説明

駆動回路、及び空気調和機の室内機用駆動回路

【課題】アクチュエータの駆動源に接続される配線を小径化し、当該配線と接続される制御基板上のコネクタの大型化防止を可能とする。
【解決手段】室内機1に備えられ、複数のフラップ毎に設けられたフラップ用モータM1〜M4を駆動する駆動回路であって、フラップ用モータM1〜M4を動作させるドライバ素子と、当該ドライバ素子のうち対応するドライバ素子と接続される1つのコモン接点、及び同一番号の接点が1つのフラップ用モータに接続されてなる切換接点を有する切換スイッチと、各切換スイッチの切換接点を同一番号の切換接点に切り換える切換信号を切換スイッチに出力する切換信号出力部、及びフラップ用モータM1〜M4を駆動する駆動信号をドライバ素子に出力する駆動信号出力部を有するマイコン101を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機等に適用される駆動回路に関し、例えば、調和空気の吹出方向を変更するフラップ等のアクチュエータを駆動する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アクチュエータを駆動する電気機器、例えば、空気調和装置では、空調室内に吹き出される調和空気の気流分布を拡げるために、4つの吹出口から4方向に調和空気を吹き出す天井埋込型等の機器が提案されている。このような空気調和装置の室内機には、室内機を覆う化粧パネルに形成された各吹出口に、調和空気の風向を変化させるためにスイング動作を行うフラップが設けられている。各フラップは、各個別のスイング動作を可能とするための駆動モータを化粧パネル側にそれぞれに備えている。当該動作機構からなるフラップの動作を駆動制御するために、例えば、下記特許文献1に示されるように、当該室内機には、室内機本体内の制御基板に設けられた各ドライバから、化粧パネル側の駆動モータまで、上記各駆動モータ毎に制御信号送信用の信号線(ハーネス)が配線される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−199639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の空気調和装置の室内機では、室内機本体内にある制御基板上の各ドライバから化粧パネル側の駆動モータまで各駆動モータ毎に信号線を配線するため、室内機本体内の制御基板から化粧パネルの駆動モータまでの配線数が多くなっている。このため、これら各配線と接続されるポート数が増えることにより当該制御基板上のコネクタが大型化する。また、制御基板と駆動モータとを接続するハーネスが上記配線数の増加により大径化するため、室内機内に当該フラップの動作機構を据え付ける際の据付性が悪化する要因となっている。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、アクチュエータの動作制御を司る制御部から当該アクチュエータの駆動源のドライバに接続される配線の小径化と、当該配線と接続される制御基板上のコネクタの大型化防止とを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、空気調和機の室内機に備えられるm(mは2以上の整数)個のアクチュエータ毎に設けられて当該アクチュエータを駆動するm個のn(nは2以上の整数)相ステッピングモータを駆動する駆動回路であって、
前記n相ステッピングモータを動作させる2n個のドライバ素子と、
1つのコモン接点と、通し番号が付された少なくともm個の切換接点とを有し、前記コモン接点は前記ドライバ素子と接続され、前記m個の切換接点は、同一番号の接点が1つの前記n相ステッピングモータの各相の正側または負側と各々1対1で接続される2n個の切換スイッチと、
前記各切換スイッチの前記切換接点を同一番号の切換接点に切換える切換信号を前記切換スイッチに出力する切換信号出力部と、
前記n相ステッピングモータを駆動する駆動信号を当該ドライバ素子に出力する駆動信号出力部とを備えるものである。
【0007】
この発明では、切換信号出力部から出力される切換信号に従って、切換スイッチが、複数のn相ステッピングモータのそれぞれに対するスイッチ接続を切り換え、駆動信号出力部から出力される駆動信号により、ドライバ素子を介して上記の各n相ステッピングモータを駆動するので、これら切換信号出力部の切換信号及び駆動信号出力部の駆動信号を出力可能な配線さえ備えていれば、各n相ステッピングモータ毎に配線を備える必要なく上記の各n相ステッピングモータを駆動可能となる。
【0008】
これにより、例えば、切換信号出力部及び駆動信号出力部が上記各n相ステッピングモータ及びドライバ素子から離れた位置に配設される場合であっても、切換信号及び駆動信号の送出によりn相ステッピングモータを駆動制御する切換信号出力部及び駆動信号出力部から、ドライバ素子に接続される信号送出用のハーネスを小径化することが可能になる。また、切換信号出力部及び駆動信号出力部の側においては上記各n相ステッピングモータ毎の配線に対応するポートが不要なので、当該ポート数の削減により、当該配線を繋ぐために、切換信号出力部及び駆動信号出力部の側とドライバ素子の側とで必要とされるコネクタも小型化が可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駆動回路であって、前記切換信号出力部は、前記n相ステッピングモータの1ステップ当たりの駆動時間が予め定められた数に細分化された時間を出力単位とする前記切換信号を、前記切換スイッチの各々に順次出力するものである。
【0010】
この発明では、切換信号出力部は、上記n相ステッピングモータ駆動時における1ステップ当たりの時間を、予め定められた数に細分化した時間を出力単位として生成した切換信号を切換スイッチの各々に順次出力することにより、n相ステッピングモータを1ステップ駆動するための所要時間内に、全ての切換スイッチに当該切換信号を出力して比較的高速に各切換スイッチを切り換えて、各n相ステッピングモータに対して上記駆動信号が順次出力されるようにする。当該切換スイッチの切換により、n相ステッピングモータを1ステップ駆動するための所要時間内に、細分化された駆動電圧を全てのn相ステッピングモータに複数回印加できるので、擬似的に全てのn相ステッピングモータを同時に駆動させることができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の駆動回路であって、前記ドライバ素子は、前記室内機から空調室内に吹き出される調和空気の風向を変更するフラップを前記アクチュエータとして駆動するフラップ用モータを、前記n相ステッピングモータとして動作させるものである。
【0012】
この発明によれば、例えば、切換信号出力部及び駆動信号出力部が上記各フラップ用モータ及びドライバ素子から離れた位置に配設される場合であっても、切換信号出力部及び駆動信号出力部からドライバ素子に接続される信号送出用のハーネスを小径化することが可能になる。また、切換信号出力部及び駆動信号出力部の側においては上記各フラップ用モータ毎の配線に対応するポートが不要なので、当該ポート数の削減により、当該配線を繋ぐために、切換信号出力部及び駆動信号出力部の側とドライバ素子の側とで必要とされるコネクタも小型化が可能となる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の駆動回路であって、前記ドライバ素子は、ファンによって吸い込まれる空調室内の空気が含む塵埃を捕捉するフィルタに付着した当該塵埃を除去する塵埃除去部材を前記アクチュエータとして駆動する塵埃除去機構モータを、前記n相ステッピングモータとして動作させるものである。
【0014】
