説明

頭部装着型表示装置、及びその制御方法

【課題】 観察者の両眼に対して画像を提示する場合に、あるフレームの画像にエラー箇所が生じても、係るエラー箇所をより簡便且つ容易に修正し、好適な画像を提供するための技術を提供すること。
【解決手段】 注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズが閾値以上、且つ注目フレームの1フレーム前の画像に対してエラー箇所無しと判断した場合は、注目フレームの1フレーム前の画像を注目フレームの画像として表示部115に表示させる。注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズが閾値より小さく、且つ注目フレームの1フレーム前の画像に対してエラー箇所有りと判断した場合は、注目フレームの画像中のエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を表示部115に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の表示技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、現実世界と仮想世界とをリアルタイムかつシームレスに融合させる技術として複合現実感、いわゆるMR(Mixed Reality)技術が知られている。MR技術の1つに次のような技術が知られている。即ち、ビデオシースルー型HMD(Head Mounted Display)を利用して、HMD装着者の瞳位置から観察される被写体と略一致する被写体をビデオカメラなどで撮像する。そして、その撮像画像にCG(Computer Graphics)を重畳表示した画像をHMD装着者の眼前に提示する。
【0003】
図12は、一般的なビデオシースルー型複合現実システム(以下、単にシステム)の機能構成を示すブロック図である。以下では、図12を用いて、一般的なシステムについて説明する。
【0004】
図12に示す如く、システムは、画像処理装置1202とビデオシースルー型HMD1201とで構成されている。
【0005】
ビデオシースルー型HMD1201は、撮像部1203、表示部1204、三次元位置センサ1205、I/F(インターフェース)1206により構成されている。画像処理装置1202は、一般にはパソコンやワークステーション等の高性能な演算処理機能やグラフィック表示機能を有する装置であって、I/F1207、位置姿勢情報生成部1208、CG描画合成部1210により構成されている。
【0006】
先ず、ビデオシースルー型HMD1201を構成する上記各部について説明する。
【0007】
撮像部1203は、ビデオシースルー型HMD1201を頭部に装着する装着者の視点位置と略一致する位置から、視線方向に略一致する方向に見える外界の画像(現実空間画像)を撮像する。撮像部1203は、一般にはステレオ画像を生成するために、右目用、左目用のそれぞれについて設けられるものであり、撮像素子、光学系、画像処理を行うためのDSP(Digital Signal Processor)から構成される。
【0008】
表示部1204は、画像処理装置1202から送出されたMR画像を表示する。表示部1204についても、右目用、左目用のそれぞれについて設けられるものであり、表示デバイス、光学系から構成される。表示デバイスには、小型の液晶ディスプレイやMEMS(Micro Electro Mechanical System)による網膜スキャンタイプのデバイスが用いられる。
【0009】
三次元位置センサ1205は、自身の位置姿勢を計測するためのものであり、磁気センサやジャイロセンサ(加速度、角速度)が使用される。
【0010】
I/F1206は、ビデオシースルー型HMD1201と画像処理装置1202とを繋ぐためのものである。撮像部1203が撮像した画像や、三次元位置センサ1205が計測した結果はこのI/F1206を介して画像処理装置1202に転送される。また、画像処理装置1202側で生成したMR画像はこのI/F1206を介してビデオシースルー型HMD1201に入力される。I/F1206には、リアルタイム性が求められかつ大容量の伝送が可能な、USBやIEEE1394のメタル線、GigabitEthernet(登録商標)等の光ファイバ、に対応するコネクタが使用される。
【0011】
次に、画像処理装置1202を構成する上記各部について説明する。
【0012】
I/F1207は、画像処理装置1202とビデオシースルー型HMD1201とを繋ぐためのものである。撮像部1203が撮像した画像や、三次元位置センサ1205が計測した結果はこのI/F1207を介して画像処理装置1202に転送される。また、画像処理装置1202側で生成したMR画像はこのI/F1207を介してビデオシースルー型HMD1201に入力される。
【0013】
位置姿勢情報生成部1208は、ビデオシースルー型HMD1201から受け取った、三次元位置センサ1205が計測した結果に基づいて、ビデオシースルー型HMD1201の装着者の視点の位置姿勢を示す位置姿勢情報を求める。もちろん、このほかにも、撮像部1203が撮像した画像中に写っているマーカなどを用いて、視点の位置姿勢情報を生成する方法を用いても良い。
【0014】
コンテンツ1209は、仮想空間を構成する各仮想物体に係るデータを記憶している記憶装置である。
【0015】
CG描画合成部1210は、コンテンツ1209に記憶されたデータに従った仮想空間を、位置姿勢情報生成部1208が生成した位置姿勢情報が示す位置姿勢を有する視点から見た画像(CG)を生成する。そしてCG描画合成部1210は、I/F1207を介してビデオシースルー型HMD1201から受けた画像上にこのCGを合成したMR画像を生成する。そして生成したMR画像をI/F1207を介してビデオシースルー型HMD1201に送出する。
【0016】
以上説明した構成により、ビデオシースルー型HMD1201の装着者は、現実世界と仮想世界とがリアルタイムかつシームレスに融合した複合現実世界を体験することができる。
【0017】
ビデオシースルー型HMDを用いる上記システムでは、HMDと画像処理装置との間の通信にエラーが発生した場合であっても、装着者の視界を確保することが重要である。特に、画像の伝送に無線方式を採用した場合には、使用環境や装置間の距離によっては、エラーの発生頻度が大きくなる。通信エラーが発生した場合、赤外線による映像伝送時に搬送波がなくなってから一定時間前のフレームを静止画像として表示するとともに、併せて警告メッセージを表示する手法が提案されている(特許文献1)。
【0018】
また、次のような手法も提案されている。即ち、複数カメラによる立体動画像表示システムにおいて、復号エラー発生時に他方のチャンネルに記憶されている画像データの一部または全体を、エラーの発生したチャンネルにも転送する制御を行う。そして、エラーが発生した画像データの一部または全体を補間して表示する(特許文献2)。
【特許文献1】特開平5−76078号公報
【特許文献2】特開平7−322302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら上述した従来技術には、以下のような問題があった。
【0020】
無線画像伝送時にエラーが発生して画像の伝送が困難になった場合、単に正常に受け取った前フレームの画像を表示すると、装着者が移動している場合には、実際に外界がどうなっているかがわからない、即ち、使用者の視界の確保が困難になる問題がある。
【0021】
また、別の従来例のように補間処理を行う場合も、エラーの発生量や頻度が大きくなると、同一画像やステレオ画像もしくは前フレームを用いたとしても画像の復元が困難になり、同じく装着者の視界を確保することが困難となる。
【0022】
本発明は以上の問題に鑑みて成されたものであり、観察者の両眼に対して画像を提示する場合に、あるフレームの画像にエラー箇所が生じても、係るエラー箇所をより簡便且つ容易に修正し、好適な画像を提供するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の頭部装着型表示装置は以下の構成を備える。
【0024】
即ち、観察者の眼前に画像を表示する為の表示部を有する頭部装着型表示装置であって、
フレームの画像を順次、入力する入力手段と、
前記入力手段が入力した注目フレームの画像にエラー箇所が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記注目フレームの画像にエラー箇所は存在しないと前記判断手段が判断した場合には、前記注目フレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御手段とを備え、
更に、
前記注目フレームの画像にエラー箇所が存在すると前記判断手段が判断した場合には、
前記表示制御手段は、
前記判断手段による判断処理の過程で求めた前記注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズと、前記判断手段が前記注目フレームよりも過去のフレームについて判断した判断結果と、に基づいて、前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うか否かを判断する手段と、
前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うと判断した場合には、前記注目フレームよりも過去のフレームにおける画像を前記注目フレームの画像として前記表示部に表示させる表示制御、若しくは前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御、のうち、前記サイズと前記判断結果とに基づいて決まる一方の表示制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の頭部装着型表示装置は以下の構成を備える。
【0026】
即ち、観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置であって、
観察者の一方の目に対して画像を提示するための提示部と、他方の目に対して画像を提示する為の提示部とを有し、
それぞれの前記提示部は、
フレームの画像を順次、入力する入力手段と、
前記入力手段が入力した注目フレームの画像にエラー箇所が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記注目フレームの画像にエラー箇所は存在しないと前記判断手段が判断した場合には、前記注目フレームの画像を表示部に表示させる表示制御手段とを備え、
更に、
前記注目フレームの画像にエラー箇所が存在すると前記判断手段が判断した場合には、
前記表示制御手段は、
前記判断手段による判断処理の過程で求めた前記注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズと、前記判断手段が前記注目フレームよりも過去のフレームについて判断した判断結果と、に基づいて、前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うか否かを判断する手段と、
