説明

頭部装着型表示装置および頭部装着型表示装置の制御方法

【課題】頭部装着型表示装置内部におけるデーター送受信の乱れに起因する画像表示の乱れが生じた場合に、使用者に与える不快感を軽減可能な頭部装着型表示装置を提供する。
【解決手段】使用者に虚像を視認させる頭部装着型表示装置は、画像データーを用いて画像を表す画像光を生成し射出させる画像光生成部と、射出された画像光を使用者の眼に導く導光部と、画像データーを受信する受信部と、受信部と接続されると共に、画像光生成部による画像表示を制御する制御部であって、受信部に対して画像データーを送信する送信部を有する制御部とを備える。制御部は、送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合に、所定の間、虚像の視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部に装着する表示装置である頭部装着型表示装置および頭部装着型表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像表示装置において、新たな映像の表示が開始される際、例えば、液晶パネルに映像が表示されていない状態から映像を表示させる状態へ切り替わったときや、液晶パネルに表示させる映像に対応する映像信号の入力先が変更されたとき等に、画面の切り替わりに伴い使用者に与えるストレスを軽減させるための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−38759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
頭部に装着する表示装置である頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD))においても、画像の表示方法を変更する際(例えば、画像の表示方向、表示サイズ、色数を変化させる際)などに、頭部装着型表示装置内部の機器が表示不良や機能不良を起こすことにより、画像の表示が乱れる場合がある。頭部装着型表示装置は、人間の頭部に装着して使用され、使用者の視野領域、すなわち非常に眼に近い位置で、使用者に画像を虚像として視認させる構成を採用するため、画像の乱れが使用者に与える不快感が大きい。
【0005】
なお、このような問題は、画像の表示方法を変更する場合に限らず、例えば、頭部装着型表示装置が外部からのノイズの影響を受けた場合など、頭部装着型表示装置内部におけるデーター送受信に乱れが発生した場合全般に共通する問題であった。
【0006】
本発明は、頭部装着型表示装置内部におけるデーター送受信の乱れに起因する画像表示の乱れが生じた場合に、使用者に与える不快感を軽減可能な頭部装着型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
使用者に虚像を視認させる頭部装着型表示装置であって、
画像データーを用いて画像を表す画像光を生成し射出させる画像光生成部と、
射出された前記画像光を使用者の眼に導く導光部と、
前記画像データーを受信する受信部と、
前記受信部と接続されると共に、前記画像光生成部による画像表示を制御する制御部であって、前記受信部に対して前記画像データーを送信する送信部を有する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記送信部と前記受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、使用者に虚像を視認させる頭部装着型表示装置において、制御部は、画像データーの送受信を行う送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合に、所定の間、虚像の視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整する。送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れは、画像光生成部により生成される画像の乱れにつながる。従って、データー送受信の乱れが推定される場合に虚像の視認性を低下させれば、画像光生成部により生成される画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。この結果、頭部装着型表示装置内部におけるデーター送受信の乱れに起因する画像表示の乱れが生じた場合に、使用者に与える不快感を軽減可能な頭部装着型表示装置を提供することができる。
【0009】
[適用例2]
適用例1記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
前記送信部と前記受信部との間で送信される前記画像データーのデーター量の変化に伴って前記送信部のクロックレートを変化させる場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、送信部と受信部との間で送信される画像データーのデーター量の変化に伴って送信部のクロックレートを変化させる場合に、所定の間、虚像の視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整するため、クロックレートの変化に伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0010】
[適用例3]
適用例2記載の頭部装着型表示装置であって、
前記画像光生成部は、さらに、前記画像データーから前記画像光を生成する表示素子を備え、
前記制御部は、
前記表示素子において生成される前記画像の表示方向と、前記画像の表示サイズと、前記画像の表示色数と、前記画像の単位時間あたりのフレーム数と、のうちの少なくともいずれかを変更するために、送信する前記画像データーのデーター量を変化させる、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、表示素子において生成される画像の表示方向と、画像の表示サイズと、画像の表示色数と、画像の単位時間あたりのフレーム数と、のうちの少なくともいずれかの変更に伴い画像表示が乱れた場合に、使用者に与える不快感を軽減することができる。
【0011】
[適用例4]
適用例2記載の頭部装着型表示装置であって、
前記画像光生成部は、さらに、前記画像データーから前記画像光を生成する表示素子を備え、
前記制御部は、
前記表示素子において生成される前記画像が、前記表示素子の表示領域の一部分のみを占めるようにするために、送信する前記画像データーのデーター量を変化させる、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、表示素子において生成される画像が、表示素子の表示領域の一部分のみを占めるようにすることに伴って画像表示が乱れた場合に、使用者に与える不快感を軽減することができる。
【0012】
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
定期的に前記送信部の状態を確認し、確認の結果、前記送信部に異常を検知した場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、定期的に送信部の状態を確認することにより、送信部の異常を自動で検知することができる。また、制御部は、送信部の異常を検知した場合に、所定の間、虚像の視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整するため、例えば、送信部の再設定などに伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0013】
[適用例6]
適用例1ないし5のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
定期的に前記受信部が受信した受信データーの異常の有無を確認し、確認の結果、前記受信データーの異常を検知した場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、受信部が受信した受信データーの異常の有無を自動で検知することができる。また、制御部は、受信データーの異常を検知した場合に、所定の間、虚像の視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整するため、例えば、受信データーへのノイズ混入などに伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0014】
[適用例7]
適用例1ないし6のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、さらに、外部デバイスを接続するための入力インターフェイスを備え、
前記制御部は、
前記制御部に対する前記画像データーの転送元が、ある前記外部デバイスから他の前記外部デバイスへ切り替えられた場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、制御部に対する画像データーの転送元が、ある外部デバイスから他の外部デバイスへ切り替えられた場合に、所定の間、虚像の視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整するため、画像データー転送元デバイスの切り替えに伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0015】
[適用例8]
適用例7記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、さらに、前記制御部に対する前記画像データーの転送元となる外部デバイスを接続するためのネットワークインターフェイスを備える、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、画像データーの転送元となる外部デバイスを接続するためのネットワークインターフェイスを備えるため、適用例6の構成において、さらに、DLNA(Digital Living Network Alliance)にも対応した頭部装着型表示装置を提供することができる。
【0016】
[適用例9]
適用例1ないし8のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
一対の前記画像光生成部と、一対の前記導光部と、を有し、
前記制御部は、
一対の前記画像光生成部の一方に送信する前記画像データーと、他方に送信する前記画像データーとが異なるデーターである場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように一対の前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、一対の画像光生成部の一方に送信する画像データーと、他方に送信する画像データーとが異なるデーターとされる場合、すなわち、使用者に三次元の虚像を視認させる表示モードにする場合に、所定の間、虚像の視認性を低下させるように一対の画像光生成部の輝度を調整するため、三次元表示モードへの切り替えに伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0017】
