説明

非ステロイド抗炎症剤及びその中間体の製造方法

本発明は、式(VIII)


(式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基であり、Arは芳香族基である)の抗炎症剤の製造法及び製造用の中間体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、欧州特許出願EP07090075.8(2007年4月18日出願)及びEP07008931.3(2007年5月9日出願)、並びに米国出願60/912,596(2007年4月18日)の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
下式VIII
【化1】

(上式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、
基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基であり、
Arは芳香族基である)
の化合物は強力な抗炎症剤として知られている(例えば、WO98/54159、WO00/32584、WO02/10143、WO03/082280、WO03/082280、WO2004/063163及びWO2006/050998)。しかしながら、式VIIIの化合物の製造方法には多くの工程があり、収率が低く、大スケール製造には適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、医薬品製造に適した同じもしくはより少ない工程数により達成され、収率が高いことを特徴とする新規な方法を提供することである。本発明の目的は、本明細書に記載の方法により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の合成法の必須の要素は、下式I
【化2】

(上式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、
基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基である)
の化合物である。
【0005】
本発明の他の態様は、式VIIIの化合物を鏡像異性的に純粋な形態(80%より多い鏡像異性体過剰)で製造することができる製造方法である。従来の化合物を医薬として用いる場合、通常鏡像異性的に純粋な形態で用いられることが当業者には明らかである。従って、鏡像異性的に純粋な形態で式VIIIの化合物を製造することができる製造方法を開発することが重要である。この目的は、本発明により達成される。この方法の出発材料(2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸)は鏡像異性的に純粋な形態で用いられ、鏡像異性的に純粋な形態で最終生成物を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
この化合物、2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸はMikamiの方法(Tetrahedron: Asymmetry 15(2004) 3885-3889)により製造することができる。また、ラセミ体のアルキル2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸もしくはその遊離酸を用い、酵素加水分解により鏡像異性体を分離することもできる。
【0007】
従って、本発明の目的は、酵素による加水分解によって望ましい鏡像異性的に純粋な2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を望ましくない鏡像異性体から分離する方法を提供することである。
【0008】
出発材料として、鏡像異性的に純粋なもしくは豊富な(80%以上)の2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を用いることにより、鏡像異性的に純粋な式VIIIの化合物を得ることができる。鏡像異性的に純粋なもしくは豊富な(80%以上)の2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を用いる反応の利点は、望ましくない鏡像異性体の合成を避け、その後の段階において(最終生成物においてさえ)鏡像異性体の分離を避け、従って効率的であることである。
【0009】
式Iの化合物を介する式VIIIの化合物の一般的な製造方法を以下に詳細に説明する。当業者はこの反応の変形が可能であることを周知であろう。例えば、すべての中間体を単離しなくても可能である。
【0010】
この製造方法は、下式IVの化合物から出発する。
【化3】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、及びZ3は上記と同じ意味である)
【0011】
式IVの化合物は2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸
【化4】

