説明

高衝撃強度フィルムおよび塩化ビニルを含まない容器およびポーチおよびオーバーポーチ

エチレン含有ポリマーからなる群より選択される第一成分、ならびにプロピレン含有ポリマー、およびメチルペンテン含有ポリマーからなる群より選択される第二成分、を有するポリマーブレンド物の単層フィルムであり、第一成分はフィルム中に重量で約60%から約1%存在し、第一成分はDSCで決定される第一融点温度を有し、第二成分はフィルム中に重量で約99%から約40%存在し、第二成分はDSCで決定される第二融点温度を有し;そしてそのフィルムは約100℃から約130℃の温度の蒸気滅菌に耐えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
適用しない
連邦政府資金による研究または開発
適用しない
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本発明は、一般に、多層フィルムを作製するためのポリマーブレンド物に関する。より詳細には、高衝撃強度および必要に応じて水およびガスの透過に対して高バリアを有する多層フィルムを作製するためのポリマーブレンド物に関する。本発明の多層フィルムは、医療および他の用途に使用される、主容器および主容器のためのオーバーポーチを作製するのに適している。
【0003】
医療分野では、一次容器は収集、保存、輸送するのに使用され、そして最終的には治療用の流体、栄養液、呼吸の治療薬、透析溶液、血液、血液製剤、血漿誘導体、血漿増量剤、代用血液、抗凝固薬、血液保存剤、および他の治療薬を送達する。しばしば、これらの一次容器はオーバーポーチのような二次容器中に配置され、水蒸気および/またはガス透過率を減少させ、一次容器内に含まれる薬剤の完全性および容積を保つ。一次容器は、一つのチューブセット、または複数のチューブセットに接続でき、他の容器を伴い治療用の流体送達セットを形成し得る。
【0004】
オーバーポーチは、独特な特性の組み合わせを有しなければならない。例えば、オーバーポーチは、視覚的に一次容器の内容物を、容器内に含まれる薬剤に対する混入物に関して検査するために、光学的に透明であることが望ましい。最低でも、容器が透明であることで、容器のラベルの印刷を読むことができなければならない。
【0005】
オーバーポーチの材料はまた広範囲の温度にわった機能的でなければならない。例えば、いくつかの予混合された薬剤溶液は−10℃の温度の容器で保存および輸送され、薬剤の劣化を最小限にする。さらに、同じパッケージはオートクレーブまたは滅菌処理に耐える能力をもたなければならず、この処理は通常約121℃の温度で、また高圧で蒸気を使って達成される。また、オーバーポーチの材料は、そのような過酷な温度にさらされた後で高衝撃強度を示さなければならない。
【0006】
さらに、オーバーポーチは、一次容器の内容物を劣化し得る酸素、湿気、および二酸化炭素に対するバリアを提供することが望ましい。
【0007】
オーバーポーチはまた、「簡単に開放される」特性、例えば、開封帯、ノッチ、スリットなどを提供することで、この場合、切断具が不要であり、この一次容器の内部に簡単にアクセスできなければならない。
【0008】
オーバーポーチは、可塑剤、安定剤などのような低分子量添加剤を含まず、またはそれらが低含量であることが望ましい。これらの添加剤は、オーバーポーチ内の一次容器の中に含まれる医薬品、または生物学的な流体の中に放出され得、それによってそのような器具を使用している患者に潜在的な危険性をもたらす。
【0009】
これらの特性は、オーバーポーチの材料において望ましいが、これらの同じ特性が一次容器そのもので達成され得るなら、オーバーポーチの必要性は除かれ得る。従って、上述した特性を示す材料から作られた一次容器を生産するのが望ましい。
【0010】
本発明は、これらの問題および他の問題を解決するために提供される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、エチレンを含むポリマーからなる群より選択される第一成分、ならびにプロピレンを含むポリマーおよびメチルペンテンを含むポリマーからなる群より選択される第二成分を有するポリマーブレンド物から作製される単層フィルムを提供し、第一成分はフィルム中に重量で約60%〜約1%の量で存在し、第一成分はDSCで決定される第一融点温度を有し、第二成分はフィルム中に重量で約99%〜約40%の量で存在し、第二成分はDSCで決定される第二融点温度を有し;そしてそのフィルムは、約100℃〜約130℃の温度の蒸気滅菌に耐えることができる。蒸気滅菌後の上記フィルムは、十分な衝撃強度を有し、破裂することなく8フィートからの落下に耐える。このフィルムは、その成分はいずれも架橋されている必要はなく、また架橋のために照射される必要もない。
【0012】
本発明はさらに、上述したポリマーブレンド物からのシール層とバリア物質の第二層とを有する複数層のフィルムを提供する。
【0013】
本発明はさらに、医療用の溶液を入れるような多くの目的のための製作用の容器、または食料品のための製作用の容器、複数チャンバーの容器、およびオーバーポーチを提供する。
【0014】
これら、および他の局面、および本発明の特性は、以下の図面および添付の明細書に関連して考察される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、多くの異なった形態で実施形態を受け入れる。本発明の好ましい実施形態は、本開示が本発明の原則の例示として考慮されるべきであり、そして本発明の広範な局面を例証した実施形態に限定する意図はないことを理解して、開示される。
【0016】
本発明は、単層のフィルムおよび複数層のフィルムを提供する。本発明の好ましい形態では、単層のフィルムは、エチレン含有ポリマーおよびプロピレン含有ポリマーの少なくとも2成分を含有するポリマーブレンド物から作製される。本発明の複数層のフィルムは、層としての単層のフィルムを含み、以下のように、ポリマー、またはポリマーブレンド物からの酸素バリア層のようなさらなる層を有する。
【0017】
(I.酸素バリアポリマーブレンド物およびそれらからの多層フィルム)
本明細書において述べられる多層フィルムの酸素と水とのバリア層に使用されるポリマーブレンド物は、エチレンビニルアルコールコポリマーおよびポリアミド含有ポリマーである。
【0018】
図1は、外部層12、バリア層14、および内部層16を有する5層のフィルム構造10を示す。図1のフィルム構造はまた、バリア層14と外部層12の間、および前記バリア層14と内部層16の間に、結合層18を含み得る。図1のフィルムのバリア層14は、エチレンビニルアルコールコポリマー、またはポリアミド含有ポリマーを含む。内部層16は、以下で詳細に考察される、エチレンおよびα−オレフィンのコポリマーとプロピレン含有ポリマーとのブレンド物を含む。外部層12は、ポリオレフィン、ポリアミド、およびポリエステルからなる群より選択される物質を含む。
【0019】
図2は、バリア層14、および結合層18によって結合された内部層16を有する3層のフィルム構造20を示す。このフィルムのバリア層14は、ポリアミド含有ポリマーから作製され、そして内部層16は図1のフィルムの内部層と同じである。
【0020】
(A.エチレンビニルアルコールコポリマー)
本発明の一つの実施形態では、エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマーは、酸素バリアコア層として使用される。適切なEVOHコポリマーは、米国特許第6,083,587号に見出され得る(全体が本明細書において参考として援用される)。この特許は、約25%〜約45%のエチレンを有し、および約150〜195℃の融点を有するEVOHコポリマーを開示している。1つの実施形態では、上記EVOHは32モルパーセントのエチレン含有量を有する。
