説明

高出力モードと低出力モードとの間でバルブ作動可能化モジュレーションを行う、軸線をずらした二つのスプールを持つタービンエンジン

【課題】 VTOL航空機に特に適したタービンエンジン(10)を提供する。
【解決手段】 タービンエンジンの中心部は、低圧(LP)スプール(14)及び高圧(HP)スプール(12)の二つのスプールを含み、LPスプールがHPスプールに独立して別個に取り付けられている。モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ(56)によって、及びエンジンへの燃料流によってエンジンの作動を変化させることができる。揚力モードの作動では、LPスプール及びHPスプールの両方を作動するのに対し、前方飛行巡行作動モード中には、HPスプール(12)を作動し、LPスプール(14)は、飛行条件で必要とされる動力に応じて作動してもよいし作動しなくてもよい。HPスプール(12)だけを作動する場合には、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ(56)及び入口流ダイバータバルブアッセンブリ(58)を使用してLPスプール(14)を遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリコプターや垂直離着陸(VTOL)航空機用のタービンエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のヘリコプターや垂直離着陸(VTOL)航空機の形体は、一般的には、飛行速度が314.84km/時(170ノット)に制限されているが、大きな貨物を持ち上げることができる。現在のチルトロータVTOL航空機形体は、555.6km/時(300ノット)の中程度の飛行速度を持つけれども、ヘリコプターよりも載荷容量が小さい。従来の揚力ファンVTOL航空機は、740.8km/時(400ノット)の高い飛行速度を持つけれども、載荷容量が更に小さくなる。揚力ファンVTOL航空機は、更に、勝ち残ることができるけれども、元来、複雑で高価な推進システムを必要とする。かくして、低価格で、勝ち残ることができる航空機を可能にし、飛行速度が約555.6km/時(300ノット)と高く、ロイター速度(loiter speed)が277.8km/時(150ノット)であり、一定の場所でホバリングする性能を持つ、VTOL航空機用のエンジンが必要とされている。
【0003】
米国特許第4,286,430号には、低圧スプール、中間スプール、及び高圧スプールの三つのスプールを持つタービンエンジンが開示されている。高圧スプールは、軸線をずらして取り付けられており、代表的には、他のスプールに対して横方向である。吸気スクロールチューブが、中間スプールのコンプレッサーからの圧縮空気を高圧スプールアッセンブリに導くと同時に、排気スクロールチューブが高圧タービンアッセンブリからの排気を中圧タービンアッセンブリに導く。
【特許文献1】米国特許第4,286,430号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的には、本発明は、VTOL航空機に特に適したタービンエンジンに関する。タービンエンジンは、VTOL航空機以外の航空機、地上車輛、及び船舶を含む他の種類のクラフトに使用してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
様々な実施例では、タービンエンジンの中心部は、二つのスプール、即ち低圧(LP)スプール及び高圧(HP)スプールアッセンブリを含み、LPスプールは、HPスプールと離して独立して取り付けられる。即ちLPスプール及びHPスプールは、これらが同心のシャフト上で作動しないように離してあるのがよい。エンジンは、一対のダイバータバルブアッセンブリによって、及びエンジンへの燃料の流れによって調整できる。このように、空気流ダイバータバルブアッセンブリを使用してエンジンを通る空気流を制御することによって、エンジンからの動力出力を、高いレベルから低いレベルまで、及び低いレベルから高いレベルまで調整できる。揚力作動モードでは、LPスプール及びHPスプールの両方を作動し、前方飛行巡行モード中には、HPスプールを作動し、LPスプールは、飛行条件に必要な動力に応じて作動させてもよいし作動させなくてもよい。HPスプールだけを作動させるためには、ダイバータバルブアッセンブリを使用してLPスプールを停止する。エンジンの空気流の方向のバルブ作動可能化モジュレーションによって、コンバーチブル形体を得ることができ、垂直揚力モードについて揚力デバイスにシャフト動力出力特性を提供し、前方飛行モードについて推力出力を提供する。変形例では、垂直揚力モードについて、揚力デバイス用の排気ガス駆動装置を使用してもよい。様々な実施例による正味の効果は、航空機の揚力作動モードと巡行作動モードとの間の動力のターンダウン比(turndown ratio)を高くすると同時に、燃費を低レベルに維持することである。
