説明

高温水蒸気の吐出装置、及びそれを用いた乾燥装置

【課題】過熱水蒸気と同様の乾燥効果を有する高温水蒸気を容易に形成するとともに、配管の腐食損傷を抑えて装置の耐久性を向上させる。
【解決手段】一端が飽和水蒸気供給源10に接続されかつ他端が閉止された水蒸気管部11、前記水蒸気管部11の周囲に空気室Hを形成しうる空気管部13、及び前記水蒸気管部11の長手方向の複数位置に該水蒸気管部11から分岐して側方にのびる先細の内ノズル部20と、前記空気管部13から前記内ノズル部20を間隔を有して囲んで側方にのびる外ノズル部21とからなるノズル2を具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飽和水蒸気と高温空気とを同心に開口するノズル部から吐出させることにより高温水蒸気を形成する高温水蒸気の吐出装置、及びそれを用いた乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、飽和水蒸気をさらに過熱した高温水蒸気である過熱水蒸気を用いて、被乾燥物、例えば使用済みの紙オムツなどを乾燥処理する装置が特許文献1に提案されている。この過熱水蒸気は、大熱容量の気体であり、被乾燥物の表面に接触することにより水の凝縮が発生し、そのときの大きな凝縮熱によって被乾燥物を加熱する。従って、いわゆる熱風乾燥の場合の如く、被乾燥物の表面を硬化させて内部に水分を閉じ込めてしまうことがなく、被乾燥物全体を内部まで均一に乾燥させることができる。そのため、吸水ポリマ−を用いた紙オムツのように、吸水量が高くかつ熱によって溶けやすい被乾燥物の乾燥に好適に採用しうる。
【0003】
【特許文献1】特開2003−250878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら過熱水蒸気は、飽和水蒸気をさらに加熱した非常に高温の水蒸気でるため、この過熱水蒸気が通る配管において腐食損傷が発生しやすいという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、飽和水蒸気と高温空気とをノズル部から同心状に吐出させて混合させることを基本として、過熱水蒸気と同様の乾燥効果を有する高温水蒸気を容易に形成しうるとともに、飽和水蒸気と高温空気とを別々の配管を通してノズル部まで供給しうるため、配管の腐食損傷を抑えて装置の耐久性を向上させうる高温水蒸気の吐出装置、及びそれを用いた乾燥装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、一端が飽和水蒸気供給源に接続され、かつ他端が閉止されたパイプ状の水蒸気管部、
前記水蒸気管部の周囲を囲むパイプ状の主部の両端に、前記水蒸気管部との間を閉じる端板を有することにより前記水蒸気管部の周囲に空気室を形成しうる空気管部、
及び、前記水蒸気管部の長手方向の複数位置に、該水蒸気管部から分岐して側方にのびる先細の内ノズル部と、前記空気管部から前記内ノズル部を間隔を有して囲んで側方にのびる外ノズル部とからなるノズルを具え、
しかも前記空気室には、高温空気供給源に接続される高温空気取り入れ口が形成されるとともに、
前記ノズルは、前記内ノズル部から飽和水蒸気を吐出しかつ前記外ノズル部から前記飽和水蒸気よりも高温度の高温空気を吐出することにより、吐出された飽和水蒸気と高温空気とが混合した高温水蒸気を形成することを特徴としている。
【0007】
又請求項2の発明では、前記ノズルは、前記内ノズル部から飽和水蒸気を吐出することにより、前記高温空気は前記外ノズル部から吸い出されることを特徴としている。
【0008】
又請求項3の発明では、前記空気管部は、前記高温空気取り入れ口からの高温空気を、前記空気室に分散して供給させることにより前記ノズルからの高温水蒸気の流量を均一化させる分散手段を具えることを特徴としている。
【0009】
又請求項4の発明では、前記空気管部は、水蒸気管部を囲む中管と、その外側を囲む外管とからなり、前記外管に高温空気取り入れ口が配されるとともに、前記中管に複数の分散孔を形成することで前記分散手段としたことを特徴としている。
