説明

非接触ICカード

【課題】金属反射層に発生する静電気によるICチップの静電気破壊を防止することを可能とする非接触ICカードを提供する。
【解決手段】アンテナ(11)と、該アンテナ(11)と接続されたICチップ(12)と、が実装されたインレットシート(15)がカード基材(1)の中に埋設され、かつ、カード基材面上に金属反射層(ホログラム・磁気記録層2に相当)が積層されてなる非接触ICカードであって、金属反射層(2)に発生する静電気を誘引し、金属反射層(2)を積層する第1のカード基材面側(カード裏面側)とは反対側の第2のカード基材面側(カード表面側)から静電気を放電するための導電性部材(3)が、カード基材(1)の中に埋設されてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触でのデータ通信が可能な非接触ICカードに関し、特に、アンテナと、該アンテナと接続されたICチップと、がカード基材の中に埋設され、かつ、カード基材面上に金属反射層が積層されて構成される非接触ICカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年におけるカード技術の発達により、様々な通信システムに用いられている情報記録媒体として、広範囲な用途に適用可能なICカードがある。このICカードには、専用の装置に接触させることで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な接触型のICカードと、専用の装置に近接させるだけで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な非接触型のICカードがある。
【0003】
これらのICカードは、磁気記録層を有する磁気カードと比較し、セキュリティ性が高く、尚且つ、カード自体に書き込むことができる情報量が多く、一枚のカードだけで多面的に使用できることから産業上における普及度は増加の一途を辿っている。
【0004】
その中でも特に、非接触型のICカードは、情報の書き込み処理、あるいは、読み出し処理を行う際に、ICカード自体を専用の装置に挿入する必要がなく、カード自体の取り扱いが便利なこともあり、産業上で急速に普及している。
【0005】
また、磁気ストライプ等の磁気記録層を有するICカードもあり、従来の磁気記録層を利用した通信システムと、ICチップを利用した通信システムと、を一枚のカードのみで利用することが可能な構造を構成している。
【0006】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、磁気記録層に対し、ホログラム加工を施し、ホログラムによる視覚効果を奏しつつ、尚かつ、磁気記録層を利用した機能的情報処理を可能とした磁気ストライプ付きプラスチックカードが開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この上記特許文献1に開示された磁気ストライプ付きプラスチックカードのように、ホログラム形成部による視覚効果を奏しつつ、尚かつ、機能的情報処理を可能とするために、ホログラム形成部を施した磁気記録層を、非接触ICカードに適用しようという試みが現在行われている。なお、ホログラム形成部は、少なくとも、金属反射層と、ホログラム層と、を有して構成される。
【0008】
しかしながら、ホログラム形成部を施した磁気記録層を適用した非接触ICカードに対し、『JIS X 6305−6』または『JIS X 6305−7』で規定されている静電気試験を行い、ホログラム形成部を構成する金属反射層に対し、静電気を放電した場合には、その金属反射層に発生した静電気による放電電流が非接触ICカード内に埋設されたアンテナを介してICチップに流れ込み、ICチップの静電気破壊が発生してしまう場合がある。
【0009】
このため、上述した金属反射層に発生する静電気によるICチップの静電気破壊を防止した非接触ICカードを実現することが必要になる。
【0010】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、ICモジュール基板と、前記ICモジュール基板上に配設されたICチップと、前記ICチップを被覆するモールドと、前記モールドの上面に配設される導電性部材とから構成し、ICチップが静電気によって破壊され難いICモジュールが開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3198183号公報
【特許文献2】特開2003−99744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
なお、上記特許文献2は、ICチップを被覆するモールドの上面に対して導電性部材を配設することでICチップに対する静電気破壊を防止するものであり、金属反射層に発生する静電気によるICチップの静電気破壊を防止する点については何ら考慮されたものではない。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アンテナと、該アンテナと接続されたICチップと、がカード基材の中に埋設され、かつ、カード基材面上に金属反射層が積層されてなる非接触ICカードにおいて、金属反射層に発生する静電気によるICチップの静電気破壊を防止することを可能とする非接触ICカードを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0014】
本発明にかかる非接触ICカードは、アンテナと、該アンテナと接続されたICチップと、が実装されたインレットシートがカード基材の中に埋設され、かつ、カード基材面上に金属反射層が積層されてなる非接触ICカードであって、金属反射層に発生する静電気を誘引し、金属反射層を積層する第1のカード基材面側とは反対側の第2のカード基材面側から静電気を放電するための導電性部材が、カード基材の中に埋設されてなることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性部材は、第1のカード基材面側よりも、第2のカード基材面側に位置するようにカード基材の中に埋設されてなることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性部材は、非接触ICカードの積層方向において、金属反射層に少なくとも一部が重なるようにカード基材の中に埋設されてなることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性部材は、非接触ICカードの積層方向において、金属反射層に重ならず、金属反射層の近傍に位置するように、カード基材の中に埋設されてなることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性部材は、ICチップが実装されたインレットシートのICチップ実装面と同一面側に実装されてなることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明にかかる非接触ICカードは、金属反射層に発生する静電気を導電性部材に誘引するための導電性配線が、カード基材の中に埋設されてなることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性配線は、ICチップが実装されたインレットシートのICチップ実装面と反対面側に実装されてなることを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性配線は、ICチップが実装されたインレットシートのICチップ実装面と同一面側に実装されてなることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