説明

電源モジュール用冷却装置及びそれに関連する方法

【課題】基板を介してベース板上に配置された電子モジュールを有する電源モジュール用の冷却装置を提供する。
【解決手段】冷却装置は少なくとも1つの冷却部分を有するヒートシンク板16を有する。冷却部分は、冷媒が流入する入口プレナムと、複数の入口多岐流路と、複数の出口多岐流路と、出口プレナムとを含む。複数の入口多岐流路は、入口プレナムから冷媒を受けるために入口プレナムに直交して結合されている。複数の出口多岐流路は、入口多岐流路と並列に配置されている。出口プレナムは、冷媒を排出するために複数の出口多岐流路に直交して結合されている。複数のミリチャネルが、入口及び出口多岐流路に直交してベース板14に配置されている。複数のミリチャネルは、冷媒を複数の入口多岐流路から複数の出口多岐流路に誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に冷却装置に関し、より詳細には電源モジュール用の、ミリチャネルを組み込んだ冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーエレクトロニクスは、電力の制御及び変換に関連した固体エレクトロニクスの用途を指す。この変換は、代表的に、電源モジュール中にパッケージされた珪素、炭化珪素、及び窒化ガリウム装置によって行われる。電源モジュールに関係する要因の1つは、発熱である。電源モジュールによる発熱は多くの要因によるものであるが、一般的には、電源モジュールの効率が常に100パーセント未満であり、効率の損失は代表的に熱として発生するという事実に関係している。残念なことに、電源モジュールの性能は、温度の上昇と共に損なわれる傾向にある。
【0003】
熱管理のための追加の要因は、小さい設置面積に多数の装置をパッケージすることに関する。装置、したがってモジュールが動作できる電力密度は、したがって、この発生された熱を除去する能力に依存する。パワーエレクトロニクスの熱管理の一般的な形式は、ヒートシンクによるものである。ヒートシンクは、電源モジュールの熱源から熱を移すことによって動作し、それによって熱源を相対的により低い温度に維持する。空冷装置及び液冷装置を含む、熱管理の分野で知られている様々な種類のヒートシンクが存在する。
【0004】
電源モジュールの熱管理の一例は、電源モジュールを液体冷却する埋設管を有するヒートシンクの取り付けを含む。ヒートシンクは、代表的には、アルミニウム又は銅のような金属構造である。水などの冷媒が管を通過し、電源モジュールを冷却する。ヒートシンクは、代表的には、電源モジュールベースに結合され、これらの間には熱伝導材料(Thermal Interface Material:TIM)が分散される。熱伝導材料は、熱グリス、柔軟な熱パッド等を含むことができる。従来の冷却装置は、大きい温度勾配と、装置間の高圧低下とを有する。また、従来の冷却装置は、大きい熱抵抗を有し、これは電源モジュールの動作レベルを制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,836,940号明細書
【発明の概要】
【0006】
改善された電源モジュールの必要性がある。
【0007】
本発明の一例示的実施形態によれば、基板を介してベース板上に配置された電子モジュールを有する電源モジュール用冷却装置が開示される。前記冷却装置は、少なくとも1つの冷却部分を有するヒートシンク板を含む。前記冷却部分は、冷媒が流入する入口プレナムを含む。複数の入口多岐流路が、前記入口プレナムから前記冷媒を受けるために、前記入口プレナムに直交して結合されている。複数の出口多岐流路が、前記入口多岐流路に並列に配置されている。出口プレナムが、前記冷媒の排出のため、前記複数の出口多岐流路に直交して結合されている。複数のミリチャネルが、前記入口及び出口多岐流路に直交して前記ベース板に配置されている。前記複数のミリチャネルは、前記冷媒を前記複数の入口多岐流路から前記複数の出口多岐流路に誘導する。
【0008】
本発明の他の例示的実施形態によれば、例示的冷却装置を有する電源モジュールが開示される。
【0009】
本発明の他の例示的実施形態によれば、方法は、冷媒を、ヒートシンク板の少なくとも1つの冷却部分の入口プレナムを経て誘導することを含む。この方法は、前記冷媒を、前記入口プレナムから、前記ヒートシンク板の前記少なくとも1つの冷却部分で前記入口プレナムに直交して結合されている複数の入口多岐流路に誘導することをさらに含む。この方法は、前記冷媒を、前記複数の入口多岐流路から、前記ヒートシンク板の前記少なくとも1つの冷却部分中で前記入口多岐流路と並列に配置されている複数の出口多岐流路に、基板を介してベース板上に取り付けられている電子モジュールを冷却するために前記ベース板に前記入口及び出口多岐流路に直交して配置されている複数のミリチャネルを経て誘導することも含む。方法は、前記冷媒を、前記複数の出口多岐流路から、前記複数の出口多岐流路に直交して結合されている出口プレナムを経て排出することをさらに含む。