【0010】
又請求項5の発明では、前記飽和水蒸気供給源は、温度130〜150℃の飽和水蒸気を供給し、かつ高温空気供給源は、温度200℃〜500℃の高温空気を供給することを特徴としている。
【0011】
又請求項6の発明では、前記ノズルは、飽和水蒸気と高温空気との混合比(体積比)を1:1〜1:10としたことを特徴としている。
【0012】
又請求項7の発明は、請求項1〜6に記載の高温水蒸気の吐出装置を用いて被乾燥物を乾燥させる乾燥装置であって、
前記高温水蒸気の吐出装置と、前記被乾燥物を収容する乾燥炉とを具え、かつ前記高温水蒸気の吐出装置は、前記ノズルを前記乾燥炉の内部に向けて配されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明は叙上の如く、飽和水蒸気と高温空気とに別々の流路を設定し、ノズルから吐出させることにより互いに混合した高温水蒸気を形成している。このとき、飽和水蒸気が通る水蒸気管部では、該飽和水蒸気が過熱水蒸気に比して低温であるため腐食損傷を抑制でき、又空気管部では、高温ではあるがドライな高温空気のみが通るため腐食損傷を抑制できる。
【0014】
又ノズルでは、内ノズル部と外ノズル部とが同心状をなすため、飽和水蒸気と高温空気とが吐出されながら互いに混ざり合って均一な高温水蒸気を形成できる。この高温水蒸気は、過熱水蒸気に比して熱容量は低いものの、過熱水蒸気と同様、被乾燥物の表面を硬化させることがなく、水分を内部に閉じ込めることなく被乾燥物全体を内部まで均一に、かつ効率よく乾燥させることができる。
【0015】
又前記空気管部は、前記水蒸気管部を囲む空気室を形成しているため、該水蒸気管部を高温空気によって加温でき、飽和水蒸気が吐出前に冷却されて水蒸気管部内で凝縮するのを抑制しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明の高温水蒸気の吐出装置を用いた乾燥装置の一実施例を示す概念図、図2は高温水蒸気の吐出装置の主要部を示す拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態の乾燥装置1は、飽和水蒸気Aと高温空気Bとをノズル2から吐出して高温水蒸気を形成する吐出装置3と、前記被乾燥物を収容する乾燥炉4とを少なくとも具えて構成される。
【0017】
本例では、前記乾燥装置1を用い、使用済みの紙オムツ(被乾燥物)を乾燥処理する場合を例示している。なお使用済みの紙オムツは、一般に焼却処理されるが、多くの水分を含むため、焼却に要する熱量が大であり焼却炉への負担が大きい。しかし前記乾燥装置1を用いて乾燥した紙オムツは、燃焼しやすくなるため燃料として利用しうるなど所謂サーマルリサイクルとしての活用が可能となる。又乾燥した紙オムツは、軽くかつ容積が減るため回収作業が容易であり、しかも乾燥時の加熱によって滅菌処理も同時に施されるため、回収作業を衛生的かつ安全なものにしうるという利点がある。
【0018】
次に、前記乾燥装置1の乾燥炉4は、本例では、断面U字状の胴部5aの両側端及び上端を、それぞれ側壁部5b及び上壁部5Cにて閉じた容器状の乾燥炉本体5を具え、一方の側壁部5bには、前記被乾燥物を出し入れする開閉口(図示しない)が形成される。又前記乾燥炉本体5には、前記胴部5aの長さ方向に延在し、収容した被乾燥物を撹拌して乾燥ムラを防止する撹拌羽根6が回転駆動可能に取り付くとともに、該乾燥炉本体5自体を加熱して乾燥効率を高めるヒータ手段(図示しない)が設けられる。前記ヒータ手段は、本例では加熱ジャケットであって、熱媒槽8から供給される高温の加熱流体(熱媒)が通ることによって前記胴部5aの周壁を例えば150℃に加熱する。
【0019】
次に、前記吐出装置3は、図2に概念的に示すように、飽和水蒸気供給源10に接続される水蒸気管部11、高温空気供給源12に接続される空気管部13、及び飽和水蒸気Aと高温空気Bとを吐出するノズル2を具える。そしてこのノズル2を前記乾燥炉4の内部に向けて配される。
【0020】
前記水蒸気管部11は、一端が飽和水蒸気供給源10に接続され、かつ他端が閉止されたパイプ状体からなり、前記胴部5aの長さ方向に沿って配設されている。
