説明

高周波ノイズ除去装置及びそれを用いたエンジン用点火装置

本発明の高周波ノイズ除去装置5は、フェライトコア1と、前記フェライトコアに対向された1対の導電体2a,2bとを有し、前記1対の導電体2a,2bは互いに電気的に絶縁されており、前記1対の導電体の各他端がノイズ除去対象物に並列に接続されるこ
とを特徴とする。また、フェライトコア1は筒状であることが好ましい。更に1対の導電体2a,2bはフェライトコア2の外周面及び中心穴内周面を通って軸心方向に巻回されたものでも良いし、一方が前記フェライトコア1の外周面に他方が前記フェライトコア1の中心穴内周面に対向されていても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、交流を直流に変換したとき等に生じる高周波ノイズを除去する高周波ノイズ除去装置及びそれを用いたエンジン用点火装置に関するものである。
【背景技術】
従来、交流を直流に変換したときや電子機器の信号ラインから輻射されたとき等に生じる高周波ノイズを除去する装置として、例えば、特開2003−324014号公報に示されるように、フェライト等の比抵抗の高い円筒状の軟磁性体(ビーズコア)の穴の中に信号線が貫通するように配置されたものが知られている。
最近、より高効率且つ高性能に高周波ノイズを除去する必要性が求められている。例えば、自動車等のエンジンで燃焼効率を向上させてより高い馬力等を得るために、交流発電機から整流回路を経てバッテリ、イグニッションコイルや点火プラグに送られる電流等に含まれる高周波ノイズをより高性能且つ高効率に除去することが求められている。
しかしながら、上記高周波ノイズ除去装置によれば、より高効率且つ高性能に高周波ノイズを除去することが困難である。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、高効率且つ高性能に高周波ノイズを除去することができる高周波ノイズ除去装置を提供することを目的とする。
【発明の開示】
第1の発明の高周波ノイズ除去装置は、フェライトコアと、前記フェライトコアに対向された1対の導電体とを有し、前記1対の導電体は互いに電気的に絶縁されており、前記1対の導電体の各他端がノイズ除去対象物に並列に接続されることを特徴とする。
第1の発明の高周波ノイズ除去装置によれば、ノイズ除去対象物から発生した高周波ノイズを高効率且つ高性能に除去することができる。
第2の発明の高周波ノイズ除去装置は、第1の発明において、前記フェライトコアは筒状であることを特徴とする。
第2の発明の高周波ノイズ除去装置によれば、前記高周波ノイズ除去装置を容易に製造することができ、更に、高周波ノイズをより高効率且つ高性能に除去することができる。
第3の発明の記載の高周波ノイズ除去装置は、第2の発明において、前記2対の導電体は前記フェライトコアの外周面及び中心穴内周面を通って軸心方向に巻回されていることを特徴とする。
第3の発明の高周波ノイズ除去装置によれば、より簡単に、導電体をフェライトコアに対向させることができ、更に、より高効率且つ高性能に高周波ノイズを除去できる。
第4の発明の高周波ノイズ除去装置は、第2の発明において、前記2対の導電体は、一方が前記フェライトコアの外周面に他方が前記フェライトコアの中心穴内周面に対向されていることを特徴とする。
第4の発明の高周波ノイズ除去装置によれば、より高効率且つ高性能に高周波ノイズを除去できる。
第5の発明のエンジン用点火装置は、交流の起電力を発生させる交流発電手段と、前記交流を直流に変換する整流手段と、前記整流手段によって直流に変換された電流を蓄電するバッテリと、前記バッテリの電圧を昇圧させる昇圧手段と、前記昇圧手段に接続された点火プラグとを有するエンジン用点火装置において、前記バッテリに並列に第1乃至第4のいずれか1つの高周波ノイズ除去装置が接続されていることを特徴とする。
第5の発明のエンジン用点火装置によれば、第1乃至第5発明のいずれか1つの高周波ノイズ除去装置をバッテリに並列に接続することにより、バッテリ等から供給される電流は高周波が除去された良質なものとなるので、昇圧手段には、良質な電流を供給することができ、より効率よく昇圧手段にて昇圧することができる。このため、点火プラグには良質な電流を供給することができ、点火プラグによる点火のエネルギーをより大きくすることができる。したがって、そのエンジンのもつパフォーマンスをより引き出すことが可能となるので、エンジン出力を向上させることができ、更に排気ガスの未燃焼成分を減少させることができる。
第6の発明のエンジン用点火装置は、第5の発明において、前記フェライトコアの大きさが異なる2つ以上の高周波ノイズ除去装置が前記バッテリに並列に接続されていることを特徴とする。