この発明によれば、例えば、切換信号出力部及び駆動信号出力部が上記各塵埃除去機構モータ及びドライバ素子から離れた位置に配設される場合であっても、切換信号出力部及び駆動信号出力部からドライバ素子に接続される信号送出用のハーネスを小径化することが可能になる。また、切換信号出力部及び駆動信号出力部の側においては上記各塵埃除去機構モータ毎の配線に対応するポートが不要なので、当該ポート数の削減により、当該配線を繋ぐために、切換信号出力部及び駆動信号出力部の側とドライバ素子の側とで必要とされるコネクタも小型化が可能となる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、ファンによって吸い込まれる空調室内の空気が含む塵埃を捕捉するフィルタに付着した当該塵埃を除去するp(pは2以上の整数)個の塵埃除去部材毎に設けられて当該塵埃除去部材を駆動するp個の塵埃除去機構用n相ステッピングモータを動作させる2n個の塵埃除去機構用ドライバ素子と、
1つのコモン接点と、通し番号が付された少なくともp個の切換接点とを有し、前記コモン接点は前記塵埃除去機構用ドライバ素子と接続され、前記p個の切換接点は、同一番号の接点が1つの前記n相ステッピングモータの各相の正側または負側と各々1対1で接続される2n個の塵埃除去機構用切換スイッチとを備え、空気調和機の室内機に備えられる塵埃除去機構用駆動回路と、
請求項3に記載の駆動回路とを備え、
前記塵埃除去機構用ドライバ素子は、前記フラップ用モータを動作させる前記ドライバ素子が設けられているドライバ基板を介して、前記切換信号出力部及び前記駆動信号出力部に電気的に接続され、
前記切換信号出力部は、更に、前記各塵埃除去機構用切換スイッチの前記切換接点を同一番号の切換接点に切換える切換信号を、前記フラップ用モータを動作させるための前記ドライバ基板を介して、前記塵埃除去機構用切換スイッチに出力し、
前記駆動信号出力部は、更に、前記塵埃除去機構用n相ステッピングモータを駆動する駆動信号を、前記フラップ用モータを動作させるための前記ドライバ基板を介して、前記塵埃除去機構用ドライバ素子に出力する空気調和機の室内機用駆動回路である。
【0016】
この発明によれば、フラップ用モータを動作させるためのドライバ基板を介して、切換信号出力部からの切換信号と、駆動信号出力部からの駆動信号とが、塵埃除去機構モータ用ドライバ素子に出力され、塵埃除去機構モータが更に駆動制御されるので、上記切換信号出力部及び前記駆動信号出力部の側から、塵埃除去機構モータ用ドライバ素子の側までを繋ぐ配線のうち、少なくとも切換信号出力部及び駆動信号出力部の側と、フラップ用モータ駆動のためのドライバ基板までのハーネス部分は、当該塵埃除去機構モータの数分だけの信号送出用ハーネスが必要になるということもなく小径化が可能であり、このハーネスを繋ぐために切換信号出力部及び駆動信号出力部の側に設けられるコネクタも小型化が可能となる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の空気調和機の室内機用駆動回路であって、前記各塵埃除去部材毎に設けられて当該塵埃除去部材の状態を検出するために開閉される検知スイッチと、
前記切換信号出力部及び前記駆動信号出力部を有し、当該室内機を駆動制御する制御部とを更に備え、
前記塵埃除去機構用切換スイッチは、少なくとも(p+1)個の切換接点を有し、
前記駆動信号出力部は、更に、前記検知スイッチを開閉させる駆動信号を、前記フラップ用モータを動作させるための前記ドライバ基板を介して、前記塵埃除去機構用ドライバ素子に出力し、
前記検知スイッチの各々の一端が、前記塵埃除去機構用切換スイッチにおける前記p個の前記塵埃除去機構用n相ステッピングモータに接続された前記切換接点以外となる残りの切換接点に接続され、前記各検知スイッチのそれぞれの他端は、前記制御部に対して電気的に接続された同一の入力信号線に接続されているものである。
【0018】
この発明では、切換信号出力部による切換信号の出力により、切換スイッチを、塵埃除去機構用n相ステッピングモータに接続されている切換接点以外の切換接点に接続し、この状態において、駆動信号出力部による塵埃除去機構用ドライバ素子に対する駆動信号の出力により1つの検知スイッチの開閉を制御することで、制御部は、各検知スイッチのうち当該1つの検知スイッチからの出力を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、アクチュエータの動作制御を司る制御部から当該アクチュエータの駆動源のドライバに接続される配線の小径化と、当該配線と接続される制御基板上のコネクタの大型化防止とを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る室内機の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】室内機の構成を示す斜視図であり、(A)はケーシングを示し、(B)はカバー部材を示し、(C)は化粧パネルを示す。
【図4】室内機の仕切板、エアフィルタ及び塵埃貯留容器の構成を示す斜視図である。
【図5】室内機におけるフラップの駆動制御系を示す概略図である。
【図6】フラップ用モータを駆動制御するドライバ回路の構成を示す概略図である。
【図7】(a)は、フラップ用モータに対して本来印加すべき電圧の波形を示す図、(b)は切換スイッチの切換によりフラップ用モータに印加される電圧の波形を示す図である。
【図8】室内機におけるフラップ及び塵埃除去ユニットの駆動制御系を示す概略図である。
【図9】室内機におけるフラップ及び塵埃除去ユニットの駆動回路の構成を示す概略図である。
【図10】(a)は、フィルタモータ、ブラシモータ、及びダンパモータに対して本来印加すべき電圧の波形を示す図、(b)は切換スイッチの切換によりフィルタモータ、ブラシモータ、及びダンパモータに印加される電圧の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る空気調和装置の室内機について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る室内機の構成を示す縦断面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。図3は室内機の構成を示す斜視図であり、(A)はケーシングを示し、(B)はカバー部材を示し、(C)は化粧パネルを示す。図4は、室内機の仕切板、エアフィルタ及び塵埃貯留容器の構成を示す斜視図である。
【0022】
空気調和装置は、室外ユニットに設けられる圧縮機、室外熱交換器および膨張弁と、上記室内機1に設けられる熱交換器22とが配管接続されてなる冷媒回路(図示省略)を備えている。冷媒回路は、冷媒が可逆に循環して、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う。空気調和装置では、冷媒回路において熱交換器22が蒸発器として機能する冷房運転と、冷媒回路において熱交換器22が凝縮器として機能する暖房運転とが行われる。
【0023】
当該空気調和装置の室内機1は、空気調和装置の一部を構成し、室内空間の天井に設置される。室内機1は、いわゆる4方吹きタイプの天井埋込型の空気調和装置であり、室内機1を構成する室内ファン21や熱交換器22等は、室内機1の本体外形をなすケーシング10と、このケーシング10の底部全体を覆って取付けられる化粧パネル11とに覆われている。
【0024】
図1及び図2に示すように、室内機1は、ケーシング10及び化粧パネル11を備えている。ケーシング10内には、室内ファン21、熱交換器22、及びドレンパン23が設けられている。また、カバー部材10bには、エアフィルタ30、フィルタ駆動用のフィルタモータM5、塵埃除去装置50、塵埃貯留容器60、塵埃搬送機構80及び塵埃収容箱90が設けられている。
