説明

高速モバイルIPハンドオーバのための方法および装置

【課題】 モバイルノードによる実質的にシームレスなハンドオーバを可能にする。
【解決手段】 モバイルIPネットワークにおいてモバイルノードが旧アクセスルータから新アクセスルータへと高速ハンドオーバを実行する方法は、モバイルノードが旧アクセスルータから実際に離脱する前であって、該モバイルノードが新アクセスルータに帰属する前に、前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップと、前記モバイルノードが前記旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記モバイルノードへ送信されるパケットが前記新アクセスルータと前記旧アクセスルータとを経由するようルーティングするステップとを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速モバイルIPハンドオーバに関し、具体的には、IPv6接続を維持しつつ、あるネットワークから別のネットワークへ移動するモバイルノードのためのハンドオーバに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルIPv6により、モバイルノードMN(Mobile Node)は、あるアクセスルータAR(Access Router)から別のアクセスルータARへ移動するハンドオーバと呼ばれるプロセスの際に、インターネットへの接続を維持することができる。ハンドオーバ時には、リンク切替遅延時間とIPプロトコルオペレーションにより、モバイルノードMNがパケットを送受信できない時間が生じる。このハンドオーバ待ち時間(handover latency)とそれに伴うパケット損失は、標準的なモバイルIPv6の手順、すなわち移動の検出と、新たな気付アドレスCoA(Care of Address)の設定、およびバインディング更新BU(Binding Update)などに起因して、多くの場合、VoIP(Voice over IP)などのリアルタイムトラフィックにとっては許容できないものである。ハンドオーバ待ち時間を削減することは、非リアルタイムで、スループットの影響を受けやすい(throughput-sensitive)アプリケーションにとっても有益であると考えられる。それ故に、モバイルノードが実質的にシームレスなハンドオーバを認識できるように、モバイルIPv6の処理手順に起因するハンドオーバ待ち時間を改善することが望ましい。
【0003】
モバイルIPv6(非特許文献1参照)は一般にモビリティ問題に対応している。ハンドオーバ待ち時間の改善に関する最適化としては、これまでのところ階層化モバイルIPv6プロトコルHMIPv6(非特許文献2参照)と高速モバイルプロトコルFMIPv6(非特許文献3参照)とがある。
【0004】
階層化モバイルIPv6プロトコルHMIPにおいては、モバイルノードのネットワーク内にモビリティアンカーポイントMAP(mobility anchor point)が設置される。このMAPは、外部のアクセスネットワークにおける一種の(ローカル)ホームエージェントである。ある意味において、これは、通信相手ノード(correspondent node)に対してハンドオーバを「隠す」役割を果たし、ハンドオーバ手続きを実行するためにホームエージェントと通信相手ノードとの間をまるまる往復することが不要になるので、ハンドオフ後のバインディング更新の待ち時間が減少する。しかしながら、それはハンドオーバ実行中に旧アクセスルータへ送信されたパケットの損失を避けることはできない。HMIPプロトコルのスキームを図1Aに概略的に示す。モバイルノードMNは、旧アクセスルータ(old access router)PARから新アクセスルータNARへ移動し、モビリティアンカーポイントMAPが一種のローカルホームエージェントとして機能することから、このハンドオーバはモバイルノードの「実際の」ホームエージェントに対して「隠され」ている。
【0005】
高速モバイルプロトコルFMIPv6においては、高速ハンドオーバを実行するための2つのモード、いわゆるプレディクティブモード(predictive mode)と、いわゆるリアクティブモード(reactive mode)とが存在する。プレディクティブモードにおいてモバイルノードは、実際のハンドオーバが起こる前に新たなまたは次のルータ(NAR)のアドレスを知る。このプロトコルによりモバイルノードMNは、そのMNがまだ現在通信中のアクセスルータ(いわゆる旧アクセスルータOAR(old access router)または前アクセスルータPAR(previous access router))(一括して「旧アクセスルータ」という。)に接続している間に、そのMNに新アクセスルータと関連するサブネットプレフィックス情報を提供することによって、新アクセスルータARに迅速に帰属することができる。