説明

駆動装置及び画像形成装置

【課題】プーリ52、53と無端ベルト54を使用した駆動装置50で、負荷変動が生じても、駆動プーリ52と従動プーリ53との応答性を確保できると共に、無端ベルト54のスリップを防止できる構造を実現する。
【解決手段】駆動プーリ52と従動プーリ53とには無端ベルト54を掛け渡す。更に、これら両プーリ52、53との間に、無端ベルト54よりも剛性が高い中間伝達部材57を配置し、中間伝達部材57の当接部57cを両プーリ52、53の当接部52c、53cに接触させる。これにより、無端ベルト及び中間伝達部材57を介して、駆動プーリ52と従動プーリ53との動力伝達を行う。この構成によれば、駆動プーリ52と従動プーリ53との位相の拘束性を高めることができ、上記課題を解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プーリと無端ベルトを使用した駆動装置と、このような駆動装置を備えた、例えば、複写機、ファクシミリ装置、プリンタおよび複合機などの電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタなどの画像形成装置において、像担持体である感光ドラムや中間転写ベルトを回転駆動させる駆動装置には、回転ムラの少ない高精度回転性能が要求される。例えば、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の4色に対応する4ドラム方式のカラー画像形成装置にあっては、感光ドラムや中間転写ベルトの回転ムラで、バンディングや色ずれが生じて画像品位を損ねてしまう。なお、バンディングとは、例えば、感光ドラムの回転ムラにより、感光ドラム表面へのレーザによる書き込みの副走査方向の間隔に疎密が生じ、印刷物に濃度ムラが生じる現象である。
【0003】
このようなバンディングや色ずれの対策として、感光ドラムや中間転写ベルトの駆動ローラの回転軸上に、回転ムラを監視するためのエンコーダを設け、このエンコーダの信号に基づいて、駆動源の回転を制御することが行われている。そして、感光ドラムや中間転写ベルト駆動ローラの回転ムラを抑えて、バンディングや色ずれを防止している。なお、このような駆動装置に使用される駆動源としては、DCモータやステッピングモータが挙げられる。
【0004】
また、このような駆動源からの駆動力を伝達する構造として、減速ギア列を使用することが一般的である。即ち、駆動源の回転動力を減速ギア列を介して、感光ドラムや中間転写ベルトの駆動ローラに減速して伝達する。但し、このような減速ギア列を使用した場合、各ギアの製造誤差などによりギア同士の噛合部分においても回転ムラが発生して、バンディングが生じ、画像品位を低下させるといった問題がある。減速ギア列におけるバンディング対策として、各ギアの加工精度や剛性を高めたり、感光ドラムや中間転写ベルトの駆動ローラの回転軸上に慣性質量(フライホィール)を取り付けることなどが試みられている。
【0005】
しかしながら、減速ギア列の各ギアの加工精度や剛性を高めたり、慣性質量(フライホィール)を設けたとしても、感光ドラムや中間転写ベルトの回転ムラの抑制効果に限界がある。特に、近年、トナーの小粒形化、露光スポットの微小化などによる画像形成プロセスの高精細化に伴い、回転ムラの低減要求はますます厳しいものとなり、従来の方法では、この要求に、応えられない状態になりつつある。
【0006】
このため、ギアやタイミングベルトなど歯付きの駆動伝達手段ではなく、無端状で歯無しのスチール製ベルトとプーリとを用いた駆動装置を画像形成装置に適用する提案がなされている。即ち、駆動源により回転駆動する駆動プーリと、感光体や中間転写ベルトの駆動ローラなどの被回転体と共に回転する従動プーリと、駆動プーリの円筒面と従動プーリの円筒面とに掛け渡される歯無しの無端ベルトとを備えた駆動装置が知られている。このような駆動装置は、動力伝達部分に歯を有さないため、原理的に噛合部分に起因した回転ムラ、バンディングが発生しないという長所を有する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−36346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の無端ベルトとプーリを用いたベルト駆動装置の場合、以下に示すような課題がある。まず、駆動プーリと従動プーリとの応答性の課題がある。例えば、上述した場合と同様に、従動プーリの回転軸上に回転ムラ監視用のエンコーダを設け、このエンコーダの信号に基づいて駆動源の回転を制御する構造の場合、駆動プーリと従動プーリとの応答性を高くする必要がある。しかしながら、例えば、従動プーリ側の負荷変動により、無端ベルトのテンションが変化し、無端ベルトの張り側(テンションプーリを設けていない側)が撓んだりすると、駆動プーリと従動プーリとの位相の拘束性が失われる。即ち、駆動プーリと従動プーリとに掛け渡される無端ベルトは、通常、テンションプーリにより所定の張力が付与される。しかし、上述のような負荷変動が生じると、無端ベルトのテンションが変化し、テンションプーリの位置も変化して、テンションプーリを設けていない張り側で撓みが生じる。この結果、駆動プーリと従動プーリとの応答性が低下する。
