説明

非接触型IC媒体処理装置

【課題】 媒体の詰まりや動作不良を防止するとともに部品点数を削減させる。
【解決手段】 媒体投入口4から投入された媒体Zは、傾斜面25aを自重によって径方向に転動して第3および第4のシャッタ31,32に係止されて媒体処理部27に位置付けられる。媒体処理部27において、アンテナ基板28によって情報が処理された媒体Zは、価値情報が残存している場合は、自重により転動し媒体返却口5から返却される。価値情報が「0」の場合は、自重により転動し媒体収納部33に収納され、搬送手段7によって媒体蓄積通路18内に搬送される。媒体に新たな価値情報を付与して発行する場合は、媒体蓄積通路18から媒体処理部27に媒体Zを1枚だけ自重により落下させる。媒体処理部27で新たな価値情報が付与された媒体Zは媒体返却口5から利用者に発行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円板状に形成した非接触型IC媒体(以下、単に媒体という)に記録された情報を読み書きして処理することができるとともに、新たに価値情報等を付与した媒体を発行することもできる非接触型IC媒体処理装置(以下、単に媒体処理装置という)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の媒体処理装置は、円板状に形成され周面に円周方向に等角度おいて設けられた4つの投入・放出口を有し、時計・反時計方向に90°ずつ回動する搬送プール部と、この搬送プール部の投入・放出口との間でICコインの補充および戻しを行う第2のプール部とを備えたものがある。この装置では、利用者がICコインを投入・放出口に投入すると、搬送プール部が90°だけ時計方向へ回動してICコインが装置内に取込まれ、ICコインの価値情報の書き換えを行った後に再び搬送プール部が90°だけ反時計方向へ回動して利用者に返却される。また、搬送プール部からICコインを発行する場合には、搬送プール部内のICコインが不足するため第2のプール部から搬送プール部の投入・放出口にICコインが補充される。一方、搬送プール部に使用済みのICコインが回収された場合には、搬送プール部内でICコインを収納しきれなくなるため搬送プール部内の投入・放出口から第2のプール部にICコインを戻している(例えば、特許文献1参照)。なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
【特許文献1】特開2001−327747号公報(段落「0035」、「0039」、「0044」、図8、図13、図14)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の媒体処理装置においては、搬送プール部におけるICコインの発行および回収に伴うICコインの過不足を補うために第2プール部との間でICコインの補充および戻しを頻繁に行う必要があり、このためICコインの搬送動作が複雑になりICコインの詰まりや動作不良を起こすおそれがあった。また、第2のプール部から搬送プール部へICコインを供給するための駆動源の他に、搬送プール部におけるICコインの収納および返却を行うための駆動源も必要となり、このためモータや伝達ギア等が余計に必要となり部品点数が増加するといった問題があった。
【0004】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは媒体の詰まりや動作不良を防止するとともに部品点数を削減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、アンテナ部9が設けられ円板状に形成された非接触型IC媒体と、この非接触型IC媒体が投入される投入口と、この投入口から投入され自重によって径方向に転動する前記非接触型IC媒体を一旦係止する媒体処理部と、この媒体処理部で係止された非接触型IC媒体に対して情報処理する情報処理手段と、この情報処理手段によって処理された非接触型IC媒体を自重によって径方向に転動させて返却するための返却口とを備えた非接触型IC媒体処理装置において、前記情報処理手段における処理結果に基づき前記非接触型IC媒体を自重によって径方向に転動させて収納する媒体収納部と、この媒体収納部に収納された非接触型IC媒体を前記媒体処理部へ搬送する媒体搬送手段と、この媒体搬送手段によって前記媒体処理部へ搬送される非接触型IC媒体を一旦係止する係止手段とを備えたものである。