説明

電界発光表示装置及びその製造方法

【課題】信頼性を確保することができ、画質及び製造歩留まりを向上させることができる電界発光表示装置を得る。
【解決手段】コンタクト領域及び画素領域を含む第1基板と、前記第1基板上に位置し、前記コンタクト領域及び画素領域を定義する、スキャン線、第1電源線及び第2電源線を含む信号線と、前記信号線上に位置し、前記第1及び第2電源線の一部を露出させる第1及び第2ビアホールを含むゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上のコンタクト領域及び画素領域に位置する第1コンタクト層及び半導体層と、前記第1コンタクト層上に位置する第2コンタクト層並びに前記半導体層上に位置するソース電極及びドレーン電極と、前記第1ビアホールを通じて前記第2コンタクト層と第1電源線とを接続する第1接続配線並びに前記ソース電極及びドレーン電極の中のいずれか1つと第2電源線とを接続する第2連接続配線とが設けられた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界発光表示装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル表示装置(Flat Panel Display Device)の中で、電界発光表示装置(Electroluminescent Display Device)は、応答速度が早くて、消費電力が少ないという長所を有する。また、電界発光表示装置はバックライトを必要としないので軽量薄型化が可能である。
【0003】
特に、有機電界発光表示装置(OELD:Organic Electroluminescent Display Device)は、アノードとカソードの間に有機発光層を含んでいるので、アノードから供給される正孔とカソードから供給される電子が有機発光層内で結合して正孔−電子対である励起子(exciton)を形成し、また励起子が底状態に戻りながら発生するエネルギーにより発光することになる。
【0004】
一般に、有機電界発光表示装置は、基板上に複数の薄膜トランジスタを形成し、各薄膜トランジスタ上にこれらと電気的に接続される有機発光ダイオードを形成した後、基板と封止基板を合着(封着)することにより製造される。
【0005】
上記の方法により有機電界発光表示装置を製造する際、薄膜トランジスタが良好に形成されても、発光ダイオードに不良が発生する場合には、有機電界発光表示装置は不良と判定される。即ち、発光ダイオードの歩留まりが全体の歩留まりを決定することになるので、製造時間及び製造コストを増大するという問題点があった。これを解決するために、下記のような製造方法が提案された。
【0006】
図1は、従来の電界発光表示装置の断面を示す図である。
【0007】
図1において、コンタクト領域A及び画素領域Bを含む第1基板100上にバッファー層105が形成される。このバッファー層105上に、スキャン線(図示していない)、第1電源線110a、ゲート電極110b、及び第2電源線110cを含む信号線が形成される。
【0008】
信号線が形成された第1基板上に、第1電源線110a及び第2電源線110cの一部を露出させる第1及び第2ビアホール135a、135dが設けられたゲート絶縁膜115が形成される。
【0009】
ゲート絶縁膜115上の画素領域Bにゲート電極110bと一定領域が対応するように半導体層120が形成される。この半導体層120の一定領域上にドレーン電極及びソース電極125b、125cが形成される。一方、ゲート絶縁膜115上のコンタクト領域Aに、第1ビアホール135aを通じて第1電源線110aに接続されるコンタクト層125aが形成される。このコンタクト層125aは、ドレーン電極及びソース電極125b、125cと同一の物質から形成される。
【0010】
コンタクト層125a、ドレーン電極及びソース電極125b、125cが形成された第1基板100上にパッシベーション膜130が形成される。このパッシベーション膜130は、コンタクト層125a及び第2ビアホール135dを露出させるように形成される。また、パッシベーション膜130内には、ドレーン電極125b及びソース電極125cの一部を露出させる第3及び第4ビアホール135b、135cが設けられている。
【0011】
そして、ソース電極125c上に、第4ビアホール135c及び第2ビアホール135dを通じてソース電極125cと第2電源線110cを電気的に接続させる第1接続配線140が形成される。
【0012】
第1基板100と対向するように設けられた第2基板150上には、第1電極155が形成される。ここで、第1電極155はアノードであり得る。
【0013】
第1電極155上に、第1電極155の一部を露出させる第1コンタクトホール165aと開口部165bが設けられた画素定義膜160が形成される。第1コンタクトホール165aはコンタクト領域Aに位置し、開口部165bは画素領域Bに位置する。
【0014】
画素定義膜160のコンタクト領域A及び画素領域Bに、各々第1及び第2スペーサ175a、175bが形成される。そして、第1スペーサ175a上に、第1コンタクトホール165aを通じて第1電極155に接続される第2接続配線180aが形成され、第2スペーサ175b及び発光層170上に第2電極180bが形成される。ここで、第2電極180bはカソードであり得る。
【0015】
