電池及びその製造方法
【課題】リードが短くしかもその断面積を大きくすることにより、電池の内部抵抗が小さくなって、大きな電流での充放電ができる電池及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】正負両極31、33を備えた渦巻電極体3が有底筒状の外装缶1内に収納され、この外装缶1が上記負極33と電気的に導通されて負極端子を構成すると共に、上記正極31とリード部45、46を介して電気的に導通されて正極端子を構成する封口板5が、上記外装缶1とは絶縁状態で外装缶1の開口部に固定された電池において、上記封口板5における上記電極体側の面には、上記リード部45、46が固定される接続用突起53、54が渦巻電極体3方向に設けられていることを特徴とする。
【解決手段】正負両極31、33を備えた渦巻電極体3が有底筒状の外装缶1内に収納され、この外装缶1が上記負極33と電気的に導通されて負極端子を構成すると共に、上記正極31とリード部45、46を介して電気的に導通されて正極端子を構成する封口板5が、上記外装缶1とは絶縁状態で外装缶1の開口部に固定された電池において、上記封口板5における上記電極体側の面には、上記リード部45、46が固定される接続用突起53、54が渦巻電極体3方向に設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装缶内に発電要素となる電極体が収納されて、該電極体が発生する電力を正極端子部および負極端子部から外部へ取り出すことが可能な電池及びその製造方法に関し、特に集電構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の電子機器のみならず、電動工具、アシスト自転車、電気自動車等のモータを駆動させるための大電流が取り出せる電池(高出力電池)が要求されるようになってきている。このような高出力電池の集電構造としては、円筒型に巻き取った電極体の上下の端部に円形の集電板を溶接させる、所謂タブレス構造が一般的に用いられている。
例えば、下記特許文献1では、活物質、粘着剤等が金属芯体に形成された正負極板をセパレータを介して巻回して積層したタブレス電極体と集電板とが溶接され、その集電板に配設されたリードの一端と封口板とが溶接される構造のものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−36319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記高出力電池では、電池としての低抵抗化を図り、大電流が取り出せるような構造とすることが不可欠である。このようなことを考慮すれば、電極面積を増やし巻取り電極体の抵抗を下げることが必要となる他、電極体の集電部分で発生する直流抵抗成分を低減することが極めて重要となる。しかしながら、上記の従来の電池では、リードと封口板との溶接時に封口板を傾ける(即ち、外装缶の開口面と封口板とが略垂直状態を保ったまま)溶接する必要が生じるため、巻取り電極体と電気的に導通されたリードが長くなり、しかもリードの厚みが大きくなると溶接が困難となるためリードの断面積を大きくできない。これらのことから、大電流を取り出す際の電池の内部抵抗が大きくなって、充放電時の電流値が低下するという問題があった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、リードが短くしかもその断面積を大きくすることにより、電池の内部抵抗が小さくなって、大電流が取り出せる電池及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、正負両極を備えた電極体が有底筒状の外装缶内に収納され、この外装缶が上記正負両極のうち一方の極と電気的に導通されて一方の極の端子を構成すると共に、上記正負両極のうち他方の極とリードを介して電気的に導通されて他方の極の端子を構成する封口板が、上記外装缶とは絶縁状態で外装缶の開口部に固定された電池において、上記封口板における上記電極体側の面には、上記リードが溶接される接続用突起が電極体方向に設けられていることを特徴とする。
上記構成の如く、封口板における電極体側の面に、電極体方向に向けて接続用突起が設けられていれば、リードと封口板との溶接時に封口板を傾けることなく(即ち、外装缶の開口面と封口板とが略平行状態を保ったまま)溶接を行なうことができるので、リードが短くてすむ。したがって、電池の内部抵抗が大幅に小さくなって、大きな電流での充放電ができるようになる。
【0006】
請求項2記載の発明は請求項1記載の発明において、上記正負両極のうち他方の極と直接接続された集電板が上記電極体と上記封口板との間に設けられ、且つ、上記集電板に上記リードの一端が固定されていることを特徴とする。
上記構成の如く、正負両極のうち他方の極と直接接続された集電板を介して、電極体と封口板とを導通させれば、電池の内部抵抗が更に小さくなって、上記作用効果が一層発揮される。
【0007】
請求項3記載の発明は請求項1又は2記載の発明において、上記リードが複数設けられていることを特徴とする。
