静止型マイクロミキサーのための構成部品、当該構成部品から構成されたマイクロミキサー、および混合、分散または化学反応の実施のためのそれらの使用
静止型マイクロミキサー用の構成部品、当該構成部品が積み重ねられてなるマイクロミキサー、並びに当該マイクロミキサーを使用する方法が記載されている。この構成部品は、プレートの形態を有し、プレート面に位置する連結流路(3)へ少なくとも1種の抽出物流を供給するための少なくとも1つの流入口(2)と、混合領域(5)へ抽出物流を流出させるための少なくとも1つの流出口(4)とを有しており、流入口(2)が、プレート面に位置した連結流路(3)により流出口(4)と連結され、連結流路(3)が、混合領域(5)での合流点の手前でマイクロ構造ユニット(6)により2以上の部分溝(7)に分割されており、部分溝の幅はmm〜mm未満の範囲内で、混合領域(5)の幅よりも小さい。このマイクロミキサーは、混合、均質化、分散、乳化、溶解、液体からのガス燻蒸のため、又は化学反応、特に燃焼反応を実施するために使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、静止型マイクロミキサー(statische Mikromischer)のためのプレート状の構成部品(Bauteile)、このプレートから構成されたマイクロミキサーならびにこのマイクロミキサーを使用する混合法、分散法および化学反応の実施の方法である。
【背景技術】
【0002】
少なくとも二種の流体の混合における目標は、一定の通常できるだけ短い時間内に両方の流体の同形の分布を達成することである。動的ミキサーでは、混合は、乱流の状態を創り出すことによる機械的攪拌の使用で行われる。動的ミキサーは、必要な機械的構成部品に基づいてそれ以上の小型化ができないという欠点がある。静止型ミキサーでは、十分な混合が可動部分の使用なしに行われる。このミキサーは、種々の実施形態が知られているいわゆる静止型マイクロミキサーまで小型化することができる。静止型マイクロミキサーの長所は、構成部品の寸法の小型化とそれによる熱交換気および反応器のような別のシステムへの組み込みの可能性である。二つ以上の狭い空間に挿入された部品を一緒に作用させることによって、プロセス最適化の更なる可能性が得られる。静止型マイクロミキサーで得られる非常に狭い混合時間の分布は、選択性および収率に関して化学的変換の最適化の種々の可能性を許容する。1秒ないし数ミリ秒の混合時間を得ることができ、それによって気体の混合をさらに明らかに速く行うことができる。マイクロミキサーの使用の可能性は、液−液および気−気の混合から液−液エマルション、気−液分散物の形成、およびそれによってまた多相反応および相転換反応にまで及ぶ。
【0003】
マイクロミキサーの一つの種類は、拡散制御された混合のプロセスに基づく。このために、互いに隣接した流体の薄層がマイクロメータ領域の厚さを生成する。平面形状の選択によって流体層の幅とそれによる拡散方法の調節が可能である。そのような静止型マイクロミキサーは、例えばDE19927556A1、DE2022206371U1、WO02/089962に記載されている。顕微鏡的な流体層の間の拡散に基づくマイクロミキサーの欠点は、層流の状態の形成と維持のために、比較的僅かな流速が必要であるということである。この混合原理では、比較的僅かな投入量しか可能でない。
【0004】
そのほかに、貫通する流路をもつ運転構成部品または溝をもつ箔から成るマイクロミキサーが知られており、これは積み重ねによって種々の混合すべき流体のための流路を形成し、その際流路の寸法はマイクロメータ範囲内にある。抽出物流は、隣接した流体層として流路から混合室に流出し、その際混合は拡散および/または乱流によって行われる(特にWO97/17130およびそこに引用された文献ならびにWO97/17133、WO95/30475、WO97/16239、WO00/78438を参照されたい)。この構成部品の製造は比較的高価であり、混合すべき流体の導通の際に、多数の長くて非常に狭い流路によって、比較的高い圧力損失を生じる。これは高い挿入量が達成されなければならない場合、強力なポンプシステムの投入を必要にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、小さい構成空間および必要な構成部品の簡単な製造によって、できるだけ僅かな圧力損失で迅速で強力な混合を可能にする少なくとも二種の流体の混合のための方法と装置を提供するという課題を有する。
【0006】
次に、「流体」という概念は気体または液状の物質またはそのような物質の混合物と理解され、それは一種以上の固体、液体または気体の物質を溶解または分散して含有してもよい。混合という概念は、溶解、分散および乳化も含む。その結果、混合物という概念は、溶液、液−液エマルション、気−液−および固−液−分散物を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明の構成部品を有する静止型マイクロミキサーによって解決される。本発明の構成部品は、一つのプレートの形態を有し、それは
−プレートの面にある連結流路への少なくとも一つの抽出物流の流入のための少なくとも一つの流入口およびプレートの面の中の一つに抽出物流を出すための少なくとも一つの流出口を有し、
−その際、流入口はプレートの面にある連結流路によって流出口と連結しており、また
−連結流路は混合領域内の合流点の前に二つ以上の部分溝内でのマイクロ構造の取り付け部によって分割され、その際部分溝の幅はミリメートルないしミリメートル以下の範囲にあり、混合領域の幅より小さい。
【0008】
「部分溝(Teilkanaele)」という概念は、混合領域の流出口の直前でのマイクロ構造の取り付け部による部分流中の抽出物の流の分割をも含む。この取り付け部の寸法、特に長さと幅は、この場合ミリメートル領域にあるか、好ましくは1mm未満であってもよい。部分溝は、好ましくは流れの調節のために絶対に必要な長さまで短くし、したがって一定の装入量のために比較し得る僅かな圧力を必要とする。部分溝の長さの幅に対する比率は、1:1ないし20:1、特に8:1ないし12:1の範囲、特に好ましくは約10:1であるのが好ましい。マイクロ構造の取り付け部は、好ましくは混合領域の流出口における抽出物の流速が連結流路の流入口におけるそれよりも大きく、また混合領域を通る生成物の流れの流速より大きいように設定する。
【0009】
プレートの上に設置される連結流路および部分溝は、自由な形状にし得る。プレートもそれに含まれる個々の流路も、いろいろな媒体および量を運べるように、高さ、幅および厚さを変えてもよい。プレートの基本形は任意であり、円い形、例えば円形または楕円形または角形、例えば長方形または正方形でもよい。プレートの形状はまた、できるだけ簡単な製作に関して、またはできるだけ僅かな重量およびできるだけ僅かにしか使われない平面に関して最適化されることもできる。部分溝の流出口は、直線ないし任意の幾何学的形状に亙るどれか任意のやり方で配置できる。流出口は、特に混合領域がプレートの面に完全に囲まれているとき、例えば円形の線上に配置されてもよい。一つの円盤で二種または二種以上の成分(A、B、Cなど)を扱うことができ、これらは同じか異なる量比で混合される。部分溝は、相互にまたは混合領域の流出口がある線に対し、任意の角度で走っている。それは数個の部分溝を互いに並んで配置してもよく、それはいつも例えば部品Aを備え、隣接部分でその同じ円板は例えば部品Bを備えている数個の部分溝を互いに並んだ形で配置してもよい。構成部品は、プレート内の追加の通路および追加の部分溝によって、部分溝から部分溝へ部品A、Bなどが同じプレート内で入れ替わるように製作されてもよい。部分溝は、混合領域の流出口のところで好ましくは1μm〜2mmの範囲の幅、および10μm〜10mmの範囲の深さ、および特に好ましくは5μm〜250μmの範囲の幅、および250μm〜5mmの範囲の深さを有する。
【0010】
連結流路は、変化する幅を有してもよい。連結流路の最大幅および/または入り口の幅の、混合領域の流出口での部分溝の幅に対する比率は、2より大きいのが好ましく、5より大きいのが特に好ましい。
【0011】
プレート状の構成部品は、10〜1000μmの厚さを有してもよい。流路の高さは、好ましくは1000μm未満、特に好ましくは250μm未満である。マイクロ構造の取り付け部および流路台の壁厚は、好ましくは100μm未満、特に好ましくは70μm未満である。
【0012】
特別の実施態様においては、少なくとも一つの流入口または流出口または混合領域がプレート平面に完全に囲まれる。開口は、この場合円形または角形、例えば長方形の取り出し口として存在する。囲まれた混合領域の場合は、好ましい形態は楕円形または円形である。部分溝は、混合領域の方向にノズルの形で先細になってもよい。部分溝は、真っ直ぐか、螺旋状に曲がっていてもよい。部分溝は、混合領域の外周線に関して直角に混合領域に入るか、または90°とは異なる角度で入ってもよい。直角でない入り方の場合、数個の混合プレートから成る積層物(Stapel)の形成に際して、好ましくは反対の偏差を持ったプレートがそれぞれ直角に隣接する。同様に、部分溝の螺旋状の入り方の場合は、数個のミキサープレートの積層物の形成に際して、好ましくは反対の回転方向を持つプレートがそれぞれ螺旋に隣接する。
【0013】
開口の間の連結流路は、好ましくは窪みを通して形成される。しかし、流入口および/または流出口または混合領域は、プレートの縁のところに、またはプレートの縁の溝を通して配置してもよい。
【0014】
別の特別の実施態様においては、少なくとも二種の抽出物のための少なくとも二つの流入口があり、この場合それぞれの流入口はそれぞれ一つの連結流路で混合領域と結合している。この場合、好ましくは二種の異なる抽出物のための二つの開口は混合領域の向かい合った側面にあり、この場合、混合領域は好ましくはプレート平面の中に完全に包含されて位置する。
【0015】
構造部品の材料としては、例えば金属、特に耐食性の金属、例えば特殊鋼、ならびにガラス、セラミックスまたはプラスチックが適している。構造部品は、表面にマイクロ構造を作るための公知の技術で、例えば金属のエッチングまたはフライス加工により、またはプラスチックの射出成形によって製造される。
【0016】
本発明の静止型マイクロミキサーは、少なくとも二個の流体供給管と少なくとも一個の流体取り出し管をもつケースを有する。ケースの中には、少なくとも二個の積層物に配置された本発明によるプレート状のマイクロミキサー構成部品がある。積層物は任意の数のプレートから作ることができ、それは積層物の高さに対応する流動を実現できる。ミキサーのそれぞれの場所で同じ圧力を保証するために、より大きい長さで流体の供給を行うことができる。プレート内またはプレート上の溝またはブリッジは、堆積性や検査可能性に役立つ。プレートは、流入口が各抽出物流の供給のための副流路を形成し、流出口または混合領域が生成物の流れの排出のための主流路を形成し、主流路および副流路が積層物を通って拡がるように上下に存在する。全体として、マイクロミキサーは例えば少なくとも5個、10個、100個または1000個を超える部分溝を有してもよく、それぞれ多数の部分溝を有するプレートの積層物から成ってもよい。
【0017】
好ましくは、それぞれ一つのプレートの流出口から混合領域に流出する第一の抽出物Aの部分流は、一つの隣接するプレートの流出口から混合領域に流出する第二の抽出物の部分流と直接隣接しており、それは拡散および/または乱流によって混合領域内で混合される。
【0018】
マイクロミキサーの一つの実施態様では、プレートの連結流路は窪み(Vertiefungen)によって形成されており、連結流路は混合領域内での合流の前にプレートに取り付けられたマイクロ構造ユニットによって部分溝内で分割される。別の実施態様では、プレートの連結流路は抜き取りによってプレート内に形成され、この際プレートはそれぞれ天井プレートおよび底プレートの間の隔壁プレートとして配置され、連結流路は混合領域内での合流の前に天井プレートおよび/または底プレートに取り付けられたマイクロ構造ユニットによって部分溝内で分割される。本発明のマイクロミキサーには、熱の供給または排出のために熱交換器を組み込んでもよい。
【0019】
本発明のマイクロミキサーは、とりわけ気体の成分の化学反応、特に燃焼反応にも適している。本発明の対象は、したがって燃焼反応器、例えばガスバーナーまたはオイルバーナーでもある。この燃焼反応器は、重要な構成要素として本発明のマイクロミキサーをもち、また可燃性の液体または気体の媒体の供給のための少なくとも一つの第一の接続および燃焼反応を促進する酸素含有の媒体、例えば空気の供給のための少なくとも一つの第二の接続を有する。これらの成分の供給は、一定の反応を特徴づける規模を最適化するように行うことができる。これは特に炎の温度および反応によって生じる生成物のために有効である。大気による燃料ガス(例えばメタン)の燃焼の場合は、燃焼温度の低下によって酸化窒素の生成を最小にすることができる。炎は、流出口の適切な凸形または凹形の配列によって集中でき、または分散できる。流路の適切な配置によって、局部的に限定された支持炎を実現でき、これは副流路の一つから一定のガス圧で供給される。他の副流路の接続によって、そのあと反応を開始することができる。ノズル状のバーナーの製造のための円筒状の反応室(混合領域)も可能である。気体/気体のような同質の媒体の他に、特に例えばベンジンまたは石油のような可燃性の液体の燃焼のために、気体/液体のような異種の媒体も混合できる。