性部材は、インレットシート面に実装された位置から第2のカード基材面に達する厚みからなることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性部材は、インレットシートを介してICチップの上下面に位置するようにカード基材の中に埋設されてなることを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明にかかる非接触ICカードにおいて、導電性部材は、ICチップを補強するための補強部材であることを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明にかかる非接触ICカードは、カード基材面上に、磁気記録層と、金属反射層と、ホログラム層と、が順次積層されてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明にかかる非接触ICカードは、アンテナと、該アンテナと接続されたICチップと、が実装されたインレットシートがカード基材の中に埋設され、かつ、カード基材面上に金属反射層が積層されてなる非接触ICカードであって、金属反射層に発生する静電気を誘引し、金属反射層を積層する第1のカード基材面側とは反対側の第2のカード基材面側から静電気を放電するための導電性部材が、カード基材の中に埋設されてなることを特徴とするものである。これにより、『JIS X 6305−6』または『JIS X 6305−7』で規定されている静電気試験を行い、金属反射層に対し、静電気を放電した場合でも、カード基材の中に埋設した導電性部材が、その金属反射層に発生した静電気を誘引し、金属反射層を積層する第1のカード基材面側とは反対側の第2のカード基材面側から静電気を放電することが可能となるため、カード基材の中に埋設されているICチップに対する静電気の流れ込みを回避し、ICチップの静電気破壊を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態における非接触ICカードの特徴について説明する。
【0028】
本実施形態における非接触ICカードは、図2に示すように、少なくとも、磁気記録層(22)と、金属反射層(23)と、ホログラム層(24)と、から構成されるホログラム・磁気記録層(2)を、図1に示すように、カード基材面上(カード裏面側)に積層し、尚且つ、アンテナ(11)と、該アンテナ(11)と接続されたICチップ(12)と、が実装されたインレットシート(15)が、カード基材(1)の中に埋設されて構成される非接触ICカードであり、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に発生する静電気を誘引し、ホログラム・磁気記録層(2)を積層する第1のカード基材面側(カード裏面側)とは反対側の第2のカード基材面側(カード表面側)から静電気を放電するための導電性部材(3)が、カード基材(1)の中に埋設されてなることを特徴とするものである。これにより、『JIS X 6305−6』または『JIS X 6305−7』で規定されている静電気試験を行い、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に対し、静電気を放電した場合でも、カード基材(1)の中に埋設した導電性部材(3)が、その金属反射層(23)に発生した静電気を誘引し、ホログラム・磁気記録層(2)を積層する第1のカード基材面側(カード裏面側)とは反対側の第2のカード基材面側(カード表面側)から静電気を放電することが可能となるため、カード基材(1)の中に埋設されているICチップ(12)に対する静電気の流れ込みを回避し、ICチップ(12)の静電気破壊を防止することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態における非接触ICカードについて説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
まず、図1を参照しながら、本実施形態における非接触ICカードの構成について説明する。
【0030】
本実施形態における非接触ICカードは、図1に示すように、非接触ICカードの裏面側(カード裏面側)に対し、ホログラム・磁気記録層(2)を有して構成される。なお、本実施形態におけるカード基材(1)の中には、図1に示すように、アンテナ(11)と、ICチップ(12)と、が埋没されている。なお、ICチップ(12)は、アンテナ(11)と接続するようにカード基材(1)の中に埋没されることになる。なお、ICチップ(12)と、アンテナ(11)と、の接続方法については特に限定するものではなく、あらゆる接続方法にてアンテナ(11)とICチップ(12)とを接続することは可能である。
【0031】
まず、図1を参照しながら、本実施形態における非接触ICカードを構成するカード基材(1)について説明する。
【0032】
本実施形態の非接触ICカードを構成するカード基材(1)は、図1に示すように、アンテナ基板(10)上に螺旋状のアンテナやコンデンサ等のアンテナパターン(11)を形成し、該形成したアンテナパターン(11)と、ICチップ(12)と、が電気的に接続するように、ICチップ(12)をアンテナ基板(10)に実装し、アンテナパターン(11)と、ICチップ(12)と、が実装されたインレットシート(15)を形成する。そして、そのインレットシート(15)を覆うように、インレットシート(15)の上下面からラミネート基材となるコアシート(16)にて挟持して積層する。そして、カード基材(1)の表面側のコアシート(16)に対し、オーバーシート(17)と、印刷層(18)と、を順に積層し、カード基材(1)の裏面側のコアシート(16)に対し、印刷層(18)と、オーバーシート(17)と、を順に積層する。これにより、図1に示すカード基材(1)を形成することになる。なお、本実施形態における非接触ICカードは、カード基材(1)の裏面側のオーバーシート(17)にホログラム・磁気記録層(2)を積層して構成することになる。また、本実施形態のインレットシート(15)は、ICチップ(12)を保護するための補強部材(14)を接着剤(13)を介してアンテナ基板(10)の上下面に実装して構成することになる。以下、本実施形態の非接触ICカードのカード基材(1)を構成する各部について詳細に説明する。
【0033】
<コアシート16>
コアシート(16)は、カード基材(1)の中心部分となる基材であり、カード本体に強度を付与させる基材である。コアシート(16)に適用可能な材質としては、一般用ポリスチレン樹脂、耐衝撃用ポリスチレン樹脂、アクリルニトリルスチレン樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、塩化ビニル樹脂、変性PPO樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファルド樹脂等の熱可塑性樹脂、アロイ系樹脂、ガラス繊維の添加による強化樹脂等の従来からICカード本体の中心部分となるカード基材(1)に適用可能な公知の樹脂が挙げられる。なお、塩化ビニル、PET−G等は、自己融着を行う特性を有することから、ラミネートの際に、接着剤や接着剤シートが不要となるため、塩化ビニル、PET−G等をコアシート(16)に適用することが好ましい。
【0034】
<オーバーシート17>
オーバーシート(17)は、カード基材(1)の外側部分を構成する基材である。オーバーシート(17)に適用可能な材質としては、上述したコアシート(16)に適用可能な樹脂が挙げられる。
【0035】
<アンテナ基板10>
