説明

非接触給電システム、非接触中継装置、非接触受電装置および非接触給電方法

【課題】磁界共鳴方式の電力供給技術を用いた電力の新たな供給態様と、当該新たな供給態様における電力の新たな利用態様を提供する。
【解決手段】給電元1は、交流電源11からの交流電力を結合コイル12および送電用共鳴コイル13を通じて非接触で送電する。移動体2は、給電元1からの交流電力を中継用共鳴コイル21を通じて受電し、受電した電力を用いて駆動モーターを駆動して、自機を移動させる。同時に、移動体2は、中継用共鳴コイル21を通じて受電した交流電力を、中継用共鳴コイル21を通じて給電先3に送電する。1つ以上の給電先3は、移動体2からの交流電力を、受電共鳴コイル31を通じて受電し、これを結合コイル32、整流回路33を通じて負荷回路34に供給し、当該負荷回路34を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、磁界共鳴や電界共鳴などの共鳴現象を用いて電力を給電する非接触給電システム、当該システムで用いられる装置、当該システムや当該装置で用いられる非接触給電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触で電気エネルギーを伝送可能にする技術として、電磁誘導方式や、磁界共鳴方式などが存在する。そして、電磁誘導方式と磁界共鳴方式とでは、以下に説明するような種々の違いがあり、近年においては、磁界共鳴方式を用いたエネルギー伝送が注目されている。
【0003】
図11は、給電元と給電先が1対1で対応する磁界共鳴方式の非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。図11に示した磁界共鳴方式の非接触給電システムは、給電元100と、給電先200とからなっている。
【0004】
図11に示したように、例えば充電台である給電元100は、交流電源100、励振素子(結合素子)102、共鳴素子103を備えている。また、例えば、携帯電話端末などである給電先200は、共鳴素子201、励振素子(結合素子)202、整流回路203を備えている。
【0005】
給電元100の励振素子102と共鳴素子103、及び、給電先200の共鳴素子201と励振素子202とは、いずれも空芯コイルで構成されている。そして、給電元100の内部では、励振素子102と共鳴素子103とが電磁誘導により強く結合する構成となっている。同様に、給電先200の内部では、共鳴素子201と励振素子202とが電磁誘導により強く結合する構成となっている。
【0006】
そして、給電元100の共鳴素子(空芯コイル)103と、給電先200の共鳴素子(空芯コイル)201の自己共鳴周波数(自己共振周波数)が一致したときに磁界共鳴関係になり、結合量が最大で、損失が最小となる。
【0007】
すなわち、図11に示した非接触給電システムにおいては、まず、給電元100において、交流電源101からの所定周波数の交流電力(交流電流などのエネルギー)が励振素子102に供給され、これが電磁誘導によって共鳴素子103へ交流電力を誘起させる。ここで、交流電源101において発生させる交流電力の周波数は、供給元100の共鳴素子103と供給先200の共鳴素子201との自己共鳴周波数と同一になるようにしている。
【0008】
そして、上述したように、給電元100の共鳴素子103と給電先200の共鳴素子201とは互いに磁界共鳴の関係に配置されている。このため、共鳴周波数(共振周波数)において共鳴素子103から共鳴素子201へと非接触で交流電力(交流電流などのエネルギー)が供給される。
【0009】
給電先200において、給電元の共鳴素子103からの交流電力は、共鳴素子201により受け付けられる。共鳴素子201からの交流電力は、電磁誘導により励振素子2を通じて整流回路に供給され、ここで直流電力に変換されて出力される。
【0010】
このようにして、給電元100から給電先200に対して、非接触で交流電力が供給するようにされる。なお、整流回路203から出力された直流電力は、例えば、バッテリが接続された充電回路に供給され、当該バッテリの充電に用いられるようにされる。
【0011】
そして、図11に示したように構成される給電元100と給電先200とが1対1に対応する非接触給電システムにおいては、以下のような特徴がある。
【0012】
当該非接触給電システムにおいては、図12(A)に示すような交流電源の周波数と結合量の関係を有する。図12(A)を見ると分るように、交流電源の周波数が低かったり、逆に高かったりしても結合量は大きくならず、磁界共鳴現象を発生させる特定の周波数においてのみ、結合量が最大となる。すなわち、磁界共鳴により周波数選択性を示すことが分る。
【0013】
また、当該非接触給電システムにおいては、図12(B)に示すような共鳴素子103、201間の距離と結合量の関係を有する。図12(B)を見ると分かるように、共鳴素子間の距離が遠くなれば結合量は落ちる。
【0014】
しかし、共鳴素子間の距離が近いからといって結合量が大きくなるわけではなく、ある共鳴周波数に於いて、結合量が最大となる距離が存在する。また、図12(B)から、共鳴素子間の距離がある程度の範囲であれば、一定以上の結合量を確保できることも分かる。
【0015】
また、当該非接触給電システムにおいては、図12(C)に示すような共鳴周波数と最大結合量が得られる共鳴素子間距離との関係を有する。すなわち、共鳴周波数が低いと共鳴素子間隔は広いことが分かる。また、共鳴周波数が高いと共鳴素子間隔を狭くすることによって最大結合量が得られることが分かる。
【0016】
現在、既に広く用いられている電磁誘導方式の非接触給電システムでは、給電元と給電先とで磁束を共有する必要があり、効率良く電力を送るには給電元と給電先とを極近接して配置する必要があり、結合の軸合わせも重要である。
【0017】
一方、磁界共鳴現象を用いた非接触給電システムでは、上述のように、磁界共鳴現象という原理から、電磁誘導方式よりも距離を離して電力伝送することができ、かつ、多少軸合わせが悪くても伝送効率があまり落ちないという利点がある。
【0018】
以上のことをまとめると、図13に示すように、磁界共鳴型の非接触給電システムと、電磁誘導方式の非接触給電システムとでは、違いが存在する。そして、図13に示したように、磁界共鳴型の非接触給電システムの場合には、送受コイル(共鳴素子)間のずれにも強く、伝送距離を長くすることができる。
【0019】
このため、磁界共鳴型の非接触給電システムの場合には、図14に示すように、1台の給電元(充電台)に対して、複数の給電先(携帯端末)を載置して充電を行うようにすることができる。
【0020】
なお、後に記す特許文献1には、上述したような磁界共鳴方式を用いた電力伝送システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0222542号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ところで、例えば、磁界共鳴方式の電力供給技術の場合、上述したように、従来から用いられている電磁誘導方式と比較して、伝送距離が長く、送受間コイルのずれにも強く、また、リピータを介在させることも可能であるなど、柔軟性に富んでいる。
【0023】
このため、磁界共鳴方式の電力供給技術の場合には、単に、給電元から給電先に電力を供給するだけにとどまらず、電力の新たな供給態様や、当該新たな供給態様における電力の新たな利用態様を創造できる可能性が高い。このことは、磁界共鳴方式の非接触給電システムだけでなく、例えば、電界共鳴方式の他の共鳴方式の非接触給電システムにも同様に言えることである。
【0024】
この発明は、上記の点に鑑み、共鳴方式の電力供給技術を用いた電力の新たな供給態様と、当該新たな供給態様における電力の新たな利用態様を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の非接触給電システムは、
共鳴により非接触で電子機器に交流電力を供給する給電用共鳴素子と、
