説明

顕微鏡

【課題】データの迅速な撮影が可能であって、構成が技術的にできるだけ簡単に実現されるような、ミリメータサイズの生物学的な対象物の高解像度による3次元的な観察に適した顕微鏡を提供する。
【解決手段】顕微鏡100において、試料4を定置に保持することができ、照明光路2と検出光路5とには、この両光路2,5を試料近傍領域において摺動させる装置24,26が設けられている。この装置24,26は例えば、それぞれ1つの傾動可能な鏡を有しているビーム変向ユニットであって良い。両ビーム変向ユニット24,26は、その運動を互いに適合させるために1つの制御装置28の制御下にある。これにより、試料4の、その時点で対象物照明領域20´によって照射される領域が常に、検出光路5によって検出器8に結像されることが保証される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
単一細胞における研究とは異なり、胚やその他の発生生物学に関する試料の光学顕微鏡による検査には光分析の吸収や解像度の損失といった特別な問題がある。例えば、発生性の生物における遺伝子発現モデルと関連した生物学的な問題提起は、目下のところ光学顕微鏡によるイメージ形成法によって困難に対処するしかない。何故ならば、この方法はしばしば緩慢過ぎ、解像度が低過ぎ、または技術的に複雑であるからであり、または自由な作業距離から、または試料保持体からはミリメータサイズの対象物の観察は行えないからである。容認できる手段は、大きな試料の処理と、データの迅速な高解像度撮影を行えるものでなければならず、この場合、技術的にできるだけ簡単に実現できなければならない。
【0003】
科学的な文献により、海洋学的な調査のための顕微鏡が公知であって、この公知の顕微鏡は、レーザーによって照明光平面を試料室に形成し、この平面に対して垂直方向にカメラを有していて、このカメラが照明光平面に発生した蛍光信号を検出することを特徴としている[E.Fuchs et al,, Opt. Express 10,145(2002)]。この顕微鏡は、H.ジーデントプフ(H.Siedentopf)とR.ジグモンディ(R.Zsigmondy)[Ann. Phys. 10(4), 1(1903)]の限外顕微鏡に類似のもので、細菌のような自由に動く単一の微小体の検出のために使用される。これは、ミリメータサイズの例えば発生生物学的な試料を撮影するには適していない。何故ならば試料ホルダとしてキュベットが使用されるからである。同様に3次元的な撮影にも適していない。何故ならば試料を照明光平面に対して相対的に動かす手段を有していないからである。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19720513号明細書もしくは米国特許第5903781号明細書ならびに科学文献[D.Huber et al., J.Microsc. 202,208(2001)]により、3次元的なマイクログラフィのための装置が公知である。この公知の装置では、対象物を写真のように記録するために光平面を形成するための装置が使用されている。この場合、対象物は照明平面を通って動かされ、反射光および散乱光をカメラによって検出する。この装置は、センチメートルサイズの対象物の3次元的な再生を行うために用いられる。しかしながら、蛍光信号を使用するためには適しておらず、対象物を高解像度で再現するにも適していない。ミラー装置と接続されたギャップ形状の絞りが、光平面を形成するために使用される。直線的にしか動かない試料台を使用することにより試料を回転させることはできず、複数の方向から試料を観察することはできない。
【0005】
さらに技術科学文献により、光学的なトモグラフィのための構成が公知である。光学的なプロジェクショントモグラフィは例えば遺伝子発現分析において使用される[J.Sharpe et al., Science 296,541(2002)]。これは生物学的な試料の射影を特徴とするシステムであって、試料は検出方向に対して垂直に、1つの軸線を中心として回転させられる。試料は、検出軸線方向に対して垂直方向では照明光平面によって選択的に照明されないので、この顕微鏡は、本発明による顕微鏡とは異なり、極めて大きな被写界深度(Scharfentiefe)を有し、試料の大きな部分が記録される。従ってこの顕微鏡では、3次元的なイメージを撮影するために検出軸線に沿って試料を動かすことはできない。空間分解能による試料の3次元的なイメージは従って射影からの再生によってしか得られない。
【0006】
ドイツ連邦共和国特許4326473第号明細書により公知の共焦点シータ顕微鏡(Theta-Mikroskop)は、第1の対物レンズが点照明のために使用され、第2の対物レンズが対象物光を点状検出器に結像させるために使用される。この場合、検出方向は照明方向のほぼ垂直に位置する。これにより、照明容積と検出容積とが共焦点として重なり合う領域は特に小さく顕微鏡は殆ど等方性の分解能を得る。その分解能のオーダは、共焦点顕微鏡の横方向の分解能に相応する。
【0007】