【0009】
このような応答性の低下は、従動プーリ側の負荷が急激に軽くなった場合や、或は、逆負荷になった時に、発生するものである。具体的には、中間転写ベルトに対して、この中間転写ベルト上の残存トナーを除去するベルトクーニング装置のブレードやブラシなどのクリーナが当接離間する構成の場合、クリーナの離間時に負荷減少が生じる。
【0010】
また、感光ドラムと中間転写ベルトとで回転に速度差を設けた場合、次のような逆負荷が生じる場合がある。即ち、感光ドラムから中間転写ベルトにトナー像を転写する1次転写部において、中間転写ベルトの周速を感光ドラムの周速よりも速く設定した場合に、1次転写部に高圧による静電吸着力が発生すると、感光ドラムに中間転写ベルトから力が作用する。この場合、感光ドラムは、感光ドラムの駆動装置と、中間転写ベルトの2つにより駆動を受ける状態になる。そして、上述の静電吸着力が、例えば感光ドラム上の残存トナーを除去するクリーニング装置のクリーナのブレーキ力を上回った場合、感光ドラムは、中間転写ベルトにより駆動される。即ち、駆動の伝達経路が通常と逆となる逆負荷が生じる。そして、このような逆負荷状態が急激に発生すると、従来のベルト駆動装置では、制御が効かず、色ずれが生じる。
【0011】
また、従来のベルト駆動装置の場合、プーリとベルト間で生じるスリップ(滑り)により装置の寿命が低下すると言う課題がある。上述のように、ギア歯のない駆動系はバンディング防止に有利であるが、ギア歯による噛合で得られるような動力伝達能力は得ずらく、プーリとベルト間にスリップが発生し易い。そして、スリップが発生した場合には、ベルトが磨耗して撓み易くなったりするなど、駆動装置の寿命が低下する。特に、従動プーリの外径が駆動プーリの外径よりも大きい減速機構の場合、外径が小さい駆動プーリへのベルトの巻き付け長さが短い、つまり、駆動プーリとベルトとの接触面積が小さいため、スリップが発生しやすい。
【0012】
また、装置の起動時は、各部材の摩擦負荷だけではなく、慣性負荷が加算されるため、特にスリップが生じ易い。このため、起動時のスリップ対策として、例えば、モータ起動プロファイルをスロー立上げにする方法を適用することが考えられる。しかしながら、モータ起動プロファイルをスロー立上げする方法は、慣性負荷対策としては有効であるが、摩擦負荷が、一時的に重くなるような現象(負荷重)には対応しきれない。
【0013】
このような負荷重の具体例としては、例えば、放置後の感光ドラムのクリーナや転写クリーナの負荷重などが挙げられる。即ち、このようなクリーナのゴム部材であるクリーナブレードが、放置により、感光ドラムや中間転写ベルトに密着して、通常よりも負荷がアップする場合がある。また、クリーナブレードのニップ部において、回収した転写残トナーが固着して負荷がアップする場合もある。また、感光ドラムの端部を支持する部分に飛散トナーが侵入することを防ぐシール部においても、同様のトナー固着現象がある。また、例えば、中間転写ベルト内に配置される1次転写ローラ等のローラを滑り軸受により支持する構造の場合、軸受の擦動部に飛散トナーが侵入付着し、同様のトナー固着による負荷増加現象が発生する場合がある。このような摩擦負荷の増加現象に対しては、スロー立上げよりも、むしろ、瞬間的に立ち上げて、インパルスフォース(衝撃力)で、状態の変化(密着状態の変化や固着状態の変化)を促した方が効果的であり、慣性負荷対策のスロー立上げと、矛盾してしまう。
【0014】
一方、ベルトのテンションをアップして、ベルトとプーリの駆動伝達力を増す方法が考えられるが、テンションをアップすることに伴うベルトの応力増加により、ベルトの寿命を低減させる原因となる。また、各プーリに作用するラジアル過重が大きくなるため、各プーリを支持する軸受等のパーツ寿命が低下するという問題が発生する。
【0015】
本発明は、上述のような事情に鑑み、プーリと無端ベルトを使用した駆動装置で、負荷変動が生じても、駆動プーリと従動プーリとの応答性を確保できると共に、無端ベルトのスリップを防止できる構造を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、駆動源により回転駆動する駆動プーリと、被回転体と共に回転する従動プーリと、該駆動プーリの円筒面と該従動プーリの円筒面とに掛け渡される無端ベルトと、を備えた駆動装置において、前記無端ベルトよりも高い剛性を有し、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に配置され、これら両プーリに直接又は前記無端ベルトを挟んで接触する中間伝達部材を備え、前記無端ベルト及び前記中間伝達部材を介して、前記駆動プーリと前記従動プーリとの動力伝達を行い、前記被回転体を回転駆動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、負荷変動が生じても、無端ベルトよりも剛性が高い中間伝達部材により動力を伝達できるため、駆動プーリと従動プーリとの応答性を確保できる。また、起動時などに無端ベルトにスリップが生じる傾向となった場合も、中間伝達部材により動力伝達を行って、このスリップの発生を防止でき、駆動装置の長寿命化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による実施形態の駆動装置を備えた画像形成装置を示す概略図。
