説明

高温粉体供給装置

【課題】 乾燥加熱した焼却灰等の高温粉体を適切な温度を保持して貯蔵し、所要時に、所定温度の高温粉体を溶融硫黄等の高温液体中に供給する。
【解決手段】 高温粉体供給装置1は、粉体サイロからの石炭灰を乾燥加熱するドライヤ3と、ブロア4からの空気を空気加熱器で乾燥加熱してエジェクター6に導入し、ドライヤ3からエジェクター6に供給された石炭灰体を加熱空気によって輸送管Pに圧送する空気輸送装置7と、空気輸送装置7から輸送管Pに圧送された石炭灰を上端の入口8eから受け入れて貯蔵し、下端の排出口8fから排出するようにした粉体ホットビン8とを備え、粉体ホットビン8の外周に電気ヒータ(加熱手段)が設けられると共に、粉体ホットビン8の排出口8fに加熱手段を設けたロータリバルブ(計量フィーダ)26が接続され、また、輸送管Pの外周には保温材30が装着された構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥加熱した石炭灰等の高温粉体を溶融硫黄等の高温液体を収容したミキシング装置等に供給するための高温粉体供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石油や天然ガスの脱硫によって生成する硫黄に添加剤を加えて改質し、この改質硫黄に、その溶融状態において都市ごみ焼却灰、焼却飛灰、電力事業および一般産業から排出される石炭灰、製鉄業から副生する鉄鋼スラグ等の粉末状骨材(粉体)を混合し、この混合物を成型型枠等に流し込んで冷却固化させて、水に不溶で耐酸性があり、コンクリートよりも強度が高く、土木、建設資材等に利用可能な硫黄固化物を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、ごみ焼却炉で捕集された焼却飛灰(粉体)をエジェクターに送給される加熱乾燥空気によって空気輸送配管を経て粉体貯留槽に移送して貯蔵するようにした粉体の空気輸送貯蔵装置が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−69188号公報
【特許文献2】特開平8−200646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記硫黄固化物製造方法においては、前記溶融硫黄の流動性を高めて粉末状骨材との混合をミキシング装置内で効率的に行うため、通常、ミキシング装置の外周に付設した加熱手段により、内部の溶融硫黄をその温度が135〜155℃になるように加熱、保温している。このため、ミキシング装置内に供給される前記粉末状骨材は前記溶融硫黄の温度範囲に近い温度に予熱されていることが要求される。
しかし、前記粉体の空気輸送貯蔵装置においては、ごみ焼却炉から排出されて焼却飛灰は、エジェクターで90℃の加熱乾燥された空気に伴って前記粉体貯留槽に投入されるので、投入の初期において前記加熱乾燥空気の温度以上の温度を保つものの、粉体貯留槽内での貯蔵期間が経過する従って温度が低下する。したがって、ごみ焼却炉からの排出直後の焼却飛灰は別としても、前記粉体貯留槽に貯蔵されて温度が低下した焼却飛灰を粉体貯留槽から取り出し、粉末状骨材として前記硫黄固化物製造方法におけるミキシング装置に供給する場合には、低温の焼却飛灰の影響によって溶融硫黄の温度を前記温度範囲に維持できなくなり、溶融硫黄と焼却飛灰との混合を効率的に行うことができないか、不能となる問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、乾燥加熱した石炭灰等の高温粉体を適切な温度を維持した状態で貯蔵し、所要時に、所定温度の高温粉体を溶融硫黄等の高温液体を収容したミキシング装置等の所要の装置に供給することができる高温粉体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の点を特徴としている。
すなわち、請求項1に係る高温粉体供給装置は、粉体を受け入れる粉体サイロと、該粉体サイロから供給された粉体を乾燥加熱するドライヤと、ブロアが送り出した空気を空気加熱器で乾燥加熱してエジェクタに導入し、前記ドライヤからエジェクタに供給された粉体を前記乾燥加熱した空気によって輸送管に圧送する空気輸送装置と、該空気輸送装置から前記輸送管に圧送された粉体を上端の入口から受け入れて貯蔵し、下端の排出口から排出するようにした粉体ホットビンとを備えた高温粉体供給装置であって、