【0020】
本発明の対象は、また液状の成分の混合方法であり、この場合少なくとも二種の最初別々に含有された流体の抽出物流が相互に混合され、混合は少なくとも一種の本発明の構成部品および一種の本発明のマイクロミキサーの使用によって行われる。この場合、抽出物の流速または混合領域内の抽出物は、混合領域内での生成物の混合物の流速より大きいのが好ましい。特に好ましいのは、ミキサーの形態および流速が混合領域内で乱流が生じ、混合領域内での混合が少なくとも部分的に乱流によって行われることである。
【0021】
本発明の混合方法はまた、分散物、エマルションまたは溶液の製造のため、ならびに液体のガス燻蒸のための均質化の方法を特に含む。このためには、少なくとも一つの本発明の構成部品または一つの本発明の静止型マイクロミキサーの使用のもとに、一種の連続液相を、少なくとも一種の不溶性の分散されるべき流体相または少なくとも一種の可溶性の流体相と混合する。両方の相は、異なる副流路を通して供給してもよく、または相の一つ(好ましくは連続相)を主流路を通じ、もう一つの相を副流路を通じて供給してもよい。
【0022】
本発明のもう一つの対象は、化学反応の実施の方法であり、この場合、
−反応性の成分を含むか、それから成る少なくとも二種の最初別々に含有された流動性の抽出物流を互いに混合し、しかも、
−混合の間、または後で、自然に、またはエネルギーの供給によって、または適当な触媒を使って、化学反応を誘導して進行させ、
ここに混合は、少なくとも一種の本発明の構成部品または少なくとも一種の本発明の静止型マイクロミキサーの使用のもとに行われる。
【0023】
本発明の方法の能力を向上させるために、プレートの中の流路の数を増してもよいし、またマイクロミキサー内の重ねるプレートの数を増してもよいし、あるいは多数のマイクロミキサーをモデュール状に平行に接続して運転してもよい。この場合、より大きい流路の直径をもつマイクロミキサーで予め大まかな混合を行い、後に続くマイクロミキサーがだんだん小さい流路直径を有するのが特に有利である。
【0024】
以下、本発明の構成部品およびマイクロミキサーの模範的な実施態様を図面に基づいて説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
一つの実施態様を図1aおよび図1bに示す。プレート(1)はそれぞれ二個の包囲された流入口(2)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート平面内に窪みによって形成された連結流路(3) と連結している。各窪み流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、流出口(4)を通って包囲された混合領域(5)に通じている。流出口(4)は、混合領域(5)の周りに円形の線上に配列されている。混合領域(5)および流入口(2)は、プレート内の通路として使用される。マイクロ構造ユニットは、例えば螺旋形に曲がった形状で形成され、この場合図1aおよび図1bの螺旋は反対の回転方向をもつ。マイクロ構造ユニットは、また曲がらずに直線状に形成されてもよい。プレートが丸く形成されている場合は、それは縁に沿って空隙(Aussparungen)(8)を有し、これはプレートの湾曲またはズレを避けるために、ケース(11)内で支持エレメント(14)と一緒に作用することができる。プレートはまた、角形、好ましくは四角形、例えば正方形に形成されてもよい。さらに、空隙および支持エレメントは省略してもよい。二つの流入口(2)によって、二種の異なった抽出物流を混合領域の平面に供給することができ、この場合両方の異なった抽出物流を分別する流出口は互いに向かい合っているのが好ましい。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品を有するのが好ましく、この場合図1aによるプレートは、図1bによるプレートと交互に入れ替わっており、交互の層構造ABABなどを有する構造が得られる。これによって、二種の異なった抽出物流は混合領域(5)の上下に、または直接隣接して供給できるようになる。積層物中では、流入口がそれぞれの抽出物流の供給のための副流路を形成し、混合領域が生成物流の排出のための主流路を形成するようにプレートが重なり合って存在する。しかしながら、主流路を通して、後で混合物の連続層を形成する液体を供給することもできる。
【0026】
もう一つの実施態様を図1cに示す。プレート(1)は、一つだけの包囲された流入口(2)をもち、それはプレートの平面内に窪みによって形成された連結流路(3)と結合している。窪み流路(3)は、多数の部分溝(7)内の多数のマイクロ構造ユニット(6)によって分割される。部分溝(7)は、流出口(4)を通って混合領域(5)に流入する。流出口(4)は、混合領域(5)の周りに円形の線上に配列されている。混合領域(5)および流入口(2)は、プレート内の通路として使用される。しかし、このマイクロ構造ユニットは、模範的な螺旋形に曲がった形で形成される。マイクロ構造ユニットは、また直線状に曲がらずに形成されてもよく、また任意の他の幾何学的な形で形成されてもよい。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品の積層物を有するのが好ましい。積層物内には、流入口が抽出物流の供給のための副流路が形成されており、混合領域が生成物流の排出のための主流路を形成するようにプレートが重なり合って存在する。主流路を通して、混合されるべき成分、好ましくは後で混合物の連続層を形成する流体を供給することもできる。この実施態様は、例えば特に液体のガス燻蒸または分散物の製造に適している。この場合、ガス燻蒸されるべき液体または分散媒は、中央の主流路を通して供給され、ガスまたは分散されるべき物質は、副流路を通して供給される。好ましくは、プレート積層物は交互の層構造を持つ構造を有し、この際交互のプレートは重なり合って、反対の回転方向をもつ螺旋状のマイクロ構造ユニット(6)を有する。しかしまた、ただ一つのプレートのタイプのものも使用できる。マイクロ構造ユニットはさらに、好ましくは直線状に形成され、部分溝がノズルを形成するように作られる。
【0027】
もう一つの実施態様を図1dに示す。プレート(1)は、一つの包囲された流入口(2)、一つの包囲された混合領域(5)および一つの包囲された漏出口(9)を有する。流入口(2)は、プレート面に窪みによって形成された連結流路(3)に接続しており、それは多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割されている。部分溝(7)は、流出口(4)から混合領域(5)に通じている。流出口(4)は、混合領域(5)の周りで円形の線上に配列している。混合領域(5)、流入口(2)および漏出口(9)は、プレート内に貫通通路(Durchbrueche)として形成される。マイクロ構造ユニットは、例えば螺旋状に形成される。マイクロ構造ユニットはまた、直線状に曲がらずに形成されてもよく、または任意の他の幾何学的な形に形成されてもよい。連結流路(3)内の追加の部品(10)によって連結流路(3)内の流れの状態を最適化することができる。プレートが円く形成されている場合は、それは縁に空隙(8)を有していることが好ましく、それはプレートの湾曲やズレを避けるために、一つのケース内で支持エレメント(14)と一緒に作用することができる。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品の積層物を有しているのが好ましく、この場合図1dのプレートは交互に180°だけねじれて重なっている。これによって、二種の異なった抽出物流が混合領域(5)の上下にすぐ隣接して供給できるようになる。積層物中では、流入口(2)と漏出口(9)が交互になっており、二つの副流路が二種の抽出物流の供給のために形成され、混合領域が生成物流の排出のために形成されるように、プレートは重なり合っている。主流路を通して、後で混合物の連続層を形成する流体を供給しても良い。好ましくは、プレート積層物は交互の層構造を持つ構造をもってもよく、この場合交互にプレートは重なり、反対の回転方向を持つ螺旋状のマイクロ構造ユニット(6)を有する。しかし、それは単一のプレートタイプだけを使ってもよい。さらに、マイクロ構造ユニットは直線状に形成するのが好ましく、部分溝がノズルを形成するように成形される。
【0028】
もうひとつの実施態様を図2aないし図2cに示す。プレート(1)は、それぞれ三つの包囲された流入口(2)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート面内に窪みによって形成された連結流路(3)で連結されている。各窪み流路(3)は、少なくとも一つのマイクロ構造ユニット(6)によって、少なくとも二つの部分溝(7)に分割される。より多い数のマイクロ構造の取り付けによって、対応するより多い数の部分溝への分割を行うことが可能となる。部分溝(7)は、流出口(4)を通して混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、混合領域(5)の周りに円形の線上に配列される。混合領域(5)および流入口(2)は、プレート内の流路として形成される。マイクロ構造ユニットは、異なった回転方向をもって螺旋状に、または直線状に形成してもよい。三つの流入口(2)を通じて、同じかまたは三種までの異なった抽出物流を混合領域(5)の一つの平面に供給することができる。マイクロミキサーは、好ましくは多数の重なった構成部品の積層物を有し、この場合図2a、2bおよび2cの異なったプレートの形式が交互に現れ、交互の層構造、例えばABCABCをもつ構造が得られる。これによって、それぞれ二種の異なった抽出物流を直ぐ隣り合って重なって混合領域(5)に供給できる。積層物内では、流入口が各抽出物流の供給のための副流路を形成し、混合領域が生成物流の排出のための主流路を形成するように、プレートが重なり合っている。また、主流路を通して後で混合物の連続相を生成する流体を供給することもできる。
【0029】
もう一つの実施態様を図3aおよび図3bに示す。プレート(1)は、それぞれ二つのプレートの縁に位置する流入口(2)をもつ。各流入口(2)は、それぞれプレート面に窪みによって形成された連結流路(3)で連結されている。各窪み流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、流出口(4)を通じて包囲された混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、直線状に配置されている。混合領域(5)は、例えばプレート内に長方形の通路として形成される。マイクロ構造ユニットは、模範的には流れの方向に対して斜めに形成され、この場合図1aおよび1bの斜面は反対の方向をもつ。また、マイクロ構造ユニットは、それぞれ同じ傾斜か、傾斜なしに形成されてもよい。プレートは、ほぼ正方形の基本形をもつが、任意の他の幾何学的な基本形状(角形、円形、楕円形など)を有していてもよい。二つの流入口(2)を通して、二種の異なった抽出物流を混合領域(5)の面に供給でき、この場合、両方の異なった抽出物流を誘導する流出口は互いに向かい合っているのが好ましい。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品の積層物を有するのが好ましく、この場合図3aのプレートは図3bのものと交互に入れ替わり、交互の層構造ABABを持つ構造が得られる。
【0030】
もう一つの実施態様を図3cおよび図3dに示す。プレート(1)は、それぞれ四個のプレートの縁に位置する流入口(2)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート面に窪みによって形成された連結流路(3)で連結されている。各窪み流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、流出口(4)を通じて包囲された混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、円形に配置されている。連結流路は、螺旋状に曲がっており、この場合図3cおよび図3dの螺旋の方向は反対である。混合領域(5)は、プレート内に流路として形成される。マイクロ構造ユニットは、模範的には直線状に形成されるが、斜めでも、螺旋状に曲がってもよい。プレートは、ほぼ正方形の基本形をもつが、任意の他の幾何学的な基本形(角形、円形、楕円形など)をもってもよい。四つの流入口(2)を通して、同じまたは四種までの異なった抽出物流を混合領域(5)の面に供給でき、この場合異なった抽出物流を扱う流出口は互いに向かい合っているのが好ましい。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品の積層物を有するのが好ましく、この場合図3cのプレートは螺旋状に曲がった連結流路の反対の回転方向を有する図3dのものと交互に入れ替わり、交互の層構造ABABを持つ構造が得られる。これによって、それぞれ二種の異なった抽出物流を直ぐ隣り合って重なって混合領域(5)に供給できる。積層物内では、流入口がミキサーの縁にあるミキサーケースと一緒に各抽出物流の供給のための副流路を形成し、混合領域が生成物流の排出のための主流路をミキサーの内部に形成するように、プレートが重なり合っている。又、主流路を通して後で混合物の連続相を生成する流体を供給することもできる。