しかしながらこのようなシータ顕微鏡は共焦点的に構成されていて、このことは、照明焦点と検出焦点の相対的な調整に関して高い要求を課す。さらに大きな作業距離にも関わらず、大きな対象物を撮影するのは困難である。これはシータ顕微鏡における対象物が、対象物走査の際に十分な運動自由度を有しておらず、点検出であるため3方向で走査されなくてはならないからである。これにより撮影には極めて長い時間がかかる。照明光は照明点に向かって集束される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19720513号明細書
【特許文献2】米国特許第5903781号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許4326473第号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】E.Fuchs et al,, Opt. Express 10,145(2002)
【非特許文献2】Ann. Phys. 10(4), 1(1903)
【非特許文献3】D.Huber et al., J.Microsc. 202,208(2001)
【非特許文献4】J.Sharpe et al., Science 296,541(2002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の根底を成す課題は、データの迅速な撮影が可能であって、構成が技術的にできるだけ簡単に実現されるような、ミリメータサイズの生物学的な対象物の高解像度による3次元的な観察に適した顕微鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る顕微鏡は、少なくとも1つの照明光路と少なくとも1つの検出光路とを有した顕微鏡であって、照明光路の照明軸線の方向で延びる線状の対象物照明領域を形成するために、各照明光路に1つの集束装置が設けられており、少なくとも1つの検出光路の検出方向が、前記線状の対象物照明領域に対してほぼ直交方向に位置しており、線状の対象物照明領域と検査したい対象物との間の相対運動を行わせるための少なくとも1つの運動装置が設けられていることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、少なくとも1つの運動装置が、対象物と線状の対象物照明領域との間の相対運動が、照明軸線および検出軸線に対してほぼ直交方向に行われるように形成されている。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つの運動装置が、相対運動を行わせるために対象物を動かすように形成されている。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの運動装置が、少なくとも1つの照明光路を、少なくとも前記照明光路によって準備された線状の対象物照明領域において、相対運動を行わせるために動かすように形成されている。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの運動装置が、少なくとも1つの検出光路を、少なくとも1つの照明光路の運動に合わせて、少なくとも対象物近くの領域で動かすように形成されている。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの検出光路が、多数の検出器画素を有した検出器を有している。
【0017】
好ましくは、対象物に対する検出器の検出器画素の数および配置が、少なくとも1つの検出光路が、少なくとも1つの照明光路によって対象物照明領域において照明される対象物の区分をほぼ完全に検出器に結像させるように選択されている。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの運動装置が、検査したい対象物を、少なくとも1つの検出光路のほぼ検出方向で動かすように形成されている。
【0019】
上記課題を解決するために本発明に係る顕微鏡は、少なくとも1つの照明光路と少なくとも1つの検出光路とを有した顕微鏡であって、照明光路の照明軸線の方向で広がる対象物照明領域を形成するために、少なくとも1つの照明光路に1つの集束装置が設けられており、少なくとも1つの検出光路の検出方向が、前記対象物照明領域に対してほぼ直交方向に位置しており、ホルダを備えた運動装置であって、対象物照明領域とホルダ上の検査したい対象物との間の相対運動を行わせるための、ホルダを備えた運動装置が設けられており、運動装置が、重力方向に位置する少なくとも1つの回転軸線を有しており、該回転軸線は、照明軸線に対してほぼ直交方向に、かつ検出方向に対してほぼ直交方向に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上記の課題は本発明に係る顕微鏡により解決された。試料は細い光ストリップにより照明され、観察は面状の延在を有するこの対象物照明領域に対して垂直に行われる。従って照明光ストリップの太さはシステムの被写界深度を大部分決めている。撮像のために対象物を空間的に固定された光ストリップを通して動かし、蛍光及び/又は散乱光は、走査運動の各位置で面状の検出器によって撮影される。有利な構成では対象物が回転されるので、複数の方向からこのような3次元的な撮影を行うことができ、1つの3次元的な写真に纏めることができる。その解像度は、個々の撮影のうち横方向(lateral)の解像度によって規定される。この撮影の高い解像度は、集束された照明、垂直方向の検出、対象物の運動、画像処理による個々の撮影の組合せの結果である。
