顕微鏡装置および薬品、物理療法と生物学的危険物質のためのふるい分け(screening)方法
自動化された細胞分析のための方法および装置と、細胞間のトンネルナノチューブ(TNTs)の形成を分析することによる生体細胞間の移送および伝達の決定。この方法は、培地中で細胞を単数化し、また3−D細胞顕微鏡検査に対しTNT、鞭毛および他の細胞粒子と同様に細胞質と膜の染色のために細胞を蛍光または発光の染料で染色する工程を具備する。その方法は、さらに画像分析システムを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D蛍光画像におけるトンネルナノチューブ(TNTs)の同定法に関し、特に薬および生物学に効果的な電磁放射のふるい分け方法。
【背景技術】
【0002】
近年我々は、細胞間で新たに形成されたナノチューブ構造(TNTs)に基づく細胞間情報伝達の新しい生物学的原理を見出した。微細な画像においてそれらが生体細胞の間の直線とみなされるように、TNTはそれらの最も近い距離で1つの細胞からもう一つの細胞へ交差している細いチューブ(直径50−200nm)として構造化される。それらは、膜小胞、小器官、原形質膜要素、細胞質、カルシウムイオンと恐らく遺伝物質の選択的な細胞間移動を容易にする。TNTが一般現象であると思われるので、すべての細胞腫類とまではいかないが多くに割り当て可能で、これらの顕著な構造の発見が、細胞間伝達のすべての以前の概念を再考することを余儀なくさせた。この点で、非常に最近の調査は、TNTが多細胞有機体の成長と維持の間に、例えば免疫系において本質的な課題を遂行していることを示し、そこで、それらはMHC分子(非特許文献1)および免疫学的シナプス(synapse)のカルシウムイオン(非特許文献2)の移動を仲介する。
【0003】
我々は、トンネルナノチューブ(TNT)が細胞間伝達の新型に対する構造的基礎を提供することも示した。TNTは固定細胞にも現れ、しかし、それらは極度な敏感さを示し、そして、例えば長期の光励起が可視振動と断裂をもたらすとき、それらは容易に破壊される。したがって、薬のような生理活性物質だけでなく光や電子レンジのような電磁場(EMF)も、TNTに依存する細胞間伝達を危うくし、また多細胞有機体において病理学的影響を引き起こし得る。しかしながら、利用できる分析ツールも、TNTに依存する細胞間移送と伝達で生理活性物質またはEMFの生物学的影響を決定する方法もない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばガン(Vidulescu et al. J. Cell. MoI. Med. 2004, 36, 319)のような多種多様の病気とそれらの予測される関連と同様にTNTの重要な生理的機能の結果として、TNTとTNTに基づく細胞ネットワークについてのそれらの影響について、大規模で多種多様の化合物を早く選別するためにシステムを提供している新しい薬のふるい分けシステムに対する要求がある。したがって、TNTの選択的な取り扱いは、数多くの種類の治療的なアプローチのための重要な新しいツール(tool)を表す。すなわち、多種多様な化合物とTNTでのそれらの影響について手早くテストし、そしてふるい分け方法に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここでは、我々は、電磁気的汚染に対するセンサーとして天然ナノチューブ(natural nanotubes)を使用することを提案し、薬と電磁場暴露の有益および否定的な影響の両方を評価する。さらにこれらの影響を調査して、そして測定するために、自動化された検出と定量化が供給される。識別に対する我々のアプローチ(approach)とTNTの定量化とTNTの開発は、既知の画像処理技術と生物学的細胞マーカー(marker)の組合せに基づく。分水界分割(watershed segmentation)、エッジ(edge)検出器と、選択的なリッジ(ridge)強化は、使用され、TNTと画像アーチファクトを検出する。数学的な形態学は、これらの影響を測定するための処理連鎖のいくつかの段階で使用される。
【0006】
したがって、自動化された細胞分析、細胞分類および/または生体細胞間の移送と伝達の決定の方法は提供され、培地中で単数化される細胞の処置を具備し、また所定の期間の間、細胞を単分子層における基質の上に広げ、またはプレート化し、蛍光または発光の染料をもつ細胞、染色された原形質膜を得るための免疫蛍光検査または他の検出できる微小の染色液、TNT、三次元細胞顕微鏡検査鞭毛および/または他の細胞粒子を染色し、複数の焦点面で画像収集を遂行し、所定の容積で背景の上の染色度に応じて、複数の焦点面の画像を分析し、染色された2−Dおよび3−D構造を得て、構造を領域に分割して、形、湾曲および他の選択された特性に応じて領域を分類し、TNTまたは鞭毛が背景を交差する必要がある特性に基づくTNTまたは鞭毛(flagellae)の対象である構造を選択し、1つの細胞からもう一つへ交差しているそれらを維持し、鞭毛(flagellae)の場合拒絶することによってTNTまたは鞭毛(flagellae)の対象の数を減らす。本発明の好適な実施形態において、フィルタに依存するリッジを強化する湾曲は、表面染色された画像に適用され、原形質膜を強化する。
【0007】
別の方法として、リッジ強化を適応可能な閾値化が続く画像に適用することも可能である。リッジ強化は以下に詳細に記述され、画像のリッジを強化し、細胞境界とTNTの両方を含む。本発明の方法により、細胞間の小器官移送は、好適には調査される。本発明のさらに重要な観点は自動化され、そしてこのように多くの対象、精液品質(semen quality)の検査およびチューブまたは伸展のような鞭毛(flagellae)を具備する他の構造である。
【0008】
本発明の方法の好適な実施形態は、互いに所定の距離を有する基本的に目立たされた細胞のマイクロアレイ(microarray)を得るためにプレート化される基質の使用を具備する。細胞がこのような種類の基質上に覆われるとき、画像分析はより簡単でより信頼できるようになる。
【0009】
この好適な実施形態は、パターン被覆(線、円、波)を有する基質上で細胞をプレート化することによって達成され、例えば、フォトリソグラフィーによって適用される。本発明のさらなる実施形態は、化合物、治療剤、薬剤または擬似薬学的に効果的な物質の培地への添加を具備する。細胞についての物理的影響は、発明に従ってさらに調査され得る。
この場合、培地中の細胞は、物理的影響、例えば所定の期間の間、熱、放射線、機械的応力(mechanical stress)および電磁場に曝される。これらの物理的影響は、潜在的な生物学的有害物質から、または、治療用装置から生じ得る。
【0010】
発明に従う顕微鏡装置は、3−D顕微鏡、Z−ステッパ(Z-stepper)と、自動化された細胞分析のための画像収集および分析システム、細胞分類および/または細胞間の移送と伝達の決定、および選択的に、本質的に互いに対して一定の距離を有する細胞の配列をプレート化するための微細パターンを付された基質を具備する。
【0011】
この装置またはシステムが、精液の品質と擬似薬学的なそして活性培地の連続調査のため、特に腫瘍、高血圧、ウィルス、細菌または寄生生物による感染症、代謝の障害、神経系の障害、精神または心、そして、コレステロール値の治療のために使用され得る。本発明のもう一つの観点は、遺伝子治療において、細胞ターゲティング(cell targeting)のために、そして、薬理学において効果的物質の調査に関連する。
【0012】
本発明のさらなる観点は、薬、熱および電磁場によってTNT断裂の定量分析についての手順と装置に関する。上記のように、本発明の実施形態において、TNTの成長のための細胞培養は、微細パターンを付された表面で成長され、自動化された分析のための標準の細胞増殖およびより均一なTNTを得る。
【0013】
そのようなシステムは革新的な細胞培養システムによって突出し、完全にコンピュータ化された分析システムと同様に制御されて再生可能な細胞増殖を可能にし、公平で速いデータ処理を確実にする。さらにまた、処理は、取得された画像スタック(stack)中のTNTの数の自動化された定量化に提供される。
【0014】
本発明のさらなる観点は、製品で使用されることができる定量的測定(顕微鏡装置、ソフトウェアパッケージ(software package)、標準化された細胞増殖とTNT成長のための微細なパターンを付された皿と、選択的に、EMF発生器)を遂行するための装置に関し、電磁場、例えば製薬また医療分野、携帯電話の製品、環境汚染を評価している研究所の生物学的影響を評価することを望んでいる製造業および公共機関により使用され得る。
【0015】
本発明のもう一つの観点は、3つの主要素を具備するふるい分けシステムに関する。第1は、再生可能で最適化されたTNT分析に不可欠な成長条件を提供する専門の細胞培養システムである。細胞培養システムは、化学的に機能的にされたガラスの表面を利用する。これらの表面はあらかじめ定義されたパターンで細胞を成長させることを認め、すなわち、最小化された細胞集合と同様にTNT構造のための最適距離で、このように、以下の分析工程の最大限の再現性に至る。
【0016】
薬学の適用後、専門の「ハイスループット(high throughput)」の顕微鏡、第2の構成要素により表面は分析される。この顕微鏡システムは、それぞれの表面の任意の範囲中で自動的に定義された3Dスタックの数を捕える。この目的のために、顕微鏡はオートフォーカスの機能、プログラム可能な、モータ駆動ディッシュホルダー(motor-driven dish holder)および適切な制御ソフトウェアを備えている。類似の微細なシステムは、既にいくつかの顕微鏡販売業者から入手可能である。
【0017】
ふるい分けシステムの第3の部分は、専門の、完全に自動化された方法であり、TNTの依存、細胞間小器官移送の量を定量化することと同様に細胞の間のTNTを検出し、数えることによって、取得された3D画像データを分析する。3つの主要素の組合せによって、薬ふるい分けシステムは、TNTに関連する主題の、公平で、再生可能で、また速い処理を可能とする装置を提供する。完全なシステムは、製薬会社に理想的な装置を提供し、選択的にTNT構造、TNT媒介小器官移送と同様にTNTの安定性に影響を及ぼしている化合物について大規模にふるい分ける。TNTの重要な機能に関して、そのような化学製品は、将来の製薬学の発展のために大きな価値を有し得る。化学的に機能的にされたガラスの表面は、多くの異なる細胞システムのために最適化され、導入され得る。このように、再生可能で、制御された細胞増殖を要求されるときはいつでも、例えば組織工学のすべての態様の間、理想的な基盤を提供する。これは、基礎研究と同様に工業に対して新しい展望を提供する。TNT分析のための自動化された方法と組み合わせた最適化された「ハイスループット」の顕微鏡は、興味深く、非常に柔軟な画像化システムを意味し、様々な科学的な問題に容易に適用され得る。
【0018】
この点で、本発明に従う薬ふるい分けシステムは、最初で唯一のシステムを提供し、TNTに基づく細胞相互作用に対して分析し、そして多種多様な病気、例えばガン、糖尿病、高血圧、その他の治療での医学研究に特に使用され得る。パターンに制御された細胞増殖を可能とする化学的に機能化されたガラス/皿の表面は、大きな価値もある。そのような装置は、組織工学から基礎研究まで達するアプリケーション(application)にとって興味深い。生物学的構造の識別と特性化および画像記録からの処理についての自動化された方法は、生物医学研究においてますます重要である。画像分析の多くの場合、人間はコンピュータより良い仕事を遂行し得る。
【0019】
しかしながら、人的資源は高額であり、3−Dあるいは時空のデータ収集に関しては、厳しい限界がある。さらに、目視検査に基づく方法は、観測者間および観測者内のばらつきの影響を受けやすく、また手動方法の時間消費は、多くの場合、禁止され得る。この発明によれば、自動化された方法は、最新の生体細胞の3−D蛍光顕微鏡検査法により撮像され得る最近発見された細胞間伝達チャネル(channel)の検出に提供される。
【0020】
哺乳類の細胞は、さまざまな方法、例えば、ホルモン類および成長因子のような拡散性メッセンジャー(messenger)を分泌し、結びつけることにより、または、取付けられた細胞間でのギャップ(gap)結合により、互いに相互に作用する。これらのもろく、アクチンの豊富(actin-rich)な構造は、一方向の方法で1つの細胞からもう一つまでのエンドサイトーシス(endocytic)の起点の小器官を移送することが示された。細管はエンドサイトーシスの起源の小嚢の通過を可能としたが、ミトコンドリアのような他の小器官を除外して、細胞質のタンパク質(非特許文献3)の重要な移送を可能とするように思えなかった。TNTが組織で存在するならば、それらは、発生過程の間での免疫原性材料、病原体、またモルフォゲン(morphogens)の細胞間の広がりを含む細胞処理における多くの関連があり得る。植物、原形質連絡、における類似の構造は、植物細胞の間の信号伝達分子の動きにとって非常に重要であり、一つの細胞からもう一つへ移動するとき、ウイルスはこれらの構造から利益を得るように思われる。本発明は、したがって、直接の研究および、最も重要なことだが、TNTの定量化を可能にする方法とシステムを提供し、人間の細胞系で多くの重要なタスク(task)を有する。
【0021】
3−D画像スタックの内側のTNTの発生は、通常、訓練された目によって見分けられ得る。しかしながら、データ記録の多くのコレクション(collection)の中のTNTについての収集する定量的情報が極めて要求が厳しく、高いときは、人的資源を使用します。単一のTNTはいくつかの画像平面に現れた方がよく、TNTを求めて画像スタックを検索するときには3−D分析を必要とする。最近のTNTの発見の後、細胞生物学者は、現在、TNTの形成と消失に関する詳細な情報を得ること、そして、それらが現れるまたは消失するために特別な状況を必要とするかどうかに非常に興味がある。
【0022】
TNTの基本的な機能が知られているとき、我々は、様々な病気の病因、例えばガンまたはHIVのようなウイルスの広がりの間の細胞間の伝達、または、免疫学的なプロセスについてのそれらの役割を観察することができる。TNTの形成または消失を変更することに利用できる医薬品があるならば、我々は生物学的反応を誘発するために積極的にこれらを使用することができ、撮像技術によって評価される。画像記録でTNTを見出し、特徴づけるための自動化または半自動自動化された手順は、このように、TNT研究を促進するための重要なツールである。TNTを顕微鏡画像中で見出すための我々のアプローチは、細胞および背景の中での画像の二項分類に基づく。一度これが確立されるならば、我々はTNTが一つの細胞からもう一つまで交差する特性を使用することができる。顕微鏡画像中での細胞の検出と分類は研究の大部分であり、生医学的な撮像の範囲内で相対的な長い歴史をもつ(例えば、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7)。場合によっては、臨床および研究使用のために細胞の特徴づけおよび細胞計数(counting)のための市販の利用できるソフトウェアパッケージがある(例えば、非特許文献8)。
【0023】
しかしながら、これらの細胞検出パッケージが非常に専門化され、試料作成によって決まり、撮像方法と同様に区分化しそして染色すること、空間的分解能および我々が処理している細胞およびアーチファクト(artefact)の種類を覚えておくことは重要である。Wahlby et al. in Analytical Cellular Pathology 2002,24:101-111は、二倍の閾値で分水界分割法を使用することによって89%と97%の間の正確な分類を得て、蛍光顕微鏡検査画像中でCHO-細胞を検出した。彼らは、小さい対象を隣接対象と合併させ、どの対象を合併させるかを決定するために対象の統合されたピクセル強度を使用することにより、オーバーセグメンテーション(over-segmentation)に直面した。小さい対象は、それから、境界に接している最も高い合計強度を有する隣接のものと合併された。対象に関連した特徴ベクトル間のマハラノビス距離を計算することによって、彼らは細胞、背景およびアーチファクトに分類するための良質の基準を得た。アンダーセグメント(under-segmented)された対象の分裂のために、彼らは凹面の位置を見つけるために凸包を使用し、細胞が凹面のような形状を有すると仮定した。
【0024】
ヤン(Yang)およびチャン(Jiang) (非特許文献9)は、カーネル(kernel)に基づく動的クラスタリング(clustering)と楕円細胞モデルを使用し、分割のための方法を提案した。彼らは勾配画像を計算し、おそらく細胞境界に属しているポイントを得た。ガウス分布に基づくカーネル(Gaussian based kernel)は各々の一群の領域に対し明確に表され、そして各々の画像点が明確なクラスタに属するか否かの確率に向けられた。これらの確率に基づく遺伝的アルゴリズム(algorithm)は、勾配画像から楕円細胞モデルまでの領域を一致させるのに使用された。このモデルは細胞が頻繁に楕円形を有するという事実から利益を得る、しかし、それは必ずしも真実ではない。さらに、閉塞は必ずしもよく取り扱われない。
【0025】
モウロウツ(Mouroutis)他(非特許文献10)は、コンパクトハフ(compact Hough)変換(CHT)を使用して、細胞核の可能な位置を見出す方法を提案した。それらのCHTは細胞が凸状に成形されると仮定し、そのため、細胞のすべての境界点が核重心から最大と最小距離の範囲内に位置する。凸面の仮定に続いて、彼らは核が境界線の接線によって定義された半平面の1つの範囲内に位置すると仮定する。尤度(likelihood)の最大化は、CHTと組み合わせて使用され、可能な核境界を見出した。彼らは、染色された組織切片を使用している光学顕微鏡画像についての良い結果を報告する。彼らは、細胞が分割している場合でさえ、励みになる結果と主張する。しかしながら、誤分類についての割合は、示されなかった。
【0026】
ガリッド(Garrido)とデラブランコ(de la Blanco)(非特許文献11)は、変形可能なテンプレートを使用し、相当のノイズ(noise)状況の下で細胞を識別した。彼らは、円形のような形状をラフに検出するのに使用された不確定の相対的に大きな領域に、一般化されたハフ変換(GHT)を適用した。より正確に細胞境界に適合するためにグレンダー(Grenader)変形可能なテンプレートモデル(template model)を入力するように、これらの楕円構造がその後使用された。
【0027】
TNT検出そのものは、細胞検出のために使用されるそれらより異なるアプローチのかなりの量を必要とする。自動化されたTNT検出は以前は報告されなく、そして、類似した特性に関連のある検出問題は、したがって、以下に論じられる。これらの問題は直線部分の検出を取り扱い、部分的にエッジ検出器とハフ変換を使用する。ナス(Nath)とデポナ(Depona)[MATLAB 2004]はキャニー(Canny)のエッジ検出器を利用し、DNAタンパク質のエッジを見出し、タンパク質を囲んでいる正確で接続された曲線の識別のために、その後アクティブな輪郭モデル、スネーク(snake)が続く。しかしながら、多数のものの存在でさえ、スネークモデルは1つのDNAタンパク質を検出することができるだけであり、そして、最初にスネークを取り除くことをユーザーに任せた。
【0028】
ニエミソト(Niemisto)他(非特許文献12)は、画像分析法を使用し、促進および抑制病因によって影響された血管形成を定量化した。彼らの方法は細管複合体の接合部の長さと数を与え、閾値化を適用し、そして細くして細い血管を検出した。
【0029】
全く別の分野から、高解像度衛星画像の中のブリッジ(bridge)の自動化された検出は、TNT検出の我々のタスクに著しく類似した問題である。ロメニー(Lomenie)他(非特許文献13)は、偽陽性(約5%)の低い率、彼らのアルゴリズムについての低い成功率(およそ40%)も報告した。彼らは、組織的なおよび幾何学的なアプローチの両方を探求した。組織的なアプローチは、各々のピクセルをニューラルネットワーク(neural network)を使用している範囲の種類に分類するのに使用された、そして、その後、彼らは選択規則を画像に適用した。彼らの幾何学的なアプローチは、ブリッジの対象として、エッジフィルタリング(edge filtering)と平行した隣接部分の探索に基づいた。同じ問題のために、ジェング(Jeong)とタカギ(非特許文献14)は、プルウィット(Prewitt)フィルタとハフ(Hough)変換を使用し、直線として現れるブリッジ構造を検出した。
【0030】
分水界分割、ハフ変換およびエッジ検出器のような上述の以前の研究からのいくつかの考えは、TNT検出と定量化のタスクに適用された。しかしながら、TNTのように極度に細い構築を自動的に見出すことは、細胞境界に加えて、細胞内部が蛍光マーカーで標識化されなければならなかったという非常に大きな挑戦である。この細胞マーカーは第2の画像チャネルを創造し、明るい領域として細胞および暗い領域として背景に印を付けた。細胞マーカー自体は、各々の細胞と他の細胞を区別するための十分な情報を提供しない、しかし、それは細胞と背景を区別することができる。本明細書に示される処理工程は、各々のTNTが細胞のどの一組を接続しているかを識別可能にするために開発される。我々が設計した処理工程の連鎖は、デジタル(digital)フィルタリング(リチャードソン-ルーシー(Richardson-Lucy)解析によるぼやけの修正を含む)、エッジ検出(キャニーのエッジ検出器)および数学的な形態学(分水界分割を含む)から一般的な方法を組み込む。異なる工程の全てのアルゴリズムは、3D画像のために実施され、完全に3Dに基づく実施を使用するかまたは専門の投影によって役立ち、3D情報を2D画像に取り入れる。
【0031】
TNT検出と定量化の現在のタスクのために、我々は上述の以前の研究からいくつかの考えを使用しようとした、しかし、自動的にTNTのようなもろくて細い構造を見出すことは、我々がさらに生物学的細胞マーカーを追求することに決めた大きな挑戦である。背景がより暗い間、この細胞トラッカーは、明るい領域として別々のチャネル中で細胞に目印を付ける。しかしながら、細胞を互いに区別するとき、細胞トラッカーは我々に十分な情報を提供することがでない。本論文に示される処理工程は開発され、画像中でTNTを検出することを可能にする。
【0032】
さらに、プログラムは、各々の画像だけのためにTNTがどの細胞を接続しているかについて同定する。それ故に、我々は、生物学的細胞トラッカーを上述のいくつかの画像処理技術と組み合わせることに決定し、TNTと細胞の両方を特徴づける。我々は、デジタルフィルタリング(例えばリチャードソン−ルーシー解析によるぼやけの修正)、エッジ検出(例えばキャニーのエッジ検出器)、リッジ強化と数学的な形態学(例えば分水界分割)から一般的な方法を組み入れる処理工程の連鎖を設計した。異なる工程でのすべてのアルゴリズムは、3−D処理のために実行される。我々の自動化された方法は手動分割(「グラウンドトゥルース(ground truth)」として取られる)と比較され、合計40の3−Dデータセットに適用された。ホールドアウト(hold-out)方法を使用して、性能評価のために使用されるデータからモデル選択(トレーニングとパラメータ評価)のために使用されるデータを切り離して、我々は、平均して、75%またリッジを強化する湾曲フィルタにより90%を超える成功率を得た。リッジ強化は、画像に適用され得り、そして、その後続いて適応可能な閾値化をする。研究利用のために、TNTヒストリーのこの初期段階において、我々はこれが許容できるとわかり、そして、手動TNT計数を使用することの費用、時間の消費および観測者のばらつきが考慮される。
【非特許文献1】Onfelt et al., J. Immunol. 2004, 173, 1511-1513
【非特許文献2】Watkins et al., Immunity 2005, 23, 309-18
【非特許文献3】Baluska F et al., Gerdes HH & Rustom A, Landes Bioscience 2005
【非特許文献4】Lynn M. et al., Elsevier, Science direct 2004, 16, 500
【非特許文献5】Wu K et al, IEEE Transactions on Biomedical Engineering 1995, 42:1-12
【非特許文献6】Nattkemper TW et al., Comput Biol Med. 2003, 33:31
【非特許文献7】Bengtsson E. et al., Pattern Recognition and Image Analysis 2004, 14:157-167
【非特許文献8】A. E. Carpenter and T. Ray Jones, "The cellprofiler, cell image analysis software project." [Online]. Available: www.cellprofiler.org
【非特許文献9】Journal of Biomedical Informatics 2001, 34:67-73
【非特許文献10】Bioimaging 1998、6(2):79-91
【非特許文献11】Pattern Recognition 2000、33:821
【非特許文献12】IEEE Transactions on Medical Imaging 2005, 24(4): 549-553
【非特許文献13】Proc of the 2003 International Geosciences and Remote Sensing Symposium IGARSS 2003
【非特許文献14】Proceedings of the 23rd Asian Conference on Remote Sensing, Kathmoandu 2002; (172)
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
培養されたPC12細胞は、TNTのネットワークを形成する3Dの対象である。プレート化された細胞の分布に起因して、TNTは主にxy画像平面中に増殖する。しかしながら、それらは時々傾いており、TNT検出のための3Dツールを必要とする。我々のアルゴリズムは、3Dから2Dまで投影を適用することにより、これらのTNTsの特性を利用する。
【0034】
TNTが組織で存在するならば、残されて示され、それらの直線の外観は、密度の高い細胞外マトリクスに起因して、曲げられた構造に変わることができた。さらに、1つはTNTを期待することができ、全ての空間方向に均一に広がる。したがって、組織見本に対して、回転不変アプローチ(rotationally invariant approach)は、TNTを検出するのに必要である。
【0035】
我々は、背景領域に発生する全ての重要なエッジに対する画像を調査することにより、TNTの検出の問題に近づいた。その後、我々は、それらの位置を見つけるため、またエッジ検出から現れる誤った対象の除去のために、TNTのいくつかの特性を使用した。TNTは、背景に交差しているひとつの細胞から他の細胞までのチューブのような構造であり、明瞭な同定のために使用することができる特性である。
【0036】
アルゴリズムの厳しさは、高精度をもつ細胞および背景内でセグメント化(segmented)された領域を分類するためのその能力にとても依存し、そして我々は生体細胞トラッカーを使用しこれを成し遂げた。プレート化されたPC12細胞に対して、我々は、TNTが細胞間構造であるので、背景領域に発生する全ての重要なエッジに対する画像を調査した。
【0037】
最初の前処理工程として、焦点面画像がぼやけたようなガウス分布と仮定して、リチャードソン−ルーシー(R−L)の解析[Carasso AS, SIAM J Numer Anal 1999;36(6): 1659-1689 (electronic)]を使用するぼやけの修正は遂行された。この反復画像再生アルゴリズムは、ポアソン統計の下の最初の入力画像の例である結果の画像の尤度を最大にすることに基づいている。全ての実験において、R−Lアルゴリズムは、5×5ピクセルサイズのガウスの点広がり関数(PSF)および標準偏差5が供給された。
【0038】
我々のアルゴリズムの制御流れの概要は、最初の画像再構成工程(R−L解析)を除いて、以下に与えられる(図2におけるアルゴリズムのフロースキーム(flow scheme)を参照)。本質的に、キャニーのエッジ検出方法は、最初の画像チャネルにおける重要なエッジを見出すのに使われる。これらの領域の内部に見出された全てのエッジは細胞に属し、TNTとして除外され得る。
【0039】
残りのものは、深さ投射の2−D分水界分割のための入力として使用され、エッジの頂点を正確に見出す。細胞は、フラッドフィリング(flood filling)を使用して、最初の画像チャネルに印を付けられる。その結果として、細胞の境界は、3D分水界分割を使用して検出される。すべてのエッジが幅1ピクセルで、閉じた輪郭を形成するように、分水界画像(watershed image)において誤りを訂正する。見出されたエッジおよび細胞は、全ての細胞の境界および可能性のあるTNTを表示する単一画像と合体される。
【0040】
その後、TNTについての対象である構造は選択され、すなわちTNTが背景に交差しなければならない特徴に基づく。これはさらにTNTに対する対象の数を減らすことにより、正確にひとつの細胞から他の細胞までのそれらの交差を保持することにより引き続き行われる。
