説明

面発光レーザモジュールの製造方法、面発光レーザモジュール、光走査装置及び画像形成装置

【課題】面発光レーザより出射され透明部材により反射されたレーザ光が、受光素子に入射する面発光レーザモジュールを提供する。
【解決手段】パッケージ部に、面発光レーザ素子110及び受光素子120を設置する工程と、前記パッケージ部において、前記パッケージ部とリッド部との接合部分に接着樹脂を塗布し、前記接着樹脂上に前記リッド部を載置する工程と、位置決め用面発光レーザ116、117を発光させる工程と、前記位置決め用面発光レーザより出射され、前記透明部材により一部反射されたレーザ光を受光し、前記受光されたレーザ光による前記位置決め用光受光部126、127における出力が最大となるように、前記リッド部の位置を調整する工程と、前記パッケージ部と前記リッド部とを前記接着樹脂により接着する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発光レーザモジュールの製造方法、面発光レーザモジュール、光走査装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な、端面発光の半導体レーザでは、半導体等の基板上に半導体層を積層した後、劈開することにより形成された両端面を反射面とする共振器が形成されている。このためレーザ光は両端面の2方向、即ち、端面の一方から出射される前面光となるレーザ光と、端面の他方から出射される背面光となるレーザ光とが出射される。
【0003】
半導体レーザにおいては、環境温度や自己発熱等により、半導体レーザの温度が上昇すると、駆動電流と出射されるレーザ光の光量との関係が変動してしまうという特徴を有している。このため、通常は、フォトダイオード等の受光素子が半導体レーザに併設されており、半導体レーザの背面光を受光素子により検出することにより、半導体レーザからの出射光量をモニタし、受光素子によりモニタされた光量に応じて半導体レーザから出射される光量が所定の値となるようにフィードバック制御がなされている。
【0004】
しかしながら、面発光レーザの場合では、レーザ光の出射方向が一方のみであるため、端面発光の半導体レーザのように、背面光を受光素子により受光してフィードバック制御を行なうことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、面発光レーザ素子を実際に使用する際には、防塵等のために、面発光レーザ素子をリッド部等により覆い密閉する必要がある。このためリッド部において、レーザ光が出射される領域、即ち、面発光レーザ素子より出射されたレーザ光の光軸付近の領域が、透明部材により形成される。しかしながら、透明部材の表面とレーザ光の光軸とが垂直である場合、透明部材の表面において反射されたレーザ光が面発光レーザ素子に戻り光として入射してしまい、面発光レーザにおけるレーザ発振が不安定となる。
【0006】
このため、発明者らは、面発光レーザ素子をリッド部等により封止し、リッド部には、面発光レーザから出射されるレーザ光を透過する材料により形成された透明部材を、面発光レーザに対して傾斜して配置することにより、面発光レーザから出射されたレーザ光が、透明部材の表面で反射し、反射されたレーザ光が受光素子に入射する構造の面発光レーザモジュールを発明するに至った。
【0007】
しかしながら、面発光レーザより出射されたレーザ光は、リッド部に設けられた透明部材において一部反射されるが、反射されたレーザ光を受光素子に入射させるためには、リッド部を所望の位置に高い精度で位置決めをして、パッケージ部と接合することが要求されている。
【0008】
よって、本発明は、上記に鑑みなされたものであり、面発光レーザより出射され透明部材において一部反射されたレーザ光が受光素子に入射するように、高い精度で設置することのできる面発光レーザモジュールの製造方法及び面発光レーザモジュールを提供することを目的とするものである。また、安定的に高画質な画像を光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、面発光レーザ素子及び受光素子が、パッケージ部及びリッド部を接合することにより覆われ、前記リッド部には、前記面発光レーザ素子における面発光レーザより出射されるレーザ光を透過する透明部材が設けられており、前記面発光レーザ素子には位置決め用面発光レーザが設けられており、前記受光素子には位置決め用光受光部が設けられている面発光レーザモジュールの製造方法において、前記パッケージ部に、前記面発光レーザ素子及び前記受光素子を設置する工程と、前記パッケージ部において、前記パッケージ部と前記リッド部との接合部分に接着樹脂を塗布し、前記接着樹脂上に前記リッド部を載置する工程と、前記位置決め用面発光レーザを発光させる工程と、前記位置決め用面発光レーザより出射され、前記透明部材により一部反射されたレーザ光を受光し、前記受光されたレーザ光による前記位置決め用光受光部における出力が最大となるように、前記リッド部の位置を調整する工程と、前記パッケージ部と前記リッド部とを前記接着樹脂により接着する工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、面発光レーザ素子及び受光素子が、パッケージ部及びリッド部を接合することにより覆われ、前記リッド部には、前記面発光レーザ素子における面発光レーザより出射されるレーザ光を透過する透明部材が設けられており、前記面発光レーザ素子には位置決め用面発光レーザが設けられており、前記受光素子には位置決め用光受光部が設けられおり、前記リッド部はリッド部本体部とリッド部側面部とを有している面発光レーザモジュールの製造方法において、前記パッケージ部に、前記面発光レーザ素子を設置する工程と、前記パッケージ部と前記リッド部本体部とを接着する工程と、前記リッド部本体部において、前記受光素子が設置される領域に接着樹脂を塗布し、前記接着樹脂上に前記受光素子を載置する工程と、前記位置決め用面発光レーザを発光させる工程と、前記位置決め用面発光レーザより出射され、前記透明部材により一部反射されたレーザ光を受光し、前記受光されたレーザ光による前記位置決め用