前記粉体ホットビンは、その外周に、内部に貯蔵された粉体を加熱する加熱手段が設けられると共に、前記排出口に、外周に加熱手段を設けた計量フィーダが接続され、また、前記輸送管の外周には保温材が装着されていることを特徴としている。
【0006】
請求項2に係る高温粉体供給装置は、請求項1に記載の高温粉体供給装置において、前記粉体ホットビンの入口は、外周に加熱手段を設けたサイクロン集塵機を介して前記輸送管に接続されていることを特徴としている。
【0007】
請求項3に係る高温粉体供給装置は、請求項2に記載の高温粉体供給装置において、前記サイクロン集塵機の排気口は、前記ドライヤからの排気を濾過する集塵装置の入口に配管によって連絡されていることを特徴としている。
【0008】
請求項4に係る高温粉体供給装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の高温粉体供給装置において、前記ドライヤの乾燥加熱された粉体を排出する排出口は、外周に加熱手段を設けたスクリューフィーダによって前記空気輸送装置のエジェクタに連絡されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る高温粉体供給装置によれば、粉体をドライヤで乾燥加熱して、空気輸送装置を使用して乾燥加熱した高温の空気により保温材を装着した輸送管を通して粉体ホットビンに輸送することができるので、常温の粉体であっても、それを所定の温度に容易に乾燥加熱することができ、乾燥加熱した高温の粉体をその温度を降下させることな粉体ホットビンに供給することができる。また、粉体ホットビンに供給された高温粉体を、粉体ホットビンに取り付けた加熱手段によって加熱保温するので、常時、粉体ホットビン内に高温の粉体を適切な温度を維持した状態で貯蔵することができ、所要時に、所定温度の高温の粉体を計量フィーダによって計量して溶融硫黄等の高温液体を収容したミキシング装置等の所要の装置に供給することができる。
【0010】
請求項2に係る高温粉体供給装置によれば、粉体ホットビンに供給された粉体が、サイクロン集塵機内で温度降下されることなく、その中の粉塵を容易に分離され、分離された粉塵をサイクロン集塵機の内壁に付着させることなく粉体ホットビン外へ排出することができるので、高温粉体を粉体ホットビン内に良好な性状を確保した状態で貯蔵させることができる。
【0011】
請求項3に係る高温粉体供給装置によれば、サイクロン集塵機で捕集した粉塵を大気に排出させることなく、ドライヤの排気を濾過する集塵装置に容易に回収して確実に濾過することができる。
請求項4に係る高温粉体供給装置によれば、ドライヤで乾燥加熱された高温の粉体を、スクリュフィーダによる移送中に温度降下させることなく、所定温度を適切に維持した状態でエジェクターに確実に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態に係る高温粉体供給装置について、添付図面を参照して説明する。
図1〜図3、図6において、1は本発明の一実施の形態に係る高温粉体供給装置である。この高温粉体供給装置1は、石炭灰(粉体)を受け入れる粉体サイロ2と、該粉体サイロ2から供給された粉体を乾燥加熱するドライヤ3と、ルーツブロア(ブロア)4が送り出した空気を空気加熱器5で乾燥加熱してエジェクター6に導入し、前記ドライヤ3からエジェクター6に供給された粉体を前記空気加熱器5で乾燥加熱した空気によって輸送管Pに圧送する空気輸送装置7と、該空気輸送装置7から前記輸送管Pに圧送された粉体を上端の入口から受け入れて貯蔵し、下端の排出口から排出するようにした粉体ホットビン8とを備えている。
【0013】
