鞍乗型車両
【課題】本発明は、部品点数の増加を抑えることを可能にするエアバッグ装置を備えた鞍乗型車両を提供することを課題とする。
【解決手段】自動二輪車10は、車体フレーム12の後部にシートレール18L、18Rを含み、このシートレール18L、18Rに前端部83が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シート71を載置し、この乗員シート71の前方に車体フレーム12から上方に延設したエアバッグ取付ステー81によって固定されエアバッグ101が収納されているエアバッグモジュール82を配置した車両であり、エアバッグモジュール82から乗員シートの前端部83を保持するシートフック84が延出されている。
【解決手段】自動二輪車10は、車体フレーム12の後部にシートレール18L、18Rを含み、このシートレール18L、18Rに前端部83が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シート71を載置し、この乗員シート71の前方に車体フレーム12から上方に延設したエアバッグ取付ステー81によって固定されエアバッグ101が収納されているエアバッグモジュール82を配置した車両であり、エアバッグモジュール82から乗員シートの前端部83を保持するシートフック84が延出されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置を備えた鞍乗型車両の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
乗員が着座する乗員シートの前方にエアバッグ装置を備えた鞍乗型車両が従来技術として知られている(例えば、特許文献1(図3)参照。)。
【0003】
特許文献1の図3において、車体フレーム1(符号は、同公報のものを流用する。以下同じ。)の前部に、燃料タンク4が配置され、車体フレーム1の後部に、座席シート5が設けられ、燃料タンク4と座席シート5(以下、「乗員シート」と云う。)の間で、車体フレーム1の上面に近接した位置に、エアバッグモジュールMが配置されている。エアバッグモジュールMは、車体フレーム1に、取付ステー10および取付片11を介して取り付けられている。
【0004】
ところで、特許文献1の技術において、車体フレーム1に、前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを取り付けるときに、この乗員シートの前端部を支持するため、別個に支持部材を設ける場合がある。この場合に、車体フレームに、乗員シートの前端部を支持する支持部材を設けることが必要となり、部品点数の増加につながるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3685872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、部品点数の増加を抑えることを可能にするエアバッグ装置を備えた鞍乗型車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車体フレームの後部にシートレールを含み、このシートレールに前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを載置し、この乗員シートの前方に車体フレームから上方に延設したエアバッグ取付ステーによって固定されエアバッグが収納されているエアバッグモジュールを配置した鞍乗型車両において、エアバッグモジュールから乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、車体フレームの後部にシートレールを含み、このシートレールに前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを載置し、この乗員シートの前方に車体フレームから上方に延設したエアバッグ取付ステーによって固定されエアバッグが収納されているエアバッグモジュールを配置した鞍乗型車両において、エアバッグ取付ステーから乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、エアバッグモジュールの下方から乗員シートの前端部の下方にかけて、燃料タンクが配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、エアバッグモジュールとエアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、車体フレームを覆うカウルが取り付けられるカウル取付ステーが設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、エアバッグモジュールとエアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、燃料パイプを支持するパイプ支持部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、ヘッドパイプから後方へ左右一対のメインフレームが延びており、これらの左右一対のメインフレームの間に配置される燃料タンクは、その上面が左右一対のメインフレームより上方に位置するように形成され、エアバッグ取付ステーは、左右一対のメインフレームから燃料タンクの上面より上方へ延びていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、エアバッグモジュールから乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されている。エアバッグモジュールで前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを保持することができるので、部品点数の増加を抑えることが可能になる。部品点数の増加が抑えられれば、車体を簡便な構造にすることができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、エアバッグ取付ステーから乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されている。エアバッグ取付ステーで乗員シートを保持することができるので、部品点数の増加を抑えることが可能になる。部品点数の増加が抑えられれば、車体を簡便な構造にすることができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、エアバッグモジュールの下方から乗員シートの前端部の下方にかけて、燃料タンクが配置されている。エアバッグモジュールの下方と、乗員シートの下方に車体フレームではない部材が配置されたとしても、エアバッグモジュールおよび乗員シートを支持することができる。
【0016】
請求項4に係る発明では、エアバッグモジュール、エアバッグ取付ステーの少なくとも一つに、カウル取付ステーが設けられているので、エアバッグモジュール、エアバッグ取付ステーに、乗員シートだけでなく、カウルの取付が可能となる。したがって、部品点数を減らすことができ、車体を簡便な構造にすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明では、エアバッグモジュール、エアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、パイプ支持部が設けられているので、乗員シートだけでなく、燃料パイプの取付が可能となる。したがって、部品点数を減らすことができ、車体を簡便な構造にすることができる。
【0018】