光受光部における出力が、略最大となるように、前記受光素子の位置を調整する工程と、前記リッド部本体部に前記受光素子を前記接着樹脂により接着する工程と、前記リッド部本体部の両側側面に前記リッド部側面部を接着する工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、面発光レーザ素子と、受光素子と、前記面発光レーザ素子と前記受光素子とを覆うパッケージ部及びリッド部と、を有し、前記パッケージ部とリッド部は接合されており、前記リッド部には、前記面発光レーザ素子における面発光レーザより出射されたレーザ光を透過する透明部材が設けられており、前記面発光レーザより出射されたレーザ光の一部は前記透明部材において反射され、前記受光素子に入射するものであって、前記面発光レーザ素子には、位置決め用面発光レーザが設けられており、前記受光素子には、前記位置決め用面発光レーザより出射され、前記透明部材において一部反射された光を受光する位置決め用光受光部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、面発光レーザより出射され透明部材において一部反射されたレーザ光が、受光素子に入射するように、高い精度で設置することのできる面発光レーザモジュールの製造方法及び面発光レーザモジュールを提供することができる。また、この面発光レーザモジュールを用いることにより、安定的に高画質な画像を形成することのできる光走査装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】面発光レーザモジュールの説明図(1)
【図2】面発光レーザモジュールの説明図(2)
【図3】第1の実施の形態における面発光レーザモジュールの説明図(1)
【図4】第1の実施の形態における面発光レーザモジュールの説明図(2)
【図5】第1の実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法を示すフローチャート
【図6】第2の実施の形態における面発光レーザモジュールの説明図
【図7】第2の実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法を示すフローチャート
【図8】第3の実施の形態における面発光レーザモジュールの説明図
【図9】第3の実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法の説明図
【図10】第3の実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法を示すフローチャート
【図11】第3の実施の形態における他の面発光レーザモジュールの説明図(1)
【図12】第3の実施の形態における他の面発光レーザモジュールの説明図(2)
【図13】第4の実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法の説明図
【図14】第4の実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法を示すフローチャート
【図15】第5の実施の形態におけるレーザプリンタの構成図
【図16】第5の実施の形態における光走査装置の構成図
【図17】第6の実施の形態におけるカラープリンタの構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
〔第1の実施の形態〕
最初に、図1及び図2に基づき傾斜した透明部材を有するリッド部が用いられた面発光レーザモジュールについて説明する。この面発光レーザモジュールでは、図1に示されるように、面発光レーザ素子10と受光素子20は、パッケージ部30とリッド部40とが接合されることにより形成される空間内に設置されている。尚、図1は、この面発光レーザモジュールの内部を側面より見た図であり、図2は、内部を上面より見た図、即ち、リッド部40を取り除いた状態の図である。
【0016】
面発光レーザ素子10は、パッケージ部30の底面部31に設置されており、受光素子20はパッケージ部30の底面部31より一段高い段部32に設置されている。リッド部40には、面発光レーザ素子10における面発光レーザから出射された光が透過する材料、例えば、ガラスや透明なプラスチック等により形成された透明部材41が設けられており、面発光レーザ素子10における面発光レーザから出射されたレーザ光の殆どは、透明部材41を透過し、リッド部40とパッケージ部30とに覆われた空間の外側に出射される。透明部材41は光が透過する材料により形成されているが、所定の値の屈折率を有しているため、面発光レーザより出射されたレーザ光は、透明部材41の表面または裏面で一部反射し、反射した光は受光素子20に入射する。
【0017】
ここで、図2に示すように、面発光レーザ素子10には、複数の面発光レーザ、例えば、5つの面発光レーザ11〜15が設けられている場合、面発光レーザ素子10における5つの面発光レーザ11〜15より出射されたレーザ光は、透明部材41において反射され、受光素子20であるフォトダイオードの表面に、5つの光スポット11a〜15aを形成する。受光素子20であるフォトダイオードの表面に照射される5つの光スポット11a〜15aは、透明部材41において反射されたレーザ光により形成されるものであるため、透明部材41の位置が所定の位置よりずれると、受光素子20であるフォトダイオードの表面に照射される光スポット11a〜15aの位置も大きくずれる。即ち、パッケージ部30とリッド部40とは、接着や溶接等により接合されるが、接合の際に、接合位置の微妙な位置ずれが生じると、各々の光スポット11a〜15aが受光素子20の受光面に入射しない場合が生じ、この場合には面発光レーザから出射されたレーザ光の正確な光量を検出することができなくなる。また、このような場合に対応する方法としては、受光素子20であるフォトダイオードとして、受光面積の大きなものを用いる方法があるが、大きな受光素子20を用いることにより、面発光レーザモジュールが大型化してしまうため好ましくない。
【0018】
(面発光レーザモジュール)