【0031】
もう一つの実施態様を図4aないし4fに示す。プレート(1)は、それぞれ包囲された流入口(2)およびそれぞれ包囲された漏出口(9)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート面に窪みによって形成された連結流路(3)で連結されている。各連結流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、プレートの縁に位置する流出口(4)を通じてプレート面の外にある混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、直線上に並んでもよく(図4e、4f)、弧の切片の上に並んでもよく、この場合弧の切片は凸形(図4a、4b)でも凹形(図4c、4d)でもよい。流入口(2)および漏出口(9)は、プレートの通路として形成される。マイクロ構造ユニットは、連結流路に提供される流れの方向に対して平行または異なった角度で配置されてもよい。プレートが円く形成される場合は、それは縁に空隙(8)を有するものが好ましく、それはプレートのねじれやズレを避けるためにケース(11)の中の支持エレメント(14)と一緒に作用することができる。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品を有していることが好ましく、この場合図4aのプレートは図4bのプレートと、図4cのプレートは図4dのプレートと、図4eのプレートは図4fのプレートと、それぞれ交互に入れ替わり、交互の層構造ABABをもつ構造が得られる。これによって、二種の異なった抽出物流を直ぐ隣り合って重なって混合領域(5)に供給できるようになる。好ましくは、混合領域内の合流の時の部分溝の隣接のプレート内の混合領域の円周線に対する角度は変化し、特に好ましくは90°の反対方向の偏向をもつ。積層物中では、流入口(2)と漏出口(9)が交互に入れ替わり、二個のミキサー内部にある副流路が二種の抽出物流の供給のために形成されるようにプレートは重なる。混合領域は、ケースをもって生成物流の排出のための主流路を形成してもよいが、周りに向かって開いていてもよい。外に向かって開いた様式は、マイクロミキサーを流体の媒体、例えば可燃性のガスまたは液体の燃焼のためのマイクロリアクターとして扱う場合に特に好ましい。ガスリアクターとして構成された実施態様は、少なくとも一つの可燃性の媒体の供給のための第一の接続および少なくとも一つの燃焼反応を促進する媒体、例えば空気の供給のための第二の接続を有する。可燃性の媒体および燃焼を促進する媒体の供給はそれぞれ両方の副流路の一つを通じて行うことができる。
【0032】
もう一つの実施態様を図5aおよび図5bに示す。プレート(1)は、それぞれ1つの包囲された流入口(2)およびそれぞれ二つの包囲された漏出口(9)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート面に窪みによって形成された連結流路(3)に連結している。各連結流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、プレートの縁に位置する流出口(4)を通じてプレート面の外にある混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、直線上に並んでもよく(図5a)、弧の切片(図5b)の上に並んでもよく、この場合弧の切片は凸形でも凹形でもよい。流入口(2)および漏出口(9)は、プレートの通路として形成される。マイクロ構造ユニットは、連結流路に提供される流れの方向に対して平行または異なった角度で配置されてもよい。プレートが円く形成される場合は、それは縁に溝(8)をもつのが好ましく、それはプレートのねじれやズレを避けるためにケース(11)の中の支持エレメント(14)と一緒に作用することができる。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品を有していることが好ましく、この場合図5aおよび図5bの三種の異なった形式のプレートが交互に入れ替わり、交互の層構造ABCABCをもつ構造が得られる。これによって、それぞれ異なった抽出物流を直ぐ隣り合って重なって混合領域(5)に供給できるようになる。好ましくは、混合領域内の合流の時の部分溝の隣接のプレート内の混合領域の円周線に対する角度は変化し、特に好ましくは90°の反対方向の偏向をもつ。積層物中では、流入口(2)と漏出口(9)が交互に入れ替わり、三個のミキサー内部にある副流路が三種までの異なった抽出物流の供給のために形成されるようにプレート(1)は重なる。混合領域(5)は、ケースをもって生成物流の排出のための主流路を形成してもよいが、周りに向かって開いていてもよい。外に向かって開いた様式は、マイクロミキサーを流体の媒体、例えば可燃性のガスまたは液体の燃焼のためのマイクロリアクターとして扱う場合に特に好ましい。
【0033】
図6aに、静止型マイクロミキサーの実施態様の図式による構造の縦断面図の形を示す。ケース(11)は流体供給部(12a)を有する。ケース(11)には、多数の本発明の混合プレート(1)から成る積層物が含まれる。プレートの流入口および/または漏出口は、好ましくはプレート面に垂直に動く閉鎖装置(13a)を使って開閉する。マイクロミキサーは、化学反応の実施のための反応器として、特にガスバーナーとして使用できる。
【0034】
燃焼反応では、中で燃焼反応が進行する混合領域は、ケースの外にある。他の化学反応器およびミキサーでは、混合領域はケースの中にあっても良く、混合は適切な流体を導入しながら行ってもよい。燃焼反応の場合は、好ましくは混合領域に空間的に近いところに点火機構および/または開始−または支持火口が配置される。
【0035】
図6bに、静止型ミキサーの横断面図を示す。ケース(11)の中に、一個の混合プレートが取り付けられ、これは空隙(8)および支持エレメント(14)を使って定位置に保持される。混合プレートとしては、例えば図5aに記載されたものが示される。
【0036】
もう1つの好ましい実施態様を図7a−bおよび図8a−cに示す。この実施態様では、プレート(1)は互いに並べて置かれた部分溝(7)および(13)を有し、これらは交互に異なった抽出物流を貫流させることができ、そのため異なった抽出物流が1つの平面内で直ぐ隣り合って混合領域(5)に供給できる。
【0037】
図7aに示されているプレート(1)はそれぞれ、包囲された流入口(2)と、包囲された混合領域(5)と、包囲された漏出口(9)とを有している。この流入口(2)は、プレート面において窪みによって形成された連結流路(3)と連結されており、これは、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割されている。この部分溝(7)は、流出口(4)を通して混合領域(5)に流れ込んでいる。この流出口(4)は、混合領域(5)を取り囲んで円形のライン上に配置されている。混合領域(5)、流入口(2)及び漏出口(9)は、当該プレートにおいて貫通通路として形成されている。このマイクロ構造ユニット(6)においては、溝を掘って形成された更に別の部分溝(13)が組み入れられており、これは、連結流路(3)に対して遮蔽され、混合領域(5)にて流れ込んでいる。部分溝(7)と、更なる部分溝(13)は、交互に隣接して配置されている。このプレートは、更に追加して設けられた貫通通路(12)を有しており、この際、貫通通路(12)の数と、追加の部分溝(13)の数は同じである。この貫通通路(12)は、プレート(1)が第2のプレート(1)上で180°捻られて置かれた際に、常に、その下に位置したプレートの、追加された部分溝(13)の上方にあるようにして配置されている。連結流路(3)における流入口(2)を通って流れる抽出流は、貫通通路(12)を通って、その下に位置するプレートの追加の部分溝(13)に流れ込むことができる。隣接した部分溝(7)と(13)の角度は、互いに混合領域の円周線に関して異なっても良い。図7aでは、追加の部分溝(13)の角度に対する、部分溝(7)の角度が、混合領域(5)の円周線に関して90°反対に相違している。これによって、流出口は、2つの部分溝のそれぞれと互いに対をなして配置している。これにより、2つの異なった抽出物流を互いに供給することができる。しかしながら、この部分溝は、混合領域に対して直角に平行であっても、混合領域に対して斜めに走っていてもよい。図7aには、2枚の同一のプレート(1)が互いに180°捻られたものが示されている。図7bには、180°捻られて重ねられた2枚のプレート(1)が図示されている。マイクロミキサーは、好ましくは多数の互いに重なった構成部品から成る積層物を有しており、この際、図7aに記載されるプレートは交互に180°捻じられて重なっている。これによって、2つの異なる抽出物流が、直接隣接して上下に互いに混合領域(5)に供給できるだけでなく、直接隣接して互いに並んでも混合領域(5)に供給できることが達成される。この積層物においては、前記プレートが重なっており、流入口(2)と漏出口(9)とが入れ替わり、2つの抽出物流を供給するための副流路が2つ形成され、前記混合領域が、生成物流を排出するための主流路を形成するようになっている。しかし、主流路を経由して、混合物のもっと遅い連続相が形成される流体を供給することもできる。更に、このプレートは、プレートの追加して設けられた貫通通路(12)のそれぞれが、隣接したプレートに追加して設けられた部分溝(13)のそれぞれと連結されるようにして重なっている。
【0038】
図8aには、図7aのものと類似した実施形態が示されており、相違しているところは、部分溝(7)と追加された部分溝(13)が、混合領域(5)に対して同じ角度で傾斜して平行に通じている点である。その際、図8aの左側のプレートは、右側のプレートとは、混合領域(5)の円周線に対する部分溝(7)と(13)の角度が90°反対に相違している点で異なっている。マイクロミキサーは、好ましくは、多数の重なった構成部品から成る積層物を有しており、この際、図8aに記載される左と右のプレートが交互に入れ替わっており、交互になった層構造ABABを有する構成が形成されている。これによって、2つの異なる抽出物流が、直接隣接して上下に互いに、対向する角度で混合領域(5)に供給できることが達成される。
【0039】
図8cには、図8aのものと類似した実施形態が示されており、相違しているところは、部分溝(7)と追加された部分溝(13)が平行で、混合領域(5)に対して垂直に通じている点である。マイクロミキサーは、好ましくは、多数の重なった構成部品から成る積層物を有しており、この際、図8cに記載される左と右のプレートが交互に入れ替わっており、交互になった層構造ABABを有する構成が形成されている。この積層物においては、前記プレートが重なっており、流入口(2)と漏出口(9)とが交互になり、2種類の抽出物流を供給するための副流路が2つ形成され、前記混合領域が、生成物を排出するための主流路を形成するようになっている。更に、このプレートは、プレートの追加して設けられた貫通通路(12)のそれぞれが、隣接したプレートに追加して設けられた部分溝(13)のそれぞれと連結されるようにして重なっている。これによって、2つの異なる抽出物流が、直接隣接して上下に互いに、対向する角度で混合領域(5)に供給できることが達成される。
【0040】