と反応され、下式II
【化5】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、及びZ3は上記と同じ意味である)
の化合物を形成する。
【0012】
上記反応は、ルイス酸の存在下において有機溶媒中で行われる。好適な溶媒は、例えば極性溶媒もしくはハロゲン化溶媒であり、好ましい溶媒はジクロロメタン及びジクロロエタンを含む。ルイス酸は塩化アルミニウム、BF3、HF、又は燐酸であってよい。
【0013】
本発明の好ましい態様において、式IVの化合物はハロゲン化溶媒(例えばCH2Cl2)に溶解され、AlCl3が加えられ、最後に2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸が撹拌溶液に加えられる。さらに好ましい態様において、AlCl3と2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸の添加は0〜5℃において行われ、混合物は室温に戻され、この混合物を室温において4〜120時間撹拌し続ける。
【0014】
1.5当量の式IVの化合物、2当量のAlCl3、及び1.0当量の2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を用いることがさらに好ましい。
【0015】
上記反応は、鏡像異性的に純粋な2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を用いて行うことができる。この鏡像異性的に純粋な2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸は、上記Mikamiが記載のような不斉触媒を用いて合成され、又はラセミ体を酵素により加水分解してもよい。
【0016】
不斉加水分解は水中で行われる。必要により、極性有機溶媒(例えばDMSO、低級アルコール)を加えて、物質の溶解度を高めてもよい。酵素によっては、反応混合物を緩衝し(ホスフェートもしくは同様のバッファーにより)、反応混合物のpHを一定のレベルに保ってもよい。
【0017】
この酵素による加水分解には多くの酵素を用いることができる。それは、サブクラスEC3.1.の加水分解酵素(EC3加水分解酵素)を含む。
【0018】
そのような加水分解酵素は様々なところから市販入手可能である。
1.Alphamerics Limited 英国
リパーゼC1、リパーゼC2、リパーゼA、リパーゼAS1、リパーゼAN、リパーゼPC、リパーゼPF、リパーゼB(CALB)
2.Amano Enzyme Inc. 日本
リパーゼAH、リパーゼAK、リパーゼAYS、リパーゼPS、プロテアーゼK、プロテアーゼN、プロテアーゼP
3.Biocatalytics Incorporated 米国
ICR−101、ICR−102、ICR−103、ICR−104、ICR−105、ICR−106、ICR−107、ICR−108、ICR−109、ICR−110、ICR−111、ICR−112、ICR−113、ICR−114、ICR−115、ICR−116、ICR−117、ICR−118、ICR−119、ICR−120、IMW−102、IMW−105
4.Julich Chiral Solutions ドイツ
エステラーゼBS1、エステラーゼBS2、エステラーゼBS3、エステラーゼPF2、エステラーゼPL
5.NovoNordisk/Novozyme デンマーク
ドゥラミル、ノボザイム868、ノボザイム525L、ノボザイム388、ニュートラーゼ0、リオポアーゼ
6.Sigma ドイツ
豚の膵臓からのリパーゼTyp II、豚の肝臓のエステラーゼ、リパーゼカンジダルゴサ
当業者は同様の結果をもたらす他の酵素も知っている。
【0019】
酵素による加水分解は以下のようにして行われる。ラセミ体のアルキル2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルを出発材料として用いる。このアルキル基はC1-C5アルキル基(これは直鎖であっても分枝鎖であってもよい)であってよい。好ましくは、このアルキル基はエチル基である。これは水中に懸濁され、pHが調整され、約10℃〜60℃の温度において酵素が添加される。温度、pH及び反応時間は酵素に応じて変えてよい。反応時間は最大300時間である。最適条件を見出すために、反応条件はコントロール下でテストすべきである。
【0020】
本発明の方法において、鹸化工程が必要ないことが有利な特徴である。アルキル2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルを式IVの化合物と反応させて式IIのアルキルエステルを形成する方法においては鹸化が必要である。
【0021】
ルイス酸の存在下において、式IVの化合物と2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸との反応により式IIの化合物が得られることは、当業者には驚くべきことである。
【0022】
ルイス酸の存在下において(すなわち、フリーデルクラフツ条件において)、式IVの化合物と2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸との反応を、アルキルエステルとの反応よりも10倍速くかつ高い収率で行うことは、さらに驚くべきことである。
【0023】
式IIの化合物は、例えば水素化アルミニウムリチウム又はホウ化水素リチウムにより下式I
【化6】

の重要な化合物に還元される。
【0024】
鏡像異性的に純粋な式Iの化合物はこの方法の重要な化合物であり、従って本発明のさらなる目的でもある。式Iの化合物の好ましい態様は、以下の置換基のパターンの1つを有する。
【表1】

