説明

電話システムおよび画像データ管理装置

【課題】保留を解除すべき相手を容易に識別することができる電話システムおよび画像管理装置を提供する。
【解決手段】TV−IP電話機4A〜4Dは、通話相手との通話を保留にすると、通話相手側から受信した画像データを保留装置3に送信する。保留装置3は、TV−IP電話機4A〜4Dから受信した保留画像データを記憶する。TV−IP電話機4A〜4Dにより保留にされた通話相手の確認が要求されると、保留装置3は、確認が要求された通話相手と対応付けられた保留画像データをTV−IP電話機4A〜4Dに送信する。これにより、TV−IP電話機4A〜4Dでは、確認が要求された通話相手側から受信した画像データに基づく画像がモニタに表示されるので、保留にした通話相手を容易に識別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、画像を表示する表示手段を備えた電話機を有する電話システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の呼を保留できる電話システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。近年では、電話装置の子機にカメラを付け、いわゆるTV電話として利用することもある。
【0003】
このような電話システムでは、収容する回線やチャネルの数だけ呼を保留することができる。保留された呼(以下、保留呼という)に応答するには、その保留の登録や解除を行うキー(以下、保留キーと呼ぶ)を押下することにより行われる。
【0004】
【特許文献1】特開平5−316220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電話システムでは、保留に応答すべき相手を忘れてしまった場合、保留を解除して通話することによりその通話相手を確認しなければならなかった。通常、保留キーには、保留相手を識別するためのランプが設けられているが、このランプでは、自分または他人が保留したか程度しか保留呼を識別することができないので、他人による保留呼に応答する場合には、その保留呼が多数存在すると、どの保留呼を解除すればよいのか混乱することがあった。
【0006】
そこで、本願発明は、保留を解除すべき相手を容易に識別することができる電話システムおよび画像データ管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述したような課題を解消するために、本発明に係る電話システムは、画像を表示する表示手段を備えた電話機と、電話機が受信する画像データを記憶する記憶手段と、保留操作を検出すると通話相手との呼を保留にする保留手段と、電話機における保留中の呼の確認操作が検出されると、記憶手段に記憶した画像データを当該電話機に送信し、表示手段に表示させる送信手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記電話システムにおいて、記憶手段から電話機に画像データが送信された後、当該画像データの送信元となった通話相手との通話が要求されると、この通話相手の呼の保留を解除して、電話機と接続する保留解除手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0009】
また、本発明に係る他の電話システムは、回線に接続され、複数の通話チャネルを収容し、一の通話チャネルに接続された電話機と、他の通話チャネルとの間の呼を制御するとともに、他の通話チャネルを介して受信する画像データを一の通話チャネルを介して電話機に供給する主装置と、他の通話チャネルが保留されたときに、当該他の通話チャネルを介して受信された保留前の画像データを記憶する画像データ管理装置とを有し、電話機は、当該電話機の通話相手の画像データを記憶する第1の記憶手段と、当該電話機における保留操作が検出されると、第1の記憶手段に記憶された画像データを画像データ管理装置に送信する第1の送信手段とを備え、画像データ管理装置は、第1の送信手段から受信した画像データを、電話機における保留操作により保留された他の通話チャネルと関連づけて記憶する第2の記憶手段と、一の電話機における保留中の通話チャネルの確認操作が検出されると、その通話チャネルと対応付けられた画像データを第2の記憶手段から読み出して、一の電話機に送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他の電話システムは、複数の電話機を収容する主装置と、画像データを記憶する画像データ管理装置とを備えた電話システムであって、電話機のうち少なくとも1つは、当該電話機の通話相手の画像データを記憶する第1の記憶手段と、当該電話機における保留操作が検出されると、第1の記憶手段に記憶された画像データを画像データ管理装置に送信する第1の送信手段とを備え、画像データ管理装置は、第1の送信手段から受信した画像データと、電話機により保留にされた電話機とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、電話機により、保留にされた通話相手の電話機を指定する確認操作が検出されると、保留にされた電話機と対応付けられた画像データを第2の記憶手段から読み出して、当該電話機に送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る画像データ管理装置は、一の電話機における保留操作が検出されると、この保留操作の検出前に当該電話機に送信された画像データを、保留操作により保留にされた通話チャネルと対応付けて記憶する記憶手段と、一の電話機における保留中の通話チャネルの確認操作が検出されると、通話チャネルと対応付けて記憶手段に記憶された画像データを読み出して、一の電話機に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る他の画像データ管理装置は、一の電話機における保留操作が検出されると、この保留操作の検出前に当該電話機に送信された画像データを記憶する記憶手段と、一の電話機における保留電話機の確認操作が検出されると、記憶手段に記憶された画像データを読み出して、一の電話機に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。ここで、保留電話機とは、保留中の電話機、特に、上記電話機の通話相手の電話機のことを意味する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電話機において保留中の呼の確認操作が検出されると、記憶手段に記憶した画像データが当該電話機に送信され、電話機の表示手段に表示されるので、保留にされた相手を画像により確認することが可能となるので、保留を解除すべき相手を容易に識別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
[電話システム]
本実施の形態に係る電話システムは、主に、主装置1と、外線GW(Gate Way)2と、保留装置3と、TV−IP電話機4A〜4Dとを備えている。
【0016】