請求項6に係る発明では、燃料タンクの上面は、左右一対のメインフレームよりも上方に位置するように形成され、エアバッグ取付ステーは、左右のメインフレームから燃料タンクの上面より上方へ延びている。かかるエアバッグ取付ステーであれば、例えば、エアバッグモジュールを乗員に近づけて配置するなど、エアバッグモジュールを最適な位置に配置することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】本発明に係る自動二輪車の車体フレームに乗員シートおよびエアバッグ装置を取り付けた左側面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】本発明に係るエアバッグモジュールから延ばしたシートフックと乗員シートとの関係を説明する側面図である。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】本発明に係るエアバッグモジュールから延ばしたシートフックと乗員シートとの関係を説明する斜視図である。
【図8】本発明に係るエアバッグモジュールから延ばしたカウル取付ステーの斜視図である。
【図9】本発明に係るエアバッグモジュールから延ばしたカウル取付ステーへカウルが装着可能なことを説明する背面図である。
【図10】本発明に係るエアバッグモジュールとエアバッグ制御ユニットの間を連結する配線の取回しを説明する平面図である。
【図11】本発明に係るエアバッグ装置を備えた自動二輪車の作用説明図である。
【図12】図5の別実施例を説明する図である。
【図13】本発明に係るエアバッグ取付ステーから延ばしたシートフックの平面図である。
【図14】図13の14−14断面図である。
【図15】本発明に係るエアバッグ取付ステーから延ばしたシートフックの斜視図である。
【図16】図10の別実施例図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中および実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1において、鞍乗型車両としての自動二輪車10は、ヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11から後方に延びている車体フレーム12と、を備えている。
車体フレーム12は、車体14の前部を構成するヘッドパイプ11から後方に延設する左右一対のメインフレーム15L、15R(手前側の符号15Lのみ示す。)と、これらメインフレーム15L、15Rの後端部に取り付けピボット軸16を有する左右一対のピボットプレート17L、17R(手前側の符号17Lのみ示す。)と、これらピボットプレート17L、17Rの上部から斜め後上方に立ち上がり、次いで、後方に延びている左右一対のシートレール18L、18R(手前側の符号18Lのみ示す。)と、これらシートレール18L、18Rの後端部と前記ピボットプレート17L、17Rの中間部との間を連結しシートレール18L、18Rを支持する左右一対のミドルフレーム19L、19R(手前側の符号19Lのみ示す。)と、を主要な構成要素とする。つまり、車体フレーム12の後部にシートレール18L、18Rを含んでいる。
【0022】
ミドルフレーム19L、19Rの上端部から左右一対のサブレール21L、21R(手前側の符号21Lのみ示す。)が後方に延びており、これらのサブレール21L、21Rの後部とミドルフレーム19L、19Rの間を、各々、左右一対のシートステー22L、22Rで連結し、サブレール21L、21Rの後部から斜め後下方に、次いで、前方水平に左右一対の補助ステー23L、23R(手前側の符号23Lのみ示す。)が延びている。
サブレール21L、21Rに、物を収納するトランク27が取り付けられ、このトランク27の前壁27aに、乗員の背中を保持する背もたれ28が取り付けられている。
【0023】
メインフレーム15L、15Rの下方には、締結部材31a〜31cを介してエンジン32が懸架されている。このエンジン32は、水平対向型6気筒の水冷エンジンである。
ピボットプレート17L、17Rには、ピボット軸16を中心に上下にスイング可能な左右一対のリヤスイングアーム34L、34R(手前側の符号34Lのみ示す。)が取り付けられ、これらのリヤスイングアーム34L、34Rの後端部に後軸35を介して後輪36が回動可能に取り付けられている。後輪36は、エンジン32のドライブ軸37に取り付けたドライブスプロケット38と後輪36に一体化したドリブンスプロケット41との間に巻き掛けたチェーン42により駆動される。
【0024】
リヤスイングアーム34L、34Rの中間部に、リンク機構47を介してリヤクッションユニット48が立設して取り付けられ、リヤクッションユニット48の上端部は、メインフレーム15L、15R側に形成したブラケット49に取り付けられている。
【0025】
ヘッドパイプ11に、転舵自在にフロントフォーク52が取り付けられ、このフロントフォーク52に前輪車軸53を介して前輪54が取り付けられ、フロントフォーク52の上端部には操向ハンドル55が取り付けられている。ヘッドパイプ11は、操向ハンドル55を回動可能に支持する部材である。
【0026】
メインフレーム15L、15Rの前部側方で、メインカウル56の側方に、開口部57が形成され、この開口部57に面するようにエンジン32を冷却するラジエータユニット58が配置されている。
【0027】
図中、61はフロントデイスクブレーキユニット、62はフロントデイスクプレート、63は車両の前方を覆うフロントカウル、64はフロントシールド、66はフロントフェンダ、68L、68R(手前側の符号68Lのみ示す。)は左右一対のメインスタンドブラケット、67は乗員シート71の下方に配置されているバッテリ、69はメインスタンド、70はメータである。
【0028】
シートレール18L、18Rに、乗員が着座する乗員シート71が設けられている。乗員シート71は、シート底板の上方に乗員が着座する樹脂製の前部シート72と、この前部シート72の後方に連なって設けた後部シート73とを一体化したものである。
【0029】
図2において、乗員が着座する乗員シート71は、シート底板の後端部が左右一対の締結ボルト75L、75R、76L、76R(手前側の符号75L、76Lのみ示す。)を介してシートレール18L、18Rに取り付けられている。
【0030】
メインフレーム15L、15Rに、エアバッグ取付ステー81を介してエアバッグモジュール82が取り付けられ、このエアバッグモジュール82から後方に、乗員シート71底板の前端部83を保持するシートフック84が延設されている。つまり、エアバッグモジュール82は、車体フレーム12から上方に延設したステーとしてのエアバッグ取付ステー81によって固定されている。
【0031】
エアバッグモジュール82はエアバッグ装置86を構成する要素の1つであり、エアバッグ装置86は、エアバッグモジュール82と、このエアバッグモジュール82に収納されているエアバッグ(後述する図4の符号101)の展開を制御するエアバッグ制御ユニット87と、を主要な構成要素とする。
【0032】
上記をまとめると、乗員シート71は、シート底板の前端部83が車両前方に向け斜め上方に傾斜しており、シートレール18L、18Rに載置され取り付けられている。この乗員シート71の前方に、エアバッグモジュール82が配置されている。
【0033】
図1に戻って、フロントフォーク52の上部および下部に、車体14にかかる衝撃を検出する左右の第1センサ77、77(図手前側の符号77のみ示す。)および左右の第2センサ78、78(図手前側の符号78のみ示す。)が配置され、これらの上下のセンサ部77、77、78、78から、第1ケーブル79、79(図手前側の符号79のみ示す。)が延びており、これらの第1ケーブル79、79は、エンジン32の上方を通過してエアバッグ制御ユニット87に連結されている。メータ70に、エアバッグ装置86の正常または異常を表示するインジケータ80が設けられ、このインジケータ80から第2ケーブル85が延びており、この第2ケーブル85は、エアバッグ制御ユニット87に連結されている。また、バッテリ67から第3ケーブル88が延びており、この第3ケーブル88は、乗員シート71の下方を通過してエアバッグ制御ユニット87に連結されている。
【0034】
