説明

駐車場の警備システム

【課題】駐車スペースの防犯性能を高める。
【解決手段】集合住宅10が敷地11に構築されており、その敷地11には駐車場15が設けられている。集合住宅10は住戸12を複数有しており、駐車場15は各住戸12に対応した駐車スペース16を有している。各駐車スペース16にはロック装置21及び給電装置35がそれぞれ設置されており、それらロック装置21及び給電装置35は、ロック装置21に内蔵されたコントローラにより制御される。各住戸12にはホームサーバがそれぞれ設置されており、それらホームサーバは住戸12に対応した駐車スペース16のコントローラに加えて他の駐車スペース16のコントローラの動作制御を行うことが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の警備システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
駐車スペースに駐車されている車両について、盗難や車上荒らしに対して抑止力を発揮できる技術が提案されている。例えば特許文献1には、自動車盗難行為及び車上荒らし等の行為を検知することができるセンサユニットが車両の内外に設置されており、センサユニットから侵入異常検知メッセージや侵入現場の画像データ等が端末側装置へ送信される構成が記載されている。この構成によれば、端末側装置の報知動作が行われることにより車両の持ち主は車両で起こった異常を迅速に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−29138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の構成において、例えば端末側装置が住宅内に設置されている場合、車両で起こった異常がセンサユニットにより検知されたとしても持ち主が外出していると、その異常を持ち主に知らせることができない。また、仮に異常が知らされても外出先からでは適切な防犯対策を施すことができない。したがって、車両が駐車される駐車スペースを対象とした警備システムに関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は、駐車スペースの防犯性能を高めることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明は、複数の住戸に対応した複数の駐車スペースが設けられている駐車場を対象として警備を行う駐車場の警備システムであって、前記駐車スペースに駐車される車両又は該駐車スペースを対象として防犯処理を実行する防犯手段と、前記駐車スペースに駐車される車両又は該駐車スペースを対象として防犯のための検知を行う検知手段と、前記駐車スペースに対応する住戸に設置され、前記検知手段の検知結果に基づいて前記防犯手段を操作可能な主管理装置と、前記主管理装置が設置されている住戸とは別の場所に設置され、前記検知手段の検知結果に基づいて前記防犯手段を操作可能な副管理装置とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、主管理装置に加えて副管理装置により防犯手段を操作することが可能となっているため、車両の持ち主が主管理装置を用いて防犯手段を操作することはもちろんのこと、他の人が副管理装置を用いて防犯手段を操作することが可能となる。つまり、例えば駐車車両又は駐車スペースにおいて異常が発生した場合に、主管理装置が設置されている住戸の住人が不在であっても、他の人が異常に対処することが可能となる。したがって、駐車スペースの防犯性能を高めることができる。
【0008】
第2の発明では、前記駐車スペースには、該駐車スペースに駐車されている車両への給電を行う給電手段が備えられており、前記防犯手段は、予め登録されている車両への給電を許可するとともにそれ以外の車両への給電を禁止するものである。
【0009】
第2の発明によれば、給電手段による給電を禁止することにより、例えば不審者が車両への給電を無断で行うことに対して抑止力を発揮できる。しかも、主管理装置に加えて副管理装置により給電を禁止させることが可能となるため、給電手段から電力が盗まれることに対する抑止力をより一層高めることができる。
【0010】
第3の発明では、前記主管理装置は、予め登録されている車両以外の車両に対する給電を許可する切替操作部を備えている。
【0011】
第3の発明によれば、例えば知人等が所有している非登録車両に対して給電手段から給電を行うことが可能となる。したがって、給電手段から電力が盗まれることに対する抑止力を発揮しつつ、給電手段の使い勝手を高めることができる。
【0012】
第4の発明では、前記防犯手段は、前記駐車スペースに駐車されている車両の移動を可能とする移動可能状態と、当該車両の移動を防止する移動防止状態とに切替可能な移動防止手段であり、当該駐車スペースに対応する住戸の住人が所有する携帯機からの許可信号に基づいて移動可能状態に切り替えられる。
【0013】
第4の発明によれば、主管理装置又は副管理装置により移動防止手段の操作が行われなくても、住人は携帯機により移動防止手段を移動可能状態に切り替えることができる。これにより、住人が車両を運転する際に主管理装置の操作という手間を省くことが可能となる。したがって、車両が盗まれることに対する抑止力を移動防止手段に発揮させつつ、移動防止手段の使い勝手を高めることができる。
【0014】
第5の発明では、前記防犯手段が前記検知手段の検知結果以外の理由で非作動とされている場合に、その旨を前記副管理装置に通知する非作動通知手段を備えている。
【0015】
防犯手段が検知手段の検知結果以外の理由で非作動とされており、主管理装置を操作することになる住人はそのことを知っている一方で、副管理装置を操作することになる他の人はそのことを知らない場合、他の人が副管理装置により防犯手段を作動させてしまうことが考えられる。この点、第5の発明によれば、防犯手段が非作動とされていることが副管理装置に通知されるため、副管理装置により防犯手段を無用に作動させてしまうことを抑制できる。
【0016】
第6の発明では、前記主管理装置は、前記検知結果に基づいて前記防犯手段を操作する警備モードと当該操作をしない非警備モードとの少なくとも2つのモードに切替可能とされており、前記主管理装置は、少なくとも前記非警備モードである場合に、その旨を前記副管理装置に通知する非警備通知手段を備えている。
