説明

高分子樹脂微粒子、導電性微粒子及びこれを含んだ異方導電性接続材料

【解決手段】粒子径の10%が変形したときの10%K値が250kgf/mm2以上700kgf/mm2以下
であり、圧縮回復率が30%以下、圧縮破壊変形が30%以上であることを特徴とする高分子樹脂微粒子、これを用いた導電性微粒子、およびこれを含んだ異方導電性接続材料。
【効果】本発明の導電性微粒子は、上記のような高分子樹脂微粒子をその基材として用いているので、適当な圧縮変形性及び回復性を有し、回路基板などの電極間に介在される時に、一定のギャップの大きさを維持しながら、接触面積の向上を図ることにより、優れた接続抵抗及び接続信頼性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板実装用導電性接着剤、異方導電性接着フィルム、及び導電性接続構造体などに用いられる導電性微粒子、及び導電性微粒子に用いられる高分子微粒子に関し、粒子径の10%が変形したときの10%K値が250〜700kgf/mm2であり、20%及び30%圧縮変形のときのK値が前記10%K値の70%以下、圧縮回復率が30%以下、圧縮破壊変形が30%以上であることを特徴とする導電性微粒子及び導電性微粒子に用いられる高分子樹脂微粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、IC回路基板の接続電極と、LCD(Liquid Crystal Display)パネルのように、回
路基板に搭載する基板の端子を互いに電気的に接続するためには、異方導電性接続が行われなければならない。前記異方導電性接続材料としては、金属コーティングされた樹脂微粒子、又は金属粒子などの導電性微粒子をエポキシ、ウレタン、アクリルなどの絶縁性樹脂に分散させたフィルム状の接着剤が広く用いられている。
【0003】
異方導電性接続材料は、接続しようとする電極と端子との間に位置させ、加熱及び圧着して接着させると、電極と端子との間に、導電性微粒子が挟まれる方式で、加圧する方向に電気的通電が発生することになり、加圧方向の垂直方向には、絶縁性接着剤の絶縁成分により絶縁状態が維持される。
【0004】
このような異方導電性接続が要求されるLCDパッケージングにおいては、LCD技術の発展に従って接続ピッチ(pitch)の微細化、ICバンプ(bump)の微小化及び基板の上に印刷した
リード(lead)数の増加に従って、電気的な接続信頼性の向上も続いて要求されている。このような技術的要求に応じて、異方導電性フィルムの中に含有される導電性微粒子は、均一粒径化、小粒径化する必要が大きく増加したし、又、適当な圧縮変形性及び変形回復性を有し、接続基板間に介在されて圧縮されるときに、接触面積の向上のため、破壊されやすくない導電性能も、非常に重要に要求されている。このような導電性微粒子としては、ニッケル、金、銀などの金属粒子と、基材微粒子に金属コーティングされた粒子とを用いることができるが、金属粒子は、形状が不均一であり、接着樹脂に分散させて用いる場合に、樹脂に比べて比重が非常に大きいため、分散性が低下される問題があった。
【0005】
これにより、微細電極の接続及び高い接続信頼性を要求する実装分野においては、形状が均一であり、粒径分布が比較的狭く、導電性能に優れた、樹脂微粒子基材にメッキ層が形成された導電性微粒子が広く用いられているのが現状である。
【0006】
実際に、今まで樹脂微粒子にメッキした形態の導電性微粒子に関する多くの研究があり、特に圧縮変形のときの微粒子特性について、電極との接触及び接続信頼性の向上の側面において相当の研究が行われてきた。
【0007】
特許文献1には、圧縮強度が500kg/cm2以上であり、圧縮弾性率が80×103kg/cm2である
高強度、高弾性の導電性微粒子を用いることが開示されている。そして、特許文献2には
、LCD用スペーサとして用いられる単分散樹脂微粒子を基材にした、スペーサ及び導電性
微粒子を開示しているが、導電性微粒子を用いて互いに対向する電極間を圧縮して、接続するときに電極間のギャップ制御を容易にするために、樹脂微粒子の10%圧縮変形のときの圧縮硬度(10%K値)は、250kgf/mm2以上、700kgf/mm2以下が望ましく、圧縮の後に、電
極に対する導電性微粒子の接触面積を広くするために、樹脂微粒子の圧縮変形の後の回復率は、30%以上80%以下が望ましいと開示している。又、特許文献3には、電極間の温度
変化、折り返し、機械的衝撃などに対する導電不良を解消するため、10%圧縮変形のときのK値が700kgf/mm2以上1000kgf/mm2以下であり、20℃での変形回復率が65%以上95%以下である導電性微粒子を開示している。
【0008】
それだけでなく、特許文献4及び特許文献5などには、接続信頼性の向上のため、10%圧縮変形時のK値が250kgf/mm2以下であり、圧縮変形回復率が30%以上である導電性微粒子
を開示している。
【0009】