【0021】
本発明による顕微鏡は、対象物照明領域において有利には互いに直交する照明光路および検出光路を有している。これにより検出方向は、照明光平面に対して垂直に位置する。しかしながら本発明の利点は、照明方向と検出方向との間の角度もしくは照明光平面と検出方向との間の角度が、直角からそれほど大きくずれていなければ十分に得られる。
【0022】
有利には光源としてレーザが使用され、レーザにより試料における蛍光放射の選択的な励起が可能になる。細いストリップへの照明光の集束のために、有利には円柱レンズが使用される。しかしながらこれは、別の集束エレメント(例えばホログラフィエレメントまたは別の円錐レンズ(Axicon)または位相板またはベッセル放射(Bessel-Strahl)を生ぜしめる別のエレメント)に代替可能である。
【0023】
検出された光は有利には蛍光である。しかしながら散乱光の検出も可能である。検出光は有利にはテレセントリック系によって2つの対物レンズから検出器に結像される。しかしながら別の光学的な構成群も適している。
【0024】
検出は有利には、全てのフィールドを検出する面状の検出器、例えばCCDカメラによって行われる。このような検出器の使用により迅速な撮像が可能であり、3次元的な撮影のための試料の運動は1方向(即ち検出器軸線に対して長手方向)に制限されている。システムの解像度は検出光学機器の横方向の解像度によって規定される。
【0025】
目下使用可能な検出器の面積は一般的に、数ミリメータの大きな対象物を高解像度で完全に撮影するのを保証するには十分でないので、本発明による顕微鏡の構成では、まとめると対象物全体のイメージを形成することができる、対象物の複数の部分のイメージを撮影するために、検出器平面において、即ち検出方向に対してほぼ横方向で、検出器を動かすことができるようになっている。
【0026】
有利な簡単な構成では、光路をガイドするための光学エレメントを使用していない。しかしながら例えばミラー、ダイクロイックミラー、ビーム分配器、光ファイバを光路ガイドのために使用することができる。本発明による顕微鏡では、照明光路および検出光路が分割されているので、照明光と蛍光とを分離するための、別の蛍光顕微鏡で通常使用されているダイクロイックミラーのような受動的な構成部分または例えば音響光学構成部分のような能動的な構成部分を省くことができる。
【0027】
この構成を例えば別の照明光路によって補完することができる。このような別の照明光路の光はストリップもしくは対象物照明領域を形成するように集束し、有利には第1の照明光路の対象物照明領域と同じ平面に位置する。従って試料の良好な照明が得られる。このような別の照明光路のための光は同じ光源から出ても良い。有利には試料はこの場合、互いに反対側の2つの方向から照明される。4パイ共焦点顕微鏡(4Pi konfokalen Mikroskopie)[S. Hell und E.H.K. Stelzer, J. Opt. Soc. Am. A9,2159(1992)]とは異なり、本発明による顕微鏡における調整の手間は僅かである。何故ならば、複数のマイクロメータのうち2つだけが太い光ストリップに重ねられれば良いからである。さらにビームの位相は考慮しなくて良い。
【0028】
しかしながら本発明による顕微鏡は、共焦点ではない4パイシータ(4Pi−Theta)顕微鏡としても使用できる。この場合、試料は4パイ(A)共焦点顕微鏡と同様に、2つの反対の方向からコヒーレントに照明され、これによりこの照明軸線に沿って、照明光平面における強度を空間的に調節する干渉パターンが生じる。これにより照明容積は半分になり、(ビームの間の位相差の調節による)干渉パターンの移動により、試料の補完領域を照射することができる。これによりイメージはより高い分解能で、照明軸線に沿って再生される。
【0029】
例えば、検出光路に対して逆方向で放射する光を検出する別の検出光路によって構成を完成することができる。これにより光の検出は常に、光が試料のできるだけ短い距離を通るように行われる。
【0030】
付加的に散乱光検出器及び/又は透過光検出器を設けることもできる。
【0031】
本発明による顕微鏡において試料を試料台に置くまたは空気中に保持することもできるが、試料は有利にはホルダによって上方から、水の満たされた試料室内に保持され、垂直の、即ち重力方向に位置する軸線を中心として回転する。このことは、別方向からの撮影のために試料を回転する際に、試料に加わる重力が変わらず、試料が変形することがないという利点を有している。有利には、このような試料室における試料の回転の際に試料室は動かないので、運動過程中に(試料自体における屈折率による差異は除いて)光路長は変わらない。これにより良質なイメージが得られる。有利には、このように保持された試料は、撮像の際に著しく散乱されるまたは吸収される試料の部分の影響を最小にするように形成されている。
【0032】
本発明による顕微鏡の別の構成では、照明路と検出路とを、空間的に固定された検査したい対象物を中心として回転させることができる。しかしながら、試料もしくは対象物は一般的に、さらなる撮影で結像するために後から調整しなければならない。
【0033】
