電池モジュール
【課題】 電池監視装置と単電池とを接続するための配線手段の配線にかかる作業負担を軽減することのできる電池モジュールを提供する。
【解決手段】複数の単電池を収容するモジュールケースと、単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、単電池の出力端子に電気的に接続された複数の配線手段とを備え、モジュールケースは、単電池を支持するケース本体と、単電池を覆う蓋体とを備え、電池監視装置が雄雌一対のコネクタを介して複数の配線手段と電気的に接続され、電池監視装置に雌側コネクタが電気的に接続され、蓋体に雄側コネクタのコネクタソケットが取り付けられ、コネクタソケット内の所定位置と各単電池の出力端子に対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路が設定され、各配線手段は対応する配線経路に沿って配置され、コネクタソケット内に導入された各配線手段の端部が雄側コネクタのコネクタピンを構成している。
【解決手段】複数の単電池を収容するモジュールケースと、単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、単電池の出力端子に電気的に接続された複数の配線手段とを備え、モジュールケースは、単電池を支持するケース本体と、単電池を覆う蓋体とを備え、電池監視装置が雄雌一対のコネクタを介して複数の配線手段と電気的に接続され、電池監視装置に雌側コネクタが電気的に接続され、蓋体に雄側コネクタのコネクタソケットが取り付けられ、コネクタソケット内の所定位置と各単電池の出力端子に対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路が設定され、各配線手段は対応する配線経路に沿って配置され、コネクタソケット内に導入された各配線手段の端部が雄側コネクタのコネクタピンを構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の単電池がモジュールケースに収容された電池モジュールに関し、より詳しくは、モジュールケースに収容された複数の単電池と該複数の単電池の電気的な監視を行う電池監視装置とが複数の配線手段を介して電気的に接続された電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種機器の電源として、電池モジュールが提供されている。かかる電池モジュールは、複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、前記複数の単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記複数の単電池の出力端子と電池監視装置とを電気的に接続する複数の配線手段とを備えており、複数の単電池が電気的に接続されて組電池を構成している。
【0003】
前記モジュールケースは、複数の単電池を支持するケース本体と、ケース本体に支持された前記複数の単電池を覆う蓋体とを備えている。前記ケース本体は、一般的に一面(例えば、上面)が開放した箱状をなし、開放部分から複数の単電池を収容できるように構成されている。そして、前記蓋体は、ケース本体に収容された複数の単電池の出力端子(出力端子同士を電気的に接続した接続手段)の配置に合わせて複数の開口部が形成されており、複数の単電池を覆った状態でケース本体に連結可能に構成されている。これにより、前記モジュールケースは、ケース本体に支持された複数の単電池を蓋体で覆うことで、蓋体に形成された開口部のそれぞれから、単電池の出力端子(出力端子同士を電気的に接続した接続手段)が露出するようになっている。
【0004】
各配線手段は、例えば、リード線で構成され、一端側が電池監視装置に電気的に接続され、他端側が蓋体の各開口部から露出する出力端子(接続手段)に接続されている。より具体的には、この種の電池モジュールは、電池監視装置の交換等を考慮して電池監視手段と複数の配線手段との接続に雄雌一対のコネクタが用いられている。すなわち、この種の電池モジュールは、電池監視装置に対して雄雌一対のコネクタのうちの何れか一方のコネクタが接続されるとともに、雄雌一対のコネクタのうちの何れか他方のコネクタに各配線手段の一端が接続され、雄雌一対のコネクタを接続することで電池監視手段と複数の配線手段とが電気的に接続されている。また、各配線手段は、他端部に丸端子等の接続用端子が取り付けられ、対応する出力端子(接続手段)に対して接続用端子がネジ止めされることで電気的に接続されている。これにより、該電池モジュールは、配線手段を介して電池監視手段と単電池とが電気的に接続された状態になっている。
【0005】
そして、この種の電池モジュールは、単電池からの電気的な情報(例えば、電圧)を電池監視手段が取得して複数の単電池の監視(例えば、充電状態や電圧等の監視)を行うようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−266825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記構成の電池モジュールは、複数の配線手段を備えているため、組み立てや部品の交換等を行う際に、コネクタや接続手段等の接続対象に対する配線手段の接続作業を複数回に亘って行う必要がある。そのため、この種の電池モジュールは、配線手段の配線作業が煩雑で大きな作業負担となっており、その煩雑さゆえに誤配線する虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、電池監視装置と単電池とを接続するための配線手段の配線にかかる作業負担を軽減し、誤配線を防ぐことのできる電池モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電池モジュールは、複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、前記複数の単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記複数の単電池の出力端子に電気的に接続される複数の配線手段とを備え、前記モジュールケースは、前記複数の単電池を支持するケース本体と、前記複数の単電池を覆う蓋体とを備え、前記電池監視装置が雄雌一対のコネクタを介して前記複数の配線手段と電気的に接続された電池モジュールにおいて、前記電池監視装置に前記雄雌一対のコネクタのうちの雌側コネクタが電気的に接続され、前記蓋体に前記雄雌一対のコネクタのうちの雄側コネクタのコネクタソケットが取り付けられるとともに、前記コネクタソケット内の所定位置と各単電池の出力端子に対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路が設定され、各配線手段は対応する配線経路に沿って配置され、前記コネクタソケット内に導入された各配線手段の端部が雄側コネクタのコネクタピンを構成していることを特徴とする。なお、「単電池の出力端子に対する接続位置」とは、単電池の出力端子の他、単電池の出力端子同士を接続した接続手段に対する接続位置を含む概念である。
【0010】
かかる電池モジュールによれば、前記電池監視装置に前記雄雌一対のコネクタのうちの雌側コネクタが電気的に接続され、前記蓋体に前記雄雌一対のコネクタのうちの雄側コネクタのコネクタソケットが取り付けられるとともに、前記コネクタソケット内の所定位置と各単電池の出力端子とを結ぶ複数の配線経路が設定され、各配線手段は対応する配線経路に沿って配置されているため、各配線手段が接続すべき単電池の出力端子に対する接続位置と雄側コネクタを構成するコネクタソケット内の所定位置(雌側コネクタに設けられた複数の接点のうちの接続すべき接点の配置に対応した位置)とに跨った状態で配置される。従って、上記構成の電池モジュールは、各配線手段が誤配線されることなく適正な配置とされる。
【0011】
また、上記構成の電池モジュールは、コネクタソケット内に導入された各配線手段の端部が雄側コネクタのコネクタピンを構成しているため、各配線手段を配線経路に沿って配置するだけで、各配線手段を電池監視装置に取り付けられた雌側コネクタに対して電気的に接続できる状態となる。従って、上記構成の電池モジュールは、雄雌一対のコネクタを接続することで、複数の配線手段と電池監視装置とを電気的に接続した状態にすることができ、また、雄雌一対のコネクタの接続を解除することで、電池監視装置の交換や修理等を行うことができる。
【0012】
このように、上記構成の電池モジュールは、コネクタに設けられた複数のピン又は接点の配置を確認しつつ各配線手段を個別に接続するといった作業を行う必要がないため、配線手段の配線にかかる作業負担を軽減することができる。
【0013】
この場合、各配線経路は、蓋体の上面に形成された溝で構成され、各配線手段は、対応する配線経路の形態に即した形状に形成され、各配線手段が各溝に嵌め込まれていることが好ましい。このようにすれば、配線手段を形態の対応した配線経路にしか配置できないため、各配線手段をコネクタソケット内の配置されるべき所定位置(接続すべき雌側コネクタの接点と対応した位置)と接続すべき単電池の出力端子に対する接続位置とに跨った状態で確実に配置することができる。従って、各配線手段が接続の対象ではない位置に配置されてしまうことがないため、誤接続を確実に防止することができる。
【0014】
本発明に係る電池モジュールは、複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、単電池の出力端子同士を接続する接続手段と、単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記接続手段と前記電池監視装置とを電気的に接続する配線手段とを備えた電池モジュールにおいて、前記配線手段の端部は弾性構造を有し、前記弾性構造が前記接続手段に圧接して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0015】
上記構成の電池モジュールによれば、前記配線手段の端部は弾性構造を有し、前記弾性構造が前記接続手段に圧接して電気的に接続されているため、配線手段に対して丸端子等の接続端子を取り付けてネジ止め等を行うことなく各配線手段を接続手段に対して電気的に接続することができ、配線手段の配線作業にかかる負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の電池モジュールによれば、電池監視装置と単電池とを接続するための配線手段の配線にかかる作業負担を軽減し、誤配線を防ぐことができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一実施形態に係る電池モジュールの分解斜視図を示す。
【図2】第一実施形態に係る電池モジュールが備えるモジュールケースを構成する蓋体の全体斜視図を示す。
【図3】第一実施形態に係る電池モジュールが備える複数の配線手段の全体斜視図を示す。
【図4】第一実施形態に係る電池モジュールの組み立て作業を説明するための斜視図であって、(a)は、モジュールケース内に複数の単電池を収容した状態を示し、(b)は、モジュールケース(蓋体)に複数の配線手段を配置した状態を示す。
【図5】第一実施形態に係る電池モジュールの全体斜視図を示す。
【図6】本発明の第二実施形態に係る電池モジュールの分解斜視図を示す。
【図7】第二実施形態に係る電池モジュールが備えるモジュールケースを構成する蓋体の全体斜視図を示す。
【図8】第二実施形態に係る電池モジュールが備える複数の配線手段の全体斜視図を示す。
【図9】第二実施形態に係る電池モジュールの部分拡大図であって、(a)は、蓋体の配線経路(溝)に配線手段を配置した状態における配線手段近傍の部分断面図を示し、(b)は、単電池の出力端子同士を接続した接続手段及び該接続手段に圧接した弾性構造を含む部分拡大側面図を示す。
【図10】第二実施形態に係る電池モジュールの組み立て作業を説明するための斜視図であって、(a)は、モジュールケース内に複数の単電池を収容した状態を示し、(b)は、モジュールケース(蓋体)に複数の配線手段を配置した状態を示す。
【図11】第二実施形態に係る電池モジュールの全体斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第一実施形態に係る電池モジュールについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0019】
本実施形態に係る電池モジュールは、図1に示す如く、複数の単電池2と、複数の単電池2の出力端子21a,21b同士を電気的に接続する接続手段3と、前記複数の単電池2を収容するモジュールケース4と、前記複数の単電池2の電気的な監視を行う電池監視装置5と、前記複数の単電池2の出力端子21a,21bに電気的に接続される複数の配線手段6a,6bとを備えている。
【0020】
各単電池2は、発電要素(図示しない)を収容した電池ケース20と、電池ケース20の外部に配置された一対の出力端子(正極用の出力端子及び負極用の出力端子)21a,21bとを備えている。本実施形態に係る単電池2は、前記電池ケース20が六面体状(角箱状)に形成されており、該電池ケース20の外面を構成する六面のうちの一面を上面にしてモジュールケース4内に収容される。
【0021】
これに伴い、一対の出力端子21a,21bは、電池ケース20の上面上に所定の間隔をあけて配置されている。各出力端子21a,21bは、棒状に形成されており、電池ケース20の平面状の上面に対して直角又は略直角をなすように該上面に延設されている。そして、各出力端子21a,21bは、外周に雄ネジが形成されてナットNが螺合可能になっている。そして、各出力端子21a,21bは、電池ケース20内に収容された発電要素に対して電気的に接続されており、発電要素から供給される電力を出力できるようになっている。
【0022】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記複数の単電池2が一列に整列状態で配置されている。より具体的に説明すると、複数の単電池2は、それぞれの出力端子21a,21bが二列で整列し、且つ各列において正極用の出力端子21aと負極用の出力端子21bとが交互に並ぶように配置されている。本実施形態に係る電池モジュール1は、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとを除き、隣り合う単電池2の異なる極性の出力端子21a,21b同士が接続手段3を介して電気的に接続されている。これにより、電池モジュール1は、複数の単電池2が直列接続されて組電池を構成し、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとが組電池の出力端子(正極用の出力端子A、負極用の出力端子B)を構成している。
【0023】
前記接続手段3は、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b(極性の異なる出力端子21a,21b)同士を電気的に接続するもので、導電材料で構成されている。本実施形態にかかる接続手段3は、金属プレートで構成されている。本実施形態に係る接続手段3には、前記出力端子21a,21bを挿通可能な孔径に設定された一対の貫通孔(採番しない)が穿設されている。一対の貫通孔は、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b(同列にある極性の異なる出力端子21a,21b)の配置に対応した間隔をあけて配置されている。
【0024】
前記モジュールケース4は、前記複数の単電池2を支持するケース本体40と、該ケース本体40に支持された複数の単電池2を覆う蓋体41とを備えている。
【0025】