前記特許文献においては、導電性微粒子が様々の硬度領域で、たいてい圧縮変形の後の回復率が高いほど、電極との接触面積の向上など、優れた導電性能を発現すると開示している。
しかし、このような導電性微粒子が硬化型接着バインダー樹脂に分散し、熱圧着によって電極間を接続するとき、硬化するバインダー樹脂の接着力、及び微粒子の電極に対する接触が不十分になる場合がよく発生する。さらに、最近には異方導電性接着フィルムを低温で短時間に速硬化する工程が徐々に増えているが、このような短時間の接続条件により、バインダー樹脂が速く硬化されるのに比べて、導電性微粒子は、十分に電極に接触できない問題が発生するようになる。
【0010】
さらに、COG(Chip on Glass)用途の接続フィルムのように、導電性微粒子の含量が数十%に大きく増加された異方導電性材料においては、多量の高弾力性導電性微粒子が電極間に介在されることで、接続フィルムの接着を局所的、又は全般的に低下させ、これによって、長期的な接続信頼性を低下させるなどの問題が発生する。
【0011】
そして、電極パターンの微小化、ピッチの微細化と共に、ITO電極のように、相対的に
強度が弱い配線パターンを接続する場合には、配線パターンに影響を与えないために、より低い圧力で接続する工程を要するようになり、このような低圧接続条件で、高弾性の導電性微粒子は、接着及び接続信頼性をより大きく低下させるという問題点がある。
【特許文献1】特開昭63-107188号公報
【特許文献2】WO92/06402号
【特許文献3】特開平7-256231号公報
【特許文献4】特開平11-125953号公報
【特許文献5】特開2003-313304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、前記の問題点を解決するため、形状が均一であり、粒径分布が狭く、又、適当な圧縮変形性及び変形回復性を有して、接続基板間に介在されて圧縮されるときに、接触面積の向上のため、破壊されやすくない優れた導電性能を有する導電性微粒子、及びこれに用いられる高分子樹脂微粒子を提供することである。
本発明の他の目的は、電気的接続信頼性の優れた特性を有する導電性微粒子及びこれを用いた異方導電性接続材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を果たすために、本発明は、粒子径の10%が変形したときの10%K値が250kgf/mm2以上700kgf/mm2以下であり、圧縮回復率が30%以下、圧縮破壊変形が30%以上である
ことを特徴とする高分子樹脂微粒子を提供する。
【0014】
本発明の好適な態様として、前記高分子樹脂微粒子の10%K値が350〜600kgf/mm2であ
ることを特徴とする。
本発明の好適な態様として、前記高分子樹脂微粒子は、20%及び30%圧縮変形時のK値
が、前記10%K値の70%以下であることを特徴とする。
本発明の好適な態様として、前記高分子樹脂微粒子は、平均粒径が0.1〜200μmであり、
縦横比が1.5未満、CV値が20%以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明の好適な態様として、前記高分子樹脂微粒子は、ジビニルベンゼン、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレイート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、およびトリアリルトリメリテート(triallyl trimellitate)などのアリル化合物類、(ポリ)エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、および(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、 ペンタエリスリト
ール(Pentaerythritol)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(Trimethylolpropane)トリ(メタ)アクリレート、ジトリメトキシプロパン(ditrimethoxypropane)テトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、並びにグリセロールトリ(メタ)アクリレートからなる群より選択され
る1種以上の架橋重合性単量体を用いることを特徴とする。
【0016】
本発明の好適な態様として、前記高分子樹脂微粒子は、スチレン、エチルビニルベンゼン、α-メチルスチレン、およびm-クロロメチルスチレンなどのスチレン系単量体と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(
メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリ
レート、およびグリシジル(メタ)アクリレートなどのアクリレート系単量体、塩化ビニル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルエーテル、アリルブチルエーテル、ブタジエン、並びにイソプレンからなる群より選択される1種以上の重合性不飽和単量体を共重合して製造されるこ
とを特徴とする。
【0017】
本発明の好適な態様として、前記高分子樹脂微粒子は、シード重合法により製造されたものであって、高分子シード粒子の分子量は、1,000〜30,000であることを特徴とする。
前記シード重合法において、重合性単量体の全体含量は、前記高分子シード粒子1質量部
に対して好ましくは10〜300質量部であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、基材である前記高分子樹脂微粒子と、その基材微粒子の表面に形成された少なくとも1層の金属導電層とからなることを特徴とする導電性微粒子を提供する。
【0019】
前記導電性微粒子の導電層は、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、錫(Sn)、インジウム(In)、酸化インジウムスズ(Indiun Tin Oxide、ITO)からなる群より選択される1種以上の金属からなっており、金属導電層の厚さは0.01〜5μmであることを特徴とする。
【0020】
前記導電性微粒子の金属導電層は、ニッケル/金、ニッケル/白金、ニッケル/銀からな
る群より選択される1種以上の二重金属層からなることが好ましい。
また、本発明は、前記導電性微粒子を含むことを特徴とする異方導電性接続材料を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の導電性微粒子は、粒子径の10%が変形したときの10%K値が250〜700kgf/mm2
であり、20%及び30%圧縮変形時のK値(20%K値及び30%K値)が、前記10%K値の70%以下、圧縮回復率が30%以下、圧縮破壊変形が30%以上である高分子樹脂微粒子を、その基材として用いているから、適当な圧縮変形性及び回復性を有し、回路基板などの電極間に介在される時に、一定のギャップの大きさを維持しながら、接触面積の向上を図ることにより、優れた接続抵抗及び接続信頼性を示した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の内容を詳しく説明する。
本発明の導電性微粒子は、高分子樹脂基材微粒子と、前記基材微粒子の表面にコーティングされた、少なくとも1つ以上の金属層とからなっており、このような導電性微粒子は
、回路基板の実装分野において微細電極間を電気的に接続する構造体、異方導電性接着フィルムなどに用いることが可能である。
【0023】
本発明による導電性微粒子に用いられる高分子樹脂微粒子は、上記において言及した電気的接続材料として用いられる時に、優れた導電性能を有するために、適正な範囲のK値
と圧縮変形回復率及び圧縮破壊変形を有しなければならない。
【0024】
本発明において、K値は、微小圧縮試験機(日本島津製作所製のMCT-Wシリーズ)を使って測定した値であって、直径50μmの平滑な上部加圧圧子と、下部加圧板との間に、単一微
粒子を固定させ、圧縮速度0.2275gf/sec、最大試験荷重5gfで圧縮して得た荷重値、及び
圧縮変位を用いて、下式(1)で計算された値である。
【0025】
【数1】

(1)
ここで、Fは、圧縮変形X%における荷重値(kg)、Sは、
X%圧縮変形における圧縮変位(mm)であり、Rは、微粒子の半径(mm)である。
【0026】
本発明の高分子樹脂微粒子において、前に記述したように、微粒子の10%圧縮変形のときのK値は、250kgf/mm2以上、700kgf/mm2以下の範囲である。前記範囲の微粒子を用いた
場合、互いに対向する電極を接続するときに、微粒子による電極の損傷がなく、電極間に介在されて均一なギャップの大きさで接続することが可能である。より望ましい導電性微粒子の10%K値は、350kgf/mm2以上600kgf/mm2以下の範囲である。10%K値が700kgf/mm2を超える場合には、電極間に介在された導電性微粒子が容易に変形しにくく、これによって、電極表面と導電性微粒子との接触面積が十分に広くならないことで、接続抵抗を低下させることが困難となる。なお、この領域の高分子樹脂微粒子は、非常に硬質であるので、接続抵抗を低めるために圧着力を増加させる場合に、電極の表面を損傷させる恐れが大きくなる。一方、微粒子の10%K値が、250kgf/mm2未満の場合には、印加された圧力によっ
て、過度な変形が起きやすくなり、その結果、微粒子から導電層が剥離するか、あるいは過度な扁平化が起こり、上下電極間の距離が十分に確保されることができないことで、接着力及び接続信頼性に問題が発生することがある。
【0027】
一般に、10%K値は、微粒子の硬度を普遍的、又は定量的に示したものであるが、単に
、10%K値のみによって圧縮に対する微粒子の変形性を正確に評価することはできない。
従って、20%及び30%の圧縮変形におけるK値を同時に考慮するのがより望ましい。