第1基板100と第2基板150はシーラント190により合着され、合着時に第2接続配線180aと第2電極180bは、各々第1基板100に形成されたコンタクト層125a及びドレーン電極125bに電気的に接続される。
【0016】
上記のような構造を有する有機電界発光表示装置は、第1基板100と第2基板150を各々製造して、これらを合着して構成するため、突出したスペーサ175a、175bを用いて第1基板100に形成された薄膜トランジスタと第2基板150に形成された電極を接続させる構造を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、第1基板100のコンタクト領域Aと画素領域Bの間に段差があるため、図1の符号Cに示すように、第1基板100のコンタクト層125aと第2基板150の第2接続配線180aの接触不良が発生する。これにより、有機電界発光表示装置の駆動に必要な電圧が供給できなくなり、画面の品質を低下させることになる。また、接触不良の発生により、電界発光表示装置の信頼性を低下させ、製造歩留まりを減少させるという問題点があった。
【0018】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、信頼性を確保することができ、画質及び製造歩留まりを向上させることができる電界発光表示装置及びその製造方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る電界発光表示装置は、コンタクト領域及び画素領域を含む第1基板と、前記第1基板上に形成され、前記コンタクト領域及び画素領域を定義するスキャン線、第1電源線及び第2電源線を含む信号線と、前記信号線上に形成され、前記第1及び第2電源線の一部をそれぞれ露出させる第1及び第2ビアホールを含むゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上のコンタクト領域及び画素領域にそれぞれ形成された第1コンタクト層及び半導体層と、前記第1コンタクト層上に形成された第2コンタクト層、並びに前記半導体層上に形成されたソース電極及びドレーン電極と、前記第1ビアホールを通じて前記第2コンタクト層と前記第1電源線とを接続する第1接続配線と、前記第2ビアホールを通じて前記ソース電極及びドレーン電極の中のいずれか1つと前記第2電源線とを接続する第2接続配線とが設けられている。
【0020】
また、本発明に係る電界発光表示装置の製造方法は、コンタクト領域及び画素領域を含む第1基板を準備する工程と、前記第1基板上に、前記コンタクト領域及び画素領域を定義するように、ゲート電極、スキャン線、第1電源線及び第2電源線を含む信号線を形成する工程と、前記信号線が形成された前記第1基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上のコンタクト領域及び画素領域に、第1コンタクト層及び前記ゲート電極と一定領域が対応する半導体層をそれぞれ形成する工程と、前記第1コンタクト層上に第2コンタクト層を形成すると共に、前記半導体層上にソース電極及びドレーン電極を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜内に前記第1及び第2電源線の一部を露出させる第1及び第2ビアホールをそれぞれ形成する工程と、前記第1ビアホールを通じて前記第1電源線と前記第2コンタクト層とを電気的に接続する第1接続配線を形成すると共に、前記第2ビアホールを通じて前記第2電源線と前記ソース電極またはドレーン電極とを電気的に接続する第2接続配線を形成する工程とが設けられている。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る電界発光表示装置及びその製造方法は、信頼性を確保することができ、画質及び製造歩留まりを向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明をより具体的に説明するために、本発明の一実施の形態を添付された図面を参照しつつ詳細に説明する。しかしながら、本発明は、ここに説明される実施の形態に限られるものではなく、他の形態で具体化することもできる。図面において、ある層(膜)が他の層(膜)または基板“上”にあると説明されている場合には、それは他の層(膜)または基板上に直接形成されているときか、または、それらの間に第3の層が介在しているときである。なお、明細書及び図面の全体に亘って同一符号は、同一又は相当部分を表す。
【0023】
図2は、本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置を示す平面図である。
【0024】
図2において、本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置は、スキャン駆動部200、データ駆動部210、制御部(図示していない)、電圧供給部(図示していない)及び表示部220が設けられている。
【0025】
制御部は、スキャン駆動部200、データ駆動部210及び電源供給部に制御信号を出力する。スキャン駆動部200は、制御部からの制御信号に応じて、スキャン駆動部200に接続されたスキャン線250を通じて表示部220にスキャン信号を出力する。データ駆動部210は、制御部からの制御信号に応じて、スキャン駆動部200から出力されるスキャン信号に同期して、データ駆動部210に接続されたデータ線260を通じて表示部220にデータ信号を出力する。制御信号を受信した電源供給部は、第1及び第2電源線230、240を通じて駆動に必要な電圧を表示部220に出力する。