更に別の実施形態が図8bに示されている。プレート(1)は、包囲された流入口(2)と、3つの包囲された漏出口(9)と、包囲された混合領域(5)を有している。この流入口(2)は、プレート面において窪みによって形成された連結流路(3)と連結されており、これは、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割されている。この部分溝(7)は、流出口(4)を通して混合領域(5)に流れ込んでいる。この流出口(4)は、混合領域(5)を取り囲んで円形のライン上に配置されている。混合領域(5)、流入口(2)及び漏出口(9)は、プレートにおいて貫通通路として形成されている。マイクロ構造ユニット(6)においては、溝を掘って形成された更に別の部分溝(13)が組み入れられており、これは、連結流路(3)に対して遮蔽され、混合領域(5)にて流れ込んでいる。部分溝(7)と、更なる部分溝(13)は、交互に隣接して配置されている。このプレートは、更に追加して設けられた貫通通路(12)を有しており、この際、貫通通路(12)の数と、追加の部分溝(13)の数は、同じ大きさである。この貫通通路(12)は、プレート(1)が第2のプレート(1)上で90°捻られて置かれた際に、いつも、その下に位置したプレートの、追加された部分溝(13)の上方にあるようにして配置されている。連結流路(3)における流入口(2)を通って流れる抽出流体は、貫通通路(12)を通って、その下に位置するプレートの追加の部分溝(13)に流れ込むことが可能である。隣接した部分溝(7)と(13)の角度は、互いに混合領域の円周線に関して異なっても良い。図8bでは、追加の部分溝(13)の角度に対する、部分溝(7)の角度が、混合領域(5)の円周線に関して90°反対に相違している。これによって、流出口は、2つの部分溝のそれぞれと互いに対をなして配置している。これにより、2つの異なった抽出物流が互いに供給できる。しかしながら、この部分溝は、混合領域に対して直角に平行であっても、混合領域に対して斜めに走っていてもよい。マイクロミキサーは、好ましくは多数の互いに重なった構成部品から成る積層物を有しており、この際、図8bに記載されるプレートは任意の順序で90°、180°又は270°捻じられて重なっている。これによって、幾つかの抽出物流が、直接隣接して上下に互いに混合領域(5)に供給できるだけでなく、直接隣接して互いに並んでも混合領域(5)に供給できることが達成される。全体では、4種類までの異なる抽出物を、このマイクロミキサーを用いて混合することができる。積層物においては、前記プレートが重なっており、流入口(2)と漏出口(9)とが交互に入れ替わり、4種類までの抽出物流を供給するための副流路が全体で4つ形成され、前記混合領域が、生成物を排出するための主流路を形成するようになっている。しかし、主流路を経由して、混合物のもっと遅い連続相が形成される流体を供給することもできる。更に、このプレートは、プレートの追加して設けられた貫通通路(12)のそれぞれが、隣接したプレートに追加して設けられた部分溝(13)のそれぞれと連結されるようにして重なっている。
【0041】
図9には、具体例として、分解した状態で表された本発明のマイクロミキサーの可能性ある実施形態が示されている。ケース(11)には、プレート(1)の形態である本発明の構成部品でできた積層物が収容されている。具体例として、図8aに記載された複数のプレートから成る積層物が図示されているが、これは、他の本発明のプレートが使用されても良く、この際、場合によっては、ケースの形態、流体供給及び流体排出の数や位置などが調節される。このプレート(1)は、空隙(8)が支持エレメント(14)と一緒に作用し、プレートが捻じ曲がるのを防止するようにして入れられている。このケースは、抽出物を供給するための2つの流体供給管(12a)を有している。このケースは、蓋15によって閉鎖することができ、この蓋は、流体排出管(16)を有している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1a−b】流入口と流出口が含まれている二種の抽出物流のための二つの入口を有する混合プレートである。
【図1c】流入口と流出口が包囲されている一つだけの入口を有する混合プレートである。
【図1d】それぞれ包囲された流入口、漏出口および流出口を有する混合プレートである。
【図2a−c】流入口と流出口が包囲されている三種までの異なる抽出物流のための三つの入口を有する混合プレートである。
【図3a−b】二種の抽出物流のためのプレート縁にある二つの流入口および包囲された流出口有する混合プレートである。
【図3c−d】四種までの異なる抽出物流のためのプレート縁にある四つの流入口および包囲された流出口を有する混合プレートである。
【図4a−f】二種の抽出物流のためのそれぞれ包囲された流入口および漏出口ならびに流出口をプレート縁に有する混合プレートである。
【図5a−b】三種までの異なる抽出物流のための各一つの包囲された流入口および二つの包囲された漏出口および流出口をプレート縁に有する混合プレートである。
【図6a】マイクロ反応器として使用できる静止型マイクロミキサーの図を用いた構造の縦断面図である。
【図6b】開放ケースの中のミキサー円板である。
【図7a−b】異なった抽出物流の隣接する部分溝が貫流できる、包囲された流入口および漏出口および追加の部分溝を有する混合プレートである。
【図8a.c】異なった抽出物流の隣接する部分溝が貫流できる、包囲された流入口および漏出口および追加の部分溝を有する混合プレートである。
【図8b】異なった抽出物流の隣接する部分溝が貫流できる、包囲された流入口および三つの包囲された漏出口および追加の部分溝を有する混合プレートである。
【図9】ケースおよび多数の混合プレートからなる積層物を有するマイクロミキサーである。
【符号の説明】
【0043】
1 プレート
2 流入口
3 連結流路
4 流出口
5 混合領域
6 マイクロ構造ユニット
7 部分溝
8 空隙
9 漏出口
10 内部構造
11 ケース
12 貫通通路
12a 流体供給管
13 追加の部分溝
13a 閉鎖装置
14 支持エレメント
15 蓋
16 流体排出管
【図1a】
【図1b】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、静止型マイクロミキサー(statische Mikromischer)のためのプレート状の構成部品(Bauteile)、このプレートから構成されたマイクロミキサーならびにこのマイクロミキサーを使用する混合法、分散法および化学反応の実施の方法である。
【背景技術】
【0002】
少なくとも二種の流体の混合における目標は、一定の通常できるだけ短い時間内に両方の流体の同形の分布を達成することである。動的ミキサーでは、混合は、乱流の状態を創り出すことによる機械的攪拌の使用で行われる。動的ミキサーは、必要な機械的構成部品に基づいてそれ以上の小型化ができないという欠点がある。静止型ミキサーでは、十分な混合が可動部分の使用なしに行われる。このミキサーは、種々の実施形態が知られているいわゆる静止型マイクロミキサーまで小型化することができる。静止型マイクロミキサーの長所は、構成部品の寸法の小型化とそれによる熱交換気および反応器のような別のシステムへの組み込みの可能性である。二つ以上の狭い空間に挿入された部品を一緒に作用させることによって、プロセス最適化の更なる可能性が得られる。静止型マイクロミキサーで得られる非常に狭い混合時間の分布は、選択性および収率に関して化学的変換の最適化の種々の可能性を許容する。1秒ないし数ミリ秒の混合時間を得ることができ、それによって気体の混合をさらに明らかに速く行うことができる。マイクロミキサーの使用の可能性は、液−液および気−気の混合から液−液エマルション、気−液分散物の形成、およびそれによってまた多相反応および相転換反応にまで及ぶ。
【0003】
マイクロミキサーの一つの種類は、拡散制御された混合のプロセスに基づく。このために、互いに隣接した流体の薄層がマイクロメータ領域の厚さを生成する。平面形状の選択によって流体層の幅とそれによる拡散方法の調節が可能である。そのような静止型マイクロミキサーは、例えばDE19927556A1、DE2022206371U1、WO02/089962に記載されている。顕微鏡的な流体層の間の拡散に基づくマイクロミキサーの欠点は、層流の状態の形成と維持のために、比較的僅かな流速が必要であるということである。この混合原理では、比較的僅かな投入量しか可能でない。
【0004】
そのほかに、貫通する流路をもつ運転構成部品または溝をもつ箔から成るマイクロミキサーが知られており、これは積み重ねによって種々の混合すべき流体のための流路を形成し、その際流路の寸法はマイクロメータ範囲内にある。抽出物流は、隣接した流体層として流路から混合室に流出し、その際混合は拡散および/または乱流によって行われる(特にWO97/17130およびそこに引用された文献ならびにWO97/17133、WO95/30475、WO97/16239、WO00/78438を参照されたい)。この構成部品の製造は比較的高価であり、混合すべき流体の導通の際に、多数の長くて非常に狭い流路によって、比較的高い圧力損失を生じる。これは高い挿入量が達成されなければならない場合、強力なポンプシステムの投入を必要にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、小さい構成空間および必要な構成部品の簡単な製造によって、できるだけ僅かな圧力損失で迅速で強力な混合を可能にする少なくとも二種の流体の混合のための方法と装置を提供するという課題を有する。
【0006】
次に、「流体」という概念は気体または液状の物質またはそのような物質の混合物と理解され、それは一種以上の固体、液体または気体の物質を溶解または分散して含有してもよい。混合という概念は、溶解、分散および乳化も含む。その結果、混合物という概念は、溶液、液−液エマルション、気−液−および固−液−分散物を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明の構成部品を有する静止型マイクロミキサーによって解決される。本発明の構成部品は、一つのプレートの形態を有し、それは
−プレートの面にある連結流路への少なくとも一つの抽出物流の流入のための少なくとも一つの流入口およびプレートの面の中の一つに抽出物流を出すための少なくとも一つの流出口を有し、
−その際、流入口はプレートの面にある連結流路によって流出口と連結しており、また
−連結流路は混合領域内の合流点の前に二つ以上の部分溝内でのマイクロ構造の取り付け部によって分割され、その際部分溝の幅はミリメートルないしミリメートル以下の範囲にあり、混合領域の幅より小さい。
【0008】
「部分溝(Teilkanaele)」という概念は、混合領域の流出口の直前でのマイクロ構造の取り付け部による部分流中の抽出物の流の分割をも含む。この取り付け部の寸法、特に長さと幅は、この場合ミリメートル領域にあるか、好ましくは1mm未満であってもよい。部分溝は、好ましくは流れの調節のために絶対に必要な長さまで短くし、したがって一定の装入量のために比較し得る僅かな圧力を必要とする。部分溝の長さの幅に対する比率は、1:1ないし20:1、特に8:1ないし12:1の範囲、特に好ましくは約10:1であるのが好ましい。マイクロ構造の取り付け部は、好ましくは混合領域の流出口における抽出物の流速が連結流路の流入口におけるそれよりも大きく、また混合領域を通る生成物の流れの流速より大きいように設定する。
【0009】
プレートの上に設置される連結流路および部分溝は、自由な形状にし得る。プレートもそれに含まれる個々の流路も、いろいろな媒体および量を運べるように、高さ、幅および厚さを変えてもよい。プレートの基本形は任意であり、円い形、例えば円形または楕円形または角形、例えば長方形または正方形でもよい。プレートの形状はまた、できるだけ簡単な製作に関して、またはできるだけ僅かな重量およびできるだけ僅かにしか使われない平面に関して最適化されることもできる。部分溝の流出口は、直線ないし任意の幾何学的形状に亙るどれか任意のやり方で配置できる。流出口は、特に混合領域がプレートの面に完全に囲まれているとき、例えば円形の線上に配置されてもよい。一つの円盤で二種または二種以上の成分(A、B、Cなど)を扱うことができ、これらは同じか異なる量比で混合される。部分溝は、相互にまたは混合領域の流出口がある線に対し、任意の角度で走っている。それは数個の部分溝を互いに並んで配置してもよく、それはいつも例えば部品Aを備え、隣接部分でその同じ円板は例えば部品Bを備えている数個の部分溝を互いに並んだ形で配置してもよい。構成部品は、プレート内の追加の通路および追加の部分溝によって、部分溝から部分溝へ部品A、Bなどが同じプレート内で入れ替わるように製作されてもよい。部分溝は、混合領域の流出口のところで好ましくは1μm〜2mmの範囲の幅、および10μm〜10mmの範囲の深さ、および特に好ましくは5μm〜250μmの範囲の幅、および250μm〜5mmの範囲の深さを有する。
【0010】
連結流路は、変化する幅を有してもよい。連結流路の最大幅および/または入り口の幅の、混合領域の流出口での部分溝の幅に対する比率は、2より大きいのが好ましく、5より大きいのが特に好ましい。
【0011】
プレート状の構成部品は、10〜1000μmの厚さを有してもよい。流路の高さは、好ましくは1000μm未満、特に好ましくは250μm未満である。マイクロ構造の取り付け部および流路台の壁厚は、好ましくは100μm未満、特に好ましくは70μm未満である。
【0012】
特別の実施態様においては、少なくとも一つの流入口または流出口または混合領域がプレート平面に完全に囲まれる。開口は、この場合円形または角形、例えば長方形の取り出し口として存在する。囲まれた混合領域の場合は、好ましい形態は楕円形または円形である。部分溝は、混合領域の方向にノズルの形で先細になってもよい。部分溝は、真っ直ぐか、螺旋状に曲がっていてもよい。部分溝は、混合領域の外周線に関して直角に混合領域に入るか、または90°とは異なる角度で入ってもよい。直角でない入り方の場合、数個の混合プレートから成る積層物(Stapel)の形成に際して、好ましくは反対の偏差を持ったプレートがそれぞれ直角に隣接する。同様に、部分溝の螺旋状の入り方の場合は、数個のミキサープレートの積層物の形成に際して、好ましくは反対の回転方向を持つプレートがそれぞれ螺旋に隣接する。
