説明

非接触受電装置およびそれを備える電動車両

【課題】受電電力を電気負荷へ供給する電路を遮断可能なリレーの溶着チェックを確実に行なうことができる非接触受電装置およびそれを備える電動車両を提供する。
【解決手段】リレー144は、整流器140とDC/DCコンバータ142との間の電力線対に設けられる。電圧センサ190は、抵抗146に生じる電圧VR1を検出する。電圧センサ192は、リレー144よりもDC/DCコンバータ142側において電力線対間の電圧VR2を検出する。そして、リレー144,148がそれぞれオフ,オンされているとき、電圧センサ190,192の検出値が比較され、その比較結果に基づいてリレー144の溶着有無が判定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、非接触受電装置およびそれを備える電動車両に関し、特に、電源から電力を受けて電磁場を発生する送電用共鳴器から前記電磁場を介して非接触で受電する非接触受電装置およびそれを備える電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に配慮した車両として、電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両が大きく注目されている。これらの車両は、走行駆動力を発生する電動機と、その電動機に供給される電力を蓄える再充電可能な蓄電装置とを搭載する。なお、ハイブリッド自動車は、電動機とともに内燃機関をさらに動力源として搭載した自動車や、車両駆動用の直流電源として蓄電装置とともに燃料電池をさらに搭載した自動車である。
【0003】
ハイブリッド自動車においても、電気自動車と同様に、車両外部の電源から車載の蓄電装置を充電可能な車両が知られている。たとえば、家屋に設けられた電源コンセントと車両に設けられた充電口とを充電ケーブルで接続することにより、一般家庭の電源から蓄電装置を充電可能ないわゆる「プラグイン・ハイブリッド自動車」が知られている。
【0004】
一方、送電方法として、電源コードや送電ケーブルを用いないワイヤレス送電が近年注目されている。このワイヤレス送電技術としては、有力なものとして、電磁誘導を用いた送電、マイクロ波を用いた送電、および共鳴法による送電の3つの技術が知られている。
【0005】
このうち、共鳴法は、一対の共鳴器(たとえば一対の自己共振コイル)を電磁場(近接場)において共鳴させ、電磁場を介して送電する非接触の送電技術であり、数kWの大電力を比較的長距離(たとえば数m)送電することも可能である(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2009−501510号公報
【特許文献2】特開2005−261040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車両外部の電源から車載の蓄電装置を充電可能な車両においては、受電された電力を電気負荷へ供給する電路を遮断可能なリレーが一般的に設けられるところ、このリレーの溶着チェックを確実に行なうことが重要である。
【0008】
ここで、車両外部の電源から車両への送電に上記の共鳴法を用いる場合、たとえば給電設備側の送電ユニットと車両側の受電ユニットとの位置ずれやギャップの変化等によって受電状態(受電電力や受電電圧)が変化するところ、受電状態が変化してもリレーの溶着チェックが確実に行なわれる必要がある。
【0009】
それゆえに、この発明の目的は、受電電力を電気負荷へ供給する電路を遮断可能なリレーの溶着チェックを確実に行なうことができる非接触受電装置およびそれを備える電動車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によれば、非接触受電装置は、電源から電力を受けて電磁場を発生する送電用共鳴器から電磁場を介して非接触で受電する非接触受電装置であって、受電用共鳴器と、電気負荷と、第1のリレーと、抵抗および第2のリレーと、第1および第2の電圧センサと、制御装置とを備える。受電用共鳴器は、送電用共鳴器と電磁場を介して共鳴することにより送電用共鳴器から受電するように構成される。電気負荷は、受電用共鳴器によって受電された電力の供給を受ける。第1のリレーは、受電用共鳴器と電気負荷との間に配設される電力線対の少なくとも一方に設けられる。抵抗および第2のリレーは、第1のリレーよりも受電用共鳴器側に設けられ、電力線対間に直列に接続される。第1の電圧センサは、抵抗に生じる電圧を検出する。第2の電圧センサは、第1のリレーよりも電気負荷側に設けられ、電力線対間の電圧を検出する。制御装置は、受電用共鳴器の受電状況を確認する場合には第1および第2のリレーをそれぞれ非導通状態および導通状態に制御し、受電用共鳴器によって受電された電力を電気負荷へ供給する場合には第1および第2のリレーをそれぞれ導通状態および非導通状態に制御する。そして、制御装置は、第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御されているとき、第2の電圧センサの検出値を第1の電圧センサの検出値と比較し、その比較結果に基づいて第1のリレーの溶着有無を判定する。
【0011】
好ましくは、第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御されているとき、送電用共鳴器から所定の電力が送出される。そして、制御装置は、第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御され、かつ、第1の電圧センサの検出値が所定の範囲に含まれるとき、上記比較結果に基づいて第1のリレーの溶着有無を判定する。