【0010】
本発明の他の例示的実施形態によれば、電源モジュール用の例示的冷却装置を製造する方法が開示される。
【0011】
本発明のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読み取るとき、より良く理解されるであろう。添付図面において、類似の数字は、図面を通して類似の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一例示的実施形態による電源モジュールの横断面図である。
【図2】本発明の一例示的実施形態による冷却装置を有する電源モジュールの分解斜視図である。
【図3】本発明の一例示的実施形態による電源モジュールの冷却装置の概略図である。
【図4】本発明の一例示的実施形態による冷却装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここに記載している実施形態によって論じているように、電源モジュール用冷却装置が開示される。特定の実施形態では、冷却装置は、少なくとも1つの冷却部分を有するヒートシンク板を含む。前記冷却部分は、冷媒が流入する入口プレナムを含む。前記入口プレナムから前記冷媒を受けるため、複数の入口多岐流路が、前記入口プレナムに直交して結合されている。複数の出口多岐流路が、前記入口多岐流路と並列に配置されている。前記冷媒を排出するため、出口プレナムが、前記複数の出口多岐流路に直交して結合されている。複数のミリチャネルが、前記電源モジュールのベース板に、前記入口及び出口多岐流路に直交して配置されている。前記複数のミリチャネルは、前記冷媒を前記複数の入口多岐流路から前記複数の出口多岐流路に誘導する。ここで、本発明の態様は、一般にヒートシンク、スタック、及びヒートシンクを使用する装置に関し、より詳細にはミリチャネルヒートシンクに関することに注意すべきである。ここで、「ミリチャネル」は、各寸法でミリメートルのオーダの幅及び高さを有することに注意すべきである。
【0014】
図1を参照すると、電源モジュール10は、動作中に発熱する電子モジュール12と、ベース板14と、基板15と、ヒートシンク板16とを含んでいる。電子モジュール12は、基板15を介してベース板14上に配置されている。ベース板14は、ヒートシンク板16上に設けられている。一実施形態では、電子モジュール12は、電子モジュール12の形状、穴、及び特徴がベース板14と一致するように、汎用市販(commercial off the shelf:COTS)部品のように規格化されている。加えて、ヒートシンク板16も、ヒートシンク板16の形状、穴、及び特徴がベース板14と一致するように規格化することができる。電子モジュール12の非限定的な例は、自動車用途、油及びガス用途等に限定されない用途に使用される、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、ダイオード、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、及び高電子移動度トランジスタ(HEMT)を含むことができる。本発明の実施形態によれば、電子装置を、種々の半導体から製造することができ、これらの半導体の非限定的な例は、珪素、炭化珪素、窒化ガリウム、及びガリウム砒素を含む。
【0015】
基板15は、ベース板14と電子モジュール12との間で短絡を回避し、熱交換を行うように設けられている。一実施形態では、基板15は、セラミック層のような、電気的に遮断する熱伝導性の層である。セラミック層の非限定的な例は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ベリリウム、及び窒化珪素を含むことができる。特定の実施形態では、セラミック層15を、上面及び下面導電層(例えば、銅の層)を介してベース板14及び電子モジュール12に接合してもよい、すなわち、基板15は、直接接合銅(direct bonded copper:DBC)又は活性金属ろう付け(active metal braze:AMB)構造のいずれかを有することができる。すなわち、上面導電層を、電子モジュール12とセラミック層15との間に配置することができ、下面導電層を、セラミック層15とベース板との間に配置することができる。特別な実施形態では、銅層の代わりに、アルミニウム層、金層、銀層又は合金層が好ましい。他の実施形態では、ベース板14を基板15に直接接合することができる。基板15を、それだけに限定されないが、ろう付け、接合、拡散接合、はんだ付け、又は、簡単な組み立てプロセスを提供するクランピングのような圧接を含む多数の技術を使用して、ベース板14及び電子モジュール12と結合することができる。ここで、図1の例示的配置は例示的なものであり、本発明はこの配置によって決して限定されないことに注意すべきである。