【0021】
本発明に適した他のEVOHコポリマーは、米国特許第6,479,160号に記述されており、約44%のエチレンを含み、約29,500の数平均分子量および164℃の融点を有するエチレンビニルアルコールコポリマーである。EVOHコポリマーの他の適切なグレード品は、約32%モルのエチレンを有し、183℃の融点を有する。さらに適切なコポリマーは、約29%のエチレンを有し、約22,000の数平均分子量および188℃の融点を有する。本発明のEVOH層はさらに、機能的な、酸化し得るポリジエンまたはポリエーテルを脱酸素剤として含有し得る。適切な酸化し得るポリジエンを、以下で述べる。
【0022】
上記エチレンビニルアルコール組成物は、レトルト可能なエチレンビニルアルコールコポリマーグレード品を含み得る。本明細書において使用される用語「レトルト(retort)」とは、パッケージを121℃の蒸気で30分間の条件にさらす処置である。エチレンビニルアルコールのレトルト可能なグレード品は、121℃の蒸気で30分間の条件にさらした後に曇りまたは微細なひびがなく、鮮明なままである物質として定義される。
【0023】
EVOHの酸素バリアの性質は、水への暴露により有害に影響を受ける。従って、本発明のフィルムのEVOHバリア層14を乾燥させておくことが重要である。この目的で、外部層12を使って、内部層16を通ってバリア層14に入る水を除去するのを支援するか、またはそれ以外でバリア層14の酸素バリアの性質を保持する。
【0024】
EVOHバリア層14と共に使用される外部層12は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、またはバリア層14から水が逃れる際に助けとなる他の物質であり得る。適切なポリアミドポリマーブレンド物およびポリオレフィンポリマーブレンド物は、以下で考察される。外部層12のための適切なポリエステルには、ジカルボン酸またはポリカルボン酸およびジヒドロキシアルコールまたはポリヒドロキシアルコール、あるいはアルキレンオキシドの重縮合物が挙げられる。1つの実施形態では、上記ポリエステルは、エチレングリコールとオルトフタル酸またはイソフタル酸およびアジピン酸のような飽和カルボン酸との縮合物である。さらに好ましくは、ポリエステルには、エチレングリコールとテレフタル酸との縮合により生成されるポリエチレンテレフタレート;1,4−ブタンジオールとテレフタル酸との縮合により生成されるポリブチレンテレフタレート;ならびにポリエチレンテレフタレートコポリマーおよびポリブチレンテレフタレートコポリマー(これらのコポリマーは、フタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、グルタル酸、コハク酸、シュウ酸などのような酸成分の第3成分を有し、ならびに1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど、およびそれらのブレンドした混合物のようなジオール成分を有する)が挙げられる。
【0025】
(B.ポリアミドポリマーブレンド物)
酸素バリアの材料として使用されるための適切なポリアミドポリマーブレンド物は、米国特許第5,814,384号、同第6,410,156号、同第6,423,776号および同第6,479,160号に見い出され得る(全体が本明細書において参考として援用される)。米国特許第6,423,776号は、ポリアミドホモポリマー、ポリアミドコポリマー、またはそれらのブレンド物と、酸化し得るポリジエンまたはポリエーテルとを化合させることによって調製したポリアミド組成物を開示している。この組成物はまた、金属カルボン酸塩の触媒およびナノスケールの粘土を含み得る。
【0026】
一つの実施形態において、前記ポリアミドホモポリマーまたはポリアミドコポリマーは、分子量が約10,000〜約100,000の脂肪族ポリアミドおよび脂肪族/芳香族ポリアミドから選択される。有用な脂肪族ポリアミドホモポリマーには、ポリ(4−アミノ酪酸)(ナイロン4)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(ナイロン6、ポリ(カプロラクタム)としても公知)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9−アミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10−アミノデカン酸)(ナイロン10)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(ナイロン11)、ポリ(12−アミノドデカン酸)(ナイロン12)、ポリ(ヘキサメチレンアジポアミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバクアミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘプタメチレンピメルアミド)(ナイロン7,7)、ポリ(オクタメチレンスベルアミド)(ナイロン8,8)、ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)(ナイロン6,9)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,9)、ポリ(テトラメチレンアジポアミド(ナイロン4,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジポアミドコポリマー(ナイロン6,6/6)、ヘキサメチレンアジポアミド/カプロラクタムコポリマー(ナイロン6/6,6)、トリメチレンアジポアミド/ヘキサメチレンアゼライアミド(azelaiamide)コポリマー(ナイロントリメチル6,2/6,2)、ヘキサメチレンアジポアミド−ヘキサメチレンアゼライアミド(azelaiamide)カプロラクタムコポリマー(ナイロン6,6/6,9/6)、ポリ(テトラメチレンジアミン−co−シュウ酸)(ナイロン4,2)、n−ドデカン二酸およびヘキサメチレンジアミン(ナイロン6,12)のポリアミド、ドデカメチレンジアミンおよびn−ドデカン二酸(ナイロン12,12)のポリアミド、ならびにそれらのブレンド物およびコポリマー、ならびに本明細書で特に明確に描写しない他のポリアミドが挙げられる。
【0027】
これらのポリアミドのなかで、好ましいポリアミドには、一般にナイロン6とも呼ばれるポリカプロラクタム、および一般にナイロン6,6とも呼ばれるポリヘキサメチレンアジポアミド、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
例示的な脂肪族/芳香族ポリアミドには、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m−キシレンアジポアミド)(MXD6)、ポリ(p−キシレンアジポアミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)(ナイロン6,T)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(ナイロン6,I)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6T/6I、ポリ(テトラメチレンジアミン−co−イソフタル酸)(ナイロン4,I)、ポリアミド6/MXDT/I、ポリアミドMXDI、ヘキサメチレンアジポアミド/ヘキサメチレン−イソフタルアミド(ナイロン6,6/61)、ヘキサメチレンアジポアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6,6/6I)、および本明細書で特に明確に描写しない他のポリアミドが挙げられる。2種以上の脂肪族/芳香族ポリアミドおよび/または脂肪族ポリアミドのブレンド物も使用され得る。