上記構成の如くリードが複数設けられていれば、リードの断面積の合計が大きくなるので、電池の内部抵抗が更に小さくなって、上記作用効果が一層発揮される。
【0008】
請求項4記載の発明は請求項1〜3記載の発明において、上記封口板に安全弁が形成されていることを特徴とする。
上記構成の如く、封口板に安全弁が形成されていれば、電池内圧力が所定値を超えた場合には、安全弁によって電池内のガスを電池外に放出することができるので、電池の安全性が向上する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項5記載の発明は、正負両極を備えた電極体を有底筒状の外装缶内に収納する第1ステップと、上記外装缶と上記正負両極のうち一方の極とを電気的に導通させると共に、上記正負両極のうち他方の極と電気的に導通されたリードと、封口板における上記電極体側の面に形成された接続用突起とを溶接する第2ステップと、上記封口板を、上記外装缶とは絶縁状態で外装缶の開口部に固定する第3ステップと、を有することを特徴とする。
このような方法であれば、請求項1記載の電池を容易に作製することができる。
【0010】
請求項6記載の発明は請求項5記載の発明において、上記第2ステップにおけるリードと接続用突起との固定時に、上記リードの端部が上記外装缶の端部から露出する長さが3mm以下であることを特徴とする。
上記請求項1で記載の如く、外装缶の開口面と封口板とが略平行状態を保ったままリードと接続用突起との溶接を行なうことができるので、リードの端部が上記外装缶の端部から露出する長さが3mm以下であっても容易に溶接を行なうことができる。したがって、リードが短くてすむので、大電流を取り出す際の電池の内部抵抗が小さくなる。
【0011】
請求項7記載の発明は請求項5又は6記載の発明において、上記第2ステップにおけるリードと接続用突起との溶接方法として、レーザ溶接法又は超音波溶接法を用いることを特徴とする。
このように、レーザ溶接法又は超音波溶接法を用いれば、リードと接続用突起との溶接が強固なものとなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大電流を取り出す際の電池の内部抵抗を低減することにより、充放電時の電流値が低下するのを抑制できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の内容を、図1〜図7に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の最良の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0014】
図1は、本発明の一実施例におけるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。このリチウムイオン二次電池は直径18mm、高さ65mmの円筒型電池であり、図1に示すように、有底円筒状をなす外装缶1内には、底部側から順に、負極集電板2と、渦巻電極体3と、正極集電板4と、封口板5とが配置されている。
【0015】
上記渦巻電極体3は、図2に示すように、それぞれ帯状の正極31と負極33の間に帯状のセパレータ32を介在させて、これらを渦巻き状に巻回して構成されている。上記正極31は、アルミニウム箔からなる帯状芯体35の両面にリチウム複合酸化物からなる正極合剤34を塗布して構成され、上記負極33は、銅箔からなる帯状芯体37の両面に炭素材料を含む負極合剤36を塗布して構成されている。また、上記セパレータ32には、非水電解液が含浸されている。
【0016】
ここで、上記正極31には、正極合剤34の塗布されている塗工部と、正極合剤の塗布されていない非塗工部とが形成されている。又、負極33にも、負極合剤36の塗布されている塗工部と、負極合剤の塗布されていない非塗工部とが形成されている。正極31及び負極33は、それぞれセパレータ32上に幅方向へずらして重ね合わせ、正極31及び負極33の前記非塗工部をセパレータ32の両端縁からそれぞれ外側へ突出させた状態で、これらを渦巻き状に巻き取ることによって渦巻電極体3が構成される。該渦巻電極体3においては、巻き軸方向の両端部の内、一方の端部では、正極31の非塗工部の芯体端縁38が、セパレータ32の一方の端縁よりも外方へ突出し、他方の端部では、負極33の非塗工部の芯体端縁39が、セパレータ32の他方の端縁よりも外方へ突出している構造となっている。
【0017】
上記正極集電板4は、図3に示すように、円形の平板状本体41を具え、該平板状本体41には、放射状に伸びる複数本の円弧状凸部42が一体成型され、渦巻電極体3側に突出している。又、平板状本体41には、中央孔44が開設されると共に、該中央孔44の周囲に、複数の注液孔43が開設されている。更に平板状本体41の端部には、短冊状のリード部45、46が平板状本体41と一体に形成されている。 尚、正極集電板4の円弧状凸部42は、平板状本体81の半径線に直交する断面形状が半円の円弧を呈している。一方、負極集電板2は、ニッケル製で短冊状のリード部47が設けられていない。また、中央孔がない構造である。
【0018】