次に、第1の実施の形態における面発光レーザモジュールについて説明する。本実施の形態における面発光レーザモジュールは、図3及び図4に示すように、面発光レーザ素子110、受光素子120、パッケージ部130、リッド部140を有している。尚、図3は、本実施の形態における面発光レーザモジュールの内部を側面より見た図であり、図4は、内部を上面より見た図、即ち、リッド部140を取り除いた状態の図である。パッケージ部130とリッド部140とは接着等により接合されており、面発光レーザ素子110及び受光素子120の防塵のため、パッケージ部130とリッド部140とが接合されたものの内部に設置されている。
【0019】
パッケージ部130には凹部が形成されており、凹部の底面131の略中央には、面発光レーザ素子110が設置されている。面発光レーザ素子110は、パッケージ部130の底面131に設けられた不図示の電極とボンディングワイヤ等により接続されており、不図示の電極はパッケージ部130の外部に設けられている不図示の電子駆動回路と接続され、電子駆動回路によりオン/オフのタイミングや光量等が制御される。
【0020】
受光素子120は、パッケージ部130の底部131よりも一段高い段部132に設置されており、面発光レーザ素子110における面発光レーザから出射され透明部材141において一部反射されたレーザ光を受光することができる位置に設置されている。受光素子120は、受光素子120の各々の光検出部において検出された光の光量に応じた出力を得ることができ、パッケージ部130の段部132に設けられた不図示の電極とボンディングワイヤ等により接続されている。不図示の電極はパッケージ部130の外側に設けられている不図示の電子駆動回路と接続されており、電子駆動回路において、受光素子120により得られた出力により、面発光レーザ素子110の出射光量が制御されるフィードバック制御が行なわれる。
【0021】
リッド部140は、略4角形の柱状の形状のもの(柱状部)を有しており、面発光レーザ素子110における面発光レーザから出射されたレーザ光を透過する透明部材141が設けられている。透明部材141は、ガラスや透明な樹脂材料等により平板状に形成されており、面発光レーザから出射されたレーザ光の殆どは、透明部材141を透過するが、一部は透明部材141の表面において反射される。透明部材141は、面発光レーザから出射され透明部材141において一部反射されたレーザ光が、受光素子120に入射するように、面発光レーザ素子110の表面に対し傾斜した状態で設置されている。尚、このように、透明部材141を面発光レーザ素子110の表面に対し傾斜して配置することにより、面発光レーザ素子110に、面発光レーザ素子110より出射された光が戻り光として入射することを防ぐことができる。
【0022】
図4に示されるように、本実施の形態では、面発光レーザ素子110には、5つの面発光レーザ111〜115の他に、第1の位置決め用面発光レーザ116及び第2の位置決め用面発光レーザ117が設けられている。また、受光素子120は、光検出部121、第1の位置決め用光検出部126、第2の位置決め用光検出部127の3つのフォトダイオードが形成されている。光検出部121は、5つの面発光レーザ111〜115より出射されたレーザ光が、透明部材141の表面で反射されることにより形成される光スポット111a〜115aを受光するものである。第1の位置決め光検出部126は、位置合せのため、第1の位置決め用面発光レーザ116より出射されたレーザ光が、透明部材141の表面で反射されることにより形成される光スポット116aを受光するものである。第2の位置決め光検出部127は、位置合せのため、第2の位置決め用面発光レーザ117より出射されたレーザ光が、透明部材141の表面で反射されることにより形成される光スポット117aを受光するものである。
【0023】
第1の位置決め用光検出部126及び第2の位置決め用光検出部127は、光スポット111a〜115aが光検出部121において所望の位置に照射される状態において、第1の位置決め用光検出部126において検出される光スポット116aの光量が最大となり、第2の位置決め用光検出部127において検出される光スポット117aの光量が最大となる位置に形成されている。
【0024】
尚、本実施の形態では、位置決め用面発光レーザ及び位置決め用光検出部は、各々が1つの場合であっても位置決め等を行なうことは可能ではあるが、より正確な位置決めを行なうためには、各々2以上設けることが好ましく、位置決め用面発光レーザと位置決め用光検出部の数は等しいことが好ましい。
【0025】
(面発光レーザモジュールの製造方法)
次に、図5に基づき本実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法について説明する。
【0026】
最初に、ステップ102(S102)において、パッケージ部130に面発光レーザ素子110及び受光素子120を設置する。パッケージ部130には、面発光レーザ素子110及び受光素子120に対応した不図示の配線が設けられており、面発光レーザ素子110及び受光素子120は、各々パッケージ部130に設けられている対応する各々の配線にボンディングワイヤ等により各々接続される。
【0027】
次に、ステップ104(S104)において、紫外線硬化樹脂(UV硬化樹脂)等の接着樹脂をパッケージ部130におけるリッド部140との接着部分に塗布した後、接着樹脂上にリッド部140を載置する。
【0028】
次に、ステップ106(S106)において、面発光レーザ素子110における第1の位置決め用面発光レーザ116及び第2の位置決め用面発光レーザ117を発光させる。これにより、受光素子120の表面に光スポット116a及び117aが形成される。
【0029】
次に、ステップ108(S108)において、受光素子120における第1の位置決め用光検出部126及び第2の位置決め用光検出部127において検出される光量が、ともに最大となるように、コレット等によりリッド部140の位置を微調整する。具体的には、第1の位置決め用面発光レーザ116より出射されたレーザ光は透明部材141において一部反射され受光素子120の表面に光スポット116aを形成するが、光スポット116aによる第1の位置決め用光検出部126の出力が最大となる位置に調整する。同様に、第2の位置決め用面発光レーザ117より出射されたレーザ光は透明部材141において一部反射され受光素子120の表面に光スポット117aを形成するが、光スポット117aによる第2の位置決め用光検出部127の出力が最大となる位置に調整する。