【0025】
本発明において、鏡像異性的に純粋とは、80%より多い鏡像体過剰を意味する。本発明によれば、90%以上、95%以上、97%以上、さらには99%以上の合成が可能であることが理解されるであろう。
【0026】
次いで、式Iの化合物は酸化され、式Vのアルデヒドを形成する。
【化7】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
【0027】
この酸化は、SO3/ピリジン錯体又はオキアリルクロリド/DMSO(スワーン酸化)により行ってよい。当業者は式Iのアルコールを酸化して式Vのアルデヒドを形成する他の方法を知っているであろう。
【0028】
ついで、式Vのアルデヒドは式VIの芳香族アミンと反応される。
2N−Ar (VI)
(上式中、Arは芳香族基である)
【0029】
式VIの化合物はどのような芳香族アミンであってもよい。式VIの化合物の好ましい態様は、以下のものより選ばれる。
1-アミノ-2-メチルベンゼン、
1-アミノ-4-メチルベンゼン、
2-アミノ-4-メチルピリジン、
2-アミノピリジン、
2-アミノピリミジン、
3-アミノキノリン、
4-アミノピリジン、
4-アミノピリミジン、
5-アミノイソキノリン、
5-アミノ-1-メチルイソキノリン、
5-アミノ-2,6-ジメチルキノリン、
5-アミノ-2-メチルインドール、
5-アミノ-2-メチルイソキノール-1(2H)-オン、
5-アミノ-2-メチルキノリン、
5-アミノ-6-クロロ-2-メチルキノリン、
5-アミノ-6-フルオロ-2-メチルキノリン、
5-アミノイソキノール-2(1H)-オン、
5-アミノキノリン、
アミノベンゼン、
N-(4-アミノフェニル)ピペリジン
【0030】
続いて、式VIIIの化合物を得るために、式VII
【化8】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3及びArは上記と同じ意味である)
の得られたイミンを還元する。この反応はアルコール溶液(もしくはTHF)中、ホウ化水素ナトリウムにより行ってよく、またH2/Niによっても行われる。
【0031】
従来の合成と比較して本発明の重要な利点は、化合物IIのアルキルエステルの精製を避けることである。化合物IIのアルキルエステル(これはアルキル2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルと式IVの化合物との反応生成物である)は結晶化により出発化合物IVから分離することが必要である。本発明によれば、この化合物IVの「分離は化合物IIの段階において行われる(すなわち、出発材料として遊離酸2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を用いることにより)。化合物IIの段階において、化合物IVからの分離は酸−塩基抽出により行われる(これは化合物IIのアルキルエステルの結晶化よりも効率的である)。
【0032】
上記のように、当業者は多くの方法を知っているであろう。従って、本発明は当業者に明らかな他の方法も包含する。
【0033】
従って、以下の項目(i1−i19)が本発明の目的である。
i1)下式VIII
【化9】

(上式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、
基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基であり、
Arは芳香族基である)
の化合物の製造方法であって、下式IV
【化10】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸と反応させて下式II
【化11】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を形成し、次いで下式I
【化12】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物に還元し、次いで酸化させて下式V
【化13】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
のアルデヒドを形成し、次いで下式VI
2N−Ar (VI)
(上式中、Arは芳香族基である)