【図2】第1の実施形態に係る駆動装置の概略を一部を切断して示す図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】従来構造で負荷変動が生じた状態を示す模式図。
【図5】従来構造で負荷変動と位置ずれ量との関係を示すグラフ。
【図6】第1の実施形態で負荷変動と位置ずれ量との関係を示すグラフ。
【図7】第2の実施形態に係る駆動装置の概略図。
【図8】図7のB−B断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
本発明に係る第1の実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。まず、図1により、本実施形態の画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4個の画像形成ステーションを並列に配設した、中間転写式のタンデム型フルカラーレーザビームプリンタである。このような画像形成装置は、プリンタ部Pとリーダ部Rとを備える。プリンタ部Pは大別して、4個の同じ構成の画像形成ステーションを有する画像形成部11、給紙ユニット12、中間転写ユニット13、定着ユニット14、及び制御ユニット(不図示)から構成される。
【0020】
画像形成部11は次のように構成される。複数配置された像担持体である感光ドラム15は、その中心で軸支され、後述する駆動装置50により矢印で示す図1の反時計方向に回転駆動される。感光ドラム15の外周面に対向した位置には、その回転方向に順に、帯電器16、現像器17、クリーニング装置18が、それぞれ配置される。画像形成を行う場合、まず、コロナ帯電器などの帯電器16によって、感光ドラム15の表面を、所定の極性、電位に均一に帯電する。次いで、光源などを備えた光学系装置19により、リーダ部Rにより読み込んだ画像信号や外部から送られた画像信号に応じて変調した例えばレーザビームなどの光線を、ミラー20を介して帯電後の感光ドラム15の表面に照射する。そして、感光ドラム15の表面を露光し、この表面に静電潜像を形成する。さらに、Y、M、C、Kの4色のトナー(現像剤)をそれぞれ収納した現像器17により、感光ドラム15上の静電潜像にトナーが付着され、トナー像として現像される。このトナー像は、一次転写部T1で中間転写ベルト21に順次転写される。一次転写後に感光ドラム15上に残ったトナーは、クリーニング装置18により除去する。
【0021】
給紙ユニット12は、給紙カセット22及び手差しトレイ23、ピックアップローラ24、給紙搬送路25、レジストローラ対26などを備える。給紙カセット22及び手差しトレイ23に収納された記録材Sは、ピックアップローラ24により1枚ずつ給紙搬送路25に送り出される。給紙搬送路25により搬送された記録材Sは、レジストローラ対26により画像形成のタイミングに合わせて二次転写部T2へ送り出される。
【0022】
中間転写ユニット13は、回転可能に張架された像担持体である無端状の中間転写ベルト21を備える。中間転写ベルト21は、駆動ローラ27と、テンションローラ28と、二次転写対向ローラ29とにより張架されている。このうちの駆動ローラ27は、後述する駆動装置50により駆動される。また、テンションローラ28は、図示しない付勢手段により中間転写ベルト21に所定の張力を付与する。また、二次転写対向ローラ29は、中間転写ベルト21を挟んで二次転写部T2に対向して配置され、中間転写ベルト21の回転摩擦力で連れ回されて従動回転する。このような中間転写ベルト21は、駆動ローラ27とテンションローラ28との間で、各感光ドラム15と対向する。また、各感光ドラム15と中間転写ベルト21を挟んで対向する位置には、一次転写用の帯電ブレード30を配置している。また、駆動ローラ27と中間転写ベルト21を挟んで対向する位置には、ベルトクリーニング装置31を配置している。
【0023】
各感光ドラム15に担持されたトナー像は、一次転写部T1で帯電ブレード30により所定の電圧を印加することにより中間転写ベルト21上に、順次一次転写される。中間転写ベルト21上に転写されたトナー像は、二次転写部T2で、レジストローラ26によりタイミングを合わせて搬送された記録材Sに転写される。二次転写部T2で転写されずに残ったトナーは、ベルトクリーニング装置31により除去され、図示しない廃トナー収納ボックスに搬送される。
【0024】
