説明

電源装置

【課題】並列接続された2つの蓄電装置を切断状態から接続する際に、2つの蓄電装置の電圧の大小関係に関係なく、双方向の突入電流を防止することができる電源装置の提供。
【解決手段】電源装置1は、並列接続される二次電池5とキャパシタ6とを結ぶ電流経路上に設けられて、経路切断状態と経路接続状態とを切り換えるMOSFET71,72と、MOSFET71,72と並列に接続され、直列接続された電流量制限用MOSFET73,74を有する電位差調整回路と、制御部11とを備えている。電流量制限用MOSFET73,74のボディダイオード731,741は対向するように設けられているので、電流量制限用MOSFET73,74が設けられた第二の電流ラインを介したプリチャージの際に、いずれの方向に対しても突入電流が発生するのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列接続された2つの蓄電装置を備えた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題への配慮や国が定める排出ガス規制の強化を背景に、各自動車メーカは低公害車の開発に力を入れている。なかでも、従来のエンジンに加えて直流電源とインバータ、そしてモータとを組み合わせたハイブリッド自動車は、二次電池技術の進歩などで低コスト開発が加速し、近年急速に普及が進んでいる。
【0003】
ハイブリッド自動車の直流電源装置に搭載される二次電池は、モータ等の駆動および車両減速時のエネルギー回生に用いられる。そして、車両を適切に走行させながらエネルギー効率を向上させるために、負荷に応じた適切な電力を供給することや、回生時に高効率にエネルギーを回収することなどが求められる。これらの要求に対応するため、二次電池に加えてキャパシタを並列に接続したハイブリッド構成の電源装置をモータの電源供給源としてハイブリッド自動車等に搭載する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
二次電池とキャパシタとは、接続、遮断が可能なように機械式のリレーを使用したスイッチや、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)等の半導体素子のスイッチを用いて接続されたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
低抵抗で出力性能に優れるキャパシタを二次電池と組み合わせることで、急峻に変動するモータ負荷に対して柔軟に電力供給でき、減速時のエネルギー回生を高効率に実現できる。さらに、キャパシタを用いることで、瞬間的な大電流出力が要求されるアイドリングストップからの始動を補助し、二次電池の負担低減並びに劣化防止を図ることができる。
【0006】
システム駆動中は二次電池とキャパシタとは電気的に並列に接続されるため、両者は等電位となっている。しかし、システム停止時等に両者が切り離されると、各々の自己放電量の違いにより電位差が生じる。一般に、キャパシタの方が二次電池に比べて自己放電が大きいとされるため、キャパシタの電位が二次電池の電位に比べて低下する傾向にある。
【0007】
このように二次電池とキャパシタとの間に電位差が生じると、システム起動時にキャパシタと二次電池を接続した際に、二次電池からキャパシタへと突入電流が流れ込むという問題が発生する。この突入電流は、キャパシタ内部を加熱して損傷させるとともに、キャパシタと電源線とを接続するリレー素子を溶着させる可能性がある。
【0008】
そのため、このような突入電流を防止する方法として、接続および切り離しを行うメインスイッチ対して、電流制限抵抗とスイッチを配した経路を並列に設ける構成が知られている(例えば、特許文献3参照)。キャパシタと二次電池とを接続する際には、最初に電流制限抵抗のある経路を接続して電流量を制限しながらキャパシタへ予備充電(プリチャージ)させる。その後、電位差がほぼ無くなったならばメインのスイッチを接続するようにする。
【0009】
また、上述した電流制限抵抗の代わりに半導体スイッチング素子をメインスイッチと並列に設けて、その半導体スイッチング素子を用いてプリチャージ機能を実現する構成も知られている(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−312926号公報
【特許文献2】特開2006−152820号公報
【特許文献3】特開2005−312156号公報
【特許文献4】特開2007−143221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、電気二重層キャパシタに加えて、より大容量の次世代キャパシタが開発されており、特に負極にリチウムイオンをドープしたタイプのキャパシタは自己放電が極めて少なく、保管環境によっては電圧が上昇することもある。このような次世代キャパシタを適用した場合、二次電池とキャパシタの自己放電量の大小関係が逆転し、キャパシタと二次電池とを接続した際に、キャパシタ側から二次電池側へ突入電流が流れる可能性がある。
【0012】