前記給電用共鳴素子の共鳴周波数に応じた周波数の交流電力を発生させて、前記給電用共鳴素子に対して供給する交流電源部と
を備える非接触給電装置と、
前記非接触給電装置の前記共鳴素子から共鳴により非接触で交流電力の供給を受けると共に、当該交流電力を共鳴により非接触で他の電子機器に中継する中継用共鳴素子と、
前記中継用励振素子からの交流電力から直流電力を形成して出力する中継側整流回路と、
前記中継側整流回路からの直流電力により駆動され、自機を移動させるようにする移動手段と
を備える非接触中継装置と、
前記非接触中継装置の前記中継用共鳴素子から磁界共鳴により非接触で交流電力の供給を受ける受電用共鳴素子と、
前記受電用共鳴素子からの交流電力から直流電力を形成して出力する受電側整流回路と、
前記受電側整流回路からの直流電力により駆動するようにされる負荷手段と
を備える1つ以上の非接触受電装置とからなる。
【0026】
この請求項1に記載の発明の非接触給電システムによれば、非接触給電装置においては、交流電源からの交流電力が給電用共鳴素子を通じて非接触で送電される。
【0027】
非接触中継装置においては、非接触給電装置からの交流電力が中継用共鳴素子を通じて受電され、これが中継側整流回路を通じて移動手段に供給されることにより、当該非接触中継装置が移動するようにされる。同時に、中継用共鳴素子を通じて受電された交流電力が、当該中継用共鳴素子を通じて他の電子機器(非接触受電装置)に送電される。
【0028】
すなわち、非接触中継装置は、非接触給電装置からの交流電力により移動しながら、他の電子機器(非接触受電装置)にも非接触給電装置からの交流電力を中継する機能を有する。
【0029】
そして、1つ以上の非接触受電装置においては、移動する非接触中継装置からの交流電力が受電用共鳴素子を通じて受電され、これが受電側整流回路を通じて負荷回路に供給され、当該負荷回路が駆動するようにされる。
【0030】
これにより、非接触給電装置からの交流電力(交流電流などのエネルギー)を、非接触で非接触中継装置に供給し、当該非接触中継装置を移動させることができる。そして、移動する当該非接触中継装置を通じて、1つ以上の非接触受電装置に対して、交流電力(交流電流などのエネルギー)を中継して供給することができるようにされる。
【0031】
このように、移動する非接触中継装置を介して、目的とする1つ以上の非接触受電装置に対して交流電力を供給し、1つ以上の非接触受電装置において、負荷手段を動作されることができる。
【0032】
これにより、単に非接触で電力を供給するだけでなく、移動する非接触中継装置を中継器として、1つ以上の非接触受電装置に電力を供給して、各非接触受電装置において負荷手段を駆動することができる。
【0033】
すなわち、移動する非接触受電中継装置を介在させることにより、例えば磁界共鳴方式などのいわゆる共鳴方式の電力供給技術を用いた電力の新たな供給態様と、当該新たな供給態様における電力の新たな利用態様を提供することができるようにされる。
【発明の効果】
【0034】
この発明によれば、共鳴方式の電力供給技術を用いた電力の新たな供給態様と、当該新たな供給態様における電力の新たな利用態様が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の実施の形態の磁界共鳴方式の非接触給電システムの構成例を説明するための図である。
【図2】第1の実施の形態の非接触給電システムの外観を説明するための図である。
【図3】第1の実施の形態の非接触給電システムの移動体2の構成例を説明するための図である。
【図4】第1の実施の形態の給電先(電飾体)3の構成例を説明するための図である。
【図5】第2の実施の形態の非接触給電システムを説明するための図である。
【図6】第2の実施の形態の非接触給電システムの利用態様を説明するための図である。
【図7】第2の実施の形態の給電元1の構成例を説明するための図である。
【図8】第2の実施の形態の移動体2Aの構成例を説明するための図である。
【図9】第2の実施の形態の給電先3の構成例を説明するための図である。
【図10】共鳴素子13の共鳴周波数frを求めるための式を示す図である。
【図11】磁界共鳴型の非接触給電システムの従来例を説明するための図である。
【図12】磁界共鳴型の非接触給電システムの特徴を説明するための図である。
【図13】磁界共鳴型の非接触給電システムと電磁誘導型の非接触型給電システムとの比較結果を示す図である。
【図14】磁界共鳴型の非接触給電システムの具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図を参照しながら、この発明による装置、方法の一実施の形態について説明する。この発明は、磁界共鳴方式、電界共鳴方式、電磁共鳴方式等の種々の共鳴方式に適用可能なものであるが、以下においては磁界共鳴方式を用いる場合を例にして説明する。
【0037】
[第1の実施の形態]
[第1の実施の形態の非接触給電システムの概要]
図1は、第1の実施の形態の磁界共鳴方式の非接触給電システムの構成例を説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態の非接触給電システムは、給電元1と、移動体2と、給電先3とからなっている。なお、詳しくは、後述もするが、給電先は同様に構成される複数のものを用いるようにすることができるようにされる。
【0038】
給電元1は、磁界共鳴方式を用い、非接触で他の電子機器に対して電力の供給を行うものであり、非接触給電装置としての機能を実現するものである。
【0039】
また、移動体2は、給電元1からの電力を受電し、当該電力を他の電子機器に供給する中継装置としての機能と、当該電力を自機の駆動モーターの駆動にも用いる機能とを備え、非接触中継装置としての機能を実現するものである。
【0040】
また、給電先3は、この実施の形態においては、移動体2を介して給電元1から電力の供給を受けて、これを自機の負荷回路の駆動に用いるものであり、非接触受電装置の機能を実現するものである。
【0041】
給電元1は、図1に示すように、交流電源11、結合コイル(結合素子(励振素子))12、送電用共鳴コイル(共鳴素子)13を備えたものである。
【0042】
移動体2は、図1に示すように、給電元1からの電力(交流電力)を受電し、これを給電先3に送電する中継用共鳴コイル(共鳴素子)21を備えたものである。なお、図1には図示しないが、移動体2は、結合コイル(結合素子(励振素子))、整流回路、駆動モーター等を備え、給電元1から供給を受けた電力の一部を、自機の駆動モーターを駆動させるために利用する構成も有している。
【0043】
給電先3は、図1に示すように、受電用共鳴コイル(共鳴素子)31、結合コイル(結合素子(励振素子))32、整流回路33、負荷回路34を備えたものである。なお、詳しくは後述するが、給電先3の負荷回路34は、LED(Light Emitting Diode)やLEDドライバなどからなるものである。
【0044】
給電元1の結合コイル12や送電用共鳴コイル13、移動体2の中継用共鳴コイル21や図示しない結合コイル、給電先3の受電用共鳴コイル31や結合コイル32は、いわゆる空芯コイルの構成とされたものである。
【0045】
そして、供給元1の交流電源11は、供給元1の送電用共鳴コイル13の自己共鳴周波数(自己共振周波数)と同一、あるいは、略同一の周波数の交流電力(交流電流などのエネルギー)を発生させて、これを励振素子12に供給する。
【0046】
なお、移動体2の中継用共鳴コイル21、供給先3の受電用共鳴コイル31もまた、給電元1の送電用共鳴コイル13と同一、あるいは、略同一の自己共鳴周波数(自己共振周波数)を有するものである。
【0047】
すなわち、図1に示した磁界共鳴型の非接触給電システムにおいて、供給元1の送電用共鳴コイル13、移動体2の中継用共鳴コイル21、供給先3の受電用共鳴コイル31のそれぞれは、同一、あるいは、略同一の共鳴周波数(共振周波数)を有するものである。
【0048】
また、供給元1の交流電源11は、目的とする周波数の交流電力を発生させるため、例えば、コルピッツ型発信回路やハートレ型発振回路などを含むものである。
