説明

電波領域図面作成方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】電波を受信できた測定点をもとに、電波領域の図面を作成するプログラムを提供する。
【解決手段】 本発明のプログラムでは、電波を受信できた点(測定点)の座標(X,Y)がテーブルとして記憶部に記憶され(S201)、次に、テーブルに記憶された点の外接矩形が算出される(S202)。そして、外接矩形に接する点A、点B、点C、点Dが抽出される(S203)。なお、点AはY軸の最小値を有し、点BはX軸の最小値を有し、点CはY軸の最大値を有し、点DはX軸の最大値を有する。そして、点A、点B、点C、点Dを頂点とする四角形の領域内に存在する点がテーブルから削除される(S204)。次に、処理A、処理B、処理C、処理D(S205〜S208)において、不要な点をテーブルから削除する。そして、テーブルに残された点を結線し、電波領域の図面が作成される(S209)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を受信できた測定点をもとに、電波領域(電波受信可能な領域)の図面を作成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダライタと超音波発信機能付きタグと超音波受信機とを備えるタグ情報管理システムにおいて、RFIDリーダライタが電波を出力し、超音波発信機能付きタグが電波を受信できたか否かを判定する。さらに、電波を受信できた位置において、超音波発信機能付きタグが超音波を発信して、超音波受信機によってその超音波が検知され、超音波発信機能付きタグの置かれた位置が測定される発明が開示されている。これによって、電波を受信可能な境界とその位置を測定可能となり、電波受信可能な領域を知ることができた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−200357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1では、境界と判定された位置に超音波発信機能付きタグを人が設置して、その位置を再度測定して、電波受信可能な領域として表示していた(特許文献1の段落0040参照)。
【0004】
このように、従来技術では、境界を表示する際には、人手を必要としていた。
そこで、本発明は前記した従来技術の問題点に鑑みて、電波を受信できた測定点をもとに、コンピュータによって電波領域の図面を作成する方法、プログラムおよびその記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、コンピュータに、電波を受信できた点の位置(XY座標)を対象として、点を結線して囲まれた面積が最大となるように、点を抽出して、電波領域の図面を作成させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電波を受信できた測定点をもとに、コンピュータによって電波領域の図面を作成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以降、「実施形態」と称す)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
(実施形態)
本発明の実施形態に係る電波領域決定装置100のハードウェア構成と機能について図1を用いて説明する。図1は、電波領域決定装置100のハードウェア構成と機能を示す図である。
電波領域決定装置100は、図1に示すように、処理部110、記憶部120、入出力部130および通信制御部140がバスを介して接続され、相互に通信可能なように構成される。
【0009】
処理部110は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)111と、このCPU111が演算処理に用いる記憶部であるメインメモリ112とを備える。メインメモリ112は、RAM(Random Access Memory)などにより実現される。そして、記憶部120に格納されたアプリケーションプログラムがRAMに展開され、CPU111が、それを実行することにより種々の処理を具現化する。
【0010】
記憶部120は、CPU111が演算処理に用いる各種データや演算結果、または、入出力部130によって送受信されるデータを記憶する。記憶部120は図示しないROM(Read Only Memory)やハードディスク装置などにより実現される。
【0011】
入出力部130は、電波領域決定装置100に接続されるキーボードやマウスなどの入力装置(不図示)からの入力を受け付け、また、処理部110によって演算処理された結果などの各種データを、ディスプレイなどの表示部131に出力する。