【0025】
ケーシング10は、図3(A)にも示すように、下側が開放された略直方体の箱状に形成される。ケーシング10は、その下側に、カバー部材10bが取り付けられる。図3(B)にも示すように、このカバー部材10bの下部には、化粧パネル11が更に取り付けられる。カバー部材10bも、下側が開放された略直方体の箱状に形成されている。
【0026】
図1に示すように、ケーシング10の内面には、断熱材17が積層されている。ケーシング10の下端面には、ベルマウス24が形成され、後述するカバー部材10bの通気孔26に連通している。ケーシング10の内部には、室内ファン21、熱交換器22およびドレンパン23が配置されている。なお、ケーシング10は、下部が天井板の開口に挿通した状態で設置される。
【0027】
化粧パネル11は、矩形の板状に形成されている。化粧パネル11の平面視形状は、ケーシング10の平面視形状よりも一回り大きくなっている。化粧パネル11は、シール部材16を間に挟んだ状態でカバー部材10bの下側を覆うように取り付けられる。化粧パネル11がケーシング10に取り付けられた状態では、化粧パネル11が室内に露出する。
【0028】
図1及び図3に示すように、化粧パネル11には、1つの吸込口13及び4つの吹出口14と、掃除機挿入口18とが形成されている。吸込口13は、矩形状に形成され、化粧パネル11の中央部に形成されている。吸込口13には、スリット状に形成された吸込グリル12が嵌め込まれている。各吹出口14は、細長い矩形状に形成されている。各吹出口14は、化粧パネル11の各辺に沿うように形成されている。そして、各吹出口14には、フラップ(風向調整板)15が設けられている。すなわち、フラップ15は、ケーシング10の外となる化粧パネル11に設けられている。このフラップ15は、回動して風向(吹出方向)を調整するものである。掃除機挿入口18は、矩形状に形成され、吸込グリル12の側方に形成されている(図3(C)参照。)。
【0029】
室内ファン21は、いわゆるターボファンである。室内ファン21は、ケーシング10の中央付近に配置され、吸込口13の上側に位置している。室内ファン21は、ファンモータ21aと羽根車21bとを備えている。ファンモータ21aは、ケーシング10の天板に固定されている。羽根車21bは、ファンモータ21aの回転軸に連結されている。室内ファン21の下側には、吸込口13に連通するベルマウス24が設けられている。このベルマウス24は、ケーシング10内において、熱交換器22の上流側の空間を室内ファン21側と吸込グリル12側とに区画している。室内ファン21は、ベルマウス24を介して下側から吸い込んだ空気を周方向へ吹き出すように構成されている。
【0030】
熱交換器22は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成されている。熱交換器22は、平面視で四角形状に形成され、室内ファン21の周囲を囲むように配置されている。熱交換器22では、内部を流れる冷媒と室内ファン21によって送られる室内空気(吹出空気)との間で熱交換が行われる。
【0031】
ドレンパン23は、熱交換器22の下側に設けられている。ドレンパン23は、熱交換器22において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。ドレンパン23には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。ドレンパン23は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がついた状態で配置されている。
【0032】
カバー部材10bの上端面は、仕切板25を構成している。この仕切板25は、ベルマウス24と吸込グリル12との間の空間を上下に仕切っている。つまり、仕切板25は、熱交換器22の上流側空間を、ベルマウス24を含む熱交換器22側と吸込グリル12側とに区画している。カバー部材10bの内部には、図1に示すように、エアフィルタ30が設けられ、さらに、フィルタ駆動機構40、塵埃除去装置50、塵埃貯留容器60、塵埃搬送機構80及び塵埃収容箱90を有する塵埃除去機構500が配置されている。
【0033】
仕切板25の中央には、吸込口13から吸い込まれた空気がベルマウス24へ流入するための通気孔26が形成されている。図4に示すように、この通気孔26は、円形孔がその径方向に延びる4つの径方向部材27によって扇形に仕切られている。各径方向部材27は、互いに円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸28が下方に突出している。フィルタ回転軸28は、エアフィルタ30が回転するための回転軸である。また、1つの径方向部材27には、フィルタ押さえ29が2つ設けられている。
【0034】
図4に示すように、エアフィルタ30は、仕切板25の下方に配置され、ベルマウス24の入口を覆う大きさの円板状に形成されている。具体的に、エアフィルタ30は、環状のフィルタ本体31とメッシュ部材37とを備えている。フィルタ本体31の外周面には、ギア部32が設けられている。フィルタ本体31の環状中心部には、6つの径方向リブ34によって支持される円筒状の軸挿通部33が設けられている。つまり、各径方向リブ34は、軸挿通部33から放射状に延びている。また、フィルタ本体31の内円部には、該フィルタ本体31と同心の環状に形成された内側周方向リブ35および外側周方向リブ36が設けられている。外側周方向リブ36は、内側周方向リブ35よりも大径に形成されている。メッシュ部材37は、フィルタ本体31の内円部全体に張られている。吸込口13から吸い込まれた空気は、エアフィルタ30のメッシュ部材37を通過してベルマウス24へ流入する。その際、空気中の塵埃がメッシュ部材37に捕捉される。
【0035】
また、エアフィルタ30は、上述したフィルタ押さえ29が各周方向リブ35,36に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ30が後述する塵埃除去装置50の回転ブラシ51に押さえ付けられる。この回転ブラシ51は、ブラシモータM6を駆動源として回転駆動される。したがって、塵埃除去機構500による除去効率が向上する。なお、塵埃除去機構500は、風量調節機構であるダンパ及びその駆動源であるダンパモータM7(後述)を更に有する。
【0036】
図4にも示すように、エアフィルタ30は、軸挿通部33が仕切板25のフィルタ回転軸28に嵌め込まれて取り付けられる。エアフィルタ30は、フィルタ回転軸28を中心として回転自在になっている。エアフィルタ30の下方には、塵埃貯留容器60が配置されている。そして、エアフィルタ30が軸挿通部33に嵌め込まれた状態で、塵埃貯留容器60のフィルタ取付部68が仕切板25の軸挿通部33に止めネジ28aによって固定される。これにより、仕切板25と塵埃貯留容器60との間にエアフィルタ30が保持される。
【0037】
エアフィルタ30の近傍には、エアフィルタ30を回転駆動するためのフィルタ駆動機構40が設けられている(図2参照。)。つまり、このフィルタ駆動機構40は、エアフィルタ30と回転ブラシ51とを相対的に移動させる移動手段を構成している。
【0038】
具体的に、フィルタ駆動機構40は、図略のフィルタ駆動モータとリミットスイッチとを備えている。
【0039】
前記フィルタ駆動モータの駆動軸には、図略の駆動ギアが設けられ、この駆動ギアがフィルタ本体31のギア部32と噛み合っている。前記駆動ギアの一端面には、突片であるスイッチ作動部が設けられている。このスイッチ作動部は、前記駆動ギアの回転により前記リミットスイッチに設けられたレバーに作用するようになっている。前記スイッチ作動部が前記レバーに作用すると、前記駆動ギアの回転位置を、前記リミットスイッチが検知する。