【0029】
ポリアミド成分は、組成物全体で約80重量%〜約99.9重量%で、好ましくは約90重量%〜約99重量%で、より好ましくは約95重量%〜約98重量%で存在する。
【0030】
本発明のポリアミド組成物はまた、脱酸素剤として機能的な、ポリアミド適合性の、酸化し得るポリジエン、またはポリエーテルを含む。そのような脱酸素剤は、低分子量で、微粒子であり、ポリアミドに適合性で、均一に分散され得る。
【0031】
適切な脱酸素剤として機能的な,酸化し得るポリジエンの特定の限定されない例には、エポキシ官能基化ポリブタジエン(1,4および/または1,2)、無水マレイン酸でグラフト化したまたはコポリマー化したポリブタジエン(1,4および/または1,2)、エポキシ官能基化ポリイソプレン、および無水マレイン酸でグラフト化したまたはコポリマー化したポリイソプレンが挙げられる。
【0032】
脱酸素剤として機能的に酸化し得るポリエーテルの特定の限定されない例には、アミン、エポキシまたは無水物で官能基化したポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド(2,3または1,2)およびポリスチレンオキシドが挙げられる。
【0033】
1つの実施形態では、上記ポリアミド組成物はさらに低分子量金属カルボン酸塩の触媒のような金属脂肪酸塩の触媒を含む。適切な金属脂肪酸塩の触媒は、アセテート、ステアレート、プロピオネート、ヘキサノエート、オクタノエート、ベンゾエート、サルチレート、およびシンナメートまたはそれらの組み合せである対イオンを有する。好ましくは、その金属脂肪酸塩の触媒は、コバルト、銅あるいはルテニウム、アセテート、ステアレート、プロピオネート、ヘキサノエート、オクタノエート、ベンゾエート、サルチレートあるいはシンナメート、またはそれらの組み合わせである。その塩は、組成物全体で約0%〜約1重量%の量で、好ましくは約0.001重量%〜約0.5重量%で、そしてより好ましくは約0.005重量%〜約0.1重量%で存在する。最も好ましい範囲は、約0.01重量%〜約0.05重量%である。
【0034】
(C.内部層/ポリオレフィン流体コンタクト層)
図1と図2に示される本発明の多層フィルムの、または図4に示される単層フィルムとしての流体コンタクト層16は、多層フィルムに作製されたとき、食品用途の使用に適し、高衝撃強度を示す、ポリオレフィンポリマーの2成分ブレンド物から作製される。
【0035】
上記第一成分は次の群より選択される。すなわち、(1)約0.915g/cc未満の密度を有するエチレンとα−オレフィンとのインターポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートとのインターポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのインターポリマーおよび(4)一般にイオノマーと呼ばれているイオン性ポリマー。上記第二成分は次の群より選択される。すなわち、(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマーおよび(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー。上記フィルムは、照射線に暴露することも他の架橋技術を使用することもなしに、最終蒸気滅菌に耐え得る。上記第一成分は、示差走査熱量測定(DSC)で決定される第一融点温度を有し、また上記第二成分は、DSCで決定される第二融点温度を有する。第二融点温度は、第一融点温度より高い。
【0036】
上記フィルムは、ASTM D882に従って測定した場合、約60,000psi未満の弾性率を有し、ASTM D1003に従って測定した場合、約25%未満の内部ヘイズを有し、約2を超える自己付着ランキング(以下で定義される)、すなわちオーバーポーチの材料に対し、わずかの付着または付着がなく、120℃、約27psiの負荷で150%以下の試料クリープを有し、そしてこのフィルムはシールを有する容器中に熱シールされ得、ここで液体を満たした容器を約100℃〜約121℃の温度で1時間オートクレーブする場合、これらのシールは無傷のままである。
【0037】
本明細書において使われる場合、用語「インターポリマー」には、コポリマー、ターポリマーが挙げられ、ランダムかブロックのいずれかである。
【0038】
適切なエチレンとα−オレフィンとのインターポリマーでは、好ましくは、ASTM D−792で測定した約0.915g/cc未満の密度を有し、通常、非常に低密度のポリエチレン(VLDPE)、超低密度のエチレン(ULDPE)などと呼ばれている。前記α−オレフィンは、3〜17個の炭素を、より好ましくは4〜12個の炭素を、最も好ましくは4〜8の炭素を有すべきである。本発明の好ましい形態では、エチレンとα−オレフィンコポリマーは、シングルサイト触媒を使用して得られる。適切なシングルサイト触媒系は、とりわけ、米国特許第5,783,638号および米国特許第5,272,236号に開示された触媒系である。適切なエチレンとα−オレフィンとのコポリマーには、アフィニティー(AFFINITY)の商品名でDow Chemical Companyにより販売されているコポリマー、エンガゲ(ENGAGE)の商品名でDuPont−Dowにより販売されているコポリマー、イグザクト(EXACT)およびプラストマー(PLASTOMER)の商品名でExxonにより販売されているコポリマーが挙げられる。しかし、適切なエチレンとα−オレフィンとのコポリマーはまた、チーグラー/ナッタ型の触媒を使用して提供され得る。
【0039】
用語「低級アルキルアクリレート」は、式1に記述されている化学式を有するコモノマーを意味する。
【0040】
【化1】

R基は、1〜17個の炭素を有するアルカンを意味する。従って、用語「低級アルキルアクリレート」には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
用語「アルキル置換アルキルアクリレート」は、式2に記述した化学式を有するコモノマーを意味する。
【0042】
【化2】

とRは、1〜17個の炭素を有するアルカンであり、同じ炭素数または異なった炭素数を有し得る。よって、用語「アルキル置換アルキルアクリレート」は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルエタクリレート、エチルエタクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルエタクリレートなどを含むが、これらに限定されない。
【0043】
環状オレフィンおよび架橋多環式炭化水素の適切なホモポリマーおよびコポリマーならびにそれらのフィルムは、米国特許第5,218,049号、同第5,854,349号、同第5,863,986号、同第5,795,945号、同第5,792,824号;および欧州特許第EP 0291,208号、同第EP 0283,164号、同第EP 0497,567号に見出され得る(全体および一部が本明細書において参考として援用される)。
【0044】
本発明の好ましい形態では、適切な環状オレフィンモノマーは、その環に5〜約10個の炭素を有する、単環式の化合物である。それらの環状オレフィンは、置換および非置換のシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、およびシクロオクテンからなる群より選択され得る。適切な置換基には、低級アルキル、アクリル酸誘導体などが挙げられる。