第6の発明のエンジン用点火装置によれば、大きさが異なったフェライトコアを有する周波数の高周波ノイズ除去装置を並列に接続することにより、異なった周波数の高周波ノイズを除去することができ、これにより、より高性能且つ高効率に高周波ノイズを除去することができ、エンジンの馬力を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1の実施の形態のエンジン用点火装置の模式図である。第2図は、第1の実施の形態のエンジン用点火装置に接続された高周波ノイズ除去装置の模式図である。第3図は変形例の高周波ノイズ除去装置の模式図である。第4図は、第2の実施の形態のエンジン用点火装置の模式図である。第5図は、比較例及び第1実施例のエンジン用点火装置を搭載した自動車の速度と馬力との関係を示すグラフである。第6図は、比較例及び第2実施例のエンジン用点火装置を搭載した自動車の速度と馬力との関係を示すグラフである。第7図は、比較例及び第3実施例のエンジン用点火装置を搭載した自動車の速度と馬力との関係を示すグラフである。第8図は、比較例及び第4実施例のエンジン用点火装置を搭載した自動車の速度と馬力との関係を示すグラフである。第9図は、第1実施例のエンジン用点火装置を搭載したエンジンの回転数と馬力増加率との関係を示すグラフである。第10図は、第2実施例のエンジン用点火装置を搭載したエンジンの回転数と馬力増加率との関係を示すグラフである。第11図は、第3実施例のエンジン用点火装置を搭載したエンジンの回転数と馬力増加率との関係を示すグラフである。第12図は、第4実施例のエンジン用点火装置を搭載したエンジンの回転数と馬力増加率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を自動車のエンジン用点火装置に適用した第1の実施の形態について、第1図及び第2図に基づいて説明する。
第1図に示すように、本実施の形態の自動車のエンジン用点火装置は、オルタネータ6と、レギュレータ7と、バッテリ8と、イグニッションコイル9と、点火プラグ10とからなるエンジン用点火装置において、バッテリ8に本発明に係る高周波ノイズ除去装置が並列に接続されたものである。
上記オルタネータ6は、エンジンにより回転駆動して交流電流を発電する交流発電手段として機能するものである。上記レギュレータ7は、オルタネータ6に接続され、オルタネータ6から送られた電流を直流に変換する整流手段として機能するものである。上記バッテリ8は、レギュレータ7から送られてきた電気を蓄える機能を有するものである。このバッテリ8は、一般的に自動車に搭載されている12Vのバッテリである。上記イグニッションコイル6は、バッテリ8から供給された電圧を高圧に昇圧させ、点火プラグ7は、イグニッションコイル6から送られてきた電気により火花を発生させ、エンジンのシリンダ内部で圧縮された混合気を点火する機能を有するものである。高周波ノイズ除去装置5は、レギュレータ6等から発生した高周波ノイズがイグニッションコイル9に到達しないように高周波ノイズを除去するものである。以下、この高周波ノイズ除去装置5について第2図に基づいて、説明する。
高周波ノイズ除去装置5は、フェライトコア1と、前記フェライトコア1に対向された1対の導電体2a,2bとを有し、この1対の導電体2a,2bは、互いに電気的に絶縁されている。
フェライトコア1は、高周波ノイズを吸収する特性を有するものであり、ニッケル系フェライトを円筒状に成形したものである。
導電体2a,2bは、フェライトコア1に中心穴及び外周を通るように軸心方向に取り巻くように巻回された導線4a,4bと、各導線4a,4bの夫々の両端側に接続成形された1対の接続端子3a,3bとから構成される。
1対の接続端子3a,3bのうち、接続端子3bは、イグニッションコイル9のアース側となるバッテリ8のマイナス極に接続され、接続端子3aは、イグニッションコイル9の電源側となるバッテリ8のプラス極に接続されている。
上記高周波ノイズ除去装置5によれば、イグニッションコイル9の電源側の接続端子3aからフェライトコア1に高周波ノイズが伝達され、フェライトコア1によって高周波ノイズが吸収される。これにより、オルタネータ6及びレギュレータ7からバッテリ8に伝達される電圧の高周波成分である高周波ノイズは、高周波ノイズ除去装置により伝達されない。
また、本実施の形態では、フェライトコア1の大きさが異なる高周波ノイズ除去装置5をバッテリ8に接続することにより、吸収可能な高周波ノイズの周波数を変えることができる。特に、本実施の形態のように自動車のエンジン用点火装置に接続した場合、フェライトコア1の大きさが大きい場合は、自動車が中低速域にて走行している場合における加速性能が向上し、フェライトコア1の大きさが小さい場合は自動車が高速域にて走行している場合における加速性能が向上する。