図3において、左右のメインフレーム15L、15Rの間に、エレメント91を内蔵しているエアクリーナユニット92が配置され、このエアクリーナユニット92の上方に燃料タンク93が配置され、この燃料タンク93の左側で、且つ、左右のメインフレーム15L、15Rの全幅(Y)より車幅方向内側に、エアバッグ制御ユニット87が配置されている。図中、94は燃料タンク83の前部で上部に設けられている給油口90を開閉可能に塞ぐ給油キャップである。
【0035】
エアバッグ制御ユニット87は、燃料タンク93の側方に沿うように配置されているので、エアバッグ制御ユニット87による車幅の拡大を最小限に抑えることができる。
また、エアバッグ制御ユニット87は、左右のメインフレーム15L、15Rより車幅方向内側に配置されているので、エアバッグ制御ユニット87が、メインフレーム15L、15Rの外幅を超えて配置されている場合に較べて、車両を覆うカウル(後述する図9の符号106)の形状をコンパクトで、且つ、自由に設定することができる。
【0036】
図4において、左右のメインフレーム15L、15Rの間に、燃料タンク93が配置され、この燃料タンク93の上方にエアバッグ101を膨張させるためのガスを発生する左右のインフレータ95、96およびエアバッグ101が収納されているエアバッグモジュール82が配置されている。つまり、エアバッグモジュール82は、内部にエアバッグ101が収納されている。
【0037】
エアバッグモジュール82は、ケース体としての保持箱98を備えている。この保持箱98は、底板102と、この底板102に立設した側板105と、この側板105の上方を塞ぐリッド104と、からなる。
保持箱98の底板102に、開口部100L、100Rを設け、これらの開口部100L、100Rを貫通する形態で左右並列にインフレータ95、96が設けられている。
【0038】
また、インフレータ95、96は左右並列に2つ配置されているが、いくつでも良く、前後に並列に並べても良く、本実施例の配置の形態に限定されることはない。
【0039】
以下、エアバッグ制御ユニット87の配置について説明を行う。
図2〜図4において、エアバッグモジュール82は、乗員シート71の前方に配置され、エアバッグ制御ユニット87は、ヘッドパイプ11とエアバッグモジュール82の間で、且つ、車両幅方向中心線から左側に外れた位置に配置されている。
なお、エアバッグ制御ユニットを車両幅方向中心線から右側に外れた位置に配置することは差し支えない。
【0040】
エアバッグ制御ユニット87は、車両長手方向の長さ寸法(L)が、車両幅方向の幅寸法(W)より大きく、且つ、車両高さ方向の高さ寸法(T)が、車両幅方向の幅寸法(W)より大きい箱状の部材である。
【0041】
エアバッグ制御ユニット87は、長さ寸法(L)と高さ寸法(T)のいずれよりも小さい幅寸法(W)を有する箱状の部材である。長さ寸法(L)と高さ寸法(T)に較べて小さい幅寸法(W)を有するエアバッグ制御ユニット87を車両の幅方向に沿うように配置したので、車幅方向の拡大を抑制することができる。
【0042】
以下、燃料タンクの配置について説明を行う。
エアバッグモジュール82の下方から乗員シートの前端部83の下方に、燃料タンク93が配置されている。かかる燃料タンク93の配置であれば、エアバッグモジュール82の下方と、乗員シート71の下方に車体フレーム12ではない部材が配置されている場合であっても、エアバッグモジュール82および乗員シート71を支持することができる。
【0043】
図5〜図8において、エアバッグモジュール82は、インフレータ95、96が収納されている保持箱98を備え、この保持箱98の上部に、エアバッグ(図4の符号101)が膨張展開可能なように一部に図示せぬ脆弱部を有する覆いとしてのリッド104を備え、保持箱98から後方に、乗員シートの前端部83を保持するシートフック84が延出され、このシートフック84とは別に、保持箱98から後方に、車体フレーム12を覆うカウル106が取り付けられるカウル取付ステー107L、107Rが延設されている。108、108はカウル取付用のウエルドナット、109・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)はエアバッグモジュール82をエアバッグ取付ステー81に固定する締結部材、110、110はカウル取付用のねじ部材である。
【0044】
シートフック84は、平面視で略U字状を呈するU字部112を備えている。このU字部112に、乗員シート底板の前端部83に下方に延設され、その後、後方に延設される保持片113を上方から引っ掛けることで、シートフック84に乗員シート底板の前端部83を保持するようにした。
【0045】
さらに、エアバッグモジュール82の保持箱98に、パイプ支持部116を設けた。パイプ支持部116が設けられているので、エアバッグモジュール82に、乗員シート71だけでなく、燃料パイプ118の取付が可能となる。
なお、パイプ支持部は、燃料パイプを支持するものにとどまらず、例えば、ハーネス類などのケーブルを支持するようなものでも差し支えない。
【0046】
エアバッグモジュール82に、シートフック84、カウル取付ステー107L、107Rおよびパイプ支持部116を設けたので、部品点数を減らすことができ、車体を簡便な構造にすることができる。
なお、パイプ支持部116をエアバッグ取付ステー81に設けることは差し支えない。
【0047】
図2を併せて参照して、エアバッグ取付ステー81から前方に延出部としての延出ステー131が延出され、この延出ステー131にエアバッグ制御ユニット87が取り付けられている。
エアバッグ取付ステー81から前方に延出ステー131が延出され、この延出ステー131に、締結部材132、132によってエアバッグ制御ユニット87が取り付けられている。エアバッグ取付ステー81に、エアバッグ制御ユニット87の取付部材を兼ねる延出ステー131が延設されているので、部品点数が増加する心配はない。
【0048】
図8および図9において、乗員シート底板の前端部83を保持するシートフック84の左右外側で、エアバッグモジュール82から後方にカウル取付ステー107L、107Rが延出されている。シートフック84で乗員シート71を保持可能にし、併せて、カウル取付ステー107L、107Rでカウル106を取付可能にしたので、部品点数の増加を抑えることが可能になる。部品点数の増加が抑えられれば、車体を簡便な構造にすることができる。
【0049】
上記をまとめると、エアバッグモジュール82に、車体フレーム12を覆うカウル取付ステー107L、107Rが設けられているので、乗員シート71だけでなく、カウル106の取付が可能となる。したがって、部品点数を減らすことができ、車体を簡便な構造にすることができる。
【0050】
なお、エアバッグ取付ステー81に、カウル取付ステー107L、107Rを設けることは差し支えなく、エアバッグモジュール82とエアバッグ取付ステー81の双方に、カウル取付ステー107L、107Rを設けても良い。
【0051】
図10において、エアバッグ制御ユニット87とエアバッグモジュール82の間に、エアバッグ101の展開制御信号を伝達する配線122が備えられ、この配線122は、エアバッグ制御ユニットの前部135から延び、エアバッグモジュール82の前方を通り、エアバッグ制御ユニット87が配置されていない側であるエアバッグモジュールの右側面136の外方を通り、このエアバッグモジュール82と乗員シート71との間を通って、エアバッグモジュール82に連結されている。詳細には、配線122の先端部に、配線コネクタ部134が設けられ、この配線コネクタ部134がモジュール側コネクタ部124に連結されている。
【0052】
すなわち、エアバッグ装置86に、エアバッグ101の展開を制御するエアバッグ制御ユニット87を備えている。このエアバッグ制御ユニット87とインフレータ95、96との間に、エアバッグの展開制御信号を伝達する配線122が備えられている。
【0053】