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記係止手段の上方に設けられ非接触型IC媒体を自重によって径方向に並べて蓄積する媒体蓄積部を設け、前記媒体搬送手段を、前記媒体蓄積部に隣接し上下方向に走行し前記非接触型IC媒体を保持する保持部材を有するベルトと、このベルトの保持部材に保持され移動する非接触型IC媒体を前記媒体蓄積部に案内する案内部材とによって構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、媒体処理部で処理された媒体の収納および返却を媒体の自重によって行うようにしたため、媒体の収納や返却のための駆動源や駆動伝達機構が不要になり、部品点数を削減することができるとともに構造を簡素化することができる。
【0008】
請求項2に係る発明によれば、媒体収納部から搬送手段によって媒体蓄積部に搬送した媒体を媒体収納部に戻すようなことがなく、媒体の搬送方向が一方向となるため媒体詰まりや動作不良を防止することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る非接触型IC媒体装置の側断面図、図2は同じく正面図、図3は図1におけるIII-III 線断面図、図4は図1におけるIV-IV 線断面図、図5は図1におけるV-V 線断面図、図6は図3におけるVI部の拡大図、図7は図1におけるVII 矢視図である。
【0010】
図1で全体を符号1で示す媒体処理装置は、略密閉状態で扁平な箱状に形成された筺体2を備え、この筺体2の前面板3には、図2に示すように、共に上下方向に延在するようにスリット状に形成された媒体投入口4と媒体返却口5とが設けられている。筺体2内には、図1に示すように、媒体処理ユニット6と、この媒体処理ユニット6の後述する媒体収納部33から媒体蓄積通路18まで媒体Zを搬送する媒体搬送手段7とが備えられている。
【0011】
媒体処理ユニット6は、扁平な中空部11を有し背面側が開口したケース10を備えており、このケース10は、筺体2内にブラケット(図示せず)を介して固定されており、互いに対向する左右の側板12,13と、これら側板12,13を連結する案内部材としての天井部14、底面部15、前面部16とによって構成されている。中空部11には、仕切板17によって仕切られ、共に上下方向に延在し互いに隣接する媒体蓄積通路18と媒体搬送通路19とが設けられている。
【0012】
仕切板17の上端と天井部14との間には、媒体蓄積通路18と媒体搬送通路19とを連通し、媒体Zが径方向に転動しながら通過できる連通路20が形成されている。天井部14の下面14aは、断面が略逆U字状に形成されており、連通路20を通って媒体搬送通路19から媒体蓄積通路18に導かれる媒体Zを案内する案内部を形成している。また、天井部14の背面側端部には、スリット14bが設けられており、このスリット14bの幅D2は、図7に示すように、後述する保持部材37の幅D1よりも大きく形成され、かつ媒体Zの厚みD3よりも小さく形成されている。
【0013】
したがって、媒体Zを搬送してきた保持部材37は、媒体Zを搬送し終わると、このスリット14bを通過して搬送ベルト36を挟んで反対側に移動する。一方、保持部材37によって搬送されてきた媒体Zはこのスリット14bを通過することなく、上記した案内部14aによって媒体蓄積通路18に導かれる。媒体蓄積通路18の下端には、図示を省略したソレノイドによって、側板13の窓(図示せず)から媒体蓄積通路18内に進退自在な係止手段としての第1のシャッタ21が設けられている。この第1のシャッタ21が媒体蓄積通路18内に進出することにより、媒体蓄積通路18内に導かれた媒体Zの落下が一旦係止され、媒体蓄積通路18内には複数枚(本実施例では5枚)の媒体Zが径方向に蓄積可能となるように構成されている。
【0014】
22,22はエスケープピンであって、シャッタ21が媒体蓄積通路18内に進出すると媒体蓄積通路18から退出し、シャッタ21が媒体蓄積通路18から退出すると媒体蓄積通路18から進出するように構成されている。したがって、シャッタ21が媒体蓄積通路18から退出し、媒体蓄積通路18内に蓄積されている媒体Zのうち一番下方の媒体Zが落下するとき、媒体蓄積通路18内に進出するエスケープピン22,22によって2番目以降の媒体Zの落下が規制される。このため、媒体蓄積通路18内に複数枚の媒体Zが蓄積されているにもかかわらず、一枚ずつ後述する媒体処理部に供給できるように構成されている。
【0015】