【0016】
図2を参照すると、電源モジュール10の分解図が例示されている。上述したように、ベース板14がヒートシンク板16上に設けられている。ヒートシンク板16は、ベース板14の板面20に対向して配置されたヒートシンク表面18を有する。ヒートシンク表面18は、複数の穴22を有し、板面20には、複数の対応する穴24が形成されている。締結具を穴22、24に結合し、ヒートシンク表面18を板面20に取り外し可能に結合することができる。
【0017】
例示されている実施形態では、ヒートシンク板16は、ヒートシンク表面18に配置された複数の冷却部分26を含んでいる。一実施形態では、複数の冷却部分26は、ヒートシンク板16のヒートシンク表面18に凹設されている。ベース板14は、板面20に配置されたミリチャネル28の組を含んでいる。ミリチャネル28の各組は、対応する冷却部分26に重なるように配置されている。本発明の一実施形態では、ミリチャネル28の各々は、ベース板14の板面20中に凹設され、板面20に溝を形成している。例示されている実施形態では、ヒートシンク板16は矩形形状を有する。図2の例示的ヒートシンク板16は例示的なものであり、ヒートシンク板16は、円形、三角形又は多角形形状のような他の形状を有することもできることに注意すべきである。冷却部分26及びミリチャネル28の組は、電源モジュール10用の冷却装置を共に形成する。本発明の一実施形態では、冷却装置は、電子モジュール12を冷却するように構成される。冷却装置を図4に例示し、より詳細に説明する。
【0018】
ヒートシンク板16は、少なくとも1つの熱伝導性材料を含むことができ、この熱伝導性材料の非限定的な例は、銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、チタニウム、及びこれらの合金を含むことができる。いくつかの実施形態では、ヒートシンク板16は、アルミニウム珪素、アルミニウム珪素炭化物、アルミニウム黒鉛、及び銅黒鉛のような金属基複合材料を含むことができる。他の実施形態では、ヒートシンク板16は、酸化アルミニウム、窒化珪素セラミックのようなセラミックを含むことができる。代わりに、ヒートシンク板16は、少なくとも1つの熱可塑性物質を含んでもよい。
【0019】
図2の例示的配置に関して、各々の冷却部分26は、ミリチャネル28の対応する組に結合されている。冷却部分26とミリチャネル28の組との間の結合を、図3及び4の参照と共により詳細に説明する。各々の冷却部分26は、シール31によって取り囲まれ、対応する冷却部分26内の冷却材が漏れるのを防ぎ、液密シールを与えている。シール31は、ガスケット、Oリング、又は、同様の機能を有する治金的接合のようなその他の形式のシールを含むことができる。冷媒は、冷却部分26及びミリチャネル28の組を通って循環し、ベース板14とヒートシンク板16との間の熱交換を可能にする。特定の実施形態では、ヒートシンク板16と同様に、ベース板14は、少なくとも1つの熱伝導性材料を含むことができ、熱伝導材料の非限定的な例は、熱分解黒鉛(thermo pyrolytic graphite:TPG)、銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、チタニウム、及び、銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、チタニウムの合金を含むことができる。いくつかの実施形態では、ベース板14は、アルミニウム珪素炭化物、アルミニウム黒鉛、及び銅黒鉛のような金属基複合材料も含むことができる。他の実施形態では、ベース板14は、酸化アルミニウム、窒化珪素セラミックのようなセラミックを含むことができる。特別な実施形態では、ベース板14は、少なくとも1つの熱可塑性材料も含むことができる。
【0020】