主装置1は、IP網11からのIP回線12に接続されて、IP回線12を終端制御することによりIP網11側との各種呼制御を行う。また、主装置1は、給電HUB21およびバス22を介して接続されたTV−IP電話機4A〜4D、給電HUB23およびバス24を介して接続されたIP電話機5A,5B、並びに、給電HUB23、バス24および電話アダプタ25を介して接続されたアナログ電話機6Aの呼制御およびデータ通信の制御を行う。電話網13側との呼制御およびデータ通信の制御は、給電HUB23およびバス24を介して接続された外線GW2を介して行われる。
【0017】
外線GW2は、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Service Digital Network)等の電話網13からの電話回線14に接続されて、この電話回線14を終端制御することにより、電話網13側との各種呼制御を行う。
【0018】
保留装置3は、画像データ管理装置として機能し、HUB26を介して主装置1に接続され、この主装置1に収容された端末装置およびIP網11や電話網13に接続された端末装置と通話パスを形成し、通話パスを形成した端末装置に対して保留音や保留画像を送出することにより、当該端末装置の呼を保留とする保留動作を行う。また、保留操作を行った端末装置から受信した画像データを記憶し、保留中の呼を確認する確認操作を行った端末装置に対して、その呼に対応付けられた画像データを送信する画像管理動作を行う。
【0019】
TV−IP電話機4A〜4Dは、カメラおよびモニタを備えた電話機であり、カメラにより撮像した画像を相手先に送出するとともに、相手先より受け取った画像をモニタに表示することにより、TV電話を実現する。
【0020】
上記構成により、TV−IP電話機4A〜4Dは、IP網11に接続されたTV−IP電話機4X、携帯電話機7、T−GW8およびGW9等の各通信装置と通話やデータ通信が可能となる。また、電話網13に接続されたアナログ電話機6Xと通話することが可能となる。同様に、IP電話機5A,5Bおよびアナログ電話機6Aについても、IP網11に接続されたTV−IP電話機4X、携帯電話機7,T−GW8およびGW9等の各通信装置、並びに、電話網13に接続されたアナログ電話機6Xと通話やデータ通信が可能となる。
【0021】
本実施の形態に係る電話システムでは、TV−IP電話機4A〜4Dが通話中の相手との呼を保留にすると、TV−IP電話機4A〜4Dのモニタに表示されていた当該相手の画像を保留装置3により記憶される。TV−IP電話機4A〜4Dにより保留呼を解除するために任意の保留呼が選択されると、この保留呼に対応する保留装置3に記憶された画像がTV−IP電話機4A〜4Dのモニタに表示される。これにより、保留解除を行う相手を確認できるようにしたものである。以下に、本実施の形態に係る電話システムの主要な構成要素である主装置1、外線GW2、保留装置3およびTV−IP電話機4A〜4Dについて詳細に説明する。
【0022】
[主装置1]
図2に示すように、主装置1は、コンピュータで動作する通信制御装置であり、IP回線インターフェース部(以下、「IP回線I/F部」という)101と、LANインターフェース部(以下、「LANI/F部」という)102と、記憶部103と、制御部104とから構成される。
【0023】
IP回線I/F部101は、IP網11からのIP回線12を終端制御し、IP回線12について着信検出や発信などの回線制御を行う。
LANI/F部102は、バス22やバス24等を介して、外線GW2,保留装置3,TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5B,アナログ電話機6Aとデータ通信を行うことにより、接続された各装置と制御データや音声データをやり取りする。
【0024】
記憶部103は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、呼制御情報103Aやプログラム103Pを格納する。呼制御情報103Aは、IP回線12の状態や、TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5Bおよびアナログ電話機6Aの動作状態を管理するための情報である。なお、プログラム103Pは、IP回線I/F部101やLANI/F部102などの入出力インターフェース部を介して外部装置や記録媒体から読み取られ予め記憶部103へ格納される。
【0025】
制御部104は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部103からプログラム103Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム103Pを協働させることにより、呼制御手段104Aを実現する。この呼制御手段104Aは、記憶部103の呼制御情報103Aに基づき回線I/F部101やLANI/F部102を制御して、IP回線12の回線制御や、TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5Bおよびアナログ電話機6Aの動作制御を行う。また、TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5B、アナログ電話機6A、並びに、IP網11および電話網13に接続された端末装置の間の画像データ等のデータ通信を制御する。
【0026】
[外線GW2]
図3に示すように、外線GW2は、コンピュータで動作する通信制御装置であり、電話回線インターフェース部(以下、「電話回線I/F部」という)201と、LANI/F部202と、記憶部203と、制御部204とから構成される。
【0027】
電話回線I/F部201は、電話網13からの電話回線14を終端制御し、電話回線14について着信検出や発信などの回線制御を行う。
LANI/F部102は、バス24等を介して、主装置1,保留装置3,TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5B,アナログ電話機6Aとデータ通信を行うことにより、接続された各装置と制御データや音声データをやり取りする。
【0028】
記憶部203は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、呼制御情報203A、固定映像データ203Bおよびプログラム203Pを格納する。呼制御情報203Aは、電話回線14の状態や、TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5Bおよびアナログ電話機6Aの動作状態を管理するための情報である。固定画像データ203Bは、電話網13に接続された端末装置が通話を行う場合、主装置1に収容された端末装置のモニタに表示させる動画や静止画等のデータ(以下、画像データという)である。なお、プログラム203Pは、電話回線I/F部201やLANI/F部202などの入出力インターフェース部を介して外部装置や記録媒体から読み取られ予め記憶部203へ格納される。
【0029】