【0017】
主管理装置により検知手段の操作が行われず、主管理装置を操作することになる住人はそのことを知っている一方で、副管理装置を操作することになる他の人はそのことを知らないと、検知手段により異常発生が検知されても防犯手段が操作されない場合に、他の人は住人が防犯手段を意図的に操作しないと思い込んでしまうおそれがある。この点、第6の発明によれば、主管理装置が非警戒モードにあることが副管理装置に通知されるため、検知手段により異常発生が検知された場合に副管理装置により防犯手段を操作させることが可能となる。
【0018】
第7の発明では、前記副管理装置は、前記複数の住戸のうち前記主管理装置とは別の住戸に設けられている。
【0019】
第7の発明によれば、車両の持ち主が不在であっても、他の住戸の住人が在宅であれば、その住戸の住人が副管理装置を用いて防犯手段を操作することが可能となる。特に、近隣の住人であれば車両の持ち主との連携を図ることも可能であるため、副管理装置が他の住戸に設けられていることは駐車スペースの防犯性能を高める上で好ましい。
【0020】
第8の発明では、前記副管理装置は、前記複数の住戸に含まれない外部施設に設けられている。
【0021】
第8の発明によれば、車両の持ち主が不在であっても、外部施設から副管理装置を用いて防犯手段を操作することが可能となる。この場合、駐車車両や駐車スペースにて異常が発生した場合に専門の担当者等が対処することにより、例えば住人が対処する場合に比べて適切な処理を施すことができる。
【0022】
第9の発明では、前記複数の住戸は、集合住宅の各住戸である。
【0023】
第9の発明によれば、集合住宅の各住戸の住人は防犯に関して互いに連携することにより、駐車スペースの防犯性能をより一層高めることができる。
【0024】
なお、上記駐車場の警備システムに適用される防犯手段としては、移動防止手段や給電を禁止する手段の他に、駐車場を撮像する撮像手段、異常を音声等により報知することが可能な報知手段などが挙げられる。また、検知手段としては、駐車スペースに駐車された車両の重量を検出する重量検出手段や、該車両にて発生した振動を検出する振動検出手段、駐車場にて人を検知する人検知手段などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態における駐車場の構成を示す図。
【図2】ロック装置の構成を示す図。
【図3】駐車場の警備システムの電気的な構成を示すブロック図。
【図4】主のホームサーバの制御処理を示すフローチャート。
【図5】主のホームサーバの登録処理を示すフローチャート。
【図6】副のホームサーバの制御処理を示すフローチャート。
【図7】主の駐車コントローラによる制御処理を示すフローチャート。
【図8】主の駐車コントローラの自動制御を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は集合住宅10及び駐車場15の構成を示す図、図2はロック装置21の構成を示す図である。図1においては、(a)に集合住宅10及び駐車場15周辺の斜視図を示し、(b)に駐車場15の平面図を示す。図2においては、(a)にロック装置21及び給電装置35の平面図及び電気的な構成を示し、(b)にロック装置21及び給電装置35の正面図を示す。なお、図2(a)はフラップ板部31が起立状態にある場合の図を示している。
【0027】
図1(a)に示すように、建物としての集合住宅10が敷地11内に構築されており、集合住宅10は複数の住戸12を有している。敷地11内には駐車場15が設けられている。駐車場15は駐車スペース16を複数有しており、それら駐車スペース16はそれぞれ各住戸12に対応している。
【0028】
図1(b)に示すように、各駐車スペース16には、その駐車スペース16内の目標駐車位置に駐車された車両Cの移動を防止することが可能なロック装置21が設置されている。防犯手段としてのロック装置21は、車両Cが有する複数のタイヤのうち1つのタイヤの移動を規制することで車両Cの移動を防止する。本実施形態においてロック装置21は、駐車車両Cにおける駐車スペース16の奥側の左右両タイヤのうち一方のタイヤの移動を規制する。なお、駐車スペース16に駐車される車両Cとしては、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)を想定している。
【0029】
図2(a)に示すように、ロック装置21は、車両Cのタイヤが目標駐車位置よりも奥方へ移動することを規制するタイヤ止め22を有しており、そのタイヤ止め22は車両進行方向にスライド移動する構成となっている。具体的には、ロック装置21は、タイヤ止め22のスライド移動を案内するレール部23と、レール部23が取り付け固定されているベース部24とを有しており、ベース部24は駐車スペース16の表面に対して固定さえている。
【0030】
ロック装置21には、電気モータを含んで構成されているタイヤ止め駆動部26が設けられており、タイヤ止め駆動部26が駆動することでタイヤ止め22がスライド移動する。このため、車両Cの大きさに合わせて目標駐車位置を車両進退方向において調整することができる。ここで、集合住宅10においては、駐車場15の各駐車スペース16の大きさ及び形状が画一的に設定されているが、住戸12ごとに所有する車両Cの大きさや形状が異なると考えられるため、目標駐車位置が画一的に設定されていると車両Cによってはその目標駐車位置が適切ではないことが生じてしまう。この点、タイヤ止め22のスライド移動が可能であると、車両Cの大きさ等に合わせて目標駐車位置を調整することが可能であるため、その車両Cにとって適切な目標駐車位置を各駐車スペース16に対して個別に設定することができる。
【0031】
なお、タイヤ止め22は、タイヤ止め駆動部26を駆動させなくても手動によりスライド移動させることが可能な構成となっていてもよい。
【0032】
また、ロック装置21には、タイヤ止め22と共にスライド移動するスライド板部27が設けられている。スライド板部27は、タイヤ止め22と一体的に形成されており、タイヤ止め22よりも駐車スペース16の出入口側に配置されている。スライド板部27は、ベース部24と重なるように水平方向に延びており、タイヤ止め22により移動が規制されたタイヤが載る大きさ及び形状となっている。スライド板部27には重量を検出する重量検出手段としての重量センサ28が設けられており、その重量センサ28は、スライド板部27にタイヤが載った場合にそのタイヤにより加えられた荷重を重量として検出する。
