説明

高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物およびそれを用いた路面の施工法

【課題】損耗した道路の補修材料で、圧縮強度・引張り強度・耐磨耗性が高く、かつ固結物の密度・強度・組成が安定した高強度樹脂の提供。
【解決手段】高強度樹脂ペースト4としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等から選択される二液性樹脂に、人工のポルトランドセメントフライアッシュ、粒径0.1mm以下のフェロニッケルスラグから選択される、鉱物質粉体を混合し、更に粒径5mm以下のフェロニッケルスラグ、カッパースラグ、鉄鋼スラグから選択される細骨材および硬化剤を加えて形成する。また、高強度樹脂固結物3としては、前記高強度樹脂ペースト4を原料として粗骨材を加えて混合する。磨耗による損耗した道路1においては、施工部分2を清掃し、砂・水分等を除去し、高強度樹脂固結物3を敷き均し、更に敷き固め、高強度樹脂ペースト4を施工厚さ3cm以下で表層として上部に施工する路面の施工法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮強度及び引張強度をセメントコンクリート製品の1.5倍程度以上に確保することが可能な高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物およびそれを用いた路面の施工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に樹脂コンクリートは、骨材と樹脂を混合して製造するが、混合した物が一定の強度に達する事を目的に、樹脂に繊維等を混ぜたり、施工難度を下げる為に、樹脂の粘度を下げたりして、いずれも安定した組成物の製造が難しい。
【0003】
樹脂コンクリートでは、樹脂に繊維を混ぜる事により、粘度の低い樹脂の液だれを防ぎ強度の向上を計るが、高度な技術、混合するための時間、工程の複雑さ、難度等をもってしてもコンクリートと同程度か、やや上しか期待できない。
【0004】
その理由は、樹脂量が多くなると、表面に樹脂の厚い皮膜が発生し、骨材と骨材の間に樹脂が飽和状に入り込み、曲げ強度、引張り強度は増加するが、耐摩耗性、圧縮強度が低下する原因になるからである。
【0005】
これに対して、圧縮強度及び引張強度をセメントコンクリート製品の1.5倍程度以上に確保することが可能な高強度樹脂モルタル、高強度樹脂固結体およびそれを使用した構築物、高強度樹脂固結物二次製品として本件出願人は発明者として下記特許文献の発明をおこなった。
【特許文献1】特許第3930895号公報
【0006】
この特許文献1は、従来の高強度樹脂コンクリートの製造において、加える鉱物質粉体の量により、高強度樹脂コンクリートの圧縮強度・引張り強度などにバラつきが多く見られて一定した製品が期待できなかったものを改善したもので、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂から選択される二液性樹脂に、容積比で、樹脂1に対して、粘土鉱物、石粉、或いは人工のポルトランドセメント、フライアッシュ、石膏から選択される樹脂の吸収量が少ない粒径0.15mm以下の鉱物質粉体を0.5〜1.5の割合で混合し、さらに、フェロニッケルスラグ、銅スラグ、鉄鋼スラグから選択される細骨材及び硬化剤を加えて混合したことを特徴とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1でも、組成物の強度不均一などによりコンクリートと同程度の強度しか期待が出来なかったりするおそれがあり、鉱物質の粉体の混合割合に難度があり、安定した組成物の製造には作業錬度と工程が増え、コンクリートより優れた強度、耐摩耗性が期待できず製造コストも高い為に実用化が難しい。
【0008】
特許文献1の場合、樹脂に鉱物質粉体を加えて混合するが、鉱物質粉体は樹脂に対しての割合が、容積比、樹脂1に対して0.5〜1.5では圧縮強度、引張り強度、曲げ強度のそれぞれの強度がバランス良い組成物を製造する事が難しい。
【0009】
また、従来の路面補修では、舗装全体を撤去し新規構築するか、短期に磨耗する事を承知しながら、アスファルト等でオーバーレイ施工を行っていた。
