説明

非細胞傷害性プロテアーゼ、ターゲティング部分、プロテアーゼ切断部位およびトランスロケーションドメインを含む融合タンパク質

本発明は、単鎖ポリペプチド融合タンパク質を提供する。この単鎖ポリペプチド融合タンパク質は、非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントであって、標的細胞のエキソサイトーシス融合器官のタンパク質を切断し得る、プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメント;該標的細胞上の結合部位に結合し得るターゲティング部分であって、該結合部位が、エンドサイトーシスを受けて該標的細胞内のエンドソームに取り込まれ得る、ターゲティング部分;プロテアーゼ切断部位であって、該部位でプロテアーゼにより該融合タンパク質が切断され得、該プロテアーゼ切断部位が、該非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントと該ターゲティング部分との間に位置している、プロテアーゼ切断部位;およびトランスロケーションドメインであって、エンドソームの内部から該エンドソームの膜を横断して該標的細胞のサイトゾルへと、該プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメントをトランスロケートさせ得る、トランスロケーションドメインを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非細胞傷害性融合タンパク質およびその治療的適用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、毒素は、標的細胞に対して有する効果のタイプに従って2つの群に分けられ得る。より詳細には、第一の毒素群は、それらの天然の標的細胞を殺傷し、このため、細胞傷害性毒素分子として知られる。この毒素群は、とりわけ、植物毒素(例えば、リシンおよびアブリン)および細菌毒素(例えば、ジフテリア毒素およびシュードモナス外毒素A)によって例示される。細胞傷害性毒素は、細胞性障害および状態(例えば、癌)の治療のために「魔法の弾丸」(例えば、免疫結合体;これは、細胞傷害性毒素構成部分と標的細胞上の特異的マーカーに結合する抗体とを含む)の設計に多くの関心をひきつけている。細胞傷害性毒素は、代表的には、タンパク質合成の細胞プロセスを阻害することにより、それらの標的細胞を殺傷する。
【0003】
第二の毒素群は、非細胞傷害性毒素として知られ、(これらの名称が証明するとおり)それらの天然の標的細胞を殺傷しない。非細胞傷害性毒素は、それらの細胞傷害性のものほどには商業上の関心をひきつけず、そしてタンパク質合成以外の細胞プロセスを阻害することにより、標的細胞に対してそれらの効果を発揮する。非細胞傷害性毒素は、種々の植物および種々の微生物(例えば、Clostridium sp.およびNeisseria sp.)から生成される。
【0004】
クロストリジウム神経毒素は、代表的には150kDaの程度の分子量を有するタンパク質である。それらは、種々の細菌種、特に、クロストリジウム属の細菌、最も重要にはC. tetaniおよびC. botulinumの数株、C. butyricum、およびC. argentinenseによって生成される。現在、クロストリジウム神経毒素の8つの異なるクラスが存在し(すなわち、破傷風菌毒素およびボツリヌス菌神経毒素(その血清型A、B、C1、D、E、FおよびG))、そしてそれらは全て、類似の構造および作用様式を共有する。
【0005】
クロストリジウム神経毒素は、非細胞傷害性毒素分子の主要な群を代表し、そして単一ポリペプチドとして宿主細菌によって合成され、この単一ポリペプチドは、タンパク質分解切断事象によって翻訳後修飾されて、ジスルフィド結合によって互いに結合された2つのポリペプチド鎖を形成する。これらの2つの鎖は、重鎖(H鎖)(これは、約100kDaの分子量を有する)および軽鎖(L鎖)(これは、約50kDaの分子量を有する)と称される。
【0006】
L鎖は、プロテアーゼ機能(亜鉛依存性エンドペプチダーゼ活性)を有し、そしてエキソサイトーシスプロセスに関与する小胞および/または原形質膜会合タンパク質に対する高い基質特異性を示す。異なるクロストリジウム種または血清型に由来するL鎖は、3つの基質タンパク質(すなわち、シナプトブレビン、シンタキシン、またはSNAP−25)の1つにおいて、異なるが特定のペプチド結合を加水分解し得る。これらの基質は、神経分泌機構の重要な構成部分である。
【0007】
Neisseria sp.(N. gonorrhoeaeの種の中から最も重要である)は、機能的に類似する非細胞傷害性プロテアーゼを生産する。このようなプロテアーゼの一例は、IgAプロテアーゼである(WO99/58571を参照のこと)。
【0008】
毒素分子が、その毒素の天然の標的細胞ではない細胞にリターゲティングされ得ることが当該分野において十分に書き記されている。そのようにリターゲティングされたとき、改変毒素は、所望の標的細胞に結合し得、そしてそれに続くサイトゾルへのトランスロケーション後、標的細胞にその効果を発揮し得る。該リターゲティングは、毒素の天然のターゲティング部分(TM)を異なるTMと置き換えることによって達成される。これに関して、TMは、それが所望の標的細胞に結合し、そして標的細胞内のエンドソームへの改変毒素の引き続く通過を可能にするように選択される。改変毒素はまた、非細胞傷害性プロテアーゼの細胞サイトゾルへの侵入を可能にするトランスロケーションドメインを含む。このトランスロケーションドメインは、毒素の天然のトランスロケーションドメインであり得るか、またはトランスロケーション活性を有する微生物タンパク質から得られる別のトランスロケーションドメインであり得る。
【0009】
例えば、WO94/21300は、改変クロストリジウム神経毒素分子を記載しており、この分子は、標的細胞の細胞表面に存在する膜貫通タンパク質(IMP)密度を調節し得る。したがって、この改変神経毒素分子は、標的細胞の細胞活性(例えば、グルコース取り込み)を制御し得る。WO96/33273およびWO99/17806は、末梢感覚求心性神経をターゲティングする改変クロストリジウム神経毒素分子を記載している。したがって、この改変神経毒素分子は、鎮痛効果を示し得る。WO00/10598は、粘液過分泌細胞(または該粘液過分泌細胞を制御する神経細胞)をターゲティングする改変クロストリジウム神経毒素分子の調製を記載している。この改変神経毒素は、該細胞からの過分泌を阻害し得る。WO01/21213は、広範な異なるタイプの非神経細胞標的細胞をターゲティングする改変クロストリジウム神経毒素分子を記載している。したがって、この改変分子は、標的細胞からの分泌を妨害し得る。リターゲティングされる毒素分子の技術分野におけるさらなる刊行物としては、以下が挙げられる:WO00/62814;WO00/04926;US5,773,586;WO93/15766;WO00/61192;およびWO99/58571。
【0010】
上記TM置換は、当業者に周知の従来の化学的結合体化技術によって行われ得る。これに関して、Hermanson, G.T. (1996), Bioconjugate techniques, Academic Press, およびWong, S. S. (1991), Chemistry of protein conjugation and cross-linking, CRC Pressに言及されている。
【0011】
しかし、化学的結合体化は、しばしば不正確である。例えば、結合体化によって、TMは、1つより多くの付着部位でその結合体の残りの部分に結合され得る。
【0012】
また、化学的結合体化は制御するのが困難である。例えば、TMは、プロテアーゼ構成部分および/またはトランスロケーション構成部分上の付着部位で改変毒素の残りの部分に結合され得る。これは、該構成部分の一方のみへの(好ましくは単一の部位での)付着が治療効力のために望まれる場合、問題となる。
【0013】
したがって、化学的結合体化は、改変毒素分子の混合集団を生じ、これは望ましくない。
【0014】
化学的結合体化の代替として、単一ポリペプチド融合タンパク質の組換え調製によってTM置換が行われ得る(WO98/07864を参照のこと)。この技術は、天然型クロストリジウム神経毒素(すなわち、ホロ毒素)が調製されるインビボの細菌機構に基づいており、そして以下の構造配置を有する融合タンパク質を生じる:
NH−[プロテアーゼ構成部分]−[トランスロケーション構成部分]−[TM]−COOH
【0015】
WO98/07864によれば、TMは、融合タンパク質のC末端の方に配置される。次いで、この融合タンパク質がプロテアーゼでの処理によって活性化される。このプロテアーゼは、プロテアーゼ構成部分とトランスロケーション構成部分との間の部位で切断する。したがって、二本鎖のタンパク質が生成される。この二本鎖タンパク質は、TMを加えたトランスロケーション構成部分を含む別のポリペプチド単鎖に(ジスルフィド架橋を介して)共有結合されたポリペプチド単鎖としてプロテアーゼ構成部分を含む。WO98/07864の方法は、(融合タンパク質の構造配置の点で)クロストリジウムホロ毒素の天然発現系に従うが、本発明者らは、この系が、意図した標的細胞に対する結合能が実質的に減少されたある種の融合タンパク質の生成を生じ得ることを見出した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、非細胞傷害性融合タンパク質の構築系を別に見出すか、または改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、以下を含む単鎖ポリペプチド融合タンパク質を提供することによって、上記の問題点の1つ以上を解消している。単鎖ポリペプチド融合タンパク質は、
a.非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントであって、標的細胞のエキソサイトーシス融合器官のタンパク質を切断し得る、プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメント;
b.該標的細胞上の結合部位に結合し得るターゲティング部分であって、該結合部位が、エンドサイトーシスを受けて該標的細胞内のエンドソームに取り込まれ得る、ターゲティング部分;
c.プロテアーゼ切断部位であって、該部位でプロテアーゼにより該融合タンパク質が切断され得、該プロテアーゼ切断部位が、該非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントと該ターゲティング部分との間に位置している、プロテアーゼ切断部位;および
トランスロケーションドメインであって、エンドソームの内部から該エンドソームの膜を横断して該標的細胞のサイトゾルへと、該プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメントをトランスロケートさせ得る、トランスロケーションドメイン
を含む。
【0018】
WO98/07864の系は、標的細胞上の結合部位との相互作用のためにC末端ドメインを必要とするTMを有する結合体の調製のために十分に作用している。これに関して、WO98/07864は、標的細胞上の結合部位と相互作用するのに「フリー」であるC末端ドメインを有する融合タンパク質を提供している。本発明者らは、この構造配置が全てのTMに適しているわけではないことを見出した。より詳細には、本発明者らは、WO98/07864の融合タンパク質系は、標的細胞上の結合部位と相互作用するためにN末端側ドメインを必要とするTMには最適ではないことを見出した。特に、この問題点は、標的細胞上の結合部位と相互作用するために、特定のN末端アミノ酸残基またはこの特定のN末端アミノ酸残基を含むアミノ酸残基からなる特定配列を必要とするTMにとって重大である。
【0019】