検査すべき対象物は撮影の際に、面状の対象物照明領域に位置しており、対象物はこの領域の厚さよりもずっと大きい。この領域に位置する対象物の部分の2次元的な撮影が面状の検出器によって行われる。対象物の3次元的な撮影は、空間的に固定された照明領域を通して検出方向で対象物が走査することにより(または対象物を通るように照明領域が走査することにより)行われる。この場合、対象物の各位置で2次元的なイメージが撮影される。運動、照明、検出の同期化は有利には、試料負荷を減じるために最適にされる。
【0034】
有利には対象物の回転は(直線的な走査運動と同様に)電気的に制御される。これにより種々異なる角度からの複数のイメージの撮影は自動化され、試料検査の速度は高められる。所定の空間分解能による全体撮影のために必要なイメージの数と試料の回転角度は、短い試料検査時間と、ひいては僅かな試料負荷に関して最適にされる。
【0035】
有利には検査したい対象物は照明軸線を中心として傾動可能であって、これによりさらに付加的な方向から観察することができる。本発明による顕微鏡の別の構成では、下方に向かって放射される光の検出を可能にする第2の検出光路が設けられている。(例えば円柱レンズの回転により)対象物照明領域が照明軸線を中心として90°回転されると、試料は水平方向で光学的に切断される(鉛直方向の走査運動により3次元的な撮影が行われる)。
【0036】
有利には、本発明による顕微鏡では円柱レンズが有利には高周波で動かされ、例えば照明光路において高周波で、円柱軸線に沿って及び/又は照明軸線に沿って動かされ、及び/又は円柱軸線が照明軸線の方向で高周波で傾けられる。これにより円柱レンズへの汚染の影響は少なくなり、試料は均一に照明される。
【0037】
有利には、多数の生物学的な試料の保持は、(約99%が水の)ゲルへの、または別の重合化されたまたは架橋された構造体への埋め込みによって簡単に実現される。
【0038】
検査したい対象物の回転により行われる種々異なる方向からの撮影は、個々の3次元的な未処理のデータセットを組み合わせることにより、この対象物の3次元的再生を可能にする。本発明による顕微鏡の有利な構成では、試料の一部(一般的には、照明軸線と検出軸線との間の直角の内側に位置する2つの8分割)だけが光学的に結像されるので、試料全体を良好に再生するためには少なくとも4つの撮影が必要である。これらの写真は、この再生が、個々の写真よりも高い解像度を有するように組合せられる。再生されたイメージの品質は別の角度に沿った撮影により改善され、これにより共通の光学的な伝送機能の死角が埋められる。
【0039】
長い焦点距離を有する対物レンズの使用により、数ミリメータの作業距離が得られる。対象物のサイズはこれによりまず第1に光の透過性により制限される。対象物を(縁部層だけではなく)完全に検査しようとするならば、光は十分に対象物のあらゆる部分から、一方または他方に方向付けられて検出器に達しなければならない。
【0040】
既に述べたように、検出光路における光学システムの倍率に応じて、2次元的な画素検出器における検出器の制限された画素数に実質的に基づいて、検査したい対象物の完全なイメージを撮影するために、検出光路に対応する検出器を動かす必要がある。即ち、システム全体の解像度は、主として光学的な構成部分、特に使用されるレンズの開口数によって、したがって試料自体における解像度によって制限されるのではなく、むしろ例えばCCDカメラで使用されるような画素検出器の範囲にある技術的な限界によって制限される。この問題は、例えば天文学またはデジタル写真において使用されるような数百万の範囲の画素数を有する高解像度の画素検出器の使用により対処する。しかしながらこの画素検出器は比較的高価であり緩慢である。
【0041】
従って本発明の別の構成によれば、少なくとも1つの照明光路と少なくとも1つの検出光路とを有した顕微鏡が設けられていて、照明光路の照明軸線の方向で延びる線状の対象物照明領域を形成するために、各照明光路に1つの集束装置が設けられており、少なくとも1つの検出光路の検出方向が、前記線状の対象物照明領域に対してほぼ直交方向に位置しており、線状の対象物照明領域と検査したい対象物との間の相対運動を行わせるための少なくとも1つの運動装置が設けられている。
【0042】
本発明のこのような構成によれば、即ち、対象物照明領域がほぼ1つの次元に、即ち長さの次元に制限され、これにより前述の対象物照明領域の面状の構造が縦長の構造に、もしくは線状の構造に移行する。このような線状の対象物照明領域により相応に、検査したい対象物の線状の区分のみが照明され、蛍光励起され、もしくは光散乱するように使用される。今や形成されたこの直線状の照明領域は、検出光路によって、縦長の構造を有する、即ち実質的に1つの次元で互いに連続的に配置された画素を有する画素検出器に結像される。原理的に「1次元的な」画素検出器として解釈されるこのような形式の検出器は、極めて高い画素数、例えば8000画素まで準備される。今や線状の対象物照明領域により照明され、従って検出器に結像される検査したい対象物の区分は、相応に高い解像度で検出器自体でも撮影され、相応に高解像度のイメージに変換される。このような形式の画素検出器における画素のサイズは、検出光路で生ぜしめられる拡大倍率を考慮しても、一般的に、画素検出器の長手方向の延びに対して横方向で、この方向における線状の対象物照明領域のイメージの幅よりも極めて小さいので、例えば64×4096の画素数を有する、即ち対象物照明領域の長手方向で、もしくは相応のイメージの長手方向で横方向よりもずっと高い画素数を有する「2次元的な」縦長の画素検出器に変えると有利である。