【0013】
開口の間の連結流路は、好ましくは窪みを通して形成される。しかし、流入口および/または流出口または混合領域は、プレートの縁のところに、またはプレートの縁の溝を通して配置してもよい。
【0014】
別の特別の実施態様においては、少なくとも二種の抽出物のための少なくとも二つの流入口があり、この場合それぞれの流入口はそれぞれ一つの連結流路で混合領域と結合している。この場合、好ましくは二種の異なる抽出物のための二つの開口は混合領域の向かい合った側面にあり、この場合、混合領域は好ましくはプレート平面の中に完全に包含されて位置する。
【0015】
構造部品の材料としては、例えば金属、特に耐食性の金属、例えば特殊鋼、ならびにガラス、セラミックスまたはプラスチックが適している。構造部品は、表面にマイクロ構造を作るための公知の技術で、例えば金属のエッチングまたはフライス加工により、またはプラスチックの射出成形によって製造される。
【0016】
本発明の静止型マイクロミキサーは、少なくとも二個の流体供給管と少なくとも一個の流体取り出し管をもつケースを有する。ケースの中には、少なくとも二個の積層物に配置された本発明によるプレート状のマイクロミキサー構成部品がある。積層物は任意の数のプレートから作ることができ、それは積層物の高さに対応する流動を実現できる。ミキサーのそれぞれの場所で同じ圧力を保証するために、より大きい長さで流体の供給を行うことができる。プレート内またはプレート上の溝またはブリッジは、堆積性や検査可能性に役立つ。プレートは、流入口が各抽出物流の供給のための副流路を形成し、流出口または混合領域が生成物の流れの排出のための主流路を形成し、主流路および副流路が積層物を通って拡がるように上下に存在する。全体として、マイクロミキサーは例えば少なくとも5個、10個、100個または1000個を超える部分溝を有してもよく、それぞれ多数の部分溝を有するプレートの積層物から成ってもよい。
【0017】
好ましくは、それぞれ一つのプレートの流出口から混合領域に流出する第一の抽出物Aの部分流は、一つの隣接するプレートの流出口から混合領域に流出する第二の抽出物の部分流と直接隣接しており、それは拡散および/または乱流によって混合領域内で混合される。
【0018】
マイクロミキサーの一つの実施態様では、プレートの連結流路は窪み(Vertiefungen)によって形成されており、連結流路は混合領域内での合流の前にプレートに取り付けられたマイクロ構造ユニットによって部分溝内で分割される。別の実施態様では、プレートの連結流路は抜き取りによってプレート内に形成され、この際プレートはそれぞれ天井プレートおよび底プレートの間の隔壁プレートとして配置され、連結流路は混合領域内での合流の前に天井プレートおよび/または底プレートに取り付けられたマイクロ構造ユニットによって部分溝内で分割される。本発明のマイクロミキサーには、熱の供給または排出のために熱交換器を組み込んでもよい。
【0019】
本発明のマイクロミキサーは、とりわけ気体の成分の化学反応、特に燃焼反応にも適している。本発明の対象は、したがって燃焼反応器、例えばガスバーナーまたはオイルバーナーでもある。この燃焼反応器は、重要な構成要素として本発明のマイクロミキサーをもち、また可燃性の液体または気体の媒体の供給のための少なくとも一つの第一の接続および燃焼反応を促進する酸素含有の媒体、例えば空気の供給のための少なくとも一つの第二の接続を有する。これらの成分の供給は、一定の反応を特徴づける規模を最適化するように行うことができる。これは特に炎の温度および反応によって生じる生成物のために有効である。大気による燃料ガス(例えばメタン)の燃焼の場合は、燃焼温度の低下によって酸化窒素の生成を最小にすることができる。炎は、流出口の適切な凸形または凹形の配列によって集中でき、または分散できる。流路の適切な配置によって、局部的に限定された支持炎を実現でき、これは副流路の一つから一定のガス圧で供給される。他の副流路の接続によって、そのあと反応を開始することができる。ノズル状のバーナーの製造のための円筒状の反応室(混合領域)も可能である。気体/気体のような同質の媒体の他に、特に例えばベンジンまたは石油のような可燃性の液体の燃焼のために、気体/液体のような異種の媒体も混合できる。
【0020】
本発明の対象は、また液状の成分の混合方法であり、この場合少なくとも二種の最初別々に含有された流体の抽出物流が相互に混合され、混合は少なくとも一種の本発明の構成部品および一種の本発明のマイクロミキサーの使用によって行われる。この場合、抽出物の流速または混合領域内の抽出物は、混合領域内での生成物の混合物の流速より大きいのが好ましい。特に好ましいのは、ミキサーの形態および流速が混合領域内で乱流が生じ、混合領域内での混合が少なくとも部分的に乱流によって行われることである。
【0021】
本発明の混合方法はまた、分散物、エマルションまたは溶液の製造のため、ならびに液体のガス燻蒸のための均質化の方法を特に含む。このためには、少なくとも一つの本発明の構成部品または一つの本発明の静止型マイクロミキサーの使用のもとに、一種の連続液相を、少なくとも一種の不溶性の分散されるべき流体相または少なくとも一種の可溶性の流体相と混合する。両方の相は、異なる副流路を通して供給してもよく、または相の一つ(好ましくは連続相)を主流路を通じ、もう一つの相を副流路を通じて供給してもよい。
【0022】
本発明のもう一つの対象は、化学反応の実施の方法であり、この場合、
−反応性の成分を含むか、それから成る少なくとも二種の最初別々に含有された流動性の抽出物流を互いに混合し、しかも、
−混合の間、または後で、自然に、またはエネルギーの供給によって、または適当な触媒を使って、化学反応を誘導して進行させ、
ここに混合は、少なくとも一種の本発明の構成部品または少なくとも一種の本発明の静止型マイクロミキサーの使用のもとに行われる。
【0023】
本発明の方法の能力を向上させるために、プレートの中の流路の数を増してもよいし、またマイクロミキサー内の重ねるプレートの数を増してもよいし、あるいは多数のマイクロミキサーをモデュール状に平行に接続して運転してもよい。この場合、より大きい流路の直径をもつマイクロミキサーで予め大まかな混合を行い、後に続くマイクロミキサーがだんだん小さい流路直径を有するのが特に有利である。
【0024】
以下、本発明の構成部品およびマイクロミキサーの模範的な実施態様を図面に基づいて説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
一つの実施態様を図1aおよび図1bに示す。プレート(1)はそれぞれ二個の包囲された流入口(2)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート平面内に窪みによって形成された連結流路(3) と連結している。各窪み流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、流出口(4)を通って包囲された混合領域(5)に通じている。流出口(4)は、混合領域(5)の周りに円形の線上に配列されている。混合領域(5)および流入口(2)は、プレート内の通路として使用される。マイクロ構造ユニットは、例えば螺旋形に曲がった形状で形成され、この場合図1aおよび図1bの螺旋は反対の回転方向をもつ。マイクロ構造ユニットは、また曲がらずに直線状に形成されてもよい。プレートが丸く形成されている場合は、それは縁に沿って空隙(Aussparungen)(8)を有し、これはプレートの湾曲またはズレを避けるために、ケース(11)内で支持エレメント(14)と一緒に作用することができる。プレートはまた、角形、好ましくは四角形、例えば正方形に形成されてもよい。さらに、空隙および支持エレメントは省略してもよい。二つの流入口(2)によって、二種の異なった抽出物流を混合領域の平面に供給することができ、この場合両方の異なった抽出物流を分別する流出口は互いに向かい合っているのが好ましい。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品を有するのが好ましく、この場合図1aによるプレートは、図1bによるプレートと交互に入れ替わっており、交互の層構造ABABなどを有する構造が得られる。これによって、二種の異なった抽出物流は混合領域(5)の上下に、または直接隣接して供給できるようになる。積層物中では、流入口がそれぞれの抽出物流の供給のための副流路を形成し、混合領域が生成物流の排出のための主流路を形成するようにプレートが重なり合って存在する。しかしながら、主流路を通して、後で混合物の連続層を形成する液体を供給することもできる。
【0026】
もう一つの実施態様を図1cに示す。プレート(1)は、一つだけの包囲された流入口(2)をもち、それはプレートの平面内に窪みによって形成された連結流路(3)と結合している。窪み流路(3)は、多数の部分溝(7)内の多数のマイクロ構造ユニット(6)によって分割される。部分溝(7)は、流出口(4)を通って混合領域(5)に流入する。流出口(4)は、混合領域(5)の周りに円形の線上に配列されている。混合領域(5)および流入口(2)は、プレート内の通路として使用される。しかし、このマイクロ構造ユニットは、模範的な螺旋形に曲がった形で形成される。マイクロ構造ユニットは、また直線状に曲がらずに形成されてもよく、また任意の他の幾何学的な形で形成されてもよい。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品の積層物を有するのが好ましい。積層物内には、流入口が抽出物流の供給のための副流路が形成されており、混合領域が生成物流の排出のための主流路を形成するようにプレートが重なり合って存在する。主流路を通して、混合されるべき成分、好ましくは後で混合物の連続層を形成する流体を供給することもできる。この実施態様は、例えば特に液体のガス燻蒸または分散物の製造に適している。この場合、ガス燻蒸されるべき液体または分散媒は、中央の主流路を通して供給され、ガスまたは分散されるべき物質は、副流路を通して供給される。好ましくは、プレート積層物は交互の層構造を持つ構造を有し、この際交互のプレートは重なり合って、反対の回転方向をもつ螺旋状のマイクロ構造ユニット(6)を有する。しかしまた、ただ一つのプレートのタイプのものも使用できる。マイクロ構造ユニットはさらに、好ましくは直線状に形成され、部分溝がノズルを形成するように作られる。
【0027】
もう一つの実施態様を図1dに示す。プレート(1)は、一つの包囲された流入口(2)、一つの包囲された混合領域(5)および一つの包囲された漏出口(9)を有する。流入口(2)は、プレート面に窪みによって形成された連結流路(3)に接続しており、それは多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割されている。部分溝(7)は、流出口(4)から混合領域(5)に通じている。流出口(4)は、混合領域(5)の周りで円形の線上に配列している。混合領域(5)、流入口(2)および漏出口(9)は、プレート内に貫通通路(Durchbrueche)として形成される。マイクロ構造ユニットは、例えば螺旋状に形成される。マイクロ構造ユニットはまた、直線状に曲がらずに形成されてもよく、または任意の他の幾何学的な形に形成されてもよい。連結流路(3)内の追加の部品(10)によって連結流路(3)内の流れの状態を最適化することができる。プレートが円く形成されている場合は、それは縁に空隙(8)を有していることが好ましく、それはプレートの湾曲やズレを避けるために、一つのケース内で支持エレメント(14)と一緒に作用することができる。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品の積層物を有しているのが好ましく、この場合図1dのプレートは交互に180°だけねじれて重なっている。これによって、二種の異なった抽出物流が混合領域(5)の上下にすぐ隣接して供給できるようになる。積層物中では、流入口(2)と漏出口(9)が交互になっており、二つの副流路が二種の抽出物流の供給のために形成され、混合領域が生成物流の排出のために形成されるように、プレートは重なり合っている。主流路を通して、後で混合物の連続層を形成する流体を供給しても良い。好ましくは、プレート積層物は交互の層構造を持つ構造をもってもよく、この場合交互にプレートは重なり、反対の回転方向を持つ螺旋状のマイクロ構造ユニット(6)を有する。しかし、それは単一のプレートタイプだけを使ってもよい。さらに、マイクロ構造ユニットは直線状に形成するのが好ましく、部分溝がノズルを形成するように成形される。
【0028】
