説明

電池保護回路

【課題】再充電可能電池を保護する、2次電池保護回路を提供すること。
【解決手段】電池保護回路は、監視回路、積分器回路、および比較器を含んでいる。前記監視回路は、電池のセルを監視し、セルのセル電圧を示す監視信号を生成するために使用することができる。前記積分器回路は、積分出力を生成するために、前記監視信号と、第1の所定のしきい値との間の差を、ある時間期間にわたって蓄積する。前記比較器は、前記積分出力を第2の所定のしきい値と比較し、制御信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再充電可能電池に関する。より詳しくは、再充電可能電池を保護する2次電池保護回路に関する。
【0002】
本出願は、参照により全体として本明細書により組み込まれている、2007年7月6日に出願した米国特許出願第11/774331号の一部継続出願であり、米国特許出願第11/774331号自体は、2004年6月29日に出願した米国特許出願第10/879655号の継続出願であり、米国特許出願第10/879655号自体は、2004年4月27日に出願した米国出願第10/832620号の一部継続出願であり、米国出願第10/832620号は、現在は米国特許第7589499号であり、2004年3月25日に出願した米国仮出願第60/556254号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
様々な電子機器が、再充電可能電池(rechargeable battery)を利用することができる。そのような電子機器には、ノートパソコン、携帯電話、携帯情報端末、電動工具などを含むことができる。様々な再充電可能電池、例えばリチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、およびニッケル水素蓄電池が、そのような機器で利用され得る。一部の再充電可能電池、例えばリチウムイオン電池は、過電圧状態(over voltage condition)を含む特定の状態のもとで、危険になる場合がある。したがって、様々な電池保護回路が、そのような再充電可能電池の電池パック(battery pack)で利用され得る。
【0004】
一部の例では、1次電池保護回路に加えて、2次電池保護回路(secondary battery protection circuit)が利用してもよい。2次電池保護回路は、持続する過電圧状態に応答して、ヒューズ素子を永続的(permanently)にディスエーブルする(disable)ために、ヒューズ素子に対して出力を供給することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、そのような2次保護回路は、短い過電圧スパイクからは保護をしない。さらに、ヒューズ素子はいったん非導通状態になると、導通状態に戻ることはできない(すなわち、いったん断絶する(tripped)と、ヒューズ素子を交換する必要が生じることになる)ため、ヒューズ素子は、導通状態と非導通状態との間で遷移可能ではない。
【0006】
さらに、従来の2次電池パック保護回路は、比較的短い時間期間(time period)で発生する比較的高い電圧の攻撃を検出しない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電池回路は、監視回路、積分器回路、および比較器を含んでいる。監視回路は、セルを監視し、セルのセル電圧を示す監視信号を生成するために使用することができる。積分器回路は、積分出力を生成するために、監視信号と、第1の所定のしきい値との間の差を、ある時間期間にわたって蓄積する。比較器は、積分出力を第2の所定のしきい値と比較し、制御信号を生成する。
【0008】
以下の詳細な説明が進むにつれて、また同様の部分を同様の番号で示す図面を参照すると、特許請求する主題の実施形態の特徴および利点が明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】過電圧過渡(transient)保護を伴う2次電池保護回路を有する電子機器のブロック図である。
【図2】図1の電池パックの一実施形態のブロック図である。
【図3】図1および図2の電子機器および電池パックで利用され得る過電圧過渡保護を伴う2次電池保護回路の一実施形態のブロック図である。
【図4】図1および図2の電子機器および電池パックで利用され得る過電圧過渡保護を伴う2次電池保護回路の別の実施形態のブロック図である。
【図5】図4の実施形態の関連する制御信号とともに、短い過電圧スパイクおよび持続する過電圧状態を示す、セル電圧の時間上のグラフである。
【図6A】本発明の一実施形態による、複数の電圧しきい値を用いた、電池保護、例えば過電圧過渡保護を示す、電圧の時間上のグラフを示す。
【図6B】本発明の一実施形態による、複数の電圧しきい値を用いた、電池保護、例えば不足電圧(under voltage)過渡保護を示す、電圧の時間上のグラフを示す。
【図7】本発明の一実施形態による、電池保護回路を有する電池パックのブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態による、図7の電池保護回路により生成または受信される信号の波形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明はそれらの実施形態とともに説明されることになるが、それらは本発明をそれらの実施形態に限定するためのものではないことが理解されよう。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲により定義されるような、本発明の精神および範囲内に含まれ得る、代替方法、変更形態および等価物を包含するためのものである。