しかしながら、特許文献4に記載の構成では、二次電池からキャパシタへと流れ込む方向の突入電流には対応できるが、キャパシタから二次電池への流れに関しては半導体スイッチング素子のボディダイオードを介して電流が流れるため、突入電流を防止することができない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明による電源装置は、負荷に対して並列接続される第一の蓄電装置および第二の蓄電装置と、第一の蓄電装置と第二の蓄電装置とを結ぶ電流経路上に設けられて、経路切断状態と経路接続状態とを切り換える主スイッチング回路と、直列接続された第一および第二のスイッチング回路を有し、主スイッチング回路と並列に接続される電位差調整回路とを備え、第一のスイッチング回路は、第一の蓄電装置から第二の蓄電装置へ流れる電流を遮断する向きのボディダイオードを内蔵する少なくとも一つの第一の半導体スイッチング素子を有し、第二のスイッチング回路は、第二の蓄電装置から第一の蓄電装置へ流れる電流を遮断する向きのボディダイオードを内蔵する少なくとも一つの第二の半導体スイッチング素子を有し、第一の蓄電装置と第二の蓄電装置との間の電位差を低減させるように第一および第二の半導体スイッチング素子を制御し、電位差低減後に主スイッチング回路を経路切断状態から経路接続状態へ切り換える制御部をさらに備えたことを特徴とする。
なお、第一のスイッチング回路は、第一の半導体スイッチング素子を複数並列接続したスイッチング素子群を有し、第二のスイッチング回路は、第二の半導体スイッチング素子を複数並列接続したスイッチング素子群を有するように構成しても良い。
また、第一の蓄電装置と第二の蓄電装置との間の電位差が所定の閾値以上か否かを判定する電位差判定部を備え、電位差判定部により閾値以上と判定されると電位差の低減を行った後に経路接続状態へ切り換え、電位差判定部により電位差が閾値より小さいと判定されると電位差の低減を行わずに経路接続状態へ切り換えるようにしても良い。
さらにまた、制御部に、第一および第二の半導体スイッチング素子の出力電流量を調整する電流量調整回路をさらに設け、第一の蓄電装置と第二の蓄電装置との間の電位差に応じて出力電流量を調整して電位差を低減させるようにしても良い。
さらに、第一および第二の半導体スイッチング素子をMOSFETで構成し、MOSFETのゲート電圧を調整して第一および第二の半導体スイッチング素子の出力電流量を調整するようにしても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、並列接続された2つの蓄電装置を切断状態から接続する際に、2つの蓄電装置の電圧の大小関係に関係なく、双方向の突入電流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態による電源装置の概略ブロック図である。
【図2】制御部11の構成概略を示すブロック図である。
【図3】IGN起動時における制御手順を示すフローチャートである。
【図4】電流量制限時の電流量制限電流経路を示す図である。
【図5】電流量制限処理時の電流制限方法を説明する図であり、(a)はMOSFET76のオン・オフ動作のタイムチャートであり、(b)はデューティー比DとMOSFET73、74のゲート−ソース間電圧との関係を示す。
【図6】電流量制限処理時におけるタイムチャートを示す図であり、(a)はキャパシタ6と二次電池5の電位差を示し、(b)は電流量制限回路起動用スイッチ75のON・OFF状態を示し、(c)はMOSFET71,72の状態を示す。
【図7】従来技術との相違点を説明する図であり(a)は従来の構成を示し、(b)は第1の実施の形態の構成を示す。
【図8】本発明の第2の実施の形態による電源装置を説明する図である。
【図9】第2の実施の形態における制御手順を示すフローチャートである。
【図10】変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の第1の実施形態による電源装置を、回転電機の駆動に用いた場合の概略ブロック図である。図1において、電源装置1は、リレー2a,2bを介してインバータ装置3に接続される。回転電機4はインバータ装置3により回転駆動される。回転電機4は、車両のアイドリングストップシステムにおけるエンジン起動用のスタータモータやモータジェネレータを構成している。
【0017】
電源装置1は、鉛蓄電池などの二次電池5と、二次電池5と並列に接続されるキャパシタ6と、放電遮断用MOSFET71と、充電遮断用MOSFET72と、キャパシタ側電流量制限用MOSFET73と、二次電池側電流量制限用MOSFET74と、電流量制限用MOSFETのゲート電圧固定用抵抗13と、MOSFET保護用抵抗14と、電流量制限回路起動用MOSFET76と、制御部11と、キャパシタ電圧検出部12とを備えている。
【0018】
本実施の形態では、一例として二次電池5とキャパシタ6とを蓄電装置として搭載しているが、蓄電装置であればどのような組み合わせでも本発明は適用可能である。なお、キャパシタ6は複数のキャパシタセルが多直列多並列に接続されて構成され、二次電池5についても複数の二次電池セルが多直列多並列に接続されて構成される。
【0019】
キャパシタ6から二次電池5へのプラス(+)側の電力経路は、放電遮断用MOSFET71と充電遮断用MOSFET72とが直列に接続された第一の電流ラインと、キャパシタ側電流量制限用MOSFET73と二次電池側電流量制限用MOSFET74とが直列に接続された第二の電流ラインとの二つの電流ラインが並列に接続されて構成されている。
【0020】
なお、本実施の形態では、第一の電流ラインおよび第二の電流ラインの並列接続をプラス側に設けたが、必要に応じてこれらの構成をグランド(−)側の電流ラインに設けても良いし、プラス側とグランド側の両方に設けても構わない。
【0021】