アンテナ基板(10)は、アンテナパターン(11)を形成する絶縁性を有する基材である。アンテナ基板(10)に適用可能な材質としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、PET、PEN、PET−G等の樹脂が挙げられる。
【0036】
<アンテナパターン11の材質>
アンテナパターン(11)を形成する材質としては、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、錫、ニッケル、亜鉛、チタン、タングステン、ハンダ、合金等が適用可能である。なお、アンテナ基板(10)上にアンテナパターン(11)を形成する手法としては、エッチング法や、印刷法(スクリーン印刷法、オフセット印刷法)が適用可能である。また、巻き線法でアンテナ基板(10)上にアンテナパターン(11)を形成することも可能である。
【0037】
<接着剤13>
接着剤(13)は、ICチップ(12)を保護するための補強部材(14)をアンテナ基板(10)の上下面に実装するためのものである。なお、接着剤(13)に適用可能な材質としては、補強部材(14)をアンテナ基板(10)に実装することが可能な材質であればあらゆる材料を適用することは可能であり、例えば、紫外線硬化樹脂、湿気硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などが適用可能である。
【0038】
<補強部材14>
補強部材(14)は、ICチップ(12)を保護するための部材である。なお、補強部材(14)に適用可能な材質としては、金属性の材質であればあらゆる材質が適用可能であり、例えば、ステンレス(SUS)などの材質が適用可能である。
【0039】
<印刷層18>
印刷層(18)は、印刷処理を施して形成される層である。なお、本実施形態における印刷層(18)を形成する際の印刷処理及び材料等は特に限定するものではなく、公知の印刷処理及び材料等を用いて印刷層(18)を構成することは可能である。
【0040】
次に、図2を参照しながら、本実施形態の非接触ICカードを構成するホログラム・磁気記録層(2)の構造について説明する。
【0041】
ホログラム・磁気記録層(2)は、接着層(21)と、磁気記録層(22)と、金属反射層(23)と、ホログラム層(24)と、保護層(25)と、を有して構成し、このホログラム・磁気記録層(2)を、離形層(26)を介して支持層(27)に積層することで『転写シート』を構成することになる。
【0042】
<接着層21>
接着層(21)は、ホログラム・磁気記録層(2)を、カード基材(1)の裏面側のオーバーシート(17)に接着させるための層である。なお、接着層(21)に適用可能な材質としては、ヒートシール性の良好な塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂が挙げられる。接着層(21)の層厚としては、5μm程度が好ましい。
【0043】
<磁気記録層22>
磁気記録層(22)は、情報を記録することが可能な層であり、公知の磁気塗料を用いて印刷もしくは塗布して形成される。なお、磁気塗料としては、例えば、ブチラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂等の合成樹脂をバインダー樹脂とし、必要に応じ、ニトリルゴム等のゴム系樹脂、ウレタンエラストマーを添加し、磁性体としては、γ−Fe23、Co含有Fe23、Fe34、バリウムフエライト、ストロンチウムフエライト、Co・Ni・Fe・Crの単独もしくは合金、希土類Co磁性体の他、界面活性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリコーンオイル、カーボンその他の顔料を必要に応じて添加し、3本ロール、サンドミル、ボールミル等により混練して作成したものを適用することが可能である。なお、磁気記録層(22)の層厚としては、10〜15μm程度が好ましい。
【0044】
<金属反射層23>
金属反射層(23)は、光を反射させるための層である。なお、金属反射層(23)に適用可能な材質としては、Al,Zn,Co,Ni,In,Fe,Cr,Ti,Sn、または、それらを各種混合させた合金が挙げられる。また、金属反射層(23)を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、電気メッキ法等が適用可能である。なお、金属反射層(23)の膜厚としては、30〜100nm程度が好ましく、40〜70nm程度がより好ましい。また、金属反射層(23)は、光の反射性を考慮し、連続膜から構成されていることが好ましい。
【0045】
<ホログラム層24>
ホログラム層(24)は、ホログラム形成部を構成するための層である。なお、ホログラム層(24)に適用可能な材質としては、ポリ塩化ビニル、アクリル(例、MMA)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を硬化させたもの、あるいは、上記の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物が適用可能である。ホログラム層(24)の層厚としては、2.5μm程度が好ましい。
【0046】
<保護層25>
保護層(25)は、上述したホログラム層(24)を保護するための層である。なお、保護層(25)に適用可能な材質としては、ポリメチルメタクリレート樹脂と他の熱可塑性樹脂、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体もしくはニトロセルロース樹脂との混合物、または、ポリメチルメタクリレート樹脂とポリエチレンワックスとの混合物等が挙げられ、また、酢酸セルロース樹脂と熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、もしくは、メラミン樹脂との混合物が挙げられる。保護層(25)の層厚としては、1〜2μm程度が好ましい。
【0047】
<離形層26>
離形層(26)は、上述したホログラム・磁気記録層(2)と、支持層(27)と、を剥離するための層である。なお、離形層(26)に適用可能な材質としては、熱可塑性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂あるいはこれらにオイルシリコン、脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛を添加したものが適用可能である。離形層(26)の層厚としては、0.5μm程度が好ましい。
【0048】
<支持層27>
支持層(27)は、ホログラム・磁気記録層(2)を支持する層である。なお、支持層(27)に適用可能な材質としては、透明なポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂、紙、合成紙などから単独で選択されたもの、または、上記より選択されて組み合わされた複合体が適用可能である。なお、支持層(27)としては、抗張力、耐熱性を兼ね備えたポリエステルフィルムを適用することが好ましい。支持層(27)の層厚としては、25μm程度が好ましい。
【0049】
なお、上述した図2に示すホログラム・磁気記録層(2)の転写シートの形成方法としては、例えば、支持層(27)に対し、離形層(26)、保護層(25)を順次塗布し、ホログラム層(24)を形成する樹脂組成物を塗布し、ホログラム形成部を構成する。そして、金属反射層(23)を蒸着法により形成し、磁気記録層(22)、接着層(21)を順次塗布する方法が挙げられる。これにより、図2に示すホログラム・磁気記録層(2)の転写シートを形成することが可能となる。なお、上述した形成方法は、一例であり、この形成方法に限定するものではなく、図2に示すホログラム・磁気記録層(2)の転写シートを形成することが可能であればあらゆる形成方法を適用することは可能である。なお、本実施形態におけるホログラム・磁気記録層(2)は、保護層(25)と、ホログラム層(24)と、金属反射層(25)と、磁気記録層(22)と、の合計層厚が、磁気記録に支障がない20μm以下であることが好ましい。