第1の実施の形態に係るエンジン用点火装置において、フェライトコア1の大きさが外径が16mm、軸線方向の長さが28mm、内径が10mmである第2図に示す高周波ノイズ除去装置5が接続されたエンジン用点火装置を第1実施例とし、フェライトコア1の大きさが外径が16mm、軸線方向の長さが28mm、内径が10mmである第2図に示す高周波ノイズ除去装置が接続されたエンジン用点火装置を第2実施例として、この第1及び第2実施例について、これらをそれぞれエンジン排気量1300ccの5速のマニュアルミッション車に搭載し、その自動車の第4速における馬力をシャーシダイナモテストにてそれぞれ測定した。また、比較例として、高周波ノイズ除去装置5が接続されていないエンジン用点火装置についても同様の測定を行った。その結果のうち第1実施例における速度と馬力との関係のグラフを第5図に示し、第2実施例における速度と馬力との関係のグラフを第6図に示す。第5図、第6図において、実線で示したものが第1又は第2実施例エンジン用点火装置を搭載した場合の馬力であり、破線で示したものが、比較例のエンジン用点火装置を搭載した場合の馬力である。また、同一エンジン回転数の場合における第1実施例における自動車の馬力(PS)と比較例の自動車の馬力(PS)との比(PS/PS)を馬力増加率としてエンジンの回転数が3000〜6500rpm間で100回転ごとに算出した。その結果を表1に示し、第1実施例の結果のグラフを第9図に示し、第2実施例の結果を第10図に示す。
【表1】

第1実施例では、第5図に示すように、広範囲の速度域において比較例よりも第1実施例の方が馬力が大きいことが判る。これにより、イグニッションコイル9に伝達される高周波ノイズが高性能且つ高効率に除去され、点火プラグ10から良質なスパークが生成していることが判る。更に、表1及び第9図に示すように、広範囲のエンジンの回転数で馬力増加率が1以上、すなわち、比較例よりも馬力が増加していることが判る。特に、エンジンの回転数が3300rpm及び4900rpmのときにピークとなる特徴的な挙動を示し、エンジンの回転数が3000〜3400rpmのとき、馬力増加率を1.015〜1.050とすることができ、回転数が4700〜5100rpmのとき、馬力増加率を1.023〜1.073とすることができる。従って、特にこれらの回転数の範囲において加速性能が優れていることが判る。特に、4900rpmにおける馬力増加率が1.073とかなり大きい値を示している。従って、第1実施例の場合、自動車の高速域にて使用される高回転域における加速性能が優れており、これにより、自動車が高速で走っているときにおける加速性能が優れていることが判る。
また、第2実施例の場合、第6図に示すように、広範囲の速度域で、比較例よりも馬力が大きいことが判る。更に、表1及び第10図に示すように、広範囲のエンジンの回転域で馬力増加率が1よりも大きく、特に、エンジンの回転数が3200rpm及び4900rpmのときにピークを示す特徴的な挙動を示し、エンジンの回転数が3000〜3300rpmのとき、馬力増加率を1.011〜1.048とすることができ、4700〜5000rpmのとき、馬力増加率を1.014〜1.050とすることができる。従って、これらの回転数の範囲において特に加速性能が優れていることが判る。また、第1実施例では最初のピークが3300rpmの箇所にあるのに対し、第2実施例では3200rpmのところに存在する。これにより、第1実施例と比較して低回転域におけるエンジンの加速性能が優れており、これにより、自動車が中低速で走っているときにおける加速性能が優れていることが判る。
次に、高周波ノイズ除去装置5の変形例について、第3図に基づいて説明する。変形例の高周波ノイズ除去装置5は、円筒状のフェライトコア1と、互いに電気的に絶縁された導電体2a,2bとからなる。尚、フェライトコア1は、前記第1の実施の形態に用いたものと同じものである。
導電体2a,2bは、フェライトコア1の一端側の中心穴に嵌め合わされた電極部11aと、フェライトコア1の他端側の外周面に嵌め合わされた電極部11bと、フェライトコア1に対して電極部11a,11bの外側端部に接続された導線4a,4aと、導線4a,4bのうち電極部11a,11bが接続されていない側の端部に接続された接続端子3a,3bとから構成される。
また、接続端子3bは、イグニッションコイル9のアース側となるバッテリ8のマイナス側に接続され、接続端子3aは、イグニッションコイル9の電源側となるバッテリ8のプラス側に接続されている。
本変形例の高周波ノイズ除去装置5によれば、イグニッションコイル9電源側の接続端子3aから導線4a及び電極部11aを介してフェライトコア1に高周波ノイズが伝達され、フェライトコア1によって高周波ノイズが吸収される。これにより、オルタネータ6及びレギュレータ7からバッテリ8に伝達される電圧の高周波成分である高周波ノイズは、高周波ノイズ除去装置5により伝達されない。