前記ケース本体40は、一面(例えば、上面)を開放させた箱状に形成されている。すなわち、ケース本体40は、底板400と、底板400の外周から起立した周壁401とで構成されている。本実施形態に係るケース本体40は、底板400が平面視四角形状に形成されている。これに伴い、前記周壁401は、底板400の外周を構成する四辺のそれぞれから上方に向けて延出した平板状の壁部401a,401b,401c,401dを備えており、隣り合う壁部401a,401b,401c,401d同士が連結されることで形成されている。これにより、ケース本体40は、上端に開口部402が形成され、該開口部402から前記複数の単電池2を収容可能に構成されている。なお、該ケース本体40は、収容した単電池2の充放電に伴って発生する熱を外部に排出すべく、周壁401(壁部401a,401b,401c,401d)上に内外を連通させる開口を形成してもよい。
【0026】
前記蓋体41は、ケース本体40に収容した複数の単電池2を覆った状態(ケース本体40の開口部402を閉じた状態)で、ケース本体40に連結できるようになっている。すなわち、モジュールケース4は、蓋体41とケース本体40とが連結することで形成される。なお、ケース本体40と蓋体41との連結は、例えば、ケース本体40の周壁401の上端部(内周面及び外周面の少なくとも何れか一方)に係止用の爪又は凹部の何れか一方を設け、相手方である蓋体41の下端部(例えば、後述する起立壁部411の下端部)に対してケース本体40の係止用の爪又は凹部の何れか一方と係合可能な係止用の凹部又は爪を設け、何れか一方の係止用の凹部に対して何れか他方の係止用の爪を係合すればよい。
【0027】
本実施形態に係る蓋体41は、図2に示す如く、ケース本体40の開口部402と対応して四角形状に形成された天板部410と、該天板部410の外周から上方に向けて延出した起立壁部411とで構成されている。前記天板部410は、ケース本体40内に収容した複数の単電池2の出力端子21a,21bを露出させる開口部403,404が形成されている。
【0028】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池モジュール1は、整列配置された複数の単電池2の電流の流れ方向の最上流の出力端子21a(組電池の正極用の出力端子A)と、複数の単電池2の電流の流れ方向の最下流の出力端子21b(組電池の負極用の出力端子B)とを除き、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b同士が接続手段3で電気的に接続されるため、本実施形態に係る蓋体41は、前記開口部403,404として、各接続手段3と対応する複数の開口部(以下、接続手段露出部という)403と、整列状態にある複数の単電池2の電流の流れ方向の最上流及び最下流の出力端子21a,21b(組電池の出力端子A,B)と対応する一対の開口部(以下、端子露出部という)404とが形成されている。
【0029】
これにより、本実施形態に係る電池モジュール1は、ケース本体40に収容した複数の単電池2を蓋体41で覆った(ケース本体40に蓋体41を連結した状態)状態で、各接続手段露出部403から接続手段3と該接続手段3によって電気的に接続された出力端子21a,21bが露出するとともに、各端子露出部404から組電池の出力端子A,Bが露出するようになっている。
【0030】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、複数の単電池2に接続された複数の配線手段6a,6bと電池監視装置5とを雄雌一対のコネクタ7,8を介して電気的に接続するようになっている(図1及び図5参照)。
【0031】
これに伴い、本実施形態に係る電池モジュール1は、蓋体41に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雄側コネクタ7のコネクタソケット70が取り付けられている。本実施形態において、前記コネクタソケット70は、蓋体41の天板部410の上面に設けられている。該コネクタソケット70は、天板部410上で所定領域(雄側コネクタ7のコネクタピンが配置される領域)を取り囲むように形成されている。
【0032】
より具体的に説明すると、コネクタソケット70は、配線手段6a,6bを天板部410上で雄側コネクタ7のコネクタピンの配置される領域(以下、ピン配置領域という)PAと外側領域とに跨った状態で配置可能とすべく、一部を開放させた状態で形成されている。すなわち、コネクタソケット70は、ピン配置領域PAを取り囲むように天板部410上に立設されており、周方向の両端間にピン配置領域PAと外側領域とを連通させた開放部72を形成している。
【0033】
そして、蓋体41は、前記コネクタソケット70内の所定位置と各単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路412a,412bが設定されている。すなわち、蓋体41は、雄側コネクタ7のコネクタピンが挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置と、前記出力端子21a,21bに対して直接的又は間接的に接続できる位置とを結んでそれぞれ独立した複数の配線経路412a,412bが設定されている。
【0034】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る蓋体41は、天板部410に形成された端子露出部404からコネクタソケット70内の所定位置(雄側コネクタ7のコネクタピン71が挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置)に延びる二つの第一配線経路(配線経路)412aと、天板部410に形成された接続手段露出部403からコネクタソケット70内の所定位置(雄側コネクタ7のコネクタピン71が挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置)に延びる複数の第二配線経路(配線経路)412bとが設定されている。そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、各配線経路412a,412bが蓋体41の天板部410の上面に形成された溝で構成されている。
【0035】
前記起立壁部411は、天板部410の外周に立設されている。本実施形態に係る起立壁部411は、各端子露出部404と隣接する部分が切り掛かれている。これにより、同種の電池モジュール1を横並びに配置したときに、隣り合う電池モジュール1(組電池)の出力端子21a,21b同士を前記接続手段3で接続できるようになっている。すなわち、起立壁部411は、隣り合う電池モジュール1(組電池)の出力端子21a,21b同士を接続手段3で接続したときに該接続手段3が干渉するのを防止できるように部分的に切り掛かれた状態で形成されている。
【0036】
図1に戻り、前記電池監視装置5は、単電池2の出力端子21a,21b間の電圧を基に充電状態を監視可能に構成された制御回路基板であり、本実施形態において雌側コネクタ8が取り付けられている。本実施形態に係る電池監視装置5は、単電池2の出力端子21a,21b間に配置可能なサイズに設定されている。
【0037】
複数の配線手段6a,6bのそれぞれは、複数の単電池2の出力端子21a,21bに電気的に接続されている(図5参照)。本実施形態において、各配線手段6a,6bは、蓋体41の天板部410上に設定された配線経路412a,412bに沿って配置され、前記コネクタソケット70内に導入された端部が雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成している(図4(b)参照)。
【0038】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池モジュール1は、上述の如く、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとが組電池の正極用及び負極用の出力端子A,Bを構成し、隣り合う単電池2の異なる極性の出力端子21a,21b同士が接続手段3を介して電気的に接続されているため、配線手段6a,6bとして、コネクタソケット70の所定位置から組み電池の出力端子A,Bにまで延びる一対の第一配線手段6aと、コネクタソケット70の所定位置から各接続手段3にまで延びる複数の第二配線手段6bとを備えている。
【0039】
前記第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、対応する配線経路(第一配線経路412a、第二配線経路412b)の形態に即した形状に形成され、配線経路(第一配線経路412a,第二配線経路412b)を構成する各溝に嵌め込まれている(図5参照)。
【0040】
前記第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、導電性の高いアルミや銅等の金属材料で構成されている。本実施形態において、第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、金属プレートを対応する配線経路412a,412bの平面形状に即して打ち抜くことで形成されており、図3に示す如く、その一端部(コネクタソケット70内に導入される端部)が折り曲げられている。これにより、第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、対応する第一配線経路412a及び第二配線経路412b(溝)内に配置した状態(上方から溝412a,412bに嵌め込んだ状態)で、コネクタソケット70内(ピン配置領域PA)と外部領域とに跨って状態になり、また、コネクタソケット70内の端部が天板部410の上面から起立し、雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成するようになっている。
【0041】
そして、第一配線手段6aは、第一配線経路412a内に配置された上で、他端部が端子露出部404から露出した組電池の出力端子A,Bに接続される。これに伴い、第一配線手段6aの他端部には、組電池の出力端子A,Bに接続可能(外嵌可能)な端子(図においては丸端子)60aが取り付けられている。
【0042】
これに対し、第二配線手段6bは、第二配線経路412b内に配置された上で、他端部が接続手段露出部403から露出した接続手段3に接続される。これに伴い、第二配線手段6bの他端部には、対象物に接続可能(ネジ止め可能)な端子(図においては丸端子)60bが取り付けられている。そして、該第二配線手段6bは、他端部(端子)60bが接続手段3に対して螺着されるようになっている。
【0043】
本実施形態に係る電池モジュール1は、以上の通りであり、続いて、上記構成の電池モジュール1の組み立てについて説明すると、ケース本体40内に複数の単電池2を収容し、該複数の単電池2の出力端子21a,21b同士を接続手段3によって電気的に接続する。そして、図4(a)に示す如く、ケース本体40の開口部402を蓋体41で塞ぎ、蓋体41をケース本体40に連結する。この状態で、ケース本体40内の単電池2が蓋体41に覆われ、接続手段3が接続手段露出部403から露出するとともに、組電池の出力端子A,Bが端子露出部404から露出した状態になる。
【0044】
そして、図4(b)に示す如く、各第一配線手段6aを各第一配線経路(溝)412a内に配置するとともに、各第二配線手段6bを各第二配線経路(溝)412b内に配置する。そして、第一配線手段6aを第一配線経路412a内に固定するとともに、第二配線手段6bを第二配線経路412b内に固定する。本実施形態において、上述の如く、第一配線経路412a及び第二配線経路412bが溝で構成されているため、第一配線経路412a内に第一配線手段6aを配置した上で、粘着テープ(図示しない)で第一配線経路412aの開放部分を部分的に閉じ、また、第二配線経路412b内に第二配線手段6bを配置した上で、粘着テープで第二配線経路412bの開放部分を部分的に閉じることで、これらの配線手段6a,6bを配線経路412a,412b内に固定するようにしている。
【0045】
そして、この状態で、第一配線手段6a及び第二配線手段6bのそれぞれの一端部がコネクタソケット70の所定位置で起立した状態になってコネクタピン71を構成し、蓋体41(天板部410)上に雄側コネクタ7が形成されることになる。また、この状態で、各第一配線手段6aの他端部(端子)60aが端子露出部404内に位置し、各第二配線手段6bの他端部(端子)60bが接続手段露出部403内に位置することになる。すなわち、接続手段露出部403から露出した接続手段3上に第二配線手段6bの他端部(端子)60bが重なり合い、端子露出部404から露出した組電池の出力端子A,Bに第一配線手段6aの他端部(端子)60aが外嵌された状態になる。
【0046】
そして、第二配線手段6bの他端部(端子)60bを重なり合った接続手段3に対してネジ止めをする。このネジ止めは、例えば、接続手段3にネジ穴を予め穿設しておき、第二配線手段6bの端子60bに挿通した小ネジをネジ穴に螺合させるようにしてもよいし、第二配線手段6bの端子60bにタッピングビスを挿通し、該タッピングビスを接続手段3に対して直接螺合させるようにしてもよい。本実施形態においては、接続手段3にネジ穴(採番しない)を予め穿設しておき、第二配線手段6bの端子60bに挿通した小ネジSをネジ穴に螺合させるようにしている。なお、組電池の出力端子A,Bに対して上述の如く第一配線手段6aの端子60aが外嵌された状態になるが、電池モジュール1が単体の電源として使用される場合には、第一配線手段6aの端子60aは、負荷に接続されたケーブル(図示しない)を組電池の出力端子A,Bに対して接続するのに併せて出力端子A,Bに螺合されるナット部材で締め付けられて固定され、同種の電池モジュール1を複数接続して電源として使用される場合には、第一配線手段6aの端子60aは、電池モジュール1同士を接続手段3で接続するのに併せて出力端子A,Bに螺合されるナット部材で締め付けられて固定される。
【0047】
しかる後、図5に示す如く、電池監視装置5に取り付けた雌側コネクタ8を蓋体41上の雄側コネクタ7に対して接続する。これにより、電池監視装置5と複数の単電池2の出力端子21a,21bとが複数の配線手段(第一配線手段6a、第二配線手段6b)を介して直接的又は間接的に接続され、電池モジュール1が完成する。
【0048】
以上のように、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記電池監視装置5に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雌側コネクタ8が電気的に接続され、前記蓋体41に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雄側コネクタ7のコネクタソケット70が取り付けられるとともに、前記コネクタソケット70内の所定位置と各単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路412a,412bが設定され、各配線手段6a,6bは対応する配線経路412a,412b内に配置されているため、各配線手段412a,412bが接続すべき単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置と雄側コネクタ7を構成するコネクタソケット70内の所定位置(雌側コネクタ8に設けられた複数の接点のうちの接続すべき接点の配置に対応した位置)とに跨った状態で配置される。従って、上記構成の電池モジュール1は、各配線手段6a,6bが誤配線されることなく適正な配置とされる。
【0049】