【0006】
様々な実施例によれば、第1作動モード(例えば高出力モード)では、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、第1の可変量の燃焼ガス流を高出力タービン段に差し向ける。第2作動モード(例えば低高出力モード即ち巡行モード)では、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、第2の可変量の燃焼ガス流を低出力タービン段に差し向ける。更に、第1作動モードでは、流れダイバータバルブアッセンブリは、入口空気を低圧スプールアッセンブリの低圧圧縮システムに差し向け、第2作動モードでは、流れダイバータバルブアッセンブリは、入口空気を低圧圧縮システムから遠ざける。エンジンが第1モードから第2モードに移行するとき、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは高出力タービンシステムへのガス流を減少し、最終的には全てのガス流を低出力タービンシステムに差し向ける。
【0007】
別の一般的な特徴では、本発明は、タービンエンジンを持つクラフト(例えば、航空機、地上車輛、又は船舶)に関する。
本発明の様々な実施例を添付図面と関連して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の様々な実施例は、VTOL航空機に特に適したタービンエンジンに関する。このような航空機は、着陸面から離陸する離陸作動モード、及び高速(例えば300ノット(555.6km/時))で巡行する前方飛行巡行作動モードを有する。VTOL航空機は、以下に説明するコンバーチブルタービンエンジンにより、垂直離着陸を行うために揚力ファン又はロータを使用でき、巡行モード用の超高バイパス比のダクテッドファン/推進器を使用できる。
【0009】
図1は、本発明の様々な実施例によるタービンエンジン10の概略斜視図であり、図2は簡略化した概略図である。これらの図に示すように、エンジン10は、少なくとも、高圧(HP)スプールアッセンブリ12及び低圧(LP)スプールアッセンブリ14の両方を含む。以下に更に詳細に説明するように、二つのスプールアッセンブリ12、14は、好ましくは、異なる軸線に沿って配向されている。例えば、LPスプールアッセンブリ14は、HPスプールアッセンブリ12に対して横方向に配向されていてもよい。例示の実施例では、図2に示すように、LPスプールアッセンブリ14は水平軸線に沿って配向されているのに対し、HPスプールアッセンブリ12は垂直軸線と整合している。平行等の他の配向が可能であるが、スプールは、好ましくは、同心のシャフト上を延びていない。
【0010】
スプールアッセンブリ12、14は、ハウジング(図示せず)に収容されていてもよい。LPスプールアッセンブリ14は、ハウジングを通って長さ方向に延びる細長いチューブ状シャフト16を含んでいてもよい。シャフト16は、例えばシャフト16の前側及び後側の両方に配置されたベアリングによってハウジングに回転自在に取り付けられていてもよい。低圧コンプレッサーシステム22がシャフト16の前端に固定されていてもよい。低圧コンプレッサーシステム22は、吸気部20の下流に位置決めされる。低圧コンプレッサーシステム22は、一つ又はそれ以上の軸線方向及び/又は半径方向低圧圧縮段を備えていてもよい。更に、低圧(LP)タービンシステム26及び動力タービンシステム28がLPシャフト16の反対端即ち後端30に、排気出口32の直ぐ上流に固定されていてもよい。更に、動力タービン段28をLPスプール14に自由に取り付けられていてもよい。
【0011】
HPスプールアッセンブリ12は、ハウジングにベアリングによって回転自在に取り付けられた細長いタービンシャフト18を含んでいてもよい。高圧コンプレッサーシステム34が、HPスプール12の空気入口36と隣接してシャフト18に固定されていてもよい。高圧圧縮システム34は、一つ又はそれ以上の軸線方向及び/又は半径方向の低圧圧縮段を備えていてもよい。更に、高圧タービンシステム54がHPシャフト18に固定されていてもよい。一実施例によれば、巡行推進器42がHPシャフト18の出口端40に固定されていてもよい。巡行推進器42は、例えば、プロップファン、ダクテッドファン、又はプロペラであってもよい。必要であれば、シャフトを減速するため、図2に示すギヤボックス44を使用してもよい。他の実施例では、巡行推進器42をHPシャフト18に機械的に連結するのでなく、巡行推進器42を、効率的に適合させた自由に取り付けられた動力タービン38によって、HPシャフト18に空力学的に連結してもよく、これによりギヤボックス44に対する必要をなくす。