制御部204は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部203からプログラム203Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム203Pを協働させることにより呼制御手段204Aを実現する。この呼制御手段204Aは、記憶部203の呼制御情報203Aに基づき電話回線I/F部201やLANI/F部202を制御して、電話回線14の回線制御や、TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5Bおよびアナログ電話機6Aの動作制御を行う。
【0030】
[保留装置3]
図4に示すように、保留装置3は、コンピュータで動作する通信制御装置であり、LANI/F部301と、記憶部302と、制御部303とから構成される。
【0031】
LANI/F部301は、各種通信回線を介して、主装置1,外線GW2,TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5B,アナログ電話機6Aとデータ通信を行い、接続された各装置と音声データや画像データをやり取りする。
【0032】
記憶部302は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、保留制御情報302A、固定データ302B、保留画像データ302Cおよびプログラム302Pを格納する。
保留制御情報302Aは、TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5Bおよびアナログ電話機6A並びにIP網11および電話網13側の端末装置の保留状態を管理するための情報である。
固定データ302Bは、通話パスが接続され呼が保留とされた端末装置に対して送出する保留状態を表す音声データ(以下、保留音データという)や画像データ(以下、保留画像データという)である。
保留画像データ302Cは、通話相手との呼を保留にしたTV−IP電話機4A〜4Dから受け取った画像データである。
なお、プログラム302Pは、LANI/F部301などの入出力インターフェース部を介して外部装置や記録媒体から読み取られ予め記憶部302へ格納される。
【0033】
制御部303は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部302からプログラム302Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム302Pを協働させて、保留制御手段303A、画像格納手段303Bおよび画像送信手段303Cを実現する。
【0034】
保留制御手段303Aは、記憶部302の保留制御情報302Aに基づきLANI/F部301を制御して、TV−IP電話機4A〜4D,IP電話機5A,5Bおよびアナログ電話機6A並びにIP網11および電話網13側の端末装置の呼を保留にする。
画像格納手段303Bは、通話相手の呼を保留にしたTV−IP電話機4A〜4Dから受け取った画像データを、通話相手の内線番号、電話番号、IPアドレス等の識別情報、および、押下された保留キー、保留にされた順番、通話チャネルの番号など保留呼を他の呼と識別するための識別番号と対応付けて記憶部302に保留画像データ302Cとして格納する。
画像送信手段303Cは、保留解除を行うTV−IP電話機4A〜4Dからの指示に基づいて、記憶部302に格納された保留画像データ302Cを当該TV−IP電話機4A〜4Dに送出する。
【0035】
[TV−IP電話機4A〜4D]
図5に示すように、TV−IP電話機4A〜4Dは、LANI/F部401と、画像処理部402と、音声処理部403と、操作入力部404と、表示部405と、記憶部406と、制御部407とが主に設けられており、内部バス416を介してこれらの機能部間で各種データがやり取りされる。なお、図1に示す、TV−IP電話機4XもTV−IP電話機4A〜4Dと同等の構成を有する。
【0036】
LANI/F部401は、バス22等を介して、主装置1,外線GW2,保留装置3,IP電話機5A,5B,アナログ電話機6Aとデータ通信を行い、接続された各装置と音声データや画像データをやり取りする。
【0037】
画像処理部402は、画像処理回路からなり、カメラ411により取り込まれた画像信号に対して画像処理を行うことにより動画や静止画等のデータからなる画像データを生成するとともに、LANI/F部401から入力された画像データを画像信号に復号してモニタ412に表示させる。
【0038】
音声処理部403は、信号処理回路からなり、LANI/F部401から入力された音声データを復号してスピーカ(以下、「SP」という)413やHS(Hand Set)415から出力するとともに、マイク(以下、「MIC」という)414やHS415から入力された音声を音声データに符号化してLANI/F部401に出力する。
【0039】
操作入力部404は、ダイヤルキーや機能キーやフックスイッチからなり、ユーザの操作を検出して制御部407へ出力する。
【0040】
表示部405は、LED(Light Emitting Diode)などの表示器からなり、制御部407からの指示に応じて通話状態や保留状態などの各種可視表示を行う。
【0041】
記憶部406は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、制御情報406A、画像データ406Bおよびプログラム406Pを格納する。
制御情報406Aは、当該TV−IP電話機4A〜4Dの制御に用いる情報である。
画像データ406Bは、LANI/F部401を介して入力された画像データである。この画像データ406Bは、入力後所定時間が経過すると消去される。
なお、プログラム406Pは、製造時に予め記憶部406に格納される。
【0042】
制御部407は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部406からプログラム406Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム406Pを協働させ、呼制御手段407A、画像送信手段407Bおよび相手確認手段407Cを実現させる。
【0043】
呼制御手段407Aは、制御情報406Aおよび主装置1や外線GW2からの指示に基づき当該TV−IP電話機4A〜4Dを制御する。
画像送信手段407Bは、操作入力部404により保留ボタンが押下されるなど、通話相手との通話を保留にする旨の指示が入力されると、記憶部406の画像データ406Bから当該指示の入力時から3秒前までの画像データを取得し、LANI/F部401を介して保留装置3へ送出する。
相手確認手段407Cは、操作入力部404により保留中を示す保留ボタンが押下されるなど、保留呼の相手を確認する旨の指示が入力されると、保留装置3に当該保留呼と対応付けられた画像データを送信させる。保留装置3から入力された画像データは、映像処理部402によりモニタ412に表示される。
【0044】
[TV−IP電話機に対する保留動作]
次に、図6を参照して、TV−IP電話機4A〜4Dによる保留動作について説明する。ここでは、TV−IP電話機4AとTV−IP電話機4Xとの間の通話を、TV−IP電話機4Aにより保留にする場合を例として説明する。