【0028】
図1は、本発明に係る導電性微粒子1が、異方導電性フィルム3内に分散され、回路基板2とガラス基板4との電極の間に介在された電気接続構造体の断面図である。図1に示すように、導電性微粒子1と電極との間のギャップを均一にかつ十分に維持しながら、変形した
後、導電性微粒子1を電極に付着させ、導電性微粒子1と電極との接触面積を安定的に極大化させるためには、微粒子は圧縮初期にはある程度硬質性を有さなければならず、以後、圧縮に従って持続的に変形しなければならない。
【0029】
従って、本発明において、高分子樹脂微粒子11の20%K値及び30%K値は、圧縮による初期硬質性に対する代表値である10%K値の70%以下の水準に維持されるのが望ましい。60
%以下の水準に維持されるのが圧縮による十分な変形性を付与するのにより望ましい。
【0030】
又、「圧縮回復率」とは、前記の微小圧縮試験機で、頂点荷重1.0gfまで圧縮した後、
再度、原点の0.1gfまで荷重を取り除くことにより、荷重を加えたり減らすときの荷重と
圧縮変位との関係を測定して得る値であって、負荷時、頂点荷重までの変位(L1)に対する頂点荷重から原点荷重までの変位(L2)をL2/L1の割合(%)として示したものである。前
記負荷(loading)及び除負荷(unloading)時の圧縮速度は、0.1517gf/secであった。
【0031】
本発明において、高分子樹脂微粒子11の圧縮回復率は、接着安定化、電極との接触面積の極大化、及び接続信頼性の向上のため、30%以下に制限する。望ましいのは、圧縮回復率が5%以上、30%以下の領域であり、回復率がほぼ0%に及ぶ微粒子は、温度に応じて接着樹脂との弾性差が非常に大きくなって、その導電性能が、少しは低下される恐れがある。このような微粒子の変形回復性に対する限定は、非常に一般的なことではないが、本発明における微粒子の圧縮に対する変形性を同時に考慮する場合には、その意味が非常に大きいといえる。
【0032】
又、本発明の圧縮破壊変形も同様に、同じ圧縮試験機で測定して得る値であって、微粒子の破壊された時点における変位量(Ld)を微粒子の直径に対する割合Ld/D%として示したものである。本発明において、圧縮時、導電性微粒子1が、十分に変形して、接続抵抗を
低めるためには、圧縮によって破壊しやすくてはならないので、圧縮破壊変形を30%以上に限定する。圧縮破壊変形が40%以上であることがより望ましい。
【0033】
本発明の高分子樹脂微粒子11の粒径は、0.1〜200μmであるのが望ましく、1〜20μmで
あるのがより望ましい。微粒子の粒径が、0.1μm未満であれば、微粒子の凝集が大きく発生する問題が起こり、粒径が200μmを超える基材微粒子を用いた導電性微粒子は、最近の微細実装用材料に用いても実益が少ない。
【0034】
前記高分子樹脂微粒子11は、球状の微粒子として、接続信頼性を低下させないために、縦横比が1.5未満であり、粒径の変動系数であるCV値が20%以下であるのが望ましい。こ
こで、「縦横比」とは、単一微粒子の最長軸の直径対最短軸の直径の割合をいい、「CV値」とは、粒径の標準偏差を平均粒径で割ったものに対する%値をいう。微粒子の縦横比が1.3未満であり、CV値が10%以下であるのがより望ましい。
【0035】
上述したように、本発明の導電性微粒子1は、高分子樹脂微粒子11の基材の表面に、金
属層12がコーティングされている形態であり、前記示した導電性微粒子1の圧縮に対する
変形性、及び回復性などに対する特性は、実際に、その基材となる高分子樹脂微粒子11に大きく依存している。
【0036】
前記ような高分子樹脂基材微粒子11は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などからなる群より選択される1種以上のものを用いるのが望ましい。
そのうち、スチレン系樹脂、又は(メタ)アクリレート樹脂を用いるのが望ましく、架橋重合性単量体を含む重合体樹脂を用いるのがより望ましい。
【0037】
なお、前記架橋重合性単量体は、ジビニルベンゼン、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテートなどのアリル化合物類と、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メ
タ)アクリレートなどからなる群より選択される1種以上のものを用いるのが望ましい。
【0038】
なお、前記架橋重合性単量体と併用される単量体は、前記架橋重合性単量体と共重合が可能な重合性不飽和単量体として、スチレン、エチルビニルベンゼン、α-メチルスチレ
ン、m-クロロメチルスチレンなどのスチレン系単量体と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコール (メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレートなどのアクリレート系単量体、塩化ビニル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルエーテル、アリルブチルエーテル、ブタジエン、イソプレンなどからなる群より選択される1種以
