説明

駆動ユニットおよび画像形成装置

【課題】駆動モータの駆動軸の駆動回転を常に適正に被回転体へ伝達することができるようにするとともに、並設された他の駆動モータとの間の確実な位置決め状態を確保する。
【解決手段】嵌挿孔91を備えたベースフレーム90に一体的に対向配置された筐体構造40の後板45と、ベースフレーム90と後板45間に介設される筐体構造40の架設板44と、出力軸32が嵌挿孔91を貫通してベースフレーム90に位置決めされた状態で支持される第1駆動モータ30と、出力軸32が貫通し、かつ、位置決め状態で第1駆動モータ30に装着される筒状の位置決めホルダ50と、架設板44に装着された少なくとも1つの第2駆動モータ39とが備えられ、架設板44には位置決めホルダ50の外周面と密嵌合するホルダ挿通孔441が穿設されているとともに、第2駆動モータ39の駆動軸391と密嵌合する駆動軸挿通孔442が穿設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の回転軸回りに一体回転可能に支持された被回転体に駆動力を伝達する駆動ユニットおよびこの取り付け構造が適用された画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において感光体ドラムを駆動回転させるために適用される、図7(A)および図7(B)に示すような出力軸101の芯出し構造として有用な駆動モータ100の取り付け構造が知られている。これらの取り付け構造は、画像形成装置の装置本体の板状フレーム109の外側(図7における右側)に付設された駆動モータ100の出力軸101と、板状フレーム109の内側(図7における左側)に設けられた感光体ドラム200のドラム軸201とをカップリング202を介して同心になるように接続するためのものである。
【0003】
まず、図7(A)に示す取り付け構造は、駆動モータ100の出力軸101に同心で外嵌された、駆動モータ100の筐体と一体のボス102を板状フレーム109に支持させる、いわゆるボス支持方式である。すなわち、内部に多数のギヤが組み合わされて形成された図略のギヤ機構を有する外面視で扁平な箱形の駆動ユニット108にボス102が貫通装着され、このボス102が板状フレーム109に穿設された貫通孔109aに嵌装されることによって駆動モータ100が板状フレーム109に取り付けられている。駆動モータ100は、駆動ユニット108に固定されているとともに、駆動ユニット108は、板状フレーム109に固定されている。
【0004】
出力軸101の先端は、カップリング202を介して感光体ドラム200のドラム軸201と同心で連結されている。従って、駆動モータ100の駆動回転は、出力軸101、カップリング202およびドラム軸201を介して感光体ドラム200へ伝達されることになる。
【0005】
かかるボス支持方式の出力軸101の取り付け構造にあっては、出力軸101は、駆動モータ100のボス102を介して板状フレーム109に対する芯出しのための位置決めが行われるため、ボス102と板状フレーム109との間の適正な位置関係を確保することにより、出力軸101が芯狂いすることを防止することができるが、駆動ユニット108を板状フレーム109に組み付けてから駆動モータ100を駆動ユニット108に組み付けなければならず、二段階の組み付けで組み付け効率が劣るばかりか、組み付け精度も劣るという問題点を有している。
【0006】
ついで、図7(B)に示す取り付け構造は、駆動モータ100の出力軸101に対して位置決めされた状態の駆動ユニット108のハウジング108aを板状フレーム109に装着する、いわゆるハウジング支持方式である。このハウジング支持方式にあっては、駆動ユニット108は、筒体108cが突設されたハウジング108aと、このハウジング108aの図7(B)における右面開口を閉止する蓋体108bとからなっている。
【0007】
そして、駆動モータ100は、蓋体108bの右面に固定されるとともに、その出力軸101がベアリング103を介して筒体108cに内嵌されている。かかる筒体108cが板状フレーム109の貫通孔109aに貫通された状態でハウジング108aが板状フレーム109に固定されることによって駆動モータ100が板状フレーム109に装着されている。出力軸101の先端がカップリング202を介して感光体ドラム200のドラム軸201と同心で連結されている点については先のボス支持方式の取り付け構造と同様である。
【0008】
かかるハウジング支持方式の取り付け構造にあっては、駆動ユニット108のハウジング108aが筒体108cおよびベアリング103を介して出力軸101に直接支持されているため、ボス102が板状フレーム109に支持されている図7(A)のボス支持方式の取り付け構造に比べてより精度の高い芯出し状態を実現させることができるばかりか、予め駆動モータ100を、蓋体108bを介してハウジング108aに組み付けて一体化したものを板状フレーム109へ装着することで現地での組み付け効率を向上させることができる。
【0009】
因みに、図7(B)に示すハウジング支持方式の取り付け構造に類似の取り付け構造については、特許文献1に記載されたものが知られている。
【特許文献1】特開2000−259009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図7(B)に示すハウジング支持方式の取り付け構造にあっては、出力軸101とハウジング108aとの間の芯出し状態は良好ではあるが、蓋体108bと駆動モータ100との間については、当該駆動モータ100のボス102が蓋体108bの貫通孔108dに嵌め込まれているため、例えば貫通孔108dの穿設位置に誤差があると、この部分での芯出し状態は必ずしも良好にはならず、結果として駆動モータ100の駆動力が出力軸101、カップリング202およびドラム軸201を介して常に適正に感光体ドラム200へ伝達されるとは限らないという問題点を有している。