WO98/07864とは対照的に、本発明は、結合体のTM構成部分が、標的細胞上の結合部位に結合し得るN末端側ドメイン(または内部ドメイン配列)を有する、非細胞傷害性結合体を調製するためのシステムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分は、非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントであり、このプロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメントは、エキソサイトーシス融合器官の3つの基質タンパク質、すなわち、シナプトブレビン、シンタキシン、またはSNAP−25の1つにおいて、異なるが特定のペプチド結合を切断し得る。これらの基質は、神経分泌機構の重要な構成部分である。本発明の非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分は、好ましくは、ナイセリアIgAプロテアーゼもしくはそのフラグメントまたはクロストリジウム神経毒素L鎖もしくはそのフラグメントである。特に好ましい非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分は、ボツリヌス神経毒素(BoNT)L鎖またはそのフラグメントである。
【0021】
本発明のトランスロケーション構成部分は、プロテアーゼ活性の機能的発現が標的細胞のサイトゾル内で生じるように、標的細胞への非細胞傷害性プロテアーゼ(またはそのフラグメント)のトランスロケーションを可能にする。トランスロケーション構成部分は、好ましくは、低pH条件下で脂質膜中にイオン透過孔を形成し得る。好ましくは、エンドソーム膜内の孔形成が可能なタンパク質分子の部分のみを使用することが見出されている。トランスロケーション構成部分は、微生物タンパク質供給源(特に、細菌またはウイルスタンパク質供給源)から得られ得る。したがって、1つの実施態様では、トランスロケーション構成部分は、細菌毒素またはウイルスタンパク質のような酵素のトランスロケーションドメインである。本発明のトランスロケーション構成部分は、好ましくは、クロストリジウム神経毒素H鎖またはそのフラグメントである。最も好ましくは、それは、Hドメイン(またはその機能的構成部分)である。Hは、H鎖のアミノ末端側半分にほぼ等価なクロストリジウム神経毒素のH鎖の一部またはフラグメント、または完全なH鎖中のそのフラグメントに対応するドメインを意味する。
【0022】
本発明のTM構成部分は、本発明の結合体の標的細胞上の結合部位への結合を担う。したがって、TM構成部分は、単に、選択された標的細胞に対して本発明の結合体が結合するリガンドである。
【0023】
本発明においては、標的細胞は、任意の標的細胞であり得る。但し、標的細胞は、一次感覚求心性神経のような侵害受容感覚求心性神経ではない。したがって、TMは、非神経細胞および/または神経細胞に結合し得る。
【0024】
TMが所与の標的細胞に結合することを確認することは通常の技術によってなされる。例えば、標的細胞の代表となる組織または細胞が、過剰な非標識リガンドの存在下で標識(例えば、トリチウム化)リガンドに曝露される簡単な放射能置換実験が、用いられ得る。このような実験において、非特異的結合および特異的結合の相対的割合を求め、それにより、リガンドが標的細胞に結合することの確認が可能になり得る。必要に応じて、アッセイは、1つ以上の結合アンタゴニストを含み得、そしてこのアッセイは、リガンド結合の喪失を観察する工程をさらに含み得る。このタイプの実験の例は、Hulme, E.C. (1990), Receptor-binding studies, 概要, 303〜311頁, Receptor biochemistry, A Practical Approach, E.C. Hulme編, Oxford University Pressに見出され得る。
【0025】
本発明の融合タンパク質は、概して、対応する「フリー」なTMと比較した場合、標的細胞に対して(100倍までの範囲で)低下した結合親和性を示している。しかし、この観察にも関わらず、本発明の融合タンパク質は、驚くべきことに、良好な効力を示している。これは、2つの主要な特徴に帰するものであり得る。第一に、非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分は、触媒性である。したがって、少数のこのような分子の治療効果が迅速に増幅される。第二に、標的細胞上に存在するレセプターは、治療剤の侵入のための出入口としてのみ作用する必要があり、必ずしもリガンド−レセプター媒介薬理学的応答を達成するために必要とされるレベルまで刺激される必要はない。したがって、本発明の融合タンパク質は、他のタイプの治療分子について用いられるよりも低い投薬量で投与され得る。他のタイプの治療分子は、代表的には、高マイクログラムからミリグラム(数百ミリグラムまででさえある)量で投与される。これに対して、本発明の融合タンパク質は、ずっとより低い投薬量(代表的には少なくとも10倍低く、そしてより代表的には100倍低い)で投与され得る。
【0026】
TMは、好ましくは最大で50アミノ酸残基、より好ましくは最大で40アミノ酸残基、特に好ましくは最大で30アミノ酸残基、そして最も好ましくは最大で20アミノ酸残基を含む。
【0027】
プロテイナーゼ活性化レセプターリガンドは、本発明のTMの好ましい群を代表する(特にPAR1)。PARは、7回膜貫通レセプターGタンパク質結合レセプターの独自のサブタイプを表す。それらはタンパク質分解により改変されて新たな細胞外N末端を露出し、このN末端が、固定された活性化リガンドとして作用する。それらの同族レセプターを活性化するPAR1アゴニスト(例えば、TFLLR)が、同定されている。
【0028】
副甲状腺ホルモン(PTH)もまた、本発明の好ましいTMを代表する。PTHは、副甲状腺によって放出され、そしてPTH−1レセプターに結合する。このレセプターは、広範な分布を有するが、特にPTH標的組織、主として腎臓および骨で豊富である。
【0029】
したがって、本発明の最も好ましいTMは、以下である:
【0030】
【数1】

【0031】
本発明の1つの実施態様によれば、TMは、粘液分泌細胞、または粘液分泌を制御または指揮する神経細胞に結合する。より具体的には、TMは、(a)ムチンを分泌する細胞(例えば、上皮杯状細胞および粘膜下腺粘液分泌細胞)、(b)粘液の水性成分を分泌する細胞(例えば、クララ細胞および漿液細胞)、または(c)粘液分泌を制御または指揮する細胞(例えば、「感覚遠心性」C線維、またはNANC神経系線維)に結合する。これに関して、特に、以下のTMについて述べられる:VIP;βアデレノレセプターアゴニスト;ガストリン放出ペプチド;およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド。したがって、この実施態様によれば、該結合体は、粘液過分泌、喘息、および/または慢性閉塞性肺疾患の治療において、治療的適用を有する。
【0032】
別の実施態様では、TMは、内分泌細胞に結合する。ここでは、特に、甲状腺刺激ホルモン(TSH);インスリン;インスリン様成長因子;TSH放出ホルモン(プロチレリン);FSH/LH放出ホルモン(ゴナドレリン);コルチコトロピン放出ホルモン(CRH);およびACTHについて述べられる。したがって、この実施態様によれば、該結合体は、内分泌新形成(MENを含む);甲状腺中毒症、および甲状腺からの過分泌に依存する他の疾患;末端巨大症、高プロラクチン血症、クッシング病、および下垂体前葉過分泌に依存する他の疾患;アンドロゲン過多症、慢性無排卵症、および多嚢胞卵巣症候群に伴う他の疾患の治療において、治療的適用を有する。
【0033】
別の実施態様では、TMは、炎症細胞に結合する。ここでは、特に、(i)肥満細胞のリガンド(例えば、Fc IgEのC4ドメイン);(ii)好酸球のリガンド(例えば、C3a/C4a−R補体レセプターに対するリガンド、CR4補体レセプターに対して反応性である抗原);(iii)マクロファージおよび単球のリガンド(例えば、マクロファージ刺激因子)、(iv)好中球のリガンド(例えば、iC3b補体レセプターまたはIL8と会合する抗原)について述べられる。したがって、この実施態様によれば、該結合体は、アレルギー(季節性アレルギー鼻炎(花粉症)、アレルギー結膜炎、血管運動性鼻炎、および食物アレルギー)、好酸球増加症、喘息、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、痔核、そう痒症、糸球体腎炎、肝炎、膵炎、胃炎、血管炎、心筋炎、乾癬、湿疹、慢性放射線誘発線維症、肺瘢痕形成および他の線維性障害の治療について、治療的適用を有する。
【0034】
別の実施態様では、TMは、外分泌細胞に結合する。ここでは、特に、下垂体アデニルシクラーゼ活性化ペプチド(PACAP−38)について述べられる。したがって、この実施態様によれば、該結合体は、消化管に位置する(特に大腸に位置する)粘液分泌細胞からの粘液過分泌の治療について、治療的適用を有する。
【0035】
さらなる実施態様では、TMは、免疫細胞に結合する。ここでは、以下のリガンド:エプスタインバールウイルスフラグメント/表面特徴について述べられる。したがって、この実施態様によれば、該結合体は、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、臓器移植、組織移植、体液移植、グレーヴス病、甲状腺中毒症、自己免疫糖尿病、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、好中球減少症、慢性自己免疫肝炎、自己免疫胃炎、悪性貧血、橋本甲状腺炎、アディソン病、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変症、多発性筋炎、強皮症、全身性硬化症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋炎、リウマチ性心臓炎、糸球体腎炎(グッドパスチャー型)、ブドウ膜炎、睾丸炎、潰瘍性大腸炎、血管炎、萎縮性胃炎、悪性貧血、1型糖尿病の治療について、治療的適用を有する。
【0036】
さらなる実施態様では、TMは、心血管細胞に結合する。ここでは、トロンビンおよびTRAP(トロンビンレセプターアゴニストペプチド)、および心血管内皮細胞に結合するリガンド(例えば、GP1b表面抗原認識抗体)について述べられる。したがって、この実施態様によれば、該結合体は、心血管状態および/または高血圧の治療について、治療的適用を有する。
【0037】
さらなる実施態様では、TMは、骨細胞に結合する。ここでは、骨化石症および骨粗鬆症から選択される疾患の治療のために骨芽細胞に結合するリガンド(カルシトニンを含む)、および破骨細胞に結合するリガンド(破骨細胞分化因子(例えば、TRANCE、またはRANKLまたはOPGL)を含む)について述べられる。したがって、この実施態様によれば、該結合体は、骨状態の治療について、治療的適用を有する。
【0038】
直鎖状および環状のインテグリン結合配列は、本発明のTMの好ましい群である。多くのインテグリンは、Arg−Gly−Asp(RGD)の三アミノ酸ペプチド配列を認識する(Ruoslahti, 1996)。RGDモチーフは、100以上のタンパク質(フィブロネクチン、テネイシン、フィブリノーゲン、およびビトロネクチンを含む)で見出されている。RGD−インテグリン相互作用は、コクサッキーウイルス(Roivaninenら, 1991)およびアデノウイルス(Mathiasら, 1994)を含む多くの病原体による細胞侵入の保存機構として利用されている。この直鎖状および環状のペプチド配列(それぞれ、PLAEIDGIELおよびCPLAEIDGIELC)は、αβインテグリンを発現している細胞においてDNAを結合して内在化させることが示されている(Schneiderら, 1999)。
【0039】
本発明の他のTMには、ファージディスプレイ技術によって発見されたもの、特に、ヒト気道上皮細胞をターゲティングしてこれに内在化されるもの、が含まれる。これらには、直鎖状および環状のTHALWHT(Jostら, 2001);LEBP−1(QPFMQCLCLIYDASC)、LEBP−2(RNVPPIFNDVYWIAF)およびLEBP−3(VFRVRPWYQSTSQS)(Wuら, 2003);CDSAFVTVDWGRSMSLC(Floreaら, 2003);SERSMNF、YGLPHKF、PSGAARA、LPHKSMP、LQHKSMP(Writerら, 2004);FSLSKPP、HSMQLSTおよびSTQAMFQペプチド(Rahimら, 2003)が含まれる。
【0040】
本発明のプロテアーゼ切断部位は、非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分とTM構成部分との間の位置での融合タンパク質の切断(好ましくは制御された切断)を可能にする。この切断反応は、融合タンパク質を単鎖ポリペプチドからジスルフィド結合で連結された二本鎖ポリペプチドに変換するものである。