【0010】
特に、従来の路面補修では既設道路との接合点「すりつけ」の箇所を、カッターで切断して一部を削り取り、施工後に平坦な形になる様な工程が必要であった。
【0011】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物としては、圧縮強度、引張り強度はコンクリートの製品の2〜3倍強、製品の耐磨耗性としてラベリング係数0.1以下の耐磨耗性を持つもので、しかも、固結物の密度、強度、組成が安定してバランス良い組成物を得ることができ、また、これを路面の補修施工に用いた場合に、カッターで切断して一部を削り取り、施工後に平坦な形になる様な工程を必要とせずに、施工工程数を減らしコストを下げ、時間の短縮が出来る高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物およびそれを用いた路面の施工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の本発明は前記の目的を達成するため、高強度樹脂ペーストとしては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂から選択される二液性樹脂に容積比で樹脂1に対して、人工のポルトランドセメント、フライアッシュ、粒径0.1mm以下のフェロニッケルスラグから選択される鉱物質粉体を0.3以下の割合で混合い更にフェロニッケルスラグ、カッパースラグから選択される細骨材および硬化剤を加えて混合したことを要旨とするものである。
【0013】
請求項2記載の本発明は、請求項1の高強度樹脂ペーストを原料として粗骨材を加えて混合したことを要旨とするものである。
【0014】
請求項1および請求項2記載の本発明によれば、鉱物質粉体を加えることにより、樹脂に鉱物質粉体が絡み、鉱物質粉体を含んだ樹脂が骨材と骨材の隙間に浸透し、密度を高めて、従来の樹脂固結物の脆さを排除して強度を高めることを特徴とするものであるが、樹脂量を容積比で1とした時、鉱物質粉体を0.3以下の割合で混合する事により固結物の密度、強度、組成が安定して出来上がる。なお、粉体量が増えると極端にも脆くなる事が試験練り、実験施工の結果、証明されている。
【0015】
請求項3記載の本発明は、磨耗による損耗した道路の施工部分を清掃し、施工場所の砂、水分等を除去し、請求項2の高強度樹脂固結物材料を敷き均し、更に敷き固め、請求項1の高強度樹脂ペーストを施工厚さ3cm以下で表層として上部に施工すること、請求項4記載の本発明は、磨耗による損耗した道路の轍ぼれ等の窪みが6cm未満の箇所の施工には、窪みの表面を清掃して、窪みに請求項1の高強度樹脂ペーストを充填して敷き均し・敷き固めることを要旨とするものである。
【0016】
本発明の高強度樹脂ペーストもしくは高強度樹脂固結物は、曲げ強度、圧縮強度に特に優れているので、崩壊した道路の崩壊部分に充填して、早期に道路の機能回復をする事が可能であり、轍ぼれで表面が深く磨り減ったところに道路の支持力を回復させる為に充填材料として供することが出来る。
【0017】
請求項3記載の本発明によれば、装軌車、重量大型車輌による損傷、磨耗した道路を再構築する場合に掘削、カッターで切断して一部を削り取り、施工後に平坦な形になる様な工程を必要とせずにすみ、撤去の工程が省かれ、施工によるコンクリート塊などの産業廃棄物が排出されないですむ。
【0018】
請求項4記載の本発明によれば、前記請求項3の作用に加えて、磨耗による損耗した道路の轍ぼれ等の窪みが6cm未満の箇所の施工には最適なものである。
【発明の効果】
【0019】
以上述べたように本発明の高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物およびそれを用いた路面の施工法は、高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物としては、圧縮強度、引張り強度はコンクリートの製品の2〜3倍強、製品の耐磨耗性としてラベリング係数0.1以下の耐磨耗性を持つもので、しかも、固結物の密度、強度、組成が安定してバランス良い組成物を得ることができる。
【0020】