エアバッグ制御ユニット87とエアバッグモジュール82の間を連結する配線122は、エアバッグ制御ユニットの前部135から延び、エアバッグモジュール82の側方を通り、エアバッグモジュールに連結されている。このような配索であれば、作業者はエアバッグモジュール82の側方から手を入れ容易に配線作業を行うことができる。したがって、配線に係る作業性を高めることができる。
【0054】
以上に述べた鞍乗型車両の作用を次に述べる。
図11において、エアバッグ制御ユニット87は、車両側面視で、ヘッドパイプ11とエアバッグモジュール82の間に配置されている。
仮に、左右のメインフレーム15L、15Rの間を狭くした場合に、例えば、エアバッグモジュール82の左側方に、エアバッグ制御ユニット87が配置されていると、エアバッグ制御ユニット87が左のメインフレーム15Lの外側に張り出す可能性がある。そうすると、車幅の拡大につながることになる。
【0055】
この点、本発明では、エアバッグ制御ユニット87は、ヘッドパイプ11とエアバッグモジュール82の間に配置されている。
ヘッドパイプ11とエアバッグモジュール82の間であれば、車幅の拡大を抑えることができる。この場合に、エアバッグモジュール82の側方とエアバッグ制御ユニット87の側方は、いずれも、運転者Dの膝Kが当たる領域160にあり、この領域160で車幅の拡大が抑えられるので、運転者Dはニーグリップをし易くすることができる。
図中、161、161(図手前側の161のみ示す。)はピボットプレート17L、17Rの下部に設けられ運転者Dの足が載置される乗員ステップである。
【0056】
図2〜図4を併せて参照して、燃料タンク93の上面は、左右一対のメインフレーム15L、15Rよりも上方に位置するように形成され、エアバッグ取付ステー81は、左右のメインフレーム15L、15Rから燃料タンク93の上面より上方へ延びている。かかるエアバッグ取付ステー81であれば、例えば、エアバッグモジュール82を乗員に近づけて配置するなど、エアバッグモジュール82を最適な位置に配置することが可能になる。
【0057】
この他、エアバッグモジュール82の下方からその前方に渡って燃料タンク93が配置され、この燃料タンク93の前部は、エアバッグモジュール82の前方で上方へ膨出し給油口90を形成するとともに、この給油口90の側方にエアバッグ制御ユニット87を配置した。乗員シート71の前方の限られた空間に、エアバッグモジュール82、燃料タンク93、給油口90およびエアバッグ制御ユニット87が配置可能となり、スペースを有効に活用することができる。また、このような配置であっても、燃料タンク93の容量を減らすことはない。
【実施例2】
【0058】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図12〜図13において、エアバッグモジュール82をメインフレーム15L、15Rに取り付けるステーとしてのエアバッグ取付ステー81Bから、平面視で略U字状のシートフックアーム141が延びており、このシートフックアーム141の横腕部142から、平面視で略C字状を呈し乗員シート底板の前端部83を保持するシートフック144を取り付けた。なお、シートフックアーム141は、ボルト155・・・によってエアバッグ取付ステー81Bに取り付けられている。
図中、148・・・はエアバッグ取付ステー81Bをメインフレーム15L、15Rに固着するボルトである。なお、エアバッグ取付ステー81Bをメインフレーム15L、15Rに溶接止めすることは差し支えない。
【0059】
図14において、エアバッグ取付ステー81Bは、断面コ字状を呈する左右の縦板151、151と、これらの左右の縦板151、151の上端部の間を渡した横板154と、を組み合わせてなる。そして、縦板151、151と横板154との重なった部分に、シートフックアーム141を載置し、これらをボルト155・・・およびナット156・・・で共締めにより取り付けた。
【0060】
図15において、エアバッグ取付ステー81Bから乗員シート底板の前端部83を保持するシートフック144が延出されている。エアバッグ取付ステー81Bで乗員シート71を保持することができるので、部品点数の増加を抑えることが可能になる。部品点数の増加が抑えられれば、車体を簡便な構造にすることができる。
【0061】
図16において、エアバッグ制御ユニット87とエアバッグモジュール82の間に、エアバッグ(図4の符号101)の展開制御信号を伝達する配線122Bが備えられ、この配線122Bは、エアバッグ制御ユニットの後部137から延び、エアバッグモジュール82と乗員シート71との間を通って、エアバッグモジュール82に連結されている。
【0062】
エアバッグ制御ユニット87とエアバッグモジュール82の間を連結する配線122Bは、エアバッグ制御ユニットの後部137から延び、エアバッグモジュール82に連結されているので、最短距離でエアバッグモジュールへ配索することができる。
【0063】
尚、本発明は、実施の形態では鞍乗型車両に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、エアバッグ装置を備えた自動二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0065】
10…鞍乗型車両(自動二輪車)、12…車体フレーム、18L、18R…シートレール、71…乗員シート、81、81B…エアバッグ取付ステー、82…エアバッグモジュール、83…乗員シートの前端部、84…シートフック、93…燃料タンク、101…エアバッグ、106…カウル、107L、107R…カウル取付ステー、116…パイプ支持部、118…燃料パイプ、144…シートフック。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置を備えた鞍乗型車両の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
乗員が着座する乗員シートの前方にエアバッグ装置を備えた鞍乗型車両が従来技術として知られている(例えば、特許文献1(図3)参照。)。
【0003】
特許文献1の図3において、車体フレーム1(符号は、同公報のものを流用する。以下同じ。)の前部に、燃料タンク4が配置され、車体フレーム1の後部に、座席シート5が設けられ、燃料タンク4と座席シート5(以下、「乗員シート」と云う。)の間で、車体フレーム1の上面に近接した位置に、エアバッグモジュールMが配置されている。エアバッグモジュールMは、車体フレーム1に、取付ステー10および取付片11を介して取り付けられている。
【0004】
ところで、特許文献1の技術において、車体フレーム1に、前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを取り付けるときに、この乗員シートの前端部を支持するため、別個に支持部材を設ける場合がある。