の芳香族アミンと反応させて下式VII
【化14】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3及びArは上記と同じ意味である)
のイミンを形成し、次いで還元して式VIIIの化合物を形成する。
【0034】
i2)下式I
【化15】

(上式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、
基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基である)
の化合物の製造方法であって、下式IV
【化16】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸と反応させて下式II
【化17】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を形成し、次いで式Iの化合物に還元することを特徴とする方法。
【0035】
i3)式IVの化合物と2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸との反応をAlCl3の存在下、極性溶媒中で行う、項目1又は2記載の方法。
【0036】
i4)式IVの化合物をハロゲン化された溶媒に溶解させ、AlCl3を加え、最後にこの撹拌溶液に2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を加える、項目1又は2記載の方法。
【0037】
i5)式IVの化合物をジクロロメタンに溶解させ、0〜5℃においてAlCl3を加え、この撹拌溶液に2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を加え、室温において4〜120時間撹拌を続ける、項目1又は2記載の方法。
【0038】
i6)約1.5当量の式IVの化合物をジクロロメタンに溶解し、約2当量のAlCl3を0〜5℃において加え、約1.0当量の2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を撹拌した溶液に加え、4〜120時間室温において撹拌を続ける、項目5記載の方法。
【0039】
i7)2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を鏡像異性的に純粋な形態で用い、鏡像異性的に純粋な式Iの化合物を得る、項目1又は2記載の方法。
【0040】
i8)アルキル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルの酵素による加水分解によって望ましくない光学異性体から鏡像異性的に純粋な2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸が分離される、項目1又は2記載の方法。
【0041】
i9)酵素による加水分解が水溶液中で行われる、項目8記載の方法。
【0042】
i10)前記酵素が、リパーゼC1、リパーゼC2、リパーゼA、リパーゼAS1、リパーゼAN、リパーゼPC、リパーゼPF、リパーゼB(CALB)、リパーゼAH、リパーゼAK、リパーゼAYS、リパーゼPS、プロテアーゼK、プロテアーゼN、プロテアーゼP、ICR−101、ICR−102、ICR−103、ICR−104、ICR−105、ICR−106、ICR−107、ICR−108、ICR−109、ICR−110、ICR−111、ICR−112、ICR−113、ICR−114、ICR−115、ICR−116、ICR−117、ICR−118、ICR−119、ICR−120、IMW−102、IMW−105、エステラーゼBS1、エステラーゼBS2、エステラーゼBS3、エステラーゼPF2、エステラーゼPL、ドゥラミル、ノボザイム868、ノボザイム525L、ノボザイム388、ニュートラーゼ0、リオポアーゼ、豚の膵臓からのリパーゼTyp II、豚の肝臓のエステラーゼ、リパーゼカンジダルゴサより選ばれる、項目8又は9記載の方法。
【0043】
i11)式IVの化合物が以下の置換基のパターンを有する項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【表2】