前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うと判断した場合には、前記注目フレームの画像として他方の前記提示部が有する前記入力手段が入力した注目フレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御、若しくは前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御、のうち、前記サイズと前記判断結果とに基づいて決まる一方の表示制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0027】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の頭部装着型表示装置は以下の構成を備える。
【0028】
即ち、観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置であって、
撮像装置により現実空間を撮像することで得られる現実空間画像を取得する手段と、
前記撮像装置の位置姿勢を取得する手段と、
前記位置姿勢に基づいて生成される仮想空間画像を取得する手段と、
前記仮想空間画像に対するエラーの有無を検出する手段と、
前記エラーが検出されなかった場合には前記現実空間画像と前記仮想空間画像との合成画像を表示し、前記エラーが検出された場合には前記現実空間画像を表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0029】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の頭部装着型表示装置は以下の構成を備える。
【0030】
即ち、観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置であって、
撮像装置により現実空間を撮像することで得られる現実空間画像を取得する手段と、
前記撮像装置の位置姿勢を取得する手段と、
前記位置姿勢に基づいて生成される仮想空間画像と前記現実空間画像との合成画像を取得する手段と、
前記合成画像に対するエラーの有無を検出する手段と、
前記エラーが検出されなかった場合には前記合成画像を表示し、前記エラーが検出された場合には前記現実空間画像を表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0031】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の頭部装着型表示装置の制御方法は以下の構成を備える。
【0032】
即ち、観察者の眼前に画像を表示する為の表示部を有する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
フレームの画像を順次、入力する入力工程と、
前記入力工程で入力した注目フレームの画像にエラー箇所が存在するか否かを判断する判断工程と、
前記注目フレームの画像にエラー箇所は存在しないと前記判断工程で判断した場合には、前記注目フレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御工程とを備え、
更に、
前記注目フレームの画像にエラー箇所が存在すると前記判断工程で判断した場合には、
前記表示制御工程は、
前記判断工程による判断処理の過程で求めた前記注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズと、前記判断工程で前記注目フレームよりも過去のフレームについて判断した判断結果と、に基づいて、前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うか否かを判断する工程と、
前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うと判断した場合には、前記注目フレームよりも過去のフレームにおける画像を前記注目フレームの画像として前記表示部に表示させる表示制御、若しくは前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御、のうち、前記サイズと前記判断結果とに基づいて決まる一方の表示制御を行う制御工程と
を備えることを特徴とする。
【0033】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の頭部装着型表示装置の制御方法は以下の構成を備える。
【0034】
即ち、観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
前記頭部装着型表示装置は、観察者の一方の目に対して画像を提示するための提示部と、他方の目に対して画像を提示する為の提示部とを有し、
それぞれの前記提示部が、
フレームの画像を順次、入力する入力工程と、
前記入力工程で入力した注目フレームの画像にエラー箇所が存在するか否かを判断する判断工程と、
前記注目フレームの画像にエラー箇所は存在しないと前記判断工程で判断した場合には、前記注目フレームの画像を表示部に表示させる表示制御工程とを備え、
更に、
前記注目フレームの画像にエラー箇所が存在すると前記判断工程で判断した場合には、
前記表示制御工程は、
前記判断工程による判断処理の過程で求めた前記注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズと、前記判断工程で前記注目フレームよりも過去のフレームについて判断した判断結果と、に基づいて、前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うか否かを判断する工程と、
前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うと判断した場合には、前記注目フレームの画像として他方の前記提示部が有する前記入力工程で入力した注目フレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御、若しくは前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御、のうち、前記サイズと前記判断結果とに基づいて決まる一方の表示制御を行う制御工程と
を行うことを特徴とする。
【0035】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の頭部装着型表示装置の制御方法は以下の構成を備える。
【0036】
即ち、観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
撮像装置により現実空間を撮像することで得られる現実空間画像を取得する工程と、
前記撮像装置の位置姿勢を取得する工程と、
前記位置姿勢に基づいて生成される仮想空間画像を取得する工程と、
前記仮想空間画像に対するエラーの有無を検出する工程と、
前記エラーが検出されなかった場合には前記現実空間画像と前記仮想空間画像との合成画像を表示し、前記エラーが検出された場合には前記現実空間画像を表示する表示制御工程と
を備えることを特徴とする。
【0037】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の頭部装着型表示装置の制御方法は以下の構成を備える。
【0038】
即ち、観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
撮像装置により現実空間を撮像することで得られる現実空間画像を取得する工程と、
前記撮像装置の位置姿勢を取得する工程と、
前記位置姿勢に基づいて生成される仮想空間画像と前記現実空間画像との合成画像を取得する工程と、
前記合成画像に対するエラーの有無を検出する工程と、
前記エラーが検出されなかった場合には前記合成画像を表示し、前記エラーが検出された場合には前記現実空間画像を表示する表示制御工程と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明の構成によれば、観察者の両眼に対して画像を提示する場合に、あるフレームの画像にエラー箇所が生じても、係るエラー箇所をより容易に修正し、好適な画像を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0041】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係るシステムの機能構成を示すブロック図である。図1に示す如く、本実施形態に係るシステムは、PC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータに代表される画像処理装置102と、頭部装着型表示装置の一例としてのビデオシースルー型HMD101と、で構成されている。そして画像処理装置102とビデオシースルー型HMD101とは、無線で互いに通信を行う。
【0042】
先ず、ビデオシースルー型HMD101について説明する。
【0043】
撮像部103は、ビデオシースルー型HMD101を頭部に装着した観察者の目(左目、右目の何れでも良い)に近い位置に、観察者の視線方向に向けて取り付けられたものである。撮像部103は、動画像を撮像するビデオカメラ(撮像装置)であり、撮像した各フレームの画像(現実空間画像)は後段のOSD(On Screen Display)生成部114、無線I/F104に順次送出される。無線I/F104は、撮像部103から受けた各フレームの画像を順次無線で画像処理装置102に対して送信する。
【0044】
詳しくは後述するが、画像処理装置102からは現実空間画像上に仮想空間画像が重畳されたMR画像(合成画像)が送信されるので、無線I/F104はこの送信されたMR画像を受信(入力)し、後段のエラー検出部109、補間部112に送出する。
【0045】
補間部112は無線I/F104から合成画像を受ける毎に、受けた合成画像をフレームバッファ113に格納する。
【0046】
一方、エラー検出部109は、無線I/F104から受けた合成画像中にエラー箇所(エラー領域)が存在するか否かをチェック(判断)する。係るチェックには、パリティチェック、チェックサム、Cyclic Redundancy Check(CRC)等の一般的なエラーチェック手法を用いればよい。そして係るチェックの結果を後段のエラー領域・頻度判定部110に送出する。
【0047】
エラー領域・頻度判定部110は先ず、エラー検出部109による判断の結果を参照する。そしてエラー検出部109がエラー箇所を検出していない場合には、その旨をセレクタ111に通知する。一方、エラー検出部109がエラー箇所を検出した場合には、係る判断の処理の過程で得られる「エラー箇所のサイズ」と、「過去のフレームの画像に対してエラー検出部109が判断した結果」とを用いて、後述する判断処理を行う。係る判断処理では次のような判断処理を行う。即ち、現フレームの合成画像を1つ前のフレームの合成画像に置き換えることで現フレームの合成画像におけるエラー箇所を修正(補間)するか、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正するのか、エラー箇所の修正は不可能であるのか、を判断する。そしてその判断結果を後段のセレクタ111に通知する。