【0041】
さらなる工程において、TNTに対する対象の数は、それらの直線を保持し、残りを拒絶することにより減らされる。この段階で、我々は、各々の対象の強さがそれに近いピクセルの強さより極めて高いことを確実にした。TNTの自動検出のためのこのアルゴリズムのフロースキームに関して、図2も同様に参照のこと。本質的に、細胞トラッカーチャネルは我々に細胞分布および背景に関する情報を提供した。従って、我々はこのチャネルから細胞の内部および外部にマークを付けた最小画像を得た。
【0042】
分水界アルゴリズム(watershed algorithm)についての入力として最終的な最小画像を作り出すために形態的な閉鎖の後、エッジ検出により作り出された各々の接続に対する最大画像は、この最小画像に投影された。TNTは頻繁に複数の平面に交差しているとして、我々は分水界分割に対するオリジナル画像(original image)の全体画像(sum image)を使用した。
【0043】
再び、3−Dの情報は2−Dの空間に投影され、TNTが直ちにそれらの全長を超えた2−D投影で見えたときに、問題がいくつかの平面に交差しているTNTにより最小限にされた。さらに、TNTの可視を保持しながら限られた数の平面に及んでいるとき、全体画像は結果としてノイズの除去をもたらした。それが再びTNTを不可視性になるまでぼやけさせるから、総計画像はしかしながら、全体画像のスタックの中で全ての平面に適用され得ない。3−Dから2−Dまでの全ての投影は、同じ範囲に使用するべきである。
【0044】
分水界分割はその後、アルゴリズムのためのシーディングポイント(seeding point)として最小画像を使用する投影された全体画像に適用された。分水界分割は、一度に各自の接続を遂行され、お互いに異なった接続結合を回避する。もし結合がおこったならば、エッジ検出により見いだされたいくつかの接続は、望ましくなく取り除かれた。その後、強い基準は、エッジ検出およびそれに続く分水界分割により見出されたTNTの対象に適用されるため、各自の接続はTNTか否かに分類される。
【0045】
細胞の分水界分割に対して、細胞画像は、高強度のエッジにより分離された重要な領域に分割される。画像の領域最小値の近くの分水界変換群(watershed transformation group)の画像ピクセルおよび隣接基の境界線は、正確に勾配画像の波頂線に沿って位置する。分水界は自然な最小をもつ画像に最も適している。しかしながら、ノイズおよび小さい凹凸が原因で、グレースケール(grayscale)画像fに流域変形の直接利用は、しばしばオーバーセグメンテーションをもたらす。
【0046】
許容領域の数を制限するために、我々はfを与えるためのフラッディング(flooding)工程を制御するための前処理工程を組み込んだ。マーカー画像は、関心対象の内部に接続された構成要素の一組の内部マーカーを有し、その領域の一定の平均値に割り当てられる。その結果は、マーカー画像に大きく依存している。我々のfmを取得すれために、我々は、画像境界に接続されていないfにおける全ての最小値を満たした。これらの接続された、関心の対象内部の一定値の領域は、fm画像のゼロ勾配により追い込まれた(denned)。
【0047】
最小限のマーカー画像を使用して、我々は、オーバーセグメンテーションの許容程度で、分水界変換(watershed transformation)を成し遂げ、細胞境界を表していなかったいくつかの好ましくない不規則なエッジだけを含む。この分水界分割からの各々に接続された領域は、分水界領域(watershed region)と呼ばれて、その後細胞と背景に分類される。
【0048】
TNT交差背景は、エッジ検出から処理されたTNT対象のための重要な除外基準である。我々は、それ故に、接続された分水界領域を細胞か画像背景の一部に分類した。第2の画像チャネル、細胞トラッカーチャネルから、我々は画像が細胞の一部であるか否かのデータを得た。得られたグレースケール画像は、それからいくつかの処理工程によって2値マスクに変えられた。細胞トラッカーチャネル上でノイズの減少とキャニーのエッジ検出の後、高い強度領域を囲んでいる閉じた輪郭は満たされ、そして、2値細胞画像は細胞が白でそして背景が黒で創造された。
【0049】
細胞トラッカーチャネルは、しかしながら、細胞境界の正確な投図を可能としないが、背景に隣接して境界に目印を付け得る。我々はTNTがどの細胞の間で交差しているか知らなかったので、我々はすべての分水界領域の詳細な分類をした。分水界領域の分類は、直接的である。各々の領域は2値細胞画像の上に置かれ、そして、それが背景分類されたピクセルより多くの細胞分類されたピクセルを覆っているならば、領域は細胞として分類される。分水界領域の間違った分類は、まれである。さらなる工程は、背景に交差しているエッジの局在化である。我々がTNTをそこで見出すと予期できた時から、我々は背景に交差しているすべてのエッジを抜き出した。
【0050】
細胞領域の形態的な拡張は、TNT対象を与えた。TNTは、一つの細胞からもう一つまで背景に交差している直線として現れる。我々は、TNTが正確に2つの細胞の間で広がらなければならない設定によって、この特性を利用した。TNT対象の拡張は、対象が隣接する細胞であった場合には、周囲の細胞によるいくつかの共通部分をもたらした。これらの拡大によって覆われる細胞の数を数えることによって、TNT対象が正確に2つの細胞の間で交差しているかどうかは、決定され得る。拡張は、指定された最大閾値まで繰り返し遂行された。さらに、我々は各々のTNT対象におけるすべての点の間の最大オイラー(Eulerian)距離を計算した。骨組みを作られた接続においてその距離をピクセルの数と比較して、我々は、閾値技術に基づいて、TNT対象がおおよそ直線であるかどうか決定できた。いくつかのTNTがファンのような形状に1つの点から始まっているという場合によっては、この構造が単一構造として解釈されるならば、テストは失敗し得る。我々は、その後、すべてのTNT対象がより高いグレースケール値を有するかどうか調査した。
【0051】
TNTは、広範囲な感覚における穏やかなグレースケール値によって特徴づけられ、しかし、局所的に、それらの強度値は、周囲と比較してTNT上で極めて適切である。TNT対象の2つのほとんど等しい拡張の画像強度の引き算は、近傍を定義する。各々のTNT対象上でのグレースケール強度は、その近傍の強度と比較される。重要でない違いは、偽陽性TNTとしてTNT対象の除去を意味する。場合によっては、人工的な対象は、全ての先行試験(preceding test)、TNTであるには実質的にあまりに小さい対象を経験し、少しのピクセルだけを覆う。これらは、対象における点の間の最大距離についての単一の閾値を使用して取り除かれ、それらはいずれにしても、正しいTNT評価を受けるにはあまりに短い。
【0052】
本論文のすべてのアルゴリズムと統計的評価は、MATLAB 7.0.1により実行され、Linuxを作動している64ビットのAMDプロセッサー2.2GHzで実行された。平均的処理は、およそ20分3Dスタックに対して取った。MATLABは、組み込み画像処理機能のその広いライブラリーが原因で、実施のために選択された。おそらくコンパイル(compiled)されたコードと同じ命令で、我々のアルゴリズムのコードは広範囲にベクトル化(vectorized)され、計算速度を得た。以下において、各処理工程からの詳細は記述される。図1(a-b)のデータに関して、各々の工程からの結果は、図解される。
【実施例】
【0053】
A.顕微鏡画像の準備
全ての画像解析は、生きているラットの神経内分泌細胞株PC12から単層細胞に適用された(ラットのクロム親和性細胞腫(rat pheochromocytoma cells)、クローン251(clone 251)、ギフトオブアール.ホイマン(gift of R. Heumann))。この細胞系は、最初1976年にグリーン(Greene)およびティシュラー(Tischler)[PNAS USA 1976;73:2424- 2428]によって移植ラットの副腎のクロム親和性細胞腫から生成された。それは単細胞クローン系であり、小さい塊を形成する単層を培養する。PC12細胞は、分泌、細胞培養の中の神経様細胞の研究に対して共通の便利なモデルシステムに相当する。
【0054】
対照研究に対して、NRK細胞(正常なラットの腎臓、Mrs. M. Freshney, Glasgow, UK)が使用された。PC12およびNRK細胞は、10%のウシ胎仔血清および5%のウマ血清が補充されたDMEMで培養された。高解像度蛍光顕微鏡検査と光学顕微鏡分析のために、PC12細胞はLabTek(登録商標)の4つのくぼみのあるチャンバー化したカバーガラスでプレート化された(Nalge Nunc Int., Wiesbaden, Germany)。プレート化後2時間、細胞は2つの染料で染色された。実験に関して、細胞の大きさおよび形態学についてチミジン(thymidine)の影響が研究され、PC12細胞はLabTek(登録商標)の4つのくぼみのあるチャンバー化したカバーガラスでプレート化された。プレート化後24時間、4mMチミジン(シグマ)を含む未使用培養培地は細胞に追加された。
【0055】
条件制御の中で、チミジンなしで未使用培養培地は使用された。24時間後に細胞は、予め温められた未使用培養培地により一度洗浄され、さらにチミジンなしの培養培地内で培養された。培地を交換後24時間、細胞の表面は、細胞単層を小麦胚芽レクチン(WGA)が複合された染料で染色し、そして3D蛍光顕微鏡検査法を遂行することにより明らかにされた。
【0056】
特定的に細胞境界を表示するために、細胞は、アレクサフルオロ(登録商標)(Alexa Fluor(登録商標))488あるいはアレクサフルオロ(登録商標)(Alexa Fluor(登録商標))594で結合された小麦胚芽レクチン(WGA)で染色された。WGA− アレクサフルオロ(登録商標)594はN−アセチルグルコサミンのようなグリコーゲンフゲート(glycogenfugate)を拘束するレクチンであり、従って生体膜を効果的に染色する。
【0057】
セルトラッカー(CellTracker(登録商標))(CellTracker(登録商標), Molecular Probes Inc., Eugene, OR, USA)は、細胞膜を自由に通り抜ける。しかし、一度細胞の中で、それは細胞非透過性の反応性生物に変わり、数世代を経て生体細胞中で保持される。細胞質が染色する間、セルトラッカーブルーソリューション(CellTracker(登録商標)Blue Solution)(20μM終末濃度)は直接、約80%融合する15cmの培養皿の培地に追加される。
【0058】
その後細胞は、適当な希釈でLabTek(登録商標)の室(LabTek(登録商標) chamber)の4つのくぼみのカバーガラスに移され、そして3時間の間37℃および10%のCO2で培養された。原形質膜およびTNT染色のために、WGA複合体(1mg/ml)は、顕微鏡検査の前に直接培地(1/300)に加えられた。
【0059】
高解像度、明視野蛍光顕微鏡検査は、100xの油浸対象、モノクロメータに基づく照明装置(T.I.L.L. Photonics GmbH, Martinsried, Germany)、トリプルバンドフィルタセット(tripleband filtersets)DAPI / FITC / TRITC F61-020(AHF Analysetechnik AG, Tubingen, Germany)およびピエゾZ−ステッパ(piezo z-steppers) (Physik lnstrumente GmbH & Co., Karlsruhe, Germany)を備えているオリンパス(Olympus) IX 70顕微鏡(Olympus Optical Co. Europa GmbH, Hamburg)またはツァィス アキシオヴェルト(Zeiss Axiovert)200M(Bergman AS, Lillestrom, Norway)の両方により遂行された。
【0060】
画像装置は、37±Cの加熱制御機器および5%のCO2の供給(Live Imaging Services, Olten, Switzerland)を備えていた。共焦点顕微鏡検査は、ツァィスアキシオヴェルト(Zeiss Axiovert) 200の顕微鏡にインストールされた回転円板撮像装置(Perkin Elmer UltraView RS Live Cell Imager)か、速い画像収集のための共鳴スキャナを使用するライカ(Leica)TCS SP5共焦点顕微鏡(Tamro, Oslo, Norway)により遂行された。
【0061】
画像記録は、アレクサフルオロ(登録商標)(AlexaFluor(登録商標))488−またはアレクサフルオロ(登録商標)594−WGAの複合体により488または555nmの励起波長で遂行された。
【0062】
広視野および共焦点画像の装置の両方により、WGA染色した細胞は、全体細胞容積にわたるz-方向でお互い離れて、300から400nmまでの単一焦点面を取得することにより3Dで分析された。広視野の装置を獲得された画像は、最初、TILLvislONソフトウェア(T.I.L.L. Photonics GmbH, Martinsried, Germany)で統合されたオートスケールマクロ(autoscale macro)を使用するグレースケール画像に変換され、16ビットのTIFF画像、134nm×134nmまたは129nm×129nmのピクセルサイズおよび520×688の画像寸法、として保存された。回転円板で共焦点画像は、512×672の16ビットのTIFF画像、201×201μmの拡張を有する各々のピクセルを結果として生じた。ライカSP5装置を取得された3Dスタックからの単一像は、4512×512および283.22nm×283.22nmのピクセル寸法の解像度をもつ8ビットのグレースケールtif画像としてエクスポートされた。
【0063】
二重のチャネル画像記録は、遂行され、第1のチャネルが555nmの波長でWGAアレクサフルオロ(登録商標)を記録し、第2のチャネルが400nmの波長でセルトラッカー(登録商標)のブルーシグナル(Blue signal)を記録する。各々のチャネルに関して、40平面は取得され、TILLvislONの解析拡張を使用し、そして520×688×40の寸法であるグレースケールの符号のない整数の16ビット画像のスタックをもたらすことにより処理された。各々のピクセルは、134nm×134nmの拡張を有し、69.68μm×92.19μmの全体画像範囲を合計し、そして焦点面間の間隔は300nmであった。
【0064】
B.入力データおよびTNTの分割手順における処理工程
データタイプを図解するために、別々の3−D画像スタックに属する4つの代表的な二重チャネル画像の選択は図1(a−h)に示される。これらの画像の左の列における細胞境界として、ノイズ、一様でない照明および同程度の強度の細胞内粒子の存在に注意する。
【0065】
明確に認識できるTNTは、矢印で印を付けられる。これらの画像は、与えられた焦点面から第1および第2の画像チャネル表し、拡大され細部を表示する。実際上の理由から、各々の画像スタックから単に一つの単一面は示される。
【0066】
左の列は、第1の画像チャネルを示し、そして右の列は、明るい領域として細胞を表示する、対応する第2の画像チャネルを示す。
【0067】
第2の画像チャネルは、ハイコントラスト(high contrast)の所で背景から細胞を分割するのに使用された。細胞の範囲で検出されたTNTの対象を除去することが許可される。図1の画像から明らかなように、TNTはとても薄く、長く伸ばされた構造で、一つの細胞と他の細胞とを接続するほぼ直線のように見える。代表的に、蛍光画像に見られるTNTの幅は、撮像された細胞壁の厚さの3分の1に相当する。TNTは細胞壁よりも顕著に暗い階調レベル有し、そして、それらの階調レベルおよびノイズ特性は、3−Dにおける拡張に沿ってほんのわずかに変化する。それらは、原形質膜との継ぎ目のない連結がある端点を除く、暗い細胞間領域により囲まれる。しかしながら、画像の記録は、適度なノイズにより妨げられ、細部がぼやけ、また図1(g)のように、TNTお互いにとても近くに位置している場合がある。
【0068】
まれなケースにおいて、熟練者の目によってでさえ、構造がTNTであるか否かを決定するのが難しい。結果として、自動TNT検出は、魅力的な画像分析課題である。培養されたPC12細胞は、TNTのネットワークを形成する3D対象である。プレート化された細胞の分布に起因して、TNTは、主にxy画像平面に広がっている。
【0069】
しかしながら、それらは時々TNTの検出のための3Dツールを必要とする傾向がある。我々のアルゴリズムは、3Dから2Dまで投影を適用することにより、これらのTNTの特性をうまく利用する。TNTが組織で存在するならば、残されて示され、それらの直線の外観は、密度の高い細胞外基質に起因して、曲げられた構造に変わることができた。さらに、1つはTNTが全ての空間方向に均一に広がることを期待することができた。したがって、組織見本において、回転不変アプローチは、TNTを検出するのに必要である。プレート化されたPC12細胞に関して、TNTが細胞内構造であるので、我々は背景領域に発生する全ての重要なエッジについての画像を調査することにより検出の問題に取り組むことを選択する。
【0070】
第1の前処理工程として、焦点面画像がぼやけたようなガウス分布と仮定して、リチャードソン−ルーシー(R−L)解析[Carasso AS, SIAM J Numer Anal 1999;36(6): 1659-1689 (electronic)]を使用するぼやけの修正は遂行された。
【0071】
全ての実験において、R−Lアルゴリズムは、5×5ピクセルサイズのガウスの点広がり関数(PSF)および標準偏差5が供給された。最初の画像再構成工程(R−L解析)を省略する我々のアルゴリズムの制御フローの概要は図2で与えられる。以下に、各々の処理工程から詳細が記載される。それらが図1(a−b)のデータを適用するとき、各々の工程からの結果が図解される。
【0072】
C.各々の処理工程の詳細
C1.細胞および背景の分類
細胞マーカーチャネルは、細胞または背景の中の各々のピクセルの2値分類に利用された。図3(a)に見られるように、体細胞は、細胞マーカーチャネルに高強度領域のように見える。単純な境界に細胞の分割を適用することは、ノイズおよび不均一な照明に起因して適さない。細胞の境界線はエッジ検出に使用する良い特性である。それ故に、キャニーのエッジ検出は、細胞と背景の間の境界に印を付けるのに使われ、また閉領域は形態的な充填物を使用して満たされた。これらの手段により、「細胞内」と「細胞外」領域への分割が得られ、細胞は白として、また背景は黒として表示される。図3(a)に適用されたこの処理工程の結果は、図3(b)に示される。
【0073】
C2.TNTの検出および同定
TNTは、基質の上の一定平面で発生する構造であり、それらはいつもPC12細胞からの3D画像の最上平面では見出されない。従って、アルゴリズムは、スタックの中心の30平面単独に適用され、各々のスタックにおいて上位5および下位5平面を捨てて、計算時間を制限し、偽陽性のTNT対象の数を減らす。言い換えれば、たとえ画像スタックが40平面を有していても、全ての計算は画像スタックの30平面に基づいており、平面5から平面35まで及ぶ。この決定は、TNTが基質の上に一定平面で発生する両方の構造であるので、正当化され、実験的にPC12細胞のスタックの最上面で見られないのと同様である。
【0074】
各々の処理工程で、表示の目的のため、我々は最も興味深い平面を描くだけである。TNTは、細胞境界と比較して適度なグレースケール値をもつ構造である。したがって、分割アルゴリズムに基づく強度を完全に使用するTNTに対する調査およびふるい分けは失敗である。
【0075】
しかしながら、それらは、それらの指示方向に相対的に高い勾配基準(gradient normal)で薄く、そして細長く、そして、それ故に、キャニーのエッジ検出はチャネル1に適用され、したがって、重要なエッジを強調する。図4(a)に例示されたこの処理は、図4(b)に示される。エッジ検出により作成されたエッジ画像の最小要素の除去は、オリジナル画像における自然のエッジから生じる構造に対する多数の誤ったTNTの提案をまだ残した。それらが正当な評価に対するサイズ制限より下であったので、最小のエッジ要素は、境界によって取り除かれた。
【0076】
エッジを取り除く第1の工程のように、細胞内部の全てのエッジは取り除かれ、また細胞の外部で結合した要素は、一次近似(first order neighborhood)を使用して個別に標識化された。各々の2D画像内の要素に対する3D情報を保有するために、最大値投影法(MIP)が適用された。要するに、fが第1のチャネルの3D画像と仮定する。
【0077】
MIPは、z方向に沿って最大強度値を得る2D画像内のfmとfnの間に画像平面を位置づける。最大値投影は、エッジ画像で各々の結合した要素が計算され、要素は平面mからnまで及ぶ。したがって、MIPは限られた数の平面に制限された。各々についての最大値投影pmax(f,r1,r2)は、2D平面上で計算され、そして投影される。それ故に、この投影pmaX(f,r1,r2)は、2−D平面上での3−D画像fの最大投影である。pmax(f,r1,r2):R3→R2投影で使用された3−D画像が平面r1からr2までに及ぶ。範囲(r2r1)は、通常全体画像スタックの合計画像サイズより少ない。各々の結合した要素についての最大画像を計算する処理において、我々は、この接続が継続されて接続されている平面だけ使用した。
したがって、我々は、この特定の1つに接続されていないもう一方の接続からアーチファクトを避けた。分水界分割が、場合によってTNT対象を位置付けるのに失敗しないなら、さらにオリジナル画像は、これらの計算に関してxy方向で減らされる。図5(b)は、図4(b)において矢印により指し示される要素の最大投影を描写する。図5(b)に相当する画像領域は図5(a)に示される。
【0078】
細胞領域(図3(b)参照)および侵食された背景領域は、一つの単一画像中に追加された。これは細胞の内部および外部に印を付ける2値画像を創造し、細胞境界を除く。図5(b)の投影構造は、この2値画像から減じられ、また形態的な開口は遂行され、可能な場合には一つの細胞から他の細胞まで経路を広げる。これは最後のマーカー画像を創造し、エッジ画像における各々の結合した要素に対する分水界分割(Gonzalez RC et al., in Digital Image Processing. Addison-Wesley Publishing Company; 1992; Soille P. in Morphological Image Analysis: Principles and Applications. Berlin: Springer- Verlag; 1999; Vincent L et al, IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 1991 ;13(6):583-598)に対して初期化として使用された。
【0079】
分水界分割は用いられて、高強度なエッジの波頂線の位置を示した。図5(b)における構造に対応する最小マーカー画像は、図6(b)に示され、最小初期化領域が白に標識化される。さらに、関心構造に近い画像領域だけがさらなる計算に使用され、計算時間を節約し、分水界アルゴリズムの正確さを増加させる。
分水界分割は、関心エッジ構造に十分に近い最小マーカー領域の境界線を必要とした。もしそうでないならば、分水界分割は、小さい関心の他のリッジをしばしば検出し、まだ強いエッジ情報を含む。TNTは頻繁にいくつかの平面に交差している。したがって、平面mからnまでの全体画像は分水界分割を入力するとして使用された。第1チャネルの3D画像をfとする。m≦nと仮定し、画像スタックからの平面iをfi,i=m,...,nとする。全体投影psum(f;m,n)は定義される。
【0080】
【数1】
【0081】
この投影はz方向に沿って最大強度値を得る2D画像内のfmとfnの間に画像平面を位置づける。その結果として、頻繁にいくつかの平面を交差しているTNTの問題は、TNTが2D投影の内部のそれらの全体ですぐに見ることができたとして最小限にされた。さらに、互いに近い複数の画像平面を加えるとき、ノイズがガウス分布および独立に近いと仮定される(解析の影響が無視されるとき)ので、確率的ノイズ抑制は得られた。
【0082】
3Dスタックにおける全ての画像平面を合計することは、2D投影を過度にぼやけさせ、同時にTNTをぼやけさせる。それ故に、3Dから2Dまでの投影は、エッジ検出により見出された流れ構造であるとして同じ範囲に制限され、その結果、調べられたエッジ特性を強化する。
【0083】
倍率が手近な分水界分割に影響を与えないので、(1)の正常化は可能であるが必要ではない。分水界分割は、アルゴリズムの初期化のように図6(b)における最小画像を使用する図6(a)における投影された全体画像に適用された。創造された分水界は、図7において検出され、関心構造のリッジを標識化する。分水界分割は、互いに、またエッジ画像におけるエッジ構造ごとに繰り返された。閉鎖構造の場合は、情報が形態的な開口から失ったので、同時に全ての接続に対して分水界分割を遂行し得なかった。
【0084】
C3.各々の細胞の分水界分割
セクションC1において、細胞および背景により覆われた画像領域は第2画像チャネルから得られた。
【0085】
しかしながら、この分割は、関連した細胞の細胞と細胞の境界についての不十分な情報を提供し、細胞と背景境界の輪郭を描くだけである(図3(a)参照)。それ故に、TNTがどの一組の細胞間で交差しているかを決定することができるアルゴリズムを得るために、明確な細胞ごとの分割はさらに要求された。高強度の細胞壁により分離された意味のある領域(meaningful regions)中の第1画像チャネル(図8(a))を分割するために、分水界変換が使用された。
【0086】
方法は文献(Vincent L et al, IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 1991 ;13(6):583-598; Lin Umesh GA et al., Cytometry, Part A 2003; 56A(1): 23-26; Adiga PSU, Microscopy Research and Technique 2003;54(4):260-270)にはっきりと記載されており、そして最大の意見の相違は、分水界アルゴリズムを初期化するために適切な最小値を創造する問題から生じる。グレースケール画像fへの分水界変換の直接の適用は、ノイズと画像の不規則が原因で厳しいオーバーセグメンテーションをもたらす。マーカー画像を得るために画像境界に接続されていないfにおける全ての最小値は満たされた。
【0087】
これは、MATLABの画像プロセスツールボックス(Processing Toolbox)において実施されたときに、腐食[Vincent L., IEEE Transactions on Image Processing 1993;2:176-201]による形態的な再構成を使用するf([23, pp.173-174])における穴を満たすことにより遂行された。そのような2値化されたマーカー画像の1つの例は、図8(b)に示され、図8(a)における画像fとして創造された。
【0088】
背景を表すマーカーは、セクションC1において計算された細胞範囲の補集合を使用して証明され、背景のために高精度マーカーを表す。最小値マーカー画像を使用するとき、ウォーターシェッド変形はある程度のオーバーセグメンテーションをもたらした。分水界分割から各々に接続された領域はウォーターシェッド領域と名付けられる。
【0089】
図9は、図8(a)からのウォーターシェッド領域の間の境界を示す。特に二つの小さい領域はオーバーセグメンテーションを表す(図9、矢印)。
【0090】
C4.細胞と背景の分類
二つの細胞に接続された特有のTNTかどうか決定するために、チャネル2の情報を使用して分水界領域は細胞または背景として分類された。各々の領域は、工程C1からの2値細胞画像(図3(b)参照)のトップに置かれ、そして、もしそれらが背景のピクセルより大きい細胞のピクセルに覆われたならば、領域は細胞として分類された。図10は図9において分水界画像の分類された領域を表す。
【0091】
C5.TNTの直線基準、細胞間の交差
TNTは、背景で一つの細胞から他の細胞に交差している構造であり、そして各々のTNT対象についてこれが正しいかどうかをチェックされる。構造は予め定義された閾値まで繰り返し拡張し、拡張により覆われた細胞の数が数えられ、TNT対象に近い細胞の数を与える。
さらに、各々のTNT対象についてハフ変換が計算された。最小ハフ変換と予め定義された閾値を比較することにより、TNT対象がほぼ直線かそうでないかが決定された。もし結合が直線でないならば、TNTとして却下された。
【0092】
C6.TNT対象の高い強度基準
TNTは、全体的な感覚で適度なグレースケール値により特徴付けられる。しかし局所的にそれらの強度値はそれらの周囲に比べて高くなる。TNT対象の二つのほとんど等しい拡張で画像強度の減算が、接続の両側で狭い近傍を定義した。これは図11に図解される。ここで、TNT対象はその後の二つの線により取り囲まれる。各々のTNT対象上のグレースケール強度は、その双方間の、狭い近傍(narrow neighborhood)の強度と比較された。わずかな差異は、偽陽性のTNTのようなTNT対象の除去を暗に意味した。場合によっては、人工的な対象は全ての前試験を受け、実質的にTNTであるには小さすぎる対象がほんのわずかなピクセルを覆っている。これらは、対象におけるポイント間の最大間隔に対する単一の閾値を使用して取り除かれ、それらはとにかく正確なTNTの評価を受けるには短すぎる。このステージで見出された仮定真実のTNTは、図12(b)に示される。