【0011】
さらに、本発明の以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を実現するために、多数の具体的な細部が説明される。しかしながら、通常の当業者であれば、これらの具体的な細部がなくとも本発明が実施可能であることは理解されよう。他の例では、本発明の側面を不必要に不明瞭にしないために、周知の方法、手順、部品、および回路は、詳細には説明されていない。
【0012】
図1は、システム110に対して電力を供給するための、DC電源104および電池パック102を有する電子機器100のブロック図である。DC電源104(例えば、ACDCアダプタ)が存在しない場合、電力は電池パック102からシステム110に対して供給することができる。DC電源104が存在する場合、それがシステム110に対して電力を供給し、かつ電池のセル120を充電するための電力を供給することができる。ある電池充電モードでは、一例では、スイッチS1を閉じ、スイッチS2を開く場合がある。この例では、その後電流が、閉状態のスイッチS1、および開状態のスイッチS2と並列であるダイオードD2を通って流れることができ、それにより、セル120に対して充電電流が供給される。別の電池充電モードでは、ダイオードD2による損失を低減するために、両スイッチS1およびS2を閉じる場合がある。ある電池供給モードでは、一例では、スイッチS1を開き、スイッチS2を閉じる場合がある。その後、電池セル120からシステム110への電流は、閉状態のスイッチS2、および開状態のスイッチS1と並列であるダイオードD1を通って流れることができる。別の電池供給モードでは、ダイオードD1による損失を低減するために、両スイッチS1およびS2を閉じる場合がある。
【0013】
電池パック102はまた、1次電池保護回路122、フィルタ128、2次安全回路130、ヒューズ素子132、および実施形態と一致する過電圧過渡(OVT)保護を伴う2次電池保護回路126を含むことができる。1次電池保護回路122は、セル120のそれぞれの電圧レベルを含む複数の状態、ならびに、充電電流レベルおよび放電電流レベルを監視し、かつ、充電制御信号(CHG_IN)および放電制御信号(DSG_IN)を供給することができる。セル120のそれぞれの電圧レベルは、フィルタ128を介して2次安全回路130により監視することもできる。フィルタ128は、より短い持続時間の過電圧過渡スパイクをフィルタ除去する(filter out)役目をする。2次安全回路130は、セル120のそれぞれの電圧レベルを監視し、セルの1つの電圧レベルが、ある持続する時間間隔(time interval)の間、過電圧しきい値レベルより高い場合に、ヒューズ素子132を破壊する(blow)、すなわち開くために、ヒューズ素子132に対して信号を供給する。したがって、フィルタ128は、ヒューズ素子132が、より短い持続時間の過電圧過渡スパイクにより破壊されることを防ぐ役目をする。
【0014】
電池パック102はまた、セル120のいずれか1つの電圧レベルが、過渡時間間隔以下の時間間隔の間、過電圧しきい値レベルより高い場合に、セルを保護するために、過電圧過渡保護回路を伴う2次電池保護回路126を含むことができる。本明細書では、「過渡時間間隔」は、永続的な保護機構(permanent protection mechanism)、例えば関連する電池パックの、一例ではヒューズ132が、持続する過電圧状態の場合に働く状態になる(activated)のに要する時間間隔である。過渡時間間隔は、特定のセルの化学的性質、特定の永続的な保護機構、および他の考慮事項に基づいて変化し得る。一実施形態では、過渡時間間隔は、約10マイクロ秒(μs)である場合がある。したがって、2次電池保護回路126は、他の方法では他の任意のより永続的な保護機構を働かせないであろう、より短い過電圧スパイクから、セル120を保護する。例えば、2次電池保護回路126は、大きさがわずか1ミリボルト(mV)、持続時間がわずか1μsの短い過電圧スパイクから、セル120を保護することができる。
【0015】
セル120を過電圧過渡状態から保護することに加えて、2次電池保護回路126は、過渡時間間隔より長い時間間隔の持続する過電圧状態から、セル120を保護することもできる。この機能により、2次電池保護回路126は、部分的に、2次安全回路130の重複する機能を提供することができる。したがって、電池パック102内で、フィルタ128、2次安全回路130、およびヒューズ素子132の1つまたは複数をはずすことができ、部品のコストおよび空間が節約される。あるいは、そのような部品128、130、132は、保持してもよく、2次電池セル保護回路126のこの持続する過電圧の保護の特徴は、信頼性の追加的な階層を提供することができる。
【0016】
図2は、図1の電子機器100で利用され得る電池パック102aの一実施形態のブロック図である。電池セル120aは、セル1、セル2、およびセル3を含むことができる。各電池セルは、1次電池保護回路122、RCフィルタリングネットワーク128a、および2次電池保護回路126と結合することができる。RCフィルタリングネットワーク128aは、抵抗器R5、R7、およびR8、ならびにコンデンサC2、C3、およびC4を含むことができる。一実施形態では、抵抗器R5、R7、およびR8はさらに、1キロオーム(kΩ)に等しくてよく、コンデンサC2、C3、およびC4は、すべてが0.1マイクロファラド(μF)に等しくてよい。
【0017】