【0048】
セレクタ111は、エラー検出部109がエラー箇所を検出していない旨をエラー領域・頻度判定部110から受けた場合には、補間部112に、フレームバッファ113に格納されている現フレームの合成画像を読み出すよう指示する。補間部112は係る指示に従って合成画像を読み出し、セレクタ111に送出する。そしてセレクタ111は、この合成画像を表示部115に送出する。
【0049】
また、エラー箇所を修正するために、現フレームの合成画像を1つ前のフレームの合成画像に置き換える旨をエラー領域・頻度判定部110から受けた場合、セレクタ111は次のように動作する。先ず補間部112に、フレームバッファ113に格納されている現フレームよりも1つ前のフレームの合成画像を読み出すよう指示する。補間部112は係る指示に従って合成画像を読み出し、セレクタ111に送出する。そしてセレクタ111は、この合成画像を表示部115に送出する。
【0050】
また、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正する旨をエラー領域・頻度判定部110から受けた場合には、セレクタ111は次のように動作する。先ず補間部112に、フレームバッファ113に格納されている現フレームの合成画像を読み出すよう指示する。補間部112は係る指示に従って合成画像を読み出し、後述する処理で、係る合成画像中のエラー箇所を修正する。そして修正後の合成画像はセレクタ111に送出されるので、セレクタ111は、この合成画像を表示部115に送出する。
【0051】
また、エラー箇所の修正は不可能である旨をエラー領域・頻度判定部110から受けた場合には、セレクタ111は次のように動作する。即ち、セレクタ111はOSD生成部114に指示し、OSD生成部114が現フレームの現実空間画像として撮像部103から取得した現実空間画像上に、警告を示すメッセージ情報を重畳させる。係るメッセージ情報は、例えば、仮想空間画像を合成できない旨を示すテキスト文である。もちろん、メッセージ情報には様々な形態が考えられ、これに限定するものではない。そしてセレクタ111は、メッセージ情報が重畳された現実空間画像を表示部115に送出する。
【0052】
表示部115は、セレクタ111から画像を受けるとこれを表示する。表示部115は、ビデオシースルー型HMD101を頭部に装着した観察者の眼前に位置するように、ビデオシースルー型HMD101に取り付けられたものである。従ってビデオシースルー型HMD101を頭部に装着した観察者の眼前には、セレクタ111から送出された画像が表示されることになる。
【0053】
次に、画像処理装置102について説明する。
【0054】
無線I/F105は、無線I/F104から送信された各フレームの画像を受信すると、これを順次、後段の位置姿勢情報生成部106に送出する。
【0055】
位置姿勢情報生成部106は、無線I/F105から受けた画像を用いて、ビデオシースルー型HMD101の位置姿勢情報を求める。画像を用いて位置姿勢情報を求めるための処理については後述する。そして、この求めた位置姿勢情報は後段のCG描画合成部107に送出される。
【0056】
コンテンツ108は、仮想空間を構成する各仮想物体に係るデータの集合を記憶する記憶装置である。このデータは、例えば、各仮想物体の初期位置姿勢データや、仮想物体がポリゴンで構成されている場合には、各ポリゴンの法線ベクトルデータや色データ、ポリゴンを構成する各頂点の座標値データなどにより構成されている。
【0057】
CG描画合成部107は、係るコンテンツ108に記憶されたデータに従った仮想空間を、位置姿勢情報生成部106から受けた位置姿勢情報が示す位置姿勢を有する視点から見た画像を仮想空間画像として生成する。そして生成した仮想空間画像を、無線I/F105から受けた現実空間画像上に重畳した合成画像を上記MR画像として生成する。そしてCG描画合成部107は、生成したMR画像を無線I/F105に送出するので、無線I/F105は係るMR画像を無線でビデオシースルー型HMD101に対して送信する。
【0058】
図2は、ビデオシースルー型HMD101が行う処理のフローチャートである。なお、図2に示したフローチャートに従った処理は、1フレーム分のMR画像を表示部115に表示させるための処理であり、実際には、係る処理を繰り返し行う。これにより、複数フレームのMR画像を表示部115に表示させることができる。なお、以下では説明上、注目フレーム(2フレーム目以降)のMR画像を表示部115に表示させる場合について説明する。
【0059】
ステップS201では、撮像部103は自身の位置から撮像方向に見える現実空間の撮像を行うことで注目フレームの画像を得る。そして係る画像を無線I/F104、OSD生成部114に送出する。
【0060】
ステップS202では、無線I/F104は、ステップS201で取得した注目フレームの画像を無線で画像処理装置102に対して送信する。
【0061】
画像処理装置102は、ステップS202で送信された画像を用いて上述の処理を行い、注目フレームにおけるMR画像を生成し、無線I/F105を介して無線でビデオシースルー型HMD101に送信する。
【0062】
従ってステップS207では、無線I/F104は、画像処理装置102から送信された、注目フレームにおけるMR画像を受信する。そして受信したMR画像を、エラー検出部109と補間部112とに送出する。補間部112は係る注目フレームにおけるMR画像をフレームバッファ113に格納する。
【0063】
ステップS208では、エラー検出部109は、注目フレームにおけるMR画像中にエラー箇所があったか否かを判断する。そして係る判断の結果をエラー領域・頻度判定部110に通知する。係る判断の結果、エラー箇所があった場合には処理をステップS209に進め、エラー箇所がなかった場合には処理をステップS216に進める。
【0064】
ステップS208からステップS216に移行した場合、ステップS216では、エラー領域・頻度判定部110は、エラー検出部109がエラー箇所を検出していない旨をセレクタ111に通知する。セレクタ111は、補間部112に、フレームバッファ113に格納されている注目フレームにおけるMR画像を読み出すよう指示する。補間部112は係る指示に従って注目フレームにおけるMR画像を読み出し、セレクタ111に送出する。そしてセレクタ111は、このMR画像を表示部115に送出する。
【0065】
一方、ステップS209では、エラー領域・頻度判定部110は、ステップS208で検出されたエラー箇所を修正するか否か(修正可能か否か)を判断する。
【0066】
ここで、係る判断処理の詳細について説明する。エラー領域・頻度判定部110は、エラー検出部109がエラー箇所を検出する処理の過程で得られる「エラー箇所のサイズ」と、「過去のフレームの画像に対してエラー検出部109が判断した結果」とを参照する。そして、「エラー箇所のサイズ」が予め定められた閾値以上であるのか否かを判断する。また、注目フレームよりも過去のフレーム(本実施形態では1フレーム前)のMR画像に対してエラー検出部109が「エラー箇所有り」と判断したか否かを判断する。ここで、エラー検出部109による過去のフレームに対する判断結果は、エラー検出部109自身が保持しているものとする。
【0067】
係る判断の結果、「エラー箇所のサイズ」が予め定められた閾値以上であり、且つ注目フレームより1フレーム前のMR画像に対してエラー検出部109が「エラー箇所有り」と判断した場合には、「エラー箇所の修正は不可能」と判断する。
【0068】
また、「エラー箇所のサイズ」が上記閾値以上で、且つ注目フレームの1フレーム前のMR画像に対してエラー検出部109が「エラー箇所無し」と判断した(条件1)場合には、注目フレームのMR画像を1フレーム前のMR画像に置き換える、と判断する。
【0069】
また、「エラー箇所のサイズ」が上記閾値より小さく、且つ注目フレームの1フレーム前のMR画像に対してエラー検出部109が「エラー箇所有り」と判断した(条件2)場合には、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正する、と判断する。
【0070】
このようにして、注目フレームにおけるMR画像にエラー箇所がある場合には、係るエラー箇所を修正することが可能であるか否か、可能である場合にはどのようにして修正するのかを判断することができる。なお、「エラー箇所のサイズ」が上記閾値より小さく、且つ注目フレームの1フレーム前のMR画像に対してエラー検出部109が「エラー箇所無し」と判断した場合には、どのような方法でエラー箇所を修正しても良い。
【0071】
以上説明した、エラー領域・頻度判定部110による判断結果は後段のセレクタ111に送出される。
【0072】
セレクタ111が「エラー箇所の修正は不可能」である旨をエラー領域・頻度判定部110から受けた場合には、処理をステップS210を介してステップS212に進める。
【0073】
ステップS212では先ず、セレクタ111はOSD生成部114に指示し、OSD生成部114が注目フレームにおける現実空間画像として撮像部103から取得した現実空間画像上に、警告を示すメッセージ情報を重畳させる。そしてセレクタ111は、メッセージ情報が重畳された現実空間画像を表示部115に送出する。そしてステップS216では、表示部115は、メッセージ情報が重畳された現実空間画像を表示する。
【0074】
また、上記(条件1)が満たされた場合には処理をステップS210を介してステップS215に進める。
【0075】
ステップS215では、セレクタ111は先ず補間部112に、フレームバッファ113に格納されている注目フレームよりも1つ前のフレームのMR画像を読み出すよう指示する。補間部112は係る指示に従ってMR画像を読み出し、セレクタ111に送出する。そしてセレクタ111は、このMR画像を表示部115に送出する。そしてステップS216では、表示部115は、注目フレームよりも1つ前のフレームにおけるMR画像を、注目フレームにおけるMR画像として表示する。
【0076】
また、上記(条件2)が満たされた場合には処理をステップS210を介してステップS214に進める。
【0077】
ステップS214では、セレクタ111先ず補間部112に、フレームバッファ113に格納されている注目フレームにおけるMR画像を読み出すよう指示する。補間部112は係る指示に従ってMR画像を読み出し、後述する処理で、係るMR画像中のエラー箇所を修正する(修正処理)。そして修正後のMR画像はセレクタ111に送出されるので、セレクタ111は、このMR画像を表示部115に送出する。そしてステップS216では、表示部115は、エラー箇所がその周囲の画素群を用いて修正されたMR画像を、注目フレームにおけるMR画像として表示する。
【0078】