また、高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物を用いた路面の施工法としては、路面の補修施工として、カッターで切断して一部を削り取り、施工後に平坦な形になる様な工程を必要とせずに、施工工程数を減らしコストを下げ、時間の短縮が出来る。
【0021】
装軌車、重量大型車輌による損傷、磨耗した道路を再構築する場合に掘削、撤去の工程が省かれ施工によるコンクリート塊などの産業廃棄物が排出されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の高強度樹脂ペーストは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂から選択される二液性樹脂に、容積比で、樹脂1に対して、人工のポルトランドセメント、フライアッシュ、粒径0.1mm以下のフェロニッケルスラグから選択される、鉱物質粉体を0.3以下の割合で混合し、更に粒径5mm以下のフェロニッケルスラグ、カッパースラグ、鉄鋼スラグから選択される細骨材および硬化剤を加えて形成した。
【0023】
本発明で使用される二液性樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等であり、硬化剤としてはアミン系硬化剤を挙げることが出来る。
【0024】
本発明は高強度樹脂ペーストを製造する場合に、骨材と鉱物質粉体を同時に混合攪拌した後に、二液性樹脂の主剤を混ぜて充分に混合し、さらに硬化剤を加えて混合する。
【0025】
本発明は、鉱物質粉体を加えることにより、樹脂に鉱物質粉体が絡み、鉱物質粉体を含んだ樹脂が骨材と骨材の隙間に浸透し、密度を高めて、従来の樹脂固結物の脆さを排除して強度を高めることを特徴とするものである。
【0026】
樹脂量を容積比で1とした時、鉱物質粉体を0.3以下の割合で混合する事により固結物の密度、強度、組成が安定して出来上がり、粉体量が増えると極端にも脆くなる事が試験練り、実験施工の結果証明されている。
【0027】
鉱物質粉体とは、人工のポルトランドセメント、フライアッシュ、粒径0.1mm以下のフェロニッケルスラグを言う。
【0028】
樹脂1に対し3程度の割合で細骨材を混合し、高強度樹脂ペーストを製造する。
【0029】
高強度ペーストは、混合ミキサーに、細骨材と鉱物質粉体を投入、混合して樹脂の主剤を投入均一な状態まで混合してから硬化剤を加えて混合し製造する。高強度樹脂ペーストに用いる細骨材は、硬度の大きな材料の粒径5mm以下のフェロニッケルスラグ、カッパースラグ、鉄鋼スラグ等を使用する事により安定した高強度の製品が得られる。
【0030】
本発明で使用される、鉱物質粉体、細骨材、粗骨材はいずれも水分を含んでいない事が前提である。
【0031】
本発明で使用される鉱物質粉体、細骨材、粗骨材は、安価で大量に供給される材料を主原料としているが、結合剤の二液性樹脂のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂他の樹脂も、原油の輸入価格により高価格に変動し易く、従来品で使用していた樹脂量を約1/2程度に削減し、製造コストの低減化を果した。
【0032】
使用する鉱物質粉体、細骨材は乾燥していることが前提であるが、樹脂は其の儘混合できるので特殊なミキサーを必要としない。
【0033】
本発明の高強度樹脂ペーストは、耐磨耗性に優れていて、コンクリート製品のラベリング係数が0.78/cm程度に比べ、0.02/cm程度まで向上し、磨耗率が10倍以上もあることが試験結果からわかる。
【0034】
本発明の高強度樹脂ペーストは、耐磨耗性に特に優れているので、磨耗の激しい道路の舗装表層材としての役割を供する。
【0035】
本発明の高強度樹脂固結物は、前記高強度樹脂ペーストに、粗骨材として砕石〔6〜7号砕石〕を1:1程度の割合で、加えてミキサーで混合する事により得る。
【0036】
本発明の高強度樹脂固結物は、圧縮強度でコンクリートの2倍以上、最大3倍強、曲げ強度は3〜4倍を、ラベリング係数は0.20/cmの材料試験結果が出ている。
【0037】
前記高強度樹脂ペーストまたは高強度樹脂固結物を原料として構築物を製造することができる。
【0038】