前記粉体サイロ2は、図1、図6に示すように、円筒形の胴部2aの下端に逆円錐形(ロート状)の底部2bを接合し、上端の開口部を上蓋2cで密閉したサイロ本体2dを備えて架台2Aに支持されている。前記サイロ本体2dの上部には石炭灰を内部に導入する材料導入口2eが設けられ、前記底部2bの中央部(最下部)に材料排出口2fが設けられている。該材料排出口2fには、手動の開閉バルブ9とインバータ制御のモータにより駆動されるロータリ式フィーダ10が取り付けられ、該ロータリ式フィーダ10はシュート11を介して前記ドライヤ3の一端部(図6で左端部)の材料入口に連絡されている。前記上蓋2cにはサイロ本体2d内の上部に発生する粉塵を捕集する小型のバグフィルタ12が取り付けられ、前記底部2bには、エアバイブレータ13が固定されている。また、前記底部2bと前記ロータリ式フィーダ10の周囲には電気ヒータ(図示せず)が取り付けられている。さらに、サイロ本体2dの周囲とロータリフィーダ10の周囲にはロックウール等の保温材(図示せず)が装着されている。
【0014】
前記ドライヤ3は、架台3A上に支持され、インバータ制御のモータによって軸回りに回転される円筒状のドラム3aを備えたロータリードライヤであり、一端部の材料入口から内部に導入された石炭灰を他端側へ移送しながら、他端部(図1で上端部、図6で右端部)に設けた燃焼室3bからドラム3a内に送り込まれたバーナ3cによる燃焼ガスを、ドラム3aの中心部に設置した円筒部材3d内に流して、石炭灰を例えば130〜150℃に間接的に乾燥加熱するようになっている。前記ドラム3aの他端部に設けたマニホールド3eの上部には一次集塵機14が設けられ、該一次集塵機14は架台15Aに支持された二次集塵機としてのバグフィルタ(集塵装置)15にダクト16aを介して連絡され、該バグフィルタ15はダクト16bを介して排風機17に連絡されている。前記バグフィルタ15のロート状の底部15aと該底部15aの排出口に設けたロータリバルブ15bの外周に電気ヒータ(図示せず)が取り付けられると共に、それらの外周にロックウール等の保温材15cが装着されている。
【0015】
前記空気輸送装置7は、図4、図5に示すように、架台7Aの上部にロート状の受けホッパー18を有し、該受けホッパー18の下端の排出口にはロータリバルブ19を介して前記エジェクター6が接続されている。該エジェクター6は、前記ロータリバルブ19の下端にフランジを介して接続された垂直の材料導入管6aと、該材料導入管6aの一方(図4で右方)に水平に一体に接合された末広がりのエジェクター管6bと、該エジェクター管6bの対向側にそれと軸線を一致させて配置され、かつ先端の開口部をエジェクター管6bの絞り部6b1との間に所定の隙間をあけて、前記材料導入管6aに固着して設けたノズル管6cと、該ノズル管6cの基端にフランジを介して接続されたエア導入管6dと、該エア導入管6dから分岐して先端の開口部を前記材料導入管6aの内部の上方に臨ませたエア吹き込み管6fとを備えている。該エア吹き込み管6fの途中には開閉弁6gが設けられている。また、前記ロータリバルブ19の外囲には電気ヒータ(図示せず)が取り付けられ、前記空気輸送装置7を構成する前記各機器6,18,19の外周部にはロックウール等の保温材7aが装着されている。
【0016】
また、前記空気輸送装置7の空気加熱器5は、空気通路を形成したダクト5aの内部に、空気通路を横切るように電気ヒータ(図示せず)のヒータエレメントを蛇行させて設けてダクトエアヒータとして構成したものであり、その上流側の入口カバー5bが、モータ4aによって回転されるルーツブロア4の送風口4bに可撓管4cを介して接続され、その下流側の出口カバー5cが、曲がり管5dを介して前記エア導入管6dに接続されており、ルーツブロア4から送り出された空気を130〜150℃に乾燥加熱するようになっている。前記ダクト5a、入口、出口カバー5b,5c、曲がり管5dの外周にはロックウール等の保温材5eが装着されている。
【0017】
前記受けホッパー18は前記ドライヤ3のマニホールド3eの排出口3fにスクリューフィーダ20によって連絡されている。該スクリューフィーダ20は、一端側(図2で左端側)が前記マニホールド3eの排出口3fに連絡され、他端側(図2、図4で右端側)がシュート20bを介して前記受けホッパー18の上端の受入口18aに連絡された円筒状のスクリューケース20a内にスクリューを設け、スクリューケース20aの一端部に取り付けたモータ21によって前記スクリュを回転させことによって、前記ドライヤ3で乾燥加熱した石炭灰を連続的に前記受けホッパー18内に投入するようになっている。前記スクリューフィーダ20の周囲には電気ヒータ(図示せず)が取り付けられ、その外周にロックウール等の保温材20cが装着されている。なお、前記スクリュケース20aの途中には、前記バグフィルタ15の底部15aの排出口が前記ロータリバルブ15bを介してダクト15dによって連絡されている。