【0043】
このような形式のシステムによって、検査したい対象物を完全に結像し、もしくはその完全なイメージを形成するために、検査したい対象物と照明光路もしくは検出光路との間で走査を行うことができ、これにより原理的には、検査したい対象物が直線的に走査され、この場合、生ぜしめられた個々の線イメージを1つの全体像にまとめることができる。
【0044】
このために、少なくとも1つの運動装置を、対象物と、直線状の対象物照射領域との間の相対運動が、照明軸線と検出方向とに対してほぼ垂直に行われるように形成することもできる。このために例えば、少なくとも1つの運動装置が、相対運動を行うために対象物を動かすように形成されている。
【0045】
検査したい対象物をこのように移動させることに対して選択的にまたは付加的に、少なくとも1つの運動装置を、少なくとも1つの検出光路が、相対運動を形成するために、少なくともこれにより準備された線状の対象物照明領域で運動するように形成する。この場合、例えば対象物が固定されている場合には対象物照明領域が動かされるので、少なくとも1つの運動装置を、少なくとも1つの検出光路が少なくとも1つの照明光路の運動に合わせて、少なくとも対象物の近くの範囲で運動するように形成する必要がある。
【0046】
既に説明したように、少なくとも1つの検出光路が、多数の検出器画素を有した検出器を有している。この場合、有利には、検出器の検出器画素の総数と配置は、少なくとも1つの検出光路が、少なくとも1つの照明光路によって対象物照明領域で照明される対象物の区分がほぼ完全に検出器に結像されるように選択されている。
【0047】
本発明によるシステムにより、検査したい対象物の面状の結像を生ぜしめるだけでなく、対象物を3次元的な走査によっても3次元的に結像させるために、少なくとも1つの運動装置が、検査したい対象物を少なくとも1つの検出光路のほぼ検出方向で動かすように形成されている。
【0048】
上記説明から明らかであるように、本発明の主要な原理は、少なくとも1つの照明光路によって縦長の対象物照明領域を形成することにある、この対象物照明領域では検査したい対象物を位置決めすることができ、蛍光励起により、または散乱光形成により、少なくとも1つの検出光路において、対象物照明領域で位置決めされた検査したい対象物または対象物栓体の区分のイメージを形成することができる。
【0049】
従って本発明によればさらに、少なくとも1つの照明光路と少なくとも1つの検出光路とを有する顕微鏡であって、照明光路の照明軸線の方向で広がる対象物照明領域を形成するために、各照明光路に1つの集束装置が設けられており、少なくとも1つの検出光路の検出方向が、前記対象物照明領域に対してほぼ直交方向に位置しており、対象物照明領域と検査したい対象物との間の相対運動を行わせるための運動装置が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】唯1つの照明光路と唯1つの検出光路とが設けられている、図2の視線方向Iで見た本発明による顕微鏡の一構成における光路を概略的に示した図である。
【図2】図1の視線方向IIで見た図1の構成を示した図である。
【図3】円柱レンズから出て、集束線の領域で対象物照明領域を形成する照明光路の基本状態を示す図である。
【図4】図3の視線方向IVで見た光路を示す平面図である。
【図5】2つの照明光路が設けられている、本発明による顕微鏡の別の実施例における光路を概略的に示した図である。
【図6】本発明による顕微鏡の別の基本状態を示した図である。
【図7】本発明による顕微鏡の選択的な構成を示した図1に相応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
次に本発明を図面につき詳しく説明する。
【0052】
図1は、図2の視線方向Iで見た本発明による顕微鏡の一構成における光路を概略的に示した図であって、唯1つの照明光路と唯1つの検出光路とが設けられている。
【0053】
図2は、図1の視線方向IIで見た図1の構成を示した図である。
【0054】
図3は、円柱レンズから出て、集束線の領域で対象物照明領域を形成する照明光路の基本状態を示す図である。
【0055】
図4は、図3の視線方向IVで見た光路を示す平面図である。
【0056】
図5は、本発明による顕微鏡の別の実施例における光路を概略的に示した図であって、ここでは2つの照明光路が設けられている。
【0057】
図6は、本発明による顕微鏡の別の基本状態を示した図である。
【0058】
図7は、本発明による顕微鏡の選択的な構成を示した図1に相応する図である。
【0059】
図1には、本発明による顕微鏡100の構成が示されている。構造体は光源1を有しており、この光源1の視準が合わせられたビーム2は円柱レンズ3を通って試料4に集束されている。この場合、細い鉛直方向の光ストリップ11が形成され、この光ストリップを通って試料4に蛍光エミッションが誘導される。放射された光5は検出光学機器6によって面状の検出器8、例えばCCDカメラに結像される。
【0060】
照明方向9と検出方向10とが直角(=90°)に配置されていることによりこの構造は特に簡単である。特に、検出光路5における照明光及び蛍光の分離のためのダイクロイックミラーの使用を省くことができる。照明光路2および検出光路5におけるフィルタ7は、ガラスフィルタまたは音響光学フィルタ、電気光学フィルタ、磁気光学フィルタであって、照明と検出のための波長の選択的な選出を可能にする。