図3を参照すると、冷却部分26の一部とミリチャネル28とが例示されている。例示されている実施形態では、冷却部分26の一部は、第1の端31及び第2の端33を有する入口プレナム32と、入口プレナム32の第2の端33に直交して結合された入口多岐流路34とを含む。1つの入口多岐流路34のみを示しているが、冷却部分26は、代表的には複数のこのような入口多岐流路を有する。2つの出口多岐流路36が、入口多岐流路34と並列に配置されている。一実施形態では、入口多岐流路34及び出口多岐流路36は、同じ寸法を有する。各々の出口多岐流路36は、一方の端35及び他方の端37を含んでいる。出口プレナム38は、出口多岐流路36の端37に直交して結合されている。出口プレナム38は、入口プレナム32と同じ寸法を有することができる。上述したように、ベース板14は、板面に配置されたミリチャネル28の組を含む。例示されている実施形態では、1つのミリチャネル28が示されている。ミリチャネル28は、入口及び出口多岐流路34、36に直交して配置されている。いくつかの実施形態では、ミリチャネル28は、入口及び出口多岐流路34、36に直接結合されている。特定の他の実施形態では、ミリチャネル28は、接続経路(図示せず)を介して入口及び出口多岐流路34、36に結合されている。特定の実施形態では、ミリチャネルは、1mmの幅及び3mmの深さを有する。ここで、入口多岐流路34は、入口プレナム32の第2の端33からミリチャネル28に向かって先細りになっている横断面を有することに注意すべきである。また、出口多岐流路36は、端37からミリチャネル28に向かって先細りになっている横断面を有する。
【0021】
本発明の特定の実施形態では、ミリチャネル28は、矩形又は正方形横断面を有することができる。ミリチャネル28の横断面の非限定的な例は、さらに、円形、三角形、台形及びU字型横断面を含むことができる。ミリチャネル28を、鋳造、機械加工、又はエッチングすることができ、ベース板中で平坦又は凹凸にすることができる。凹凸のあるミリチャネルは、比較的大きな表面積を有し、熱伝導を増強するように冷媒40の乱流を強化することができる。非限定的な例では、ミリチャネル28は、くぼみ、堆積等の特徴を用いて、その凹凸性を増大させることができる。ミリチャネル28と同様に、多岐流路34、36も、丸み形状、円形、三角形、台形、及び正方形/矩形横断面を含むがこれらに限定されない種々の横断面形状を有することができる。プレナム32、38、多岐流路34、36、及びミリチャネル28の幾何形状を、用途、使用する冷媒の種類、及び、室温にも基づいて設計することができる。多岐流路34、36及びミリチャネル28の数は、用途に応じて変化してもよい。
【0022】
例示的動作では、冷媒40は入口プレナム32を経て入口多岐流路34に入る。電源(図示せず)が、冷媒40を入口プレナム32に注入するために使用される。次に、冷媒40は、入口多岐流路34からベース板のミリチャネル28を経て出口多岐流路36に誘導される。その後、冷媒40は、出口多岐流路から出口プレナム38を経て排出される。ここで、冷媒40の入口プレナム32中への流入と、冷媒40の出口プレナム38からの排出とは、同じ方向42に沿っていることに注意すべきである。一実施形態では、冷媒40は、プロピレングリコールと水の混合物を含む。特別な実施形態では、冷媒40は、60重量パーセントのプロピレングリコールと、40重量パーセントの水とを含むことができる。冷媒40は、他の電導性又は非電導性液体を含むこともできる。他の実施形態では、冷媒40は、気体媒体を含むことができる。したがって、電子モジュール12及びベース板14がヒートシンク板16上に配置されている場合、ヒートシンク板及びベース板のミリチャネル28を通って流れる冷媒40は、電子モジュールを冷却することができる。
【0023】
入口多岐流路34及び出口多岐流路36の並列配置と、多岐流路(34,36)の先細りの横断面と、プレナム(32,38)の直交配置と、ミリチャネル28とに特に関係する、ここで論じている冷却部分26の構成は、比較的大きい流路面積を提供し、結果として、一定の流速と、部分26の両端間の低い圧力低下とを生じる。部分26の両端間の温度勾配は最小化される。電源モジュールの熱抵抗及び熱抵抗率は最小化され、電源モジュールをより高い電力レベルで動作させることができる。以下のようになる。
【0024】
【数1】

したがって、モジュールの電力レベルは、温度抵抗がより小さくなり、温度がより速く変化するにつれて増加する。
【0025】