【0012】
図2を参照すると、高出力モードでは、空気は、低圧吸気部20を通って、必要な場合には、LPコンプレッサーシステム22に入る前に砂塵セパレータ46を通って、エンジン10に入る。圧縮後、空気はスクロールダクト48を通過し、HPコンプレッサーシステム34に入る。
【0013】
燃料を燃焼器52内に分配してもよく、ここで、HPコンプレッサーシステム34を出た空気に燃料を導入する。幾つかの実施例では、必要であれば、燃料は、インタークーラー50を通って進入する。
【0014】
燃焼後、排気は、高圧タービンシステム54を通って膨張し、HPコンプレッサーシステム34を駆動する。次いで、燃焼流(排気)は、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56を通過し、ここで排気はLPタービンシステム26へ向きを変え、LPコンプレッサーシステム22を駆動する。排気は、LPタービンシステム26を通過した後、高出力タービンシステム28を通って膨張し、揚力ファン又は揚力ロータ(図示せず)を駆動する動力を取り出し、その結果、VTOL航空機を揚力モードで作動できる。LPタービンシステム26を出る燃焼済空気の一部を低出力タービン38に差し向け、巡行推進器42を駆動する。これは、VTOLで後部揚力ポストとして使用される。VTOL航空機以外の航空機でタービンエンジン10を使用する場合には、高出力タービンシステム28を使用し、他の種類の推進デバイスに動力を提供する。
【0015】
VTOL航空機が垂直揚力モードから前方飛行モードに変わるとき、エンジン10は、好ましくは、高出力モードから中出力モードに変化する。中出力モード作動では、好ましくは、LPスプールアッセンブリ14及びHPスプールアッセンブリ12の両方が、作動し続ける。様々な実施例によれば、燃料流を減少し、各スプールアッセンブリの回転速度を低下する。燃料流の減少により出力が低下するため、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56が、より多くの排気ガスをHPタービンシステム54から低出力タービン38に差し向け且つより少ないガス流をLPタービン26及び高出力タービンシステム28に差し向け始める点で動力の変化が行われる。モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56からのガス流が減少するため、LPスプールアッセンブリ14は回転速度を更に低下し、最終的には停止する。LPスプールアッセンブリが停止したとき、エンジン10は低出力モード即ち巡行モードで作動する。
【0016】
低出力モード即ち巡行モードでは、好ましくは、全てのLPターボ機械構成要素(例えばLPタービンシステム26及びLPコンプレッサーシステム22)がラインから外れ、もはやエンジンの作動に関与しない。モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56は、全てのガスを低出力タービンシステム38に差し向け、通常はLPタービンシステム26に供給する流路を閉鎖する。次いで、LPコンプレッサーシステム22とHPコンプレッサーシステム34との間の流れダイバータバルブアッセンブリ58(即ち「スプール入口」)は、LPコンプレッサー段22からの空気流を閉鎖する。これが行われたとき、流れダイバータバルブアッセンブリ58は、巡行モードのエンジン10に空気を供給するのに使用される入口36への流路を開放する。このモードでは、HPスプールアッセンブリ12は単独で作動し、全ての排気ガス流を低出力タービン段38に差し向ける。
【0017】
スクロールダクト48でインタークーラー50を使用するのは随意の特徴であるが、HPスプール構成要素の大きさに関して比較的高い性能を提供し、低い燃費についてサイクルの全体として性能が向上する。
【0018】
図1は、更に、エンジンが、例えばオルタネータ70、オイルポンプ72、FADEC(全自動デジタル式エンジン制御装置)94、等を含む他の従来の構成要素を含んでいてもよいということを示す。
【0019】
図3は、様々な実施例によるバルブ作動可能化モジュレーションを示す。この概略図は、揚力モード(即ち高出力モード)でのバルブ形体を示す。この図でわかるように、流れダイバータバルブアッセンブリ58は、二つのバルブA及びBを含んでもよい。これらのバルブA及びBは、例えば、バタフライバルブ又はギロチンバルブであってもよい。同様に、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56は二つのバルブC及びDを含んでもよい。これらのバルブもまた、例えば、バタフライバルブ又はギロチンバルブであってもよい。揚力モードでは、図3の実施例でわかるように、バルブAが開放しており且つバルブBが閉鎖している。