【0018】
前記粉体ホットビン8は、図2、図3に示すように、円筒状の胴部8aの下端部に逆円錐状の底部8bを接合して形成され、架台8Aに支持されたロート状のホットビン本体8cを備えている。該ホットビン本体8cの上部を密閉する上蓋8dには、支持フレーム22を介してサイクロン集塵機23が支持されている。該サイクロン集塵機23は、その下端のホッパー23aがロータリバルブ24を介して前記ホットビン本体8cの上蓋8dに設けた入口8eに連絡され、その上端中央の排気口23bが配管25によって前記ダクト16aの中間部に連絡され、また、その上端側部に接線方向に向けて設けた材料入口23cが、前記輸送管Pによって前記空気輸送装置7におけるエジェクター6のエジェクター管6bに連絡されている。
【0019】
前記ホットビン本体8cにおける底部8bの最下端の排出口8fには、開閉ゲート弁Gとインバータ制御のモータ26aによって回転されるロータリバルブ(計量フィーダ)26とを介してスクリューフィーダ27が連絡され、該スクリューフィーダ27は石炭灰と溶融硫黄とを撹拌、混合する混練物供給装置(ミキシング装置)Mに連絡されている。前記スクリューフィーダ27は、一端側(図3で右端側)が受入口27aにより前記ロータリバルブ26に連絡され、他端側(図3で左端側)がシュート27bを介して前記混練物供給装置Mの上端に設けた材料投入口28aに連絡された円筒状のスクリューケース27a内にスクリュー(図示せず)を設け、スクリューケース27aの一端部に取り付けたモータ29で前記スクリュを回転させることによって、前記ホットビン本体8cから排出された石炭灰を連続的に前記混練物供給装置M内に投入するようになっている。
【0020】
前記ホットビン本体8c、サイクロン集塵機23、ロータリバルブ26、スクリューフィーダ27の周囲には、それらを所定の温度(130〜150℃)に加熱する電気ヒータ(加熱手段)(図示せず)が取り付けられ、それらの外周にロックウール等の保温材8gが装着されている。前記ホットビン本体8cに取り付けた電気ヒータは、ホットビン本体8cの外周の所定箇所に取り付けた熱電対等の温度センサで検出された温度にもとづいて加熱温度を制御され、ホットビン本体8c内に貯蔵されている石炭灰の温度が130〜150℃に保たれるようになっている。また、前記輸送管Pの外周にはグラスウール等の保温材30が装着されている。
【0021】
次に、前記構成の高温粉体供給装置1の作用を、図6に示す硫黄固化物製造プラント31に前記高温粉体供給装置1を適用した場合にもとづいて説明する。
先ず、前記硫黄固化物製造プラント31について説明する。この硫黄固化物製造プラント31は、図6に示すように、前記高温粉体供給装置1で乾燥加熱された石炭灰(粉体)を、添加剤を添加されて改質された溶融硫黄(高温液体)に混練して液状混練物(高温液体)を調製する前記混練物供給装置Mと、ドライヤ等の骨材加熱供給装置32によって乾燥加熱されバケットエレベータ33によって搬送された製鋼スラグ、珪砂等の粉末状骨材と前記混練物供給装置Mから供給された高温の液状混練物とを計量して混合する計量混合装置34とを備えている。
【0022】
前記計量混合装置34は、前記バケットエレベータ33によって搬送された粉末状骨材をホットビン35に受け入れて貯蔵し、該粉末状骨材を適時に粉体計量槽36に投入してロードセル36aで質量を計測した後、ゲート37aを開いて2軸パドル式のミキサー37に投入する。そして、前記混練物供給装置Mから配管p1によって供給された液状混練物を計量槽38に受け入れて、ロードセル38aによって計量し、ポンプ38bにより配管p2を介して前記ミキサー37に送り、配管p2の先端に設けたスプレー管37bによってミキサー37の内部の粉末状骨材に散布して、該ミキサー37によって粉末状骨材と高温の液状混練物との撹拌、混合が行われるようになっている。
【0023】
