説明

高出力型多段式油圧装置

【課題】自己エネルギー発生型液圧駆動発電装置を駆動する高出力を必要とする作業機械等を、低出力で駆動できる油圧ポンプと油圧モータを一体化した高出力型多段式油圧装置を提供する。
【解決手段】バツテリー(I)を利用して可変速電動モーター(B)で高出力型多段式油圧装置(A)の第1油圧ポンプ(1)を駆動することにより、油圧を発生させ、第2油圧モーター(2)に送り、羽根車(6)にて回転運動に変えて、同軸の第2油圧ポンプ(3)(第1油圧ポンプの数倍の吐出量を有する)を起動する。第2油圧ポンプ(3)で発生した油圧を第3油圧モーター(4)に送り、やはり同軸の第3油圧ポンプ(5)で発生させ、発生した油圧を、最終油圧モーター(C)に送り、起動させることにより、各種作業機(D)を作動することが出来る。高出力型多段式油圧装置の第4油圧装置以降も同じ構造とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
この発明は、自己エネルギー発生型液体駆動発電装置を駆動し、また、高出力が必要な作業機等を低出力で駆動できる油圧ポンプと油圧モーターを一体化した、高出力型多段式油圧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧ポンプと油圧モーターは別々の装置であり、第1油圧ポンプの低出力で最終の油圧モーターで高出力を得るには、複雑な配列構造となる。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、その欠点を除いて、第1油圧ポンプ、第2油圧モーター、同ポンプ及び第3、第4ポンプ、モーターを一体化することにより、複雑な配列構造を簡素化、コンパクト化することが出来るため、小スペース化を図るとともに、自己エネルギー発生型発電装置を低出力で運転する事が出来る他、高出力を必要とする作業機を低出力で運転する動力源又、近い将来、電気自動車の電気エネルギー発生機器の一部として利用することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
バツテリー(I)を利用して可変速電動モーター(B)で高出力型多段式油圧装置(A)の第1油圧ポンプ(1)を駆動することにより、油圧を発生させ、第2油圧モーター(2)に送り、羽根車(6)にて回転運動に変えて、同軸の第2油圧ポンプ(3)を起動する。
第2油圧ポンプ(3)で発生した油圧を第3油圧モーター(4)に送り、やはり同軸の第3油圧ポンプ(5)で油圧を発生させ、油圧を最終油圧モーター(C)に送り、駆動させることにより、各種作業機(D)を低出力にて作動することが出来るものである。
高出力型多段式油圧装置の第4油圧装置部以降も同一構造とする。
また、作業機は最終油圧モーター(C)のオイル流入口前で高圧パイプ(E)を分岐し、作業機の回転と連動した電動弁(F)の開閉により、油圧をオイルタンク(G)に逃がし、作業機の回転を調整するものである。各油圧モーター、作業機を駆動したオイルはオイルクーラー(H)で冷却してオイルタンク(G)に戻す。
動力はギヤまたはチエーン(K)で伝達するものである。
また発電機以外の作業機(D)は発電機を併用させ、回転が低下した時は、自己発電した電源で可変速電動モーター(B)を駆動して第1油圧ポンプ(1)の回転を上昇させて、自己エネルギーを発生し、運転が出来るものである。
停止時は、サービス用電動弁(J)にて停止させる事が出来る。
各油圧ポンプ、モーターを一体化を図る事によりコンパクト化できる。
以上の様な構造ため低出力で高出力が得られる高出力型多段式油圧装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明は、以上のような構造であるから、これを使用するときは、可変速電動モーター、高出力型多段式油圧装置、最終油圧モーター、と発電機、又は各種作業機をギヤまたチエーンを連結し、オイルタンクにオイルを注入して、エアーを抜き、可変速電動モーターの電源をONにして回転を与えてやればよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、自己エネルギー発生型発電装置の油圧装置に利用すれば、低出力で高出力が得られる為、フライホイールの回転力が低下した時でも、低出力で第1油圧ポンプを回転できるために、可変速電動モーターも殆んど作動せず、無エネルギーにて、長期に渡り、発電及び各種の作業をすることができる。
近い将来、火力発電は重油や石炭を使用せずに電気の供給が出来、また自動車は電気自動車に移行させ、二酸化炭素等、大気汚染物質の排出を抑制し、地球温暖化の防止に絶大な効果をもたらし、京都議定書における、日本の二酸化炭素等の排出削減目標を早期に達成させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の斜視図
【図2】 本発明の構成.使用図
【符号の説明】
〔図1の符号〕
1は第1ポンプ 5は第3ポンプ
2は第2モーター 6は羽根車
3は第2ポンプ 7はギヤ又はチエーン用スプロケツト
4は第3モーター
〔図2の符号〕
Aは高出力型多段式油圧装置 Gはオイルタンク
Bは可変速電動モーター Hはオイルクーラー
Cは最終油圧モーター Iはバツテリー
Dは各種作業機 Jはサービス用電動弁
Eは高圧パイプ Kはギヤ又はチエーン
Fは電動弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプと油圧モーター、それぞれ数個を,一体化した高出力型多段式油圧装置。
【請求項2】
第1油圧ポンプを駆動することにより、油圧を発生させ、第2油圧モーターに送り、羽根車にて軸を回転運動に変えて、同軸の第1油圧ポンプより数倍の作業力のある第2ポンプを駆動させる。
第2油圧ポンプで発生した油圧を第3油圧モーターに送り、やはり同軸の第2油圧ポンプより数倍の作業力のある第3油圧ポンプを駆動させることにより、油圧を発生させ、最終油圧モーターを駆動させて、各種作業機を作動させる。第4油圧装置部以降も同一構造とする。
各油圧モーターを駆動したオイルはオイルクーラーで冷却して、オイルタンクに戻す。
また、作業機等は最終油圧モーターのオイル流入口前で高圧パイプを分岐し、作業機の回転と連動した電動弁の開閉により、オイルをオイルクーラーで冷却して、オイルタンクに逃がし、作業機の回転数を調整するこができるものである。
上記の油圧ポンプ、油圧モーター部を一体型した、低出力にて高出力が得られるコンパクトな高出力型多段式油圧装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−170422(P2006−170422A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382459(P2004−382459)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(503212319)
【出願人】(503212353)
【Fターム(参考)】