放電遮断用MOSFET71と充電遮断用MOSFET72とは、それぞれが内蔵するボディダイオード711,721が互いに逆向きとなるように接続される。図1に示す例では、ボディダイオード711,721のアノード同士が接続されるように、MOSFET71,72のソース側同士を接続している。このように、二つのMOSFET71,72を逆向きに直列接続することで、MOSFET71,72の両方をオフ状態とすると、双方向の電流に対して遮断状態となる。また、MOSFET71,72の両方をオン状態とすると、キャパシタ6側から二次電池5側へ流れる電流とその逆向きに流れる電流との、双方向の電流に対して非遮断状態となる。
【0022】
なお、本実施の形態では、キャパシタ6と二次電池5とをつなぐ電流経路が低抵抗な構成となるように、放電遮断用MOSFET71、放電遮断用MOSFET72にはオン抵抗が小さいエンハンスメント形NチャネルMOSFETを使用している。しかし、各MOSFETの全てもしくはいずれか一つにエンハンスメント形PチャネルMOSFETを使用しても構わないし、また、ノーマリオフタイプのGaN-FET、IGBTとダイオードとを組み合わせたものなど、同様のスイッチング機能を実現できるものであれば同様に適用可能である。
【0023】
また、放電遮断用MOSFET71および充電遮断用MOSFET72にNチャネルMOSFETを使用する場合、MOSFET71,72のゲートを駆動するための昇圧型ゲートドライバ(図示しせず)が用いられる。ゲートドライバはチャージポンプ型等、NチャネルMOSFETのゲート駆動が可能なものであればどのようなものでも構わない。
【0024】
図1に示す例では放電遮断用MOSFET71をキャパシタ6側、充電遮断用MOSFET72を二次電池5側に配置したが、各MOSFETが制御可能なように周辺回路を構成すれば、逆に配置しても構わない。
【0025】
一方、第二の電流ラインの電流量制限用MOSFET73と電流量制限用MOSFET74との接続に関しても、それぞれのボディダイオード731,741が逆向きとなるように接続される。そのため、MOSFET73,74の両方をオン状態とすると、キャパシタ6側から二次電池5側へ流れる電流とその逆向きに流れる電流との、双方向の電流に対して非遮断状態となり、MOSFET73,74の両方をオフ状態とすると、双方向の電流に対して遮断状態となる。なお、電流量制限用MOSFET73、74の場合もMOSFET71,72の場合と同様に、電流量制限用MOSFET73、74を図1と逆の位置に配置しても構わない。
【0026】
電流量制限用MOSFET73、74にはエンハンスメント形PチャネルMOSFETが使用され、電流量制限用MOSFET73、74の出力電流量は電流量制限回路起動用MOSFET76をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより調整される。電流量制限回路起動用MOSFET76にはエンハンスメント形NチャネルMOSFETが使用される。
【0027】
抵抗14は、電流量制限用MOSFET73,74をオン・オフさせたときに、半導体素子であるMOSFET76に大電流が流れて破損しないようにするための保護用抵抗である。電流量制限用MOSFET73,74をオンさせる場合にはこれらのゲート電圧をグランドレベルに落とす必要があるので、抵抗14の抵抗定数は、抵抗13の抵抗定数よりも十分小さいもの(例えば3ケタ小さいもの)を選ぶことが望ましい。
【0028】
図1に示す例では、電流量制限用MOSFET73、74にエンハンスメント形PチャネルMOSFETを使用しているが、同様の機能を実現できるように周辺回路を構成すれば、各電流量制限用MOSFETの全てもしくはいずれか一つにエンハンスメント形NチャネルMOSFETを使用しても構わない。
【0029】
放電遮断用MOSFET71および充電遮断用MOSFET72のオン・オフ制御、および、電流量制限回路起動用MOSFET76のPWM制御は、制御部11によって行われる。また、制御部11は、二次電池5の総電圧、電圧検出部12によって検出されるキャパシタ6の各セル電圧や総電圧などを監視している。
【0030】
図2は制御部11の構成概略を示すブロック図である。制御部11は電源装置全体の制御を行うものであり、専用のICや汎用マイコンが用いられるが、同様の機能が実現できるものであればこれらに限らない。制御部11は、スイッチ駆動手段111、電位差判定手段112、および上位との通信を行う通信手段113を備えている。
【0031】
スイッチ駆動手段111は、スイッチ駆動信号のゲートや電流量制限回路起動用MOSFET76を駆動する。電位差判定手段112は、二次電池5およびキャパシタ6の電圧を監視すると共に、後述する電位差判定を行う。キャパシタ電圧や二次電池電圧は、電位差判定手段112に設けられたA/Dコンバータ(不図示)によりA/D変換されて取り込まれる。
【0032】
通信手段113の上位への通信機能としては、CAN(Controller Area Network)、IC(Inter-Integrated Circuit)、SPI(System Packet Interface)など、必要な機能を満たすものであればどのようなものでも構わない。本実施の形態では、回転電機4を起動する際の起動信号(IGN信号)が、通信機能を介して上位システム(図示せず)から通信手段113へ入力される。
【0033】