【0012】
通信制御部140は、通信インタフェース(不図示)を備え、処理部110によって演算処理された情報を、ネットワーク(不図示)を介して、他の装置に送信し、他の装置から情報を受信する制御を行う。
【0013】
次に、電波を受信できた測定点に対して、面積が最大となるような点を選別して、電波領域を作図する方法について、図2を用いて説明する(適宜図1参照)。図2は、本発明の実施形態における処理を模式的に示す図である。図2の(a)は入力された点を表示した図、(b)は外接矩形を算出した図、(c)は外接矩形に接する点A、点B、点C、点Dを頂点とする四角形内に存在する点を選別する図、(d)は点Aと点Bとを頂点とする矩形においてX軸降順で並べ替えてP(n=0,1,2・・)として点間を結線した図、(e)は点Bと点Cとを頂点とする矩形においてX軸昇順で並べ替えてP(n=0,1,2・・)として点間を結線した図、(f)は線分の傾きを比較することによって点Pを削除対象と判定した図、(g)結線することを決定された点同士を結線した図である。
【0014】
電波を受信できた測定点が、入力装置(不図示)から入出力部130を介して入力され、XY座標(所定の座標系)のテーブル(位置情報記憶部)として記憶部120に記憶され、表示部131には、図2(a)に示すように表示される。なお、横軸(横方向)はX軸、縦軸(縦方向)はY軸を表している。そして、電波領域決定装置100の処理部110は、テーブルに記憶された点の外接矩形(図2(b)の破線、第2の所定の図形)を算出する。なお、外接矩形の辺は、X軸およびY軸に並行になっている。次に、外接矩形に接する点A、点B、点C、点Dを求める。点AはY軸の最小値を有し、点BはX軸の最小値を有し、点CはY軸の最大値を有し、点DはX軸の最大値を有する。そして、点A、点B、点C、点Dを頂点とする四角形(第1の所定の図形)の領域内(図2(c)において灰色で表示)に存在する点が削除対象とされ、テーブルから削除される。ただし、点A、点B、点C、点Dは、領域内に存在する点ではないとして、削除されない。
【0015】
次に、点Aと点Bを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形内に存在する点を対象として、X軸降順で点を並べ替えて、点Aから順にP(n=0,1,2)とし、PとPn+1を結ぶ線分の傾きK(n、n+1)を算出する(図2(d))。そして、K(0、1)とK(1、2)とを比較して、傾きの符号を考慮すると、K(1、2)はK(0、1)より小さいので、Pは削除されずに残される。
【0016】
次に、点Bと点Cを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形内に存在する点を対象として、X軸昇順で点を並べ替えて、点Bから順にP(ただし、n=0,1,2,3,4)と付して、PとPn+1を結ぶ線分の傾きK(n、n+1)を算出する(図2(e))。
そして、図2(f)に示すように、K(i―1、i)とK(i、i+1)とを比較する(ただし、i=1,2,3)。傾きの符号を考慮すると、K(1、2)はK(0、1)より小さいので、Pは削除されずに残される。次に、K(2、3)はK(1、2)より小さくないので、Pはテーブルから削除される。そして、新たに、PとPを結ぶ線分の傾きK(1、3)を算出する。さらに、K(1、3)はK(0、1)より小さいので、Pは削除されずにテーブルに残される。次に、K(3、4)はK(1、3)より小さいので、Pは削除されずにテーブルに残される。そして、最終的に、PとPがテーブルに残される。
【0017】
次に、点Cと点Dとを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形内に存在する点を対象として、X軸昇順で点を並べ替えて、前記した点Bと点Cとを頂点とする矩形内に存在する点を対象とする処理と同様の処理を行う。
さらに、点Dと点Aとを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形内に存在する点を対象として、X軸降順で点を並べ替えて、前記した点Bと点Cとを頂点とする矩形内に存在する点を対象とする処理と同様の処理を行う。
【0018】
そして、図2(g)に示すように、前記した処理によって結線することが決定された点同士を結線して、電波領域の図面が作成される。
【0019】