【0021】
又前記空気管部13は、前記水蒸気管部11の周囲を囲むパイプ状の主部13aの両端に、前記水蒸気管部11との間を閉じる端板13bを有することにより前記水蒸気管部11の周囲に空気室Hを形成するとともに、前記主部13aには、高温空気供給源12に接続される高温空気取り入れ口14が設けられる。又本例では、前記空気管部13は、前記高温空気取り入れ口14からの高温空気Bを、前記空気室Hに分散して供給させることにより前記ノズル2からの高温水蒸気の流量を均一化させる分散手段15を具える。
【0022】
具体的には、空気管部13の前記主部13aは、本例では、前記水蒸気管部11を囲む例えば円筒状の中管16と、その外側を囲む例えば角筒状の外管17とからなり、該外管17に、前記高温空気取り入れ口14を形成している。なお端板13bは、前記外管17と中管16との間、及び中管16と水蒸気管部11との間をそれぞれ閉止している。又前記中管16には、複数の分散孔18が穿設され、これによって前記高温空気取り入れ口14からの高温空気Bを、前記中管16と水蒸気管部11との間に形成される空気室Hに分散して供給している。従って、本例では、外管17と中管16と分散孔18とによって前記分散手段15を構成している。
【0023】
又前記ノズル2は、前記水蒸気管部11の長手方向の複数位置で該水蒸気管部11から分岐して側方にのびる先細の内ノズル部20と、前記空気管部13から前記内ノズル部20を間隔を有して囲んで側方にのびる外ノズル部21とから形成される。なお内ノズル部20は、本例では水蒸気管部11から該水蒸気管部11と略同径でのびる平行管部20aと、この平行管部20aに連なる先細のコーン部20bとからなる。又前記外ノズル部21は、本例では前記中管16から前記コーン部20bと同勾配で先細状にのびるコーン部21bを具え、前記内ノズル部20と外ノズル部21とは同心状に形成されている。
【0024】
なお前記飽和水蒸気供給源10は、いわゆる蒸気発生機であって、温度130℃(約2.76kPa)〜150℃(約4.91kPa)、さらには温度130℃(約2.76kPa)〜140℃(約3.71kPa)の飽和水蒸気Aを発生しうるものが好適に使用しうる。飽和水蒸気Aの温度が130℃を下回ると乾燥性能が不充分となり、逆に150℃を上回ると装置の耐圧性を5kPa以上に高めることが必要となるなど、装置コストの上昇や耐久性の低下を招く不利が生じる。又飽和水蒸気Aの発生量としては、乾燥炉4の容量、被乾燥物の種類や量等にもよるが、例えば病院等の施設で使用済みの紙オムツの乾燥処理を行う場合には、10〜20kg/h、さらには15〜20kg/hの発生量のものが好適に採用しうる。
【0025】
又前記高温空気供給源12としては、特に規制されないが、例えばヒータ手段(熱交換器を含む)を用いて加熱された高温空気を供給する。本例では、前記図1の如く、ヒータ手段として加熱ジャケットを用いた加熱室を有し、熱媒槽28から供給される高温の加熱流体(熱媒)が加熱ジャケットを通ることによって、加熱室内の空気を加熱し、例えば200〜500℃、本例では350℃の高温空気を供給する。
【0026】
このように構成した前記ノズル2は、前記内ノズル部20から飽和水蒸気Aを吐出し、かつ前記外ノズル部21から高温空気Bを吐出する。このとき前記内ノズル部20と外ノズル部21とが同心状に配されているため、飽和水蒸気Aと高温空気Bとは、吐出されながら互いに混ざり合う。従って、被乾燥物が前記ノズル2に近接して配される場合にも、混合ムラを有することなく均一に混合された前記高温水蒸気を、近接した被乾燥物に吹き付けしうる。
【0027】
ここで、高温水蒸気は、過熱水蒸気に比して熱容量には劣るものの、過熱水蒸気と同様、被乾燥物の表面に接触することにより水の凝縮を発生せしめ、そのときの凝縮熱によって被乾燥物を加熱する。即ち、被乾燥物の表面を乾燥硬化させることなく加熱でき、内部に水分を閉じ込めることなく被乾燥物全体を内部まで均一に乾燥させることが可能となる。従って、乾燥された被乾燥物を燃料として利用することが可能となる。そのためには、被乾燥物の含水率が25%以下、さらには20%以下になるまで乾燥させるのが好ましい。又紙オムツ等の汚染物の場合、廃棄物処理法に基づく滅菌処理の基準として、121℃以上の湿熱にて20分間以上加熱することが規定されているが、本発明の前記乾燥装置1を用いた場合、乾燥処理と同時に前記滅菌処理の基準を満たしうるため、滅菌処理を別途施す必要がなくなり、処理時間の短縮化を図りうる。