【0026】
表示部220は、複数個の画素Pを含み、画素領域はデータ線260とスキャン線250の交差によって定義される。画素Pは、少なくとも1つ以上の薄膜トランジスタ(図示していない)と、第1電極270、発光層(図示していない)及び第2電極(図示していない)を含む発光ダイオードとを含む。ここで、第1電極270は、画素P毎に形成されずに、表示部220の全体に共通に形成され、第1電源線230に電気的に接続される。そして、第2電極は、画素P毎に形成され、各々薄膜トランジスタ及び第2電源線240に接続される。
【0027】
図3は、図2のI−I’線に沿って切断した電界発光表示装置の部分断面を示す図である。
【0028】
図3において、第1基板300上にバッファー層305が形成される。このバッファー層305上に、スキャン線(図示していない)、第1電源線310a、ゲート電極310b、及び第2電源線310cを含む信号線が形成される。ここで、第1電源線310aは正の電源線(VDD)であり、第2電源線310cは負の電源線(VSS)である。上記のような信号線の交差によって画素領域Bが定義される。また、第1電源線310aの位置によってコンタクト領域Aが定義される。
【0029】
信号線を含む第1基板300上にゲート絶縁膜315が形成される。このゲート絶縁膜315上のコンタクト領域Aに第1コンタクト層320a及び第2コンタクト層325aが形成され、ゲート絶縁膜315上の画素領域Bにゲート電極310bと一定領域が対応する半導体層320b、ドレーン電極及びソース電極325b、325cが形成される。ここで、第1コンタクト層320aは半導体層320bと同一の物質であり、第2コンタクト層325aはドレーン電極及びソース電極325b、325cと同一の物質である。また、第1コンタクト層320aの高さは、半導体層320bの高さと実質的に同一であり、第2コンタクト層325aの高さは、ドレーン電極及びソース電極325b、325cの高さと実質的に同一である。
【0030】
第2コンタクト層325a、ドレーン電極及びソース電極325b、325cを含んだ第1基板300上にパッシベーション膜330が形成される。このパッシベーション膜330及びゲート絶縁膜315内に、第1電源線310aの一部を露出させる第1ビアホール335a及び第2電源線310cの一部を露出させる第2ビアホール335fが形成される。また、パッシベーション膜330内には、第2コンタクト層325aの一部を露出させる第3ビアホール335b及び第4ビアホール335cが形成され、ドレーン電極325b及びソース電極325cの一部を露出させる第5及び第6ビアホール335d、335eが形成される。
【0031】
第2コンタクト層325a上に、第1ビアホール335a及び第3ビアホール335bを通じて第1電源線310aと第2コンタクト層325aを電気的に接続する第1接続配線340aが形成される。また、ソース電極325c上に、第6ビアホール335e及び第2ビアホール335fを通じてソース電極325cと第2電源線310cを電気的に接続する第2接続配線340bが形成される。
【0032】
次に、第1基板300と対向するように第2基板350が用意される。この第2基板350上に第1電極355が形成される。ここで、第1電極355はアノードであり得る。第1電極355上に、第1電極355の一部を露出させる第1コンタクトホール365aと開口部365bを含む画素定義膜360が形成される。第1コンタクトホール365aはコンタクト領域A上に位置し、開口部365bは画素領域B上に位置する。そして、開口部365b内には発光層370が形成される。
【0033】
画素定義膜360上のコンタクト領域Aに第1スペーサ375aが形成され、画素定義膜360上の画素領域Bに第2スペーサ375bが形成される。第1スペーサ375a上に、第1コンタクトホール365aを通じて第1電極355と電気的に接続される第3接続配線380aが形成され、第2スペーサ375b及び発光層370上に第2電極380bが形成される。
【0034】
第1基板300と第2基板350は、シーラント390により合着(接着)される。合着により、第3接続配線380aと第2電極380bは、各々第4ビアホール335c及び第5ビアホール335dを通じて第1基板300に形成された第2コンタクト層325a及びドレーン電極325bと電気的に接続される。
【0035】
以下、上記の構造を有する電界発光表示装置の製造方法を説明する。
【0036】
図4A乃至図4Hは、本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【0037】
図4Aにおいて、第1基板400上にバッファー層405が形成される。このバッファー層405は、第1基板400から流出されるアルカリイオンなどのような不純物から後続工程で形成される薄膜トランジスタを保護するために形成されるもの、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiNx)などを使用して選択的に形成される。
【0038】
