説明

静電アクチュエータ、マイクロスイッチ、電子機器、および静電アクチュエータの製造方法

【課題】本発明は、膜体自体の構成で振動を抑制することができる静電アクチュエータ、マイクロスイッチ、電子機器、および静電アクチュエータの製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に設けられた吸引電極に電圧を印加することで膜体を静電的に吸引する静電アクチュエータであって、前記膜体の少なくとも一方の主面に、前記主面から突出し前記主面に対して平行な方向に延在する帯状突起部が設けられたこと、を特徴とする静電アクチュエータが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気力で動作する静電アクチュエータ、マイクロスイッチ、電子機器、および静電アクチュエータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータを構成する固定子と可動子との間に静電気力を作用させ、その反発力、吸引力により可動子を駆動する静電アクチュエータが知られている。また、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)分野などにおいては、半導体製造技術等を用いて非常に小型の静電アクチュエータやマイクロスイッチなどが開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
このような静電アクチュエータやマイクロスイッチなどにおいては、吸引電極に電圧を急激に印加または印加電圧を急激に遮断すると膜体(可動体)が振動し、安定するまでに時間を要するという問題がある。
そのため、膜体にパルス状の電圧を印加して振動を低減させる技術が提案されている(特許文献1を参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示がされた技術においては、パルス状の電圧を発生させるための制御電源が別途必要となり、また、印加するパルス状の電圧も膜体の大きさ、材質、環境温度などにより異なるものとしなければならないおそれがあった。
【特許文献1】特開2004−134370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、膜体自体の構成で振動を抑制することができる静電アクチュエータ、マイクロスイッチ、電子機器、および静電アクチュエータの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、基板上に設けられた吸引電極に電圧を印加することで膜体を静電的に吸引する静電アクチュエータであって、前記膜体の少なくとも一方の主面に、前記主面から突出し前記主面に対して平行な方向に延在する帯状突起部が設けられたこと、を特徴とする静電アクチュエータが提供される。
【0006】
また、本発明の他の一態様によれば、上記の静電アクチュエータと、前記基板上に設けられた少なくとも1対の入出力電極と、を備え、静電的に吸引された前記膜体を介して前記入出力電極が相互に接続されること、を特徴とするマイクロスイッチが提供される。
【0007】
また、本発明の他の一態様によれば、上記の静電アクチュエータを備えたこと、を特徴とする電子機器が提供される。
【0008】
また、本発明の他の一態様によれば、第1の方向に延在するダミー層を基板上に形成し、前記ダミー層の形状に対応した凸部を表面に有する吸引電極を前記基板上に形成し、前記吸引電極の表面の凸部に対応した凸部を表面に有する絶縁層を前記吸引電極の上に形成し、前記絶縁層の表面の凸部に対応した凸部を表面に有するレジスト膜を前記絶縁層の上に形成し、前記レジスト膜の表面の凸部に対応した凸部を表面に有する膜体を前記レジスト膜の上に形成し、前記レジスト膜を除去すること、を特徴とする静電アクチュエータの製造方法が提供される。
【0009】
また、本発明の他の一態様によれば、基板上に吸引電極を形成し、前記吸引電極を覆うように絶縁層を形成し、前記絶縁層の主面にレジスト膜を形成し、前記レジスト膜を覆うように膜体を形成し、前記膜体の主面から突出し前記主面に対して平行な方向に延在する帯状突起部を形成し、前記レジスト膜を除去すること、を特徴とする静電アクチュエータの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、膜体自体の構成で振動を抑制することができる静電アクチュエータ、マイクロスイッチ、電子機器、および静電アクチュエータの製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式図である。
尚、図1(a)は模式平面図、図1(b)は模式側面図、図1(c)は図1(a)におけるA−A矢視模式断面図である。
【0012】
図1に示すように、静電アクチュエータ1には、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3a、3bと、吸引電極3a、3bを覆うようにして設けられた絶縁層5と、吸引電極3a、3bの直上に配設された板状の膜体4と、が備えられている。膜体4の一方の主面には、主面から突出し主面に対して平行な方向に延在する帯状突起部4cが設けられている。
【0013】
基板2は、例えば、ガラスのような絶縁性材料で形成されている。尚、導電性材料、シリコン(Si)のような半導電性材料からなる基板の主面を絶縁性材料で覆うようにすることもできる。