例えば、MNはリンクレイヤ特有のメカニズム(つまりWLANにおける「スキャン」)を使って利用可能なアクセスポイントを発見し、続いて、発見されたアクセスポイントの1つ以上のポイントに対応するサブネット情報をリクエストすることができる。MNは、ルータ要請プロキシ(RouterSolicitationiProxy)またはプロキシルータ通知(proxyRouterAdvertisment)メッセージの交換後に、現ルータに接続している間はいつでもこれを実行することができる。アクセスポイントに関連付けられる識別子を解析(resolve)した結果は、[AP−ID,AR−Info]というタプルであり、MNはこれを用いて移動を容易に検出することができる。AP−IDを持つアクセスポイントへの帰属が起こると、MNは対応する新たなルータの座標(プレフィックス、IPアドレスおよびL2アドレスを含む)を知る。FMIPv6は、移動検出のために「RtSolPr(Router Solicitation for Proxy Advertisement)」メッセージと、「PrRtAdv(Proxy Router Advertisement)」メッセージとを使用する。RtSolPrメッセージとPrRtAdvメッセージを通じてMNは、まだPARとリンクしているときに、予測される(未来の)新たな気付アドレスNCoA(new CoA)を生成し、その結果、ハンドオーバに続いて行われる新たなプレフィックスの発見に起因する待ち時間が不要となる。
【0006】
さらに、MNが移動前に「FBack(Fast Binding Acknowledgment)」メッセージを受信したときには、新たなサブネットリンク(つまりNARのリンク)に帰属した直後にこの予測アドレス(prospective address)を使用することができる。MNは、FBackを受信することなく移動する場合には、「FNA(Fast Neighbor Advertisement)」メッセージ(高速近隣通知メッセージ)を用いて帰属をアナウンスした後に、NCoAの使用を開始することがきる。NARはその仮アドレスが既に使用中の場合には高速近隣通知メッセージFNAに応答し、それによりNCoA設定待ち時間を減らす。
【0007】
バインディング更新(BU)待ち時間を削減するため、プロトコルは旧CoA(PCoA)とNCoAとの間にトンネルを確立する。MNは「FBU(Fast Binding Update)」メッセージ(高速バインディング更新メッセージ)をそのPAR(旧アクセスルータ)へ送信してトンネルを確立する。可能な場合は、MNはFBUをOARのリンクから送信するものとする。それ以外の場合は、FBUはNARへの帰属が検出された直後に送信されるものとする(これはいわゆる「リアクティブモード」である)。結果として、PARはPCoA宛に到着したパケットのNCoAへのトンネリングを開始する。このトンネルは、MNがその通信相手とバインディング更新を完了する時点までアクティブなままである。逆方向の場合、MNはバインディング更新を完了する時点までパケットをPARへリバーストンネリングする。PARはトンネルの内部パケットをその宛先(MNの通信相手ノード)へ転送する。
【0008】
従ってFMIPによれば、次のような形でPARとNARとの間のトンネルが確立されるといえる。「プレディクティブモード」の場合、MNはまだPARに接続しており、パケットはトンネルを通じてNARへ転送され、NARにおいてバッファリングされる。これに対し、リアクティブモードでは、トンネルはNARへの接続後に確立され、同じように伝送中のパケットはハンドオーバが完了する時点までPARからNARへ転送される。
【0009】
図1Bは、MNがまだOAR(旧アクセスルータ)に接続している間にトンネルが確立され、パケットがOARからNAR(新アクセスルータ)へ転送される状態にあるプレディクティブモードを示す。図1Bは、HMIPと組み合わせたFMIPを示している。HMIPを使用しない場合には、MAPは除かれる。プレディクティブモードでは、NARとハンドオーバ移動の両方が予測可能である。図1Cは、ハンドオフ後にトンネルが確立され、MNが既にNARに接続している間にパケットがPARからNARへ転送される状態にあるリアクティブモードを示す。リアクティブモードではNARとハンドオーバ移動は、いずれもハンドオーバ前は不明である。図1Cは図1Bと同じようにHMIPと組み合わせたFMIPを示す。HMIPが使用されない場合、MAPは除かれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】技術仕様書RFC3775、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc3775.txt>
【非特許文献2】技術仕様書RFC4140、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc4l40.txt>