バッファー層405上に第1導電層が形成される。この第1導電層は、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金(Al alloy)、モリブデン(Mo)、モリブデン合金(Mo alloy)、タングステン(W)、タングステンシリサイド(WSi)からなる群から選択される1つで形成することが好ましい。次に、第1導電層をパターニングして、スキャン線(図示していない)、第1電源線410a、ゲート電極410b、及び第2電源線410cを含む信号線が形成される。ここで、第1電源線410aは正の電源線(VDD)であり、第2電源線410cは負の電源線(VSS)である。上記のような信号線の交差によって画素領域Bが定義される。また、第1電源線410aの位置によってコンタクト領域Aが定義される。上記のような信号線を含む第1基板400上にゲート絶縁膜415が形成される。ゲート絶縁膜415は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、他の絶縁物のいずれかで形成することができる。
【0039】
図4Bにおいて、ゲート絶縁膜415上に非晶質シリコン層または多結晶シリコン層が形成される。次に、これをパターニングしてコンタクト領域Aに第1コンタクト層420aが形成され、画素領域Bにゲート電極410bと一定領域が対応するように半導体層420bが形成される。したがって、第1コンタクト層420aの高さは半導体層420bの高さと同一である。
【0040】
図4Cにおいて、第1コンタクト層420a及び半導体層420bが形成された第1基板400上に第2導電層が形成される。ここで、第2導電層は、配線抵抗を低めるために低抵抗物質で形成されており、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタニウム(Ti)、アルミニウム(Al)、または、アルミニウム合金(Al alloy)で形成することができる。
【0041】
第2導電層をパターニングして第1コンタクト層420a上に第2コンタクト層425aが形成され、半導体層420bの一定領域にドレーン電極及びソース電極425b、425cが形成される。
【0042】
次に、第2コンタクト層425a、ドレーン電極及びソース電極425b、425cが形成された第1基板400上にパッシベーション膜430が形成される。次に、パッシベーション膜430及びゲート絶縁膜415をエッチングして、第1ビアホール435a及び第2ビアホール435fが形成される。また、パッシベーション膜430をエッチングして第2コンタクト層425aの一部を露出させる第3及び第4ビアホール435b、435c、ドレーン電極及びソース電極425b、425cの一部をそれぞれ露出させる第5及び第6コンタクトホール435d、435eが形成される。この際、第1及び第2ビアホール435a、435fと第3乃至第6ビアホール435b、435c、435d、435eは各々形成してもよいし、ハーフトーンマスクを用いたドライエッチングを実行することによって、同時に形成してもよい。
【0043】
図4Dにおいて、第1乃至第6ビアホール435a、435f、435b、435c、435d、435eが形成された第1基板400上に第3導電層が形成される。次に、第3導電層をパターニングして第1ビアホール435a及び第3ビアホール435bを通じて第1電源線410aと第2コンタクト層425aを電気的に接続させる第1接続配線440aが形成されると共に、第6ビアホール435e及び第2ビアホール435fを通じてソース電極425cと第2電源線410cを電気的に接続させる第2接続配線440bが形成される。
【0044】
図4Eにおいて、コンタクト領域A及び画素領域Bを含む第2基板450を準備する。次に、第2基板450上に第4導電層である第1電極455が形成される。ここで、第1電極455はアノードであり、インジウム−スズ−オキサイドITO(Indium Tin Oxide)、インジウム−亜鉛−オキサイドIZO(Indium Zinc Oxide)、インジウム−セリウム−オキサイドICO(Indium Cerium Oxide)または酸化亜鉛ZnO(Zinc Oxide)のようなワーク関数の高い透明導電膜を使用して形成することができる。ここで、第1電極455は、図2の符号270に示すように、画素毎にパターニングすることなく、共通電極として形成することができる。
【0045】
第1電極455上に画素定義膜460が形成される。次に、画素定義膜460をエッチングして第1電極455の一部を露出させる第1コンタクトホール465a及び開口部465bが形成される。第1コンタクトホール465aはコンタクト領域Aに位置し、開口部465bは画素領域Bに位置する。
【0046】
図4Fにおいて、画素定義膜460上にフォトレジストを塗布した後、これを露光及び現像して第1及び第2スペーサ475a、475bが形成される。ここで、第1及び第2スペーサ475a、475bは、第2コンタクト層425a及びドレーン電極425bと対応する位置に形成される。これは、第1基板400と第2基板450の合着の際、第1及び第2スペーサ475a、475bは、第2コンタクト層425a及びドレーン電極425bにそれぞれ接続されるためである。
【0047】
本発明の一実施の形態では、第1及び第2スペーサ475a、475bをフォトレジストで形成したが、これに限られず、使用可能な他の物質で形成することができる。
【0048】
次に、開口部465b内に発光層470が形成される。ここに図示してはいないが、第1電極455と発光層470との間には正孔注入層、正孔輸送層のいずれかが形成され、発光層470上には電子輸送層、電子注入層のいずれかが形成される。
【0049】