【0011】
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、駆動モータの駆動軸の駆動回転を常に適正に被回転体へ伝達することができるようにするとともに、並設された他の駆動モータとの間の確実な位置決め状態を確保することができる駆動ユニットおよびこの構造が適用された画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明(駆動ユニット)は、第1貫通孔を備えたベースフレームに一体に対向配置された第1ユニットフレーム板と、前記ベースフレームと前記第1ユニットフレーム板間に介設される第2ユニットフレーム板と、出力軸が前記第1貫通孔を貫通して前記ベースフレームに位置決めされた状態で前記第1ユニットフレーム板に装着される第1駆動モータと、前記出力軸が貫通し、かつ、位置決め状態で前記第1駆動モータに装着される筒状の位置決めホルダと、前記第1ユニットフレーム板に装着された少なくとも1つの第2駆動モータとが備えられ、前記第2ユニットフレーム板には、前記位置決めホルダの外周面と密嵌合する第2貫通孔が穿設されているとともに、前記第2駆動モータの駆動軸と密嵌合する第3貫通孔が穿設されていることを特徴とするものである。
【0013】
かかる構成によれば、第1ユニットフレーム板に第1および第2駆動モータをそれぞれ取り付けた状態で第1駆動モータに位置決めホルダを装着し、引き続き第2貫通孔を位置決めホルダに外嵌するとともに、第3貫通孔を第2駆動モータの駆動軸に外嵌することにより、これら各構成要素が第1ユニットフレーム板に装着されてユニット化された駆動ユニットが形成される。
【0014】
ついで、第1駆動モータの出力軸をベースフレームの第1貫通孔に嵌入した後に第1ユニットフレーム板をベースフレームに固定することにより、第1ユニットフレーム板がベースフレームと一体化された状態で駆動ユニットがベースフレームに装着される。
【0015】
そして、駆動ユニットがベースフレームに装着された状態では、第1駆動モータの出力軸は、ベースフレームの第1貫通孔によって位置決めされているため、結果として第1駆動モータも位置決めされた状態になっている。従って、当該第1駆動モータに装着された位置決めホルダも出力軸に対して位置決めされた状態になっている。そして、第2ユニットフレーム板は、その第2貫通孔が位置決めホルダに外嵌されることによって当該位置決めホルダを介して出力軸に対し位置決め状態になっている。従って、かかる位置決め状態の第2ユニットフレーム板に穿設された第3貫通孔に嵌入されている第2駆動モータの駆動軸も第1駆動モータの出力軸に対し位置決めホルダおよび第2ユニットフレーム板を介し必然的に位置決めされた状態になっている。
【0016】
このように第1および第2駆動モータが装着された第1ユニットフレーム板がベースフレームに取り付けられた状態で、第2駆動モータの駆動軸は、第1駆動モータの出力軸に対して確実に位置決めされた状態になっているため、第1および第2駆動モータの出力軸および駆動軸にそれぞれ設けられたギヤ機構などからなる駆動力を伝達するための各駆動力伝達機構が互いに干渉し合って円滑に駆動し得なくなるような不都合の発生が確実に防止される。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1駆動モータは、前記出力軸が貫通されるボス部を有し、前記位置決めホルダの一方の端部は、前記ボス部に外嵌されていることを特徴とするものである。
【0018】
かかる構成によれば、位置決めホルダは、一方の端側が第1駆動モータのボス部に外嵌されているため、結局当該ボス部を介して出力軸と位置決め状態になっている。このように第1駆動モータに出力軸が貫通されるボス部を設け、このボス部に位置決めホルダの一方の端部を外嵌することで、簡単な構造でありながら位置決めホルダの出力軸に対する確実な位置決め状態が確保される。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記出力軸は、ベアリングを介して前記第1貫通孔に貫通され、前記位置決めホルダは、ボス部に外嵌されている側と反対側の端部が前記ベアリングに外嵌されていることを特徴とするものである。
【0020】
かかる構成によれば、第1駆動モータの出力軸は、ベースフレームの第1貫通孔にベアリングを介して支持されているため、円滑に回転することができる。また、位置決めホルダは、一方の端部が第1駆動モータのボス部に同心で支持されるとともに、他方の端部がベアリングに同心で支持され、これによって両端部が被支持状態になっているため、出力軸に対する安定した確実な位置決め状態が確保される。
【0021】
請求項4記載の発明(画像形成装置)は、ベースフレームと、
ドラム軸を備え、トナー像が担持される感光体ドラムと、
前記ドラム軸に連結される出力軸を備えた第1駆動モータと、前記感光体ドラム以外の被駆動部材を駆動する第2駆動モータとを含み、前記第1および第2駆動モータを前記ベースフレームへ取り付けるべく請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動ユニットが採用されていることを特徴とするものである。
【0022】