通信手段113にIGN信号が入力されると、通信手段113から電圧測定および電位差判定の指令が電位差判定手段112に出力され、電位差判定手段112は、キャパシタ6および二次電池5の電圧を測定するとともに、その測定結果に基づいて後述する電位差判定を行う。電位差判定手段112は、測定結果および判定結果に基づいてスイッチ駆動信号をスイッチ駆動手段111へ出力する。スイッチ駆動手段111は、スイッチ駆動信号に基づいてMOSFET71,72および電流量制限回路起動用MOSFET76を駆動する。
【0034】
二次電池5とキャパシタ6との間の電位差が大きい状態で、第一の電流ラインのMOSFET71,72の両方をオンして二次電池5とキャパシタ6と接続すると、電位差に応じてキャパシタ側から二次電池側へ、または、二次電池側からキャパシタ側へ突入電流が流れることになる。そのため、予めプリチャージ用の第二の電流ラインを接続して、電位差が所定の電位差閾値になるまでプリチャージを行ってから、MOSFET71,72の両方をオン状態とする。
【0035】
次に、IGN起動時における制御方法について説明する。図3は、IGN起動時における制御手順を示すフローチャートである。この制御プログラムは制御部11において実行される。図3に示すフローチャートは、通信手段113にIGN信号が入力されてから、二次電池5とキャパシタ6との間にほぼ電位差がない状態とされて、リレー2a,2bがオンされる前までの制御を示したものである。
【0036】
上位システムから制御部11の通信手段113にIGN信号が入力されると、図3に示す制御がスタートしステップS100へ進む。ステップS100において、制御部11の電位差判定手段112は、二次電池5の総電圧とキャパシタ6の総電圧とを比較し、それらの電位差|ΔV|が予め設定された電位差閾値V以上か否かを判定する。すなわち、二次電池5とキャパシタ6とを接続する際、電流量制限処理が必要か否かを判定する。電位差閾値Vの一例としては、MOSFET71,72のボディダイオード711、721の順方向電圧(例えば0.5V)が考えられるが、必ずしもこれに限らない。
【0037】
ステップS100において、電位差判定手段112が、二次電池5の総電圧とキャパシタ6の総電圧との電位差|ΔV|が電位差閾値Vよりも小さいと判定すると、ステップS120へ進む。電位差|ΔV|が電位差閾値Vよりも小さい場合には突入電流のおそれがないので、ステップS120において、スイッチ駆動手段111の設定は、電流量制限回路起動用MOSFET76がオフ状態、MOSFET71およびMOSFET72がオン状態とされる。その結果、第一の電流ラインが双方向導通状態となる。すなわち、電源装置1は、キャパシタ6の充放電を自由に行うことができる通常状態となり、図3に示す制御処理が終了する。
【0038】
図3の制御処理が終了すると、電源装置1とインバータ装置3との間に設けられたリレー2a,2bがオンされ、IGN起動動作が実行される。なお、IGN起動時には回転電機4に大電流が流れるため、放電遮断用MOSFET71および充電遮断用MOSFET72には大電流に対応したMOSFETが用いられる。
【0039】
一方、ステップS100において、電位差|ΔV|が電位差閾値V以上と判定されると、ステップS115へと進んで、スイッチ駆動手段111の設定が電流量制限処理を行うための設定とされる。電流量制限処理とは、二次電池5とキャパシタ6との電位差|ΔV|を解消するための処理であり、MOSFET71、72がオフとなるように設定されるとともに、電流量制限回路起動用MOSFET76についてはPWM制御されるように設定される。電流量制限回路起動用MOSFET76のPWM制御については後述する。
【0040】
ステップS115の処理が終了したならば、ステップS100へ戻って電位差|ΔV|が電位差閾値V以上過否かの判定処理を再び行う。ステップS115の設定処理により二次電池5によるキャパシタ6の充電が開始されると、電位差|ΔV|は徐々に減少し、電位差|ΔV|が電位差閾値Vを下回るまでステップS110とステップS115の処理が繰り返される。そして、電位差|ΔV|が電位差閾値Vよりも小さくなると、ステップS100でYESと判定されてステップS120へ進む。
【0041】
図4は電流量制限処理時の電流量制限電流経路を示す図であり、制御方法の説明に必要なキャパシタ6、二次電池5、MOSFET71〜74、電流量制限回路起動用MOSFET76を示したものである。ステップS115のスイッチ状態に設定された電流量制限時においては、図4に示すように第二の電流ラインのみが双方向導通状態とされ、破線で示すような電流量制限電流経路が形成される。
【0042】
図5は、電流量制限処理時の電流制限方法を説明する図である。図5において、(a)は電流量制限回路起動用MOSFET76が周期的にオン・オフ動作しているときのタイムチャートであり、(b)はPWM制御時のデューティー比Dと電流量制限用MOSFET73、74のゲート−ソース間電圧との関係を示す図である。
【0043】
図5(a)に示すように、PWM制御時には電流量制限回路起動用MOSFET76は周囲的にオン・オフされる。電流量制限回路起動用MOSFET76は周期T2でオン・オフ動作し、T1はオンしている時間である。このとき、デューティー比Dは、D = T1/T2 で表わされる。デューティー比Dは、図2に示した制御部11のスイッチ駆動手段111により0≦D≦1の範囲で調整できるものとする。D=0の場合には電流量制限回路起動用MOSFET76は常にオフの状態となっており、D=1の場合には電流量制限回路起動用MOSFET76は常にオンの状態となっている。
【0044】