ここで、上記両集電板2、4の円弧状凸部42は、渦巻電極体3の各端部に形成されている芯体端縁38、39に食い込み、円弧状凸部42と芯体端縁38、39の間には、円筒面からなる接合面が形成され、この接合面はレーザ溶接により固定されている。
【0019】
上記封口板5は円盤状をなし、図4に示すように、アルミニウムからなる本体部51とニッケルからなる蓋部52とから構成されている。上記本体部51の中央部には、他の部位より薄肉となっているドーム状の安全弁51aが形成されている。これにより、電池内圧力が所定値を超えた場合には、安全弁51aが破砕して、電池内のガスを電池外に放出する構成である。また、封口板5の下面(電池内部側の面)51bには板状の接続用突起53、54が設けられており、この接続用突起53、54と上記正極集電板4のリード部45、46とはレーザ溶接法により固定されている。
【0020】
一方、上記蓋部52の中央部には、上記本体部51の安全弁51aを配置するための透孔52aが形成されている。そして、蓋部52と本体部51とからなる封口板5は、図5に示すように、絶縁ガスケット61を介して上記外装缶1の開口部にかしめ固定されている。
【0021】
ここで、上記構造のリチウムイオン二次電池を、以下のようにして作製した。
先ず、アルミニウム箔からなる帯状芯体35の両面にリチウム複合酸化物、導電剤、及び結着剤からなる正極合剤34を塗布して正極31を作製すると共に、銅箔からなる帯状芯体37の両面に炭素材料及び結着剤を含む負極合剤36を塗布して負極33を作製した後、これら両極31、33をセパレータ32を介して渦巻き状に巻き取って、渦巻電極体3を作製した。尚、正極31及び負極33の幅方向の端部には、一定幅の非塗工部を設けた。この工程と並行して、厚さ1mmの平板状本体41に複数本の円弧状凸部42を放射状に形成すると共に、複数の注液孔43が50%の開口率で開設され、さらに端部から短冊状のリード部45、46が延設されたアルミニウム製の正極集電板4を作製した。また、ニッケル製である負極集電板2も作製した。
【0022】
次に、図6に示すように、正極集電板4を渦巻電極体3の正極側の芯体端縁38に被せて、上部から治具により押さえつけた後、この状態で正極集電板4の円弧状凸部42の内周面に向けてレーザビーム(電子ビームでもよい)を照射し、正極集電板4の円弧状凸部42の外周面を芯体端縁38に溶接した。また、上記正極側と同様にして、負極集電板2を負極側の芯体端縁39に溶接した。
その後、両集電板2、4を取り付けた渦巻電極体3を、外装缶1内に収容した後、集電板4の中央孔44及び渦巻電極体3の中心の空間部11に、図示しない溶接電極を挿入して負極側の集電板2の中央部47を外装缶1の内側の底面にスポット溶接した。
【0023】
しかる後、図7に示すように、封口板5の本体部51の下面(電池内部側の面)に設けられた板状の接続用突起53、54の外側面に、正極集電板4の平板状本体41から延設された短冊状のリード部45、46をそれぞれ配置した後、レーザビームを照射して、接続用突起53、54とリード部45、46とを溶接した。
【0024】
最後に、支持塩としてのLiPF6を1モル/リットルの割合で含むエステル系有機電解液を外装缶1内に注入した後、外装缶1の開口部に、周縁に絶縁ガスケット61を嵌めた封口板5を配置し、更に、外装缶1の上方端を内側にかしめて電池を封口することにより、図5に示す状態のリチウムイオン二次電池を作製した。
【実施例】
【0025】
(実施例)
実施例としては、前記発明を実施するための最良の形態で示したリチウムイオン二次電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池Aと称する。
【0026】
(比較例)
図8及び図9に示すように、封口板6の本体部51の下面に板状の接続用突起を形成せず、且つ、正極集電板4には短冊状のリード部46を1つだけ設けると共に、このリード部46の先端部を本体部51の下面に直接溶接すること以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。尚、図8及び図9において、上記本発明電池Aと同一の機能を有する部材については同一の符号を付している。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Xと称する。
【0027】
(実験)
上記本発明電池Aと比較電池Xとにおいて、リード部の長さ、及び、正極集電板と封口板の溶接部との間の抵抗値(AC,1kHz)を測定したので、その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から明らかなように、リード部45、46の長さについては、比較電池Xでは25mm(図9のL2)であるのに対して、本発明電池Aでは15mm(図3のL1)であり、40%程度低減されたことが認められる。これは、本発明電池Aでは、封口板5の下面に板状の接続用突起52、53が設けられているので、リード部45、46と封口板5との溶接時に封口板5を傾けることなく(即ち、正極集電板4[外装缶1の開口面]と封口板5とが略平行状態を保ったまま、換言すれば、封口板5と渦巻電極体3の軸とが略垂直となるような状態で)溶接を行なうことができるので、正極集電板4の端面から延出するリード部の長さが小さくてすむ(本発明電池Aでは3mm以下である)。これに対して、比較電池Xでは、封口板5の下面に板状の接続用突起が設けられていないので、リード部46と封口板5との溶接時に封口板5を傾けながら(即ち、正極集電板4[外装缶1の開口面]と封口板5とが所定の角度[約90°]を保ったまま、換言すれば、封口板5と渦巻電極体3の軸とが略平行となるような状態で)溶接を行なわなければならないので、正極集電板4の端面から延出するリード部の長さ大きくしなければならない(比較電池Xでは13mmである)という理由によるものである。