図4Gにおいて、第1及び第2スペーサ475a、475b、第1コンタクトホール465a及び発光層470が形成された第2基板450上に第5導電層が形成される。この第5導電層は、配線抵抗及びワーク関数の低いマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、または、これらの合金から形成することができる。第5導電層をパターニングして第1スペーサ475a上に位置し、第1コンタクトホール465aを通じて第1電極455と電気的に接続される第3接続配線480aが形成されると共に、第2スペーサ475b及び発光層470上に位置する第2電極480bが形成される。
【0050】
図4Hにおいて、上記のように製造された第1基板400と第2基板450を、シーラント490を用いて合着する。合着の際、第3接続配線480aと第2電極480bは、各々第4ビアホール435c及び第5ビアホール435dを通じて、第1基板400に形成された第2コンタクト層425a及びドレーン電極425bに電気的に接続される。
【0051】
上述したように、本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の第1基板は、追加の工程なしにコンタクト領域Aと画素領域Bの間に段差が発生しないように製造することができる。したがって、第1基板と第2基板の合着の際、第1電源線と第1電極は良好に接続され、第1電極は第1電源線から駆動に必要な電圧の供給を受けることができる。これは、電界発光表示装置の画面の品質を向上させることができ、電力線搬送通信装置の信頼性及び製造歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】従来の電界発光表示装置の断面を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の平面図である。
【図3】図2のI−I’線に沿って切断した電界発光表示装置の部分断面を示す図である。
【図4A】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図4B】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図4C】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図4D】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図4E】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図4F】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図4G】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図4H】本発明の一実施の形態に係る電界発光表示装置の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
300、400 第1基板、305、405 バッファー層、230、310a、410a 第1電源線、310b、410b ゲート電極、240、310c、410c 第2電源線、315、415 ゲート絶縁膜、320b、420b 半導体層、325b、425b ドレーン電極、325a、425a ソース電極、330、430 パッシベーション膜、350、450 第2基板、270、355、455 第1電極、340b、440b 第2接続配線、380b、480b 第2電極、200 スキャン駆動部、210 データ駆動部、220 表示部、250 スキャン線、260 データ線、320a、420a 第1コンタクト層、325a、425a 第2コンタクト層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクト領域及び画素領域を含む第1基板と、
前記第1基板上に形成され、前記コンタクト領域及び画素領域を定義するスキャン線、第1電源線及び第2電源線を含む信号線と、
前記信号線上に形成され、前記第1及び第2電源線の一部をそれぞれ露出させる第1及び第2ビアホールを含むゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上のコンタクト領域及び画素領域にそれぞれ形成された第1コンタクト層及び半導体層と、
前記第1コンタクト層上に形成された第2コンタクト層、並びに前記半導体層上に形成されたソース電極及びドレーン電極と、
前記第1ビアホールを通じて前記第2コンタクト層と前記第1電源線とを接続する第1接続配線と、
前記第2ビアホールを通じて前記ソース電極及びドレーン電極の中のいずれか1つと前記第2電源線とを接続する第2接続配線と
を備えたことを特徴とする電界発光表示装置。
【請求項2】
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第2基板上に形成された第1電極と、
前記第1電極上に形成され、前記第1電極の一部を露出させる第1コンタクトホール及び開口部を含む画素定義膜と、
前記画素定義膜上に形成された第1及び第2スペーサと、
前記開口部内に形成された発光層と、
前記第1スペーサ上に形成され、前記第1電極と前記第2コンタクト層とを接続する第3接続配線と、
前記第2スペーサ及び発光層上に形成され、前記ソース電極及びドレーン電極の中のいずれか他の1つと電気的に接続する第2電極とをさらに備えた
請求項1記載の電界発光表示装置。
【請求項3】
前記第1コンタクト層の高さは前記半導体層の高さと同一であり、前記第2コンタクト層の高さは前記ソース電極及びドレーン電極の高さと同一である