【0030】
次に、ステップ110(S110)において、紫外線等を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させ、パッケージ部130とリッド部140とを接着し接合する。
【0031】
これにより本実施の形態における面発光レーザモジュールを作製することができる。
【0032】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法であって、第1の実施の形態とは異なる方法である。面発光レーザ素子110から出射されたレーザ光の一部は、リッド部140における透明部材141の表面及び裏面等において反射されるが、この反射率は4〜10%程度と低い。よって、受光素子120に十分な光量の反射光を入射させるためには、面発光レーザ素子110より出射されるレーザ光の光量を高くする必要がある。しかしながら、出射される光量が高いとFFP(Far Field Pattern)が広がり、正確な位置合せが困難となる。また、リッド部140を微調整する際、面発光レーザ素子110における第1の位置決め用面発光レーザ116及び第2の位置決め用面発光レーザ117が発光していると、透明部材141を介しレーザ光が外に出射されるため危険である。
【0033】
従って、本実施の形態においては、図6に示すように反射率の高い保護シート160を透明部材141に貼り付けることにより、リッド部140の位置の微調整の際に、高い反射率でレーザ光を反射させるものである。また、面発光レーザ素子110より出射されたレーザ光は、保護シート160を殆ど透過しないため、外に出射されることはなく、リッド部140の位置の微調整を安全に行なうことができる。尚、保護シート160は、アルミニウム等の反射率の高い金属膜の表面に、透明部材に付着させるための粘着性の材料等が形成されている。
【0034】
次に、図7に基づき本実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法について説明する。
【0035】
最初に、ステップ202(S202)において、パッケージ部130に面発光レーザ素子110及び受光素子120を設置する。パッケージ部130には、面発光レーザ素子110及び受光素子120に対応した不図示の配線が設けられており、面発光レーザ素子110及び受光素子120は、各々パッケージ部130に設けられている対応する各々の配線にボンディングワイヤ等により各々接続される。
【0036】
次に、ステップ204(S204)において、透明部材141の外側に保護シート160を貼り付ける。保護シート160は、表面に粘着性の材料等が形成されており、透明部材141の面に、できるだけ密着するように貼り付けられる。
【0037】
次に、ステップ206(S206)において、紫外線硬化樹脂(UV硬化樹脂)等の接着樹脂をパッケージ部130におけるリッド部140との接着部分に塗布した後、接着樹脂上にリッド部140を載置する。
【0038】
次に、ステップ208(S208)において、面発光レーザ素子110における第1の位置決め用面発光レーザ116及び第2の位置決め用面発光レーザ117を発光させる。これにより、受光素子120の表面に光スポット116a及び117aが形成される。
【0039】
次に、ステップ210(S210)において、受光素子120における第1の位置決め用光検出部126及び第2の位置決め用光検出部127において検出される光量が、ともに最大となるように、コレット等によりリッド部140の位置を微調整する。具体的には、第1の位置決め用面発光レーザ116より出射されたレーザ光は透明部材141において一部反射され受光素子120の表面に光スポット116aを形成するが、光スポット116aによる第1の位置決め用光検出部126の出力が最大となる位置に調整する。同様に、第2の位置決め用面発光レーザ117より出射されたレーザ光は透明部材141において一部反射され受光素子120の表面に光スポット117aを形成するが、光スポット117aによる第2の位置決め用光検出部127の出力が最大となる位置に調整する。
【0040】
次に、ステップ212(S212)において、紫外線等を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させ、パッケージ部130とリッド部140とを接着し接合する。
【0041】
次に、ステップ214(S214)において、保護シート160を透明部材141より除去する。
【0042】
これにより本実施の形態における面発光レーザモジュールを作製することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0043】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態における面発光レーザモジュールは、受光素子がリッド部に設置されている構造のものである。具体的には、図8に示すように、本実施の形態における面発光レーザモジュールでは、リッド部240に設けられた受光素子設置部242に受光素子120が設置されている。このため、受光素子120はパッケージ部230には設置されてはいない。尚、パッケージ部230は、受光素子120と接続される配線が設けられていないことを除き、第1の実施の形態と同様のものである。また、リッド部240は、受光素子120が設置される受光素子設置部242が設けられていること及び、図9に示されるように、透明部材141が設けられているリッド部本体部243と2つのリッド部側面部244a及び244bにより形成されるものであることを除き、第1の実施の形態におけるリッド部140と同様のものである。本実施の形態におけるリッド部240には、受光素子設置部242は、リッド部本体部243に設けられている。また、受光素子120には、外部と接続するためのフレキシブル基板等により形成された配線が接続されている。