基板2上には、所定の間隔をあけて吸引電極3aと吸引電極3bとが隣接するようにして設けられている。吸引電極3a、3bは、例えば、金属などの導電性材料で形成させることができる。尚、導電性材料の中でも抵抗値の低いものが好ましく、そのようなものとしては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、これらの合金などを例示することができる。
【0014】
また、後述する静電気力の発生の観点からは、吸引電極3a、3bの面積は広い方が好ましい。そのため、吸引電極3aと吸引電極3bとの間のスペースは狭い方が好ましい。尚、図1では、吸引電極が2個設けられる場合を例示したが、これに限定されるわけではなく、吸引電極は1個設けるようにしてもよく、3個以上設けるようにしてもよい。また、その形状も、図示した矩形に限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0015】
吸引電極3a、3bの主面は、絶縁層5で覆われている。絶縁層5は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、樹脂材料などの絶縁性材料で形成させることができる。
【0016】
吸引電極3a、3bには、図示しない直流電源が接続されており、吸引電極3a、3bに正電荷あるいは負電荷を与えられるようになっている。そのため、吸引電極3a、3bは、膜体4を静電的に吸引可能となっている。
吸引電極3a、3bによる吸引がクーロン力、ジョンセン−ラーベック力を利用するものであるときは、膜体4の材質は導電性材料または半導電性材料とされる。導電性材料、半導電性材料としては、例えば、各種の金属材料、窒化タングステン、シリコン、ポリシリコンなどを例示することができる。尚、絶縁層5の材料の体積抵抗率を使用温度領域で1014Ωcm以上とすることでクーロン力を利用するものとすることができ、10〜1011Ωcmとすればジョンセン−ラーベック力を利用するものとすることができる。
【0017】
また、吸引電極3a、3bによる吸引がグラジエント力を利用するものであるときは、膜体4の材質は導電性材料、半導電性材料のみならず絶縁性材料とすることもできる。グラジエント力を利用するものとするためには、吸引電極3a、3bにより吸引面上に不均一電界を形成させるようにすればよい。例えば、吸引電極を複数設け、隣接する吸引電極同士が異極(正極/負極)となるように図示しない直流電源を接続するようにすればよい。
【0018】
膜体4の四隅には、弾性梁4aの一端が連接され、弾性梁4aの他端には接続部4bが連接されている。また、基板2上にはアンカ6が配設され、アンカ6の上端面には接続部4bが設けられている。すなわち、膜体4は、弾性梁4aにより支持されることになる。そして、膜体4は、アンカ6、接続部4b、弾性梁4aを介して吸引電極3a、3bの直上となる位置に配設されている。
【0019】
吸引電極3a、3bに膜体4が吸引される際には、弾性梁4aが撓むことで、膜体4が基板2の法線方向に変位する、また、吸引が解除された際には、弾性梁4aの作用により、膜体4は吸引電極3a、3b直上の元の位置に復帰する。
【0020】
弾性梁4aの連接位置は、膜体4の四隅に限定されるわけではなく、膜体4の周縁に設けられていればよい。ただし、膜体4の四隅に弾性梁4aを連接するようにすれば、ゆがみのない動作をさせることができるので、動作時における膜体4の水平方向のズレを抑制することができる。また、弾性梁4aの形状も図示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。ただし、図1(a)に例示をした蛇行形状の弾性梁4aを用いるものとすれば、小さな面積の中にバネ定数の小さい弾性梁4aを配設させることができる。
【0021】
ここで、吸引電極3a、3bに電圧を急激に印加または印加電圧を急激に遮断すると膜体4が振動し、安定するまでに時間を要する場合がある。特に、後述するマイクロスイッチのように電気接点を保護するなどのために減圧環境下で使用されるものについては、空気抵抗が少ないので振幅が大きく、また、安定するまでに長時間を要する。
【0022】
図2は、使用圧力と振動との関係を例示するための模式グラフ図である。
図2(a)は減圧環境下(例えば、0.0007MPa程度)、図2(b)は大気圧下(例えば、0.1MPa程度)における振動の様子を例示するものである。また、振動は膜体の中央部のものとしている。尚、膜体には後述する帯状突起部が設けられていないものとしている。
【0023】
図2(a)、(b)に示すように、模式グラフ図の左端において吸引電極3a、3bへの印加電圧を遮断すると、静電的な吸引が解除されるので弾性梁4aの作用により、膜体は吸引電極3a、3b直上の元の位置に復帰しようとする。この際、膜体が撓み、元の位置からのオーバーシュートを繰り返しつつ次第に安定していく。
【0024】
この場合、図2(a)に示すように、減圧環境下においては空気抵抗が少ないので、振動の振幅が大きく、また、安定するまでに長時間を要する。一方、図2(b)に示すように、大気圧下においては空気抵抗により振動が抑制されるので、振動の振幅が小さく、また、安定するまでの時間が比較的短い。
【0025】
ここで、特許文献1に開示がされた技術のように、膜体にパルス状の電圧を印加することで吸引電極3a、3bとの間に吸引力を発生させるようにすれば、膜体の振動を抑制することができる。しかし、そのようにすれば、パルス状の電圧を発生させるための制御電源が別途必要となり装置の複雑化を招く。また、加えるパルス状の電圧なども膜体の大きさ、材質、雰囲気温度などにより異なるものとしなければならず複雑な条件設定が必要となる。
【0026】