【0012】
さらに好ましくは、当該非接触受電装置は、車両に搭載される。そして、制御装置は、第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御され、かつ、第1の電圧センサの検出値が所定の範囲外のとき、第1の電圧センサの検出値に基づいて、受電用共鳴器と送電用共鳴器との位置合わせを行なうように車両を制御する。
【0013】
また、好ましくは、非接触受電装置は、送電用共鳴器を含む給電設備と通信するための通信ユニットをさらに備える。そして、制御装置は、第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御され、かつ、第1の電圧センサの検出値が所定の範囲外のとき、送電用共鳴器から送出される所定の電力の増加を指示する指令を、通信ユニットを用いて給電設備へ出力する。
【0014】
また、この発明によれば、電動車両は、上述したいずれかの非接触受電装置と、非接触受電装置によって受電された電力を用いて走行トルクを発生する電動機とを備える。
【発明の効果】
【0015】
この発明においては、第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御されているとき、第2の電圧センサの検出値が第1の電圧センサの検出値と比較される。そして、その比較結果に基づいて第1のリレーの溶着有無が判定されるので、たとえば送電用共鳴器と受電用共鳴器との位置ずれやギャップの変化等によって受電状態(受電電力や受電電圧)が変化しても、第1のリレーの溶着有無を判定できる。
【0016】
したがって、この発明によれば、受電電力を電気負荷へ供給する電路を遮断可能なリレーの溶着チェックを確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1による非接触受電装置が適用される車両給電システムの全体構成図である。
【図2】共鳴法による送電の原理を説明するための図である。
【図3】電流源(磁流源)からの距離と電磁界の強度との関係を示した図である。
【図4】図1に示す車両の詳細を示す構成図である。
【図5】受電ユニットを含む車両側の受電回路および給電設備側の送電ユニットについてより詳細に説明するための回路図である。
【図6】電圧センサの構成の一例を示した図である。
【図7】制御装置により実行されるリレーの溶着判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施の形態2における制御装置により実行されるリレーの溶着判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施の形態3における制御装置により実行されるリレーの溶着判定処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0019】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による非接触受電装置が適用される車両給電システムの全体構成図である。図1を参照して、車両給電システム10は、車両100と、給電設備200とを備える。
【0020】
車両100は、受電ユニット110と、カメラ120と、通信ユニット130とを含む。受電ユニット110は、車体底面に設置され、給電設備200の送電ユニット220から送出される電力を非接触で受電するように構成される。詳しくは、受電ユニット110は、後に説明する自己共振コイルを含み、給電設備200の送電ユニット220に含まれる自己共振コイルと電磁場を介して共鳴することにより送電ユニット220から非接触で受電する。
【0021】
カメラ120は、受電ユニット110と送電ユニット220との位置関係を検知するために設けられ、たとえば車両後方を撮影可能に車体に取付けられる。通信ユニット130は、車両100と給電設備200との間で通信を行なうための通信インターフェースである。
【0022】
給電設備200は、高周波電源装置210と、送電ユニット220と、発光部230と、通信ユニット240とを含む。高周波電源装置210は、たとえば系統電源から供給される商用交流電力を高周波の電力に変換して送電ユニット220へ出力する。なお、高周波電源装置210が生成する高周波電力の周波数は、たとえば1MHz〜数十MHzである。
【0023】
送電ユニット220は、駐車場の床面に固設され、高周波電源装置210から供給される高周波電力を車両100の受電ユニット110へ非接触で送出するように構成される。詳しくは、送電ユニット220は、自己共振コイルを含み、車両100の受電ユニット110に含まれる自己共振コイルと電磁場を介して共鳴することにより受電ユニット110へ非接触で送電する。
【0024】
発光部230は、送電ユニット220上に複数設けられ、送電ユニット220の位置を示すために設けられる。発光部230は、たとえば発光ダイオードなどを含む。通信ユニット240は、給電設備200と車両100との間で通信を行なうための通信インターフェースである。
【0025】
この車両給電システム10においては、給電設備200の送電ユニット220から高周波の電力が送出され、車両100の受電ユニット110に含まれる自己共振コイルと送電ユニット220に含まれる自己共振コイルとが電磁場を介して共鳴することにより、給電設備200から車両100へ給電される。