【0045】
IP回線12を介してTV−IP電話機4Xからの着信を検出すると(ステップS1)、主装置1の制御部104は、呼制御手段104Aにより主装置1が収容する各端末装置、すなわちTV−IP電話機4A〜4D、IP電話機5A,5Bおよびアナログ電話機6Aに対して着信通知を行う(ステップS2)。TV−IP電話機4Aの制御部407は、LANI/F部401を介して着信通知を受信すると、呼制御手段407Aにより、LEDを点灯させたりブザー音を出力したりするなどその内容に応じて表示部405やSP413を制御して、着信した旨を通知する(ステップS3)。便宜上、TV−IP電話機4XによるIP回線12を介した着信または通話は、各端末装置の第1の回線を示す第1のLEDが点灯するものとして、回線1からの着信または回線1を介した通話という。
【0046】
上記通知に応じてユーザがTV−IP電話機4AのHS415をオフフックするなど着信に応答する旨の動作が行われた場合(ステップS4)、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより、LANI/F部401を介して主装置1宛ての着信応答通知を送信する(ステップS5)。
【0047】
主装置1の制御部104は、LANI/F部102を介して応答通知を受信すると、呼制御手段104AによりTV−IP電話機4Xに対して、TV−IP電話機4Aが応答する旨の着信応答通知を送信する(ステップS6)。この着信応答通知を受信すると、TV−IP電話機4Xは、主装置1を介してTV−IP電話機4Aと音声通話路を接続することにより、TV−IP電話機4Aとの間の音声通話が開始される(ステップS7,S8)。また、TV−IP電話機4Xは、主装置1を介してTV−IP電話機4Aと画像通話路を接続することにより、TV−IP電話機4Aとの間の画像データ通信が開始される(ステップS9,S10)。すなわち、TV−IP電話機4Xのカメラ411の取込画像は、画像データとしてTV−IP電話機4Aに送信され、その画像データに基づく画像信号がモニタ412から出力される。同様に、TV−IP電話機4Aのカメラ411の取込画像は、画像データとしてTV−IP電話機4Xに送信され、その画像データに基づく画像信号がモニタ412から出力される。これにより、TV−IP電話機4AとTV−IP電話機4Xとの間のTV電話が実現される。
【0048】
ここで、TV電話が行われている際、TV−IP電話機4Aの記憶部406には、TV−IP電話機4Xから受信した画像データのうち、少なくともその画像データ受信時から3秒以上前までの画像データ406Bが記憶される。
【0049】
このような状態において、TV−IP電話機4の操作入力部404が保留ボタンが押下されるなどの回線1を介したTV−IP電話機4XとのTV電話を保留にする操作を検出すると(ステップS11)、制御部407は、呼制御手段407Aにより主装置1に対して保留準備通知を送信する(ステップS12)。この保留準備通知を受信すると、主装置1の制御部104は、呼制御部104AによりTV−IP電話機4Aに保留準備完了通知を送信する(ステップS13)。
【0050】
保留準備完了通知を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより、保留装置3に対して新たな保留を行う旨を通知する保留呼出通知を送信する(ステップS14)。この保留呼出通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303Aにより、TV−IP電話機4Aに対して呼出通知を受信した旨を示す保留呼出応答通知を送信する(ステップS15)。
【0051】
保留呼出応答通知を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、画像送信手段407Bにより、記憶部406から画像データ406Bを取得させ、これを保留装置3に送出させる(ステップS16)。このとき、画像送信手段407Bは、保留ボタンが押下された時点から3秒前までのTV−IP電話機4Xから受信した画像データからなる画像データ406Bを記憶部406から取得する。これにより、保留装置3には、保留ボタンが押下された時点から3秒前までのTV−IP電話機4Xから受信した画像データが送信される。以下において、その保留装置3に送信される画像データ406Bを、保留画像データ1という。
【0052】
なお、保留ボタンが押下された時点から3秒前までの画像データを送信するようにしたが、この画像データのデータ量は3秒前までのデータ量に限定されず適宜自由に設定することができる。
【0053】
保留画像データ1を受信すると、保留装置3の制御部303は、画像格納手段303Bにより、その保留画像データ1を記憶部302に格納する(ステップS17)。これにより、保留画像データ1は、記憶部302の保留画像データ302Cに格納される。このとき、保留画像データ1は、TV−IP電話機4Xの電話番号やIPアドレス等の識別情報や使用している通話チャネル等の識別番号などが対応付けて記録される。
【0054】
保留画像データ1を送信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより保留装置3に対して、送信した保留画像データ1を格納して保留をするための準備が完了したことを確認する旨の保留準備通知を送信する(ステップS18)。この保留準備通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303AによりTV−IP電話機4Aに対して保留をするための準備が完了したことを示す保留準備完了通知を送信する(ステップS19)。この保留準備通知を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより保留装置3に対して、回線1を介したTV−IP電話機4XとのTV通話を保留装置3に転送させる旨の転送指示通知を送信する(ステップS20)。
【0055】
転送指示通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303AによりTV−IP電話機4Aに対して転送指示通知を受信した旨を示す転送了承通知を送信する(ステップS21)。また、主装置1に対して、回線1を介したTV−IP電話機4XとTV通話を行う旨を示す接続通知を送信する(ステップS22)。この接続通知を受信すると、主装置1の制御部104は、呼制御手段104Aにより保留装置3に対して接続通知を受信した旨を示す接続応答通知を送信する(ステップS23)。
【0056】
接続応答通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303Aにより主装置1を介してTV−IP電話機4Xと音声通話路を接続し、固定データ302Bに基づく保留音データをTV−IP電話機4Xに送信する(ステップS24,S25)。また、保留装置3は、主装置1を介してTV−IP電話機4Xと画像通話路を接続し、保留画像データをTV−IP電話機4Xに送信する(ステップS26,S27)。これにより、TV−IP電話機4Xのモニタ412には、保留画像データに基づく保留状態を示す保留画像が出力されるとももに、SP413やHS415からは保留音データに基づく保留状態を示す保留音が出力される。