前記ミキサー37で混合されて生成された粉末状骨材と液状混練物とからなる液状混合物は、ホッパ39を介してスキップコンベヤ40のバケット40aに受けられて上方に搬送され、硫黄固化物成型装置41に供給される。該硫黄固化物成型装置41においては、スキップコンベヤ40から供給された液状混合物が、サージビン42に貯留されると共に、適時に打設ホッパ43に落下、投入されてロードセル43aで計量されてから型枠44内に打設される。そして、型枠44内に打設された液状混合物が所定の冷却時間を経ることによって硬化して成型された硫黄固化物が製造されるようになっている。
【0024】
なお、前記混練物供給装置M、ミキサー37および計量槽38の内部の上方には、不活性ガス供給源45のガスタンク45aからコンプレッサー45bによって配管p3を介して窒素ガス等の不活性ガスが所定圧力で供給され、前記各装置M,37,38内の収容液体が空気から遮断されるようになっている。
また、前記混練物供給装置M、ミキサー37、計量槽38、ポンプ38bおよび前記配管p1,p2は、それらの外周に設けたオイルジャケットに熱油加熱器46から配管46a,46bによって熱油が循環、供給されて、それらが所定の温度(例えば、130〜150℃)に加熱されている。
【0025】
次に、前記硫黄固化物製造プラント31における前記実施の形態に係る高温粉体供給装置1の作用について具体的に説明する。
前記硫黄固化物製造プラント31の作動が開始されると、予め前記粉体サイロ2に貯蔵されて底部2bに取り付けた電気ヒータによって予熱されていた石炭灰が、底部2の開閉弁9が開かれロータリバルブ10が回転されることにより、所定流量で前記ドライヤ3内にその一端から投入され、他端の燃焼室3bから筒状部材3d内に導入されたバーナ3cの燃焼ガスの熱によって間接加熱されながら他端側に移動して、130〜150℃に乾燥加熱された石炭灰がマニホールド3eの排出口3fからスクリューフィーダ20の一端側に導入される。該スクリューフィーダ20内に導入された石炭灰は、モータ21によるスクリューの回転によって空気輸送装置7側へ移送され、シュート20bから受けホッパー18内に投入される。前記スクリューフィーダ20によって移送される石炭灰は、スクリューケース20aの外周の電気ヒータによって加熱されているので、ドライヤ3で乾燥加熱された温度を確実に維持されて前記受けホッパー18に供給される。
【0026】
一方、前記空気輸送装置7では、モータ4aによってルーツブロア4が作動されると共に空気加熱器5の電気ヒータが作動され、前記ルーツブロア4によって圧送された空気が空気加熱器5で130〜150℃に乾燥加熱された後、前記エジェクター6のエア導入管6dを経てノズル管6cによって材料導入管6a内に噴出されているので、前記ロータリバルブ19が作動されることにより、前記受けホッパー18内に受け入れられた石炭灰が所定流量で材料導入管6a内に落下導入されると、該石炭灰は前記ノズル管6cから噴出する空気によってエジェクター管6b内に引き込まれて、前記輸送管Pを通して粉体ホットビン8へ圧送される。その際、前記エア導入管6dからエア吹き込み管6fを通して材料導入管6aの石炭灰の落下部に乾燥加熱空気が供給されているので、該乾燥加熱空気によってロータリバルブ19から落下する石炭灰が、その落下を促進されてエジェクター管6bの絞り部6b1へ誘導され、これにより、石炭灰がエジェクター管6bから輸送管Pへ円滑に圧送されることとなる。
前記受けホッパー18から粉体ホットビン8に供給される石炭灰は、前記受けホッパー18、ロータリバルブ19、エジェクター6や輸送管Pの周囲に保温材7aが装着されていると共に、前記エジェクター6に空気加熱器5で乾燥加熱された空気が圧送されるので、ドライヤ3で乾燥加熱された所定の温度(130〜150℃)を良好に維持される。
【0027】
前記輸送管Pを経て粉体ホットビン8に供給された石炭灰は、先ず、サイクロン集塵機23内にその材料入口23cから導入され、石炭灰中の粉塵が除去された後、下端のホッパー23a内に落下し、ロータリバルブ24の作動によりホットビン本体8c内に落下投入されて該ホットビン本体8c内に貯蔵される。前記サイクロン集塵機23で分離された粉塵は排気口23bから配管25によって前記ダクト16aに送られ、さらに前記バグフィルタ15に送られる。前記ホットビン本体8c内に貯蔵された石炭灰は、所要時に前記ロータリバルブ26がモータ26aによって回転されることにより、材料入口27aからスクリューフィーダ27内に供給される。該スクリューフィーダ27に供給された石炭灰は、モータ29の回転によるスクリューの作動で前記混練物供給装置M側へ移送され、シュート27bから材料投入口28を経て混練物供給装置M内に投入され、その中に貯留されている改質済みの溶融硫黄と撹拌、混合される。