【0050】
本実施形態における非接触ICカードは、この上述した図2に示す、磁気記録層(22)と、金属反射層(23)と、ホログラム層(24)と、が一体化されたホログラム・磁気記録層(2)を、カード基材(1)の裏面側のオーバーシート(17)上に貼着することで、ホログラム・磁気記録層(2)がカード裏面側に積層された図1に示す非接触ICカードを構成することになる。これにより、美麗なホログラムを形成しつつ、機械的な情報処理を行うことが可能なホログラム・磁気記録層(2)を、非接触ICカードのカード表面に形成することが可能となる。
【0051】
しかしながら、図3に示すように、アンテナ(11)と、該アンテナ(11)と接続されたICチップ(12)と、がカード基材(1)の中に埋設され、尚かつ、そのカード裏面側にホログラム・磁気記録層(2)が積層された非接触ICカードに対し、JIS規格の『JIS X 6305−6』で規定されている試験方法にて静電気試験を行うと、『JIS X 6322−1』の4.3.7で規定されている規定値±6kVの静電気に耐えることができず、また、JIS規格の『JIS X 6305−7』で規定されている試験方法にて静電気試験を行うと、『JIS X 6323−1』の4.3.7で規定されている規定値±6kVの静電気に耐えることができないという問題を抱えることになる。
【0052】
なお、『JIS X 6305−6』または『JIS X 6305−7』で規定されている静電気試験は、図4に示す静電気放電試験の回路を用いて行うことになる。
【0053】
まず、木製の台に敷いた『導電板』上に、厚さ0.5mmの『絶縁板』を設置し、その『絶縁板』上に、『非接触ICカード』を設置する。そして、『ESD試験器』に接続された直径8mmの『球型プローブ』を『非接触ICカード』に接触させ、『ESD試験器』から『非接触ICカード』に対し、静電気を放電し、放電後の『非接触ICカード』内のICチップ(12)の性能について試験することになる。
【0054】
まず、図5に示すように、非接触ICカードの表裏面をそれぞれ縦横4列×5列に20分割し、非接触ICカードの表面側から順に、+6kVの静電気を20箇所に印加し、次に、−6kVの静電気を20箇所にて印加し、続けて、非接触ICカードの裏面側にも同様な処理を実施する。
【0055】
この図4に示す静電気放電試験の回路を用いて静電気試験を行うと、図3に示すカード基材(1)に埋設されているICチップ(12)の静電気破壊が発生することになる。これは、図4に示す静電気放電試験の回路を用いて静電気試験を行うと、図3に示すホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に対し、静電気が発生し、該発生した静電気による放電電流がアンテナ(11)を介してICチップ(12)に流れ込み、ICチップ(12)に対して過度な負荷を生じさせるためである。
【0056】
このため、本発明者らは、図3に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)を有する非接触ICカードにおいて、上述した静電気試験を満足させるために、様々な改良を試み、鋭意研究を重ねた結果、図1に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に発生する静電気を誘引し、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)とは反対側のカード基材面側(カード表面側)から静電気を放電するための導電性部材(3)を、カード基材(1)の中に埋設することで、上述した静電気試験を満足することを実験結果から見出した。以下、図1を参照しながら、本実施形態の非接触ICカードの構成について説明する。
【0057】
本実施形態における非接触ICカードは、図1に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に発生する静電気を誘引し、該誘引した静電気をカード基材(1)の外部に放電するための導電性部材(3)が、カード基材(1)の中に埋設されて構成される。これにより、『JIS X 6305−6』または『JIS X 6305−7』で規定されている静電気試験を行い、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に対し、静電気を放電した場合でも、導電性部材(3)が、その金属反射層(23)に発生した静電気を誘引し、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)とは反対側のカード基材面側(カード表面側)から静電気を放電することが可能となるため、ICチップ(12)に対する静電気の流れ込みを回避し、非接触ICカード内に埋設されるICチップ(12)の静電気破壊を防止することが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態における導電性部材(3)を構成する材質としては、電気を導通することが可能な材質であればあらゆる材質が適用可能であり、例えば、ステンレス(SUS)などが適用可能である。
【0059】
また、本実施形態における導電性部材(3)は、図1、図6に示すように、非接触ICカードの積層方向において、ホログラム・磁気記録層(2)に少なくとも1部が重なるように、カード基材(1)の中に埋設することが好ましい。これにより、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に発生する静電気を導電性部材(3)が更に誘引し易くすることが可能となるため、非接触ICカード内に埋設されるICチップ(12)の静電気破壊を更に防止することが可能となる。なお、図6は、図1に示す非接触ICカードをカード表面側から見た場合の平面図である。図6に示すX方向は、図1に示すX方向に該当する。図6に示す平面図からも明らかなように、導電性部材(3)は、ホログラム・磁気記録層(2)の少なくとも一部に重なるようにカード基材(1)の中に配置されていることがわかる。なお、カードの積層方向とは、非接触ICカードを構成する各シートを積層する積層方向を示す。
【0060】
また、本実施形態における導電性部材(3)は、図1、図6に示すように、非接触ICカードの積層方向において、ホログラム・磁気記録層(2)に重なるように、カード基材(1)の中に埋設するのではなく、図7、図8に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)の近傍に位置するようにカード基材(1)の中に埋設し、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に発生する静電気を、導電性配線(4)を介して導電性部材(3)に誘引し、導電性部材(3)が、その導電性配線(4)が誘引した静電気を、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)とは反対側のカード基材面側(カード表面側)から放電するように構築することも可能である。なお、図8は、図7に示す非接触ICカードをカード表面側から見た場合の平面図である。図8に示すX方向は、図7に示すX方向に該当する。図8に示す平面図からも明らかなように、導電性部材(3)は、ホログラム・磁気記録層(2)に重ならず、ホログラム・磁気記録層(2)の近傍に位置するようにカード基材(1)の中に配置されていることがわかる。