【0044】
(面発光レーザモジュールの製造方法)
次に、図10に基づき本実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法について説明する。
【0045】
最初に、ステップ302(S302)において、パッケージ部230に面発光レーザ素子110を設置する。パッケージ部230には、面発光レーザ素子110に対応した不図示の配線が設けられており、面発光レーザ素子110は、パッケージ部230に設けられている対応する配線にボンディングワイヤ等により接続される。
【0046】
次に、ステップ304(S304)において、紫外線硬化樹脂等の接着樹脂をパッケージ部230において、リッド部240のリッド部本体部243との接着部分に塗布した後、接着樹脂上にリッド部本体部243を載置し、その後、紫外線を照射等することにより、パッケージ部230とリッド部本体部243とを接着する。
【0047】
次に、ステップ306(S306)において、紫外線硬化樹脂等の接着樹脂をリッド部本体部243における受光素子設置部242の表面に塗布した後、接着樹脂上に受光素子120を載置する。
【0048】
次に、ステップ308(S308)において、面発光レーザ素子110における第1の位置決め用面発光レーザ116及び第2の位置決め用面発光レーザ117を発光させる。これにより、受光素子120の表面に光スポット116a及び117aが形成される。
【0049】
次に、ステップ310(S310)において、受光素子120における第1の位置決め用光検出部126及び第2の位置決め用光検出部127において検出される光量が、ともに最大となるように、コレット等により受光素子120の位置を微調整する。具体的には、第1の位置決め用面発光レーザ116より出射されたレーザ光は透明部材141において一部反射され受光素子120の表面に光スポット116aを形成するが、光スポット116aによる第1の位置決め用光検出部126の出力が最大となる位置に調整する。同様に、第2の位置決め用面発光レーザ117より出射されたレーザ光は透明部材141において一部反射され受光素子120の表面に光スポット117aを形成するが、光スポット117aによる第2の位置決め用光検出部127の出力が最大となる位置に調整する。
【0050】
次に、ステップ312(S312)において、紫外線等を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させ、受光素子120をリッド部本体部243における受光素子設置部242に接着し接合する。
【0051】
次に、ステップ314(S314)において、リッド部本体部243の両側側面に、リッド部側面部244a及び244bを接着し、パッケージ部230とリッド部240とを密閉する。
【0052】
これにより本実施の形態における面発光レーザモジュールを作製することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0053】
また、本実施の形態は、図11に示すように、リッド部240aが、リッド部240aの側面を折曲げることにより、受光素子120が設置される受光素子設置部242aが形成されている構造の面発光レーザモジュールであってもよい。また、図12に示すように、リッド部本体部243bの側面245bの内側に受光素子120が設置される構造の面発光レーザモジュールであってもよい。これらの面発光レーザモジュールについても、本実施の形態における方法により同様に作製することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また、第2の実施の形態と同様に、反射率の高い保護シート160を透明部材141に貼り付けて製造する方法であってもよい。
【0054】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第3の実施の形態等において、第1の位置決め用光検出部126、第2の位置決め用光検出部127が設けられていない受光素子320を用いた構造の面発光レーザモジュールの製造方法である。尚、受光素子320が設置される位置等は、図8に示される第3の実施の形態における受光素子120が設置される位置と同じである。即ち、本実施の形態は、図8に示す受光素子120に代えて、受光素子320を設置するものである。また、本実施の形態では、図13に示すように、受光素子320に貼り付けられる遮光シート370が用いられており、遮光シート370には、第1の位置決め用光検出部126、第2の位置決め用光検出部127が形成される領域に対応する位置に開口部371及び372が設けられている。尚、図13(a)は、受光素子320に遮光シート370が貼り付けられる前の状態を示すものであり、図13(b)は、受光素子320に遮光シート370が貼り付けられている状態を示すものである。
【0055】
次に、図14に基づき本実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法について説明する。
【0056】
最初に、ステップ402(S402)において、受光素子320の表面に遮光シート370を貼り付ける。具体的には、図13(b)に示すように、遮光シート370に設けられた開口部371及び372が所定の位置となるように、遮光シート370を受光素子320に貼り付ける。
【0057】
次に、ステップ404(S404)において、パッケージ部230に面発光レーザ素子110を設置する。パッケージ部230には、面発光レーザ素子110に対応した不図示の配線が設けられており、面発光レーザ素子110は、パッケージ部230に設けられている対応する配線にボンディングワイヤ等により接続される。
【0058】
次に、ステップ406(S406)において、紫外線硬化樹脂等の接着樹脂をパッケージ部230において、リッド部240のリッド部本体部243との接着部分に塗布した後、接着樹脂上にリッド部本体部243を載置し、その後、紫外線を照射等することにより、パッケージ部230とリッド部本体部243とを接着する。