上のものを用いるのが望ましい。
【0039】
本発明において用いられる重合体樹脂微粒子は、懸濁重合法(suspension polymerization)、分散重合法(dispersion polymerization)、シード重合法(seeded polymerization),
無乳化重合法(soap-free emulsion polymerization)などにより製造することができる。本発明ではシード(seeded)重合法を用いて粒径分布が均一な高分子樹脂微粒子を製造した。
【0040】
前記シード重合法を具体的に説明すると、先ず、粒径の均一な高分子シード粒子を水溶液に分散させる。この分散液に、油溶性開始剤が溶けている(架橋)重合性不飽和単量体の水性エマルジョン(emulsion)を添加して、シード粒子内部へ前記(架橋)重合性不飽和単量体を吸収させた後、(架橋)重合性不飽和単量体を重合させることによって、高分子樹脂微粒子を得ることができる。前記高分子シード粒子の分子量は、シード重合法により最終的に形成される重合体樹脂微粒子の相分離(phase seperation)、及び機械的物性に大きな影響を及ぼすので、1,000〜30,000範囲で用いるのが望ましく、3,000〜20,000がより望ましい。又、前記(架橋)重合性不飽和単量体は、高分子シード粒子1質量部に対して、10〜300質量部を吸収させることが望ましい。
【0041】
前記高分子樹脂微粒子の製造に用いる開始剤は、一般に用いられる油溶性ラジカル開始剤として、具体的には、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、o-クルロロベ
ンゾイルパーオキシド、o-メトキシベンゾイルパーオキシド(benzoylmethoxyperoxide)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、1,1,3-3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジオクタノイルパーオキシド(dioctanoyl peroxide), ジデカノイルパーオキシド(didecanoyl peroxide)などのようなパーオキシド系の化合物と、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-
メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)などのようなアゾ化合物を含み、その使用量は、通常単量体に対して0.1〜20質量%が望ましい。
【0042】
前記高分子樹脂微粒子を重合する過程において、ラテックスの安全性を確保するために、必要に応じて、界面活性剤及び分散安定剤を用いることができる。前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン系、陽イオン系、非イオン系などの通常の界面活性剤が使用可能である。
【0043】
又、前記分散安定剤としては、重合媒体に溶けるか、又は、分散することができる物質として、具体的には、ゼラチン、スターチ(starch)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリメタクリル酸ナトリウムなどの水溶性高分子と、硫酸バリウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、乳酸アルミニウム、タルク、粘土、硅藻土、金属酸化物粉末などを用いることができ、1種又は2種以上を並行して用いることができる。前記分散安定剤の含量は、重合過程において生成された高分子微粒子が、重力による沈積や粒子間の凝集を抑制することができる程度の量を用い、全体反応物100質量部に対して、約0.01〜15質量部を用いるのが望ましい。
【0044】
本発明の導電性微粒子1は、高分子樹脂微粒子11の表面に、金属層12をコーティングす
ることで製造することができ、前記金属層12に用いられる金属としては特に限定はなく、例えば、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、錫(Sn)、インジウム(In)、酸化インジウムスズ、及びこれらを主成分として多層複合金属などを挙げることができる。本発明においては、導電性微粒子1は、高分子樹脂微
粒子11の表面にニッケルメッキした後、金をメッキした二重構造の金属層12を有するが、前記金の代わりに白金(Pt)や銀(Ag)などの他の導電性金属を用いることもできる。
【0045】
前記基材微粒子に、金属層をコーティングする方法としては、特に限定はなく、例えば、無電解メッキ法によるコーティング、金属粉体を用いたコーティング、真空蒸着、イオンメッキ法、イオンスパッタリング法などを用いることができる。