この場合、来入空気は、LPコンプレッサーシステム22を通って圧送された後、HPスプール12に差し向けられる。バルブCが開放しており且つバルブDが閉鎖しているため、ガスは高出力タービンシステム28に差し向けられ、揚力ファン/ロータ60に動力を提供する。巡行モード(即ち低出力モード)では、バルブの形体が逆になる。来入空気はバルブAによって遮断され、バルブBを通過した後、HPスプール12に差し向けられ、これによってLPコンプレッサーシステム22を迂回する。ガスは、次いで、バルブDを通過し(バルブCが閉鎖されているため)、低出力タービンシステム38に圧送され、巡行推進器42に動力を提供する。中間モードでは、バルブC及びDの両方が開放(又は部分的に開放)していてもよく、これにより各タービンシステム26、38に動力を提供する。好ましくは、バルブA及びBは、両方が同時に開放していることはなく、又は非常に短い時間しか、両方が開放していることはない。
【0020】
図3では、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56を、二つのバルブ(C及びD)を備えているものとして示すが、2チャンネル流れ変向性能(bi-channel flow diversion) を持つ一つのバルブしか必要としない構成であってもよい。同様に、流れダイバータバルブアッセンブリ58は、2チャンネル流れ変向性能を持つ一つのバルブを含んでいてもよい。
【0021】
前方飛行巡行推進器42にダクテッドファンを使用する場合には、ファンに流れを提供するための第3入口を使用してもよい。いずれにせよ(例えば、プロップファン又はダクテッドファンを巡行推進器42として使用する場合)、動力タービン26、38から流れる排気ガスは、好ましくは、ダクトによって導かれ、前方推力ダクテッドファン又はプロップファン出口流と混合し、観察可能な信号レベルを低下するため、排気ガスの温度を全体として低下する。
【0022】
モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56及び流れダイバータバルブアッセンブリ58は、FADEC94のような制御システムにより制御されてもよい。 別の特徴によれば、本発明の様々な実施例は、上文中に説明したタービンエンジン10を含む図4に示すVTOL航空機120に関する。タービンエンジン10の巡行推進器42が図4の実施例に示してある。図4において、タービンエンジン10の大部分がVTOL航空機120の機体によって覆い隠されている。
【0023】
図5は、巡行推進器42がプロップファンである場合のタービンエンジン10の一部の外部の一実施例を示す図である。
エンジン10は、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56及び流れダイバータバルブアッセンブリ58を作動させることにより、作動モードを、低出力モード又は巡行モードから高出力モードにできる。LPスプールアッセンブリ14は、燃料の流れが増大すると速度が上昇する。モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ56及び流れダイバータバルブアッセンブリ58は、高出力モードが得られたとき、元の位置に戻る。
【0024】
タービンエンジン10をVTOL航空機での使用について上文中に説明したが、エンジン10は、他の種類の航空機並びに地上車輛(例えばハンビーやトラック)及び船舶並びに定置の電力設備で使用してもよいということは理解されるべきである。
【0025】
エンジン10の幾つかの他の実施例を説明したが、当業者は、これらの実施例に対する様々な変形、変更、及び適合を思いつくことにより、本発明の利点の幾つか又は全てを得ることができるということは明らかであろう。本願は、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、このような変形、変更、及び適合の全てを含もうとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の様々な実施例によるタービンエンジンの概略図である。
【図2】図2は、本発明の様々な実施例によるタービンエンジンの概略図である。
【図3】図3は、本発明の様々な実施例によるタービンエンジンのダイバータバルブアッセンブリの概略図である。
【図4】図4は、本発明の様々な実施例によるVTOL航空機の概略図である。
【図5】図5は、本発明の様々な実施例によるタービンエンジンで使用できるプロップファン巡行ファンの概略図である。
【符号の説明】
【0027】
10 タービンエンジン
12 高圧(HP)スプールアッセンブリ
14 低圧(LP)スプールアッセンブリ
16 チューブ状シャフト
18 タービンシャフト
20 吸気部
22 低圧コンプレッサーシステム
26 LPタービンシステム