本発明の高強度樹脂固結物は、圧縮強度、曲げ強度が大きく、引張り力が作用する構造体においても鉄筋等による補強を必要としない為、セメントコンクリートにおいて発生する鉄筋の腐蝕による構造物の劣化等の問題を解決する。
【0039】
高強度樹脂固結物は、塩類や酸類にも抵抗が大きく、海岸の構造物、化学薬品工場、下水道構造物等セメントコンクリートを中性化、あるいは劣化させる条件下での使用に供する。
【0040】
さらに、前記高強度樹脂ペーストまたは高強度樹脂固結物を原料として高強度樹脂固結物二次製品を製造することもできる。
【0041】
本発明の高強度樹脂固結物は、曲げ強度、圧縮強度に特に優れているので、崩壊した道路の崩壊部分に充填して、早期に道路の機能回復をする事が可能であり、轍ぼれで表面が深く磨り減ったところに道路の支持力を回復させる為に充填材料として供することが出来る。更に其の上に高強度樹脂ペーストで表層を施工して、耐磨耗道路として供する。
【0042】
図1〜図3は、本発明の高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物およびそれを用いた路面の施工法を示す説明図で、図中1はコンクリート道路、2は磨耗による損耗した凹部を示す。
【0043】
戦車や重機等の履帯でコンクリート道路1に磨耗による損耗した凹部2が発生した場合の道路機能を回復するための改修工事において、図1に示すように、施工部分を清掃し、施工場所の砂、水分等を除去し、樹脂〔主剤に硬化剤を加えて混合した物〕を塗布して、その上に本発明の高強度樹脂固結物3を敷き均し、更に敷き固める。一回の敷き均し・敷き固めの層の厚さは、5〜7cmの厚さを目安とする。二点鎖線は2層目の仕上線、点線は表層の仕上線を示す。
【0044】
前記樹脂は、二液性エポキシ樹脂で、主剤としては、夏場はYD128G(粘性の高いものを使用して液垂れを防ぐ)、秋口のやや気温が低下し始めた頃から冬に掛けては、YD115CAを使用する。硬化剤としては、シーズン別に種類があるが、寒い時ほどアミンの含有量が増える。LEX1152AH SH H2などがあるが、路面塗布については、夏場はYD128GとLEX1152AH、秋からは、YD115CAとLEX1159WHの組み合わせで、骨材の混合も同様に季節別で、樹脂の選択をする。
【0045】
図2に示すように、1層目の高強度樹脂固結物3の上に2層目となる高強度樹脂固結物3を敷き均し、敷き固める。2層目の上に樹脂を塗布する。特に、外部の樹脂は施工直前の塗布が最適である。
【0046】
図3に示すように、1層、2層の高強度樹脂固結物3の上に、表層材として高強度樹脂ペースト4を敷き均して、完成する。
【0047】
他の実施形態として、図示は省略するが、磨耗による損耗した道路の轍ぼれ等の窪みが6cm未満の箇所の施工には、窪みの表面を清掃して、窪みに高強度樹脂ペースト4を充填して敷き均し・敷き固める。
【実施例】
【0048】
本発明の効果を確認するための試験について述べる。
実施例1
コンクリート道路が磨耗して掘れ込んだ深さ12cm余り、面積30mの施工場所。既設面の清掃、水分を除去して施工面に樹脂を塗布し、基層となる高強度樹脂固結物を5cmの厚さで2層敷き均して転圧、其の上に道路の周囲と平坦になる部分の内側に樹脂を塗布して其の上に、高強度樹脂ペーストを敷き均し、敷き固めた。
[配合と強度]
A 表層
高強度樹脂ペースト〔0cm〜3cm〕
1 二液性樹脂〔エポキシ樹脂〕12.5%〔主剤YD128G硬化剤LEX1152AH〕
2 細骨材フェロニッケルスラグ82.5%〔FNS5A粒度5〜0.05mmの〕
3 鉱物質粉体5%〔ポルトランドセメント〕
4 ラベリング係数0.07N/cm
B 基層
高強度樹脂固結物
1 二液性樹脂〔エポキシ樹脂〕6.5%〔主剤YD128G硬化剤LEX1152AH〕
2 細骨材フェロニッケルスラグ40.5%〔FNS5A粒度5〜0.05mm〕
3 6号砕石48%
4 鉱物質粉体5%〔ポルトランドセメント〕
5 圧縮強度116N/mm
6 曲げ強度11.1N/mm
7 ラベリング係数0.161/cm
8 供試体重量2605kg/m
施工30時間後に、50トンの90式戦車が、施工面を往復通過したり、厚さが0〜1cmの施工箇所の外縁部上で旋回しても何等施工箇所に変化は無い。
【0049】