【0057】
保留音データおよび保留画像データを送信すると、保留画像データ3の制御部303は、保留制御手段303Aにより保留にした相手先の電話番号等の識別情報や通話チャネルの識別番号等からなる保留情報を主装置1に送信する(ステップS28)。保留情報を受信すると、主装置1の制御部104は、呼制御手段104Aにより、保留にされた相手先の上記識別番号等に関する回線情報を、主装置1が収容する各端末装置に送信する(ステップS29)。回線情報を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより表示部405の回線1の状態を示すLEDに保留状態を示す表示を行わせる(ステップS30)。これにより、回線1を用いたTV−IP電話機4AとTV−IP電話機4Xとの通話が保留にされる。
【0058】
このように、本実施の形態によれば、TV−IP電話機4AがTV−IP電話機4Xとの通話を保留にすると、保留ボタンが押下された時点から3秒前までのTV−IP電話機4Xから受信した画像データからなる保留画像データ1が保留装置3に格納される。
【0059】
[アナログ電話機に対する保留動作]
次に、図7を参照して、TV−IP電話機4A〜4Dによる保留動作について説明する。ここでは、TV−IP電話機4Aとアナログ電話機6Xとの間の通話を、TV−IP電話機4Aにより保留にする場合を例として説明する。なお、図6を参照して説明した保留動作と同等の動作や通知については同じ名称を付し適宜説明を省略する。
【0060】
電話回線14を介してアナログ電話機6Xからの着信を検出すると(ステップS31)、外線GW2の制御部204は、呼制御手段204Aにより主装置1に対して着信通知を送信する(ステップS32)。この着信通知を受信すると、主装置1の制御部104は、呼制御手段104Aにより主装置1が収容する各端末装置に対して着信通知を行う(ステップS33)。TV−IP電話機4Aの制御部407は、LANI/F部401を介して着信通知を受信すると、呼制御手段407Aにより、LEDを点灯させたりブザー音を出力したりするなどその内容に応じて表示部405やSP413を制御して、着信した旨を通知する(ステップS34)。便宜上、アナログ電話機6Xによる電話回線14を介した着信または通話は、各端末装置の第2の回線を示す第2のLEDが点灯するものとして、回線2からの着信または回線2を介した通話という。
【0061】
上記通知に応じてユーザがTV−IP電話機4AのHS415をオフフックするなど着信に応答する旨の動作が行われた場合(ステップS35)、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより、主装置1に着信応答通知を送信する(ステップS36)。この着信応答通知を受信すると、主装置1の制御部104は、呼制御手段104Aにより受信した着信応答通知を外線GW2に転送する(ステップS37)。
【0062】
外線GW2の制御部204は、LANI/F部202を介して着信応答通知を受信すると、呼制御手段204Aによりアナログ電話機6Xに対して、TV−IP電話機4Aが応答する旨の着信応答通知を送信する(ステップS38)。この着信応答通知を受信すると、アナログ電話機6Xは、外線GW2を介してTV−IP電話機4Aと音声通話路を接続することにより、TV−IP電話機4Aとの間の音声通話が開始される(ステップS39,S40)。このとき、TV−IP電話機4Aは、呼制御手段407Aにより外線GW2を介してアナログ電話機6Xに宛てて、カメラ411の取込画像に基づく画像データを送信する(ステップS41)。しかしながら、外線GW2の制御部204は、呼制御手段204Aによりその画像データをアナログ電話機6Xに送信せず、TV−IP電話機4Aに対して固定画像データ203Bを送信する(ステップS42)。これにより、TV−IP電話機4Aのモニタ412には、アナログ電話機との通話中であることを意味する固定画像データ203Bに基づく画像が出力される。
【0063】
ここで、TV−IP電話機4Aとアナログ電話機6Xと通話が行われている際、TV−IP電話機4Aの記憶部406には、外線GW2から受信した固定画像データ203Bが画像データ406Bとして記憶される。このとき、固定画像データ203Bのうち、少なくともその固定画像データ203B受信時から3秒以上前までの固定画像データ203Bが画像データ406Bとして記憶されるようにしてもよい。
【0064】
このような状態において、TV−IP電話機4の操作入力部404が保留ボタンが押下されるなどの回線2を介したアナログ電話機6Xとの通話を保留にする操作を検出すると(ステップS43)、制御部407は、呼制御手段407Aにより主装置1を介して外線GW2に対して保留準備通知を送信する(ステップS44)。この保留準備通知を受信すると、外線GW2の制御部204は、呼制御部204AによりTV−IP電話機4Aに対して保留準備完了通知を送信する(ステップS45)。
【0065】
保留準備完了通知を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより、保留装置3に対して新たな保留を行う旨を通知する保留呼出通知を送信する(ステップS46)。この保留呼出通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303Aにより、TV−IP電話機4Aに対して呼出通知を受信した旨を示す保留呼出応答通知を送信する(ステップS47)。
【0066】
保留呼出応答通知を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、画像送信手段407Bにより、記憶部406から画像データ406Bを取得させ、これを保留装置3に送出させる(ステップS47)。このとき、画像送信手段407Bは、保留ボタンが押下された時点から3秒前までの固定画像データ203Bからなる画像データ406Bを記憶部406から取得する。これにより、保留装置3には、保留ボタンが押下された時点から3秒前までの固定画像データ203Bが送信される。以下において、その保留装置3に送信される画像データ406Bを、保留画像データ2という。
【0067】
保留画像データ2を受信すると、保留装置3の制御部303は、画像格納手段303Bにより、その保留画像データ2を記憶部302に格納する(ステップS49)。これにより、保留画像データ2は、記憶部302の保留画像データ302Cに格納される。このとき、保留画像データ2は、アナログ電話機6Xの電話番号等の識別情報や使用している通話チャネル等の識別番号などが対応付けて記録される。なお、電話回線14を用いた通話についても、IP回線12を用いた場合と同様、通話チャネルを用いて通話が行われるものとして説明する。
【0068】