また、上記構成の電池モジュール1は、コネクタソケット70内に導入された各配線手段6a,6bの端部が雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成しているため、各配線手段6a,6bを配線経路412a,412b内に配置するだけで、各配線手段6a,6bを電池監視装置5に取り付けられた雌側コネクタ8に対して電気的に接続できる状態となる。従って、上記構成の電池モジュール1は、雄雌一対のコネクタ7,8を接続することで、複数の配線手段6a,6bと電池監視装置5とを電気的に接続した状態にすることができ、また、雄雌一対のコネクタ7,8の接続を解除することで、電池監視装置5の交換や修理等を行うことができる。
【0050】
このように、上記構成の電池モジュール1は、コネクタ7、8に設けられた複数のピン又は接点の配置を確認しつつ各配線手段6a,6bを個別に接続するといった作業を行う必要がないため、配線手段6a,6bの配線作業にかかる負担を軽減することができる。
【0051】
また、本実施形態において、各配線経路412a,412bは、蓋体41の上面に形成された溝で構成され、各配線手段6a,6bは、対応する配線経路412a,412bの形態に即した形状に形成され、各配線手段6a,6bが各溝(配線経路412a,412b)に嵌め込まれているため、配線手段6a,6bを形態の対応した配線経路412a,412bにしか配置できない。従って、各配線手段6a,6bをコネクタソケット70内に配置されるべき所定位置(接続すべき雌側コネクタ8の接点と対応した位置)と接続すべき単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とに跨った状態で確実に配置することができる。従って、各配線手段6a,6bが接続の対象ではない位置に配置されてしまうことがないため、誤接続を確実に防止することができる。
【0052】
これにより、本実施形態に係る電池モジュール1によれば、電池監視装置5と単電池2とを接続するための配線手段6a,6bの配線作業にかかる負担を軽減することができるという優れた効果を奏し得る。
【0053】
次に、本発明の第二実施形態に係る電池モジュールについて、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態に係る電池モジュールは、第一実施形態の電池モジュールと基本構成が共通しているため、以下の説明において、第一実施形態の電池モジュールと共通する構成又は相当する構成について、同一名称及び同一符号を付すこととする。
【0054】
本実施形態に係る電池モジュール1は、図6に示す如く、複数の単電池2と、複数の単電池2の出力端子21a,21b同士を電気的に接続する接続手段3と、前記複数の単電池2を収容するモジュールケース4と、前記複数の単電池2の電気的な監視を行う電池監視装置5と、前記複数の単電池2の出力端子21a,21bに電気的に接続される複数の配線手段6a,6bとを備えている。
【0055】
各単電池2は、発電要素(図示しない)を収容した電池ケース20と、電池ケース20の外部に配置された一対の出力端子(正極用の出力端子及び負極用の出力端子)21a,21bとを備えている。本実施形態に係る単電池2は、前記電池ケース20が六面体状(角箱状)に形成されており、該電池ケース20の外面を構成する六面のうちの一面を上面にしてモジュールケース4内に収容される。
【0056】
これに伴い、一対の出力端子21a,21bは、電池ケース20の上面上に所定の間隔をあけて配置されている。各出力端子21a,21bは、棒状に形成されており、電池ケース20の平面状の上面に対して直角又は略直角をなすように該上面に延設されている。そして、各出力端子21a,21bは、外周に雄ネジが形成されてナットNが螺合可能になっている。そして、各出力端子21a,21bは、電池ケース20内に収容された発電要素に対して電気的に接続されており、発電要素から供給される電力を出力できるようになっている。
【0057】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記複数の単電池2が一列に整列状態で配置されている。より具体的に説明すると、複数の単電池2は、それぞれの出力端子21a,21bが二列で整列し、且つ各列において正極用の出力端子21aと負極用の出力端子21bとが交互に並ぶように配置されている。本実施形態に係る電池モジュール1は、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとを除き、隣り合う単電池2の異なる極性の出力端子21a,21b同士が接続手段3を介して電気的に接続されている。これにより、電池モジュール1は、複数の単電池2が直列接続されて組電池を構成し、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとが組電池の出力端子(正極用の出力端子A、負極用の出力端子B)を構成している。
【0058】
前記接続手段3は、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b(極性の異なる出力端子21a,21b)同士を電気的に接続するもので、導電材料で構成されている。本実施形態にかかる接続手段3は、金属プレートで構成されている。本実施形態に係る接続手段3には、前記出力端子21a,21bを挿通可能な孔径に設定された一対の貫通孔(採番しない)が穿設されている。一対の貫通孔は、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b(同列にある極性の異なる出力端子21a,21b)の配置に対応した間隔をあけて配置されている。
【0059】
前記モジュールケース4は、前記複数の単電池2を支持するケース本体40と、該ケース本体40に支持された複数の単電池2を覆う蓋体41とを備えている。
【0060】
前記ケース本体40は、一面(例えば、上面)を開放させた箱状に形成されている。すなわち、ケース本体40は、底板400と、底板400の外周から起立した周壁401とで構成されている。本実施形態に係るケース本体40は、底板400が平面視四角形状に形成されている。これに伴い、前記周壁401は、底板400の外周を構成する四辺のそれぞれから上方に向けて延出した平板状の壁部401a,401b,401c,401dを備えており、隣り合う壁部401a,401b,401c,401d同士が連結されることで形成されている。これにより、ケース本体40は、上端に開口部402が形成され、該開口部402から前記複数の単電池2を収容可能に構成されている。なお、該ケース本体40は、収容した単電池2の充放電に伴って発生する熱を外部に排出すべく、周壁401(壁部401a,401b,401c,401d)上に内外を連通させる開口を形成してもよい。
【0061】
前記蓋体41は、ケース本体40に収容した複数の単電池2を覆った状態(ケース本体40の開口部402を閉じた状態)で、ケース本体40に連結できるようになっている。すなわち、モジュールケース4は、蓋体41とケース本体40とが連結することで形成される。なお、ケース本体40と蓋体41との連結は、例えば、ケース本体40の周壁401の上端部(内周面及び外周面の少なくとも何れか一方)に係止用の爪又は凹部の何れか一方を設け、相手方である蓋体41の下端部(例えば、後述する起立壁部411の下端部)に対してケース本体40の係止用の爪又は凹部の何れか一方と係合可能な係止用の凹部又は爪を設け、何れか一方の係止用の凹部に対して何れか他方の係止用の爪を係合すればよい。
【0062】
本実施形態に係る蓋体41は、図7に示す如く、ケース本体40の開口部402と対応して四角形状に形成された天板部410と、該天板部410の外周から上方に向けて延出した起立壁部411とで構成されている。前記天板部410は、ケース本体40内に収容した複数の単電池2の出力端子21a,21bを露出させる開口部403,404が形成されている。
【0063】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池モジュール1は、整列配置された複数の単電池2の電流の流れ方向の最上流の出力端子21a(組電池の正極用の出力端子A)と、複数の単電池2の電流の流れ方向の最下流の出力端子21b(組電池の負極用の出力端子B)とを除き、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b同士が接続手段3で電気的に接続されるため、本実施形態に係る蓋体41は、前記開口部403,404として、各接続手段3と対応する複数の接続手段露出部(開口部)403と、整列状態にある複数の単電池2の電流の流れ方向の最上流及び最下流の出力端子21a,21b(組電池の出力端子A,B)と対応する一対の端子露出部(開口部)404とが形成されている。
【0064】
これにより、本実施形態に係る電池モジュール1は、ケース本体40に収容した複数の単電池2を蓋体41で覆った(ケース本体40に蓋体41を連結した状態)状態で、各接続手段露出部403から接続手段3と該接続手段3によって電気的に接続された出力端子21a,21bが露出するとともに、各端子露出部404から組電池の出力端子A,Bが露出するようになっている。
【0065】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、複数の単電池2に接続された複数の配線手段6a,6bと電池監視装置5とを雄雌一対のコネクタ7,8を介して電気的に接続するようになっている(図6及び図11参照)。
【0066】
これに伴い、本実施形態に係る電池モジュール1は、蓋体41に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雄側コネクタ7のコネクタソケット70が取り付けられている。本実施形態において、前記コネクタソケット70は、蓋体41の天板部410の上面に設けられている。該コネクタソケット70は、天板部410上で所定領域(雄側コネクタ7のコネクタピン71が配置される領域)を取り囲むように形成されている。
【0067】
より具体的に説明すると、コネクタソケット70は、配線手段6a,6bを天板部410上で雄側コネクタ7のコネクタピンの配置されるピン配置領域PAと外側領域とに跨った状態で配置可能とすべく、一部を開放させた状態で形成されている。すなわち、コネクタソケット70は、ピン配置領域PAを取り囲むように天板部410上に立設されており、周方向の両端間にピン配置領域PAと外側領域とを連通させた開放部72を形成している。
【0068】
そして、蓋体41は、前記コネクタソケット70内の所定位置と各単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路412a,412bが設定されている。すなわち、蓋体41は、雄側コネクタ7のコネクタピンが挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置と、前記出力端子21a,21bに対して直接的又は間接的に接続できる位置とを結んでそれぞれ独立した複数の配線経路412a,412bが設定されている。
【0069】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る蓋体41は、天板部410に形成された端子露出部404からコネクタソケット70内の所定位置(雄側コネクタ7のコネクタピン71が挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置)に延びる二つの第一配線経路(配線経路)412aと、天板部410に形成された接続手段露出部403からコネクタソケット70内の所定位置(雄側コネクタ7のコネクタピン71が挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置)に延びる複数の第二配線経路(配線経路)412bとが設定されている。
【0070】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、各配線経路412a,412bが蓋体41の天板部410の上面に形成された溝で構成されている。また、本実施形態に係る蓋体41は、図7及び図9(a)に示す如く、配線手段412a,412b(第一配線経路412a及び第二配線経路412b)に配線手段6a,6b(第一配線手段6a及び第二配線手段6b)が脱落するのを防止するための係止爪413a,413bが設けられている。各係止爪413a,413bは、図9(a)に示す如く、配線経路である溝412a,412b(第一配線経路412a,第二配線経路412b)の上部両側に内側に向けて凸設されており、一対の係止爪413a,413b間に配線手段6a,6bを押し込むことで、配線手段6a,6bが配線経路(溝)412a,412b内に入り込み、該配線手段6a,6bが配線経路(溝)412a,412b内で係止爪413a,413bに係止されて上側外方に向けて移動することが防止されるようになっている。
【0071】
図7に戻り、前記起立壁部411は、天板部410の外周に立設されている。そして、本実施形態に係る起立壁部411は、各端子露出部404と隣接する部分が切り掛かれている。これにより、同種の電池モジュール1を横並びに配置したときに、隣り合う電池モジュール1(組電池)の出力端子21a,21b同士を前記接続手段3で接続できるようになっている。すなわち、起立壁部411は、隣り合う電池モジュール1(組電池)の出力端子21a,21b同士を接続する接続手段3が干渉するのを防止できるように部分的に切り掛かれた状態で形成されている。
【0072】
図6に戻り、前記電池監視装置5は、単電池2の出力端子21a,21b間の電圧を基に充電状態を監視可能に構成された制御回路基板であり、本実施形態において雌側コネクタ8が取り付けられている。本実施形態に係る電池監視装置5は、単電池2の出力端子21a,21b間に配置可能なサイズに設定されている。
【0073】
複数の配線手段6a,6bのそれぞれは、複数の単電池2の出力端子21a,21bに電気的に接続されている(図11参照)。本実施形態において、各配線手段6a,6bは、蓋体41の天板部410上に設定された配線経路412a,412bに沿って配置され、前記コネクタソケット70内に導入された端部が雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成している(図10(b)参照)。
【0074】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池モジュール1は、上述の如く、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとが組電池の正極用及び負極用の出力端子A,Bを構成し、隣り合う単電池2の異なる極性の出力端子21a,21b同士が接続手段3を介して電気的に接続されているため、配線手段6a,6bとして、コネクタソケット70の所定位置から組み電池の出力端子A,Bにまで延びる一対の第一配線手段6aと、コネクタソケット70の所定位置から各接続手段3にまで延びる複数の第二配線手段6bとを備えている。
【0075】
前記第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、対応する配線経路(第一配線経路412a,第二配線経路412b)の形態に即した形状に形成され、配線経路(第一配線経路412a,第二配線経路412b)と構成する各溝に嵌め込まれている(図11参照)。
【0076】