28 動力タービンシステム
30 後端
32 排気出口
34 高圧コンプレッサーシステム
36 空気入口
38 動力タービン
40 出口端
42 巡行推進器
44 ギヤボックス
46 砂塵セパレータ
48 スクロールダクト
50 インタークーラー
52 燃焼器
54 高圧タービンシステム
56 モジュレーションダイバータバルブアッセンブリ
58 流れダイバータバルブアッセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジンにおいて、
高出力タービンシステムを含む低圧スプールアッセンブリと、
低出力タービンシステムを含む高圧スプールアッセンブリとを含み、
前記低圧スプールアッセンブリ及び前記高圧スプールアッセンブリは、異なる軸線に沿って差し向けられており、更に、
前記高出力タービンシステム及び前記低出力タービンシステムへの燃焼ガス流を、前記タービンエンジンの作動モードに基づいて変化させるためのモジュレーションダイバータバルブアッセンブリを含む、タービンエンジン。
【請求項2】
請求項1に記載のタービンエンジンにおいて、
前記低圧スプールアッセンブリは低圧圧縮システムを含み、前記高圧スプールアッセンブリは高圧圧縮システムを含み、更に、入口空気流を前記タービンエンジンの作動モードに基づいて低圧圧縮システム及び高圧圧縮システムに差し向けるための流れダイバータバルブアッセンブリを含む、タービンエンジン。
【請求項3】
請求項2に記載のタービンエンジンにおいて、
第1作動モードでは、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、第1の可変量の燃焼ガス流を前記高出力タービン段に差し向け、第2作動モードでは、第2の可変量の燃焼ガス流を前記低出力タービン段に差し向ける、タービンエンジン。
【請求項4】
請求項3に記載のタービンエンジンにおいて、
前記モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、前記エンジンが前記第1作動モードから前記第2作動モードに移行するとき、前記高出力タービンシステムへのガス流を減少し、最終的には全てのガス流を前記低出力タービンシステムに差し向ける、タービンエンジン。
【請求項5】
請求項4に記載のタービンエンジンにおいて、
前記第1作動モードでは、流れダイバータバルブアッセンブリは、入口空気を前記低圧スプールアッセンブリの低圧圧縮システムに差し向け、前記第2作動モードでは、前記流れダイバータバルブアッセンブリは、入口空気を低圧圧縮システムから遠ざける、タービンエンジン。
【請求項6】
請求項5に記載のタービンエンジンにおいて、
前記モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、2チャンネル流れ変向性能を持つ一つのバルブを含む、タービンエンジン。
【請求項7】
請求項5に記載のタービンエンジンにおいて、
前記モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、少なくとも二つのバルブを含む、タービンエンジン。
【請求項8】
請求項1に記載のタービンエンジンにおいて、
前記モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、2チャンネル流れ変向性能を持つ一つのバルブを含む、タービンエンジン。
【請求項9】
請求項1に記載のタービンエンジンにおいて、
前記モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、少なくとも二つのバルブを含む、タービンエンジン。
【請求項10】
請求項7に記載のタービンエンジンにおいて、
前記流れダイバータバルブアッセンブリは、少なくとも二つのバルブを含む、タービンエンジン。
【請求項11】
請求項1に記載のタービンエンジンにおいて、
前記低圧スプールアッセンブリは前記高圧スプールアッセンブリと同心には配向されていない、タービンエンジン。
【請求項12】
請求項5に記載のタービンエンジンにおいて、
前記低圧スプールアッセンブリは前記高圧スプールアッセンブリと同心には配向されていない、タービンエンジン。
【請求項13】
請求項5に記載のタービンエンジンにおいて、更に、
前記高圧スプールアッセンブリに連結された巡行推進器を含む、タービンエンジン。
【請求項14】
請求項13に記載のタービンエンジンにおいて、
前記巡行推進器は、前記高圧スプールアッセンブリに機械的に連結されている、タービンエンジン。
【請求項15】
請求項13に記載のタービンエンジンにおいて、
前記巡行推進器は、前記高圧スプールアッセンブリに空力学的に連結されている、タービンエンジン。
【請求項16】
請求項13に記載のタービンエンジンにおいて、