図4を参照すると、本発明の例示的実施形態による冷却装置30が例示されている。例示されている実施形態では、冷却装置30は、入口プレナム32を有する図3の冷却部分26と、入口プレナム32に直交して結合された入口多岐流路34とを含む。装置30は、複数の入口多岐流路34と並列に配置された複数の出口多岐流路36も含んでいる。出口プレナム38は、複数の出口多岐流路36に直交して結合されている。上述したように、ベース板は、板面20に配置されたミリチャネル28の組を含む。例示されている実施形態では、一組のミリチャネル28が示されている。ミリチャネル28の組は、入口及び出口多岐流路34、36に直交して配置されている。前述のように、複数の入口多岐流路34は、入口プレナム32からミリチャネル28の組に向かって先細りになる横断面を有する。また、複数の出口多岐流路36は、出口プレナム38からミリチャネル28の組に向かって先細りになる横断面を有する。
【0026】
したがって、例示的配置に関して、ヒートシンク板がベース板に結合され、冷媒40が、入口プレナム32、複数の入口多岐流路34、ミリチャネル28の組、複数の出口多岐流路36、及び出口プレナム38を順次に経て誘導される場合、電子モジュールを冷却するためにベース板とヒートシンク板との間の熱交換が結果として生じる。シールは、ヒートシンク板の冷却部分についての液密シールを提供する。
【0027】
図1〜4を参照すると、いくつかの実施形態では、ミリチャネル28の組を有するベース板14と、複数の冷却部分26を有するヒートシンク板16とを予め製造することができる。特定の他の実施形態では、冷却装置30を、存在する電源モジュール中に鋳造、機械加工又はエッチングすることができる。例えば、図1及び2に関連して、ベース板14を基板15から取り外すことができる。このとき、存在するヒートシンク板(図示せず)を、ベース板14から取り外すことができる。複数のミリチャネル28を、ベース板14の板面20に形成することができる。このとき、存在するヒートシンク板を、ヒートシンク表面18に形成された複数の冷却部分26を有するヒートシンク板16と交換することができる。このとき、ヒートシンク板16を、板面20がヒートシンク表面18と重なるように、ベース板14に結合することができる。このとき、ベース板14を基板15に結合することができる。ここで、このような実施形態では、製造における事象の順序は要求に応じて変更できることに注意すべきである。ここに記載した例示的冷却配置を有する電源モジュールは、以前から知られている電源モジュールより低い熱抵抗及び抵抗率と、より大きい熱容量とを有する。
【0028】
本発明の特定の特徴のみをここに例示し、説明したが、多くの修正及び変更が当業者に見出されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨に含まれるようなすべてのこのような修正及び変更を含むことを意図することを理解すべきである。
【符号の説明】
【0029】
10 電源モジュール
12 電子モジュール
14 ベース板
15 基板
16 ヒートシンク板
18 ヒートシンク表面
20 板面
22、24 穴
26 冷却部分
28 ミリチャネル
31 第1の端
32 入口プレナム
33 第2の端
34 入口多岐流路
35 一方の端
36 出口多岐流路
37 他方の端
38 出口プレナム
40 冷媒
42 方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を介してベース板上に配置された電子モジュールを備える電源モジュール用の冷却装置であって、
冷媒が流入する入口プレナムと、
前記入口プレナムに直交して結合され、前記入口プレナムから前記冷媒を受ける複数の入口多岐流路と、
前記入口多岐流路と並列に配置された複数の出口多岐流路と、
前記複数の出口多岐流路に直交して結合され、前記冷媒を排出する出口プレナムとを備える少なくとも1つの冷却部分を含むヒートシンク板と、
前記入口及び出口多岐流路に直交して前記ベース板に配置された複数のミリチャネルとを備え、前記複数のミリチャネルが、前記冷媒を、前記複数の入口多岐流路から前記複数の出口多岐流路に誘導する、冷却装置。
【請求項2】
前記ヒートシンク板が、前記少なくとも1つの冷却部分が中に配置されたヒートシンク表面を備える、請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】
前記ベース板が、前記複数のミリチャネルが中に配置された板面を備える、請求項2記載の冷却装置。
【請求項4】
前記ヒートシンク表面が、前記板面に対向して配置されている、請求項3記載の冷却装置。
【請求項5】
前記ヒートシンク板が、前記少なくとも1つの冷却部分を取り囲んで配置されているシールを含む、請求項1記載の冷却装置。
【請求項6】
前記入口プレナムが、前記出口プレナムと並列に配置されている、請求項1記載の冷却装置。
【請求項7】
前記冷媒の前記入口プレナム中への流入と、前記冷媒の前記出口プレナムからの排出とが、同じ方向に沿っている、請求項6記載の冷却装置。