【0046】
前記無電解メッキ法による導電性微粒子の製造は、具体的に、脱脂、エッチング(etching)、感受化処理(sensitizing)、触媒化処理(catalyzing)、還元剤処理などの第1段階の
基材微粒子表面の前処理過程後、無電解ニッケル(Ni)メッキ及び洗浄(washing)の第2段階、そして、最後に金(Au)置き換えメッキの3段階を経てなる。
【0047】
前記無電解メッキ工程をより詳しく説明すると、高分子樹脂微粒子を適当な濃度の界面活性剤溶液に浸漬して、表面洗滌及び脱脂処理を実施する。以後、クロム酸と硫酸の混合溶液を用い、エッチング処理して、基材微粒子の表面にアンカー(anchor)を形成する。以後、この表面処理された樹脂基材微粒子を塩化錫及び塩化パラジウム溶液に浸漬して、表面に触媒化処理、及び活性化処理をすると、基材微粒子の表面に、パラジウム触媒の微細核が形成されるが、次亜リン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジンなどで還元反応をしつづけると、樹脂微粒子の上に、均一のパラジウムの核が形成される。このように、パラジウムの核が形成された基材微粒子を無電解ニッケルメッキ液に分散させた後、次亜リン酸ナトリウムなどでニッケル塩を還元して、ニッケ
ルメッキ層を形成させる。以後、前記ニッケルメッキされた微粒子を一定濃度の無電解金メッキ液に投入し、金の置き換えメッキ反応を誘導すると、最外層に金が析出されたメッキ被膜層が形成される。
【0048】
本発明の導電性微粒子1において、導電性金属層12の厚さは、0.01〜5μmであることが
望ましい。前記金属層の厚さが、0.01μm未満であれば、所望の導電性を得にくく、逆に
、金属層の厚さが5μmを超えると、厚い金属層によって、微粒子の変形性及び柔軟性、及び回復性がまともに発現されなくなり、又、電極接続用材料として用いる時に、粒子間の凝集が発生しやすくなって優れた導電性能を有しにくくなるからである。
【実施例1】
【0049】
以下、発明を実施するための最良の実施の形態について説明するが、下記の実施の形態は、本発明の例示のためのもので、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
(1)シード粒子の合成
スチレン単量体30質量部、開始剤として2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)6質量部、分散安定剤として、ポリビニルピロリドン(分子量40,000)18.7質量部、反応媒体として、メタノール190質量部と超純水15質量部とを混合した溶液を定量して、反応器内に投入し、
次に、70℃、窒素雰囲気下で24時間重合反応を行って、シード粒子を製造した。製造されたポリスチレンシード粒子は、超純水とメタノールで数回洗浄した後、真空凍結乾燥器で乾燥させて、粉末形態として得た。製造されたシード粒子の平均粒径は1.15μm、CV値は4.1%、分子量は15,500にそれぞれ測定された。
【0050】
(2) 高分子樹脂基材微粒子の合成
前記製造されたシード粒子2質量部を0.2質量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液450質量部に均一に分散させる。次に、0.2質量%SLS水溶液300質量部に、ベンゾイルパーオキ
シド開始剤1質量部が溶けているスチレン90質量部と、ジビニルベンゼン10質量部の混合
単量体とを、ホモゲナイザーで10分間乳化させ、シード粒子分散液に添加して常温で膨潤させた。単量体膨潤が終わったことを確認した後、鹸化度(degree of saponification)88%内外のポリビニルアルコール5質量%水溶液500質量部を添加し、反応器の温度を80℃に高めて重合した。前記製造されたスチレン-ジビニルベンゼン共重合体樹脂微粒子は、超
純水とエタノールを用いて数回洗浄した後、常温で真空乾燥した。
【0051】
(3) 導電性微粒子の製造及び評価
前記製造された高分子樹脂微粒子を水酸化ナトリウム塩溶液でエッチングし、塩化パラジウム溶液に浸漬、還元処理によって、パラジウムの微細核を表面に形成させ、無電解ニッケルメッキを行った後、金置き換えメッキによって、ニッケル/金メッキ層が形成された
導電性微粒子を得た。次に、製造された導電性微粒子のK値、及び圧縮回復率を測定し、
その結果を表1に示した。
【0052】
(4) 異方導電性接続構造体の製造及び評価
エポキシ当量6000のビスフェノールA型エポキシ樹脂15質量部、及び硬化剤の2-メチルイ
ミダゾル7質量部をトルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒に溶解させた後、前記製
造した導電性微粒子を10質量%の含量で、シラン系カップルリング剤と共に、よく分散させた。この分散液を、異型PETフィルムの上にコーティングし、乾燥させて厚さ25μm異方導電性接続フィルムを製造した。
【0053】