ケース10の前面部16には、媒体投入口4に対応して、スリット状に形成された媒体受け入れ口25が設けられており、この媒体受け入れ口25の下面は図中左下がりに傾斜した傾斜面25aが形成されている。この媒体受け入れ口25には、図示を省略したソレノイドによって、側板13の窓(図示せず)から進退自在な第2のシャッタ26が設けられている。したがって、第2のシャッタ26が媒体受け入れ口25から退出した状態で、媒体投入口4から媒体Zが投入されると、媒体Zは傾斜面25a上を自重によって径方向に転動し、上記した媒体蓄積通路18の下方に位置付けられた媒体処理部27に移動する。28は媒体処理部27に対応するように側板12に取り付けられたアンテナ基板であって、後述するように媒体処理部27で保持された媒体Zのアンテナ部9との間で無線によって通信を行い媒体Zに記録された情報を処理する。
【0016】
この媒体処理部27の下方に位置するケース10の底部15は断面が逆V字状に形成され、図中左下がりに傾斜した傾斜面15aと右下がりに傾斜した傾斜面15bとが設けられている。傾斜面15aと仕切板17の下端との間および傾斜面15bと前面板16の下端との間には、それぞれ共に媒体処理部27に連通した第1の連通口29および第2の連通口30が設けられている。第1の連通口29には、図示を省略したソレノイドによって、側板13の窓(図示せず)から進退自在な第3のシャッタ31が設けられており、第2の連通口30には、図示を省略したソレノイドによって、側板13の窓(図示せず)から進退自在な第4のシャッタ32が設けられている。
【0017】
一方の傾斜面15aの下端と後述する搬送ベルト36に挟まれた部位は、媒体処理部27で処理され価値情報が「0」となったいわゆる使用済み媒体を収納する媒体収納部33を形成しており、この媒体収納部33は上述した媒体搬送通路19の下端部に位置付けられている。他方の傾斜面15bの下端は水平方向に延設され、媒体返却口5の下端から筺体2の外部に突設され媒体返却レール部15cを形成しており、この媒体返却レール部15cの先端部は上方に向かって湾曲して媒体止め部15dを形成している。
【0018】
このような構成において、第3のシャッタ31が第1の連通口29に進出し、かつ第4のシャッタ32が第2の連通口30に進出すると、媒体投入口4または媒体蓄積通路18から媒体処理部27に供給された媒体Zは、これら第3および第4のシャッタ31,32によって係止される。媒体処理部27において情報処理され、価値情報が「0」となった場合には、第3のシャッタ31が第1の連通口29から退出し、使用済み媒体は傾斜面15a上を自重によって径方向に転動して媒体収納部33に収納される。一方、媒体処理部27において情報処理され、価値情報が残存している場合には、第4のシャッタ32が第2の連通口30から退出し、使用可能な媒体は傾斜面15b上を径方向に転動して媒体返却レール部15cに導かれ媒体返却口5から利用者に返却される。
【0019】
次に、図1、図6、図7を用いて、媒体搬送手段7について説明する。媒体搬送手段7は、図1に示すように、駆動源である搬送用モータ35と、この搬送用モータ35の駆動によって走行する搬送用ベルト36と、この搬送用ベルト36に走行方向に等間隔おいて櫛歯状に取り付けられた多数の保持部材37とによって概略構成されている。搬送ベルト36は、上下に回転自在に配設された従動ローラ38と駆動ローラ39との間を、媒体搬送通路19と隣接して平行となるように張架されている。
【0020】
駆動ローラ39と同軸上に軸着された大径プーリ40と、搬送用モータ35の出力軸に軸着された小径プーリ41との間には、駆動伝達ベルト42が張架されており、搬送用モータ35を駆動すると、駆動伝達ベルト42を介して搬送用ベルト36が矢印A方向に走行する。保持部材37は搬送ベルト36の走行方向と直交する方向に突設され、保持部材37間の間隔は媒体Zの1枚分の直径よりも大きく、2枚分の直径よりも小さく設定されている。搬送ベルト36の幅D4は、図6に示すように、媒体処理ユニット6の両側板12,13間の間隔D5よりも小さく形成されている。このように構成されていることにより、搬送ベルト36が矢印A方向に走行すると、媒体収納部33に収納されている媒体Zは保持部材37によって保持され矢印A方向に搬送され、媒体搬送通路19の上端において天井部14の案内部14aによって媒体蓄積部18内に案内される。
【0021】