【0059】
次に、ステップ408(S408)において、紫外線硬化樹脂等の接着樹脂をリッド部本体部243における受光素子設置部242の表面に塗布した後、接着樹脂上に遮光シート370が貼り付けられている受光素子320を載置する。
【0060】
次に、ステップ410(S410)において、面発光レーザ素子110における第1の位置決め用面発光レーザ116及び第2の位置決め用面発光レーザ117を発光させる。これにより、受光素子320の表面に光スポット116b及び117bが形成される。
【0061】
次に、ステップ412(S412)において、受光素子320において検出される光量が、最大となるように、コレット等により受光素子320の位置を微調整する。具体的には、遮光シート370に設けられた開口部371及び372は、開口部371及び372において受光した光スポット116b及び117bによる光量が最大となった位置が、受光素子320の最適な位置となるように形成されている。よって、受光素子320において検出される光量が、最大となるように、コレット等により受光素子320の位置を微調整することにより、受光素子320を最適な位置に位置合せすることができる。
【0062】
次に、ステップ414(S414)において、紫外線等を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させ、受光素子320をリッド部本体部243における受光素子設置部242に接着し接合する。
【0063】
次に、ステップ416(S416)において、受光素子320の表面より遮光シート370を除去する。
【0064】
次に、ステップ418(S418)において、リッド部本体部243の両側側面に、リッド部側面部244a及び244bを接着し、パッケージ部230とリッド部240とを密閉する。
【0065】
これにより本実施の形態における面発光レーザモジュールを作製することができる。本実施の形態においては、受光素子に別途、第1の位置決め用光検出部及び第2の位置決め用光検出部を設ける必要がないため、一般的な受光素子を用いることができ、低コストで面発光レーザモジュールを製造することができる。
【0066】
尚、上記以外の内容については、第3の実施の形態と同様である。また、第2の実施の形態と同様に反射率の高い保護シート160を透明部材141に貼り付けて製造する方法であってもよい。
【0067】
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュールを用いた画像形成装置としてのレーザプリンタ1000である。
【0068】
図15に基づき、本実施の形態におけるレーザプリンタ1000について説明する。本実施の形態におけるレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060等を備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
【0069】
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0070】
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、矢印Xで示す方向に回転するようになっている。
【0071】
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
【0072】
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
【0073】
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像を形成する。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
【0074】
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、このトナーは現像ローラ1032に供給される。
【0075】
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
【0076】
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、この給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。このレジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、この記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
【0077】
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
【0078】
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
【0079】
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
【0080】
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
【0081】
次に、図16に基づき光走査装置1010について説明する。光走査装置1010は、光源ユニット1100、カップリングレンズ1111、アパーチャ1112、シリンドリカルレンズ1113、ポリゴンミラー1114、fθレンズ1115、トロイダルレンズ1116、2つのミラー(1117、1118)、及び上記各部を統括的に制御する不図示の制御装置を備えている。尚、光源ユニット1100は、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュールを含むものである。
【0082】
カップリング1111は、光源ユニット1100における面発光レーザより出射されたレーザ光を略平行光に整形する。
【0083】
アパーチャ1112は、カップリングレンズ1111からのレーザ光を所定のビーム形状となるように規定する。
【0084】