【0026】
ここで、給電設備200から車両100への給電に際し、車両100を給電設備200へ誘導して車両100の受電ユニット110と給電設備200の送電ユニット220との位置合わせが行なわれる。
【0027】
位置合わせは、まず、第1段階においては、カメラ120によって撮影される画像に基づいて車両100の受電ユニット110と給電設備200の送電ユニット220との位置関係が検知され、その検知結果に基づいて送電ユニット220へ車両を誘導するように車両が制御される。より詳しくは、送電ユニット220上に設けられた複数の発光部230がカメラ120によって撮影され、複数の発光部230の位置および向きが画像認識される。そして、その画像認識の結果に基づいて送電ユニット220と車両との位置および向きが認識され、その認識結果に基づいて送電ユニット220へ車両が誘導される。
【0028】
ここで、受電ユニット110および送電ユニット220の対向面積は、車体底面の面積よりも小さいところ、送電ユニット220が車体下部に入り込むことによってカメラ120により送電ユニット220を撮影できなくなると、第1段階から第2段階に切替わる。この第2段階においては、送電ユニット220から受電ユニット110への給電が行なわれ、その給電状況に基づいて送電ユニット220と受電ユニット110との距離が検知される。そして、その距離情報に基づいて、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせを行なうように車両が制御される。
【0029】
なお、上記の第2段階時に送電ユニット220から送出される電力の大きさは、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせの完了後に送電ユニット220から受電ユニット110へ供給される充電電力よりも小さく設定される。上記第2段階時に送電ユニット220から電力を送出するのは、送電ユニット220と受電ユニット110との間の距離を検知するためであり、本格的な給電を行なう際の大電力は不要だからである。
【0030】
次に、この車両給電システム10に用いられる非接触給電方法について説明する。この実施の形態による車両給電システム10では、共鳴法を用いて給電設備200から車両100への給電が行なわれる。
【0031】
図2は、共鳴法による送電の原理を説明するための図である。図2を参照して、この共鳴法では、2つの音叉が共鳴するのと同様に、同じ固有振動数を有する2つのLC共振コイルが電磁場(近接場)において共鳴することによって、一方のコイルから他方のコイルへ電磁場を介して電力が伝送される。
【0032】
具体的には、高周波電源310に一次コイル320を接続し、電磁誘導により一次コイル320と磁気的に結合される一次自己共振コイル330へ1M〜数十MHzの高周波電力を給電する。一次自己共振コイル330は、コイル自身のインダクタンスと浮遊容量とによるLC共振器であり、一次自己共振コイル330と同じ共振周波数を有する二次自己共振コイル340と電磁場(近接場)を介して共鳴する。そうすると、一次自己共振コイル330から二次自己共振コイル340へ電磁場を介してエネルギー(電力)が移動する。二次自己共振コイル340へ移動したエネルギー(電力)は、電磁誘導により二次自己共振コイル340と磁気的に結合される二次コイル350によって取出され、負荷360へ供給される。なお、共鳴法による送電は、一次自己共振コイル330と二次自己共振コイル340との共鳴強度を示すQ値がたとえば100よりも大きいときに実現される。
【0033】
なお、図1との対応関係については、二次自己共振コイル340および二次コイル350が図1の受電ユニット110に対応し、一次コイル320および一次自己共振コイル330が図1の送電ユニット220に対応する。
【0034】
図3は、電流源(磁流源)からの距離と電磁界の強度との関係を示した図である。図3を参照して、電磁界は3つの成分を含む。曲線k1は、波源からの距離に反比例した成分であり、「輻射電磁界」と称される。曲線k2は、波源からの距離の2乗に反比例した成分であり、「誘導電磁界」と称される。また、曲線k3は、波源からの距離の3乗に反比例した成分であり、「静電磁界」と称される。
【0035】
この中でも波源からの距離とともに急激に電磁波の強度が減少する領域があるが、共鳴法では、この近接場(エバネッセント場)を利用してエネルギー(電力)の伝送が行なわれる。すなわち、近接場を利用して、同じ固有振動数を有する一対の共鳴器(たとえば一対のLC共振コイル)を共鳴させることにより、一方の共鳴器(一次自己共振コイル)から他方の共鳴器(二次自己共振コイル)へエネルギー(電力)を伝送する。この近接場は遠方にエネルギー(電力)を伝播しないので、遠方までエネルギーを伝播する「輻射電磁界」によりエネルギー(電力)を伝送する電磁波に比べて、共鳴法は、より少ないエネルギー損失で送電することができる。
【0036】
図4は、図1に示した車両100の詳細を示す構成図である。図4を参照して、車両100は、蓄電装置150と、システムメインリレーSMR1と、昇圧コンバータ162と、インバータ164,166と、モータジェネレータ172,174と、エンジン176と、動力分割装置177と、駆動輪178とを含む。また、車両100は、二次自己共振コイル112と、二次コイル114と、整流器140と、DC/DCコンバータ142と、システムメインリレーSMR2と、リレー144,148と、抵抗146と、電圧センサ190,192とをさらに含む。さらに、車両100は、制御装置180と、カメラ120と、通信ユニット130と、給電ボタン122とをさらに含む。