[適用例10]
適用例1ないし9のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記所定の間とは、前記制御部が、前記送信部および前記受信部を停止させ、前記送信部におけるクロックレートを変更し、前記送信部および前記受信部を起動させるまでの間である、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、送信部および受信部を停止させ、送信部におけるクロックレートを変更し、送信部および受信部を起動させるまでの間、虚像の視認性を低下させることができるため、データー送受信の乱れに起因する画像表示の乱れが生じた場合に、使用者に与える不快感を軽減することができる。
【0018】
[適用例11]
適用例1ないし10のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
前記画像光生成部の輝度を調整することによって前記画像光の射出を停止させる、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、記画像光生成部の輝度を調整することによって画像光の射出を停止させるため、虚像の視認性を低下させることができる。
【0019】
[適用例12]
適用例1ないし11のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
前記画像光生成部の輝度を調整することによって前記画像光の射出を弱くする、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、画像光生成部の輝度を調整することによって画像光の射出を弱くするため、虚像の視認性を低下させることができる。
【0020】
[適用例13]
適用例1ないし12のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記画像光生成部は、
前記画像を生成する表示素子と、
生成された前記画像を表す画像光を射出させる光源と、
を含み、
前記制御部は、
前記光源の輝度を段階的に変化させることで前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
このような構成とすれば、制御部は、光源の輝度を段階的に変化させることで画像光生成部の輝度を調整するため、使用者に与える不快感をさらに軽減することができる。
【0021】
[適用例14]
使用者に虚像を視認させる頭部装着型表示装置の制御方法であって、
(a)受信部から受信した画像データーを用いて画像を表す画像光を生成し射出させる工程と、
(b)射出された前記画像光を使用者の眼に導く工程と、
(c)送信部を用いて前記画像データーを送信するとともに、前記工程(a)および(b)による画像表示を制御する工程と、
を備え、
前記工程(c)は、
前記送信部と前記受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記工程(a)における輝度を調整する、頭部装着型表示装置の制御方法。
このような構成とすれば、適用例1と同様の効果を得ることができる。
【0022】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、頭部装着型表示装置および頭部装着型表示装置の制御方法、頭部装着型表示システム、これらの方法、装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例における頭部装着型表示装置の外観の構成を示す説明図である。
【図2】ヘッドマウントディスプレイの構成を機能的に示すブロック図である。
【図3】画像光生成部によって画像光が射出される様子を示す説明図である。
【図4】使用者に認識される虚像の一例を示す説明図である。
【図5】ヘッドマウントディスプレイの待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS202における画像光生成部の様子を示す説明図である。
【図8】画像表示方法を変更した場合の虚像VIの一例を示す説明図である。
【図9】第2実施例における設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】表示制御部が送信するPWM信号の変化を示す説明図である。
【図11】第3実施例における待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】フルスクリーンモードからパーシャル表示モードへ移行した場合の虚像の一例を示す説明図である。
【図13】第4実施例におけるヘッドマウントディスプレイの構成の一部を機能的に示すブロック図である。
【図14】第4実施例における待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】第5実施例における待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】ヘッドマウントディスプレイに対して複数の外部機器が接続されている様子を示す説明図である。
【図17】待機後設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】第6実施例における待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】変形例におけるヘッドマウントディスプレイの構成を機能的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
【0025】
A.第1実施例:
(A−1)頭部装着型表示装置の構成:
図1は、本発明の一実施例における頭部装着型表示装置の外観の構成を示す説明図である。頭部装着型表示装置HMは、頭部に装着する表示装置であり、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)とも呼ばれる。本実施例のヘッドマウントディスプレイHMは、使用者が、虚像を視認すると同時に外景も直接視認可能な光学透過型の頭部装着型表示装置である。
【0026】
ヘッドマウントディスプレイHMは、使用者の頭部に装着された状態において使用者に虚像を視認させる画像表示部20と、画像表示部20を制御する制御部(コントローラー)10とを備えている。
【0027】
画像表示部20は、使用者の頭部に装着される装着体であり、本実施例では眼鏡形状を有している。画像表示部20は、耳掛部21と、右表示駆動部22と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26と、左光学像表示部28とを含んでいる。耳掛部21は、右表示駆動部22および左表示駆動部24の端部から使用者の耳の上を横断するように設けられた部材であり、テンプル(つる)として機能する。右光学像表示部26および左光学像表示部28は、使用者が画像表示部20を装着した状態においてそれぞれ使用者の右および左の眼の前に位置するように配置されている。右表示駆動部22は、右耳用の耳掛部21と右光学像表示部26との接続箇所に配置されている。また、左表示駆動部24は、左耳用の耳掛部21と左光学像表示部28との接続箇所に配置されている。なお、以降では、右表示駆動部22および左表示駆動部24を総称して単に「表示駆動部」と、右光学像表示部26および左光学像表示部28を総称して単に「光学像表示部」とも呼ぶ。
【0028】
表示駆動部は、図示しない駆動回路や、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)や、投写光学系等を含む。詳細は後述する。光学像表示部は、図示しない導光板と、調光板とを含んでいる。導光板は、光透過性の樹脂材料等によって形成され、表示駆動部から取り込んだ画像光を使用者の眼に向けて射出させる。調光板は、薄板状の光学素子であり、ヘッドマウントディスプレイHMの表側(使用者の眼の側とは反対の側)を覆うように配置されている。調光板は、導光板を保護し、導光板の損傷や、汚れの付着等を抑制するとともに、調光板の光透過率を調整することにより、使用者の眼に入る外光量を調整し、虚像の視認のしやすさを調整することができる。なお、調光板は省略可能である。
【0029】
画像表示部20は、さらに、右耳用の右イヤホン32および左耳用の左イヤホン34を有する。右イヤホン32および左イヤホン34は、使用者が画像表示部20を装着した際に、それぞれ右および左の耳に装着される。
【0030】
画像表示部20は、さらに、画像表示部20を制御部10に接続するための接続部40を有している。接続部40は、制御部10に接続される本体コード48と、本体コード48が2本に分岐した右コード42と、左コード44と、分岐点に設けられた連結部材46と、を含んでいる。右コード42は、右表示駆動部22に接続されており、左コード44は、左表示駆動部24に接続されている。画像表示部20と制御部10とは、接続部40を介して各種信号の伝送を行う。本体コード48における連結部材46とは反対側の端部と、制御部10とのそれぞれには、互いに嵌合するコネクター(図示省略)が設けられており、本体コード48のコネクターと制御部10のコネクターとの嵌合/嵌合解除により、制御部10と画像表示部20とが接続されたり切り離されたりする。右コード42と、左コード44と、本体コード48には、例えば、金属ケーブルや、光ファイバーを採用することができる。
【0031】
制御部10は、ヘッドマウントディスプレイHMを操作するための装置である。制御部10は、点灯部12と、タッチパッド14と、十字キー16と、電源スイッチ18とを含んでいる。点灯部12は、ヘッドマウントディスプレイHMの動作状態(例えば、電源のON/OFF等)を、その発光状態によって通知する。点灯部12としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。タッチパッド14は、タッチパッド14の操作面上での使用者の指の操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。十字キー16は、上下左右方向に対応するキーへの押下操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。電源スイッチ18は、スイッチのスライド操作を検出することで、ヘッドマウントディスプレイHMの電源投入状態を切り替える。
【0032】