【0041】
本発明の好ましい実施態様によれば、TMは、TMのC末端から離れて位置しているドメインまたはアミノ酸配列を介して結合する。例えば、関連結合ドメインとしては、TMの内部ドメインまたは中間部の方に位置している(すなわち、直鎖状ペプチド配列の)アミノ酸配列が挙げられ得る。好ましくは、関連結合ドメインは、TMのN末端の方に、より好ましくは、N末端にまたはその付近に、位置している。
【0042】
1つの実施態様では、単鎖ポリペプチド融合物は、1つより多くのタンパク質分解切断部位を含み得る。しかし、2つ以上のこのような部位が存在する場合、それらは、別のものであり、それにより、単一のプロテアーゼの存在下で複数の切断事象が生じることが実質的に防止される。別の実施態様では、単鎖ポリペプチド融合物は、単一のプロテアーゼ切断部位を有することが好ましい。
【0043】
プロテアーゼ切断配列は、従来の手段(例えば、部位特異的変異誘発)によってDNAレベルで導入(および/または任意の固有切断配列が除去)され得る。切断配列の存在を確認するためのスクリーニングは、手動またはコンピューターソフトウェア(例えば、DNASTAR, Inc.によるMapDrawプログラム)の補助のもとに実施され得る。
【0044】
任意のプロテアーゼ切断部位が用いられ得るが、以下が好ましい:
エンテロキナーゼ(DDDDK↓)
第Xa因子(IEGR↓/IDGR↓)
TEV(タバコエッチウイルス)(ENLYFQ↓G)
トロンビン(LVPR↓GS)
PreScission(LEVLFQ↓GP)。
【0045】
用語「プロテアーゼ切断部位」には、インテイン(これは自己切断性配列である)も包含される。自己スプライシング反応は、例えば、存在する還元剤の濃度を変更することによって、制御可能である。
【0046】
使用に際して、プロテアーゼ切断部位は切断されて、TMのN末端側領域(好ましくはN末端)が露出されるようになる。生じたポリペプチドは、結合体の残りの部分から実質的にフリーであるN末端側ドメインまたは内部ドメインを伴うTMを有する。この配置によって、TMのN末端側構成部分(または内部ドメイン)が、標的細胞上の結合部位と直接的に相互作用し得ることが確実となる。
【0047】
好ましい実施態様では、TMとプロテアーゼ切断部位とは、融合タンパク質中で、多くとも10アミノ酸残基、より好ましくは多くとも5アミノ酸残基、そして最も好ましくは0アミノ酸残基離れて位置している。したがって、プロテアーゼ切断部位の切断によって、結合体は、結合体の残りの部分から実質的にフリーであるN末端側ドメインを有するTMを提供する。この配置によって、ターゲティング部分のN末端側構成部分が、標的細胞上の結合部位と直接的に相互作用し得ることが確実となる。
【0048】
上記活性化工程に伴う1つの利点は、一旦融合タンパク質のタンパク質分解による切断が生じた場合にTMのみがN末端分解を受けるようになることである。さらに、特定プロテアーゼ切断部位の選択によって、二本鎖構造となるようにポリペプチド融合物の選択的活性化を可能にする。
【0049】
本発明の単鎖ポリペプチド融合物の構築は、TMと非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分との間にプロテアーゼ切断部位を配置する。
【0050】
単鎖融合物において、TMが、プロテアーゼ切断部位とトランスロケーション構成部分との間に位置していることが好ましい。これにより、TMが、トランスロケーションドメインに付着されることが確実となる(すなわち、天然型クロストリジウムホロ毒素で生じるように)が、本発明の場合、これらの2つの構成部分の順序が天然型ホロ毒素に対して逆である。この配置に伴うさらなる利点は、TMが、融合タンパク質の露出されたループ領域内に位置していることである。これは、融合タンパク質の構造に対して構成による影響を最小限とする。これに関して、該ループは、リンカー、活性化ループ、ドメイン間リンカー、または単に表面露出ループと種々に呼ばれる(Schiavoら, 2000, Phys. Rev., 80, 717-766;Turtonら, 2002, Trends Biochem. Sci., 27, 552-558)。
【0051】
1つの実施態様では、単鎖ポリペプチドにおいて、非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分とトランスロケーション構成部分とが、ジスルフィド結合によって一緒に連結されている。したがって、プロテアーゼ切断部位の切断によって、ポリペプチドは、二本鎖構造をとる。ここでは、プロテアーゼ構成部分とトランスロケーション構成部分とが、ジスルフィド結合によって一緒に連結されたままである。この目的のために、プロテアーゼ構成部分とトランスロケーション構成部分とは、単鎖融合タンパク質において、最大で100アミノ酸残基、より好ましくは最大で80アミノ酸残基、特に好ましくは最大で60アミノ酸残基、そして最も好ましくは最大で50アミノ酸残基、互いに離れて位置していることが好ましい。
【0052】
1つの実施態様では、非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分は、融合タンパク質のトランスロケーション構成部分とジスルフィド結合を形成する。例えば、ジスルフィド結合を形成するプロテアーゼ構成部分のアミノ酸残基は、プロテアーゼ構成部分の最後の20アミノ酸、好ましくは最後の10アミノ酸のC末端側アミノ酸残基内に位置している。同様に、ジスルフィド結合の第二部分を形成するトランスロケーション構成部分内のアミノ酸残基は、トランスロケーション構成部分の最初の20アミノ酸、好ましくは最初の10アミノ酸のN末端側アミノ酸残基内に位置し得る。
【0053】
あるいは、単鎖ポリペプチドにおいて、非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分とTMとが、ジスルフィド結合によって一緒に連結され得る。これに関して、ジスルフィド結合を形成するTMのアミノ酸残基は、好ましくは、TMのN末端から離れて、より好ましくは、TMのC末端の方に、位置している。
【0054】
1つの実施態様では、非細胞傷害性プロテアーゼ構成部分は、融合タンパク質のTM構成部分とジスルフィド結合を形成する。これに関して、ジスルフィド結合を形成するプロテアーゼ構成部分のアミノ酸残基は、好ましくは、プロテアーゼ構成部分の最後の20アミノ酸、より好ましくは最後の10アミノ酸のC末端側アミノ酸残基内に位置している。同様に、ジスルフィド結合の第二部分を形成するTM構成部分内のアミノ酸残基は、好ましくは、TMの最後の20アミノ酸、より好ましくは最後の10アミノ酸のC末端側アミノ酸残基内に位置している。
【0055】
上記ジスルフィド結合配置は、プロテアーゼ構成部分およびトランスロケーション構成部分が、天然型クロストリジウム神経毒素に類似する様式で配置されるという利点を有する。比較のために、天然型クロストリジウム神経毒素の一次アミノ酸配列に関して、それぞれのシステインアミノ酸残基は、8〜27アミノ酸残基離れて位置している−Popoff, MRおよびMarvaud, J-C, 1999, Structural & genomic features of clostridial neurotoxins, 第9章, The Comprehensive Sourcebook of Bacterial Protein Toxins. AloufおよびFreer編より抜粋。
【0056】
【数2】

【0057】
融合タンパク質は、1つ以上の精製タグを含み得る。これらの精製タグは、プロテアーゼ構成部分に対してN末端側および/またはトランスロケーション構成部分に対してC末端側に位置している。
【0058】
任意の精製タグが用いられ得るが、以下が好ましい:
His−タグ(例えば、6×ヒスチジン)、好ましくはC末端タグおよび/またはN末端タグとして
MBP−タグ(マルトース結合タンパク質)、好ましくはN末端タグとして
GST−タグ(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、好ましくはN末端タグとして
His−MBP−タグ、好ましくはN末端タグとして
GST−MBP−タグ、好ましくはN末端タグとして
チオレドキシンタグ、好ましくはN末端タグとして
CBD−タグ(キチン結合ドメイン)、好ましくはN末端タグとして。
【0059】
本発明のさらなる実施態様によれば、融合タンパク質中に、1つ以上のペプチドスペーサー分子が含まれ得る。例えば、精製タグと融合タンパク質分子の残りとの間(例えば、N末端精製タグと本発明のプロテアーゼ構成部分との間;および/またはC末端精製タグと本発明のトランスロケーション構成部分との間)に、ペプチドスペーサーが用いられ得る。本発明のTM構成部分とトランスロケーション構成部分との間にも、ペプチドスペーサーは用いられ得る。
【0060】
本発明の第二の局面によれば、上記単鎖ポリペプチドをコードするDNA配列が提供される。
【0061】
本発明の好ましい局面では、このDNA配列は、DNAベクターの一部として調製される。このベクターは、プロモーターおよびターミネーターを含む。
【0062】
種々の異なるスペーサー分子が、本発明の融合タンパク質のいずれかに用いられ得る。このようなスペーサー分子の例としては、GS15、GS20、GS25、およびHx27が挙げられる。
【0063】
予想外に、本発明者らは、スペーサーの大きさが、(使用に際して)TMのC末端とトランスロケーション構成部分のN末端とが互いに40〜105オングストローム、好ましくは50〜100オングストローム、そしてより好ましくは50〜90オングストローム離れているように選択される場合、本発明の融合タンパク質が、標的細胞に対する結合活性の改善を示し得ることを見出した。別の実施態様では、好ましいスペーサーは、11〜29アミノ酸残基、好ましくは15〜27アミノ酸残基、そしてより好ましくは20〜27アミノ酸残基のアミノ酸配列を有する。適切なスペーサーは、Crasto, C.J.およびFeng, J.A. (2000) 5月; 13(5);309-312頁(http://www.fccc./edu/research/labs/feng/limker.html.もまた参照のこと)に従って、通常通りに同定および入手され得る。
【0064】
好ましい実施態様では、ベクターは、以下から選択されるプロモーターを有する:
【0065】
【数3】

【0066】
本発明のDNA構築物は、好ましくは、コンピュータ上で設計され、次いで従来のDNA合成技術によって合成される。
【0067】
上記DNA配列情報は、必要に応じて、用いられる最終宿主細胞(例えば、大腸菌)発現系に従ったコドン偏位のために改変される。
【0068】
DNAバックボーンは、好ましくは、任意の固有核酸配列についてスクリーニングされる。この固有核酸配列は、転写および翻訳されたときに、第二のペプチドコード配列によってコードされるプロテアーゼ切断部位に相当するアミノ酸配列を生じ得る。このスクリーニングは、手動またはコンピューターソフトウェア(例えば、DNASTAR, Inc.によるMapDrawプログラム)の補助のもとで実施され得る。
【0069】
本発明のさらなる実施態様によれば、非細胞傷害性薬剤を調製する方法が提供され、この方法は、以下の工程を含む:
a.本発明の単鎖ポリペプチド融合タンパク質と、プロテアーゼ切断部位を切断し得るプロテアーゼとを接触させる工程;
b.プロテアーゼ切断部位を切断し、そしてそれにより二本鎖融合タンパク質を形成する工程。
【0070】
この局面は、二本鎖ポリペプチドを提供し、これは、概して、クロストリジウムホロ毒素の構造を模倣している。より詳細には、得られた二本鎖ポリペプチドは、代表的には、以下のような構造を有する:
a.第一鎖は、非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントを含み、このプロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメントは、標的細胞のエキソサイトーシス融合器官のタンパク質を切断し得る;