【0061】
なお、導電性配線(4)は、金属反射層(23)に発生する静電気を導電性部材(3)に誘引するために、図7、図8に示すように、非接触ICカードの積層方向において、ホログラム・磁気記録層(2)と導電性部材(3)とに重なるようにカード基材(1)の中に埋設することが好ましい。また、導電性配線(4)は、アンテナ基板(10)に形成するアンテナパターン(11)の一部として形成することも可能である。なお、導電性配線(4)を構成する材質としては、電気を導通することが可能な材質であればあらゆる材質が適用可能であり、例えば、アルミニウムなどの材質が適用可能である。
【0062】
なお、図7に示す非接触ICカードは、アンテナパターン(11)とホログラム・磁気記録層(2)と導電性部材(3)とに重なる長さの導電性配線(4)を、ICチップ(12)が実装されたインレットシート(15)のICチップ実装面と反対面側に実装することにしたが、図9に示すように、アンテナパターン(11)には重ならずに、ホログラム・磁気記録層(2)と導電性部材(3)とに重なる長さの導電性配線(4)を、ICチップ(12)が実装されたインレットシート(15)のICチップ実装面と反対面側に実装するように構築することも可能である。
【0063】
また、図10に示すように、アンテナパターン(11)の近傍から、ホログラム・磁気記録層(2)と導電性部材(3)とに重なる長さの導電性配線(4)を、ICチップ(12)が実装されたインレットシート(15)のICチップ実装面と同一面側に実装するように構築することも可能である。
【0064】
また、導電性部材(3)は、図1、図7、図9、図10に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置するように、カード基材(1)の中に埋設することが好ましい。即ち、ICチップ(12)が実装されたインレットシート(15)のICチップ実装面と同一面側に対し、導電性部材(3)を実装することが好ましい。これにより、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に発生する静電気を導電性部材(3)が更に誘引し易くする構造にすることが可能となるため、非接触ICカード内に埋設されるICチップ(12)の静電気破壊を更に防止することが可能となる。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0066】
第2の実施形態における非接触ICカードは、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に発生する静電気を誘引し、該誘引した静電気をカード基材(1)の外部に放電するための導電性部材(3)を、ICチップ(12)を保護するための補強部材(14)として適用したことを特徴とするものである。以下、図11〜図17を参照しながら、第2の実施形態における非接触ICカードについて説明する。
【0067】
まず、図11を参照しながら、第2の実施形態における非接触ICカードの構成について説明する。
【0068】
第2の実施形態における非接触ICカードは、図11に示すように、カード基材(1)と、ホログラム・磁気記録層(2)と、を有して構成される。なお、カード基材(1)は、アンテナパターン(11)とICチップ(12)とが電気的に接続するようにアンテナ基板(10)に実装されたインレットシート(15)と、ラミネート基材となるコアシート(16)と、オーバーシート(17)と、印刷層(18)と、を有して構成される。なお、ホログラム・磁気記録層(2)は、カード基材(1)の裏面側に積層されるオーバーシート(17)上に積層されることになる。また、本実施形態のインレットシート(15)は、ICチップ(12)を保護し、尚かつ、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に発生する静電気をカード基材(1)の外部に放電するための導電性部材(3)を接着剤(13)を介してアンテナ基板(10)の上下面に実装して構成することになる。なお、本実施形態における非接触ICカードを構成する各部に適用可能な材質は、第1の実施形態における非接触ICカードと同様な材質を適用することが可能である。
【0069】
なお、本実施形態における非接触ICカードは、図11に示すように、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置するように、カード基材(1)の中に埋設することが好ましい。即ち、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に対し、ICチップ(12)の実装面が位置するように、インレットシート(15)をカード基材(1)の中に埋設することが好ましい。
【0070】
また、本実施形態における非接触ICカードは、図11に示すように、非接触ICカードの積層方向において、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)の一部が、ホログラム・磁気記録層(2)に重なるように、カード基材(1)の中に埋設することが好ましい。
【0071】
これにより、図12、図13に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に対し、試験器(100)により静電気を放電した場合でも、その金属反射層(23)に放電した静電気は、第1の導電性部材(3)に誘引され(図12のA1)、その第1の導電性部材(3)に誘引された静電気は、第2の導電性部材(3)に誘引され(図12のA2)、その第2の導電性部材(3)に誘引された静電気は、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)とは反対側のカード基材面側(カード表面側)から導電板(GND)に対し放電することが可能となるため(図12のA3)、カード基材(1)の中に埋設されるICチップ(12)に対する静電気の流れ込みを回避し、ICチップ(12)内部を静電気が通過することがないため、ICチップ(12)の静電気破壊を防止することが可能となる。なお、図13は、図12に示す非接触ICカードをカード裏面側から見た場合の平面図である。図13に示すX方向は、図12に示すX方向に該当する。図12に示す非接触ICカードの構成の場合には、図13に示すように試験器(100)から放電された静電気Aが図13に示す矢印(→)のルートを経由して導電板(GND)に流れることになる。
【0072】
また、図14、図15に示すように、非接触ICカードの積層方向において、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)に重ならず、ホログラム・磁気記録層(2)から遠い位置に導電性部材(3)が位置するようにカード基材(1)の中に埋設して構成される非接触ICカードの場合には、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に対し、試験器(100)により静電気を放電した場合には、その金属反射層(23)に放電した静電気は、電気的に導通し易いアンテナ(11)を経由して(図15参照)ICチップ(12)に流れ込み(図14のB1)、そのICチップ(12)に流れ込んだ静電気は、第2の導電性部材(3)に誘引され、その第2の導電性部材(3)に誘引された静電気は、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)とは反対側のカード基材面側(カード表面側)から導電板(GND)に放電することになるため(図14のB2)、結果的に、ICチップ(12)内部を静電気が通過することになり、非接触ICカード内に埋設されるICチップ(12)の静電気破壊が発生することになってしまう。なお、図15は、図14に示す非接触ICカードをカード裏面側から見た場合の平面図である。図15に示すX方向は、図14に示すX方向に該当する。図14に示す非接触ICカードの構成の場合には、図15に示すように試験器(100)から放電された静電気Bが図15に示す矢印(→)のルートを経由して導電板(GND)に流れることになる。