【0028】
上記効果を発揮させるためには、前記ノズル2における飽和水蒸気Aと高温空気Bとの混合比(体積比)A:Bを、1:1〜1:10の範囲とするのが好ましい。前記混合比が1:1より小、即ちB/Aが1.0より小のとき、高温空気Bが過小となって高温水蒸気の温度を充分に高めることができず、乾燥時間が長くなり、逆に混合比が1:10より大、即ちB/Aが10.0より大のとき、高温空気Bが過大となって、被乾燥物の表面を乾燥硬化させる傾向となり、内部を乾燥をさせることを困難とする。このような観点から、さらに好ましくは、前記混合比A:Bを、1:2〜1:4の範囲、さらには1:2.5〜1:3.5の範囲とするのが良い。
【0029】
ここで、前記飽和水蒸気Aの内ノズル部20からの吐出量の総和は、前記飽和水蒸気供給源10による飽和水蒸気Aの発生量によって設定される。又高温空気Bの外ノズル部21からの吐出量の総和は、本例では、前記高温空気供給源12の下流側に配する送風機22によって調整可能である。従って本例では、前記送風機22による送風量の調整によって、飽和水蒸気Aと高温空気Bとの混合比を前記範囲に調節している。
【0030】
なお前記送風機22を排除した場合にも、飽和水蒸気Aと高温空気Bとを混合することは可能である。係る場合には、前記内ノズル部20から飽和水蒸気Aが吐出することによるエゼクター効果によって、高温空気Bは前記外ノズル部21から吸い出されて吐出し、互いに混ざり合うことができる。この場合、内ノズル部20と外ノズル部21との開口面積の比率を調整することにより、前記混合比を設定できる。
【0031】
又本例の乾燥装置1には、前記乾燥炉4からの排出空気Cを回収して前記高温空気Bとして利用する循環流路24を付設している。この循環流路24は、乾燥炉4の前記上壁部5Cに設けた排気孔5C1から、前記高温空気供給源12まで導通している。そしてこの間に、乾燥炉4からの排出空気Cからゴミ等の比較的大きい異物を除去する例えばサイクロン方式の第1の集塵器25A、及び埃、塵等の微少な異物を除去する例えばフィルタ方式の第2の集塵器25Bを介在させている。なお図中の符号26は脱臭器であって、排出空気Cを循環させてなる高温空気Bの一部を外気に排出する際に、それを脱臭する。
【0032】
本例では、使用済みの紙オムツを乾燥する場合を例示している。しかし、魚介類などの含水量の多い食品の乾燥装置として構成しうる他、木材など、乾燥ムラにより割れが入りやすい物品の乾燥装置として構成することもできる。さらには、沼や湿地帯における土壌、或いは肥料の乾燥装置として構成しうるなど本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。なお、飽和水蒸気供給源10によって供給する飽和水蒸気の温度、供給量(発生量)、高温空気供給源12によって供給する高温空気の温度、供給量(発生量)等は、前述の範囲に特定されることなく、被乾燥物の種類や量等に応じて適宜設定することもできる。
【実施例】
【0033】
図1、2に示す構造の乾燥装置を、試作するとともに、この乾燥装置を用いて使用済みの紙オムツの乾燥テストを下記の仕様にて行った。
【0034】
飽和水蒸気供給源10として市販の蒸気発生機を用い、温度130℃の飽和水蒸気Aを300g/minで発生させ、それを内ノズル部20から吐出させた。又外ノズル部21からは、温度240℃に加熱した高温空気Bを吐出させている。このとき、前記飽和水蒸気Aと高温空気Bとの混合比(体積比)は1:3であり、これにより温度150℃の高温水蒸気が形成された。
【0035】