b.第二鎖は、TMおよびトランスロケーションドメインを含み、トランスロケーションドメインは、エンドソームの内部から該エンドソームの膜を横断して該標的細胞のサイトゾルへと、該プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメントをトランスロケートさせ得る;そして
第一鎖および第二鎖は、一緒にジスルフィド結合で連結されている。
【0071】
本発明のさらなる局面によれば、以下からなる群から選択される医学的状態の治療、予防、または緩和用の医薬品の製造のための、本発明の単鎖または二本鎖のポリペプチドの使用が提供される:粘液過分泌、喘息および/または慢性閉塞性肺疾患、MENを含む内分泌新形成、甲状腺中毒症、および甲状腺からの過分泌に依存する他の疾患;末端巨大症、高プロラクチン血症、クッシング病、および下垂体前葉過分泌に依存する他の疾患;アンドロゲン過多症、慢性無排卵症、および多嚢胞卵巣症候群に伴う他の疾患、アレルギー(季節性アレルギー鼻炎(花粉症)、アレルギー結膜炎、血管運動性鼻炎、および食物アレルギー)、好酸球増加症、喘息、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、痔核、そう痒症、糸球体腎炎、肝炎、膵炎、胃炎、血管炎、心筋炎、乾癬、湿疹、慢性放射線誘発線維症、肺瘢痕形成および他の線維性障害、消化管に位置する(特に大腸に位置する)粘液分泌細胞からの粘液過分泌、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、臓器移植、組織移植、体液移植、グレーヴス病、甲状腺中毒症、自己免疫糖尿病、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、好中球減少症、慢性自己免疫肝炎、自己免疫胃炎、悪性貧血、橋本甲状腺炎、アディソン病、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変症、多発性筋炎、強皮症、全身性硬化症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋炎、リウマチ性心臓炎、糸球体腎炎(グッドパスチャー型)、ブドウ膜炎、睾丸炎、潰瘍性大腸炎、血管炎、萎縮性胃炎、悪性貧血、1型糖尿病、心血管状態および/または高血圧、および骨化石症および骨粗鬆症のような骨状態。
【0072】
関連した局面によれば、患者の医学的状態または医学的疾患を治療、予防、または緩和する方法が提供され、該方法は、本発明の単鎖または二本鎖のポリペプチドの治療有効量を該患者に投与する工程を含み、該医学的状態または医学的疾患は、以下からなる群から選択される:粘液過分泌、喘息および/または慢性閉塞性肺疾患、MENを含む内分泌新形成、甲状腺中毒症、および甲状腺からの過分泌に依存する他の疾患;末端巨大症、高プロラクチン血症、クッシング病、および下垂体前葉過分泌に依存する他の疾患;アンドロゲン過多症、慢性無排卵症、および多嚢胞卵巣症候群に伴う他の疾患、アレルギー(季節性アレルギー鼻炎(花粉症)、アレルギー結膜炎、血管運動性鼻炎、および食物アレルギー)、好酸球増加症、喘息、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、痔核、そう痒症、糸球体腎炎、肝炎、膵炎、胃炎、血管炎、心筋炎、乾癬、湿疹、慢性放射線誘発線維症、肺瘢痕形成および他の線維性障害、消化管に位置する(特に大腸に位置する)粘液分泌細胞からの粘液過分泌、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、臓器移植、組織移植、体液移植、グレーヴス病、甲状腺中毒症、自己免疫糖尿病、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、好中球減少症、慢性自己免疫肝炎、自己免疫胃炎、悪性貧血、橋本甲状腺炎、アディソン病、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変症、多発性筋炎、強皮症、全身性硬化症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋炎、リウマチ性心臓炎、糸球体腎炎(グッドパスチャー型)、ブドウ膜炎、睾丸炎、潰瘍性大腸炎、血管炎、萎縮性胃炎、悪性貧血、1型糖尿病、心血管状態および/または高血圧、および骨化石症および骨粗鬆症のような骨状態。
【0073】
使用に際して、本発明のポリペプチドは、代表的には、薬学的キャリア、希釈剤および/または賦形剤と共に、薬学的組成物の形態で用いられる。組成物の的確な形態は、投与様式に合わせられ得る。投与は、好ましくは哺乳動物に、より好ましくはヒトに対してである。
【0074】
ポリペプチドは、例えば、吸入用にエアロゾルまたは噴霧液の形態で、あるいは非経口投与、関節内投与、または頭蓋内投与用に滅菌溶液の形態で用いられ得る。
【0075】
内分泌を標的として治療するためには、静脈内(i.v.)注射、腺への直接注射、または肺送達のためのエアロゾル投与が好ましい;炎症性細胞を標的として治療するためには、静脈内注射、皮下注射、または表面パッチ投与または肺送達のためのエアロゾル投与が好ましい;外分泌を標的として治療するためには、静脈内注射、腺への直接注射もしくは直接投与、または肺送達のためのエアロゾル投与が好ましい;免疫学的標的の治療のためには、静脈内注射、または特定の組織(例えば、胸腺、骨髄、もしくはリンパ組織)への注射が好ましい;心血管を標的とした治療のためには、静脈内注射が好ましい;そして骨を標的とした治療のためには、静脈内注射または直接注射が好ましい。静脈内注射の場合、これはまた、ポンプシステムの使用も含むべきである。ニューロンを標的として治療するための組成物の場合、脊髄注射(例えば、硬膜外注射もしくは髄腔内注射)または留置ポンプが使用され得る。
【0076】
本発明のポリペプチドの投与のための投薬量範囲は、所望の治療効果を生じる投薬量範囲である。必要投薬量範囲は、構成部分の正確な性質、投与経路、処方の性質、患者の年齢、患者の状態の性質、程度、もしくは重篤度、禁忌(ある場合)、および主治医の判断に依存することが理解される。
【0077】
適切な一日投薬量は、0.0001〜1mg/kg、好ましくは0.0001〜0.5mg/kg、より好ましくは0.002〜0.5mg/kg、および特に好ましくは0.004〜0.5mg/kgの範囲内である。単位投薬量は、1μg未満から30mgまでの間で変動し得るが、代表的には一投与あたり0.01〜1mgの範囲内であり、これは、毎日、または好ましくは頻度を下げて(例えば、毎週または半年毎に)投与され得る。
【0078】
特に好ましい投薬レジメは、患者体重kg当たり1×の用量として2.5ngの融合タンパク質に基づく。これに関して、好ましい投薬量は、1×〜100×(すなわち、2.5〜250ng)の範囲内である。この投薬量範囲は、他のタイプの治療分子で用いられるよりも有意に低い(すなわち、少なくとも10倍、代表的には100倍低い)。さらに、上記差異は、モル基準で同じ比較がなされる場合に有意に拡大される。これは、本発明の融合タンパク質が、従来の「小さな」分子治療剤よりも相当に大きな分子量を有するからである。
【0079】
しかしながら、必要投薬量に広範な変動があることは、構成部分の正確な性質および種々の投与経路の異なる効率に依存して予想されることである。例えば、経口投与は、静脈内注射による投与よりも高い投薬量が必要であることが予想される。
【0080】
これらの投薬量レベルの変動は、当該分野で周知であるように、最適化のために標準的な経験的作業を用いて調整され得る。
【0081】
注射に適した組成物は、溶液、懸濁液、もしくは乳濁液、または使用前に適切なビヒクル中に溶解もしくは懸濁される乾燥粉末の形態であり得る。
【0082】
液状単位投薬剤形は、代表的には、発熱性物質除去滅菌ビヒクルを利用して調製される。活性成分は、使用するビヒクルおよび濃度に依存して、そのビヒクル中に溶解または懸濁され得る。
【0083】
溶液は、非経口投与の全ての剤形に使用され得、特に静脈内注射に使用される。溶液を調製する際、構成部分はビヒクル中に溶解され得、溶液は、必要に応じて塩化ナトリウムの添加により等張にされる。そして無菌技術を用いて滅菌フィルタを通して濾過することにより滅菌され、次いで適切な滅菌バイアルまたはアンプル中に充填し、密封され得る。あるいは、溶液安定性が十分である場合、その密封容器中の溶液は、オートクレーブによって滅菌され得る。
【0084】
好都合には、添加剤(例えば、緩衝化剤、可溶化剤、安定化剤、保存剤もしくは殺菌剤、懸濁化剤もしくは乳化剤、および/または局所麻酔剤)がビヒクル中に溶解され得る。
【0085】
使用前に適切なビヒクル中に溶解または懸濁される乾燥粉末は、滅菌区域で無菌技術を用いて、予め滅菌しておいた薬物および他の成分を滅菌容器中に充填することにより調製され得る。
【0086】
あるいは、構成部分(すなわち、薬剤およびインヒビター)および他の成分が水性ビヒクル中に溶解され得、この溶液は、濾過により滅菌され、そして滅菌区域で無菌技術を用いて適切な容器中に分配される。製品は、次いで凍結乾燥され、そして容器は、無菌下で密封される。
【0087】
筋内注射、皮下注射、または皮内注射に適切な非経口投与用懸濁液は、滅菌構成部分を溶解する代わりに滅菌ビヒクル中に懸濁しそして滅菌が濾過によって達成できないことを除いて、実質的に同様にして調製される。構成部分は、滅菌状態で単離され得るか、あるいは単離後に(例えば、ガンマ照射によって)滅菌され得る。
【0088】
好都合には、懸濁化剤(例えば、ポリビニルピロリドン)が、構成部分の均一な分布を促進するために、組成物中に含まれる。
【0089】
気道を介する投与に適した組成物としては、エアロゾル、噴霧液、または吸入用微細粉末が挙げられる。粉末の場合、粒径は、50ミクロン未満、特に10ミクロン未満が好ましい。このような組成物は、従来の様式で作製され、そして従来の投与デバイスと併用して用いられ得る。
【0090】
(定義の節)
ターゲティング部分(TM)は、薬剤と標的細胞の表面との間に物理的会合を引き起こすように、結合部位と機能的に相互作用する薬剤と会合する任意の化学的構造を意味する。本発明においては、標的細胞は、侵害受容感覚求心性神経以外の任意の細胞である。TMとの用語は、結合部位が内在化(例えば、エンドソーム形成)−レセプター媒介エンドサイトーシスとも呼ばれる−を行い得る、標的細胞上の結合部位に結合し得る任意の分子(すなわち、天然に存在する分子またはそれらの化学的/物理的に改変された改変体)を含む。TMは、エンドソーム膜トランスロケーション機能を保有し得、この場合、本発明の薬剤に、TM構成部分とトランスロケーションドメイン構成部分とが別々に存在する必要はない。
【0091】
本発明のTMは、標的細胞に結合(好ましくは特異的に結合)する。
【0092】
用語「非細胞傷害性」は、問題のプロテアーゼ分子が、それがリターゲティングされた標的細胞を殺傷しないことを意味する。
【0093】
本発明のプロテアーゼは、真核生物細胞においてエキソサイトーシス融合器官の1つ以上のタンパク質を切断し得る、全ての天然に存在する非細胞傷害性プロテアーゼを含む。
【0094】
本発明のプロテアーゼは、好ましくは、細菌プロテアーゼ(またはそのフラグメント)である。より好ましくは、細菌プロテアーゼは、クロストリジウム属またはナイセリア属から選択される(例えば、クロストリジウムL鎖、またはナイセリアIgAプロテアーゼ(好ましくは、N. gonorrhoeae由来))。
【0095】
本発明はまた、改変非細胞傷害性プロテアーゼを含み、この改変プロテアーゼは、上記プロテアーゼ活性をなお示す限り、天然に存在しないアミノ酸配列および/または合成アミノ酸残基を含む。
【0096】
本発明のプロテアーゼは、好ましくは、セリンまたはメタロプロテアーゼ活性(例えば、エンドペプチダーゼ活性)を示す。プロテアーゼは、好ましくは、SNAREタンパク質(例えば、SNAP−25、シナプトブレビン/VAMP、またはシンタキシン)に特異的である。
【0097】
特に、神経毒素のプロテアーゼドメイン(例えば、細菌神経毒素のプロテアーゼドメイン)について述べられる。したがって、本発明は、天然に存在する神経毒素ドメインの使用、ならびに該天然に存在する神経毒素の組換え調製型を包含する。
【0098】