もうひとつの実施態様を図2aないし図2cに示す。プレート(1)は、それぞれ三つの包囲された流入口(2)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート面内に窪みによって形成された連結流路(3)で連結されている。各窪み流路(3)は、少なくとも一つのマイクロ構造ユニット(6)によって、少なくとも二つの部分溝(7)に分割される。より多い数のマイクロ構造の取り付けによって、対応するより多い数の部分溝への分割を行うことが可能となる。部分溝(7)は、流出口(4)を通して混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、混合領域(5)の周りに円形の線上に配列される。混合領域(5)および流入口(2)は、プレート内の流路として形成される。マイクロ構造ユニットは、異なった回転方向をもって螺旋状に、または直線状に形成してもよい。三つの流入口(2)を通じて、同じかまたは三種までの異なった抽出物流を混合領域(5)の一つの平面に供給することができる。マイクロミキサーは、好ましくは多数の重なった構成部品の積層物を有し、この場合図2a、2bおよび2cの異なったプレートの形式が交互に現れ、交互の層構造、例えばABCABCをもつ構造が得られる。これによって、それぞれ二種の異なった抽出物流を直ぐ隣り合って重なって混合領域(5)に供給できる。積層物内では、流入口が各抽出物流の供給のための副流路を形成し、混合領域が生成物流の排出のための主流路を形成するように、プレートが重なり合っている。また、主流路を通して後で混合物の連続相を生成する流体を供給することもできる。
【0029】
もう一つの実施態様を図3aおよび図3bに示す。プレート(1)は、それぞれ二つのプレートの縁に位置する流入口(2)をもつ。各流入口(2)は、それぞれプレート面に窪みによって形成された連結流路(3)で連結されている。各窪み流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、流出口(4)を通じて包囲された混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、直線状に配置されている。混合領域(5)は、例えばプレート内に長方形の通路として形成される。マイクロ構造ユニットは、模範的には流れの方向に対して斜めに形成され、この場合図1aおよび1bの斜面は反対の方向をもつ。また、マイクロ構造ユニットは、それぞれ同じ傾斜か、傾斜なしに形成されてもよい。プレートは、ほぼ正方形の基本形をもつが、任意の他の幾何学的な基本形状(角形、円形、楕円形など)を有していてもよい。二つの流入口(2)を通して、二種の異なった抽出物流を混合領域(5)の面に供給でき、この場合、両方の異なった抽出物流を誘導する流出口は互いに向かい合っているのが好ましい。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品の積層物を有するのが好ましく、この場合図3aのプレートは図3bのものと交互に入れ替わり、交互の層構造ABABを持つ構造が得られる。
【0030】
もう一つの実施態様を図3cおよび図3dに示す。プレート(1)は、それぞれ四個のプレートの縁に位置する流入口(2)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート面に窪みによって形成された連結流路(3)で連結されている。各窪み流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、流出口(4)を通じて包囲された混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、円形に配置されている。連結流路は、螺旋状に曲がっており、この場合図3cおよび図3dの螺旋の方向は反対である。混合領域(5)は、プレート内に流路として形成される。マイクロ構造ユニットは、模範的には直線状に形成されるが、斜めでも、螺旋状に曲がってもよい。プレートは、ほぼ正方形の基本形をもつが、任意の他の幾何学的な基本形(角形、円形、楕円形など)をもってもよい。四つの流入口(2)を通して、同じまたは四種までの異なった抽出物流を混合領域(5)の面に供給でき、この場合異なった抽出物流を扱う流出口は互いに向かい合っているのが好ましい。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品の積層物を有するのが好ましく、この場合図3cのプレートは螺旋状に曲がった連結流路の反対の回転方向を有する図3dのものと交互に入れ替わり、交互の層構造ABABを持つ構造が得られる。これによって、それぞれ二種の異なった抽出物流を直ぐ隣り合って重なって混合領域(5)に供給できる。積層物内では、流入口がミキサーの縁にあるミキサーケースと一緒に各抽出物流の供給のための副流路を形成し、混合領域が生成物流の排出のための主流路をミキサーの内部に形成するように、プレートが重なり合っている。又、主流路を通して後で混合物の連続相を生成する流体を供給することもできる。
【0031】
もう一つの実施態様を図4aないし4fに示す。プレート(1)は、それぞれ包囲された流入口(2)およびそれぞれ包囲された漏出口(9)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート面に窪みによって形成された連結流路(3)で連結されている。各連結流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、プレートの縁に位置する流出口(4)を通じてプレート面の外にある混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、直線上に並んでもよく(図4e、4f)、弧の切片の上に並んでもよく、この場合弧の切片は凸形(図4a、4b)でも凹形(図4c、4d)でもよい。流入口(2)および漏出口(9)は、プレートの通路として形成される。マイクロ構造ユニットは、連結流路に提供される流れの方向に対して平行または異なった角度で配置されてもよい。プレートが円く形成される場合は、それは縁に空隙(8)を有するものが好ましく、それはプレートのねじれやズレを避けるためにケース(11)の中の支持エレメント(14)と一緒に作用することができる。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品を有していることが好ましく、この場合図4aのプレートは図4bのプレートと、図4cのプレートは図4dのプレートと、図4eのプレートは図4fのプレートと、それぞれ交互に入れ替わり、交互の層構造ABABをもつ構造が得られる。これによって、二種の異なった抽出物流を直ぐ隣り合って重なって混合領域(5)に供給できるようになる。好ましくは、混合領域内の合流の時の部分溝の隣接のプレート内の混合領域の円周線に対する角度は変化し、特に好ましくは90°の反対方向の偏向をもつ。積層物中では、流入口(2)と漏出口(9)が交互に入れ替わり、二個のミキサー内部にある副流路が二種の抽出物流の供給のために形成されるようにプレートは重なる。混合領域は、ケースをもって生成物流の排出のための主流路を形成してもよいが、周りに向かって開いていてもよい。外に向かって開いた様式は、マイクロミキサーを流体の媒体、例えば可燃性のガスまたは液体の燃焼のためのマイクロリアクターとして扱う場合に特に好ましい。ガスリアクターとして構成された実施態様は、少なくとも一つの可燃性の媒体の供給のための第一の接続および少なくとも一つの燃焼反応を促進する媒体、例えば空気の供給のための第二の接続を有する。可燃性の媒体および燃焼を促進する媒体の供給はそれぞれ両方の副流路の一つを通じて行うことができる。
【0032】
もう一つの実施態様を図5aおよび図5bに示す。プレート(1)は、それぞれ1つの包囲された流入口(2)およびそれぞれ二つの包囲された漏出口(9)を有する。各流入口(2)は、それぞれプレート面に窪みによって形成された連結流路(3)に連結している。各連結流路(3)は、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割される。部分溝(7)は、プレートの縁に位置する流出口(4)を通じてプレート面の外にある混合領域(5)に注入される。流出口(4)は、直線上に並んでもよく(図5a)、弧の切片(図5b)の上に並んでもよく、この場合弧の切片は凸形でも凹形でもよい。流入口(2)および漏出口(9)は、プレートの通路として形成される。マイクロ構造ユニットは、連結流路に提供される流れの方向に対して平行または異なった角度で配置されてもよい。プレートが円く形成される場合は、それは縁に溝(8)をもつのが好ましく、それはプレートのねじれやズレを避けるためにケース(11)の中の支持エレメント(14)と一緒に作用することができる。マイクロミキサーは、多数の重なった構成部品を有していることが好ましく、この場合図5aおよび図5bの三種の異なった形式のプレートが交互に入れ替わり、交互の層構造ABCABCをもつ構造が得られる。これによって、それぞれ異なった抽出物流を直ぐ隣り合って重なって混合領域(5)に供給できるようになる。好ましくは、混合領域内の合流の時の部分溝の隣接のプレート内の混合領域の円周線に対する角度は変化し、特に好ましくは90°の反対方向の偏向をもつ。積層物中では、流入口(2)と漏出口(9)が交互に入れ替わり、三個のミキサー内部にある副流路が三種までの異なった抽出物流の供給のために形成されるようにプレート(1)は重なる。混合領域(5)は、ケースをもって生成物流の排出のための主流路を形成してもよいが、周りに向かって開いていてもよい。外に向かって開いた様式は、マイクロミキサーを流体の媒体、例えば可燃性のガスまたは液体の燃焼のためのマイクロリアクターとして扱う場合に特に好ましい。
【0033】
図6aに、静止型マイクロミキサーの実施態様の図式による構造の縦断面図の形を示す。ケース(11)は流体供給部(12a)を有する。ケース(11)には、多数の本発明の混合プレート(1)から成る積層物が含まれる。プレートの流入口および/または漏出口は、好ましくはプレート面に垂直に動く閉鎖装置(13a)を使って開閉する。マイクロミキサーは、化学反応の実施のための反応器として、特にガスバーナーとして使用できる。
【0034】
燃焼反応では、中で燃焼反応が進行する混合領域は、ケースの外にある。他の化学反応器およびミキサーでは、混合領域はケースの中にあっても良く、混合は適切な流体を導入しながら行ってもよい。燃焼反応の場合は、好ましくは混合領域に空間的に近いところに点火機構および/または開始−または支持火口が配置される。
【0035】
図6bに、静止型ミキサーの横断面図を示す。ケース(11)の中に、一個の混合プレートが取り付けられ、これは空隙(8)および支持エレメント(14)を使って定位置に保持される。混合プレートとしては、例えば図5aに記載されたものが示される。
【0036】
もう1つの好ましい実施態様を図7a−bおよび図8a−cに示す。この実施態様では、プレート(1)は互いに並べて置かれた部分溝(7)および(13)を有し、これらは交互に異なった抽出物流を貫流させることができ、そのため異なった抽出物流が1つの平面内で直ぐ隣り合って混合領域(5)に供給できる。
【0037】
図7aに示されているプレート(1)はそれぞれ、包囲された流入口(2)と、包囲された混合領域(5)と、包囲された漏出口(9)とを有している。この流入口(2)は、プレート面において窪みによって形成された連結流路(3)と連結されており、これは、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割されている。この部分溝(7)は、流出口(4)を通して混合領域(5)に流れ込んでいる。この流出口(4)は、混合領域(5)を取り囲んで円形のライン上に配置されている。混合領域(5)、流入口(2)及び漏出口(9)は、当該プレートにおいて貫通通路として形成されている。このマイクロ構造ユニット(6)においては、溝を掘って形成された更に別の部分溝(13)が組み入れられており、これは、連結流路(3)に対して遮蔽され、混合領域(5)にて流れ込んでいる。部分溝(7)と、更なる部分溝(13)は、交互に隣接して配置されている。このプレートは、更に追加して設けられた貫通通路(12)を有しており、この際、貫通通路(12)の数と、追加の部分溝(13)の数は同じである。この貫通通路(12)は、プレート(1)が第2のプレート(1)上で180°捻られて置かれた際に、常に、その下に位置したプレートの、追加された部分溝(13)の上方にあるようにして配置されている。連結流路(3)における流入口(2)を通って流れる抽出流は、貫通通路(12)を通って、その下に位置するプレートの追加の部分溝(13)に流れ込むことができる。隣接した部分溝(7)と(13)の角度は、互いに混合領域の円周線に関して異なっても良い。図7aでは、追加の部分溝(13)の角度に対する、部分溝(7)の角度が、混合領域(5)の円周線に関して90°反対に相違している。これによって、流出口は、2つの部分溝のそれぞれと互いに対をなして配置している。これにより、2つの異なった抽出物流を互いに供給することができる。しかしながら、この部分溝は、混合領域に対して直角に平行であっても、混合領域に対して斜めに走っていてもよい。図7aには、2枚の同一のプレート(1)が互いに180°捻られたものが示されている。図7bには、180°捻られて重ねられた2枚のプレート(1)が図示されている。マイクロミキサーは、好ましくは多数の互いに重なった構成部品から成る積層物を有しており、この際、図7aに記載されるプレートは交互に180°捻じられて重なっている。これによって、2つの異なる抽出物流が、直接隣接して上下に互いに混合領域(5)に供給できるだけでなく、直接隣接して互いに並んでも混合領域(5)に供給できることが達成される。この積層物においては、前記プレートが重なっており、流入口(2)と漏出口(9)とが入れ替わり、2つの抽出物流を供給するための副流路が2つ形成され、前記混合領域が、生成物流を排出するための主流路を形成するようになっている。しかし、主流路を経由して、混合物のもっと遅い連続相が形成される流体を供給することもできる。更に、このプレートは、プレートの追加して設けられた貫通通路(12)のそれぞれが、隣接したプレートに追加して設けられた部分溝(13)のそれぞれと連結されるようにして重なっている。