【0049】
結合コイル12は、交流電源11からの交流電力によって励振されることにより、送電用共鳴コイル13に交流電力を供給する素子である。交流電源11からの交流電力の供給を受ける結合コイル12と送電用共鳴コイル13とは電磁誘導により強く結合するようにされている。このため、交流電源11からの交流電力は、結合コイル12を介して、送電用共鳴コイル13に供給される。
【0050】
なお、結合コイル12は、交流電源11と送電用共鳴コイル13との間のインピーダンスの整合を取ることによって、電気信号の反射を防止する役割も果たす。つまり、通常、磁界共鳴方式の非接触給電システムには、中心周波数f0の無変調正弦波が用いられる。この無変調正弦波は無変調であるため、占有周波数帯域幅が狭い(理想的には0(ゼロ)Hz)。
【0051】
従って、その無変調正弦波を伝達する共鳴コイルに必要な周波数帯域も数Hz程度と狭いものでよいが、伝送効率を高めるために、損失が低い(「Q」が高い)事が求められる。なお、ここで、値「Q」は、共振回路の共振のピークの鋭さを表すものであり、共振のピークが鋭くなれば、電力(交流電力)の伝送効率を高めることができる。
【0052】
つまり、磁界共鳴方式の非接触電力伝送において、高い伝送効率を得るためには、給電元1の送電共鳴コイル13や、給電先3の受電共鳴コイル31において、Q値を極力高くすることが望ましい。
【0053】
しかし、給電元1において共鳴コイル13を直接に交流電源11に接続したり、給電先3において共鳴コイル31を直接に整流回路33に接続したりすると、回路インピーダンスの影響により、共鳴コイル13や共鳴コイル31のQ値が下がってしまう。
【0054】
このことを避けるために、給電元1においては結合コイル12を用いて、送電用共鳴コイル13の交流電源11への直接の接続を回避することにより、送電用共鳴コイル13のインピーダンスを高く保ち、送電用共鳴コイル13のQ値を高く保つようにしている。
【0055】
そして、送電用共鳴コイル13は、結合コイル12から供給される交流電力により磁界を発生させるものである。送電用共鳴コイル13は、インダクタンス及びキャパシタンスを有する。送電用共鳴コイル13は、共鳴周波数において磁界強度が最も高くなる。
【0056】
図10は、送電用共鳴コイル13の共鳴周波数frを求めるための式を示す図である。図10に示した式(1)において、文字Lは送電用共鳴コイル13の有するインダクタンスであり、文字Cは送電用共鳴コイル13の有するキャパシタンスである。
【0057】
したがって、送電用共鳴コイル13の共鳴周波数は、送電用共鳴コイル13の有するインダクタンスLとキャパシタンスCとにより定まる。上述したように、送電用共鳴コイル13は、空芯コイルにより構成されるので、送電用共鳴コイル13の線間容量がキャパシタンスとしての役割を果たすことになる。そして、送電用共鳴コイル13は、コイルの軸方向に磁界を発生させる。
【0058】
移動体2の中継用共鳴コイル21は、磁界共鳴による磁界結合によって、供給元1からの交流電力の供給を受けるための素子である。移動体2の中継用共鳴コイル21は、図10の式(1)を用いて説明した給電元1の受電共鳴コイル13と同様に、インダクタンスLとキャパシタンスCを有し、給電元1の受電共鳴コイル13と同一、あるいは、略同一の共鳴周波数を有するものである。
【0059】
そして、上述したように、移動体2の中継用共鳴コイル21は、空芯コイルの構成とされているので、線間容量がキャパシタンスとしての役割を果たす。そして、図1に示したように、供給元1の送電用共鳴コイル13に対して、移動体2の中継用共鳴コイル21は磁界共鳴により接続される。
【0060】
これにより、共鳴周波数(共振周波数)において、給電元1の送電用共鳴コイル13から移動体2の中継用共鳴コイル21に対して、磁界共鳴により非接触で交流電力(交流電流などのエネルギー)が供給される。
【0061】
さらに、移動体2の中継用共鳴コイル21は、給電先3の受電共鳴コイル31とも磁界共鳴による磁界結合によって、接続される。
【0062】
すなわち、供給先3の受電共鳴コイル31は、磁界共鳴による磁界結合によって、移動体2により中継される供給元1からの交流電力の供給を受けるための素子である。供給先3の受電共鳴コイル31は、図10の式(1)を用いて説明した給電元1の送電用共鳴コイル13と同様に、インダクタンスLとキャパシタンスCを有し、給電元1の送電用共鳴コイル13と同一、あるいは、略同一の共鳴周波数を有するものである。
【0063】
そして、上述したように、供給先3の受電共鳴コイル31は、空芯コイルの構成とされているので、線間容量がキャパシタンスとしての役割を果たす。そして、図1に示したように、移動体2の中継用共鳴コイル21に対して、供給先3の受電共鳴コイル31は磁界共鳴により接続される。
【0064】
これにより、共鳴周波数(共振周波数)において、移動体2の中継用共鳴コイル21から給電先3の受電共鳴コイル31に対して、磁界共鳴により非接触で交流電力(交流電流などのエネルギー)が供給される。
【0065】
そして、上述したように、供給先3においては受電共鳴コイル31と結合コイル32とが電磁誘導により結合され、受電共鳴コイル31から結合コイル32を通じて交流電力が整流回路33に供給される。
【0066】
なお、供給先3の結合コイル32は、給電元1の結合コイル12と同様に、受電共鳴コイル31と整流回路33との間のインピーダンスの整合を取ることによって、電気信号の反射を防止する役割も果たす。
【0067】
すなわち、給電元1の結合コイル12の場合と同様に、給電先3においては結合コイル32を用いて、受電共鳴コイル31の整流回路33への直接の接続を回避している。これにより、受電共鳴コイル31のインピーダンスを高く保ち、受電共鳴コイル31のQ値を高く保つようにしている。
【0068】
整流回路33は、結合コイル32を通じて供給される交流電力から、後段の負荷回路34に供給する直流電力を形成し、これを負荷回路34に供給する。負荷回路34は、上述もし、また、詳しくは後述もするように、LEDドライブやLEDからなり、直流電力の供給を受けて、当該LEDを発光させる。
【0069】
なお、詳しくは後述もするが、移動体2もまた、結合コイル、整流回路、負荷回路としての駆動モーター等を備えている。このため、移動体2は、給電元1からの供給される電力を、単に給電先3に対して中継するだけでなく、給電元1から供給される電力を、自機の駆動モーターを駆動させるためにも用いている。
【0070】
[第1の実施の形態の非接触給電システムの外観]
図2は、この第1の実施の形態の非接触給電システムの外観を説明するための図である。この第1の実施の形態の場合、例えば、1辺が数十センチメートル程度の載置台4の上側に、移動体(周回車)2と、移動体2の走行をガイドするために形成された円形ガイド板5と、複数の給電体(電飾体)3(1)〜3(8)が設けられている。そして、載置台4の下側に、移動体2に電力を供給する給電元1が設けられている。
【0071】
給電元1の送電用共鳴コイル13の大きさや、送電用共鳴コイル13と移動体2、給電先3との位置関係は、給電元1が移動体2に対してのみ電力を供給可能なように設定される(決められる)。
【0072】
また、移動体2は、給電元1から電力の供給を受け、当該電力を自機の駆動モーターを駆動させるために利用し、自機を移動させる。そして、移動体2は、給電先3(1)〜3(8)の内、自機が移動することにより近接することになる給電先3に対して、給電元1からの電力を中継する。
【0073】
この場合、移動体2は、給電先3(1)〜3(8)の全部に対して同時に電力を中継できるものではなく、磁界共鳴が強くなり強く結合する近隣の1〜2個の給電先3に対してのみ、給電元1からの電力の中継が可能なものである。
【0074】
従って、移動体2は、給電元1から非接触で供給される電力により駆動モーターを駆動させ、載置台4上において円形ガイド板5に沿って周回移動する。同時に移動体2は、給電元1から非接触で供給される電力を、非接触で中継し、給電先3(1)〜3(8)の内、近くに位置する給電先3に対してのみ電力を供給し、給電先3のLEDを発光させることができるようにされる。