次に、図1を用いて、第1ないし第5のセンサ45〜49を説明する。第1のセンサ45は媒体処理部27に設けられており、媒体処理部27内の媒体Zの有無を検出し、媒体有りの検出によって、第1のシャッタ21の媒体蓄積通路18からの退出を規制するとともに、第2のシャッタ26の媒体受け入れ口25からの退出を規制する。第2のセンサ46は媒体収納部33に設けられており、媒体収納部33に媒体Zが収納されるとこれを検出し、第3のシャッタ31を第1の連通口29内に進出させる。同時に、搬送用モータ35を駆動し、搬送用ベルト36が走行することにより、収納された使用済みの媒体が媒体搬送通路19を通って媒体蓄積通路18内へ搬送される。
【0022】
第3のセンサ47は傾斜面15bの下端に対応して設けられており、媒体処理部27から傾斜面15bを転動した媒体Zの通過を検出し、第4のシャッタ32を第2の連通口30内に進出させる。第4のセンサ48は媒体蓄積通路18の上端に位置付けられており、媒体搬送手段7によって媒体搬送通路19から媒体蓄積通路18内に搬送された媒体を検出し、搬送用モータ35の駆動を停止する。第5のセンサ49は媒体蓄積通路18において第4のセンサ48から媒体1個分だけ下方に位置付けられており、第4のセンサ48と共に媒体を検出することにより、媒体蓄積通路18内が媒体Zによって満杯状態であることを検出して、搬送手段7による搬送動作を切り替える信号を送出する。すなわち、媒体蓄積通路18内が媒体Zによって満杯状態となったときには、搬送手段7は媒体収納部33に収納された媒体Zを媒体搬送通路19の上端まで搬送せずに、互いの保持部材37,37間の間隔分だけ搬送するように切り替わる。したがって、媒体収納部33は次の媒体を収納可能なように媒体Zがない状態となり、次の媒体Zが媒体収納部33に収納されると、順次互いの保持部材37,37間の間隔分だけ搬送される。このため、この媒体搬送通路19も媒体Zを蓄積する媒体蓄積通路として機能する。
【0023】
次に、図1を用いて、このように構成された媒体処理装置1における媒体の処理動作について説明する。予め、第1のシャッタ21が媒体蓄積通路18内に進出し、第3のシャッタ31が第1の連通口29内に進出し、第4のシャッタ32が第2の連通口30内に進出している。また、媒体処理部27内に媒体Zが存在していない場合には、第2のシャッタ26が媒体受け入れ口25から退出しており、媒体投入口4が開放されている。この状態で、利用者が媒体Zを媒体投入口4に投入すると、媒体Zは傾斜面25a上を自重によって径方向に転動し、媒体処理部27において第3および第4のシャッタ31,32によって係止される。媒体処理部27に媒体Zが位置付けられることにより、第1のセンサ45がこれを検出し第2のシャッタ26が媒体受け入れ口25に進出する。
【0024】
媒体処理部27に位置付けられた媒体Zは、媒体処理装置1が付設されたサービス提供装置(図示せず)のサービスの提供に応じてアンテナ基板28によって情報処理が行われる。このとき、第2のシャッタ26が媒体受け入れ口25に進出し媒体投入口4を閉塞しているため、故意または誤って媒体処理部27に2枚目の媒体が投入されることはないから、媒体処理部27において媒体Zが確実に処理される。媒体処理部27における媒体Zの情報処理の結果、価値情報が残存している場合には、第4のシャッタ32が第2の連通口30から退出し、使用可能な媒体Zは傾斜面15b上を径方向に転動して、媒体返却レール部15cに導かれ媒体返却口5から利用者に返却される。このとき、第3のセンサ47が媒体Zの通過を検出すると、第4のシャッタ32を第2の連通口30内に進出させる。
【0025】
一方、媒体処理部27における媒体Zの情報処理の結果、価値情報が「0」となった場合には、第3のシャッタ31が第1の連通口29から退出し、使用済み媒体Zは傾斜面15a上を径方向に転動して媒体収納部33に収納される。媒体収納部33に媒体Zが収納されると第2のセンサ46がこれを検出し、第3のシャッタ31を第1の連通口29内に進出させる。同時に、搬送用モータ35を駆動し、搬送用ベルト36が走行することにより、収納された使用済みの媒体が媒体搬送通路19を通って媒体蓄積通路18内へ搬送される。媒体蓄積通路18内へ搬送された媒体が第4のセンサ48を通過すると、搬送用モータ35の駆動が停止する。
【0026】
次に、価値情報が「0」の媒体に所定の価値情報を付与して媒体を発行する動作を説明する。利用者が紙幣を紙幣挿入口に挿入し、金額ボタン(いずれも図示せず)を操作して発行金額を入力すると、第1のセンサ45によって媒体処理部27に媒体が存在しないことを検出したら、第1のシャッタ21が媒体蓄積通路18内から退出するとともに、エスケープピン22が媒体蓄積通路18内に進出する。したがって、媒体蓄積通路18内に径方向に蓄積されていた複数枚の媒体Zのうち最下方の媒体Zのみが自重によって媒体処理部27に落下し、第3および第4のシャッタ31,32によって係止され、最下方から2枚目以降の媒体はエスケースピン22に支承され落下が規制される。