【0033】
ロック装置21は、回動可能なフラップ板部31を有しており、フラップ板部31はフラップ支持部32に対して軸支されている。図2(b)に示すように、フラップ板部31は起立状態と非起立状態とに移行可能となっている。起立状態ではタイヤ止め22側へ向けて斜め上方に起立しており、非起立状態ではベース部24と重なるようにタイヤ止め22側へ向けて傾倒している。この場合、フラップ板部31は、起立状態にある場合にタイヤの移動を防止し、非起立状態にある場合にタイヤの移動を防止しない。つまり、フラップ板部31については、起立状態が、目標駐車位置に駐車された車両Cの移動を防止する移動防止状態に相当し、非起立状態が、目標駐車位置に駐車された車両Cの移動を可能とする移動可能状態に相当する。
【0034】
ロック装置21は、電気モータ等を含んで構成されたフラップ駆動部33を有しており、フラップ駆動部33が駆動することによりフラップ板部31が起立状態又は非起立状態に移行する。フラップ駆動部33は、フラップ板部31を起立状態に移行させる場合に、フラップ板部31の先端部が車両Cの下面に接触した角度でフラップ板部31を回動停止させて保持する。なお、フラップ駆動部33はフラップ支持部32に内蔵されている。
【0035】
フラップ板部31の先端部には、加えられた振動(荷重の変化)を検出する振動検出手段としてのショックセンサ34が設けられている。したがって、車両Cが目標駐車位置に駐車され且つフラップ板部31が起立状態にある場合、車両Cで発生した振動がフラップ板部31の先端部に伝わることでショックセンサ34により検出される。
【0036】
なお、重量センサ28は、タイヤ止め22やベース部24、フラップ板部31に設けられていてもよい。また、ショックセンサ34は、タイヤ止め22やスライド板部27、ベース部24に設けられていてもよい。
【0037】
ロック装置21には、車両Cに対して電力を供給することが可能な給電装置35が一体的に設けられている。給電装置35は、防水コネクタ等を含んで構成されている接続部36を有しており、その接続部36と車両Cの受電部とが電力ケーブルにより電気的に接続されることにより車両Cへの給電が可能となる。接続部36は住戸12の例えば分電盤と電気的に接続されており、分電盤から接続部36へ電力が供給される。したがって、車両Cへの給電に伴う課金は住戸12ごとに行われることになる。また、給電装置35には、住戸12側から接続部36への給電状態を切り替える給電スイッチ37が設けられており、給電スイッチ37はオン状態にある場合に接続部36への給電を実行し、オフ状態にある場合に接続部36への給電を停止する。ここで、給電スイッチ37は、オフ状態にあることで電力が盗まれることを防止できるため、防犯手段としての機能を有していることになる。
【0038】
また、給電装置35には、スピーカを含んで構成されている報知手段としての報知部46が設けられている。なお、報知部46はロック装置21に設けられていてもよい。
【0039】
次に、ロック装置21及び給電装置35の電気的な構成について説明する。
【0040】
図2(a)において、駐車コントローラ41は、ロック装置21及び給電装置35等の動作制御を行う制御手段であり、例えばロック装置21に内蔵されている。駐車コントローラ41は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを含んで構成されている。駐車コントローラ41には、ベース部24の重量センサ28と、フラップ板部31のショックセンサ34と、運転者等が所持する携帯機としての携帯キーKに対して無線通信が可能な通信部44とが接続されている。これら重量センサ28、ショックセンサ34及び通信部44は検出信号を駐車コントローラ41に対して出力する。
【0041】
なお、本実施形態においては、携帯キーKが識別信号を出力することで車両Cのドアや住戸12の玄関ドアなどが解錠されるとともに、駐車コントローラ41が動作する構成となっている。
【0042】
また、駐車コントローラ41には、タイヤ止め駆動部26、フラップ駆動部33、給電スイッチ37及び報知部46が接続されており、駐車コントローラ41は指令信号を出力することにより、これらタイヤ止め駆動部26、フラップ駆動部33、給電スイッチ37及び報知部46の動作制御を行う。
【0043】
本実施形態では、敷地11において、集合住宅10側から駐車コントローラ41を通じてロック装置21や給電装置35の動作制御が可能な駐車場15の警備システムが構築されている。ここで、駐車場15の警備システムの電気的な構成について図3を参照しつつ説明する。
【0044】
図3に示すように、各駐車スペース16の駐車コントローラ41は、それら駐車スペース16に対応した住戸12のホームサーバ51にそれぞれ接続されており、それらホームサーバ51は管理サーバ52に接続されている。
【0045】
ホームサーバ51は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを含んで構成されており、警備システムに関する情報を表示するモニタ等の表示部55と、住人により操作される操作部56と、住人等の所有する車両Cに関する情報の登録が可能な車両登録部57と、他の住戸12のホームサーバ51に関する情報の登録が可能なホームサーバ登録部58と、住人等が所持する携帯キーKに関する情報の登録が可能な携帯キー登録部59とを有している。車両登録部57、ホームサーバ登録部58及び携帯キー登録部59はメモリ等の記憶部となっており、車両登録部57には車両Cの重量を示す情報が記憶されている。ホームサーバ登録部58には他の住戸12の部屋番号を示す情報が記憶されており、携帯キー登録部59には携帯キーKの識別情報が記憶されている。
ホームサーバ51は、指令信号を出力することで駐車コントローラ41を通じてロック装置21や給電装置35の動作制御を行う。
【0046】