【0075】
すなわち、移動体2が近づいた給電先(電飾体)3に対してのみ強く電力が供給される。この結果、移動体2が円形ガイド板5に沿って周回移動するのに従い、円形ガイド板5の周囲に配置された給電先3(1)〜3(8)のLEDが順次に発光するようにされる。
【0076】
[移動体(周回車)2の構成例]
次に、第1の実施の形態の非接触給電システムの移動体(周回車)2の構成例について説明する。図3は、この第1の実施の形態の非接触給電システムの移動体2の構成例を説明するための図である。
【0077】
図3に示すように、移動体2は、自動車型のものであり、中継用共鳴コイル21、結合コイル22、整流回路23、駆動モーター部24を備え、駆動モーター部24の駆動モーターの回転が移動体2の駆動輪へ伝達される構成になっている。
【0078】
そして、上述もしたように、中継用共鳴コイル21は、磁界共鳴により結合される給電元1の送電用共鳴コイル13から電力(交流電力)の供給を受けて、その一部を、結合コイル12を通じて整流回路23に供給する。
【0079】
整流回路23は、これに供給された交流電力から直流電力を形成し、これを駆動モーター部24に供給する。駆動モーター部24は、これに供給される直流電力により駆動モーターを回転駆動させ、その回転を駆動輪へ伝達する。
【0080】
これにより、移動体2の駆動輪が回転し、図2を用いて説明したように、載置台4上において円形ガイド板5に沿って周回移動(周回走行)を行うようにされる。
【0081】
また、移動体2の中継用共鳴コイル21は、給電先3の受電共鳴コイル31とも磁界共鳴により結合するようにされており、給電元1からの電力の一部を、移動体2が移動することにより近接する給電先3(1)〜3(8)のそれぞれに順次に中継(供給)する。
【0082】
このように、移動体2は、給電元1からの電力を自機を移動させるために用いると共に、近隣の給電先3に中継する移動中継器(移動リピータ)として機能するようにされている。
【0083】
[給電先(電飾体)3の構成例]
次に、第1の実施の形態の非接触給電システムの給電先(電飾体)3の構成例について説明する。なお、図2を用いて説明したように、複数の給電先3(1)〜3(8)が用いられるが、それらは同じ構成を有する。このため、以下においては、複数の給電先3(1)〜3(8)のそれぞれの構成を給電先3の構成として説明する。
【0084】
図4は、この第1の実施の形態の給電先(電飾体)3の構成例を説明するための図である。図4に示すように、給電先3は、回路収納部30Aと電飾配置部(ツリー部)30Bとからなっている。
【0085】
図4に示すように、回路収納部30A内には、受電共鳴コイル31、結合コイル32、整流回路33、負荷回路34の一部としてLEDドライブ回路341が設けられている。また、電飾配置部30Bには、負荷回路34の一部として複数のLED342(1)、342(2)、342(3)、…が設けられている。
【0086】
そして、上述もしたように、受電共鳴コイル31は、磁界共鳴により結合される移動体2の中継用共鳴コイル21を介して、給電元1からの電力(交流電力)の供給を受けて、これを、結合コイル32を通じて整流回路33に供給する。
【0087】
整流回路33は、これに供給された交流電力から直流電力を形成し、これをLEDドライブ回路341に供給する。LEDドライブ回路341は、これに供給される直流電力から各LED342(1)、342(2)、342(3)、…用の駆動電流を形成し、これを各ED342(1)、342(2)、342(3)、…に供給する。
【0088】
これにより、給電先(電飾体)3は、移動体2を通じて給電元1から電力の供給を受けた場合に、電飾配置部30Bに配置された各LED(1)、342(2)、342(3)、…を発光させることができるようにされる。
【0089】
このように、この第1の実施の形態の非接触給電システムは、給電元1、移動体2、給電先3により構成されるが、そのそれぞれを有線で接続することなく、給電元1は、移動体2と、複数の給電先3のそれぞれに電力を供給することができる。
【0090】
[第1の実施の形態の効果]
上述したように、第1の実施の形態の非接触給電システムにおいては、給電元1、移動体2、複数の給電先3(1)〜3(8)のそれぞれを有線により接続する必要はないので、システムを構成する装置を柔軟に配置することができる。
【0091】
例えば、図2に示した載置台4を透明のアクリル板などにより構成することにより、移動体2や給電先3(1)〜3(8)のそれぞれを、給電元1から離して、浮かした状態に配置するなどのことが可能である。
【0092】
また、給電先として、上述したように電飾体を用いた場合、極めて簡単な構成で、電飾体を順次に発光させるようにすることができる。つまり、複雑なマイクロコンピュータ制御などを行う必要が一切無く、電飾体の順次発光制御が可能となる。
【0093】
また、上述した第1の実施の形態の非接触給電システムでは、給電先3として電飾体を用いたが、電飾体の代わりに、電力で機械的動作するものを配置すれば、配線なしで順次に機械的な動作をさせるようにすることができる。
【0094】
例えば、移動体2が接近するごとにモーターを回転駆動させ、ものを持ち上げるようにしたり、移動体2が接近するごとにシャッターをきって写真撮影を行うようにしたりするなど、負荷回路34として種々の構成のものを用いることができる。
【0095】
また、上述した第1の実施の形態の非接触給電システムの場合、給電先3が電飾体であり、その目的のひとつが人の目を集めることであることから、移動体2を周回移動させることでその効果を増大できる。
【0096】
また、各装置間を非接触で電力の送受を行えるようにしており、従来のように配線を行う必要が無く、設置が容易であり、誤配線等による故障がないといったメリットを享受できる。
【0097】
このように、この第1の実施の形態の非接触給電システムの場合には、移動体2を電力の中継装置として利用することにより、複雑な配線などを一切行うこと無く、見た目に楽しい非接触給電システムを形成することができる。
【0098】
そして、この第1の実施の形態の非接触給電システムは、例えば、子供向けのおもちゃの他、各種店舗におけるディスプレイなどに利用することができる。
【0099】
[第2の実施の形態]
[第2の実施の形態の非接触給電システムの概要]
上述した第1の実施の形態の非接触給電システムは、例えば、卓上に構成可能な比較的に小型のものである。これに対して、この第2の実施の形態の非接触給電システムは、例えば、テーマパークのアトラクションの1つとして形成され、移動体に人間を乗せて移動させることができるものである。
【0100】
図5は、この第2の実施の形態の非接触給電システムを説明するための図である。図5に示すように、この第2の実施の形態の非接触給電システムは、複数の給電元1(1)、1(2)、1(3)、…と、乗用自動車の構成とされた移動体2Aと、複数の給電先3(1)、3(2)、3(3)、…とから構成されている。
【0101】
複数の給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、非接触給電装置としての機能を実現する。また、移動体2Aは、非接触中継装置としての機能を実現する。また、複数の給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは非接触受電装置としての機能を実現する。
【0102】
そして、複数の給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、移動体2Aが走行する走行路に、移動体2Aに電力を供給できるように間隔をあけて配置するようにされる。給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、移動体2Aに対して次の給電元に到達するのに十分な電力を供給するが、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれに対しては、直接に電力の供給ができない位置に配置される。