RCフィルタリングネットワーク128aは、短い持続時間の過電圧過渡状態をフィルタ除去し、セル120aのそれぞれの電圧レベルを表す入力を、2次安全回路130aに対して供給することができる。セル(セル1、セル2、またはセル3)のいずれか1つの電圧レベルが、過渡時間間隔より長い間、過電圧しきい値レベル、例えば、4.2ボルトを超える場合、2次安全回路130は、トランジスタQ7の制御端子に対して制御信号を供給することができ、それにより、トランジスタQ7が導通してヒューズF1が破壊される。追加的な温度ヒューズF2を、ヒューズF1と直列に結合してもよい。
【0018】
図1の充電スイッチS1および放電スイッチS2の機能性は、図2に示されるように、トランジスタQ1〜Q6を用いて実施することができる。トランジスタQ1〜Q6は、金属酸化膜半導体型電界効果トランジスタ(MOSFET)等の電界効果トランジスタ(FET)、およびバイポーラ接合トランジスタを含む、任意の種類のトランジスタであってよい。電池ガスゲージ(battery gas gauge)回路230もまた、セル120aの容量を監視し、様々な監視された状態に基づくセル120aの残りの容量を表す出力信号を供給するために、電池パック102a内に含むことができる。検出抵抗器234は、1次電池保護回路122に対して電流情報を供給することができる。
【0019】
2次電池保護回路126は、1次電池保護回路122とトランジスタQ1〜Q6との間に配置することができる。2次電池保護回路126は、充電制御信号(CHG_IN)および放電制御信号(DSG_IN)を1次電池保護回路122から受信し、出力充電制御信号(CHG)および出力放電制御信号(DSG)をトランジスタQ1〜Q6に対して供給することができる。2次電池保護回路126はまた、端子270、272、274、および276から、セル120aの電圧レベルを表す信号を受信することができる。一般には、2次電池保護回路126は、セル120aのそれぞれの電圧レベルを監視し、過電圧過渡状態の場合は、セル120aを保護するために、トランジスタQ1〜Q6に対して出力信号を供給することができる。
【0020】
図3は、2次過電圧過渡保護回路126aの一実施形態のブロック図である。回路126aは、過電圧検出器回路302を含むことができる。過電圧検出器回路302は、各セル350、352、354、および356のセル電圧を監視し、それにより、過電圧しきい値レベルを超えるすべてのセル電圧レベルを、短い持続時間を含む任意の持続時間について検出する。次いで、過電圧検出器回路302は、セル350、352、354、および356のいずれかの電圧レベルが、過電圧しきい値レベル、例えば4.2ボルトより高いかどうかを表す出力信号を供給することができる。
【0021】
過電圧検出器回路302が、セルの1つの電圧レベルが過電圧しきい値レベルより高いことを表す出力信号を供給する場合、2次電池保護回路126aは、そのような過電圧過渡状態から、セル350、352、354、および356を保護するための処置を取ることができる。そのような保護には、セルを過電圧状態から絶縁するために、適切なスイッチS1またはS2を開くことを含むことができる。そのような保護にはまた、導通状態の場合に、セルに対する電圧レベルを適切なレベルに制限するために、適切なスイッチS1またはS2の内部抵抗値を増加させることを含むことができる。
【0022】
スイッチS1およびS2は、電界効果トランジスタ(FET)340、342等の任意の種類のトランジスタでよく、2次電池保護回路126aは、これらのFETのゲートに対して制御信号を供給する。この制御信号は、デジタル信号またはアナログ信号であってよい。デジタル信号は、セルを過電圧過渡状態から絶縁するように、適切なスイッチ(スイッチS1またはS2)を開状態に駆動するために利用することができる。アナログ信号もまた、セルに対する電圧レベルを適切なレベルに制限するように、(スイッチが導通状態である場合に)スイッチのON抵抗値を制御するために利用することができる。例えば、スイッチがFETである場合に、FETは、そのFETを可変抵抗器として動作させるために、アナログ信号により、飽和状態に駆動することができる。したがって、FETのON抵抗値は、セルが遭遇する電圧レベルを適切な安全レベルに制限するために、アナログ信号により、所望のレベルに制御することができる。
【0023】
図4を参照すると、2次電池保護回路126bの別の実施形態が示されている。過電圧過渡状態からの一時的な保護をセルに対して提供することに加えて、2次電池保護回路126bはまた、持続する過電圧状態からの永続的な保護をセルに対して提供可能な場合がある。2次電池保護回路126bはまたさらに、過温度状態等の他の悪条件からの永続的な保護をセルに対して提供可能な場合がある。
【0024】
2次電池保護回路126bは、セル過電圧検出器回路402、セル過電圧(COV)ストレッチ回路404、ローパスフィルタ408、ヒューズラッチ406、充電ドライバ412、放電ドライバ410、スイッチディスエーブル回路416、および過熱検出器418を含むことができる。図1の充電スイッチS1および放電スイッチS2は、それぞれFET440および442として実装することができる。
【0025】
過電圧検出器回路402は、各セル450、452、454、および456のセル電圧を監視し、それにより、過電圧しきい値レベルを超えるすべてのセル電圧レベルを、任意の持続時間について、短い持続時間でさえも検出する。一実施形態では、過電圧検出器回路402は、各セルを比較器の一方の入力に結合するために、スイッチネットワークを有してもよい。比較器の他方の入力は、過電圧しきい値レベルに等しい電圧レベルであってよい。次いで、比較器は、セルの個別の電圧レベルを過電圧しきい値レベルと比較し、その比較の結果を表す出力を供給することができる。
【0026】