【0037】
この車両100は、エンジン176およびモータジェネレータ174を動力源として搭載する。エンジン176およびモータジェネレータ172,174は、遊星歯車から成る動力分割装置177に連結される。そして、車両100は、エンジン176およびモータジェネレータ174の少なくとも一方が発生する駆動力によって走行する。エンジン176が発生する動力は、動力分割装置177によって2経路に分割される。すなわち、一方は駆動輪178へ伝達される経路であり、もう一方はモータジェネレータ172へ伝達される経路である。
【0038】
モータジェネレータ172は、交流回転電機であり、たとえばロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機を含む。モータジェネレータ172は、動力分割装置177によって分割されたエンジン176の運動エネルギーを用いて発電する。たとえば、蓄電装置150の充電状態(「SOC(State Of Charge)」とも称される。)が予め定められた値よりも低くなると、エンジン176が始動してモータジェネレータ172により発電が行なわれ、蓄電装置150が充電される。
【0039】
モータジェネレータ174も、交流回転電機であり、モータジェネレータ172と同様に、たとえばロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機を含む。モータジェネレータ174は、蓄電装置150に蓄えられた電力およびモータジェネレータ172により発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動力を発生する。そして、モータジェネレータ174の駆動力は、駆動輪178に伝達される。
【0040】
また、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時には、運動エネルギーや位置エネルギーとして車両に蓄えられた力学的エネルギーが駆動輪178を介してモータジェネレータ174の回転駆動に用いられ、モータジェネレータ174が発電機として作動する。これにより、モータジェネレータ174は、走行エネルギーを電力に変換して制動力を発生する回生ブレーキとして作動する。そして、モータジェネレータ174により発電された電力は、蓄電装置150に蓄えられる。
【0041】
蓄電装置150は、再充電可能な直流電源であり、たとえばリチウムイオンやニッケル水素などの二次電池を含む。蓄電装置150は、DC/DCコンバータ142から供給される電力を蓄えるほか、モータジェネレータ172,174によって発電される回生電力も蓄える。そして、蓄電装置150は、その蓄えた電力を昇圧コンバータ162へ供給する。なお、蓄電装置150として大容量のキャパシタも採用可能であり、給電設備200(図1)から供給される電力やモータジェネレータ172,174からの回生電力を一時的に蓄え、その蓄えた電力を昇圧コンバータ162へ供給可能な電力バッファであれば如何なるものでもよい。
【0042】
システムメインリレーSMR1は、蓄電装置150と昇圧コンバータ162との間に配設される。昇圧コンバータ162は、制御装置180からの信号PWCに基づいて、正極線PL2の電圧を蓄電装置150から出力される電圧以上の電圧に昇圧する。なお、この昇圧コンバータ162は、たとえば直流チョッパ回路を含む。
【0043】
インバータ164,166は、それぞれモータジェネレータ172,174に対応して設けられる。インバータ164は、制御装置180からの信号PWI1に基づいてモータジェネレータ172を駆動し、インバータ166は、制御装置180からの信号PWI2に基づいてモータジェネレータ174を駆動する。なお、インバータ164,166は、たとえば三相ブリッジ回路を含む。
【0044】
二次自己共振コイル112は、両端がオープン(非接続)のLC共振コイルであり、給電設備200の一次自己共振コイル(図示せず)と電磁場を介して共鳴することにより給電設備200から受電する。なお、二次自己共振コイル112の容量成分は、コイルの浮遊容量としているが、コイルの両端に接続されるコンデンサを設けてもよい。この二次自己共振コイル112については、給電設備200の一次自己共振コイルとの距離や、一次自己共振コイルおよび二次自己共振コイル112の共鳴周波数等に基づいて、一次自己共振コイルと二次自己共振コイル112との共鳴強度を示すQ値(たとえば、Q>100)およびその結合度を示すκ等が大きくなるようにその巻数が適宜設定される。
【0045】
二次コイル114は、二次自己共振コイル112と同軸上に配設され、電磁誘導により二次自己共振コイル112と磁気的に結合可能である。この二次コイル114は、二次自己共振コイル112により受電された電力を電磁誘導により取出して整流器140へ出力する。なお、二次自己共振コイル112および二次コイル114は、図1に示した受電ユニット110を形成する。
【0046】