かかる構成によれば、画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動ユニットが適用されることにより、感光体ドラムおよび他の被駆動部材を回転させるために当該駆動ユニットの作用効果を享受することができるため、第1および第2駆動モータの駆動回転が適正に感光体ドラムおよび他の被駆動部材の回転に伝達され、常に適正な画像形成処理が実現する。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る駆動ユニットによれば、第1および第2駆動モータが装着された第1ユニットフレーム板がベースフレームに取り付けられた状態で、第2駆動モータの駆動軸は、位置決めホルダおよび第2ユニットフレーム板を介して第1駆動モータの出力軸に対して確実に位置決めされた状態になっているため、第1および第2駆動モータの出力軸および駆動軸にそれぞれ設けられたギヤ機構などからなる駆動力を伝達するための各駆動力伝達機構が互いに干渉し合って円滑に駆動し得なくなるような不都合の発生を確実に防止することができる。
【0024】
従って、第1および第2駆動モータは、これらの円滑な駆動回転で被駆動機器に対し予め設定された所定の動作を適正に行わせることができる。
【0025】
本発明に係る画像形成装置によれば、第1駆動モータの駆動力を感光体ドラムの駆動回転へ常に適正に伝達することができるため、第1ユニットフレーム板に設けられた感光体ドラムの周りの各種の画像形成処理用の機器(例えば現像装置やクリーニング装置等)を高精度で駆動させることができ、結果として各機器がぎくしゃくした動きをすることによる画像不良の発生を有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明に係る駆動ユニットの一実施形態を示す一部切り欠き分解斜視図であり、図2は、その組み立て斜視図である。また、図3は、図2のIII−III線断面図である。なお、図1〜図3において、X方向を左右方向、Y方向を前後方向といい、特に−Xを左方、+Xを右方、−Yを前方、+Yを後方という。
【0027】
本発明に係る駆動モータ取り付け構造20は、第1および第2駆動モータ30,39の筐体構造40を介したベースフレーム90への取り付けに関するものであり、詳しくは、図1に示すように、第1駆動モータ30の駆動力を、所定の装置における一対のベースフレーム90(図1には、一対のベースフレーム90の内の後方のベースフレーム90のみを示している)間に配設された回転部材80に伝達するとともに、第1および第2駆動モータ30,39間での不必要な干渉状態をなくして適正に駆動回転し得るようにするためのものである。
【0028】
かかる駆動モータ取り付け構造20は、筐体構造40に、出力軸32を有する第1駆動モータ30と、駆動軸391を有する第2駆動モータ39と、前記出力軸32が貫通される位置決めホルダ50と、ベースフレーム90の嵌挿孔91に装着された出力軸32を支持するベアリング60と、回転部材80の回転軸81と出力軸32との間に同心で介設されるカップリング部材70とを備えた基本構成を有している。
【0029】
これら第1駆動モータ30、少なくとも1つの第2駆動モータ39および位置決めホルダ50等が筐体構造40に装着されることによって本発明に係る駆動ユニット20が形成されている。
【0030】
前記回転部材80は、前後方向に延びる回転軸81と、この回転軸81に同心で一体回転可能に固定された被回転体82とを備えている。そして、第1駆動モータ30の駆動により被回転体82が回転軸81と一体回転することで、当該被回転体82が所定の機能を発揮する。回転軸81の先端には、カップリング部材70を介して出力軸32に同心で接続させるための、周面が切り欠かれることによって形成したDカット面811が形成されている。
【0031】
前記ベースフレーム90は、硬質の合成樹脂材料によって形成され、厚み寸法が前記ベアリング60の孔心方向の厚み寸法の略1/2に設定されている。かかるベースフレーム90には、前記ベアリング60を嵌め込むための嵌挿孔(第1貫通孔)91が穿設されている。この嵌挿孔91の径寸法は、ベアリング60の外径寸法より僅かに小さめに設定されている。そして、ベアリング60は、嵌挿孔91に圧入されることにより、後方の半分を残して前半部分が嵌挿孔91に固定されている。ベアリング60の後方に向けて突出した部分には、位置決めホルダ50の前端が圧入される。
【0032】
前記第1駆動モータ30は、内部に回転体を有する円筒状のモータ本体31と、このモータ本体31の前端面から前方に向けて同心で突出した出力軸32とを備えている。モータ本体31の前端面には同心でボス311が突設されている。また、モータ本体31の前端部には、径方向の外方に向かって周方向に等ピッチで突設された複数(図1に示す例では4つ)の突片312が設けられている。これらの突片312には、前後方向へ向けて貫通した装着孔313が穿設され、この装着孔313にボルトBが差し通されて前記筐体構造40に螺設された後述のボルト孔452に螺着締結されることにより第1駆動モータ30が筐体構造40の後述する後板45の後面側に固定される。
【0033】
前記装着孔313は、ボルトBの径寸法より若干大径に設定され、これによってボルトBが装着孔313に挿通された状態で遊びが存在するようになされている。こうすることで、筐体構造40の後述の後板45に設けられるボルト孔452の螺設位置の誤差を吸収することができる。
【0034】
前記出力軸32は、ボス311からの突出量が筐体構造40の前後寸法より若干長めに設定されている。従って、第1駆動モータ30が筐体構造40に装着された状態では、図2および図3に示すように、出力軸32が筐体構造40の後板45のボス支持孔(第3貫通孔)451およびベースフレーム90の嵌挿孔91を貫通してベースフレーム90へ向けて突出した状態になる。かかる出力軸32の前端部には、周面が切り欠かれることによって形成したDカット面321が設けられている。
【0035】
そして、第1駆動モータ30が筐体構造40に装着された状態で、出力軸32の先端と、回転部材80の被回転体82から突設された回転軸81の先端とは、それぞれ断面形状がD字状に形成されたD孔71を有するカップリング部材70を介して互いに連結される。これによって出力軸32の駆動回転は、カップリング部材70を介して回転軸81へ伝達されることになる。
