説明

高速マイクロジェット状の流体を供給する装置および方法

本発明は、マイクロジェット状の流体を供給する装置および方法に関する。高速マイクロジェット状の流体を供給する、小型で低コストの装置を提供するため、流体を収容する容器(2)を有する装置(1)が提案され、この流体は、前記容器(2)のオリフィス(3)を介して供給される。また、装置は、さらに、前記容器(2)と協働するアクチュエータ(5)を有し、前記アクチュエータ(5)は、薄膜変換器膜(6)を有し、該変換器膜(6)は、少なくとも2つの変換器素子(15)に分割され、該変換器素子(15)は、変換器配列を構成し、この配列において、各変換器素子(15)は、変換器膜(6)のある一部分に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速マイクロジェット状の流体を供給する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体に薬剤を供給する主な方法は、薬の経口摂取によるものである。他の方法には、注射によるものや、肺へのおよび経粘膜的な薬剤供給によるものが含まれる。薬剤供給の別の方法は、経皮的な薬剤供給法である。経皮的な薬剤供給法は、皮膚保護層に対して、直接医療用物質を供給する方法である。経皮的な薬剤供給法は、他の薬剤供給法を超える多くの利点を有し、例えば、第1のパスの新陳代謝が回避される。
【0003】
肌全体への薬剤の拡散に対する主な障害は、肌の最外層である角質層である。角質層全体にわたり、経皮的な薬剤供給を高める各種方法が考案されており、特に、化学的、電圧帯電、超音波、熱処理、微小ニードル、およびレーザ支援技術等により、使用試薬または興奮剤の効果が高められる。しかしながら、これらの技術では、時間依存する投与供給機能を提供することはできない。
【0004】
薬剤供給の別の機構は、無針注射器または高速ジェット注射器を使用することである。ジェット注射器は、高速で被注入溶液を移動させ、この溶液を、ジェットとして放出させるものであり、溶液は、角質を浸透し、真皮および肌の皮下領域に付与される。従来の高速ジェットは、角質にわたって薬剤を輸送することができるが、この機構には、一回だけのジェット注射でも、薬剤を多量に供給してしまうという問題がある。
【0005】
高速ジェット機構により、少量の薬剤が繰り返し供給される、新たな対策がある。しかしながら、使用される装置は、重厚で高コストである。これは、この装置では、例えば2×2×2mmまたは5×5×5mmの寸法の、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)で構成された圧電バルク変換器が使用されるためである。そのような圧電バルク変換器は、多量の鉛を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高速マイクロジェット状の流体を供給する、小型で低コストの装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明により達成され、
高速マイクロジェット状の流体を供給する装置であって、
オリフィスを介して供給される流体を収容する容器と、
前記容器と協働するアクチュエータと、
を有し、
前記アクチュエータは、薄膜変換器膜を有し、
前記変換器膜は、少なくとも2つの変換器素子に分割され、
前記変換器素子は、変換器配列を構成し、
該変換器配列において、各変換器素子は、前記変換器膜のある部分に対応することを特徴とする装置により達成される。
【0008】
本発明の基本アイデアは、低コスト半導体薄膜技術を使用して、高速マイクロジェット状の流体が供給される、低コスト装置を構成することである。このため、薄膜変換器膜は、少なくとも2つの変換器素子に分割され、高速マイクロジェットを発生するための圧力が印加される。前記変換器素子は、変換器配列を形成し、この配列において、各変換器素子は、変換器膜のある一部分に対応する。変換器配列は、1次元または2次元であっても良く、すなわち、変換器素子は、直線状に配置され、1次元配列が形成され、あるいは、2次元に配列され、2次元配列が形成される。
【0009】
低コスト薄膜装置の形態で、薄膜圧電アクチュエータが提供され、この装置は、既存の半導体技術により製造することができる。そのような薄膜圧電アクチュエータは、極めて少量の鉛しか有さない。そのような鉛量の低減は、環境上の理由で、特に好ましい。
【0010】