保留画像データ2を送信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより保留装置3に対して、送信した保留画像データ2を格納して保留をするための準備が完了したことを確認する旨の保留準備通知を送信する(ステップS50)。この保留準備通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303AによりTV−IP電話機4Aに対して保留をするための準備が完了したことを示す保留準備完了通知を送信する(ステップS51)。この保留準備通知を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより保留装置3に対して、回線2を介したアナログ電話機6Xとの通話を保留装置3に転送させる旨の転送指示通知を送信する(ステップS52)。
【0069】
転送指示通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303AによりTV−IP電話機4Aに対して転送指示通知を受信した旨を示す転送了承通知を送信する(ステップS53)。また、外線GW2に対して、回線2を介したアナログ電話機6Xと通話を行う旨を示す接続通知を送信する(ステップS54)。この接続通知を受信すると、外線GW2の制御部204は、呼制御手段204Aにより保留装置3に対して接続通知を受信した旨を示す接続応答通知を送信する(ステップS55)。
【0070】
接続応答通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303Aにより外線GW2を介してアナログ電話機6Xと音声通話路を接続し、固定データ302Bに基づく保留音データをアナログ電話機6Xに送信する(ステップS56,S57)。これにより、アナログ電話機6Xのスピーカやハンドセットからは保留音データに基づく保留状態を示す保留音が出力される。このとき、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303Aにより外線GW2を介してアナログ電話機6Xに宛てて、保留画像データを送信する(ステップS58)。しかしながら、外線GW2の制御部204は、呼制御手段204Aによりアナログ電話機6Xにその保留画像データを送信しない。
【0071】
保留音データおよび保留画像データを送信すると、保留画像データ3の制御部303は、保留制御手段303Aにより保留にした相手先の電話番号等の識別情報や回線の識別番号等からなる保留情報を主装置1に送信する(ステップS59)。保留情報を受信すると、主装置1の制御部104は、呼制御手段104Aにより主装置1が収容する各端末装置に、保留にされた相手先の上記識別番号等に関する回線情報を送信する(ステップS60)。回線情報を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより表示部405の回線2の状態を示すLEDに保留状態を示す表示を行わせる(ステップS61)。これにより、回線2を用いたTV−IP電話機4Aとアナログ電話機6Xとの通話が保留にされる。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、TV−IP電話機4Aがアナログ電話機6Xとの通話を保留にされると、保留ボタンが押下された時点から3秒前までの外線GW2から受信した固定画像データからなる保留画像データ2が保留装置3に格納される。
【0073】
[保留解除動作]
次に、図8を参照して、TV−IP電話機4A〜4Dによる保留解除動作について説明する。ここで、図6,図7を参照して説明したように、回線1を用いたTV−IP電話機4XとのTV電話と、回線2を用いたアナログ電話機6Xとの通話とが保留にされている場合において、上記アナログ電話機6Xの保留を解除する場合を例に説明する。
【0074】
回線1を用いたTV−IP電話機4Xとの通話と回線2を用いたアナログ電話機6Xとの通話とが保留にされているとき、TV−IP電話機4Aの表示部405は、回線1および回線2の保留ボタンに設けられたLEDが点滅している(ステップS71)。
【0075】
このように複数の保留ボタンのLEDが点滅しており、所望する相手の保留を解除するためには何れの保留ボタンを押下すべきかわからないことがある。そこで、本実施の形態では、まず、例えば何れかの保留ボタンを押下するなど、何れかの保留回線を選択する。
【0076】
例えば、ユーザがTV−IP電話機4Aの回線1の保留ボタンを押下すると(ステップS72)TV−IP電話機4Aの制御部407は、相手確認手段407Cにより保留装置3に対して回線1の情報を要求する旨の情報要求通知を送信する(ステップS73)。
【0077】
情報要求通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、画像送出手段303により回線1に対応する保留画像データ1を記憶部302の保留画像データ302Cから抽出し、TV−IP電話機4Aに送信する(ステップS74)。保留画像データ1を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、相手確認手段407Cによりその保留画像データ1に基づく画像信号をモニタ412から出力させる(ステップS68)。図6のステップS16等で説明したように、保留装置3の記憶部302には、回線1を用いたTV−IP電話機4XとのTV電話を保留にする時点から3秒前までのTV−IP電話機4Xから受信した画像データが、保留画像データ1として格納されている。したがって、TV−IP電話機4Aのモニタ412からは、保留にされる直前のTV−IP電話機4Xによる取込画像が表示される。これにより、TV−IP電話機4Aのユーザは、保留中の回線1の相手先を確実に識別することができる。
【0078】
保留中の回線1が保留を解除したい相手ではないと、ユーザは、他の保留ボタンを押下する。例えば、TV−IP電話機4Aの回線2の保留ボタンが押下されると(ステップS76)TV−IP電話機4Aの制御部407は、相手確認手段407Cにより保留装置3に対して回線2の情報を要求する旨の情報要求通知を送信する(ステップS77)。
【0079】
情報要求通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、画像送出手段303により回線2に対応する保留画像データ2を記憶部302の保留画像データ302Cから抽出し、TV−IP電話機4Aに送信する(ステップS78)。保留画像データ2を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、相手確認手段407Cによりその保留画像データ1に基づく画像信号をモニタ412から出力させる(ステップS79)。図7のステップS48等で説明したように、保留装置3の記憶部302には、回線2を用いたアナログ電話機6Xとの通話を保留にする時点から3秒前までの外線GW2から受信した固定画像データ203Bが、保留画像データ2として格納されている。したがって、TV−IP電話機4Aのモニタ412からは、保留にされる直前に外線GW2から受信した固定画像データ203Bが表示される。これにより、TV−IP電話機4Aのユーザは、保留中の回線2の相手先がアナログ電話機を用いた相手であることを識別することができる。なお、このとき、アナログ電話機6Xの電話番号等の識別情報をモニタ412から出力させるようにしてもよい。これにより、アナログ電話機6Xのユーザをより詳細に識別することができる。