【0103】
逆に言えば、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれから供給される電力によって移動体2Aが到達可能な距離毎であって、給電先3に対しては直接に給電できない位置に配置される。
【0104】
そして、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれの基本的な構成は、図1に示した第1の実施の形態の給電元1と同様の構成となっている。例えば、給電元1(1)は、交流電源11(1)、結合コイル12(1)、送電用共鳴コイル13(1)を備えたものである。給電元1(2)、1(3)、…のそれぞれも、交流電源11、結合コイル12、送電用共鳴コイル13からなっている。
【0105】
また、移動体2Aも、その基本的な構成は、図2に示した第1の移動体2と同様の構成を有する。すなわち、後述もするが、移動体2Aは、中継用共鳴コイル21、結合コイル22、整流回路23、駆動モーター部24を備えたものである。
【0106】
また、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれも、その基本的な構成は、図3に示した第1の実施の形態の給電先3とほぼ同様の構成とされる。すなわち、受電共鳴コイル31、結合コイル32、整流回路33、負荷回路34を備えたものである。
【0107】
なお、上述もしたように、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれに対しては、直接に電力の供給ができない位置に配置される。
【0108】
逆に言えば、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれが、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれから給電を受けることができない位置であるが、移動体2Aを介してなら給電を受けることができる位置に配置される。
【0109】
そして、第1の実施の形態の給電先3の負荷回路34が、LEDドライブ回路342と複数のLED342(1)、…であったの対して、この第2の実施の形態の給電先3(1)等の負荷回路34は、電光掲示板とそのドライブ回路とからなるものである。
【0110】
そして、移動体2Aには、例えば、2人程度の人間を乗せ、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…から順次に給電を受けることにより、自機の駆動モーターを駆動させて、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…が配設された走行路上を走行して行く。
【0111】
この時、移動体2Aは、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…から供給される電力を、近隣の給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれに対して順次に供給し、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれの電光掲示板にメッセージを表示させる。
【0112】
この場合、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれの電光掲示板に表示されるメッセージは、種々の広告情報等である。
【0113】
[第2の実施の形態の非接触給電システムの利用態様]
図6は、この第2の実施の形態の非接触給電システムの利用態様を説明するための図である。
【0114】
図6に示すように、移動体2Aは、ユーザー(人間)を乗せ、走行路に設けられた給電元1(1)、1(2)、…から順次に給電を受けて、当該走行路上を走行しながら、給電元1からの電力を、順番に近接する給電先3(1)、3(2)、3(3)…に供給する。
【0115】
移動体2Aから電力の供給を受けた給電先3(1)、3(2)、3(3)…のそれぞれは、自機の電光掲示板に、所定のメッセージを表示する。
【0116】
図6に示した例の場合、給電元1(1)から給電を受けた移動体2Aは、近接する給電先3(1)に電力を中継する。これにより、給電先3(1)の電光掲示板には、「○○ショップでキャラクターグッズセール中」という広告メッセージが表示される。
【0117】
そして、移動体2Aが、給電元1(1)からの電力により走行し、給電元1(2)に到達すると、移動体2Aは給電元1(2)から給電を受け、自機を駆動させるために用いると共に、近接する給電先3(2)に対して給電元1(2)から電力を中継する。これにより、給電先3(2)の電光掲示板には、「△△アトラクション 只今、待ち時間なし」という広告メッセージが表示される。
【0118】
なお、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれの電光掲示板に表示されるメッセージは、例えば、センター側から有線あるいは無線により予め配信しておくようにすることができる。
【0119】
このようにして、人間を乗せた乗用自動者である移動体2Aを、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…から電力を供給して移動させると共に、移動体2Aが、給電元から電力を中継して、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…に順次に供給される。
【0120】
そして、移動体2Aに乗車しているユーザーに対して、タイムリーに表示メッセージを近隣の電光掲示板に表示させて提供することができる。これにより、ユーザーにとっては、最新の情報を得て、次の行動の参考にするなどのことができ、また、情報の提供者側にとっては、ユーザーを店舗や他のアトラクションへ誘導するなどのことができるようにされる。
【0121】
なお、上述した第2の実施の形態において、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれの電光掲示板に表示させる表示メッセージは、例えば、所定のセンターなどから配信しておくものとして説明した。しかしこれに限るものではない。
【0122】
例えば、第2の実施の形態の非接触給電システムの場合、給電先3の電光掲示板に表示させる表示メッセージを、非接触による電力供給路を利用して、給電元1から移動体2Aを中継して給電先3に供給することもできる。
【0123】
以下においては、給電先3の電光掲示板に表示する表示メッセージを、非接触による電力供給路を利用して、給電元1から移動体2Aを中継して給電先3に供給する場合の給電元1、移動体2A、給電先3の構成例について説明する。
【0124】
なお、上述もしたように、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、同様の構成を有するものであるので、以下においては、給電元1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれ構成を給電元1の構成として説明する。
【0125】
同様に、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは、同様の構成を有するものであるので、以下においては、給電先3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれ構成を給電先3の構成として説明する。
【0126】
[給電元1の構成例]
まず、給電元1の構成例について説明する。図7は、この第2の実施の形態の給電元1の構成例を説明するための図である。この第2の実施の形態の給電元1は、給電だけでなく、表示用メッセージの送信をも行うものである。
【0127】
図7に示すように、この例の給電元1は、交流電源11、結合コイル12、受電共鳴コイル13に加えて、通信部14を備えている。この通信部14は、送電用共鳴コイル13に接続され、送電用共鳴コイル13を通信アンテナとしても用いることができるようにしている。