【0030】
また、正極集電板4と封口板5の溶接部との間の抵抗値ついては、比較電池Xでは0.25mΩであるのに対して、本発明電池Aでは0.08mΩであり、70%程度低減されたことが認められる。これは、上記の如く、本発明電池Aは比較電池Xに比べて、リード部45、46の長さ小さくなることに加え、本発明電池Aはリード部45、46が2つ設けられているのに対して、比較電池Xではリード部46が1つしか設けられていないので、比較電池Xに比べて本発明電池Aでは、リード部45、46の断面積の合計が2倍になるという理由によるものと考えられる。
【0031】
尚、比較電池Xについてもリード部を2つ形成することも考えられるが、上述の如く、比較電池Xではリード部と封口板との溶接時に封口板を傾けつつ行う必要があるため、2つめのリード部の溶接が極めて困難となるので、実用的ではない。
【0032】
〔その他の事項〕
(1)上記実施例では、正極集電板のリード部を2つしか設けていないが、3つ、或いは4つ以上設けてもよい。このような構成とすれば、正極集電板と封口板溶接部との間の抵抗値が更に小さくなる。また、この場合には、図10に示すように、封口板5の本体部51に板状の接続用突起53〜56を、リード部の数に応じて設けるのが好ましい。更に、接続用突起としては、図11に示すように、円弧状の接続用突起57であってもよい。
【0033】
(2)接続用突起とリードとの溶接は上記レーザ溶接法に限定するものではなく、超音波溶接法等であってもよい。
(3)本発明を適用できる電池としては、上記リチウムイオン二次電池に限定するものではなく、ニッケル−カドミウム蓄電池やニッケル−水素蓄電池といった他の種類の二次電池、或いは、乾電池、リチウム電池などの一次電池に対しても幅広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源のみならず、電気自動車やハイブリッド自動車の車載用電源等の大型電池に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例におけるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。
【図2】渦巻電極体の分解斜視図である。
【図3】正極集電板の斜視図である。
【図4】図1に示す封口体のA−A線矢視断面図である。
【図5】本発明の一実施例におけるリチウムイオン二次電池の要部断面図である。
【図6】正極集電板の円弧状凸部を正極側の芯体端縁に溶接する場合の説明図である。
【図7】封口板の本体部の接続用突起と正極集電板のリード部とを溶接する場合の説明図である。
【図8】比較電池において封口板の本体部と正極集電板のリード部とを溶接する場合の説明図である。
【図9】比較電池における正極集電板の斜視図である。
【図10】封口板の本体部における接続用突起の変形例を示す斜視図である。
【図11】封口板の本体部における接続用突起の別の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1:外装缶
2:渦巻状電極体
4:正極集電板
45:リード部
46:リード部
5:封口板
51:本体部
53:接続用突起
54:接続用突起
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装缶内に発電要素となる電極体が収納されて、該電極体が発生する電力を正極端子部および負極端子部から外部へ取り出すことが可能な電池及びその製造方法に関し、特に集電構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の電子機器のみならず、電動工具、アシスト自転車、電気自動車等のモータを駆動させるための大電流が取り出せる電池(高出力電池)が要求されるようになってきている。このような高出力電池の集電構造としては、円筒型に巻き取った電極体の上下の端部に円形の集電板を溶接させる、所謂タブレス構造が一般的に用いられている。