管理サーバ52は、ホームサーバ51と同様に、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを含んで構成されている。ホームサーバ51は、管理サーバ52を通じて副のホームサーバ51との通信が可能となっており、他の住戸12に対応して駐車スペース16の駐車コントローラ41を制御することが可能となっている。なお、管理サーバ52は、例えば集合住宅10の管理者以外の出入りが規制される管理室等に設置されている。
【0047】
管理サーバ52には、駐車場15を撮像する撮像手段としての監視カメラ61と、駐車場15にて人を検知する人感センサ62とが接続されている。監視カメラ61及び人感センサ62は集合住宅10の駐車場15側の外壁面に取り付けられており、監視カメラ61の撮像範囲及び人感センサ62の検知範囲にはそれぞれ駐車場15全体が含まれている。監視カメラ61の撮像データや人感センサ62の検出信号は管理サーバ52に対して出力され、それら撮像データや検出信号は管理サーバ52のメモリ等に記憶されることになる。
【0048】
続いて、駐車場15の警備システムにおいて実行される制御処理について説明する。ここでは、駐車スペース16又はその駐車スペース16に駐車された車両Cを対象として防犯処理が行われ、その防犯処理が行われる駐車スペース16に対応した住戸12のホームサーバ51(主のホームサーバ51)が主管理装置に相当し、その他の住戸12のホームサーバ51(副のホームサーバ51)が副管理装置に相当する。
【0049】
まず、主のホームサーバ51において実行される制御処理について、図4、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0050】
図4において、ステップS101では登録処理を行う。登録処理では、図5のステップS201にて、操作部56を用いて手動にて各種登録を行うための入力操作(登録操作)が行われたか否かを判定する。入力操作が行われていない場合、そのまま本登録処理を終了し、入力操作が行われた場合、ステップS202に進み、その入力操作が車両情報を登録するための操作であるか否かを判定する。
【0051】
車両登録操作である場合、ステップS203に進み、車両登録処理として車両Cの重量を車両登録部57に記憶させる処理を行う。この処理は、操作部56から車両Cの重量が入力されることや、入力された車両Cの車種からインターネット等を通じて重量が取得されること、登録したい車両Cの重量を重量センサ28により実際に検出することなどにより行われる。ステップS204では、登録車両の重量を含む車両情報信号を住戸12に対応した駐車スペース16の駐車コントローラ41(主の駐車コントローラ41)に対して出力する。
【0052】
入力操作が車両登録操作でない場合、ステップS205に進み、その入力操作が携帯キー情報を登録するための操作であるか否かを判定する。携帯キー登録操作である場合、ステップS206に進み、携帯キー登録処理として携帯キーKの識別信号を携帯キー登録部59に記憶させる処理を行う。この処理は、操作部56から携帯キーKの識別情報が入力されることや、給電装置35の通信部44から携帯キーKの識別情報を実際に受信させることなどにより行われる。ステップS207では、携帯キーKの識別信号を含む携帯キー情報を主の駐車コントローラ41に対して出力する。
【0053】
入力操作が携帯キー登録操作でもない場合、ステップS208に進み、各住戸12のホームサーバ51同士の情報を登録するための操作であるか否かを判定する。登録操作としては、登録したい住戸12の部屋番号を入力する操作が挙げられる。ホームサーバ51同士の登録操作である場合、ステップS209に進み、副のホームサーバ51への自身(主のホームサーバ51)の情報の登録を要求する登録要求信号を、管理サーバ52を介して副のホームサーバ51に対して出力する。ステップS210では、主のホームサーバ51の情報を副のホームサーバ51が登録したことを示す登録済み信号を受信したか否かを判定する。
【0054】
登録済み信号を受信した場合、ステップS211に進み、登録済み信号を受信していない場合、ステップS212に進む。ステップS212では、登録要求信号を出力してからの所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過していなければ再びステップS210に進む。つまり、登録要求信号を送信してから所定期間内に登録済み信号を受信すれば、ステップS211に進み、副ホームサーバ登録処理として副のホームサーバ51の部屋番号をホームサーバ登録部58に記憶させる処理を行う。また、管理サーバ52に対してホームサーバ51同士の登録処理を行ったことを通知する信号を出力し、ホームサーバ51同士の登録状況を管理サーバ52に記憶させる。なお、管理サーバ52は、ホームサーバ51同士の登録が完了していれば相互の信号の送受信を許可し、登録が完了していなければ相互の信号の送受信を規制する。
【0055】
一方、登録要求信号を送信してから所定期間内に登録済み信号を受信しなければ、ステップS212をYES判定とし、本登録処理を終了するとともに、ホームサーバ51同士の登録処理が未完了であることを表示部55に表示させる。
【0056】
登録処理の終了後、図4のステップS102に進み、主の駐車コントローラ41及び副のホームサーバ51から出力された各種信号を取得する。ステップS103では、各種信号に基づいて主の駐車コントローラ41や副のホームサーバ51に関する情報を表示部55に表示させる。これにより、住人は主の駐車コントローラ41により制御されるロック装置21(主のロック装置21)や給電装置35(主の給電装置35)、副のホームサーバ51などの状況を確認しつつ操作部56から手動で入力操作を行うことが可能となる。ステップS104では、入力操作が行われたか否かを判定する。ここでの入力操作には、主の駐車コントローラ41に加えて副の駐車コントローラ41に対して行われる操作が含まれる。入力操作が行われた場合、ステップS105に進み、その入力操作が給電装置35に非登録車両への給電を行わせるための操作であるか否かを判定する。非登録車両に給電を行う場合、ステップS106に進み、給電許可信号を給電装置35に対して出力する。
【0057】
入力操作が非登録車両に給電を行わせるための操作でない場合、ステップS107に進み、主のロック装置21及び主の給電装置35を非作動にさせる操作であるか否かを判定する。非作動にさせる操作である場合、ステップS108に進み、非作動信号を主の駐車コントローラ41に対して出力する。ステップS109では、主のロック装置21及び主の給電装置35を非作動とした通知信号を副のホームサーバ51に対して出力する。