本発明者は検討の結果、膜体の少なくとも一方の主面に帯状突起部を設けるようにすれば膜体の剛性を高めることができるので、振動の発生を抑制することができ、また、安定するまでの時間を短縮することができるとの知見を得た。また、膜体の少なくとも一方の主面に帯状突起部を設けるようにすれば、ゆがみのない動作をさせることができるので、動作時における膜体の水平方向のズレをも抑制することができるとの知見をも得た。
【0027】
図1に示すように、膜体4の一方の主面には、主面から突出する帯状突起部4cが設けられている。帯状突起部4cの断面形状は「コの字状」を呈している。そして、帯状突起部4cには空間部4c1が設けられ、空間部4c1は帯状突起部4cが設けられた膜体4の主面の対向面に開口を有している。このように、帯状突起部4cには空間部4c1が設けられているので、帯状突起部4cを設けることによる質量の増加を抑制することができる。
【0028】
また、帯状突起部4cは、膜体4の剛性を高めるような位置、方向に配設される。例えば、図1に例示をした場合においては、膜体4の長手方向の剛性が低いので、帯状突起部4cの軸線が膜体4の長手方向と略平行となるような向きに設けられている。
【0029】
帯状突起部4cの寸法は、膜体4の剛性、使用圧力、使用条件などにより適宜変更することができる。例えば、減圧環境下で使用されるものの場合には、帯状突起部4cの高さ寸法(膜体4の主面に略垂直な方向の寸法)を大きくすることで撓みに対する剛性を高めることができる。また、大気圧下、不活性ガスが注入された環境下で使用されるものの場合には、前述したように振動が少ないので帯状突起部4cの高さ寸法(膜体4の主面に略垂直な方向の寸法)を小さくすることで質量の増加を抑制することができる。
【0030】
次に、本実施の形態に係る静電アクチュエータ1の作用について説明をする。
図示しない直流電源より吸引電極3a、3bに電圧が印加されると、吸引電極3a、3bには正電荷あるいは負電荷が与えられ膜体4が吸引電極3a、3bに静電的に吸引される。この際、膜体の撓み量(変形量)は、静電気力と、膜体4・弾性梁4aの弾性力とにより決定され、双方が釣り合った時点で撓み(変形)は停止する。そして、図示しない直流電源からの電圧の印加が遮断されると、膜体4・弾性梁4aはその弾性力によりもとの形状(位置)に復元される。
【0031】
本実施の形態によれば、膜体4の主面に帯状突起部4cを設けているので、発生する振動を抑制することができ、また、安定するまでの時間を短縮することができる。そのため、動作の安定性、高速応答性などを向上させることができる。また、ゆがみのない動作をさせることができるので、動作時における膜体4の水平方向のズレをも抑制することができ、動作の安定性を向上させることができる。
【0032】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式図である。
尚、図3(a)は模式平面図、図3(b)は図3(a)におけるB−B矢視模式断面図である。また、図1で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0033】
図3に示すように、静電アクチュエータ1aには、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3d、3eと、吸引電極3d、3eを覆うようにして設けられた絶縁層5と、帯状突起部4cを有する膜体4と、が備えられている。
【0034】
本実施の形態においては、吸引電極3d、3eの主面にも帯状突起部3cが設けられている。帯状突起部3cは、吸引電極3d、3eの主面であって、帯状突起部4cの空間部4c1の直下に設けられている。また、帯状突起部3cの形状、外形寸法は空間部4c1の形状、外形寸法と略同一とされている。そのため、吸引電極3d、3eの主面から膜体4の裏面(帯状突起部4cが設けられた膜体4の主面の対向面)までの間の距離を均一にすることができる。
【0035】
ここで、図4に例示をするような平行平板型静電アクチュエータにおいては、発生する力Fを(1)式により表すことができる。

【数1】



ここで、Fは発生する力、dは電極間距離、Sは電極面積、εは誘電率、Vは印加電圧である。
【0036】
(1)式から分かるように、発生する力Fは、電極間距離が大きくなるにつれて、急激に低下する特性を有している。そのため、吸引電極3d、3eの主面から膜体4の裏面までの間に距離の長い部分が存在すると、その部分において発生する力が弱くなるので、吸引力(静電気力)が低下するおそれがある。
【0037】
本実施の形態においては、吸引電極3d、3eの主面から膜体4の裏面までの間の距離を均一にすることができるので、吸引力(静電気力)の低下を抑制することができる。そのため、動作の安定性、高速応答性などを向上させることができる。
尚、静電アクチュエータ1aの作用は、静電アクチュエータ1の作用と同様のため、その説明は省略する。
【0038】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式図である。
尚、図5(a)は模式平面図、図5(b)は図5(a)におけるC−C矢視模式断面図である。また、図1で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0039】
図5に示すように、静電アクチュエータ1bには、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3a、3bと、吸引電極3a、3bを覆うようにして設けられた絶縁層5と、帯状突起部14cを有する膜体14と、が備えられている。
【0040】