第1の実施の形態に係るエンジン用点火装置において、フェライトコア1の大きさが第1実施例の場合と同じである第3図に示す高周波ノイズ除去装置5が接続されたエンジン用点火装置を第3実施例として、上記第1及び第2実施例と同じ方法にて性能を測定した。その結果のうち速度と馬力との関係のグラフを第7図に示す。第7図において、実線で示したものが第3実施例エンジン用点火装置を搭載した場合の馬力であり、破線で示したものが、比較例のエンジン用点火装置を搭載した場合の馬力である。また、第1実施例及び第2実施例と同様の方法で馬力増加率を算出し、その結果を上記表1及び第11図に示す。
第7図によれば、第1及び第2実施例と同様に、広範囲の速度域において比較例よりも第3実施例の方が馬力が大きいことがわかる。更に、表1及び第11図によれば、広範囲のエンジンの回転数で馬力増加率が1以上、すなわち、比較例と比べて馬力が増加していることが判る。特に、エンジンの回転数が3300rpm、4900rpm、及び6500rpmにてピークを示す特徴的な挙動を示し、エンジンの回転数が3000〜3400rpmのとき、馬力増加率を1.013〜1.049とすることができ、回転数が4700〜5100rpmのとき、馬力増加率を1.014〜1.044とすることができ、更に、回転数が6300〜6500rpmのとき、馬力増加率を1.041〜1.058とすることできる。従って、これらの回転数の範囲において特に加速性能が優れていることが判る。
次に、2つ高周波ノイズ除去装置5をバッテリに接続した第2の実施の形態について、第4図に基づいて説明する。第2の実施の形態の自動車のエンジン用点火装置は、第1の実施の形態と同様のオルタネータ6と、レギュレータ7と、バッテリ8と、イグニッションコイル9と、点火プラグ10とを備えており、更に、2つの高周波ノイズ除去装置5がバッテリ8に並列に接続されている。
この2つ高周波ノイズ除去装置5は、上記第1の実施の形態と同様に第2図又は第3図に示す構成を有し、フェライトコア1の大きさが互いに異なったものである。
その他の構成については第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
本実施の形態によれば、第1の実施形態で説明したように、フェライトコア1の大きさが異なる高周波ノイズ除去装置5をバッテリ8に接続することにより、吸収可能な高周波ノイズの周波数を変えることができる。従って、互いにフェライトコア1の大きさが異なる高周波ノイズ除去装置5を並列に接続することにより、異なった周波数の高周波ノイズを同時に除去することができる。特に、本実施の形態のように自動車用エンジン用点火装置に接続した場合、フェライトコア1が大きいときは、中低速域における加速性能が向上し、フェライトコア1が小さい場合は高速域における加速性能が向上するため、大きさの異なる高周波ノイズ除去装置5をバッテリ8に並列に接続することにより、高速域と中低速域との両方における加速性能が向上する、従って、第1の実施の形態よりも広範囲のエンジンの回転数域、即ち、自動車の走行速度域においての加速性能が優れている。
第2の実施の形態に係るエンジン用点火装置において上記第1実施例及び第2実施例で使用した高周波ノイズ除去装置をバッテリに並列に接続した第4実施例の自動車のエンジン用点火装置について、上記第1実施例と同様の方法で性能を測定した。その結果のうち速度と馬力との関係のグラフを第8図に示す。第8図において、実線で示したものが第4実施例エンジン用点火装置を搭載した場合の馬力であり、破線で示したものが、比較例のエンジン用点火装置を搭載した場合の馬力である。また、第1実施例及び第2実施例と同様の方法で馬力増加率を算出し、その結果を上記表1及び第12図に示す。
第7図によれば、第4実施例においても、第1乃至第3実施例と同様に広範囲の速度域において比較例よりも第4実施例の方が馬力が大きいことが判る。
更に、表1及び第12図によれば、エンジンの回転数が3000rpm〜6500rpmの全範囲において、馬力増加率が1を超えている。すなわち、比較例より馬力が増加していることが判る。これにより、すべての回転数域において、加速性能が優れており、自動車の略全ての走行速度域において加速性能が優れていることが判る。特に、エンジンの回転数が3000〜3400rpmのとき、馬力増加率を1.021〜1.049とすることができ、回転数が4700〜5100rpmのとき、馬力増加率を1.017〜1.055とすることができ、更に、回転数が5900〜6200rpmのとき、馬力増加率を1.023〜1.071とすることができる。このため、これらの回転数の範囲において加速性能が特に優れていることが判る。