次いで、過電圧検出器回路402は、セル過電圧(COV)デジタル信号をCOVストレッチ回路404に対して供給することができる。COVデジタル信号が過電圧過渡状態を表す場合に、COVストレッチ回路404は、その状態でのそのCOV信号を最小限の時間間隔の間維持する。COVストレッチ回路404はまた、短い持続時間の事象を捨てるためにCOV信号にローパスフィルタ408を通過させ、COV信号が過渡時間間隔より長い間、高い状態を維持する場合は、FUSE_BLOW信号を出力することができる。FUSE_BLOW信号は、ローパスフィルタ408の出力として内部で生成、または外部で生成することができ、端子435で回路126bに入力することができる。
【0027】
FUSE_BLOW信号は、ヒューズラッチ406によりラッチされ、FUSE_BLOWN制御信号により、充電FET440および/または放電FET442を永続的にディスエーブルするために使用され得る。ヒューズラッチ406は、セルフリセット型で、電力が回路に供給されている限り持続的で、またはツェナーザップダイオードを破壊する等の何らかの方法により永続的であり得る。一例では、FET440および442をディスエーブルすることは、各FETのゲート端子およびソース端子を短絡させることにより実現することができる。例えば、これは、スイッチディスエーブル回路416により、スイッチ437を閉じ、それにより、充電FET440のゲート端子およびソース端子を短絡させて、または、スイッチ439を閉じ、それにより、放電FET442のソース端子およびゲート端子を短絡させて、実現することができる。追加的な保護では、FUSE_BLOWN制御信号により、FETドライバ412および410をディスエーブルすることもできる。FUSE_BLOWN信号は、そのような状態の表示を与えるために、2次電池保護回路126bの端子441で出力することができる。
【0028】
追加的な保護の特徴は、ヒューズラッチ406に対して、FET440および442を永続的にディスエーブルすることを誘発し得る他の悪条件を表す、追加的な入力を供給することにより実施することもできる。そのような悪条件は、例えば、過熱検出器418からの、上昇した温度状態である場合がある。これは、セル120、スイッチS1およびS2、または他の部品の上昇した温度である場合がある。2次電池保護回路126bは、電池パック内で、温度ヒューズF2とともに利用することができる(図2参照)。回路126bは、温度ヒューズF2が断絶する前に、セル120を高温状態から保護することが可能な場合があり、それによって、より高価な温度ヒューズF2の断絶が防がれ、その交換の手間が省ける。
【0029】
過電圧検出器回路402からのCOV信号はまた、FUSE_BLOW信号を誘発するには短すぎる過電圧過渡状態の間、セル450、452、454、および456を一時的に保護するために利用することができる。一例では、COV信号は、COVストレッチ回路404に対して入力することができ、それにより、過電圧過渡状態を表すCOV信号が、最小限の時間間隔の間ストレッチすなわち維持される。これにより、短い過電圧スパイクが近接して発生する場合に、充電FET440または放電FET442のいずれかについての、開動作と閉動作との間での振動状態になることが防がれることになる。
【0030】
図5は、時間に対するセル電圧のグラフ502を、図4のCOV信号、COVストレッチ信号、およびFUSE_BLOW信号とともに、図4の2次電池保護回路126bの動作をさらに説明するために示す。セル電圧が、過電圧しきい値レベル(Vov)より低い限り、過電圧検出器回路402は、デジタルでゼロ(digital zero)のCOV信号を供給することができる。
【0031】
時間t1とt2との間、および時間t3とt4との間に、特定のセルの電圧レベルがVovを超える過電圧過渡状態が示される。したがって、過電圧検出器回路402は、この状態を検出し、時間t1とt2との間、および時間t3とt4との間に、デジタルでイチ(digital one)のCOV信号を供給する。COVストレッチ回路404はまた、充電FET440および/または放電FET442の性急な開動作および閉動作を防止するために、時間t1に開始して時間t5まで続く、デジタルでイチの信号であるCOVストレッチ信号を供給することができる。例えば、時間t1とt5との間の時間間隔の間、セルを過電圧過渡状態から保護するために、COVストレッチ信号は、デジタルでイチを維持することができ、充電FET440および/または放電FET442は、この時間間隔の間、開状態を維持することができる。
【0032】
時間t1とt2との間の、および時間t3とt4との間の過電圧過渡状態は、FUSE_BLOW信号を誘発するのに十分なほど長くはない場合がある。すなわち、時間t1とt2との間の、および時間t3とt4との間の時間間隔は、過渡時間間隔以下である場合がある。しかしながら、時間t6に開始する過電圧状態は、永続的な保護機構を誘発するように、過渡時間間隔(時間t6とt7との間の時間)より長い場合がある。例えば、FUSE_BLOW信号は、時間t7すなわち過渡時間間隔の終了時に、デジタルでイチの信号を供給することができる。次いで、これにより、FET440および442を永続的にディスエーブルするために、外部のヒューズ素子(例えば、図1のヒューズ素子132)が誘発され、および/またはスイッチディスエーブル回路416が誘発され得る。
【0033】
したがって、2次電池保護回路126bは、過電圧過渡状態から、持続する過電圧状態から、および過温度等の他の悪条件から、セルを保護することができる。したがって、(図1を参照して、)2次安全回路130、フィルタ128、およびヒューズ素子132の1つまたは複数をはずすことができ、部品のコストおよび空間が節約される。あるいは、そのような部品130、128、132は、保持してもよく、2次電池保護回路126のこの持続する過電圧の保護の特徴は、セルに対して、信頼性の追加的な階層を提供することができる。