前記第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、導電性の高いアルミや銅等の金属材料で構成されている。本実施形態において、第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、金属プレートを対応する配線経路412a,412bの平面形状に即して打ち抜くことで形成されており、図8に示す如く、その一端部(コネクタソケット70内に導入される端部)が折り曲げられている。これにより、第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、対応する第一配線経路412a及び第二配線経路412b(溝)内に配置した状態(上方から溝412a,412bに嵌め込んだ状態)で、コネクタソケット70内(ピン配置領域PA)と外部領域とに跨って状態になり、また、コネクタソケット70内の端部が天板部410の上面から起立し、雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成するようになっている。
【0077】
そして、第一配線手段6aは、第一配線経路412a内に配置された上で、他端部が端子露出部404から露出した組電池の出力端子A,Bに接続される。これに伴い、第一配線手段6aの他端部には、組電池の出力端子A,Bに接続可能(外嵌可能)な端子(図においては丸端子)60aが取り付けられている。
【0078】
これに対し、第二配線手段6bは、第二配線経路412b内に配置された上で、他端部が接続手段露出部403から露出した接続手段3に接続される。本実施形態に係る第二配線手段6bは、他端部に弾性構造60b’を有し、前記弾性構造60b’が前記接続手段3に圧接して電気的に接続されるようになっている。具体的には、各第二配線手段6bの他端部には、弾性構造としてのコイルバネ60b’が設けられている。該コイルバネ60b’は、ケース本体40に対する蓋体41の連結方向(第二配線経路412bに対する嵌込方向)と同方向に弾性変形可能に構成されている。
【0079】
本実施形態に係る電池モジュール1は、以上の通りであり、続いて、上記構成の電池モジュール1の組み立てについて説明すると、ケース本体40内に複数の単電池2を収容し、該複数の単電池2の出力端子21a,21b同士を接続手段3によって電気的に接続する。そして、図10(a)に示す如く、ケース本体40の開口部402を蓋体41で塞ぎ、蓋体41をケース本体40に連結する。この状態で、ケース本体40内の単電池2が蓋体41に覆われ、接続手段3が接続手段露出部403から露出するとともに、組電池の出力端子A,Bが端子露出部404から露出した状態になる。
【0080】
そして、図10(b)に示す如く、各第一配線手段6aを各第一配線経路(溝)412a内に配置するとともに、各第二配線手段6bを各第二配線経路(溝)412b内に配置する。本実施形態に係る電池モジュール1は、第一配線経路412a及び第二配線経路412bの上部に係止爪413a,413bが設けられているため、第一配線手段6aは第一配線経路412a内に押し込まれることで係止爪413a,413bに係止されて第一配線経路412a内で固定され、第二配線手段6bは第二配線経路412b内に押し込まれることで係止爪413a,413bに係止されて第二配線経路412b内で固定される(図9(a)参照)。
【0081】
そして、この状態で、第一配線手段6a及び第二配線手段6bのそれぞれの一端部がコネクタソケット70の所定位置で起立した状態になってコネクタピン71を構成し、蓋体41(天板部410)上に雄側コネクタ7が形成されることになる。また、この状態で、各第一配線手段6aの他端部(端子)60aが端子露出部404内に位置し、各第二配線手段6bの他端部(弾性構造)60b’が接続手段露出部403内に位置することになる。すなわち、第二配線手段6bの他端部(弾性構造)60b’は、図9(b)に示す如く、接続手段露出部403から露出した接続手段3に対して自己の弾性力で圧接して電気的に接続されるとともに、第一配線手段6aの他端部(端子)60aは、図10に示す如く、端子露出部404から露出した組電池の出力端子A,Bに外嵌された状態になる。
【0082】
なお、組電池の出力端子A,Bに対して上述の如く第一配線手段6aの端子60aが外嵌された状態になるが、電池モジュール1が単体の電源として使用される場合には、第一配線手段6aの端子60aは、負荷に接続されたケーブル(図示しない)を組電池の出力端子A,Bに対して接続するのに併せて出力端子A,Bに螺合されるナット部材で締め付けられて固定され、同種の電池モジュール1を複数接続して電源として使用される場合には、第一配線手段6aの端子60aは、電池モジュール1同士を接続手段3で接続するのに併せて出力端子A,Bに螺合されるナット部材で締め付けられて固定される。
【0083】
しかる後、図11に示す如く、電池監視装置5に取り付けた雌側コネクタ8を蓋体41上の雄側コネクタ7に対して接続する。これにより、電池監視装置5と複数の単電池2の出力端子21a,21bとが複数の配線手段(第一配線手段6a、第二配線手段6b)を介して直接的又は間接的に接続され、電池モジュール1が完成する。
【0084】
以上のように、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記電池監視装置5に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雌側コネクタ8が電気的に接続され、前記蓋体41に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雄側コネクタ7のコネクタソケット70が取り付けられるとともに、前記コネクタソケット70内の所定位置と各単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路412a,412bが設定され、各配線手段6a,6bは対応する配線経路412a,412b内に配置されているため、各配線手段412a,412bが接続すべき単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置と雄側コネクタ7を構成するコネクタソケット70内の所定位置(雌側コネクタ8に設けられた複数の接点のうちの接続すべき接点の配置に対応した位置)とに跨った状態で配置される。従って、上記構成の電池モジュール1は、各配線手段6a,6bが誤配線されることなく適正な配置とされる。
【0085】
また、上記構成の電池モジュール1は、コネクタソケット70内に導入された各配線手段6a,6bの端部が雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成しているため、各配線手段6a,6bを配線経路412a,412b内に配置するだけで、各配線手段6a,6bを電池監視装置5に取り付けられた雌側コネクタ8に対して電気的に接続できる状態となる。従って、上記構成の電池モジュール1は、雄雌一対のコネクタ7,8を接続することで、複数の配線手段6a,6bと電池監視装置5とを電気的に接続した状態にすることができ、また、雄雌一対のコネクタ7,8の接続を解除することで、電池監視装置5の交換や修理等を行うことができる。
【0086】
このように、上記構成の電池モジュール1は、コネクタ7、8に設けられた複数のピン又は接点の配置を確認しつつ各配線手段6a,6bを個別に接続するといった作業を行う必要がないため、配線手段6a,6bの配線作業にかかる負担を軽減することができる。
【0087】
また、本実施形態において、各配線経路412a,412bは、蓋体41の上面に形成された溝で構成され、各配線手段6a,6bは、対応する配線経路412a,412bの形態に即した形状に形成され、各配線手段6a,6bが各溝(配線経路412a,412b)に嵌め込まれているため、配線手段6a,6bを形態の対応した配線経路412a,412bにしか配置できない。従って、各配線手段6a,6bをコネクタソケット70内に配置されるべき所定位置(接続すべき雌側コネクタ8の接点と対応した位置)と接続すべき単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とに跨った状態で確実に配置することができる。従って、各配線手段6a,6bが接続の対象ではない位置に配置されてしまうことがないため、誤接続を確実に防止することができる。
【0088】
さらに言えば、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記配線手段6bの端部が弾性構造60b’を有し、前記弾性構造60b’が前記接続手段3に圧接して電気的に接続されているため、配線手段6bに対して丸端子等の接続端子を取り付けてネジ止め等を行うことなく各配線手段6bを接続手段3に対して電気的に接続することができ、配線手段6bの配線作業にかかる負担を軽減することができる。
【0089】
これにより、本実施形態に係る電池モジュール1によれば、電池監視装置5と単電池2とを接続するための配線手段6a,6bの配線作業にかかる負担を軽減することができるという優れた効果を奏し得る。
【0090】
なお、本発明に係る電池モジュールは、上記各実施形態の何れにも限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0091】
上記第一及び第二実施形態において、複数の単電池2を収容したケース本体40の開口部402を蓋体41で閉じた後に、複数の配線手段6a,6bのそれぞれを配線経路412a,412bに沿って配置するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、蓋体41に設定された複数の配線系と412a,412bに沿って配線手段6a,6bを配置した後に、該蓋体41でケース本体40の開口部402を閉じる(単電池2を覆う)ようにしてもよい。また、上記第一及び第二実施形態において、ケース本体40に単電池2を収容した上で各単電池2を接続手段3で接続し、その後に蓋体41で単電池2を覆うようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の単電池2をそれぞれ独立した状態でケース本体40に収容して蓋体41で該単電池2を覆い、その後に、接続手段露出部403から露出した出力端子21a,21b同士を接続手段3で接続するようにしてもよい。
【0092】
上記第一及び第二実施形態において、蓋体41の天板部410の上面に複数の溝を設け、該溝で配線手段6a,6bを配置する配線経路412a,412bを構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の配線経路412a,412bとして蓋体41の天板部410の面に沿った複数の連通孔を穿設しておき、この連通孔(配線経路412a,412b)に配線手段(例えばリード線)6a,6bを挿通して配線するようにしてもよい。また、天板部410上に配線手段6a,6bを配置する配線経路412a,412bを印刷しておき、配線手段6a,6bを該印刷(配線経路)412a,412bに沿わせて配置するようにしてもよい。このようにしても、複数の配線手段6a,6bの配置が明らかになるため、誤接続を防止することができる。
【0093】
上記第一及び第二実施形態において、金属プレートを対応する配線経路412a,412bの平面形状に即して打ち抜くことで配線手段6a,6bを形成した(打ち抜き加工で配線手段6a,6bを作製した)が、これに限定されるものではなく、例えば、強度のある金属製の棒材を曲げ加工することで、対応する配線経路412a,412bの平面形状に即した配線手段6a,6bを作製するようにしてもよい。すなわち、配線手段6a,6bは、対応する配線経路412a,412bの平面形状に即した形状になるように、コネクタソケット70内に導入される端部以外の部分についても曲げ加工された金属製の棒材で構成してもよい。
【0094】
また、上記第一実施形態において、配線経路412a,412bを溝で構成し、該配線経路412a,412b内に配線手段6a,6bを配置した上で溝の開放した部分を粘着テープで部分的に閉じることで、配線手段6a,6bの脱落を防止するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第二実施形態と同様に溝412a,412bの上部両側に係止爪413a,413bを設けるようにしてもよい。
【0095】
また、上記第一実施形態において、粘着テープで配線経路412a,412b内の配線手段6a,6bを固定し、上記第二実施形態において、配線経路412の上部に設けた係止爪413a,413bで配線手段6a,6bを固定したが、配線手段6a,6bの固定は、係止爪413a,413bや粘着テープによるものに限定されず、例えば、配線手段6a,6bを蓋体41(天板部410)上に配置し、該配線手段6a,6b上に押さえ部材(例えば、板状の押さえ板等)を配置して蓋体41に固定しても勿論よい。また、配線手段6a,6bの固定は、全長に対して行う必要はなく、部分的に固定するようにしてもよい。
【0096】
上記第二実施形態において、配線手段6a,6bの一端部で雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成したが、例えば、配線手段6a,6bの他端部に弾性構造60b’を設けた場合には、配線手段6a,6bの他端部に対して独立した雄側コネクタ7を設けてもよい。すなわち、配線手段6a,6bの他端部に対して弾性構造60b’を設ければ、接続手段3に対する配線作業が簡略化できるため、これだけでも作業効率が向上する。但し、より作業効率を高めるには、第二実施形態と同様にすることが好ましいことは言うまでもない。また、第一実施形態においても、第二実施形態と同様に第二配線手段6bの他端部に弾性構造(コイルバネ)60b’を設ければ、組み立て時の配線作業の作業効率をより向上させることができることは言うまでもない。
【0097】
上記第二実施形態において、第二配線手段6bの他端部にコイルバネからなる弾性構造60b’を設けたが、弾性構造60b’はコイルバネに限定されるものではなく、例えば、板バネで構成してもよい。また、弾性構造60b’はバネに限定されるものではなく、例えば、導電性フィラーを含有したゴム素材であってもよい。すなわち、弾性構造60b’は、導電性を有し、且つ第二配線手段6bが単電池2を覆った蓋体41に固定されることで、接続手段露出部403から露出した接続手段3に圧接可能な構成であればよい。
【符号の説明】
【0098】
1…電池モジュール、2…単電池、3…接続手段、4…モジュールケース、5…電池監視装置、6a…第一配線手段(配線手段)、6b…第二配線手段(配線手段)、7…雄側コネクタ(コネクタ)、8…雌側コネクタ(コネクタ)、20…電池ケース、21a,21b…出力端子、40…ケース本体、41…蓋体、60a…端部(端子)、60b…端部(端子)、60b’…端部(弾性構造(コイルバネ))、70…コネクタソケット、400…底板、401…周壁、401a,401b,401c,401d…壁部、402…開口部、403…接続手段露出部(開口部)、404…端子露出部(開口部)、410…天板部、411…起立壁部、412a…第一配線経路(配線経路:溝)、412b…第二配線経路(配線経路:溝)、413a,413b…係止爪、72…開放部、A,B…出力端子、N…ナット、PA…ピン配置領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の単電池がモジュールケースに収容された電池モジュールに関し、より詳しくは、モジュールケースに収容された複数の単電池と該複数の単電池の電気的な監視を行う電池監視装置とが複数の配線手段を介して電気的に接続された電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種機器の電源として、電池モジュールが提供されている。かかる電池モジュールは、複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、前記複数の単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記複数の単電池の出力端子と電池監視装置とを電気的に接続する複数の配線手段とを備えており、複数の単電池が電気的に接続されて組電池を構成している。
【0003】