整流器140は、二次コイル114によって取出された交流電力を整流する。DC/DCコンバータ142は、制御装置180からの信号PWDに基づいて、整流器140によって整流された電力を蓄電装置150の電圧レベルに変換して蓄電装置150へ出力する。システムメインリレーSMR2は、DC/DCコンバータ142と蓄電装置150との間に配設される。システムメインリレーSMR2は、制御装置180からの信号SE2が活性化されると、DC/DCコンバータ142を蓄電装置150と電気的に接続し、信号SE2が非活性化されると、DC/DCコンバータ142と蓄電装置150との間の電路を遮断する。
【0047】
リレー144は、整流器140とDC/DCコンバータ142との間に配設される電力線対の少なくとも一方に設けられる。この図4では、リレー144は、電力線対の一方にのみ設けられているが、電力線対の双方にリレーを設けてもよい。このリレー144は、受電ユニット110によって受電された電力をDC/DCコンバータ142へ供給して蓄電装置150の充電が行なわれる場合に制御装置180によって導通状態に制御される。
【0048】
抵抗146およびリレー148は、リレー144よりも整流器140側において、整流器140とDC/DCコンバータ142との間に配設される電力線対間に直列に接続される。この抵抗146およびリレー148は、受電ユニット110の受電状況を確認するために設けられる。すなわち、上述した第2段階の位置合わせが行なわれるとき、制御装置180によってリレー148が導通状態に制御され、受電ユニット110による受電によって抵抗146に生じる電圧に基づいて受電ユニット110の受電状況が検知される。そして、抵抗146に生じる電圧に基づいて送電ユニット220と受電ユニット110との距離が検知され、その距離情報に基づいて上記第2段階の位置合わせが実行される。
【0049】
電圧センサ190は、抵抗146に生じる電圧VR1を検出し、その検出値を制御装置180へ出力する。一方、電圧センサ192は、リレー144よりもDC/DCコンバータ142側において電力線対間の電圧VR2を検出し、その検出値を制御装置180へ出力する。
【0050】
制御装置180は、アクセル開度や車両速度、その他種々のセンサからの信号に基づいて、昇圧コンバータ162およびモータジェネレータ172,174をそれぞれ駆動するための信号PWC,PWI1,PWI2を生成し、その生成した信号PWC,PWI1,PWI2をそれぞれ昇圧コンバータ162およびインバータ164,166へ出力する。そして、車両の走行時、制御装置180は、信号SE1を活性化してシステムメインリレーSMR1をオンさせるとともに、信号SE2を非活性化してシステムメインリレーSMR2をオフさせる。
【0051】
また、制御装置180は、受電ユニット110の受電状況を確認する場合にはリレー144,148をそれぞれ非導通状態および導通状態に制御し、受電ユニット110によって受電された電力をDC/DCコンバータ142へ供給して蓄電装置150の充電を行なう場合にはリレー144,148をそれぞれ導通状態および非導通状態に制御する。
【0052】
ここで、制御装置180は、リレー144の溶着有無を判定する。具体的には、制御装置180は、リレー144,148がそれぞれ非導通状態および導通状態に制御されているとき、電圧センサ192から受ける電圧VR2の検出値を電圧センサ190から受ける電圧VR1の検出値と比較し、その比較結果に基づいてリレー144の溶着有無を判定する。
【0053】
さらにここで、制御装置180は、リレー144,148がそれぞれ非導通状態および導通状態に制御され、かつ、電圧センサ190から受ける電圧VR1の検出値が所定の範囲外のとき、受電ユニット110と送電ユニット220との位置合わせを行なうように車両を制御する。
【0054】
具体的には、制御装置180は、第1段階として、カメラ120によって撮影される画像に基づいて車両100の受電ユニット110と給電設備200の送電ユニット220との位置関係を検知し、その検知結果に基づいて送電ユニット220へ車両を誘導するように車両を制御する。
【0055】
そして、送電ユニット220が車体下部に入り込むことによってカメラ120により送電ユニット220を撮影できなくなると、制御装置180は、第2段階として、テスト電力の出力要求を通信ユニット130を介して給電設備200へ出力し、電圧VR1の検出値に基づいて送電ユニット220と受電ユニット110との距離を検知する。そして、制御装置180は、その距離情報に基づいて、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせを行なうように車両を制御する。
【0056】
車両の位置合わせが完了すると、制御装置180は、通信ユニット130を介して給電設備200へ給電指令を送信するとともに、リレー144,148をそれぞれ導通状態および非導通状態に制御する。そしてさらに、制御装置180は、信号SE2を活性化してシステムメインリレーSMR2をオンさせ、DC/DCコンバータ142を駆動するための信号PWDを生成してDC/DCコンバータ142へ出力する。
【0057】
図5は、受電ユニットを含む車両側の受電回路および給電設備側の送電ユニット220についてより詳細に説明するための回路図である。図5を参照して、高周波電源装置210は、高周波交流電源213と、電源のインピーダンスを示す抵抗211とで表わされる。送電ユニット220は、高周波電源装置210に接続される一次コイル232と、電磁誘導により一次コイル232と磁気的に結合される一次自己共振コイル234とを含む。
【0058】