デューティー比Dの値が変化すると、電流量制限回路起動用MOSFET76のドレイン−ソース間は可変抵抗のようにふるまう。そのため、図5(b)に示すようにデューティー比Dの値に応じて電流量制限用MOSFET73、74のゲート−ソース間電圧が変動する。なお、電流量制限用MOSFET73、74はPチャネルMOSFETであるから、ソースに対してゲート電圧が低下していくことで飽和領域からオン抵抗領域へと推移していく。
【0045】
VGS0は電流量制限用MOSFET73,74が飽和領域からオン抵抗領域へと変わるときのゲート−ソース間電圧であるが、デューティー比DがD=D0のときにゲート−ソース間電圧はVGS0となる。そのため、デューティー比Dを0からD0の範囲で調整することにより、電流量制限用MOSFET73、74に流れるドレイン電流量(すなわち、第二の電流ラインを流れる電流量)を制限することができる。
【0046】
図6は、電流量制限処理時におけるタイムチャートを示す図であり、(a)はキャパシタ6と二次電池5との電位差|ΔV|を示し、(b)は電流量制限回路起動用MOSFET76の制御状態を示し、(c)はMOSFET71,72のオン・オフ状態を示す。時刻t1はステップS115の設定処理が行われ、電流量制限処理が開始される時刻である。
【0047】
t<t1においては、電流量制限回路起動用MOSFET76およびMOSFET71,72はオフ状態となっている。また、時刻t1における電位差|ΔV|は電位差閾値Vよりも大きくなっている。さらに、MOSFET71,72のボディダイオード711,721、および電流量制限用MOSFET73,74のボディダイオード731,741は、ダイオード同士が各々対向しているため、二次電池5とキャパシタ6の電圧の大小関係に関係なく、第一の電流ラインおよび第二の電流ラインのいずれにも電流は流れない。
【0048】
時刻t1において、電流量制限回路起動用MOSFET76をPWM制御して電流量制限用MOSFET73,74のドレイン電流を制御し、図4に示すような電流量制限電流を流す。なお、接続前におけるキャパシタ6の電位と二次電池5の電位との大小関係によって電流量制限電流の流れる向きは異なる。
【0049】
t>t1の電流量制限処理時においては、電流量制限電流が流れることによって、キャパシタ6と二次電池5との間の電位差|ΔV|が徐々に小さくなっていく。この電位差|ΔV|の変化を示す直線の傾き(すなわち電流量制限の程度)は、PWM制御のデューティー比Dを変更することにより調整することができる。
【0050】
電流量制限処理によりキャパシタ6と二次電池5との電位差|ΔV|が減少し、時刻t2において電位差|ΔV|が電位差閾値Vを下回ると、図3のステップS100からステップS120へ進み、電流量制限回路起動用MOSFET76をオフするとともに、MOSFET71およびMOSFET72をオン状態とする。その結果、第一の電流ラインは双方向導電状態になり、電位差|ΔV|は速やかに0Vへと低下する。なお、ステップS120では電流量制限回路起動用MOSFET76をオフして電流量制限用MOSFET73,74をオフ状態(遮断状態)としたが、電流量制限用MOSFET73,74をオン状態(非遮断状態)となるように電流量制限回路起動用MOSFET76を制御しても良い。
【0051】
上述した第1の実施の形態では、プリチャージ回路である第二の電流ラインに、図4に示すようにボディダイオード731,741が対向するように電流量制限用MOSFET73,74を直列配置したので、電位差解消のためのプリチャージ時の突入電流を双方向に関して防止することができる。このようなプリチャージ時における双方向の突入電流防止について、図7を参照して説明する
【0052】
図7(a)は従来の構成の一例(特許文献4に記載の構成に対応)を示したものであり、プリチャージ回路には半導体スイッチング素子40が一つしか設けられていない。メインスイッチにはリレーSMR1,SMR2が用いられている。二次電池5とキャパシタ6とを切断する場合には、リレーSMR1,SMR2を開状態とする。この従来の構成では、キャパシタ6の電圧VCAPが二次電池5の電圧VBATよりも大きくなる場合が考慮されておらず、そのような状況(VCAP>VBAT)でプリチャージのためにリレーSMR1を閉じると、半導体スイッチング素子40のボディダイオード401を介して突入電流が流れることになる。
【0053】
図7(b)は本実施の形態の場合を示す図であり、比較しやすいように図7(a)の場合と同様にメインスイッチとしてリレーSMR1,SMR2を配置した。この構成の場合、電流量制限用MOSFET73,74のボディダイオード731,741が対向するように構成されているため、リレーSMR2を閉じてプリチャージを行う際に、ボディダイオード731,741を介して突入電流が流れることはない。リレーSMR2を閉じたならば電流量制限回路起動用MOSFET76をPWM制御し、制限された電流を流して電位差解消を行う。
【0054】
さらに、図1,4に示す構成では、図7(b)の機械的可動部分を含むリレーSMR1,SMR2に代えて、一組のMOSFET71,72を用いるため、メインスイッチの耐久性の向上を図ることができる。MOSFET71,72についてもボディダイオード711,721が対向するように配置されているため、MOSFET71およびMOSFET72の両方をオフすることにより、二次電池5とキャパシタ6との間を完全遮断状態とすることができる。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、電流量制限回路起動用MOSFET76をPWM制御することで電流量制限用MOSFET73,74のゲート電圧を調整し、電流量を制限した。しかし、電流量制限回路起動用MOSFET76を用いる代わりに、電流量制限用MOSFET73,74のゲートを直接PWM制御するようにしてもかまわない。また、PWM制御にかかわらず、電流量制限用MOSFET73,74のゲート電圧を調整できるものであれば本実施の形態は適用可能である。