この場合に、車体フレームに、乗員シートの前端部を支持する支持部材を設けることが必要となり、部品点数の増加につながるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3685872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、部品点数の増加を抑えることを可能にするエアバッグ装置を備えた鞍乗型車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車体フレームの後部にシートレールを含み、このシートレールに前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを載置し、この乗員シートの前方に車体フレームから上方に延設したエアバッグ取付ステーによって固定されエアバッグが収納されているエアバッグモジュールを配置した鞍乗型車両において、エアバッグモジュールから乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、車体フレームの後部にシートレールを含み、このシートレールに前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを載置し、この乗員シートの前方に車体フレームから上方に延設したエアバッグ取付ステーによって固定されエアバッグが収納されているエアバッグモジュールを配置した鞍乗型車両において、エアバッグ取付ステーから乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、エアバッグモジュールの下方から乗員シートの前端部の下方にかけて、燃料タンクが配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、エアバッグモジュールとエアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、車体フレームを覆うカウルが取り付けられるカウル取付ステーが設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、エアバッグモジュールとエアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、燃料パイプを支持するパイプ支持部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、ヘッドパイプから後方へ左右一対のメインフレームが延びており、これらの左右一対のメインフレームの間に配置される燃料タンクは、その上面が左右一対のメインフレームより上方に位置するように形成され、エアバッグ取付ステーは、左右一対のメインフレームから燃料タンクの上面より上方へ延びていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、エアバッグモジュールから乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されている。エアバッグモジュールで前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを保持することができるので、部品点数の増加を抑えることが可能になる。部品点数の増加が抑えられれば、車体を簡便な構造にすることができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、エアバッグ取付ステーから乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されている。エアバッグ取付ステーで乗員シートを保持することができるので、部品点数の増加を抑えることが可能になる。部品点数の増加が抑えられれば、車体を簡便な構造にすることができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、エアバッグモジュールの下方から乗員シートの前端部の下方にかけて、燃料タンクが配置されている。エアバッグモジュールの下方と、乗員シートの下方に車体フレームではない部材が配置されたとしても、エアバッグモジュールおよび乗員シートを支持することができる。
【0016】
請求項4に係る発明では、エアバッグモジュール、エアバッグ取付ステーの少なくとも一つに、カウル取付ステーが設けられているので、エアバッグモジュール、エアバッグ取付ステーに、乗員シートだけでなく、カウルの取付が可能となる。したがって、部品点数を減らすことができ、車体を簡便な構造にすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明では、エアバッグモジュール、エアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、パイプ支持部が設けられているので、乗員シートだけでなく、燃料パイプの取付が可能となる。したがって、部品点数を減らすことができ、車体を簡便な構造にすることができる。
【0018】
請求項6に係る発明では、燃料タンクの上面は、左右一対のメインフレームよりも上方に位置するように形成され、エアバッグ取付ステーは、左右のメインフレームから燃料タンクの上面より上方へ延びている。かかるエアバッグ取付ステーであれば、例えば、エアバッグモジュールを乗員に近づけて配置するなど、エアバッグモジュールを最適な位置に配置することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】本発明に係る自動二輪車の車体フレームに乗員シートおよびエアバッグ装置を取り付けた左側面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】本発明に係るエアバッグモジュールから延ばしたシートフックと乗員シートとの関係を説明する側面図である。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】本発明に係るエアバッグモジュールから延ばしたシートフックと乗員シートとの関係を説明する斜視図である。
【図8】本発明に係るエアバッグモジュールから延ばしたカウル取付ステーの斜視図である。
【図9】本発明に係るエアバッグモジュールから延ばしたカウル取付ステーへカウルが装着可能なことを説明する背面図である。
【図10】本発明に係るエアバッグモジュールとエアバッグ制御ユニットの間を連結する配線の取回しを説明する平面図である。
【図11】本発明に係るエアバッグ装置を備えた自動二輪車の作用説明図である。
【図12】図5の別実施例を説明する図である。
【図13】本発明に係るエアバッグ取付ステーから延ばしたシートフックの平面図である。
【図14】図13の14−14断面図である。
【図15】本発明に係るエアバッグ取付ステーから延ばしたシートフックの斜視図である。
【図16】図10の別実施例図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中および実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1において、鞍乗型車両としての自動二輪車10は、ヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11から後方に延びている車体フレーム12と、を備えている。
車体フレーム12は、車体14の前部を構成するヘッドパイプ11から後方に延設する左右一対のメインフレーム15L、15R(手前側の符号15Lのみ示す。)と、これらメインフレーム15L、15Rの後端部に取り付けピボット軸16を有する左右一対のピボットプレート17L、17R(手前側の符号17Lのみ示す。)と、これらピボットプレート17L、17Rの上部から斜め後上方に立ち上がり、次いで、後方に延びている左右一対のシートレール18L、18R(手前側の符号18Lのみ示す。)と、これらシートレール18L、18Rの後端部と前記ピボットプレート17L、17Rの中間部との間を連結しシートレール18L、18Rを支持する左右一対のミドルフレーム19L、19R(手前側の符号19Lのみ示す。)と、を主要な構成要素とする。つまり、車体フレーム12の後部にシートレール18L、18Rを含んでいる。
【0022】
ミドルフレーム19L、19Rの上端部から左右一対のサブレール21L、21R(手前側の符号21Lのみ示す。)が後方に延びており、これらのサブレール21L、21Rの後部とミドルフレーム19L、19Rの間を、各々、左右一対のシートステー22L、22Rで連結し、サブレール21L、21Rの後部から斜め後下方に、次いで、前方水平に左右一対の補助ステー23L、23R(手前側の符号23Lのみ示す。)が延びている。
サブレール21L、21Rに、物を収納するトランク27が取り付けられ、このトランク27の前壁27aに、乗員の背中を保持する背もたれ28が取り付けられている。
【0023】
メインフレーム15L、15Rの下方には、締結部材31a〜31cを介してエンジン32が懸架されている。このエンジン32は、水平対向型6気筒の水冷エンジンである。