【0028】
前記粉体ホットビン8から前記混練物供給装置Mへの石炭灰の供給量は、前記ロータリバルブ26(モータ26a)の回転速度とその作動時間を調節することによって容易に設定することができる。前記粉体ホットビン8に貯蔵されている石炭灰は、ホットビン本体8cの外周が温度センサーの検出温度にもづいて制御される電気ヒータによって加熱されているので、常時、所定温度(130〜150℃)に安定して維持されており、ホットビン本体8cから混練物供給装置Mに移送される際にも、前記ロータリバルブ19やスクリューフィーダ27がそれらの外周を電気ヒータによって加熱されているので、外気に放熱して温度降下することがなく、混練物供給装置Mに所要温度で供給される。また、前記サイクロン集塵機23の周囲が電気ヒータで所定温度に加熱されているので、粉体ホットビン8に供給された石炭灰は、その中の粉塵容易に分離されてサイクロン集塵機23の内壁に付着することなく排出されるので、良好な性状を確保された状態で貯蔵される。
【0029】
前記のように、実施の形態に係る高温粉体供給装置1は、粉体を受け入れる粉体サイロ2と、該粉体サイロ2から供給された粉体を乾燥加熱するドライヤ3と、ブロア4が送り出した空気を空気加熱器5で乾燥加熱してエジェクター6に導入し、前記ドライヤ3からエジェクター6に供給された石炭灰を前記乾燥加熱した空気によって輸送管Pに圧送する空気輸送装置7と、該空気輸送装置7から前記輸送管Pに圧送された石炭灰を上端の入口8eから受け入れて貯蔵し、下端の排出口8fから排出するようにした粉体ホットビン8とを備え、前記粉体ホットビン8は、その外周に、内部に貯蔵された石炭灰を加熱する電気ヒータが設けられると共に、前記排出口8fに、外周に電気ヒータを設けた計量フィーダとしてのロータリバルブ26が接続され、また、前記輸送管Pの外周には保温材30が装着された構成とされている。
【0030】
したがって、石炭灰をドライヤ3で乾燥加熱して、空気輸送装置7を使用して乾燥加熱した高温の空気で保温材30を装着した輸送管Pを通して粉体ホットビン8に輸送することができるので、常温の石炭灰であっても、それを所定の温度に容易に乾燥加熱することができ、乾燥加熱した高温の石炭灰をその温度を降下させることなく粉体ホットビン8に供給することができる。また、粉体ホットビン8に供給された高温の石炭灰を、粉体ホットビン8の電気ヒータによって加熱保温するので、常時、粉体ホットビン8内に高温の石炭灰を適切な温度を維持した状態で貯蔵することができ、所要時に、所定温度の石炭灰をロータリバルブ26によって計量して溶融硫黄等の高温液体を収容した混練物供給装置M等の所要の装置に供給することができる。
【0031】
また、実施の形態に係る高温粉体供給装置1によれば、前記粉体ホットビン8の入口が、外周に電気ヒータを設けたサイクロン集塵機23を介して前記輸送管Pに接続された構成とされているので、粉体ホットビ8ンに供給された石炭灰が、前記サイクロン集塵機23内で温度降下されることなく、その中の粉塵を容易に分離され、分離された粉塵をサイクロン集塵機23の内壁に付着させることなく粉体ホットビン8外へ排出させることができるので、高温の石炭灰を粉体ホットビン8内に良好な性状を確保した状態で貯蔵することができる。
【0032】
また、実施の形態に係る高温粉体供給装置1によれば、前記サイクロン集塵機23の排気口が、前記ドライヤ3からの排気を濾過するバグフィルタ15の入口に接続されたダクト16aに配管25によって連絡された構成とされているので、サイクロン集塵機23で捕集した粉塵を大気に排出させることなく、ドライヤ3の排気を濾過するバグフィルタ15に容易に回収して確実に濾過することができる。
【0033】