前記モジュールケースは、複数の単電池を支持するケース本体と、ケース本体に支持された前記複数の単電池を覆う蓋体とを備えている。前記ケース本体は、一般的に一面(例えば、上面)が開放した箱状をなし、開放部分から複数の単電池を収容できるように構成されている。そして、前記蓋体は、ケース本体に収容された複数の単電池の出力端子(出力端子同士を電気的に接続した接続手段)の配置に合わせて複数の開口部が形成されており、複数の単電池を覆った状態でケース本体に連結可能に構成されている。これにより、前記モジュールケースは、ケース本体に支持された複数の単電池を蓋体で覆うことで、蓋体に形成された開口部のそれぞれから、単電池の出力端子(出力端子同士を電気的に接続した接続手段)が露出するようになっている。
【0004】
各配線手段は、例えば、リード線で構成され、一端側が電池監視装置に電気的に接続され、他端側が蓋体の各開口部から露出する出力端子(接続手段)に接続されている。より具体的には、この種の電池モジュールは、電池監視装置の交換等を考慮して電池監視手段と複数の配線手段との接続に雄雌一対のコネクタが用いられている。すなわち、この種の電池モジュールは、電池監視装置に対して雄雌一対のコネクタのうちの何れか一方のコネクタが接続されるとともに、雄雌一対のコネクタのうちの何れか他方のコネクタに各配線手段の一端が接続され、雄雌一対のコネクタを接続することで電池監視手段と複数の配線手段とが電気的に接続されている。また、各配線手段は、他端部に丸端子等の接続用端子が取り付けられ、対応する出力端子(接続手段)に対して接続用端子がネジ止めされることで電気的に接続されている。これにより、該電池モジュールは、配線手段を介して電池監視手段と単電池とが電気的に接続された状態になっている。
【0005】
そして、この種の電池モジュールは、単電池からの電気的な情報(例えば、電圧)を電池監視手段が取得して複数の単電池の監視(例えば、充電状態や電圧等の監視)を行うようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−266825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記構成の電池モジュールは、複数の配線手段を備えているため、組み立てや部品の交換等を行う際に、コネクタや接続手段等の接続対象に対する配線手段の接続作業を複数回に亘って行う必要がある。そのため、この種の電池モジュールは、配線手段の配線作業が煩雑で大きな作業負担となっており、その煩雑さゆえに誤配線する虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、電池監視装置と単電池とを接続するための配線手段の配線にかかる作業負担を軽減し、誤配線を防ぐことのできる電池モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電池モジュールは、複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、前記複数の単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記複数の単電池の出力端子に電気的に接続される複数の配線手段とを備え、前記モジュールケースは、前記複数の単電池を支持するケース本体と、前記複数の単電池を覆う蓋体とを備え、前記電池監視装置が雄雌一対のコネクタを介して前記複数の配線手段と電気的に接続された電池モジュールにおいて、前記電池監視装置に前記雄雌一対のコネクタのうちの雌側コネクタが電気的に接続され、前記蓋体に前記雄雌一対のコネクタのうちの雄側コネクタのコネクタソケットが取り付けられるとともに、前記コネクタソケット内の所定位置と各単電池の出力端子に対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路が設定され、各配線手段は対応する配線経路に沿って配置され、前記コネクタソケット内に導入された各配線手段の端部が雄側コネクタのコネクタピンを構成していることを特徴とする。なお、「単電池の出力端子に対する接続位置」とは、単電池の出力端子の他、単電池の出力端子同士を接続した接続手段に対する接続位置を含む概念である。
【0010】
かかる電池モジュールによれば、前記電池監視装置に前記雄雌一対のコネクタのうちの雌側コネクタが電気的に接続され、前記蓋体に前記雄雌一対のコネクタのうちの雄側コネクタのコネクタソケットが取り付けられるとともに、前記コネクタソケット内の所定位置と各単電池の出力端子とを結ぶ複数の配線経路が設定され、各配線手段は対応する配線経路に沿って配置されているため、各配線手段が接続すべき単電池の出力端子に対する接続位置と雄側コネクタを構成するコネクタソケット内の所定位置(雌側コネクタに設けられた複数の接点のうちの接続すべき接点の配置に対応した位置)とに跨った状態で配置される。従って、上記構成の電池モジュールは、各配線手段が誤配線されることなく適正な配置とされる。
【0011】
また、上記構成の電池モジュールは、コネクタソケット内に導入された各配線手段の端部が雄側コネクタのコネクタピンを構成しているため、各配線手段を配線経路に沿って配置するだけで、各配線手段を電池監視装置に取り付けられた雌側コネクタに対して電気的に接続できる状態となる。従って、上記構成の電池モジュールは、雄雌一対のコネクタを接続することで、複数の配線手段と電池監視装置とを電気的に接続した状態にすることができ、また、雄雌一対のコネクタの接続を解除することで、電池監視装置の交換や修理等を行うことができる。
【0012】
このように、上記構成の電池モジュールは、コネクタに設けられた複数のピン又は接点の配置を確認しつつ各配線手段を個別に接続するといった作業を行う必要がないため、配線手段の配線にかかる作業負担を軽減することができる。
【0013】
この場合、各配線経路は、蓋体の上面に形成された溝で構成され、各配線手段は、対応する配線経路の形態に即した形状に形成され、各配線手段が各溝に嵌め込まれていることが好ましい。このようにすれば、配線手段を形態の対応した配線経路にしか配置できないため、各配線手段をコネクタソケット内の配置されるべき所定位置(接続すべき雌側コネクタの接点と対応した位置)と接続すべき単電池の出力端子に対する接続位置とに跨った状態で確実に配置することができる。従って、各配線手段が接続の対象ではない位置に配置されてしまうことがないため、誤接続を確実に防止することができる。
【0014】
本発明に係る電池モジュールは、複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、単電池の出力端子同士を接続する接続手段と、単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記接続手段と前記電池監視装置とを電気的に接続する配線手段とを備えた電池モジュールにおいて、前記配線手段の端部は弾性構造を有し、前記弾性構造が前記接続手段に圧接して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0015】
上記構成の電池モジュールによれば、前記配線手段の端部は弾性構造を有し、前記弾性構造が前記接続手段に圧接して電気的に接続されているため、配線手段に対して丸端子等の接続端子を取り付けてネジ止め等を行うことなく各配線手段を接続手段に対して電気的に接続することができ、配線手段の配線作業にかかる負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の電池モジュールによれば、電池監視装置と単電池とを接続するための配線手段の配線にかかる作業負担を軽減し、誤配線を防ぐことができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一実施形態に係る電池モジュールの分解斜視図を示す。
【図2】第一実施形態に係る電池モジュールが備えるモジュールケースを構成する蓋体の全体斜視図を示す。
【図3】第一実施形態に係る電池モジュールが備える複数の配線手段の全体斜視図を示す。
【図4】第一実施形態に係る電池モジュールの組み立て作業を説明するための斜視図であって、(a)は、モジュールケース内に複数の単電池を収容した状態を示し、(b)は、モジュールケース(蓋体)に複数の配線手段を配置した状態を示す。
【図5】第一実施形態に係る電池モジュールの全体斜視図を示す。
【図6】本発明の第二実施形態に係る電池モジュールの分解斜視図を示す。
【図7】第二実施形態に係る電池モジュールが備えるモジュールケースを構成する蓋体の全体斜視図を示す。
【図8】第二実施形態に係る電池モジュールが備える複数の配線手段の全体斜視図を示す。
【図9】第二実施形態に係る電池モジュールの部分拡大図であって、(a)は、蓋体の配線経路(溝)に配線手段を配置した状態における配線手段近傍の部分断面図を示し、(b)は、単電池の出力端子同士を接続した接続手段及び該接続手段に圧接した弾性構造を含む部分拡大側面図を示す。
【図10】第二実施形態に係る電池モジュールの組み立て作業を説明するための斜視図であって、(a)は、モジュールケース内に複数の単電池を収容した状態を示し、(b)は、モジュールケース(蓋体)に複数の配線手段を配置した状態を示す。
【図11】第二実施形態に係る電池モジュールの全体斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第一実施形態に係る電池モジュールについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0019】
本実施形態に係る電池モジュールは、図1に示す如く、複数の単電池2と、複数の単電池2の出力端子21a,21b同士を電気的に接続する接続手段3と、前記複数の単電池2を収容するモジュールケース4と、前記複数の単電池2の電気的な監視を行う電池監視装置5と、前記複数の単電池2の出力端子21a,21bに電気的に接続される複数の配線手段6a,6bとを備えている。
【0020】
各単電池2は、発電要素(図示しない)を収容した電池ケース20と、電池ケース20の外部に配置された一対の出力端子(正極用の出力端子及び負極用の出力端子)21a,21bとを備えている。本実施形態に係る単電池2は、前記電池ケース20が六面体状(角箱状)に形成されており、該電池ケース20の外面を構成する六面のうちの一面を上面にしてモジュールケース4内に収容される。
【0021】
これに伴い、一対の出力端子21a,21bは、電池ケース20の上面上に所定の間隔をあけて配置されている。各出力端子21a,21bは、棒状に形成されており、電池ケース20の平面状の上面に対して直角又は略直角をなすように該上面に延設されている。そして、各出力端子21a,21bは、外周に雄ネジが形成されてナットNが螺合可能になっている。そして、各出力端子21a,21bは、電池ケース20内に収容された発電要素に対して電気的に接続されており、発電要素から供給される電力を出力できるようになっている。
【0022】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記複数の単電池2が一列に整列状態で配置されている。より具体的に説明すると、複数の単電池2は、それぞれの出力端子21a,21bが二列で整列し、且つ各列において正極用の出力端子21aと負極用の出力端子21bとが交互に並ぶように配置されている。本実施形態に係る電池モジュール1は、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとを除き、隣り合う単電池2の異なる極性の出力端子21a,21b同士が接続手段3を介して電気的に接続されている。これにより、電池モジュール1は、複数の単電池2が直列接続されて組電池を構成し、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとが組電池の出力端子(正極用の出力端子A、負極用の出力端子B)を構成している。
【0023】
前記接続手段3は、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b(極性の異なる出力端子21a,21b)同士を電気的に接続するもので、導電材料で構成されている。本実施形態にかかる接続手段3は、金属プレートで構成されている。本実施形態に係る接続手段3には、前記出力端子21a,21bを挿通可能な孔径に設定された一対の貫通孔(採番しない)が穿設されている。一対の貫通孔は、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b(同列にある極性の異なる出力端子21a,21b)の配置に対応した間隔をあけて配置されている。
【0024】
前記モジュールケース4は、前記複数の単電池2を支持するケース本体40と、該ケース本体40に支持された複数の単電池2を覆う蓋体41とを備えている。
【0025】
前記ケース本体40は、一面(例えば、上面)を開放させた箱状に形成されている。すなわち、ケース本体40は、底板400と、底板400の外周から起立した周壁401とで構成されている。本実施形態に係るケース本体40は、底板400が平面視四角形状に形成されている。これに伴い、前記周壁401は、底板400の外周を構成する四辺のそれぞれから上方に向けて延出した平板状の壁部401a,401b,401c,401dを備えており、隣り合う壁部401a,401b,401c,401d同士が連結されることで形成されている。これにより、ケース本体40は、上端に開口部402が形成され、該開口部402から前記複数の単電池2を収容可能に構成されている。なお、該ケース本体40は、収容した単電池2の充放電に伴って発生する熱を外部に排出すべく、周壁401(壁部401a,401b,401c,401d)上に内外を連通させる開口を形成してもよい。
【0026】
前記蓋体41は、ケース本体40に収容した複数の単電池2を覆った状態(ケース本体40の開口部402を閉じた状態)で、ケース本体40に連結できるようになっている。すなわち、モジュールケース4は、蓋体41とケース本体40とが連結することで形成される。なお、ケース本体40と蓋体41との連結は、例えば、ケース本体40の周壁401の上端部(内周面及び外周面の少なくとも何れか一方)に係止用の爪又は凹部の何れか一方を設け、相手方である蓋体41の下端部(例えば、後述する起立壁部411の下端部)に対してケース本体40の係止用の爪又は凹部の何れか一方と係合可能な係止用の凹部又は爪を設け、何れか一方の係止用の凹部に対して何れか他方の係止用の爪を係合すればよい。
【0027】
本実施形態に係る蓋体41は、図2に示す如く、ケース本体40の開口部402と対応して四角形状に形成された天板部410と、該天板部410の外周から上方に向けて延出した起立壁部411とで構成されている。前記天板部410は、ケース本体40内に収容した複数の単電池2の出力端子21a,21bを露出させる開口部403,404が形成されている。
【0028】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池モジュール1は、整列配置された複数の単電池2の電流の流れ方向の最上流の出力端子21a(組電池の正極用の出力端子A)と、複数の単電池2の電流の流れ方向の最下流の出力端子21b(組電池の負極用の出力端子B)とを除き、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b同士が接続手段3で電気的に接続されるため、本実施形態に係る蓋体41は、前記開口部403,404として、各接続手段3と対応する複数の開口部(以下、接続手段露出部という)403と、整列状態にある複数の単電池2の電流の流れ方向の最上流及び最下流の出力端子21a,21b(組電池の出力端子A,B)と対応する一対の開口部(以下、端子露出部という)404とが形成されている。
【0029】