【0040】
また、図3に示すように、化粧パネル11において、各フラップ15の長さ方向両端部であって、幅方向の中央部には、揺動軸3061が設けられている。この揺動軸3061は吹出口14の内側壁部141に軸支されている。さらに、当該各フラップ15のそれぞれの近傍となる化粧パネル11部分には、フラップ用モータが設けられている。各フラップ15に対応して設けられた当該モータをフラップ用モータM1〜M4とする。フラップ用モータM1〜M4から供給される駆動力により各揺動軸3061が回転し、この揺動軸3061に取り付けられている各フラップ15が当該揺動軸3061の回転に伴って回動する。
【0041】
次に、室内機1におけるフラップ15の駆動制御系について説明する。図5は室内機1におけるフラップ15の駆動制御系を示す概略図である。
【0042】
室内機1のケーシング10は、室内機1の駆動制御を司る制御系回路が搭載された室内制御基板100を備えている。室内制御基板100には、マイコン101と、コネクタ102とが設けられている。マイコン101は、CPU等を備え、室内機1の全体的な動作制御を司る。コネクタ102には、化粧パネル11側に設けられている後述のフラップ用モータM1〜M4を駆動するためのドライバ回路111との接続を行うために、当該ドライバ回路111側に繋がれたハーネスL1が接続される。マイコン101は、後述する各切換スイッチS1〜S4のそれぞれの切換接点C1〜C4を、同一番号の切換接点に切換える切換信号を切換スイッチS1〜S4に出力する切換信号出力部と、フラップ用モータM1〜M4を駆動する駆動信号を、後述するドライバ素子Dに出力する駆動信号出力部として機能する。すなわち、マイコン101は、機能的に、切換信号出力部及び駆動信号出力部を備える。但し、切換信号出力部および駆動信号出力部がそれぞれ回路で構成され、マイコン101が、当該各回路を有するものとしてもよい。また、単に、マイコン101自体が、当該切換信号及び駆動信号の出力を行うものと解してもよい。
【0043】
一方、化粧パネル11側には、フラップ15の駆動源となるフラップ用モータM1〜M4を駆動制御するドライバ回路111等が搭載されたドライバ基板110を備えている。ドライバ基板110には、さらに、コネクタ112が設けられている。コネクタ112は、ケーシング10の室内制御基板100に接続されているハーネスL1が接続される。また、コネクタ112は、ドライバ基板110においてドライバ回路111に接続されている。
【0044】
上記ハーネスL1は、室内制御基板100のマイコン101から送出されるフラップ用モータM1〜M4駆動用の駆動信号を、化粧パネル11のドライバ基板110に出力するための制御信号線を有する。このように、ハーネスL1が、室内制御基板100側のコネクタ102と、ドライバ基板110側のコネクタ112との間に接続されて当該両コネクタを結ぶことにより、室内制御基板100のマイコン101から送出されるフラップ用モータM1〜M4駆動用の駆動信号がドライバ回路111に入力される。
【0045】
さらに、化粧パネル11には、上述したように、フラップ用モータM1〜M4が備えられている。本実施形態では、4つのフラップ15の駆動源としてフラップ用モータM1〜M4が設けられている。本実施形態ではフラップ用モータM1〜M4は、2相のステッピングモータが用いられている(フラップ用モータM1〜M4を、2相ステッピングモータに限定する趣旨ではない)。
【0046】
本発明の一実施形態に係る駆動回路は、マイコン(駆動信号出力部、切換信号出力部、制御部)101と、ドライバ回路111(ドライバ素子D及び切換スイッチS1〜S4)とを備えてなる。
【0047】
次に、フラップ用モータM1〜M4の駆動制御用のドライバ回路111の構成を説明する。図6は、フラップ用モータM1〜M4の駆動制御用のドライバ回路111の構成を示す概略図である。図7(a)は、フラップ用モータM1〜M4に対して本来印加すべき電圧の波形を示す図、(b)は切換スイッチの切換によりフラップ用モータM1〜M4に印加される電圧の波形を示す図である。
【0048】
フラップ用モータM1〜M4の駆動制御用のドライバ回路111は、ドライバ素子Dと、切換スイッチSとを備えている。ドライバ素子Dは、2相のステッピングモータでなるフラップ用モータM1〜M4を駆動するために、4つのドライバ素子D1〜D4を備える。
【0049】
このドライバ素子D1〜D4のそれぞれは、駆動信号線によりコネクタ112に接続されている。ドライバ素子D1〜D4に対応して接続する駆動信号線を、それぞれ駆動信号線l1〜l4とする。これら駆動信号線l1〜l4と、上記ハーネスL1の制御信号線とにより、室内制御基板100のマイコン101から送出されるフラップ用モータM1〜M4駆動用の駆動信号が、コネクタ112を介して、ドライバ回路111の各ドライバ素子D1乃至D4に入力される。
【0050】
切換スイッチSは、4つのドライバ素子D1乃至D4のそれぞれに対して設けられている。切換スイッチSは、ドライバ素子D1乃至D4に対応させて設けられた4つの切換スイッチS1乃至S4を備える。
【0051】
各切換スイッチS1乃至S4は、それぞれに、1つのコモン接点C0と、切換接点C1〜C4とを有する。各切換スイッチS1〜S4のコモン接点C0は、ドライバ素子D1乃至D4のうち、予め定められたドライバ素子(本実施形態では、付された符号の数字部分が同一番号を有するドライバ素子)に接続されている。
【0052】
また、切換スイッチS1乃至S4の各切換接点C1〜C4は、フラップ用モータM1〜M4のうち、同一番号を有するフラップ用モータ(本実施形態では、付された符号の数字部分が同一番号を有するフラップ用モータ)の各相の正側または負側(すなわち、第1相〜第4相のいずれか)に接続されている。各切換スイッチS1〜S4は、後述するスイッチ切換信号に従って、上記コモン接点C0を切換接点C1〜C4のうちのいずれに接続するかを切り換える。
【0053】
次に、フラップ用モータM1〜M4の駆動時における制御を説明する。
【0054】
フラップ用モータM1〜M4の駆動制御は、室内制御基板100のマイコン101により行われる。マイコン101は、上記4つのフラップ15について、フラップ用モータM1〜M4の各相を駆動又は非駆動とするための駆動信号を送出する。この駆動信号は、ハーネスL1に含まれる制御信号線により、室内制御基板100のマイコン101から、化粧パネル11側のドライバ基板110に出力される。
【0055】
室内制御基板100のマイコン101から送出されるスイッチ切換信号は、室内制御基板100のコネクタ102から化粧パネル11側のコネクタ112までを接続するハーネスL1の切換信号線によりドライバ基板111に入力され、コネクタ112からはコントロール信号線により各切換スイッチS1〜S4まで送られる。このスイッチ切換信号は、各切換スイッチS1〜S4においてコモン接点Cを切換接点C1〜C4のいずれに接続するかを指示する信号である。このように切換スイッチS1〜S4は、切換接点C1〜C4を有する4ポートであるため、スイッチ切換信号は2ビット信号となる。
【0056】
すなわち、ハーネスL1は、上記制御信号線及び切換信号線を有し、上記駆動信号及びスイッチ切換信号をマイコン101からドライバ回路111に出力する。
【0057】
例えば、マイコン101は、フラップ用モータM1を駆動するとき、コモン接点C0を切換接点C1に接続するスイッチ切換信号を送出し、切換スイッチS1〜S4における全てのコモン接点C0を切換接点C1に接続させ、この状態で、当該フラップ用モータM1を駆動するための駆動信号を送出する。このとき、マイコン101は、2相励磁又は1−2相励磁に応じて、オン信号又はオフ信号を切り換えて駆動信号として送出することにより、フラップ用モータM1の各コイルに電流を流すタイミングを制御して、フラップ用モータM1を回転駆動する。