図2は、ヘッドマウントディスプレイHMの構成を機能的に示すブロック図である。制御部10は、入力情報取得部110と、記憶部120と、電源130と、CPU140と、インターフェイス180と、送信部(Tx)51および52と、を備え、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
【0033】
入力情報取得部110は、使用者による操作入力に応じた信号(例えば、タッチパッド14や十字キー16、電源スイッチ18に対する操作入力)を取得する機能を有する。記憶部120は、図示しないROM、RAM、DRAM、ハードディスク等を含む記憶部である。電源130は、ヘッドマウントディスプレイHMの各部に電力を供給する。電源130としては、例えば二次電池を用いることができる。
【0034】
CPU140は、予めインストールされたプログラムを実行することで、オペレーティングシステム(ОS)150としての機能を提供する。また、CPU140は、ROMやハードディスクに格納されているファームウェアやコンピュータープログラムをRAMに展開して実行することにより、画像処理部160、音声処理部170、表示制御部190としても機能する。詳細は後述する。
【0035】
インターフェイス180は、制御部10に対して、コンテンツの供給元となる種々の外部機器OA(例えば、パーソナルコンピューターPCや携帯電話端末、ゲーム端末)を接続するためのインターフェイスである。インターフェイス180としては、例えば、USBインターフェイスや、マイクロUSBインターフェイス、メモリーカード用インターフェイス、無線LANインターフェイス等を備えることができる。また、コンテンツとは、画像(静止画像、動画像)や音声等からなる情報内容を意味する。
【0036】
画像処理部160は、インターフェイス180を介して入力されるコンテンツに基づき、クロック信号PCLK、垂直同期信号VSync、水平同期信号HSync、画像データーDataを生成し、接続部40を介してこれらの信号を画像表示部20に供給する。具体的には、画像処理部160は、コンテンツに含まれる画像信号を取得する。取得した画像信号は、例えば動画像の場合、一般的に、1秒あたり30枚のフレーム画像から構成されているアナログ信号である。画像処理部160は、取得した画像信号から、垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSync等の同期信号を分離する。また、画像処理部160は、分離した垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSyncの周期に応じて、図示しないPLL(Phase Locked Loop)回路等を利用してクロック信号PCLKを生成する。
【0037】
画像処理部160は、同期信号が分離されたアナログ画像信号を、図示しないA/D変換回路等を用いてディジタル画像信号に変換する。その後、画像処理部160は、変換後のディジタル画像信号を、対象画像の画像データーData(RGBデーター)として、1フレームごとに記憶部120内のDRAMに格納する。なお、画像処理部160は、必要に応じて、画像データーに対して、解像度変換処理、輝度や彩度の調整といった種々の色調補正処理、キーストーン補正処理等の画像処理を実行してもよい。
【0038】
画像処理部160は、生成したクロック信号PCLK、垂直同期信号VSync、水平同期信号HSyncと、記憶部120内のDRAMに格納された画像データーDataとを、送信部51および52を介してそれぞれ送信する。なお、送信部51を介して送信される画像データーDataを「右眼用画像データー」とも呼び、送信部52を介して送信される画像データーDataを「左眼用画像データー」とも呼ぶ。送信部51、52は、制御部10と、画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのトランシーバーとして機能する。
【0039】
表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24を制御する制御信号を生成する。具体的には、表示制御部190は、制御信号により、右LCD制御部211による右LCD241の駆動ON/OFFや、右バックライト制御部201による右バックライト221の駆動ON/OFF、左LCD制御部212による左LCD242の駆動ON/OFFや、左バックライト制御部202による左バックライト222の駆動ON/OFF、などを個別に制御することにより、右表示駆動部22および左表示駆動部24のそれぞれによる画像光の生成および射出を制御する。例えば、表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24の両方に画像光を生成させたり、一方のみに画像光を生成させたり、両方共に画像光を生成させなかったりする。
【0040】
表示制御部190は、右LCD制御部211と左LCD制御部212とに対する制御信号を、送信部51および52を介してそれぞれ送信する。また、表示制御部190は、右バックライト制御部201と左バックライト制御部202とに対する制御信号を、それぞれ送信する。
【0041】
音声処理部170は、コンテンツに含まれる音声信号を取得し、取得した音声信号を増幅して、画像表示部20の右イヤホン32および左イヤホン34に接続部40を介して供給する。
【0042】
画像表示部20は、右表示駆動部22と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26としての右導光板261と、左光学像表示部28としての左導光板262と、右イヤホン32と、左イヤホン34とを備えている。
【0043】
右表示駆動部22は、受信部(Rx)53と、光源として機能する右バックライト(BL)制御部201および右バックライト(BL)221と、表示素子として機能する右LCD制御部211および右LCD241と、右投写光学系251を含んでいる。なお、右バックライト制御部201と、右LCD制御部211と、右バックライト221と、右LCD241とを総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。
【0044】
受信部53は、制御部10と、画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのレシーバーとして機能する。右バックライト制御部201は、入力された制御信号に基づいて、右バックライト221を駆動する機能を有する。右バックライト221は、例えば、LEDやエレクトロルミネセンス(EL)等の発光体である。右LCD制御部211は、受信部53を介して入力されたクロック信号PCLKと、垂直同期信号VSyncと、水平同期信号HSyncと、右眼用画像データーとに基づいて、右LCD241を駆動する機能を有する。右LCD241は、複数の画素をマトリクス状に配置した透過型液晶パネルである。
【0045】
図3は、画像光生成部によって画像光が射出される様子を示す説明図である。右LCD241はマトリクス状に配置された各画素位置に対応する液晶を駆動することによって、右LCD241を透過する光の透過率を変化させることにより、右バックライト221から照射される照明光ILを、画像を表す有効な画像光PLへと変調する機能を有する。なお、図3のように、本実施例ではバックライト方式を採用することとしたが、フロントライト方式や、反射方式を用いて画像光を射出する構成としてもよい。
【0046】
図2の右投写光学系251は、右LCD241から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズによって構成される。右光学像表示部26としての右導光板261は、右投写光学系251から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の右眼REに導く。なお、右投写光学系251と右導光板261とを総称して「導光部」とも呼ぶ。
【0047】
左表示駆動部24は、受信部(Rx)54と、光源として機能する左バックライト(BL)制御部202および左バックライト(BL)222と、表示素子として機能する左LCD制御部212および左LCD242と、左投写光学系252を含んでいる。なお、左バックライト制御部202と、左LCD制御部212と、左バックライト222と、左LCD242とを総称して「画像光生成部」と、左投写光学系252と、左導光板262とを総称して「導光部」とも呼ぶ。右表示駆動部22と左表示駆動部24とは対になっており、左表示駆動部24の各部は、右表示駆動部22で説明する各部と同様の構成および動作を有するため詳細な説明は省略する。
【0048】
図4は、使用者に認識される虚像の一例を示す説明図である。上述のようにして、ヘッドマウントディスプレイHMの使用者の両眼に導かれた画像光が使用者の網膜に結像することにより、使用者は虚像を視認することができる。図4に示すように、ヘッドマウントディスプレイHMの使用者の視野VR内には虚像VIが表示される。また、使用者の視野VRのうち、虚像VIが表示された部分以外については、使用者は、右光学像表示部26および左光学像表示部28を透過して、外景SCを見ることができる。なお、本実施例のヘッドマウントディスプレイHMでは、使用者の視野VRの内の虚像VIが表示された部分についても、虚像VIの背後に外景SCが透けて見えるようになっている。
【0049】
(A−2)頭部装着型表示装置の待ち受け処理:
図5は、ヘッドマウントディスプレイHMの待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。ヘッドマウントディスプレイHMの待ち受け処理は、制御部10が画像表示部20による画像表示を制御する処理である。
【0050】
まず、制御部10の電源130は、ヘッドマウントディスプレイHMの各部に電源を供給する(ステップS102)。次に、制御部10の表示制御部190は、送信部51、52と、受信部53、54と、右LCD制御部211、左LCD制御部212の初期設定を行う(ステップS104)。具体的には、表示制御部190は、送信部51、52および受信部53、54に対して、シリアル伝送を正しく行うための設定、例えば、クロックレートや、チャンネル数を設定するための信号を送信する。クロックレート(bps)とは、送信部・受信部間の同期を合わせるための信号(クロック信号)の周波数である。送信部51、52と、受信部53、54とは、それぞれ、図示しないPLL回路を含み、PLL回路によって互いに同期を取りつつデーター伝送を行うことが可能となる。また、表示制御部190は、右LCD制御部211、左LCD制御部212に対して、LCDにおける表示を適正に行うための設定、例えば、ガンマ値を設定するための信号を送信する。
【0051】
なお、本実施例では、表示制御部190が、送信部と、受信部と、LCD制御部に対して、それぞれ信号を送信することとした。しかし、表示制御部190は、送信部のみに対して信号を送信することとしてもよい。その場合、受信部およびLCD制御部への信号は、送信部を経由して間接的に送信される。