【非特許文献3】技術仕様書RFC4068、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc4068.txt>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術にはいくつかの欠点が存在する。例えば、これらの方法は、NARはわかっているが、ハンドオーバ移動がわからない場合に、不完全な情報を活用するための対策がない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、一実施形態によれば、
あるモバイルノードが旧アクセスルータから実際に離脱する前であって、該モバイルノードが新アクセスルータに帰属する前に、
前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップと、
前記モバイルノードが前記旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記モバイルノードへ送信されるパケットが前記新アクセスルータと前記旧アクセスルータとを経由するようルーティングするステップと
を実行する、モバイルIPネットワークにおいてモバイルノードが旧アクセスルータから新アクセスルータへと高速ハンドオーバを実行する方法が提供される。
【0013】
これによりモバイルノードは、このモバイルノードへ送られたパケットを、通信相手ノード、通信相手ノードから新アクセスルータ、新アクセスルータから旧アクセスルータ、そしてモバイルノードへと至るルートを経由して受信することができる。このルートの準備は、ある意味では、次のアクセスルータへのハンドオーバに必要なステップを予測するものであり、それ故にモバイルノードが旧アクセスルータにまだ接続している間における対応する待ち時間を短縮する。
【0014】
一実施形態によれば、前記トンネルを確立するステップが実行されると、前記モバイルノードは前記新アクセスルータが提供する新たな気付アドレスによりアドレス指定可能となり、それにより前記新アクセスルータは到着したパケットを前記旧アクセスルータへ転送し、転送されたパケットは前記旧アクセスルータから前記モバイルノードへと転送される。
【0015】
新たな気付アドレス(care of address)は、新アクセスルータのネットワークプレフィックス(network prefix)を使って構成(form)することができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記モバイルノードからその通信相手ノードに対するパケットは、前記モバイルノードから前記新アクセスルータと前記旧アクセスルータとを経由するリバーストンネリングにより前記通信相手ノードへ転送される。または、一実施形態によれば、リバーストンネリングの代わりに、新たにトンネルを確立することなくそれまでのルートを用いてアップストリームデータが直接的にアップストリームへ送信される。
【0017】
これによりモバイルノードから通信相手ノードに対する逆方向の通信も可能となる。
【0018】
一実施形態によれば、前記モバイルノードが前記旧アクセスルータから離脱した後に前記旧アクセスルータに到着するパケットは、該旧アクセスルータにおいてバッファリングされ、前記モバイルノードが前記新アクセスルータに帰属した後に前記旧アクセスルータから取得することができる。
【0019】
これにより実際のハンドオフ後のパケットの損失を避けることができる。
【0020】
一実施形態によれば、前記方法は、前記モバイルノードが前記新アクセスルータのアドレスを認識した後に、前記モバイルノードが前記旧アクセスルータへ高速バインディング更新メッセージを送信するステップと、
前記高速バインディング更新メッセージを受けて、前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップと
を更に含むことができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップは、前記モバイルノードが前記旧アクセスルータから離脱する前に、該モバイルノードのホームエージェント、該モバイルノードの通信相手ノード、またはモビリティアンカーポイントに向けて該モバイルノードがバインディング更新メッセージを送信するサブステップを含むことができ、その結果、前記通信相手ノードから前記新アクセスルータを経由して前記旧アクセスルータへとメッセージをルーティングできる。
【0022】
一実施形態によれば、前記トンネルは、前記モバイルノードが前記新アクセスルータに帰属してハンドオーバの手順を完了する時点まで、パケットを前記旧アクセスルータへ転送するために使用される。
【0023】
上記課題を解決するため、一実施形態によれば、
モバイルノードが旧アクセスルータから実際に離脱する前であって、該モバイルノードが新アクセスルータに帰属する前に、
前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップと、
前記モバイルノードが前記旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記モバイルノードへ送信されるパケットが前記新アクセスルータと前記旧アクセスルータとを経由するようルーティングするステップと