次に、上記位置姿勢情報生成部106が、現実空間画像から、撮像部103の位置姿勢情報を生成するための処理について説明する。図3は、撮像部103により撮像される現実空間の一例を示す図である。図3において303はマーカで、様々な情報がコード化された2次元バーコードが記されており、その周囲には枠が記されている。係るマーカ303は、図3では現実物体としてのテーブル302の上に配されている。そして301は、このような現実空間を撮像部103によって撮像することで得られる現実空間画像を示す。
【0079】
撮像部103が係る現実空間画像301を撮像し、撮像した係る現実空間画像301を無線I/F104、105を介して位置姿勢情報生成部106に送出すると、位置姿勢情報生成部106は先ず、現実空間画像301中におけるマーカ303を検出する。そして検出したマーカ303に記されている2次元バーコードを解析し、係る2次元バーコードの識別情報を認識する。画像処理装置102側には、識別情報に対応するマーカの3次元座標位置が予め記憶されているので、係る処理によって識別情報が認識されると、対応する3次元座標位置が特定できる。そして、現実空間画像301上のマーカ303の座標位置と係る3次元座標位置とを用いれば、後は写真測量などの分野で周知の技術を用いれば、撮像部103の位置姿勢情報を生成することができる。なお、マーカ303は複数個用いても良い。また、マーカ303の代わりに、例えば、画像中のエッジ304を用いても良い。また、マーカ303として用いることができるものは、2次元バーコードが記されたものに限定するものではなく、例えば、カラーマーカや、LED等の発光素子のような方向性のないマーカを用いても良い。このようにマーカ303の代わりに用いることができるものについては様々なものが考え得る。また、これら列挙したものを適宜組み合わせて用いても良い。なお、位置姿勢情報生成部106が行う上記処理については周知の技術であるので、これ以上の説明は省略する。
【0080】
図4は、ビデオシースルー型HMD101と画像処理装置102との間で送受信される画像の例を示す図である。
【0081】
図4において403は撮像部103が撮像した現実空間画像であり、係る現実空間画像は画像処理装置102側に送信される。画像処理装置102は係る現実空間画像上に仮想空間画像を重畳したMR画像404を生成し、ビデオシースルー型HMD101に送信する。ここで、係る送信時に、送信したMR画像にエラー箇所が生じ、エラーMR画像405がビデオシースルー型HMD101側で受信されたものとする。405に示す如く、エラーMR画像405中におけるエラー箇所(黒で塗りつぶした領域)のサイズは大きく、係るエラー箇所をその周囲の画素群で修正することは困難である。更に、係るエラーMR画像405の1つ前のフレームにおける画像でもエラー箇所が存在したとする。この場合、ビデオシースルー型HMD101は、現実空間画像403上に警告を示すメッセージ情報を重畳させた画像406を生成し、表示する。
【0082】
図5は、注目フレームのMR画像を1フレーム前のMR画像に置き換える処理を説明する図である。図5において502は注目フレームにおけるMR画像であり、エラー箇所を含む。係るエラー箇所のサイズが上記閾値以上で、且つ注目フレームの1フレーム前のMR画像503にはエラー箇所がない場合、MR画像502の代わりにMR画像503を表示する。
【0083】
このような方法は、フレーム間で画像の内容に大きな動きがない場合、即ち、撮像部103の動き量が小さい場合には、効果的である。このような場合には、観察者の右目に対して提示するMR画像と左目に対して提示するMR画像との間のズレは小さくなり、ステレオ感が損なわれることもないため、観察者に対して違和感のないMR画像を提供することができる。
【0084】
図6は、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正する処理を説明する図である。
図6において領域602内にエラー箇所が存在しているものとする。603はエラー箇所としての画素であり、係る画素603を修正するためにその近傍の8画素604を用いる。係る修正では、例えば、8画素604のそれぞれの画素値の平均値を求め、係る平均値を画素603の画素値として設定する。係る処理の負担の軽減を目的に、垂直方向、水平方向のいずれかの隣接した2画素の画素値の平均値を画素603の画素値として設定しても良い。
【0085】
図6では、エラー箇所としての画素が一つの場合を示しているが、複数の隣接した画素がまとまってエラー箇所を形成している場合にも同様の処理を行えばよい。即ち、エラー箇所に隣接する画素群の画素値の平均値を求め、「エラー箇所を形成する画素」と「エラー箇所に隣接する非エラー箇所を構成する画素」との最短距離に応じて平均値に重み付けしたものを「エラー箇所を形成する画素」の画素値として設定する。
【0086】
このように、エラー箇所を構成する画素の画素値を修正する方法には様々な手法があり、何れかに限定するものではない。
【0087】
[第2の実施形態]
本実施形態では、エラー箇所の修正方法として、注目フレームのMR画像を他方の目に対して生成されたMR画像に置き換えることでエラー箇所を修正するか、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正するか、の何れかの手法を用いる。
【0088】
図7は、本実施形態に係るシステムの機能構成例を示す図である。図7に示す如く、本実施形態に係るシステムは、画像処理装置702とビデオシースルー型HMD701と、で構成されている。画像処理装置702の基本的な動作については図1に示した画像処理装置102と同じであり、以下では画像処理装置702については第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0089】
先ず、ビデオシースルー型HMD701について説明する。図7に示す如く、ビデオシースルー型HMD701は、ビデオシースルー型HMD701を頭部に装着する観察者の右目に対して画像を提示する提示部と、左目に対して画像を提示する提示部とを有する。なお、図7に示したビデオシースルー型HMD701の構成において、観察者の右目に対して画像を提示するための構成については参照番号にRを付し、左目に対して画像を提示する為の構成については参照番号にLを付している。そして、R、Lを除いた参照番号が同じものについては同じ動作を行うものとする。従って以下では一方側の目に対して画像を提示するための構成について説明するが、同様の説明は他方側の目に対して画像を提示する為の構成についても当てはめることができる。
【0090】
三次元位置センサ704は、自身の位置姿勢を計測するためのものである。三次元位置センサ704に適用可能なセンサについては様々なものがあり、特にするものではない。三次元位置センサ704が計測した位置姿勢情報は無線I/F705に送出される。
【0091】
撮像部703Rは上記撮像部103と同様の撮像動作を行う。即ち、各フレームの現実空間画像を撮像し、順次、後段の無線I/F705に送出する。
【0092】
無線I/F705は、三次元位置センサ704から受けた位置姿勢情報と、撮像部703R(703L)から受けた現実空間画像を画像処理装置702に対して無線で送信する。
【0093】
画像処理装置702側では、無線I/F706は、ビデオシースルー型HMD701から送信された現実空間画像と位置姿勢情報とを後段のCG描画合成部708に送出する。
【0094】
CG描画合成部708は、無線I/F706から受けた位置姿勢情報が示す位置姿勢に、予め計測された三次元位置センサ704と撮像部703Rとの位置姿勢関係を加えることで、撮像部703Rの位置姿勢を求める。そして、求めた位置姿勢を有する視点から見た、コンテンツ108に記憶されたデータに基づく仮想空間、の画像を生成し、撮像部703Rが撮像した現実空間画像上に重畳することで、右目用のMR画像を生成する。左目用のMR画像の生成についても同様にして行う。そして右目用のMR画像、左目用のMR画像を無線I/F706に送出する。無線I/F706はこれら2つのMR画像を個別に若しくは1つのストリームとしてビデオシースルー型HMD701に送信する。
【0095】
無線I/F705は、画像処理装置702から送信された右目用のMR画像、左目用のMR画像を受信すると、それぞれエラー検出部710R、エラー検出部710Lに送出する。また、右目用のMR画像、左目用のMR画像は補間部713にも送出される。
【0096】
エラー検出部710Rは、上記エラー検出部109と同じ処理を行い、MR画像中におけるエラー箇所の有無を検出する。
【0097】
エラー領域・頻度判定部711Rは先ず、エラー検出部710Rによる判断の結果を参照する。そしてエラー検出部710Rがエラー箇所を検出していない場合には、その旨をセレクタ712Rに通知する。一方、エラー検出部710Rがエラー箇所を検出した場合には、係る判断の処理の過程で得られる「エラー箇所のサイズ」と、「過去のフレームの画像に対してエラー検出部710Rが判断した結果」とを用いて、後述する判断処理を行う。係る判断処理では次のような判断処理を行う。即ち、現フレームの右目用のMR画像を、同フレームの左目用のMR画像に置き換えることで現フレームの右目用のMR画像におけるエラー箇所を修正するか、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正するか、エラー箇所の修正は不可能か、を判断する。そしてその判断結果を後段のセレクタ712Rに通知する。
【0098】
セレクタ712Rは、エラー検出部710Rがエラー箇所を検出していない旨をエラー領域・頻度判定部711Rから受けた場合は、補間部713が無線I/F705から受信した「現フレームにおける右目用のMR画像」を取得し、表示部715Rに送出する。
【0099】
また、エラー箇所を修正するために、現フレームの右目用のMR画像を、同フレームの左目用のMR画像に置き換える旨をエラー領域・頻度判定部711Rから受けた場合、セレクタ712Rは次のように動作する。即ち、補間部713から「現フレームにおける左目用のMR画像」を取得し、表示部715Rに送出する。
【0100】
また、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正する旨をエラー領域・頻度判定部711Rから受けた場合には、セレクタ712Rは次のように動作する。即ち、補間部713が無線I/F705から受信した「現フレームにおける右目用のMR画像」を取得し、第1の実施形態と同様にして、係るエラー箇所を修正する。そして修正後のMR画像を表示部715Rに送出する。
【0101】
また、エラー箇所の修正は不可能である旨をエラー領域・頻度判定部711Rから受けた場合には、セレクタ712Rは次のように動作する。即ち、セレクタ712RはOSD生成部714に指示し、OSD生成部714が現フレームの現実空間画像として撮像部703Rから取得した現実空間画像上に、警告を示すメッセージ情報を重畳させる。そしてセレクタ712Rは、メッセージ情報が重畳された現実空間画像を表示部715Rに送出する。
【0102】