【0034】
要約すると、2次電池保護回路が提供される。この回路は、再充電可能電池の関連するセルの電圧レベルを監視し、セルの電圧レベルの過電圧しきい値レベルとの比較に応答して、スイッチに対して出力信号を供給するように構成された過電圧検出器回路を含むことができる。スイッチは、再充電可能電池とDC電源との間に結合することができ、導通状態と非導通状態との間を遷移可能であり得る。スイッチはまた、セルの電圧レベルが、過渡時間間隔以下の時間間隔の間、過電圧しきい値レベルより高い場合に、出力信号に応答して、再充電可能電池を保護する。
【0035】
再充電可能電池の状態を監視し、充電信号および放電信号を供給するように構成された1次電池保護回路を含む電池パックもまた提供される。この電池パックはまた、1次回路から充電信号および放電信号を受信し、充電駆動出力信号および放電駆動出力信号を供給するように構成された2次電池保護回路を含むことができる。2次電池保護回路は、再充電可能電池の少なくとも1つのセルの電圧レベルを監視するように構成することができる。電池パックはまた、再充電可能電池とDC電源との間に結合され、導通状態と非導通状態との間を遷移可能な充電スイッチを含むことができる。充電スイッチは、セルの電圧レベルが、電池充電モード中に、過渡時間間隔以下の時間間隔の間、過電圧しきい値レベルより高い場合に、2次電池保護回路からの充電駆動出力信号に応答して、再充電可能電池を保護することができる。そのような電池パックを含む電子機器もまた提供される。
【0036】
有利には、2次電池保護回路は、再充電可能電池のセルを、他の方法ではセルが遭遇することになる過電圧過渡状態から保護する。そのような過電圧過渡状態には、過渡時間間隔未満の短い持続時間の間の、過電圧しきい値レベルより上への、セル電圧のいかなる小さな増加も含まれる。2次電池保護回路はまた、過渡時間間隔より長い持続時間の持続する過電圧状態の場合の、再充電可能電池のセルに対する、バックアップの永続的な保護機構を提供することができる。これにより、同様の持続する過電圧の保護を提供する他の回路を、不要とする、または追加的な冗長構成のために保持することを可能にすることができる。
【0037】
図6Aは、本発明の一実施形態による、複数の電圧しきい値を用いた、電池保護、例えば過電圧過渡保護を示す、セル電圧の時間上のグラフを示す。一実施形態では、VOV1、VOV2およびVOV3は過電圧しきい値で、VOV3>VOV2>VOV1としてよい。図6Aの例では、例示する目的で、セル電圧が監視され、電圧しきい値と比較される。しかしながら、本発明はそのように限定されるものではない。電池電圧または平均のセル電圧もまた、対応する電圧しきい値と比較することができる。
【0038】
一実施形態では、対応する時間間隔の間、セル電圧が電圧しきい値を超える、すなわち電圧しきい値より高い場合は、望ましくない状態(undesired condition)、例えば過電圧過渡状態から電池を保護するために、保護動作が誘発されることになる。例えば、セル電圧が、所定の時間期間TOV1にわたってしきい値VOV1を超える場合は、望ましくない状態、例えば過電圧過渡状態を検出することができ、保護動作を誘発することができる。セル電圧が、所定の時間期間TOV2にわたってしきい値VOV2を超える場合は、望ましくない状態、例えば過電圧過渡状態を検出することができ、保護動作を誘発することができる。セル電圧が、所定の時間期間TOV3にわたってしきい値VOV3を超える場合は、望ましくない状態、例えば過電圧過渡状態を検出することができ、保護動作を誘発することができる。一実施形態では、TOV1>TOV2>TOV3である。一実施形態では、過電圧しきい値と対応する所定の時間期間との各積は同じ、例えば、VOV1TOV1=VOV2TOV2=VOV3TOV3である。
【0039】
第1の時間間隔t1の間、セル電圧は第1の過電圧しきい値VOV1を超える。t1が所定の時間期間TOV1以上である場合、過電圧過渡状態が検出され、保護動作を誘発することができる。第2の時間間隔t2の間、セル電圧は第1の過電圧しきい値VOV1を超える。t2が所定の時間期間TOV1未満である場合、過電圧過渡状態はない。第3の時間間隔t3の間、セル電圧は第2の過電圧しきい値VOV2を超える。t3が所定の時間期間TOV2以上である場合、過電圧過渡が検出され、保護動作を誘発することができる。第4の時間間隔t4の間、セル電圧は第3の過電圧しきい値VOV3を超える。t4が所定の時間期間TOV3以上である場合、過電圧過渡状態が検出され、それに応じて、保護動作を誘発することができる。
【0040】
複数のしきい値および複数の所定の時間期間を使用し、セル電圧(または電池電圧または平均のセル電圧)がしきい値を超える時間期間を監視することにより、比較的短い時間間隔の間に発生する高い電圧スパイクを検出することができる。図6Aでは、3つの電圧しきい値が示されているが、他の数の電圧しきい値を使用することもできる。
【0041】
同様に、図6Bは、本発明の一実施形態による、複数の電圧しきい値を用いた、電池保護、例えば不足電圧過渡保護を示す、電圧(例えば、セル電圧、電池電圧または平均のセル電圧)の時間上のグラフを示す。一実施形態では、VUV1、VUV2およびVUV3は不足電圧しきい値で、VUV3<VUV2<VUV1としてよい。
【0042】
一実施形態では、対応する時間間隔の間、セル電圧が電圧しきい値より低い場合は、望ましくない状態、例えば不足電圧過渡状態から電池を保護するために、保護動作が誘発されることになる。例えば、セル電圧が、所定の時間期間TUV1にわたってしきい値VUV1より低い場合は、不足電圧過渡状態が検出され、保護動作を誘発することができる。セル電圧が、所定の時間期間TUV2にわたってしきい値VUV2より低い場合は、不足電圧過渡状態が検出され、保護動作を誘発することができる。セル電圧が、所定の時間期間TUV3にわたってしきい値VUV3より低い場合は、不足電圧過渡状態が検出され、保護動作を誘発することができる。一実施形態では、TUV1>TUV2>TUV3である。