ピボットプレート17L、17Rには、ピボット軸16を中心に上下にスイング可能な左右一対のリヤスイングアーム34L、34R(手前側の符号34Lのみ示す。)が取り付けられ、これらのリヤスイングアーム34L、34Rの後端部に後軸35を介して後輪36が回動可能に取り付けられている。後輪36は、エンジン32のドライブ軸37に取り付けたドライブスプロケット38と後輪36に一体化したドリブンスプロケット41との間に巻き掛けたチェーン42により駆動される。
【0024】
リヤスイングアーム34L、34Rの中間部に、リンク機構47を介してリヤクッションユニット48が立設して取り付けられ、リヤクッションユニット48の上端部は、メインフレーム15L、15R側に形成したブラケット49に取り付けられている。
【0025】
ヘッドパイプ11に、転舵自在にフロントフォーク52が取り付けられ、このフロントフォーク52に前輪車軸53を介して前輪54が取り付けられ、フロントフォーク52の上端部には操向ハンドル55が取り付けられている。ヘッドパイプ11は、操向ハンドル55を回動可能に支持する部材である。
【0026】
メインフレーム15L、15Rの前部側方で、メインカウル56の側方に、開口部57が形成され、この開口部57に面するようにエンジン32を冷却するラジエータユニット58が配置されている。
【0027】
図中、61はフロントデイスクブレーキユニット、62はフロントデイスクプレート、63は車両の前方を覆うフロントカウル、64はフロントシールド、66はフロントフェンダ、68L、68R(手前側の符号68Lのみ示す。)は左右一対のメインスタンドブラケット、67は乗員シート71の下方に配置されているバッテリ、69はメインスタンド、70はメータである。
【0028】
シートレール18L、18Rに、乗員が着座する乗員シート71が設けられている。乗員シート71は、シート底板の上方に乗員が着座する樹脂製の前部シート72と、この前部シート72の後方に連なって設けた後部シート73とを一体化したものである。
【0029】
図2において、乗員が着座する乗員シート71は、シート底板の後端部が左右一対の締結ボルト75L、75R、76L、76R(手前側の符号75L、76Lのみ示す。)を介してシートレール18L、18Rに取り付けられている。
【0030】
メインフレーム15L、15Rに、エアバッグ取付ステー81を介してエアバッグモジュール82が取り付けられ、このエアバッグモジュール82から後方に、乗員シート71底板の前端部83を保持するシートフック84が延設されている。つまり、エアバッグモジュール82は、車体フレーム12から上方に延設したステーとしてのエアバッグ取付ステー81によって固定されている。
【0031】
エアバッグモジュール82はエアバッグ装置86を構成する要素の1つであり、エアバッグ装置86は、エアバッグモジュール82と、このエアバッグモジュール82に収納されているエアバッグ(後述する図4の符号101)の展開を制御するエアバッグ制御ユニット87と、を主要な構成要素とする。
【0032】
上記をまとめると、乗員シート71は、シート底板の前端部83が車両前方に向け斜め上方に傾斜しており、シートレール18L、18Rに載置され取り付けられている。この乗員シート71の前方に、エアバッグモジュール82が配置されている。
【0033】
図1に戻って、フロントフォーク52の上部および下部に、車体14にかかる衝撃を検出する左右の第1センサ77、77(図手前側の符号77のみ示す。)および左右の第2センサ78、78(図手前側の符号78のみ示す。)が配置され、これらの上下のセンサ部77、77、78、78から、第1ケーブル79、79(図手前側の符号79のみ示す。)が延びており、これらの第1ケーブル79、79は、エンジン32の上方を通過してエアバッグ制御ユニット87に連結されている。メータ70に、エアバッグ装置86の正常または異常を表示するインジケータ80が設けられ、このインジケータ80から第2ケーブル85が延びており、この第2ケーブル85は、エアバッグ制御ユニット87に連結されている。また、バッテリ67から第3ケーブル88が延びており、この第3ケーブル88は、乗員シート71の下方を通過してエアバッグ制御ユニット87に連結されている。
【0034】
図3において、左右のメインフレーム15L、15Rの間に、エレメント91を内蔵しているエアクリーナユニット92が配置され、このエアクリーナユニット92の上方に燃料タンク93が配置され、この燃料タンク93の左側で、且つ、左右のメインフレーム15L、15Rの全幅(Y)より車幅方向内側に、エアバッグ制御ユニット87が配置されている。図中、94は燃料タンク83の前部で上部に設けられている給油口90を開閉可能に塞ぐ給油キャップである。
【0035】
エアバッグ制御ユニット87は、燃料タンク93の側方に沿うように配置されているので、エアバッグ制御ユニット87による車幅の拡大を最小限に抑えることができる。
また、エアバッグ制御ユニット87は、左右のメインフレーム15L、15Rより車幅方向内側に配置されているので、エアバッグ制御ユニット87が、メインフレーム15L、15Rの外幅を超えて配置されている場合に較べて、車両を覆うカウル(後述する図9の符号106)の形状をコンパクトで、且つ、自由に設定することができる。
【0036】
図4において、左右のメインフレーム15L、15Rの間に、燃料タンク93が配置され、この燃料タンク93の上方にエアバッグ101を膨張させるためのガスを発生する左右のインフレータ95、96およびエアバッグ101が収納されているエアバッグモジュール82が配置されている。つまり、エアバッグモジュール82は、内部にエアバッグ101が収納されている。
【0037】
エアバッグモジュール82は、ケース体としての保持箱98を備えている。この保持箱98は、底板102と、この底板102に立設した側板105と、この側板105の上方を塞ぐリッド104と、からなる。
保持箱98の底板102に、開口部100L、100Rを設け、これらの開口部100L、100Rを貫通する形態で左右並列にインフレータ95、96が設けられている。
【0038】
また、インフレータ95、96は左右並列に2つ配置されているが、いくつでも良く、前後に並列に並べても良く、本実施例の配置の形態に限定されることはない。
【0039】
以下、エアバッグ制御ユニット87の配置について説明を行う。
図2〜図4において、エアバッグモジュール82は、乗員シート71の前方に配置され、エアバッグ制御ユニット87は、ヘッドパイプ11とエアバッグモジュール82の間で、且つ、車両幅方向中心線から左側に外れた位置に配置されている。
なお、エアバッグ制御ユニットを車両幅方向中心線から右側に外れた位置に配置することは差し支えない。
【0040】
エアバッグ制御ユニット87は、車両長手方向の長さ寸法(L)が、車両幅方向の幅寸法(W)より大きく、且つ、車両高さ方向の高さ寸法(T)が、車両幅方向の幅寸法(W)より大きい箱状の部材である。
【0041】
エアバッグ制御ユニット87は、長さ寸法(L)と高さ寸法(T)のいずれよりも小さい幅寸法(W)を有する箱状の部材である。長さ寸法(L)と高さ寸法(T)に較べて小さい幅寸法(W)を有するエアバッグ制御ユニット87を車両の幅方向に沿うように配置したので、車幅方向の拡大を抑制することができる。
【0042】
以下、燃料タンクの配置について説明を行う。
エアバッグモジュール82の下方から乗員シートの前端部83の下方に、燃料タンク93が配置されている。かかる燃料タンク93の配置であれば、エアバッグモジュール82の下方と、乗員シート71の下方に車体フレーム12ではない部材が配置されている場合であっても、エアバッグモジュール82および乗員シート71を支持することができる。
【0043】