表示部715Rは、セレクタ712Rから画像を受けるとこれを表示する。表示部715Rは、ビデオシースルー型HMD701を頭部に装着した観察者の眼前(右目)に位置するように、ビデオシースルー型HMD701に取り付けられたものである。従ってビデオシースルー型HMD701を頭部に装着した観察者の眼前(右目)には、セレクタ712Rから送出された画像が表示されることになる。
【0103】
図8は、ビデオシースルー型HMD701が行う処理のフローチャートである。なお、図8に示したフローチャートに従った処理は、1フレーム分のMR画像を表示部715Rに表示させるための処理であり、実際には、係る処理を繰り返し行う。これにより、複数フレームのMR画像を表示部715Rに表示させることができる。また、1フレーム分のMR画像を表示部715Lに表示させるための処理についても同じ処理を行う。なお、以下では説明上、注目フレーム(2フレーム目以降)の右目用のMR画像を表示部715Rに表示させる場合について説明する。
【0104】
ステップS801では、撮像部703Rは自身の位置から撮像方向に見える現実空間の撮像を行うことで注目フレームの画像を得る。そして係る画像を無線I/F705、OSD生成部714Rに送出する。
【0105】
ステップS802では、三次元位置センサ704は、自身の位置姿勢を計測するので、その計測結果を位置姿勢情報として無線I/F705に送出する。
【0106】
ステップS803では、無線I/F705は、ステップS801で取得した注目フレームの画像、ステップS802で取得した位置姿勢情報、を無線で画像処理装置702に対して送信する。
【0107】
画像処理装置702は、上述の処理を行うことで注目フレームにおける右目用のMR画像を生成し、無線I/F706を介して無線でビデオシースルー型HMD701に送信する。
【0108】
従ってステップS809では、無線I/F705は、画像処理装置702から送信された注目フレームにおける右目用のMR画像を受信する。そして受信したMR画像を、エラー検出部710Rと補間部713とに送出する。
【0109】
ステップS810では、エラー検出部710Rは、注目フレームにおける右目用のMR画像中にエラー箇所があったか否かを判断する。そして係る判断の結果をエラー領域・頻度判定部711Rに通知する。係る判断の結果、エラー箇所があった場合には処理をステップS811に進め、エラー箇所がなかった場合には処理をステップS818に進める。
【0110】
ステップS810からステップS818に移行した場合、ステップS818では、エラー領域・頻度判定部711Rは、エラー検出部710Rがエラー箇所を検出していない旨をセレクタ712Rに通知する。セレクタ712Rは、補間部713が無線I/F705から受信した「注目フレームにおける右目用のMR画像」を取得し、表示部715Rに送出する。
【0111】
一方、ステップS811では、エラー領域・頻度判定部711Rは、ステップS810で検出されたエラー箇所を修正するか否か(修正可能か否か)を判断する。
【0112】
ここで、係る判断処理の詳細について説明する。エラー領域・頻度判定部711Rは、エラー検出部710Rがエラー箇所を検出する処理の過程で得られる「エラー箇所のサイズ」と、「過去のフレームの画像に対してエラー検出部710Rが判断した結果」とを参照する。そして、「エラー箇所のサイズ」が予め定められた閾値以上であるのか否かを判断する。また、注目フレームよりも過去のフレーム(本実施形態では1フレーム前)のMR画像に対してエラー検出部710Rが「エラー箇所有り」と判断したか否かを判断する。ここで、エラー検出部710Rによる過去のフレームに対する判断結果は、エラー検出部710R自身が保持しているものとする。
【0113】
係る判断の結果、「エラー箇所のサイズ」が予め定められた閾値以上であり、且つ注目フレームより1フレーム前のMR画像に対してエラー検出部710Rが「エラー箇所有り」と判断した場合には、「エラー箇所の修正は不可能」と判断する。
【0114】
また、「エラー箇所のサイズ」が上記閾値以上であると判断した(条件3)場合には、注目フレームにおける右目用のMR画像を、注目フレームにおける左目用のMR画像に置き換える、と判断する。
【0115】
また、「エラー箇所のサイズ」が上記閾値より小さいと判断した(条件4)場合には、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正する、と判断する。
【0116】
このようにして、注目フレームにおけるMR画像にエラー箇所がある場合には、係るエラー箇所を修正することが可能であるか否か、可能である場合にはどのようにして修正するのかを判断することができる。
【0117】
以上説明した、エラー領域・頻度判定部711Rによる判断結果は後段のセレクタ712Rに送出される。
【0118】
セレクタ712Rが「エラー箇所の修正は不可能」旨をエラー領域・頻度判定部711Rから受けた場合には、処理をステップS812を介してステップS814に進める。
【0119】
ステップS814では先ず、セレクタ712RはOSD生成部714Rに指示し、OSD生成部714Rが注目フレームにおける現実空間画像として撮像部703Rから取得した現実空間画像上に、警告を示すメッセージ情報を重畳させる。そしてセレクタ712Rは、メッセージ情報が重畳された現実空間画像を表示部715Rに送出する。そしてステップS818では、表示部715Rは、メッセージ情報が重畳された現実空間画像を表示する。
【0120】
また、上記(条件3)が満たされた場合には処理をステップS812を介してステップS817に進める。
【0121】
ステップS817では、セレクタ712Rは、補間部713から「注目フレームにおける左目用のMR画像」を取得し、表示部715Rに送出する。そしてステップS818では、表示部715Rは、注目フレームにおける左目用のMR画像を、注目フレームにおける右目用のMR画像として表示する。
【0122】
また、上記(条件4)が満たされた場合には処理をステップS812を介してステップS816に進める。
【0123】
ステップS816では、セレクタ712Rは、補間部713が無線I/F705から受信した「現フレームにおける右目用のMR画像」を取得し、第1の実施形態と同様にして、係るエラー箇所を修正する。そして修正後のMR画像を表示部715Rに送出する。そしてステップS818では、表示部115は、エラー箇所がその周囲の画素群を用いて修正されたMR画像を、注目フレームにおける右目用のMR画像として表示する。
【0124】
図9は、一方の目に対するMR画像中のエラー箇所を修正するために、係るMR画像を、他方の目に対するMR画像に置き換える処理を説明する図である。図9において901Lは左目用の各フレームのMR画像であり、901Rは右目用の各フレームのMR画像である。ここで、左目用のMR画像902にエラー箇所が検出されたとする。そして、係るエラー箇所のサイズが予め定められた閾値以上であるとする。この場合、各フレーム901Rのうち対応するフレームのMR画像903を、左目用のMR画像902の代わりに表示する。左右の目に対して同じMR画像が表示されるため、ステレオ画像による奥行き感は得られないが、第1の実施形態のように過去のフレームのMR画像をバッファリングする必要がないため、回路構成上は安価かつ簡単な構成となる。
【0125】
[第3の実施形態]
図10は、本実施形態に係るシステムの機能構成例を示すブロック図である。図10に示す如く、本実施形態に係るシステムは、画像処理装置1002とビデオシースルー型HMD1001とで構成されており、それぞれは無線で通信する。係る点については第1,2の実施形態と同じである。
【0126】
先ず、ビデオシースルー型HMD1001について説明する。
【0127】
三次元位置センサ1005は、図7に示した三次元位置センサ704と同様のものであり、自身の位置姿勢を計測し、その結果を位置姿勢情報として後段の位置姿勢情報生成部1006に送出する。
【0128】
位置姿勢情報生成部1006は、係る位置姿勢情報が示す位置姿勢に、予め計測した三次元位置センサ1005と撮像部1003との位置姿勢関係を加えることで、撮像部1003の位置姿勢を求める。そして、求めた位置姿勢を示す位置姿勢情報を無線I/F1007に送出する。
【0129】
一方、撮像部1003は、図1に示した撮像部103と同様のものであり、各フレームの現実空間画像を撮像する。撮像された各フレームの現実空間画像は順次、フレームバッファ1004に送出される。
【0130】
無線I/F1007は、位置姿勢情報生成部1006から受けた位置姿勢情報を、無線で画像処理装置1002に対して送信する。
【0131】
画像処理装置1002側では、無線I/F1008は、無線I/F1007により送信された位置姿勢情報を受信すると、これを後段のCG描画部1010に送出する。
【0132】
CG描画部1010は、無線I/F1008から受けた位置姿勢情報が示す位置姿勢を有する視点から見た、コンテンツ108に記憶されたデータに基づく仮想空間の画像(仮想空間画像)を生成し、生成した仮想空間画像を無線I/F1008に送出する。無線I/F1008はこの仮想空間画像をビデオシースルー型HMD1001に送信する。
【0133】
無線I/F1007は、画像処理装置1002から送信された仮想空間画像をエラー検出部1012、補間部1015に送出する。
【0134】
補間部1015は無線I/F1007から仮想空間画像を受ける毎に、受けた仮想空間画像をフレームバッファ1016に格納する。
【0135】
一方、エラー検出部1012は、図1に示したエラー検出部109と同様であり、無線I/F1007から受けた仮想空間画像中にエラー箇所(エラー領域)が存在するか否かをチェック(判断)する。そして係るチェックの結果を後段のエラー領域・頻度判定部1013に送出する。
【0136】
エラー領域・頻度判定部1013は先ず、エラー検出部1012による判断の結果を参照する。そしてエラー検出部1012がエラー箇所を検出していない場合には、その旨をセレクタ1014に通知する。一方、エラー検出部1012がエラー箇所を検出した場合には、係る判断の処理の過程で得られる「エラー箇所のサイズ」と、「過去のフレームの画像に対してエラー検出部1012が判断した結果」とを用いて、判断処理を行う。係る判断処理では次のような判断処理を行う。即ち、現フレームの仮想空間画像を1つ前のフレームの仮想空間画像に置き換えることで現フレームの仮想空間画像におけるエラー箇所を修正するか、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正するのか、エラー箇所の修正は不可能であるのか、を判断する。そしてその判断結果を後段のセレクタ1014に通知する。
【0137】
セレクタ1014は、エラー検出部1012がエラー箇所を検出していない旨をエラー領域・頻度判定部1013から受けた場合には、補間部1015に、フレームバッファ1016に格納されている現フレームの仮想空間画像を読み出すよう指示する。補間部1015は係る指示に従って仮想空間画像を読み出し、セレクタ1014に送出する。そしてセレクタ1014は、この仮想空間画像を後段の画像合成部1017に送出する。
【0138】
