説明

高機能揚げ物鍋のイオンプレートの安全なコーティング

【課題】揚げ物は家庭でもレストランでも広く使用されているが、揚げ作業の条件が適切でないと,ころものサクサ感が無い、ころもに油が多く含まれカロリー過多で胸焼けの原因となる。作業中に衣服や厨房内が油で汚れ油臭を残す。油の消費が多く、廃油の廃棄が大変等多くの問題がある。これらを解決する方法として、マイナスイオンと赤外線を発生するイオンプレートの使用が考えられるが、高温の揚げ物油の中で5000ボルトの交流高電圧に耐える経済的な耐熱絶縁コーティング材が見出されず現状では広く使用されてはいない。
この問題を解決するため、加工が容易で経済的なコーティング材を開発する。
【解決手段】PPS系の耐熱樹脂に赤外線を発生する特殊なセラミック配合物を混合し、それを独自のコーティング法により課題を達成する事が出来た。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揚げ物を美味に揚げるための揚げ物鍋に関し、さらに詳しくは揚げ物鍋の中にマイナスイオンと赤外線を発生するイオンプレートを入れて、酸化等による劣化を防止して、美味な揚げ物得ると共に油の酸化等の劣化を防止し、調理場を清潔に保つ揚げ物鍋に関する。
【背景技術】
【0002】
揚げ物調理は一般家庭、レストラン、総菜店、スナック等で広く利用されているが、揚げる材料により、油の温度や揚げ時間が異なるが調理者の経験や勘に任かされているのが実情である。又一定時間の揚げ作業を経ると油が酸化等により劣化され使用不能となり、特に業務用ではこれは廃棄物となり経済的にも油資源の面からも大きな問題となっていた。最近油の還元処理装置等の公開特許文献等も見られるが、いずれも装置が複雑で実用化には問題があると考えられる。
【特許文献1】特開2000−248291,特開平09−117377,特開平08−215059、特開平08−056849、特開2000−14318、特開2002−17320
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
揚げ物には素揚げ、から揚げ、ころも揚げ、等がありいずれも家庭やレストラン等でさかんに利用されている。その問題点は材料と揚げ方の種類により油温度、揚げ時間等が微妙に異なり一般に好まれるからりと揚げるには、かなりの経験が必要である。又揚げ製品中に油分が残り、カロリー過多、胸焼けの原因となる場合があり、揚げ物作業中には作業者の衣服や厨房の壁や天井を汚し油臭をしみ込ます等の問題点がある。更に,揚げ物鍋内の油は高温状態に長時間おかれる事により、油が酸化、分解等により劣化して交換が必要となり、特に業務用ではこの油の廃棄は経済的にも、油資源の面からも大きな問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの問題点を解決する方法として、マイナスイオンと赤外線を発生するイオンプレートを使用する事が知られている。しかし、既知の方法は、油を冷却してから廃油再生糟を使用したり、装置が複雑であったりして実用化には問題があった。そこで本発明者等は簡単な装置で効果のある改良装置を実験を含む開発研究を行いイオンプレートに赤外線を発生するセラミックをコーティングして、これに安全装置を内蔵する周波数変換機能を有する高電圧発生器を配線しこれを揚げ物鍋の中に入れて、揚げ物作業中にイオンプレートに加えた高電圧の作用による発生するマイナスイオンと静電場、コーティングしたセラミックから発生する赤外線、等の相乗作用により、揚げ物製品の味覚の向上、ころもへの油分の削減、油臭,油煙の減少、揚げ時間の短縮、油の劣化防止等の著しい改善効果を得る事に成功した。ここで最大の難点として、高温の揚げ油のなかで5000ボルトの高電圧に耐えるコーティング材の開発があった。それをPPS粉末に赤外線を発生するアルミナ、ジルコニア、酸化チタン、長石等を含有するセラミック粉末を混合して、独自の方法で粉末コートする事により解決するに至った。
【発明の効果】
【0005】
本発明のPPS系樹脂に赤外線を発生するセラミック成分を混合した材料でコーティングしたイオンプレートを油の入っているフライヤーの中に入れ、高性能高電圧回路からイオンプレートに高電圧を付加する。揚げ物鍋を加熱し目的の温度に達したら揚げ作業を開始する。