【請求項8】
前記複数の入口多岐流路が、互いに並列に配置されている、請求項1記載の冷却装置。
【請求項9】
前記複数の出口多岐流路が、互いに並列に配置されている、請求項1記載の冷却装置。
【請求項10】
前記複数の入口多岐流路中の各々の入口多岐流路が、前記入口プレナムから前記出口プレナムに向かって先細りになっている横断面を有する、請求項1記載の冷却装置。
【請求項11】
前記複数の出口多岐流路中の各々の出口多岐流路が、前記出口プレナムから前記入口プレナムに向かって先細りになっている横断面を有する、請求項1記載の冷却装置。
【請求項12】
前記冷媒が、プロピレングリコールと水の混合物を備える、請求項1記載の冷却装置。
【請求項13】
ベース板と、
基板を介して前記ベース板上に取り付けられた電子モジュールと、
前記電子モジュールを冷却する冷却装置とを備える電源モジュールであって、前記冷却装置が、
冷媒が流入する入口プレナムと、
前記入口プレナムに直交して結合され、前記入口プレナムから前記冷媒を受ける複数の入口多岐流路と、
前記入口多岐流路と並列に配置された複数の出口多岐流路と、
前記複数の出口多岐流路に直交して結合され、前記冷媒を排出する出口プレナムとを備える少なくとも1つの冷却部分を含む、前記ベース板に結合された、ヒートシンク板と、
前記ベース板に前記入口及び出口多岐流路に直交して配置された複数のミリチャネルとを備え、前記複数のミリチャネルが、前記冷媒を前記複数の入口多岐流路から前記複数の出口多岐流路に誘導する、電源モジュール。
【請求項14】
前記ヒートシンク板が、少なくとも1つの冷却部分が中に配置されたヒートシンク表面を備える、請求項13記載の電源モジュール。
【請求項15】
前記ベース板が、複数のミリチャネルが中に配置された板面を備える、請求項14記載の電源モジュール。
【請求項16】
前記ヒートシンク表面が、前記板面に対向して配置されている、請求項15記載の電源モジュール。
【請求項17】
前記ヒートシンク表面が、前記少なくとも1つの冷却部分を取り囲んで配置されているシールを含む、請求項13記載の電源モジュール。
【請求項18】
前記入口プレナムが、前記出口プレナムと並列に配置されている、請求項13記載の電源モジュール。
【請求項19】
前記冷媒の前記入口プレナム中への流入と、前記冷媒の前記出口プレナムからの排出とが、同じ方向に沿っている、請求項6記載の電源モジュール。
【請求項20】
ヒートシンク板の少なくとも1つの冷却部分の入口プレナムを経て冷媒を誘導する工程と、
前記冷媒を、前記入口プレナムから、前記ヒートシンク板の前記少なくとも1つの冷却部分で前記入口プレナムに直交して結合された複数の入口多岐流路に誘導する工程と、
基板を介してベース板上に取り付けられた電子モジュールを冷却するために、前記冷媒を、前記複数の入口多岐流路から、前記ヒートシンク板の前記少なくとも1つの冷却部分に前記入口多岐流路と並列に配置された複数の出口多岐流路に、前記入口及び出口多岐流路に直交して前記ベース板に配置された複数のミリチャネルを経て誘導する工程であって、前記ヒートシンク板が前記ベース板に結合されている、誘導する工程と、
前記冷媒を、前記複数の出口多岐流路から、前記複数の出口多岐流路に直交して結合された出口プレナムを経て排出する工程とを含む、方法。
【請求項21】
電子モジュールがその上に配置された基板からベース板を除去する工程と、
ヒートシンク板に少なくとも1つの冷却部分を形成する工程であって、
冷媒が流入する入口プレナムを形成する工程と、
前記入口プレナムに直交して結合され、前記入口プレナムから前記冷媒を受ける複数の入口多岐流路を形成する工程と、
前記入口多岐流路と並列に配置された複数の出口多岐流路を形成する工程と、
前記複数の出口多岐流路に直交して結合され、前記冷媒を排出する出口プレナムを形成する工程とを含む、形成する工程と、
前記ベース板に、前記入口及び出口多岐流路と直交して、前記冷媒を前記複数の入口多岐流路から前記複数の出口多岐流路に誘導する複数のミリチャネルを形成する工程と、
前記ヒートシンク板を前記ベース板に取り外し可能に結合する工程とを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−16794(P2013−16794A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−140632(P2012−140632)
【出願日】平成24年6月22日(2012.6.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】