【0036】
前記筐体構造40は、−Y方向から見た正面視で上下寸法が第1駆動モータ30の直径の略2倍、左右寸法が同直径の略1.5倍の矩形状に設定され、平面視で前後寸法が短い横長の矩形状を呈する底板41と、上部でこの底板41と対向配置された同一形状の天板42と、これら底板41および天板42の前縁部から互いに反対方向に向かって延設されたフランジ板43と、底板4および天板42の後縁部間に架設された後板(第1ユニットフレーム板)45と、底板41および天板42の前後方向の略中央位置間に架設された架設板(第2ユニットフレーム板)44とを備えている。
【0037】
前記底板41および天板42には、それらの前後方向の略中央位置に、互いに対応する方向へ向けて所定幅寸法だけ突設された左右方向に延びる突条46が設けられている。そして、架設板44は、上下の縁部を前方側からこれら上下一対の突条46に当接させた状態でネジ止めすることで底板41および天板42間に架設される。
【0038】
また、上下のフランジ板43の適所には、所定個数の挿通孔431が穿設されているとともに、ベースフレーム90には、各挿通孔431に対応した位置にネジ孔92がそれぞれ螺設されている。そして、ビス47を挿通孔431を通してネジ孔92に螺着して締結することにより筐体構造40がベースフレーム90に固定される。ネジ孔92の螺設位置は、嵌挿孔91の孔心とホルダ支持孔441の孔心とが前後で対向した状態における挿通孔431に対向した位置に設定される。
【0039】
前記第2駆動モータ39は、本実施形態においては、前記後板45の後面側(すなわち、筐体構造40の外側)において、点対称位置である左上の位置と右下の位置とに合計で2台がそれぞれネジ止めで設けられている。各第2駆動モータ39からは後板45を貫通した前方へ向かう駆動軸391がそれぞれ突設されている。かかる第2駆動モータ39は、図3に示すように、筐体構造40内の架設板44と後板45との間の空間に設けられた所定のギヤ機構392を介してベースフレーム90の前方に設けられた図略の被駆動装置を駆動させるためのものである。従って、駆動軸391と第2駆動モータ39との間にはギヤ機構392が介設されているのであるが、図示が煩雑になるのを防ぐべく図1および図2ではギヤ機構392の図示を省略し、ギヤ機構392が存在しない場合のものを示している。
【0040】
駆動軸391は、図2に示すように、ベースフレーム90に穿設された遊嵌孔93を貫通してベースフレーム90の前方に突出されている。かかる駆動軸391は、その前端に装着された図略のカップリングを介して前記回転部材80以外の被駆動部材に接続され、当該被駆動部材を駆動させるようになっている。
【0041】
前記架設板44は、第1駆動モータ30の出力軸32に対して第2駆動モータ39の駆動軸391を位置決めするためのものである。かかる架設板44の中央部には、位置決めホルダ50の前後方向の中央部を支持するためのホルダ支持孔(第2貫通孔)441が穿設されているとともに、前記各第2駆動モータ39の駆動軸391に対応した位置には、当該各駆動軸391を摺接状態で挿通させるための駆動軸挿通孔(第3貫通孔)442がそれぞれ穿設されている。また、後板45には、第1駆動モータ30のモータ本体31から前方へ向けて突設されたボス311を通して支持するためのボス支持孔451が穿設されている。
【0042】
また、後板45には、前記第1駆動モータ30の突片312に穿設された装着孔313と対向する位置にボルト孔452が螺設されている。そして、装着孔313に挿通されたボルトBがボルト孔452に螺着されて締結されることにより、第1駆動モータ30が後板45に固定される。
【0043】
前記位置決めホルダ50は、前方へ向かって僅かに先細りに形成された円筒状ホルダ本体51と、この円筒状ホルダ本体51の後端側に形成された角形のフランジ52とを備えている。円筒状ホルダ本体51には、その外周面における前記筐体構造40の架設板44に穿設されたホルダ支持孔441に対応する位置に中央等円部513が形成されているとともに、円筒状ホルダ本体51の内周面における前記第1駆動モータ30のボス311に対応した位置に後方等円部514が形成されている。
【0044】
前記中央等円部513は、前後幅寸法が架設板44の厚み寸法と等しく、かつ、外径寸法が一定でホルダ支持孔441の内径寸法より僅かに小さめに設定されている。前記後方等円部514は、前後幅寸法がボス311前後の厚み寸法から後板45の厚み寸法分を差し引いた値で、かつ、内径寸法が一定でボス311の外径寸法より僅かに大きめに設定されている。
【0045】
このように中央等円部513の外径寸法を前後方向で一定とすることにより、架設板44のホルダ支持孔441の内周面が面接触で中央等円部513に外嵌されるため、架設板44の中央等円部513に対する支持状態が安定する。これについては後方等円部514についても同様であり、後方等円部514による第1駆動モータ30のボス311の支持状態が安定する。
【0046】
前記フランジ52は、本実施形態においては、−Y方向から見た正面視で正方形状を呈し、円筒状ホルダ本体51の筒心延びる方向と直交する方向に延びるように方向設定されている。かかるフランジ52の後面には、回り止め突起521が後方に向かって突設されている一方、後板45には回り止め突起521に対応した回り止め孔453が穿設されている。回り止め突起521がこの回り止め孔453に嵌入されることによって位置決めホルダ50は、筒心回りに回動するのが阻止される。
【0047】
かかる位置決めホルダ50は、フランジ52の後面と円筒状ホルダ本体51の前面との間の距離が、筐体構造40をベースフレーム90に固定した状態におけるベースフレーム90の後面と筐体構造40の後板45の前面との間の距離と等しくなるように長さ設定されている。