本実施の形態においては、膜体14の主面に中実の帯状突起部14cを設けている。帯状突起部14cの断面形状は略矩形を呈している。このように、帯状突起部14cを中実とすることで膜体14の剛性をさらに高めることができる。そのため、高速応答性よりも動作の安定性が重視されるような場合に好適に用いることができる。
【0041】
尚、静電アクチュエータ1bの作用は、静電アクチュエータ1の作用と同様のため、その説明は省略する。
【0042】
図6は、本発明の第4〜第7の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式図である。
尚、図1で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
図6(a)は、本発明の第4の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式平面図である。
図6(a)に示すように、静電アクチュエータ1cには、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3a、3bと、吸引電極3a、3bを覆うようにして設けられた絶縁層5と、帯状突起部24cを有する膜体24と、が備えられている。
【0044】
本実施の形態においては、膜体24の主面から突出する帯状突起部24cが設けられている。帯状突起部24cの断面形状は「コの字状」を呈している。そして、帯状突起部24cには図示しない空間部が設けられ、図示しない空間部は帯状突起部24cが設けられた膜体24の主面の対向面に開口を有している。また、帯状突起部24cは、その軸線が膜体24の長手方向と略直角となるような向きに設けられている。このような向きに帯状突起部24cを設けるようにすれば、膜体24の剛性を高める効果は落ちるものの少ない力で動作をさせることができる。そのため、大気圧下など振動の少ない使用環境などにおいて好適に用いることができる。
【0045】
図6(b)は、本発明の第5の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式平面図である。
図6(b)に示すように、静電アクチュエータ1dには、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3a、3bと、吸引電極3a、3bを覆うようにして設けられた絶縁層5と、帯状突起部34c、34dを有する膜体34と、が備えられている。
【0046】
本実施の形態においては、膜体34の主面から突出する帯状突起部34c、34dが設けられている。帯状突起部34c、34dの断面形状は「コの字状」を呈している。そして、帯状突起部34c、34dには図示しない空間部が設けられ、図示しない空間部は帯状突起部34c、34dが設けられた膜体34の主面の対向面に開口を有している。また、帯状突起部34cは、その軸線が膜体34の長手方向と略直角となるような向きに設けられており、帯状突起部34dは、その軸線が膜体34の長手方向と略平行となるような向きに設けられている。このような帯状突起部34c、34dを設けるものとすれば、膜体34の剛性をさらに高めることができる。また、膜体34のよじれをも抑制することができる。そのため、高速応答性よりも動作の安定性が重視されるような場合に好適に用いることができる。
【0047】
図6(c)は、本発明の第6の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式平面図である。
図6(c)に示すように、静電アクチュエータ1eには、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3a、3bと、吸引電極3a、3bを覆うようにして設けられた絶縁層5と、帯状突起部44cを有する膜体44と、が備えられている。
【0048】
本実施の形態においては、膜体44の主面から突出する帯状突起部44cが設けられている。帯状突起部44cの断面形状は「コの字状」を呈している。そして、帯状突起部44cには図示しない空間部が設けられ、図示しない空間部は帯状突起部44cが設けられた膜体44の主面の対向面に開口を有している。また、帯状突起部44cは、膜体44の対角線上に設けられている。このような帯状突起部44cを設けるものとすれば、帯状突起部44cの数が少なくても膜体44の水平面内における剛性を高めることができる。また、膜体44のよじれをも抑制することができる。そのため、動作の安定性、高速応答性などを向上させることができる。
【0049】
図6(d)は、本発明の第7の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式平面図である。
図6(d)に示すように、静電アクチュエータ1fには、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3a、3bと、吸引電極3a、3bを覆うようにして設けられた絶縁層5と、帯状突起部54cを有する膜体54と、が備えられている。
【0050】
本実施の形態においては、膜体54の主面から突出する帯状突起部54cが設けられている。帯状突起部54cの断面形状は「コの字状」を呈している。そして、帯状突起部54cには図示しない空間部が設けられ、図示しない空間部は帯状突起部54cが設けられた膜体54の主面の対向面に開口を有している。また、帯状突起部54cは、その軸線が膜体54の一方の対角線と略平行となるような向きに設けられている。このような帯状突起部54cを設けるものとすれば、膜体54の水平面内における剛性を高めることができる。また、膜体54のよじれをも抑制することができる。そのため、動作の安定性、高速応答性などを向上させることができる。尚、帯状突起部54cは、その軸線が膜体54の他方の対角線と略平行となるような向きに設けるようにすることもできる。