【0080】
保留中の回線2が保留を解除したい相手であり、ユーザがTV−IP電話機4AのHS415をオフフックするなど保留を解除する旨の動作が行われると(ステップS80)、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより主装置1に対して回線2の保留を解除する旨の保留解除通知を送信する(ステップS81)。
【0081】
保留準備通知を受信すると、主装置1の制御部104は、呼制御部104Aにより保留装置3に対して回線2を用いたアナログ電話機6Xとの接続を他の装置、すなわちTV−IP電話機4Aへの切り替えを要求する接続要求通知を送信する(ステップS82)。また、外線GW2に対して、アナログ電話機6Xの保留を解除する旨の保留解除準備通知を送信する(ステップS85)。
【0082】
上記接続要求通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303Aにより主装置1に対して回線2の接続の切り替えを承認する旨を示す接続受付通知を送信する(ステップS83)。この接続受付通知を受信すると、装置1の制御部104は、呼制御手段104AによりTV−IP電話機4Aに対しても受信した接続受付通知を転送する(ステップS84)。
【0083】
上記保留解除準備通知を受信すると、外線GW2の制御部204は、呼制御手段204Aにより保留装置3に対して保留を解除する準備が完了した旨を示す解除準備完了通知を送信する(ステップS86)。
【0084】
解除準備完了通知を受信すると、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303AによりTV−IP電話機4Aに対して、回線2の保留を解除するTV−IP電話機4Aを呼び出し(ステップS87)、この呼出に対してTV−IP電話機4Aから応答を検出すると(ステップS88)、回線2を用いたアナログ電話機6Xとの接続を準備を要求する接続準備通知を送信する(ステップS89)。この接続要求通知に対してTV−IP電話機4Aから準備を完了した旨を示す接続準備完了通知を受信すると(ステップS90)、保留装置3の制御部303は、保留制御手段303AによりTV−IP電話機4A〜Dに対して回線2を用いたアナログ電話機6Xとの接続をTV−IP電話機4Aに転送させる旨の転送指示通知を送信する(ステップS91)。
【0085】
転送指示通知を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより保留装置3に対して転送指示通知を受信した旨を示す転送了承通知を送信する(ステップS92)。また、外線GW2に対して、回線2を介したアナログ電話機6Xと通話を行う旨を示す接続通知を送信する(ステップS93)。この接続通知を受信すると、外線GW2の制御部204は、呼制御手段204AによりTV−IP電話機4Aに対して接続通知を受信した旨を示す接続応答通知を送信する(ステップS94)。
【0086】
接続応答通知を受信すると、TV−IP電話機4Aは、呼制御手段407Aにより外線GW2を介してアナログ電話機6Xと音声通話路を接続することにより、アナログ電話機6Xとの間の音声通話が開始される(ステップS95,S96)。このとき、TV−IP電話機4Aは、呼制御手段407Aにより外線GW2を介してアナログ電話機6Xに宛てて、カメラ411の取込画像に基づく画像データを送信する(ステップS97)。しかしながら、外線GW2の制御部204は、呼制御手段204Aによりその画像データをアナログ電話機6Xに送信せず、TV−IP電話機4Aに対して固定画像データ203Bを送信する(ステップS98)。これにより、TV−IP電話機4Aのモニタ412には、アナログ電話機との通話中であることを意味する固定画像データ203Bに基づく画像が出力される。
【0087】
アナログ電話機6Xとの音声通話路が接続されると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより保留を解除した相手先の電話番号等の識別情報や回線の識別番号等からなる保留解除情報を主装置1に送信する(ステップS99)。保留解除情報を受信すると、主装置1の制御部104は、呼制御手段104Aにより主装置1が収容する各端末装置に、保留が解除された相手先の上記識別番号等に関する回線情報を送信する(ステップS100)。回線情報を受信すると、TV−IP電話機4Aの制御部407は、呼制御手段407Aにより表示部405の回線2の状態を示すLEDに通話状態を示す表示を行わせる(ステップS101)。これにより、回線2を用いたTV−IP電話機4Aとアナログ電話機6Xとの通話が実現される。
【0088】
以上説明したように、本実施の形態によれば、TV−IP電話機4A〜4Dにより通話相手との通話を保留にすると、画像送信手段407Bにより記憶部406に記憶した通話相手側から受信した画像データ406Bが保留装置3に送信され、記憶部302に保留画像データ302Cとして格納される。TV−IP電話機4A〜4Dの相手確認手段407Cにより保留にされた通話相手の確認が要求されると、保留装置3は、画像送信手段303Cにより確認が要求された通話相手と対応付けられた保留画像データ302CをTV−IP電話機4A〜4Dに送信する。これにより、TV−IP電話機4A〜4Dでは、確認が要求された通話相手側から受信した画像データに基づく画像がモニタ412に表示されるので、保留にした通話相手を容易に識別することができる。
【0089】
なお、本実施の形態において、保留装置3に保留画像データを格納するようにしたが、この保留画像データは主装置1の記憶部103に格納するようにしてもよい。この場合、画像格納手段303Bと画像送信手段303Cを主装置1の制御部104に備えるようにすることにより、上述した保留装置3による保留画像データの格納動作や送信動作を実現することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、主装置1、外線GW2、保留装置3、給電HUB21,26、バス22,24、電話アダプタ25が独立して設けられるようにしたが、これらの構成要素が必ずしも独立している必要はない、電話システムの用途や規模に応じて任意の構成要素を統合するようにしてもよい。
【0091】
また、本実施の形態では、IP網11や電話網13に接続されたIP−TV電話機4Xやアナログ電話機6Xとの間の通話を保留する場合を例に説明したが、主装置1に収容された端末装置間の通話においても上述した機能を実現することが可能である。この場合、IP電話機5A,5Bやアナログ電話機6Aなどカメラを有さない端末装置との通話を保留にする際に、IP−TV電話機4A〜4Dなどのモニタを有する端末装置に対して送信する固定画像データを主装置1や保留装置3に格納しておき、モニタを有する端末装置との通話を行う際に、その固定画像データを送信することにより実現することができる。
【0092】