【0048】
また、円筒状ホルダ本体51の前端の前面円孔511は、孔径寸法がベアリング60の外径寸法と同一か僅かに大きめに設定されているとともに、同後端の後面円孔512は、孔径寸法が第1駆動モータ30のボス311の外径寸法と同一か、それより僅かに大きめに設定されている。
【0049】
従って、ベアリング60の前半部分がベースフレーム90の嵌挿孔91に圧入された状態で、後方から架設板44のホルダ支持孔441に差し通した円筒状ホルダ本体51の前面円孔511をベアリング60の後半部分に外嵌し、この状態で筐体構造40をビス47によってベースフレーム90に取り付けた後、第1駆動モータ30の出力軸32をベアリング60に貫通させ、さらに第1駆動モータ30のボス311を円筒状ホルダ本体51の後面円孔512へ嵌め込み、しかる後にボルトBでモータ本体31を後板45に固定するとともに、カップリング部材70を介して出力軸32を回転部材80の回転軸81に接続し、さらに架設板44を突条46に固定することにより、第1駆動モータ30は、図2および図3に示すように、位置決めホルダ50、ベアリング60および筐体構造40を介してベースフレーム90に装着される。
【0050】
以上詳述したように、本実施形態に係る駆動モータ取り付け構造20は、嵌挿孔91を備えたベースフレーム90に一体的に対向配置された筐体構造40の後板45と、ベースフレーム90と後板45間に介設される筐体構造40の架設板44と、出力軸32が嵌挿孔91を貫通してベースフレーム90に位置決めされた状態で支持される第1駆動モータ30と、出力軸32が貫通し、かつ、位置決め状態で第1駆動モータ30に装着される筒状の位置決めホルダ50と、架設板44に装着された少なくとも1つの第2駆動モータ39とが備えられ、架設板44には位置決めホルダ50の外周面と密嵌合するホルダ挿通孔441が穿設されているとともに、第2駆動モータ39の駆動軸391と密嵌合する駆動軸挿通孔442が穿設されている。
【0051】
かかる構成の駆動モータ取り付け構造20によれば、後板45に第1および第2駆動モータ39をそれぞれ取り付けた状態で第1駆動モータ30に位置決めホルダ50を装着し、引き続きホルダ挿通孔441を位置決めホルダ50に外嵌するとともに、駆動軸挿通孔442を第2駆動モータ39の駆動軸391に外嵌することにより、これら各構成要素が後板45に装着されてユニット化され駆動ユニット20が形成される。
【0052】
ついで、第1駆動モータ30の出力軸32をベースフレーム90の嵌挿孔91に嵌入した後に後板45をベースフレーム90に固定することにより、後板45がベースフレーム90と一体化された状態で駆動ユニット20がベースフレーム90に装着される。
【0053】
そして、駆動ユニットがベースフレーム90に装着された状態では、第1駆動モータ30の出力軸32は、ベースフレーム90の嵌挿孔91によって位置決めされているため、結果として第1駆動モータ30も位置決めされた状態になっている。従って、当該第1駆動モータ30に装着された位置決めホルダ50も出力軸32に対して位置決めされた状態になっている。しかも、架設板44は、そのホルダ挿通孔441が位置決めホルダ50に外嵌されることによって当該位置決めホルダ50を介して出力軸32に対し位置決め状態になっている。従って、このような位置決め状態の架設板44に穿設された駆動軸挿通孔442に嵌入されている第2駆動モータ39の駆動軸391も第1駆動モータ30の出力軸32に対し位置決めホルダ50および架設板44を介し必然的に位置決めされた状態にすることができる。
【0054】
このように第1および第2駆動モータ39が装着された後板45がベースフレーム90に取り付けられた状態で、第2駆動モータ39の駆動軸391は、第1駆動モータ30の出力軸32に対して確実に位置決めされた状態になっているため、第1および第2駆動モータ30,39の出力軸32および駆動軸391にそれぞれ設けられたギヤ機構392などからなる駆動力を伝達するための各駆動力伝達機構が互いに干渉し合って円滑に駆動し得なくなるような不都合の発生を確実に防止することができる。
【0055】
また、上記の実施形態においては、第1駆動モータ30は、出力軸32が貫通されるボス311を有し、位置決めホルダ50の一方の端部(後端側)がボス311に外嵌されているため、位置決めホルダ50は、結局当該ボスを介して出力軸32と位置決め状態にすることができる。このように第1駆動モータ30に出力軸32が貫通されるボスを設け、このボスに位置決めホルダ50の一方の端部を外嵌することで、簡単な構造でありながら位置決めホルダ50の出力軸32に対する確実な位置決め状態を確保することができる。
【0056】
また、上記の実施形態においては、出力軸32は、ベアリング60を介して嵌挿孔91に貫通されているため、円滑に回転することができる。そして、位置決めホルダ50は、ボス311に外嵌されている側と反対側の端部がベアリング60に外嵌されてベアリング60に支持され、結局両端部が被支持状態になっているため、出力軸32に対する安定した確実な位置決め状態を確保することができる。
【0057】
そして、本発明に係る画像形成装置10には、以上のように構成された駆動モータ取り付け構造20が適用されている。以下、かかる画像形成装置10について、図4および図5を基に説明する。図4は、本発明に係る画像形成装置10の一実施形態の外観を示す斜視図であり、図5は、その内部構造の一実施形態を示す正面断面視の説明図である。なお、図4および図5におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(−X:左方、+X:右方、−Y:前方、+Y:後方)である。