このシステムを持つ揚げ物鍋で揚げ物調理をすると、イオンプレートに交流高電圧を加える事により、静電場効果と加熱されたセラミックコーティング材から発生する赤外線等の相乗作用により、揚げ物材料の内部からも加熱され、又マイナスイオンが発生するので、その酸化防止効果により,ころもはサックと、中身はジューシーに揚げあがり味覚が著しく向上する,ころもが吸収する油が20%減少するのでヘルシーである,揚げ物製品の油臭を激減させ、作業者の衣服、厨房内の油汚れと機器の劣化を抑制する,従来より揚げ時間を20−30%短縮する,油のロスと劣化を防止するので、40%以上の新油を削減する等の効果がある等、の画期的な結果を得る事が出来た。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明を実施するには、図1に示した様なマイナスイオン及び赤外線を発生するイオンプレートと、その電源として発生高圧電圧を調整する事が出来、波形と周波数可変の交流高電圧発生装置を使用する。図2に示した通りこのイオンプレートは、使用する揚げ物鍋に入る様に設計してある。高電圧を使用するのでこの機器には十分な安全対策が取られている。即ち一次側、2次側の両方に絶縁に問題が有った場合には漏洩電流が検出され直ちに電源を切断する回路が組み込まれている。又回路の内部に異常があり、過大電流が流れた場合にはヒューズが切れる。更に揚げ物鍋と揚げかす採取用の金網はアースされており、電源ケースには緊急遮断スイッチが取り付けてあり、作業員並びに周囲にたいしての安全策を講じている。波形、周波数、交流電圧は揚げ物材料により最適値を選定する事が出来る。
揚げ物鍋にイオンプレートを挿入し、適当量の油を入れ、イオンプレートの高電圧発生機の電源を入れ、揚げ物鍋を加熱し、揚げ物材料の最適の温度になったら揚げ物作業を始める。
【実施例1】
【0007】
アルミ金属多孔版に、ジルコニア 47%、シリカ 27%,アルミナ 2%,チタン 0.5%,等を含有するセラミック粉末を5%配合したPPS粉末でコーティングして、イオンプレートを製作した。図2に示される揚げ物鍋9の底に、このイオンプレート2を置き油を入れて、イオンプレートの印加電圧を2、500ボルトになる様に設定し、50サイクルの正弦波交流高電圧を加える。かにクリームコロッケを揚げる場合は、175Cで3分間程度揚げた。比較例として、イオンプレートを使用しない場合は、175Cで4分間程度で揚げた。両者の製品の外観は差が認められなかったが、イオンプレートとを使用したかにクリームは、香りが高く、サクサク感が有り、未使用の物より美味であるとの評価が得られた。揚げ製品の成分分析の結果では、イオンプレートを使用する事により、脂質が24%減少しており、全エネルギーは11%少なくなており、水分は5%多いとのデータが得られており、これが上記の香り、美味感に関係していると考えられ。又揚げ製品への油の移行のみならず、マイナスイオン等の効果により揚げ物油の分解と酸化等による劣化が低減するため油の鮮度が保たれ、新油を40%も削減する事が出来た。更に揚げ油の分解物の飛散が著しく減少するため為に厨房の環境を改善し、作業者の衣服や周辺機器の汚染が大幅に減少した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】イオンプレートと高圧発生機の概念図である。
【図2】揚げ物鍋の中にイオンプレートを入れた図である。
【符号の説明】
【0009】
1 高電圧発生機
2 セラミックを含むPPSでコーティングされたイオンプレート
3 高圧電線
4 高圧端子
5 緊急遮断スイッチ
6 ヒューズ
7 電圧計
8 揚げかす採取用の金網
9 揚げ物鍋
10 揚げ物油
11 アース
12 アース電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揚げ物鍋の底に高電圧を加える事によりマイナスイオンを、加熱する事により赤外線を発生するイオンプレートを入れ揚げ物を調理する事により揚げ物製品の味覚を向上させると共に、ころもに含有する油分を減少させ、又作業者の衣服や厨房内に飛散する油の分解物等を抑制し、酸化、分解等による油の劣化を防止する事により油の消費を著しく削減させる目的のイオンプレートに高熱用の耐熱高電圧絶縁コーティング材料としてポリフェニレンサルファイド系の樹脂(以下PPSと略記)と赤外線を発生するセラミック粉末添加材の混合物を使用する事により、熱的にも電気的にも機械的にも安定した安全で、経済的なイオンプレートを製作する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−20989(P2007−20989A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209675(P2005−209675)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(594058816)
【出願人】(505274575)
【出願人】(505274483)
【Fターム(参考)】