【0027】
媒体処理部27に媒体Zが位置付けられると、第1のセンサ45によってこれが検出され、第1のシャッタ21が媒体蓄積通路18内に進出するとともに、エスケープピン22が媒体蓄積通路18から退出する。媒体処理部27に位置付けられた媒体Zは、アンテナ基板28によって利用者が入力した発行金額に対応した価値情報が書き込まれる。書込みが終了すると、第4のシャッタ32が第2の連通口30内から退出するため、所定の価値情報が書き込まれた媒体Zは、媒体処理部27から自重によって傾斜面15b上を径方向に転動し、媒体返却口5から利用者に発行される。このとき、第3のセンサ47が媒体Zの通過を検出し、第4のシャッタ32を第2の連通口30内に進出させる。
【0028】
このように、媒体処理部27で処理された媒体Zの収納および返却を媒体Zの自重によって行うようにしたため、収納や返却のための駆動源や駆動伝達機構が不要になり、部品点数を削減することができるとともに構造を簡素化することができる。また、媒体収納部33から搬送手段7によって媒体蓄積通路18に搬送した媒体Zを媒体収納部33側に戻すようなことがなく、媒体Zの搬送方向が一方向となるため媒体詰まりや動作不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る非接触型IC媒体装置の側断面図である。
【図2】本発明に係る非接触型IC媒体装置の正面図である。
【図3】図1におけるIII-III 線断面図である。
【図4】図1におけるIV-IV 線断面図である。
【図5】図1におけるV-V 線断面図である。
【図6】図3におけるVI部の拡大図である。
【図7】図1におけるVII 矢視図である。
【符号の説明】
【0030】
1…非接触型IC媒体処理装置、4…媒体投入口、5…媒体返却口、6…媒体処理ユニット、7…媒体搬送手段、9…アンテナ部、18…媒体蓄積通路、19…媒体搬送通路、21…第1のシャッタ(係止手段)、22…エスケープピン、26…第2のシャッタ、27…媒体処理部、31…第3のシャッタ、32…第4のシャッタ、33…媒体収納部、35…搬送用モータ、36…搬送用ベルト、37…保持部材、45…第1のセンサ、46…第2のセンサ、47…第3のセンサ、48…第4のセンサ、49…第5のセンサ、Z…非接触型IC媒体。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ部が設けられ円板状に形成された非接触型IC媒体と、この非接触型IC媒体が投入される投入口と、この投入口から投入され自重によって径方向に転動する前記非接触型IC媒体を一旦係止する媒体処理部と、この媒体処理部で係止された非接触型IC媒体に対して情報処理する情報処理手段と、この情報処理手段によって処理された非接触型IC媒体を自重によって径方向に転動させて返却するための返却口とを備えた非接触型IC媒体処理装置において、
前記情報処理手段における処理結果に基づき前記非接触型IC媒体を自重によって径方向に転動させて収納する媒体収納部と、この媒体収納部に収納された非接触型IC媒体を前記媒体処理部へ搬送する媒体搬送手段と、この媒体搬送手段によって前記媒体処理部へ搬送される非接触型IC媒体を一旦係止する係止手段とを備えたことを特徴とする非接触型IC媒体処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の非接触型IC媒体処理装置において、
前記係止手段の上方に設けられ非接触型IC媒体を自重によって径方向に並べて蓄積する媒体蓄積部を設け、前記媒体搬送手段を、前記媒体蓄積部に隣接し上下方向に走行し前記非接触型IC媒体を保持する保持部材を有するベルトと、このベルトの保持部材に保持され移動する非接触型IC媒体を前記媒体蓄積部に案内する案内部材とによって構成したことを特徴とする非接触型IC媒体処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−12035(P2006−12035A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191436(P2004−191436)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】