【0051】
尚、静電アクチュエータ1c、1d、1e、1fの作用は、静電アクチュエータ1の作用と同様のため、その説明は省略する。
【0052】
また、帯状突起部は上記に例示したものに限定されるわけではない。例えば、帯状突起部を任意の方向に向けて設けることもできるし、その数も少なくとも1つ設けるようにすればよい。また、複数の前記帯状突起部を備える場合には、帯状突起部の軸線同士が交差するような向きに設けることもできる。
【0053】
また、帯状突起部の長さを短くして「島状」に設けるようにすることもできる。また、帯状突起部は直線で構成されている必要はなく任意の曲線で構成されているようにすることもできる。例えば、同心円状に設けるようにすることもできる。
また、断面形状も例示したものに限定されるわけではなく任意の曲線、曲線と直線が組み合わされたものなどを適宜選択することができる。例えば、台形、U字形、方物線形状、三角形、多角形、半楕円、半円など適宜変更することができる。この場合、空間部を有していてもよいし、中実としてもよい。
【0054】
また、帯状突起部は膜体のいずれの主面に設けてもよいし、すべての主面に設けてもよい。ただし、吸引電極に対向する面に設けないようにすれば、吸引電極に対向する面を平坦面とすることができるので吸引力(静電気力)を高めることができる。
【0055】
次に、本発明の実施の形態に係る静電アクチュエータの製造方法について例示をする。 図7は、本発明の第8の実施の形態に係る静電アクチュエータの製造方法について例示をするための工程断面図である。
尚、説明の便宜上、図3で説明をした静電アクチュエータ1aの製造方法について説明をする。また、図3で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0056】
まず、図7(a)に示すように、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、基板2上に金属の膜を成膜する。そして、この膜をリソグラフィ技術を用いて所望の形状に加工することで、ダミー層2aを形成させる。この際、ダミー層2aの形状、外形寸法は、帯状突起部4cの空間部4c1の形状、外形寸法と略同一とされる。尚、ダミー層2aは金属である必要はなく、例えば、樹脂材料からなるものとすることもできる。その場合は、例えば、スピンコータ法を用いて感光性樹脂を塗布し、塗布された感光性樹脂に所定の形状を有するマスクを介して光を照射することでダミー層2aを硬化させ、未硬化の部分を除去するようにすればよい。
次に、図7(b)に示すように、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、基板2、ダミー層2aの上に金属などの導電性材料の膜を成膜する。そして、この膜をリソグラフィ技術を用いて所望の形状に加工することで、吸引電極3a、3bを形成させる。この際、吸引電極3a、3bの上面には、下層にあるダミー層2aの形状、外形寸法が転写された突起部が形成される。また、基板2上に金属などの導電性材料の膜を成膜し、この膜をリソグラフィ技術を用いて所望の形状に加工することで、アンカ6を形成させる。
【0057】
そして、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、吸引電極3a、3bを覆うように絶縁層5を形成させる。
【0058】
次に、図7(c)に示すように、絶縁層5の主面にレジスト膜7を成膜する。後述するように、このレジスト膜7は犠牲層(最終的には除去される層)となる。また、この際、レジスト膜7の上面には、下層にある吸引電極3a、3bの形状、外形寸法が転写された突起部が形成される。
【0059】
次に、図7(d)に示すように、レジスト膜7、アンカ6を覆うようにPVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、膜体4となる膜を成膜する。この膜の上面には、下層にあるレジスト膜7の形状、外形寸法が転写された突起部が形成される。そのため、成膜された膜には、所望の形状の帯状突起部4c、空間部4c1が形成されることになる。また、アンカ6とこの膜とが接合されることになる。
そして、この膜をリソグラフィ技術を用いて所望の形状に加工することで、膜体4を形成させる。
次に、図7(e)に示すように、レジスト膜7をアッシング技術を用いて除去することで静電アクチュエータ1aを得る。
【0060】
図8は、本発明の第9の実施の形態に係る静電アクチュエータの製造方法について例示をするための工程断面図である。
尚、説明の便宜上、図5で説明をした静電アクチュエータ1bの製造方法について説明をする。また、図5で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0061】
まず、図8(a)に示すように、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、基板2の上に金属などの導電性材料の膜を成膜する。そして、この膜をリソグラフィ技術を用いて所望の形状に加工することで、吸引電極3a、3bを形成させる。また、基板2の上に金属などの導電性材料の膜を成膜し、この膜をリソグラフィ技術を用いて所望の形状に加工することで、アンカ6を形成させる。
【0062】
そして、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、吸引電極3a、3bを覆うように絶縁層5を形成させる。
【0063】