例示の神経毒素は、クロストリジウム属によって生成される。そして用語「クロストリジウム神経毒素」は、C. tetaniによって生成される神経毒素(TeNT)およびC. botulinumによって生成される神経毒素(BoNT)血清型A〜G、ならびにC. baratiiおよびC. butyricumにより生成される密に関連したBoNT様神経毒素を含む。上記の略語は、本明細書中を通じて使用する。例えば、BoNT/Aとの名称は、神経毒素の供給源がBoNT(血清型A)であることを示す。他のBoNT血清型に対しても、対応する名称が適用される。
【0099】
用語「L鎖フラグメント」は、神経毒素のL鎖の一構成部分を意味し、このフラグメントは、メタロプロテアーゼ活性を示し、そして細胞エキソサイトーシスに関与する小胞および/または原形質膜に会合したタンパク質をタンパク質分解により切断し得る。
【0100】
トランスロケーションドメインは、プロテアーゼ活性の機能的発現が標的細胞のサイトゾル内で生じるように、標的細胞へのプロテアーゼ(またはそのフラグメント)のトランスロケーションを可能にする分子である。どの分子(例えば、タンパク質またはペプチド)が保有するのであっても、本発明の必要なトランスロケーション機能は、多数の従来アッセイの任意の1つによって確認され得る。
【0101】
例えば、Shone C.(1987)は、試験分子でチャレンジされるリポソームを用いるインビトロアッセイを記載している。必要なトランスロケーション機能の存在は、Kおよび/または標識NADのリポソームからの放出によって確認され、これは容易にモニタリングされ得る[Shone C. (1987) Eur. J. Biochem., 167(1)巻, 175-180頁を参照のこと]。
【0102】
さらなる例は、Blaustein R.(1987)によって提供される。これは、平面リン脂質二層膜を用いる単純なインビトロアッセイを記載している。この膜を試験分子でチャレンジし、そして必要なトランスロケーション機能は、該膜を横断する伝導の増大によって確認される[Blaustein (1987) FEBS Letts., 226巻, 1号, 115-120頁を参照のこと]。
【0103】
膜融合の評価、およびしたがって、本発明での使用に適したトランスロケーションドメインの同定を可能にするさらなる方法は、Methods in Enzymology 220巻および221巻, Membrane Fusion Techniques, A部およびB部, Academic Press 1993によって提供される。
【0104】
トランスロケーションドメインは、好ましくは、低pH条件下で脂質膜中にイオン透過孔を形成し得る。好ましくは、エンドソーム膜内の孔形成が可能なタンパク質分子の部分のみを使用することが見出されている。
【0105】
トランスロケーションドメインは、微生物タンパク質供給源(特に、細菌またはウイルスタンパク質供給源)から得られ得る。したがって、1つの実施態様では、トランスロケーションドメインは、細菌毒素またはウイルスタンパク質のような酵素のトランスロケーションドメインである。
【0106】
細菌毒素分子のある種のドメインがこのような孔を形成し得ることは、十分に書き記されている。また、ウイルス発現膜融合タンパク質のある種のトランスロケーションドメインがこのような孔を形成し得ることも公知である。このようなドメインは、本発明において用いられ得る。
【0107】
トランスロケーションドメインは、クロストリジウム属起源であり得、すなわち、Hドメイン(またはその機能的構成部分)であり得る。Hは、H鎖のアミノ末端側半分にほぼ等価なクロストリジウム神経毒素のH鎖の一部またはフラグメント、または完全なH鎖中のそのフラグメントに対応するドメインを意味する。H鎖が、H鎖のH構成部分の天然の結合機能を実質的に欠損していることが好ましい。これに関して、H機能は、(ヌクレアーゼまたはプロテアーゼ処理によってDNA合成レベルまたは合成後レベルのいずれかの)Hアミノ酸配列の欠失によって除去され得る。あるいは、H機能は、化学的処理または生物学的処理によって不活性化され得る。したがって、H鎖は、好ましくは、天然型クロストリジウム神経毒素(すなわち、ホロ毒素)が結合する標的細胞上の結合部位に結合し得ない。
【0108】
1つの実施態様では、トランスロケーションドメインは、クロストリジウム神経毒素のHドメイン(またはそのフラグメント)である。適切なクロストリジウムトランスロケーションドメインの例は、以下を含む:
ボツリヌス菌A型神経毒素−アミノ酸残基(449〜871)
ボツリヌス菌B型神経毒素−アミノ酸残基(441〜858)
ボツリヌス菌C型神経毒素−アミノ酸残基(442〜866)
ボツリヌス菌D型神経毒素−アミノ酸残基(446〜862)
ボツリヌス菌E型神経毒素−アミノ酸残基(423〜845)
ボツリヌス菌F型神経毒素−アミノ酸残基(440〜864)
ボツリヌス菌G型神経毒素−アミノ酸残基(442〜863)
破傷風菌神経毒素−アミノ酸残基(458〜879)。
【0109】
ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)および破傷風菌(C. tetani)における毒素生成の遺伝的基礎に関するさらなる詳細については、Hendersonら (1997) The Clostridia: Molecular Biology and Pathogenesis, Academic pressに参照される。
【0110】
用語「H」は、天然に存在する神経毒素H部、および天然に存在しないアミノ酸配列および/または合成アミノ酸残基を有する改変H部(但し、改変H部が上記トランスロケーション機能をなお示す限り)を含む。
【0111】
あるいは、トランスロケーションドメインは、非クロストリジウム属起源であり得る(表1を参照のこと)。非クロストリジウムトランスロケーションドメイン起源の例は、以下を含むが、これらに限定されない:ジフテリア毒素のトランスロケーションドメイン[O'Keefeら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1992) 89, 6202-6206;Silvermanら, J. Biol. Chem. (1993) 269, 22524-22532;およびLondon, E. (1992) Biochem. Biophys. Acta., 1112, 25-51頁]、シュードモナス外毒素A型のトランスロケーションドメイン[Priorら, Biochemistry (1992) 31, 3555-3559]、炭疽菌毒素のトランスロケーションドメイン[Blankeら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1996)93, 8437-8442]、トランスロケーション機能の種々の融合性または疎水性ペプチド[Plankら, J. Biol. Chem. (1994) 269, 12918-12924;およびWagnerら, (1992) PNAS, 89, 7934-7938頁]、および両親媒性ペプチド[Murataら, (1992) Biochem., 31, 1986-1992頁]。トランスロケーションドメインは、天然に存在するタンパク質に存在するトランスロケーションドメインを反映し得るか、またはその変化がトランスロケーションドメインのトランスロケーション能を破壊しない限り、アミノ酸変化を含み得る。
【0112】
本発明での使用に適したウイルストランスロケーションドメインの具体的な例には、ウイルス発現膜融合タンパク質のある種のトランスロケーションドメインが含まれる。例えば、Wagnerら(1992)およびMurataら(1992)は、インフルエンザウイルスヘマグルチニンのN末端領域に由来する多数の融合性および両親媒性のペプチドのトランスロケーション(すなわち、膜融合および小胞形成)機能を記載している。所望のトランスロケーション活性を有することが公知の他のウイルス発現膜融合タンパク質は、セムリキ森林ウイルス(SFV)の融合性ペプチドのトランスロケーションドメイン、水疱性口内炎ウイルス(VSV)糖タンパク質Gのトランスロケーションドメイン、SERウイルスFタンパク質のトランスロケーションドメインおよび泡沫状ウイルスエンベロープ糖タンパク質のトランスロケーションドメインである。ウイルスがコードする「スパイクタンパク質(Aspike proteins)」は、本発明においては特別な適用を有し、例えば、SFVのE1タンパク質およびVSVのGタンパク質のGタンパク質である。
【0113】
表1に列挙したトランスロケーションドメインの使用は、それらの配列改変体の使用を含む。改変体は、1つ以上の保存的な核酸置換および/または核酸欠失もしくは挿入を含み得る。但し、この改変体は、必要なトランスロケーション機能を保有する。改変体はまた、この改変体が必要なトランスロケーション機能を保有する限り、1つ以上のアミノ酸置換および/またはアミノ酸欠失もしくは挿入を含み得る。
【0114】
【表1】

【0115】
(配列番号)
配列番号1 LC/AのDNA配列
配列番号2 H/AのDNA配列
配列番号3 LC/BのDNA配列
配列番号4 H/BのDNA配列
配列番号5 LC/CのDNA配列
配列番号6 H/CのDNA配列
配列番号7 CP PAR1−BリンカーのDNA配列
配列番号8 CP PTH−CリンカーのDNA配列
配列番号9 CP PAR1−B融合物のDNA配列
配列番号10 CP PAR1−B融合物のタンパク質配列
配列番号11 CP PTH−C融合物のDNA配列
配列番号12 CP PTH−C融合物のタンパク質配列
配列番号13 CP RGD−CリンカーのDNA配列
配列番号14 CP RGD−C融合物のDNA配列
配列番号15 CP RGD−C融合物のタンパク質配列
配列番号16 CP 環状RGD−CリンカーのDNA配列
配列番号17 CP 環状RGD−C融合物のDNA配列
配列番号18 CP 環状RGD−C融合物のタンパク質配列
配列番号19 CP THALWHT−CリンカーのDNA配列
配列番号20 CP THALWHT−C融合物のDNA配列
配列番号21 CP THALWHT−C融合物のタンパク質配列
配列番号22 CP 環状THALWHT−CリンカーのDNA配列
配列番号23 CP 環状THALWHT−C融合物のDNA配列
配列番号24 CP 環状THALWHT−C融合物のタンパク質配列
配列番号25 CP ANP−CリンカーのDNA配列
配列番号26 CP ANP−C融合物のDNA配列
配列番号27 CP ANP−C融合物のタンパク質配列
配列番号28 CP VIP−CリンカーのDNA配列
配列番号29 CP VIP−C融合物のDNA配列
配列番号30 CP VIP−C融合物のタンパク質配列
配列番号31 CP ガストリン放出ペプチド−CリンカーのDNA配列
配列番号32 CP ガストリン放出ペプチド−C融合物のDNA配列
配列番号33 CP ガストリン放出ペプチド−C融合物のタンパク質配列。
【実施例】
【0116】
(実施例1 − LC/BおよびH/Bバックボーンクローンの調製)
以下の手順によって、マルチドメイン融合物発現用の構成部分バックボーンとして使用するためのLCおよびHフラグメントを作製する。本実施例は、血清型Bベースのクローン(配列番号3および配列番号4)の調製に基づいているが、手順および方法は他の血清型にも同等に適用可能である(血清型A(配列番号1および配列番号2)ならびに血清型C(配列番号5および配列番号6)については配列表に図示)。
【0117】
(クローニングベクターおよび発現ベクターの調製)
pCR 4(Invitrogen)は、構築物の確認を容易にするために、ベクター内の制限配列の欠損および隣接する配列決定プライマー部位によって選択した、選り抜きの標準的なクローニングベクターである。この発現ベクターは、pMAL(NEB)発現ベクターに基づいており、これは、構築物の挿入のために正しい方向でマルチプルクローニング部位内に所望の制限配列を有する(BamHI-SalI-PstI-HindIII)。非動員性プラスミドを作製するため、発現ベクターのフラグメントが除去されており、そして精製の選択肢を増大させるため、種々の異なる融合タグが挿入されている。
【0118】
(プロテアーゼ(例えば、LC/B)挿入片の調製)
LC/B(配列番号3)を、二通りの方法の一方によって作製する:
DNA配列を、種々の逆翻訳ソフトウェアツール(例えば、EditSeq best E. coli reverse translation (DNASTAR Inc.)またはBacktranslation tool v2.0 (Entelechon))の1つを用いて、(GenBank(アクセッション番号P10844)またはSwissprot(アクセッション位置BXB_CLOBO)のような自由に利用可能なデータベースソースから得られる)LC/Bアミノ酸配列の逆翻訳によって設計する。BamHI/SalI認識配列を、配列の5’末端および3’末端のそれぞれに組み込み、正しい読み取り枠を維持する。DNA配列を、逆翻訳の間に組み込んだ制限酵素切断配列について(MapDraw, DNASTAR Inc.のようなソフトウェアを用いて)スクリーニングする。クローニング系によって必要とされる配列と共通であることが見出されている切断配列を、提案したコード配列から手動で切り出し、通常の大腸菌コドン利用が維持されるようにする。大腸菌コドン利用を、Graphical Codon Usage Analyser (Geneart)のようなソフトウェアプログラムを参照することによって評価し、そしてGC含量%およびコドン利用比を、公開されているコドン利用表(例えば、GenBank Release 143, 2004年9月13日)を参照することによって評価する。次いで、LC/Bオープンリーディングフレーム(ORF)を含有するこの最適化したDNA配列は商業的に合成され(例えば、Entelechon、GeneartまたはSigma-Genosysによる)、そしてpCR 4ベクター中に提供される。
【0119】
別の方法は、それぞれ5’および3’のPCRプライマーに組み込んだBamHI制限酵素配列およびSalI制限酵素配列を用いる既存DNA配列からのPCR増幅を使用することである。相補的オリゴヌクレオチドプライマーは、製造業者(例えば、MWGまたはSigma-Genosys)によって、各対が、クロストリジウム標的DNAの範囲(ストレッチ)に隣接する向かい合った鎖に対して、これらの2つのDNA鎖の各々に1つのオリゴヌクレオチドを(互いに「向かって」3’末端の向きに)ハイブリダイズする能力を有するように、化学合成される。PCR産物を生成するために、クロストリジウムDNA配列に特異的な短いオリゴヌクレオチドプライマーの対を、クロストリジウムDNA鋳型および他の反応成分と混合し、そして反応チューブのインキュベーション温度を自動変更し得る機器(「PCR機器」)中に配置し、約94℃(変性用)、55℃(オリゴヌクレオチドアニーリング用)、および72℃(合成用)のサイクルにかける。PCR産物の増幅に必要な他の試薬には、DNAポリメラーゼ(例えば、TaqまたはPfuポリメラーゼ)、DNAの4つのヌクレオチドdNTP構築ブロックの等モル量(50〜200μM)の各々、およびMg2+濃度(0.5〜5mM)に最適化した酵素に適した緩衝液が含まれる。
【0120】
増幅産物を、Taq PCR産物に対してTOPO TAクローニングまたはPfu PCR産物に対してZero Blunt TOPOクローニング(両キットともInvitrogenより市販されている)のいずれかを用いて、pCR 4にクローニングする。得られたクローンを配列決定により確認する。次いで、クローニング系と適合可能でない付加制限配列を、部位特異的変異誘発を用いて(例えば、Quickchange(Stratagene Inc.)を用いて)取り除く。
【0121】
(トランスロケーション(例えばH)挿入片の調製)
/B(配列番号4)を、二通りの方法の一方によって作製する:
DNA配列を、種々の逆翻訳ソフトウェアツール(例えば、EditSeq best E. coli reverse translation(DNASTAR Inc.)またはBacktranslation tool v2.0 (Entelechon))の1つを用いて、(GenBank(アクセッション番号P10844)またはSwissprot(アクセッション位置BXB_CLOBO)のような自由に利用可能なデータベースソースから得られる)H/Bアミノ酸配列の逆翻訳によって設計する。N末端にPstI制限配列を、そしてC末端にXbaI−停止コドン−HindIIIを付加し、正しい読み取り枠を維持する。DNA配列を、逆翻訳の間に組み込んだ制限酵素切断配列について(MapDraw, DNASTAR Inc.のようなソフトウェアを用いて)スクリーニングする。クローニング系によって必要とされる配列と共通であることが見出されている配列を、提案したコード配列から手動で切り出し、通常の大腸菌コドン利用が維持されるようにする。大腸菌コドン利用を、Graphical Codon Usage Analyser(Geneart)のようなソフトウェアプログラムを参照することによって評価し、そしてGC含量%およびコドン利用比を、公開されているコドン利用表(例えば、GenBank Release 143, 2004年9月13日)を参照することによって評価する。次いで、この最適化したDNA配列は商業的に合成され(例えば、Entelechon、GeneartまたはSigma-Genosysによる)、そしてpCR 4ベクター中に提供される。
【0122】
別の方法は、それぞれ5’および3’のPCRプライマーに組み込んだPstI制限酵素配列およびXbaI−停止コドン−HindIII制限酵素配列を用いる既存DNA配列からのPCR増幅を使用することである。PCR増幅は、上記のように行う。このPCR産物をpCR 4ベクターに挿入し、そして配列決定によって確認する。次いで、クローニング系と適合可能でない付加制限配列を、部位特異的変異誘発を用いて(例えば、Quickchange(Stratagene Inc.)を用いて)取り除く。
【0123】
(実施例2 − LC/B−PAR1−H/B融合タンパク質の調製)
(リンカー−PAR1−スペーサー挿入片の調製)
LC−Hリンカーを、リンカーについての既存配列情報を鋳型として用いて、第一の原則から設計し得る。例えば、タンパク質分解活性化が生じるLCとHとの間のジスルフィド架橋のシステイン間に存在するドメイン間ポリペプチド領域として定義された血清型Bリンカー。この配列情報は、GenBank(アクセッション番号P10844)またはSwissprot(アクセッション位置BXB_CLOBO)のような利用可能なデータベースソースから自由に入手可能である。このリンカーに、エンテロキナーゼ部位、PAR1およびスペーサーを組み込み、そして種々の逆翻訳ソフトウェアツール(例えば、EditSeq best E. coli reverse translation (DNASTAR Inc.)またはBacktranslation tool v2.0 (Entelechon))の1つを用いて、リンカー−リガンド−スペーサー領域をコードするDNA配列を決定する。次いで、制限部位をこのDNA配列に組み込み、そしてBamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−PAR1−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号7)として配置させ得る。スペーサー、PAR1、および制限配列について正しい読み枠を維持し、そしてDAMメチル化を生じ得るので塩基TCがXbaI配列の前にならないようにすることが重要である。このDNA配列を、組み込まれた制限配列についてスクリーニングし、そしてこの残っている配列から付加配列を手動で切り出し、通常の大腸菌コドン利用が維持されるようにする。大腸菌コドン利用を、Graphical Codon Usage Analyser(Geneart)のようなソフトウェアプログラムを参照することによって評価し、そしてGC含量%およびコドン利用比を、公開されているコドン利用表(例えば、GenBank Release 143, 2004年9月13日)を参照することによって評価する。次いで、この最適化したDNA配列は商業的に合成され(例えば、Entelechon、GeneartまたはSigma-Genosysによる)、そしてpCR 4ベクター中に提供される。
【0124】
(LC/B−PAR1−H/B融合物の調製)
LC−リンカー−PAR1−スペーサー−H構築物(配列番号9)を作製するために、リンカー(配列番号7)をコードするpCR 4ベクターを、BamHIおよびSalI制限酵素で切断する。次いで、この切断したベクターを、BamHIおよびSalIで切断したLC/BのDNA(配列番号3)の挿入および連結用のレシピエントベクターとして使用する。次いで、得られたプラスミドDNAをPstIおよびXbaI制限酵素で切断し、そしてPstIおよびXbaIで切断したH/BのDNA(配列番号4)の挿入および連結用のレシピエントベクターとして使用する。最終構築物は、LC−リンカー−PAR1−スペーサー−H ORF(配列番号9)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号10に示される配列の融合タンパク質が発現される。
【0125】
(実施例3 − LC/C−PTH−H/C融合タンパク質の調製)
LC−Hリンカーを、BamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−PTH−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号8)として配置されるC血清型リンカーを用いること以外は、実施例2に記載の方法を用いて設計し得る。次いで、LC/C−PTH−H/C融合物を、実施例1に記載の方法を用いて作製したLC/C(配列番号5)およびH/C(配列番号6)を用いて組み立て、そして実施例2に記載の方法を用いて構築する。最終構築物は、LC−リンカー−PTH−スペーサー−H ORF(配列番号11)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号12に示される配列の融合タンパク質が発現される。
【0126】
(実施例4 − LC/C−RGD−H/C融合タンパク質の調製および精製)
LC−Hリンカーを、BamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−RGD−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号13)として配置されるC血清型リンカーを用いること以外は、実施例2に記載の方法を用いて設計する。次いで、LC/C−RGD−H/C融合物を、実施例1に記載の方法を用いて作製したLC/C(配列番号5)およびH/C(配列番号6)を用いて組み立て、そして実施例2に記載の方法を用いて構築する。最終構築物は、LC−リンカー−RGD−スペーサー−H ORF(配列番号14)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号15に示される配列の融合タンパク質が発現される。得られた発現プラスミドであるpMAL LC/C−RGD−H/Cを大腸菌BL21に形質転換して、組換えタンパク質を発現させる。
【0127】
(LC/C−RGD−H/C融合タンパク質の発現)
LC/C−RGD−H/C融合タンパク質の発現を、以下のプロトコルを用いて行う。250mlフラスコ中の100mlの改変TB(0.2%グルコースおよび100μg/mlアンピシリンを含有する)にLC/C−RGD−H/C発現株からの単一コロニーを接種する。この培養物を37℃にて225rpmで16時間増殖させる。2Lフラスコ中の1Lの改変TB(0.2%グルコースおよび100μg/mlアンピシリンを含有する)に10mlの終夜培養物を接種する。この培養物を37℃にて、OD600nmが約0.5に達するまで増殖させ、この時点で温度を16℃に下げる。1時間後、培養物を1mM IPTGで誘導し、そして16℃にてさらに16時間増殖させる。図1は、大腸菌における発現タンパク質をSDS-PAGEによる分析にて示している。
【0128】
(LC/C−RGD−H/C融合タンパク質の精製)