【0052】
初期設定後、制御部10の画像処理部160および表示制御部190は、オペレーティングシステムのホーム画面を表示させる(ステップS106)。具体的には、画像処理部160は、OS150から入力されたホーム画面の画像に対して上述の処理を行い、ホーム画面を示す画像データーData、垂直同期信号VSync、水平同期信号HSync、クロック信号PCLKを生成し、送信部51、52を経由して送信する。また、表示制御部190は、右LCD制御部211による右LCD241の駆動ONを示す制御信号を送信部51経由で、左LCD制御部212による左LCD242の駆動ONを示す制御信号を送信部52経由で、それぞれ送信する。受信部53経由で信号を受信した右LCD制御部211は、右LCD241を駆動し、ホーム画面の画像を描画する。同様に、受信部54経由で信号を受信した左LCD制御部212は、左LCD242を駆動し、ホーム画面の画像を描画する。
【0053】
次に、制御部10の表示制御部190は、バックライトを点灯させる(ステップS108)。具体的には、表示制御部190は、右バックライト制御部201による右バックライト221の駆動ONを示す制御信号と、左バックライト制御部202による左バックライト222の駆動ONを示す制御信号とを画像表示部20へ送信する。信号を受信した右バックライト制御部201は、右バックライト221を点灯させる。同様に、信号を受信した左バックライト制御部202は、左バックライト222を点灯させる。この結果、右LCD241、左LCD242で描画されたホーム画面の画像を示す画像光が射出され、使用者の視野VRには、ホーム画面を示す虚像VIが表示される。
【0054】
ホーム画面表示後、制御部10の表示制御部190は、アプリケーションからの設定変更要求があるか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、表示制御部190は、種々のアプリケーションからの画像表示方法の設定変更要求があるか否かを判定する。ここで、種々のアプリケーションとは、例えば、OS150の機能として予め提供されている画像表示方法を設定・変更するためのアプリケーションや、OS150にインストールされたゲーム用アプリケーション、静止画・動画再生用のアプリケーション等がある。また、画像表示方法とは、右LCD241および左LCD242によって描画され、使用者の視野VRに虚像VIとして表示される画像の表示方法を意味し、例えば、右LCD241および左LCD242において描画(生成)される画像の表示方向や、表示サイズ、色数、単位時間当たりのフレーム数等が含まれる。
【0055】
アプリケーションからの設定変更要求がある場合(ステップS110:YES)、表示制御部190は、設定変更処理を実行する(ステップS112)。一方、アプリケーションからの設定変更要求がない場合(ステップS110:NO)、表示制御部190は、処理をステップS110へ遷移させ、アプリケーションからの設定変更要求の有無の監視を継続する。
【0056】
(A−3)設定変更処理:
図6は、設定変更処理の手順を示すフローチャートである。図7は、図6のステップS202における画像光生成部の様子を示す説明図である。まず、制御部10の表示制御部190は、バックライトを消灯させる(ステップS202)。具体的には、表示制御部190は、右バックライト制御部201による右バックライト221の駆動OFFを示す制御信号と、左バックライト制御部202による左バックライト222の駆動OFFを示す制御信号とを画像表示部20へ送信する。信号を受信した右バックライト制御部201は、右バックライト221を消灯させる。同様に、信号を受信した左バックライト制御部202は、左バックライト222を消灯させる。バックライトが消灯されれば、画像光生成部により生成された画像(具体的には右LCD241および左LCD242で描画された画像)は画像光として射出されなくなるため、使用者の視野VRから虚像VIの表示が消える。
【0057】
次に、制御部10の表示制御部190は、送信部51、52および受信部53、54を停止させる(ステップS204)。この結果、制御部10と、画像表示部20との間のデーター送受信は停止される。
【0058】
制御部10の表示制御部190は、送信部51、52と、受信部53、54と、右LCD制御部211、左LCD制御部212の設定を変更する(ステップS206)。送信部51、52および受信部53、54の設定変更は、画像表示方法(右LCD241および左LCD242において描画される画像の表示方向や、表示サイズ、色数、単位時間当たりのフレーム数等)を変更する場合に、画像処理部160が送信する画像データーDataのデーター量の変化に伴って、クロック信号PCLKが変化することに起因する。クロック信号PCLKの変化に対応し、送信部・受信部間のシリアル伝送を適正に行う(誤作動を抑制する)ためには、送信部51、52と、受信部53、54に含まれるPLL回路を、変更後のクロック信号PCLKに合わせた新たなクロックレートにより動作させる必要がある。従って、表示制御部190は、変更後のクロック信号PCLKに合わせた新たなクロックレートや、チャンネル数を設定するための信号を、送信部51、52および受信部53、54に対して送信する。
【0059】
また、右LCD制御部211、左LCD制御部212の設定変更は、画像表示方法の変更に伴い、LCD表示制御部の再設定が必要となることに起因する。LCDでの表示を適正に行うために、表示制御部190は、新たなガンマ値等を設定するための信号を、右LCD制御部211、左LCD制御部212に対して送信する。
【0060】
その後、制御部10の表示制御部190は、送信部51、52および受信部53、54を起動させる(ステップS208)。この結果、制御部10と、画像表示部20との間で、新たなクロックレートや、チャンネル数に基づいたデーター送受信が再開される。具体的には、画像処理部160は、変更後のクロック信号PCLKのもとで、画像データーDataの送信を開始する。
【0061】
送信部・受信部の再起動後、制御部10の表示制御部190は、バックライトを点灯させる(ステップS210)。具体的には、表示制御部190は、右バックライト制御部201による右バックライト221の駆動ONを示す制御信号と、左バックライト制御部202による左バックライト222の駆動ONを示す制御信号を画像表示部20へ送信する。バックライトが点灯されれば、画像光生成部により生成された画像(具体的には右LCD241、左LCD242で描画された画像)は、再び画像光として射出され、使用者の視野VRには、再び虚像VIが表示される。
【0062】
図8は、画像表示方法を変更した場合の虚像VIの一例を示す説明図である。図8(A)は、画像表示方法(表示サイズ)が変更される前、すなわち、設定変更処理(図6)が行われる前において、使用者の視野VRに表示される虚像VIを示している。使用者の視野VRには、通常モード(例えば、4:3の割合で、右LCD241、左LCD242の画面中央部分に画像を表示)の大きさで虚像VIが表示されている。図8(A)の状態において、使用者が、画像表示方法を設定・変更するためのアプリケーションを用いて、フルスクリーンモード(例えば、16:9の割合で、右LCD241、左LCD242の画面いっぱいに画像を表示)を選択した場合、設定変更処理(図6)が実行される。図8(B)は、設定変更処理のステップS210終了後において、使用者の視野VRに表示される虚像VIを示している。
【0063】
以上のように、第1実施例によれば、使用者に虚像を視認させることが可能な頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイHM)において、制御部10は、画像表示部20に対して画像データーDataを送信する送信部(送信部51、52)と、画像表示部20側で当該画像データーDataを受信する受信部(受信部53、54)と、の間のデーター送受信の乱れが推定される場合に、所定の間、虚像VIの視認性を低下させるように画像光生成部の光源の輝度を調整する(具体的には、光源の証明光を消灯させる)。送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れは、画像光生成部のLCD(右LCD241、左LCD242)により生成される画像の乱れにつながる。従って、データー送受信の乱れが推定される場合に虚像VIの視認性を低下させれば、画像光生成部のLCDにより生成される画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。この結果、頭部装着型表示装置内部におけるデーター送受信の乱れに起因する画像表示の乱れが生じた場合に、使用者に与える不快感を軽減可能な頭部装着型表示装置を提供することができる。
【0064】
具体的には、制御部10は、送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合、すなわち、送信部と受信部との間で送信される画像データーDataのデーター量の変化に伴って送信部(送信部51、52)のクロックレートPCLKを変化させる場合に、所定の間、虚像VIの視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整するため、クロックレートPCLKの変化に伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0065】
また、所定の間とは、送信部51、52および受信部53、54を停止させ、送信部のクロックレートを変更し、送信部および受信部を起動させるまでの間であるため、PLL回路の再起動に伴う送信部の不良が懸念される間は確実に虚像VIの表示を停止させることができる。この結果、ヘッドマウントディスプレイHMにおいて、画像の表示方法を変更する際に画像表示が乱れた場合であっても、使用者に与える不快感を軽減することができる。
【0066】
B.第2実施例:
本発明の第2実施例では、設定変更処理において、光源の点灯/消灯を切り替えることに代えて、光源の輝度を変化させる構成について説明する。以下では、第1実施例と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0067】
(B−1)頭部装着型表示装置の構成:
第2実施例におけるヘッドマウントディスプレイHMの構成は、図1〜図4で説明した第1実施例とほぼ同様である。
【0068】
ただし、第2実施例における制御部10の表示制御部190は、右バックライト制御部201に対して、右バックライト221の駆動ON/OFFを指定する制御信号と共に、右バックライト221の輝度を指定するための制御信号を送信する。右バックライト221の輝度を指定するための制御信号として、本実施例ではPWM(Pulse Width Modulation)信号を用いる。なお、以降では、バックライトの輝度を指定するための制御信号を単に「PWM信号」とも呼ぶ。