【0044】
i12)以下の置換基のパターンを有する式Iの化合物。
【表3】

【0045】
i13)80%より多い鏡像異性体過剰を特徴とする、項目12記載の化合物。
【0046】
i14)下式VIII
【化18】

(上式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、
基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基であり、
Arは芳香族基である)
の化合物の製造方法であって、下式I
【化19】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を酸化させて下式V
【化20】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
のアルデヒドを形成し、次いで下式VI
2N−Ar (VI)
(上式中、Arは芳香族基である)
の芳香族アミンと反応させて下式VII
【化21】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3及びArは上記と同じ意味である)
のイミンを形成し、次いで還元して式VIIIの化合物を形成することを特徴とする方法。
【0047】
i15)式Iの化合物をSO3/ピリジン錯体と反応させて式Vのアルデヒドを形成する、項目14記載の方法。
【0048】
i16)式Vの化合物を酢酸に溶解し、式VIのアミンを室温において加え、トルエンを加え、この混合物を5〜50時間還流して式VIIのイミンを形成する、項目15記載の方法。
【0049】
i17)式VIのアミンが
1-アミノ-2-メチルベンゼン、
1-アミノ-4-メチルベンゼン、
2-アミノ-4-メチルピリジン、
2-アミノピリジン、
2-アミノピリミジン、
3-アミノキノリン、
4-アミノピリジン、
4-アミノピリミジン、
5-アミノイソキノリン、
5-アミノ-1-メチルイソキノリン、
5-アミノ-2,6-ジメチルキノリン、
5-アミノ-2-メチルインドール、
5-アミノ-2-メチルイソキノール-1(2H)-オン、
5-アミノ-2-メチルキノリン、
5-アミノ-6-クロロ-2-メチルキノリン、
5-アミノ-6-フルオロ-2-メチルキノリン、
5-アミノイソキノール-2(1H)-オン、
5-アミノキノリン、
アミノベンゼン、
N-(4-アミノフェニル)ピペリジン
より選ばれる、項目15又は16記載の方法。
【0050】
i18)式VIIのイミンをアルコール溶液中でホウ化水素ナトリウムと反応させ、式VIIIの化合物を形成する、項目17記載の方法。
【0051】
i19)式Iの化合物を鏡像異性的に純粋な形態で用い、鏡像異性的に純粋な式VIIIの化合物を形成する、項目13記載の方法。
【実施例】
【0052】
上記の方法を、なんら限定するものではない以下の実施例によりさらに説明する。
1)エチル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルの合成
105mlのTHF中の0.27モルのMnと0.01モルのZnCl2の懸濁液を加熱して還流する。この沸騰している混合物に0.01モルの3-ブロモ-2-メチル-1-プロペンを加え、30分後に90mlのTHF中の0.11ミリモルのエチルトリフルオロピルベート及び0.18モルの2-ブロモ-2-メチル-1-プロペンの溶液をこの反応混合物に2.5時間かけて滴加する。3時間還流した後、この混合物を室温で19時間撹拌する。この反応混合物を90mlの飽和NH4Clと氷の混合物に注ぐ。30分間激しく撹拌した後、混合物を110mlのMTBEで4回抽出する。合わせた有機抽出液を30mlの塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮する。残留物を減圧下で蒸発させ、収率73%でエチル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルを得る。
【0053】
2)2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸の合成
出発材料としてエチル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルを用いる。27.1g(120ミリモル)のエチル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルを60mlの水中に懸濁し、水酸化ナトリウム溶液によりpHを8.0に調整し、この溶液を室温で撹拌する。6gの酵素(ノボザイム388)を室温で加える。この混合物をGCコントロール下、10時間撹拌する。
【0054】
この水溶液を10mlのMTBEで2回抽出する。水相をHClによりpH1に酸性にし、珪藻土及びMTBEで処理し、濾過する。水相を分離させ、MTBEで3回抽出する。有機相を蒸発乾固させ、淡褐色の固体を得る。この粗2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸をn−ヘプタンから結晶化する。(R)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸の収率は25%である。
【0055】
反応条件は、望ましい(R)-もしくは(S)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸の最適な結果を得るために、溶媒、緩衝液、pH、温度、反応時間を変えることによって個々の酵素に適合させるべきである。
【0056】
3)4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸の合成
21mlのジクロロメタン中の0.07モルの5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフランの溶液を3℃に冷却する。この溶液に0.1モルのAlCl3を30分かけて加える。この後、0.05モルの2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を30分かけて滴加する。この混合物を還流条件において少なくとも6時間撹拌する。反応終了後、この溶液を氷(50ml)と1MのHCl(10ml)の混合物に注ぎ、少なくとも1時間撹拌する。水相を51mlの酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を水、飽和塩化ナトリウム溶液(塩水)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。真空下において溶媒を蒸発させる。生成物をn−ヘプタンから再結晶化させる。純粋な形態で表題な化合物が得られるため、再結晶化は必要ない。表題の化合物を次の工程における出発物質として用いることができる。
【0057】
下式IVの他の化合物において、上記と同じ反応を行ってよい。
【化22】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は以下の表に示す意味を有する)
【表4】