【0043】
図7は、本発明の一実施形態による、電池保護回路を含む電池パックのブロック図を示す。電池パックは、1つまたは複数の電池セル、充電スイッチ740、放電スイッチ742、および電池保護回路126Cを含む。図7の例では、電池セル750、752、754および756は、例示する目的で、直列に結合される。充電スイッチ740および放電スイッチ742は、電界効果トランジスタ(FET)等の様々なタイプのスイッチでよい。
【0044】
電池保護回路126Cは、電池セル、充電スイッチ740、および放電スイッチ742に結合される。電池保護回路126Cは、セル電圧を監視し、セル電圧を所定のしきい値と比較することができる。一実施形態では、電池保護回路126Cは、電池セルの過電圧過渡状態または不足電圧過渡状態を検出し、保護動作を誘発するために使用することができる。電池保護回路126Cは、セル電圧モニタ702、選択回路704、積分器回路706、比較器708、充電ドライバ712、および放電ドライバ710を含むことができる。
【0045】
セル電圧モニタ702は、各電池セル750、752、754および756のセル端子電圧を受け取り、電池セル750、752、754および756のセル電圧を、それぞれ提供することができる。選択回路704は、一実施形態では、セル750、752、754および756のセル電圧をセル電圧モニタ702から受け取り、セル電圧を選択することができる。選択回路704は、一実施形態では、ウィナーテークオール(winner-take-all)回路を含むことができる。一実施形態では、選択回路704は、過電圧過渡状態を検出するために、セル750、752、754および756の最も高いセル電圧を選択することができる。別の実施形態では、選択回路704は、不足電圧過渡状態を検出するために、セル750、752、754および756の最も低いセル電圧を選択することができる。
【0046】
積分器回路706は、選択された電圧VSEL、例えば、セルの最も高いセル電圧またはセルの最も低いセル電圧を受け取る。積分器回路706はまた、第1の所定のしきい値VTH1を受け取る。一実施形態では、過電圧の保護のために、第1の所定のしきい値VTH1は、過電圧しきい値、例えば4.2Vを表す。別の実施形態では、不足電圧の保護のために、第1の所定のしきい値VTH1は、不足電圧しきい値、例えば3.0Vを表す。積分器回路706は、選択された電圧VSELと第1の所定のしきい値VTH1との間の差を、時間の期間に対して積分し、積分出力VINTを生成することができる。一実施形態では、積分器回路706は、スイッチングキャパシタ積分器により実装することができる。
【0047】
比較器708は、積分器回路706の出力VINT、および第2の所定のしきい値VTH2を受け取る。比較器は、積分器回路706の出力VINTを、第2の所定のしきい値VTH2と比較し、制御信号CTRを出力する。一実施形態では、過電圧の保護のために、積分器回路の出力VINTが第2の所定のしきい値VTH2を超える場合に、比較器708は、過電圧過渡状態が発生することを示す制御信号CTRを生成することができる。出力制御信号CTRは、充電ドライバ712を介して充電スイッチ740をオフにするために利用することができ、したがって、電池の充電は、電池セルを過電圧過渡状態から保護するために、終了することができる。別の実施形態では、不足電圧の保護のために、積分器回路の出力VINTが第2の所定のしきい値VTH2を超える場合に、比較器708は、不足電圧過渡状態が発生することを示す制御信号CTRを生成することができる。出力制御信号CTRは、放電ドライバ710を介して放電スイッチ742をオフにするために利用することができ、したがって、電池の放電は、電池セルを不足電圧過渡状態から保護するために、終了することができる。
【0048】
図8は、本発明の一実施形態による、図7の電池保護回路により生成または受信される信号の波形を示す。図8は、図7と組み合わせて説明される。例示する目的で、図8は、過電圧検出に対する一例を示す。第1の時間間隔t1の間、選択回路704からの選択されたセル電圧VSELは、第1の所定のしきい値VTH1を超える。積分器回路706は、選択されたセル電圧VSELと第1の所定のしきい値VTH1との間の差を蓄積する。図8に示されるように、積分器回路706の出力信号VINTが、第2の所定のしきい値VTH2を超える場合、過電圧過渡状態が検出され、比較器708により出力される制御信号CTRにより、電池の充電を終了させるために、充電スイッチ740をオフにすることができる。
【0049】
第2の時間間隔t2の間、第2の時間間隔t2は第1の時間間隔t1より短いが、第2の時間間隔t2の間の、選択回路704からの選択されたセル電圧VSELは、第1の時間間隔t1の間の、選択回路704からの選択されたセル電圧VSELより高い。したがって、積分器回路の出力信号VINTは、第2の所定のしきい値VTH2をやはり超える場合がある。その結果、過電圧過渡状態が検出され、制御信号CTRにより、電池の充電を終了させるために、充電スイッチ740をオフにすることができる。
【0050】
第3の時間間隔t3の間、選択されたセル電圧VSELは、第1の所定のしきい値VTH1を超える。しかしながら、選択されたセル電圧が第1の所定のしきい値VTH1を超える時間期間は、比較的短いので、図8に示されるように、積分器回路706の出力VINTは、第2の所定のしきい値VTH2より低い。したがって、過電圧過渡状態はなく、充電スイッチ740はオンを維持することができる。