【0069】
右バックライト制御部201は、受信したPWM信号のデューティー比に応じて、右バックライト221の輝度を変更する。すなわち、右バックライト制御部201は、PWM信号のデューティー比が高ければ右バックライト221の輝度を高く(すなわち、照明光を明るく)し、デューティー比が低ければ右バックライト221の輝度を低く(すなわち、照明光を暗く)する。同様に、表示制御部190は、左バックライト制御部202に対しても、左バックライト222の駆動ON/OFFを指定する制御信号と共に、左バックライト222の輝度を指定するための制御信号(PWM信号)を送信する。
【0070】
(B−2)頭部装着型表示装置の待ち受け処理:
第2実施例における待ち受け処理の手順は、図5で説明した第1実施例と同様である。
【0071】
(B−3)設定変更処理:
図9は、第2実施例における設定変更処理の手順を示すフローチャートである。図6に示した第1実施例との違いは、ステップS202に代えてステップS302を、ステップS210に代えてステップS304を、それぞれ備える点のみであり、他の処理については図6と同様である。図10は、表示制御部190が送信するPWM信号の変化を示す説明図である。
【0072】
図9のステップS302において、制御部10の表示制御部190は、バックライトの減光を開始させる。具体的には、表示制御部190は、右バックライト制御部201および左バックライト制御部202に対して送信するPWM信号のデューティー比を時間と共に段階的に減少させる(図10、t1時間)。なお、デューティー比の減少幅や、時間等は、任意に定めることができる。PWM信号のデューティー比が段階的に減少されることによって、右バックライト221、左バックライト222による照明光は、段階的に暗くなる(減光する)。右バックライト221、左バックライト222による照明光が暗くなれば、画像光生成部によって射出される画像光が弱くなるため、使用者の視野VRに表示される虚像VIは、薄くぼやけたような表示になる。
【0073】
図9のステップS304において、制御部10の表示制御部190は、バックライトの増光を開始させる。具体的には、表示制御部190は、右バックライト制御部201および左バックライト制御部202に対して送信するPWM信号のデューティー比を時間と共に段階的に増加させる(図10、t2時間)。PWM信号のデューティー比が段階的に増加されることによって、右バックライト221、左バックライト222による照明光は、段階的に明るくなる(増光する)。右バックライト221、左バックライト222による照明光が明るくなれば、画像光生成部によって射出される画像光が強くなるため、使用者の視野VRに表示される虚像VIは、ハッキリとした濃い表示になる。
【0074】
以上のように、第2実施例によれば、制御部10は、画像表示方法を変更するために、画像表示部20へ送信する画像データーDataのデーター量を変化させる(また、そのためにクロック信号PCLKを変化させる)ことに伴い、送信部51、52に含まれるPLL回路のクロックレートを変化させる場合に、所定の間、虚像VIの視認性を低下させるように、画像光生成部の輝度を調整する(具体的には、光源の照明光を減光させる)。虚像VIの視認性が低下されれば、画像表示方法を変更する際(具体的には、PLL回路のクロックレートの変更および再起動の間)に、右LCD241、左LCD242によって描画(生成)されている画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。この結果、ヘッドマウントディスプレイHMにおいて、画像の表示方法を変更する際に画像表示が乱れた場合であっても、使用者に与える不快感を軽減することができる。
【0075】
また、制御部10は、光源による照明光の減光および増光に際して、光源の輝度を段階的に変化させる。この結果、使用者の視野VRに表示される虚像VIは、送信部と受信部の設定を行っている間は徐々に薄くぼやけた表示となり、送信部と受信部の設定完了後に徐々にハッキリとした濃い表示となる。このため、急激に虚像VIの表示がちらついたり、切り替わったりする場合と比較して、使用者に与える不快感をさらに軽減することができる。
【0076】
C.第3実施例:
本発明の第3実施例では、ヘッドマウントディスプレイHMの待ち受け処理において、ヘッドマウントディスプレイHMをパーシャル表示モードに遷移させる際に、使用者に与える不快感を軽減することが可能な構成について説明する。以下では、第1実施例と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0077】
(C−1)頭部装着型表示装置の構成:
第3実施例におけるヘッドマウントディスプレイHMの構成は、図1〜図4で説明した第1実施例と同様である。
【0078】
(C−2)頭部装着型表示装置の待ち受け処理:
図11は、第3実施例における待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。図5に示した第1実施例との違いは、ステップS110に代えてステップS400を備える点のみであり、他の動作は第1実施例と同じである。
【0079】
図11のステップS106、S108の処理を経てホーム画面を表示後、制御部10の表示制御部190は、パーシャル表示選択条件が成立したか否かを判定する(ステップS400)。パーシャル表示選択条件は、所定の条件の成立によって、ヘッドマウントディスプレイHMをフルスクリーンモードからパーシャル(部分)表示モードに切り替えるイベントトリガーである。なお、本実施例において「フルスクリーンモード」とは、表示素子(右LCD241、左LCD242)において表示可能な最大領域の全てに対して画像を表示させる表示モードを意味する。一方、「パーシャル表示モード」とは、表示素子(右LCD241、左LCD242)において表示可能な最大領域のうちの一部分のみに対して、画像を表示させる表示モードを意味する。
【0080】
「所定の条件」とは、任意に定めることができる。例えば、以下のような条件から択一的に選択、または、組み合わせることにより定めることが可能である。
条件(a1):電源130(二次電池)の残量が所定の残量以下となった場合。なお、所定の残量は任意に定めることができる。
条件(a2):ヘッドマウントディスプレイHMに対する操作(例えば、タッチパッド14と、十字キー16とに対する操作)を検出しない状態が所定の時間継続した場合。なお、所定の時間は任意に定めることができる。
条件(a3):OS内の予め指定されたアプリケーションの起動を検出した場合。
条件(a4):外部からの省電力要求を取得した場合。具体的には、表示制御部190が、コントローラー10に設けられたタッチパッド14や十字キー16を介して省電力を選択する旨を取得した場合。
【0081】
パーシャル表示選択条件が成立していない場合(ステップS400:NO)、表示制御部190は処理をステップS400へ遷移させ、条件の成立を待つ。一方、パーシャル表示選択条件が成立した場合(ステップS400:YES)、表示制御部190は、設定変更処理を実行する(ステップS112)。
【0082】
(C−3)設定変更処理:
第3実施例における設定変更処理の手順は、図6に示した第1実施例とほぼ同様である。すなわち、制御部10の表示制御部190は、バックライト消灯(ステップS202)後、送信部51、52および受信部53、54を停止させる(ステップS204)。続いて、表示制御部190は、送信部51、52と、受信部53、54と、右LCD制御部211、左LCD制御部212の設定を変更する(ステップS206)。
【0083】
第3実施例における送信部51、52および受信部53、54の設定変更は、フルスクリーンモードからパーシャル表示モードへ移行する場合に、画像処理部160が送信する画像データーDataのデーター量の減少に伴って、クロック信号PCLKが低下することに起因して行われる。第1実施例の場合と同様に、表示制御部190は、クロック信号PCLKの低下に対応し、送信部・受信部間のシリアル伝送を適正に行うために、変更後のクロック信号PCLKに合わせた新たなクロックレートや、チャンネル数を設定するための信号を、送信部51、52および受信部53、54に対して送信する。また、右LCD制御部211、左LCD制御部212の設定変更は、画像表示方法の変更に伴い、LCD表示制御部の再設定が必要となることに起因する。表示制御部190は、LCDでの表示を適正に行うために、新たなガンマ値等を設定するための信号を、右LCD制御部211、左LCD制御部212に対して送信する。
【0084】
ステップS206の設定変更後、制御部10の表示制御部190は、送信部51、52および受信部53、54を起動させる(ステップS208)。この結果、画像処理部160は、低下したクロック信号PCLKのもとで、変更後の垂直同期信号VSync、水平同期信号HSync、および、データー量が減少した画像データーDataの送信を開始する。送信部・受信部の再起動後、制御部10の表示制御部190は、バックライトを点灯させる(ステップS210)。バックライトが点灯されると、画像光生成部により生成された画像(具体的には右LCD241、左LCD242で描画された画像)は、再び画像光として射出され、使用者の視野VRには、再び虚像VIが表示される。
【0085】
図12は、フルスクリーンモードからパーシャル表示モードへ移行した場合の虚像VIの一例を示す説明図である。図12(A)は、フルスクリーンモードにおいて使用者の視野VRに表示される虚像VIを示している。フルスクリーンモードでは、右LCD241および左LCD242の画面いっぱいに画像が表示されるため、使用者の視野VRの全体を占めるように虚像VIが表示される。図12(A)の状態において、パーシャル表示選択条件が成立した場合、例えば、ヘッドマウントディスプレイHMに対する操作を検出しない状態が所定の時間継続した場合、設定変更処理(図6)が実行される。
【0086】
図12(B)は、パーシャル表示モードに遷移後、換言すれば、設定変更処理のステップS210終了後において、使用者の視野VRに表示される虚像VIを示している。パーシャル表示モードでは、変更後の垂直同期信号VSync、水平同期信号HSyncに基づいて、右LCD241および左LCD242の一部分のみに対して画像が表示される。このため、使用者の視野VRは、その大半を外景SCが占め、一部にのみ虚像VIが形成される。なお、本実施例では、パーシャル表示モードでは、例えば時刻表示といった、待機中である旨を示す画像を表示させることとした。
【0087】