シリンドリカルレンズ1113は、光源ユニット1100から出力された光を、ミラー1117を介してポリゴンミラー1114の偏向反射面近傍に集光する。
【0085】
ポリゴンミラー1114は、高さの低い正六角柱状部材からなり、側面には6面の偏向反射面が形成されている。 そして、不図示の回転機構により、矢印Yに示す方向に一定の角速度で回転されている。
【0086】
従って、光源ユニット1100から出射され、シリンドリカルレンズ1113によってポリゴンミラー1114の偏向反射面近傍に集光された光は、ポリゴンミラー1114の回転により一定の角速度で偏向される。
【0087】
fθレンズ1115は、ポリゴンミラー1114からの光の入射角に比例した像高をもち、ポリゴンミラー1114により一定の角速度で偏向される光の像面を、主走査方向に関して等速移動させる。 トロイダルレンズ1116は、fθレンズ1115からの光をミラー1118を介して、感光体ドラム1030の表面に結像する。
【0088】
トロイダルレンズ1116は、fθレンズ1115を介した光束の光路上に配置されている。そして、このトロイダルレンズ1116を介した光束が、感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー1114の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
【0089】
ポリゴンミラー1114と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施の形態では、走査光学系は、fθレンズ1115とトロイダルレンズ1116とから構成されている。なお、fθレンズ1115とトロイダルレンズ1116の間の光路上、及びトロイダルレンズ1116と感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されてもよい。
【0090】
本実施の形態におけるレーザプリンタ1000では、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュールを用いているため、レーザプリンタ1000において、安定的な光による書き込みを行なうことができ、高精細で高画質な画像形成を行なうことができる。
【0091】
尚、本実施の形態における説明では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0092】
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であってもよい。
【0093】
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
【0094】
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態は、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000である。
【0095】
図17に基づき、本実施の形態におけるカラープリンタ2000について説明する。本実施の形態におけるカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
【0096】
各感光体ドラムは、図17において示される矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転順にそれぞれ帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットが配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光が照射され、各感光体ドラムに潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
【0097】
光走査装置2010は、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュールを含む光源ユニットを、各々の色毎に有しており、第5の実施の形態において説明した光走査装置1010と同様の効果を得ることができる。また、カラープリンタ2000は、この光走査装置2010を備えているため、第5の実施の形態におけるレーザプリンタ1000と同様の効果を得ることができる。
【0098】
ところで、カラープリンタ2000では、各部品の製造誤差や位置誤差等によって色ずれが発生する場合がある。このような場合であっても、光走査装置2010の各光源が第1から第4のいずれかの実施の形態における面発光レーザモジュールを含む光源ユニットにより形成されているため、点灯させる面発光レーザを選択することで色ずれを低減することができる。
【0099】
よって、本実施の形態におけるカラープリンタ2000では、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュールを用いているため、高精細で高品質の画像を形成することができる。
【0100】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0101】
110 面発光レーザ素子
111、112、113、114、115 面発光レーザ
111a、112a、113a、114a、115a 光スポット
116 第1の位置決め用面発光レーザ
116a 光スポット
117 第2の位置決め用面発光レーザ
117a 光スポット
120 受光素子
121 光検出部
126 第1の位置決め用光検出部
127 第2の位置決め用光検出部
130 パッケージ部
131 底面
132 段部
140 リッド部
141 透明部材
1000 レーザプリンタ(画像形成装置)
1010 光走査装置
2000 カラープリンタ(画像形成装置)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開平6−97597号公報