次に、図8(b)に示すように、絶縁層5の主面にレジスト膜7aを成膜する。後述するように、このレジスト膜7aは犠牲層(最終的には除去される層)となる。
【0064】
次に、図8(c)に示すように、レジスト膜7a、アンカ6を覆うようにPVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、膜体14となる膜を成膜する。この際、アンカ6とこの膜とが接合されることになる。
次に、図8(d)に示すように、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、帯状突起部14cを形成させる。尚、膜体14となる膜を厚く成膜し、ドライエッチング法などを用いて帯状突起部14cを形成させるようにすることもできる。
【0065】
そして、この膜をリソグラフィ技術を用いて所望の形状に加工することで、膜体14を形成させる。
次に、図8(e)に示すように、レジスト膜7aをアッシング技術を用いて除去することで静電アクチュエータ1bを得る。
【0066】
また、他の製造方法として、平板状の膜体と、吸引電極・アンカなどが設けられた基板
とを別々に形成し、膜体をアンカに接合させるようにすることもできる。この場合、接合方法は、特に限定されるわけではなく、例えば、接着剤によるもの、超音波溶接によるもの、溶着によるものなどを適宜選択することができる。
【0067】
次に、本発明の実施の形態に係るマイクロスイッチについて説明をする。
図9は、本発明の第10の実施の形態に係るマイクロスイッチについて例示をするための模式図である。
尚、図9(a)は模式平面図、図9(b)は模式側面図、図9(c)は図9(a)におけるD−D矢視模式断面図である。また、図1で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0068】
図9に示すように、マイクロスイッチ20には、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3a、3bと、吸引電極3a、3bを覆うようにして設けられた絶縁層5と、吸引電極3a、3bの直上に配設された帯状突起部4cを有する膜体4と、吸引電極3a、3b間に設けられ、所定の間隔をあけて対峙する入出力電極26a、26bとが備えられている。
【0069】
入出力電極26a、26bは、例えば、金属などの導電性材料で形成されている。尚、導電性材料の中でも抵抗値の低いものが好ましく、そのようなものとしては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、これらの合金などを例示することができる。また、吸引電極3a、3bと同じ材料で形成させるものとすれば、同一の製造工程で形成させることができるので、生産性を向上させることができる。
【0070】
前述した静電気力の発生の観点からは、吸引電極3a、3bの面積は広い方が好ましい。そのため、吸引電極3a、3bと入出力電極26a、26bとの間のスペースは狭い方が好ましい。ただし、このスペースを余り狭くすると、入出力電極26a、26b間を流れる高周波信号などが吸引電極3a、3b側に漏れるおそれがある。そのため、マイクロスイッチ20の用途などに応じて、吸引電極3a、3bと入出力電極26a、26bとの間のスペースが決定されることになる。
尚、入出力電極26a、26bの数は図示したものに限定されるわけではなく、少なくとも一対の入出力電極26a、26bが設けられていればよい。
【0071】
次に、本実施の形態に係るマイクロスイッチ20の作用について例示をする。
図示しない直流電源より吸引電極3a、3bに電圧が印加されると、吸引電極3a、3bには正電荷あるいは負電荷が与えられ、膜体4が吸引電極3a、3bに静電的に吸引される。そして、図示しない直流電源からの電圧の印加が遮断されると、膜体4・弾性梁4aはその弾性力によりもとの形状(位置)に復元される。
【0072】
本実施の形態に係るマイクロスイッチ20においては、膜体4が撓んだ際に膜体4と入出力電極26a、26bとが当接するようになっている。すなわち、膜体4を介して入出力電極6aと入出力電極6bとが電気的に接続されるようになっている。そのため、膜体4を撓ませることで、入出力電極26a、26b間に電気信号や電流を流すことができ、膜体4を復元させることで電気信号や電流を遮断させることができる。
【0073】
本実施の形態においても、膜体4の主面に帯状突起部4cを設けているので、発生する振動を抑制することができ、また、安定するまでの時間を短縮することができる。そのため、動作の安定性、高速応答性などを向上させることができる。また、ゆがみのない動作をさせることができるので、動作時における膜体4の水平方向のズレをも抑制することができ、動作の安定性を向上させることができる。
【0074】
尚、前述したように、帯状突起部の断面形状、配設場所、方向、長さなどは適宜変更することができる。
【0075】
また、マイクロスイッチ20は、前述した静電アクチュエータの製造方法と同様の方法により製造することができる。例えば、吸引電極3a、3bの形成と同様にして入出力電極26a、26bを形成させるようにすればよい。そのため、マイクロスイッチの製造方法の詳細は省略する。
【0076】
次に、本発明の実施の形態に係るマイクロ光スイッチ30について説明をする。
図10は、本発明の第11の実施の形態に係るマイクロ光スイッチについて例示をするための模式図である。
尚、図1で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0077】