【0093】
C7.性能評価方法
我々のアルゴリズムのロバスト(robustness)を試験し、特定の画像データを全体に適合させることを避けるために、それは、数のルーチン(routine)のデザインとチューニングのために使用されない別のデータセットについてテストされた。TNTの真実の同定は手動の標識化により得られ、計算は二つの異なった観測者により遂行された。それらの一人(S. G.)、TNT生物学のエキスパートは、アルゴリズムの発展またはコンピュータビジョン(computer vision)実験に従事しなかった。
【0094】
他の人(E.H)は、自動方法の発展に関与した。疑わしい場合には、手動計数規則は大変なもので、擬似TNT対象が廃棄された。真実のTNTと見なされる接続に対して、両方の観測者によりTNTとして評価されるにちがいない。偽陽性のTNT検出は、画像特徴がプログラムによりTNTであることが分かる状態であり、しかし、観測者により、または多くても観測者の一人によりTNTとして評価されない。両方の観測者がTNTである構造を決定するとき、偽陽性のTNT検出は発生する、しかし、プログラムは失敗する。二人の評価者のアルゴリズムの数から計算されるので、この性能評価方法は、アルゴリズムについての成功のとても強い基準を課す。したがって、自動方法の成功率はとても控えめな見積もりである。
【0095】
C8.実験結果
TNTの自動検出の性能は、手動TNT同定と比較された。提供された性能評価方法を使用すること、また計数規則は以下に記載されており、自動検出は、二人の観測者により手動で数えられた67%のTNTの位置を見出すことできた。
【0096】
検出の質は、オリジナル画像におけるTNTの手動計数との比較により評価された。プログラムがTNTを見出せなかったとき、偽陰性として数えられた。プログラムが手動計数で見出されなかったTNTを見つけたとき、偽陽性として登録された。
【0097】
構造は、疑いのない場合だけTNTとして手動登録された。手動計数は、プログラムの発展に従事しない人によって行われた。偽陽性TNTは偽陰性より頻繁に発生した。しかしながら、偽陰性TNTは必ずしも実際の偽のTNTではなかった。ほとんどの場合、自動方法はTNTと似ている構造を見つけた、しかし一人または両方の観測者は、それらの計数に失敗した。
【0098】
表1は、性能評価に使用された各々の3D画像スタックにおけるTNTの数を示す。列は両方の観測者により数えられたTNT、それらの一致、自動的に正しく分類されたTNTの数、偽陰性と偽陽性、および成功率(%)を示す。
【0099】
【表1】
【0100】
表1における最後の行は、総合結果を表示する;二人の観測者のそれぞれにより数えられたTNTの合計数、その一致、自動的に正しく分類されたTNTの数、偽陰性の百分率、偽陽性の百分率および最終的な平均成功率。最終的な平均成功率は、「自動計数の一致」と「1と2の一致」との間の比率として計算された。二人の観測者間での一致として受け取られた「グラウンドトゥルース」は、いくつかの正当な理由を必要とする。TNT検出のような魅力的な、そして努力を必要とする画像処理問題において、真の解決は達成するのが難しい。今でも、訓練を受けた人の目は、恐らく判断基準を規定できる最も優れた道具である。
【0101】
現在のTNT検出実験に関して、一方通行の分散分析は、観測者1、観測者2および自動方法それぞれにより得られた全ての51スタックに交差した平均TNT計数(μ1=6.7,μ2=6.1,μa=6.3)の重要でない相違(ρ=0.24)を明らかにする。自動方法についての計数は、「自動計数の一致」と「偽陽性」に加えることにより得られた。他方では、二人の観測者は自動方法よりも互いに相互に関係があることが分かった。
【0102】
二人の観測者の観察および自動化された方法に適用されるピアソン相関係数は、自動方法と観測者それぞれ(ρ=0.42とρ=0.17)の間の無意味な相関係数と対照的に、二人の観測者間(ρ<0.0001)の重要な相関関係(α=0.05)を示した。我々の独立した観測者は高水準の一致を有するので、この発見は「グラウンドトゥルース」のような人の観測者による決定を使用して正当化する。
【0103】
不規則のために、細胞が群がる場合には、TNT検出はもっと失敗しそうである。その結果倒して、我々は、細胞が特定のパターンに成長した細胞画像を創造することを目指し[Rustom A et al., BioTechniques 2000;28:722-730]、したがって、TNTの位置を見出す生物情報科学の(bioinformatical)能力を向上させる。
まれに、極めて長いTNTが現れ、他のものは二つより多い細胞を接続し得る。TNTのこれらの特異な特性は、撮像された細胞の種類に接続されているように見える。
【0104】
我々のTNT評価実験から、細胞が近接近(close proximity)であり、または大きな不規則を示す場合には、TNT検出はより失敗しそうである。そのような代表的な不規則の例は図13に明示され、高強度の構造および糸状仮足のような構造の鋭いエッジ(図13、矢印)は細胞間を交差しており、自動検出を誤った方向に導く。
【0105】
これらのエッジの存在は、自動検出に使用されたTNT基準を満たす。デジタルデータセットは、長さのヒストグラム(histogram)、細胞ごとのTNT接続の数およびスタック内部のそれらの傾斜と同様なTNT特性の統計的尺度をさらに許容する。自動評価の能力を図解するために、我々は各々のTNT長さの測定を遂行した。
アルゴリズムは、処理連鎖の全ての工程で各々のTNT対象のための投影範囲の記録を保持するので、TNTの3D再構成は、長さ計算を可能とした。長さ統計データは、TNTにおける全てのピクセル間の最大ユークリッド(Euclidean)距離をしようして得られ、ボクセル(voxel)異方性に対して調製された。TNTはいつも直線のように見えるので、空間における統合は余分であった。我々のサンプルにおけるTNT長さの分布は図14において図解され、手動方法により得ることが不可能である統計データである。TNTの長さ分布は、1μmから4μmの間の短いTNTの高い発生頻度があることを指し示す。これは、TNT情報に対する細胞間の最適距離があることを意味し得る。
【0106】
D. 表面染色画像にリッジを強化する湾曲に依存するフィルタを適用した後の3D分割
D1.一般原理と最新技術
発明の好ましい実施形態はさらに、充填および分水界分割としてリッジ強化と形態的なオペレータを使用して、染色された細胞表面の分割方法を構成する。我々は、分割評価へのアプローチの相違する領域の変形を提案する。
【0107】
リッジ強化
顕微鏡の細胞画像は、画像処理目的のために頻繁に不十分な品質であり、また適切なフィルタリングは、しばしばより確実な分割を進める。染色された細胞の表面の境界線は、リッジにより輪郭を描かれ、したがって、分割の前にリッジ強化を遂行することは正当である。リッジ検出は、よく知られている画像処理の調査領域であり、方法はすでに存在し、画像のリッジを強化する。ガボール(Gabou)フィルタは、指紋画像にフィルターをかけるため、また重要なリッジの抽出のための良く知られているアプローチである[Ross A et al in Proceedings of International Conference on Pattern Recognition (ICPR); 2002]。
【0108】
ヘッセン(Hessian)マトリックス[Frangi AF et al., Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention 1998; 1496: 130-137; Eberly D et al., J Math Imaging Vis 1994;4(4):353-373]の固有値分解は、類似の目的のために使用された。リッジ強化のための我々の方法は湾曲の公式化に基づいており、ヘッセンマトリックスの固有値分解により引き起こされた。
【0109】
分割
分水界分割は、細胞分割に適している。
ベングットソン E (Bengtsson E)他(Pattern Recognition and Image Analysis 2004; 14:157-167)は、分水界分割をカルセインで染色されたCHO細胞の分割のための二つの閾値とともに使用し、89%から97%の間の成功率を得る。最も小さい細胞のような対象の除去の後、成功率は増加し、したがって、広範囲なそれらの成功率を明らかにする。それらは標識化方法に適用され、オーバーおよびアンダーセグメンテーション(over- and under-segmented)対象の量を測定する、しかし、それらは、分水界領域間の境界線の分割の質を測定することできなかった。アディガ(Adiga)他[Microscopy Research and Technique 2003;54(4):260-270]は、分水界アルゴリズムを細胞核の分割およびさらなる改良のための活性表面モデルのために用い、統合された分割アプローチを得る。
【0110】
創作者は、手動的におよび自動的にセグメント化された領域の間の体積の相対的相違を使用し、境界線の質を測定する形状係数を創造した。約95%の成功率は形状係数で得られた。しかしながら、11細胞だけはこの統計データ中に含まれた。
アンダーおよびオーバーセグメントされた細胞がどのように形状係数に影響を与えたか、またそのような細胞が廃棄されたか否かの詳細な説明はなかった。細胞のアンダーおよびオーバーセグメンテーション(under- and over-segmentation)の問題は普通、染色された細胞の表面または細胞質に対してよりも染色された細胞核に対しての方が少ない。なぜならば、染色された細胞は直接細胞の数およびそれらの核の位置を見積もり、分水界分割のためにマーカーを定義するために使用され得る情報。リンドブラート(Lindblad)のPhD論文[Cytometry; 2002]は細胞分割の分野の構造化された、包括的な見解を提供する。
【0111】
評価
異なった分割方法の質が比較されたとき、自動的な分割の有利な基準は重要である。残念なことに、細胞分割の評価は、客観的な考慮すべき事項または一般的で根拠の確かな手段が欠如している主観的な直観力を使用して頻繁に遂行される。
しかしながら、画像分割の範囲内で、分割評価について多数の研究が出版されている。
【0112】
チャン(Zhang)[a) Pattern Recognition 1996;29:1335-1346; b) Pattern Recognition Letters 1997;18(10):963-974.7,8]は、画像分割評価方法についての調査を提供し、評価方法を3グループに分ける。分析的な、実験的に良い、および実験的な矛盾の方法。
【0113】
分析的な方法は、もっぱら分析的な原理に基づく分割方法の有効性分析し、それらがめったに分割品質の人間の知覚に適合することができない事実に苦しむ。経験的に良い、独立した方法として参照されたのも同様である、方法は、いくつかの先天的な人間の特性に基づいて分割を評価する自動評価方法である。
分割の自動フィードバック評価が必要とされるとき、経験的に良い方法は極めて有用である。しかしながら、分析的な方法に関しては、それらは頻繁に人間の知覚に対する不一致に苦しむ。残念なことに、もし、良い基準が適用された分割方法の原理に基づくならば、それらは分割方法自身の後の原理により容易に感化される。この事実は画像の境界範囲についてそれの評価値を制限する。分割方法を評価するとき、実験的な矛盾方法は主に好まれる。それらは、真の解決法として見なされるグラウンドトゥルース画像または判断基準と、結果として生じる分割画像とを比較し、一人あるいは複数の評価者により作られた。
【0114】
統計的優位性に関して、分割評価は、一定のデータ、また平等に重要な、分割評価から除かれるべきアルゴリズムの発達に使用されるデータで遂行されるべきである。驚くほどに少数の分割評価は細胞分割アルゴリズムに適用され、それにもかかわらず、何人かの創造者は評価手順を含む。
【0115】
アディガ(Adiga)他[Microscopy Research and Technique 1999;44(1):49-68]は、共焦点組織画像から3D細胞核を分割する半自動方法を公開した。彼らは、FISH信号計数の視覚また自動評価の比較の研究を遂行し、FISH信号の視覚の計数と比較して90%より高い成功を達成した。しかしながら、彼らは、自動分割された細胞核の正確さを見積もる結果を少しも公開しなかった。モルピカ(Malpica)他[Cytometry 1997;28:289-297]は、群生された核の分割のために分水界アルゴリズムを使用し、そしておおよそ90%の試験群は、末梢血および骨髄の準備において正確に分割された。
これらの結果は、正確に分類された核の数を数えることから得られた。しかし、正確な原形質膜は、復元することができなかった。なぜならば、これらは染色された画像核だからである。これは、染色された画像核に対する共通の課題を明らかにする。細胞の数は容易にそのような画像中で得られ、しかし表面染色画像は、そのような輪郭が描かれた各々の細胞についての正確な原形質膜である場合には、必要である。
一般的に、研究者の要求は、使用される細胞染色のタイプを決定すべきである。
【0116】
D2.細胞分割における処理工程
この細胞分割手順は、蛍光顕微鏡検査法により得られた染色された細胞表面のために設計され、明白な原形質膜を創造する。リッジ強化は、初期化領域を創造ために必要とされる形態的なフラッドフィリング(flood filling)を可能にし、マーカーとしても参照される。これらのマーカーは、その後、分水界分割に用いられ、原形質膜の位置を突き止める。分水界画像は、その後、得られ、分水界ラインにより分離された分水界領域で構成される。各々の分水界ラインの質は、画像上にそれらを重ねることにより評価され、そして、それらの周囲と比較されそれほどでもない強度を保有するそれらは取り除かれる。最後に、分水界領域は細胞と背景領域として分類される。方法のフロースキームは図15において公開される。図15を参照すると、リッジ強化を使用する細胞分割の詳細な処理工程が記載されている。
【0117】
D3.湾曲のフィルタリングを経たリッジ強化
【0118】
原形質膜は、染色された画像表面においてリッジとして表現され、染色されたPC12細胞表面を示す図16を参照。その結果、リッジを強化するフィルタは、事前に分割に適用される。図17は、4つの完全な位相的な変化、リッジ、くぼみ、ピークおよび穴を示す。これらの例の間で、リッジは原形質膜にとって確かに最善のモデルである。利用できる方法を強化するいくつかのリッジがある。リッジであった画像を創造するヘッセン(Hessian)マトリックス[Frangi AF et al., Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention 1998,1496:130-137; Eberly D et al., J Math Imaging Vis 1994;4(4):353-373]の固有値分解は、上手く強化される。
【0119】
しかしながら、星形の人工のパターンを創造する傾向があることは、かなりの時間を費やす方法である。なぜならば、それは、主軸だけに沿った二次微分と混合微分についての情報を含むからである。それ故に、我々は別のリッジを強化するフィルタを発達させ、方法はヘッセン(Hessian)より短いCPU時間を必要とし、星形のパターンを創造しない。リッジはその指示方向に垂直な相対的に高い湾曲により特徴付けられ、特性はリッジ強化に依存する我々の湾曲に利用される。1D曲線の曲率κは速度vと加速度aを使って、フィニー(Finney) LR,トーマス(Thomas) Jrの計算方法 アディソン−ウェスリー(Addison-Wesley)出版社(Addison-Wesley),Inc;GB,1994によって与えられる。
【0120】
【数2】
曲線r=xj+yjは容易に変形される。
【0121】
【数3】
x = x, y =f(x)への変換を使用することにより。
【0122】
その後、f(xij;θ)を方向θに沿った点xijを通しての画像値(image values)であると許可する。f(xij;θ)の湾曲は、[0 π]の間の等しく間隔があけられた選択された方向中で各々のピクセルについて計算される。
【0123】
好適には、3点でなく5点誘導体は、誘導体の計算に適用されるべきで、急速な振動を避ける。最大湾曲画像Cmaxと最小湾曲画像Cminは、その後、[0 π]の間で計算された湾曲の最大および最小投影として、各々の点i,jで計算される。原形質膜は高い最大湾曲によって特徴づけられ、ピークと類似する。好適には、リッジとピークを区別することは有利である。小さい最小限の湾曲を有するリッジと対照的に、ピークが相対的に高い最小湾曲を有するとして、これは部分的に成し遂げられ得る。しかしながら、実質的には、自然画像の完全な形が存在しないので、リッジとピークを区別することは挑戦的である。ピークはしばしば長細く、リッジに似ており、そして、ピークは頻繁にリッジの上に重ねられる。その結果として、全てのピークの除去は、リッジにおいて多数のギャップ、さらに処理を受け入れられない我々の場合の状況を創造する。全てのリッジを保存するために、最小湾曲画像自体が、リッジ強化画像として使用される。
【0124】
D4.形態的なフラッドフィリングとマーカーの創造
正確な原形質膜は、マーカーが形態的なフラッドフィリングにより創造される分水界分割に制御されたマーカーにより見出される。染色された表面画像における細胞は、周囲より境界ではっきりと高い強度により閉領域として特徴付けられる。形態的なフラッドフィリング [Soille Pierre. Morphological Image Analysis: Principles and Applications. Secaucus, NJ, USA: Springer- Verlag New York, Inc.; 2003]は、それ故に使用され、細胞の中で内部のマーカーを創造し、各々のマーカーは、分割に対する関心の分離対象を定義する。明るいピクセルによって囲まれた暗いピクセルとして定義された全ての穴は、フラッドフィリングから満たされる。それは、図18(b)と類似するグレースケールの強化されたリッジ画像で遂行され、それらを閉と接続領域とに分け、そして各々のピクセル値をその領域の平均値により置き換える。
【0125】
そのような方法で、複数の評価された一定の領域は創造され、そして、それらはゼロ勾配により容易に検出される。さらに、背景のフラッドフィリングを得るために、背景がフラッドフィリングにより細胞領域として同じ方法で満たされるときまで、画像境界値は繰り返し上昇する。評価された一定の領域は、ゼロ勾配を計算することにより抽出され、そして、その後2値画像に変換される。小さく、また重要でないマーカーは取り除かれ、形態的な閉鎖と充填の後、最小マーカー画像は達成され、図20において表現される。
【0126】
D5. 分水界分割
最小マーカー画像におけるマーカーは、分水界分割のための初期化領域として使用される。計算時間をセーブするために、MATLABの画像プロセスツールボックス[Vincent L, Soille P in IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 1991 ;13(6):583-598.]において実施されたときに、2D分水界分割は、3Dマーカーを創造する処理を消費する時間の結果として遂行される。その後、ウォーターシェッド領域は3D分水界分割のためのマーカーとして使用される。図21(b)は、達成された3D分水界画像の一平面を示し、分水界ライン(黒)と、増加する整数により標識化された接続された分水界領域とを構成する。その後、全てのウォーターシェッドラインはそれらの有意性について試験される。それらはオリジナル画像に重ね合わされ、各々の分水界ラインの平均画像強度が分水界ラインに続く人工の、双方の構造上の平均画像強度と比較される。
【0127】
閾値から、これが局所的に高強度構造であるかどうか判断される。もしそうでないなら、オーバーセグメンテーションとして拒絶される。正確な分割は、アンダーセグメンテーションからよりオーバーセグメンテーションからアクセスでき(accessible)、一定のオーバーセグメンテーションは、それ故に遂行される。分水界領域はその後、単純な分類規則に従って背景と細胞に分類される。一定サイズより小さい全ての凸領域は細胞として分類される。しかしながら、もし凸でない領域が内部的に染色された粒子を含むなら、それは、その形状にもかかわらず細胞として分類される。そのような単純な分類規則は、最小オーバーセグメンテーションのある前の高品質分類に起因して適用できる。
【0128】
セグメント化された領域は、細胞の真の形状を反映しないそれらの形状に関する特性を獲得するので、激しくオーバーセグメント化された画像の分類は、極めて魅力的である。図21(b)における分水界領域の最後の分類は、図22における間違って細胞として分類された領域を指し示す矢印で表示される。これは、分水界ラインの重要度テストが異常に弱い細胞境界線に起因して失敗したために発生する代表的な誤りである。分水界ラインは、それ故に取り除かれた。
【0129】
D6.分割評価方法
一般的に分割評価は、良く議論される問題である[Zhang YJ. InPattern Recognition 1996;29: 1335-1346; Zhang YJ in Pattern Recognition Letters 1997;18(10):963-974]。
対照的に、細胞分割の評価は、まれに議論される題目である。我々は、修正された実験的な矛盾の方法を適用し(セクション1を参照)、時々相違する領域として参照され、細胞分割の評価に対する骨格を構成する。チャン(Zhang)[Pattern Recognition 1996;29: 1335-1346]によれば、実験的な矛盾の方法は、4つのクラスに分けられ得り、矛盾は下記の一つあるいは複数に基づいている。
(i)誤ってセグメント化されたピクセルの数,
(ii)誤ってセグメント化された位置,
(iii)画像における対象の数,
(iv)セグメント化された対象の特徴の価値
両方のセグメント化された領域の数を比較しなければならないため、分割の正確さに対する適当な基準は(3)と同等であり、また自動化され、また手動的なセグメント化された領域の間の共局在化の範囲は(1)および(2)と同等である。
【0130】
図23は合成画像(左)と、(3)が満たされ(1)と(2)は部分的であるそれ(右)の分割を明示する。分割は3つのセグメント(segment)を生みだし、したがって、セグメントの数はオリジナル画像におけるそれらと同等である。いまだに質が悪い分割がある。なぜならば、分割はオリジナル画像におけるセグメントによりある程度共局在化するだけだからである。我々の見解では、分割評価は、第一に(1)と(3)に従って状況を不利にする。しかし(2)と(4)は、同様にアプローチの差の領域内に容易に含まれ得る。
【0131】
ウメイデンス(Goumeidane)他[Pattern Recognition Letters 2003;2(10):411-414]は、誤ってセグメント化されたピクセル(2)の位置を信頼する実験的な矛盾の方法を提案し、しかし特性(1)、(3)および(4)を除く。いまだに、それらは、直感的にそれらを重ねることによりセグメント化された領域と基準領域との間の差異の正確な基準を得る。我々の方法は、二つの対応する領域を重ねることによりこの概念を上手く利用し、一つは基準分割から得て、もう一方は自動化された分割から得る。それらの間の関係のある重複範囲は、その後測定され、(1)に相当する。さらに、(3)の要件を考慮する方法を計画することは好ましく、オーバーおよびアンダーセグメント領域を不利にし、縮退として言及される。
【0132】
アンニクリシュアン(Unnikrishnan)[Unnikrishnan R et al., in: Proceedings of the 2005 IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR '05), Workshop on Empirical Evaluation Methods in Computer Vision; 2005]により指摘されたように、差異のある領域は、縮退と不均一なペナルティ(penalty)の欠如に苦しむ。縮退は、全体画像に対してセグメントにつき一つのピクセルまたは一つのセグメントが両方ともにゼロ誤差を与える事実により明らかにされる。
【0133】
分割評価方法は、均一および不均一の不利益の両方の状況を取り扱うこともできなければならない。不均一なグラウンドトゥルースは、複数の手書きの解決法が著しく異なる場合に、または高度の信頼性が必要であるとき、好ましい。我々の領域は、縮退および均一/不均一の不利益の両方に対応できなければならない。謝ったセグメント化されたピクセルの数と矛盾を測定する対象の数を使用する実験的な矛盾の方法に基づいて、我々は、チャン(Zhang) [Pattern Recognition 1996;29: 1335-1346]により指摘された要件(1)-(4)に従うアプローチを議論したい。
【0134】
概念的に、分割の正確さは、真の解決と自動的な分割におけるクラスタ(clusters)間の重複を評価することによりうまく考えられる。我々の方法に関して、目視検査から創造されるグラウンドトゥルース画像Sを、m個の接続されていない領域{Sti}から構成させる。同等に、2値的に、自動的にセグメント化された画像Sをn個の接続されていない領域{Sj}からならせる。不均一の不利益のリクエストを含むため、真の解決画像関数0≦f(St)≦1は、複数の人間の観測者間の同意に基づいて、任意の値を取る関数になり得る。
類似のマトリックスAunion:要素Aunionij∈[0 1]をもつm×nは、その後計算され、{Sti}と{Si}の間で交差するゼロ以外のピクセルの全強度値を含む各々の要素は、StiとSjの間の和集合の全強度値により標準化した。
【0135】
【数4】
【0136】
Sti→Sj, Aij→1である完全な分割の場合である。反対に、もし分割がSti∩Sj=0のように悪いふるまいであるならば、そのときはAij=0。したがって、値Aijは、基準領域とセグメント化された領域の間のオーバーラップの量を反映し、SitrueとSjの間の交差の欠如とオーバーおよびアンダーセグメンテーションの両方に不利益をもたらす。これは、さらなる処理に対する最も類似のマトリックスとしてAunionの我々の選択の理由である。しかしながら、いくつかの可能な拡張が式(4)にある。和集合に対して全強度値を基準化する代わりに、それは、手動でセグメント化された領域Sの範囲で基準化され得る。
【0137】
【数5】
自動化されセグメント化された領域Sjに対し、
【0138】
【数6】
またはそれは、それら二つの最大範囲に対して基準化され得る。
【0139】
【数7】
【0140】
式5と式6は、アンダーとオーバーセグメンテーションの間で各々区別することができる。もしオーバーとアンダーセグメンテーションの間で大きな交互変動があるならば、式7は良い基準である。合成例の選択は図24において示され、類似の基準は相違する状況を取り扱うこともできる方法を表示する。実線内部の範囲は基準解であり、破線内部の範囲は自動セグメント化された範囲である。
【0141】
表2は、図24の分割評価に対して対応するパラメータを含む。0→1に増加する値は、改善された分割を相互に関連付ける。(a)において、類似の基準Aunion=0.35、したがって、破線内部の範囲は、実線内の範囲の悪い表示である。(b)において、類似の基準Aunion=0.63、オーバーセグメンテーション不足に起因して、多少、(a)よりも高く、(c)は、人間の感覚に従ってAunion=0.91と良い分割を示す。(d)の分割は画像の右側の部分でゆがめられ、相当結構な相似値Aunion=0.75という結果となる。
【0142】
【表2】
【0143】
図25は、自動化されセグメント化された領域(白)および対応する類似の基準をもつグラウンドトゥルース(グレーの境界線)を表現し、真の細胞画像から取られる。これらの基準は類似のマトリックス内に挿入され、各々の行は、グラウンドトゥルース画像(図26)からの単一領域に相当する。縮退の問題を適切に取り扱うために、二つの重要な仮定は、なされなければならない。第1に、各々の自動化されセグメント化された領域は、唯一の手動でセグメント化された領域またその逆を表す必要がある。これは行および列ごとに多くても一つのゼロ以外の値を含むAunionに相当する。それ故に、穴のようなマトリックスAunionは、ゼロ以外の値のNしか含まなければならず、N=min(m,n)である。要素を取り除く各々の繰り返しで、もし同じ列または行において大きい値が存在するならば、この特徴は減少する値に従ってAunionにおける要素を繰り返しにより成し遂げられる。もしそうでないならば、要素は変化せずに残る。この最適化する問題は、マトリックスノルムを最大化するA=Aunionにおける要素として数学的に公式化され得る。すなわちフロベニウスノルムは定義される。
【0144】
【数8】
Kr={Kir}およびKc={Kc}の制約の下
【0145】
【数9】
【0146】
ここで、H(x)はヘビサイド(heaviside)関数である。制約は、各々の行と列に対してゼロ以外の要素の最大数を確実にする。要素を取り除く各々の繰り返しに対して、もし制約が違反されるならば、繰り返しは全てのマトリックス要素Aを経て、減少順に遂行される。そして、定義により、繰り返しがAにおける全ての要素を経た後、可能な限り大きなフロベニウスノルムAは得られる。このマトリックスを計算するためのMATLABコードは、別表において見られ得る。