を実行するモジュールを備える、モバイルIPネットワークにおいてモバイルノードが旧アクセスルータから新アクセスルータへと高速ハンドオーバを実行するための装置が提供される。
【0024】
上記課題を解決するため、一実施形態によれば、
ハンドオーバが実行される新アクセスルータを決定するモジュールと、
未来のパケットが前記新アクセスルータにより提供される新気付アドレスへ送信されるべきであることを前記モバイルノードのホームエージェントまたは通信相手ノードに対して通知するために、バインディング更新メッセージを送信するモジュールと、
前記モバイルノードが旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間に確立されるトンネルを通じて、前記モバイルノードの通信相手ノードからデータを受信するモジュールと
を備えるモバイルノードである装置が提供される。
【0025】
このようにしてモバイルノードは本発明の一実施形態に基づく装置として動作することができる。
【0026】
一実施形態によれば、モバイルノードが高速ハンドオーバを実行するための装置は、
前記モバイルノードからバインディング更新メッセージを受信する時点まで、前記旧アクセスルータを経由して前記モバイルノードへデータを転送するとともに、前記バインディング更新メッセージを受信した後は、前記モバイルノードが前記新アクセスルータに帰属する時点まで、前記モバイルノードへ送信されるダウンストリームパケットを前記新アクセスルータが提供する気付アドレスへ転送する、前記モバイルノードの通信相手ノードまたはホームエージェントを更に備える。
【0027】
このようにして、モバイルノードの通信相手ノードまたはホームエージェントは、本発明の一実施形態に基づく装置として動作することができる。
【0028】
一実施形態に基づく装置は、あるモバイルノードの新アクセスルータとして決定されるアクセスルータを備える。この新アクセスルータは、前記モバイルノードの旧アクセスルータへのトンネルを確立した後に、前記モバイルノードのホームエージェントまたは通信相手ノードから該モバイルノードへ送信されるパケットの新たな気付アドレスを提供する。そして、新アクセスルータは、前記モバイルノードが旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記旧アクセスルータを経由して前記モバイルノードへ前記パケット転送する。
【0029】
このようにして、「新」アクセスルータは、本発明の一実施形態に基づく装置として動作することができる。
【0030】
一実施形態に基づく装置は、あるモバイルノードの旧アクセスルータとして動作するアクセスルータを備える。この旧アクセスルータは、ハンドオーバが実行される前記モバイルノードの新アクセスルータへのトンネルを確立した後に、該モバイルノードのホームエージェント、通信相手ノードまたはモビリティアンカーポイントから該モバイルノードへ送信されるパケットのための新たな気付アドレスを提供する前記新アクセスルータからパケットを受信する。そして、前記モバイルノードが前記旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記新アクセスルータから前記トンネルを通じて受信したパケットを前記モバイルノードへ転送する。
【0031】
このようにして、「旧」アクセスルータは本発明の一実施形態に基づく装置として動作することができる。
【0032】
一実施形態によれば、前記装置は、本発明の一実施形態に基づいて方法を実行するモジュールをさらに備える。
【0033】
上記課題を解決するため、一実施形態によれば、本発明の一実施形態に基づいて方法をコンピュータに実行させるプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1A】従来技術におけるモバイルIPハンドオーバの方法の説明図である。
【図1B】従来技術におけるモバイルIPハンドオーバの方法の説明図である。
【図1C】従来技術におけるモバイルIPハンドオーバの方法の説明図である。
【図2A】本発明の実施形態におけるモバイルIPハンドオーバの第1の部分を示す図である。
【図2B】本発明の実施形態におけるモバイルIPハンドオーバの第2の部分を示す図である。
【図3A】ルート最適化を使用しない本発明の実施形態におけるモバイルIPハンドオーバのシーケンス図である。
【図3B】ルート最適化を使用する本発明の更なる実施形態におけるモバイルIPハンドオーバのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を例示的な実施形態を用いて詳細に説明する。その前に、以下の説明で使用する用語について説明する。
【0036】
・MN(Mobile Node):モバイルノード
・AR(Access Router):アクセスルータ
・IP(v6):インターネットプロトコル(バージョン6)
・MIPv6:モバイルインターネットプロトコルバージョン6