実施例2
登り坂の転圧コンクリート版のつなぎ目部分が戦車の通行により崩壊が目地部分を中心に広がって、磨耗深さが5〜8cmに及んだ部分の改修をする為に磨耗した部分の凹部に高強度樹脂固結物を充填・転圧をした。
[配合と強度]
1 二液性樹脂〔エポキシ樹脂〕 6.5%〔主剤YD128G硬化剤LEX1152AH〕
2 細骨材フェロニッケルスラグ 40.5%〔FNS5A粒度5mm〜0.05mm〕
3 6号砕石 48%
4 鉱物質粉体 5%〔ポルトランドセメント〕
5 圧縮強度 85N/mm
6 曲げ強度 18N/mm
7 ラベリング係数 0.165/cm
8 供試体重量 2623kg/m
登り道で履帯で削り取る負荷を受けたり、旋回による負荷にも施工箇所は一切変化をしない。同時期に施工した、転圧コンクリート道路は履帯による表面の磨耗で、粉塵が発生した。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、特殊道路、重量交通あるいは大容量交通にさらされる、耐磨耗性、耐久性などを要求される道路の補修または構築材料として最適である。特に、路盤等の崩壊した道路の機能回復を急ぐ場合の改修材料、交通量が多く道路の改修が困難な道路の改修材料として有効である。
【0051】
また、引張り力が作用する部分での鉄筋等による補強を施さない構造材料としても使用できる。
【0052】
本発明により従来コンクリート構造において、引張り力が作用する部材に必要不可欠であった鉄筋等の補強材の必要が無くなった。叉工起用どじ油脂固結物の性能を生かし道路の舗装が装軌車等の走行により損耗や、磨耗した場合に、従来は舗装全体を撤去し、新規構築するか、短期に磨耗する事を承知しながら、アスファルト等でオーバーレイ施工を行っていたが、磨耗した部分に本発明の材料で4cm程度のオーバーレイを行う事で強靭な舗装としての機能回復が短時間で可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物およびそれを用いた路面の施工法の第1工程を示す説明図である。
【図2】本発明の高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物およびそれを用いた路面の施工法の第2工程を示す説明図である。
【図3】本発明の高強度樹脂ペースト、高強度樹脂固結物およびそれを用いた路面の施工法の完成状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1…コンクリート道路 2…磨耗による損耗した凹部
3…高強度樹脂固結物 4…高強度樹脂ペースト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂から選択される二液性樹脂に容積比で樹脂1に対して、人工のポルトランドセメント、フライアッシュ、粒径0.1mm以下のフェロニッケルスラグから選択される鉱物質粉体を0.3以下の割合で混合し、更に粒径5mm以下のフェロニッケルスラグ、カッパースラグ、鉄鋼スラグから選択される細骨材および硬化剤を加えて形成したことを特徴とする高強度樹脂ペースト。
【請求項2】
請求項1の高強度樹脂ペーストを原料として粗骨材を加えて混合したことを特徴とする高強度樹脂固結物。
【請求項3】
磨耗による損耗した道路の施工部分を清掃し、施工場所の砂、水分等を除去し、請求項2の高強度樹脂固結物材料を敷き均し、更に敷き固め、請求項1の高強度樹脂ペーストを施工厚さ3cm以下で表層として上部に施工することを特徴とした路面の施工法。
【請求項4】
磨耗による損耗した道路の轍ぼれ等の窪みが6cm未満の箇所の施工には、窪みの表面を清掃して、窪みに請求項1の高強度樹脂ペーストを充填して敷き均し・敷き固めることを特徴とした路面の施工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−140828(P2011−140828A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2705(P2010−2705)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(501444372)
【Fターム(参考)】