【0073】
また、図16、図17に示すように、非接触ICカードの積層方向において、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)に重ならず、ホログラム・磁気記録層(2)から遠い位置に導電性部材(3)が位置し、尚かつ、導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード裏面側寄りに位置するように(ICチップ(12)の実装面側がカード裏面側に位置するように)、カード基材(1)の中に埋設して構成される非接触ICカードの場合には、ホログラム・磁気記録層(2)を構成する金属反射層(23)に対し、試験器(100)により静電気を放電した場合には、その金属反射層(23)に放電した静電気は、第1の導電性部材(3)に流れ込み(図16のC1)、その第1の導電性部材(3)に流れ込んだ静電気は、ICチップ(12)に流れ込み(図16のC2)、そのICチップ(12)に流れ込んだ静電気は、第2の導電性部材(3)に流れ込み、その第2の導電性部材(3)に流れ込んだ静電気は、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)とは反対側のカード基材面側(カード表面側)から導電板(GND)に放電することになるため(図16のC3)、結果的に、ICチップ(12)内部を静電気が通過することになり、非接触ICカード内に埋設されるICチップ(12)の静電気破壊が発生することになってしまう。
【0074】
なお、ICチップ(12)に流れ込んだ静電気は、アンテナ(11)を介して導電板(GND)に放電することも考えられるが(図16のC4)、結果的にICチップ(12)内部を静電気が通過することになり、非接触ICカード内に埋設されるICチップ(12)の静電気破壊が発生することになってしまう。なお、図17は、図16に示す非接触ICカードをカード裏面側から見た場合の平面図である。図17に示すX方向は、図16に示すX方向に該当する。図16に示す非接触ICカードの構成の場合には、図17に示すように試験器(100)から放電された静電気Cが図17に示す矢印(→)のルートを経由して導電板(GND)に流れることになる。
【0075】
従って、本実施形態における非接触ICカードは、図11に示すように、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置するように、カード基材(1)の中に埋設することが好ましく、また、図11に示すように、非接触ICカードの積層方向において、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)の一部が、ホログラム・磁気記録層(2)に重なるように、カード基材(1)の中に埋設することが好ましいことになる。これにより、図12に示すように、金属反射層(23)に発生した静電気を、アンテナ基板(10)の上下面に実装した2つの導電性部材(3)を介して導電板(GND)に放電することが可能となるため、ICチップ(12)に対する静電気の流れ込みを回避し、非接触ICカード内に埋設されるICチップ(12)の静電気破壊を防止することが可能となる。
【0076】
<実施例>
次に、上述した第1、第2の実施形態における非接触ICカードにおける実施例について説明する。
【0077】
<第1の実施例>
まず、第1の実施例について説明する。
【0078】
第1の実施例は、上述した第1の実施形態の非接触ICカードを用いて静電気試験を行った場合である。以下、図18、図19を参照しながら、第1の実施例の非接触ICカードについて説明する。
【0079】
第1の実施例は、図18に示すように、非接触ICカードの積層方向において、導電性部材(3)がホログラム・磁気記録層(2)に重ならず、ホログラム・磁気記録層(2)の近傍に導電性部材(3)が位置し、尚かつ、その導電性部材(3)は、ICチップ(12)が実装されたインレットシート(15)のICチップ実装面と同一面側に実装されるように、カード基材(1)の中に導電性部材(3)を埋設した構成の場合(ICチップ表向き)と、図19に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)の近傍に導電性部材(3)が位置し、尚かつ、その導電性部材(3)は、ICチップ(12)が実装されたインレットシート(15)のICチップ実装面と反対面側に実装されるように、カード基材(1)の中に導電性部材(3)を埋設した構成の場合(ICチップ裏向き)と、について静電気試験を行う。なお、図18、図19に示す非接触ICカードを用いて静電気試験を行った場合の試験結果を図20、図21に示す。
【0080】
図20に示す試験結果は、図18に示す非接触ICカードを構成する導電性部材(3)の層厚を、100μm,200μm,300μmとした場合において静電気試験を行った試験結果を示し、図21に示す試験結果は、図19に示す非接触ICカードを構成する導電性部材(3)の層厚を、100μm,200μm,300μmとした場合において静電気試験を行った試験結果を示す。
【0081】
図20、図21に示す試験結果から明らかなように、図18に示す非接触ICカードの構成の場合には、導電性部材(3)の層厚に関わらず、静電気試験を満たすことができ、図19に示す非接触ICカードの構成の場合には、導電性部材(3)の層厚が300μmの場合には、静電気試験を満たすことができるという試験結果が得られた。
【0082】
この図20、図21に示す試験結果から、図18に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)の近傍または重なる位置に導電性部材(3)を埋設し、尚かつ、その導電性部材(3)は、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置するように構成することで、良好な試験結果が得られ、また、導電性部材(3)の層厚を厚く構成することで、更に良好な試験結果が得られることが判明した。
【0083】
<第2の実施例>
次に、第2の実施例について説明する。
【0084】
第2の実施例は、上述した第2の実施形態の非接触ICカードを用いて静電気試験を行った場合である。以下、図22、図23を参照しながら、第2の実施例の非接触ICカードについて説明する。
【0085】
第2の実施例は、図22に示すように、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置するように、カード基材(1)の中に埋設した構成の場合(ICチップ表向き)と、図23に示すように、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)よりも、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)に位置するように、カード基材(1)の中に埋設した構成の場合(ICチップ裏向き)と、について静電気試験を行う。なお、図22、図23に示す非接触ICカードを用いて静電気試験を行った場合の試験結果を図24、図25に示す。
【0086】