ここで、図2について説明した手順を、コンピュータに実行させるプログラムのフローチャートとして表現したものを、図3〜図8を用いて説明する。図3は、電波領域を作図するメインプログラムのフローチャートを示す図である。図4は、サブルーチン(処理A)のフローチャートを示す図である。図5は、サブルーチン(処理Z)のフローチャートを示す図である。図6は、サブルーチン(処理B)のフローチャートを示す図である。図7は、サブルーチン(処理C)のフローチャートを示す図である。図8は、サブルーチン(処理D)のフローチャートを示す図である。
【0020】
まず、図3について説明する(適宜図1、2参照)。
電波を受信できた点(測定点)の座標(X,Y)が、入力装置(不図示)から入出力部130を介して入力され、テーブルとして記憶部120に記憶される(S201、図2(a))。次に、テーブルに記憶された点の外接矩形が算出される(S202、図2(b))。そして、外接矩形に接する点A、点B、点C、点Dが抽出される(S203、図2(c))。なお、点AはY軸の最小値を有し、点BはX軸の最小値を有し、点CはY軸の最大値を有し、点DはX軸の最大値を有する。そして、点A、点B、点C、点Dを頂点とする四角形の領域内(図2(c)において灰色で表示)に存在する点がテーブルから削除される(S204)。
【0021】
次に、点Aと点Bを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形を対象として不要な点をテーブルから削除する処理A(S205)、点Bと点Cを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形を対象として不要な点をテーブルから削除する処理B(S206)、点Cと点Dを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形を対象として不要な点をテーブルから削除する処理C(S207)、点Dと点Aを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形を対象として不要な点をテーブルから削除する処理D(S208)を実行する。これらの手順については、後述する。
【0022】
そして、処理A、処理B、処理C、処理Dにおいて、結線することを決定された点同士を結線し、電波領域の図面が作成される(S209)。
【0023】
次に、処理Aの手順について、図4を用いて説明する(適宜図2参照)。
まず、点Aと点Bを頂点とする矩形内に存在する点を対象として、X軸降順で点を並べ替えて、点Aから順にP(n=0,1,2・・,m)とし、PとPn+1を結ぶ線分の傾きK(n、n+1)を算出する(S301、図2(d))。そして、処理Zを実行する(S302)。
【0024】
処理Zについては、図5を用いて説明する。
第1ループ演算(ただし、i=1,2・・,m-1)(S401)は、K(i,i+1)がPを端点とする他の線分の傾きより小さいか否かを比較する第1傾き比較手順(S402)と、前記第1傾き比較手順において否(S402でNo)の場合に、さらに、ネストした第2ループ演算(ただし、j=1,2・・(j≦i))(S403)とを有する。そして、第2ループ演算(S403)は、Pi―j+1をテーブルから削除し、Pi―jとPi+1を結ぶ線分の傾きK(i―j,i+1)を求め(S404)、K(i―j,i+1)がPi―jを端点とする他の線分の傾きより小さいか否かを比較する第2傾き比較手順(ただし、i-j<1のときは第2ループ演算終了)と(S405)を有する。そして、第1ループ演算と第2ループ演算を用いて、前記第1傾き比較手順において否でない場合には(S402でYes)、前記第2ループ演算は行わず、前記第1傾き比較手順において否の場合には(S402でNo)、前記第2ループ演算を実行する手順と、前記第2傾き比較手順において否でない場合には(S405でYes)、前記第2ループ演算を終了する手順と、を実行する。
【0025】
具体的には、図2(e)に示した、P〜P(m=4)を例にとって説明する(適宜図5参照)。
図2(e)に対応する手順は、図6に示す、処理Bの場合である。処理Bでは、まず、点Bと点Cとを頂点とする矩形内に存在する点(m=4)を対象として、X軸降順で点を並べ替えて、点Aから順にP(n=0,1,2・・,m)とし、PとPn+1を結ぶ線分の傾きK(n、n+1)を算出する(S301、図2(d))。そして、処理Zを実行する(S502)。