図5〜図8において、エアバッグモジュール82は、インフレータ95、96が収納されている保持箱98を備え、この保持箱98の上部に、エアバッグ(図4の符号101)が膨張展開可能なように一部に図示せぬ脆弱部を有する覆いとしてのリッド104を備え、保持箱98から後方に、乗員シートの前端部83を保持するシートフック84が延出され、このシートフック84とは別に、保持箱98から後方に、車体フレーム12を覆うカウル106が取り付けられるカウル取付ステー107L、107Rが延設されている。108、108はカウル取付用のウエルドナット、109・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)はエアバッグモジュール82をエアバッグ取付ステー81に固定する締結部材、110、110はカウル取付用のねじ部材である。
【0044】
シートフック84は、平面視で略U字状を呈するU字部112を備えている。このU字部112に、乗員シート底板の前端部83に下方に延設され、その後、後方に延設される保持片113を上方から引っ掛けることで、シートフック84に乗員シート底板の前端部83を保持するようにした。
【0045】
さらに、エアバッグモジュール82の保持箱98に、パイプ支持部116を設けた。パイプ支持部116が設けられているので、エアバッグモジュール82に、乗員シート71だけでなく、燃料パイプ118の取付が可能となる。
なお、パイプ支持部は、燃料パイプを支持するものにとどまらず、例えば、ハーネス類などのケーブルを支持するようなものでも差し支えない。
【0046】
エアバッグモジュール82に、シートフック84、カウル取付ステー107L、107Rおよびパイプ支持部116を設けたので、部品点数を減らすことができ、車体を簡便な構造にすることができる。
なお、パイプ支持部116をエアバッグ取付ステー81に設けることは差し支えない。
【0047】
図2を併せて参照して、エアバッグ取付ステー81から前方に延出部としての延出ステー131が延出され、この延出ステー131にエアバッグ制御ユニット87が取り付けられている。
エアバッグ取付ステー81から前方に延出ステー131が延出され、この延出ステー131に、締結部材132、132によってエアバッグ制御ユニット87が取り付けられている。エアバッグ取付ステー81に、エアバッグ制御ユニット87の取付部材を兼ねる延出ステー131が延設されているので、部品点数が増加する心配はない。
【0048】
図8および図9において、乗員シート底板の前端部83を保持するシートフック84の左右外側で、エアバッグモジュール82から後方にカウル取付ステー107L、107Rが延出されている。シートフック84で乗員シート71を保持可能にし、併せて、カウル取付ステー107L、107Rでカウル106を取付可能にしたので、部品点数の増加を抑えることが可能になる。部品点数の増加が抑えられれば、車体を簡便な構造にすることができる。
【0049】
上記をまとめると、エアバッグモジュール82に、車体フレーム12を覆うカウル取付ステー107L、107Rが設けられているので、乗員シート71だけでなく、カウル106の取付が可能となる。したがって、部品点数を減らすことができ、車体を簡便な構造にすることができる。
【0050】
なお、エアバッグ取付ステー81に、カウル取付ステー107L、107Rを設けることは差し支えなく、エアバッグモジュール82とエアバッグ取付ステー81の双方に、カウル取付ステー107L、107Rを設けても良い。
【0051】
図10において、エアバッグ制御ユニット87とエアバッグモジュール82の間に、エアバッグ101の展開制御信号を伝達する配線122が備えられ、この配線122は、エアバッグ制御ユニットの前部135から延び、エアバッグモジュール82の前方を通り、エアバッグ制御ユニット87が配置されていない側であるエアバッグモジュールの右側面136の外方を通り、このエアバッグモジュール82と乗員シート71との間を通って、エアバッグモジュール82に連結されている。詳細には、配線122の先端部に、配線コネクタ部134が設けられ、この配線コネクタ部134がモジュール側コネクタ部124に連結されている。
【0052】
すなわち、エアバッグ装置86に、エアバッグ101の展開を制御するエアバッグ制御ユニット87を備えている。このエアバッグ制御ユニット87とインフレータ95、96との間に、エアバッグの展開制御信号を伝達する配線122が備えられている。
【0053】
エアバッグ制御ユニット87とエアバッグモジュール82の間を連結する配線122は、エアバッグ制御ユニットの前部135から延び、エアバッグモジュール82の側方を通り、エアバッグモジュールに連結されている。このような配索であれば、作業者はエアバッグモジュール82の側方から手を入れ容易に配線作業を行うことができる。したがって、配線に係る作業性を高めることができる。
【0054】
以上に述べた鞍乗型車両の作用を次に述べる。
図11において、エアバッグ制御ユニット87は、車両側面視で、ヘッドパイプ11とエアバッグモジュール82の間に配置されている。
仮に、左右のメインフレーム15L、15Rの間を狭くした場合に、例えば、エアバッグモジュール82の左側方に、エアバッグ制御ユニット87が配置されていると、エアバッグ制御ユニット87が左のメインフレーム15Lの外側に張り出す可能性がある。そうすると、車幅の拡大につながることになる。
【0055】
この点、本発明では、エアバッグ制御ユニット87は、ヘッドパイプ11とエアバッグモジュール82の間に配置されている。
ヘッドパイプ11とエアバッグモジュール82の間であれば、車幅の拡大を抑えることができる。この場合に、エアバッグモジュール82の側方とエアバッグ制御ユニット87の側方は、いずれも、運転者Dの膝Kが当たる領域160にあり、この領域160で車幅の拡大が抑えられるので、運転者Dはニーグリップをし易くすることができる。
図中、161、161(図手前側の161のみ示す。)はピボットプレート17L、17Rの下部に設けられ運転者Dの足が載置される乗員ステップである。
【0056】
図2〜図4を併せて参照して、燃料タンク93の上面は、左右一対のメインフレーム15L、15Rよりも上方に位置するように形成され、エアバッグ取付ステー81は、左右のメインフレーム15L、15Rから燃料タンク93の上面より上方へ延びている。かかるエアバッグ取付ステー81であれば、例えば、エアバッグモジュール82を乗員に近づけて配置するなど、エアバッグモジュール82を最適な位置に配置することが可能になる。
【0057】
この他、エアバッグモジュール82の下方からその前方に渡って燃料タンク93が配置され、この燃料タンク93の前部は、エアバッグモジュール82の前方で上方へ膨出し給油口90を形成するとともに、この給油口90の側方にエアバッグ制御ユニット87を配置した。乗員シート71の前方の限られた空間に、エアバッグモジュール82、燃料タンク93、給油口90およびエアバッグ制御ユニット87が配置可能となり、スペースを有効に活用することができる。また、このような配置であっても、燃料タンク93の容量を減らすことはない。
【実施例2】
【0058】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図12〜図13において、エアバッグモジュール82をメインフレーム15L、15Rに取り付けるステーとしてのエアバッグ取付ステー81Bから、平面視で略U字状のシートフックアーム141が延びており、このシートフックアーム141の横腕部142から、平面視で略C字状を呈し乗員シート底板の前端部83を保持するシートフック144を取り付けた。なお、シートフックアーム141は、ボルト155・・・によってエアバッグ取付ステー81Bに取り付けられている。
図中、148・・・はエアバッグ取付ステー81Bをメインフレーム15L、15Rに固着するボルトである。なお、エアバッグ取付ステー81Bをメインフレーム15L、15Rに溶接止めすることは差し支えない。
【0059】