以上のように、第3実施例によれば、制御部10は、送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合、すなわち、表示素子(右LCD241、左LCD24)において生成される画像が、表示素子の表示領域の一部分のみを占めるようにする(換言すれば、ヘッドマウントディスプレイHMをフルスクリーンモードからパーシャル表示モードに切り替える)場合において、光源(バックライト)を消灯させることで、虚像VIの視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整する。このため、ヘッドマウントディスプレイHMをフルスクリーンモードからパーシャル表示モードに切り替える際に画像表示が乱れた場合であっても、使用者に与える不快感を軽減することができる。
【0088】
さらに、上記第3実施例のパーシャル表示モードではクロック周波数が低下されるため、フルスクリーンモードと比較して、ヘッドマウントディスプレイHMの消費電力を低く抑えることができる。このため、パーシャル表示条件として条件(a1)を選択すれば、二次電池の残量が少なくなった場合に、ヘッドマウントディスプレイHMを省電力状態にすることができる。従って、バッテリー駆動可能なヘッドマウントディスプレイHMの使用時間を長くすることができる。また、パーシャル表示条件として条件(a2)を選択すれば、タッチパッド14や十字キー16からの操作に応じて、ヘッドマウントディスプレイHMを省電力状態にすることができる。また、パーシャル表示条件として条件(a3)を選択すれば、予め指定されたアプリケーションの起動に応じて、ヘッドマウントディスプレイHMを省電力状態にすることができる。また、パーシャル表示条件として条件(a4)を選択すれば、ヘッドマウントディスプレイHMに対する操作が長時間行われない場合に、ヘッドマウントディスプレイHMを省電力状態にすることができる。
【0089】
D.第4実施例:
本発明の第4実施例では、ヘッドマウントディスプレイHMの待ち受け処理において、外部ノイズ等に起因するヘッドマウントディスプレイHMの動作不良を検知し、自動復帰させることを可能とし、この自動復帰の際に使用者に与える不快感を軽減する構成について説明する。以下では、第1実施例と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0090】
(D−1)頭部装着型表示装置の構成:
図13は、第4実施例におけるヘッドマウントディスプレイHMの構成の一部を機能的に示すブロック図である。図13では、図示の便宜上、制御部10の一部と、画像表示部20の一部のみを示している。なお、図示しない部分の構成は、図2に示した第1実施例と同様である。
【0091】
図13に示すように、第4実施例におけるCPU140は、状態確認部145を備える点のみ、第1実施例とは異なる。状態確認部145は、定期的に送信部51、52の状態を確認する。具体的には、例えば、状態確認部145は、定期的に送信部51、52のステータスを示すレジスターの値を参照することで、送信部51、52に異常が発生した場合に、当該異常を検知することができる。また、状態確認部145は、受信部53、54に受信パケットのパリティビットを検証させ、当該検証結果を参照することで、受信部53、54が受信した受信パケットの異常の有無(例えば、ノイズが混入したこと)を検知する構成としてもよい。また、状態確認部145は、送信部のレジスター参照と、受信パケットのパリティビット検証結果の参照との両方を行ってもよい。
【0092】
(D−2)頭部装着型表示装置の待ち受け処理:
図14は、第4実施例における待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。図5に示した第1実施例との違いは、ステップS110に代えてステップS500〜S504を備える点のみであり、他の動作は第1実施例と同じである。
【0093】
図14のステップS106、S108の処理を経てホーム画面を表示後、制御部10の状態確認部145は、所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS500)。ここで、「所定の時間」とは、状態確認部145が送信部51、52の状態を確認する間隔を示す時間であり、任意に定めることができる。所定の時間が経過していないと判定された場合(ステップS500:NO)、状態確認部145は、処理をステップS500へ遷移させ、所定の時間経過を待つ。一方、所定の時間が経過したと判定された場合(ステップS500:YES)、状態確認部145は、送信部51、52の状態を確認する(ステップS502)。
【0094】
その後、状態確認部145は、送信部51、52に異常を検知したか否かを判定する(ステップS504)。送信部51、52の両方に異常を検知しなかった場合(ステップS504:NO)、状態確認部145は、処理をステップS500へ遷移させ、所定の時間経過を待つ。一方、送信部51もしくは送信部52のうちの少なくともいずれか一方に異常を検知した場合(ステップS504:YES)、状態確認部145は、送信部51、52および受信部53、54の再設定を行うために、表示制御部190に対して設定変更処理(図6)の実行を指示する(ステップS112)。なお、状態確認部145において、受信パケットの異常の有無を検知させる構成とした場合、ステップS504では、受信パケットのパリティビットの検証結果が正常であるか異常であるかを判定する。
【0095】
(D−3)設定変更処理:
第4実施例における設定変更処理の手順は、図6に示した第1実施例と同じである。なお、第4実施例の設定変更処理では、ステップS206のうち「右LCD制御部211、左LCD制御部212の設定変更」は省略してもよい。外部からのノイズの影響を受け機能不良を起こすのは、接続部40に近接する送信部51、52および受信部53、54であることが多く、また、LCD制御部の再設定は、送信部および受信部の再設定と比較して多くの時間を要するからである。
【0096】
以上のように、第4実施例によれば、制御部10の状態確認部145は、定期的に送信部(送信部51、52)の状態を確認することにより、送信部の異常を自動で検知することができる。また、制御部10の状態確認部145は、送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合、すなわち、送信部の異常を検知した場合や、受信パケットの異常を検知した場合に、所定の間、虚像VIの視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整するため、例えば、送信部の再設定などに伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0097】
E.第5実施例:
本発明の第5実施例では、ヘッドマウントディスプレイHMの待ち受け処理において、ヘッドマウントディスプレイHMに対する画像データーの転送元が切り替えられた際に、使用者に与える不快感を軽減することが可能な構成について説明する。以下では、第1実施例と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0098】
(E−1)頭部装着型表示装置の構成:
第5実施例におけるヘッドマウントディスプレイHMの構成は、図1〜図4で説明した第1実施例と同様である。
【0099】
(E−2)頭部装着型表示装置の待ち受け処理:
図15は、第5実施例における待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。図5に示した第1実施例との違いは、ステップS110に代えてステップS600〜S604を備える点のみであり、他の動作は第1実施例と同じである。図16は、ヘッドマウントディスプレイHMに対して、複数の外部機器OAが接続されている様子を示す説明図である。
【0100】
図15のステップS106、S108の処理を経てホーム画面を表示後、制御部10の表示制御部190は、再生用アプリケーションからの表示切替要求があるか否かを判定する(ステップS600)。ここで、再生用アプリケーションとは、画像(静止画像、動画像)や音声等からなるコンテンツをヘッドマウントディスプレイHM上で再生するためのアプリケーションを意味する。再生用アプリケーションには、例えば、OS150の機能として予め提供されているものや、利用者等によりOS150上にインストールされたもの等が含まれる。
【0101】
図16のように、ヘッドマウントディスプレイHMのインターフェイス180(例えばUSBインターフェイス)に対して、外部機器OAとしての「カメラ」が接続された場合を例示して考える。OS150は、カメラの接続を検知し、OS150内部でカメラに対して予め割り当てられている再生用アプリケーションを自動起動させる。起動された再生用アプリケーションは、表示制御部190に対して表示切替要求を送信する(ステップS600)。また、さらに、外部機器OAとしての「SDカード」が接続された場合、OS150は、新たに接続されたSDカードの接続を検知し、OS150内部でSDカードに対して予め割り当てられている再生用アプリケーションを自動起動させる。この場合も同様に、新たに起動された再生用アプリケーションは、表示制御部190に対して表示切替要求を送信する。
【0102】
再生用アプリケーションからの表示切替要求がない場合(図15、ステップS600:NO)、表示制御部190は処理をステップS600へ遷移させ、表示切替要求を待機する。一方、再生用アプリケーションからの表示切替要求がある場合(ステップS600:YES)、表示制御部190は、表示準備が完了したか否かを判定する(ステップS602)。具体的には、例えば、表示制御部190は、インターフェイス180を介して入力されるコンテンツが圧縮・変調されていない場合や、コンテンツを記憶部120内にバッファリングする必要がない場合に、「表示準備が完了した」と判定する。なお、コンテンツをバッファリングする必要性は、例えば、外部機器OAの種類や、使用されているインターフェイス180のデーター転送速度などから決めることができる。
【0103】
表示準備が完了した場合(ステップS602:YES)、表示制御部190は、設定変更処理を実行する(ステップS112)。一方、表示準備が完了していない場合(ステップS602:NO)、表示制御部190は、待機後設定変更処理を実行する(ステップS604)。
【0104】
(E−3)設定変更処理:
第5実施例における設定変更処理の手順は、図6に示した第1実施例と同じである。
【0105】
(E−4)待機後設定変更処理:
図17は、待機後設定変更処理の手順を示すフローチャートである。まず、制御部10の表示制御部190は、バックライトを減光させる(ステップS700)。なお、バックライトの減光方法は第2実施例で説明した通りである。なお、ステップS700では、PWM信号のデューティー比を時間と共に段階的に減少させることで、右バックライト221、左バックライト222による照明光を段階的に暗くしてもよいし、PWM信号のデューティー比を所定の値まで減少させることで、右バックライト221、左バックライト222による照明光を所定の明るさまで減光してもよい。