例えば、下記特許文献1では、活物質、粘着剤等が金属芯体に形成された正負極板をセパレータを介して巻回して積層したタブレス電極体と集電板とが溶接され、その集電板に配設されたリードの一端と封口板とが溶接される構造のものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−36319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記高出力電池では、電池としての低抵抗化を図り、大電流が取り出せるような構造とすることが不可欠である。このようなことを考慮すれば、電極面積を増やし巻取り電極体の抵抗を下げることが必要となる他、電極体の集電部分で発生する直流抵抗成分を低減することが極めて重要となる。しかしながら、上記の従来の電池では、リードと封口板との溶接時に封口板を傾ける(即ち、外装缶の開口面と封口板とが略垂直状態を保ったまま)溶接する必要が生じるため、巻取り電極体と電気的に導通されたリードが長くなり、しかもリードの厚みが大きくなると溶接が困難となるためリードの断面積を大きくできない。これらのことから、大電流を取り出す際の電池の内部抵抗が大きくなって、充放電時の電流値が低下するという問題があった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、リードが短くしかもその断面積を大きくすることにより、電池の内部抵抗が小さくなって、大電流が取り出せる電池及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、正負両極を備えた電極体が有底筒状の外装缶内に収納され、この外装缶が上記正負両極のうち一方の極と電気的に導通されて一方の極の端子を構成すると共に、上記正負両極のうち他方の極とリードを介して電気的に導通されて他方の極の端子を構成する封口板が、上記外装缶とは絶縁状態で外装缶の開口部に固定された電池において、上記封口板における上記電極体側の面には、上記リードが溶接される接続用突起が電極体方向に設けられていることを特徴とする。
上記構成の如く、封口板における電極体側の面に、電極体方向に向けて接続用突起が設けられていれば、リードと封口板との溶接時に封口板を傾けることなく(即ち、外装缶の開口面と封口板とが略平行状態を保ったまま)溶接を行なうことができるので、リードが短くてすむ。したがって、電池の内部抵抗が大幅に小さくなって、大きな電流での充放電ができるようになる。
【0006】
請求項2記載の発明は請求項1記載の発明において、上記正負両極のうち他方の極と直接接続された集電板が上記電極体と上記封口板との間に設けられ、且つ、上記集電板に上記リードの一端が固定されていることを特徴とする。
上記構成の如く、正負両極のうち他方の極と直接接続された集電板を介して、電極体と封口板とを導通させれば、電池の内部抵抗が更に小さくなって、上記作用効果が一層発揮される。
【0007】
請求項3記載の発明は請求項1又は2記載の発明において、上記リードが複数設けられていることを特徴とする。
上記構成の如くリードが複数設けられていれば、リードの断面積の合計が大きくなるので、電池の内部抵抗が更に小さくなって、上記作用効果が一層発揮される。
【0008】
請求項4記載の発明は請求項1〜3記載の発明において、上記封口板に安全弁が形成されていることを特徴とする。
上記構成の如く、封口板に安全弁が形成されていれば、電池内圧力が所定値を超えた場合には、安全弁によって電池内のガスを電池外に放出することができるので、電池の安全性が向上する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項5記載の発明は、正負両極を備えた電極体を有底筒状の外装缶内に収納する第1ステップと、上記外装缶と上記正負両極のうち一方の極とを電気的に導通させると共に、上記正負両極のうち他方の極と電気的に導通されたリードと、封口板における上記電極体側の面に形成された接続用突起とを溶接する第2ステップと、上記封口板を、上記外装缶とは絶縁状態で外装缶の開口部に固定する第3ステップと、を有することを特徴とする。
このような方法であれば、請求項1記載の電池を容易に作製することができる。
【0010】
請求項6記載の発明は請求項5記載の発明において、上記第2ステップにおけるリードと接続用突起との固定時に、上記リードの端部が上記外装缶の端部から露出する長さが3mm以下であることを特徴とする。
上記請求項1で記載の如く、外装缶の開口面と封口板とが略平行状態を保ったままリードと接続用突起との溶接を行なうことができるので、リードの端部が上記外装缶の端部から露出する長さが3mm以下であっても容易に溶接を行なうことができる。したがって、リードが短くてすむので、大電流を取り出す際の電池の内部抵抗が小さくなる。
【0011】
請求項7記載の発明は請求項5又は6記載の発明において、上記第2ステップにおけるリードと接続用突起との溶接方法として、レーザ溶接法又は超音波溶接法を用いることを特徴とする。
このように、レーザ溶接法又は超音波溶接法を用いれば、リードと接続用突起との溶接が強固なものとなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大電流を取り出す際の電池の内部抵抗を低減することにより、充放電時の電流値が低下するのを抑制できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の内容を、図1〜図7に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の最良の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0014】
