剤がランダム又はブロック共重合体である請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記銅析出抑制剤が銅・バス・ビアフォーム(BATH ViaForm)抑制剤又はシプレーC−3100抑制剤である請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
前記銅析出抑制剤がグリコールをベースとする請求項26に記載の組成物。
【請求項30】
約2〜約30ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
前記銅析出促進剤が銅・バス・ビアフォーム(BATH ViaForm)促進剤又はシプレーB−3100促進剤である請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
前記銅析出促進剤がSPSである請求項26に記載の組成物。
【請求項33】
約10〜約100ppmの塩化水素を更に含む請求項26に記載の組成物。
【請求項34】
電気鍍金組成物であって、銅と酸の溶液のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の水性ベースの混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含み、銅と酸のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の混合物を含む電気鍍金組成物のみが加工物に銅を析出させるために使用される電気鍍金組成物。
【請求項35】
電気鍍金組成物であって、硫酸濃度が約65〜約150g/Lであるとき、組成物中の銅濃度がその溶解度の限界の約60%〜約90%の範囲にある、銅及び硫酸の水性混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項36】
前記銅析出抑制剤が約2〜約30ml/Lの濃度で存在する請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
約2〜約30ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項36に記載の組成物。
【請求項39】
約30〜約60ppmの塩化水素を更に含む請求項36に記載の組成物。
【請求項40】
前記銅析出抑制剤は、濃度が約2〜約10ml/Lである請求項36に記載の組成物。
【請求項41】
約2〜約8ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項36に記載の組成物。
【請求項42】
前記銅析出促進剤が、硫黄含有化合物である請求項36に記載の組成物。
【請求項43】
前記銅析出抑制剤が、グリコールをベースとする請求項36に記載の組成物。
【請求項44】
電気鍍金組成物であって、約40g/Lの銅と、約100g/Lの硫酸と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項45】
前記銅析出抑制剤が約2〜約30ml/Lの濃度で存在する請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
約2〜約30ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項44に記載の組成物。
【請求項48】
約30〜約60ppmの塩化水素を更に含む請求項44に記載の組成物。
【請求項49】
前記銅析出抑制剤は濃度が約2〜約10ml/Lである請求項44に記載の組成物。
【請求項50】
約2〜約8ml/Lの濃度で存在する銅析出促進剤を更に含む請求項44に記載の組成物。
【請求項51】
前記銅析出促進剤が硫黄含有化合物である請求項44に記載の組成物。
【請求項52】
前記銅析出抑制剤がグリコールをベースとする請求項44に記載の組成物。
【請求項53】
水性電気鍍金組成物であって、約50g/Lの銅と、約80g/Lの硫酸と、約2〜約10ml/Lの銅析出抑制剤と、約2〜約8ml/Lの銅析出促進剤とを含む組成物。
【請求項54】
約10〜約100ppmのハライドイオンを更に含む請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
加工物の鍍金方法であって、
シード層を含む素子の複数の要点を有する加工物を供給して、該素子の複数の要点を金属化する工程と、
約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、及びグリコールをベースとする抑制剤を含む電気鍍金組成物を使用して、前記素子の複数の要点内に銅を析出させる工程と、を含む方法。
【請求項56】
シード増強処置工程を更に含む請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記加工物を洗浄する工程及び乾燥する工程を更に含み、銅の析出が行われるチャンバ内で、前記洗浄する工程及び/又は乾燥する工程が行われる請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記加工物に析出した銅を選択的にエッチングする工程を更に含む請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記加工物に銅が析出した後、該加工物の裏側を清浄化する工程を更に含む請求項55に記載の方法。
【請求項60】
約100℃以下の温度で前記加工物をアニール処理する工程を更に含む請求項55に記載の方法。
【請求項61】
銅を析出させる前に、前記加工物を清浄化する前処理工程を更に含み、析出を行う同じ鍍金用機器内で、前記加工物を清浄化する前処理工程が行われる請求項55に記載の方法。
【請求項62】
前記電気鍍金組成物が、約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、及び約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤を含む請求項55に記載の方法。
【請求項63】
加工物の鍍金方法であって、
シード層を含む素子の複数の要点を有する加工物を供給して、該素子の複数の要点を金属化する工程と、
約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、約2〜約30ml/Lの銅析出促進剤、約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤、及び約40〜約60ppmの塩化水素を含む電気鍍金組成物を使用して、前記素子の複数の要点内に銅を析出させる工程と、を含む方法。
【請求項64】
前記電気鍍金組成物は、銅と酸のg/L比が約0.4〜約0.8である銅及び硫酸の混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤と、を含む請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記電気鍍金組成物は、銅と酸のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の混合物と、銅析出抑制剤と、銅析出促進剤とを含み、銅と酸のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の混合物を含む電気鍍金組成物のみが、加工物に銅を析出させるために使用される請求項63に記載の方法。
【請求項66】
金属化相互接続構造を適用する処理方法であって、
最初の析出処理により金属シード層が形成された加工物を供給する工程と、
加工物に対し反応器の主流体チャンバ内の異なった位置に配置された複数の同心状の陽極への電気鍍金電力の供給を含む析出処理により、反応器の主流体チャンバ内で前記シード層上に追加の金属を電気化学的に析出させることによってシード層を補修して、増強されたシード層を用意する工程と、
約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、及びグリコールをベースとする抑制剤を含む電気鍍金組成物を使用して、前記増強されたシード層上に金属を電解析出させる工程と、を含む処理方法。
【請求項67】
前記電気鍍金組成物が、約35〜約60g/Lの銅、約65〜約150g/Lの硫酸、及び約2〜約30ml/Lの銅析出抑制剤を含む請求項66に記載の処理方法。
【請求項68】
金属化相互接続構造を適用する処理方法であって、
金属シード層が形成された加工物を供給する工程と、
反応器の主流体チャンバ内の複数の電極への電気鍍金電力の供給を含む析出処理により、主流体チャンバ内で前記シード層上に追加の金属を電気化学的に析出させることによってシード層を補修して、増強されたシード層を用意する工程と、
前記シード層の補修中に、少なくとも2つの電極への電力の供給を個別に制御する工程と、
銅と酸のg/L比が約0.4〜約0.8である銅及び硫酸の混合物、銅析出抑制剤、及び銅析出促進剤を含む電気鍍金組成物を使用して、前記シード層を補修するために用いられる処理の析出速度よりも、電解析出処理の析出速度が実質的に速い条件下に、前記増強されたシード層上に銅を電解析出させる工程と、を含む処理方法。
【請求項69】
前記電気鍍金組成物は、銅と酸のg/L比が約0.3〜約0.8である銅及び硫酸の混合物を含む請求項68に記載の処理方法。
【図1】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図2(e)】
【図2(f)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図3(e)】
【図3(f)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図4(f)】
【図6(b)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図8(c)】
【図8(d)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6(a)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図2(e)】
【図2(f)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図3(e)】
【図3(f)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図4(f)】
【図6(b)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図8(c)】
【図8(d)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6(a)】
【公表番号】特表2007−508461(P2007−508461A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535564(P2006−535564)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/033229
【国際公開番号】WO2005/040459
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(303002952)セミトゥール・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/033229
【国際公開番号】WO2005/040459
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(303002952)セミトゥール・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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