これにより、本実施形態に係る電池モジュール1は、ケース本体40に収容した複数の単電池2を蓋体41で覆った(ケース本体40に蓋体41を連結した状態)状態で、各接続手段露出部403から接続手段3と該接続手段3によって電気的に接続された出力端子21a,21bが露出するとともに、各端子露出部404から組電池の出力端子A,Bが露出するようになっている。
【0030】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、複数の単電池2に接続された複数の配線手段6a,6bと電池監視装置5とを雄雌一対のコネクタ7,8を介して電気的に接続するようになっている(図1及び図5参照)。
【0031】
これに伴い、本実施形態に係る電池モジュール1は、蓋体41に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雄側コネクタ7のコネクタソケット70が取り付けられている。本実施形態において、前記コネクタソケット70は、蓋体41の天板部410の上面に設けられている。該コネクタソケット70は、天板部410上で所定領域(雄側コネクタ7のコネクタピンが配置される領域)を取り囲むように形成されている。
【0032】
より具体的に説明すると、コネクタソケット70は、配線手段6a,6bを天板部410上で雄側コネクタ7のコネクタピンの配置される領域(以下、ピン配置領域という)PAと外側領域とに跨った状態で配置可能とすべく、一部を開放させた状態で形成されている。すなわち、コネクタソケット70は、ピン配置領域PAを取り囲むように天板部410上に立設されており、周方向の両端間にピン配置領域PAと外側領域とを連通させた開放部72を形成している。
【0033】
そして、蓋体41は、前記コネクタソケット70内の所定位置と各単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路412a,412bが設定されている。すなわち、蓋体41は、雄側コネクタ7のコネクタピンが挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置と、前記出力端子21a,21bに対して直接的又は間接的に接続できる位置とを結んでそれぞれ独立した複数の配線経路412a,412bが設定されている。
【0034】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る蓋体41は、天板部410に形成された端子露出部404からコネクタソケット70内の所定位置(雄側コネクタ7のコネクタピン71が挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置)に延びる二つの第一配線経路(配線経路)412aと、天板部410に形成された接続手段露出部403からコネクタソケット70内の所定位置(雄側コネクタ7のコネクタピン71が挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置)に延びる複数の第二配線経路(配線経路)412bとが設定されている。そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、各配線経路412a,412bが蓋体41の天板部410の上面に形成された溝で構成されている。
【0035】
前記起立壁部411は、天板部410の外周に立設されている。本実施形態に係る起立壁部411は、各端子露出部404と隣接する部分が切り掛かれている。これにより、同種の電池モジュール1を横並びに配置したときに、隣り合う電池モジュール1(組電池)の出力端子21a,21b同士を前記接続手段3で接続できるようになっている。すなわち、起立壁部411は、隣り合う電池モジュール1(組電池)の出力端子21a,21b同士を接続手段3で接続したときに該接続手段3が干渉するのを防止できるように部分的に切り掛かれた状態で形成されている。
【0036】
図1に戻り、前記電池監視装置5は、単電池2の出力端子21a,21b間の電圧を基に充電状態を監視可能に構成された制御回路基板であり、本実施形態において雌側コネクタ8が取り付けられている。本実施形態に係る電池監視装置5は、単電池2の出力端子21a,21b間に配置可能なサイズに設定されている。
【0037】
複数の配線手段6a,6bのそれぞれは、複数の単電池2の出力端子21a,21bに電気的に接続されている(図5参照)。本実施形態において、各配線手段6a,6bは、蓋体41の天板部410上に設定された配線経路412a,412bに沿って配置され、前記コネクタソケット70内に導入された端部が雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成している(図4(b)参照)。
【0038】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池モジュール1は、上述の如く、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとが組電池の正極用及び負極用の出力端子A,Bを構成し、隣り合う単電池2の異なる極性の出力端子21a,21b同士が接続手段3を介して電気的に接続されているため、配線手段6a,6bとして、コネクタソケット70の所定位置から組み電池の出力端子A,Bにまで延びる一対の第一配線手段6aと、コネクタソケット70の所定位置から各接続手段3にまで延びる複数の第二配線手段6bとを備えている。
【0039】
前記第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、対応する配線経路(第一配線経路412a、第二配線経路412b)の形態に即した形状に形成され、配線経路(第一配線経路412a,第二配線経路412b)を構成する各溝に嵌め込まれている(図5参照)。
【0040】
前記第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、導電性の高いアルミや銅等の金属材料で構成されている。本実施形態において、第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、金属プレートを対応する配線経路412a,412bの平面形状に即して打ち抜くことで形成されており、図3に示す如く、その一端部(コネクタソケット70内に導入される端部)が折り曲げられている。これにより、第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、対応する第一配線経路412a及び第二配線経路412b(溝)内に配置した状態(上方から溝412a,412bに嵌め込んだ状態)で、コネクタソケット70内(ピン配置領域PA)と外部領域とに跨って状態になり、また、コネクタソケット70内の端部が天板部410の上面から起立し、雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成するようになっている。
【0041】
そして、第一配線手段6aは、第一配線経路412a内に配置された上で、他端部が端子露出部404から露出した組電池の出力端子A,Bに接続される。これに伴い、第一配線手段6aの他端部には、組電池の出力端子A,Bに接続可能(外嵌可能)な端子(図においては丸端子)60aが取り付けられている。
【0042】
これに対し、第二配線手段6bは、第二配線経路412b内に配置された上で、他端部が接続手段露出部403から露出した接続手段3に接続される。これに伴い、第二配線手段6bの他端部には、対象物に接続可能(ネジ止め可能)な端子(図においては丸端子)60bが取り付けられている。そして、該第二配線手段6bは、他端部(端子)60bが接続手段3に対して螺着されるようになっている。
【0043】
本実施形態に係る電池モジュール1は、以上の通りであり、続いて、上記構成の電池モジュール1の組み立てについて説明すると、ケース本体40内に複数の単電池2を収容し、該複数の単電池2の出力端子21a,21b同士を接続手段3によって電気的に接続する。そして、図4(a)に示す如く、ケース本体40の開口部402を蓋体41で塞ぎ、蓋体41をケース本体40に連結する。この状態で、ケース本体40内の単電池2が蓋体41に覆われ、接続手段3が接続手段露出部403から露出するとともに、組電池の出力端子A,Bが端子露出部404から露出した状態になる。
【0044】
そして、図4(b)に示す如く、各第一配線手段6aを各第一配線経路(溝)412a内に配置するとともに、各第二配線手段6bを各第二配線経路(溝)412b内に配置する。そして、第一配線手段6aを第一配線経路412a内に固定するとともに、第二配線手段6bを第二配線経路412b内に固定する。本実施形態において、上述の如く、第一配線経路412a及び第二配線経路412bが溝で構成されているため、第一配線経路412a内に第一配線手段6aを配置した上で、粘着テープ(図示しない)で第一配線経路412aの開放部分を部分的に閉じ、また、第二配線経路412b内に第二配線手段6bを配置した上で、粘着テープで第二配線経路412bの開放部分を部分的に閉じることで、これらの配線手段6a,6bを配線経路412a,412b内に固定するようにしている。
【0045】
そして、この状態で、第一配線手段6a及び第二配線手段6bのそれぞれの一端部がコネクタソケット70の所定位置で起立した状態になってコネクタピン71を構成し、蓋体41(天板部410)上に雄側コネクタ7が形成されることになる。また、この状態で、各第一配線手段6aの他端部(端子)60aが端子露出部404内に位置し、各第二配線手段6bの他端部(端子)60bが接続手段露出部403内に位置することになる。すなわち、接続手段露出部403から露出した接続手段3上に第二配線手段6bの他端部(端子)60bが重なり合い、端子露出部404から露出した組電池の出力端子A,Bに第一配線手段6aの他端部(端子)60aが外嵌された状態になる。
【0046】
そして、第二配線手段6bの他端部(端子)60bを重なり合った接続手段3に対してネジ止めをする。このネジ止めは、例えば、接続手段3にネジ穴を予め穿設しておき、第二配線手段6bの端子60bに挿通した小ネジをネジ穴に螺合させるようにしてもよいし、第二配線手段6bの端子60bにタッピングビスを挿通し、該タッピングビスを接続手段3に対して直接螺合させるようにしてもよい。本実施形態においては、接続手段3にネジ穴(採番しない)を予め穿設しておき、第二配線手段6bの端子60bに挿通した小ネジSをネジ穴に螺合させるようにしている。なお、組電池の出力端子A,Bに対して上述の如く第一配線手段6aの端子60aが外嵌された状態になるが、電池モジュール1が単体の電源として使用される場合には、第一配線手段6aの端子60aは、負荷に接続されたケーブル(図示しない)を組電池の出力端子A,Bに対して接続するのに併せて出力端子A,Bに螺合されるナット部材で締め付けられて固定され、同種の電池モジュール1を複数接続して電源として使用される場合には、第一配線手段6aの端子60aは、電池モジュール1同士を接続手段3で接続するのに併せて出力端子A,Bに螺合されるナット部材で締め付けられて固定される。
【0047】
しかる後、図5に示す如く、電池監視装置5に取り付けた雌側コネクタ8を蓋体41上の雄側コネクタ7に対して接続する。これにより、電池監視装置5と複数の単電池2の出力端子21a,21bとが複数の配線手段(第一配線手段6a、第二配線手段6b)を介して直接的又は間接的に接続され、電池モジュール1が完成する。
【0048】
以上のように、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記電池監視装置5に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雌側コネクタ8が電気的に接続され、前記蓋体41に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雄側コネクタ7のコネクタソケット70が取り付けられるとともに、前記コネクタソケット70内の所定位置と各単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路412a,412bが設定され、各配線手段6a,6bは対応する配線経路412a,412b内に配置されているため、各配線手段412a,412bが接続すべき単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置と雄側コネクタ7を構成するコネクタソケット70内の所定位置(雌側コネクタ8に設けられた複数の接点のうちの接続すべき接点の配置に対応した位置)とに跨った状態で配置される。従って、上記構成の電池モジュール1は、各配線手段6a,6bが誤配線されることなく適正な配置とされる。
【0049】
また、上記構成の電池モジュール1は、コネクタソケット70内に導入された各配線手段6a,6bの端部が雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成しているため、各配線手段6a,6bを配線経路412a,412b内に配置するだけで、各配線手段6a,6bを電池監視装置5に取り付けられた雌側コネクタ8に対して電気的に接続できる状態となる。従って、上記構成の電池モジュール1は、雄雌一対のコネクタ7,8を接続することで、複数の配線手段6a,6bと電池監視装置5とを電気的に接続した状態にすることができ、また、雄雌一対のコネクタ7,8の接続を解除することで、電池監視装置5の交換や修理等を行うことができる。
【0050】
このように、上記構成の電池モジュール1は、コネクタ7、8に設けられた複数のピン又は接点の配置を確認しつつ各配線手段6a,6bを個別に接続するといった作業を行う必要がないため、配線手段6a,6bの配線作業にかかる負担を軽減することができる。
【0051】
また、本実施形態において、各配線経路412a,412bは、蓋体41の上面に形成された溝で構成され、各配線手段6a,6bは、対応する配線経路412a,412bの形態に即した形状に形成され、各配線手段6a,6bが各溝(配線経路412a,412b)に嵌め込まれているため、配線手段6a,6bを形態の対応した配線経路412a,412bにしか配置できない。従って、各配線手段6a,6bをコネクタソケット70内に配置されるべき所定位置(接続すべき雌側コネクタ8の接点と対応した位置)と接続すべき単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とに跨った状態で確実に配置することができる。従って、各配線手段6a,6bが接続の対象ではない位置に配置されてしまうことがないため、誤接続を確実に防止することができる。
【0052】
これにより、本実施形態に係る電池モジュール1によれば、電池監視装置5と単電池2とを接続するための配線手段6a,6bの配線作業にかかる負担を軽減することができるという優れた効果を奏し得る。
【0053】
次に、本発明の第二実施形態に係る電池モジュールについて、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態に係る電池モジュールは、第一実施形態の電池モジュールと基本構成が共通しているため、以下の説明において、第一実施形態の電池モジュールと共通する構成又は相当する構成について、同一名称及び同一符号を付すこととする。
【0054】
本実施形態に係る電池モジュール1は、図6に示す如く、複数の単電池2と、複数の単電池2の出力端子21a,21b同士を電気的に接続する接続手段3と、前記複数の単電池2を収容するモジュールケース4と、前記複数の単電池2の電気的な監視を行う電池監視装置5と、前記複数の単電池2の出力端子21a,21bに電気的に接続される複数の配線手段6a,6bとを備えている。
【0055】