尚、上記第1及び第2の実施の形態は本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を超えない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、高周波ノイズ除去装置を自動車のエンジン用点火装置に用いたが、これに限定されず、例えば、パソコン等の電子機器等に内蔵されているディスクドライバ等の整流回路の電源側に接続しても良い。
更に、本実施の形態では、接続端子3a,3bがバッテリ8のマイナス極,プラス極に接続されることによりバッテリに高周波ノイズ除去装置5が並列に接続されているが、例えば、接続端子3aをイグニッションコイル9の電源側、即ちバッテリ8側プラス極に接続され、接続端子3bをアース側に接続しても良い。
本実施の形態では、フェライトコア1の形状は円筒状であるが、円筒状に限定されず、例えば板状のフェライトコアを用いても良い。更に、フェライトコア1の大きさは本実施の形態に限定されず、用途等により適宜変化させることができる。
更に、本実施の形態では、フェライトコア1の材料としてニッケル系フェライトを用いたが、それに限定されず、例えば、マンガン系フェライト等、フェライトからなるものであれば他の材料を用いても良い。
更に、上記第1及び第2の実施の形態では、上記導電体2の巻回部3a,3bとして銅線に絶縁体を被覆したものを用いているが、巻回部3a,3bは線状のものに限定されず、例えば、板状のものであっても良い。
更に、本実施形態において、導電体2a,2bの材料は、導電性のものであれば特に限定されず、目的、用途等により適宜変えることができる。
また、第2の実施の形態において、フェライトコア1の大きさの組み合わせは、本実施形態に限定されず、目的、用途等により適宜変えることができる。
更に、変形例において、電極部11a,11bは、円筒状のものをフェライトコア1に嵌め合わせた構造となっているが、この構造に限定されず、例えば、電極部11a,11bとして導線を用い、一方は、フェライトコア1の外周面に巻回され、他方は中心穴内周面に巻回された構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
本発明の高周波ノイズ除去装置は、自動車等のエンジン用点火装置、電子機器等に広く利用される。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェライトコアと、
前記フェライトコアに対向された1対の導電体とを有し、
前記1対の導電体は互いに電気的に絶縁されており、前記1対の導電体の各他端がノイズ除去対象物に並列に接続されることを特徴とする高周波ノイズ除去装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記フェライトコアは筒状であることを特徴とする高周波ノイズ除去装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記1対の導電体は前記フェライトコアの外周面及び中心穴内周面を通って軸心方向に巻回されていることを特徴とする高周波ノイズ除去装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記1対の導電体は、一方が前記フェライトコアの外周面に他方が前記フェライトコアの中心穴内周面に対向されていることを特徴とする高周波ノイズ除去装置。
【請求項5】
交流の起電力を発生させる交流発電手段と、
前記交流を直流に変換する整流手段と、
前記整流手段によって直流に変換された電流を蓄電するバッテリと、
前記バッテリの電圧を昇圧させる昇圧手段と、
前記昇圧手段に接続された点火プラグとを有するエンジン用点火装置において、
前記バッテリに並列に請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高周波ノイズ除去装置が接続されていることを特徴とするエンジン用点火装置。
【請求項6】
請求項5において、前記フェライトコアの大きさが異なる2つ以上の高周波ノイズ除去装置が前記バッテリに並列に接続されていることを特徴とするエンジン用点火装置。

【国際公開番号】WO2005/073549
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【発行日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517350(P2005−517350)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000764
【国際出願日】平成16年1月28日(2004.1.28)
【出願人】(506131972)
【出願人】(506132289)
【出願人】(506132290)
【Fターム(参考)】