・FMIPv6:高速モバイルインターネットプロトコルバージョン6
・HMIPv6:階層化モバイルインターネットプロトコルバージョン6
・RtSolPr(Router Solicitation for Proxy Advertisement):プロキシ通知のルータ要請
・PrRtAdv(Proxy Router Advertisement):プロキシルータ通知
・NCoA(New Care-of-Address):新気付アドレス
・PCoA(Previous Care-of-Address):旧気付アドレス
・PAR(Previous Access Router):旧アクセスルータ
・OAR(old Access Router)(=PAR):旧アクセスルータ
・NAR(new Access Router):新アクセスルータ
・FBU(Fast Binding Update):高速バインディング更新
・HI(Handover Initiate):ハンドオーバ開始
・HACK(Handover Acknowledgement):ハンドオーバ情報
【0037】
本発明の実施の一形態による方法は、旧アクセスルータと新アクセスルータとの間にトンネルを確立することによりFMIPv6ストラテジーに基本的に従う。しかしながらFMIPv6のアプローチとは対照的に、トンネルは旧アクセスルータに到着するパケットを新アクセスルータに転送するためには使用されないが、代わりに本実施形態による方法は、新アクセスルータを使用して通信相手ノードからのパケットを受信し、受信したパケットを、トンネルを通じて旧アクセスルータに転送する。それ故、(新アクセスルータが提供する)新アドレスは実際には、通信相手ノードがそのパケットをフォワードする宛先として使用され、旧アクセスルータはトンネルを通じて経由されるだけで、旧アクセスルータは、モバイルノードが旧アクセスルータを離脱する時点まで、新アクセスルータから受信したパケットを更にモバイルノードへ転送する。
【0038】
言い換えると、MNがまだPARに接続している間、新アクセスルータ(NAR)は、パケットを旧アクセスルータ(PAR)に向けて、PARとNARの間に確立されたトンネルを通じて転送する。この様子を図2Aに示す。モバイルノードが旧ネットワークを離脱して新ネットワークへ実際に移動する際は、レイヤ3(IPレイヤまたはネットワークレイヤ)における更なるコンフィグレーションは一切不要である。新たなコンフィグレーションは既に「事前に設定」されているからである。モバイルノードが移動した後のトンネルを取り除く前の状況を図2Bに示す。
【0039】
本方法は、次のハンドオーバがいつ起こるかではなく、それがどこで起こるかを知るだけで事前に設定できるという特徴においてFMIPv6を超える利点を有する。MIPv6を超える更なる利点は、FMIPv6と同様に、事前認証、事前設定(pre-configuration)、および追加コンテキスト転送に適しており、パケット損失とハンドオーバ待ち時間の最小化できる点である。
【0040】
次に、本発明の更なる実施形態を詳しく説明する。
【0041】
本発明の実施の一形態によれば、本発明は、MNがまだPARのリンク上にいる間にMNが(RtSolPrメッセージとPrRtAdvメッセージを通じて)未来の新気付アドレス(NCoA)を生成する時点まで、FMIPv6プロトコルに等しいプロトコルを提供する(このため、ハンドオーバ後に新たなプレフィックスを発見することに起因する待ち時間が不要となる)。本実施形態の場合、FMIPv6とは対照的に、この予測アドレス(prospective address)は、MNが移動前に「FBack(Fast Binding Acknowledgment)」を受信した直後から旧サブネットリンク(PARのリンク)上で使用される。
【0042】
PARでのNCoAの使用をサポートするため、本プロトコルはPARとNARとの間にトンネルを確立する。ただし、本プロトコルは、次に示すようにFMIPv6におけるプロトコルとは異なる。MNは、このトンネルを確立するためにFBUメッセージをPARに送信する。トンネルが確立された後、態様に応じて、MNのホームエージェントHAへ、場合によってはMNの通信相手へもバインディング更新メッセージBUが送信される。本発明の実施の一形態によれば、バインディング更新メッセージは、モバイルノードをアドレス指定する際に使用される(NARのプレフィックスを使用した)新たな気付アドレスをホームエージェントに通知するためにホームエージェントへ送信される。結果として、通信相手からのパケットは最後にPARに行き、NARはNCoA宛に到着したパケットのPARへのトンネリングを開始する。このトンネルは、MNがNARに帰属することによってハンドオーバを完了する時点までアクティブなままである。逆方向の場合、MNはハンドオーバを完了する時点まで好ましくはPARを介してパケットを送信する。続いてPARは、パケットをPARとNARとの間のトンネルへ転送する。NARはトンネルを通じて送られてきたパケットをその宛先(MNの通信相手CN)へ転送する。この際、ルート最適化を使用しない実施形態では、ホームエージェントHAを経由して送られる。このリバーストンネリング(reverse tunneling)は、送信元IPアドレスとしてNCoAを含むパケットがイングレスフィルタリング(ingress filtering)によってPARにより廃棄されないことを保証する。