各単電池2は、発電要素(図示しない)を収容した電池ケース20と、電池ケース20の外部に配置された一対の出力端子(正極用の出力端子及び負極用の出力端子)21a,21bとを備えている。本実施形態に係る単電池2は、前記電池ケース20が六面体状(角箱状)に形成されており、該電池ケース20の外面を構成する六面のうちの一面を上面にしてモジュールケース4内に収容される。
【0056】
これに伴い、一対の出力端子21a,21bは、電池ケース20の上面上に所定の間隔をあけて配置されている。各出力端子21a,21bは、棒状に形成されており、電池ケース20の平面状の上面に対して直角又は略直角をなすように該上面に延設されている。そして、各出力端子21a,21bは、外周に雄ネジが形成されてナットNが螺合可能になっている。そして、各出力端子21a,21bは、電池ケース20内に収容された発電要素に対して電気的に接続されており、発電要素から供給される電力を出力できるようになっている。
【0057】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記複数の単電池2が一列に整列状態で配置されている。より具体的に説明すると、複数の単電池2は、それぞれの出力端子21a,21bが二列で整列し、且つ各列において正極用の出力端子21aと負極用の出力端子21bとが交互に並ぶように配置されている。本実施形態に係る電池モジュール1は、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとを除き、隣り合う単電池2の異なる極性の出力端子21a,21b同士が接続手段3を介して電気的に接続されている。これにより、電池モジュール1は、複数の単電池2が直列接続されて組電池を構成し、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとが組電池の出力端子(正極用の出力端子A、負極用の出力端子B)を構成している。
【0058】
前記接続手段3は、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b(極性の異なる出力端子21a,21b)同士を電気的に接続するもので、導電材料で構成されている。本実施形態にかかる接続手段3は、金属プレートで構成されている。本実施形態に係る接続手段3には、前記出力端子21a,21bを挿通可能な孔径に設定された一対の貫通孔(採番しない)が穿設されている。一対の貫通孔は、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b(同列にある極性の異なる出力端子21a,21b)の配置に対応した間隔をあけて配置されている。
【0059】
前記モジュールケース4は、前記複数の単電池2を支持するケース本体40と、該ケース本体40に支持された複数の単電池2を覆う蓋体41とを備えている。
【0060】
前記ケース本体40は、一面(例えば、上面)を開放させた箱状に形成されている。すなわち、ケース本体40は、底板400と、底板400の外周から起立した周壁401とで構成されている。本実施形態に係るケース本体40は、底板400が平面視四角形状に形成されている。これに伴い、前記周壁401は、底板400の外周を構成する四辺のそれぞれから上方に向けて延出した平板状の壁部401a,401b,401c,401dを備えており、隣り合う壁部401a,401b,401c,401d同士が連結されることで形成されている。これにより、ケース本体40は、上端に開口部402が形成され、該開口部402から前記複数の単電池2を収容可能に構成されている。なお、該ケース本体40は、収容した単電池2の充放電に伴って発生する熱を外部に排出すべく、周壁401(壁部401a,401b,401c,401d)上に内外を連通させる開口を形成してもよい。
【0061】
前記蓋体41は、ケース本体40に収容した複数の単電池2を覆った状態(ケース本体40の開口部402を閉じた状態)で、ケース本体40に連結できるようになっている。すなわち、モジュールケース4は、蓋体41とケース本体40とが連結することで形成される。なお、ケース本体40と蓋体41との連結は、例えば、ケース本体40の周壁401の上端部(内周面及び外周面の少なくとも何れか一方)に係止用の爪又は凹部の何れか一方を設け、相手方である蓋体41の下端部(例えば、後述する起立壁部411の下端部)に対してケース本体40の係止用の爪又は凹部の何れか一方と係合可能な係止用の凹部又は爪を設け、何れか一方の係止用の凹部に対して何れか他方の係止用の爪を係合すればよい。
【0062】
本実施形態に係る蓋体41は、図7に示す如く、ケース本体40の開口部402と対応して四角形状に形成された天板部410と、該天板部410の外周から上方に向けて延出した起立壁部411とで構成されている。前記天板部410は、ケース本体40内に収容した複数の単電池2の出力端子21a,21bを露出させる開口部403,404が形成されている。
【0063】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池モジュール1は、整列配置された複数の単電池2の電流の流れ方向の最上流の出力端子21a(組電池の正極用の出力端子A)と、複数の単電池2の電流の流れ方向の最下流の出力端子21b(組電池の負極用の出力端子B)とを除き、隣り合う単電池2の出力端子21a,21b同士が接続手段3で電気的に接続されるため、本実施形態に係る蓋体41は、前記開口部403,404として、各接続手段3と対応する複数の接続手段露出部(開口部)403と、整列状態にある複数の単電池2の電流の流れ方向の最上流及び最下流の出力端子21a,21b(組電池の出力端子A,B)と対応する一対の端子露出部(開口部)404とが形成されている。
【0064】
これにより、本実施形態に係る電池モジュール1は、ケース本体40に収容した複数の単電池2を蓋体41で覆った(ケース本体40に蓋体41を連結した状態)状態で、各接続手段露出部403から接続手段3と該接続手段3によって電気的に接続された出力端子21a,21bが露出するとともに、各端子露出部404から組電池の出力端子A,Bが露出するようになっている。
【0065】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、複数の単電池2に接続された複数の配線手段6a,6bと電池監視装置5とを雄雌一対のコネクタ7,8を介して電気的に接続するようになっている(図6及び図11参照)。
【0066】
これに伴い、本実施形態に係る電池モジュール1は、蓋体41に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雄側コネクタ7のコネクタソケット70が取り付けられている。本実施形態において、前記コネクタソケット70は、蓋体41の天板部410の上面に設けられている。該コネクタソケット70は、天板部410上で所定領域(雄側コネクタ7のコネクタピン71が配置される領域)を取り囲むように形成されている。
【0067】
より具体的に説明すると、コネクタソケット70は、配線手段6a,6bを天板部410上で雄側コネクタ7のコネクタピンの配置されるピン配置領域PAと外側領域とに跨った状態で配置可能とすべく、一部を開放させた状態で形成されている。すなわち、コネクタソケット70は、ピン配置領域PAを取り囲むように天板部410上に立設されており、周方向の両端間にピン配置領域PAと外側領域とを連通させた開放部72を形成している。
【0068】
そして、蓋体41は、前記コネクタソケット70内の所定位置と各単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路412a,412bが設定されている。すなわち、蓋体41は、雄側コネクタ7のコネクタピンが挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置と、前記出力端子21a,21bに対して直接的又は間接的に接続できる位置とを結んでそれぞれ独立した複数の配線経路412a,412bが設定されている。
【0069】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る蓋体41は、天板部410に形成された端子露出部404からコネクタソケット70内の所定位置(雄側コネクタ7のコネクタピン71が挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置)に延びる二つの第一配線経路(配線経路)412aと、天板部410に形成された接続手段露出部403からコネクタソケット70内の所定位置(雄側コネクタ7のコネクタピン71が挿入される雌側コネクタ8に設けられた図示しない孔に対応した位置であって、雌側コネクタ8の接点に配線手段6a,6bが接続されるべき位置)に延びる複数の第二配線経路(配線経路)412bとが設定されている。
【0070】
そして、本実施形態に係る電池モジュール1は、各配線経路412a,412bが蓋体41の天板部410の上面に形成された溝で構成されている。また、本実施形態に係る蓋体41は、図7及び図9(a)に示す如く、配線手段412a,412b(第一配線経路412a及び第二配線経路412b)に配線手段6a,6b(第一配線手段6a及び第二配線手段6b)が脱落するのを防止するための係止爪413a,413bが設けられている。各係止爪413a,413bは、図9(a)に示す如く、配線経路である溝412a,412b(第一配線経路412a,第二配線経路412b)の上部両側に内側に向けて凸設されており、一対の係止爪413a,413b間に配線手段6a,6bを押し込むことで、配線手段6a,6bが配線経路(溝)412a,412b内に入り込み、該配線手段6a,6bが配線経路(溝)412a,412b内で係止爪413a,413bに係止されて上側外方に向けて移動することが防止されるようになっている。
【0071】
図7に戻り、前記起立壁部411は、天板部410の外周に立設されている。そして、本実施形態に係る起立壁部411は、各端子露出部404と隣接する部分が切り掛かれている。これにより、同種の電池モジュール1を横並びに配置したときに、隣り合う電池モジュール1(組電池)の出力端子21a,21b同士を前記接続手段3で接続できるようになっている。すなわち、起立壁部411は、隣り合う電池モジュール1(組電池)の出力端子21a,21b同士を接続する接続手段3が干渉するのを防止できるように部分的に切り掛かれた状態で形成されている。
【0072】
図6に戻り、前記電池監視装置5は、単電池2の出力端子21a,21b間の電圧を基に充電状態を監視可能に構成された制御回路基板であり、本実施形態において雌側コネクタ8が取り付けられている。本実施形態に係る電池監視装置5は、単電池2の出力端子21a,21b間に配置可能なサイズに設定されている。
【0073】
複数の配線手段6a,6bのそれぞれは、複数の単電池2の出力端子21a,21bに電気的に接続されている(図11参照)。本実施形態において、各配線手段6a,6bは、蓋体41の天板部410上に設定された配線経路412a,412bに沿って配置され、前記コネクタソケット70内に導入された端部が雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成している(図10(b)参照)。
【0074】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池モジュール1は、上述の如く、整列方向の先頭にある単電池2の一方の出力端子21aと整列方向の最後尾にある単電池2の他方の出力端子21bとが組電池の正極用及び負極用の出力端子A,Bを構成し、隣り合う単電池2の異なる極性の出力端子21a,21b同士が接続手段3を介して電気的に接続されているため、配線手段6a,6bとして、コネクタソケット70の所定位置から組み電池の出力端子A,Bにまで延びる一対の第一配線手段6aと、コネクタソケット70の所定位置から各接続手段3にまで延びる複数の第二配線手段6bとを備えている。
【0075】
前記第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、対応する配線経路(第一配線経路412a,第二配線経路412b)の形態に即した形状に形成され、配線経路(第一配線経路412a,第二配線経路412b)と構成する各溝に嵌め込まれている(図11参照)。
【0076】
前記第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、導電性の高いアルミや銅等の金属材料で構成されている。本実施形態において、第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、金属プレートを対応する配線経路412a,412bの平面形状に即して打ち抜くことで形成されており、図8に示す如く、その一端部(コネクタソケット70内に導入される端部)が折り曲げられている。これにより、第一配線手段6a及び第二配線手段6bは、対応する第一配線経路412a及び第二配線経路412b(溝)内に配置した状態(上方から溝412a,412bに嵌め込んだ状態)で、コネクタソケット70内(ピン配置領域PA)と外部領域とに跨って状態になり、また、コネクタソケット70内の端部が天板部410の上面から起立し、雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成するようになっている。
【0077】
そして、第一配線手段6aは、第一配線経路412a内に配置された上で、他端部が端子露出部404から露出した組電池の出力端子A,Bに接続される。これに伴い、第一配線手段6aの他端部には、組電池の出力端子A,Bに接続可能(外嵌可能)な端子(図においては丸端子)60aが取り付けられている。
【0078】
これに対し、第二配線手段6bは、第二配線経路412b内に配置された上で、他端部が接続手段露出部403から露出した接続手段3に接続される。本実施形態に係る第二配線手段6bは、他端部に弾性構造60b’を有し、前記弾性構造60b’が前記接続手段3に圧接して電気的に接続されるようになっている。具体的には、各第二配線手段6bの他端部には、弾性構造としてのコイルバネ60b’が設けられている。該コイルバネ60b’は、ケース本体40に対する蓋体41の連結方向(第二配線経路412bに対する嵌込方向)と同方向に弾性変形可能に構成されている。
【0079】
本実施形態に係る電池モジュール1は、以上の通りであり、続いて、上記構成の電池モジュール1の組み立てについて説明すると、ケース本体40内に複数の単電池2を収容し、該複数の単電池2の出力端子21a,21b同士を接続手段3によって電気的に接続する。そして、図10(a)に示す如く、ケース本体40の開口部402を蓋体41で塞ぎ、蓋体41をケース本体40に連結する。この状態で、ケース本体40内の単電池2が蓋体41に覆われ、接続手段3が接続手段露出部403から露出するとともに、組電池の出力端子A,Bが端子露出部404から露出した状態になる。
【0080】
そして、図10(b)に示す如く、各第一配線手段6aを各第一配線経路(溝)412a内に配置するとともに、各第二配線手段6bを各第二配線経路(溝)412b内に配置する。本実施形態に係る電池モジュール1は、第一配線経路412a及び第二配線経路412bの上部に係止爪413a,413bが設けられているため、第一配線手段6aは第一配線経路412a内に押し込まれることで係止爪413a,413bに係止されて第一配線経路412a内で固定され、第二配線手段6bは第二配線経路412b内に押し込まれることで係止爪413a,413bに係止されて第二配線経路412b内で固定される(図9(a)参照)。
【0081】