また本発明の目的は、流体供給装置により流体を供給する方法であって、
前記装置の薄膜変換器膜の変換器素子を収縮させるため、駆動電圧を印加するステップを有し、
前記変換器膜は、少なくとも2つの変換器素子に分割され、
前記変換器素子は、変換器配列を構成し、
該変換器配列において、各変換器素子は、前記変換器膜のある一部分に対応し、
前記変換器膜は、アクチュエータの一部であり、
前記アクチュエータは、前記変換器素子が収縮した際に、流体容器と協働し、前記流体が前記容器のオリフィスを介して供給される方法によって達成される。
【0011】
本発明のこれらのおよび他の態様は、従属請求項に記載されたような以下の実施例に基づいて、詳細に示される。
【0012】
本発明の好適実施例では、変換器素子は、圧電または静電作動によって作動される。圧電作動の場合、変換器膜は、圧電層を有し、変換器素子は、圧電層への電場の印加を介した、圧電層の圧電作動によって動かされる。圧電および静電作動の両方は、薄膜変換器素子の分野では、良く知られた概念であり、低コスト半導体処理プロセスを使用して、本発明に示した変換器配列を製作することができる。圧電作動と静電作動の組み合わせが使用されても良い。
【0013】
本発明の好適実施例では、各変換器素子には、専用の支持構造が備えられ、圧電層の最適変形が得られる。支持構造は、変換器膜を、配列構造を形成する単一の変換器素子に分割するために使用される。配列構造を用いて、剛性および変換器膜の全エネルギー量が定められる。剛性は、変換器膜の層厚さ、変換器膜を構成する材料のヤング率、および圧電層の膨脹/収縮の主長手方向における単一変換器の膜の長さによって定められる。全エネルギー量は、圧電材料自身、印加電圧、電極の構造、および圧電層の全容量によって実質的に定められる。従って、圧電層の領域または変換器素子が大きくなるほど、より多くのエネルギーが利用できる。単一変換器素子の剛性は、流体に印加される圧力を制限し、マイクロジェットの流速を定める。利用可能な全エネルギーは、膜の1回の動作により供給される流体量を制限する。その結果、例えば角質を開口することが可能な、高速マイクロジェットを得るための、小型変換器素子が必要となり、1回の動作における適正な流体量を放出するための、適正な量の変換器素子が必要となる。
【0014】
本発明の別の目的は、流体の供給速度を高めることである。本発明のこの目的は、前述のような装置により達成され、この装置は、制御ユニットを有し、該制御ユニットは、各変換器素子に、個別に駆動電圧を印加するように適合される。また本発明のこの目的は、前記装置の容器内に所定の圧力波が生じるように、駆動電圧を印加するステップを有する方法により得られ、前記圧力波は、前記容器のオリフィスに集中する。換言すれば、膜変換器の配列構造は、流体容器の少なくとも一つのオリフィスにおいて、圧力波の薬剤中での活性集中が可能になるという追加の利点を有する。所与の駆動電圧により、マイクロジェットの流速が上昇する。
【0015】
本発明は、医療環境において使用され、例えば、ペプチド、プロテイン、DNA系治療物質の供給のための、および疼痛処置のための、経皮的な薬剤供給に使用することができる。また、本発明は、美容目的の液体の経皮的注入に使用することができる。さらに、本発明は、インクジェット印刷装置に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
一例として、以下に示す実施例および添付図面を参照して、本発明のこれらのおよび他の態様について、より詳しく説明する。
【0017】
第1の流体供給装置1を図1に示す。本発明では、液体薬剤の形態の流体が使用される。供給装置1は、薬剤を収容する漏斗型容器2を有し、この薬剤は、ノズル3を介して供給される。容器2は、ベース素子4の一部である。ノズル3は、漏斗の狭小端部に配置される。他の容器形状を使用しても良い。さらに装置1は、前記容器2と協働するアクチュエータ5を有し、このアクチュエータ5は、薄膜変換器膜6を有する。変換器膜6は、容器2の一つの側を閉止しており、ノズル3は、容器2の反対側に配置される。変換器膜6は、圧電層7、底部電極8、および上部電極9を有する。両方の電極8、9は、導電性電極層(薄膜層)の形態で提供される。圧電層7は、PZTで構成され、厚さは、0.5μmから10μmの間である。PZTに代わるいくつかの他の圧電材料を使用しても良い。
【0018】