【0058】
また、他のフラップ用モータを駆動する場合も、同様に、スイッチ切換信号により、コモン接点C0を、駆動対象とするフラップ用モータの番号と同一番号を有する切換接点に接続させ、2相励磁又は1−2相励磁に応じて、オン信号又はオフ信号を切り換えて駆動信号として送出することにより、駆動対象となるフラップ用モータの各コイルに電流を流すタイミングを制御して、駆動対象となるフラップ用モータを回転駆動する。
【0059】
但し、このフラップ用モータM1〜M4の駆動を以下のようにして行ってもよい。
【0060】
(A)フラップ用モータM1〜M4の駆動時、マイコン101は、フラップ用モータM1〜M4の1ステップ当たりの駆動(1つの相についての励磁)に必要な駆動時間(モータ性能及び励磁方式等に応じて予め定められる一般的な駆動(励磁)時間)tを、予め定められた数(2以上の整数)の単位時間t0に分割し、当該単位時間t0内において、(1)切換スイッチS1〜S4における全てのコモン接点C0を切換接点C1に接続させる切換信号を出力し、(2)次に、切換スイッチS1〜S4における全てのコモン接点C0を切換接点C2に接続させる切換信号を出力し、(3)続いて、切換スイッチS1〜S4における全てのコモン接点C0を切換接点C3に接続させる切換信号を出力し、(4)続いて、切換スイッチS1〜S4における全てのコモン接点C0を切換接点C4に接続させる切換信号を出力する、として、切換スイッチS1〜S4におけるコモン接点C0の各切換接点C1〜C4への接続を同一の時間間隔で順次切り換える。
【0061】
(B)このとき、マイコン101は、上記(1)〜(4)に示した各切換信号と同一の時間幅を有し、かつ、当該各切換信号により切換スイッチS1〜S4においてコモン接点C0が切換接点C1〜C4のそれぞれに接続されるタイミングと同じタイミングで、切換接点C1〜C4に対応して接続されているフラップ用モータ(フラップ用モータM1〜M4のいずれか)に対する上記駆動信号を出力する。
【0062】
(C)例えば、フラップ用モータM1〜M4の1ステップを上記駆動時間tで駆動する場合、駆動信号によりフラップ用モータM1〜M4に本来印加される電圧は、図7(a)に示すように、当該駆動時間tでなる幅となる。ここで、上記分割された単位時間t0毎に、マイコン101が、上記(1)〜 (4)に示した切換信号を出力し、これに応じた上記駆動信号(フラップ用モータM1〜M4の相を励磁する旨の駆動信号)の出力を行うと、フラップ用モータM1に印加される電圧の波形は、図7(b)に例を示すものとなる。このフラップ用モータM1に印加される各電圧を示す波形の幅は、単位時間t0を切換スイッチの数4で割った時間t1分となる。フラップ用モータM2に印加される電圧の波形は、図7(b)に示すフラップ用モータM1に印加される電圧の波形が時間t1の経過分だけ時間軸方向にずれた波形となる。また、フラップ用モータM3に印加される電圧の波形は、フラップ用モータM2に印加される電圧の波形が時間t1の経過分だけ時間軸方向にずれた波形となり、フラップ用モータM4に印加される電圧の波形は、フラップ用モータM3に印加される電圧の波形が時間t1の経過分だけ時間軸方向にずれた波形となる。
【0063】
(D)これにより、マイコン101は、上記フラップ用モータM1〜M4の1ステップ当たりの駆動に必要な駆動時間t内において、全てのフラップ用モータM1〜M4に対して複数の駆動信号を出力して各フラップ用モータM1〜M4を順次駆動するので、当該駆動時間tおきにフラップ用モータM1〜M4のうちの1つのモータを駆動させて、他のモータは非駆動とする制御を行う場合に比較して、擬似的に全てのフラップ用モータM1〜M4を同時に駆動させることができる。
【0064】
また、この構成によれば、フラップ用モータを駆動するドライバ基板110及びドライバ回路111が化粧パネル11側に設けられているので、マイコン101が、上記ハーネスL1により、切換接点C1〜C4のうちコモン接点C0に接続させる切換接点を、予め定められた時間間隔で順次切り換えるスイッチ切換信号を送出して、フラップ用モータM1〜M4のいずれかに接続した状態とし、当該接続により駆動対象とされたフラップ用モータに対して、2相励磁又は1−2相励磁に応じてオン信号又はオフ信号を切り換える駆動信号を送出することで、室内機1のケーシング10の室内制御基板100から化粧パネル11までの間に、化粧パネル11側の各フラップ用モータM1〜M4毎に信号線を配線しなくても、フラップ用モータM1〜M4を、時間を異ならせて順次駆動することが可能になる。このため、室内制御基板100のコネクタ102のポート数を削減でき、しかも、ハーネスL1を小径化できる。さらには、ハーネスL1での駆動信号及びスイッチ切換信号の送信を可能として上記ポート数を減らしたことで、機種によりフラップ15の数が異なる場合であっても、当該機種が異なるいずれの室内機に対しても、室内制御基板の共通化が可能になる。また、当該切換スイッチSによる上記接点切換制御では、当該複数のフラップ用モータM1〜M4に同時に電力を供給せずに、各フラップ用モータM1〜M4を駆動させるので、比較的少ない電力で各フラップ用モータM1〜M4を個別駆動することができる。
【0065】
次に、室内機1におけるフラップ15の駆動制御系に、塵埃除去機構500の駆動制御系を加えて説明する。図8は、室内機1におけるフラップ15及び塵埃除去機構500の駆動制御系を示す概略図である。なお、図5及び図6において既に説明した内容と同様の構成については説明を省略する。
【0066】
室内機1においてケーシング10外となる予め定められた位置(例えば、図1乃至図3参照)には塵埃除去機構500が配設されている。当該塵埃除去機構500は、塵埃除去機構500の各機構を駆動制御するドライバ回路121と、コネクタ122とを有する。コネクタ122には、上記フラップ15の駆動制御用のドライバ基板110に接続されたハーネスL2が接続される。コネクタ122は、ドライバ回路121に接続されている。ハーネスL2は駆動信号線を有し、このハーネスL2が、フラップ15駆動制御用のドライバ基板110上のコネクタ102と、塵埃除去機構500の駆動制御側のコネクタ122との間に接続されて当該両コネクタを結ぶことにより、室内制御基板100のマイコン101から送出される塵埃除去機構500の駆動制御用の駆動信号が、フラップ15駆動制御用のドライバ基板110を介して、塵埃除去機構500駆動制御用のドライバ回路121に入力される。
【0067】
ドライバ回路121は、フィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7に接続され、これらを駆動する。フィルタモータM5はエアフィルタ30の駆動源である。ブラシモータM6は塵埃除去装置50の回転ブラシ51の駆動源である。ダンパモータM7は、風量調節機構であるダンパの駆動源である。なお、本実施形態では、エアフィルタ30はアクチュエータ(塵埃除去部材)の一例であり、フィルタモータは塵埃除去機構モータの一例である。回転ブラシ51はアクチュエータ(塵埃除去部材)の一例であり、ブラシモータM6は塵埃除去機構モータの一例である。また、ダンパはアクチュエータ(塵埃除去部材)の一例であり、ダンパモータM7は塵埃除去機構モータの一例である。
【0068】
さらに、ドライバ回路121は、発光ダイオードLDと、フォトトランジスタPTと、フィルタリミットスイッチSW1と、ダンパリミットスイッチSW2と接続されている。ドライバ回路121は、発光ダイオードLDの駆動及び非駆動を制御し、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1及びダンパリミットスイッチSW2のスイッチのオン/オフを切り替える。