【0061】
試料4はホルダ12によって試料室13に保持されて、検出方向10における撮像のために空間的に固定された光平面11を通って動かされる。ホルダ12によりさらに、鉛直軸線14を中心として試料4を回転させることができる。これにより試料4を複数の側から照明し観察することができる。
【0062】
図3及び図4には、円柱レンズ3の使用下で生じる前述の照明光路2が基本的な形式で示されている。焦点距離が有利には10〜100mmの範囲にある円柱レンズ3により、光源1から放射される光は比較的小さい角度αを成して集束する。従って集束線Lの範囲には、図3に点線で示した対象物照明領域20が生じる。この対象物照明領域20は、ほぼ面状のもしくは平面の構造もしくは延在を有しており、集束線の両側に円筒状区分により形成されている。照明軸線の方向もしくは照明方向で測定して、対象物照明領域20の寸法aが約5mmであって、集束線bの領域における照明光路2の厚さが約20μmである場合、照明方向で位置する対象物照明領域20の端部領域20a,20bには、ほぼ60μmの厚さcが生じる。これは勿論、円柱レンズ3に決められた開口数に依存する。対象物照明領域20全体にわたって、検査したい対象物の寸法に関して、対象物照明領域20の厚さの僅かな変動が照明光路2に存在する。従って特に、検査したい対象物の寸法を考慮して、対象物照明領域20の、つまりは面状もしくは平面の構造の一定近似における厚さを対象物照明領域20は起点とすることができる。
【0063】
図5には、顕微鏡100の変化実施例が示されている。この実施例では2つの照明光路2,2´が設けられている。図示の例では、これら両照明光路2,2´のそれぞれが互いに反対方向の照明方向を有しているが、互いに一致した照明軸線を有していて、それぞれ1つの円柱レンズ3,3´と、場合によってはこのレンズに配属されたフィルタ7,7´と光源1,1´とを有している。このような構成の変化実施例では、唯1つの光源が設けられていても良い。この場合、これらの照明光路2,2´の、前述の図3及び図4で詳しく説明した両対象物領域が重なっていることにより、図1に示した実施例における光ストリップと比較してより均質な細い鉛直方向の光ストリップが生じる。放射された光5は検出光学機器6により面状の検出器8に結像される。本発明による顕微鏡のこのような構成は特に、吸収性の試料のために適している。このような試料の場合は、片側からの照明では試料全体を照明することができない。
【0064】
このような構成では、両照明光路2,2´もしくは両照明光路2のビームを、このビームの位相の所定の調節により、これら両照明光路2,2´の両対象物領域が互いに重なるところで互いに、所望のように干渉させることができる。このような形式で、検査したい対象物もしくは試料4が照明される領域で、弱め合う干渉によって、規定された区分を弱める、もしくは強め合う干渉によって、規定された領域を強めることができる。これによりシステム全体の解像度はさらに改善される。
【0065】
図6には、本発明による顕微鏡100の別の実施例が示されている。矢印Pにより、ここに示された円柱レンズ3が照明光路2の照明軸線を中心として、例えば90°回転することが示されている。これによりこの照明光路2の対象物照明領域20も回転するので、対象物照明領域20がほぼ図平面に位置する図2に示した向きを起点として約90°回転し、図平面に対して垂直に位置している。このようにして、検査したい対象物4を別の方向から、即ち、図2ではこの対象物4の下方に位置する方向から観察することが可能になる。即ち、対象物4自体を回転させずに、図1に示した検出光路5対して約90°の角度をなして、検査したい対象物4を検査することができる別の検出光路5´を設けることができる。
【0066】
このようなシステムでは例えば、鏡60と傾動鏡26とを使用して、傾動鏡26の位置に応じて選択的に、対物レンズ6を備えた1つのもしくは同一の検出器8もしくは1つのもしくは同一の光学システムに種々異なる検出光路5,5´を導くことができる。即ち円柱レンズ3の回転位置に対応して、傾動鏡26を相応に切り換えることができる。勿論、それぞれ配属された対物レンズ装置および検出装置を備えた2つの検出光路5,5´を互いに独立的に、例えば90°の角度をなして設けることができる。さらに、このシステムの少なくとも1つを運動可能に形成することができ、これにより、これは円柱レンズ3と一緒に図2の照明光路2の照明軸線を中心に回転することができ、これにより円柱レンズ3とその検出光路とが同時に回転する際に、検査したい対象物4のランダムな撮影が行われ、この場合この対象物4自体を動かす必要はない。
【0067】
本発明による顕微鏡100の選択的な構成が図7に示されている。基本的な構成もしくは観察方式は図1と同様であるので、前記の説明を参照されたい。実質的にビーム2から成る照明光路が存在する。この照明光路は光学的なシステムの使用下で集束し、対象物照明領域20´を生ぜしめる。ここで使用されるレンズ3はいまや円柱レンズ3ではなく、照明光路の照明軸線9に関して回転対称的なレンズである。このようにして対象物照明領域20´が形成され、この対象物照明領域20´はほぼ同様に回転対称的であって、従って特に、検査したい対象物4もしくは試料が位置している領域で直線的な対象物照明領域もしくは線状の対象物照明領域として解される。ほぼ回転対称的な線状の対象物照明領域の寸法は勿論、レンズ3もしくは使用される光学システムの焦点距離に依存して、中央で、10〜20μmの範囲にあり、縁部領域で寸法は40〜60μmの範囲にある。