図1は、本発明の一実施例におけるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。このリチウムイオン二次電池は直径18mm、高さ65mmの円筒型電池であり、図1に示すように、有底円筒状をなす外装缶1内には、底部側から順に、負極集電板2と、渦巻電極体3と、正極集電板4と、封口板5とが配置されている。
【0015】
上記渦巻電極体3は、図2に示すように、それぞれ帯状の正極31と負極33の間に帯状のセパレータ32を介在させて、これらを渦巻き状に巻回して構成されている。上記正極31は、アルミニウム箔からなる帯状芯体35の両面にリチウム複合酸化物からなる正極合剤34を塗布して構成され、上記負極33は、銅箔からなる帯状芯体37の両面に炭素材料を含む負極合剤36を塗布して構成されている。また、上記セパレータ32には、非水電解液が含浸されている。
【0016】
ここで、上記正極31には、正極合剤34の塗布されている塗工部と、正極合剤の塗布されていない非塗工部とが形成されている。又、負極33にも、負極合剤36の塗布されている塗工部と、負極合剤の塗布されていない非塗工部とが形成されている。正極31及び負極33は、それぞれセパレータ32上に幅方向へずらして重ね合わせ、正極31及び負極33の前記非塗工部をセパレータ32の両端縁からそれぞれ外側へ突出させた状態で、これらを渦巻き状に巻き取ることによって渦巻電極体3が構成される。該渦巻電極体3においては、巻き軸方向の両端部の内、一方の端部では、正極31の非塗工部の芯体端縁38が、セパレータ32の一方の端縁よりも外方へ突出し、他方の端部では、負極33の非塗工部の芯体端縁39が、セパレータ32の他方の端縁よりも外方へ突出している構造となっている。
【0017】
上記正極集電板4は、図3に示すように、円形の平板状本体41を具え、該平板状本体41には、放射状に伸びる複数本の円弧状凸部42が一体成型され、渦巻電極体3側に突出している。又、平板状本体41には、中央孔44が開設されると共に、該中央孔44の周囲に、複数の注液孔43が開設されている。更に平板状本体41の端部には、短冊状のリード部45、46が平板状本体41と一体に形成されている。 尚、正極集電板4の円弧状凸部42は、平板状本体81の半径線に直交する断面形状が半円の円弧を呈している。一方、負極集電板2は、ニッケル製で短冊状のリード部47が設けられていない。また、中央孔がない構造である。
【0018】
ここで、上記両集電板2、4の円弧状凸部42は、渦巻電極体3の各端部に形成されている芯体端縁38、39に食い込み、円弧状凸部42と芯体端縁38、39の間には、円筒面からなる接合面が形成され、この接合面はレーザ溶接により固定されている。
【0019】
上記封口板5は円盤状をなし、図4に示すように、アルミニウムからなる本体部51とニッケルからなる蓋部52とから構成されている。上記本体部51の中央部には、他の部位より薄肉となっているドーム状の安全弁51aが形成されている。これにより、電池内圧力が所定値を超えた場合には、安全弁51aが破砕して、電池内のガスを電池外に放出する構成である。また、封口板5の下面(電池内部側の面)51bには板状の接続用突起53、54が設けられており、この接続用突起53、54と上記正極集電板4のリード部45、46とはレーザ溶接法により固定されている。
【0020】
一方、上記蓋部52の中央部には、上記本体部51の安全弁51aを配置するための透孔52aが形成されている。そして、蓋部52と本体部51とからなる封口板5は、図5に示すように、絶縁ガスケット61を介して上記外装缶1の開口部にかしめ固定されている。
【0021】
ここで、上記構造のリチウムイオン二次電池を、以下のようにして作製した。
先ず、アルミニウム箔からなる帯状芯体35の両面にリチウム複合酸化物、導電剤、及び結着剤からなる正極合剤34を塗布して正極31を作製すると共に、銅箔からなる帯状芯体37の両面に炭素材料及び結着剤を含む負極合剤36を塗布して負極33を作製した後、これら両極31、33をセパレータ32を介して渦巻き状に巻き取って、渦巻電極体3を作製した。尚、正極31及び負極33の幅方向の端部には、一定幅の非塗工部を設けた。この工程と並行して、厚さ1mmの平板状本体41に複数本の円弧状凸部42を放射状に形成すると共に、複数の注液孔43が50%の開口率で開設され、さらに端部から短冊状のリード部45、46が延設されたアルミニウム製の正極集電板4を作製した。また、ニッケル製である負極集電板2も作製した。
【0022】
次に、図6に示すように、正極集電板4を渦巻電極体3の正極側の芯体端縁38に被せて、上部から治具により押さえつけた後、この状態で正極集電板4の円弧状凸部42の内周面に向けてレーザビーム(電子ビームでもよい)を照射し、正極集電板4の円弧状凸部42の外周面を芯体端縁38に溶接した。また、上記正極側と同様にして、負極集電板2を負極側の芯体端縁39に溶接した。
その後、両集電板2、4を取り付けた渦巻電極体3を、外装缶1内に収容した後、集電板4の中央孔44及び渦巻電極体3の中心の空間部11に、図示しない溶接電極を挿入して負極側の集電板2の中央部47を外装缶1の内側の底面にスポット溶接した。
【0023】