【0043】
ルート最適化(route optimization)が使用される更なる実施形態によれば、次に説明するように、信号フローは若干異なる。ルート最適化により、どのCN(通信相手ノード)もパケットを、遠回りしてHAを経由することなく、MNへ(およびその逆方向に)直接送信することができる。
【0044】
ルート最適化を使用する実施の一形態によれば、バインディング更新メッセージBUはホームエージェントHAへ送られるだけでなく、MNの通信相手ノードCNにも送られる。次に、ルート最適化を使用しない前述の実施形態と同じように、通信相手からのパケットは最後にPARに行き、NARはNCoA宛に到着したパケットのPARへのトンネリングを開始する。ルート最適化を使用しない前述の実施形態と同じように、逆方向の場合、MNはハンドオーバを完了する時点まで好ましくはPARを介してパケットを送信する。続いてPARはパケットをPARとNARとの間のトンネルに転送する。NARはトンネルを通じて送られてきたパケットをその宛先(MNの通信相手CN)へ転送する。この場合、ルート最適化のために、HAを介しては行われない。
【0045】
次に本発明の実施の一形態によるプロトコルを、図3Aに示すシーケンス図を参照して説明する。
【0046】
MNは、予測される次のアクセスルータ(NAR)、または信号の質の劣化もしくはNARへのハンドオーバを予測することが可能な任意の他のメカニズムにより次のアクセスルータへのハンドオーバが間近であることがわかると、MNは高速バインディングアップデートメッセージFBUをPARへ送信する。PARはNARへ通知するためにハンドオーバ開始メッセージHIをNARへ送信し、NARはHACK(handover acknowledge)メッセージにより応答する。PARとNARとの間のトンネルの確立は、NARからPARへ送信されるFBAck(Fast Binding Update Acknowledgement)メッセージによって完了する。これまでのこれらのメッセージはFMIPv6とは異ならない。
【0047】
FMIPv6と同じようにPARとNARとの間のトンネルが確立される。しかしながら、いまの場合、(1つ以上の)通信相手ノードからのパケットを、NARを経由してPARへ転送するためのトンネルが確立されている。そのため、ホームエージェントHAは、モバイルノードMNと関連して使用されるNCoAの通知を受ける必要がある。この手続きは、ホームエージェントHAへ送信されるバインディング更新メッセージBUによって行われる。次いでHAは、対応するACKメッセージBACKにより応答する。ホームエージェントHAは、これによりMNへの未来のパケットが、これらのパケットがそこからトンネルを通じてPARに送られるNARを経由してNCoAにルーティングされるべきことを知る。
【0048】
このようにして通信相手ノードからのパケットを、新アクセスルータを経由して旧アクセスルータにルーティングするためのトンネルが確立できる。その後、通信相手CNからの(ルート最適化のない実施形態ではHAを経由した)パケットは、NARを経由してPARへ転送することができる。言い換えると、MNはNARからPARへのトンネルを介して旧アクセスルータを通って新アドレス(このアドレスはNARのネットワークプレフィックスで生成できる)にアドレス指定できる。
【0049】
図3Aはルート最適化のない実施形態を示しているが、ルート最適化が使用される実施形態の場合には、信号フローが若干異なる。その違いを図3B、特に図3Bの下側、MIPv6リターンルータビリティテスト(return routability test)と記載されている部分に示す。ルート最適化によりどのCNも、パケットをHA経由で遠回りすることなくMNに直接送ることができる。CNとMNとの間に予め決められたセキュリティコンテクストが存在しないため(MNとHAの間には存在する)、リターンルータビリティテストは、モバイルノードが通信可能と主張する気付ホームアドレス(care-of and home address)により容易に通信できることを保証するために実行される。
【0050】
リターンルータビリティテストを図3Bに示す。これは従来のMIPv6プロシージャによって実行されるものと同様である。その手続きはCoTi(Care of Address Test Init)メッセージとHoTi(Home Address Test Init)メッセージを含む。CoTiメッセージに対してはCoT(Care of Address test)メッセージが返信され、HoTiメッセージに対してはHoT(Home Address test)メッセージが返信される。
【0051】