【0068】
即ち、この図7に示した顕微鏡100では、対象物照明領域20に試料4を配置した場合、試料4のプレート状または面状の領域は照明されず、相応に線状の領域が照明される。この線状に照明された領域の検出光路5に形成されるイメージは、この領域の光学システムを介して検出器8上に結像され、これによりここに、場合によっては拡大された線イメージが生ぜしめされる。検出器8は画素検出器として形成されていて、今や形成された線状のイメージに合わせて、複数の「一次元的な」画素装置を有する。このような装置では、画素の位置決めは、生ぜしめられた線状のイメージの縦方向において横方向より多くの数の画素が互いに連なっているように画素が配置されている。有利には画素の総数は縦方向もしくは横方向で、検出光路5に形成された線状のイメージが、検出器8を動かす必要なしに完全に検出器8によって撮影されるように選択される。しかしながら極端な場合、唯1つの画素列が設けられていれば良い。この場合、このような形式の画素フィールドの幅が減じられて、唯1つの画素線への移行が行われるほど、このような線状の配置に存在する画素の総数は多くなり、検出装置8の解像度がこの方向で相応に高められる。
【0069】
図7に示した検出器8の構成による高解像度の顕微鏡100によって、試料4の完全なイメージを得るために、本発明によればこの試料4の相対運動は線状の対象物照明領域20´に関して行われる。このために、基本的には種々様々な可能性がある。1つには試料4を、直線状の対象物照明領域に対して直交方向で、および検出光路5に対して直交方向で摺動させることができ、即ち図7の図面では図平面に対して垂直に動かすことができる。このようにして、走査式に次々に、試料4の直線状の領域が照明され、これにより相応に撮影されたイメージの組合せにより試料4の完全なイメージが1つの平面に形成される。3次元的なイメージを形成するためには試料4を、検出光路5もしくは検出方向10の方向でも摺動させ、これにより試料4の種々異なる平面が照明光路2の集束面を通って運動する。
【0070】
図7に示した選択的な構成では試料4を定置に保持することができ、照明光路2と検出光路5とには、この両光路2,5を試料近傍領域において摺動させる装置24,26が設けられている。この装置24,26は例えば、それぞれ1つの傾動可能な鏡を有しているビーム変向ユニットであって良い。両ビーム変向ユニット24,26は、その運動を互いに適合させるために1つの制御装置28の制御下にある。これにより、試料4の、その時点で対象物照明領域20´によって照射される領域が常に、検出光路5によって検出器8に結像されることが保証される。このようにして、図7の図平面に対して垂直には動かない試料のスキャニングが1つの平面で可能である。この場合も、3次元的な表示を得るために試料4を再び検出方向10で動かし、互いに連続的な複数の平面を走査することができる。
【0071】
勿論、一方では試料4と、他方では光路との間の相対運動を形成するための上記両手段を組み合わせることもできる。この場合、光路の運動を、試料の運動よりも迅速に行うことが考慮される。
【0072】
図7に示したシステムにより、高解像度の「一次元的な」もしくは縦長の画素フィールドを検出器8で使用することができ、従ってこれにより試料4のその都度照明される領域の相応に高解像度のイメージが得られる。試料4のこのような「スキャニング」のさらなる利点は、対象物照明領域の位置を改善して検出光学機器のレンズカバレッジに適合させることができること、もしくは、結像する必要のない領域を全く走査する必要がない、もしくは照明する必要がなく、別の必要な領域の走査もしくは結像を損なうこともないことにある。さらに、検査したい試料に関して所定の時間にわたって直線的な対象物照明領域をこのように走査運動することにより、上述したシステムの場合における相応のビームの拡がりのもとで得られるよりも均質な強度を相対運動の方向で有する照明平面もしくは面的な対象物照明領域が得られる。何故ならば、対象物照明領域における強度プロフィールは、ここでは、集束するビームの強度プロフィールにも依存しているからである。さらに、光がより強く集束することにより、より高い強度が得られる。レーザー出力は従ってより効果的に利用され、このことは弱い蛍光もしくは多光子励起の場合は特に有利である。
【0073】
勿論、本発明による顕微鏡の種々の側面、例えば、種々異なる数の照明光路および検出光路の準備、相対的な位置決め、相調節、摺動や回転により対象物を動かすための手段、例えば対象物が固定されている場合には光学システムを動かす手段は、対象物照明領域が面状に広がっているか、またはほぼ光線状もしくは線状に形成されているかに関わらず実現可能である。
【0074】