【0051】
第4の時間間隔t4の間、選択されたセル電圧VSELが第1の所定のしきい値VTH1を超える時間期間は、比較的短い。しかしながら、t4の間の、選択回路704からの選択されたセル電圧VSELは、比較的高い(例えば、電圧スパイク)ので、図8に示されるように、積分器回路706の出力VINTは、第2の所定のしきい値VTH2をやはり超える場合がある。したがって、過電圧過渡状態をやはり検出することができ、制御信号CTRにより、電池の充電を終了させるために、充電スイッチ740をオフにすることができる。
【0052】
したがって、監視回路、積分器回路、および比較器を含む電池回路は、望ましくない状態、例えば過電圧状態または不足電圧状態を検出することができ、対応する保護動作を誘発することができる。監視回路は、セル電圧を監視するために使用することができる。積分器回路は、セル電圧を示す監視信号を受信すること、および、積分出力を生成するために、監視信号と、所定のしきい値との間の差を、ある時間期間にわたって蓄積することができる。比較器は、積分出力を第2の所定のしきい値と比較し、制御信号を生成する。制御信号は、保護動作、例えば、電池の充電または放電を終了させることを誘発するために使用することができる。その結果、電池保護回路の精度を向上させることができる。さらに、本発明は、過電圧または不足電圧の保護に限定されるものではない。監視回路、積分器回路、および比較器を含む電池回路はまた、電池セル電圧、電池パック電圧、または平均のセル電圧が、1つまたは複数の所定のしきい値より高いか、それとも低いかを検出するために使用することができる。
【0053】
本明細書で使用してきた用語および表現は、説明の用語として使用されるものであり、限定の用語として使用されるものではなく、これらの用語および表現の使用においては、示されかつ説明された特徴のいかなる等価物(またはその部分)も除外する意図はなく、特許請求の範囲内で様々な変更形態が可能であることが理解される。他の変更形態、変化、および代替方法もまた可能である。したがって、特許請求の範囲は、これらすべての等価物を包含することを意図するものである。
【0054】
前述の説明および図面により本発明の実施形態が示されるが、その中で、添付の特許請求の範囲で定義されるような、本発明の原理の精神および範囲から逸脱することなく、様々な追加、変更および置換がなされ得ることが理解されよう。当業者であれば、本発明は、本発明の実施において使用され、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境および動作可能要件に特に適合される、形式、構造、配置、割合、材料、要素、部品およびその他について、多数の変更を伴って使用され得ることが理解されよう。したがって、ここで開示される実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと考えるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法律上の等価物により示され、前述の説明に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
100 電子機器
102、102a 電池パック
104 DC電源
110 システム
120、120a セル、電池セル
122 1次電池保護回路
126 2次電池保護回路、2次電池セル保護回路
126a 2次過電圧過渡保護回路、2次電池保護回路、回路
126b 2次電池保護回路、回路
126C 電池保護回路
128 フィルタ
128a RCフィルタリングネットワーク
130、130a 2次安全回路
132 ヒューズ素子、ヒューズ
230 電池ガスゲージ回路
234 検出抵抗器
270、272、274、276 端子
302 過電圧検出器回路
340、342 FET
350、352、354、356 セル
402 セル過電圧検出器回路、過電圧検出器回路
404 セル過電圧ストレッチ回路、COVストレッチ回路
406 ヒューズラッチ
408 ローパスフィルタ
410 放電ドライバ、FETドライバ
412 充電ドライバ、FETドライバ
416 スイッチディスエーブル回路
418 過熱検出器
435 端子
437、439 スイッチ
440 FET、充電FET
441 端子
442 FET、放電FET
450、452、454、456 セル
502 グラフ
702 セル電圧モニタ
704 選択回路
706 積分器回路
708 比較器
710 放電ドライバ
712 充電ドライバ
740 充電スイッチ
742 放電スイッチ
750、752、754、756 電池セル、セル
C2、C3、C4 コンデンサ
CHG 出力充電制御信号
CHG_IN 充電制御信号
CTR 制御信号、出力制御信号
D1、D2 ダイオード
DSG 出力放電制御信号
DSG_IN 放電制御信号
F1 ヒューズ
F2 温度ヒューズ
Q1〜Q7 トランジスタ
R5、R7、R8 抵抗器
S1 スイッチ、充電スイッチ
S2 スイッチ、放電スイッチ
Vov 過電圧しきい値レベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
セルを監視し、該セルのセル電圧を示す監視信号の生成を行うように動作可能な監視回路と、
前記監視信号および第1の所定のしきい値を受信し、積分出力を生成するために、前記監視信号と、前記第1の所定のしきい値との間の差を、ある時間期間にわたって蓄積することを行うように動作可能な、前記監視回路に結合されている積分器回路と、
前記積分出力を第2の所定のしきい値と比較すること、および制御信号を生成することを行うように動作可能な、前記積分器回路に結合されている比較器と、
を備えることを特徴とする回路。
【請求項2】