処理Zにおいて、第1ループ演算(S401)においてi=1のとき、第1傾き比較手順(S402)では、K(i、i+1)(K(1、2))とP(P)を端点とする他の線分の傾き(K(0,1))とが比較され、K(1、2)はK(0、1)より小さいので、S402のYesの場合に該当し、次のi=2の処理に進む。すなわち、Pは削除されずにテーブルに残される。次に、i=2の場合の第1傾き比較手順(S402)において、K(i、i+1)(K(2、3))とP(P)を端点とする他の線分の傾き(K(1,2))とが比較され(S402)、K(2、3)はK(1、2)より小さくないので、S402のNoの場合に該当し、第2ループ演算におけるj=1(S403)に進む。第2ループ演算(S403)では、Pi―j+1(P)がテーブルから削除され、Pi―j(P)とPi+1(P)を結ぶ線分の傾きK(i―j,i+1)(K2(1,3))を求め(S404)、K(i―j,i+1)(K(1,3))がPi―j(P)を端点とする他の線分の傾き(K(0,1))より小さいか否かを比較する第2傾き比較手順を実行する(S405)。そして、K(1、3)はK(0、1)より小さいので、S405のYesの場合に該当し、第2ループ演算を終了する。
【0026】
次に、i=3の処理が実行される。なお、m=4であるので、i=3は、第1ループ演算(S401)の最後のループi演算となる。
第1傾き比較手順(S402)では、K(i、i+1)(K(3、4))とP(P)を端点とする他の線分の傾き(K(1,3))とが比較され、K(3、4)はK(1、3)より小さいので、S402のYesの場合に該当し、ループi終了(S407)に進む。すなわち、Pは削除されずにテーブルに残される。
したがって、点Bと点Cを頂点とする矩形内では、最終的に、点Pと点Pがテーブルに残される。
【0027】
同様にして、図7と図8に示すように、点Cと点Dを頂点とする矩形内の点および点Dと点Aを頂点とする矩形内の点について処理が実行される。
その結果、図2(g)に示すように、前記した処理によって結線することが決定された点同士を結線し、電波領域を作成することが可能となる(図3のS209)。
【0028】
なお、前記の手順を、所定エリアに配置されたRFIDタグをタグリーダ(リーダまたはアンテナ)によって検知した検知点(電波を受信できた点)の位置を対象として適用することが可能である。図3のフローに対応させて、説明する(適宜図1参照)。
すなわち、RFIDタグの検知点の位置を、任意の座標系(所定の座標系)のデータ形式で記憶部120(位置情報記憶部)に記憶する(S201)。そして、記憶部120に記憶された各検知点について、前記座標系における座標軸毎の最大値を有する検知点と最小値を有する検知点とを抽出する(S203)。次に、求めた最大値を有する各検知点を通過する直線及び前記求めた最小値を有する各検知点を通過する直線を設定し、それらの検知点を含む領域(第2の所定の図形)を設定し、前記最大値を有する各検知点および前記最小値を有する各検知点のうちの少なくとも3点を結ぶ線により構成される領域(第1の所定の図形)を設定する(S204における四角形に代わる図形)。そして、第1の所定の図形の範囲内に属さない検知点と、第1の所定の図形の頂点とで形成される図形の面積が最も大きくなるような検知点を面積を比較しつつ取捨選択し、所定エリアに配置されたRFIDタグの検知情報に基づく電波領域図面を作成する(S209に相当)ことが可能である。
【0029】
また、所定の座標系がXYZ立体座標系の場合には、前記座標軸毎の最大値および前記座標軸毎の最小値が、X軸における最大値・最小値、Y軸における最大値・最小値、およびZ軸における最大値・最小値であって(S203に相当)、前記最大値を有する各検知点および前記最小値を有する各検知点のうちの少なくとも4点を頂点として構成される立体的な第1の所定の図形を設定する(S204の四角形に代わる図形)。そして、第1の所定の図形の範囲内に属さない検知点と、第1の所定の図形の頂点とで形成される立体的な図形の体積が最も大きくなるような検知点を比較しつつ取捨選択し、所定エリアに配置されたRFIDタグの検知情報に基づく電波領域図面を作成する(S209に相当)ことが可能である。
【0030】
前記した処理を実行することによって、図2(c)に示すように演算対象の点を削減して演算量を減らすことができ、また、図3のS205〜S208のように並列に演算することができるので、電波領域の図面作成の高速化が可能となる。
なお、平面(XY)を主として説明したが、立体(XYZ)やその他座標系に適用できることは自明である。また、最大値・最小値は、必ずしも最大・最小である必要はなく、最大値・最小値に準じる値を最大値・最小値として計算してもよい(ただし、最大値>最小値)。このようにしても、計算量を確実に削減できる。
【0031】
具体的な応用例として、RFIDなどのIC(Integrated Circuit)タグの電波領域の図面を作成した結果を、図9と図10を用いて説明する。図9は、ICタグの電波領域の測定点を示す図である。図10は、電波領域の図面作成結果を示す図である。
【0032】