このように製造された異方導電性接着フィルムから、次のような寸法の異方導電性フィルムを作成した。バンプの高さ40μm、ICチップの大きさ6mm×6mm、BT樹脂基板の厚さ
0.7mm、銅及び金メッキにより基板上に形成された配線パターンの厚さ8μm、ピッチ(p
itch)100mm。ICチップと基板との間に、本発明に係る異方導電性フィルムを介在させた
状態で、温度180℃、圧力3MPa下で、10秒間加熱及び加圧して圧着させることにより、電
気的接続構造体を製造した。
【0054】
次に、前記接続サンプルの上下電極間の電気抵抗を測定する場合、20個のそれぞれの隣接する上下電極間電気抵抗を測定し、その平均値を計算して接続抵抗として示し、その結果を表1に示した。又、この接続サンプルを85℃、相対湿度85%RH、1,000時間エイジング(aging)した後、抵抗上昇値で接続信頼性を評価した。◎:抵抗上昇値0.1Ω以下、△: 抵
抗上昇値0.1Ω超過0.3Ω以下、×:抵抗上昇値0.3Ω超過。
【0055】
(実施例2)
高分子樹脂微粒子の合成において、スチレン90質量部と、ジビニルベンゼン10質量部の代りに、スチレン80質量部と、1,4-ブタンジオールジアクリルレート20質量部とを用いたこと以外には、実施例1と同様の方法で、高分子樹脂微粒子、及び導電性微粒子を得、得
られた導電性微粒子及びこれを用いた接続構造体に対して、実施例1と同様の方法で評価
し、その結果を表1に示した。
【0056】
(実施例3)
高分子樹脂微粒子の合成において、スチレン90質量部と、ジビニルベンゼン10質量部の代りに、スチレン80質量部と、1,6-ヘキサンジオールジメタクリルレート20質量部を用いたこと以外には、実施例1と同様の方法で、高分子樹脂微粒子、及び導電性微粒子を得、
得られた導電性微粒子及びこれを用いる接続構造体に対して、実施例1と同様の方法で評
価し、その結果を表1に示した。
【0057】
(実施例4)
高分子樹脂微粒子の合成において、スチレン90質量部と、ジビニルベンゼン10質量部の代りに、スチレン80質量部と、エチレングリコールジメタクリレ−ト20質量部を用いたこと以外には、実施例1と同様の方法で高分子樹脂微粒子、及び導電性微粒子を得、得られ
た導電性微粒子及びこれを用いた接続構造体に対して、実施例1と同様の方法で評価し、
その結果を表1に示した。
【0058】
(比較例1)
高分子樹脂微粒子の合成において、スチレン90質量部と、ジビニルベンゼン10質量部の代りに、ジビニルベンゼン100質量部を用いたこと以外には、実施例1と同様の方法で、高分子樹脂微粒子及び導電性微粒子を得、得られた導電性微粒子及びこれを用いた接続構造体に対して、実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0059】
(比較例2)
高分子樹脂微粒子の合成において、スチレン90質量部と、ジビニルベンゼン10 質量部
の代りに、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート80質量部と、アクリロニトリル20質量部を用いた以外には、実施例1と同様の方法で、高分子樹脂微粒子及び導電性微粒
子を得、得られた導電性微粒子及びこれを用いた接続構造体に対して、実施例1と同様の
方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0060】
【表1】

【0061】
前記実施例1〜4及び比較例1〜2の実験結果から、本発明に係る変形性及び回復性の適切な導電性微粒子及びこれを含んだ異方導電性接着フィルムは、変形性が比較的低く、回復性が高い導電性微粒子、及びこれを含んだ異方導電性接着フィルムと比べるとき、より優れた接続抵抗及び接続信頼性を示すことを確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の導電性微粒子を用いた異方導電性フィルムの電気接続断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1: 導電性微粒子 2: 回路基板
3: 異方導電性接着フィルム 4: LCD基板
11: 高分子樹脂微粒子 12: 金属層
21: バンプ電極 31: 絶縁性接着樹脂
41: 配線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子径の10%が変形したときの10%K値が250kgf/mm2以上700kgf/mm2以下であり、圧縮
回復率が30%以下、圧縮破壊変形が30%以上であることを特徴とする高分子樹脂微粒子。
【請求項2】
前記高分子樹脂微粒子の10%K値が350〜600kgf/mm2であることを特徴とする請求項1に
記載の高分子樹脂微粒子。
【請求項3】
前記高分子樹脂微粒子は、20%及び30%圧縮変形時のK値が、前記10%K値の70%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子樹脂微粒子。
【請求項4】