【0058】
本実施形態で例示した画像形成装置10は、いわゆる胴内排紙型と称される複写機であり、装置本体11に画像形成部12(図5)と、定着部13(図5)と、用紙貯留部14と、排紙部15と、画像読取部16と、操作部17とがそれぞれ設けられている。そして、排紙部15は、画像読取部16の下部で装置本体11の一部が凹没されることによって形成され、これにより当該画像形成装置10が胴内排紙型と称されている。
【0059】
前記装置本体11は、外観視で直方体状を呈した下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された扁平な直方体状を呈する上部本体112と、この上部本体112と前記下部本体111との間に介設された連結部113とを備えている。前記連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に排紙部15を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物であり、下部本体111の左部から立設されている。前記上部本体112は、その左部がかかる連結部113の上端部に支持されている。
【0060】
そして、前記下部本体111には、画像形成部12、定着部13および用紙貯留部14が内装されているとともに、前記上部本体112には画像読取部16が装着されている。前記操作部17は、本実施形態においては、図4に示すように、上部本体112の前縁部から前方に向かって突設されている。
【0061】
用紙貯留部14は、装置本体11に対して挿脱自在の用紙カセット141を有している。この用紙カセット141には用紙束P1(図5)が貯留されている。そして、画像形成処理が行われるに際し、この用紙束P1から用紙Pが1枚ずつ繰り出され、画像形成部12へ送り込まれて当該用紙Pに画像形成処理(印刷処理)が施される。本実施形態では、用紙カセット141は2段で設けられている。
【0062】
前記排紙部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。かかる排紙部15は、下部本体111の上面に形成された胴内排紙トレイ151を有し、画像形成部12からのトナー画像が転写された用紙Pは、連結部113の下部からこの胴内排紙トレイ151へ向けて排出される。
【0063】
前記画像読取部16は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を走査する走査機構163(図5)とを備えている。そして、走査機構163によって読み取られた原稿画像のアナログ情報は、デジタル信号に変換された後に後述する露光装置123へ向けて出力され、画像形成処理に供される。
【0064】
前記操作部17は、画像形成処理に関する処理情報を入力操作するためのものであり、電源スイッチ170や、用紙Pの処理枚数等を入力するためのテンキー171(図4)やその他の各種の操作キー、タッチ入力を行ったりコメントを文字出力するためのLCD(Liquid crystal display)172、さらには画像形成処理の開始を告げるスタートキー173(図4)等が設けられている。そして、スタートキー173が押釦されることにより、原稿画像の読み取りから始まり、トナー像の転写された用紙Pの排出までの一連の具体的な画像形成処理が実行される。
【0065】
また、下部本体111の右面には、用紙貯留部14の直上位置に手差しトレイ18が設けられている。この手差しトレイ18は、下部が支持軸181回りに回動可能に軸支され、手差しの給紙口を閉止するべく起立した閉止姿勢と、右方へ向かって突出した開放姿勢との間で姿勢変更可能とされている。かかる手差しトレイ18は、開放姿勢に姿勢設定された状態で1枚ずつの用紙Pの手差しに供される。
【0066】
このような手差しトレイ18と後述する用紙縦搬送路191(図5)との間には搬送ユニット184(図5)と、中継ユニット185とが設けられ、手差しトレイ18から手差しで給紙された用紙Pは、これら搬送ユニット184および中継ユニット185を介して用紙縦搬送路191へ導入され、この用紙縦搬送路191を上昇して後述する感光体ドラム121と転写ローラ125との間のニップ部へ向けて送り出される。
【0067】
また、前記下部本体111の左面には、開閉可能なメンテナンス用のメンテナンスドアー19が設けられているとともに、このメンテナンスドアー19の直上位置には、開閉可能な胴外排紙トレイ152が設けられている。画像形成部12で印刷処理が完了した用紙Pは、この胴外排紙トレイ152および前記胴内排紙トレイ151のいずれかに選択的に排出される。
【0068】
以下、図5を基に画像形成装置10の内部構造について詳細に説明する。図5に示すように、前記画像形成部12には、その略中央部に感光体ドラム121が設けられている。この感光体ドラム121は、ドラム心回りに時計方向に向けて回転しながらその直ぐ右方位置に設けられた帯電器122により周面が一様に帯電される。
【0069】
そして、前記画像読取部16で読み取られた原稿画像の画像情報に基づく露光装置123からのレーザビームにより感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。この静電潜像に向けて感光体ドラム121の下方に設けられた現像装置124から現像剤(以下、トナーという)が供給され、これによって感光体ドラム121の周面に静電潜像に沿ったトナー像が形成される。
【0070】
トナー像が形成された感光体ドラム121には、用紙貯留部14のいずれかの用紙カセット141から送り出され、上下方向に延びた用紙縦搬送路191を上昇した用紙Pが、タイミングを取るためのレジストローラ対142を介して送り込まれる。そして、この用紙Pには、感光体ドラム121の左方で当該感光体ドラム121と対向配置された転写ローラ125の作用で感光体ドラム121の周面のトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは感光体ドラム121から分離されて定着部13へ送り込まれる。