定着ユニット14は、内部にハロゲンヒータなどの熱源32を有する定着ローラ33及び加圧ローラ34を備え、二次転写部T2で記録材Sに転写されたトナー像を、記録材Sに定着させる。トナー像を定着した記録材Sは、排紙ローラ対35により排紙トレイ36に排出される。上述のような各機構の動作は、不図示の制御ユニットにより制御される。また、この制御ユニットは、次述する駆動装置も含めた画像形成装置全体の作動を統括して制御しても良い。
【0025】
次に、被回転体である感光ドラム15、或は、中間転写ベルト21の駆動ローラ27を回転駆動する駆動装置50について、図2、3により説明する。なお、以下の説明では、感光ドラム15の駆動装置について説明するが、中間転写ベルト21の駆動ローラ27の駆動装置も同様である。駆動装置50は、駆動源であるDCモータ51の回転動力を減速して、感光ドラム15に伝達するものである。このために、駆動装置50は、DCモータ51により回転駆動する駆動プーリ52と、感光ドラム15と共に回転する従動プーリ53と、駆動プーリ52の円筒面52aと従動プーリ53の円筒面53aとに掛け渡される歯無しの無端ベルト54とを備える。そして、無端ベルト54と両プーリ52、53との摩擦力により動力伝達を行う。なお、本実施形態では無端ベルト54は歯無しとしているが、例えば、凸部が複数存在するものや表面形状が波型であるものであっても、更には歯付きのものであっても、両プーリ52、53との間で摩擦伝達を行う構造であれば、本発明の無端ベルトに含まれる。
【0026】
即ち、DCモータ51の出力シャフト51aに円筒形状の駆動プーリ52が結合されている。この駆動プーリ51は、金属材料を略円筒形状に形成したもので、外周面の軸方向中間部に全周に亙って凹部52bを形成し、この凹部52bの底面を歯車のようなギア歯が形成されていない円筒面52aとしている。なお、凹部52bの深さは、後述する無端ベルト54の厚さよりも大きくしている。また、駆動プーリ52の外周面の軸方向両端部も円筒面とし、後述する中間伝達部材56の外周面と当接する当接部52cとしている。
【0027】
また、感光ドラム15の回転軸であるドラムシャフト15aの同軸上には、従動プーリ53が結合されている。従動プーリ53も、駆動プーリ52と同様に、金属材料を略円筒形状に形成したもので、外周面の軸方向中間部に全周に亙って凹部53bを形成し、この凹部53bの底面をギア歯が形成されていない円筒面53aとしている。なお、凹部53bの深さも、後述する無端ベルト54の厚さよりも大きくしている。また、従動プーリ53の外周面の軸方向両端部も円筒面とし、後述する中間伝達部材56の外周面と当接する当接部53cとしている。また、従動プーリ53の円筒面53aの外径は、駆動プーリ52の円筒面52aの外径よりも大きく、従動プーリ53と駆動プーリ52の軸方向の幅はほぼ同じとしている。また、駆動プーリ52と従動プーリ53とを構成する金属材料としては、ステンレス鋼などの硬い材料を使用することが好ましい。
【0028】
また、駆動プーリ52と従動プーリ53との円筒面52a、53aには、ステンレス鋼などの鉄系金属製で周面に歯が無い歯無しの無端ベルト54が掛け渡されている。上述のように円筒面52a、53aを形成した凹部52b、53bの深さは、無端ベルト54の厚さよりも大きいため、このように掛け渡された状態で無端ベルト53の外周面が当接部52c、53cよりも突出することはない。また、無端ベルト53の駆動プーリ52及び従動プーリ53から外れた部分には、テンションプーリ55を掛け渡している。このテンションプーリ55は、ばね56により付勢されて、無端ベルト54に適度な張力を付与するものである。
【0029】
また、駆動プーリ52と従動プーリ53との間には、中間伝達部材57を配置すると共に、この中間伝達部材57の円筒面57aにも無端ベルト54を掛け渡している。このような中間伝達部材57は、ステンレス鋼などの硬度及び剛性が高い金属材料を中空の(貫通孔58を有する)略円筒形状に形成したものである。そして、外周面の軸方向中間部に全周に亙って凹部57bを形成し、この凹部57bの底面をギア歯が形成されていない円筒面57aとしている。なお、凹部57bの深さも、無端ベルト54の厚さよりも大きくしている。また、中間伝達部材57の少なくとも当接部57c部分の厚さを、無端ベルト54の厚さよりも大きくし、中間伝達部材57を無端ベルト54よりも高い剛性を有するように形成している。
【0030】
また、中間伝達部材57の外周面の軸方向両端部も円筒面とし、駆動プーリ52及び従動プーリ53の当接部52c、53cとそれぞれ当接する当接部57cとしている。また、中間伝達部材57の当接部57cの外径は、駆動プーリ52の当接部52cと従動プーリ53の当接部53cとの間隔よりも大きくする。なお、各当接部57c、52c、53cの外径の関係は、無端ベルト54の回転伝達の効率及び減速比との関係、更には、中間伝達部材57の伝達効率などを考慮して定める。例えば、当接部52cの直径:当接部57cの直径:当接部53cの直径=1:2:8とする。また、中間伝達部材57の軸方向の幅は、駆動プーリ52及び従動プーリ53の軸方向の幅とほぼ同じとしている。また、中間伝達部材57の当接部57cの表面性状も、摩擦係数を小さくなるようにしている。
【0031】