25ml 50mM HEPES(pH 7.2)、200mM NaClおよび約10gの大腸菌BL21細胞ペーストを含むファルコン管を解凍する。この細胞ペーストを氷上にて、22ミクロンのパワーで30秒間オン、30秒間オフを10サイクルで超音波処理し、試料を冷却したままにする。溶解した細胞を18,000rpmで4℃にて30分間遠心分離する。この上清を、50mM HEPES(pH 7.2)、200mM NaClで平衡化しておいた0.1M NiSO4荷電キレートカラム(20〜30mlカラムが十分である)に流す。10mMおよび40mMのイミダゾールのステップグラジエントを用いて、非特異的結合タンパク質を洗い流し、そして融合タンパク質を100mMイミダゾールで溶出する。溶出した融合タンパク質を5Lの50mM HEPES(pH 7.2)、200mM NaClに対して4℃にて終夜透析し、そして透析した融合タンパク質のODを測定する。100μg融合タンパク質当たり1単位の第Xa因子を添加し、そして25℃にて終夜静置インキュベートする。50mM HEPES(pH 7.2)、200mM NaClで平衡化しておいた0.1M NiSO4荷電キレートカラム(20〜30mlカラムが十分である)に流す。50mM HEPES(pH 7.2)、200mM NaClでベースラインまでカラムを洗浄する。10mMおよび40mMのイミダゾールのステップグラジエントを用いて、非特異的結合タンパク質を洗い流し、そして融合タンパク質を100mMイミダゾールで溶出する。溶出した融合タンパク質を5Lの50mM HEPES(pH 7.2)、200mM NaClに対して4℃にて終夜透析し、そしてこの融合物を約2mg/mlに濃縮し、試料を小分けし、そして−20℃にて凍結する。OD、BCAおよび純度分析を用いて精製タンパク質を試験する。図2は、精製タンパク質をSDS-PAGEによる分析にて示している。
【0129】
(実施例5 − LC/C−環状RGD−H/C融合タンパク質の調製)
LC−Hリンカーを、BamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−環状RGD−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号16)として配置されるC血清型リンカーを用いること以外は、実施例2に記載の方法を用いて設計し得る。次いで、LC/C−環状RGD−H/C融合物を、実施例1に記載の方法を用いて作製したLC/C(配列番号5)およびH/C(配列番号6)を用いて組み立て、そして実施例2に記載の方法を用いて構築する。最終構築物は、LC−リンカー−環状RGD−スペーサー−H ORF(配列番号17)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号18に示される配列の融合タンパク質が発現される。得られた発現プラスミドであるpMAL LC/C−環状RGD−H/Cを大腸菌BL21に形質転換して、組換えタンパク質を発現させた。融合タンパク質の発現は、実施例4に記載のように実施した。図1は、大腸菌において発現したタンパク質をSDS-PAGEによる分析にて示している。
【0130】
(実施例6 − LC/C−THALWHT−H/C融合タンパク質の調製)
LC−Hリンカーを、BamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−THALWHT−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号19)として配置されるC血清型リンカーを用いること以外は、実施例2に記載の方法を用いて設計し得る。次いで、LC/C−THALWHT−H/C融合物を、実施例1に記載の方法を用いて作製したLC/C(配列番号5)およびH/C(配列番号6)を用いて組み立て、そして実施例2に記載の方法を用いて構築する。最終構築物は、LC−リンカー−THALWHT−スペーサー−H ORF(配列番号20)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号21に示される配列の融合タンパク質が発現される。融合タンパク質の発現は、実施例4に記載のように実施した。図1は、大腸菌において発現したタンパク質をSDS-PAGEによる分析にて示している。
【0131】
本実施例で示されるTHALWHTペプチド配列(配列番号19、20、および21)は、ファージディスプレイ技術によって見出される別のペプチド配列と交換され得る。例えば、LEBP−1(QPFMQCLCLIYDASC)、LEBP−2(RNVPPIFNDVYWIAF)およびLEBP−3(VFRVRPWYQSTSQS)(Wuら, 2003);CDSAFVTVDWGRSMSLC(Floreaら, 2003);SERSMNF、YGLPHKF、PSGAARA、LPHKSMP、LQHKSMP(Writerら, 2004);FSLSKPP、HSMQLSTおよびSTQAMFQペプチド(Rahimら, 2003)。
【0132】
(実施例7 − LC/C−環状THALWHT−H/C融合タンパク質の調製)
LC−Hリンカーを、BamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−環状THALWHT−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号22)として配置されるC血清型リンカーを用いること以外は、実施例2に記載の方法を用いて設計し得る。次いで、LC/C−環状THALWHT−H/C融合物を、実施例1に記載の方法を用いて作製したLC/C(配列番号5)およびH/C(配列番号6)を用いて組み立て、そして実施例2に記載の方法を用いて構築する。最終構築物は、LC−リンカー−環状THALWHT−スペーサー−H ORF(配列番号23)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号24に示される配列の融合タンパク質が発現される。融合タンパク質の発現は、実施例4に記載のように実施した。図1は、大腸菌において発現したタンパク質をSDS-PAGEによる分析にて示している。
【0133】
本実施例で示されるTHALWHTペプチド配列(配列番号19、20、および21)は、ファージディスプレイ技術によって見出される別のペプチド配列と交換され得る。例えば、LEBP−1(QPFMQCLCLIYDASC)、LEBP−2(RNVPPIFNDVYWIAF)およびLEBP−3(VFRVRPWYQSTSQS)(Wuら, 2003);CDSAFVTVDWGRSMSLC(Floreaら, 2003);SERSMNF、YGLPHKF、PSGAARA、LPHKSMP、LQHKSMP(Writerら, 2004);FSLSKPP、HSMQLSTおよびSTQAMFQペプチド(Rahimら, 2003)。
【0134】
(実施例8 − LC/C−ANP−H/C融合タンパク質の調製)
LC−Hリンカーを、BamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−ANP−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号25)として配置されるC血清型リンカーを用いること以外は、実施例2に記載の方法を用いて設計し得る。次いで、LC/C−ANP−H/C融合物を、実施例1に記載の方法を用いて作製したLC/C(配列番号5)およびH/C(配列番号6)を用いて組み立て、そして実施例2に記載の方法を用いて構築する。最終構築物は、LC−リンカー−ANP−スペーサー−H ORF(配列番号26)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号27に示される配列の融合タンパク質が発現される。
【0135】
(実施例9 − LC/C−VIP−H/C融合タンパク質の調製)
LC−Hリンカーを、BamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−VIP−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号28)として配置されるC血清型リンカーを用いること以外は、実施例2に記載の方法を用いて設計し得る。次いで、LC/C−VIP−H/C融合物を、実施例1に記載の方法を用いて作製したLC/C(配列番号5)およびH/C(配列番号6)を用いて組み立て、そして実施例2に記載の方法を用いて構築する。最終構築物は、LC−リンカー−VIP−スペーサー−H ORF(配列番号29)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号30に示される配列の融合タンパク質が発現される。
【0136】
配列番号28に示されるVIP配列は、VIPアナログまたはアゴニスト配列と置換され得た。例えば、[R15,20,21,L17]−VIPまたは[R15,20,21,L17]−VIP−GRR(Kashimotoら, 1996;Onoueら, 2004)、[A2,8,9,16,19,24]−VIPまたは[A2,8,9,16,19,24,25]−VIP(Igarashiら, 2005)。
【0137】
(実施例10 − LC/C−ガストリン放出ペプチド−H/C融合タンパク質の調製)
LC−Hリンカーを、BamHI−SalI−リンカー−プロテアーゼ部位−ガストリン放出ペプチド−NheI−スペーサー−SpeI−PstI−XbaI−停止コドン−HindIII(配列番号34)として配置されるC血清型リンカーを用いること以外は、実施例2に記載の方法を用いて設計し得る。次いで、LC/C−ガストリン放出ペプチド−H/C融合物を、実施例1に記載の方法を用いて作製したLC/C(配列番号5)およびH/C(配列番号6)を用いて組み立て、そして実施例2に記載の方法を用いて構築する。最終構築物は、LC−リンカー−ガストリン放出ペプチド−スペーサー−H ORF(配列番号35)を含んでおり、これは、発現ベクターに移入され、配列番号36に示される配列の融合タンパク質が発現される。
【0138】
(実施例11 − LC/C−RGD−H/C融合タンパク質の機能性の評価)
LC/C−RGD−H/C融合タンパク質(実施例4に従って調製)のTM構成部分の機能性をリガンド結合アッセイによって評価する。リガンド結合の評価を容易にするために、RGD結合ペプチドをビオチン化形態および非ビオチン化形態で合成する。融合タンパク質の結合を、ビオチン化形態を用いる競合アッセイによって決定する。簡潔にいえば、NCI-H292細胞を96ウェルプレート中に播種して生存培養物を樹立する。細胞および溶液を4℃に予冷し、そして溶液を細胞供給培地+HEPES(50mM)中で調製する。処理前に、培地を細胞から取り除いて培地+HEPES(500μl/ウェル)と取り替え、次いでこれも取り除く。標識リガンド(所要濃度の2倍濃度)を全てのウェルに添加する(50μl/ウェル)。次いで、融合タンパク質(所要濃度の2倍濃度)をウェルに添加する(50μl/ウェル)。4℃にて1時間後、培地を取り除いて培地+HEPES(100μl/ウェル)と取り替える。この培地を取り除いて培地+HEPES(100μl/ウェル)と取り替える。細胞を、100μl/ウェルのPBS-Tween 0.1%に4℃にて5分間溶解する。PBS-Tweenを取り除いて細胞を培地+HEPES(100μl/ウェル)で洗浄する。この培地を取り除いて1ウェル当たり100μl PBS+100μlストレプトアビジン−HRPと取り替える。細胞を室温にて20分間インキュベートする。PBS+ストレプトアビジンを取り除いて細胞をPBS-Tweenで洗浄する。100μl/ウェルのTMBを添加して細胞を37℃にて10分間インキュベートする。50μl/ウェルの2M H2SO4を添加してプレートを450nmで読み取る。この方法を用いて、LC/C−RGD−H/C融合タンパク質のTM構成部分が細胞表面に結合する能力を確認する。
【0139】
(図面の説明)
図1−大腸菌におけるLC/C−RGD−H/C、LC/C−環状RGD−H/C、LC/C−THALWHT−H/C、およびLC/C−環状THALWHT−H/C融合タンパク質の発現。
【0140】
実施例4に説明した方法を用いて、LC/C−RGD−H/C、LC/C−環状RGD−H/C、LC/C−THALWHT−H/C、およびLC/C−環状THALWHT−H/C融合タンパク質を大腸菌BL21細胞で発現させた。簡潔にいえば、1LのTB培地(0.2%グルコースおよび100μg/mlアンピシリンを含有する)に10mlの出発培養物を接種した。培養物を37℃にて、OD600nmが約0.5に達するまで増殖させ、この時点で温度を16℃に下げた。1時間後、培養物を1mM IPTGで誘導し、そしてさらに16時間増殖させた。
【0141】
レーン1、LC/C−THALWHT−H/C;
レーン2、LC/C−RGD−H/C;
レーン3、LC/C−環状THALWHT−H/C;
レーン4、LC/C−環状RGD−H/C。
【0142】
図2−LC/C−RGD−H/C融合タンパク質の精製。
【0143】