また、本実施の形態では、IP網11に接続されたTV通話機能を有するIP−TV電話機4Xとの通話を例に説明したが、IP網に接続されたTV通話機能を有さない端末装置との通話についても、上述した機能を実現することが可能である。この場合、例えば、主装置1により電話システム内のアドレス帳等から通話相手のグローバルIPアドレスを検索し、抽出した名称等を固定映像データとしてIP−TV電話機4A〜4Dに送信することにより、TV通話機能を有さない端末装置を識別することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、TV通話機能を有する電話機を有する電話システム等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の電話システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】主装置の構成を示すブロック図である。
【図3】外線GWの構成を示すブロック図である。
【図4】保留装置の構成を示すブロック図である。
【図5】TV−IP電話機の構成を示すブロック図である。
【図6】TV−IP電話機に対する保留動作を示すフローチャートである。
【図7】アナログ電話機に対する保留動作を示すフローチャートである。
【図8】保留解除動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1…主装置、2…外線GW、3…保留装置、4A〜4D,4X…TV−IP電話機、5…IP電話機、6A,6X…アナログ電話機、7…携帯電話機、8…T−GW、9…GW、11…IP網、12…IP回線、13…電話網、14…電話回線、21,23…給電HUB、22,24…バス、25…電話アダプタ、26…HUB、101…IP回線I/F部、102…LANI/F部、103…記憶部、103A…呼制御情報、103P…プログラム、104…制御部、104A…呼制御手段、201…電話回線I/F部、202…LANI/F部、203…記憶部、203A…呼制御情報、203B…固定画像データ、203P…プログラム、204…制御部、204A…呼制御手段、301…LANI/F部、302…記憶部、302A…保留制御情報、302B…固定データ、302C…保留画像データ、302P…プログラム、303…制御部、303A…保留制御手段、303B…画像格納手段、303C…画像送信手段、401…LANI/F部、402…画像処理部、403…音声処理部、404…操作入力部、405…表示部、406…記憶部、406A…制御情報、406B…画像データ、406C…プログラム、407…制御部、407A…呼制御手段、407B…画像送信手段、407C…相手確認手段、411…カメラ、412…モニタ、413…SP、414…MIC、415…HS、416…内部バス。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段を備えた電話機と、
前記電話機が受信する画像データを記憶する記憶手段と、
保留操作を検出すると前記通話相手との呼を保留にする保留手段と、
前記電話機における保留中の呼の確認操作が検出されると、前記記憶手段に記憶した画像データを当該電話機に送信し、前記表示手段に表示させる送信手段と
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項2】
前記記憶手段から前記電話機に前記画像データが送信された後、当該画像データの送信元となった通話相手との通話が要求されると、この通話相手の呼の保留を解除して、前記電話機と接続する保留解除手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項3】
回線に接続され、複数の通話チャネルを収容し、一の通話チャネルに接続された電話機と、他の通話チャネルとの間の呼を制御するとともに、前記他の通話チャネルを介して受信する画像データを前記一の通話チャネルを介して前記電話機に供給する主装置と、
前記他の通話チャネルが保留されたときに、当該他の通話チャネルを介して受信された保留前の画像データを記憶する画像データ管理装置と
を有し、
前記電話機は、
当該電話機の通話相手の画像データを記憶する第1の記憶手段と、
当該電話機における保留操作が検出されると、前記第1の記憶手段に記憶された前記画像データを前記画像データ管理装置に送信する第1の送信手段と
を備え、
前記画像データ管理装置は、
前記第1の送信手段から受信した前記画像データを、前記電話機における保留操作により保留された前記他の通話チャネルと関連づけて記憶する第2の記憶手段と、
一の電話機における保留中の通話チャネルの確認操作が検出されると、その通話チャネルと対応付けられた画像データを前記第2の記憶手段から読み出して、前記一の電話機に送信する第2の送信手段と
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項4】
複数の電話機を収容する主装置と、画像データを記憶する画像データ管理装置とを備えた電話システムであって、
前記電話機のうち少なくとも1つは、
当該電話機の通話相手の画像データを記憶する第1の記憶手段と、
当該電話機における保留操作が検出されると、前記第1の記憶手段に記憶された前記画像データを前記画像データ管理装置に送信する第1の送信手段と
を備え、
前記画像データ管理装置は、
前記第1の送信手段から受信した前記画像データと、前記電話機により保留にされた電話機とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記電話機により、保留にされた通話相手の電話機を指定する確認操作が検出されると、前記保留にされた電話機と対応付けられた画像データを前記第2の記憶手段から読み出して、当該電話機に送信する第2の送信手段と
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項5】
一の電話機における保留操作が検出されると、この保留操作の検出前に当該電話機に送信された画像データを、前記保留操作により保留にされた通話チャネルと対応付けて記憶する記憶手段と、
一の電話機における保留中の通話チャネルの確認操作が検出されると、前記通話チャネルと対応付けて前記記憶手段に記憶された画像データを読み出して、前記一の電話機に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする画像データ管理装置。
【請求項6】
一の電話機における保留操作が検出されると、この保留操作の検出前に当該電話機に送信された画像データを記憶する記憶手段と、
一の電話機における保留電話機の確認操作が検出されると、前記記憶手段に記憶された画像データを読み出して、前記一の電話機に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする画像データ管理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−92155(P2008−92155A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269155(P2006−269155)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】