【0128】
そして、通信部14と送電用共鳴コイル13とを単純に接続してしまうと、送電用共鳴コイル13のインピーダンスを低下させ、送電用共鳴コイル13のQ値を下げ、給電効率を低下させてしまう。
【0129】
そこで、この第2の実施の形態の給電元1においては、交流電源11と結合コイル12との間にフィルタ回路15aを設けると共に、通信部14と送電用共鳴コイル13との間にフィルタ回路15bを設けている。
【0130】
つまり、上述もしたように、電力伝送に必要な周波数帯域は例えば数Hz〜数十Hzと低い。これに対して、情報伝送に必要な周波数帯域は、情報を高速伝送するほど広い周波数帯域が必要になり、低くても数kHz以上必要であり、数MHz〜数GHzが必要な場合もある。
【0131】
この第2の実施の形態においては、交流電源11で発生させる交流電力の周波数f1が、例えば、10Hz前後の値であり、通信部14で発生させる情報の送信信号の周波数は、数MHz以上であるとする。
【0132】
この場合、給電元1のフィルタ回路15bは、周波数f1において、送電用共鳴コイル13のQ値を低下させないような十分に高いインピーダンスとなるように設計される。また、給電元1のフィルタ回路15aは、周波数f2において、結合コイル12が無線通信に影響を与えないような適切なインピーダンスとなるように設計される。ここで適切なインピーダンスは、周波数f2や結合コイル12の構造などにより異なる。
【0133】
これにより、交流電源11からの電力を給電する場合には、フィルタ回路15bの機能により、送電用共鳴コイル13のイピーダンスが高く保たれ、Q値が高く維持できるので、給電効率を落とすことなく給電を行うようにすることができる。
【0134】
これに対して、通信部11からの情報を送信する場合には、当該情報信号の周波数帯域は数MHz以上と高い帯域とされ、周波数f1以外の時には、フィルタ回路15bの機能により、インピーダンスは低くなる。
【0135】
すなわち、フィルタ回路15bは、周波数f1においてインピーダンスを高くたもつものであり、これ以外の場合には、インピーダンスを低くする。この場合、送電用共鳴コイル13のQ値を下げ、通信部14からの情報信号を良好に送信することができるようにされる。
【0136】
これにより、給電元1は、まず、通信部11、フィルタ回路15b、送電用共鳴コイル13を通じて、高周波の情報信号(表示用メッセージ)を良好に送信することができる。そして、この後に、交流電源からの交流電力を、フィルタ回路15a、結合コイル12、送電用共鳴コイル13を通じて、給電効率を落とすことなく電力を送電(給電)することができる。
【0137】
[移動体2Aの構成例]
次に、移動体2Aの構成例について説明する。図8は、この第2の実施の形態の移動体2Aの構成例を説明するための図である。この第2の実施の形態の移動体2Aは、電力だけでなく、情報信号(表示用メッセージ)の中継をも行うものである。
【0138】
図8に示すように、この例の移動体2Aは、中継用共鳴コイル21、結合コイル22、整流回路23、駆動モーター部24に加えて、通信部25、操作部26を備えている。この通信部25は、中継用共鳴コイル21に接続され、中継用共鳴コイル21を通信アンテナとしても用いることができるようにしている。
【0139】
そして、移動体2の場合にも、上述した給電元1の場合と同様に、通信部25と中継用共鳴コイル21とを単純に接続してしまうと、中継用共鳴コイル21のインピーダンスを低下させ、中継用共鳴コイル21のQ値を下げ、給電効率を低下させてしまう。
【0140】
そこで、この第2の実施の形態の移動体2Aにおいても、結合コイル21と整流回路23との間にフィルタ回路27aを設けると共に、通信部25と中継用共鳴コイル21との間にフィルタ回路27bを設けている。
【0141】
そして、上述した給電元1の場合と同様に、移動体2Aのフィルタ回路27bは、周波数f1において、中継用共鳴コイル21のQ値を低下させないような十分に高いインピーダンスとなるように設計される。また、移動体2Aのフィルタ回路27aは、周波数f2において、結合コイル22が無線通信に影響を与えないような適切なインピーダンスとなるように設計される。ここで適切なインピーダンスは、周波数f2や結合コイル22の構造などにより異なる。
【0142】
これにより、給電元1から給電を受けて、これを給電先に中継する場合には、フィルタ回路27bの機能により、中継用共鳴コイル21のイピーダンスが高く保たれ、Q値が高く維持できるので、受電効率や給電効率を落とすことなく給電を受け、また、中継(送電)することができる。
【0143】
これに対して、給電元1からの情報を受信したり、また、通信部25からの情報を送信したりする場合には、当該情報信号の周波数帯域は数MHz以上と高い帯域とされ、周波数f1以外の時には、フィルタ回路27bの機能により、インピーダンスは低くなる。
【0144】
すなわち、フィルタ回路27bは、周波数f1においてインピーダンスを高くたもつものであり、これ以外の場合には、インピーダンスを低くする。したがって、この場合、中継用共鳴コイル21のQ値を下げ、情報信号の送受を良好に行うことができるようにされる。
【0145】
これにより、移動体2Aは、まず、中継用共鳴コイル21、フィルタ回路27b、通信部25を通じて、給電元1からの情報信号(表示メッセージ)を受信する。そして、必要に応じて、通信部25が、操作部26を通じて入力された情報を受信した情報信号に付加して、フィルタ回路27b、中継用共鳴コイル21を通じて、高周波の情報信号を給電先3に良好に送信することができる。
【0146】
そして、この後に、給電元1からの交流電力を、中継用共鳴コイル21を通じて受け付けて、結合コイル22、フィルタ回路27aを通じて整流回路23に供給し、ここで直流電力に変換して、これを駆動モーター部24に供給することができる。同時に、給電元1からの交流電力は、中継用共鳴コイル21を通じて、給電先3に、給電効率を落とすことなく中継するようにされる。
【0147】
なお、操作部26を通じて入力される情報は、例えば、ユーザーの名前や呼び名などの情報であり、これにより。例えば、「○○様、□□ショップ只今セール中です。」などのように、移動体2Aに乗車しているユーザーに対してのみ有効な表示メッセージを表示させるなどのことができるようにされる。
【0148】
また、表示メッセージが既に給電先に設定されている場合には、移動体2Aが、操作部26を通じて受け付けたユーザーの名前などの情報を、表示メッセージの一部を形成する情報として、給電先に対して送信することもできるようにされる。
【0149】
すなわち、移動体2Aは、給電元1からの情報信号を中継するだけではない。例えば、操作部26を通じて受け付けた情報等の移動体2Aにおいて発生させるようにした情報信号だけを、通信部25、フィルタ回路27b、中継共鳴コイル21を介して、給電先3に対して、独自に送信することもできるようにされる。
【0150】
[給電先3の構成例]
次に、給電先3の構成例について説明する。図9は、この第2の実施の形態の給電先3の構成例を説明するための図である。この第2の実施の形態の給電先3は、移動体2Aを通じて、電力だけでなく、表示用メッセージの中継をも受けるものである。
【0151】
図9に示すように、この例の給電先3は、受電共鳴コイル31、結合コイル32、整流回路33、負荷回路としての電光掲示板34に加えて、通信部35を備えている。この通信部35は、受電共鳴コイル31に接続され、受電共鳴コイル31を通信アンテナとしても用いることができるようにしている。
【0152】
そして、給電先3の場合にも、上述した給電元1や移動体2Aの場合と同様に、通信部35と受電共鳴コイル31とを単純に接続してしまうと、受電共鳴コイル31のインピーダンスを低下させ、受電共鳴コイル31のQ値を下げ、受電効率を低下させてしまう。
【0153】
そこで、この第2の実施の形態の給電先3においても、結合コイル32と整流回路33との間にフィルタ回路36aを設けると共に、通信部35と受電共鳴コイル31との間にフィルタ回路36bを設けている。