【0147】
【数10】
【0148】
式10:図11(b)の分割に対する類似のマトリックスは図11(c−f)に相当する。R3およびR4は各々二つの異なる自動化されセグメント化された領域により表され得る。しかし、丸で囲んだ値は選ばれる。それらはAunionに対するフロベニウスノルムを最適化する。アンダーセグメンテーションは、類似のマトリックスAunionにおいて空白の行を創造し得り、そして、オーバーセグメンテーションは空白の列を創造し得り、式11を参照し、Aunionにおけるオーバーおよびアンダーセグメンテーションの結果を視覚化する。
【0149】
【数11】
【0150】
式11:フロベニウスノルムを最適化した後の類似のマトリックスAunion。0→1の要素範、分割の質を向上する。自動化されセグメント化された領域がいくつかの手動でセグメント化された領域を表すことができない場合には、縦の枠はオーバーセグメンテーションを明らかにする。反対に、手動のセグメント化された領域はいくつかの自動化されセグメント化された領域により上手に表されない場合、横の枠はアンダーセグメンテーションを明らかにする。それぞれが、それらが関連している手動の領域におけるピクセル数で基準化された後、画像に対する全体的な分割基準SMは、類似のマトリックスにおける加算する全ての要素から得られる。この基準化は遂行され、各々の手動のセグメント化された領域が、ある意味では全体の手動でセグメント化された範囲に関連するその範囲に厳密に関連している最後の類似性測度に影響を与え得ることを確実にする。したがって、大きな領域は小さな領域よりもSMに影響を与え得る。最後の類似性測度SMは、各々の領域N1における関連のあるピクセル数で基準化されるaunionijの合計として計算される。
【0151】
【数12】
【0152】
ここで、Nは手動でセグメント化された画像における全体のピクセル数である、N=ΣiNi。これらの作業後、SMはまだ[0 1]の中の数であり、0に近い値は悪い分割に関連しており、また1に近い値は優れた分割を標識化する。
【0153】
D7.結果
我々の分割アルゴリズムは用途の広い方法であり、明白な細胞境界をもつ分割細胞に設計される。そのような画像に関して、アルゴリズムは、接触している細胞だけでなく単細胞間を区別し得る。それは広範囲の適用を有し、二つの異なる細胞腫類であった以下のセクションにおいて立証され、二つの異なる染色および三つの異なる顕微鏡検査は使用され、分割のアルゴリズムを評価する。これらの実験における細胞は異なった特性と明確な細胞境界を共有する。分割方法の効果を示す5つの実験は、以下の順で示される。
(i)広視野画像からのWGA染色されたPC12細胞の分割。
(ii)回転円板からのWGA染色されたNRK細胞の分割。
(iii)共焦点顕微鏡からのWGA染色されたNRK細胞の分割。
(iv)広視野画像からのf-EGFP染色されたPC12細胞の分割。
(v)細胞分裂が抑制された広視野画像からのWGA染色された細胞の分割。
【0154】
実験1〜4は、前のセクションに記載された類似性測度SMを使用して、評価され、手書の解決法はグラウンドトゥルースとして得られる。最後の実験は遂行され、プログラムがチミジンで処理された細胞が対照群と比較してサイズが増大することを検出し得たかどうかを調査する。
【0155】
本論文における全てのコードは、MATLABにおいて実施され、また実験は2.4 GHz AMDプロセッサを起動しているリナックスワークステーションで実行された。データにオーバーフィッティング(over-fitting)を避けるために、方法は最後の評価のために使用されない別のデータセットで開発された。分割プログラムは3D画像スタックを使用して実行され、しかしながら、人間の評価は、各々の画像スタックの中央から抜き取られた一つの2D平面から達成された。この抜き取りは遂行され、それが、少しの3Dスタックよりむしろ、グラウンドトゥルースを含んでいる複数の2D画像を創造することのほうが貴重であると考慮されたので、人間の時間を節約した。3Dの自動化された分割を2Dの手動の解決法(hand-drawn solution)に適合させるために、自動化された分割からの中央の平面は、抜き取られて手動の解決法と比較された。
【0156】
D8.WGA染色されたPC12細胞の分割
WGA染色されたPC12細胞を含む10のスタックのセットは、この例において使用され、分割アルゴリズムを評価した。画像の準備について上記を参照する。それらが適用されるような入力画像は図26で示され、WGAで染色されたPC12細胞の細胞培養を示す。画像はそれらの照度の大きな変化および形および細胞の数を表示する。PC12細胞の直径はおおよそ10と15マイクロメータの間を変化する。画像は染色された粒子の内在化に加えてガウスノイズで悩まされる。これらの粒子は細胞内部の明るい点として出現し、自動化された方法により容易に細胞境界として間違えられる強いエッジを創造する。特に、細胞の原形質膜が連続して染色されない場合に、魅力的な状況は起こり、破砕されたリッジのようにそれ自身を明らかにする。
【0157】
2D手動のグラウンドトゥルースは163の細胞を含んで、そして、表6は、上述の類似性測度SMを使用して分割評価からの出力を示す。全実験に対する全体の成功率は、表6で最も低い行、各々の画像において手動でセグメント化された細胞の数に対して調製される。我々は、全体でSMunion=93.9%の成功率を得た。とても満足する結果である。SMmanとSMautは、おおよそ等しく、したがって、アンダーセグメンテーション(100%−95.3%=4.7%)とオーバーセグメンテーション(100%−96.1%=3.9%)の量は同じオーダーで、約4%であった。
【0158】
【表3】
【0159】
D9.回転円板からのWGA染色されたNRK細胞の分割
WGAで染色されたNRK細胞は、上述のように共焦点回転円板を使用して撮像された。二つの代表的な画像は図27に示される。たとえ画像が相当量のノイズを含んでも、WGA染色されたPC12細胞と同じように、細胞境界は、はっきりと印を付けられる。分割は、遠い平面間の距離の結果として2Dにおいて遂行され、3D分割に対するより複雑な状況を創造した。分割で選ばれた平面は、上記の糸状仮足のレベルから取られ、糸状仮足は長くまた薄いような構造であり、このプロジェクトで使用された分水界分割よりも異なった分割方法を必要とする。データセットは137の手動のセグメント化された細胞を含んだ。分割評価は、大抵の用途に対して満足であるSMunion=81.5%(表4)の成功率を明らかにした。それは、偽陽性率(100−91%%=9.0%)より高い偽陰性(100%−84.1%=15.9%)を評価する能力があった。
【0160】
【表4】
SMunion=81.5%の類似性測度が得られ、大抵の用途に受け入れられる。
【0161】
D10.共焦点顕微鏡からのWGA染色されたNRK細胞の分割
この実験は、共焦点顕微鏡で撮像されたWGA染色されたNRK細胞上で実施され、14の平面それぞれのスタックという結果となる。各々のスタックからの単一平面は抜き出され、そして分割に使用された。画像は回転円板からの質より劣る分割の質であり、原形質膜の分裂の高い程度により、振動を引き起こす。グラウンドトゥルースは人間の評価者によりなされ、そしてグラウンドトゥルースは上記の類似性測度を使用する自動化された解決法と比較された。分割評価からの結果は表5に示され、大抵の用途に受け入れられるSMunion=74.1%。類似性測度SMautは、93.4%のとても高い値を得て、オーバーセグメンテーションの低度(100%−93.5%)=6.5%を暗示する。
【0162】
【表5】
SMunion=74.1%の全体の成功率は得られる。
【0163】
D11. 広視野画像からのf−EGFP染色されたPC12細胞の分割
この実験は実施され、分割に対する極めて難しい状況を実証する。PC12細胞は上記のように染色された。画像は、細胞膜のおおきなドロップアウト(drop-out)により悩み、それ故に特に、自動的だけでなく手動での細胞分割に対する魅力的な課題を表す。特に、著しい細胞膜のドロップアウトを図29(a)に言及する。細胞膜のドロップアウトは、一様でない細胞膜の染色が原因で起こり、そして細胞間と細胞間領域間の染料の異なった新陳代謝のせいである。分割検出は、上記のWGA染色されたPC12細胞(SMunion=93.9%)よりも著しく低い成功率(SMunion=41.6%)を明らかにする。この結果は細胞膜の大きなドロップアウトが原因である。まだ、SMaut=58.7%は相当に許容値であり、また、分割の誤りの大部分がアンダーセグメンテーションにより引き起こされたことを指し示すSMman=42.7%と比較された。
【0164】
【表6】
複雑な画像に起因して、分割評価は前の実験に対してより著しく低い成功率(SMuπ/on=41.6%)を表す。
【0165】
D12.チミジン処理されたWGA染色されたPC12細胞の分割
この実験は遂行され、生物学的に知られている効果を上手く利用することにより分割アルゴリズムの正当性を立証した。チミジン処理された細胞における細胞分裂が抑制されることは、既成の事実で、大きな細胞をもたらす。目的は、分割アルゴリズムがこれらの細胞の増加したサイズを検出できるかどうかを確認することであった。PC12細胞は、セクション3.1における記述によると準備されて、それから、2つのグループに分けられた。1つのグループは対照として使用され、そして、他のグループはチミジンに曝された。生物学的実験は3回実施され、そして、分割は3Dで遂行された。
【0166】
分割を実行している人は2つのグループのうちどちらがチミジンで処理されているかに関して利用できる情報がなかったので、分割は分からなかった。サイズを測定する3つのパラメータは、領域について計算された:ボリューム(V)、長(Dmaj)と短軸長(Dmin)。長と短軸長は、領域と同じ正常化された第2の中心モーメントを有する楕円の長と短軸の長さとして定義される。長と短軸長は中間の平面について2Dで計算された、そして、ボリュームは3Dで計算された。表7は、分割の両側t検定からの結果を示します。最初の2つの列は、処置されたおよび未処置のグループにおける細胞の数を示す。全ての3つの実験に関して、ボリュームの違いを記載するp値、長と短軸長は計算された(列4〜5)。
【0167】
最初の実験で重要でなかった短軸長(列4)を除いて、すべての実験で調査された特性について有意差(α=0.05)があった。それでもなお、我々は、チミジンで処理される細胞の平均サイズが対照群と比較して増加し得ることが証明されたと考える。平均の標準誤差が続く長と短軸長の標本平均値は、列6から10に示され、そして、未処理のPC12細胞の平均直径が8μmと15μmの間をほぼ変化できることを記載する。
【0168】
【表7】
【0169】
最初の2つの列は、処置群(+)と対照群(−)における細胞の数を示す。2つのグループにおける細胞間でサイズを比較する両側t検定は計算され、ボリューム(pv)についてのp値、長軸長(Pmaj)および短軸長(Pmin)が列(3〜5)に示される。最後に、2つのグループに対する平均長と短軸長は、μm、D SEM(標準誤差)で与えられる。
【0170】
D13.結論
リッジを強化するフィルタは、リッジを強化することが必要であり、原形質膜を特徴づける画像特性である。このフィルタに基づいて、形態的なフラッドフィリングの操作は実行され、したがって、理想的には細胞一つごとに細胞の内部マーカーを創造した。これらのマーカーが、その後、分水界分割のための初期化領域として使用され、原形質膜の輪郭を描いた。特定のオーバーセグメンテーションにより、分割された領域の間で境界に印を付する分水界ラインは、それらが取り除かれるべきかどうか決定するために、評価過程を経るべきであった。最後に、分割された領域は、いくつかの単純な分類規則に従って細胞と背景とに分類された。細胞分割ツールは、手動で分割されたデータセットと比較された。正確さ評価は、領域の差分変化を使用して遂行され、分割された領域とすべての自動化された領域との重複部分を計算した。2つの相対的な正確さ基準は、その後、一つは手動で分割された領域の範囲と重複部分の範囲を基準化することから、そして一つは自動的に分割された領域にそれを基準化することから得られた。両方の基準に対して十分な値が存在するならば、分割は特定の領域に対して良いと考えられた。
【0171】
我々は、この領域の差分アプローチの変化を使用して、より高い成功率を得た。2つの異なった成功率は、基準化による範囲を使用するまたは使用しないことにより成し遂げられた。最も小さな細胞を無視する特定の量にとって、もし細胞の重要性がそのサイズによって基準化されたならば、最も高い成功率が得られた。自動化された分割ツールは使用され、大量のPC12細胞に対して選択された統計パラメータを計算することによってその有用性を示した。そのような細胞分割ツールは、それらの効果と客観性、人間が欠如している特性のため、生物学において非常に要求される。
【0172】
結論
自動化された方法は、細胞の計数と特徴付けに対する血球計算においてますます重要である。ハイスループット統計は自動化された細胞分割から得られることができ、細胞組織の定量化に役立つ。このアプリケーションは、蛍光画像における表面染色されたPC12細胞の分割の方法を提示する。要約すると、例は、自動化された細胞分析、細胞分類および/または生きている細胞の間の移送および伝達の決定の方法が機能し、細胞で薬と理学療法の定量化されたテストで産業において使用される得ることを示す。自動化された検出は、計数に加えてTNTの選択された特性に関する統計情報の評価も可能とする。
【0173】
1つの重要なパラメータは、細胞がどれくらいのTNT接続を発生させているかについて知っていることである。それらが病理学的過程の間に起こるときに、このパラメータは異なる生物学的状況によって変化するかもしれない。TNTが多細胞有機体の特定の病理学的状態に関係しているならば、それは大きな値であり得り、それらの機能をブロックするか、または強化する。この点において、TNT構造を調整するための薬のふるい分けと機能は、TNTの定量分析のこの自動化された方法から利益を得る。このように、薬の効果は、ハイスループットのふるい分けによって評価され得た。TNTの自動化された検出の我々の方法を使用し、培養細胞の2−チャネル蛍光画像において細胞を接続して、我々は判断基準として手動標識化を使用して、90%を上回る圧倒的な成功率を得た。TNT検出の成功率は、厳密に細胞と背景の適切な分類に依存します。この部分は、生物学的細胞マーカー画像を使用して画像処理技術と組み合わせて達成された。
【0174】
さらにまた、TNTの適切な検出は、最適で再現可能な増殖条件での細胞培養にも依存する。通常の細胞培養条件下で、細胞はしばしば、TNTを検出することを難しくする近接近で増殖する。この問題は図解された。この問題を回避するために、細胞は特定のマトリックスパターン上で増殖されるべきであり[Arnold M et al., ChemPhysChem 2004; 5(3): 383-388]、より標準化された細胞培養条件を保証する。特に、細胞の間の特定の距離を確実にし、したがってTNTの場所を見出すための方法の能力を向上させるときである。基準方法では、我々はTNTの場所を見つけるための2D投影のキャニーのエッジ検出器と分水界分割を適用する。細胞境界は制御された分水界分割のマーカーを使用して得られ、分割の程度は、分割のためにフラッドフィリングを強要されたマーカーにより決定される。分割された領域は第2の画像チャネル、生物学的細胞トラッカーに基づいた細胞と背景に分類される。それらの最も近い距離で2つの異なる細胞をつないでいる間、TNTはそれから、背景を交差している構造として現れる。
【0175】
TNT検出の成功率は、細胞と背景中に分水界領域の分類についての一部の高い信頼性に依存する。90%を上回る成功率は、分割評価のための差分アプローチの領域の変形によって得られ得る。この変化方法は、表面染色画像に対して新しいリッジを強化する湾曲フィルタのアプリケーションを具備し、原形質膜を強化する。他のアプローチにおいて、リッジ強化は画像に適用されて、それから、その後に適応可能な閾値化に続いた。リッジ強化の後、ノイズの相当量は取り除かれ、TNTを検出するために局部的に適応可能な閾値法を適用することは可能である。適応可能な閾値法は、リッジ強化された画像を、重要で高強度構造を含む2値画像に変換する。この処理は図30において実証され、リッジ強化された画像は2値画像に変換された。適応可能な閾値法は閾値としてガウスの不鮮明画像そのものを使用し、したがって、各々のピクセルで局部的な閾値を創造し、画像の一様でない照明に対して強い。細胞領域内部の全ての構造は廃棄され、そして、残りは削減され、さらなる処理を単純化する。全ての他の工程は、上述のように後に続く。
今後の仕事は、TNTの動的な形成と分解の検査と同様に、3−D画像スタックの時系列を含み得る。
【0176】
発明のさらなる利点、目的および特徴は、例と添付の図に与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】図1は、TNT検出に利用される単層PC12細胞の同一平面から取られた代表的な顕微鏡画像を示す。(a),(c),(e),(g)は、細胞と細胞境界の間に橋渡しをするTNT(矢印で印し付けられた)を示し、(b)、(d)、(f)、(h)はこれらのPC12細胞の細胞質領域を示す。(a)における白いバーは5μmに相当する。
【図2】図2は、TNTの自動検出のための方法の図解のフロースキームを示す。
【図3】図3は、2値マスク(binary mask)の中における図1(a)の細胞領域の分割を示す。細胞マーカー画像(a)は、細胞外(黒)および細胞内(白領域)に分割される。
【図4】図4は、エッジ検出が細胞境界の同定およびTNTの対象を導くことを示す。キャニーのエッジ検出は、(a)における画像に適用され、全てのエッジ要素を示す2値画像(b)という結果となる。さらに実証に利用されるエッジ要素は矢印で標識化される。
【図5】図5は、エッジ画像からのTNTの対象の最大投影を示す。オリジナル画像(a)はTNTを示す。そのエッジ構成の対応する最大投影は(b)で見られ、図4(b)における矢印により示されたエッジ構造から発生する。最大投影は、後で分水界分割を初期化するために使用された。
【図6】図6は、分水界分割に対する最小シード領域を描写する。(a)における全体画像は、(b)において対応する最小シード領域間のTNTの対象を有する。これらのシード(seed)領域は、分水界分割を初期化するのに利用され、TNTの対象のリッジを検出する。
【図7】図7は、TNTの対象のリッジを示し、細胞境界は、図6(b)における初期化領域を使用する図6(a)の分水界分割から分かる。
【図8】図8は、細胞の分水界分割に対する初期化領域を示す。画像(a)は、細胞の分水界分割を初期化する最小マーカー画像(b)を与えられる。
【図9】図9は、細胞の分水界分割を示す。画像は、図8(a)の分水界分割から現れる領域間の境界を示す。矢印で印を付けられた二つの領域は、オーバーセグメンテーションが原因で別々の領域として不正確に与えられる。
【図10】図10は、細胞、TNT対象および細胞境界の分類を示す。白い領域は細胞であり、グレーの線は重要なエッジ、すなわち細胞境界、TNTおよびアーチファクトであり、黒い領域は背景である。
【図11】図11は、TNTの対象が高強度のエッジか平らな領域であるかを照合する結果を示す。TNT対象に続く狭い双方間の近傍は、TNT対象の周囲の密な近傍を定義する。近傍ピクセルに対応する平均画像強度は、TNTの対象それ自身に関する平均画像強度と比較された。
【図12】図12は、TNTの最後の検出を示す。(a)において、矢印により標識化された全てのTNTは、(b)において自動検出される。
【図13】図13は、鋭いエッジの糸状仮足のような細胞構造(矢印により印を付された)の顕微鏡画像を示す。ほとんどの偽陰性および偽陽性の自動TNT検出は、TNTと似ている高強度画像構造が原因である。互いに近い細胞の場合は、特に魅力的である。
【図14】図14は、自動的に検出されたTNTの3D長さの分布のグラフ表示を示す。近接細胞に接続する1μmと4μmの間の小さいTNTが支配的である。
【図15】図15は、分割のフロースキームを示し、ここで、入力画像がさらにリッジを強化する湾曲フィルタを使用してフィルタをかけられる。その後、分水界分割のためのマーカーは、フラッドフィリングから創造され、また分水界分割は適用される。重要でない分水界境界は取り除かれ、また最後にセグメント化された領域が細胞および背景に分類される。
【図16】図16は、染色したPC12細胞表面の画像を示す。原形質膜はリッジとして表現される。
【図17】図17は、位相変化の略図を示す。原形質膜は代表的にリッジ(a)により特徴付けられ、くぼみ(b)、ピーク(c)、穴(d)により特徴付けられない。
【図18】図18は、示す。画像(a)は、リッジの強化を経て(b)に変わり、(c)および(d)は、画像およびリッジが強化された画像各々の標識化ラインの線形状を表示する。これは、リッジの強化が画像における他の構造と比較されたリッジのコントラストを上げる方法をはっきりと明示する。
【図19】図19は、フラッドフィリング後の細胞画像を示す。図18の穴は満たされ、一定の評価された領域を創造する。
【図20】図20は、最小マーカー画像の創造を示す。図19における区分的に一定の画像は、マーカー制御された分水界分割に使用される2値マーカー画像に変えられる。
【図21】図21は、細胞の分水界分割を示す。マーカー制御された分水界分割は、図20においてリッジが強化された画像で遂行された。区分的に一定の分水界画像(b)は、一意的な整数により標識化された各々の接続領域を描く。
【図22】図22は、細胞の分類を示す。図21(b)における分水界領域は細胞(白)と背景(黒)として分類される。分水界ラインの1つは、重要度テストにより誤って取り除かれ、したがって、分類の誤りを埋め込んで、矢印により示される。表示された領域は正確に2つの領域、1つの細胞領域と1つの背景領域とに分類されるべきである。
【図23】図23は、セグメント化された領域の周囲の境界の悪い共局在化を示す。左の画像は分割され、右の画像を与える。領域の数は両方とも3と等しく、しかし分割対象の周囲の境界は間違って与えられる。これは、分割の正確さに適した基準がセグメント化された領域とそれらの範囲の共局在化との両方の数を比較する必要があることを証明する。
【図24】図24は、重複領域の測度の正確さの図解を示す。実線は基準領域を囲み、そして破線は自動的にセグメント化された領域の輪郭を描く。表1において最も高い類似性測度0.91に従って、(c)は知覚的に最も良い分割である。
【図25】図25は、図24(a)における分割の手動(グレーの線)および自動(白い領域)画像を示す。類似性測度は、分割の相違する性質を反映する。(a)についての分割は悪く(SM=0.007)、(b)については、まずまず(SM=0.663)であり、(c)については、良く(SM=0.861)、そして(d)については、まずまず(SM=0.678)である。
【図26】図26は、細胞の検出に利用された4つの代表的な画像の選択を示す。各々の画像は、その3D画像スタックの真ん中から取られた1つの2D平面である。(a)におけるバーは10μmに相当する。
【図27】図27は、細胞の検出に利用されたWGA染色されたNRK細胞を示す二つの代表的な回転円板画像の選択を示す。各々の画像は、その3D画像スタックから取られた1つの2D平面である。(a)におけるバーは20μm(ピクセルのサイズ:0.2048μm×0.2048μm)に相当する。
【図28】図28は、ライカSP5で取られた細胞の検出に利用されたWGA染色されたNRK細胞を示す二つの代表的な共焦点画像の写真を示す。各々の画像は、その3D画像スタックから取られた1つの2D平面である。(a)におけるバーは20μm(ピクセルのサイズ:0.283μm×0.283μm)に相当する。
【図29】図29は、細胞の検出に利用されたf−EGFP染色されたPC12細胞からの二つの代表的な画像を示す。各々の画像は、その3D画像スタックから取られた1つの2D平面である。左の画像に膜断片の大きなドロップアウトを言及する。(a)におけるバーは20μm(ピクセルのサイズ:0.1340μm×0.1340μm)に相当する。
【図30】図30のリッジ強化についての入力画像(A)、リッジ強化された画像(B)および2値画像(C)は、適応可能な閾値化から創造した。リッジ強化は画像に適用され、その後続いて適応可能な閾値化をする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D蛍光画像におけるトンネルナノチューブ(TNTs)の同定法に関し、特に薬および生物学に効果的な電磁放射のふるい分け方法。
【背景技術】
【0002】
近年我々は、細胞間で新たに形成されたナノチューブ構造(TNTs)に基づく細胞間情報伝達の新しい生物学的原理を見出した。微細な画像においてそれらが生体細胞の間の直線とみなされるように、TNTはそれらの最も近い距離で1つの細胞からもう一つの細胞へ交差している細いチューブ(直径50−200nm)として構造化される。それらは、膜小胞、小器官、原形質膜要素、細胞質、カルシウムイオンと恐らく遺伝物質の選択的な細胞間移動を容易にする。TNTが一般現象であると思われるので、すべての細胞腫類とまではいかないが多くに割り当て可能で、これらの顕著な構造の発見が、細胞間伝達のすべての以前の概念を再考することを余儀なくさせた。この点で、非常に最近の調査は、TNTが多細胞有機体の成長と維持の間に、例えば免疫系において本質的な課題を遂行していることを示し、そこで、それらはMHC分子(非特許文献1)および免疫学的シナプス(synapse)のカルシウムイオン(非特許文献2)の移動を仲介する。
【0003】
我々は、トンネルナノチューブ(TNT)が細胞間伝達の新型に対する構造的基礎を提供することも示した。TNTは固定細胞にも現れ、しかし、それらは極度な敏感さを示し、そして、例えば長期の光励起が可視振動と断裂をもたらすとき、それらは容易に破壊される。したがって、薬のような生理活性物質だけでなく光や電子レンジのような電磁場(EMF)も、TNTに依存する細胞間伝達を危うくし、また多細胞有機体において病理学的影響を引き起こし得る。しかしながら、利用できる分析ツールも、TNTに依存する細胞間移送と伝達で生理活性物質またはEMFの生物学的影響を決定する方法もない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばガン(Vidulescu et al. J. Cell. MoI. Med. 2004, 36, 319)のような多種多様の病気とそれらの予測される関連と同様にTNTの重要な生理的機能の結果として、TNTとTNTに基づく細胞ネットワークについてのそれらの影響について、大規模で多種多様の化合物を早く選別するためにシステムを提供している新しい薬のふるい分けシステムに対する要求がある。したがって、TNTの選択的な取り扱いは、数多くの種類の治療的なアプローチのための重要な新しいツール(tool)を表す。すなわち、多種多様な化合物とTNTでのそれらの影響について手早くテストし、そしてふるい分け方法に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここでは、我々は、電磁気的汚染に対するセンサーとして天然ナノチューブ(natural nanotubes)を使用することを提案し、薬と電磁場暴露の有益および否定的な影響の両方を評価する。さらにこれらの影響を調査して、そして測定するために、自動化された検出と定量化が供給される。識別に対する我々のアプローチ(approach)とTNTの定量化とTNTの開発は、既知の画像処理技術と生物学的細胞マーカー(marker)の組合せに基づく。分水界分割(watershed segmentation)、エッジ(edge)検出器と、選択的なリッジ(ridge)強化は、使用され、TNTと画像アーチファクトを検出する。数学的な形態学は、これらの影響を測定するための処理連鎖のいくつかの段階で使用される。
【0006】
したがって、自動化された細胞分析、細胞分類および/または生体細胞間の移送と伝達の決定の方法は提供され、培地中で単数化される細胞の処置を具備し、また所定の期間の間、細胞を単分子層における基質の上に広げ、またはプレート化し、蛍光または発光の染料をもつ細胞、染色された原形質膜を得るための免疫蛍光検査または他の検出できる微小の染色液、TNT、三次元細胞顕微鏡検査鞭毛および/または他の細胞粒子を染色し、複数の焦点面で画像収集を遂行し、所定の容積で背景の上の染色度に応じて、複数の焦点面の画像を分析し、染色された2−Dおよび3−D構造を得て、構造を領域に分割して、形、湾曲および他の選択された特性に応じて領域を分類し、TNTまたは鞭毛が背景を交差する必要がある特性に基づくTNTまたは鞭毛(flagellae)の対象である構造を選択し、1つの細胞からもう一つへ交差しているそれらを維持し、鞭毛(flagellae)の場合拒絶することによってTNTまたは鞭毛(flagellae)の対象の数を減らす。本発明の好適な実施形態において、フィルタに依存するリッジを強化する湾曲は、表面染色された画像に適用され、原形質膜を強化する。
【0007】
別の方法として、リッジ強化を適応可能な閾値化が続く画像に適用することも可能である。リッジ強化は以下に詳細に記述され、画像のリッジを強化し、細胞境界とTNTの両方を含む。本発明の方法により、細胞間の小器官移送は、好適には調査される。本発明のさらに重要な観点は自動化され、そしてこのように多くの対象、精液品質(semen quality)の検査およびチューブまたは伸展のような鞭毛(flagellae)を具備する他の構造である。
【0008】