【0045】
本発明の好ましい形態では、適切な、架橋した多環式炭化水素モノマーは、2個以上の環を有し、より好ましくは少なくとも7個の炭素を含む。それらの環は、置換されるか、非置換であり得る。適切な置換基には、低級アルキル、アリール、アラルキル、ビニル、アリルオキシ、(メタ)アクリルオキシなどが挙げられる。それらの架橋した多環式炭化水素は、上記援用した特許および特許出願書類で開示された架橋した多環式炭化水素からなる群より選択される。適切な、架橋した、多環式炭化水素を含むポリマーは、商品名トパス(TOPAS)でTiconaにより、商品名ゼオネックスおよびゼオノアで日本ゼオンにより、商品名CZレジンで大協ゴム精工により、そして商品名アペル(APEL)で三井化学により販売されている。
【0046】
本発明の好ましい形態では、上記ブレンド物の1つから形成された単層フィルムは、次の物理的特性を有する。すなわち、(1)ASTM D882に従って測定した場合、約60,000 psi未満の弾性率、(2)ASTM D1003に従って測定した場合約25%未満の内部ヘイズ、(3)以下で定義される、約2を超える自己付着ランキング、(4)オーバーポーチの材料に対して基本的に無付着、(5)120℃、約27psiの負荷で150%以下の試料クリープを有する、(6)このフィルムはシールを有する容器中に熱シールされ得、ここで液体を満たした容器を約121℃の温度で1時間オートクレーブする場合、これらのシールは無傷のままである。
【0047】
このフィルムはまた、流動性の物質用の容器を作製するのに十分に可撓性である。ASTM D−882に従って測定したとき、このフィルムは、約60,000 psi未満の、より好ましくは約40,000 psi未満の、さらに好ましくは約30,000未満の、最も好ましくは約20,000 psi未満の弾性率を有する。前記流動性物質用の容器が、I.V.容器の場合、排出した際にこの容器はつぶれるか、実質的につぶれるのが望ましい。従って、ASTM D882に従って測定した場合、この容器は、約40,000 psi未満の、より好ましくは約30,000 psi未満の、そしてさらに好ましくは約20,000 psi未満の弾性率を有するべきである。
【0048】
本発明の目的の場合、自己付着は、オートクレーブしている際にフィルムがそれ自体に接着する傾向として定義される。この性質は、次の試験で決定され得る。フィルム片は、大きい寸法の側を機械の方向にして、8インチ×2インチに切断される。これらの片は、直径約0.5インチで、長さ2インチのチューブにロールされる。この巻かれたフィルムは、これらのフィルム層を紙クリップで一端で押し付け合わせて、所定の場所に保つ。次に、これらのチューブを121℃で30分間、蒸気のオートクレーブ中に保持する。それらの試料を、少なくとも1時間、放冷する。そして、そのフィルムを解く。解きに対する抵抗およびフィルムに対する相対損傷は、表1に示すように、次のようにランク付けされる。
【0049】
【表1】

ランクは、3人以上の個人によって決められ、平均を記録する。
【0050】
オーバーポーチの材料に対する付着は、次の定性的試験によって決定される。1インチ幅のフィルム片を、典型的なオーバーポーチバッグ(中程度密度または高密度ポリエチレン)の中にシールする。そして、そのオーバーポーチバッグを実験室オートクレーブに入れ、252°F、24.5 psigゲージ圧で1時間保つ。オートクレーブで処理後、バッグを切り開けて、それらの片を取り出す。フィルム表面上に傷跡を残さずに、それらのフィルムがオーバーポーチから分離されたら、非付着のランキング(N)とする。フィルムの分離によって識別できる傷が生じた場合、ランキングを(Y)とし、これはオーバーポーチに対するべたつきが存在することを示す。わずかな付着(S)を示すランキングもまた与えられ得る。
【0051】
クリープ性は、約5 mils〜約15 milsの厚さを有するフィルム片を挟みつけて、約27 psiの応力を生じる重さを負荷し、温度を調節したオーブン内120℃で決定される。40分間の負荷後、フィルム片を取り出し、前もってマークした1インチの間隔で寸法の変化を記録した。
【0052】
このフィルムは、標準加熱シール技術を使用してシールされ得る。図3に示した容器のような流体容器が、中央に配置した流体チャンバーを規定する周辺端をシールすることによってフィルムから作製される場合に、適切な熱シールが形成される。この容器は水で満たされ、標準オートクレーブ滅菌法に供される。適切な熱シールは、オートクレーブサイクルが完了した際に、無傷のままである。
【0053】
本発明のフィルムは、ASTM D1003に従って測定したとき、約25%未満の、最も好ましくは約15%未満のヘイズを有する。本発明の目的のために、内部ヘイズは、両フィルム表面がイソプロピルアルコールで湿潤しているときに測定したヘイズ値と定義する。
【0054】
第一成分は、ポリマーブレンドの重量による量で1%〜約60%、より好ましくは5%〜60%、より好ましくは約10%〜約50%で存在する。
【0055】
第一成分は、単一のエチレン含有ポリマーか、または第一成分の場合で記述された範囲を、合計で重量単位で構成する2個以上のエチレン含有ポリマーのブレンド物であり得る。そのようなブレンド物の融点温度は、単一の明確な複合体融点、またはそのブレンド物の各エチレン含有ポリマーのピーク、またはそれらの組み合わせを示す。
【0056】
適切なエチレン含有ポリマーには、すでに記述されたエチレンホモポリマーとエチレンコポリマーからなる群より選択されるポリマーが挙げられる。適切なエチレンおよびα−オレフィンコポリマーは、約0.915g/cc未満の、より好ましくは約0.905g/cc未満の、最も好ましくは約0.900g/cc未満の密度を有する。適切なポリマーには、超低密度のポリエチレン(ULDPE)、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、およびエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、エチレン含有ポリマーは、商品名アフィニティー(AFFINITY)、最も好ましくはアフィニティーPL 1880およびアフィニティーVP 8770で、Dow Chemical Companyより、ならびに商品名エンガゲ(ENGAGE)、最も好ましくはエンガゲ8003で、DuPont−Dowより販売されているポリマーである。
【0057】
第二成分は、そのブレンド物の残りの重量パーセント部分を構成し、そして単独でまたは合計で第一成分に対して上述したブレンド物から逆の重量パーセント範囲で存在する。従って、第一成分が、約99%から約40%で存在すれば、第二成分またはさらなる成分の和は逆、すなわち約5%から約50%である。
【0058】
第二成分は、単一のプロピレン含有ポリマー、または単一のメチル−ペンテン含有ポリマーであり得る。第二成分はまた、2個以上のプロピレン含有ポリマーのブレンド物、2個以上のメチル−ペンテン含有ポリマーのブレンド物、または少なくとも1個のプロピレン含有ポリマーと少なくとも1個のメチル−ペンテン含有ポリマーとのブレンド物であり得る。
【0059】