【0071】
用紙Pに対するトナー像の転写処理が完了した感光体ドラム121は、時計方向へ向かう回転が継続されることにより、その直上位置に設けられたクリーニング装置126によってその周面が清浄化処理され、つぎの画像形成処理のために帯電器122へ向かうことになる。
【0072】
前記定着部13は、その筐体の内部にハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた定着ローラ131と、左方でこの定着ローラ131と対向配置された加圧ローラ132とが設けられることにより構成されている。画像形成部12から送り込まれた用紙Pは、これら定着ローラ131と加圧ローラ132との間のニップ部を通過しながら熱を得てトナー像の定着処理が施される。
【0073】
定着処理後の用紙Pは、当該用紙Pが片面印刷用のものである場合には、定着部13の上方に設けられた排紙搬送路192を介して選択的に排紙部15の胴内排紙トレイ151へ排出されたり、胴外排紙トレイ152へ排出されたりする。
【0074】
一方、定着処理後の用紙Pが片面の印刷処理が完了した両面印刷用のものである場合には、排紙搬送路192の上方に設けられた往復搬送路193を介して前半が胴内排紙トレイ151の上方に形成された一時退避空間153に排紙されたのち前記メンテナンスドアー19内に設けられた上下方向に延びる逆送搬送路194を介して逆送され、表裏が反転した状態で再度画像形成部12に供給されて裏面側に印刷処理が施される。両面印刷が完了した用紙Pは、胴内排紙トレイ151または胴外排紙トレイ152へ排出される。
【0075】
メンテナンスドアー19には、前記逆送搬送路194の直ぐ右側に、画像形成部12の左面に対向されるカバー部材19aが設けられている。このカバー部材19aは、メンテナンスドアー19の右面側に包持されている。そして、メンテナンスドアー19が閉止姿勢に姿勢設定された状態で、カバー部材19aの右面と画像形成部12の左面との間に用紙カセット141や手差しトレイ18から給紙された用紙Pを搬送するための前記用紙縦搬送路191の一部が形成されている。
【0076】
このようなメンテナンスドアー19が設けられるのは、画像形成部12の左面に対応した用紙縦搬送路191で紙詰りが生じたときに、メンテナンスドアー19を開放姿勢に姿勢変更させて詰まった用紙Pを外部に露出させ、これによって詰まった用紙Pを取り除くことができるようにするためである。
【0077】
そして、このように構成された画像形成装置10に、本発明に係る駆動モータ取り付け構造20が適用され、感光体ドラム121が駆動モータ取り付け構造20の構成要素である第1駆動モータ30によって駆動回転される。以下図6を基に、必要に応じて他の図面も参照しながら感光体ドラム121を駆動回転させるために適用された駆動モータ取り付け構造20について説明する。
【0078】
図6は、駆動モータ取り付け構造20が感光体ドラム121の駆動回転に適用された例を示す斜視図である。なお、図6におけるXおよびYによる方向表示は、図4の場合と同様(−X:左方、+X:右方、−Y:前方、+Y:後方)である。
【0079】
図6に示すように、感光体ドラム121は、そのドラム心位置に同心で一体回転可能に設けられたドラム軸121aを有している。そして、このドラム軸121aが画像形成装置10の装置本体11の下部本体111(図5)に設けられた前後方向一対のフレームプレート(ベースフレーム90)114間に軸心回りに回転可能に架設されている。これにより、感光体ドラム121は、ドラム軸121a回りに一体回転可能に装置本体11内の所定の位置に装着されている。なお、感光体ドラム121は、前記被回転体82に対応し、ドラム軸121aは、前記回転軸81に対応し、フレームプレート114は、前記ベースフレーム90に対応する。
【0080】
そして、前記筐体構造40に対応する筐体構造115が後方のフレームプレート114に装着されている。一対のフレームプレート114の内の後方側のフレームプレート114と、この後方側のフレームプレート114に設けられた筐体構造115と、この筐体構造115の後方側に設けられた第1駆動モータ30と、筐体構造115内に設けられた位置決めホルダ50と、当該位置決めホルダ50の前端およびフレームプレート114の双方に内嵌されたベアリング60と、筐体構造115の後方外面側に装着された前記第2駆動モータ39に対応する、現像装置124内の現像ローラや攪拌搬送部材、転写ローラ125並びにクリーニング装置126内のクリーニング部材等を駆動させるための図略の駆動モータとを備えて本発明に係る駆動モータ取り付け構造20が形成されている。筐体構造115内には、ギヤ機構等が設けられている。
【0081】
感光体ドラム121を駆動回転させるために画像形成装置10に本発明に係る駆動モータ取り付け構造20を適用することにより、位置決めホルダ50を介してドラム軸121aの高精度な芯出しが実現するとともに、位置決めホルダ50を介してドラム軸121aと駆動ユニット115に設けられた第1駆動モータ30以外の駆動モータやギヤ機構との間が高精度で位置決めされるため、感光体ドラム121の駆動回転に連携した現像装置124、転写ローラ125およびクリーニング装置126の駆動が適正に行われ、結果として画像不良のない適正な画像形成処理に貢献することができる。
【0082】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0083】