前記巡行推進器は、巡行ファン、プロップファン、又はプロペラのうちの少なくとも一つを含む、タービンエンジン。
【請求項17】
請求項15に記載のタービンエンジンにおいて、更に、
空気を前記低圧圧縮システムから前記高圧圧縮システムへを導くためのスクロールダクトと、
燃料を導入するため、前記スクロールダクトに設けられたインタークーラーとを含む、タービンエンジン。
【請求項18】
タービンエンジンを持つクラフトにおいて、前記タービンエンジンは、
高出力タービンシステムを含む低圧スプールアッセンブリと、
低出力タービンシステムを含む高圧スプールアッセンブリとを含み、
前記低圧スプールアッセンブリ及び前記高圧スプールアッセンブリは、異なる軸線に沿って差し向けられており、更に、
前記高出力タービンシステム及び前記低出力タービンシステムへの燃焼ガス流を、前記タービンエンジンの作動モードに基づいて変化させるためのモジュレーションダイバータバルブアッセンブリを含む、クラフト。
【請求項19】
請求項18に記載のクラフトにおいて、
前記低圧スプールアッセンブリは低圧圧縮システムを含み、前記高圧スプールアッセンブリは高圧圧縮システムを含み、更に、入口空気流を前記タービンエンジンの作動モードに基づいて低圧圧縮システム及び高圧圧縮システムに差し向けるための流れダイバータバルブアッセンブリを含む、クラフト。
【請求項20】
請求項19に記載のクラフトにおいて、
前記高圧スプールアッセンブリは、自由に取り付けられた低出力タービンアッセンブリを含む、クラフト。
【請求項21】
請求項19に記載のクラフトにおいて、
第1作動モードでは、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、第1の可変量の燃焼ガス流を前記高出力タービンシステムに差し向け、第2作動モードでは、第2の可変量の燃焼ガス流を前記低出力タービンシステムに差し向ける、クラフト。
【請求項22】
請求項21に記載のクラフトにおいて、
前記モジュレーションダイバータバルブアッセンブリは、前記エンジンが前記第1作動モードから前記第2作動モードに移行するとき、高出力タービンシステムへのガス流を減少し、最終的には全てのガス流を低出力タービンシステムに差し向ける、クラフト。
【請求項23】
請求項22に記載のクラフトにおいて、
前記第1作動モードでは、前記流れダイバータバルブアッセンブリは、入口空気を前記低圧スプールアッセンブリの低圧圧縮システムに差し向け、前記第2作動モードでは、前記流れバルブアッセンブリは、入口空気を前記低圧圧縮システムから遠ざける、クラフト。
【請求項24】
請求項18に記載のクラフトにおいて、
前記クラフトはVTOL航空機である、クラフト。
【請求項25】
請求項18に記載のクラフトにおいて、
前記クラフトは、航空機、地上車輛、及び船舶からなる群から選択される、クラフト。
【請求項26】
タービンエンジンにおいて、
低圧圧縮システム及び高出力タービンシステムを含む低圧スプールアッセンブリと、
高圧圧縮システム、燃焼器、及び低出力タービンシステムを含む高圧スプールアッセンブリとを含み、
前記低圧スプールアッセンブリ及び前記高圧スプールアッセンブリは、異なる軸線に沿って差し向けられており、更に、
前記高出力タービンシステム及び前記低出力タービンシステムへの燃焼ガス流を前記タービンエンジンの作動モードに基づいて変化させるためのモジュレーションダイバータバルブアッセンブリであって、高出力作動モードでは、第1の可変量の燃焼ガス流を前記高出力タービンシステムに差し向け、低出力作動モードでは、第2の可変量の燃焼ガス流を前記低出力タービン段に差し向ける、モジュレーションダイバータバルブアッセンブリと、
入口空気流を、前記タービンエンジンの作動モードに基づいて前記低圧圧縮システム及び前記高圧圧縮システムに差し向けるための、流れダイバータバルブアッセンブリであって、高出力作動モードでは、入口空気を低圧スプールアッセンブリの低圧圧縮システムに差し向け、低出力作動モードでは、入口空気を低圧圧縮システムから遠ざける、流れダイバータバルブアッセンブリとを含む、タービンエンジン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−504989(P2009−504989A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527163(P2008−527163)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/032299
【国際公開番号】WO2007/024674
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508039940)テレダイン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】