前記高分子樹脂微粒子は、平均粒径が0.1〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の高分子樹脂微粒子。
【請求項5】
前記高分子樹脂微粒子は、縦横比が1.5未満、CV値が20%以下であることを特徴とする
請求項1に記載の高分子樹脂微粒子。
【請求項6】
前記高分子樹脂微粒子は、ジビニルベンゼン、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、およびトリアリルトリメリテート(triallyl trimellitate)を含むアリル化合物類、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、および(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ペンタエリスリトール(Pentaerythritol)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメトキシプロパン(ditrimethoxypropane)テトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロ
パンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、並びにグリセロールトリ(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上の架橋重合性単量体を用いて製造されることを
特徴とする請求項1に記載の高分子樹脂微粒子。
【請求項7】
前記高分子樹脂微粒子は、スチレン、エチルビニルベンゼン、α-メチルスチレン、お
よびm-クロロメチルスチレンを含むスチレン系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、およびグリシジル(メ
タ)アクリレートを含むアクリレート系単量体、塩化ビニル、アクリル酸エステル、アク
リロニトリル、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルエーテル、アリルブチルエーテル、ブタジエン、並びにイソプレンからなる群より選択される1種以上の重合性不飽和単量体を共重合して製造されることを特徴とする請求項1に記載の高分子樹脂微粒子。
【請求項8】
前記高分子樹脂微粒子は、シード重合法によって製造されたものであって、高分子シード粒子の分子量は、1,000〜30,000であることを特徴とする請求項1に記載の高分子樹脂微粒子。
【請求項9】
前記シード重合法に用いられる重合性単量体の全体含量は、前記高分子シード粒子1質
量部に対して、10〜300質量部であることを特徴とする請求項8に記載の高分子樹脂微粒子

【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の高分子樹脂微粒子と、その微粒子の表面に形成された少なくとも1層の金属導電層とからなることを特徴とする導電性微粒子。
【請求項11】
前記導電性微粒子の導電層は、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu), 白金(Pt)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、錫(Sn)、インジウム(In)、酸化インジウムスズからなる群より選択される1種以上の金属からなることを特徴とする 請求項10に記載の導電性微粒子。
【請求項12】
前記導電性微粒子の金属導電層は、ニッケル/金、ニッケル/白金、ニッケル/銀からな
る群より選択される1種以上の二重金属層からなることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の導電性微粒子。
【請求項13】
前記導電性微粒子の金属導電層の厚さは、0.01〜5μmであることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の導電性微粒子。
【請求項14】
請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の導電性微粒子を含むことを特徴とする異方導電性接続材料。

【図1】
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【公表番号】特表2008−521963(P2008−521963A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542878(P2007−542878)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002005
【国際公開番号】WO2006/065009
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】