【0058】
入力操作が主のロック装置21及び主の給電装置35を非作動にさせる操作でもない場合、ステップS110に進み、主のロック装置21及び主の給電装置35が副のホームサーバ51に制御されることを許可する操作であるか否かを判定する。許可する操作である場合、ステップS111に進み、許可信号を副のホームサーバ51に対して出力する。
【0059】
入力操作が副のホームサーバ51によるロック装置21の制御許可操作でもない場合、ステップS112に進み、入力操作に合わせた手動信号を主の駐車コントローラ41に対して出力する。この場合、住人は主のロック装置21及び主の給電装置35の手動操作を行うことになる。
【0060】
次に、副のホームサーバ51において実行される制御処理について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0061】
図6において、ステップS301〜S304にて登録処理を行う。登録処理において、ステップS301では主のホームサーバ51から登録要求信号を受信したか否かを判定する。受信している場合、ステップS302に進み、主のホームサーバ51の登録を許可する入力操作が操作部56から行われたか否かを判定する。ここでは、判定処理に加えて、登録要求信号を受信している旨を表示部55に表示させる処理を行う。
【0062】
許可操作が行われた場合、ステップS303に進み、許可操作が行われていない場合、ステップS304に進み、ステップ304では、登録要求有りの表示を行ってから所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過していなければ再びステップS302に進む。つまり、登録要求信号を受信してから所定期間内に許可操作が行われれば、ステップS303に進み、ホームサーバ登録処理として、主のホームサーバ51の対応する部屋番号をホームサーバ登録部58に記憶させる処理を行う。一方、登録要求信号を受信してから所定期間内に許可操作が行われなければ、ステップS304をYES判定とし、本登録処理を終了するとともに、ホームサーバ51同士の登録処理が未完了であることを表示部55に表示させる。ステップS305では、登録済み信号を主のホームサーバ51に対して出力する。
【0063】
ステップS306では、主のホームサーバ51が登録済みであるか否かを判定し、登録済みである場合、ステップS307に進み、主のホームサーバ51から主のロック装置21などに関する各種信号を受信する。ステップS308では、各種信号に基づいて主のホームサーバ51や主のロック装置21、主の給電装置35などに関する情報を表示部55に表示させる。これにより、他の住居の住人は主のホームサーバ51側の住人の都合や、主のロック装置21、主の給電装置35などの状況を確認しつつ操作部56から手動で入力操作を行うことが可能となる。ステップS309では、主のロック装置21及び主の給電装置35について非作動の通知信号を受信したか否かを判定し、受信した場合、ステップS310にて、主のロック装置21及び主の給電装置35が非作動であることを副のホームサーバ51の表示部55に表示させる。
【0064】
非作動の通知信号を受信していない場合、ステップS311に進み、主の駐車コントローラ41について制御の許可信号を受信したか否かを判定する。許可信号を受信した場合、副のホームサーバ51が主の駐車コントローラ41を制御することが主のホームサーバ51側にて許可されているとして、その旨を表示部55に表示させるとともに、ステップS312に進み、主の駐車コントローラ41を制御するための入力操作が行われたか否かを判定する。入力操作が行われた場合、ステップS313に進み、入力操作に合わせた手動信号を管理サーバ52に対して出力する。この場合、登録されている駐車コントローラ41同士であれば、管理サーバ52は手動信号を主のホームサーバ51に対して出力する。その結果、手動号が駐車コントローラ41に送信されることになる。
【0065】
次いで、主の駐車コントローラ41において実行される制御処理について、図7、図8の各フローチャートを参照しつつ説明する。
【0066】
図7に示すように、ステップS401,S402においては登録処理を行う。登録処理のステップS401では、車両情報信号又は携帯キー情報信号を主のホームサーバ51から受信したか否かを判定する。いずれかの信号を受信した場合、ステップS402に進み、登録処理として、車両Cの重量や携帯キーKの識別番号などをメモリに記憶させる処理を行う。
【0067】
ステップS403では、主のホームサーバ51や副のホームサーバ51からの信号を取得する。ステップS404では、主のホームサーバ51から信号を受信したか否かを判定し、主のホームサーバ51から信号を受信した場合、ステップS405に進み、その信号が給電許可信号であるか否かを判定する。給電許可信号である場合、ステップS406に進み、給電処理として給電スイッチ37をオン状態に移行させる。この場合、駐車スペース16に駐車された車両Cが非登録車両であっても、その非登録車両に対して給電を行うことが可能となる。この場合における非登録車両としては例えば知人の所有する車両が挙げられる。
【0068】
受信信号が給電許可信号でない場合、ステップS407に進み、受信信号が非作動信号であるか否かを判定する。非作動信号である場合、ステップS408に進み、主のロック装置21及び主の給電装置35の停止処理を行う。つまり、それらロック装置21や給電装置35を作動させない。この場合、ロック装置21を非警戒モードに移行させることになる。ちなみに、通常時においてはロック装置21が作動可能な警戒モードとなっている。なお、ロック装置21や給電装置35を非作動とする場合としては、ロック装置21や給電装置35のメンテナンス作業が行われている場合などが挙げられる。
【0069】
受信信号が非作動信号でない場合、ステップS409に進み、主のホームサーバ51からの手動信号に応じてロック装置21の動作制御を行う。この場合、住人は主のホームサーバ51の操作部56を操作することにより、主のロック装置21や主の給電装置35を操作することが可能となる。
【0070】