最後にバインディング更新メッセージBUがMNからCNへ送信され、BUメッセージの後にバインディング登録メッセージBAckが返信される。
【0052】
これらのメッセージ(BUメッセージとBAckメッセージ)の交換後、CNからNARを経由してPARへのダウンストリームメッセージのリルーティングの準備が完了する。ダウンストリームパケットは先の実施形態と同様にこのルートに沿って実際にルーティングできる。
【0053】
レベル2(リンクレイヤ)におけるモバイルノードの帰属は、実際のハンドオーバを完了するために新アクセスルータにおいて実行できる。
【0054】
HMIPを使用する1つの実施形態によれば、BUメッセージは、ホームエージェントHAに送られる代わりにモビリティアンカーポイントMAPへ送信される。これ以外、メカニズムは先の実施形態で説明したものと同じように動作する。
【0055】
FMIPv6における従来技術の手続きと同様、実施の一形態によれば、モバイルノードMNは、自発的近隣通知UNA(unsolicited neighbor advertisement)を送信することによって新アクセスルータへの帰属をアナウンスしてハンドオーバを完了する。このようにして、MNはUNAメッセージを使用してNARの近隣キャッシュにそのL2アドレスを投入(populate)し、既に移動し終えたことの指示を与える。このようにしてMNはハンドオーバを完了する。
【0056】
MNがNARに帰属した後、NARとPARとの間のトンネルはもはや必要はなく、トンネルの確立を解除できる。実施の一形態によれば、MNによるPARからのハンドオフからNARに帰属する時点までの間、PARは到着したパケットをバッファリングし、バッファリングされたパケットは、MNがNARに帰属するとすぐにMNへ転送される。このようにしてパケットの損失を避けることができる。
【0057】
トンネルを確立するための手続きは、予測されたハンドオーバに応じて実行することができる。このハンドオーバの予測技術は、予測されたハンドオーバが実際には起こらないかまたは実行されるが予測とは異なる新アクセスルータで起こることがあまり頻繁に起こらないように、将来的に改善されることが期待できる。しかしながら、ハンドオーバの予測が必ずしも真実にならない事実を考慮するため、トンネルを確立するための方法は、このトンネルを所定の期間(例えば1〜数分、または数秒)の間だけ確立できるようにする。この期間が経過してもハンドオーバが起こらなかった場合には、トンネルは破棄され、通信はその通常の経路に戻る。
【0058】
以上説明した本発明の実施形態は、FMIPプレディクティブモードとFMIPリアクティブモードに似てはいるが、そのいずれとも大幅に異なる。FMIPプレディクティブモードにおけるように、本発明の実施形態の場合にも次の移動先(次アクセスルータ)は予測可能である。しかしながら、FMIPv6のプレディクティブモードとは対照的に、コネクティビティの実際のロスは予測可能でなく、それ故、実際のハンドオフ前に実行される最適化はある意味、現実には起こらないかもしれない間近なハンドオーバに備えるための一種の「予防措置」である。そのためにPARとNARとの間のトンネルが確立される。しかしFMIPv6のプレディクティブモードとは対照的に、本発明の実施形態におけるパケットルーティングは、FMIPv6におけるように(通信相手CNまたはホームエージェントHAから来る)到着したパケットがPARに到着してトンネルを通じてNARに転送され、そこでバッファリングされるというようなものではない。代わりに、(通信相手CNまたはホームエージェントHAから来る)到着するパケットはNARに直接到着してトンネルを通じてPARへ転送され、そこからパケットがMNへ転送される。ハンドオフを実際に実行する決定が行われる前に(ハンドオフは決して行われない可能性もあるが)トンネルの確立を行うことによって、本発明による方法は予備的または準備的なトンネルを確立する。これによりハンドオーバが実際に行われる場合にハンドオーバ待ち時間(ハンドオーバ時間)が改善される。
【0059】
MNがPARにまだ帰属している間にMNがNCoAのもとでアドレス指定可能とすることができるようにPARとNARとの間の予備的トンネルを確立するかどうかの決定は、ハンドオーバのトリガに影響を及ぼす可能性のある信号強度その他のパラメータ(例えばQoSなど)といった外部パラメータに基づいて行うことができる。そのために事前にコネクティビティのロスを通知する任意のテクノロジーまたはモジュールが使用できる。例えば、1つ以上の所与のパラメータ(例えば信号強度またはQoS)に基づく任意のモジュールが、ハンドオーバが間近であることを判断することができる。この場合には、既に述べたように、予測されたNARへのトンネルが確立できる。NARを予測するには、GSM、WCDMA、LTE方式その他で与えられる任意の位置予測の技術が使用できる。
【0060】
それ故、本発明の実施形態の方法は、主体的な早期のバインディング更新を実行することでハンドオーバ待ち時間を改善する。
【0061】