また、中間伝達部材57は、貫通孔58に支持軸59を挿通し、この支持軸59に転がり軸受や滑り軸受などの軸受60により回転自在に支持されている。この支持軸59の両端部は、装置に固定された不図示のフレームに形成した長孔或は支持軸59の外径よりも大きい円孔に緩く嵌合されている。また、この支持軸59の両端部は、付勢部材であるばね61により所定の方向に付勢されている。即ち、ばね61の基端部をフレームの一部に係止し、先端部を支持軸59の両端部に係止している。そして、ばね61の弾性力により支持軸59を付勢している。したがって、この支持軸59に支持された中間伝達部材57もこのばね61により所定方向に付勢される。この付勢される方向は、中間伝達部材57が駆動プーリ52と従動プーリ53との間に食い込む方向、即ち、両プーリ52、53の間隔が狭くなる方向としている。図示の例の場合、中間伝達部材57が駆動プーリ52の中心と従動プーリ53の中心とを結ぶ仮想線L(2点鎖線)よりも、テンションプーリ55側(図2の左側)に配置されている。このため、ばね61によりテンションプーリ55から離れる方向(図2の右方)に付勢している。このように配置される中間伝達部材57は、フレームに対しては自由度を持ち、駆動プーリ52及び従動プーリ53に直接接触することで、その中心位置が定まる。これに対して、駆動プーリ52及び従動プーリ53は、フレームに回転自在にがたつきなく支持され、回転中心が定まっている。
【0032】
また、中間伝達部材57の円筒面57aのテンションプーリ55側を覆うように無端ベルト54を掛け渡し、この無端ベルト54の張力により、中間伝達部材57が駆動プーリ52と従動プーリ53との間に食い込むようにしている。即ち、上述のように、中間伝達部材57が仮想線Lよりもテンションプーリ55側に配置されている。このため、無端ベルト54を中間伝達部材57のテンションプーリ55側に掛け渡し、無端ベルト54の張力により中間伝達部材57を両プーリ52、53の間隔が狭くなる方向に付勢している。これにより、上述のばね61の付勢力と相俟って中間伝達部57の当接部57cを駆動プーリ52及び従動プーリ53の当接部52c、53cに確実に当接させると共に、必要な当接力を確保している。なお、この当接力が無端ベルト54の張力により確保できれば、ばね61を省略しても良い。
【0033】
また、無端ベルト54を、駆動プーリ52と従動プーリ53との間に配置される中間伝達部材57のテンションプーリ55側に掛け渡すことにより、図2に示すように、無端ベルト54と駆動プーリ52及び従動プーリ53に対する巻き付け角を確保できる。この結果、無端ベルト54と両プーリ52、53の円筒面52a、53aとの接触面積を大きくでき、無端ベルト54による動力伝達能力を向上させられる。なお、中間伝達部材57は、仮想線Lよりもテンションプーリ55と反対側(図2の右側)に配置することもできる。但し、この場合、無端ベルト54の張力により中間伝達部材57が両プーリ52、53の間から離れる方向に付勢されるため、この中間伝達部材57を両プーリ52、53の間に食い込ませる方向に付勢するばね61の弾性力を十分に確保する。
【0034】
また、感光ドラム15のドラムシャフト15aには、エンコーダホイール62を固定している。また、このエンコーダホイール62の少なくとも円周方向1個所にこのエンコーダホイール62の回転を検知する検知部63を設けている。これらエンコーダホイール62と検知部63とにより、回転速度検知手段64を構成する。そして、この構成により、感光ドラム15の回転速度を検知可能としている。検知部63により検知された信号は、制御手段である制御部65に送られる。この制御部65はこの信号に基づいてDCモータ51を制御し、駆動プーリ52の回転速度を制御する。なお、この制御部64は、前述の制御ユニットに組み込んでも良いし、別途設けても良い。
【0035】
上述のように構成される駆動装置50は、無端ベルト54及び中間伝達部材57を介して、駆動プーリ52と従動プーリ53との動力伝達を行い、感光ドラム15を回転駆動する。通常の運転時、即ち、大きな負荷変動などが生じていない時には、無端ベルト54からも十分に動力が伝達される。一方、前述したように、従動プーリ53側の負荷が急激に軽くなった場合や、或は、逆負荷になった時のように、従動プーリ53側に負荷変動が生じた場合、無端ベルト54が撓んで無端ベルト54による動力伝達が十分に行われなくなる。本実施形態の場合、このよう状態では、中間伝達部材57により駆動プーリ52からの動力を従動プーリ53に伝達するため、負荷変動が生じてもこれら両プーリ52、53の応答性を確保できる。即ち、負荷変動が生じても、中間伝達部材57の剛性は無端ベルト54よりも高いため、無端ベルト54のように撓むことはない。このため、中間伝達部材57を介して十分な動力伝達を行われ、応答性の低下を防止できる。この点について、図4ないし図6を用いて詳しく説明する。
【0036】