【特許文献2】特開平6−164056号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面発光レーザ素子及び受光素子が、パッケージ部及びリッド部を接合することにより覆われ、前記リッド部には、前記面発光レーザ素子における面発光レーザより出射されるレーザ光を透過する透明部材が設けられており、前記面発光レーザ素子には位置決め用面発光レーザが設けられており、前記受光素子には位置決め用光受光部が設けられている面発光レーザモジュールの製造方法において、
前記パッケージ部に、前記面発光レーザ素子及び前記受光素子を設置する工程と、
前記パッケージ部において、前記パッケージ部と前記リッド部との接合部分に接着樹脂を塗布し、前記接着樹脂上に前記リッド部を載置する工程と、
前記位置決め用面発光レーザを発光させる工程と、
前記位置決め用面発光レーザより出射され、前記透明部材により一部反射されたレーザ光を受光し、前記受光されたレーザ光による前記位置決め用光受光部における出力が最大となるように、前記リッド部の位置を調整する工程と、
前記パッケージ部と前記リッド部とを前記接着樹脂により接着する工程と、
を有することを特徴とする面発光レーザモジュールの製造方法。
【請求項2】
面発光レーザ素子及び受光素子が、パッケージ部及びリッド部を接合することにより覆われ、前記リッド部には、前記面発光レーザ素子における面発光レーザより出射されるレーザ光を透過する透明部材が設けられており、前記面発光レーザ素子には位置決め用面発光レーザが設けられており、前記受光素子には位置決め用光受光部が設けられおり、前記リッド部はリッド部本体部とリッド部側面部とを有している面発光レーザモジュールの製造方法において、
前記パッケージ部に、前記面発光レーザ素子を設置する工程と、
前記パッケージ部と前記リッド部本体部とを接着する工程と、
前記リッド部本体部において、前記受光素子が設置される領域に接着樹脂を塗布し、前記接着樹脂上に前記受光素子を載置する工程と、
前記位置決め用面発光レーザを発光させる工程と、
前記位置決め用面発光レーザより出射され、前記透明部材により一部反射されたレーザ光を受光し、前記受光されたレーザ光による前記位置決め用光受光部における出力が、略最大となるように、前記受光素子の位置を調整する工程と、
前記リッド部本体部に前記受光素子を前記接着樹脂により接着する工程と、
前記リッド部本体部の両側側面に前記リッド部側面部を接着する工程と、
を有することを特徴とする面発光レーザモジュールの製造方法。
【請求項3】
前記位置決め用面発光レーザ及び前記位置決め用光受光部は、各々2以上設けられており、
前記位置決め用面発光レーザの数と前記位置決め用光受光部の数とは等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の面発光レーザの製造方法。
【請求項4】
前記受光素子において、前記位置決め用受光部に代えて、前記位置決め用受光部に相当する領域に開口部を有する遮光シートを前記受光素子の表面に前記遮光シートを貼り付けるものであり、
前記受光素子の位置を調整する工程は、前記受光素子に貼り付けられた遮光シートの開口部において受光したレーザ光による出力が、略最大となるように受光素子の位置を調整するものであって、
接着樹脂上に前記受光素子を載置する前に、前記遮光シートを前記受光素子に貼り付ける工程と、
前記リッド部本体部に前記受光素子を接着した後に、前記遮光シートを前記受光素子より除去する工程と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の面発光レーザモジュールの製造方法。
【請求項5】
前記位置決め用面発光レーザ及び前記遮光シートにおける前記開口部は、各々2以上設けられており、
前記位置決め用面発光レーザの数と前記遮光シートにおける前記開口部の数とは等しいことを特徴とする請求項4に記載の面発光レーザの製造方法。
【請求項6】
前記位置決め用面発光レーザを発光させる工程の前に、前記透明部材に金属または金属を含む材料により形成される保護シートを貼り付ける工程と、
前記リッドを接着する工程、または、前記受光素子を接着する工程の後に、前記保護シートを前記透明部材より除去する工程と、
を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の面発光レーザの製造方法。
【請求項7】
前記接着樹脂は、紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の面発光レーザの製造方法。
【請求項8】
面発光レーザ素子と、
受光素子と、
前記面発光レーザ素子と前記受光素子とを覆うパッケージ部及びリッド部と、
を有し、前記パッケージ部とリッド部は接合されており、前記リッド部には、前記面発光レーザ素子における面発光レーザより出射されたレーザ光を透過する透明部材が設けられており、
前記面発光レーザより出射されたレーザ光の一部は前記透明部材において反射され、前記受光素子に入射するものであって、
前記面発光レーザ素子には、位置決め用面発光レーザが設けられており、
前記受光素子には、前記位置決め用面発光レーザより出射され、前記透明部材において一部反射された光を受光する位置決め用光受光部が設けられていることを特徴とする面発光レーザモジュール。
【請求項9】
光によって被走査面を走査する光走査装置であって、
請求項8に記載の面発光レーザモジュールを有する光源と、
前記光源からの光を偏向する光偏向部と、
前記光偏向部により偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と、
を有することを特徴とする光走査装置。
【請求項10】
像担持体と、
前記像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を走査する請求項9に記載の光走査装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−55246(P2013−55246A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193061(P2011−193061)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】