本発明の方法の好適な実施形態は、互いに所定の距離を有する基本的に目立たされた細胞のマイクロアレイ(microarray)を得るためにプレート化される基質の使用を具備する。細胞がこのような種類の基質上に覆われるとき、画像分析はより簡単でより信頼できるようになる。
【0009】
この好適な実施形態は、パターン被覆(線、円、波)を有する基質上で細胞をプレート化することによって達成され、例えば、フォトリソグラフィーによって適用される。本発明のさらなる実施形態は、化合物、治療剤、薬剤または擬似薬学的に効果的な物質の培地への添加を具備する。細胞についての物理的影響は、発明に従ってさらに調査され得る。
この場合、培地中の細胞は、物理的影響、例えば所定の期間の間、熱、放射線、機械的応力(mechanical stress)および電磁場に曝される。これらの物理的影響は、潜在的な生物学的有害物質から、または、治療用装置から生じ得る。
【0010】
発明に従う顕微鏡装置は、3−D顕微鏡、Z−ステッパ(Z-stepper)と、自動化された細胞分析のための画像収集および分析システム、細胞分類および/または細胞間の移送と伝達の決定、および選択的に、本質的に互いに対して一定の距離を有する細胞の配列をプレート化するための微細パターンを付された基質を具備する。
【0011】
この装置またはシステムが、精液の品質と擬似薬学的なそして活性培地の連続調査のため、特に腫瘍、高血圧、ウィルス、細菌または寄生生物による感染症、代謝の障害、神経系の障害、精神または心、そして、コレステロール値の治療のために使用され得る。本発明のもう一つの観点は、遺伝子治療において、細胞ターゲティング(cell targeting)のために、そして、薬理学において効果的物質の調査に関連する。
【0012】
本発明のさらなる観点は、薬、熱および電磁場によってTNT断裂の定量分析についての手順と装置に関する。上記のように、本発明の実施形態において、TNTの成長のための細胞培養は、微細パターンを付された表面で成長され、自動化された分析のための標準の細胞増殖およびより均一なTNTを得る。
【0013】
そのようなシステムは革新的な細胞培養システムによって突出し、完全にコンピュータ化された分析システムと同様に制御されて再生可能な細胞増殖を可能にし、公平で速いデータ処理を確実にする。さらにまた、処理は、取得された画像スタック(stack)中のTNTの数の自動化された定量化に提供される。
【0014】
本発明のさらなる観点は、製品で使用されることができる定量的測定(顕微鏡装置、ソフトウェアパッケージ(software package)、標準化された細胞増殖とTNT成長のための微細なパターンを付された皿と、選択的に、EMF発生器)を遂行するための装置に関し、電磁場、例えば製薬また医療分野、携帯電話の製品、環境汚染を評価している研究所の生物学的影響を評価することを望んでいる製造業および公共機関により使用され得る。
【0015】
本発明のもう一つの観点は、3つの主要素を具備するふるい分けシステムに関する。第1は、再生可能で最適化されたTNT分析に不可欠な成長条件を提供する専門の細胞培養システムである。細胞培養システムは、化学的に機能的にされたガラスの表面を利用する。これらの表面はあらかじめ定義されたパターンで細胞を成長させることを認め、すなわち、最小化された細胞集合と同様にTNT構造のための最適距離で、このように、以下の分析工程の最大限の再現性に至る。
【0016】
薬学の適用後、専門の「ハイスループット(high throughput)」の顕微鏡、第2の構成要素により表面は分析される。この顕微鏡システムは、それぞれの表面の任意の範囲中で自動的に定義された3Dスタックの数を捕える。この目的のために、顕微鏡はオートフォーカスの機能、プログラム可能な、モータ駆動ディッシュホルダー(motor-driven dish holder)および適切な制御ソフトウェアを備えている。類似の微細なシステムは、既にいくつかの顕微鏡販売業者から入手可能である。
【0017】
ふるい分けシステムの第3の部分は、専門の、完全に自動化された方法であり、TNTの依存、細胞間小器官移送の量を定量化することと同様に細胞の間のTNTを検出し、数えることによって、取得された3D画像データを分析する。3つの主要素の組合せによって、薬ふるい分けシステムは、TNTに関連する主題の、公平で、再生可能で、また速い処理を可能とする装置を提供する。完全なシステムは、製薬会社に理想的な装置を提供し、選択的にTNT構造、TNT媒介小器官移送と同様にTNTの安定性に影響を及ぼしている化合物について大規模にふるい分ける。TNTの重要な機能に関して、そのような化学製品は、将来の製薬学の発展のために大きな価値を有し得る。化学的に機能的にされたガラスの表面は、多くの異なる細胞システムのために最適化され、導入され得る。このように、再生可能で、制御された細胞増殖を要求されるときはいつでも、例えば組織工学のすべての態様の間、理想的な基盤を提供する。これは、基礎研究と同様に工業に対して新しい展望を提供する。TNT分析のための自動化された方法と組み合わせた最適化された「ハイスループット」の顕微鏡は、興味深く、非常に柔軟な画像化システムを意味し、様々な科学的な問題に容易に適用され得る。
【0018】
この点で、本発明に従う薬ふるい分けシステムは、最初で唯一のシステムを提供し、TNTに基づく細胞相互作用に対して分析し、そして多種多様な病気、例えばガン、糖尿病、高血圧、その他の治療での医学研究に特に使用され得る。パターンに制御された細胞増殖を可能とする化学的に機能化されたガラス/皿の表面は、大きな価値もある。そのような装置は、組織工学から基礎研究まで達するアプリケーション(application)にとって興味深い。生物学的構造の識別と特性化および画像記録からの処理についての自動化された方法は、生物医学研究においてますます重要である。画像分析の多くの場合、人間はコンピュータより良い仕事を遂行し得る。
【0019】
しかしながら、人的資源は高額であり、3−Dあるいは時空のデータ収集に関しては、厳しい限界がある。さらに、目視検査に基づく方法は、観測者間および観測者内のばらつきの影響を受けやすく、また手動方法の時間消費は、多くの場合、禁止され得る。この発明によれば、自動化された方法は、最新の生体細胞の3−D蛍光顕微鏡検査法により撮像され得る最近発見された細胞間伝達チャネル(channel)の検出に提供される。
【0020】
哺乳類の細胞は、さまざまな方法、例えば、ホルモン類および成長因子のような拡散性メッセンジャー(messenger)を分泌し、結びつけることにより、または、取付けられた細胞間でのギャップ(gap)結合により、互いに相互に作用する。これらのもろく、アクチンの豊富(actin-rich)な構造は、一方向の方法で1つの細胞からもう一つまでのエンドサイトーシス(endocytic)の起点の小器官を移送することが示された。細管はエンドサイトーシスの起源の小嚢の通過を可能としたが、ミトコンドリアのような他の小器官を除外して、細胞質のタンパク質(非特許文献3)の重要な移送を可能とするように思えなかった。TNTが組織で存在するならば、それらは、発生過程の間での免疫原性材料、病原体、またモルフォゲン(morphogens)の細胞間の広がりを含む細胞処理における多くの関連があり得る。植物、原形質連絡、における類似の構造は、植物細胞の間の信号伝達分子の動きにとって非常に重要であり、一つの細胞からもう一つへ移動するとき、ウイルスはこれらの構造から利益を得るように思われる。本発明は、したがって、直接の研究および、最も重要なことだが、TNTの定量化を可能にする方法とシステムを提供し、人間の細胞系で多くの重要なタスク(task)を有する。
【0021】
3−D画像スタックの内側のTNTの発生は、通常、訓練された目によって見分けられ得る。しかしながら、データ記録の多くのコレクション(collection)の中のTNTについての収集する定量的情報が極めて要求が厳しく、高いときは、人的資源を使用します。単一のTNTはいくつかの画像平面に現れた方がよく、TNTを求めて画像スタックを検索するときには3−D分析を必要とする。最近のTNTの発見の後、細胞生物学者は、現在、TNTの形成と消失に関する詳細な情報を得ること、そして、それらが現れるまたは消失するために特別な状況を必要とするかどうかに非常に興味がある。
【0022】
TNTの基本的な機能が知られているとき、我々は、様々な病気の病因、例えばガンまたはHIVのようなウイルスの広がりの間の細胞間の伝達、または、免疫学的なプロセスについてのそれらの役割を観察することができる。TNTの形成または消失を変更することに利用できる医薬品があるならば、我々は生物学的反応を誘発するために積極的にこれらを使用することができ、撮像技術によって評価される。画像記録でTNTを見出し、特徴づけるための自動化または半自動自動化された手順は、このように、TNT研究を促進するための重要なツールである。TNTを顕微鏡画像中で見出すための我々のアプローチは、細胞および背景の中での画像の二項分類に基づく。一度これが確立されるならば、我々はTNTが一つの細胞からもう一つまで交差する特性を使用することができる。顕微鏡画像中での細胞の検出と分類は研究の大部分であり、生医学的な撮像の範囲内で相対的な長い歴史をもつ(例えば、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7)。場合によっては、臨床および研究使用のために細胞の特徴づけおよび細胞計数(counting)のための市販の利用できるソフトウェアパッケージがある(例えば、非特許文献8)。
【0023】
しかしながら、これらの細胞検出パッケージが非常に専門化され、試料作成によって決まり、撮像方法と同様に区分化しそして染色すること、空間的分解能および我々が処理している細胞およびアーチファクト(artefact)の種類を覚えておくことは重要である。Wahlby et al. in Analytical Cellular Pathology 2002,24:101-111は、二倍の閾値で分水界分割法を使用することによって89%と97%の間の正確な分類を得て、蛍光顕微鏡検査画像中でCHO-細胞を検出した。彼らは、小さい対象を隣接対象と合併させ、どの対象を合併させるかを決定するために対象の統合されたピクセル強度を使用することにより、オーバーセグメンテーション(over-segmentation)に直面した。小さい対象は、それから、境界に接している最も高い合計強度を有する隣接のものと合併された。対象に関連した特徴ベクトル間のマハラノビス距離を計算することによって、彼らは細胞、背景およびアーチファクトに分類するための良質の基準を得た。アンダーセグメント(under-segmented)された対象の分裂のために、彼らは凹面の位置を見つけるために凸包を使用し、細胞が凹面のような形状を有すると仮定した。
【0024】
ヤン(Yang)およびチャン(Jiang) (非特許文献9)は、カーネル(kernel)に基づく動的クラスタリング(clustering)と楕円細胞モデルを使用し、分割のための方法を提案した。彼らは勾配画像を計算し、おそらく細胞境界に属しているポイントを得た。ガウス分布に基づくカーネル(Gaussian based kernel)は各々の一群の領域に対し明確に表され、そして各々の画像点が明確なクラスタに属するか否かの確率に向けられた。これらの確率に基づく遺伝的アルゴリズム(algorithm)は、勾配画像から楕円細胞モデルまでの領域を一致させるのに使用された。このモデルは細胞が頻繁に楕円形を有するという事実から利益を得る、しかし、それは必ずしも真実ではない。さらに、閉塞は必ずしもよく取り扱われない。
【0025】
モウロウツ(Mouroutis)他(非特許文献10)は、コンパクトハフ(compact Hough)変換(CHT)を使用して、細胞核の可能な位置を見出す方法を提案した。それらのCHTは細胞が凸状に成形されると仮定し、そのため、細胞のすべての境界点が核重心から最大と最小距離の範囲内に位置する。凸面の仮定に続いて、彼らは核が境界線の接線によって定義された半平面の1つの範囲内に位置すると仮定する。尤度(likelihood)の最大化は、CHTと組み合わせて使用され、可能な核境界を見出した。彼らは、染色された組織切片を使用している光学顕微鏡画像についての良い結果を報告する。彼らは、細胞が分割している場合でさえ、励みになる結果と主張する。しかしながら、誤分類についての割合は、示されなかった。
【0026】
ガリッド(Garrido)とデラブランコ(de la Blanco)(非特許文献11)は、変形可能なテンプレートを使用し、相当のノイズ(noise)状況の下で細胞を識別した。彼らは、円形のような形状をラフに検出するのに使用された不確定の相対的に大きな領域に、一般化されたハフ変換(GHT)を適用した。より正確に細胞境界に適合するためにグレンダー(Grenader)変形可能なテンプレートモデル(template model)を入力するように、これらの楕円構造がその後使用された。
【0027】
TNT検出そのものは、細胞検出のために使用されるそれらより異なるアプローチのかなりの量を必要とする。自動化されたTNT検出は以前は報告されなく、そして、類似した特性に関連のある検出問題は、したがって、以下に論じられる。これらの問題は直線部分の検出を取り扱い、部分的にエッジ検出器とハフ変換を使用する。ナス(Nath)とデポナ(Depona)[MATLAB 2004]はキャニー(Canny)のエッジ検出器を利用し、DNAタンパク質のエッジを見出し、タンパク質を囲んでいる正確で接続された曲線の識別のために、その後アクティブな輪郭モデル、スネーク(snake)が続く。しかしながら、多数のものの存在でさえ、スネークモデルは1つのDNAタンパク質を検出することができるだけであり、そして、最初にスネークを取り除くことをユーザーに任せた。
【0028】
ニエミソト(Niemisto)他(非特許文献12)は、画像分析法を使用し、促進および抑制病因によって影響された血管形成を定量化した。彼らの方法は細管複合体の接合部の長さと数を与え、閾値化を適用し、そして細くして細い血管を検出した。
【0029】
全く別の分野から、高解像度衛星画像の中のブリッジ(bridge)の自動化された検出は、TNT検出の我々のタスクに著しく類似した問題である。ロメニー(Lomenie)他(非特許文献13)は、偽陽性(約5%)の低い率、彼らのアルゴリズムについての低い成功率(およそ40%)も報告した。彼らは、組織的なおよび幾何学的なアプローチの両方を探求した。組織的なアプローチは、各々のピクセルをニューラルネットワーク(neural network)を使用している範囲の種類に分類するのに使用された、そして、その後、彼らは選択規則を画像に適用した。彼らの幾何学的なアプローチは、ブリッジの対象として、エッジフィルタリング(edge filtering)と平行した隣接部分の探索に基づいた。同じ問題のために、ジェング(Jeong)とタカギ(非特許文献14)は、プルウィット(Prewitt)フィルタとハフ(Hough)変換を使用し、直線として現れるブリッジ構造を検出した。
【0030】
分水界分割、ハフ変換およびエッジ検出器のような上述の以前の研究からのいくつかの考えは、TNT検出と定量化のタスクに適用された。しかしながら、TNTのように極度に細い構築を自動的に見出すことは、細胞境界に加えて、細胞内部が蛍光マーカーで標識化されなければならなかったという非常に大きな挑戦である。この細胞マーカーは第2の画像チャネルを創造し、明るい領域として細胞および暗い領域として背景に印を付けた。細胞マーカー自体は、各々の細胞と他の細胞を区別するための十分な情報を提供しない、しかし、それは細胞と背景を区別することができる。本明細書に示される処理工程は、各々のTNTが細胞のどの一組を接続しているかを識別可能にするために開発される。我々が設計した処理工程の連鎖は、デジタル(digital)フィルタリング(リチャードソン-ルーシー(Richardson-Lucy)解析によるぼやけの修正を含む)、エッジ検出(キャニーのエッジ検出器)および数学的な形態学(分水界分割を含む)から一般的な方法を組み込む。異なる工程の全てのアルゴリズムは、3D画像のために実施され、完全に3Dに基づく実施を使用するかまたは専門の投影によって役立ち、3D情報を2D画像に取り入れる。
【0031】
TNT検出と定量化の現在のタスクのために、我々は上述の以前の研究からいくつかの考えを使用しようとした、しかし、自動的にTNTのようなもろくて細い構造を見出すことは、我々がさらに生物学的細胞マーカーを追求することに決めた大きな挑戦である。背景がより暗い間、この細胞トラッカーは、明るい領域として別々のチャネル中で細胞に目印を付ける。しかしながら、細胞を互いに区別するとき、細胞トラッカーは我々に十分な情報を提供することがでない。本論文に示される処理工程は開発され、画像中でTNTを検出することを可能にする。
【0032】
さらに、プログラムは、各々の画像だけのためにTNTがどの細胞を接続しているかについて同定する。それ故に、我々は、生物学的細胞トラッカーを上述のいくつかの画像処理技術と組み合わせることに決定し、TNTと細胞の両方を特徴づける。我々は、デジタルフィルタリング(例えばリチャードソン−ルーシー解析によるぼやけの修正)、エッジ検出(例えばキャニーのエッジ検出器)、リッジ強化と数学的な形態学(例えば分水界分割)から一般的な方法を組み入れる処理工程の連鎖を設計した。異なる工程でのすべてのアルゴリズムは、3−D処理のために実行される。我々の自動化された方法は手動分割(「グラウンドトゥルース(ground truth)」として取られる)と比較され、合計40の3−Dデータセットに適用された。ホールドアウト(hold-out)方法を使用して、性能評価のために使用されるデータからモデル選択(トレーニングとパラメータ評価)のために使用されるデータを切り離して、我々は、平均して、75%またリッジを強化する湾曲フィルタにより90%を超える成功率を得た。リッジ強化は、画像に適用され得り、そして、その後続いて適応可能な閾値化をする。研究利用のために、TNTヒストリーのこの初期段階において、我々はこれが許容できるとわかり、そして、手動TNT計数を使用することの費用、時間の消費および観測者のばらつきが考慮される。
【非特許文献1】Onfelt et al., J. Immunol. 2004, 173, 1511-1513
【非特許文献2】Watkins et al., Immunity 2005, 23, 309-18
【非特許文献3】Baluska F et al., Gerdes HH & Rustom A, Landes Bioscience 2005
【非特許文献4】Lynn M. et al., Elsevier, Science direct 2004, 16, 500
【非特許文献5】Wu K et al, IEEE Transactions on Biomedical Engineering 1995, 42:1-12
【非特許文献6】Nattkemper TW et al., Comput Biol Med. 2003, 33:31
【非特許文献7】Bengtsson E. et al., Pattern Recognition and Image Analysis 2004, 14:157-167
【非特許文献8】A. E. Carpenter and T. Ray Jones, "The cellprofiler, cell image analysis software project." [Online]. Available: www.cellprofiler.org
【非特許文献9】Journal of Biomedical Informatics 2001, 34:67-73
【非特許文献10】Bioimaging 1998、6(2):79-91
【非特許文献11】Pattern Recognition 2000、33:821
【非特許文献12】IEEE Transactions on Medical Imaging 2005, 24(4): 549-553
【非特許文献13】Proc of the 2003 International Geosciences and Remote Sensing Symposium IGARSS 2003
【非特許文献14】Proceedings of the 23rd Asian Conference on Remote Sensing, Kathmoandu 2002; (172)
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
培養されたPC12細胞は、TNTのネットワークを形成する3Dの対象である。プレート化された細胞の分布に起因して、TNTは主にxy画像平面中に増殖する。しかしながら、それらは時々傾いており、TNT検出のための3Dツールを必要とする。我々のアルゴリズムは、3Dから2Dまで投影を適用することにより、これらのTNTsの特性を利用する。
【0034】
TNTが組織で存在するならば、残されて示され、それらの直線の外観は、密度の高い細胞外マトリクスに起因して、曲げられた構造に変わることができた。さらに、1つはTNTを期待することができ、全ての空間方向に均一に広がる。したがって、組織見本に対して、回転不変アプローチ(rotationally invariant approach)は、TNTを検出するのに必要である。
【0035】
我々は、背景領域に発生する全ての重要なエッジに対する画像を調査することにより、TNTの検出の問題に近づいた。その後、我々は、それらの位置を見つけるため、またエッジ検出から現れる誤った対象の除去のために、TNTのいくつかの特性を使用した。TNTは、背景に交差しているひとつの細胞から他の細胞までのチューブのような構造であり、明瞭な同定のために使用することができる特性である。
【0036】
アルゴリズムの厳しさは、高精度をもつ細胞および背景内でセグメント化(segmented)された領域を分類するためのその能力にとても依存し、そして我々は生体細胞トラッカーを使用しこれを成し遂げた。プレート化されたPC12細胞に対して、我々は、TNTが細胞間構造であるので、背景領域に発生する全ての重要なエッジに対する画像を調査した。
【0037】
最初の前処理工程として、焦点面画像がぼやけたようなガウス分布と仮定して、リチャードソン−ルーシー(R−L)の解析[Carasso AS, SIAM J Numer Anal 1999;36(6): 1659-1689 (electronic)]を使用するぼやけの修正は遂行された。この反復画像再生アルゴリズムは、ポアソン統計の下の最初の入力画像の例である結果の画像の尤度を最大にすることに基づいている。全ての実験において、R−Lアルゴリズムは、5×5ピクセルサイズのガウスの点広がり関数(PSF)および標準偏差5が供給された。
【0038】
我々のアルゴリズムの制御流れの概要は、最初の画像再構成工程(R−L解析)を除いて、以下に与えられる(図2におけるアルゴリズムのフロースキーム(flow scheme)を参照)。本質的に、キャニーのエッジ検出方法は、最初の画像チャネルにおける重要なエッジを見出すのに使われる。これらの領域の内部に見出された全てのエッジは細胞に属し、TNTとして除外され得る。
【0039】
残りのものは、深さ投射の2−D分水界分割のための入力として使用され、エッジの頂点を正確に見出す。細胞は、フラッドフィリング(flood filling)を使用して、最初の画像チャネルに印を付けられる。その結果として、細胞の境界は、3D分水界分割を使用して検出される。すべてのエッジが幅1ピクセルで、閉じた輪郭を形成するように、分水界画像(watershed image)において誤りを訂正する。見出されたエッジおよび細胞は、全ての細胞の境界および可能性のあるTNTを表示する単一画像と合体される。
【0040】
その後、TNTについての対象である構造は選択され、すなわちTNTが背景に交差しなければならない特徴に基づく。これはさらにTNTに対する対象の数を減らすことにより、正確にひとつの細胞から他の細胞までのそれらの交差を保持することにより引き続き行われる。
【0041】
さらなる工程において、TNTに対する対象の数は、それらの直線を保持し、残りを拒絶することにより減らされる。この段階で、我々は、各々の対象の強さがそれに近いピクセルの強さより極めて高いことを確実にした。TNTの自動検出のためのこのアルゴリズムのフロースキームに関して、図2も同様に参照のこと。本質的に、細胞トラッカーチャネルは我々に細胞分布および背景に関する情報を提供した。従って、我々はこのチャネルから細胞の内部および外部にマークを付けた最小画像を得た。
【0042】
分水界アルゴリズム(watershed algorithm)についての入力として最終的な最小画像を作り出すために形態的な閉鎖の後、エッジ検出により作り出された各々の接続に対する最大画像は、この最小画像に投影された。TNTは頻繁に複数の平面に交差しているとして、我々は分水界分割に対するオリジナル画像(original image)の全体画像(sum image)を使用した。
【0043】
再び、3−Dの情報は2−Dの空間に投影され、TNTが直ちにそれらの全長を超えた2−D投影で見えたときに、問題がいくつかの平面に交差しているTNTにより最小限にされた。さらに、TNTの可視を保持しながら限られた数の平面に及んでいるとき、全体画像は結果としてノイズの除去をもたらした。それが再びTNTを不可視性になるまでぼやけさせるから、総計画像はしかしながら、全体画像のスタックの中で全ての平面に適用され得ない。3−Dから2−Dまでの全ての投影は、同じ範囲に使用するべきである。
【0044】
分水界分割はその後、アルゴリズムのためのシーディングポイント(seeding point)として最小画像を使用する投影された全体画像に適用された。分水界分割は、一度に各自の接続を遂行され、お互いに異なった接続結合を回避する。もし結合がおこったならば、エッジ検出により見いだされたいくつかの接続は、望ましくなく取り除かれた。その後、強い基準は、エッジ検出およびそれに続く分水界分割により見出されたTNTの対象に適用されるため、各自の接続はTNTか否かに分類される。
【0045】
細胞の分水界分割に対して、細胞画像は、高強度のエッジにより分離された重要な領域に分割される。画像の領域最小値の近くの分水界変換群(watershed transformation group)の画像ピクセルおよび隣接基の境界線は、正確に勾配画像の波頂線に沿って位置する。分水界は自然な最小をもつ画像に最も適している。しかしながら、ノイズおよび小さい凹凸が原因で、グレースケール(grayscale)画像fに流域変形の直接利用は、しばしばオーバーセグメンテーションをもたらす。
【0046】
許容領域の数を制限するために、我々はfを与えるためのフラッディング(flooding)工程を制御するための前処理工程を組み込んだ。マーカー画像は、関心対象の内部に接続された構成要素の一組の内部マーカーを有し、その領域の一定の平均値に割り当てられる。その結果は、マーカー画像に大きく依存している。我々のfmを取得すれために、我々は、画像境界に接続されていないfにおける全ての最小値を満たした。これらの接続された、関心の対象内部の一定値の領域は、fm画像のゼロ勾配により追い込まれた(denned)。
【0047】
最小限のマーカー画像を使用して、我々は、オーバーセグメンテーションの許容程度で、分水界変換(watershed transformation)を成し遂げ、細胞境界を表していなかったいくつかの好ましくない不規則なエッジだけを含む。この分水界分割からの各々に接続された領域は、分水界領域(watershed region)と呼ばれて、その後細胞と背景に分類される。
【0048】
TNT交差背景は、エッジ検出から処理されたTNT対象のための重要な除外基準である。我々は、それ故に、接続された分水界領域を細胞か画像背景の一部に分類した。第2の画像チャネル、細胞トラッカーチャネルから、我々は画像が細胞の一部であるか否かのデータを得た。得られたグレースケール画像は、それからいくつかの処理工程によって2値マスクに変えられた。細胞トラッカーチャネル上でノイズの減少とキャニーのエッジ検出の後、高い強度領域を囲んでいる閉じた輪郭は満たされ、そして、2値細胞画像は細胞が白でそして背景が黒で創造された。
【0049】
細胞トラッカーチャネルは、しかしながら、細胞境界の正確な投図を可能としないが、背景に隣接して境界に目印を付け得る。我々はTNTがどの細胞の間で交差しているか知らなかったので、我々はすべての分水界領域の詳細な分類をした。分水界領域の分類は、直接的である。各々の領域は2値細胞画像の上に置かれ、そして、それが背景分類されたピクセルより多くの細胞分類されたピクセルを覆っているならば、領域は細胞として分類される。分水界領域の間違った分類は、まれである。さらなる工程は、背景に交差しているエッジの局在化である。我々がTNTをそこで見出すと予期できた時から、我々は背景に交差しているすべてのエッジを抜き出した。
【0050】
細胞領域の形態的な拡張は、TNT対象を与えた。TNTは、一つの細胞からもう一つまで背景に交差している直線として現れる。我々は、TNTが正確に2つの細胞の間で広がらなければならない設定によって、この特性を利用した。TNT対象の拡張は、対象が隣接する細胞であった場合には、周囲の細胞によるいくつかの共通部分をもたらした。これらの拡大によって覆われる細胞の数を数えることによって、TNT対象が正確に2つの細胞の間で交差しているかどうかは、決定され得る。拡張は、指定された最大閾値まで繰り返し遂行された。さらに、我々は各々のTNT対象におけるすべての点の間の最大オイラー(Eulerian)距離を計算した。骨組みを作られた接続においてその距離をピクセルの数と比較して、我々は、閾値技術に基づいて、TNT対象がおおよそ直線であるかどうか決定できた。いくつかのTNTがファンのような形状に1つの点から始まっているという場合によっては、この構造が単一構造として解釈されるならば、テストは失敗し得る。我々は、その後、すべてのTNT対象がより高いグレースケール値を有するかどうか調査した。