図10に示すように、マイクロ光スイッチ30には、基板2と、基板2上に設けられた吸引電極3a、3bと、吸引電極3a、3bを覆うようにして設けられた絶縁層5と、吸引電極3a、3bの直上に配設された帯状突起部4cを有する膜体4と、膜体4の主面に設けられた反射層31とが備えられている。尚、反射層31は、膜体4の主面全体に設けられている必要はなく、後述する光を反射させる部分にのみ設けるようにすることもできる。
反射層31は、例えば、Al(アルミニウム)やNi(ニッケル)などのように光を反射させやすい材料で形成させることができる。
【0078】
次に、本実施の形態に係るマイクロ光スイッチ30の作用について説明をする。
図示しない直流電源より吸引電極3a、3bに電圧が印加されると、吸引電極3a、3bには正電荷あるいは負電荷が与えられ、膜体4が吸引電極3a、3bに静電的に吸引される。この際、膜体4の撓み量(変形量)は、静電気力と、膜体4・弾性梁4aの弾性力とにより決定され、双方が釣り合った時点で撓み(変形)は停止する。そして、図示しない直流電源からの電圧の印加が遮断されると、膜体4・弾性梁4aはその弾性力によりもとの形状(位置)に復元される。そして、膜体4の主面に設けられた反射層31も膜体4といっしょに撓みと復元がされることになる。
【0079】
本実施の形態に係るマイクロ光スイッチ30においては、膜体4の撓みと復元をさせることでレーザー光などの光路を変更または制御をすることができる。すなわち、膜体4の復元時と撓み時に反射層31で反射する光の方向が変わることを利用して、光路を変更または制御することができる。
【0080】
本実施の形態においても、膜体4の主面に帯状突起部4cを設けているので、発生する振動を抑制することができ、また、安定するまでの時間を短縮することができる。そのため、動作の安定性、高速応答性などを向上させることができる。また、ゆがみのない動作をさせることができるので、動作時における膜体4の水平方向のズレをも抑制することができ、動作の安定性を向上させることができる。
尚、前述したように、帯状突起部の断面形状、配設場所、方向、長さなどは適宜変更することができる。
【0081】
また、マイクロ光スイッチ30は、前述した静電アクチュエータの製造方法と同様の方法により製造することができる。例えば、膜体4・帯状突起部4cの形成後、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて積層するようにして反射層31を形成させることができる。そのため、マイクロ光スイッチの製造方法の詳細は省略する。
【0082】
図11は、本発明の第12の実施の形態に係るマイクロ光スイッチシステムについて例示をするための模式図である。
尚、図1、図10で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図11(a)に示すように、マイクロ光スイッチシステム35には、前述のマイクロ光スイッチ30と、投光素子32a、33a、受光素子32b、33bとが備えられている。 投光素子32a、33aは、例えば、発光ダイオードやレーザーダイオードなどとすることができ、外部からの信号などに応じて光を照射する。受光素子32b、33bは、受光に応じた電気信号を発することができる光電変換素子とすることができ、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
【0083】
図11(b)に示すように、本実施の形態に係るマイクロ光スイッチシステム35では、膜体4(反射層31)の撓み時には、投光素子32aからの光が受光素子32bに受光されるような投光素子32aと受光素子32bの配置となっている。この際、投光素子33aからの光が受光素子33bに受光されないような投光素子33aと受光素子33bの配置となっている。
【0084】
一方、膜体4(反射層31)の復元時には、投光素子33aからの光が受光素子33bに受光されるような投光素子33aと受光素子33bの配置となっている。この際、投光素子32aからの光が受光素子32bに受光されないような投光素子32aと受光素子32bの配置となっている。
このようにマイクロ光スイッチシステム35では、膜体4(反射層31)の撓みと復元を切り替えることで、受光素子32b、33bへの受光と遮光とを切り替えることができる。
【0085】
尚、マイクロ光スイッチシステム35のその他の作用についてはマイクロ光スイッチ30と同様のためその説明は省略する。
本実施の形態においても、膜体4の主面に帯状突起部4cを設けているので、発生する振動を抑制することができ、また、安定するまでの時間を短縮することができる。そのため、動作の安定性、高速応答性などを向上させることができる。また、ゆがみのない動作をさせることができるので、動作時における膜体4の水平方向のズレをも抑制することができ、動作の安定性を向上させることができる。
【0086】
尚、前述したように、帯状突起部の断面形状、配設場所、方向、長さなどは適宜変更することができる。
また、マイクロ光スイッチシステム35は、マイクロ光スイッチ30、投光素子32a、33a、受光素子32b、33bなどを既知の方法により組み立てることで製造することができるので、その製造方法の詳細は省略する。
【0087】
本実施の形態に係る静電アクチュエータ1〜1fは、各種の電子機器にも用いることができる。
例えば、インクジェットヘッドのような液滴吐出ヘッドの液滴吐出動作、走査型プローブ顕微鏡のプローブの動作、その他各種マイクロマシンの動作などに利用することができる。尚、本実施の形態に係る静電アクチュエータ1〜1f以外の構成、作用などはそれぞれの場合における既知の技術を適用させることができるため、その説明は省略する。