【0069】
さらに、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2の出力側は、入力信号線l6によりコネクタ122まで接続されている。フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2の出力は、この入力信号線l6と、コネクタ122に接続するハーネスL2と、ケーシング10側の室内制御基板100に接続するハーネスL1とを介して、当該室内制御基板100上のマイコン101に入力される。
【0070】
本発明の一実施形態に係る駆動回路は、マイコン(駆動信号出力部、切換信号出力部、制御部)101と、化粧パネル11のドライバ回路111におけるドライバ素子D及び切換スイッチS1〜S4と、塵埃除去機構500のドライバ121とを備えてなる。
【0071】
次に、フラップ用モータM1〜M4の駆動制御用のドライバ回路111、及び塵埃除去機構500の駆動制御用のドライバ回路121の構成を説明する。図8は、フラップ用モータM1〜M4の駆動制御用のドライバ回路111、及び塵埃除去機構500の駆動制御用のドライバ回路121の構成を示す概略図である。なお、図6に示した構成と同様の構成は、説明を省略する。
【0072】
フラップ用モータM1〜M4の駆動制御用として設けられているドライバ回路111の切換スイッチS1〜S4は、切換接点C1乃至C4に加えて、更に、フィルタモータM5に接続する切換接点C5と、ブラシモータM6に接続する切換接点C6と、ダンパモータM7に接続する切換接点C7とを有する。さらに、切換スイッチS1は、発光ダイオードLDに接続する切換接点C8を有する。切換スイッチS2は、フォトトランジスタPTに接続する切換接点C8を有する。切換スイッチS3は、フィルタリミットスイッチSW1に接続する切換接点C8を有する。切換スイッチS4は、ダンパリミットスイッチSW2に接続する切換接点C8を有する。
【0073】
各切換スイッチS1〜S4は、上述したスイッチ切換信号に従って、上記コモン接点C0を切換接点C1〜C8のうちのいずれに接続するかを切り換える。
【0074】
次に、室内機1におけるフラップ15及び塵埃除去機構500の駆動回路を説明する。図8は、室内機1におけるフラップ15及び塵埃除去機構500の駆動回路の構成を示す概略図である。なお、図6に示した構成と同様の構成は、説明を省略する。図8では、フラップ15の駆動制御用のドライバ回路111と、塵埃除去機構500の駆動制御用のドライバ回路121とを1つのドライバ回路200で共用する例を示している。
【0075】
フラップ15の駆動制御用のドライバ回路111、及び塵埃除去機構500の駆動制御用のドライバ回路121として機能するドライバ回路200は、フラップ15の駆動制御用として、ドライバ素子D(D1〜D4)と、切換スイッチS1〜S4とを備え、更にこれに加えて、塵埃除去機構500の駆動制御用の切換スイッチS5〜S8を備える。ドライバ回路200は、図6を参照し上述したスイッチ切換信号に従って、上記コモン接点C0を切換接点C1〜C8のうちのいずれに接続するかを切り換える。
【0076】
フラップ15の駆動制御用の切換スイッチS1〜S4は、コモン接点C0と、切換接点C1乃至C4とに加え、ニュートラル接点Cn1を備えている。上記スイッチ切換信号が、コモン接点C0をニュートラル接点Cn1に接続することで、フラップ用モータM1〜M4を非駆動の状態とすることが可能である。
【0077】
塵埃除去機構500の駆動制御用の切換スイッチS5〜S8は、フィルタモータM5に接続する切換接点C5と、ブラシモータM6に接続する切換接点C6と、ダンパモータM7に接続する切換接点C7と、ニュートラル接点Cn2とをそれぞれ有する。さらに、切換スイッチS1は、発光ダイオードLDに接続する接点C8を有する。切換スイッチS2は、フォトトランジスタPTに接続する接点C8を有する。切換スイッチS3は、フィルタリミットスイッチSW1に接続する接点C8を有する。切換スイッチS4は、ダンパリミットスイッチSW2に接続する切換接点C8を有する。上記スイッチ切換信号が、コモン接点C0をニュートラル接点Cn2に接続することで、塵埃除去機構500の駆動側の各機構を非駆動の状態とすることが可能である。
【0078】
次に、図9を参照して、フラップ用モータM1〜M4及び塵埃除去機構500の駆動時における制御を説明する。
【0079】
室内制御基板100のマイコン101は、上述したフラップ用モータM1〜M4の駆動制御に加えて、塵埃除去機構500の駆動制御を行う。マイコン101は、上記4つのフラップ15の駆動源であるフラップ用モータM1乃至M4に加えて、フィルタモータM5、ブラシモータM6、ダンパモータM7、発光ダイオードLD、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2についても、これらを駆動するための駆動信号を、ハーネスL1が有する制御信号線により送出する。
【0080】
また、マイコン101は、スイッチ切換信号として、切換スイッチS1〜S4のそれぞれにおいてコモン接点Cを切換接点C1〜C4,ニュートラル接点Cn1のいずれに接続するかを指示する信号を、ハーネスL1が有する切換信号線により出力する。当該スイッチ切換信号は、切換スイッチS1〜S4のそれぞれに入力する。
【0081】
また、マイコン101は、スイッチ切換信号として、切換スイッチS5〜S8のそれぞれにおいてコモン接点Cを切換接点C5〜C8,ニュートラル接点Cn2のいずれに接続するかを指示する信号を、ハーネスL1が有する切換信号線により出力する。当該スイッチ切換信号は、ハーネスL2を介して切換スイッチS5〜S8のそれぞれに入力する。
【0082】
すなわち、マイコン101からのフラップ用モータM1〜M4の駆動制御用の駆動信号、及び切換スイッチS1〜S4に対するスイッチ切換信号に加えて、フィルタモータM5、ブラシモータM6、ダンパモータM7、発光ダイオードLD、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2を駆動制御するための駆動信号と、切換スイッチS5〜S8に対するスイッチ切換信号とがドライバ回路200に入力する。
【0083】
例えば、マイコン101は、フィルタモータM5を駆動するとき、切換スイッチS5〜S8における全てのコモン接点C0を切換接点C5に接続させるスイッチ切換信号を出力し、この状態で、当該フィルタモータM5を駆動するための駆動信号を送出する。このとき、マイコン101は、2相励磁又は1−2相励磁に応じて、オン信号又はオフ信号を切り換えて駆動信号として送出することにより、フィルタモータM5の各コイルに電流を流すタイミングを制御して、フィルタモータM5を回転駆動する。
【0084】
また、ブラシモータM6又はダンパモータM7を駆動する場合も、同様に、スイッチ切換信号により、切換スイッチS5〜S8における全てのコモン接点C0を、駆動対象とするモータの番号と同一番号を有する切換接点に接続させ、2相励磁又は1−2相励磁に応じて、オン信号又はオフ信号を切り換えて駆動信号として送出することにより、駆動対象となるモータの各コイルに電流を流すタイミングを制御して、駆動対象となるモータを回転駆動する。
【0085】
また、マイコン101は、発光ダイオードLDを駆動させる場合、切換スイッチS5〜S8における全てのコモン接点C0を切換接点C8に接続するスイッチ切換信号を送出し、切換スイッチS1〜S4の全てでコモン接点C0を切換接点C8に接続させ、この状態で、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2の全てをオフとする駆動信号を送出する。なお、発光ダイオードLDを駆動させると共に、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2のいずれかをオンにする場合は、以下の制御による。