【0056】
−第2の実施の形態−
図8は本発明の第2の実施の形態による電源装置を説明する図であり、第1の実施の形態における図4に対応するものである。図8に示す第2の実施の形態では、電流量制限回路起動用MOSFET76の代わりに、電流量制限用MOSFET73,74をオン・オフするための電流量制限回路起動用スイッチ75を設けるとともに、電流量制限用MOSFET73,74と直列に制限抵抗8を設けて第二の電流ラインを流れる電流量を制限するようにした。なお、図8においては電流量制限回路起動用スイッチ75に通常のリレーを用いているが、半導体スイッチ(例えば、MOSFET)など同等の機能を有するものであればどのようなものでも構わない。
【0057】
図9は、図8の構成の場合の制御手順を示すフローチャートである。図3のステップS115およびステップS120の各処理は、図9のステップS215およびステップS220で置き換えられている。IGN信号を受信する前は、電流量制限回路起動用スイッチ75,MOSFET71,72は全てオフ状態とされている。電流量制限回路起動用スイッチ75がオフのときは、電流量制限用MOSFET73、74のゲート電圧は、ゲート電圧固定用抵抗13によってソース電圧と等しくなっている。そのため、電流量制限用MOSFET73、74はオフ状態となる。その結果、第一および第二の電流ラインは遮断状態とされる。
【0058】
ステップS215では、電流量制限回路起動用スイッチ75はオン状態とされ、MOSFET71,72はオフ状態とされる。電流量制限回路起動用スイッチ75をオンすると、電流量制限用MOSFET73、74のゲート電圧がグランドレベルに落ち、電流量制限用MOSFET73、74はオン状態となる。その結果、制限抵抗8によって電流量が制限された電流が第二の電流ラインに流れて、二次電池5とキャパシタ6との電位差|ΔV|が減少する。なお、接続前におけるキャパシタ6の電位と二次電池5の電位との大小関係によって電流量制限電流の流れる向きは異なる。
【0059】
ステップS220においては、電流量制限回路起動用スイッチ75およびMOSFET71,72の全てがオン状態とされる。その結果、第一および第二の電流ラインは双方向導通状態となり、電源装置1は、キャパシタ6の充放電を自由に行うことができる通常状態となる。
【0060】
本実施の形態では、二次電池5とキャパシタ6との電位差|ΔV|が電位差閾値Vを下回った時点で、ステップS120において第一および第二の電流ラインを双方向導通状態とした。しかし、第一および第二の電流ラインを双方向導通状態とした場合でも、第二の電流ラインには電流制限抵抗8が設けられているので、電流は主に第一の電流ラインを流れる。そのため、電流量制限回路起動用スイッチ75をオフにして第二の電流ラインに設けられた電流量制限用MOSFET73,74をオフ状態として、第一の電流ラインのみを双方向導通状態としても構わない。
【0061】
電流量制限用MOSFET73、74にはエンハンスメント形PチャネルMOSFETを使用しているが、同様の機能を実現できるように周辺回路を構成すれば、各電流量制限用MOSFETの全てもしくはいずれか一つにエンハンスメント形NチャネルMOSFETを使用しても構わない。電流量制限用MOSFET73、74にエンハンスメント形PチャネルMOSFETを使用した場合、電流量制限回路起動用スイッチ75をオンして電流量制限用MOSFET73、74のゲート電圧をグランドレベルとするだけで電流量制限用MOSFET73、74を容易にオンさせることができる。
【0062】
−第3の実施の形態−
第3の実施の形態は、キャパシタ6の下限電圧を考慮した制御である。下限電圧を有するキャパシタとしては、例えば、過放電閾値を持つリチウムイオンキャパシタなどがある。
【0063】
リチウムイオンキャパシタは過放電の状態が維持されると、内部でガス発生等が生じることがあり、キャパシタの性能が著しく劣化する。そこで、本実施の形態では、キャパシタ6のセル電圧が過放電閾値を下回っているかどうかを、制御部11において判定する。そして、セル電圧が過放電閾値を下回っていると判定された場合には、第一の電流ラインの放電遮断用MOSFET71をオフするとともに、第二の電源ラインに設けられた電流量制限用MOSFET73,74をオフする。これにより、キャパシタ6に対しては、第一の電流ラインによる充電のみが許可されることになる。このような構成とすることで、キャパシタ6の放電が阻止され過放電によるセルの劣化を防止でき、リチウムイオンキャパシタの安全性向上および長寿命化に効果的である。
【0064】
このような制御は、キャパシタ6と二次電池5とを接続する場合に行っても良いが、接続状態から切断状態にする場合や、リレー2a,2bがオン状態とされている電源装置1と負荷(インバータ装置3)とが接続されている状態において好適である。例えば、キャパシタ6が過放電閾値を下回った状態で接続状態から切断状態とされると、切断されている間は常に過放電状態に放置されることになり、キャパシタ6の性能劣化を招いてしまう。そのため、このような場合においては上記制御の適用は効果的である。
【0065】