【0106】
バックライト減光後、表示制御部190は、再び表示準備が完了したか否かを判定する(ステップS702)。具体的には、表示制御部190は、入力されたコンテンツの復調・展開が終了した場合や、入力されたコンテンツがある程度記憶部内にバッファリング終了した場合に、「表示準備が完了した」と判定する。表示準備が完了していない場合(ステップS702:NO)、表示制御部190は、処理をステップS702へ遷移させ、表示準備完了まで待機する。一方、表示準備が完了した場合(ステップS702:YES)、表示制御部190は、処理をステップS202へ遷移させ、バックライトを消灯する。ステップS202以降の処理は、設定変更処理(図6)と同じである。
【0107】
以上のように、第5実施例によれば、制御部10は、送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合、すなわち、制御部10に対する画像データーを含むコンテンツの転送元が、ある外部デバイス(外部機器OA)から他の外部デバイス(外部機器OA)へ切り替えられた場合(具体的には、外部デバイスが切り替えられることによって生じる再生用アプリケーションからの表示切替要求を受信した場合)に、所定の間、虚像VIの視認性を低下させるように画像光生成部の輝度を調整する。このため、画像データー転送元デバイスの切り替えに伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0108】
さらに、第5実施例によれば、制御部10は、画像データーの転送元となる外部デバイスを接続するためのネットワークインターフェイス(無線LANインターフェイス)を備えるため、例えば、無線LAN対応ハードディスク(図16、LAN HDD)を接続することもできる。従って、適用例6の構成において、さらに、DLNA(Digital Living Network Alliance)にも対応した頭部装着型表示装置を提供することができる。
【0109】
F.第6実施例:
本発明の第6実施例では、ヘッドマウントディスプレイHMの待ち受け処理において、2D/3D表示モードを切り替える際に、使用者に与える不快感を軽減することが可能な構成について説明する。以下では、第1実施例と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0110】
(F−1)頭部装着型表示装置の構成:
第6実施例におけるヘッドマウントディスプレイHMの構成は、図1〜図4で説明した第1実施例とほぼ同様である。
【0111】
ただし、第6実施例におけるヘッドマウントディスプレイHMは、2D表示モードと、3D表示モードと、の2つの表示モードを切り替えることができる。2D表示モードでは、画像処理部160は、同じ画像データーData(RGBデーター)を、右眼用画像データーおよび左眼用画像データーとして出力する。3D表示モードでは、画像処理部160は、右眼用画像データーと、左眼用画像データーとのそれぞれに対して、異なる画像データーData(RGBデーター)を生成し、出力する。右眼用画像データーと左眼用画像データーとを異なる画像データーにすることで、使用者に3Dの虚像VIを視認させることが可能となる。また、2D表示モードと3D表示モードとの切り替えは、制御部10のタッチパッド14や、十字キー16を用いた選択により受け付けてもよいし、制御部10の筐体外部に2D/3D切り替えボタンを設けてもよい。
【0112】
(F−2)頭部装着型表示装置の待ち受け処理:
図18は、第6実施例における待ち受け処理の手順を示すフローチャートである。図5に示した第1実施例との違いは、ステップS110に代えてステップS800を備える点のみであり、他の動作は第1実施例と同じである。
【0113】
図18のステップS106、S108の処理を経てホーム画面を表示後、制御部10の表示制御部190は、2D/3D表示モードの切り替えを検出したか否かを判定する(ステップS800)。2D/3D表示モードの切り替えを検出していない場合(ステップS800:NO)、表示制御部190は、処理をステップS800へ遷移させ、表示モードの切り替え検出を待機する。一方、2D/3D表示モードの切り替えを検出した場合(ステップS800:YES)、表示制御部190は、設定変更処理を実行する(ステップS112)。
【0114】
(F−3)設定変更処理:
第6実施例における設定変更処理の手順は、図6に示した第1実施例と同じである。
【0115】
以上のように、第6実施例によれば、制御部10は、送信部と受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合、すなわち、一対の画像光生成部の一方(例えば、右LCD制御部211)に送信する画像データーと、他方(例えば、左LCD制御部212)に送信する画像データーとが異なるデーターとされる場合(換言すれば、使用者に三次元の虚像VIを視認させる3D表示モードにする場合)に、所定の間、虚像VIの視認性を低下させるように一対の画像光生成部の輝度を調整するため、3D表示モードへの切り替えに伴い画像に乱れが生じた場合であっても、使用者が当該画像の乱れに気付きにくい構成とすることができる。
【0116】
G.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の構成をとることができる。例えば、ソフトウェアによって実現した機能は、ハードウェアによって実現するものとしてもよい。そのほか、以下のような変形が可能である。
【0117】
G1.変形例1:
上記実施例では、ヘッドマウントディスプレイの構成について例示した。しかし、ヘッドマウントディスプレイの構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に定めることが可能であり、例えば、各構成部の追加・削除・変換等を行うことができる。
【0118】
上記実施例では、説明の便宜上、制御部が送信部(51、52)を備え、画像表示部が受信部(53、54)を備えるものとした。しかし、上記実施例の送信部(51、52)および受信部(53、54)は、いずれも、双方向通信が可能な機能を備えており、送受信部として機能することができる。
【0119】
例えば、図19に示すように、接続部を省略し、制御部と、画像表示部とが無線通信可能な構成としてもよい。具体的には、制御部にさらに、無線通信部(81)を備えると共に、画像表示部にさらに、無線通信部(82)と、電源(280)とを備える構成とする。この場合、無線通信部81が上記実施例における送信部(51、52)として機能し、無線通信部82が上記実施例における受信部(53、54)として機能する。
【0120】
例えば、図1に示した制御部、画像表示部の構成は任意に変更することができる。具体的には、例えば、制御部からタッチパッドを省略し、十字キーのみで操作する構成としてもよい。また、制御部に操作用スティック等の他の操作用インターフェイスを備えても良い。また、制御部にはキーボードやマウス等のデバイスを接続可能な構成として、キーボードやマウスから入力を受け付けるものとしてもよい。また、制御部にWi−Fi(wireless fidelity)等を用いた通信部を設けてもよい。
【0121】
例えば、図1に示した制御部は、有線の信号伝送路を介して画像表示部と接続されているものとした。しかし、制御部と、画像表示部とは、無線LANや赤外線通信やBluetooth(登録商標)等の無線の信号伝送路を介した接続により接続されていてもよい。
【0122】
例えば、ヘッドマウントディスプレイは、両眼タイプの透過型ヘッドマウントディスプレイであるものとしたが、使用者がヘッドマウントディスプレイを装着した状態において外景が遮断される非透過型ヘッドマウントディスプレイとして構成してもよい。また、単眼タイプのヘッドマウントディスプレイとしてもよい。
【0123】
例えば、画像処理部、表示制御部、音声処理部等の機能部は、CPUがROMやハードディスクに格納されているコンピュータープログラムをRAMに展開して実行することにより実現されるものとして記載した。しかし、これら機能部は、当該機能を実現するために設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を用いて構成されてもよい。
【0124】
例えば、上記実施例では、画像表示部を眼鏡のように装着するヘッドマウントディスプレイであるとしているが、画像表示部が通常の平面型ディスプレイ装置(液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置等)であるとしてもよい。この場合にも、制御部と画像表示部との間の接続は、有線の信号伝送路を介した接続であってもよいし、無線の信号伝送路を介した接続であってもよい。このようにすれば、制御部を、通常の平面型ディスプレイ装置のリモコンとして利用することができる。
【0125】
また、画像表示部として、眼鏡のように装着する画像表示部に代えて、例えば帽子のように装着する画像表示部といった他の形状の画像表示部を採用してもよい。また、イヤホンは耳掛け型やヘッドバンド型を採用してもよく、省略しても良い。
【0126】
例えば、上記実施例では、電源として二次電池を用いることしたが、電源としては二次電池に限らず、種々の電池を使用することができる。例えば、一次電池や、燃料電池、太陽電池、熱電池等を使用してもよい。
【0127】
G2.変形例2:
上記実施例では、ヘッドマウントディスプレイの待ち受け処理の一例を示した。しかし、図5、図11、図14、図15に示した処理の手順はあくまで一例であり、種々の変更が可能である。一部のステップを省略してもよいし、更なる他のステップを追加してもよい。また、実行されるステップの順序を変更してもよい。
【0128】
例えば、図5、図11、図14、図15のステップS112では、それぞれ、図6に示した設定変更処理を行うものとしたが、代わりに図9に示した設定変更処理を実行してもよい。
【0129】
例えば、図11に示した第3実施例では、パーシャル表示モードでは、待機中である旨を示す画像を表示させることとした。しかし、パーシャル表示モードでは、コンテンツ中の画像に加工(縮小、切り抜き)を実施することで、コンテンツ中の画像そのものを表示させてもよい。また、パーシャル表示モードにおいては、省電力効果をより向上させるために、表示する色数を減らしてもよい。
【0130】
例えば、図14に示した第4実施例では、状態確認部は、所定の時間経過ごとに繰り返し送信部の状態を確認することとした。しかし、状態確認部は、より長い周期、例えば、ヘッドマウントディスプレイが起動される毎に、定期的に送信部の状態を確認することとしてもよい。
【0131】