受電ユニット110は、一次自己共振コイル234と電磁場を介して共鳴する二次自己共振コイル112と、電磁誘導により二次自己共振コイル112と磁気的に結合される二次コイル114とを含む。整流器140は、二次コイル114に接続され、二次コイル114から出力される交流電力を整流する。
【0059】
整流器140と充電器(DC/DCコンバータ142)との間に配設される電力線にはリレー144が設けられ、バッテリ(蓄電装置150)の充電が行なわれるとき、リレー144は導通状態に制御される。
【0060】
リレー144よりも整流器140側において、抵抗146およびリレー148が電力線対間に直列に接続される。電圧センサ190は、抵抗146およびリレー148が接続される電力線対間の電圧VR1を検出して制御装置180(図示せず)へ出力する。電圧センサ192は、リレー144よりも充電器(DC/DCコンバータ142)側において電力線対間の電圧VR2を検出し、その検出値を制御装置180へ出力する。充電器(DC/DCコンバータ142)は、整流器140から出力される直流電力を適切な電圧に変換してバッテリ(蓄電装置150)へ出力する。
【0061】
なお、抵抗146は、たとえば50Ωのインピーダンスに設定されており、この値は高周波電源装置210の抵抗211で表わされるインピーダンスとマッチングするように調整されている。
【0062】
図6は、電圧センサ190,192の構成の一例を示した図である。図6を参照して、電圧センサ190(192)は、入力端子502,504と、抵抗506,508,510,512,516と、オペアンプ514と、出力端子518とを含む。
【0063】
この電圧センサ190(192)は、差動増幅回路から成る。整流器140(図5)によって整流された電力が出力される電力線対に入力端子502,504が接続される。抵抗506は、数百kΩ〜数MΩの高抵抗値を有する。
【0064】
図7は、制御装置180により実行されるリレー144の溶着判定処理を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、一定時間毎または所定の条件が成立する毎に実行される。
【0065】
図7を参照して、制御装置180は、まず、リレー144,148をそれぞれ非導通状態(オフ)および導通状態(オン)に制御する(ステップS10)。次いで、制御装置180は、テスト電力の出力要求を通信ユニット130を介して給電設備200へ送信する(ステップS20)。なお、このテスト電力の大きさは、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせの完了後に送電ユニット220から受電ユニット110へ供給される充電のための電力よりも小さく設定される。
【0066】
次いで、制御装置180は、電圧センサ190によって検出される電圧VR1が所定の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS30)。電圧VR1が所定の範囲内にないと判定されると(ステップS30においてNO)、制御装置180は、上述した方法により、車両の位置決め制御(給電設備200の送電ユニット220と車両の受電ユニット110との位置合わせ)を実行する(ステップS40)。
【0067】
ステップS30において電圧VR1が所定の範囲内にあると判定されると(ステップS30においてYES)、制御装置180は、電圧センサ190によって検出される電圧VR1と電圧センサ192によって検出される電圧VR2との差(絶対値)が所定値δよりも大きいか否かを判定する(ステップS50)。なお、所定値δは、電圧VR1と電圧VR2とを同一値と見做せるか否かを判定するための値である。
【0068】
ステップS50において電圧VR1,VR2の差が所定値δよりも大きいと判定されると(ステップS50においてYES)、制御装置180は、リレー144を正常と判定する(ステップS60)。一方、ステップS50において電圧VR1,VR2の差が所定値δ以下であると判定されると(ステップS50においてNO)、ステップS10においてリレー144が非導通状態(オフ)に制御されているにも拘わらず電圧VR1,VR2が略同一であるのはリレー144が溶着しているからと判断され、制御装置180は、リレー144が溶着しているものと判定する(ステップS70)。
【0069】
そして、ステップS60においてリレー144が正常と判定されるか、あるいはステップS70においてリレー144は溶着しているものと判定され、その後所定の異常処理が実行されると(ステップS80)、制御装置180は、テスト電力の停止要求を通信ユニット130を介して給電設備200へ送信する(ステップS90)。その後、制御装置180は、リレー144,148を非導通状態(オフ)に制御する(ステップS100)。
【0070】
以上のように、この実施の形態1においては、リレー144,148がそれぞれ非導通状態(オフ)および導通状態(オン)に制御されているとき、電圧センサ192によって検出される電圧VR2が電圧センサ190によって検出される電圧VR1と比較される。そして、その比較結果に基づいてリレー144の溶着有無が判定されるので、たとえば給電設備200の送電ユニット220と車両100の受電ユニット110との位置ずれやギャップの変化等によって受電状態(受電電力や受電電圧)が変化しても、リレー144の溶着有無を判定できる。したがって、この実施の形態1によれば、受電電力を電気負荷へ供給する電路を遮断可能なリレー144の溶着チェックを確実に行なうことができる。
【0071】