【0086】
また、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、又はダンパリミットスイッチSW2のいずれかからの出力信号をマイコン101が得る場合、マイコン101は、コモン接点C0を切換接点C8に接続するスイッチ切換信号を送出して、切換スイッチS1〜S4の全てでコモン接点C0を切換接点C8に接続させ、この状態で、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2のうち、出力信号を得たいスイッチ(フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2のいずれかを示す。以下、同じ)について、そのスイッチをオンにする旨を示し、他のスイッチをオフにする旨を示す駆動信号を送出する。これにより、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、又はダンパリミットスイッチSW2のいずれかからの出力信号をマイコン101が得るための入力信号線l6は、1本で足りることとなる。
【0087】
なお、フラップ用モータM1〜M4の駆動時に、マイコン101によるスイッチ切換信号の出力で、塵埃除去機構500駆動側の切換スイッチS5〜S8の全てでコモン接点C0をニュートラル接点Cn2に接続させると、塵埃除去機構500を非駆動の状態としてフラップ用モータM1〜M4側のみを駆動でき、スイッチ切換信号により、切換スイッチS5〜S8における各コモン接点C0を、駆動対象とする機構に対応する切換接点に接続させることで、フラップ用モータM1〜M4及び塵埃除去機構500を同時駆動することも可能である。
【0088】
他方、塵埃除去機構500の駆動時に、マイコン101によるスイッチ切換信号の出力で、フラップ用モータM1〜M4駆動側の切換スイッチS1〜S4の全てでコモン接点C0をニュートラル接点Cn1に接続させると、フラップ用モータM1〜M4を非駆動の状態として塵埃除去機構500側のみを駆動でき、スイッチ切換信号により、切換スイッチS1〜S4における各コモン接点C0を、駆動対象とするモータの番号と同一番号を有する切換接点に接続させることで、塵埃除去機構500及びフラップ用モータM1〜M4を同時駆動することも可能である。
【0089】
この構成によれば、マイコン101は、上記ハーネスL1及びL2により、切換接点C1〜C8,ニュートラル接点Cn1,Cn2のうち、コモン接点C0に接続させる切換接点を必要に応じて切り換えるスイッチ切換信号を送出し、駆動対象とするモータ又はスイッチに対して上記駆動信号を送出することにより、室内機1のケーシング10の室内制御基板100からは、化粧パネル11側の各フラップ用モータM1〜M4、フィルタモータM5、ブラシモータM6、ダンパモータM7、発光ダイオードLD、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2毎に信号線を配線しなくても、上記各駆動対象を駆動することが可能になる。このため、フラップ用モータM1〜M4及び塵埃除去機構500の両方を駆動制御する構成を採る場合であっても、ドライバ基板110のコネクタ112のポート数も削減でき、ハーネスL1を小径化できる。
【0090】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、図5及び図6に示した上記実施形態では、アクチュエータ及びその駆動源が、フラップ15及びフラップ用モータM1〜M4である例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、アクチュエータ及びその駆動源が、フィルタ及びフィルタモータM5、回転ブラシ51及びブラシモータM6、ダンパ及びダンパモータM7等であっても構わない。この場合、例えば、図6に示した概略図において、切換スイッチS1〜S4,ニュートラル接点Cn1及びこれらとフラップ用モータM1〜M4の接続構成が、図9に示した塵埃除去機構500の切換スイッチS5〜S8,ニュートラル接点Cn2,及びこれらとフィルタモータM5、ブラシモータM6、ダンパモータM7、発光ダイオードLD、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2の接続構成に代えられる。また、マイコン101は、切換スイッチS5〜S8のコモン接点C0を切換接点C5〜C8,ニュートラル接点Cn2のいずれに接続するかを示すスイッチ切換信号と、フィルタモータM5、ブラシモータM6、ダンパモータM7、発光ダイオードLD、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2を駆動するための駆動信号とを出力し、図9を用いて説明したコモン接点C0及び切換接点C5〜C8の切換制御と同様の切換制御を行う。
【0091】
なお、図5乃至図7を参照して説明した場合と同様に、上述の(A)乃至(D)に示したフラップ用モータM1〜M4の駆動制御は、当該塵埃除去機構500の駆動制御系が加わった場合であっても、当該塵埃除去機構500の駆動制御系に対して、フラップ用モータM1〜M4の駆動制御の場合と同様にして適用が可能である。
【0092】
(E)フィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7の駆動時、マイコン101は、フィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7の1ステップ当たりの駆動(1つの相についての励磁)に必要な駆動時間(モータ性能及び励磁方式等に応じて予め定められる一般的な駆動(励磁)時間)tを、予め定められた数(2以上の整数)の単位時間t0に分割し、当該単位時間t0内において、(5)切換スイッチS5〜S8における全てのコモン接点C0を切換接点C5に接続させる切換信号を出力し、(6)次に、切換スイッチS5〜S8における全てのコモン接点C0を切換接点C6に接続させる切換信号を出力し、(7)続いて、切換スイッチS5〜S8における全てのコモン接点C0を切換接点C7に接続させる切換信号を出力する、として、切換スイッチS5〜S8におけるコモン接点C0の各切換接点C5〜C7への接続を同一の時間間隔で順次切り換える。
【0093】
(F)このとき、マイコン101は、上記(5)〜(7)に示した各切換信号と同一の時間幅を有し、かつ、当該各切換信号により切換スイッチS5〜S8においてコモン接点C0が切換接点C5〜C7のそれぞれに接続されるタイミングと同じタイミングで、切換接点C5〜C7に対応してそれぞれ接続されているモータ(フィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7のいずれか)に対する上記駆動信号を出力する。
【0094】
(G)例えば、フィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7の1ステップを上記駆動時間tで駆動する場合、駆動信号によりフィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7に本来印加される電圧は、図10(a)に示すように、当該駆動時間tでなる幅となる。ここで、上記分割された単位時間t0毎に、マイコン101が、上記(5)〜 (7)に示した切換信号を出力し、これに応じた上記駆動信号(フィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7の相を励磁する旨の駆動信号)の出力を行うと、フィルタモータM5に印加される電圧の波形は、図10(b)に例を示すものとなる。このフィルタモータM5に印加される各電圧を示す波形の幅は、単位時間t0を駆動対象とするモータを駆動するために必要な切換接点の数3(切換接点C5〜C7)で割った時間t1分となる。ブラシモータM6に印加される電圧の波形は、図10(b)に示すフィルタモータM5に印加される電圧の波形が時間t1の経過分だけ時間軸方向にずれた波形となる。また、ダンパモータM7に印加される電圧の波形は、ブラシモータM6に印加される電圧の波形が時間t1の経過分だけ時間軸方向にずれた波形となる。