なお、図24に示す試験結果は、図22に示すICチップ表向きの場合の静電気試験結果であり、図26(a)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)と重なるように配置した場合(図24の重複)と、図26(b)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)から近い位置に配置した場合(図24の近傍)と、図26(c)に示すように、導電性部材(3)がホログラム・磁気記録層(2)から遠い位置に配置した場合(図24の遠方)と、において静電気試験を行った試験結果を示す。
【0087】
また、図25に示す試験結果は、図23に示すICチップ裏向きの場合の静電気試験結果であり、図27(a)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)と重なるように配置した場合(図25の重複)と、図27(b)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)から近い位置に配置した場合(図25の近傍)と、図27(c)に示すように、導電性部材(3)がホログラム・磁気記録層(2)から遠い位置に配置した場合(図25の遠方)と、において静電気試験を行った試験結果を示す。
【0088】
図24、図25に示す試験結果から明らかなように、図22に示す非接触ICカードの構成の場合には、図26(a)と、図26(b)のように、導電性部材(3)を、ホログラム・磁気記録層(2)と重なる位置、または、近傍に配置した場合に、静電気試験を満たすことができ、図23に示す非接触ICカードの構成の場合には、導電性部材(3)の配置位置に関わらず、静電気試験を満たすことができないという試験結果が得られた。
【0089】
この図24、図25に示す試験結果から、図22に示すように、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置し、尚かつ、導電性部材(3)を、ホログラム・磁気記録層(2)と重なる位置、または、ホログラム・磁気記録層(2)から近い位置に配置することで、良好な試験結果が得られることが判明した。
【0090】
<第3の実施例>
次に、第3の実施例について説明する。
【0091】
第3の実施例は、図26(a)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)と重なるように配置した場合と、図26(b)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)から近い位置に配置した場合と、図27(a)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)と重なるように配置した場合と、図27(b)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)から近い位置に配置した場合と、における静電気の破壊限界電圧について試験した。この試験結果を図28に示す。
【0092】
図28に示す試験結果から明らかなように、図26(a)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)と重なるように配置した場合(図28のICチップ表面:重複)は、11kVの静電気まではICチップ(12)の静電気破壊が発生しないことが判明した。また、図26(b)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)から近い位置に配置した場合(図28のICチップ表面:近傍)は、9kVの静電気まではICチップ(12)の静電気破壊が発生しないことが判明した。また、図27(a)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)と重なるように配置した場合(図28のICチップ裏面:重複)は、6kVの静電気まではICチップ(12)の静電気破壊が発生しないことが判明した。また、図27(b)に示すように、導電性部材(3)をホログラム・磁気記録層(2)から近い位置に配置した場合(図28のICチップ裏面:近傍)は、6kVの静電気まではICチップ(12)の静電気破壊が発生しないことが判明した。
【0093】
この図28に示す試験結果から、図22に示すように、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置し、尚かつ、図26(a)に示すように、導電性部材(3)を、ホログラム・磁気記録層(2)と重なる位置に配置することで、最も良好な試験結果が得られることが判明した。
【0094】
以上の試験結果から、第1の実施例では、図18に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)の近傍または重なる位置に導電性部材(3)を埋設し、尚かつ、その導電性部材(3)は、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置するように構成することで、良好な試験結果が得られ、また、導電性部材(3)の層厚を厚くすることで、更に良好な試験結果が得られることが判明した。
【0095】
また、第2の実施例では、図22に示すように、アンテナ基板(10)の上下面に実装した導電性部材(3)が、ホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側(カード裏面側)よりも、そのホログラム・磁気記録層(2)を積層するカード基材面側とは反対側のカード基材面側(カード表面側)に位置し、尚かつ、導電性部材(3)を、図26(a)に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)と重なる位置、または、図26(b)に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)から近い位置に配置することで、良好な試験結果が得られることが判明した。
【0096】
また、第3の実施例では、図26(a)に示すように、ホログラム・磁気記録層(2)と重なる位置に配置することで、最も良好な試験結果が得られることが判明した。
【0097】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。例えば、本実施形態の非接触ICカードを構成するカード基材(1)の層構成は、特に限定するものではなく、アンテナ(11)と、そのアンテナ(11)と接続されたICチップ(12)と、が実装されたインレットシート(15)がカード基材(1)の中に埋設されて構成されれば、あらゆる層構成にてカード基材(1)を構成することは可能である。
【0098】
また、上述した実施形態の非接触ICカードは、アンテナパターン(11)とICチップ(12)とが同一面側に実装されたインレットシート(15)に対し、導電性部材(3)を実装して構成することにしたが、アンテナパターン(11)とICチップ(12)とが各々異なる面側に実装されたインレットシート(15)に対し、導電性部材(3)を実装して構成することも可能である。
【0099】
また、上述した実施形態では、磁気記録層(22)と、金属反射層(23)と、ホログラム層(24)と、を有するホログラム・磁気記録層(2)を、カード裏面側に積層して構成される非接触ICカードについて説明したが、本発明の技術思想は、上述したホログラム・磁気記録層(2)をカード裏面側に積層した非接触ICカードに限定するものではなく、静電気を発生させる金属反射層(23)がカード基材面上に積層されて構成される非接触ICカードであれば、本発明の技術思想を適用することは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明にかかる非接触ICカードは、各種交通機関での定期券、回数券、電話カード、特定領域への入退出用のカード、IDカード、免許証、パチンコ,遊園地,映画館などに使用されるカード、クレジットカード等の非接触にて通信処理を行う情報記録媒体に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】第1の実施形態における非接触ICカードの第1の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態の非接触ICカードに搭載されるホログラム・磁気記録層(2)の層構成を示す図である。