【0058】
4)[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-1,2-ジオール]の合成
77mlのTHF中の6.6モルの4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を4℃に冷却する。12ミリモルの水素化アルミニウムリチウムをこの溶液に滴加する。この混合物を4℃において60分間撹拌し、還流条件において8〜9時間撹拌する。反応終了後(TLCコントロール)、この混合物を4℃に冷却し、1mlの飽和NaHCO3溶液で処理する。この混合物を少なくとも2時間撹拌し、その際無色の混合物が灰色から白色に変化する。沈殿したアルミニウム塩を濾過し、10mlの熱いTHFで洗浄する。溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をジクロロメタン及びn−ヘプタンから再結晶させる(収率73.7%)。
【0059】
実施例3の表中の化合物を用い、他の誘導体を製造することができる。
上記の式IVの化合物と組み合わせてR-もしくはS-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を用いて、以下の式Iの化合物を鏡像異性的に純粋な形態で製造することができる。
【表5】

【0060】
5)1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-({[2-メチル-5-キノリン-5-イルイミノ]メチル}ペンタン-2-オール)の合成
7mlの酢酸中の3.84gの4-(フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタナールの溶液に、25℃において2.28gの5-アミノ-2-メチルキノリンを加える。この溶液に50mlのトルエンを加え、Dean-Starkトラップにて少なくとも12時間還流させる。反応終了後(TLCコントロール)、真空下において溶媒を蒸発させる。トルエンとの共沸蒸留により酢酸を除去する。蒸発残留物(収率88.7%)をアルコールに溶解させる。
【0061】
この反応は同じ条件において、以下に示すアミンを用いて行ってよい。
1-アミノ-2-メチルベンゼン、
1-アミノ-4-メチルベンゼン、
2-アミノ-4-メチルピリジン、
2-アミノピリジン、
2-アミノピリミジン、
3-アミノキノリン、
4-アミノピリジン、
4-アミノピリミジン、
5-アミノイソキノリン、
5-アミノ-1-メチルイソキノリン、
5-アミノ-2,6-ジメチルキノリン、
5-アミノ-2-メチルインドール、
5-アミノ-2-メチルイソキノール-1(2H)-オン、
5-アミノ-2-メチルキノリン、
5-アミノ-6-クロロ-2-メチルキノリン、
5-アミノ-6-フルオロ-2-メチルキノリン、
5-アミノイソキノール-2(1H)-オン、
5-アミノキノリン、
アミノベンゼン、
N-(4-アミノフェニル)ピペリジン
【0062】
6)1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-({[2-メチル-5-キノリニル]メチル}ペンタン-2-オール)の合成
10ミリモルの1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-({[2-メチル-5-キノリン-5-イルイミノ]メチル}ペンタン-2-オール)を255mlのエタノールに溶解する。この溶液に、5ミリモルの炭酸水素ナトリウムを加える。この混合物を25℃において20分間撹拌する。この溶液に34ミリモルのホウ化水素ナトリウムを10分かけて0〜10℃の温度に保って加える。この混合物を6時間撹拌し、さらに34ミリモルのホウ化水素ナトリウムを10分かけて温度を25℃に保って加える。次いで、この混合物を室温において6時間撹拌する(TLCコントロール)。その後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を10分かけて温度を25℃に保って加える。この混合物を60分間撹拌し、最後に真空下で溶媒を蒸発させる。残留物を水で希釈し、150mlの酢酸エチルで2回抽出する。溶媒を蒸発させ、得られた残留物をエタノールからの再結晶化により精製する(収率71.2%)。
【0063】
実施例5の反応において、他のアミンを用い、式Iの他の化合物を用い、多くの式VIIIの化合物を得ることができる。
【0064】
上記実施例に従い、6工程で式VIIIの化合物を合成することが可能であり、一方、従来の方法では13の工程が必要である。この6工程の式VIIIの化合物の合成の全体の収率は14.3%であり、一方従来の方法では8.7%である。
【0065】
さらに、鏡像異性的に純粋な形態で、すなわち式VIIIの所望の光学異性体のみで全体の合成ルートを行うことができる。これはキラル2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を用いて可能である。キラル2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を用いる全体の収率は約14%であり、一方従来の方法では、化合物VIIIの光学異性体の分離が必要であるため、5%未満に低下する。
【0066】
上記工程の反応条件は工業スケールでの製造に適している。過剰の化合物(例えば化合物IV)は再び単離して再利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式VIII
【化1】

(上式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、
基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基であり、
Arは芳香族基である)
の化合物の製造方法であって、下式IV
【化2】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸と反応させて下式II
【化3】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を形成し、次いで下式I
【化4】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物に還元し、次いで酸化させて下式V
【化5】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
のアルデヒドを形成し、次いで下式VI
2N−Ar (VI)
(上式中、Arは芳香族基である)
の芳香族アミンと反応させて下式VII
【化6】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3及びArは上記と同じ意味である)
のイミンを形成し、次いで還元して式VIIIの化合物を形成することを特徴とする方法。
【請求項2】
下式I
【化7】