適切なプロピレン含有ポリマーには、ポリプロピレンのホモポリマー、2〜18個の炭素を有するα−オレフィンから選択される1個以上のコモノマーを有する、プロピレンのコポリマーおよびターポリマーからなる群より選択されるものが挙げられる。適切なポリプロピレンコポリマーおよびターポリマーには、ランダムまたはブロックのプロピレンとエチレンのコポリマー、あるいはランダムまたはブロックのプロピレン/エチレン/ブテンターポリマーが挙げられる。適切なプロピレンとα−オレフィンのコポリマーは、商品名PRO FAX、好ましくはPRO FAX SA−861で、Basellにより、そしてExxon PP3505GE1としてExxonにより販売されている。本発明の好ましい形態では、第二成分は、DSCで決定される約135℃以上の明瞭な融点温度、明瞭な複合体融点温度、または第二成分の副成分の各々と関連した融点温度またはそれらの組み合わせを有する。さらに、本発明の好ましい形態では、第一成分は、約200,000psi未満の,さらに好ましくは約150,000 psi未満の、そして最も好ましくは約100,000psi未満の弾性率を有する。
【0060】
高溶融強度のポリプロピレンを使用することは望ましくもあり得る。高溶融強度のポリプロピレンは、10グラム/10分〜800グラム/10分、より好ましくは30グラム/10分〜200グラム/10分、またはこれらの範囲のうちの任意の範囲またはそれらの範囲の組み合わせのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーであり得る。高溶融強度のポリプロピレンは、プロピレン単位の遊離末端長鎖分枝を有することが公知である。高溶融強度特性を示すポリプロピレンを調製する方法は、米国特許第4,916,198号、同第5,047,485号、および同第5,605,936号に記述されている(全体または一部が本明細書において参考として援用される)。1つのそのような方法には、線形のプロピレンポリマーの鎖切断が実質的な量で起こるには十分だが、その物質がゼラチン状になるには不十分な時間の間、1〜10メガラド/分の線量で高エネルギーイオン化エネルギー照射を用いて、活性酸素濃度が体積で約15%である環境で、線形のプロピレンポリマーを照射することが含まれる。この照射によって、鎖が切断される。鎖断片の引き続く再結合よって、新しい鎖が形成され、また鎖断片が結合して分枝が形成される。これによってさらに、望ましい、遊離末端長鎖分枝、高分子量の、非線形の、プロピレンポリマー物質が生じる。長鎖分枝の有意な量が生じるまで、照射を継続する。次に、この物質を処理して、この照射された物質に存在するフリーラジカルを実質的に全て不活性化する。
【0061】
高溶融強度のポリプロピレンはまた、米国特許第5,416,169号に記述されているように(全体または一部が本明細書において参考として援用される)、特定の有機過酸化物(ペルオキシジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル)を特定の条件の下でポリプロピレンと反応させ、続いて溶融混練すると、得ることができる。そのようなポリプロピレンは、実質的に1の分枝因子を有する、線形で、結晶性ポリプロピレンであり、従って、遊離末端長鎖分枝を有することは無く、約2.5dl/g〜10dl/gの固有粘度を有する。
【0062】
本発明はさらに、チーグラー/ナッタ、そしてより好ましくはシングルサイトおよびメタロセン触媒を使用する方法で得られるポリプロピレンポリマーを使うことを考慮する。
【0063】
本発明はまた、上記フィルムの第二成分としてプロピレン含有ポリマーのブレンド物を使用することを考慮する。本発明の好ましい形態では、ブレンド物は少なくとも第一プロピレン含有ポリマーおよび第二プロピレン含有ポリマーを含む。第一プロピレン含有ポリマーと第二プロピレン含有ポリマーは、すでに記述した、プロピレンホモポリマー、プロピレンコポリマーおよびプロピレンターポリマーから選択され得る。本発明の好ましい形態では、第一プロピレン含有ポリマーは、二点のうちで少なくとも一点で、第二プロピレン含有ポリマーと異なる。第一の違いでは、第一プロピレン含有ポリマーは好ましくは、第二プロピレン含有ポリマーのメルトフローレートより約3倍大きい、より好ましくは約5倍大きいメルトフローレートを有することである。第二の違いでは、第一プロピレン含有ポリマーは好ましくは、第二プロピレン含有ポリマーより少なくとも約5℃だけ高い、より好ましくは少なくとも約10℃だけ高い融点を有することである。融点は、ASTM D3417に従って測定される(融解のエンタルピーとポリマーの結晶化は示差走査熱量測定による)。第一プロピレン含有ポリマーは、第一の違いで、第二の違いで、または両方で、第二プロピレン含有ポリマーとは異なる。
【0064】
適切なメチルペンテン含有ポリマーには、4−メチルペンテン−1のホモポリマー;2〜18個の炭素を有するα−オレフィンから選択される1個以上のコモノマーを有する、メチルペンテンのコポリマーおよびターポリマーが挙げられる。好ましいメチルペンテン含有ポリマーは、商品名TPXJでMitsui Petrochemical(三井化学)、Ltd.により販売されている。
【0065】
本発明の好ましい形態には、第一成分は、連続相として公知の相を構成し、そして第二成分または他のさらなる成分は、存在し得る場合分散相を構成する。
【0066】
追加のポリマーの処理成分を本発明のブレンド物に添加し得ることもまた考慮される。例えば、脂肪酸アミドまたは珪藻土を添加するのは望ましいことであり得る。適切な脂肪アミドには、10〜30個の炭素を有する脂肪酸から誘導され、最も好ましくはエルカ酸から誘導される脂肪アミドが挙げられる。
【0067】
第二ポリマーブレンド物は、押出成形のような標準のポリマー処理技術を使用して単層フィルムに作製され得る。
【0068】
本明細書において使用される場合、用語「インターポリマー」にはコポリマー、ターポリマーが含まれ、ランダムか、ブロックである。
【0069】
(D.結合層)
米国特許第6,083,587号に記述された適切な結合層には、無修飾ポリオレフィンをブレンドした修飾ポリオレフィンブレンド物が含まれる。修飾ポリオレフィンは典型的には、ポリエチレンまたはポリエチレンコポリマーである。これらのポリエチレンは、超低密度のポリエチレン(ULDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度のポリエチレン(LLDPE)、中間密度のポリエチレン(MDPE)、および高密度のポリエチレン(HDPE)であり得る。修飾ポリエチレンは、0.850〜0.95g/ccの密度を有し得る。
【0070】
ポリエチレンは、カルボン酸および無水カルボンでグラフトすることによって修飾され得る。適切なグラフト用モノマーには、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、シクロヘキシ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、4−メチルシクロヘキシ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、x−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水シクロヘキシ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、無水4−メチルシクロヘキシ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、無水ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、および無水x−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,2−ジカルボン酸が挙げられる。
【0071】