まず、図4は、中間伝達部材57を設けていないベルト駆動装置を示している。本発明者は、この図4に示した構造と、図2、3に示した本実施形態の構造とを比較するため、以下のような実験を行った。即ち、感光ドラム15の回転速度の制御を行いつつ、従動プーリ53、53A側に作用する負荷トルクを変動させて、この際のドラムシャフト15aと出力シャフト51aとの位置ずれ量を、それぞれ測定した。図5、6はこの実験結果を示している。また、図5、6では、従動プーリ53、53A側に作用する負荷トルクと、従動プーリ53、53Aの回転軸(ドラムシャフト15a)と駆動プーリ52、52Aの回転軸(出力シャフト51a)の位置ずれ量を測定した結果とを、横軸に時間をとって表している。また、図5は、図4に示した中間伝達部材57を設けていない構造の結果を、図6は、図2、3に示した本実施形態の構造の結果を、それぞれ示している。なお、図5、6に示した位置ずれ量は、感光ドラム15の周面の位置ずれ量に換算した値で示している。また、この測定は、次のような条件で行った。
【0037】
感光ドラム15の直径を30mm、駆動プーリ52の直径を12.06mm、従動プーリ53の直径を96.48mm、中間伝達部材57の直径を24.12mm、テンションプーリ55の直径を23.96mmとした。また、駆動プーリ52Aの直径を11.96mm、従動プーリ53Aの直径を95.96mmとした。なお、駆動プーリ52、従動プーリ53、中間伝達部材57の直径は、それぞれ当接部52c、53c、57c部分の直径とした。また、凹部52b、53b、57bの深さは各々、0.05mm、0.26mm、0.08mmとした。また、各プーリ及び中間伝達部材の材料はステンレス鋼を使用した。また、無端ベルト54の厚さを0.04mm、幅を12mm、周長を420mmとし、材料はステンレス鋼を使用した。また、DCモータ51及び駆動プーリ52、52Aの回転数を1068rpmとし、従動プーリ53、53A及び感光ドラム15の目標回転数を133.5rpmとした。また、テンションプーリ55はばね56を2個使い、1個のばね力を31Nとし、無負荷の(駆動力が伝達されていない)状態での無端ベルト54の張力を46Nに設定した。
【0038】
図5、6に示すように、何れの構造の場合も負荷変動が生じてなくても、ドラムシャフト15aは出力シャフト51aに対して進行方向に僅かに位置ずれが生じる。グラフにおいては、プラス方向に位置ずれが生じる。一方、負荷変動がプラス側に生じた場合は、徐々にマイナス方向に位置ずれが生じるが、位置ずれ量は何れの構造の場合も僅かである。これに対して、負荷の符号がプラスからマイナスになる逆負荷の場合、中間伝達部材57を設けていない構造では、図5に示すように、この位置ずれは非常に大きなものとなる。この結果、図4の実線に示すように、無端ベルト54の張り側に遊び(撓み)が生じる。そして、従動プーリ53Aは、駆動プーリ52Aに対して位相θのずれが生じる。
【0039】
この点について説明する。従動プーリ53A側の負荷が急激に軽くなるような負荷変動が作用した場合、駆動系内部に蓄えられていた捻りのエネルギが瞬間的に開放される。このため、従動プーリ53Aは、一時的に進行方向にオーバランする。(この現象は、例えば、物体を右手で押さえながら、左手で輪ゴムを介して物体を引きずった際に、右手を物体から離したときに生じる過渡的な振動現象と同じ性質のものである。)特に、負荷がマイナス(逆負荷)になる場合、従動プーリ53Aよりも下流側の負荷系に逆に駆動されるため、進行方向へのオーバランはより多きなものとなる。中間伝達部57を設けていない構造の場合、駆動プーリ52Aと従動プーリ53Aとの位相の拘束性が低いため、このようなオーバーランが大きく発生し、上述したように、大きな位置ずれが生じる。したがって、図4に示した構造の場合、ドラムシャフト15aの回転速度制御を行っても、従動プーリ53Aを所望の速度にコントロールすることは難しい。
【0040】
これに対して本実施形態の場合、中間伝達部材57を、駆動プーリ52及び従動プーリ53に当接させて、摩擦駆動を行うため、駆動プーリ52と従動プーリ53との間で位相の拘束性を高くすることができる。そして、このように位相の拘束性を高くすることで、感光ドラム15の回転速度の検知に基づく制御を好適に効かせることが可能となる。図5と図6との比較から明らかなように、ドライブシャフト15a(感光ドラム15)の位置ずれが、図5では40μm程度あったものが、図6では10μm程度と大幅に低減改善することが確認できた。このように感光ドラム15の位置ずれを低減できれば、図1に示したようなタンデム型の画像形成装置で、各色のステーションでの位置ずれを低減でき、各色の画像の重ねあわせである複数色画像の色ずれも低減できる。
【0041】