(1)上記の実施形態においては、本発明に係る駆動モータ取り付け構造20を画像形成装置10に適用する例について説明したが、画像形成装置10に代えて駆動モータの駆動力を所定の被回転体に伝達するように構成された各種の装置に適用することができる。
【0084】
(2)上記の実施形態においては、駆動モータ取り付け構造20が適用される画像形成装置10として複写機を例に挙げて説明したが、複写機以外のプリンタやファクシミリ装置等の画像形成装置にも駆動モータ取り付け構造20を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る駆動ユニットの一実施形態を示す一部切り欠き分解斜視図である。
【図2】図1に示す駆動モータ取り付け構造の一部切り欠き組み立て斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。
【図5】図4に示す画像形成装置の正面断面視の説明図である。
【図6】駆動モータ取り付け構造が感光体ドラムの駆動回転に適用された例を示す斜視図である。
【図7】従来の駆動ユニットを示す側面断面視の説明図であり、(A)は、ボス支持方式の取り付け構造、(B)は、ハウジング支持方式の取り付け構造をそれぞれ示している。
【符号の説明】
【0086】
10 画像形成装置 11 装置本体
111 下部本体 112 上部本体
113 連結部 114 フレームプレート(ベースフレーム)
115 駆動ユニット 12 画像形成部
121 感光体ドラム 121a ドラム軸
122 帯電器 123 露光装置
124 現像装置 125 転写ローラ
126 クリーニング装置 13 定着部
131 定着ローラ 132 加圧ローラ
14 用紙貯留部 141 用紙カセット
142 レジストローラ対 15 排紙部
151 胴内排紙トレイ 152 胴外排紙トレイ
153 一時退避空間 16 画像読取部
161 コンタクトガラス 162 カバー
163 走査機構 17 操作部
170 電源スイッチ 171 テンキー
173 スタートキー 18 手差しトレイ
181 支持軸 184 搬送ユニット
185 中継ユニット 19 メンテナンスドアー
191 用紙縦搬送路 192 排紙搬送路
193 往復搬送路 194 逆送搬送路
19a カバー部材 20 駆動モータ取り付け構造
30 第1駆動モータ
31 モータ本体 311 ボス
312 突片 313 装着孔
32 出力軸 321 カット面
39 第2駆動モータ 391 駆動軸
40 筐体構造 41 底板
42 天板 43 フランジ板
431 挿通孔 44 架設板(第2ユニットフレーム板)
441 ホルダ支持孔(第2貫通孔)
442 挿通孔(第3貫通孔) 45 後板(第1ユニットフレーム板)
451 ボス支持孔(第3貫通孔)
452 ボルト孔 453 回り止め孔
46 突条 47 ビス
50 位置決めホルダ
51 円筒状ホルダ本体 511 前面円孔
512 後面円孔 513 中央等円部
514 後方等円部 52 フランジ
521 回り止め突起 60 ベアリング
70 カップリング部材 71 D孔
80 回転部材 81 回転軸
811 カット面 82 被回転体
90 ベースフレーム 91 嵌挿孔(第1貫通孔)
92 ネジ孔 B ビス
P 用紙 P1 用紙束
100 駆動モータ 101 出力軸
102 ボス 103 ベアリング
108 駆動ユニット 108a ハウジング
108b 蓋体 108c 筒体
108d 貫通孔 109 板状フレーム
109a 貫通孔 200 感光体ドラム
201 ドラム軸 202 カップリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1貫通孔を備えたベースフレーム一体に対向配置された第1ユニットフレーム板と、
前記ベースフレームと前記第1ユニットフレーム板間に介設される第2ユニットフレーム板と、
出力軸が前記第1貫通孔を貫通して前記ベースフレームに位置決めされた状態で前記第1ユニットフレーム板に装着される第1駆動モータと、
前記出力軸が貫通し、かつ、位置決め状態で前記第1駆動モータに装着される筒状の位置決めホルダと、
前記第1ユニットフレーム板に装着された少なくとも1つの第2駆動モータとが備えられ、
前記第2ユニットフレーム板には、前記位置決めホルダの外周面と密嵌合する第2貫通孔が穿設されているとともに、前記第2駆動モータの駆動軸と密嵌合する第3貫通孔が穿設されていることを特徴とする駆動ユニット。
【請求項2】
前記第1駆動モータは、前記出力軸が貫通されるボス部を有し、
前記位置決めホルダの一方の端部は、前記ボス部に外嵌されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記出力軸は、ベアリングを介して前記第1貫通孔に貫通され、
前記位置決めホルダは、ボス部に外嵌されている側と反対側の端部が前記ベアリングに外嵌されていることを特徴とする請求項2記載の駆動ユニット。
【請求項4】
ベースフレームと、
ドラム軸を備え、トナー像が担持される感光体ドラムと、
前記ドラム軸に連結される出力軸を備えた第1駆動モータと、前記感光体ドラム以外の被駆動部材を駆動する第2駆動モータとを含み、
前記第1および第2駆動モータを前記ベースフレームへ取り付けるべく請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動ユニットが採用されていることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−38950(P2010−38950A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198210(P2008−198210)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】