他のグラフト用のモノマーの例には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(glycidal)、モノエチルマレエート、ジエチルマレエート、モノメチルマレエート、ジエチルマレエート、モノメチルフマレート、ジメチルフマレート、モノメチルイタコネート、およびジエチルイタコネートのような不飽和カルボン酸のC〜Cアルキルエステルまたはグリシジルエステル誘導体;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸N−モノエチルアミド、マレイン酸N,N−ジエチルアミド、マレイン酸N−モノブチルアミド、マレイン酸N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸N−モノエチルアミド、フマル酸N,N−ジエチルアミド、フマル酸N−モノブチルアミドおよびフマル酸N,N−ジブチルアミドのような不飽和カルボン酸のアミド誘導体;マレイミド、N−ブチルマレイミド(buty)およびN−フェニルマレイミドのような不飽和カルボン酸のイミド誘導体;およびアクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウムおよびメタクリル酸カリウムのような不飽和カルボン酸の金属塩が挙げられる。より好ましくは、上記ポリオレフィンが縮合環の無水カルボン酸によって修飾され、そして最も好ましくは無水マレイン酸で修飾される。
【0072】
上記無修飾ポリオレフィンは、ULDPE、LLDPE、MDPE、HDPEおよびビニルアセテートおよびアクリル酸を有するポリエチレンコポリマーからなる群より選択され得る。適切な修飾ポリオレフィンブレンド物は、例えば、商品名BYNELでDuPontにより、商品名PLEXARでChemplex Companyより、および商品名PREXARでQuantum Chemical Co.より販売されている。
(II.ポリマーおよびフィルム処理)
上記ポリマーブレンド物は、当業者に周知の標準技術により層構造に処理され得る。使用され得る1つの処理方法は、インフレーション法および水クエンチ法があり、上記フィルムは高温で押出される。使用され得る他の処理方法は、インフレーション法および空気クエンチ法であり、上記フィルムは高温で押出される。この処理では、内部チューブが高温度押出成形で滅菌され、そしてろ過で洗浄される。あるいは、滅菌された空気を使ってチューブを膨らませる。次に、チューブのセクションは、シールされ、食品用途の容器に形成される。チューブ中の空気は、容器が両側でシールされる前に排除される。チューブの両側がシールされているので、製作前の容器の内部には汚染が生じない。これによって、滅菌された食品は本発明の容器によって汚染されず、さらに本発明の容器が無菌のパッケージ用途に適することが保証される。
【0073】
上記フィルムはまた、例えば、押出成形、同時押出成形、押出成形コーティング、インフレーション法、キャスト押出、カレンダー法、ラミネーション、ブロー成形または当該分野で周知の他の方法を使用して調製され得る。
【0074】
(III.流体用の容器)
上述した多層フィルムは、レトルト加熱用途に使用される大きな食品用容器の作製に適している。本発明のフィルムで作った食品用容器は、加熱処理後に高衝撃強度を保ち、さらに不具合なく続く冷凍およびマイクロ波加熱に耐えることができる。
【0075】
図3は、図1および図2の多層フィルムまたは図4の単層フィルムで作られた容器30を示す。容器30は、上記容器の周辺端32に沿って熱シールされ、流体、または半固体の食品用の、中央に配置したチャンバー34を規定する。これらのフィルムはまた、チャンバーと外周の周りのパーマネントシール50とを分離する剥離可能なシール52を有する、複数チャンバーの容器(図5)の作製に使用され得る。そのような剥離シール容器は、米国特許出願公開第2002/0115795号に開示されている(全体が本明細書において参考として援用される)。
【0076】
本発明の上記ポリオレフィン流体コンタクト層16は、標準の熱シール技術を使用することによって熱シールされ得る。図3に示された容器のような容器が、中央に配置された流体用チャンバーを規定する周辺端をシールすることによって上記フィルムから作製されるときに、適切な熱シールが形成される。上記容器に水を満たし、そして標準のレトルト滅菌法にかける。レトルトサイクルを完了した際に、適切な熱シールは無傷のままである。本発明のフィルムは、容器に作製され得、当該分野で周知の形成法、充填法、そしてシール法によって充填される。
【0077】
上述したポリオレフィン流体コンタクト層は、本発明の多層フィルムで作った容器に顕著な衝撃抵抗を与える。6.5リットルまでを収納するシールポーチに作られたとき、本発明の多層フィルムは、破損すること無く、8フィートの衝撃強度に耐えることができる。
【0078】
(IV.物性)
(A.衝撃強度)
液体または半液体物質をパッケージするための、業務用サイズのプラスチック容器が関連した問題の一つは、熱滅菌後の衝撃力に耐えられないことである。この熱はシールを弱くし、そして落下の際の液圧が、水平方向に高い応力を引き起こす。従って、各ポーチまたは容器の必須特性は、取扱いや輸送中の衝撃に耐え得ることである。当該産業界は、ケースで発送するためのポーチや容器の適正を決定するための幾多の試験を開発している。その内の二つにASTM標準とNSTA標準がある。その上、個々のポーチに関する落下試験は、ポーチの衝撃強度を定性的に決定するための信頼性のある試験を提供することが分かっている。これらの試験には、レトルト前の各ポーチの複数の落下が関わる。
【0079】
本発明のポリマーフィルムで作った容器は、6リットルの容器について破損することなく、8フィートからの衝撃強度に耐え得る。
【0080】
(B.高温および低温性能)
本発明の流動性物質用の容器は、もろくなり過ぎずに−20℃の状態にさらされることができ、そして例えば、マイクロ波オーブンを使用して、100℃まで加熱され得る。この容器はまた、オートクレーブ滅菌法にさらされ得、ここで本発明のフィルムまたは容器は、1時間121℃にさらされる。
【0081】
(C.フィルムの厚さ)
構造10の層の相対的厚さは、例えば、6.5Lの体積の容器の場合は次の通りである。コア層は、3.5mil〜約5.5milの厚さまたはその範囲のうちの任意の範囲またはその範囲の組み合わせの厚さを有すべきである。外部層は好ましくは、約0.5〜約2.5milの厚さまたはその範囲のうちの任意の範囲またはその範囲の組み合わせの厚さを有する。内部層16は、約0.5〜約2.5milの厚さまたはその範囲のうちの任意の範囲またはその範囲の組み合わせの厚さを有する。
【0082】
(D.フィルムおよび容器の滅菌)
本明細書におけるフィルムおよび容器は最終蒸気滅菌、照射への暴露、および酸化エチレンへの暴露を含む多数の技術を使用して滅菌され得る。最終滅菌は、典型的には、100℃より高い温度でフィルムまたは容器を蒸気に暴露することが含まれるが、典型的には121℃だが、また130℃までが含まれる。典型的には、最終滅菌には、30分〜1時間の時間の間で121℃の蒸気が使用される。
【0083】
特定の実施形態が例示され、また記述されてきたが、多数の変形が本発明の精神を逸脱すること無く考慮され、また保護の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の複数層のフィルムの横断面図である。
【図2】図2は、本発明の複数層のフィルムの横断面図である。
【図3】図3は、本発明のフィルムから作製した流動性材料の容器である。
【図4】図4は、本発明の単層フィルムである。