一方、主のホームサーバ51から信号を受信していない場合、ステップS410に進み、副のホームサーバ51から信号を受信したか否かを判定する。副のホームサーバ51から信号を受信した場合、ステップS411に進み、副のホームサーバ51からの手動信号に合わせて主のロック装置21及び主の給電装置35の動作制御を行う。この場合、他の住戸12の住人が副のホームサーバ51の操作部56を操作することにより、主のロック装置21や主の給電装置35を操作することが可能となる。
【0071】
主のホームサーバ51及び副のホームサーバ51のいずれからも信号を受信していない場合、ステップS412に進み、駐車コントローラ41の自動制御処理を実行する。
【0072】
図8に示すように、駐車コントローラ41による自動制御処理において、ステップS501では、駐車スペース16に車両Cが駐車されたか否かを判定する。ここでは、重量センサ28にて車両Cの重量を検出したか否かを判定し、車両重量を検出した場合に車両Cが駐車されたと判定する。車両Cが駐車されていない場合、そのまま本自動制御処理を終了し、車両Cが駐車された場合、ステップS502に進み、車両認証処理を行う。ステップS503では駐車車両Cが登録車両であるか否かを判定する。例えば、重量センサ28により検出された車両Cの重量が車両情報の重量(例えば150kg)と一致するか否かを判定し、一致すれば駐車車両Cが登録車両であるとして、ステップS504に進む。なお、検出された車両重量と登録されている車両重量との差異が所定値より小さければ、それら重量が一致しているとする。これにより、登録車両に人が乗っている場合にその登録車両が非登録車両であると判定されてしまうことを回避できる。
【0073】
ステップS504ではフラップ板部31を起立状態に移行させる。これにより、車両Cが盗まれることを規制できる。なお、重量センサ28による検出重量が所定時間以上継続して検出されることが、フラップ板部31を起立させる条件に含まれている。ステップS505では、給電要求があるか否かを判定する。ここでは、給電装置35の接続部36に電力ケーブルのプラグが接続されたか否かを判定し、プラグが接続された場合、給電要求があると判定する。給電要求がある場合、ステップS506に進み、給電処理として給電スイッチ37をオン状態に移行させる。なお、駐車スペース16に駐車された車両Cが非登録車両である場合には給電要求の有無判定自体が行われないため、非登録車両に対する給電が無断で行われてしまうことを防止できる。
【0074】
ステップS507では、出庫要求があるか否かを判定する。通信部44が携帯キーKの識別信号を受信した場合に出庫要求があると判定する。通信部44が携帯キーKの識別信号を受信する場合としては、運転者が携帯キーKを用いて車両ドアを解錠させる際にその携帯キーKから識別信号が送信された場合が挙げられる。したがって、運転者が車両Cに乗り込むに際して車両Cの出庫規制が解除されることになる。出庫要求が有る場合、ステップS508に進み、フラップ板部31を非起立状態に移行させる。この場合、フラップ板部31は車両ドアの解錠に伴って非起立状態に移行することになるため、運転者はフラップ板部31を非起立状態に移行させるためだけの作業を行う必要がない。したがって、車両Cが駐車スペース16に駐車されている場合に車両盗難効果を発揮しつつ、車両Cを出庫させる際には車両盗難効果を解除するための作業を行うといった煩わしさを感じさせることがない。
【0075】
なお、フラップ板部31を非起立状態に移行させた後、所定期間が経過しても車両Cが駐車スペース16から移動しない場合(重量センサ28の検出値が変化しない場合)、車両Cが出庫しないとしてフラップ板部31を再び起立状態に移行させる。
【0076】
ステップS509では、ショックセンサ34の検出信号に基づいてショックセンサ異常があるか否かを判定する。ここでは、フラップ板部31にタイヤが接触した場合や、車両Cから振動が発生した場合に、ショックセンサ異常と判定する。車両Cから振動が発生する場合としては、盗難防止用のセキュリティ装置が搭載されている車両Cに対して、不正に車両ドアを開放することや不正に車両を移動させようとした際にセキュリティ装置が振動した場合が挙げられる。
【0077】
駐車車両Cが登録車両でない場合(ステップS503がNO判定の場合)や、ショックセンサ異常である場合、ステップS510に進み、異常報知処理を実行する。異常報知処理では、報知部46から報知音を出力させることや、主のホームサーバ51や副のホームサーバ51、管理サーバ52に対して異常発生を通知する信号を出力することを行う。
【0078】
なお、管理サーバ52は異常発生の通知信号を受信した場合に、人感センサ62の検出信号に基づいて駐車場15における人の有無を判定し、人がいる場合には監視カメラ61の撮像データを主のホームサーバ51及び副のホームサーバ51に対して出力する。これにより、各住戸12の住人は住戸12内にいながらにして駐車場15の状況を把握することが可能となる。この場合、監視カメラ61は防犯手段に相当することになる。
【0079】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0080】
駐車場15のうちいずれかの駐車スペース16に車両Cが駐車された場合、その車両Cが登録車両であれば、フラップ板部31が起立状態に移行し、車両Cの盗難防止効果が発揮される。また、運転者が給電装置35と車両Cとを電力ケーブルにより接続すれば、それに伴って給電装置35から車両Cへの電力供給が行われる。その後、駐車スペース16に駐車されている車両Cを対象として盗難や車上荒らしが行われようとした場合には、その旨が車両Cの持ち主に対して住戸12の主のホームサーバ51を通じて報知される。また、その旨はホームサーバ51同士が登録されている他の住戸12の住人に対して副のホームサーバ51を通じて報知される。この場合、ロック装置21や給電装置35、報知部46が駐車コントローラ41によって自動に制御されるため、不審者を威嚇したりその存在を報知したりすることができる。さらに、駐車コントローラ41によって異常が検出されていない段階でも駐車スペース16に不審者がいることに住人が気付けば、駐車スペース16側の報知部46から報知音を出力させることにより不審者を威嚇することや不審者の存在を報知することが可能となる。