本発明は、試料の1つの層が細い光ストリップ11によって照明され、この光ストリップ平面に対して垂直方向で観察が行われる顕微鏡に関する。従って光ストリップ11の太さは、システムの被写界深度を規定する。撮像のためには対象物4を、検出器に関して固定された光ストリップ11を通して動かし、蛍光及び/又は散光は面状の検出器によって撮影される。著しく吸収される、または著しく散乱される対象物4は、複数の空間的な方向から観察される。各方向から行われる3時限的な撮影は後から、解像度に相応してデータが重みづけられた1つの画像にまとめられる。組み合わされた画像の解像度は、個々の画像の横方向の解像度により決まる。
【符号の説明】
【0075】
1,1´ 光源
2,2´ 照明光路
3,3´ 円柱レンズ
4 試料
5,5´ 検出光路
6 検出光学機器
7,7´ フィルタ
8 検出器
9 照明方向
10 検出方向
11 光ストリップ
12 ホルダ
13 試料室
14 鉛直軸線
20,20´ 対象物照明領域
20a,20b 端部領域
24,26 ビーム変向ユニット
28 制御装置
60 鏡
100 顕微鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの照明光路(2)と少なくとも1つの検出光路(5)とを有した顕微鏡であって、
−照明光路(2)の照明軸線の方向で延びる線状の対象物照明領域(20´)を形成するために、各照明光路(2)に1つの集束装置(3)が設けられており、
−少なくとも1つの検出光路(5)の検出方向(10)が、前記線状の対象物照明領域(20´)に対してほぼ直交方向に位置しており、
−線状の対象物照明領域(20´)と検査したい対象物(4)との間の相対運動を行わせるための少なくとも1つの運動装置(24,26,28)が設けられていることを特徴とする顕微鏡。
【請求項2】
少なくとも1つの運動装置(24,26,28)が、対象物(4)と線状の対象物照明領域(20´)との間の相対運動が、照明軸線および検出軸線(10)に対してほぼ直交方向に行われるように形成されている、請求項1記載の顕微鏡。
【請求項3】
少なくとも1つの運動装置が、相対運動を行わせるために対象物(4)を動かすように形成されている、請求項2記載の顕微鏡。
【請求項4】
少なくとも1つの運動装置(24,26,28)が、少なくとも1つの照明光路(2)を、少なくとも前記照明光路(2)によって準備された線状の対象物照明領域(20´)において、相対運動を行わせるために動かすように形成されている、請求項2または3記載の顕微鏡。
【請求項5】
少なくとも1つの運動装置(24,26,28)が、少なくとも1つの検出光路(5)を、少なくとも1つの照明光路(2)の運動に合わせて、少なくとも対象物近くの領域で動かすように形成されている、請求項4記載の顕微鏡。
【請求項6】
少なくとも1つの検出光路(5)が、多数の検出器画素を有した検出器(8)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の顕微鏡。
【請求項7】
対象物(4)に対する検出器(8)の検出器画素の数および配置が、少なくとも1つの検出光路(5)が、少なくとも1つの照明光路(2)によって対象物照明領域(20´)において照明される対象物(4)の区分をほぼ完全に検出器(8)に結像させるように選択されている、請求項6記載の顕微鏡。
【請求項8】
少なくとも1つの運動装置が、検査したい対象物を、少なくとも1つの検出光路(5)のほぼ検出方向(10)で動かすように形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の顕微鏡。
【請求項9】
少なくとも1つの照明光路(2;2,2´)と少なくとも1つの検出光路(5)とを有した顕微鏡であって、
−照明光路(2;2,2´)の照明軸線の方向で広がる対象物照明領域(20;20´)を形成するために、少なくとも1つの照明光路(2;2,2´)に1つの集束装置(3;3,3´)が設けられており、
−少なくとも1つの検出光路(5)の検出方向(10)が、前記対象物照明領域(20;20´)に対してほぼ直交方向に位置しており、
−ホルダ(12)を備えた運動装置であって、対象物照明領域(20;20´)とホルダ(12)上の検査したい対象物(4)との間の相対運動を行わせるための運動装置が設けられており、
運動装置(12)が、重力方向に位置する少なくとも1つの回転軸線(14)を有しており、該回転軸線(14)は、照明軸線に対してほぼ直交方向に、かつ検出方向(10)に対してほぼ直交方向に位置していることを特徴とする顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−215644(P2011−215644A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158280(P2011−158280)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【分割の表示】特願2004−557847(P2004−557847)の分割
【原出願日】平成15年6月6日(2003.6.6)
【出願人】(592133162)オイロペイシェス ラボラトリウム フュア モレクラールビオロギー (エー エム ベー エル) (2)
【氏名又は名称原語表記】Europaeisches Laboratorium fuer Molekularbiologie(EMBL)
【住所又は居所原語表記】Meyerhofstrasse 1, D−69117 Heidelberg,Germany
【Fターム(参考)】