底部電極8は、構造化されておらず、PZT層7の容器2の方を向いた底部表面を、完全に被覆する。上部電極9は、構造化されており、PZT層7の上部表面の一部のみを被覆する。換言すれば、上部電極9では被覆されていない、PZT層7の上部表面の領域11がある。上部電極9で被覆されたPZT層7の上部表面の領域には、支持構造12が設けられ、この構造は、脚13またはバーを有し、該脚13またはバーは、剛性背面板14に接続される。従って、PZT層7は、支持構造12により、底部電極8と構造化された上部電極9の間に挟まれている。
【0019】
上部電極9の構造および支持構造12の変換器膜6に対する位置に依存して、変換器膜6は、多くの変換器素子15に分割され、この各々は、比較的小さな有効表面積を有する。前記変換器素子15は、変換器配列を形成し、この配列において、各変換器素子15は、変換器膜6のある部分に対応する。図1には、3つのそのような変換器素子15が示されている。各変換器素子15の寸法は、支持構造12の変換器膜6に対する位置により定められる。x方向における変換器素子15の長さは、支持構造12の2つの隣接する脚13またはバーの間の距離により与えられる。x方向におけるこれらの脚13またはバーの間の距離は、実質的に変換器膜6の剛性に影響を及ぼすのに対し、y方向における寸法は、異なっている。換言すれば、変換器膜6は、支持構造12に対して、所定の方法で、すなわち所定のラインに沿って固定され、強化されている。膜平面のx方向における変換器素子15の伸びは、10μmから1mmの間である。
【0020】
上部電極9の構造化、および支持構造12による変換器膜6の固定化は、液体薬剤への圧力印加のため、変換器膜6の垂直(z方向)移動において、PZT層7の長手方向(x方向)の膨脹/収縮に、最大変形が得られるように行われる。換言すれば、支持構造12により、各単一の変換器素子15に必要な剛性が確保される。また、十分に多くの数の協働する小型変換器素子15が、配列の形態で存在することにより、十分に多くの流体を供給することが可能となる。
【0021】
他の電極組み合わせも可能であり、例えば、変換器膜6の残りの組成に応じて、両方の電極8、9を構造化したり、非構造化した上部電極9を使用しても良い。
【0022】
変換器素子15および支持構造12を有する変換器膜6は、液体薬剤用の容器2上に固定される。別の可能性として、容器2の全体または一部を、半導体ウェハ構造にし、この構造上に、半導体薄膜技術を用いて、電極8、9および圧電層7を提供しても良い。この方法では、容器2のエッチング処理および上部電極9の構造化処理が含まれる。また、支持構造12、例えば金属化層を有する構造化されたシリコンウェハを、構造化された上部電極9上にのり付け、またははんだ付けし、変換器膜6を強化しても良い。
【0023】
図1には、x方向の1次元変換器配列を有する供給装置1の断面を示す。液体薬剤を供給するため、PZT層7に駆動電圧が印加される。換言すれば、駆動電圧は、電極8、9に印加され、主として、上部電極9と底部電極8の間の電場に垂直なPZT層7の膨脹/収縮を用いて、膜平面内で、PZT層7が膨脹/収縮する。上部に変換器膜6が固定された支持構造12と、構造化された上部電極9とを使用することにより、PZT層7の膨脹/収縮により、変換器膜6の平面が変形する。変換器素子15は、変換器膜6の平面に対して垂直に変形し、容器2内の液体薬剤に、z方向に圧力が印加され、容器2からノズル3を介して、薬剤が放出される。別の実施例(図示されていない)では、y方向に別の変換器素子15が配置され、変換器素子15により、2次元配列が形成される。
【0024】
駆動電圧を印加する制御ユニット(図示されていない)が提供され、前記制御ユニットは、薄膜変換器膜6の電極8、9に対して垂直に、アクチュエータ5に接続される。特殊な技術を用いて、1次元または2次元配列の変換器素子15が制御される。この技術により、変換器素子15の各単一のものが選択的に変形し、これにより、変換器素子15は、個別に活性化され、すなわち、駆動電圧により制御され、容器2内に圧力波の活性集中が得られる。換言すれば、各変換器素子15は、制御ユニットにより個別に制御することができる。このため、制御ユニットは、各変換器素子15に接続され、これは、印刷回路基盤の既知の技術により行われる。制御ユニットは、変換器素子15を制御し、容器2内に所定の圧力波が生じ、前記圧力波は、容器2のノズル3に集中する。換言すれば、流体圧力は、ノズル3で最大に達する。これは、最初に、ノズル3から最も離れた変換器素子15に、駆動電圧を印加し、引き続き、隣接する変換器素子15に連続的に印加することにより、ノズル3に向かう「位相シフト」が得られるように行われることが好ましい。駆動電圧の正確な印加は、特に、変換器配列の形状、容器2の形状、およびノズル3の変換器膜6に対する位置に依存する。