また、エラー箇所を修正するために、現フレームの仮想空間画像を1つ前のフレームの仮想空間画像に置き換える旨をエラー領域・頻度判定部1013から受けた場合、セレクタ1014は次のように動作する。先ず補間部1015に、フレームバッファ1016に格納されている現フレームよりも1つ前のフレームの仮想空間画像を読み出すよう指示する。補間部1015は係る指示に従って仮想空間画像を読み出し、セレクタ1014に送出する。そしてセレクタ1014は、この仮想空間画像を後段の画像合成部1017に送出する。
【0139】
また、エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正する旨をエラー領域・頻度判定部1013から受けた場合には、セレクタ1014は次のように動作する。先ず補間部1015に、フレームバッファ1016に格納されている現フレームの仮想空間画像を読み出すよう指示する。補間部1015は係る指示に従って仮想空間画像を読み出し、図1の補間部112と同様にして、係る仮想空間画像中のエラー箇所を修正する。そして修正後の仮想空間画像はセレクタ1014に送出されるので、セレクタ1014は、この仮想空間画像を後段の画像合成部1017に送出する。
【0140】
また、エラー箇所の修正は不可能である旨をエラー領域・頻度判定部1013から受けた場合には、セレクタ1014は次のように動作する。即ち、セレクタ1014はOSD生成部1018に指示し、OSD生成部1018が現フレームの現実空間画像としてフレームバッファ1004から取得した現実空間画像上に、警告を示すメッセージ情報を重畳させる。そしてセレクタ1014は、メッセージ情報が重畳された現実空間画像を後段の画像合成部1017に送出する。
【0141】
画像合成部1017は、セレクタ1014からメッセージ情報が重畳された現実空間画像を受けた場合にはこれをそのまま後段の表示部1019に送出する。一方、セレクタ1014から仮想空間画像を受けた場合には、この仮想空間画像を、この仮想空間画像と同じフレームの現実空間画像としてフレームバッファ1004に保持されている現実空間画像上に合成することで、MR画像を生成する。そしてこのMR画像を表示部1019に送出する。
【0142】
ここで、OSD生成部1018は、画像処理装置1002の位置姿勢、及びこの位置姿勢からどれだけずれれば三次元位置センサ1005による計測ができなくなるのかを示す範囲情報を保持している。位置姿勢情報生成部1006は三次元位置センサ1005から位置姿勢情報を受けると、これをOSD生成部1018に通知している。OSD生成部1018は通知された位置姿勢情報が示す位置姿勢から画像処理装置1002の位置姿勢を差し引いた差分が、上記範囲情報が示す範囲内に収まっているか否かを判断する。そして、収まっていない場合には、より画像処理装置1002に近づくように観察者に促すメッセージ情報を画像合成部1017に送出する。
【0143】
従って、画像合成部1017は、係るメッセージ情報を受けると、表示部1019に送出する対象の画像上に係るメッセージ情報を重畳させる。
【0144】
表示部1019は、図1に示した表示部115と同様のものであり、画像合成部1017から画像を受けるとこれを表示する。
【0145】
図11は、ビデオシースルー型HMD1001が行う処理のフローチャートである。なお、図11に示したフローチャートに従った処理は、1フレーム分のMR画像を表示部1019に表示させるための処理であり、実際には、係る処理を繰り返し行う。これにより、複数フレームのMR画像を表示部1019に表示させることができる。なお、以下では説明上、注目フレーム(2フレーム目以降)のMR画像を表示部1019に表示させる場合について説明する。
【0146】
ステップS1101では、撮像部1003は自身の位置から撮像方向に見える現実空間の撮像を行うことで注目フレームの画像を得る。そして係る画像をフレームバッファ1004に送出する。
【0147】
ステップS1102では、三次元位置センサ1005は、自身の位置姿勢を計測し、その結果としての位置姿勢情報を位置姿勢情報生成部1006に送出する。
【0148】
ステップS1103では、位置姿勢情報生成部1006は上述のように、撮像部1003の位置姿勢を示す位置姿勢情報を生成する。
【0149】
ステップS1104では、無線I/F1007は、ステップS1103で求めた位置姿勢情報を無線で画像処理装置1002に対して送信する。
【0150】
画像処理装置1002は、ステップS1104で送信された位置姿勢情報を用いて注目フレームにおける仮想空間画像を生成し、無線I/F1008を介して無線でビデオシースルー型HMD1001に送信する。
【0151】
従ってステップS1105では、無線I/F1007は、画像処理装置1002から送信された、注目フレームにおける仮想空間画像を受信する。そして受信した仮想空間画像を、エラー検出部1012と補間部1015とに送出する。補間部1015は係る注目フレームにおける仮想空間画像をフレームバッファ1016に格納する。
【0152】
ステップS1106では、エラー検出部1012は、注目フレームにおける仮想空間画像中にエラー箇所があったか否かを判断する。そして係る判断の結果をエラー領域・頻度判定部1013に通知する。係る判断の結果、エラー箇所があった場合には処理をステップS1107に進め、エラー箇所がなかった場合には処理をステップS1112に進める。
【0153】
ステップS1112では、エラー領域・頻度判定部1013は、エラー検出部1012がエラー箇所を検出していない旨をセレクタ1014に通知する。セレクタ1014は、補間部1015に、フレームバッファ1016に格納されている注目フレームにおける仮想空間画像を読み出すよう指示する。補間部1015は係る指示に従って注目フレームにおける仮想空間画像を読み出し、セレクタ1014に送出する。そしてセレクタ1014は、この画像合成部1017に送出する。画像合成部1017は、セレクタ1014から受けた仮想空間画像を、この仮想空間画像と同じフレームの現実空間画像としてフレームバッファ1004に保持されている現実空間画像上に合成することで、MR画像を生成する。
【0154】
次にステップS1115では、OSD生成部1018は、位置姿勢情報生成部1006から通知された位置姿勢情報が示す位置姿勢から画像処理装置1002の位置姿勢を差し引いた差分が、上記範囲情報が示す範囲内に収まっているか否かを判断する。そして、収まっている場合には処理をステップS1117に進めるのであるが、収まっていない場合には処理をステップS1116に進める。ステップS1116では、OSD生成部1018は、観察者により画像処理装置1002に近づくように促すメッセージ情報を画像合成部1017に送出する。
【0155】
ステップS1117では、画像合成部1017は、ステップS1112で生成したMR画像を表示部1019に送出する。しかし、「観察者により画像処理装置1002に近づくように促すメッセージ情報」を受けている場合には、更にこのメッセージ情報を重畳したMR画像を表示部1019に送出する。
【0156】
一方、ステップS1107では、エラー領域・頻度判定部1013は、ステップS1106で検出されたエラー箇所を修正するか否か(修正可能か否か)を、第1の実施形態と同様にして判断する。エラー領域・頻度判定部1013による判断結果は後段のセレクタ1014に送出される。
【0157】
セレクタ1014が「エラー箇所の修正は不可能」である旨をエラー領域・頻度判定部1013から受けた場合には、処理をステップS1108を介してステップS1109に進める。
【0158】
ステップS1109では先ず、セレクタ1014はOSD生成部1018に指示し、OSD生成部1018が注目フレームにおける現実空間画像としてフレームバッファ1004から取得した現実空間画像上に、警告を示すメッセージ情報を重畳させる。そしてセレクタ1014は、メッセージ情報が重畳された現実空間画像を画像合成部1017に送出する。
【0159】
また、上記(条件1)が満たされた場合には処理をステップS1108を介してステップS1110に進める。
【0160】
ステップS1110では、セレクタ1014は先ず補間部1015に、フレームバッファ1016に格納されている注目フレームよりも1つ前のフレームの仮想空間画像を読み出すよう指示する。補間部1015は係る指示に従って仮想空間画像を読み出し、セレクタ1014に送出する。そしてセレクタ1014は、この仮想空間画像を画像合成部1017に送出する。
【0161】
ステップS1113では、画像合成部1017は、セレクタ1014から受けた仮想空間画像を、この仮想空間画像と同じフレームの現実空間画像としてフレームバッファ1004に保持されている現実空間画像上に合成することで、MR画像を生成する。
【0162】
また、上記(条件2)が満たされた場合には処理をステップS1108を介してステップS1111に進める。
【0163】
ステップS1111では、セレクタ1014先ず補間部1015に、フレームバッファ1016に格納されている注目フレームにおける仮想空間画像を読み出すよう指示する。補間部1015は係る指示に従って仮想空間画像を読み出し、第1の実施形態と同様にして、係る仮想空間画像中のエラー箇所を修正する。そして修正後の仮想空間画像はセレクタ1014に送出されるので、セレクタ1014は、この仮想空間画像を画像合成部1017に送出する。
【0164】
ステップS1114では、画像合成部1017は、セレクタ1014から受けた仮想空間画像を、この仮想空間画像と同じフレームの現実空間画像としてフレームバッファ1004に保持されている現実空間画像上に合成することで、MR画像を生成する。
【0165】
次にステップS1115、S1116では上述の通りの処理を行う。
【0166】
ステップS1117では、画像合成部1017は、ステップS1113若しくはステップS1114で生成したMR画像、若しくはステップS1109で生成した現実空間画像を表示部1019に送出する。しかし、「観察者により画像処理装置1002に近づくように促すメッセージ情報」を受けている場合には、更にこのメッセージ情報を重畳してから表示部1019に送出する。
【0167】
[第4の実施形態]
本実施形態では、仮想空間画像(CG)についてエラーを検出した場合には、係る仮想空間画像の描画は行わない。MRのアプリケーションにおいて、正常に描画されないCGは、現実空間画像上において邪魔となる。従って、CGにエラーが検出された場合には、係るCGの描画は行わない。
【0168】
図13は、本実施形態に係るシステムの機能構成例を示すブロック図である。図13に示す如く、本実施形態に係るシステムは、CG描画装置1303、画像処理装置1302、ビデオシースルー型HMD1301、により構成されている。
【0169】
先ず、ビデオシースルー型HMD1301について説明する。
【0170】
撮像部1304は、第1の実施形態で説明した撮像部103と同じものであり、現実空間の動画像を撮像する。撮像した各フレームの現実空間画像は画像処理装置1302に送出される。
【0171】
表示部1305は、画像処理装置1302から送出される画像を表示するためのものである。
【0172】