【図5】図5は、チャンバーを分離している、剥離可能なシールを有する複数のチャンバーの容器である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン含有ポリマーからなる群より選択される第一成分、ならびにプロピレン含有ポリマー、およびメチルペンテン含有ポリマーからなる群より選択される第二成分を有するポリマーブレンド物を含む、単層フィルムであって、該第一成分は該フィルム中に重量で約60%〜約1%存在し、該第一成分はDSCで決定される第一融点温度を有し、該第二成分は該フィルム中に重量で約99%〜約40%存在し、該第二成分はDSCで決定される第二融点温度を有し;そして該フィルムは、約100℃〜約130℃の温度の蒸気滅菌に耐えることができる、単層フィルム。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルムであって、前記第二融点温度は前記第一融点温度より高い、フィルム。
【請求項3】
請求項1に記載のフィルムであって、ここで前記エチレン含有ポリマーはチーグラー/ナッタ(Ziegler−Natta)およびシングルサイト(single−site)からなる群より選択される触媒を使用して得られる、フィルム。
【請求項4】
請求項1に記載のフィルムであって、ここで前記エチレン含有ポリマーはエチレンホモポリマー、およびエチレンコポリマーからなる群より選択される、フィルム。
【請求項5】
請求項1に記載のフィルムであって、ここで前記プロピレン含有ポリマーはプロピレンホモポリマー、およびプロピレンコポリマーからなる群より選択される、フィルム。
【請求項6】
請求項5に記載のフィルムであって、ここで前記プロピレン含有ポリマーはチーグラー−ナッタおよびシングルサイトからなる群より選択される触媒を使用して得られる、フィルム。
【請求項7】
請求項1に記載のフィルムであって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは高溶融強度のポリマーである、フィルム。
【請求項8】
請求項7に記載のフィルムであって、ここで前記高溶融強度のプロピレン含有ポリマーは、電子ビーム法および反応器作製法から作られたプロピレン含有ポリマーから選択される、フィルム。
【請求項9】
請求項1に記載のフィルムであって、さらに脱酸素剤を含む、フィルム。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルムであって、ここで前記脱酸素剤が酸化され得るポリジエンである、フィルム。
【請求項11】
請求項9に記載のフィルムであって、ここで前記脱酸素剤が酸化され得るポリエーテルである、フィルム。
【請求項12】
請求項1に記載のフィルムであって、ここで該フィルムは、押出し法、カレンダー法、インフレーション法、およびブロー成形法からなる群より選択される方法により調製される、フィルム。
【請求項13】
請求項1に記載のフィルムであって、該フィルムは液体を満たす容器に作製されることができ、ここで該容器は、8フィートから落下されたとき、破裂に耐える十分な衝撃強度を有する、フィルム。
【請求項14】
請求項1に記載のフィルムであって、該フィルムは液体を満たす容器に作製されることができ、ここで該容器は、最後に121℃で1時間蒸気に暴露することにより殺菌され得る、フィルム。
【請求項15】
請求項1に記載のフィルムであって、蒸気滅菌、放射線への暴露、そして酸化エチレンへの暴露により滅菌されることができる、フィルム。
【請求項16】
請求項1に記載のフィルムであって、剥離シールを形成して、複数のチャンバーの容器を形成できる、フィルム。
【請求項17】
請求項16に記載のフィルムであって、さらに永久シールを形成でき、複数のチャンバーの容器を形成できる、フィルム。
【請求項18】
バリアー層とシール層とを含む多層フィルムであって、
該シール層は(i)エチレンおよびオレフィンのコポリマーと(ii)プロピレン含有ポリマーとのブレンド物を含み、該(i)コポリマーは約0.915g/cc未満の密度を有し、また該(i)コポリマーは該ブレンド物中で約60重量%〜約1重量%の量であり、該(ii)プロピレン含有ポリマーは該ブレンド物中で約99重量%〜約40重量%の量であり;
該フィルムは熱シールされてシールを有する容器になり得、ここで該容器を121℃で60分間レトルトで加熱したとき、該シールは無傷のままであり、そして該容器は8フィートから落とした(重さを指定しない)とき破裂しない、多層フィルム。
【請求項19】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで前記バリア層は、ポリアミドおよびエチレンアルコールコポリマーからなる群より選択されるバリア物質を含む、フィルム。
【請求項20】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマーからなる群より選択される、フィルム。
【請求項21】
請求項20に記載のフィルムであって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは、チーグラー−ナッタおよびシングルサイトからなる群より選択される触媒を使用して得られる、フィルム。
【請求項22】
請求項20に記載のフィルムであって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは、高溶融強度のポリマーである、フィルム。
【請求項23】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは、第一のプロピレン含有ポリマーと第二のプロピレン含有ポリマーとのブレンド物である、フィルム。
【請求項24】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで前記第一プロピレン含有ポリマーは第一メルトフローレートを有し、前記第二プロピレン含有ポリマーは第二メルトフローレートを有し、そして該第一メルトフローレートは該第二メルトフローレートより高い、フィルム。
【請求項25】
請求項24に記載のフィルムであって、ここで前記第一メルトフローレートは、前記第二メルトフローレートより約3倍大きい、フィルム。
【請求項26】
請求項24に記載のフィルムであって、ここで前記第一メルトフローレートは前記第二メルトフローレートより約5倍大きい、フィルム。
【請求項27】
請求項23に記載のフィルムであって、ここで前記第一プロピレン含有ポリマーは第一融点温度を有し、前記第二プロピレン含有ポリマーは第二融点温度を有し、そして該第一融点温度は該第二融点温度より少なくとも約5℃だけ高い、フィルム。
【請求項28】
請求項23に記載のフィルムであって、ここで前記第一プロピレン含有ポリマーは第一融点温度を有し、前記第二プロピレン含有ポリマーは第二融点温度を有し、そして該第一融点温度は該第二融点温度より少なくとも約10℃だけ高い、フィルム。
【請求項29】
請求項1に記載のフィルムであって、前記シール層ブレンド物はさらに脱酸素剤を含む、フィルム。
【請求項30】
請求項19に記載のフィルムであって、ここで前記バリア層ブレンド物はさらに脱酸素剤を含む、フィルム。
【請求項31】
請求項29に記載のフィルムであって、ここで前記脱酸素剤は、酸化し得るポリジエンである、フィルム。
【請求項32】
請求項29に記載のフィルムであって、ここで前記脱酸素剤は、酸化し得るポリエーテルである、フィルム。
【請求項33】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで前記バリア層はさらに金属脂肪酸塩を含む、フィルム。
【請求項34】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで前記α−オレフィンは3〜17個の炭素を有する、フィルム。