実施例5に説明した方法を用いて、LC/C−RGD−H/C融合タンパク質を大腸菌BL21細胞から精製した。簡潔にいえば、細胞破壊後に得た可溶性産物をニッケル荷電アフィニティー捕捉カラムに供した。結合したタンパク質を100mMイミダゾールで溶出し、第Xa因子で処理して融合タンパク質を活性化してマルトース結合タンパク質(MBP)タグを除去し、次いで第2のニッケル荷電アフィニティー捕捉カラムに再度供した。この精製手順から得た試料をSDS-PAGEによって評価した。還元剤の不在下および存在下での最終精製物をそれぞれ[−]および[+]で記したレーン中に同定する。
【0144】
(参考文献)
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【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】大腸菌におけるLC/C−RGD−H/C、LC/C−環状RGD−H/C、LC/C−THALWHT−H/C、およびLC/C−環状THALWHT−H/C融合タンパク質の発現を示す。
【図2】LC/C−RGD−H/C融合タンパク質の精製を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単鎖ポリペプチド融合タンパク質であって:
a.非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントであって、標的細胞のエキソサイトーシス融合器官のタンパク質を切断し得る、プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメント;
b.該標的細胞上の結合部位に結合し得るターゲティング部分であって、該結合部位が、エンドサイトーシスを受けて該標的細胞内のエンドソームに取り込まれ得る、ターゲティング部分;
c.プロテアーゼ切断部位であって、該部位でプロテアーゼにより該融合タンパク質が切断され得、該プロテアーゼ切断部位が、該非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントと該ターゲティング部分との間に位置している、プロテアーゼ切断部位;および
d.トランスロケーションドメインであって、エンドソームの内部から該エンドソームの膜を横断して該標的細胞のサイトゾルへと、該プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメントをトランスロケートさせ得る、トランスロケーションドメイン
を含む、融合タンパク質。
【請求項2】
前記ターゲティング部分および前記プロテアーゼ切断部位が、多くとも10アミノ酸残基、好ましくは多くとも5アミノ酸残基、およびより好ましくは多くとも0アミノ酸残基離れている、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記ターゲティング部分が、前記プロテアーゼ切断部位と前記トランスロケーションドメインとの間に位置している、請求項1または請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記非細胞傷害性プロテアーゼが、クロストリジウム神経毒素L鎖である、前記請求項のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記トランスロケーションドメインが、クロストリジウム神経毒素のHドメインである、前記請求項のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記ターゲティング部分が、多くとも50アミノ酸残基、好ましくは多くとも40アミノ酸残基、より好ましくは少なくとも30アミノ酸残基、および最も好ましくは多くとも20アミノ酸残基を含む、前記請求項のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記ターゲティング部分が、PARリガンド、好ましくはリガンドPAR1である、前記請求項のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記ターゲティング部分が、PTH−1に結合するリガンド、好ましくはリガンドPTHである、請求項1から6のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記融合タンパク質が精製タグを含む、前記請求項のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記融合タンパク質が精製タグを含み、該精製タグが該融合タンパク質のN末端および/またはC末端に存在する、請求項9に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
前記融合タンパク質が精製タグを含み、該精製タグが該融合タンパク質のN末端および/またはC末端に存在する、請求項10に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
前記精製タグが、ペプチドスペーサー分子によって前記融合タンパク質に結合されている、請求項9から11のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項13】
前記トランスロケーションドメインが、ペプチドスペーサー分子によって前記ターゲティング部分から離されている、前記請求項のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項14】
配列番号10、12、15、18、21、24、27、30、および33のいずれか1つを含む、ポリペプチド融合タンパク質。
【請求項15】
前記請求項のいずれかに記載のポリペプチド融合タンパク質をコードする核酸配列。
【請求項16】
前記核酸分子が、配列番号1から9、11、14、17、20、23、26、29および32のいずれか1つを含む、請求項15に記載の核酸配列。
【請求項17】
プロモーター、請求項15または請求項16に記載の核酸配列、およびターミネーターを含むDNAベクターであって、該DNA配列が、該プロモーターの下流に位置し、そして該ターミネーターが、該DNA構築物の下流に位置している、ベクター。
【請求項18】
請求項15または請求項16に記載のDNA配列の相補DNA鎖。
【請求項19】
請求項1から14のいずれかに記載の単鎖ポリペプチド融合タンパク質を調製するための方法であって、請求項15または請求項16に記載の核酸配列、または請求項17に記載のDNAベクターを宿主細胞で発現させる工程を含む、方法。
【請求項20】
非細胞傷害性薬剤を調製する方法であって、該方法が、
a.請求項1から14のいずれかに記載の単鎖ポリペプチド融合タンパク質と、前記プロテアーゼ切断部位を切断し得るプロテアーゼとを接触させる工程;
b.該プロテアーゼ切断部位を切断し、そしてそれにより二本鎖融合タンパク質を形成する工程
を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法により得られ得る非細胞傷害性ポリペプチドであって、該ポリペプチドが二本鎖ポリペプチドであり、そして
a.第一鎖が非細胞傷害性プロテアーゼまたはそのフラグメントを含み、該プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメントが標的細胞のエキソサイトーシス融合器官のタンパク質を切断し得;
b.第二鎖がTMおよびトランスロケーションドメインを含み、該トランスロケーションドメインが、エンドソームの内部から該エンドソームの膜を横断して該標的細胞のサイトゾルへと、該プロテアーゼまたはプロテアーゼフラグメントをトランスロケートさせ得;そして
該第一鎖および第二鎖が一緒にジスルフィド結合で連結されている、
非細胞傷害性ポリペプチド。
【請求項22】
以下からなる群から選択される医学的状態または医学的疾患の治療、予防、または緩和用の医薬品の製造のための、請求項1から14のいずれかに記載の融合タンパク質または請求項21に記載のポリペプチドの使用:粘液過分泌、喘息および/または慢性閉塞性肺疾患、MENを含む内分泌新形成、甲状腺中毒症、および甲状腺からの過分泌に依存する他の疾患;末端巨大症、高プロラクチン血症、クッシング病、および下垂体前葉過分泌に依存する他の疾患;アンドロゲン過多症、慢性無排卵症、および多嚢胞卵巣症候群に伴う他の疾患、アレルギー(季節性アレルギー鼻炎(花粉症)、アレルギー結膜炎、血管運動性鼻炎、および食物アレルギー)、好酸球増加症、喘息、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、痔核、そう痒症、糸球体腎炎、肝炎、膵炎、胃炎、血管炎、心筋炎、乾癬、湿疹、慢性放射線誘発線維症、肺瘢痕形成および他の線維性障害、消化管に位置する(特に大腸に位置する)粘液分泌細胞からの粘液過分泌、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、臓器移植、組織移植、体液移植、グレーヴス病、甲状腺中毒症、自己免疫糖尿病、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、好中球減少症、慢性自己免疫肝炎、自己免疫胃炎、悪性貧血、橋本甲状腺炎、アディソン病、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変症、多発性筋炎、強皮症、全身性硬化症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋炎、リウマチ性心臓炎、糸球体腎炎(グッドパスチャー型)、ブドウ膜炎、睾丸炎、潰瘍性大腸炎、血管炎、萎縮性胃炎、悪性貧血、1型糖尿病、心血管状態および/または高血圧、および骨化石症および骨粗鬆症のような骨状態。
【請求項23】
患者の医学的状態または医学的疾患を治療、予防、または緩和する方法であって、該方法が、請求項1から14のいずれかに記載の融合タンパク質または請求項21に記載のポリペプチドの治療有効量を該患者に投与する工程を含み、該医学的状態または医学的疾患が、以下からなる群から選択される、方法:粘液過分泌、喘息および/または慢性閉塞性肺疾患、MENを含む内分泌新形成、甲状腺中毒症、および甲状腺からの過分泌に依存する他の疾患;末端巨大症、高プロラクチン血症、クッシング病、および下垂体前葉過分泌に依存する他の疾患;アンドロゲン過多症、慢性無排卵症、および多嚢胞卵巣症候群に伴う他の疾患、アレルギー(季節性アレルギー鼻炎(花粉症)、アレルギー結膜炎、血管運動性鼻炎、および食物アレルギー)、好酸球増加症、喘息、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、痔核、そう痒症、糸球体腎炎、肝炎、膵炎、胃炎、血管炎、心筋炎、乾癬、湿疹、慢性放射線誘発線維症、肺瘢痕形成および他の線維性障害、消化管に位置する(特に大腸に位置する)粘液分泌細胞からの粘液過分泌、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、盤状紅斑性狼瘡、臓器移植、組織移植、体液移植、グレーヴス病、甲状腺中毒症、自己免疫糖尿病、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、好中球減少症、慢性自己免疫肝炎、自己免疫胃炎、悪性貧血、橋本甲状腺炎、アディソン病、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変症、多発性筋炎、強皮症、全身性硬化症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋炎、リウマチ性心臓炎、糸球体腎炎(グッドパスチャー型)、ブドウ膜炎、睾丸炎、潰瘍性大腸炎、血管炎、萎縮性胃炎、悪性貧血、1型糖尿病、心血管状態および/または高血圧、および骨化石症および骨粗鬆症のような骨状態。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−521428(P2008−521428A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543914(P2007−543914)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004606
【国際公開番号】WO2006/059113
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(503191210)ヘルス プロテクション エージェンシー (19)
【Fターム(参考)】