図9には、ICタグの電波を受信できた測定点を四角と黒点で示している。目視によれば、電波を受信できる領域は、3つに分かれていることがわかる。この場合には、入力装置(不図示)によって、図9中の線で示すように、実行対象とする点を囲うと、囲われた点の座標がテーブルに記憶され、前記した図3〜図8の処理を実行することが可能になっている。
そして、処理した結果が、電波領域A801(灰色の表示部分)である。
【0033】
一方、電波領域A801の両側にも測定点(黒点)が存在するので、それぞれ、測定点を囲って、囲われた点の座標がテーブルに記憶され、前記した図3〜図8の処理が実行される。
そして、実行した結果が、図10に示すように、電波領域A902、電波領域B903、電波領域C904である。アンテナ901の位置も、電波領域に合わせて示した。
【0034】
図10に示した電波領域の図は、クリップボードとよばれるコンピュータの記憶部に保存することが可能であり、表示部131においてコピーやペーストや回転が行える。
そこで、作成した電波領域の図の使用例として、図11に示す間取り図1001に、電波領域1002,1003を重ね合わせて表示し、ICタグの設置位置の検討に用いることが可能となる。
【0035】
本実施の形態に係る電波領域決定装置100は、図2〜図6に示す処理を実行させるプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記憶媒体(CD−ROM等)に記憶して提供することが可能である。また、そのプログラムを、インターネット等のネットワークを通して提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】電波領域決定装置のハードウェア構成と機能を示す図である。
【図2】(a)は入力された点を表示した図、(b)は外接矩形を算出した図、(c)は外接矩形に接する点A、点B、点C、点Dを頂点とする四角形内に存在する点を選別する図、(d)は点Aと点Bとを頂点とする矩形においてX軸降順で並べ替えてP(n=0,1,2・・)として点間を結線した図、(e)は点Bと点Cとを頂点とする矩形においてX軸昇順で並べ替えてP(n=0,1,2・・)として点間を結線した図、(f)は線分の傾きを比較することによって点Pを削除対象と判定した図、(g)削除されずに残された点について、面積が最大となるように結線した図である。
【図3】電波領域を作図するメインプログラムのフローチャートを示す図である。
【図4】サブルーチン(処理A)のフローチャートを示す図である。
【図5】サブルーチン(処理Z)のフローチャートを示す図である。
【図6】サブルーチン(処理B)のフローチャートを示す図である。
【図7】サブルーチン(処理C)のフローチャートを示す図である。
【図8】サブルーチン(処理D)のフローチャートを示す図である。
【図9】ICタグの電波領域の測定点を示す図である。
【図10】電波領域の図面作成結果を示す図である。
【図11】作成した電波領域の図面の使用例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
100 電波領域決定装置
110 処理部
120 記憶部
131 表示部
801 電波領域A
902 電波領域A
903 電波領域B
904 電波領域C

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
所定エリアに配置されたRFIDタグをリーダにより検知した検知点の位置を所定の座標系のデータとして位置情報記憶部に記憶する手順と、
前記位置情報記憶部に記憶された各検知点について、前記座標系における座標軸毎の最大値を有する検知点と最小値を有する検知点とを少なくとも3つ抽出する手順と、
前記抽出した少なくとも3つの検知点を頂点とする第1の所定の図形を設定する手順と、
前記第1の所定の図形の範囲内に属さない検知点を用い、前記所定エリアに配置されたRFIDタグの検知情報に基づく電波領域図面を作成する手順と、
を実行することを特徴とする電波領域図面作成方法。
【請求項2】
コンピュータが、
所定エリアに配置されたRFIDタグをリーダにより検知した検知点の位置を所定の座標系のデータとして位置情報記憶部に記憶する手順と、
前記位置情報記憶部に記憶された各検知点について、前記座標系における座標軸毎の最大値を有する検知点と最小値を有する検知点とを抽出する手順と、
前記求めた最大値を有する各検知点を通過する直線及び前記求めた最小値を有する各検知点を通過する直線を設定し、前記検知点を含む第2の所定の図形を設定する手順と、
前記最大値を有する各検知点および前記最小値を有する各検知点のうちの少なくとも3点を結ぶ線により構成される第1の所定の図形を設定する手順と、