そして、この状態で、第一配線手段6a及び第二配線手段6bのそれぞれの一端部がコネクタソケット70の所定位置で起立した状態になってコネクタピン71を構成し、蓋体41(天板部410)上に雄側コネクタ7が形成されることになる。また、この状態で、各第一配線手段6aの他端部(端子)60aが端子露出部404内に位置し、各第二配線手段6bの他端部(弾性構造)60b’が接続手段露出部403内に位置することになる。すなわち、第二配線手段6bの他端部(弾性構造)60b’は、図9(b)に示す如く、接続手段露出部403から露出した接続手段3に対して自己の弾性力で圧接して電気的に接続されるとともに、第一配線手段6aの他端部(端子)60aは、図10に示す如く、端子露出部404から露出した組電池の出力端子A,Bに外嵌された状態になる。
【0082】
なお、組電池の出力端子A,Bに対して上述の如く第一配線手段6aの端子60aが外嵌された状態になるが、電池モジュール1が単体の電源として使用される場合には、第一配線手段6aの端子60aは、負荷に接続されたケーブル(図示しない)を組電池の出力端子A,Bに対して接続するのに併せて出力端子A,Bに螺合されるナット部材で締め付けられて固定され、同種の電池モジュール1を複数接続して電源として使用される場合には、第一配線手段6aの端子60aは、電池モジュール1同士を接続手段3で接続するのに併せて出力端子A,Bに螺合されるナット部材で締め付けられて固定される。
【0083】
しかる後、図11に示す如く、電池監視装置5に取り付けた雌側コネクタ8を蓋体41上の雄側コネクタ7に対して接続する。これにより、電池監視装置5と複数の単電池2の出力端子21a,21bとが複数の配線手段(第一配線手段6a、第二配線手段6b)を介して直接的又は間接的に接続され、電池モジュール1が完成する。
【0084】
以上のように、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記電池監視装置5に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雌側コネクタ8が電気的に接続され、前記蓋体41に前記雄雌一対のコネクタ7,8のうちの雄側コネクタ7のコネクタソケット70が取り付けられるとともに、前記コネクタソケット70内の所定位置と各単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路412a,412bが設定され、各配線手段6a,6bは対応する配線経路412a,412b内に配置されているため、各配線手段412a,412bが接続すべき単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置と雄側コネクタ7を構成するコネクタソケット70内の所定位置(雌側コネクタ8に設けられた複数の接点のうちの接続すべき接点の配置に対応した位置)とに跨った状態で配置される。従って、上記構成の電池モジュール1は、各配線手段6a,6bが誤配線されることなく適正な配置とされる。
【0085】
また、上記構成の電池モジュール1は、コネクタソケット70内に導入された各配線手段6a,6bの端部が雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成しているため、各配線手段6a,6bを配線経路412a,412b内に配置するだけで、各配線手段6a,6bを電池監視装置5に取り付けられた雌側コネクタ8に対して電気的に接続できる状態となる。従って、上記構成の電池モジュール1は、雄雌一対のコネクタ7,8を接続することで、複数の配線手段6a,6bと電池監視装置5とを電気的に接続した状態にすることができ、また、雄雌一対のコネクタ7,8の接続を解除することで、電池監視装置5の交換や修理等を行うことができる。
【0086】
このように、上記構成の電池モジュール1は、コネクタ7、8に設けられた複数のピン又は接点の配置を確認しつつ各配線手段6a,6bを個別に接続するといった作業を行う必要がないため、配線手段6a,6bの配線作業にかかる負担を軽減することができる。
【0087】
また、本実施形態において、各配線経路412a,412bは、蓋体41の上面に形成された溝で構成され、各配線手段6a,6bは、対応する配線経路412a,412bの形態に即した形状に形成され、各配線手段6a,6bが各溝(配線経路412a,412b)に嵌め込まれているため、配線手段6a,6bを形態の対応した配線経路412a,412bにしか配置できない。従って、各配線手段6a,6bをコネクタソケット70内に配置されるべき所定位置(接続すべき雌側コネクタ8の接点と対応した位置)と接続すべき単電池2の出力端子21a,21bに対する接続位置とに跨った状態で確実に配置することができる。従って、各配線手段6a,6bが接続の対象ではない位置に配置されてしまうことがないため、誤接続を確実に防止することができる。
【0088】
さらに言えば、本実施形態に係る電池モジュール1は、前記配線手段6bの端部が弾性構造60b’を有し、前記弾性構造60b’が前記接続手段3に圧接して電気的に接続されているため、配線手段6bに対して丸端子等の接続端子を取り付けてネジ止め等を行うことなく各配線手段6bを接続手段3に対して電気的に接続することができ、配線手段6bの配線作業にかかる負担を軽減することができる。
【0089】
これにより、本実施形態に係る電池モジュール1によれば、電池監視装置5と単電池2とを接続するための配線手段6a,6bの配線作業にかかる負担を軽減することができるという優れた効果を奏し得る。
【0090】
なお、本発明に係る電池モジュールは、上記各実施形態の何れにも限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0091】
上記第一及び第二実施形態において、複数の単電池2を収容したケース本体40の開口部402を蓋体41で閉じた後に、複数の配線手段6a,6bのそれぞれを配線経路412a,412bに沿って配置するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、蓋体41に設定された複数の配線系と412a,412bに沿って配線手段6a,6bを配置した後に、該蓋体41でケース本体40の開口部402を閉じる(単電池2を覆う)ようにしてもよい。また、上記第一及び第二実施形態において、ケース本体40に単電池2を収容した上で各単電池2を接続手段3で接続し、その後に蓋体41で単電池2を覆うようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の単電池2をそれぞれ独立した状態でケース本体40に収容して蓋体41で該単電池2を覆い、その後に、接続手段露出部403から露出した出力端子21a,21b同士を接続手段3で接続するようにしてもよい。
【0092】
上記第一及び第二実施形態において、蓋体41の天板部410の上面に複数の溝を設け、該溝で配線手段6a,6bを配置する配線経路412a,412bを構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の配線経路412a,412bとして蓋体41の天板部410の面に沿った複数の連通孔を穿設しておき、この連通孔(配線経路412a,412b)に配線手段(例えばリード線)6a,6bを挿通して配線するようにしてもよい。また、天板部410上に配線手段6a,6bを配置する配線経路412a,412bを印刷しておき、配線手段6a,6bを該印刷(配線経路)412a,412bに沿わせて配置するようにしてもよい。このようにしても、複数の配線手段6a,6bの配置が明らかになるため、誤接続を防止することができる。
【0093】
上記第一及び第二実施形態において、金属プレートを対応する配線経路412a,412bの平面形状に即して打ち抜くことで配線手段6a,6bを形成した(打ち抜き加工で配線手段6a,6bを作製した)が、これに限定されるものではなく、例えば、強度のある金属製の棒材を曲げ加工することで、対応する配線経路412a,412bの平面形状に即した配線手段6a,6bを作製するようにしてもよい。すなわち、配線手段6a,6bは、対応する配線経路412a,412bの平面形状に即した形状になるように、コネクタソケット70内に導入される端部以外の部分についても曲げ加工された金属製の棒材で構成してもよい。
【0094】
また、上記第一実施形態において、配線経路412a,412bを溝で構成し、該配線経路412a,412b内に配線手段6a,6bを配置した上で溝の開放した部分を粘着テープで部分的に閉じることで、配線手段6a,6bの脱落を防止するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第二実施形態と同様に溝412a,412bの上部両側に係止爪413a,413bを設けるようにしてもよい。
【0095】
また、上記第一実施形態において、粘着テープで配線経路412a,412b内の配線手段6a,6bを固定し、上記第二実施形態において、配線経路412の上部に設けた係止爪413a,413bで配線手段6a,6bを固定したが、配線手段6a,6bの固定は、係止爪413a,413bや粘着テープによるものに限定されず、例えば、配線手段6a,6bを蓋体41(天板部410)上に配置し、該配線手段6a,6b上に押さえ部材(例えば、板状の押さえ板等)を配置して蓋体41に固定しても勿論よい。また、配線手段6a,6bの固定は、全長に対して行う必要はなく、部分的に固定するようにしてもよい。
【0096】
上記第二実施形態において、配線手段6a,6bの一端部で雄側コネクタ7のコネクタピン71を構成したが、例えば、配線手段6a,6bの他端部に弾性構造60b’を設けた場合には、配線手段6a,6bの他端部に対して独立した雄側コネクタ7を設けてもよい。すなわち、配線手段6a,6bの他端部に対して弾性構造60b’を設ければ、接続手段3に対する配線作業が簡略化できるため、これだけでも作業効率が向上する。但し、より作業効率を高めるには、第二実施形態と同様にすることが好ましいことは言うまでもない。また、第一実施形態においても、第二実施形態と同様に第二配線手段6bの他端部に弾性構造(コイルバネ)60b’を設ければ、組み立て時の配線作業の作業効率をより向上させることができることは言うまでもない。
【0097】
上記第二実施形態において、第二配線手段6bの他端部にコイルバネからなる弾性構造60b’を設けたが、弾性構造60b’はコイルバネに限定されるものではなく、例えば、板バネで構成してもよい。また、弾性構造60b’はバネに限定されるものではなく、例えば、導電性フィラーを含有したゴム素材であってもよい。すなわち、弾性構造60b’は、導電性を有し、且つ第二配線手段6bが単電池2を覆った蓋体41に固定されることで、接続手段露出部403から露出した接続手段3に圧接可能な構成であればよい。
【符号の説明】
【0098】
1…電池モジュール、2…単電池、3…接続手段、4…モジュールケース、5…電池監視装置、6a…第一配線手段(配線手段)、6b…第二配線手段(配線手段)、7…雄側コネクタ(コネクタ)、8…雌側コネクタ(コネクタ)、20…電池ケース、21a,21b…出力端子、40…ケース本体、41…蓋体、60a…端部(端子)、60b…端部(端子)、60b’…端部(弾性構造(コイルバネ))、70…コネクタソケット、400…底板、401…周壁、401a,401b,401c,401d…壁部、402…開口部、403…接続手段露出部(開口部)、404…端子露出部(開口部)、410…天板部、411…起立壁部、412a…第一配線経路(配線経路:溝)、412b…第二配線経路(配線経路:溝)、413a,413b…係止爪、72…開放部、A,B…出力端子、N…ナット、PA…ピン配置領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、前記複数の単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記複数の単電池の出力端子に電気的に接続される複数の配線手段とを備え、前記モジュールケースは、前記複数の単電池を支持するケース本体と、前記複数の単電池を覆う蓋体とを備え、前記電池監視装置が雄雌一対のコネクタを介して前記複数の配線手段と電気的に接続された電池モジュールにおいて、前記電池監視装置に前記雄雌一対のコネクタのうちの雌側コネクタが電気的に接続され、前記蓋体に前記雄雌一対のコネクタのうちの雄側コネクタのコネクタソケットが取り付けられるとともに、前記コネクタソケット内の所定位置と各単電池の出力端子に対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路が設定され、各配線手段は対応する配線経路に沿って配置され、前記コネクタソケット内に導入された各配線手段の端部が雄側コネクタのコネクタピンを構成していることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、単電池の出力端子同士を接続する接続手段と、単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記接続手段と前記電池監視装置とを電気的に接続する配線手段とを備えた電池モジュールにおいて、
前記配線手段の端部は弾性構造を有し、前記弾性構造が前記接続手段に圧接して電気的に接続されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項3】
各配線経路は、蓋体の上面に形成された溝で構成され、各配線手段は、対応する配線経路の形態に即した形状に形成され、各配線手段が各溝に嵌め込まれている請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項1】
複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、前記複数の単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記複数の単電池の出力端子に電気的に接続される複数の配線手段とを備え、前記モジュールケースは、前記複数の単電池を支持するケース本体と、前記複数の単電池を覆う蓋体とを備え、前記電池監視装置が雄雌一対のコネクタを介して前記複数の配線手段と電気的に接続された電池モジュールにおいて、前記電池監視装置に前記雄雌一対のコネクタのうちの雌側コネクタが電気的に接続され、前記蓋体に前記雄雌一対のコネクタのうちの雄側コネクタのコネクタソケットが取り付けられるとともに、前記コネクタソケット内の所定位置と各単電池の出力端子に対する接続位置とを結ぶ複数の配線経路が設定され、各配線手段は対応する配線経路に沿って配置され、前記コネクタソケット内に導入された各配線手段の端部が雄側コネクタのコネクタピンを構成していることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
複数の単電池と、該複数の単電池を収容するモジュールケースと、単電池の出力端子同士を接続する接続手段と、単電池の電気的な監視を行う電池監視装置と、前記接続手段と前記電池監視装置とを電気的に接続する配線手段とを備えた電池モジュールにおいて、
前記配線手段の端部は弾性構造を有し、前記弾性構造が前記接続手段に圧接して電気的に接続されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項3】
各配線経路は、蓋体の上面に形成された溝で構成され、各配線手段は、対応する配線経路の形態に即した形状に形成され、各配線手段が各溝に嵌め込まれている請求項1に記載の電池モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−174507(P2012−174507A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35766(P2011−35766)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】
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