【0038】
図8aには、図7aのものと類似した実施形態が示されており、相違しているところは、部分溝(7)と追加された部分溝(13)が、混合領域(5)に対して同じ角度で傾斜して平行に通じている点である。その際、図8aの左側のプレートは、右側のプレートとは、混合領域(5)の円周線に対する部分溝(7)と(13)の角度が90°反対に相違している点で異なっている。マイクロミキサーは、好ましくは、多数の重なった構成部品から成る積層物を有しており、この際、図8aに記載される左と右のプレートが交互に入れ替わっており、交互になった層構造ABABを有する構成が形成されている。これによって、2つの異なる抽出物流が、直接隣接して上下に互いに、対向する角度で混合領域(5)に供給できることが達成される。
【0039】
図8cには、図8aのものと類似した実施形態が示されており、相違しているところは、部分溝(7)と追加された部分溝(13)が平行で、混合領域(5)に対して垂直に通じている点である。マイクロミキサーは、好ましくは、多数の重なった構成部品から成る積層物を有しており、この際、図8cに記載される左と右のプレートが交互に入れ替わっており、交互になった層構造ABABを有する構成が形成されている。この積層物においては、前記プレートが重なっており、流入口(2)と漏出口(9)とが交互になり、2種類の抽出物流を供給するための副流路が2つ形成され、前記混合領域が、生成物を排出するための主流路を形成するようになっている。更に、このプレートは、プレートの追加して設けられた貫通通路(12)のそれぞれが、隣接したプレートに追加して設けられた部分溝(13)のそれぞれと連結されるようにして重なっている。これによって、2つの異なる抽出物流が、直接隣接して上下に互いに、対向する角度で混合領域(5)に供給できることが達成される。
【0040】
更に別の実施形態が図8bに示されている。プレート(1)は、包囲された流入口(2)と、3つの包囲された漏出口(9)と、包囲された混合領域(5)を有している。この流入口(2)は、プレート面において窪みによって形成された連結流路(3)と連結されており、これは、多数のマイクロ構造ユニット(6)によって多数の部分溝(7)に分割されている。この部分溝(7)は、流出口(4)を通して混合領域(5)に流れ込んでいる。この流出口(4)は、混合領域(5)を取り囲んで円形のライン上に配置されている。混合領域(5)、流入口(2)及び漏出口(9)は、プレートにおいて貫通通路として形成されている。マイクロ構造ユニット(6)においては、溝を掘って形成された更に別の部分溝(13)が組み入れられており、これは、連結流路(3)に対して遮蔽され、混合領域(5)にて流れ込んでいる。部分溝(7)と、更なる部分溝(13)は、交互に隣接して配置されている。このプレートは、更に追加して設けられた貫通通路(12)を有しており、この際、貫通通路(12)の数と、追加の部分溝(13)の数は、同じ大きさである。この貫通通路(12)は、プレート(1)が第2のプレート(1)上で90°捻られて置かれた際に、いつも、その下に位置したプレートの、追加された部分溝(13)の上方にあるようにして配置されている。連結流路(3)における流入口(2)を通って流れる抽出流体は、貫通通路(12)を通って、その下に位置するプレートの追加の部分溝(13)に流れ込むことが可能である。隣接した部分溝(7)と(13)の角度は、互いに混合領域の円周線に関して異なっても良い。図8bでは、追加の部分溝(13)の角度に対する、部分溝(7)の角度が、混合領域(5)の円周線に関して90°反対に相違している。これによって、流出口は、2つの部分溝のそれぞれと互いに対をなして配置している。これにより、2つの異なった抽出物流が互いに供給できる。しかしながら、この部分溝は、混合領域に対して直角に平行であっても、混合領域に対して斜めに走っていてもよい。マイクロミキサーは、好ましくは多数の互いに重なった構成部品から成る積層物を有しており、この際、図8bに記載されるプレートは任意の順序で90°、180°又は270°捻じられて重なっている。これによって、幾つかの抽出物流が、直接隣接して上下に互いに混合領域(5)に供給できるだけでなく、直接隣接して互いに並んでも混合領域(5)に供給できることが達成される。全体では、4種類までの異なる抽出物を、このマイクロミキサーを用いて混合することができる。積層物においては、前記プレートが重なっており、流入口(2)と漏出口(9)とが交互に入れ替わり、4種類までの抽出物流を供給するための副流路が全体で4つ形成され、前記混合領域が、生成物を排出するための主流路を形成するようになっている。しかし、主流路を経由して、混合物のもっと遅い連続相が形成される流体を供給することもできる。更に、このプレートは、プレートの追加して設けられた貫通通路(12)のそれぞれが、隣接したプレートに追加して設けられた部分溝(13)のそれぞれと連結されるようにして重なっている。
【0041】
図9には、具体例として、分解した状態で表された本発明のマイクロミキサーの可能性ある実施形態が示されている。ケース(11)には、プレート(1)の形態である本発明の構成部品でできた積層物が収容されている。具体例として、図8aに記載された複数のプレートから成る積層物が図示されているが、これは、他の本発明のプレートが使用されても良く、この際、場合によっては、ケースの形態、流体供給及び流体排出の数や位置などが調節される。このプレート(1)は、空隙(8)が支持エレメント(14)と一緒に作用し、プレートが捻じ曲がるのを防止するようにして入れられている。このケースは、抽出物を供給するための2つの流体供給管(12a)を有している。このケースは、蓋15によって閉鎖することができ、この蓋は、流体排出管(16)を有している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1a−b】流入口と流出口が含まれている二種の抽出物流のための二つの入口を有する混合プレートである。
【図1c】流入口と流出口が包囲されている一つだけの入口を有する混合プレートである。
【図1d】それぞれ包囲された流入口、漏出口および流出口を有する混合プレートである。
【図2a−c】流入口と流出口が包囲されている三種までの異なる抽出物流のための三つの入口を有する混合プレートである。
【図3a−b】二種の抽出物流のためのプレート縁にある二つの流入口および包囲された流出口有する混合プレートである。
【図3c−d】四種までの異なる抽出物流のためのプレート縁にある四つの流入口および包囲された流出口を有する混合プレートである。
【図4a−f】二種の抽出物流のためのそれぞれ包囲された流入口および漏出口ならびに流出口をプレート縁に有する混合プレートである。
【図5a−b】三種までの異なる抽出物流のための各一つの包囲された流入口および二つの包囲された漏出口および流出口をプレート縁に有する混合プレートである。
【図6a】マイクロ反応器として使用できる静止型マイクロミキサーの図を用いた構造の縦断面図である。
【図6b】開放ケースの中のミキサー円板である。
【図7a−b】異なった抽出物流の隣接する部分溝が貫流できる、包囲された流入口および漏出口および追加の部分溝を有する混合プレートである。
【図8a.c】異なった抽出物流の隣接する部分溝が貫流できる、包囲された流入口および漏出口および追加の部分溝を有する混合プレートである。
【図8b】異なった抽出物流の隣接する部分溝が貫流できる、包囲された流入口および三つの包囲された漏出口および追加の部分溝を有する混合プレートである。
【図9】ケースおよび多数の混合プレートからなる積層物を有するマイクロミキサーである。
【符号の説明】
【0043】
1 プレート
2 流入口
3 連結流路
4 流出口
5 混合領域
6 マイクロ構造ユニット
7 部分溝
8 空隙
9 漏出口
10 内部構造
11 ケース
12 貫通通路
12a 流体供給管
13 追加の部分溝
13a 閉鎖装置
14 支持エレメント
15 蓋
16 流体排出管
【図1a】
【図1b】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止型マイクロミキサー用の、プレート(1)の形態を有した構成部品であって、当該構成部品が、
‐プレート面に位置する連結流路(3)へ少なくとも1種の抽出物流を供給するための、少なくとも1つの流入口(2)と、当該プレート面に位置する混合領域(5)へ前記抽出物流を流出させるための、少なくとも1つの流出口(4)とを有しており、
‐この際、前記流入口(2)が、前記プレート面に位置した前記連結流路(3)によって前記流出口(4)と連結されていること、及び
‐この際、前記連結流路(3)が、前記混合領域(5)における合流点の手前でマイクロ構造ユニット(6)によって2以上の部分溝(7)に分割されており、前記部分溝の幅が、ミリメートル〜ミリメートル未満の範囲内にあって、前記混合領域(5)の幅よりも小さいことを特徴とする静止型マイクロミキサー用構成部品。
【請求項2】
前記混合領域における合流点にある前記部分溝(7)の幅が1μm〜2mmであることを特徴とする請求項1記載の構成部品。
【請求項3】
前記連結流路(3)の大きい所の幅及び/又は前記流入口(2)の幅の、前記部分溝(7)の幅に対する比率が2以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の構成部品。
【請求項4】
前記部分溝(7)の長さの、幅に対する比率が1:1〜20:1であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項5】
前記混合領域(5)の幅の、前記部分溝(7)の幅に対する比率が2以上であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項6】
更に追加して、少なくとも一つの漏出口(9)を有していることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項7】
前記流入口(2)又は前記漏出口(9)又は前記混合領域(5)の少なくとも一つが、前記プレート面に包含されており、しかも、前記連結流路(3)が窪みによって形成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項8】
前記流入口(2)又は前記漏出口(9)又は前記混合領域(5)の少なくとも一つがプレート縁の位置に、又は、プレート縁にある空隙を通って配置されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項9】
異なる少なくとも2種の抽出物のための少なくとも2つの流入口(2)が存在しており、この際、各流入口(2)がそれぞれ連結流路(3)を通して前記混合領域(5)と接合されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項10】
異なる2種の抽出物のための2つの流入口(2)が存在しており、この際、各流入口(2)がそれぞれ連結流路(3)を通して前記混合領域(5)と接合されており、しかも、前記両方の連結流路(3)の前記流出口(4)が互いに向かい合っていることを特徴とする請求項9記載の構成部品。
【請求項11】
前記流出口(4)が、円形のライン上に配置されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項12】
更に追加して、貫通破壊箇所(12)と、前記マイクロ構造ユニット(6)に組み込まれ、前記部分溝(7)から分離された追加の部分溝(13)とを有していることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項13】
‐少なくとも2つの流体供給管(12a)と、少なくとも一つの流体排出管(16)とを有したケース(11)と、
‐前記ケース(11)内において集積体となるようにして配置された前記請求項1〜12のいずれか1項に記載のプレート(1)の少なくとも2枚とを有しており、