(上式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、
基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基である)
の化合物の製造方法であって、下式IV
【化8】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸と反応させて下式II
【化9】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を形成し、次いで式Iの化合物に還元することを特徴とする方法。
【請求項3】
式IVの化合物と2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸との反応をAlCl3の存在下、極性溶媒中で行う、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
式IVの化合物をハロゲン化された溶媒に溶解させ、AlCl3を加え、最後にこの撹拌溶液に2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を加える、請求項1又は2記載の方法。
【請求項5】
式IVの化合物をジクロロメタンに溶解させ、0〜5℃においてAlCl3を加え、この撹拌溶液に2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を加え、室温において4〜120時間撹拌を続ける、請求項1又は2記載の方法。
【請求項6】
約1.5当量の式IVの化合物をジクロロメタンに溶解し、約2当量のAlCl3を0〜5℃において加え、約1.0当量の2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を撹拌した溶液に加え、4〜120時間室温において撹拌を続ける、請求項4記載の方法。
【請求項7】
2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸を鏡像異性的に純粋な形態で用い、鏡像異性的に純粋な式Iの化合物を得る、請求項1又は2記載の方法。
【請求項8】
アルキル-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸エステルの酵素による加水分解によって望ましくない光学異性体から鏡像異性的に純粋な2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンテン酸が分離される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項9】
酵素による加水分解が水溶液中で行われる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記酵素が、リパーゼC1、リパーゼC2、リパーゼA、リパーゼAS1、リパーゼAN、リパーゼPC、リパーゼPF、リパーゼB(CALB)、リパーゼAH、リパーゼAK、リパーゼAYS、リパーゼPS、プロテアーゼK、プロテアーゼN、プロテアーゼP、ICR−101、ICR−102、ICR−103、ICR−104、ICR−105、ICR−106、ICR−107、ICR−108、ICR−109、ICR−110、ICR−111、ICR−112、ICR−113、ICR−114、ICR−115、ICR−116、ICR−117、ICR−118、ICR−119、ICR−120、IMW−102、IMW−105、エステラーゼBS1、エステラーゼBS2、エステラーゼBS3、エステラーゼPF2、エステラーゼPL、ドゥラミル、ノボザイム868、ノボザイム525L、ノボザイム388、ニュートラーゼ0、リオポアーゼ、豚の膵臓からのリパーゼTyp II、豚の肝臓のエステラーゼ、リパーゼカンジダルゴサより選ばれる、請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
式IVの化合物が以下の置換基のパターンを有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【表1】

【請求項12】
以下の置換基のパターンを有する式Iの化合物。
【表2】

【請求項13】
80%より多い鏡像異性体過剰を特徴とする、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
下式VIII
【化10】

(上式中、基X1、X2、X3のうち少なくとも1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、アミノより選ばれ、他の基X1、X2、X3は水素原子であり、
基Z1、Z2、Z3のうち少なくとも1つは−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−より選ばれ、他の基Z1、Z2、Z3は−CH3−基であり、
Arは芳香族基である)
の化合物の製造方法であって、下式I
【化11】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
の化合物を酸化させて下式V
【化12】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3は上記と同じ意味である)
のアルデヒドを形成し、次いで下式VI
2N−Ar (VI)
(上式中、Arは芳香族基である)
の芳香族アミンと反応させて下式VII
【化13】

(上式中、X1、X2、X3、Z1、Z2、Z3及びArは上記と同じ意味である)
のイミンを形成し、次いで還元して式VIIIの化合物を形成することを特徴とする方法。
【請求項15】
式Iの化合物をSO3/ピリジン錯体と反応させて式Vのアルデヒドを形成する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
式Vの化合物を酢酸に溶解し、式VIのアミンを室温において加え、トルエンを加え、この混合物を5〜50時間還流して式VIIのイミンを形成する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
式VIのアミンが
1-アミノ-2-メチルベンゼン、
1-アミノ-4-メチルベンゼン、
2-アミノ-4-メチルピリジン、
2-アミノピリジン、
2-アミノピリミジン、
3-アミノキノリン、
4-アミノピリジン、
4-アミノピリミジン、
5-アミノイソキノリン、
5-アミノ-1-メチルイソキノリン、
5-アミノ-2,6-ジメチルキノリン、
5-アミノ-2-メチルインドール、
5-アミノ-2-メチルイソキノール-1(2H)-オン、
5-アミノ-2-メチルキノリン、
5-アミノ-6-クロロ-2-メチルキノリン、
5-アミノ-6-フルオロ-2-メチルキノリン、
5-アミノイソキノール-2(1H)-オン、
5-アミノキノリン、
アミノベンゼン、
N-(4-アミノフェニル)ピペリジン
より選ばれる、請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
式VIIのイミンをアルコール溶液中でホウ化水素ナトリウムと反応させ、式VIIIの化合物を形成する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
式Iの化合物を鏡像異性的に純粋な形態で用い、鏡像異性的に純粋な式VIIIの化合物を形成する、請求項13記載の方法。

【公表番号】特表2010−524878(P2010−524878A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503427(P2010−503427)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003202
【国際公開番号】WO2008/128750
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(506302181)インテンディス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (5)
【Fターム(参考)】