【0051】
TNTは、広範囲な感覚における穏やかなグレースケール値によって特徴づけられ、しかし、局所的に、それらの強度値は、周囲と比較してTNT上で極めて適切である。TNT対象の2つのほとんど等しい拡張の画像強度の引き算は、近傍を定義する。各々のTNT対象上でのグレースケール強度は、その近傍の強度と比較される。重要でない違いは、偽陽性TNTとしてTNT対象の除去を意味する。場合によっては、人工的な対象は、全ての先行試験(preceding test)、TNTであるには実質的にあまりに小さい対象を経験し、少しのピクセルだけを覆う。これらは、対象における点の間の最大距離についての単一の閾値を使用して取り除かれ、それらはいずれにしても、正しいTNT評価を受けるにはあまりに短い。
【0052】
本論文のすべてのアルゴリズムと統計的評価は、MATLAB 7.0.1により実行され、Linuxを作動している64ビットのAMDプロセッサー2.2GHzで実行された。平均的処理は、およそ20分3Dスタックに対して取った。MATLABは、組み込み画像処理機能のその広いライブラリーが原因で、実施のために選択された。おそらくコンパイル(compiled)されたコードと同じ命令で、我々のアルゴリズムのコードは広範囲にベクトル化(vectorized)され、計算速度を得た。以下において、各処理工程からの詳細は記述される。図1(a-b)のデータに関して、各々の工程からの結果は、図解される。
【実施例】
【0053】
A.顕微鏡画像の準備
全ての画像解析は、生きているラットの神経内分泌細胞株PC12から単層細胞に適用された(ラットのクロム親和性細胞腫(rat pheochromocytoma cells)、クローン251(clone 251)、ギフトオブアール.ホイマン(gift of R. Heumann))。この細胞系は、最初1976年にグリーン(Greene)およびティシュラー(Tischler)[PNAS USA 1976;73:2424- 2428]によって移植ラットの副腎のクロム親和性細胞腫から生成された。それは単細胞クローン系であり、小さい塊を形成する単層を培養する。PC12細胞は、分泌、細胞培養の中の神経様細胞の研究に対して共通の便利なモデルシステムに相当する。
【0054】
対照研究に対して、NRK細胞(正常なラットの腎臓、Mrs. M. Freshney, Glasgow, UK)が使用された。PC12およびNRK細胞は、10%のウシ胎仔血清および5%のウマ血清が補充されたDMEMで培養された。高解像度蛍光顕微鏡検査と光学顕微鏡分析のために、PC12細胞はLabTek(登録商標)の4つのくぼみのあるチャンバー化したカバーガラスでプレート化された(Nalge Nunc Int., Wiesbaden, Germany)。プレート化後2時間、細胞は2つの染料で染色された。実験に関して、細胞の大きさおよび形態学についてチミジン(thymidine)の影響が研究され、PC12細胞はLabTek(登録商標)の4つのくぼみのあるチャンバー化したカバーガラスでプレート化された。プレート化後24時間、4mMチミジン(シグマ)を含む未使用培養培地は細胞に追加された。
【0055】
条件制御の中で、チミジンなしで未使用培養培地は使用された。24時間後に細胞は、予め温められた未使用培養培地により一度洗浄され、さらにチミジンなしの培養培地内で培養された。培地を交換後24時間、細胞の表面は、細胞単層を小麦胚芽レクチン(WGA)が複合された染料で染色し、そして3D蛍光顕微鏡検査法を遂行することにより明らかにされた。
【0056】
特定的に細胞境界を表示するために、細胞は、アレクサフルオロ(登録商標)(Alexa Fluor(登録商標))488あるいはアレクサフルオロ(登録商標)(Alexa Fluor(登録商標))594で結合された小麦胚芽レクチン(WGA)で染色された。WGA− アレクサフルオロ(登録商標)594はN−アセチルグルコサミンのようなグリコーゲンフゲート(glycogenfugate)を拘束するレクチンであり、従って生体膜を効果的に染色する。
【0057】
セルトラッカー(CellTracker(登録商標))(CellTracker(登録商標), Molecular Probes Inc., Eugene, OR, USA)は、細胞膜を自由に通り抜ける。しかし、一度細胞の中で、それは細胞非透過性の反応性生物に変わり、数世代を経て生体細胞中で保持される。細胞質が染色する間、セルトラッカーブルーソリューション(CellTracker(登録商標)Blue Solution)(20μM終末濃度)は直接、約80%融合する15cmの培養皿の培地に追加される。
【0058】
その後細胞は、適当な希釈でLabTek(登録商標)の室(LabTek(登録商標) chamber)の4つのくぼみのカバーガラスに移され、そして3時間の間37℃および10%のCO2で培養された。原形質膜およびTNT染色のために、WGA複合体(1mg/ml)は、顕微鏡検査の前に直接培地(1/300)に加えられた。
【0059】
高解像度、明視野蛍光顕微鏡検査は、100xの油浸対象、モノクロメータに基づく照明装置(T.I.L.L. Photonics GmbH, Martinsried, Germany)、トリプルバンドフィルタセット(tripleband filtersets)DAPI / FITC / TRITC F61-020(AHF Analysetechnik AG, Tubingen, Germany)およびピエゾZ−ステッパ(piezo z-steppers) (Physik lnstrumente GmbH & Co., Karlsruhe, Germany)を備えているオリンパス(Olympus) IX 70顕微鏡(Olympus Optical Co. Europa GmbH, Hamburg)またはツァィス アキシオヴェルト(Zeiss Axiovert)200M(Bergman AS, Lillestrom, Norway)の両方により遂行された。
【0060】
画像装置は、37±Cの加熱制御機器および5%のCO2の供給(Live Imaging Services, Olten, Switzerland)を備えていた。共焦点顕微鏡検査は、ツァィスアキシオヴェルト(Zeiss Axiovert) 200の顕微鏡にインストールされた回転円板撮像装置(Perkin Elmer UltraView RS Live Cell Imager)か、速い画像収集のための共鳴スキャナを使用するライカ(Leica)TCS SP5共焦点顕微鏡(Tamro, Oslo, Norway)により遂行された。
【0061】
画像記録は、アレクサフルオロ(登録商標)(AlexaFluor(登録商標))488−またはアレクサフルオロ(登録商標)594−WGAの複合体により488または555nmの励起波長で遂行された。
【0062】
広視野および共焦点画像の装置の両方により、WGA染色した細胞は、全体細胞容積にわたるz-方向でお互い離れて、300から400nmまでの単一焦点面を取得することにより3Dで分析された。広視野の装置を獲得された画像は、最初、TILLvislONソフトウェア(T.I.L.L. Photonics GmbH, Martinsried, Germany)で統合されたオートスケールマクロ(autoscale macro)を使用するグレースケール画像に変換され、16ビットのTIFF画像、134nm×134nmまたは129nm×129nmのピクセルサイズおよび520×688の画像寸法、として保存された。回転円板で共焦点画像は、512×672の16ビットのTIFF画像、201×201μmの拡張を有する各々のピクセルを結果として生じた。ライカSP5装置を取得された3Dスタックからの単一像は、4512×512および283.22nm×283.22nmのピクセル寸法の解像度をもつ8ビットのグレースケールtif画像としてエクスポートされた。
【0063】
二重のチャネル画像記録は、遂行され、第1のチャネルが555nmの波長でWGAアレクサフルオロ(登録商標)を記録し、第2のチャネルが400nmの波長でセルトラッカー(登録商標)のブルーシグナル(Blue signal)を記録する。各々のチャネルに関して、40平面は取得され、TILLvislONの解析拡張を使用し、そして520×688×40の寸法であるグレースケールの符号のない整数の16ビット画像のスタックをもたらすことにより処理された。各々のピクセルは、134nm×134nmの拡張を有し、69.68μm×92.19μmの全体画像範囲を合計し、そして焦点面間の間隔は300nmであった。
【0064】
B.入力データおよびTNTの分割手順における処理工程
データタイプを図解するために、別々の3−D画像スタックに属する4つの代表的な二重チャネル画像の選択は図1(a−h)に示される。これらの画像の左の列における細胞境界として、ノイズ、一様でない照明および同程度の強度の細胞内粒子の存在に注意する。
【0065】
明確に認識できるTNTは、矢印で印を付けられる。これらの画像は、与えられた焦点面から第1および第2の画像チャネル表し、拡大され細部を表示する。実際上の理由から、各々の画像スタックから単に一つの単一面は示される。
【0066】
左の列は、第1の画像チャネルを示し、そして右の列は、明るい領域として細胞を表示する、対応する第2の画像チャネルを示す。
【0067】
第2の画像チャネルは、ハイコントラスト(high contrast)の所で背景から細胞を分割するのに使用された。細胞の範囲で検出されたTNTの対象を除去することが許可される。図1の画像から明らかなように、TNTはとても薄く、長く伸ばされた構造で、一つの細胞と他の細胞とを接続するほぼ直線のように見える。代表的に、蛍光画像に見られるTNTの幅は、撮像された細胞壁の厚さの3分の1に相当する。TNTは細胞壁よりも顕著に暗い階調レベル有し、そして、それらの階調レベルおよびノイズ特性は、3−Dにおける拡張に沿ってほんのわずかに変化する。それらは、原形質膜との継ぎ目のない連結がある端点を除く、暗い細胞間領域により囲まれる。しかしながら、画像の記録は、適度なノイズにより妨げられ、細部がぼやけ、また図1(g)のように、TNTお互いにとても近くに位置している場合がある。
【0068】
まれなケースにおいて、熟練者の目によってでさえ、構造がTNTであるか否かを決定するのが難しい。結果として、自動TNT検出は、魅力的な画像分析課題である。培養されたPC12細胞は、TNTのネットワークを形成する3D対象である。プレート化された細胞の分布に起因して、TNTは、主にxy画像平面に広がっている。
【0069】
しかしながら、それらは時々TNTの検出のための3Dツールを必要とする傾向がある。我々のアルゴリズムは、3Dから2Dまで投影を適用することにより、これらのTNTの特性をうまく利用する。TNTが組織で存在するならば、残されて示され、それらの直線の外観は、密度の高い細胞外基質に起因して、曲げられた構造に変わることができた。さらに、1つはTNTが全ての空間方向に均一に広がることを期待することができた。したがって、組織見本において、回転不変アプローチは、TNTを検出するのに必要である。プレート化されたPC12細胞に関して、TNTが細胞内構造であるので、我々は背景領域に発生する全ての重要なエッジについての画像を調査することにより検出の問題に取り組むことを選択する。
【0070】
第1の前処理工程として、焦点面画像がぼやけたようなガウス分布と仮定して、リチャードソン−ルーシー(R−L)解析[Carasso AS, SIAM J Numer Anal 1999;36(6): 1659-1689 (electronic)]を使用するぼやけの修正は遂行された。
【0071】
全ての実験において、R−Lアルゴリズムは、5×5ピクセルサイズのガウスの点広がり関数(PSF)および標準偏差5が供給された。最初の画像再構成工程(R−L解析)を省略する我々のアルゴリズムの制御フローの概要は図2で与えられる。以下に、各々の処理工程から詳細が記載される。それらが図1(a−b)のデータを適用するとき、各々の工程からの結果が図解される。
【0072】
C.各々の処理工程の詳細
C1.細胞および背景の分類
細胞マーカーチャネルは、細胞または背景の中の各々のピクセルの2値分類に利用された。図3(a)に見られるように、体細胞は、細胞マーカーチャネルに高強度領域のように見える。単純な境界に細胞の分割を適用することは、ノイズおよび不均一な照明に起因して適さない。細胞の境界線はエッジ検出に使用する良い特性である。それ故に、キャニーのエッジ検出は、細胞と背景の間の境界に印を付けるのに使われ、また閉領域は形態的な充填物を使用して満たされた。これらの手段により、「細胞内」と「細胞外」領域への分割が得られ、細胞は白として、また背景は黒として表示される。図3(a)に適用されたこの処理工程の結果は、図3(b)に示される。
【0073】
C2.TNTの検出および同定
TNTは、基質の上の一定平面で発生する構造であり、それらはいつもPC12細胞からの3D画像の最上平面では見出されない。従って、アルゴリズムは、スタックの中心の30平面単独に適用され、各々のスタックにおいて上位5および下位5平面を捨てて、計算時間を制限し、偽陽性のTNT対象の数を減らす。言い換えれば、たとえ画像スタックが40平面を有していても、全ての計算は画像スタックの30平面に基づいており、平面5から平面35まで及ぶ。この決定は、TNTが基質の上に一定平面で発生する両方の構造であるので、正当化され、実験的にPC12細胞のスタックの最上面で見られないのと同様である。
【0074】
各々の処理工程で、表示の目的のため、我々は最も興味深い平面を描くだけである。TNTは、細胞境界と比較して適度なグレースケール値をもつ構造である。したがって、分割アルゴリズムに基づく強度を完全に使用するTNTに対する調査およびふるい分けは失敗である。
【0075】
しかしながら、それらは、それらの指示方向に相対的に高い勾配基準(gradient normal)で薄く、そして細長く、そして、それ故に、キャニーのエッジ検出はチャネル1に適用され、したがって、重要なエッジを強調する。図4(a)に例示されたこの処理は、図4(b)に示される。エッジ検出により作成されたエッジ画像の最小要素の除去は、オリジナル画像における自然のエッジから生じる構造に対する多数の誤ったTNTの提案をまだ残した。それらが正当な評価に対するサイズ制限より下であったので、最小のエッジ要素は、境界によって取り除かれた。
【0076】
エッジを取り除く第1の工程のように、細胞内部の全てのエッジは取り除かれ、また細胞の外部で結合した要素は、一次近似(first order neighborhood)を使用して個別に標識化された。各々の2D画像内の要素に対する3D情報を保有するために、最大値投影法(MIP)が適用された。要するに、fが第1のチャネルの3D画像と仮定する。
【0077】
MIPは、z方向に沿って最大強度値を得る2D画像内のfmとfnの間に画像平面を位置づける。最大値投影は、エッジ画像で各々の結合した要素が計算され、要素は平面mからnまで及ぶ。したがって、MIPは限られた数の平面に制限された。各々についての最大値投影pmax(f,r1,r2)は、2D平面上で計算され、そして投影される。それ故に、この投影pmaX(f,r1,r2)は、2−D平面上での3−D画像fの最大投影である。pmax(f,r1,r2):R3→R2投影で使用された3−D画像が平面r1からr2までに及ぶ。範囲(r2r1)は、通常全体画像スタックの合計画像サイズより少ない。各々の結合した要素についての最大画像を計算する処理において、我々は、この接続が継続されて接続されている平面だけ使用した。
したがって、我々は、この特定の1つに接続されていないもう一方の接続からアーチファクトを避けた。分水界分割が、場合によってTNT対象を位置付けるのに失敗しないなら、さらにオリジナル画像は、これらの計算に関してxy方向で減らされる。図5(b)は、図4(b)において矢印により指し示される要素の最大投影を描写する。図5(b)に相当する画像領域は図5(a)に示される。
【0078】
細胞領域(図3(b)参照)および侵食された背景領域は、一つの単一画像中に追加された。これは細胞の内部および外部に印を付ける2値画像を創造し、細胞境界を除く。図5(b)の投影構造は、この2値画像から減じられ、また形態的な開口は遂行され、可能な場合には一つの細胞から他の細胞まで経路を広げる。これは最後のマーカー画像を創造し、エッジ画像における各々の結合した要素に対する分水界分割(Gonzalez RC et al., in Digital Image Processing. Addison-Wesley Publishing Company; 1992; Soille P. in Morphological Image Analysis: Principles and Applications. Berlin: Springer- Verlag; 1999; Vincent L et al, IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 1991 ;13(6):583-598)に対して初期化として使用された。
【0079】
分水界分割は用いられて、高強度なエッジの波頂線の位置を示した。図5(b)における構造に対応する最小マーカー画像は、図6(b)に示され、最小初期化領域が白に標識化される。さらに、関心構造に近い画像領域だけがさらなる計算に使用され、計算時間を節約し、分水界アルゴリズムの正確さを増加させる。
分水界分割は、関心エッジ構造に十分に近い最小マーカー領域の境界線を必要とした。もしそうでないならば、分水界分割は、小さい関心の他のリッジをしばしば検出し、まだ強いエッジ情報を含む。TNTは頻繁にいくつかの平面に交差している。したがって、平面mからnまでの全体画像は分水界分割を入力するとして使用された。第1チャネルの3D画像をfとする。m≦nと仮定し、画像スタックからの平面iをfi,i=m,...,nとする。全体投影psum(f;m,n)は定義される。
【0080】
【数1】
【0081】
この投影はz方向に沿って最大強度値を得る2D画像内のfmとfnの間に画像平面を位置づける。その結果として、頻繁にいくつかの平面を交差しているTNTの問題は、TNTが2D投影の内部のそれらの全体ですぐに見ることができたとして最小限にされた。さらに、互いに近い複数の画像平面を加えるとき、ノイズがガウス分布および独立に近いと仮定される(解析の影響が無視されるとき)ので、確率的ノイズ抑制は得られた。
【0082】
3Dスタックにおける全ての画像平面を合計することは、2D投影を過度にぼやけさせ、同時にTNTをぼやけさせる。それ故に、3Dから2Dまでの投影は、エッジ検出により見出された流れ構造であるとして同じ範囲に制限され、その結果、調べられたエッジ特性を強化する。
【0083】
倍率が手近な分水界分割に影響を与えないので、(1)の正常化は可能であるが必要ではない。分水界分割は、アルゴリズムの初期化のように図6(b)における最小画像を使用する図6(a)における投影された全体画像に適用された。創造された分水界は、図7において検出され、関心構造のリッジを標識化する。分水界分割は、互いに、またエッジ画像におけるエッジ構造ごとに繰り返された。閉鎖構造の場合は、情報が形態的な開口から失ったので、同時に全ての接続に対して分水界分割を遂行し得なかった。
【0084】
C3.各々の細胞の分水界分割
セクションC1において、細胞および背景により覆われた画像領域は第2画像チャネルから得られた。
【0085】
しかしながら、この分割は、関連した細胞の細胞と細胞の境界についての不十分な情報を提供し、細胞と背景境界の輪郭を描くだけである(図3(a)参照)。それ故に、TNTがどの一組の細胞間で交差しているかを決定することができるアルゴリズムを得るために、明確な細胞ごとの分割はさらに要求された。高強度の細胞壁により分離された意味のある領域(meaningful regions)中の第1画像チャネル(図8(a))を分割するために、分水界変換が使用された。
【0086】
方法は文献(Vincent L et al, IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 1991 ;13(6):583-598; Lin Umesh GA et al., Cytometry, Part A 2003; 56A(1): 23-26; Adiga PSU, Microscopy Research and Technique 2003;54(4):260-270)にはっきりと記載されており、そして最大の意見の相違は、分水界アルゴリズムを初期化するために適切な最小値を創造する問題から生じる。グレースケール画像fへの分水界変換の直接の適用は、ノイズと画像の不規則が原因で厳しいオーバーセグメンテーションをもたらす。マーカー画像を得るために画像境界に接続されていないfにおける全ての最小値は満たされた。
【0087】
これは、MATLABの画像プロセスツールボックス(Processing Toolbox)において実施されたときに、腐食[Vincent L., IEEE Transactions on Image Processing 1993;2:176-201]による形態的な再構成を使用するf([23, pp.173-174])における穴を満たすことにより遂行された。そのような2値化されたマーカー画像の1つの例は、図8(b)に示され、図8(a)における画像fとして創造された。
【0088】
背景を表すマーカーは、セクションC1において計算された細胞範囲の補集合を使用して証明され、背景のために高精度マーカーを表す。最小値マーカー画像を使用するとき、ウォーターシェッド変形はある程度のオーバーセグメンテーションをもたらした。分水界分割から各々に接続された領域はウォーターシェッド領域と名付けられる。
【0089】
図9は、図8(a)からのウォーターシェッド領域の間の境界を示す。特に二つの小さい領域はオーバーセグメンテーションを表す(図9、矢印)。
【0090】
C4.細胞と背景の分類
二つの細胞に接続された特有のTNTかどうか決定するために、チャネル2の情報を使用して分水界領域は細胞または背景として分類された。各々の領域は、工程C1からの2値細胞画像(図3(b)参照)のトップに置かれ、そして、もしそれらが背景のピクセルより大きい細胞のピクセルに覆われたならば、領域は細胞として分類された。図10は図9において分水界画像の分類された領域を表す。
【0091】
C5.TNTの直線基準、細胞間の交差
TNTは、背景で一つの細胞から他の細胞に交差している構造であり、そして各々のTNT対象についてこれが正しいかどうかをチェックされる。構造は予め定義された閾値まで繰り返し拡張し、拡張により覆われた細胞の数が数えられ、TNT対象に近い細胞の数を与える。
さらに、各々のTNT対象についてハフ変換が計算された。最小ハフ変換と予め定義された閾値を比較することにより、TNT対象がほぼ直線かそうでないかが決定された。もし結合が直線でないならば、TNTとして却下された。
【0092】
C6.TNT対象の高い強度基準
TNTは、全体的な感覚で適度なグレースケール値により特徴付けられる。しかし局所的にそれらの強度値はそれらの周囲に比べて高くなる。TNT対象の二つのほとんど等しい拡張で画像強度の減算が、接続の両側で狭い近傍を定義した。これは図11に図解される。ここで、TNT対象はその後の二つの線により取り囲まれる。各々のTNT対象上のグレースケール強度は、その双方間の、狭い近傍(narrow neighborhood)の強度と比較された。わずかな差異は、偽陽性のTNTのようなTNT対象の除去を暗に意味した。場合によっては、人工的な対象は全ての前試験を受け、実質的にTNTであるには小さすぎる対象がほんのわずかなピクセルを覆っている。これらは、対象におけるポイント間の最大間隔に対する単一の閾値を使用して取り除かれ、それらはとにかく正確なTNTの評価を受けるには短すぎる。このステージで見出された仮定真実のTNTは、図12(b)に示される。
【0093】
C7.性能評価方法
我々のアルゴリズムのロバスト(robustness)を試験し、特定の画像データを全体に適合させることを避けるために、それは、数のルーチン(routine)のデザインとチューニングのために使用されない別のデータセットについてテストされた。TNTの真実の同定は手動の標識化により得られ、計算は二つの異なった観測者により遂行された。それらの一人(S. G.)、TNT生物学のエキスパートは、アルゴリズムの発展またはコンピュータビジョン(computer vision)実験に従事しなかった。
【0094】
他の人(E.H)は、自動方法の発展に関与した。疑わしい場合には、手動計数規則は大変なもので、擬似TNT対象が廃棄された。真実のTNTと見なされる接続に対して、両方の観測者によりTNTとして評価されるにちがいない。偽陽性のTNT検出は、画像特徴がプログラムによりTNTであることが分かる状態であり、しかし、観測者により、または多くても観測者の一人によりTNTとして評価されない。両方の観測者がTNTである構造を決定するとき、偽陽性のTNT検出は発生する、しかし、プログラムは失敗する。二人の評価者のアルゴリズムの数から計算されるので、この性能評価方法は、アルゴリズムについての成功のとても強い基準を課す。したがって、自動方法の成功率はとても控えめな見積もりである。
【0095】
C8.実験結果
TNTの自動検出の性能は、手動TNT同定と比較された。提供された性能評価方法を使用すること、また計数規則は以下に記載されており、自動検出は、二人の観測者により手動で数えられた67%のTNTの位置を見出すことできた。
【0096】
検出の質は、オリジナル画像におけるTNTの手動計数との比較により評価された。プログラムがTNTを見出せなかったとき、偽陰性として数えられた。プログラムが手動計数で見出されなかったTNTを見つけたとき、偽陽性として登録された。
【0097】
構造は、疑いのない場合だけTNTとして手動登録された。手動計数は、プログラムの発展に従事しない人によって行われた。偽陽性TNTは偽陰性より頻繁に発生した。しかしながら、偽陰性TNTは必ずしも実際の偽のTNTではなかった。ほとんどの場合、自動方法はTNTと似ている構造を見つけた、しかし一人または両方の観測者は、それらの計数に失敗した。
【0098】
表1は、性能評価に使用された各々の3D画像スタックにおけるTNTの数を示す。列は両方の観測者により数えられたTNT、それらの一致、自動的に正しく分類されたTNTの数、偽陰性と偽陽性、および成功率(%)を示す。
【0099】
【表1】
【0100】
表1における最後の行は、総合結果を表示する;二人の観測者のそれぞれにより数えられたTNTの合計数、その一致、自動的に正しく分類されたTNTの数、偽陰性の百分率、偽陽性の百分率および最終的な平均成功率。最終的な平均成功率は、「自動計数の一致」と「1と2の一致」との間の比率として計算された。二人の観測者間での一致として受け取られた「グラウンドトゥルース」は、いくつかの正当な理由を必要とする。TNT検出のような魅力的な、そして努力を必要とする画像処理問題において、真の解決は達成するのが難しい。今でも、訓練を受けた人の目は、恐らく判断基準を規定できる最も優れた道具である。
【0101】
現在のTNT検出実験に関して、一方通行の分散分析は、観測者1、観測者2および自動方法それぞれにより得られた全ての51スタックに交差した平均TNT計数(μ1=6.7,μ2=6.1,μa=6.3)の重要でない相違(ρ=0.24)を明らかにする。自動方法についての計数は、「自動計数の一致」と「偽陽性」に加えることにより得られた。他方では、二人の観測者は自動方法よりも互いに相互に関係があることが分かった。
【0102】
二人の観測者の観察および自動化された方法に適用されるピアソン相関係数は、自動方法と観測者それぞれ(ρ=0.42とρ=0.17)の間の無意味な相関係数と対照的に、二人の観測者間(ρ<0.0001)の重要な相関関係(α=0.05)を示した。我々の独立した観測者は高水準の一致を有するので、この発見は「グラウンドトゥルース」のような人の観測者による決定を使用して正当化する。
【0103】
不規則のために、細胞が群がる場合には、TNT検出はもっと失敗しそうである。その結果倒して、我々は、細胞が特定のパターンに成長した細胞画像を創造することを目指し[Rustom A et al., BioTechniques 2000;28:722-730]、したがって、TNTの位置を見出す生物情報科学の(bioinformatical)能力を向上させる。
まれに、極めて長いTNTが現れ、他のものは二つより多い細胞を接続し得る。TNTのこれらの特異な特性は、撮像された細胞の種類に接続されているように見える。
【0104】
我々のTNT評価実験から、細胞が近接近(close proximity)であり、または大きな不規則を示す場合には、TNT検出はより失敗しそうである。そのような代表的な不規則の例は図13に明示され、高強度の構造および糸状仮足のような構造の鋭いエッジ(図13、矢印)は細胞間を交差しており、自動検出を誤った方向に導く。
【0105】
これらのエッジの存在は、自動検出に使用されたTNT基準を満たす。デジタルデータセットは、長さのヒストグラム(histogram)、細胞ごとのTNT接続の数およびスタック内部のそれらの傾斜と同様なTNT特性の統計的尺度をさらに許容する。自動評価の能力を図解するために、我々は各々のTNT長さの測定を遂行した。