【図3】従来の非接触ICカードに対し、ホログラム・磁気記録層(2)を搭載した場合の構成例を示す図である。
【図4】『JIS X 6305−6』または『JIS X 6305−7』で規定されている静電気試験の回路構成を示す図である。
【図5】静電気放電試験におけるカード上の区分域を示す図であり、非接触ICカードの表裏面をそれぞれ縦横4列×5列に20分割した状態を示す図である。
【図6】図1に示す非接触ICカードをカード表面側から見た場合の平面図である。
【図7】第1の実施形態における非接触ICカードの第2の構成例を示す図である。
【図8】図7に示す非接触ICカードをカード表面側から見た場合の平面図である。
【図9】図7に示す非接触ICカードの導電性配線(4)の形状を、ホログラム・磁気記録層(2)と導電性部材(3)とに重なる長さにした場合の構成を示す図である。
【図10】ホログラム・磁気記録層(2)と導電性部材(3)とに重なる長さの導電性配線(4)を、ICチップ(12)が実装されたインレットシート(15)のICチップ実装面と同一面側に実装した場合の構成を示す図である。
【図11】第2の実施形態における非接触ICカードの構成例を示す図である。
【図12】第2の実施形態における非接触ICカードに対し、静電気試験を行った際に、静電気がカード内を通過するルートを説明するための図である。
【図13】図12に示す非接触ICカードをカード裏面側から見た場合の平面図である。
【図14】耐静電性の低い構造の非接触ICカードに対し、静電気試験を行った際に、静電気がカード内を通過するルートを説明するための図である。
【図15】図14に示す非接触ICカードをカード裏面側から見た場合の平面図である。
【図16】耐静電性の低い構造の非接触ICカードに対し、静電気試験を行った際に、静電気がカード内を通過するルートを説明するための図である。
【図17】図16に示す非接触ICカードをカード裏面側から見た場合の平面図である。
【図18】第1の実施例の静電気試験で使用した非接触ICカードの第1の構成例を示す図である。
【図19】第1の実施例の静電気試験で使用した非接触ICカードの第2の構成例を示す図である。
【図20】図18に示す構造の非接触ICカードに対し、静電気試験を行った際の試験結果を示す図である。
【図21】図19に示す構造の非接触ICカードに対し、静電気試験を行った際の試験結果を示す図である。
【図22】第2の実施例の静電気試験で使用した非接触ICカードの第1の構成例を示す図である。
【図23】第2の実施例の静電気試験で使用した非接触ICカードの第2の構成例を示す図である。
【図24】図22に示す構造の非接触ICカードに対し、静電気試験を行った際の試験結果を示す図である。
【図25】図23に示す構造の非接触ICカードに対し、静電気試験を行った際の試験結果を示す図である。
【図26】図22に示す構造の非接触ICカードにおいて、ホログラム・磁気記録層(2)と、導電性部材(3)と、の位置関係を変化させた場合の配置位置を示す図である。
【図27】図23に示す構造の非接触ICカードにおいて、ホログラム・磁気記録層(2)と、導電性部材(3)と、の位置関係を変化させた場合の配置位置を示す図である。
【図28】第3の実施例における静電気試験の試験結果を示す図である。
【符号の説明】
【0102】
1 カード基材
2 ホログラム・磁気記録層
3 導電性部材
4 導電性配線
10 アンテナ基板
11 アンテナパターン(アンテナ)
12 ICチップ
13 接着剤
14 補強部材
15 インレットシート
16 コアシート
17 オーバーシート
18 印刷層
21 接着層
22 磁気記録層
23 金属反射層
24 ホログラム層
25 保護層
26 離形層
27 支持層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、該アンテナと接続されたICチップと、が実装されたインレットシートがカード基材の中に埋設され、かつ、前記カード基材面上に金属反射層が積層されてなる非接触ICカードであって、
前記金属反射層に発生する静電気を誘引し、前記金属反射層を積層する第1のカード基材面側とは反対側の第2のカード基材面側から静電気を放電するための導電性部材が、前記カード基材の中に埋設されてなることを特徴とする非接触ICカード。
【請求項2】
前記導電性部材は、前記第1のカード基材面側よりも、前記第2のカード基材面側に位置するように前記カード基材の中に埋設されてなることを特徴とする請求項1記載の非接触ICカード。
【請求項3】
前記導電性部材は、前記非接触ICカードの積層方向において、前記金属反射層に少なくとも一部が重なるように前記カード基材の中に埋設されてなることを特徴とする請求項1または2記載の非接触ICカード。
【請求項4】
前記導電性部材は、前記非接触ICカードの積層方向において、前記金属反射層に重ならず、前記金属反射層の近傍に位置するように、前記カード基材の中に埋設されてなることを特徴とする請求項1または2記載の非接触ICカード。
【請求項5】
前記導電性部材は、前記ICチップが実装されたインレットシートのICチップ実装面と同一面側に実装されてなることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の非接触ICカード。
【請求項6】
前記金属反射層に発生する静電気を前記導電性部材に誘引するための導電性配線が、前記カード基材の中に埋設されてなることを特徴とする請求項4記載の非接触ICカード。
【請求項7】
前記導電性配線は、前記ICチップが実装されたインレットシートのICチップ実装面と反対面側に実装されてなることを特徴とする請求項6記載の非接触ICカード。
【請求項8】
前記導電性配線は、前記ICチップが実装されたインレットシートのICチップ実装面と同一面側に実装されてなることを特徴とする請求項6記載の非接触ICカード。
【請求項9】
前記導電性部材は、前記インレットシート面に実装された位置から前記第2のカード基材面に達する厚みからなることを特徴とする請求項5記載の非接触ICカード。
【請求項10】
前記導電性部材は、前記インレットシートを介して前記ICチップの上下面に位置するように前記カード基材の中に埋設されてなることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の非接触ICカード。
【請求項11】
前記導電性部材は、前記ICチップを補強するための補強部材であることを特徴とする請求項10記載の非接触ICカード。
【請求項12】
前記カード基材面上に、磁気記録層と、前記金属反射層と、ホログラム層と、が順次積層されてなることを特徴とする請求項1記載の非接触ICカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2007−272806(P2007−272806A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100654(P2006−100654)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】