図14において、エアバッグ取付ステー81Bは、断面コ字状を呈する左右の縦板151、151と、これらの左右の縦板151、151の上端部の間を渡した横板154と、を組み合わせてなる。そして、縦板151、151と横板154との重なった部分に、シートフックアーム141を載置し、これらをボルト155・・・およびナット156・・・で共締めにより取り付けた。
【0060】
図15において、エアバッグ取付ステー81Bから乗員シート底板の前端部83を保持するシートフック144が延出されている。エアバッグ取付ステー81Bで乗員シート71を保持することができるので、部品点数の増加を抑えることが可能になる。部品点数の増加が抑えられれば、車体を簡便な構造にすることができる。
【0061】
図16において、エアバッグ制御ユニット87とエアバッグモジュール82の間に、エアバッグ(図4の符号101)の展開制御信号を伝達する配線122Bが備えられ、この配線122Bは、エアバッグ制御ユニットの後部137から延び、エアバッグモジュール82と乗員シート71との間を通って、エアバッグモジュール82に連結されている。
【0062】
エアバッグ制御ユニット87とエアバッグモジュール82の間を連結する配線122Bは、エアバッグ制御ユニットの後部137から延び、エアバッグモジュール82に連結されているので、最短距離でエアバッグモジュールへ配索することができる。
【0063】
尚、本発明は、実施の形態では鞍乗型車両に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、エアバッグ装置を備えた自動二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0065】
10…鞍乗型車両(自動二輪車)、12…車体フレーム、18L、18R…シートレール、71…乗員シート、81、81B…エアバッグ取付ステー、82…エアバッグモジュール、83…乗員シートの前端部、84…シートフック、93…燃料タンク、101…エアバッグ、106…カウル、107L、107R…カウル取付ステー、116…パイプ支持部、118…燃料パイプ、144…シートフック。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームの後部にシートレールを含み、このシートレールに前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを載置し、この乗員シートの前方に前記車体フレームから上方に延設したエアバッグ取付ステーによって固定されエアバッグが収納されているエアバッグモジュールを配置した鞍乗型車両において、
前記エアバッグモジュールから前記乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されていることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項2】
車体フレームの後部にシートレールを含み、このシートレールに前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを載置し、この乗員シートの前方に前記車体フレームから上方に延設したエアバッグ取付ステーによって固定されエアバッグが収納されているエアバッグモジュールを配置した鞍乗型車両において、
前記エアバッグ取付ステーから前記乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されていることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項3】
前記エアバッグモジュールの下方から前記乗員シートの前端部の下方にかけて、燃料タンクが配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記エアバッグモジュールと前記エアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、前記車体フレームを覆うカウルが取り付けられるカウル取付ステーが設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記エアバッグモジュールと前記エアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、燃料パイプを支持するパイプ支持部が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
ヘッドパイプから後方へ左右一対のメインフレームが延びており、これらの左右一対のメインフレームの間に配置される前記燃料タンクは、その上面が前記左右一対のメインフレームより上方に位置するように形成され、前記エアバッグ取付ステーは、前記左右一対のメインフレームから前記燃料タンクの上面より上方へ延びていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の鞍乗型車両。
【請求項1】
車体フレームの後部にシートレールを含み、このシートレールに前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを載置し、この乗員シートの前方に前記車体フレームから上方に延設したエアバッグ取付ステーによって固定されエアバッグが収納されているエアバッグモジュールを配置した鞍乗型車両において、
前記エアバッグモジュールから前記乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されていることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項2】
車体フレームの後部にシートレールを含み、このシートレールに前端部が車両前方に向け斜め上方に傾斜している乗員シートを載置し、この乗員シートの前方に前記車体フレームから上方に延設したエアバッグ取付ステーによって固定されエアバッグが収納されているエアバッグモジュールを配置した鞍乗型車両において、
前記エアバッグ取付ステーから前記乗員シートの前端部を保持するシートフックが延出されていることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項3】
前記エアバッグモジュールの下方から前記乗員シートの前端部の下方にかけて、燃料タンクが配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記エアバッグモジュールと前記エアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、前記車体フレームを覆うカウルが取り付けられるカウル取付ステーが設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記エアバッグモジュールと前記エアバッグ取付ステーのうちの少なくとも一つに、燃料パイプを支持するパイプ支持部が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
ヘッドパイプから後方へ左右一対のメインフレームが延びており、これらの左右一対のメインフレームの間に配置される前記燃料タンクは、その上面が前記左右一対のメインフレームより上方に位置するように形成され、前記エアバッグ取付ステーは、前記左右一対のメインフレームから前記燃料タンクの上面より上方へ延びていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の鞍乗型車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−254220(P2010−254220A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109220(P2009−109220)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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