【0154】
そして、上述した給電元1、移動体2Aの場合と同様に、給電先3のフィルタ回路36bは、周波数f1において、受電共鳴コイル31のQ値を低下させないような十分に高いインピーダンスとなるように設計される。また、給電先3のフィルタ回路36aは、周波数f2において、結合コイル32が無線通信に影響を与えないような適切なインピーダンスとなるように設計される。ここで適切なインピーダンスは、周波数f2や結合コイル32の構造などにより異なる。
【0155】
これにより、移動体2Aから給電を受ける場合には、フィルタ回路36bの機能により、受電共鳴コイル31のイピーダンスが高く保たれ、Q値が高く維持できるので、受電効率を落とすことなく給電を受けることができる。
【0156】
これに対して、移動体2Aからの情報を受信する場合には、当該情報信号の周波数帯域は数MHz以上と高い帯域とされ、周波数f1以外の時には、フィルタ回路36bの機能により、インピーダンスは低くなる。
【0157】
すなわち、フィルタ回路36bは、周波数f1においてインピーダンスを高くたもつものであり、これ以外の場合には、インピーダンスを低くする。したがって、この場合、受電共鳴コイル31のQ値を下げ、情報信号の送受を良好に行うことができるようにされる。
【0158】
これにより、給電先3は、まず、受電共鳴コイル31、フィルタ回路36b、通信部35を通じて、移動体2Aにより中継される給電元1からの情報信号(表示用メッセージ)を良好に受信することができる。
【0159】
通信部35は、受信した情報信号から表示用メッセージを抽出し、電光掲示板34に供給する情報信号に変更して、これを電光掲示板34に供給することにより、当該表示用メッセージを電光掲示板34に表示するようにすることができる。
【0160】
そして、この後に、移動体2Aを通じて、給電元1からの交流電力を、受電共鳴コイル31を通じて受け付けて、結合コイル32、フィルタ回路36aを通じて整流回路33に供給し、ここで直流電力に変換して、これを電光掲示板34に供給することができる。
【0161】
これにより、移動体2Aを中継して供給される給電元1からの表示用メッセージを電光掲示板に供給し、移動体2Aを中継して供給される給電元1からの電力により当該電光掲示板34を駆動して、当該表示メッセージを表示させることができるようにされる。
【0162】
[第2の実施の形態の効果]
磁界共鳴方式の非接触給電システムを、人間を乗せて移動する乗用自動車を移動中継装置として用いたシステムに適用することができるようにされる。
【0163】
そして、乗用自動車としての移動体2Aに乗車したユーザーに対して、必要な情報を適切なタイミングで提供したり、ユーザーを店舗や別のアトラクションに誘導したりするなどのことができるようにされる。
【0164】
[第2の実施の形態の変形例]
なお、図7〜図9を用いて説明した各装置においては、フィルタ回路を用いてイピーダンスの調整を行うようにしたが、これに限るものではない。例えば、フィルタ回路に替えて、スイッチ回路を設けるようにしてもよい。
【0165】
例えば、図7に示した給電元1の場合、フィルタ回路15bの部分、すなわち、通信部14と送電用共鳴コイル13との間にスイッチ回路16aを設ける。また、フィルタ回路15aの部分、すなわち、交流電源11と結合コイル12との間に、スイッチ回路16aを設ける。
【0166】
そして、給電時には、スイッチ回路16aをオンにし、スイッチ回路16bをオフにする。これにより、送電用共鳴コイル13のインピーダンスを高く保ち、交流電源からの電力を効率よく給電することができるようにされる。
【0167】
また、通信時には、スイッチ回路16aをオフにし、スイッチ回路16bをオンにすることによって、通信部14からの情報信号を送電用共鳴コイル13を通じて適切に送信することができる。
【0168】
このように、フィルタ回路に替えて、スイッチ回路を設け、これを給電時と通信時とで切り換えるようにしてもよい。なお、移動体2A、給電先3においても、同様に、通信系と給電系とにスイッチ回路を設け、これを通信時と給電(受電)時とで切り替えるようにすればよい。
【0169】
また、図7〜図9を用いて説明した例は、送電用共鳴コイル13、中継用共鳴コイル21、受電共鳴コイル31を通信アンテナとしても共用し、電力の供給と情報信号の供給とをできるだけ同じ経路を用いて行うようにした。
【0170】
しかし、これに限るものではない。情報信号の伝送は比較的に小電力で、大量で情報を高速に送信することも可能であるので、通信専用のアンテナを設けるようにしてももちろんよい。
【0171】
すなわち、図7に示した給電元1の場合には、通信部14の接続先を送電用共鳴コイル13ではなく、新たに設ける通信アンテナに接続する。また、図8に示した移動体2Aの場合には、通信部25を中継用共鳴コイル21ではなく、新たに設ける通信アンテナに接続する。また、図9に示した給電先3の場合には、通信部35を受電共鳴コイル31ではなく、新たに設ける通信アンテナに接続する。
【0172】
このようにすることにより、通信系と給電系とを分離し、別個独立に、情報信号の送受と、電力の送受とを行うようにしてもよい。この場合には、情報信号の送受と電力の送受とを同時に行うようにすることもできるので、情報信号の送受の制御がしやすくなるなどの効果もある。
【0173】
また、第2の実施の形態の非接触給電システムの場合には、移動体2Aも給電元1から電力の供給を受けるようにしたが、これに限るものではない。例えば、移動体2Aには、駆動用バッテリを搭載し、この駆動用バッテリからの電力により自機の走行を行うようにする。
【0174】
そして、移動体2Aが、交流電源を備え、移動体2Aにおいて発生させた電力(交流電力)を給電先に給電するようにしてもよい。すなわち、移動体2Aに、給電元1としての機能を持たせるようにすることもできる。
【0175】
[この発明の方法への適用]
図1〜図9を用いて説明した非接触給電システムにおける非接触給電方法が、この発明による非接触給電方法の1つである。また、図3、図8を用いて説明した移動体2、2Aにおける非接触給電方法が、この発明による1つの非接触給電方法である。また、図4、図9を用いて説明した給電先における非接触給電方法が、この発明による1つの非接触給電方法である。
【0176】
[その他]
なお、上述した実施の形態において、移動体2、2Aは自動車型のもの、あるいは、乗用自動車であるものとして説明したが、これに限るものではない。水上を移動する船型のもの、空中を飛行する飛行機型のもの、上下移動を行うエレベータ型のものなど、種々の態様の移動体を構成し、これを用いるようにすることが可能である。
【0177】
また、上述した実施の形態においては、給電先は、LEDや電光掲示板などの発光素子や表示素子を用いるものとして説明したが、これに限るものではない。移動体から電力の供給を受ける給電先の負荷回路は、音声の発生放音回路、振動回路、写真の撮影回路などの種々のものを用いることが可能である。
【0178】
また、上述した実施の形態においては、磁界共鳴方式により非接触で電力を供給する場合を例にして説明したが、磁界共鳴方式だけでなく、電界共鳴方式、電磁共鳴方式を用いて非接触で電力の供給する場合であっても、この発明を同様に適用することができる。
【0179】
また、上述した実施の形態において、給電元については、交流電源と送電用共鳴コイルとの間に結合コイル(結合素子)を設けた。また、移動体においては、中継用共鳴コイルと整流回路との間に結合コイル(結合素子)を設けた。また、また、給電先については、受電用共鳴コイルと整流回路との間に結合コイル(結合素子)とを設けた。
【0180】
しかし、これに限るものではなく、電力の反射やインピーダンスの問題を調整することができれば、上述の結合コイル(結合素子)を用いないように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0181】