なお、上述した実施の形態では、例えば、図1に示すように放電遮断用MOSFET71、充電遮断用MOSFET72にそれぞれ1個の素子を用いた。しかしながら、より大電流に対応するために、図10に示すように、放電遮断用MOSFET71および充電遮断用MOSFET72をそれぞれ同方向に並列接続された複数のMOSFETで構成するようにしてもよい。このように構成することで、通常使用時に流れる電流が並列接続された各MOSFETに分散するため、より大電流に対応させることができる。なお、電流量制限用MOSFET73,74についても、並列接続された複数のMOSFETで構成させてもよい。
【0066】
上述した実施の形態では、電源装置1は、インバータ装置3に対して並列接続される二次電池5およびキャパシタ6と、二次電池5とキャパシタ6とを結ぶ電流経路上に設けられて、経路切断状態と経路接続状態とを切り換えるMOSFET71,72と、MOSFET71,72と並列に接続され、直列接続された電流量制限用MOSFET73,74を有する電位差調整回路と、制御部11とを備えている。電流量制限用MOSFET73,74のボディダイオード731,741は対向するように設けられているので、電流量制限用MOSFET73,74が設けられた第二の電流ラインを介したプリチャージの際に、いずれの方向に対しても突入電流が発生するのを防止することができる。このように、プリチャージ時に突入電流を発生させることなく、二次電池5とキャパシタ6との電位差を解消させることができる。
【0067】
また、MOSFET71,72を経路切断状態から経路接続状態へ切り換える際に、二次電池5とキャパシタ6との間の電位差が所定の閾値以上か否かを判定し、閾値以上と判定されると電位差の低減を行い、電位差が閾値より小さいと判定されると電位差の低減を行わずに経路接続状態へ切り換えるようにした。そのため、MOSFET71,72をオン状態にして経路接続状態へ切り換えた際に、突入電流が発生することはない。
【0068】
なお、上述した実施の形態では、二次電池とキャパシタとの並列接続する構成の電源を例に説明したが、本発明はこれに限らず、自己放電率の異なる異種の蓄電素子を並列に組み合わせた電源装置に適用することができる。すなわち、キャパシタとキャパシタ、二次電池と二次電池のような組み合わせに関しても適用できる。また、キャパシタ6としては、正極材および負極材に異なる電極材料を用いたハイブリッドキャパシタ、例えば、負極にリチウムイオンがドープされたリチウムイオンキャパシタなどが適用できる。
【0069】
このように、本実施の形態は、自己放電率の異なる異種の蓄電装置を並列に組み合わせた電源装置であれば、いかなる種類の蓄電装置の組み合わせでも適用でき、そのような電源装置において、切断状態から接続を行う際に、双方の電圧の大小関係に関係なく、双方向の突入電流を防止して安全に接続処理を行うことができる。その結果、蓄電装置として二次電池を用いた場合、大電流が流れることによる負担が軽減されるので、二次電池の小型化、低価格化、長寿命化、電源装置全体の高信頼化にも効果的である。
【0070】
なお、上述した実施の形態では、車両のアイドリングストップシステムに適用した場合を例に説明したが、これに限らず、種々の負荷への電力を供給する電源装置に適用することができる。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態になんら限定されるものではない。また、実施の形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能であり、それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができる。
【符号の説明】
【0071】
1:電源装置、2:リレー、3:インバータ装置、4:回転電機、5:二次電池、6:キャパシタ、8:電流制限抵抗、11:制御部、12:キャパシタ電圧検出部、13:ゲート電圧固定用抵抗、71:放電遮断用MOSFET、72:充電遮断用MOSFET、73:キャパシタ側電流量制限用MOSFET、74:二次電池側電流量制限用MOSFET、75:電流量制限回路起動用スイッチ、76:電流量制限回路起動用MOSFET、111:スイッチ駆動手段、112:電位差判定手段、113:通信手段、14:MOSFET保護用抵抗、711,721,731,741:ボディダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に対して並列接続される第一の蓄電装置および第二の蓄電装置と、
前記第一の蓄電装置と前記第二の蓄電装置とを結ぶ電流経路上に設けられて、経路切断状態と経路接続状態とを切り換える主スイッチング回路と、
直列接続された第一および第二のスイッチング回路を有し、前記主スイッチング回路と並列に接続される電位差調整回路とを備え、
前記第一のスイッチング回路は、前記第一の蓄電装置から前記第二の蓄電装置へ流れる電流を遮断する向きのボディダイオードを内蔵する少なくとも一つの第一の半導体スイッチング素子を有し、
前記第二のスイッチング回路は、前記第二の蓄電装置から前記第一の蓄電装置へ流れる電流を遮断する向きのボディダイオードを内蔵する少なくとも一つの第二の半導体スイッチング素子を有し、
前記第一の蓄電装置と前記第二の蓄電装置との間の電位差を低減させるように前記第一および第二の半導体スイッチング素子を制御し、電位差低減後に前記主スイッチング回路を前記経路切断状態から前記経路接続状態へ切り換える制御部をさらに備えた電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置において、