前記第1の所定の図形の範囲内に属さない検知点を用い、前記所定エリアに配置されたRFIDタグの検知情報に基づく電波領域図面を作成する手順と、
を実行することを特徴とする電波領域図面作成方法。
【請求項3】
前記所定の座標系がXY平面座標系であり、
前記座標軸毎の最大値および前記座標軸毎の最小値が、X軸における最大値・最小値およびY軸における最大値・最小値であること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の電波領域図面作成方法。
【請求項4】
前記所定の座標系がXYZ立体座標系であり、
前記座標軸毎の最大値および前記座標軸毎の最小値が、X軸における最大値・最小値、Y軸における最大値・最小値、およびZ軸における最大値・最小値であり、
前記コンピュータは、
前記最大値を有する各検知点および前記最小値を有する各検知点のうちの少なくとも4点を頂点として構成される立体的な第1の所定の図形を設定する手順、
を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電波領域図面作成方法。
【請求項5】
コンピュータが、
電波が受信された点のXY座標をテーブルに記憶する手順と、
Y軸の最小値を有する点Aと、X軸の最小値を有する点Bと、Y軸の最大値を有する点Cと、X軸の最大値を有する点Dと、を抽出する手順と、
前記点Aと、前記点Bと、前記点Cと、前記点Dと、を頂点とする四角形の領域内に存在する点を前記テーブルから削除する手順と、
前記点Aと前記点Bとを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形内に存在する点を対象として、X軸降順で並べ替えて、前記点Aから順にP(ただし、n=0,1,2・・,m)とし、PとPn+1を結ぶ線分の傾きK(n,n+1)を算出する手順と、
前記B点と前記C点とを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形内に存在する点を対象として、X軸昇順で並べ替えて、前記B点から順にP(ただし、n=0,1,2・・,m)とし、PとPn+1を結ぶ線分の傾きK(n,n+1)を算出する手順と、
前記C点と前記D点とを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形内に存在する点を対象として、X軸昇順で並べ替えて、前記C点から順にP(ただし、n=0,1,2・・,m)とし、PとPn+1を結ぶ線分の傾きK(n,n+1)を算出する手順と、
前記D点と前記A点とを頂点とし、X軸およびY軸と平行な辺を有する矩形内に存在する点を対象として、X軸降順で並べ替えて、前記D点から順にP(ただし、n=0,1,2・・,m)とし、PとPn+1を結ぶ線分の傾きK(n,n+1)を算出する手順と、
第1ループ演算(ただし、i=1,2・・,m-1)としてK(i,i+1)がPを端点とする他の線分の傾きより小さいか否かを比較する第1傾き比較手順と、前記第1傾き比較手順において否の場合に、さらに、ネストした第2ループ演算(ただし、j=1,2・・(j≦i))としてPi―j+1を前記テーブルから削除し、Pi―jとPi+1を結ぶ線分の傾きK(i―j,i+1)を求め、K(i―j,i+1)がPi―jを端点とする他の線分の傾きより小さいか否かを比較する第2傾き比較手順(ただし、i-j<1のときは第2ループ演算終了)と、を用いて、
前記第1傾き比較手順において否でない場合には、前記第2ループ演算は行わず、前記第1傾き比較手順において否の場合には、前記第2ループ演算を実行する手順と、前記第2傾き比較手順において否でない場合には、前記第2ループ演算を終了する手順と、を備え、
前記第1ループ演算および前記第2ループ演算によって結線することを決定された点同士を結線し、囲まれた領域を作成する手順と、
を実行することを特徴とする電波領域図面作成プログラム。
【請求項6】
前記電波が受信された点を表示部に表示する手順と、
前記表示された点に対して、入力装置によって演算対象として指定した範囲の点のXY座標を前記テーブルに記憶する手順と、
を実行させることを特徴とする請求項5に記載の電波領域図面作成プログラム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−299592(P2008−299592A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145059(P2007−145059)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】