1…給電元、11…交流電源、12…結合コイル、13…送電用共鳴コイル、2、2A…移動体、21…中継用共鳴コイル、22…結合コイル、23…整流回路、24…駆動モーター部、3…給電先、31…受電共鳴コイル、32…結合コイル、33…整流回路、34…付加回路、341…LEDドライブ回路、342…LED、4…載置台、5…円形ガイド板、14、25、35…通信部、26…操作部、34…電光掲示板、15a、15b…フィルタ回路、27a、27b…フィルタ回路、36a、36b…フィルタ回路、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共鳴により非接触で電子機器に交流電力を供給する給電用共鳴素子と、
前記給電用共鳴素子の共鳴周波数に応じた周波数の交流電力を発生させて、前記給電用共鳴素子に対して供給する交流電源部と
を備える非接触給電装置と、
前記非接触給電装置の前記共鳴素子から共鳴により非接触で交流電力の供給を受けると共に、当該交流電力を共鳴により非接触で他の電子機器に中継する中継用共鳴素子と、
前記中継用励振素子からの交流電力から直流電力を形成して出力する中継側整流回路と、
前記中継側整流回路からの直流電力により駆動され、自機を移動させるようにする移動手段と
を備える非接触中継装置と、
前記非接触中継装置の前記中継用共鳴素子から磁界共鳴により非接触で交流電力の供給を受ける受電用共鳴素子と、
前記受電用共鳴素子からの交流電力から直流電力を形成して出力する受電側整流回路と、
前記受電側整流回路からの直流電力により駆動するようにされる負荷手段と
を備える1つ以上の非接触受電装置とからなる非接触給電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触給電システムであって、
前記非接触給電装置において、前記交流電源部と前記給電用共鳴素子との間に、前記交流電源部から交流電力の供給を受けて、これを前記給電用共鳴素子に対して電磁誘導により供給する給電側結合素子を設け、
前記非接触中継装置において、前記中継用共鳴素子と前記整流回路との間に、前記中継用共鳴素子から電磁誘導により交流電力の供給を受けて、これを前記整流回路に供給する中継側結合素子を設け、
前記非接触受電装置において、前記受電用共鳴素子と前記受電側整流回路との間に、前記受電用共鳴素子から電磁誘導により交流電力の供給を受けて、これを前記受電側整流回路に供給する受電側結合素子を設けることを特徴とする非接触給電システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の非接触給電システムであって、
前記非接触給電装置は、情報の送信手段を備え、
前記非接触中継装置は、前記非接触給電装置からの情報を受信して、前記非接触受電装置に送信する情報の受信送信手段を備え、
前記非接触受電装置の前記負荷手段は、表示手段であり、
前記非接触受電装置は、
情報の受信手段と、
前記受信手段で受信された前記情報を、前記表示手段に表示する表示制御手段と
を備える非接触給電システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の非接触給電システムであって、
前記非接触中継装置は、
情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて受け付けた情報を送信する送信手段と
を備え、
前記非接触受電装置の前記負荷手段は、表示手段であり、
前記非接触受電装置は、
情報の受信手段と、
前記受信手段で受信された前記情報を、前記表示手段に表示する表示制御手段と
を備える非接触給電システム。
【請求項5】
前記非接触給電装置の前記共鳴素子から共鳴により非接触で交流電力の供給を受けると共に、当該交流電力を共鳴により非接触で他の電子機器に中継する中継用共鳴素子と、
前記中継用励振素子からの交流電力から直流電力を形成して出力する中継側整流回路と、
前記中継側整流回路からの直流電力により駆動され、自機を移動させるようにする移動手段と
を備える非接触中継装置。
【請求項6】
請求項5に記載の非接触中継装置であって、
前記中継用共鳴素子と前記整流回路との間に、前記中継用共鳴素子から電磁誘導により交流電力の供給を受けて、これを前記整流回路に供給する中継側結合素子を設けた非接触中継装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の非接触中継装置であって、
前記非接触給電装置からの情報を受信して、前記非接触受電装置に送信する情報の受信送信手段を備える非接触中継装置。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載の非接触中継装置であって、
情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて受け付けた情報を送信する送信手段と
を備える非接触中継装置。
【請求項9】
移動する構成を備えた非接触受電中継装置の中継用共鳴素子から磁界共鳴により非接触で交流電力の供給を受ける受電用共鳴素子と、
前記受電用共鳴素子からの交流電力から直流電力を形成して出力する受電側整流回路と、
前記受電側整流回路からの直流電力により駆動するようにされる負荷手段と
を備える1つ以上の非接触受電装置。
【請求項10】
請求項9に記載の非接触受電装置であって、
前記受電用共鳴素子と前記受電側整流回路との間に、前記受電用共鳴素子から電磁誘導により交流電力の供給を受けて、これを前記受電側整流回路に供給する受電側結合素子を設けた非接触受電装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の非接触受電装置であって、
前記負荷手段は、表示手段であり、
情報の受信手段と、
前記受信手段で受信された前記情報を、前記表示手段に表示する表示制御手段と
を備える非接触受電装置。
【請求項12】
第1の装置が、共鳴方式で交流電力を、送電共鳴コイルを通じて送電する第1の送電ステップと、
第2の装置が、前記第1の装置の前記送電共鳴コイルと同じ周波数、あるいは、略同じ周波数で共鳴している受送電共鳴コイルを通じて、前記第1の装置から送電される交流電力を受電する第1の受電ステップと、
前記第2の装置が、前記第1の受電ステップで受電した交流電力を、中継するように前記受送電共鳴コイルを通じて送電する中継ステップと、
前記第2の装置が、前記第1の受電ステップで受電した交流電力を用いて自機を移動させる移動ステップと、
第3の装置が、前記第2の装置が自機に近づく際に、前記第2の装置の前記受送電共鳴コイルと同じ周波数、あるいは、略同じ周波数で共鳴している受電共鳴コイルを通じて、前記第2の装置から送電される交流電力を受電する第2の受電ステップと、
前記第3の装置が、前記第2の受電ステップで受電した交流電力を用いて所定の負荷回路を駆動させる駆動ステップと
からなる非接触給電システムにおける非接触給電方法
【請求項13】
非接触給電装置の送電共鳴コイルと同じ周波数、あるいは、略同じ周波数で共鳴している受送電共鳴コイルを通じて、前記非接触給電装置から送電される交流電力を受電する受電ステップと、
前記受電ステップで受電した交流電力を、中継するように前記受送電共鳴コイルを通じて送電する中継ステップと
前記受電ステップで受電した交流電力を用いて自機を移動させる移動ステップと
からなる非接触中継装置における非接触給電方法。
【請求項14】
移動する構成を備えた非接触受電中継装置が自機に近づく際に、前記非接触受電中継装置の受送電共鳴コイルと同じ周波数、あるいは、略同じ周波数で共鳴している受電共鳴コイルを通じて、前記非接触受電中継装置から送電される交流電力を受電する受電ステップと、
前記受電ステップで受電した交流電力を用いて所定の負荷回路を駆動させる駆動ステップと
からなる非接触受電装置における非接触給電方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−30317(P2011−30317A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171797(P2009−171797)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】