又乾燥炉4内に、含水率78〜80%にて水を吸収させた紙オムツを300kgを収容して10〜12時間乾燥装置を作動させ、そのときの紙オムツの乾燥状態を確認した。乾燥した紙オムツの含水率の平均は7〜8%であり、又各紙オムツとも内部までほぼ均一に乾燥していることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の高温水蒸気の吐出装置を用いた乾燥装置の一実施例を示す概念図である。
【図2】高温水蒸気の吐出装置の主要部を拡大して示す長手方向の断面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 乾燥装置
2 ノズル
3 吐出装置
4 乾燥炉
10 飽和水蒸気供給源
11 水蒸気管部
13 空気管部
13a 主部
13b 端板
14 高温空気取り入れ口
15 分散手段
16 中管
17 外管
18 分散孔
20 内ノズル部
21 外ノズル部
A 飽和水蒸気
B 高温空気
H 空気室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が飽和水蒸気供給源に接続され、かつ他端が閉止されたパイプ状の水蒸気管部、
前記水蒸気管部の周囲を囲むパイプ状の主部の両端に、前記水蒸気管部との間を閉じる端板を有することにより前記水蒸気管部の周囲に空気室を形成しうる空気管部、
及び、前記水蒸気管部の長手方向の複数位置に、該水蒸気管部から分岐して側方にのびる先細の内ノズル部と、前記空気管部から前記内ノズル部を間隔を有して囲んで側方にのびる外ノズル部とからなるノズルを具え、
しかも前記空気室には、高温空気供給源に接続される高温空気取り入れ口が形成されるとともに、
前記ノズルは、前記内ノズル部から飽和水蒸気を吐出しかつ前記外ノズル部から前記飽和水蒸気よりも高温度の高温空気を吐出することにより、吐出された飽和水蒸気と高温空気とが混合した高温水蒸気を形成することを特徴とする高温水蒸気の吐出装置。
【請求項2】
前記ノズルは、前記内ノズル部から飽和水蒸気を吐出することにより、前記高温空気は前記外ノズル部から吸い出されることを特徴とする請求項1記載の高温水蒸気の吐出装置。
【請求項3】
前記空気管部は、前記高温空気取り入れ口からの高温空気を、前記空気室に分散して供給させることにより前記ノズルからの高温水蒸気の流量を均一化させる分散手段を具えることを特徴とする請求項1又は2記載の高温水蒸気の吐出装置。
【請求項4】
前記空気管部は、水蒸気管部を囲む中管と、その外側を囲む外管とからなり、前記外管に高温空気取り入れ口が配されるとともに、前記中管に複数の分散孔を形成することで前記分散手段としたことを特徴とする請求項3記載の高温水蒸気の吐出装置。
【請求項5】
前記飽和水蒸気供給源は、温度130〜150℃の飽和水蒸気を供給し、かつ高温空気供給源は、温度200℃〜500℃の高温空気を供給することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の高温水蒸気の吐出装置。
【請求項6】
前記ノズルは、飽和水蒸気と高温空気との混合比(体積比)を1:1〜1:10としたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の高温水蒸気の吐出装置。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の高温水蒸気の吐出装置を用いて被乾燥物を乾燥させる乾燥装置であって、
前記高温水蒸気の吐出装置と、前記被乾燥物を収容する乾燥炉とを具え、
かつ前記高温水蒸気の吐出装置は、前記ノズルを前記乾燥炉の内部に向けて配されたことを特徴とする乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−36497(P2009−36497A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203462(P2007−203462)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(507262877)
【出願人】(500005712)熱研産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】