【0025】
制御ユニットの内部制御は、コンピュータソフトウェアにより行われることが好ましく、このソフトウェアは、制御ユニットの処理ユニットにおいて、ソフトウェアが実行された際に、駆動電圧を前述のように制御するように適合されたコンピュータ指令を有する。あるいは、駆動電圧を制御する方法は、ハードウェア、例えば1または2以上の集積回路により実施されても良い。処理ユニット自身は、ハードウェア、ソフトウェア、または両者の組み合わせの形態で実施される機能モジュールもしくはユニットを有しても良い。
【0026】
別の実施例(図示されていない)では、容器2は、2以上のノズル3を有しても良い。また、所定の方法でノズル3を開閉する手段を有し、ノズルの作動は、変換器素子15への動的に制御された駆動電圧の印加に対応して、実施されることが好ましい。
【0027】
本発明の別の実施例では、図1に示した供給装置1全体が、流体リザーバを有するハウジング(図示されていない)に一体化され、このリザーバが装置1の薬剤容器2に接続され、流体の放出後に、リザーバが再充填される。また、このハウジングは、装置1の活性を制御する、マイクロプロセッサをベースとした制御ユニットと、電力源として、例えばバッテリーのようなエネルギー源とを有しても良い。制御ユニットは、前述の駆動電圧を印加する機能を引き継いでも良い。
【0028】
図2には、本発明の別の実施例を示す。この図では、変換器膜6’は、該変換器膜6’の上部表面を形成する2つの膜状層16、17(例えばSiO2、Si3N4、または半導体製造ラインで利用可能な同様の材料で構成される)と、圧電層7(例えば)PZTと、上部電極9’を形成する単一の電極層とを有する。あるいは、一つの膜状層のみを使用し、および/または圧電層7を構造化しても良い(図示されていない)。前述のように、上部電極9’の構造化、および支持構造12’による固定化は、薬剤への圧力印加のため、変換器膜6の垂直な(z方向の)動きにおいて、圧電層7の長手方向(x方向)の膨脹/収縮に、最大変形が得られるように行われる。
【0029】
図1に示す実施例では、上部と底部の電極9、8の間で、電場が揃えられ、電場は、z方向に生じ、すなわち圧電層7の膨脹/収縮の長手方向(x方向)に垂直な方向に生じる。この場合、膨脹/収縮に、d31圧電係数が使用される。一方、図2の実施例では、電場は、膨脹/収縮(x方向)方向に揃っており、すなわち電場は、x方向に生じる。そのため、この場合、d33が圧電係数が使用される。上部電極9’には、比較的高い駆動電圧が印加され、高い膜温度を使用することが好ましく、これにより、変換器膜6’に比較的大きな変形が生じる。
【0030】
図1の実施例において、図2に示すような多くの膜状層16、17を使用しても良い。そのような追加の膜状層16、17により、強度が高まり、変換器膜6の変形が助長される。
【0031】
図3には、本発明の別の実施例を示す。示された流体供給装置1”の作動は、静電動作に基づいている。1または2以上の、5つの電極に18および単一の膜6”に、電圧が印加される。電極18は、背面板14上に、単一の膜6”の支持として機能する脚13の間に介在するように配置され、単一の膜6”は、容器2にわたって配置される。膜6”は、単一の導電層、またはいくつかの層のスタックを有しても良く、後者の場合、一つの層のみが導電性を有しても良い。独立した方法で、電極18と膜6”の間の電圧を制御することにより、関連する電極18の反対側に配置された膜6”の一部分を、相互に独立して動かすことが可能となる。そのような部分は、本発明による変換器素子15として機能する。
【0032】
変換器素子15は、1次元または2次元配列が形成されるように配置される。1次元、すなわち直線配列は、図4に示されており、2次元配列は、図5に示されている。直線配列の場合、容器2内に、直線に沿って所定の圧力波が生じる。2次元配列の場合も同様に、直線に沿って、所定の圧力波が生じる。しかしながら、さらに加えて、作動は、あるスポットに集中させることができる。各実施例のため、変換器素子15、該変換器素子15を制御する制御器19、および制御器19と変換器素子15の間の接続配線が示されている。