アルゴリズムは、処理連鎖の全ての工程で各々のTNT対象のための投影範囲の記録を保持するので、TNTの3D再構成は、長さ計算を可能とした。長さ統計データは、TNTにおける全てのピクセル間の最大ユークリッド(Euclidean)距離をしようして得られ、ボクセル(voxel)異方性に対して調製された。TNTはいつも直線のように見えるので、空間における統合は余分であった。我々のサンプルにおけるTNT長さの分布は図14において図解され、手動方法により得ることが不可能である統計データである。TNTの長さ分布は、1μmから4μmの間の短いTNTの高い発生頻度があることを指し示す。これは、TNT情報に対する細胞間の最適距離があることを意味し得る。
【0106】
D. 表面染色画像にリッジを強化する湾曲に依存するフィルタを適用した後の3D分割
D1.一般原理と最新技術
発明の好ましい実施形態はさらに、充填および分水界分割としてリッジ強化と形態的なオペレータを使用して、染色された細胞表面の分割方法を構成する。我々は、分割評価へのアプローチの相違する領域の変形を提案する。
【0107】
リッジ強化
顕微鏡の細胞画像は、画像処理目的のために頻繁に不十分な品質であり、また適切なフィルタリングは、しばしばより確実な分割を進める。染色された細胞の表面の境界線は、リッジにより輪郭を描かれ、したがって、分割の前にリッジ強化を遂行することは正当である。リッジ検出は、よく知られている画像処理の調査領域であり、方法はすでに存在し、画像のリッジを強化する。ガボール(Gabou)フィルタは、指紋画像にフィルターをかけるため、また重要なリッジの抽出のための良く知られているアプローチである[Ross A et al in Proceedings of International Conference on Pattern Recognition (ICPR); 2002]。
【0108】
ヘッセン(Hessian)マトリックス[Frangi AF et al., Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention 1998; 1496: 130-137; Eberly D et al., J Math Imaging Vis 1994;4(4):353-373]の固有値分解は、類似の目的のために使用された。リッジ強化のための我々の方法は湾曲の公式化に基づいており、ヘッセンマトリックスの固有値分解により引き起こされた。
【0109】
分割
分水界分割は、細胞分割に適している。
ベングットソン E (Bengtsson E)他(Pattern Recognition and Image Analysis 2004; 14:157-167)は、分水界分割をカルセインで染色されたCHO細胞の分割のための二つの閾値とともに使用し、89%から97%の間の成功率を得る。最も小さい細胞のような対象の除去の後、成功率は増加し、したがって、広範囲なそれらの成功率を明らかにする。それらは標識化方法に適用され、オーバーおよびアンダーセグメンテーション(over- and under-segmented)対象の量を測定する、しかし、それらは、分水界領域間の境界線の分割の質を測定することできなかった。アディガ(Adiga)他[Microscopy Research and Technique 2003;54(4):260-270]は、分水界アルゴリズムを細胞核の分割およびさらなる改良のための活性表面モデルのために用い、統合された分割アプローチを得る。
【0110】
創作者は、手動的におよび自動的にセグメント化された領域の間の体積の相対的相違を使用し、境界線の質を測定する形状係数を創造した。約95%の成功率は形状係数で得られた。しかしながら、11細胞だけはこの統計データ中に含まれた。
アンダーおよびオーバーセグメントされた細胞がどのように形状係数に影響を与えたか、またそのような細胞が廃棄されたか否かの詳細な説明はなかった。細胞のアンダーおよびオーバーセグメンテーション(under- and over-segmentation)の問題は普通、染色された細胞の表面または細胞質に対してよりも染色された細胞核に対しての方が少ない。なぜならば、染色された細胞は直接細胞の数およびそれらの核の位置を見積もり、分水界分割のためにマーカーを定義するために使用され得る情報。リンドブラート(Lindblad)のPhD論文[Cytometry; 2002]は細胞分割の分野の構造化された、包括的な見解を提供する。
【0111】
評価
異なった分割方法の質が比較されたとき、自動的な分割の有利な基準は重要である。残念なことに、細胞分割の評価は、客観的な考慮すべき事項または一般的で根拠の確かな手段が欠如している主観的な直観力を使用して頻繁に遂行される。
しかしながら、画像分割の範囲内で、分割評価について多数の研究が出版されている。
【0112】
チャン(Zhang)[a) Pattern Recognition 1996;29:1335-1346; b) Pattern Recognition Letters 1997;18(10):963-974.7,8]は、画像分割評価方法についての調査を提供し、評価方法を3グループに分ける。分析的な、実験的に良い、および実験的な矛盾の方法。
【0113】
分析的な方法は、もっぱら分析的な原理に基づく分割方法の有効性分析し、それらがめったに分割品質の人間の知覚に適合することができない事実に苦しむ。経験的に良い、独立した方法として参照されたのも同様である、方法は、いくつかの先天的な人間の特性に基づいて分割を評価する自動評価方法である。
分割の自動フィードバック評価が必要とされるとき、経験的に良い方法は極めて有用である。しかしながら、分析的な方法に関しては、それらは頻繁に人間の知覚に対する不一致に苦しむ。残念なことに、もし、良い基準が適用された分割方法の原理に基づくならば、それらは分割方法自身の後の原理により容易に感化される。この事実は画像の境界範囲についてそれの評価値を制限する。分割方法を評価するとき、実験的な矛盾方法は主に好まれる。それらは、真の解決法として見なされるグラウンドトゥルース画像または判断基準と、結果として生じる分割画像とを比較し、一人あるいは複数の評価者により作られた。
【0114】
統計的優位性に関して、分割評価は、一定のデータ、また平等に重要な、分割評価から除かれるべきアルゴリズムの発達に使用されるデータで遂行されるべきである。驚くほどに少数の分割評価は細胞分割アルゴリズムに適用され、それにもかかわらず、何人かの創造者は評価手順を含む。
【0115】
アディガ(Adiga)他[Microscopy Research and Technique 1999;44(1):49-68]は、共焦点組織画像から3D細胞核を分割する半自動方法を公開した。彼らは、FISH信号計数の視覚また自動評価の比較の研究を遂行し、FISH信号の視覚の計数と比較して90%より高い成功を達成した。しかしながら、彼らは、自動分割された細胞核の正確さを見積もる結果を少しも公開しなかった。モルピカ(Malpica)他[Cytometry 1997;28:289-297]は、群生された核の分割のために分水界アルゴリズムを使用し、そしておおよそ90%の試験群は、末梢血および骨髄の準備において正確に分割された。
これらの結果は、正確に分類された核の数を数えることから得られた。しかし、正確な原形質膜は、復元することができなかった。なぜならば、これらは染色された画像核だからである。これは、染色された画像核に対する共通の課題を明らかにする。細胞の数は容易にそのような画像中で得られ、しかし表面染色画像は、そのような輪郭が描かれた各々の細胞についての正確な原形質膜である場合には、必要である。
一般的に、研究者の要求は、使用される細胞染色のタイプを決定すべきである。
【0116】
D2.細胞分割における処理工程
この細胞分割手順は、蛍光顕微鏡検査法により得られた染色された細胞表面のために設計され、明白な原形質膜を創造する。リッジ強化は、初期化領域を創造ために必要とされる形態的なフラッドフィリング(flood filling)を可能にし、マーカーとしても参照される。これらのマーカーは、その後、分水界分割に用いられ、原形質膜の位置を突き止める。分水界画像は、その後、得られ、分水界ラインにより分離された分水界領域で構成される。各々の分水界ラインの質は、画像上にそれらを重ねることにより評価され、そして、それらの周囲と比較されそれほどでもない強度を保有するそれらは取り除かれる。最後に、分水界領域は細胞と背景領域として分類される。方法のフロースキームは図15において公開される。図15を参照すると、リッジ強化を使用する細胞分割の詳細な処理工程が記載されている。
【0117】
D3.湾曲のフィルタリングを経たリッジ強化
【0118】
原形質膜は、染色された画像表面においてリッジとして表現され、染色されたPC12細胞表面を示す図16を参照。その結果、リッジを強化するフィルタは、事前に分割に適用される。図17は、4つの完全な位相的な変化、リッジ、くぼみ、ピークおよび穴を示す。これらの例の間で、リッジは原形質膜にとって確かに最善のモデルである。利用できる方法を強化するいくつかのリッジがある。リッジであった画像を創造するヘッセン(Hessian)マトリックス[Frangi AF et al., Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention 1998,1496:130-137; Eberly D et al., J Math Imaging Vis 1994;4(4):353-373]の固有値分解は、上手く強化される。
【0119】
しかしながら、星形の人工のパターンを創造する傾向があることは、かなりの時間を費やす方法である。なぜならば、それは、主軸だけに沿った二次微分と混合微分についての情報を含むからである。それ故に、我々は別のリッジを強化するフィルタを発達させ、方法はヘッセン(Hessian)より短いCPU時間を必要とし、星形のパターンを創造しない。リッジはその指示方向に垂直な相対的に高い湾曲により特徴付けられ、特性はリッジ強化に依存する我々の湾曲に利用される。1D曲線の曲率κは速度vと加速度aを使って、フィニー(Finney) LR,トーマス(Thomas) Jrの計算方法 アディソン−ウェスリー(Addison-Wesley)出版社(Addison-Wesley),Inc;GB,1994によって与えられる。
【0120】
【数2】
曲線r=xj+yjは容易に変形される。
【0121】
【数3】
x = x, y =f(x)への変換を使用することにより。
【0122】
その後、f(xij;θ)を方向θに沿った点xijを通しての画像値(image values)であると許可する。f(xij;θ)の湾曲は、[0 π]の間の等しく間隔があけられた選択された方向中で各々のピクセルについて計算される。
【0123】
好適には、3点でなく5点誘導体は、誘導体の計算に適用されるべきで、急速な振動を避ける。最大湾曲画像Cmaxと最小湾曲画像Cminは、その後、[0 π]の間で計算された湾曲の最大および最小投影として、各々の点i,jで計算される。原形質膜は高い最大湾曲によって特徴づけられ、ピークと類似する。好適には、リッジとピークを区別することは有利である。小さい最小限の湾曲を有するリッジと対照的に、ピークが相対的に高い最小湾曲を有するとして、これは部分的に成し遂げられ得る。しかしながら、実質的には、自然画像の完全な形が存在しないので、リッジとピークを区別することは挑戦的である。ピークはしばしば長細く、リッジに似ており、そして、ピークは頻繁にリッジの上に重ねられる。その結果として、全てのピークの除去は、リッジにおいて多数のギャップ、さらに処理を受け入れられない我々の場合の状況を創造する。全てのリッジを保存するために、最小湾曲画像自体が、リッジ強化画像として使用される。
【0124】
D4.形態的なフラッドフィリングとマーカーの創造
正確な原形質膜は、マーカーが形態的なフラッドフィリングにより創造される分水界分割に制御されたマーカーにより見出される。染色された表面画像における細胞は、周囲より境界ではっきりと高い強度により閉領域として特徴付けられる。形態的なフラッドフィリング [Soille Pierre. Morphological Image Analysis: Principles and Applications. Secaucus, NJ, USA: Springer- Verlag New York, Inc.; 2003]は、それ故に使用され、細胞の中で内部のマーカーを創造し、各々のマーカーは、分割に対する関心の分離対象を定義する。明るいピクセルによって囲まれた暗いピクセルとして定義された全ての穴は、フラッドフィリングから満たされる。それは、図18(b)と類似するグレースケールの強化されたリッジ画像で遂行され、それらを閉と接続領域とに分け、そして各々のピクセル値をその領域の平均値により置き換える。
【0125】
そのような方法で、複数の評価された一定の領域は創造され、そして、それらはゼロ勾配により容易に検出される。さらに、背景のフラッドフィリングを得るために、背景がフラッドフィリングにより細胞領域として同じ方法で満たされるときまで、画像境界値は繰り返し上昇する。評価された一定の領域は、ゼロ勾配を計算することにより抽出され、そして、その後2値画像に変換される。小さく、また重要でないマーカーは取り除かれ、形態的な閉鎖と充填の後、最小マーカー画像は達成され、図20において表現される。
【0126】
D5. 分水界分割
最小マーカー画像におけるマーカーは、分水界分割のための初期化領域として使用される。計算時間をセーブするために、MATLABの画像プロセスツールボックス[Vincent L, Soille P in IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 1991 ;13(6):583-598.]において実施されたときに、2D分水界分割は、3Dマーカーを創造する処理を消費する時間の結果として遂行される。その後、ウォーターシェッド領域は3D分水界分割のためのマーカーとして使用される。図21(b)は、達成された3D分水界画像の一平面を示し、分水界ライン(黒)と、増加する整数により標識化された接続された分水界領域とを構成する。その後、全てのウォーターシェッドラインはそれらの有意性について試験される。それらはオリジナル画像に重ね合わされ、各々の分水界ラインの平均画像強度が分水界ラインに続く人工の、双方の構造上の平均画像強度と比較される。
【0127】
閾値から、これが局所的に高強度構造であるかどうか判断される。もしそうでないなら、オーバーセグメンテーションとして拒絶される。正確な分割は、アンダーセグメンテーションからよりオーバーセグメンテーションからアクセスでき(accessible)、一定のオーバーセグメンテーションは、それ故に遂行される。分水界領域はその後、単純な分類規則に従って背景と細胞に分類される。一定サイズより小さい全ての凸領域は細胞として分類される。しかしながら、もし凸でない領域が内部的に染色された粒子を含むなら、それは、その形状にもかかわらず細胞として分類される。そのような単純な分類規則は、最小オーバーセグメンテーションのある前の高品質分類に起因して適用できる。
【0128】
セグメント化された領域は、細胞の真の形状を反映しないそれらの形状に関する特性を獲得するので、激しくオーバーセグメント化された画像の分類は、極めて魅力的である。図21(b)における分水界領域の最後の分類は、図22における間違って細胞として分類された領域を指し示す矢印で表示される。これは、分水界ラインの重要度テストが異常に弱い細胞境界線に起因して失敗したために発生する代表的な誤りである。分水界ラインは、それ故に取り除かれた。
【0129】
D6.分割評価方法
一般的に分割評価は、良く議論される問題である[Zhang YJ. InPattern Recognition 1996;29: 1335-1346; Zhang YJ in Pattern Recognition Letters 1997;18(10):963-974]。
対照的に、細胞分割の評価は、まれに議論される題目である。我々は、修正された実験的な矛盾の方法を適用し(セクション1を参照)、時々相違する領域として参照され、細胞分割の評価に対する骨格を構成する。チャン(Zhang)[Pattern Recognition 1996;29: 1335-1346]によれば、実験的な矛盾の方法は、4つのクラスに分けられ得り、矛盾は下記の一つあるいは複数に基づいている。
(i)誤ってセグメント化されたピクセルの数,
(ii)誤ってセグメント化された位置,
(iii)画像における対象の数,
(iv)セグメント化された対象の特徴の価値
両方のセグメント化された領域の数を比較しなければならないため、分割の正確さに対する適当な基準は(3)と同等であり、また自動化され、また手動的なセグメント化された領域の間の共局在化の範囲は(1)および(2)と同等である。
【0130】
図23は合成画像(左)と、(3)が満たされ(1)と(2)は部分的であるそれ(右)の分割を明示する。分割は3つのセグメント(segment)を生みだし、したがって、セグメントの数はオリジナル画像におけるそれらと同等である。いまだに質が悪い分割がある。なぜならば、分割はオリジナル画像におけるセグメントによりある程度共局在化するだけだからである。我々の見解では、分割評価は、第一に(1)と(3)に従って状況を不利にする。しかし(2)と(4)は、同様にアプローチの差の領域内に容易に含まれ得る。
【0131】
ウメイデンス(Goumeidane)他[Pattern Recognition Letters 2003;2(10):411-414]は、誤ってセグメント化されたピクセル(2)の位置を信頼する実験的な矛盾の方法を提案し、しかし特性(1)、(3)および(4)を除く。いまだに、それらは、直感的にそれらを重ねることによりセグメント化された領域と基準領域との間の差異の正確な基準を得る。我々の方法は、二つの対応する領域を重ねることによりこの概念を上手く利用し、一つは基準分割から得て、もう一方は自動化された分割から得る。それらの間の関係のある重複範囲は、その後測定され、(1)に相当する。さらに、(3)の要件を考慮する方法を計画することは好ましく、オーバーおよびアンダーセグメント領域を不利にし、縮退として言及される。
【0132】
アンニクリシュアン(Unnikrishnan)[Unnikrishnan R et al., in: Proceedings of the 2005 IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR '05), Workshop on Empirical Evaluation Methods in Computer Vision; 2005]により指摘されたように、差異のある領域は、縮退と不均一なペナルティ(penalty)の欠如に苦しむ。縮退は、全体画像に対してセグメントにつき一つのピクセルまたは一つのセグメントが両方ともにゼロ誤差を与える事実により明らかにされる。
【0133】
分割評価方法は、均一および不均一の不利益の両方の状況を取り扱うこともできなければならない。不均一なグラウンドトゥルースは、複数の手書きの解決法が著しく異なる場合に、または高度の信頼性が必要であるとき、好ましい。我々の領域は、縮退および均一/不均一の不利益の両方に対応できなければならない。謝ったセグメント化されたピクセルの数と矛盾を測定する対象の数を使用する実験的な矛盾の方法に基づいて、我々は、チャン(Zhang) [Pattern Recognition 1996;29: 1335-1346]により指摘された要件(1)-(4)に従うアプローチを議論したい。
【0134】
概念的に、分割の正確さは、真の解決と自動的な分割におけるクラスタ(clusters)間の重複を評価することによりうまく考えられる。我々の方法に関して、目視検査から創造されるグラウンドトゥルース画像Sを、m個の接続されていない領域{Sti}から構成させる。同等に、2値的に、自動的にセグメント化された画像Sをn個の接続されていない領域{Sj}からならせる。不均一の不利益のリクエストを含むため、真の解決画像関数0≦f(St)≦1は、複数の人間の観測者間の同意に基づいて、任意の値を取る関数になり得る。
類似のマトリックスAunion:要素Aunionij∈[0 1]をもつm×nは、その後計算され、{Sti}と{Si}の間で交差するゼロ以外のピクセルの全強度値を含む各々の要素は、StiとSjの間の和集合の全強度値により標準化した。
【0135】
【数4】
【0136】
Sti→Sj, Aij→1である完全な分割の場合である。反対に、もし分割がSti∩Sj=0のように悪いふるまいであるならば、そのときはAij=0。したがって、値Aijは、基準領域とセグメント化された領域の間のオーバーラップの量を反映し、SitrueとSjの間の交差の欠如とオーバーおよびアンダーセグメンテーションの両方に不利益をもたらす。これは、さらなる処理に対する最も類似のマトリックスとしてAunionの我々の選択の理由である。しかしながら、いくつかの可能な拡張が式(4)にある。和集合に対して全強度値を基準化する代わりに、それは、手動でセグメント化された領域Sの範囲で基準化され得る。
【0137】
【数5】
自動化されセグメント化された領域Sjに対し、
【0138】
【数6】
またはそれは、それら二つの最大範囲に対して基準化され得る。
【0139】
【数7】
【0140】
式5と式6は、アンダーとオーバーセグメンテーションの間で各々区別することができる。もしオーバーとアンダーセグメンテーションの間で大きな交互変動があるならば、式7は良い基準である。合成例の選択は図24において示され、類似の基準は相違する状況を取り扱うこともできる方法を表示する。実線内部の範囲は基準解であり、破線内部の範囲は自動セグメント化された範囲である。
【0141】
表2は、図24の分割評価に対して対応するパラメータを含む。0→1に増加する値は、改善された分割を相互に関連付ける。(a)において、類似の基準Aunion=0.35、したがって、破線内部の範囲は、実線内の範囲の悪い表示である。(b)において、類似の基準Aunion=0.63、オーバーセグメンテーション不足に起因して、多少、(a)よりも高く、(c)は、人間の感覚に従ってAunion=0.91と良い分割を示す。(d)の分割は画像の右側の部分でゆがめられ、相当結構な相似値Aunion=0.75という結果となる。
【0142】
【表2】
【0143】
図25は、自動化されセグメント化された領域(白)および対応する類似の基準をもつグラウンドトゥルース(グレーの境界線)を表現し、真の細胞画像から取られる。これらの基準は類似のマトリックス内に挿入され、各々の行は、グラウンドトゥルース画像(図26)からの単一領域に相当する。縮退の問題を適切に取り扱うために、二つの重要な仮定は、なされなければならない。第1に、各々の自動化されセグメント化された領域は、唯一の手動でセグメント化された領域またその逆を表す必要がある。これは行および列ごとに多くても一つのゼロ以外の値を含むAunionに相当する。それ故に、穴のようなマトリックスAunionは、ゼロ以外の値のNしか含まなければならず、N=min(m,n)である。要素を取り除く各々の繰り返しで、もし同じ列または行において大きい値が存在するならば、この特徴は減少する値に従ってAunionにおける要素を繰り返しにより成し遂げられる。もしそうでないならば、要素は変化せずに残る。この最適化する問題は、マトリックスノルムを最大化するA=Aunionにおける要素として数学的に公式化され得る。すなわちフロベニウスノルムは定義される。
【0144】
【数8】
Kr={Kir}およびKc={Kc}の制約の下
【0145】
【数9】
【0146】
ここで、H(x)はヘビサイド(heaviside)関数である。制約は、各々の行と列に対してゼロ以外の要素の最大数を確実にする。要素を取り除く各々の繰り返しに対して、もし制約が違反されるならば、繰り返しは全てのマトリックス要素Aを経て、減少順に遂行される。そして、定義により、繰り返しがAにおける全ての要素を経た後、可能な限り大きなフロベニウスノルムAは得られる。このマトリックスを計算するためのMATLABコードは、別表において見られ得る。
【0147】
【数10】
【0148】
式10:図11(b)の分割に対する類似のマトリックスは図11(c−f)に相当する。R3およびR4は各々二つの異なる自動化されセグメント化された領域により表され得る。しかし、丸で囲んだ値は選ばれる。それらはAunionに対するフロベニウスノルムを最適化する。アンダーセグメンテーションは、類似のマトリックスAunionにおいて空白の行を創造し得り、そして、オーバーセグメンテーションは空白の列を創造し得り、式11を参照し、Aunionにおけるオーバーおよびアンダーセグメンテーションの結果を視覚化する。
【0149】
【数11】
【0150】
式11:フロベニウスノルムを最適化した後の類似のマトリックスAunion。0→1の要素範、分割の質を向上する。自動化されセグメント化された領域がいくつかの手動でセグメント化された領域を表すことができない場合には、縦の枠はオーバーセグメンテーションを明らかにする。反対に、手動のセグメント化された領域はいくつかの自動化されセグメント化された領域により上手に表されない場合、横の枠はアンダーセグメンテーションを明らかにする。それぞれが、それらが関連している手動の領域におけるピクセル数で基準化された後、画像に対する全体的な分割基準SMは、類似のマトリックスにおける加算する全ての要素から得られる。この基準化は遂行され、各々の手動のセグメント化された領域が、ある意味では全体の手動でセグメント化された範囲に関連するその範囲に厳密に関連している最後の類似性測度に影響を与え得ることを確実にする。したがって、大きな領域は小さな領域よりもSMに影響を与え得る。最後の類似性測度SMは、各々の領域N1における関連のあるピクセル数で基準化されるaunionijの合計として計算される。
【0151】
【数12】
【0152】
ここで、Nは手動でセグメント化された画像における全体のピクセル数である、N=ΣiNi。これらの作業後、SMはまだ[0 1]の中の数であり、0に近い値は悪い分割に関連しており、また1に近い値は優れた分割を標識化する。
【0153】
D7.結果
我々の分割アルゴリズムは用途の広い方法であり、明白な細胞境界をもつ分割細胞に設計される。そのような画像に関して、アルゴリズムは、接触している細胞だけでなく単細胞間を区別し得る。それは広範囲の適用を有し、二つの異なる細胞腫類であった以下のセクションにおいて立証され、二つの異なる染色および三つの異なる顕微鏡検査は使用され、分割のアルゴリズムを評価する。これらの実験における細胞は異なった特性と明確な細胞境界を共有する。分割方法の効果を示す5つの実験は、以下の順で示される。
(i)広視野画像からのWGA染色されたPC12細胞の分割。
(ii)回転円板からのWGA染色されたNRK細胞の分割。
(iii)共焦点顕微鏡からのWGA染色されたNRK細胞の分割。
(iv)広視野画像からのf-EGFP染色されたPC12細胞の分割。
(v)細胞分裂が抑制された広視野画像からのWGA染色された細胞の分割。
【0154】
実験1〜4は、前のセクションに記載された類似性測度SMを使用して、評価され、手書の解決法はグラウンドトゥルースとして得られる。最後の実験は遂行され、プログラムがチミジンで処理された細胞が対照群と比較してサイズが増大することを検出し得たかどうかを調査する。
【0155】
本論文における全てのコードは、MATLABにおいて実施され、また実験は2.4 GHz AMDプロセッサを起動しているリナックスワークステーションで実行された。データにオーバーフィッティング(over-fitting)を避けるために、方法は最後の評価のために使用されない別のデータセットで開発された。分割プログラムは3D画像スタックを使用して実行され、しかしながら、人間の評価は、各々の画像スタックの中央から抜き取られた一つの2D平面から達成された。この抜き取りは遂行され、それが、少しの3Dスタックよりむしろ、グラウンドトゥルースを含んでいる複数の2D画像を創造することのほうが貴重であると考慮されたので、人間の時間を節約した。3Dの自動化された分割を2Dの手動の解決法(hand-drawn solution)に適合させるために、自動化された分割からの中央の平面は、抜き取られて手動の解決法と比較された。
【0156】
D8.WGA染色されたPC12細胞の分割
WGA染色されたPC12細胞を含む10のスタックのセットは、この例において使用され、分割アルゴリズムを評価した。画像の準備について上記を参照する。それらが適用されるような入力画像は図26で示され、WGAで染色されたPC12細胞の細胞培養を示す。画像はそれらの照度の大きな変化および形および細胞の数を表示する。PC12細胞の直径はおおよそ10と15マイクロメータの間を変化する。画像は染色された粒子の内在化に加えてガウスノイズで悩まされる。これらの粒子は細胞内部の明るい点として出現し、自動化された方法により容易に細胞境界として間違えられる強いエッジを創造する。特に、細胞の原形質膜が連続して染色されない場合に、魅力的な状況は起こり、破砕されたリッジのようにそれ自身を明らかにする。
【0157】
2D手動のグラウンドトゥルースは163の細胞を含んで、そして、表6は、上述の類似性測度SMを使用して分割評価からの出力を示す。全実験に対する全体の成功率は、表6で最も低い行、各々の画像において手動でセグメント化された細胞の数に対して調製される。我々は、全体でSMunion=93.9%の成功率を得た。とても満足する結果である。SMmanとSMautは、おおよそ等しく、したがって、アンダーセグメンテーション(100%−95.3%=4.7%)とオーバーセグメンテーション(100%−96.1%=3.9%)の量は同じオーダーで、約4%であった。
【0158】
【表3】
【0159】
D9.回転円板からのWGA染色されたNRK細胞の分割