また、本実施形態の場合、起動時などに無端ベルト54にスリップが生じる傾向となった場合も、中間伝達部材57により動力伝達を行って、このスリップの発生を防止でき、駆動装置の長寿命化を図れる。この点について詳しく説明する。前述したように、モータ起動時に、無端ベルト54の巻き付け長さが短い駆動プーリ52と無端ベルト54との間でスリップが発生しやすい。本実施形態では、駆動プーリ52の駆動力を、中間伝達部材57を介して従動プーリ53に伝達可能である。即ち、各当接部52c、53c、57cを介して駆動力を伝達可能である。このため、起動時には、まず、駆動プーリ52により中間伝達部材57が直接駆動され、更に中間伝達部材57により従動プーリ53が回転駆動され、次いで、無端ベルト54がスリップすることなく回転駆動する。即ち、無端ベルト54がスリップする傾向となっても、動力が中間伝達部材57を介して伝達されるため、このスリップが生じることを防止できる。なお、この起動時の説明は、理解し易くするために順序付けをして行ったが、実際にはこれらの動作が瞬時に(ほぼ同時に)起きる。
【0042】
また、本実施形態の場合、前述したように、中間伝達部材57を、駆動プーリ52の中心と従動プーリ53の中心とを結ぶ仮想線Lよりも、テンションプーリ55側(ベルトの張り側とは逆側)に配置している。このため、モータ起動時に、無端ベルト54の張力により駆動プーリ52及び従動プーリ53に対して中間伝達部材57が食い込む方向の力が作用する。これにより、各当接部52a、53a、57aでの摩擦力が増大し、スリップ防止効果がさらに高くなる。このように無端ベルト54のスリップを防止できれば、無端ベルト54が早期に擦れ切れたりすることを防止でき、駆動装置50の長寿命化を図れる。
【0043】
また、本実施形態の場合、無端ベルト54に加えて中間伝達部材57を介して動力伝達を行っているため、無端ベルト54の張力を大きくしなくても位置ずれを低減できる。この結果、無端ベルト54の張力により駆動プーリ52及び従動プーリ53に作用するラジアル荷重を小さくでき、これら両プーリ52、53の倒れや磨耗を軽減できる。そして、装置の長寿命化を図れる。
【0044】
更に、本実施形態の場合、前述したように、中間伝達部材57を設けることにより無端ベルト54の駆動プーリ52及び従動プーリ53に対する巻き付け角を大きくできるため、無端ベルト54による動力伝達効率を向上させることができる。このように無端ベルト54による動力伝達効率を向上させられれば、中間伝達部材57による動力伝達効率を高くしなくても良く、各当接部52c、53c、57cでの当接圧を抑えられる。この結果、これら各当接部52c、53c、57cの磨耗を抑え、長寿命化を図れる。例えば、無端ベルト54を掛け渡さずに、中間伝達部材57のみを介して動力伝達を行う場合、伝達効率を高めるために各当接部52c、53c、57cの当接圧を大きくする必要がある。これに対して、本実施形態では、無端ベルト54と中間伝達部材57との両方で動力伝達を行うため、各当接部52c、53c、57cの当接圧を必要以上に大きくする必要がなく、長寿命化を図れる。
【0045】
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態について、図7及び図8を用いて説明する。本実施形態では、中間伝達部材57Aが、駆動プーリ52B及び従動プーリ53Bに対して無端ベルト54を挟んで接触している。即ち、無端ベルト54が、駆動プーリ52Bの外周面と中間伝達部材57Aの外周面との間、及び、従動プーリ53Bの外周面と中間伝達部材57Aの外周面との間で、それぞれ挟持されている(ニップ部66a、66bを形成している)。このため、本実施形態では、上述の第1の実施形態と異なり、両プーリ52B、53B及び中間伝達部材57Aの外周面を凹部を有さない円筒面としている。その他の構成は第1の実施形態と同様であるため、同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0046】
このような本実施形態の場合、ばね61により中間伝達部材57Aを両プーリ52B、53Bの間に食い込ませている。このため、それぞれのニップ部66a、66bにおける無端ベルト54の挟持力を高くできる。また、無端ベルト54を中間伝達部材57Aのテンションプーリ55側に掛け渡し、この中間伝達部材57Aを両プーリ52B、53Bの間の食い込み方向に付勢している。このため、無端ベルト54の遊びが生じにくいと共に、ニップ部66a、66bでの挟持力を更に高めることができる。この結果、駆動プーリ52Bと従動プーリ53Bとの位相の拘束性を高めることができ、制御の応答性を良好にできる。そして、感光ドラム15の位置ずれを防止でき、延いては、各色の画像の重ねあわせである複数色画像の色ずれを防止できる。
【0047】
また、本実施形態では、駆動プーリ52Bと中間伝達部材57Aとで無端ベルト54を挟持するニップ部66aでは、ベルト巻き付け部の法線力の分布が通常とは異なるものになる。通常、法線力は、巻き付け部の周方向中央部が高く、周方向端部は法線力が低くなり、末端はゼロとなる。本実施形態では、この末端の部位が、上述のように駆動プーリ52bと中間伝達部材57Aとで挟持するニップ部66aに相当するため、高い法線力を得ることができる。この結果、通常よりも、法線力の和は大きくなり、駆動プーリ52Bと無端ベルト54の駆動伝達トルクが大きくなり、無端ベルト54のスリップ防止効果が得られる。
【0048】