前記第一のスイッチング回路は、前記第一の半導体スイッチング素子を複数並列接続したスイッチング素子群を有し、
前記第二のスイッチング回路は、前記第二の半導体スイッチング素子を複数並列接続したスイッチング素子群を有することを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電源装置において、
前記第一の蓄電装置と前記第二の蓄電装置との間の電位差が所定の閾値以上か否かを判定する電位差判定部を備え、
前記制御部は、前記電位差判定部により閾値以上と判定されると前記電位差の低減を行った後に前記経路接続状態へ切り換え、前記電位差判定部により電位差が閾値より小さいと判定されると前記電位差の低減を行わずに前記経路接続状態へ切り換えることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電源装置において、
前記制御部は、前記第一および第二の半導体スイッチング素子の出力電流量を調整する電流量調整回路をさらに有し、前記第一の蓄電装置と前記第二の蓄電装置との間の電位差に応じて前記出力電流量を調整して前記電位差を低減させることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電源装置において、
前記第一および第二の半導体スイッチング素子はMOSFETで構成され、
前記電流量調整回路は、前記MOSFETのゲート電圧を調整して前記第一および第二の半導体スイッチング素子の出力電流量を調整することを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電源装置において、
前記電位差調整回路は、第一および第二のスイッチング回路に直列接続された抵抗素子を有し、
前記制御部は、前記第一および第二の半導体スイッチング素子をそれぞれオン状態とすることで前記電位差を低減させることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電源装置において、
前記制御部は、前記第一の蓄電装置と前記第二の蓄電装置との間の電位差に応じて前記第一および第二の半導体スイッチング素子をPWM(Pulse Width Modulation)制御して出力電流量を調整し、前記電位差を低減させることを特徴とする電源装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電源装置において、
前記主スイッチング回路は、
前記第一の蓄電装置から前記第二の蓄電装置へ流れる電流を遮断する向きのボディダイオードを内蔵する少なくとも一つの第三の半導体スイッチング素子を有する第三のスイッチング回路と、
前記第二の蓄電装置から前記第一の蓄電装置へ流れる電流を遮断する向きのボディダイオードを内蔵する少なくとも一つの第四の半導体スイッチング素子を有する第四のスイッチング回路と、を直列接続して形成したものであることを特徴とする電源装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電源装置において、
前記第三のスイッチング回路は、前記第三の半導体スイッチング素子を複数並列接続したスイッチング素子群を有し、
前記第四のスイッチング回路は、前記第四の半導体スイッチング素子を複数並列接続したスイッチング素子群を有することを特徴とする電源装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の電源装置において、
前記第一および第二の半導体スイッチング素子はエンハンスメント形PチャネルMOSFETで構成され、
前記第三および第四の半導体スイッチング素子はエンハンスメント形NチャネルMOSFETで構成されることを特徴とする電源装置。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか一項に記載の電源装置において、
前記第一の蓄電装置はキャパシタセルで構成されるとともに、前記第二の蓄電装置は二次電池セルで構成され、
前記キャパシタセルの電圧が過放電閾値を下回っているか否かを判定する過放電判定部をさらに備え、
前記制御部は、前記過放電判定部により過放電閾値を下回っていると判定されると、前記第一、第二および第三のスイッチング素子をオフ状態にし、かつ、前記第四のスイッチング素子をオン状態とすることを特徴とする電源装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電源装置において、
前記第一および第二の蓄電装置の少なくとも一方は、正極材および負極材に異なる電極材料を用いたハイブリッドキャパシタで構成されていることを特徴とする電源装置。
【請求項13】
請求項12に記載の電源装置において、
前記ハイブリッドキャパシタは、負極にリチウムイオンがドープされたリチウムイオンキャパシタであることを特徴とする電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−254650(P2011−254650A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127689(P2010−127689)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000001203)新神戸電機株式会社 (518)
【Fターム(参考)】