しかる後、図7に示すように、封口板5の本体部51の下面(電池内部側の面)に設けられた板状の接続用突起53、54の外側面に、正極集電板4の平板状本体41から延設された短冊状のリード部45、46をそれぞれ配置した後、レーザビームを照射して、接続用突起53、54とリード部45、46とを溶接した。
【0024】
最後に、支持塩としてのLiPF6を1モル/リットルの割合で含むエステル系有機電解液を外装缶1内に注入した後、外装缶1の開口部に、周縁に絶縁ガスケット61を嵌めた封口板5を配置し、更に、外装缶1の上方端を内側にかしめて電池を封口することにより、図5に示す状態のリチウムイオン二次電池を作製した。
【実施例】
【0025】
(実施例)
実施例としては、前記発明を実施するための最良の形態で示したリチウムイオン二次電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池Aと称する。
【0026】
(比較例)
図8及び図9に示すように、封口板6の本体部51の下面に板状の接続用突起を形成せず、且つ、正極集電板4には短冊状のリード部46を1つだけ設けると共に、このリード部46の先端部を本体部51の下面に直接溶接すること以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。尚、図8及び図9において、上記本発明電池Aと同一の機能を有する部材については同一の符号を付している。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Xと称する。
【0027】
(実験)
上記本発明電池Aと比較電池Xとにおいて、リード部の長さ、及び、正極集電板と封口板の溶接部との間の抵抗値(AC,1kHz)を測定したので、その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から明らかなように、リード部45、46の長さについては、比較電池Xでは25mm(図9のL2)であるのに対して、本発明電池Aでは15mm(図3のL1)であり、40%程度低減されたことが認められる。これは、本発明電池Aでは、封口板5の下面に板状の接続用突起52、53が設けられているので、リード部45、46と封口板5との溶接時に封口板5を傾けることなく(即ち、正極集電板4[外装缶1の開口面]と封口板5とが略平行状態を保ったまま、換言すれば、封口板5と渦巻電極体3の軸とが略垂直となるような状態で)溶接を行なうことができるので、正極集電板4の端面から延出するリード部の長さが小さくてすむ(本発明電池Aでは3mm以下である)。これに対して、比較電池Xでは、封口板5の下面に板状の接続用突起が設けられていないので、リード部46と封口板5との溶接時に封口板5を傾けながら(即ち、正極集電板4[外装缶1の開口面]と封口板5とが所定の角度[約90°]を保ったまま、換言すれば、封口板5と渦巻電極体3の軸とが略平行となるような状態で)溶接を行なわなければならないので、正極集電板4の端面から延出するリード部の長さ大きくしなければならない(比較電池Xでは13mmである)という理由によるものである。
【0030】
また、正極集電板4と封口板5の溶接部との間の抵抗値ついては、比較電池Xでは0.25mΩであるのに対して、本発明電池Aでは0.08mΩであり、70%程度低減されたことが認められる。これは、上記の如く、本発明電池Aは比較電池Xに比べて、リード部45、46の長さ小さくなることに加え、本発明電池Aはリード部45、46が2つ設けられているのに対して、比較電池Xではリード部46が1つしか設けられていないので、比較電池Xに比べて本発明電池Aでは、リード部45、46の断面積の合計が2倍になるという理由によるものと考えられる。
【0031】
尚、比較電池Xについてもリード部を2つ形成することも考えられるが、上述の如く、比較電池Xではリード部と封口板との溶接時に封口板を傾けつつ行う必要があるため、2つめのリード部の溶接が極めて困難となるので、実用的ではない。
【0032】
〔その他の事項〕
(1)上記実施例では、正極集電板のリード部を2つしか設けていないが、3つ、或いは4つ以上設けてもよい。このような構成とすれば、正極集電板と封口板溶接部との間の抵抗値が更に小さくなる。また、この場合には、図10に示すように、封口板5の本体部51に板状の接続用突起53〜56を、リード部の数に応じて設けるのが好ましい。更に、接続用突起としては、図11に示すように、円弧状の接続用突起57であってもよい。
【0033】
(2)接続用突起とリードとの溶接は上記レーザ溶接法に限定するものではなく、超音波溶接法等であってもよい。
(3)本発明を適用できる電池としては、上記リチウムイオン二次電池に限定するものではなく、ニッケル−カドミウム蓄電池やニッケル−水素蓄電池といった他の種類の二次電池、或いは、乾電池、リチウム電池などの一次電池に対しても幅広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源のみならず、電気自動車やハイブリッド自動車の車載用電源等の大型電池に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例におけるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。