前記監視回路は、それぞれ複数のセル電圧を示す複数の監視信号から、前記監視信号を選択することを行うように動作可能な選択回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記監視信号は、前記セル電圧の最も高いセル電圧を示し、
前記第1の所定のしきい値は、過電圧しきい値を示すことを特徴とする請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記監視信号は、前記セル電圧の最も低いセル電圧を示し、
前記第1の所定のしきい値は、不足電圧しきい値を示すことを特徴とする請求項2に記載の回路。
【請求項5】
前記積分出力が前記第2の所定のしきい値を超える場合に、望ましくない状態から電池を保護するために、前記制御信号に応答して、前記セルに直列のスイッチがオフにされることを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項6】
複数のセル電圧を監視するステップと、
積分出力を生成するために、セル電圧を示す監視信号と、第1の所定のしきい値との間の差を、ある時間期間にわたって蓄積するステップと、
前記積分出力と、第2の所定のしきい値との比較に応じて、制御信号を生成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
それぞれ前記セル電圧を示す複数の監視信号から、前記監視信号を選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記監視信号は、前記セル電圧の最も高いセル電圧を示し、
前記第1の所定のしきい値は、過電圧しきい値を示すことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記監視信号は、前記セル電圧の最も低い電圧を示し、
前記第1の所定のしきい値は、不足電圧しきい値を示すことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記積分出力が前記第2の所定のしきい値を超える場合に、望ましくない状態から電池を保護するために、前記制御信号に応答して、前記電池に直列のスイッチをオフにするステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
電池パックであって、
複数のセルと、
前記セルに直列に結合されるスイッチと、
前記セルに結合され、積分出力を生成するために、セル電圧を示す第1の信号と、所定の過電圧しきい値との間の差を、ある時間期間にわたって蓄積すること、および、前記積分出力と第2の所定のしきい値との比較に応じて、制御信号を生成すること、を行うように動作可能な電池保護回路と、
を備え、
前記スイッチは、前記積分出力が前記第2の所定のしきい値を超える場合に、過電圧過渡状態から前記電池パックを保護するために、前記制御信号に応答して、オフにされることを特徴とする電池パック。
【請求項12】
前記電池保護回路は、それぞれ前記セルの複数のセル電圧を示す複数の信号から、前記第1の信号を選択することを行うようにさらに動作可能であることを特徴とする請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記第1の信号は、前記セル電圧の最も高いセル電圧を示すことを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記電池パックの充電は、前記スイッチがオフにされる場合に終了することを特徴とする請求項11に記載の電池パック。
【請求項15】
電池を保護するための方法であって、
前記電池内のセルのセル電圧を監視するステップと、
前記セル電圧を、第1の所定のしきい値および第2の所定のしきい値と比較するステップと、
前記セル電圧が前記第1の所定のしきい値を超える場合に、前記セル電圧が前記第1の所定のしきい値を超える第1の持続時間を、第1の所定の時間期間と比較するステップと、
前記第1の持続時間が前記第1の所定の時間期間を超える場合に、第1の望ましくない状態を検出するステップと、
前記セル電圧が前記第2の所定のしきい値を超える場合に、前記セル電圧が前記第2の所定のしきい値を超える第2の持続時間を、第2の所定の時間期間と比較するステップと、
前記第2の持続時間が前記第2の所定の時間期間を超える場合に、第2の望ましくない状態を検出するステップと、
を含み、
前記第1の所定のしきい値は、前記第2の所定のしきい値より高く、前記第1の所定の時間期間は、前記第2の所定の時間期間より短いことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記第1の所定のしきい値と前記第1の所定の時間期間との積は、前記第2の所定のしきい値と前記第2の所定の時間期間との積に等しいことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の望ましくない状態が検出される場合に、前記電池の充電を終了するステップと、
前記第2の望ましくない状態が検出される場合に、前記電池の充電を終了するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の所定のしきい値は、第1の過電圧しきい値を表し、
前記第2の所定のしきい値は、第2の過電圧しきい値を表すことを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−172475(P2011−172475A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−28491(P2011−28491)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】