ジャイロセンサ1306は、周知の通り、自身の位置姿勢を計測するためのものである。もちろん、ジャイロセンサ1306以外のセンサを用いても良い。ジャイロセンサ1306による計測結果としての位置姿勢情報は、画像処理装置1302に送出される。
【0173】
次に、画像処理装置1302について説明する。
【0174】
位置姿勢情報生成部1307は、図1に示した位置姿勢情報生成部106と同様のものであり、撮像部1304から送出された現実空間画像を用いて、撮像部1304の位置姿勢を示す位置姿勢情報を生成する。そして生成した位置姿勢情報を、CG描画装置1303に対して送出する。
【0175】
CG描画装置1303は、この位置姿勢情報を用いて仮想空間画像を生成する。係る生成処理については上記実施形態で既に説明しているので、ここではその説明は省略する。そしてCG描画装置1303は生成した仮想空間画像を画像処理装置1302に対して送出する。
【0176】
CG/実写合成部1308は、CG描画装置1303から送出された仮想空間画像を受信すると、この仮想空間画像と同じフレームの現実空間画像と合成する。即ち、画像処理装置1302は、ビデオシースルー型HMD1301から送出された現実空間画像を数フレーム分保持している。そして、CG描画装置1303から仮想空間画像を受信すると、保持している数フレーム分の現実空間画像のうち、この仮想空間画像と同じフレームの現実空間画像を取得する。そして、この取得した現実空間画像と、CG描画装置1303から受信した仮想空間画像とを合成する。対応するフレームを特定するための技術については周知の技術であるので、これについての説明は省略する。
【0177】
一方、CG描画装置1303から送信された仮想空間画像は異常判定部1309にも入力される。
【0178】
異常判定部1309は、CG描画装置1303から受けた仮想空間画像にエラーが存在するか否かを判断する。係る判断には様々な方法がある。
【0179】
例えば、CG描画装置1303から順次送出される仮想空間画像を数フレーム分保持しておき、受信した仮想空間画像が数フレームに渡って別段変化がない場合、エラーが存在していると判断する。画像間における変化の検出技術については周知の技術である。例えば、画像内の特定のオブジェクトの画像内における動き量がある閾値以下である場合、画像間における変化がないと判断する。
【0180】
また、CG描画装置1303側で、仮想空間画像にタイムコードなど、各フレームの画像を識別するための識別情報を埋め込んでおき、異常判定部1309は仮想空間画像を受信するとこの識別情報を参照する。そして参照した識別情報が不連続であっる場合には、エラーが存在していると判断する。
【0181】
また、ジャイロセンサ1306による計測値に、予め測定された撮像部1304とジャイロセンサ1306との位置姿勢関係を加えた結果のフレーム間の変化量と、CG描画装置1303から受信した仮想空間画像のフレーム間の変化量との差Δを求める。そして求めた差が予め定められた閾値以上であれば、ビデオシースルー型HMD1301の動きと、CG描画装置1303側で作成された仮想空間画像の動きとが不一致であると判断することができる。従ってこのような場合には、エラーが存在すると判断する。
【0182】
もちろん、エラーが存在するか否かの検出方法についてはこれに限定するものではない。
【0183】
画像スイッチ1310は、異常判定部1309による判定結果を受け、エラーが存在する場合には撮像部1304から受けた現実空間画像を表示部1305に送出する。一方、エラーが存在しない場合には、CG/実写合成部1308が生成したMR画像を表示部1305に送出する。このようにして、異常判定部1309による判断結果に基づいた表示制御を行う。なお、表示する画像はいきなり切り替わるのではなく、徐々にフェードイン/アウトさせるようにしても良い。
【0184】
また、画像スイッチ1310を省略し、異常判定部1309による判定結果に応じて、現実空間画像と仮想空間画像との合成比率を制御しても良い。例えば、上記Δの絶対値が大きいほど、現実空間画像の比率が高い合成を行い、上記Δの絶対値が小さいほど、現実空間画像と仮想空間画像との合成比率を同じにする。
【0185】
また、図13では、画像処理装置1302とCG描画装置1303とを別個の装置としているが、同じ装置内におけるものとしてもよい。これは何れの実施形態でも同じで、どの装置にどの機能を持たせるのか、更に別個の装置を設けるのかについては、設計者が適宜決めることであり、何れのケースでも、実質的には同じである。
【0186】
図14は、異常判定部1309の機能構成例を示すブロック図である。
【0187】
画像用FIFO1311には、過去数フレーム分の仮想空間画像を保持することができる。
【0188】
比較器1312は、最新のフレームとして入力した仮想空間画像と、画像用FIFO1311に保持されている1つ前のフレームにおける仮想空間画像とを用いて、画像間の動きベクトルを求め、求めたベクトルのデータを後段の判定器1390に送出する。

動き判定器1313は、ジャイロセンサ1306から順次送出される位置姿勢情報間の差分を求め、その差分値を上記判定器1390に送出する。
【0189】
判定器1390は、比較器1312からベクトルと、動き判定器1313からの差分値とを比較し、その差が閾値以上であるのか否かを判定する。そして閾値以上である場合には、エラーが存在すると判断し、その旨を異常判定結果として出力する。
【0190】
[第5の実施形態]
本実施形態では、仮想空間画像と現実空間画像との合成画像にエラーを検出した場合には、合成画像の代わりに現実空間画像を表示する。
【0191】
図15は、本実施形態に係るシステムの機能構成例を示すブロック図である。図15に示す如く、本実施形態に係るシステムは、ビデオシースルー型HMD1401と、画像処理装置1402と、で構成されている。なお、図14に示した各部のうち、図13に示したものと同じものについては同じ参照番号を付けており、その説明は省略する。
【0192】
先ず、ビデオシースルー型HMD1401について説明する。
【0193】
撮像部1304による現実空間画像は画像処理装置1402に送信される。CG描画合成部1403は、位置姿勢情報生成部1307が生成した位置姿勢情報が示す位置姿勢を有する視点から見える仮想空間画像を生成する。そして生成した仮想空間画像を、ビデオシースルー型HMD1401から送信された現実空間画像上に合成したMR画像を生成する。そして生成したMR画像をビデオシースルー型HMD1401に返信する。
【0194】
異常判定部1409は、画像処理装置1402から送信されたMR画像にエラーが存在するか否かを、第4の実施形態と同様にして判断する。
【0195】
そしてその判断結果は画像スイッチ1410に入力される。画像スイッチ1410には画像処理装置1402から送信されたMR画像も入力されると共に、撮像部1304からの現実空間画像も入力される。画像スイッチ1410は、異常判定部1409による判断結果を参照し、エラーが存在する場合には現実空間画像を表示部1305に送出し、エラーが存在しない場合にはMR画像を表示部1305に送出する。
【0196】
図16は、異常判定部1409の機能構成例を示すブロック図である。
【0197】
画像用FIFO1411には画像処理装置1402から送出されたMR画像が数フレーム分保持される。比較器1412は、最新のフレームにおけるMR画像と、画像用FIFO1411に保持されている1つ前のフレームにおけるMR画像との比較を行い、画像のずれ量を求める。係る処理については第4の実施形態で説明したとおりである。
【0198】
そして係る比較の結果、ずれ量が閾値以上であれば、エラーが存在すると判断し、その旨を出力する。
【0199】
なお、以上説明した各実施形態は適宜組み合わせて使用しても良い。
【0200】
[その他の実施形態]
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成されることはいうまでもない。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給する。係る記憶媒体は言うまでもなく、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0201】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行う。その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0202】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0203】
本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシステムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】ビデオシースルー型HMD101が行う処理のフローチャートである。
【図3】撮像部103により撮像される現実空間の一例を示す図である。
【図4】ビデオシースルー型HMD101と画像処理装置102との間で送受信される画像の例を示す図である。
【図5】注目フレームのMR画像を1フレーム前のMR画像に置き換える処理を説明する図である。
【図6】エラー箇所をその周囲の画素群を用いて修正する処理を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るシステムの機能構成例を示す図である。
【図8】ビデオシースルー型HMD701が行う処理のフローチャートである。
【図9】一方の目に対するMR画像中のエラー箇所を修正するために、係るMR画像を、他方の目に対するMR画像に置き換える処理を説明する図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るシステムの機能構成例を示すブロック図である。
【図11】ビデオシースルー型HMD1001が行う処理のフローチャートである。
【図12】一般的なビデオシースルー型複合現実システム(以下、単にシステム)の機能構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係るシステムの機能構成例を示すブロック図である。
【図14】異常判定部1309の機能構成例を示すブロック図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係るシステムの機能構成例を示すブロック図である。
【図16】異常判定部1409の機能構成例を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察者の眼前に画像を表示する為の表示部を有する頭部装着型表示装置であって、
フレームの画像を順次、入力する入力手段と、
前記入力手段が入力した注目フレームの画像にエラー箇所が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記注目フレームの画像にエラー箇所は存在しないと前記判断手段が判断した場合には、前記注目フレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御手段とを備え、