【0081】
持ち主が駐車スペース16から車両Cを移動させる場合、その持ち主が携帯キーKにより車両ドアを解錠させるだけでフラップ板部31が非起立状態に移行する。このため、車両Cを駐車スペース16から出庫させる際に、フラップ板部31を手作業で倒すといった煩わしさを運転者に感じさせることがない。
【0082】
車両Cの持ち主は主のホームサーバ51から入力操作を行うことによりロック装置21や給電装置35を手動操作することができる。したがって、通常は登録車両だけを対象として給電装置35からの給電が可能となっているが、知人の車両Cを駐車スペース16に駐車させた場合などにはその車両Cが非登録車両であっても車両の充電を行うことができる。また、ロック装置21や給電装置35のメンテナンス作業などを行う場合には、それらロック装置21や給電装置35を非作動とすることにより、メンテナンス作業の作業性の向上や安全性の向上を図ることができる。しかも、主のロック装置21や主の給電装置35が非作動とされていることは副のホームサーバ51に通知されるため、主のロック装置21や主の給電装置35に異常が発生していると副側の住人が誤認識することを抑制できる。
【0083】
また、主のホームサーバ51の許可があれば副のホームサーバ51にて主のロック装置21や主の給電装置35を操作することが可能となる。例えば駐車スペース16を他の住戸12の住人が使用する際に利便性を高めることができる。駐車スペース16を他の住人が使用する場合としては車両Cの持ち主が長期で外出する場合などが挙げられる。また、車両Cを駐車スペース16に駐車させた状態で持ち主が外出している場合に、その駐車スペース16に不審者がいることに副側の住人が気付けば副のホームサーバ51を通じて駐車スペース16側の報知部46から報知音を出力させることなどが可能となる。
【0084】
その一方で、主のホームサーバ51の許可がないと、副のホームサーバ51は主の駐車コントローラ41を制御することができないため、主のホームサーバ51側の住人の意図しないロック装置21や給電装置35の制御が副のホームサーバ51により行われてしまうといった不都合を回避できる。
【0085】
また、主のロック装置21及び給電装置35の動作制御に対する優先順位は、主のホームサーバ51、副のホームサーバ51、駐車コントローラ41となっているため、住人がロック装置21や給電装置35を非作動としたにもかかわらず、それらロック装置21や給電装置35が他の住人や駐車コントローラ41によって作動させられてしまうといったことが回避される。その一方で、駐車車両Cや駐車スペース16において異常が発生した場合には、住人による操作が行われてなくても駐車コントローラ41により異常発生が報知される。
【0086】
以上の結果、駐車スペース16においてロック装置21や給電装置35の使い勝手を向上させつつ、集合住宅10の各住戸12の住人が連携することで駐車スペース16の防犯性能を高めることができる。
【0087】
駐車場15の各駐車スペース16が集合住宅10の各住戸12に対応しており、その駐車場15に警備システムが適用されているため、各駐車スペース16が異なる敷地に構築された住戸12に対応している場合に比べて、防犯に関して住人同士が互いに連携しやすい。したがって、1つの駐車スペース16に対して複数の住戸12の住人を対象として防犯意識を高めることが可能となる。したがって、駐車スペース16の防犯性能をより一層高めることができる。
【0088】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0089】
(1)主のホームサーバ51と副のホームサーバ51とについて、副のホームサーバ51は主のホームサーバ51の許可がなくても駐車スペース16側の主の駐車コントローラ41の制御を実行することができる構成としてもよい。また、主のホームサーバ51から副のホームサーバ51に対して出力される通知信号には、主のロック装置21及び主の給電装置35の作動内容に関する情報などが含まれていてもよい。
【0090】
(2)主のホームサーバ51にて登録された車両情報や携帯キー情報が、副のホームサーバ51や管理サーバ52と共有される構成としてもよい。この場合、駐車スペース16に他の住人の車両Cを駐車させた場合に、その車両C及び駐車スペース16の防犯性能を高めることができる。したがって、各住戸12の住人同士にて駐車スペース16の貸し借りを容易に行うことができる。しかも、車両情報に加えて携帯キー情報が共有されているため、駐車スペース16の貸し借りが行われた場合でも、ロック装置21や給電装置35の使い勝手を向上させることができる。
【0091】
(3)住戸12のホームサーバ51には駐車コントローラ41が複数接続されていてもよい。この場合、主のホームサーバ51に対して主の駐車コントローラ41に加えて副の駐車コントローラ41が接続されていることになるため、各住戸12に対応した複数のロック装置21や給電装置35の管理制御を容易に行うことが可能となる。
【0092】
(4)駐車コントローラ41には住戸12のホームサーバ51が複数接続されていてもよい。この場合、主の駐車コントローラ41に対して主のホームサーバ51に加えて副のホームサーバ51が直接接続されていることになる。したがって、複数の世帯で共通の車両Cを使用している場合に、駐車スペース16の防犯性能を高めつつ、ロック装置21や給電装置35の使い勝手を向上させることができる。
【0093】
(5)携帯キーKが、駐車コントローラ41に加えて、主のホームサーバ51や、副のホームサーバ51、副の駐車コントローラ41に対して信号を出力することが可能な構成としてもよい。この場合、住人が複数の駐車スペース16を使用している場合に、それぞれの駐車スペース16に対して使い勝手を向上させることができる。
【0094】
(6)上記実施形態では、他の住戸12に設置されているホームサーバ51が副管理装置とされているが、警察や警備会社等の外部施設に設置されている制御装置等が副管理装置とされてもよい。例えば、各ホームサーバ51が管理サーバ52を介して外部施設の副管理装置と電気的に接続されている構成とする。この構成によれば、駐車スペース16において異常が発生した場合に、防犯に関することを専門とする担当者が対処することにより、例えば集合住宅10の住人が対処する場合に比べて適切な処理を施すことができる。また、集合住宅10の管理サーバ52が副管理装置とされてもよい。