WGAで染色されたNRK細胞は、上述のように共焦点回転円板を使用して撮像された。二つの代表的な画像は図27に示される。たとえ画像が相当量のノイズを含んでも、WGA染色されたPC12細胞と同じように、細胞境界は、はっきりと印を付けられる。分割は、遠い平面間の距離の結果として2Dにおいて遂行され、3D分割に対するより複雑な状況を創造した。分割で選ばれた平面は、上記の糸状仮足のレベルから取られ、糸状仮足は長くまた薄いような構造であり、このプロジェクトで使用された分水界分割よりも異なった分割方法を必要とする。データセットは137の手動のセグメント化された細胞を含んだ。分割評価は、大抵の用途に対して満足であるSMunion=81.5%(表4)の成功率を明らかにした。それは、偽陽性率(100−91%%=9.0%)より高い偽陰性(100%−84.1%=15.9%)を評価する能力があった。
【0160】
【表4】
SMunion=81.5%の類似性測度が得られ、大抵の用途に受け入れられる。
【0161】
D10.共焦点顕微鏡からのWGA染色されたNRK細胞の分割
この実験は、共焦点顕微鏡で撮像されたWGA染色されたNRK細胞上で実施され、14の平面それぞれのスタックという結果となる。各々のスタックからの単一平面は抜き出され、そして分割に使用された。画像は回転円板からの質より劣る分割の質であり、原形質膜の分裂の高い程度により、振動を引き起こす。グラウンドトゥルースは人間の評価者によりなされ、そしてグラウンドトゥルースは上記の類似性測度を使用する自動化された解決法と比較された。分割評価からの結果は表5に示され、大抵の用途に受け入れられるSMunion=74.1%。類似性測度SMautは、93.4%のとても高い値を得て、オーバーセグメンテーションの低度(100%−93.5%)=6.5%を暗示する。
【0162】
【表5】
SMunion=74.1%の全体の成功率は得られる。
【0163】
D11. 広視野画像からのf−EGFP染色されたPC12細胞の分割
この実験は実施され、分割に対する極めて難しい状況を実証する。PC12細胞は上記のように染色された。画像は、細胞膜のおおきなドロップアウト(drop-out)により悩み、それ故に特に、自動的だけでなく手動での細胞分割に対する魅力的な課題を表す。特に、著しい細胞膜のドロップアウトを図29(a)に言及する。細胞膜のドロップアウトは、一様でない細胞膜の染色が原因で起こり、そして細胞間と細胞間領域間の染料の異なった新陳代謝のせいである。分割検出は、上記のWGA染色されたPC12細胞(SMunion=93.9%)よりも著しく低い成功率(SMunion=41.6%)を明らかにする。この結果は細胞膜の大きなドロップアウトが原因である。まだ、SMaut=58.7%は相当に許容値であり、また、分割の誤りの大部分がアンダーセグメンテーションにより引き起こされたことを指し示すSMman=42.7%と比較された。
【0164】
【表6】
複雑な画像に起因して、分割評価は前の実験に対してより著しく低い成功率(SMuπ/on=41.6%)を表す。
【0165】
D12.チミジン処理されたWGA染色されたPC12細胞の分割
この実験は遂行され、生物学的に知られている効果を上手く利用することにより分割アルゴリズムの正当性を立証した。チミジン処理された細胞における細胞分裂が抑制されることは、既成の事実で、大きな細胞をもたらす。目的は、分割アルゴリズムがこれらの細胞の増加したサイズを検出できるかどうかを確認することであった。PC12細胞は、セクション3.1における記述によると準備されて、それから、2つのグループに分けられた。1つのグループは対照として使用され、そして、他のグループはチミジンに曝された。生物学的実験は3回実施され、そして、分割は3Dで遂行された。
【0166】
分割を実行している人は2つのグループのうちどちらがチミジンで処理されているかに関して利用できる情報がなかったので、分割は分からなかった。サイズを測定する3つのパラメータは、領域について計算された:ボリューム(V)、長(Dmaj)と短軸長(Dmin)。長と短軸長は、領域と同じ正常化された第2の中心モーメントを有する楕円の長と短軸の長さとして定義される。長と短軸長は中間の平面について2Dで計算された、そして、ボリュームは3Dで計算された。表7は、分割の両側t検定からの結果を示します。最初の2つの列は、処置されたおよび未処置のグループにおける細胞の数を示す。全ての3つの実験に関して、ボリュームの違いを記載するp値、長と短軸長は計算された(列4〜5)。
【0167】
最初の実験で重要でなかった短軸長(列4)を除いて、すべての実験で調査された特性について有意差(α=0.05)があった。それでもなお、我々は、チミジンで処理される細胞の平均サイズが対照群と比較して増加し得ることが証明されたと考える。平均の標準誤差が続く長と短軸長の標本平均値は、列6から10に示され、そして、未処理のPC12細胞の平均直径が8μmと15μmの間をほぼ変化できることを記載する。
【0168】
【表7】
【0169】
最初の2つの列は、処置群(+)と対照群(−)における細胞の数を示す。2つのグループにおける細胞間でサイズを比較する両側t検定は計算され、ボリューム(pv)についてのp値、長軸長(Pmaj)および短軸長(Pmin)が列(3〜5)に示される。最後に、2つのグループに対する平均長と短軸長は、μm、D SEM(標準誤差)で与えられる。
【0170】
D13.結論
リッジを強化するフィルタは、リッジを強化することが必要であり、原形質膜を特徴づける画像特性である。このフィルタに基づいて、形態的なフラッドフィリングの操作は実行され、したがって、理想的には細胞一つごとに細胞の内部マーカーを創造した。これらのマーカーが、その後、分水界分割のための初期化領域として使用され、原形質膜の輪郭を描いた。特定のオーバーセグメンテーションにより、分割された領域の間で境界に印を付する分水界ラインは、それらが取り除かれるべきかどうか決定するために、評価過程を経るべきであった。最後に、分割された領域は、いくつかの単純な分類規則に従って細胞と背景とに分類された。細胞分割ツールは、手動で分割されたデータセットと比較された。正確さ評価は、領域の差分変化を使用して遂行され、分割された領域とすべての自動化された領域との重複部分を計算した。2つの相対的な正確さ基準は、その後、一つは手動で分割された領域の範囲と重複部分の範囲を基準化することから、そして一つは自動的に分割された領域にそれを基準化することから得られた。両方の基準に対して十分な値が存在するならば、分割は特定の領域に対して良いと考えられた。
【0171】
我々は、この領域の差分アプローチの変化を使用して、より高い成功率を得た。2つの異なった成功率は、基準化による範囲を使用するまたは使用しないことにより成し遂げられた。最も小さな細胞を無視する特定の量にとって、もし細胞の重要性がそのサイズによって基準化されたならば、最も高い成功率が得られた。自動化された分割ツールは使用され、大量のPC12細胞に対して選択された統計パラメータを計算することによってその有用性を示した。そのような細胞分割ツールは、それらの効果と客観性、人間が欠如している特性のため、生物学において非常に要求される。
【0172】
結論
自動化された方法は、細胞の計数と特徴付けに対する血球計算においてますます重要である。ハイスループット統計は自動化された細胞分割から得られることができ、細胞組織の定量化に役立つ。このアプリケーションは、蛍光画像における表面染色されたPC12細胞の分割の方法を提示する。要約すると、例は、自動化された細胞分析、細胞分類および/または生きている細胞の間の移送および伝達の決定の方法が機能し、細胞で薬と理学療法の定量化されたテストで産業において使用される得ることを示す。自動化された検出は、計数に加えてTNTの選択された特性に関する統計情報の評価も可能とする。
【0173】
1つの重要なパラメータは、細胞がどれくらいのTNT接続を発生させているかについて知っていることである。それらが病理学的過程の間に起こるときに、このパラメータは異なる生物学的状況によって変化するかもしれない。TNTが多細胞有機体の特定の病理学的状態に関係しているならば、それは大きな値であり得り、それらの機能をブロックするか、または強化する。この点において、TNT構造を調整するための薬のふるい分けと機能は、TNTの定量分析のこの自動化された方法から利益を得る。このように、薬の効果は、ハイスループットのふるい分けによって評価され得た。TNTの自動化された検出の我々の方法を使用し、培養細胞の2−チャネル蛍光画像において細胞を接続して、我々は判断基準として手動標識化を使用して、90%を上回る圧倒的な成功率を得た。TNT検出の成功率は、厳密に細胞と背景の適切な分類に依存します。この部分は、生物学的細胞マーカー画像を使用して画像処理技術と組み合わせて達成された。
【0174】
さらにまた、TNTの適切な検出は、最適で再現可能な増殖条件での細胞培養にも依存する。通常の細胞培養条件下で、細胞はしばしば、TNTを検出することを難しくする近接近で増殖する。この問題は図解された。この問題を回避するために、細胞は特定のマトリックスパターン上で増殖されるべきであり[Arnold M et al., ChemPhysChem 2004; 5(3): 383-388]、より標準化された細胞培養条件を保証する。特に、細胞の間の特定の距離を確実にし、したがってTNTの場所を見出すための方法の能力を向上させるときである。基準方法では、我々はTNTの場所を見つけるための2D投影のキャニーのエッジ検出器と分水界分割を適用する。細胞境界は制御された分水界分割のマーカーを使用して得られ、分割の程度は、分割のためにフラッドフィリングを強要されたマーカーにより決定される。分割された領域は第2の画像チャネル、生物学的細胞トラッカーに基づいた細胞と背景に分類される。それらの最も近い距離で2つの異なる細胞をつないでいる間、TNTはそれから、背景を交差している構造として現れる。
【0175】
TNT検出の成功率は、細胞と背景中に分水界領域の分類についての一部の高い信頼性に依存する。90%を上回る成功率は、分割評価のための差分アプローチの領域の変形によって得られ得る。この変化方法は、表面染色画像に対して新しいリッジを強化する湾曲フィルタのアプリケーションを具備し、原形質膜を強化する。他のアプローチにおいて、リッジ強化は画像に適用されて、それから、その後に適応可能な閾値化に続いた。リッジ強化の後、ノイズの相当量は取り除かれ、TNTを検出するために局部的に適応可能な閾値法を適用することは可能である。適応可能な閾値法は、リッジ強化された画像を、重要で高強度構造を含む2値画像に変換する。この処理は図30において実証され、リッジ強化された画像は2値画像に変換された。適応可能な閾値法は閾値としてガウスの不鮮明画像そのものを使用し、したがって、各々のピクセルで局部的な閾値を創造し、画像の一様でない照明に対して強い。細胞領域内部の全ての構造は廃棄され、そして、残りは削減され、さらなる処理を単純化する。全ての他の工程は、上述のように後に続く。
今後の仕事は、TNTの動的な形成と分解の検査と同様に、3−D画像スタックの時系列を含み得る。
【0176】
発明のさらなる利点、目的および特徴は、例と添付の図に与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】図1は、TNT検出に利用される単層PC12細胞の同一平面から取られた代表的な顕微鏡画像を示す。(a),(c),(e),(g)は、細胞と細胞境界の間に橋渡しをするTNT(矢印で印し付けられた)を示し、(b)、(d)、(f)、(h)はこれらのPC12細胞の細胞質領域を示す。(a)における白いバーは5μmに相当する。
【図2】図2は、TNTの自動検出のための方法の図解のフロースキームを示す。
【図3】図3は、2値マスク(binary mask)の中における図1(a)の細胞領域の分割を示す。細胞マーカー画像(a)は、細胞外(黒)および細胞内(白領域)に分割される。
【図4】図4は、エッジ検出が細胞境界の同定およびTNTの対象を導くことを示す。キャニーのエッジ検出は、(a)における画像に適用され、全てのエッジ要素を示す2値画像(b)という結果となる。さらに実証に利用されるエッジ要素は矢印で標識化される。
【図5】図5は、エッジ画像からのTNTの対象の最大投影を示す。オリジナル画像(a)はTNTを示す。そのエッジ構成の対応する最大投影は(b)で見られ、図4(b)における矢印により示されたエッジ構造から発生する。最大投影は、後で分水界分割を初期化するために使用された。
【図6】図6は、分水界分割に対する最小シード領域を描写する。(a)における全体画像は、(b)において対応する最小シード領域間のTNTの対象を有する。これらのシード(seed)領域は、分水界分割を初期化するのに利用され、TNTの対象のリッジを検出する。
【図7】図7は、TNTの対象のリッジを示し、細胞境界は、図6(b)における初期化領域を使用する図6(a)の分水界分割から分かる。
【図8】図8は、細胞の分水界分割に対する初期化領域を示す。画像(a)は、細胞の分水界分割を初期化する最小マーカー画像(b)を与えられる。
【図9】図9は、細胞の分水界分割を示す。画像は、図8(a)の分水界分割から現れる領域間の境界を示す。矢印で印を付けられた二つの領域は、オーバーセグメンテーションが原因で別々の領域として不正確に与えられる。
【図10】図10は、細胞、TNT対象および細胞境界の分類を示す。白い領域は細胞であり、グレーの線は重要なエッジ、すなわち細胞境界、TNTおよびアーチファクトであり、黒い領域は背景である。
【図11】図11は、TNTの対象が高強度のエッジか平らな領域であるかを照合する結果を示す。TNT対象に続く狭い双方間の近傍は、TNT対象の周囲の密な近傍を定義する。近傍ピクセルに対応する平均画像強度は、TNTの対象それ自身に関する平均画像強度と比較された。
【図12】図12は、TNTの最後の検出を示す。(a)において、矢印により標識化された全てのTNTは、(b)において自動検出される。
【図13】図13は、鋭いエッジの糸状仮足のような細胞構造(矢印により印を付された)の顕微鏡画像を示す。ほとんどの偽陰性および偽陽性の自動TNT検出は、TNTと似ている高強度画像構造が原因である。互いに近い細胞の場合は、特に魅力的である。
【図14】図14は、自動的に検出されたTNTの3D長さの分布のグラフ表示を示す。近接細胞に接続する1μmと4μmの間の小さいTNTが支配的である。
【図15】図15は、分割のフロースキームを示し、ここで、入力画像がさらにリッジを強化する湾曲フィルタを使用してフィルタをかけられる。その後、分水界分割のためのマーカーは、フラッドフィリングから創造され、また分水界分割は適用される。重要でない分水界境界は取り除かれ、また最後にセグメント化された領域が細胞および背景に分類される。
【図16】図16は、染色したPC12細胞表面の画像を示す。原形質膜はリッジとして表現される。
【図17】図17は、位相変化の略図を示す。原形質膜は代表的にリッジ(a)により特徴付けられ、くぼみ(b)、ピーク(c)、穴(d)により特徴付けられない。
【図18】図18は、示す。画像(a)は、リッジの強化を経て(b)に変わり、(c)および(d)は、画像およびリッジが強化された画像各々の標識化ラインの線形状を表示する。これは、リッジの強化が画像における他の構造と比較されたリッジのコントラストを上げる方法をはっきりと明示する。
【図19】図19は、フラッドフィリング後の細胞画像を示す。図18の穴は満たされ、一定の評価された領域を創造する。
【図20】図20は、最小マーカー画像の創造を示す。図19における区分的に一定の画像は、マーカー制御された分水界分割に使用される2値マーカー画像に変えられる。
【図21】図21は、細胞の分水界分割を示す。マーカー制御された分水界分割は、図20においてリッジが強化された画像で遂行された。区分的に一定の分水界画像(b)は、一意的な整数により標識化された各々の接続領域を描く。
【図22】図22は、細胞の分類を示す。図21(b)における分水界領域は細胞(白)と背景(黒)として分類される。分水界ラインの1つは、重要度テストにより誤って取り除かれ、したがって、分類の誤りを埋め込んで、矢印により示される。表示された領域は正確に2つの領域、1つの細胞領域と1つの背景領域とに分類されるべきである。
【図23】図23は、セグメント化された領域の周囲の境界の悪い共局在化を示す。左の画像は分割され、右の画像を与える。領域の数は両方とも3と等しく、しかし分割対象の周囲の境界は間違って与えられる。これは、分割の正確さに適した基準がセグメント化された領域とそれらの範囲の共局在化との両方の数を比較する必要があることを証明する。
【図24】図24は、重複領域の測度の正確さの図解を示す。実線は基準領域を囲み、そして破線は自動的にセグメント化された領域の輪郭を描く。表1において最も高い類似性測度0.91に従って、(c)は知覚的に最も良い分割である。
【図25】図25は、図24(a)における分割の手動(グレーの線)および自動(白い領域)画像を示す。類似性測度は、分割の相違する性質を反映する。(a)についての分割は悪く(SM=0.007)、(b)については、まずまず(SM=0.663)であり、(c)については、良く(SM=0.861)、そして(d)については、まずまず(SM=0.678)である。
【図26】図26は、細胞の検出に利用された4つの代表的な画像の選択を示す。各々の画像は、その3D画像スタックの真ん中から取られた1つの2D平面である。(a)におけるバーは10μmに相当する。
【図27】図27は、細胞の検出に利用されたWGA染色されたNRK細胞を示す二つの代表的な回転円板画像の選択を示す。各々の画像は、その3D画像スタックから取られた1つの2D平面である。(a)におけるバーは20μm(ピクセルのサイズ:0.2048μm×0.2048μm)に相当する。
【図28】図28は、ライカSP5で取られた細胞の検出に利用されたWGA染色されたNRK細胞を示す二つの代表的な共焦点画像の写真を示す。各々の画像は、その3D画像スタックから取られた1つの2D平面である。(a)におけるバーは20μm(ピクセルのサイズ:0.283μm×0.283μm)に相当する。
【図29】図29は、細胞の検出に利用されたf−EGFP染色されたPC12細胞からの二つの代表的な画像を示す。各々の画像は、その3D画像スタックから取られた1つの2D平面である。左の画像に膜断片の大きなドロップアウトを言及する。(a)におけるバーは20μm(ピクセルのサイズ:0.1340μm×0.1340μm)に相当する。
【図30】図30のリッジ強化についての入力画像(A)、リッジ強化された画像(B)および2値画像(C)は、適応可能な閾値化から創造した。リッジ強化は画像に適用され、その後続いて適応可能な閾値化をする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培地に細胞を単数化させ、所定の時間の間、単分子層における基質の上に細胞を広げまたはプレート化し(plating)、
細胞を蛍光性または発光性の染料、免疫蛍光検査または他の検出できる顕微鏡の染色液で染色し、3−D細胞顕微鏡検査のための染色された原形質膜、TNT、鞭毛および/または他の細胞粒子を得て、
複数の焦点面において画像を取得し、
所定の容積における背景上の染色度に応じて前記複数の焦点面の画像を分析し、
構造を領域に分割し、また形状、湾曲および他の選択された特性に応じて前記領域を分類し、
TNTまたは鞭毛が背景と交差しなければならない前記特性に基づいて、TNTまたは鞭毛(flagellae)の対象である構造を選択し、
一つの細胞から他に交差しているそれらを維持し、または鞭毛(flagellae)の場合には、取り出すことにより、TNTまたは鞭毛(flagellae)の対象の数を減らす
工程を具備する
自動化された細胞分析、細胞分類および/または生体細胞間の移送および伝達の決定の方法。
【請求項2】
少なくとも二つの異なる細胞染料で前記細胞を染色し、その内の一つは細胞質を染色することを具備する
請求項1の方法。
【請求項3】
少なくとも二つの異なる細胞染料で前記細胞を染色し、その内の一つは細胞の境界線を表示することを具備する
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
染色された細胞の2つのまたは複数のチャネル画像を得ることを具備する
請求項1から3のいずれかの方法。
【請求項5】
画像において表面染色細胞の分割をさらに具備する
請求項1から4のいずれかの方法。
【請求項6】
リッジ(ridge)を強化する湾曲に依存するフィルタの使用をさらに具備する
請求項1から5のいずれかの方法。
【請求項7】
フィリング(filling)および分水界分割(watershed segmentation)としてリッジ強化および形態学的オペレータを具備する
請求項1から6のいずれかの方法。
【請求項8】
リッジ強化画像上で適応可能な閾値化の使用を具備する
請求項1から7のいずれかの方法。
【請求項9】
細胞間の小器官移送が調査される請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
精液品質が調査される請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記基質が被覆され、お互いに所定の距離を有する本質的に単一化された細胞のマイクロアレイを得る前記の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
被覆がリソグラフィーまたはフォトリソグラフィーにより前記基質に適用された請求項10に記載の方法。
【請求項13】
化合物、治療剤、薬剤または擬似薬学的に効果的な物質が前記培地に追加される前記の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記の請求項のいずれかに記載の方法において、前記細胞が培地中で所定時間の間、物理的影響を受けさせる方法。
【請求項15】
前記物理的影響が電磁場である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記物理的影響が治療用装置により発生される請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
3−D顕微鏡と、
Z−ステッパと、
自動化された細胞分析、細胞分類および/または細胞間の移送と伝達の決定のための画像収集および分析装置とを
具備する
前記請求項1から16のいずれかに記載の顕微鏡装置。
【請求項18】
互いに本質的に一定の距離を有する細胞のアレイを得るための微細パターン化された被覆を有する基質をさらに具備する
請求項17に主張された顕微鏡装置。
【請求項19】
前記精液品質の連続的な調査のための請求項17または18に記載の装置の使用。
【請求項20】
擬似薬学および活性培地の連続的な調査のための請求項17または18の装置の使用。
【請求項21】
腫瘍の、高血圧の、ウイルスの、細菌および寄生生物の感染症、代謝の障害、神経系の障害、精神または心、そしてコレステロール値の治療についての擬似活性物質および活性培地の連続的な調査のための請求項17または18の装置の使用。
【請求項22】
遺伝子治療における効果的な物質の前記調査のため、薬理学における細胞標的のための請求項17または18の装置の使用。
【請求項23】
いずれかの前記請求項1から22に従って決定された新しい活性物質を含む医薬組成物。
【請求項1】
培地に細胞を単数化させ、所定の時間の間、単分子層における基質の上に細胞を広げまたはプレート化し(plating)、
細胞を蛍光性または発光性の染料、免疫蛍光検査または他の検出できる顕微鏡の染色液で染色し、3−D細胞顕微鏡検査のための染色された原形質膜、TNT、鞭毛および/または他の細胞粒子を得て、
複数の焦点面において画像を取得し、
所定の容積における背景上の染色度に応じて前記複数の焦点面の画像を分析し、
構造を領域に分割し、また形状、湾曲および他の選択された特性に応じて前記領域を分類し、
TNTまたは鞭毛が背景と交差しなければならない前記特性に基づいて、TNTまたは鞭毛(flagellae)の対象である構造を選択し、
一つの細胞から他に交差しているそれらを維持し、または鞭毛(flagellae)の場合には、取り出すことにより、TNTまたは鞭毛(flagellae)の対象の数を減らす
工程を具備する
自動化された細胞分析、細胞分類および/または生体細胞間の移送および伝達の決定の方法。
【請求項2】
少なくとも二つの異なる細胞染料で前記細胞を染色し、その内の一つは細胞質を染色することを具備する
請求項1の方法。
【請求項3】
少なくとも二つの異なる細胞染料で前記細胞を染色し、その内の一つは細胞の境界線を表示することを具備する
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
染色された細胞の2つのまたは複数のチャネル画像を得ることを具備する
請求項1から3のいずれかの方法。
【請求項5】
画像において表面染色細胞の分割をさらに具備する
請求項1から4のいずれかの方法。
【請求項6】
リッジ(ridge)を強化する湾曲に依存するフィルタの使用をさらに具備する
請求項1から5のいずれかの方法。
【請求項7】
フィリング(filling)および分水界分割(watershed segmentation)としてリッジ強化および形態学的オペレータを具備する
請求項1から6のいずれかの方法。
【請求項8】
リッジ強化画像上で適応可能な閾値化の使用を具備する
請求項1から7のいずれかの方法。
【請求項9】
細胞間の小器官移送が調査される請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
精液品質が調査される請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記基質が被覆され、お互いに所定の距離を有する本質的に単一化された細胞のマイクロアレイを得る前記の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
被覆がリソグラフィーまたはフォトリソグラフィーにより前記基質に適用された請求項10に記載の方法。
【請求項13】
化合物、治療剤、薬剤または擬似薬学的に効果的な物質が前記培地に追加される前記の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記の請求項のいずれかに記載の方法において、前記細胞が培地中で所定時間の間、物理的影響を受けさせる方法。
【請求項15】
前記物理的影響が電磁場である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記物理的影響が治療用装置により発生される請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
3−D顕微鏡と、
Z−ステッパと、
自動化された細胞分析、細胞分類および/または細胞間の移送と伝達の決定のための画像収集および分析装置とを
具備する
前記請求項1から16のいずれかに記載の顕微鏡装置。
【請求項18】
互いに本質的に一定の距離を有する細胞のアレイを得るための微細パターン化された被覆を有する基質をさらに具備する
請求項17に主張された顕微鏡装置。
【請求項19】
前記精液品質の連続的な調査のための請求項17または18に記載の装置の使用。
【請求項20】
擬似薬学および活性培地の連続的な調査のための請求項17または18の装置の使用。
【請求項21】
腫瘍の、高血圧の、ウイルスの、細菌および寄生生物の感染症、代謝の障害、神経系の障害、精神または心、そしてコレステロール値の治療についての擬似活性物質および活性培地の連続的な調査のための請求項17または18の装置の使用。
【請求項22】
遺伝子治療における効果的な物質の前記調査のため、薬理学における細胞標的のための請求項17または18の装置の使用。
【請求項23】
いずれかの前記請求項1から22に従って決定された新しい活性物質を含む医薬組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2008−545959(P2008−545959A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512785(P2008−512785)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005084
【国際公開番号】WO2006/125674
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.リナックス
【出願人】(507389521)スティフテルセン ウニヴェルジテーツフォルスクニング ベルゲン (1)
【氏名又は名称原語表記】STIFTELSEN UNIVERSITETSFORSKNING BERGEN
【住所又は居所原語表記】Prof. Keysergate 8, N−5020 Bergen, Norway
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005084
【国際公開番号】WO2006/125674
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.リナックス
【出願人】(507389521)スティフテルセン ウニヴェルジテーツフォルスクニング ベルゲン (1)
【氏名又は名称原語表記】STIFTELSEN UNIVERSITETSFORSKNING BERGEN
【住所又は居所原語表記】Prof. Keysergate 8, N−5020 Bergen, Norway
【Fターム(参考)】
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