更に、
前記注目フレームの画像にエラー箇所が存在すると前記判断手段が判断した場合には、
前記表示制御手段は、
前記判断手段による判断処理の過程で求めた前記注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズと、前記判断手段が前記注目フレームよりも過去のフレームについて判断した判断結果と、に基づいて、前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うか否かを判断する手段と、
前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うと判断した場合には、前記注目フレームよりも過去のフレームにおける画像を前記注目フレームの画像として前記表示部に表示させる表示制御、若しくは前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御、のうち、前記サイズと前記判断結果とに基づいて決まる一方の表示制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする頭部装着型表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記注目フレームの画像に対する修正処理は行わないと判断した場合には、前記注目フレームの画像上に警告を示すメッセージ情報を重畳させた合成画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記サイズが予め設定された閾値以上であり、且つ前記判断手段が前記注目フレームの1つ前のフレームについて判断した結果がエラー箇所無しである場合には、前記注目フレームの画像として前記1つ前のフレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御を行い、
前記サイズが予め設定された閾値よりも小さく、且つ前記判断手段が前記注目フレームの1つ前のフレームについて判断した結果がエラー箇所有りである場合には、前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項4】
前記判断手段は、パリティチェック、チェックサム、Cyclic Redundancy Check(CRC)を含む手法を用いてエラー箇所の有無を判断することを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項5】
観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置であって、
観察者の一方の目に対して画像を提示するための提示部と、他方の目に対して画像を提示する為の提示部とを有し、
それぞれの前記提示部は、
フレームの画像を順次、入力する入力手段と、
前記入力手段が入力した注目フレームの画像にエラー箇所が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記注目フレームの画像にエラー箇所は存在しないと前記判断手段が判断した場合には、前記注目フレームの画像を表示部に表示させる表示制御手段とを備え、
更に、
前記注目フレームの画像にエラー箇所が存在すると前記判断手段が判断した場合には、
前記表示制御手段は、
前記判断手段による判断処理の過程で求めた前記注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズと、前記判断手段が前記注目フレームよりも過去のフレームについて判断した判断結果と、に基づいて、前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うか否かを判断する手段と、
前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うと判断した場合には、前記注目フレームの画像として他方の前記提示部が有する前記入力手段が入力した注目フレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御、若しくは前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御、のうち、前記サイズと前記判断結果とに基づいて決まる一方の表示制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする頭部装着型表示装置。
【請求項6】
観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置であって、
撮像装置により現実空間を撮像することで得られる現実空間画像を取得する手段と、
前記撮像装置の位置姿勢を取得する手段と、
前記位置姿勢に基づいて生成される仮想空間画像を取得する手段と、
前記仮想空間画像に対するエラーの有無を検出する手段と、
前記エラーが検出されなかった場合には前記現実空間画像と前記仮想空間画像との合成画像を表示し、前記エラーが検出された場合には前記現実空間画像を表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする頭部装着型表示装置。
【請求項7】
観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置であって、
撮像装置により現実空間を撮像することで得られる現実空間画像を取得する手段と、
前記撮像装置の位置姿勢を取得する手段と、
前記位置姿勢に基づいて生成される仮想空間画像と前記現実空間画像との合成画像を取得する手段と、
前記合成画像に対するエラーの有無を検出する手段と、
前記エラーが検出されなかった場合には前記合成画像を表示し、前記エラーが検出された場合には前記現実空間画像を表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする頭部装着型表示装置。
【請求項8】
観察者の眼前に画像を表示する為の表示部を有する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
フレームの画像を順次、入力する入力工程と、
前記入力工程で入力した注目フレームの画像にエラー箇所が存在するか否かを判断する判断工程と、
前記注目フレームの画像にエラー箇所は存在しないと前記判断工程で判断した場合には、前記注目フレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御工程とを備え、
更に、
前記注目フレームの画像にエラー箇所が存在すると前記判断工程で判断した場合には、
前記表示制御工程は、
前記判断工程による判断処理の過程で求めた前記注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズと、前記判断工程で前記注目フレームよりも過去のフレームについて判断した判断結果と、に基づいて、前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うか否かを判断する工程と、
前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うと判断した場合には、前記注目フレームよりも過去のフレームにおける画像を前記注目フレームの画像として前記表示部に表示させる表示制御、若しくは前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御、のうち、前記サイズと前記判断結果とに基づいて決まる一方の表示制御を行う制御工程と
を備えることを特徴とする頭部装着型表示装置の制御方法。
【請求項9】
観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
前記頭部装着型表示装置は、観察者の一方の目に対して画像を提示するための提示部と、他方の目に対して画像を提示する為の提示部とを有し、
それぞれの前記提示部が、
フレームの画像を順次、入力する入力工程と、
前記入力工程で入力した注目フレームの画像にエラー箇所が存在するか否かを判断する判断工程と、
前記注目フレームの画像にエラー箇所は存在しないと前記判断工程で判断した場合には、前記注目フレームの画像を表示部に表示させる表示制御工程とを備え、
更に、
前記注目フレームの画像にエラー箇所が存在すると前記判断工程で判断した場合には、
前記表示制御工程は、
前記判断工程による判断処理の過程で求めた前記注目フレームの画像中のエラー箇所のサイズと、前記判断工程で前記注目フレームよりも過去のフレームについて判断した判断結果と、に基づいて、前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うか否かを判断する工程と、
前記注目フレームの画像に対する修正処理を行うと判断した場合には、前記注目フレームの画像として他方の前記提示部が有する前記入力工程で入力した注目フレームの画像を前記表示部に表示させる表示制御、若しくは前記注目フレームの画像中におけるエラー箇所の領域をその周囲の画素群を用いて修正した結果を前記表示部に表示させる表示制御、のうち、前記サイズと前記判断結果とに基づいて決まる一方の表示制御を行う制御工程と
を行うことを特徴とする頭部装着型表示装置の制御方法。
【請求項10】
観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
撮像装置により現実空間を撮像することで得られる現実空間画像を取得する工程と、
前記撮像装置の位置姿勢を取得する工程と、
前記位置姿勢に基づいて生成される仮想空間画像を取得する工程と、
前記仮想空間画像に対するエラーの有無を検出する工程と、
前記エラーが検出されなかった場合には前記現実空間画像と前記仮想空間画像との合成画像を表示し、前記エラーが検出された場合には前記現実空間画像を表示する表示制御工程と
を備えることを特徴とする頭部装着型表示装置の制御方法。
【請求項11】
観察者の眼前に画像を表示する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
撮像装置により現実空間を撮像することで得られる現実空間画像を取得する工程と、
前記撮像装置の位置姿勢を取得する工程と、
前記位置姿勢に基づいて生成される仮想空間画像と前記現実空間画像との合成画像を取得する工程と、
前記合成画像に対するエラーの有無を検出する工程と、
前記エラーが検出されなかった場合には前記合成画像を表示し、前記エラーが検出された場合には前記現実空間画像を表示する表示制御工程と
を備えることを特徴とする頭部装着型表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−300983(P2008−300983A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142324(P2007−142324)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】