このような場合においても、それぞれのシステムの動作の安定性、高速応答性などを向上させたり、ゆがみのない動作を行わせることができる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、静電アクチュエータ1〜1f、マイクロスイッチ20、マイクロ光スイッチ30、マイクロ光スイッチシステム35などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、これらを覆うカバーを別途設け、カバー内を減圧したり不活性ガスで満たすようにすることもできる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式図である。
【図2】使用圧力と振動との関係を例示するための模式グラフ図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式図である。
【図4】平行平板型静電アクチュエータにおいて、発生する力を例示するための模式斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式図である。
【図6】本発明の第4〜第7の実施の形態に係る静電アクチュエータを例示するための模式図である。
【図7】本発明の第8の実施の形態に係る静電アクチュエータの製造方法について例示をするための工程断面図である。
【図8】本発明の第9の実施の形態に係る静電アクチュエータの製造方法について例示をするための工程断面図である。
【図9】本発明の第10の実施の形態に係るマイクロスイッチについて例示をするための模式図である。
【図10】本発明の第11の実施の形態に係るマイクロ光スイッチについて例示をするための模式図である。
【図11】本発明の第12の実施の形態に係るマイクロ光スイッチシステムについて例示をするための模式図である。
【符号の説明】
【0090】
1〜1f 静電アクチュエータ、2 基板、3a 吸引電極、3b 吸引電極、3c 帯状突起部、3d 吸引電極、3e 吸引電極、4 膜体、4a 弾性梁、4b 接続部、4c 帯状突起部、4c1 空間部、5 絶縁層、6 アンカ、7 レジスト膜、7a レジスト膜、14 膜体、14c 帯状突起部、24 膜体、24c 帯状突起部、34 膜体、34c 帯状突起部、34d 帯状突起部、44 膜体、44c 帯状突起部、54 膜体、54c 帯状突起部、20 マイクロスイッチ、26a 入出力電極、26b 入出力電極、30 マイクロ光スイッチ、31 反射層、32a 投光素子、32b 受光素子、33a 投光素子、33b 受光素子、35 マイクロ光スイッチシステム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられた吸引電極に電圧を印加することで膜体を静電的に吸引する静電アクチュエータであって、
前記膜体の少なくとも一方の主面に、前記主面から突出し前記主面に対して平行な方向に延在する帯状突起部が設けられたこと、を特徴とする静電アクチュエータ。
【請求項2】
前記帯状突起部は、前記主面の裏面側に開口を有する空間部を有すること、を特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
【請求項3】
前記帯状突起部の延在方向は、前記膜体の長手方向と略平行であること、を特徴とする請求項1または2に記載の静電アクチュエータ。
【請求項4】
複数の前記帯状突起部を備え、
前記複数の帯状突起部は、その延在方向が交差する向きに設けられていること、を特徴とする請求項1または2に記載の静電アクチュエータ。
【請求項5】
前記膜体と、前記基板と、を覆うカバーをさらに備え、
前記カバーの内部が、減圧されていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の静電アクチュエータと、
前記基板上に設けられた少なくとも1対の入出力電極と、
を備え、
静電的に吸引された前記膜体を介して前記入出力電極が相互に接続されること、を特徴とするマイクロスイッチ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の静電アクチュエータを備えたこと、を特徴とする電子機器。
【請求項8】
第1の方向に延在するダミー層を基板上に形成し、
前記ダミー層の形状に対応した凸部を表面に有する吸引電極を前記基板上に形成し、
前記吸引電極の表面の凸部に対応した凸部を表面に有する絶縁層を前記吸引電極の上に形成し、
前記絶縁層の表面の凸部に対応した凸部を表面に有するレジスト膜を前記絶縁層の上に形成し、
前記レジスト膜の表面の凸部に対応した凸部を表面に有する膜体を前記レジスト膜の上に形成し、
前記レジスト膜を除去すること、を特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
【請求項9】
基板上に吸引電極を形成し、
前記吸引電極を覆うように絶縁層を形成し、
前記絶縁層の主面にレジスト膜を形成し、
前記レジスト膜を覆うように膜体を形成し、
前記膜体の主面から突出し前記主面に対して平行な方向に延在する帯状突起部を形成し、
前記レジスト膜を除去すること、を特徴とする静電アクチュエータの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−81963(P2009−81963A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250219(P2007−250219)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】