例えば、図15に示した第5実施例では、表示制御部は、再生用アプリケーションからの表示切替要求を受信した場合に外部デバイスが切り替えられたと判断していたが、外部デバイスの切り替えは、他の方法で判断してもよい。例えば、入力信号の種類(コンポジット等のアナログ信号、HDMI等のディジタル信号)を識別することで、外部デバイスの切り替えの有無を判断することができる。
【0132】
G3.変形例3:
上記実施例では、ヘッドマウントディスプレイの設定変更処理の一例を示した。しかし、図6、図9、図18に示した処理の手順はあくまで一例であり、種々の変更が可能である。一部のステップを省略してもよいし、更なる他のステップを追加してもよい。また、実行されるステップの順序を変更してもよい。
【0133】
例えば、画像光生成部として有機ELを採用した構成では、図6、図18に示した設定変更処理のステップS202、S210において、バックライトを消灯/点灯させることに代えて、画像データーを黒一色のダミーデーターとしてもよい。このようにすれば、表示素子とバックライトとが一体となっている有機ELにおいても、上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0134】
例えば、図9に示した設定変更処理(ステップS302、S304)において、表示制御部は、バックライト制御部に対して送信するPWM信号のデューティー比を時間と共に段階的に減少/増加させるものとしたが、表示制御部は、デューティー比を必ずしも段階的に変化させなくてもよい。例えば、ステップS302において表示制御部は、バックライト制御部に対して送信するPWM信号のデューティー比を所定の値(通常値よりも低い値)に変更し、ステップS304において表示制御部は、PWM信号のデューティー比を通常値に戻すことで、ステップS204〜S208の間、光源の照明光を減光するのみでもよい。
【0135】
例えば、図9(ステップS302、S304)では、バックライト制御部へ送信するPWM信号を変化させることで(すなわち、光源の輝度を調整することで)画像光生成部によって射出される画像光の強さを調節し、使用者の視野VRに表示される虚像VIの表示を調節するものとした。しかし、光源の輝度は一定の明るさに保持し、LCDの液晶において光の透過率を調整することで、画像光生成部によって射出される画像光の強さを調節し、使用者の視野VRに表示される虚像VIの表示を調節してもよい。
【0136】
G4.変形例4:
上記実施例では、画像光生成部は、バックライトと、バックライト制御部と、LCDと、LCD制御部とを用いて構成されるものとした。しかし、上記の態様はあくまで例示である。画像光生成部は、これらの構成部と共に、またはこれらの構成部に代えて、他の方式を実現するための構成部を備えていても良い。
【0137】
例えば、画像光生成部は、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)のディスプレイと、有機EL制御部とを備える構成としても良い。この場合、上記実施例における「画像光生成部の輝度を調整する」とは、有機EL制御部が、有機ELディスプレイに対して輝度調整をすることで、有機ELディスプレイの光量を変化させることを意味する。また、例えば、レーザー網膜投影型の頭部装着型表示装置に対して本発明を適用することも可能である。この場合、「画像光生成部の輝度を調整する」とは、射出させるレーザー光量の調節と、反射鏡、デジタルミラーデバイス(DMD)における反射角度制御と、の少なくとも一方を実行することを意味する。
【符号の説明】
【0138】
10…制御部(コントローラー)
12…点灯部
14…タッチパッド
16…十字キー
18…電源スイッチ
20…画像表示部
21…耳掛部
22…右表示駆動部
24…左表示駆動部
26…右光学像表示部
28…左光学像表示部
32…右イヤホン
34…左イヤホン
40…接続部
42…右コード
44…左コード
46…連結部材
48…本体コード
51…送信部
52…送信部
53…受信部
54…受信部
81…無線通信部
82…無線通信部
110…入力情報取得部
120…記憶部
130…電源
140…CPU
145…状態確認部
160…画像処理部
170…音声処理部
180…インターフェイス
190…表示制御部
201…右バックライト制御部(画像光生成部、光源)
202…左バックライト制御部(画像光生成部、光源)
211…右LCD制御部(画像光生成部、表示素子)
212…左LCD制御部(画像光生成部、表示素子)
221…右バックライト(画像光生成部、光源)
222…左バックライト(画像光生成部、光源)
241…右LCD(画像光生成部、表示素子)
242…左LCD(画像光生成部、表示素子)
251…右投写光学系(導光部)
252…左投写光学系(導光部)
261…右導光板(導光部)
262…左導光板(導光部)
280…電源
PCLK…クロック信号
VSync…垂直同期信号
HSync…水平同期信号
Data…画像データー
OA…外部機器
PC…パーソナルコンピューター
SC…外景
VI…虚像
IL…照明光
PL…画像光
HM…ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着型表示装置)
VR…視野

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に虚像を視認させる頭部装着型表示装置であって、
画像データーを用いて画像を表す画像光を生成し射出させる画像光生成部と、
射出された前記画像光を使用者の眼に導く導光部と、
前記画像データーを受信する受信部と、
前記受信部と接続されると共に、前記画像光生成部による画像表示を制御する制御部であって、前記受信部に対して前記画像データーを送信する送信部を有する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記送信部と前記受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
前記送信部と前記受信部との間で送信される前記画像データーのデーター量の変化に伴って前記送信部のクロックレートを変化させる場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
【請求項3】
請求項2記載の頭部装着型表示装置であって、
前記画像光生成部は、さらに、前記画像データーから前記画像光を生成する表示素子を備え、
前記制御部は、
前記表示素子において生成される前記画像の表示方向と、前記画像の表示サイズと、前記画像の表示色数と、前記画像の単位時間あたりのフレーム数と、のうちの少なくともいずれかを変更するために、送信する前記画像データーのデーター量を変化させる、頭部装着型表示装置。
【請求項4】
請求項2記載の頭部装着型表示装置であって、
前記画像光生成部は、さらに、前記画像データーから前記画像光を生成する表示素子を備え、
前記制御部は、
前記表示素子において生成される前記画像が、前記表示素子の表示領域の一部分のみを占めるようにするために、送信する前記画像データーのデーター量を変化させる、頭部装着型表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
定期的に前記送信部の状態を確認し、確認の結果、前記送信部に異常を検知した場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
定期的に前記受信部が受信した受信データーの異常の有無を確認し、確認の結果、前記受信データーの異常を検知した場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、さらに、外部デバイスを接続するための入力インターフェイスを備え、
前記制御部は、
前記制御部に対する前記画像データーの転送元が、ある前記外部デバイスから他の前記外部デバイスへ切り替えられた場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
【請求項8】
請求項7記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、さらに、前記制御部に対する前記画像データーの転送元となる外部デバイスを接続するためのネットワークインターフェイスを備える、頭部装着型表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
一対の前記画像光生成部と、一対の前記導光部と、を有し、
前記制御部は、
一対の前記画像光生成部の一方に送信する前記画像データーと、他方に送信する前記画像データーとが異なるデーターである場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように一対の前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記所定の間とは、前記制御部が、前記送信部および前記受信部を停止させ、前記送信部におけるクロックレートを変更し、前記送信部および前記受信部を起動させるまでの間である、頭部装着型表示装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
前記画像光生成部の輝度を調整することによって前記画像光の射出を停止させる、頭部装着型表示装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御部は、
前記画像光生成部の輝度を調整することによって前記画像光の射出を弱くする、頭部装着型表示装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか一項記載の頭部装着型表示装置であって、
前記画像光生成部は、
前記画像を生成する表示素子と、
生成された前記画像を表す画像光を射出させる光源と、
を含み、
前記制御部は、
前記光源の輝度を段階的に変化させることで前記画像光生成部の輝度を調整する、頭部装着型表示装置。
【請求項14】
使用者に虚像を視認させる頭部装着型表示装置の制御方法であって、
(a)受信部から受信した画像データーを用いて画像を表す画像光を生成し射出させる工程と、
(b)射出された前記画像光を使用者の眼に導く工程と、
(c)送信部を用いて前記画像データーを送信するとともに、前記工程(a)および(b)による画像表示を制御する工程と、
を備え、
前記工程(c)は、
前記送信部と前記受信部との間のデーター送受信の乱れが推定される場合に、所定の間、前記虚像の視認性を低下させるように前記工程(a)における輝度を調整する、頭部装着型表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−104987(P2013−104987A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248242(P2011−248242)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】