【請求項35】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで前記α−オレフィンは4〜8個の炭素を有する、フィルム。
【請求項36】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで前記エチレンおよび前記α−オレフィンコポリマーは、シングルサイト触媒を使用して得られる、フィルム。
【請求項37】
請求項18に記載のフィルムであって、ここで該フィルムはさらに、前記バリア層を前記内部層に接着する結合層を含む、フィルム。
【請求項38】
請求項18に記載のフィルムであって、該フィルムは照射および酸化エチレンによる他の滅菌方式によって最後に滅菌されることができる、フィルム。
【請求項39】
請求項18に記載のフィルムであって、該フィルムは剥離シールを形成し、複数チャンバーの容器を形成できる、フィルム。
【請求項40】
請求項18に記載のフィルムであって、該フィルムはパーマネントシールを形成し、複数チャンバーの容器を形成できる、フィルム。
【請求項41】
容器であって、該容器はチャンバーを規定する壁を備え、該壁はバリア層およびポリマーブレンド物のシール層を有し、該ポリマーブレンド物はエチレン含有ポリマーからなる群より選択される第一成分およびプロピレン含有ポリマーおよびメチルペンテン含有ポリマーからなる群より選択される第二成分のポリマーブレンド物であり、該第一成分は該フィルム中に重量で約60%〜約1%の量で存在し、該第一成分はDSCで決定される第一融点温度を有し、第二成分は、プロピレン含有ポリマーおよびメチルペンテン含有ポリマーからなる群より選択され、該第二成分は該フィルム中に重量で約99%〜約40%の量で存在し、該第二成分はDSCで決定される第二融点温度を有し、そして該容器は121℃で60分間の蒸気滅菌に耐えることができ、また8フィートの高さからの落下に、破裂することなく、十分耐える衝撃強度を有する、容器。
【請求項42】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマーからなる群より選択される、容器。
【請求項43】
請求項42に記載の容器であって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは、チーグラー/ナッタおよびシングルサイトからなる群より選択される触媒を使用して得られる、容器。
【請求項44】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは高溶融強度のポリマーである、容器。
【請求項45】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記プロピレン含有ポリマーは、第一プロピレン含有ポリマーおよび第二プロピレン含有ポリマーのブレンド物である、容器。
【請求項46】
請求項45に記載の容器であって、ここで前記第一プロピレン含有ポリマーは第一メルトフローレートを有し、前記第二プロピレン含有ポリマーは第二メルトフローレートを有し、そして該第一メルトフローレートは該第二メルトフローレートより高い、容器。
【請求項47】
請求項45に記載の容器であって、ここで前記第一メルトフローレートは前記第二メルトフローレートより約3倍大きい、容器。
【請求項48】
請求項45に記載の容器であって、ここで前記第一メルトフローレートは、前記第二メルトフローレートより約5倍大きい、容器。
【請求項49】
請求項45に記載の容器であって、ここで前記第一プロピレン含有ポリマーは第一融点温度を有し、前記第二プロピレン含有ポリマーは第二融点温度を有し、そして該第一融点温度は該第二融点温度より少なくとも約5℃高い、容器。
【請求項50】
請求項45に記載の容器であって、ここで前記第一プロピレン含有ポリマーは第一融点温度を有し、前記第二プロピレン含有ポリマーは第二融点温度を有し、そして該第一融点温度は該第二融点温度より少なくとも約10℃だけ高い、容器。
【請求項51】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記シール層ブレンド物はさらに脱酸素剤を含む、容器。
【請求項52】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記バリア層ブレンド物はさらに脱酸素剤を含む、容器。
【請求項53】
請求項52に記載の容器であって、ここで前記脱酸素剤は酸化し得るポリジエンである、容器。
【請求項54】
請求項52に記載の容器であって、ここで前記脱酸素剤は酸化し得るポリエーテルである、容器。
【請求項55】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記バリア層はさらに金属脂肪酸塩を含む、容器。
【請求項56】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記エチレン含有ポリマーはα−オレフィンである、容器。
【請求項57】
請求項56に記載の容器であって、ここで前記α−オレフィンは、3〜17個の炭素を有する、容器。
【請求項58】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記α−オレフィンは、4〜8個の炭素を有する、容器。
【請求項59】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記エチレンおよびα−オレフィンのコポリマーは、シングルサイト触媒を使用して得られる、容器。
【請求項60】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記容器は、さらに前記バリア層を前記内部層に接着させる結合層を含む、容器。
【請求項61】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記バリア層は、エチレンビニルアルコールおよびポリアミドから選択される、容器。
【請求項62】
請求項41に記載の容器であって、ここで該容器は剥離シール材を有し、複数のチャンバーを形成する、容器。
【請求項63】
請求項41に記載の容器であって、ここで該容器は−20℃で流体を保存し、そしてマイクロ波オーブンで100℃で加熱される、容器。
【請求項64】
請求項41に記載の容器であって、ここで前記容器は−20℃で流体を保存し、121℃でオートクレーブで加熱される、容器。
【請求項65】
請求項41に記載の容器であって、ここで該容器は、無菌充填に適した空バッグおよび高温流体充填のための高級な流体バッグのためのブローフィルム法(brown film process)の間に、0.22μmのエアフィルターおよび濾過水クエンチを使用することによって無菌チューブフィルム製造法により製造される、容器。
【請求項66】
請求項41に記載の容器であって、ここで121℃での前記加熱の後、前記容器表面はべたつきがない、容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−509206(P2007−509206A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535538(P2006−535538)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/032545
【国際公開番号】WO2005/040268
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】