更に、中間伝達部材57Aを、駆動プーリ52Bの中心と従動プーリ53Bの中心とを結ぶ仮想線Lよりも、テンションプーリ55側に配置しているため、モータ起動時に、両プーリ52B、53Bの間に中間伝達部材57Aが食い込む方向の力が作用する。これにより、法線力が増大し、スリップ防止効果がさらに高くなる。
【0049】
なお、上述の各実施形態は、感光ドラム15の回転速度検知による制御を用いない場合においても、効果がある。即ち、各実施形態の構造は、駆動プーリ52、52Bと従動プーリ53、53Bの位相拘束性を高める(応答性を高める)ものであるから、従動プーリ53、53B側に発生する負荷変動が、DCモータ51のモータ軸上に伝わりやすくなる。通常、モータは、モータロータの回転速度を一定にするようにモータ内部にて制御をかけている。このため、従動プーリ53、53B側の回転変動が伝わりやすい方が、リカバリーが早くなり、結果、ドラムシャフト15aの位置ずれは小さくなる。また、仮に、モータ内部にて一定速度の制御をかけないとしても、モータ軸上の慣性(ロータ慣性)が、減速比の自乗にて、従動プーリ53、53B側の負荷変動に対して抵抗力として作用する。このため、やはり、ドラムシャフト15aの位置ずれは小さくなる。
【0050】
また、駆動プーリ52、52B、従動プーリ53、53B、中間伝達部材56、56Aの外周面(或は円筒面52a、53a)、更にはテンションプーリ55の外周面を、適宜、クラウン形状としても良い。これにより、無端ベルト54の寄り防止を簡易に行うことが可能である。また、各プーリ52、52B、53、53B及び中間伝達部材56、56Aの材質は、剛性の高い金属が好ましいが、負荷変動の値が低い場合、或は、目標とする色ずれ量に応じて、樹脂などの他の材料とすることも可能である。この場合、無端ベルト54の材質をゴムなどの金属ベルトに比べて硬度が低いものとする。
【符号の説明】
【0051】
15・・・感光体ドラム(被回転体、像担持体)、21・・・中間転写ベルト(像担持体)、27・・・駆動ローラ(被回転体)、50・・・駆動装置、51・・・DCモータ(駆動源)、52、52A、52B・・・駆動プーリ、52a、53a、57a・・・円筒面、52b、53b、57b・・・凹部、52c、53c、57c・・・当接部、53、53A、53B・・・従動プーリ、54・・・無端ベルト、55・・・テンションプーリ、56・・・ばね(付勢部材)、57、57A・・・中間伝達部材、62・・・エンコーダホイール、63・・・検知部、64・・・回転速度検知手段、65・・・制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源により回転駆動する駆動プーリと、被回転体と共に回転する従動プーリと、該駆動プーリの円筒面と該従動プーリの円筒面とに掛け渡される無端ベルトと、を備えた駆動装置において、
前記無端ベルトよりも高い剛性を有し、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に配置され、これら両プーリに直接又は前記無端ベルトを挟んで接触する中間伝達部材を備え、
前記無端ベルト及び前記中間伝達部材を介して、前記駆動プーリと前記従動プーリとの動力伝達を行い、前記被回転体を回転駆動することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記無端ベルトは、張力により前記中間伝達部材を前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に食い込む方向に付勢するように、該中間伝達部材に掛け渡されていることを特徴とする、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記中間伝達部材を前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に食い込む方向に付勢する付勢部材を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記従動プーリの円筒面の外径が前記駆動プーリの円筒面の外径よりも大きく、前記無端ベルトが鉄系金属製で、前記従動プーリの回転速度を検知する回転速度検知手段と、該回転速度検知手段により検知した信号に基づいて、前記駆動プーリの回転速度を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
像担持体と、該像担持体を駆動する駆動装置とを備えた画像形成装置において、該像担持体が前記被回転体であり、該駆動装置が請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の駆動装置であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−38569(P2011−38569A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185128(P2009−185128)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】