また、この実施の形態1によれば、電圧VR1がその所定の範囲内にあるときに限りリレー144の溶着チェックが行なわれるので、たとえば非受電時(電圧VR1,VR2いずれも0)に溶着チェックが行なわれ、リレー144が溶着していないにも拘わらずリレー144が異常であると誤判定されるのを防止することができる。
【0072】
[実施の形態2]
実施の形態1では、リレー144の溶着判定処理において、電圧VR1が所定の範囲内でないとき、給電設備200と車両100の位置合わせを行ない、電圧VR1が所定の範囲内に入ると、リレー144の溶着判定を実行するものとした。この実施の形態2では、共鳴法を用いた送電の伝送効率に基づいて電圧VR1に対する所定の範囲が予め決定され、電圧VR1がその所定の範囲内になるまでテスト電力を増加させる。そして、電圧VR1が所定の範囲内に入ると、リレー144の溶着判定が実行される。
【0073】
この実施の形態2における車両給電システムの全体構成は、図1に示した実施の形態1における車両給電システム10と同じである。また、この実施の形態2における車両の詳細構成も、図4に示した実施の形態1における車両100と同じである。
【0074】
図8は、実施の形態2における制御装置180により実行されるリレー144の溶着判定処理を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートの処理も、一定時間毎または所定の条件が成立する毎に実行される。
【0075】
図8を参照して、このフローチャートは、図7に示したフローチャートにおいて、ステップS40に代えてステップS110,S120,S130を含む。すなわち、ステップS30において電圧VR1が所定の範囲内にないと判定されると(ステップS30においてNO)、制御装置180は、テスト電力の増大要求を通信ユニット130(図4)を介して給電設備200へ送信する(ステップS110)。
【0076】
次いで、制御装置180は、テスト電力が所定の上限に達しているか否かを判定する(ステップS120)。テスト電力は上限に達していないと判定されると(ステップS120においてNO)、ステップS30へ処理が戻される。一方、ステップS120においてテスト電力が上限に達したと判定されると(ステップS120においてYES)、制御装置180は、所定の中断処理を実行し(ステップS130)、その後、ステップS90へ処理が移行されてテスト電力の停止要求が給電設備200へ送信される。
【0077】
この実施の形態2によれば、送電の伝送効率に基づいて電圧VR1に対する所定の範囲が決定され、電圧VR1がその所定の範囲内にあるときに限りリレー144の溶着チェックが行なわれるので、非受電時(電圧VR1,VR2いずれも0)に溶着チェックが行なわれ、リレー144が溶着していないにも拘わらずリレー144が異常であると誤判定されるのを防止することができる。
【0078】
[実施の形態3]
この実施の形態3では、共鳴法を用いた送電の伝送効率に基づいて電圧VR1に対する所定の範囲が予め決定され、給電設備200からテスト電力が送電されているときに電圧VR1が上記の所定の範囲内にない場合には、リレー144の溶着判定を実行しないものとする。
【0079】
この実施の形態3における車両給電システムの全体構成も、図1に示した実施の形態1における車両給電システム10と同じである。また、この実施の形態3における車両の詳細構成も、図4に示した実施の形態1における車両100と同じである。
【0080】
図9は、実施の形態3における制御装置180により実行されるリレー144の溶着判定処理を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートの処理も、一定時間毎または所定の条件が成立する毎に実行される。
【0081】
図9を参照して、このフローチャートは、図8に示したフローチャートにおいてステップS110,S120を含まない構成から成る。すなわち、ステップS30において電圧VR1が所定の範囲内にないと判定されると(ステップS30においてNO)、制御装置180は、所定の中断処理を実行し(ステップS130)、その後、ステップS90へ処理が移行されてテスト電力の停止要求が給電設備200へ送信される。
【0082】
この実施の形態3によっても、受電電力を電気負荷へ供給する電路を遮断可能なリレー144の溶着チェックを確実に行なうことができる。
【0083】
なお、上記の各実施の形態においては、一対の自己共振コイルを共鳴させて送電が行なわれるものとしたが、共鳴体として自己共振コイルに代えて高誘電率材から成る高誘電体ディスクを用いることもできる。
【0084】
また、上記においては、電動車両として、動力分割装置177によりエンジン176の動力を分割して駆動輪178とモータジェネレータ172とに伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車について説明したが、この発明は、その他の形式のハイブリッド車にも適用可能である。すなわち、たとえば、モータジェネレータ172を駆動するためにのみエンジン176を用い、モータジェネレータ174でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車や、エンジン176が生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車などにもこの発明は適用可能である。
【0085】