【0033】
要約すると、本発明では、標準的な低コスト薄膜技術を用いて、薄い圧電層7を提供することが可能な流体供給装置1が提案される。そのような薄い圧電層7に、十分な変形を生じさせるため、膜6は、専用の支持構造12により強化され、膜6は、より小型の膜状素子15の配列に分割され、これにより、必要な剛性が提供される。また、前記膜状素子15は、独立に制御され、より増強された流体出力用の圧力波が生じる。
【0034】
本発明が、前述の一例として示した詳細な実施例に限定されるものではないことは、当業者には明らかであり、本発明は、本発明の思想および本質的な構成から逸脱しないで、他の特定の形態で実施されても良い。従って、本実施例は、全ての態様において、限定的ではなく、一例として示されており、本発明の範囲は、前述の記載ではなく、特許請求の範囲によって示され、請求項の意図内および均等の範囲内での全ての変更は、本発明の範囲に含まれる。また、「有する」という用語は、他の素子またはステップを排斥するものではなく、「一つの」という用語は、複数のものを否定するものではなく、コンピュータシステムまたは別のユニットのような、単一の素子は、請求項に記載のいくつかの手段の機能を満たしても良い。請求項におけるいかなる参照符号も、関連する請求項を限定するものと解してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】流体供給装置の第1の実施例の概略的な図である。
【図2】流体供給装置の第2の実施例の概略的な図である。
【図3】流体供給装置の第3の実施例の概略的な図である。
【図4】変換器素子の直線配列の概略的な図である。
【図5】変換器素子の2次元配列の概略的な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速マイクロジェット状の流体を供給する装置であって、
オリフィスを介して供給される流体を収容する容器と、
前記容器と協働するアクチュエータと、
を有し、
前記アクチュエータは、薄膜変換器膜を有し、
前記変換器膜は、少なくとも2つの変換器素子に分割され、
前記変換器素子は、変換器配列を構成し、
該変換器配列において、各変換器素子は、前記変換器膜のある部分に対応することを特徴とする装置。
【請求項2】
各変換器素子には、専用の支持構造が備えられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記変換器膜は、圧電層を有し、
前記変換器素子は、圧電動作により動かされることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記変換器素子は、静電動作により動かされることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
さらに、制御ユニットを有し、該制御ユニットは、各変換器素子に、別個に駆動電圧を印加するように適合されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
流体供給装置により流体を供給する方法であって、
前記装置の薄膜変換器膜の変換器素子を動かすため、駆動電圧を印加するステップを有し、
前記変換器膜は、少なくとも2つの変換器素子に分割され、
前記変換器素子は、変換器配列を構成し、
該変換器配列において、各変換器素子は、前記変換器膜のある一部分に対応し、
前記変換器膜は、アクチュエータの一部であり、
前記アクチュエータは、前記変換器素子が動かされた際に、流体容器と協働し、前記流体が前記容器のオリフィスを介して供給される方法。
【請求項7】
前記駆動電圧を印加するステップにより、
前記装置の前記容器内に、所定の圧力波が生じ、前記圧力波は、前記容器の前記オリフィスに集中することを特徴とする請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−542285(P2009−542285A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517513(P2009−517513)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052341
【国際公開番号】WO2008/001268
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】