【0095】
(H)これにより、マイコン101は、上記フィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7の1ステップ当たりの駆動に必要な駆動時間t内において、フィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7に対して複数の駆動信号を出力してフィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7を順次駆動するので、当該駆動時間tおきにフィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7のうちの1つのモータを駆動させて、他のモータは非駆動とする制御を行う場合に比較して、擬似的にフィルタモータM5、ブラシモータM6、及びダンパモータM7を全て同時に駆動させることができる。
【0096】
また、上記図8及び図9を用いて説明した実施形態では、塵埃除去機構500において、マイコン101及びドライバ回路121が、発光ダイオードLD、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2を制御する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、この場合において、マイコン101及びドライバ回路121が、当該発光ダイオードLD、フォトトランジスタPT、フィルタリミットスイッチSW1、及びダンパリミットスイッチSW2を制御しない構成も、本発明の一実施形態となる。
【0097】
上記図1乃至図10に示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明はこれに限定されることなく、適宜変形が可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 室内機
10 ケーシング
11 化粧パネル
14 吹出口
15 フラップ
50 塵埃除去装置
100 室内制御基板
101 マイコン
110 ドライバ基板
111 ドライバ回路
112 コネクタ
121 ドライバ回路
122 コネクタ
200 ドライバ回路
500 塵埃除去ユニット
Cd コンデンサ
C0 コモン接点
C1〜C8 切換接点
D,D1〜D4 ドライバ素子
L1 ハーネス
L2 ハーネス
M1〜M4 フラップ用モータ
M5 フィルタモータ
M6 ブラシモータ
M7 ダンパモータ
PT フォトトランジスタ
S,S1〜S4 切換スイッチ
SW1 フィルタリミットスイッチ
SW2 ダンパリミットスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機の室内機に備えられるm(mは2以上の整数)個のアクチュエータ毎に設けられて当該アクチュエータを駆動するm個のn(nは2以上の整数)相ステッピングモータを駆動する駆動回路であって、
前記n相ステッピングモータを動作させる2n個のドライバ素子と、
1つのコモン接点と、通し番号が付された少なくともm個の切換接点とを有し、前記コモン接点は前記ドライバ素子と接続され、前記m個の切換接点は、同一番号の接点が1つの前記n相ステッピングモータの各相の正側または負側と各々1対1で接続される2n個の切換スイッチと、
前記各切換スイッチの前記切換接点を同一番号の切換接点に切換える切換信号を前記切換スイッチに出力する切換信号出力部と、
前記n相ステッピングモータを駆動する駆動信号を当該ドライバ素子に出力する駆動信号出力部とを備える駆動回路。
【請求項2】
前記切換信号出力部は、前記n相ステッピングモータの1ステップ当たりの駆動時間が予め定められた数に細分化された時間を出力単位とする前記切換信号を、前記切換スイッチの各々に順次出力する請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記ドライバ素子は、前記室内機から空調室内に吹き出される調和空気の風向を変更するフラップを前記アクチュエータとして駆動するフラップ用モータを、前記n相ステッピングモータとして動作させる請求項1又は請求項2のいずれかに記載の駆動回路。
【請求項4】
前記ドライバ素子は、ファンによって吸い込まれる空調室内の空気が含む塵埃を捕捉するフィルタに付着した当該塵埃を除去する塵埃除去部材を前記アクチュエータとして駆動する塵埃除去機構モータを、前記n相ステッピングモータとして動作させる請求項1又は請求項2に記載の駆動回路。
【請求項5】
ファンによって吸い込まれる空調室内の空気が含む塵埃を捕捉するフィルタに付着した当該塵埃を除去するp(pは2以上の整数)個の塵埃除去部材毎に設けられて当該塵埃除去部材を駆動するp個の塵埃除去機構用n相ステッピングモータを動作させる2n個の塵埃除去機構用ドライバ素子と、
1つのコモン接点と、通し番号が付された少なくともp個の切換接点とを有し、前記コモン接点は前記塵埃除去機構用ドライバ素子と接続され、前記p個の切換接点は、同一番号の接点が1つの前記n相ステッピングモータの各相の正側または負側と各々1対1で接続される2n個の塵埃除去機構用切換スイッチとを備え、空気調和機の室内機に備えられる塵埃除去機構用駆動回路と、
請求項3に記載の駆動回路とを備え、
前記塵埃除去機構用ドライバ素子は、前記フラップ用モータを動作させる前記ドライバ素子が設けられているドライバ基板を介して、前記切換信号出力部及び前記駆動信号出力部に電気的に接続され、
前記切換信号出力部は、更に、前記各塵埃除去機構用切換スイッチの前記切換接点を同一番号の切換接点に切換える切換信号を、前記フラップ用モータを動作させるための前記ドライバ基板を介して、前記塵埃除去機構用切換スイッチに出力し、
前記駆動信号出力部は、更に、前記塵埃除去機構用n相ステッピングモータを駆動する駆動信号を、前記フラップ用モータを動作させるための前記ドライバ基板を介して、前記塵埃除去機構用ドライバ素子に出力する空気調和機の室内機用駆動回路。
【請求項6】
前記各塵埃除去部材毎に設けられて当該塵埃除去部材の状態を検出するために開閉される検知スイッチと、
前記切換信号出力部及び前記駆動信号出力部を有し、当該室内機を駆動制御する制御部とを更に備え、
前記塵埃除去機構用切換スイッチは、少なくとも(p+1)個の切換接点を有し、
前記駆動信号出力部は、更に、前記検知スイッチを開閉させる駆動信号を、前記フラップ用モータを動作させるための前記ドライバ基板を介して、前記塵埃除去機構用ドライバ素子に出力し、
前記検知スイッチの各々の一端が、前記塵埃除去機構用切換スイッチにおける前記p個の前記塵埃除去機構用n相ステッピングモータに接続された前記切換接点以外となる残りの切換接点に接続され、前記各検知スイッチのそれぞれの他端は、前記制御部に対して電気的に接続された同一の入力信号線に接続されている請求項5に記載の空気調和機の室内機用駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−120309(P2012−120309A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267023(P2010−267023)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】