‐この際、前記流入口(2)がそれぞれの抽出物流を供給するための副流路を形成し、前記混合領域(5)が前記生成物流体を排出するための主流路を形成するようにして前記プレート(1)が積み重なっており、しかも、前記主流路及び副流路が集積体中に広がっていることを特徴とする静止型マイクロミキサー。
【請求項14】
前記プレート(1)の前記連結流路(3)が窪みによって形成されており、前記連結流路(3)が、前記混合領域(5)における合流点の手前で、前記プレート上に取り付けられたマイクロ構造ユニット(6)によって部分溝(7)に分割されていることを特徴とする請求項13記載のマイクロミキサー。
【請求項15】
前記プレート(1)の前記連結流路(3)が、当該プレート(1)において複数で取り出されることによって形成されており、この際、中間プレートとしての前記プレート(1)がカバー板と底板のそれぞれの間に配置されており、前記連結流路(3)が、前記混合領域(5)における合流点の手前で、前記カバー板及び/又は底板に取り付けられたマイクロ構造ユニット(6)によって部分溝(7)に分割されていることを特徴とする請求項13記載のマイクロミキサー。
【請求項16】
熱交換器が組み入れられていることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のマイクロミキサー。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成部品を少なくとも一つ有したマイクロミキサーと、可燃性の液体状又はガス状媒体を供給するための第1接続の少なくとも一つと、燃焼反応を促進する媒体を供給するための第2接続の少なくとも一つとを有していることを特徴とする燃焼反応器。
【請求項18】
最初は分離された状態が維持された少なくとも2種の流動性の抽出物流を互いに混合させる際の混合方法であって、前記混合が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成部品の少なくとも一つか、あるいは、請求項13〜16のいずれか1項に記載の静止型マイクロミキサーの少なくとも一つを使用して行われることを特徴とする混合方法。
【請求項19】
前記混合領域における前記抽出物流の流入速度が、当該混合領域の内部の生成物の流動速度よりも大きいことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
連続流体相を、分散させる不溶性の流体相の少なくとも一つと、あるいは、溶解性の流体相の少なくとも一つと混合させる、分散液又は溶液の製造方法であって、前記混合が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成部品の少なくとも一つか、あるいは、請求項13〜16のいずれか1項に記載の静止型マイクロミキサーの少なくとも一つを使用して行われることを特徴とする分散液又は溶液の製造方法。
【請求項21】
前記の連続相が、請求項13〜16のいずれか1項に記載のマイクロミキサーの主流路を通り、分散又は溶解させる相が当該マイクロミキサーの副流路の少なくとも一つを通るように誘導されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
‐反応性を有する成分を含有するか、あるいは、反応性を有する成分から成る、最初は分離された状態が維持された少なくとも2種の流動性の抽出物流を互いに混合させ、しかも、
‐混合の間又は混合の後に、自発的に、又はエネルギー供給によって、又は適当な触媒を用いて、前記成分の化学反応が誘発されて行われる、化学反応の実施方法であって、前記混合が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成部品の少なくとも一つか、あるいは、請求項13〜16のいずれか1項に記載の静止型マイクロミキサーの少なくとも一つを使用して行われることを特徴とする化学反応の実施方法。
【請求項23】
混合、均質化、分散、乳化、溶解、液体からのガス燻蒸のため、あるいは化学反応を実施するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロ構成部品の使用。
【請求項1】
静止型マイクロミキサー用の、プレート(1)の形態を有した構成部品であって、当該構成部品が、
‐プレート面に位置する連結流路(3)へ少なくとも1種の抽出物流を供給するための、少なくとも1つの流入口(2)と、当該プレート面に位置する混合領域(5)へ前記抽出物流を流出させるための、少なくとも1つの流出口(4)とを有しており、
‐この際、前記流入口(2)が、前記プレート面に位置した前記連結流路(3)によって前記流出口(4)と連結されていること、及び
‐この際、前記連結流路(3)が、前記混合領域(5)における合流点の手前でマイクロ構造ユニット(6)によって2以上の部分溝(7)に分割されており、前記部分溝の幅が、ミリメートル〜ミリメートル未満の範囲内にあって、前記混合領域(5)の幅よりも小さいことを特徴とする静止型マイクロミキサー用構成部品。
【請求項2】
前記混合領域における合流点にある前記部分溝(7)の幅が1μm〜2mmであることを特徴とする請求項1記載の構成部品。
【請求項3】
前記連結流路(3)の大きい所の幅及び/又は前記流入口(2)の幅の、前記部分溝(7)の幅に対する比率が2以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の構成部品。
【請求項4】
前記部分溝(7)の長さの、幅に対する比率が1:1〜20:1であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項5】
前記混合領域(5)の幅の、前記部分溝(7)の幅に対する比率が2以上であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項6】
更に追加して、少なくとも一つの漏出口(9)を有していることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項7】
前記流入口(2)又は前記漏出口(9)又は前記混合領域(5)の少なくとも一つが、前記プレート面に包含されており、しかも、前記連結流路(3)が窪みによって形成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項8】
前記流入口(2)又は前記漏出口(9)又は前記混合領域(5)の少なくとも一つがプレート縁の位置に、又は、プレート縁にある空隙を通って配置されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項9】
異なる少なくとも2種の抽出物のための少なくとも2つの流入口(2)が存在しており、この際、各流入口(2)がそれぞれ連結流路(3)を通して前記混合領域(5)と接合されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項10】
異なる2種の抽出物のための2つの流入口(2)が存在しており、この際、各流入口(2)がそれぞれ連結流路(3)を通して前記混合領域(5)と接合されており、しかも、前記両方の連結流路(3)の前記流出口(4)が互いに向かい合っていることを特徴とする請求項9記載の構成部品。
【請求項11】
前記流出口(4)が、円形のライン上に配置されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項12】
更に追加して、貫通破壊箇所(12)と、前記マイクロ構造ユニット(6)に組み込まれ、前記部分溝(7)から分離された追加の部分溝(13)とを有していることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項13】
‐少なくとも2つの流体供給管(12a)と、少なくとも一つの流体排出管(16)とを有したケース(11)と、
‐前記ケース(11)内において集積体となるようにして配置された前記請求項1〜12のいずれか1項に記載のプレート(1)の少なくとも2枚とを有しており、
‐この際、前記流入口(2)がそれぞれの抽出物流を供給するための副流路を形成し、前記混合領域(5)が前記生成物流体を排出するための主流路を形成するようにして前記プレート(1)が積み重なっており、しかも、前記主流路及び副流路が集積体中に広がっていることを特徴とする静止型マイクロミキサー。
【請求項14】
前記プレート(1)の前記連結流路(3)が窪みによって形成されており、前記連結流路(3)が、前記混合領域(5)における合流点の手前で、前記プレート上に取り付けられたマイクロ構造ユニット(6)によって部分溝(7)に分割されていることを特徴とする請求項13記載のマイクロミキサー。
【請求項15】
前記プレート(1)の前記連結流路(3)が、当該プレート(1)において複数で取り出されることによって形成されており、この際、中間プレートとしての前記プレート(1)がカバー板と底板のそれぞれの間に配置されており、前記連結流路(3)が、前記混合領域(5)における合流点の手前で、前記カバー板及び/又は底板に取り付けられたマイクロ構造ユニット(6)によって部分溝(7)に分割されていることを特徴とする請求項13記載のマイクロミキサー。
【請求項16】
熱交換器が組み入れられていることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のマイクロミキサー。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成部品を少なくとも一つ有したマイクロミキサーと、可燃性の液体状又はガス状媒体を供給するための第1接続の少なくとも一つと、燃焼反応を促進する媒体を供給するための第2接続の少なくとも一つとを有していることを特徴とする燃焼反応器。
【請求項18】
最初は分離された状態が維持された少なくとも2種の流動性の抽出物流を互いに混合させる際の混合方法であって、前記混合が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成部品の少なくとも一つか、あるいは、請求項13〜16のいずれか1項に記載の静止型マイクロミキサーの少なくとも一つを使用して行われることを特徴とする混合方法。
【請求項19】
前記混合領域における前記抽出物流の流入速度が、当該混合領域の内部の生成物の流動速度よりも大きいことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
連続流体相を、分散させる不溶性の流体相の少なくとも一つと、あるいは、溶解性の流体相の少なくとも一つと混合させる、分散液又は溶液の製造方法であって、前記混合が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成部品の少なくとも一つか、あるいは、請求項13〜16のいずれか1項に記載の静止型マイクロミキサーの少なくとも一つを使用して行われることを特徴とする分散液又は溶液の製造方法。
【請求項21】
前記の連続相が、請求項13〜16のいずれか1項に記載のマイクロミキサーの主流路を通り、分散又は溶解させる相が当該マイクロミキサーの副流路の少なくとも一つを通るように誘導されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
‐反応性を有する成分を含有するか、あるいは、反応性を有する成分から成る、最初は分離された状態が維持された少なくとも2種の流動性の抽出物流を互いに混合させ、しかも、
‐混合の間又は混合の後に、自発的に、又はエネルギー供給によって、又は適当な触媒を用いて、前記成分の化学反応が誘発されて行われる、化学反応の実施方法であって、前記混合が、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成部品の少なくとも一つか、あるいは、請求項13〜16のいずれか1項に記載の静止型マイクロミキサーの少なくとも一つを使用して行われることを特徴とする化学反応の実施方法。
【請求項23】
混合、均質化、分散、乳化、溶解、液体からのガス燻蒸のため、あるいは化学反応を実施するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロ構成部品の使用。
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【公表番号】特表2006−528541(P2006−528541A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520683(P2006−520683)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006042
【国際公開番号】WO2005/018786
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006042
【国際公開番号】WO2005/018786
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
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