また、この発明は、エンジン176を備えずに電力のみで走行する電気自動車や、直流電源として蓄電装置150に加えて燃料電池をさらに備える燃料電池車にも適用可能である。また、この発明は、昇圧コンバータ162を備えない電動車両や、DC/DCコンバータ142を備えない電動車両にも適用可能である。
【0086】
なお、上記において、一次自己共振コイル234は、この発明における「送電用共鳴器」の一実施例に対応し、二次自己共振コイル112は、この発明における「受電用共鳴器」の一実施例に対応する。また、DC/DCコンバータ142は、この発明における「電気負荷」の一実施例に対応し、リレー144,148は、それぞれこの発明における「第1のリレー」および「第2のリレー」の一実施例に対応する。さらに、電圧センサ190,192は、それぞれこの発明における「第1の電圧センサ」および「第2の電圧センサ」の一実施例に対応する。
【0087】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
10 車両給電システム、100 車両、110 受電ユニット、112,340 二次自己共振コイル、114,350 二次コイル、120 カメラ、122 給電ボタン、130,240 通信ユニット、140 整流器、142 DC/DCコンバータ、144,148 リレー、146,211,506,508,510,512,516 抵抗、150 蓄電装置、162 昇圧コンバータ、164,166 インバータ、172,174 モータジェネレータ、176 エンジン、177 動力分割装置、178 駆動輪、180 制御装置、190,192 電圧センサ、200 給電設備、210 高周波電源装置、213 高周波交流電源、220 送電ユニット、230 発光部、232,320 一次コイル、234,330 一次自己共振コイル、310 高周波電源、360 負荷、502,504 入力端子、514 オペアンプ、518 出力端子、SMR1,SMR2 システムメインリレー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から電力を受けて電磁場を発生する送電用共鳴器から前記電磁場を介して非接触で受電する非接触受電装置であって、
前記送電用共鳴器と前記電磁場を介して共鳴することにより前記送電用共鳴器から受電するように構成された受電用共鳴器と、
前記受電用共鳴器によって受電された電力の供給を受ける電気負荷と、
前記受電用共鳴器と前記電気負荷との間に配設される電力線対の少なくとも一方に設けられる第1のリレーと、
前記第1のリレーよりも前記受電用共鳴器側に設けられ、前記電力線対間に直列に接続される抵抗および第2のリレーと、
前記抵抗に生じる電圧を検出するための第1の電圧センサと、
前記第1のリレーよりも前記電気負荷側に設けられ、前記電力線対間の電圧を検出するための第2の電圧センサと、
前記受電用共鳴器の受電状況を確認する場合には前記第1および第2のリレーをそれぞれ非導通状態および導通状態に制御し、前記受電用共鳴器によって受電された電力を前記電気負荷へ供給する場合には前記第1および第2のリレーをそれぞれ導通状態および非導通状態に制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御されているとき、前記第2の電圧センサの検出値を前記第1の電圧センサの検出値と比較し、その比較結果に基づいて前記第1のリレーの溶着有無を判定する、非接触受電装置。
【請求項2】
前記第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御されているとき、前記送電用共鳴器から所定の電力が送出され、
前記制御装置は、前記第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御され、かつ、前記第1の電圧センサの検出値が所定の範囲に含まれるとき、前記比較結果に基づいて前記第1のリレーの溶着有無を判定する、請求項1に記載の非接触受電装置。
【請求項3】
当該非接触受電装置は、車両に搭載され、
前記制御装置は、前記第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御され、かつ、前記第1の電圧センサの検出値が前記所定の範囲外のとき、前記第1の電圧センサの検出値に基づいて、前記受電用共鳴器と前記送電用共鳴器との位置合わせを行なうように前記車両を制御する、請求項2に記載の非接触受電装置。
【請求項4】
前記送電用共鳴器を含む給電設備と通信するための通信ユニットをさらに備え、
前記制御装置は、前記第1および第2のリレーがそれぞれ非導通状態および導通状態に制御され、かつ、前記第1の電圧センサの検出値が前記所定の範囲外のとき、前記送電用共鳴器から送出される前記所定の電力の増加を指示する指令を、前記通信ユニットを用いて前記給電設備へ出力する、請求項2に記載の非接触受電装置。
【請求項5】
請求項1に記載の非接触受電装置と、
前記非接触受電装置によって受電された電力を用いて走行トルクを発生する電動機とを備える電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−72066(P2011−72066A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218671(P2009−218671)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】