【0095】
(7)防犯処理を実行する防犯手段としては、ロック装置21のフラップ駆動部33や、給電装置35の給電スイッチ37などの他に、駐車スペース16への人の出入りを規制する手段や、点灯することで異常発生を報知する照明装置等が挙げられる。
【0096】
(8)防犯のための検知を行う検知手段としては、ロック装置21の重量センサ28やショックセンサ34などの他に、給電装置35の接続部36にプラグが差し込まれたことを検出する手段などが挙げられる。
【0097】
(9)上記実施形態では、防犯手段としてのフラップ駆動部33等の動作制御を行う優先順位が、主のホームサーバ51、副のホームサーバ51、駐車コントローラ41とされているが、優先順位が設定されていなくてもよい。例えば、各ホームサーバ51や駐車コントローラ41によって行われる制御内容に基づいて優先順位が設定される構成とする。
【0098】
(10)主管理装置や副管理装置としてのホームサーバ51が、操作部56に対する手動の入力操作が行われなくても、検知手段としての重量センサ28等の検出信号に基づいて防犯手段としてのフラップ駆動部33等の動作制御を行う構成としてもよい。
【0099】
(11)主管理装置や副管理装置としてのホームサーバ51には、駐車コントローラ41を介さずに検出手段としての重量センサ28や防犯手段としてのフラップ駆動部33等が直接接続されていてもよい。また、各住戸12のホームサーバ51同士は、管理サーバ52を介さずに直接接続されていてもよい。
【0100】
(12)上記警備システムは、複数の住戸12に対応した複数の駐車スペース16を有する駐車場に適用されればよく、必ずしも複数の住戸12により集合住宅10が構築されていなくてもよい。
【0101】
(13)人感センサ62の検出信号は、ホームサーバ51及び管理サーバ52を介してロック装置21の駐車コントローラ41に対して出力されてもよい。この場合、例えばロック装置21の重量センサ28により異常発生が検知された場合に、駐車コントローラ41は人感センサ62により駐車場15において人が検出されたか否かを判定し、人が検出されていればホームサーバ51に対して異常発生且つ人の存在を示す要警戒信号を出力することが好ましい。
【符号の説明】
【0102】
10…集合住宅、12…住戸、15…駐車場、16…駐車スペース、21…防犯手段及び移動防止手段としてのロック装置、35…給電装置、37…防犯手段としての給電スイッチ、51…主管理装置としての主のホームサーバ、及び副管理装置としての副のホームサーバ、56…切替操作部としての操作部、C…車両、K…携帯機としての携帯キー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住戸に対応した複数の駐車スペースが設けられている駐車場を対象として警備を行う駐車場の警備システムであって、
前記駐車スペースに駐車される車両又は該駐車スペースを対象として防犯処理を実行する防犯手段と、
前記駐車スペースに駐車される車両又は該駐車スペースを対象として防犯のための検知を行う検知手段と、
前記駐車スペースに対応する住戸に設置され、前記検知手段の検知結果に基づいて前記防犯手段を操作可能な主管理装置と、
前記主管理装置が設置されている住戸とは別の場所に設置され、前記検知手段の検知結果に基づいて前記防犯手段を操作可能な副管理装置と
を備えていることを特徴とする駐車場の警備システム。
【請求項2】
前記駐車スペースには、該駐車スペースに駐車されている車両への給電を行う給電手段が備えられており、
前記防犯手段は、予め登録されている車両への給電を許可するとともにそれ以外の車両への給電を禁止するものであることを特徴とする請求項1に記載の警備システム。
【請求項3】
前記主管理装置は、予め登録されている車両以外の車両に対する給電を許可する切替操作部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の警備システム。
【請求項4】
前記防犯手段は、前記駐車スペースに駐車されている車両の移動を可能とする移動可能状態と、当該車両の移動を防止する移動防止状態とに切替可能な移動防止手段であり、当該駐車スペースに対応する住戸の住人が所有する携帯機からの許可信号に基づいて移動可能状態に切り替えられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の警備システム。
【請求項5】
前記防犯手段が前記検知手段の検知結果以外の理由で非作動とされている場合に、その旨を前記副管理装置に通知する非作動通知手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の警備システム。
【請求項6】
前記主管理装置は、前記検知結果に基づいて前記防犯手段を操作する警備モードと当該操作をしない非警備モードとの少なくとも2つのモードに切替可能とされており、
前記主管理装置は、少なくとも前記非警備モードである場合に、その旨を前記副管理装置に通知する非警備通知手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の警備システム。
【請求項7】
前記副管理装置は、前記複数の住戸のうち前記主管理装置とは別の住戸に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駐車場の警備システム。
【請求項8】
前記副管理装置は、前記複数の住戸に含まれない外部施設に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駐車場の警備システム。
【請求項9】
前記複数の住戸は、集合住宅の各住戸であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の駐車場の警備システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−34466(P2011−34466A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182040(P2009−182040)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】