【図2】渦巻電極体の分解斜視図である。
【図3】正極集電板の斜視図である。
【図4】図1に示す封口体のA−A線矢視断面図である。
【図5】本発明の一実施例におけるリチウムイオン二次電池の要部断面図である。
【図6】正極集電板の円弧状凸部を正極側の芯体端縁に溶接する場合の説明図である。
【図7】封口板の本体部の接続用突起と正極集電板のリード部とを溶接する場合の説明図である。
【図8】比較電池において封口板の本体部と正極集電板のリード部とを溶接する場合の説明図である。
【図9】比較電池における正極集電板の斜視図である。
【図10】封口板の本体部における接続用突起の変形例を示す斜視図である。
【図11】封口板の本体部における接続用突起の別の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1:外装缶
2:渦巻状電極体
4:正極集電板
45:リード部
46:リード部
5:封口板
51:本体部
53:接続用突起
54:接続用突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正負両極を備えた電極体が有底筒状の外装缶内に収納され、この外装缶が上記正負両極のうち一方の極と電気的に導通されて一方の極の端子を構成すると共に、上記正負両極のうち他方の極とリードを介して電気的に導通されて他方の極の端子を構成する封口板が、上記外装缶とは絶縁状態で外装缶の開口部に固定された電池において、
上記封口板における上記電極体側の面には、上記リードが溶接される接続用突起が電極体方向に設けられていることを特徴とする電池。
【請求項2】
上記正負両極のうち他方の極と直接接続された集電板が上記電極体と上記封口板との間に設けられ、且つ、上記集電板に上記リードの一端が固定されている、請求項1記載の電池。
【請求項3】
上記リードが複数設けられている、請求項1又は2記載の電池。
【請求項4】
上記封口板に安全弁が形成されている、請求項1〜3記載の電池。
【請求項5】
正負両極を備えた電極体を有底筒状の外装缶内に収納する第1ステップと、
上記外装缶と上記正負両極のうち一方の極とを電気的に導通させると共に、上記正負両極のうち他方の極と電気的に導通されたリードと、封口板における上記電極体側の面に形成された接続用突起とを溶接する第2ステップと、
上記封口板を、上記外装缶とは絶縁状態で外装缶の開口部に固定する第3ステップと、
を有することを特徴とする電池の製造方法。
【請求項6】
上記第2ステップにおけるリードと接続用突起との溶接時に、上記リードの端部が上記外装缶の端部から露出する長さが3mm以下である、請求項5記載の電池の製造方法。
【請求項7】
上記第2ステップにおけるリードと接続用突起との溶接方法として、レーザ溶接法又は超音波溶接法を用いる、請求項5又は6記載の電池の製造方法。
【請求項1】
正負両極を備えた電極体が有底筒状の外装缶内に収納され、この外装缶が上記正負両極のうち一方の極と電気的に導通されて一方の極の端子を構成すると共に、上記正負両極のうち他方の極とリードを介して電気的に導通されて他方の極の端子を構成する封口板が、上記外装缶とは絶縁状態で外装缶の開口部に固定された電池において、
上記封口板における上記電極体側の面には、上記リードが溶接される接続用突起が電極体方向に設けられていることを特徴とする電池。
【請求項2】
上記正負両極のうち他方の極と直接接続された集電板が上記電極体と上記封口板との間に設けられ、且つ、上記集電板に上記リードの一端が固定されている、請求項1記載の電池。
【請求項3】
上記リードが複数設けられている、請求項1又は2記載の電池。
【請求項4】
上記封口板に安全弁が形成されている、請求項1〜3記載の電池。
【請求項5】
正負両極を備えた電極体を有底筒状の外装缶内に収納する第1ステップと、
上記外装缶と上記正負両極のうち一方の極とを電気的に導通させると共に、上記正負両極のうち他方の極と電気的に導通されたリードと、封口板における上記電極体側の面に形成された接続用突起とを溶接する第2ステップと、
上記封口板を、上記外装缶とは絶縁状態で外装缶の開口部に固定する第3ステップと、
を有することを特徴とする電池の製造方法。
【請求項6】
上記第2ステップにおけるリードと接続用突起との溶接時に、上記リードの端部が上記外装缶の端部から露出する長さが3mm以下である、請求項5記載の電池の製造方法。
【請求項7】
上記第2ステップにおけるリードと接続用突起との溶接方法として、レーザ溶接法又は超音波溶接法を用いる、請求項5又は6記載の電池の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−278013(P2006−278013A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91931(P2005−91931)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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