さらに、実施の形態に係る高温粉体供給装置1によれば、前記ドライヤ3における乾燥加熱された石炭灰を排出する排出口3fが、外周に電気ヒータを設けたスクリューフィーダ20によって前記空気輸送装置7のエジェクター6に連絡された構成とされているので、ドライヤ3で乾燥加熱された高温の石炭灰を、スクリューフィーダ20による移送中に温度降下させることなく、所定温度を適切に維持した状態でエジェクター6に確実に供給することができる。
【0034】
なお、実施の形態に係る高温粉体供給装置1においては、前記粉体サイロ2、粉体ホットビン8、スクリューフィーダ20,27、ロータリバルブ10,19,26の周囲を加熱する加熱手段として電気ヒータを使用したが、これに代えて、前記各装置2,8,1019,20,26,27の周囲にオイルジャケットを設け、それらのオイルジャケットに熱油を循環させるようにした加熱手段を使用してもよい。また、前記粉体ホットビン8に高温粉体として石炭灰を加熱乾燥したものを貯蔵するようにしたが、これに限らず、ゴミ焼却灰、鉄鋼スラグ、珪砂、セメント、貝殻粉砕物等を乾燥加熱してなる高温粉体を貯蔵するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高温粉体供給装置を示す平面図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】同じく側面図である。
【図4】図2のA部の拡大図である。
【図5】図4のB矢視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る高温粉体供給装置を適用した硫黄固化物製造プラントの一例を示す系統図である。
【符号の説明】
【0036】
1 高温粉体供給装置
2 粉体サイロ
3 ドライヤ
4 ルーツブロア(ブロア)
5 空気加熱器
6 エジェクター
6a 材料導入管
6b エジェクター管
6c ノズル管
7 空気輸送装置
8 粉体ホットビン
15 バグフィルタ(集塵装置)
15b,19,24 ロータリバルブ
16a ダクト
18 受けホッパー
26 ロータリバルブ(計量フィーダ)
20,27 スクリューフィーダ
23 サイクロン集塵機
25 配管
5e,7a,8g,15c,20c,30 保温材
P 輸送管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を受け入れる粉体サイロと、該粉体サイロから供給された粉体を乾燥加熱するドライヤと、ブロアが送り出した空気を空気加熱器で乾燥加熱してエジェクタに導入し、前記ドライヤからエジェクタに供給された粉体を前記乾燥加熱した空気によって輸送管に圧送する空気輸送装置と、該空気輸送装置から前記輸送管に圧送された粉体を上端の入口から受け入れて貯蔵し、下端の排出口から排出するようにした粉体ホットビンとを備えた高温粉体供給装置であって、
前記粉体ホットビンは、その外周に、内部に貯蔵された粉体を加熱する加熱手段が設けられると共に、前記排出口に、外周に加熱手段を設けた計量フィーダが接続され、また、前記輸送管の外周には保温材が装着されていることを特徴とする高温粉体供給装置。
【請求項2】
前記粉体ホットビンの入口は、外周に加熱手段を設けたサイクロン集塵機を介して前記輸送管に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の高温粉体供給装置。
【請求項3】
前記サイクロン集塵機の排気口は、前記ドライヤからの排気を濾過する集塵装置の入口に配管によって連絡されていることを特徴とする請求項2に記載の高温粉体供給装置。
【請求項4】
前記ドライヤの乾燥加熱された粉体を排出する排出口は、外周に加熱手段を設けたスクリューフィーダによって前記空気輸送装置のエジェクタに連絡されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高温粉体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−31035(P2007−31035A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214554(P2005−214554)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(595088034)ニッポメックス株式会社 (11)
【Fターム(参考)】