請求項1記載の電界発光表示装置。
【請求項4】
前記第1電極はアノードであり、前記第2電極はカソードである
請求項2記載の電界発光表示装置。
【請求項5】
前記発光層は、有機物からなる
請求項2記載の電界発光表示装置。
【請求項6】
前記第1電源線は正の電源線であり、前記第2電源線は負の電源線である
請求項1記載の電界発光表示装置。
【請求項7】
前記第2コンタクト層、ソース電極及びドレーン電極上に形成され、前記第2コンタクト層の一部を露出させる第3及び第4ビアホール、並びに前記ソース電極及びドレーン電極の一部をそれぞれ露出させる第5及び第6ビアホールを含むパッシベーション膜をさらに備えた
請求項1記載の電界発光表示装置。
【請求項8】
コンタクト領域及び画素領域を含む第1基板を準備する工程と、
前記第1基板上に、前記コンタクト領域及び画素領域を定義するように、ゲート電極、スキャン線、第1電源線及び第2電源線を含む信号線を形成する工程と、
前記信号線が形成された前記第1基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上のコンタクト領域及び画素領域に、第1コンタクト層及び前記ゲート電極と一定領域が対応する半導体層をそれぞれ形成する工程と、
前記第1コンタクト層上に第2コンタクト層を形成すると共に、前記半導体層上にソース電極及びドレーン電極を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜内に前記第1及び第2電源線の一部を露出させる第1及び第2ビアホールをそれぞれ形成する工程と、
前記第1ビアホールを通じて前記第1電源線と前記第2コンタクト層とを電気的に接続する第1接続配線を形成すると共に、前記第2ビアホールを通じて前記第2電源線と前記ソース電極またはドレーン電極とを電気的に接続する第2接続配線を形成する工程と
を含むことを特徴とする電界発光表示装置の製造方法。
【請求項9】
コンタクト領域及び画素領域を含む第2基板を準備する工程と、
前記第2基板上に第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上の前記コンタクト領域及び画素領域に前記第1電極の一部を露出させる第1コンタクトホール及び開口部を含む画素定義膜を形成する工程と、
前記開口部内に発光層を形成する工程と、
前記画素定義膜上の前記コンタクト領域及び画素領域に第1及び第2スペーサをそれぞれ形成する工程と、
前記第1コンタクトホールを通じて前記第1電極と電気的に接続されるように前記第1スペーサ上に第3接続電極を形成し、前記発光層及び第2スペーサ上に第2電極を形成する工程と、
前記第1基板と前記第2基板とを合着して、前記第3接続電極と前記第2コンタクト層とを電気的に接続させ、前記第2電極と前記ソース電極またはドレーン電極とを電気的に接続させる工程とをさらに含む
請求項8記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1コンタクト層は前記半導体層と同一の物質で形成され、前記第2コンタクト層は前記ソース電極及びドレーン電極と同一の物質で同時に形成される
請求項8記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2コンタクト層、ソース電極及びドレーン電極上にパッシベーション膜を形成する工程と、
前記パッシベーション膜をエッチングして、前記第2コンタクト層の一部を露出させる第3及び第4ビアホールを形成し、前記ソース電極及びドレーン電極の一部をそれぞれ露出させる第5及び第6ビアホールを形成する工程とをさらに含む
請求項8記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1及び第2ビアホールを形成する工程は、前記第3乃至第6ビアホールを形成する工程と同時に実行される
請求項11記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1電極は、インジウム−スズ−オキサイド、インジウム−亜鉛−オキサイド、インジウム−セリウム−オキサイド及び酸化亜鉛からなる群から選択されたいずれか1つ以上で形成する
請求項9記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記第2電極は、マグネシウム、銀、アルミニウム、カルシウム及びこれらの合金からなる群から選択されたいずれか1つ以上で形成する
請求項9記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記発光層は、有機物で形成する
請求項9記載の電界発光表示装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate

【図4G】
image rotate

【図4H】
image rotate


【公開番号】特開2007−310347(P2007−310347A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324169(P2006−324169)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(599127667)エルジー フィリップス エルシーディー カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】