FMIPv6のリアクティブモードと比較すると、上述した実施形態による方法は、コネクティビティのロス(ハンドオーバが実行される実時間)が予測可能ではないという点においてリアクティブモードと共通している。しかしながら、リアクティブモードではハンドオフ後とNARに帰属した後でも最適化が実行されるのに対し、本発明の実施形態の場合には最適化(トンネルの確立)はMNの実際のハンドオフの前にのみ実行される。
【0062】
従って本実施形態は、FMIPv6のいずれのオプションとも著しく対照的なものであり、さらにその両方を超える大きな利点が存在する。FMIPv6のプレディクティブモードと比較すると、最適化をセットアップするための情報はほとんど必要なく、またFMIPv6のリアクティブモードと比較すると、トンネルを確立するのに要する時間の間、パケットは全く失われない。
【0063】
上記の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実施することができることは当業者であれば理解できよう。本発明の実施形態に関連して説明したモジュールおよび機能は、全体的または部分的に、本発明の実施形態に関連して説明した方法の通りに動作するように適切にプログラムされたマイクロプロセッサまたはコンピュータによって実現することができる。本発明の実施形態を実現する装置は、例えば、本発明の実施形態で説明した高速ハンドオーバを実行することができるように適切にプログラムされた計算装置または携帯電話機その他のモバイル機器を含む。
【0064】
本発明の実施の一形態として、データキャリアに格納されるか、あるいは他の方法で記録媒体もしくは伝送リンクといった何らかの物理的手段によって具現化されるコンピュータプログラムであって、上記実施形態に従ってコンピュータを動作させることを可能にするコンピュータプログラムが提供される。
【符号の説明】
【0065】
CN 通信相手ノード
HA ホームエージェント
MAP モビリティアンカーポイント
MN モバイルノード
NAR 新アクセスルータ
OAR 旧アクセスルータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あるモバイルノードが旧アクセスルータから実際に離脱する前であって、該モバイルノードが新アクセスルータに帰属する前に、
前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップと、
前記モバイルノードが前記旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記モバイルノードへ送信されるパケットが前記新アクセスルータと前記旧アクセスルータとを経由するようルーティングするステップと
を実行する、モバイルIPネットワークにおいてモバイルノードが旧アクセスルータから新アクセスルータへと高速ハンドオーバを実行する方法。
【請求項2】
前記トンネルを確立するステップが実行されると、前記モバイルノードは前記新アクセスルータが提供する新たな気付アドレスによりアドレス指定可能となり、それにより前記新アクセスルータは到着したパケットを前記旧アクセスルータへ転送し、転送されたパケットは前記旧アクセスルータから前記モバイルノードへと転送されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モバイルノードからその通信相手ノードに対するパケットは、前記モバイルノードから前記新アクセスルータと前記旧アクセスルータとを経由するリバーストンネリングにより前記通信相手ノードへ転送されるか、または、
リバーストンネリングの代わりに、新たにトンネルを確立することなくそれまでのルートを用いてアップストリームデータが直接的にアップストリームへ送信される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記モバイルノードが前記旧アクセスルータから離脱した後に前記旧アクセスルータに到着するパケットは、該旧アクセスルータにおいてバッファリングされ、前記モバイルノードが前記新アクセスルータに帰属した後に前記旧アクセスルータから取得できるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記モバイルノードが前記新アクセスルータのアドレスを認識した後に、前記モバイルノードが前記旧アクセスルータへ高速バインディング更新メッセージを送信するステップと、
前記高速バインディング更新メッセージを受けて、前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップと
を更に含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップは、前記通信相手ノードから前記新アクセスルータを経由して前記旧アクセスルータへとメッセージをルーティングするために、前記モバイルノードが前記旧アクセスルータから離脱する前に、該モバイルノードのホームエージェント、該モバイルノードの通信相手ノード、またはモビリティアンカーポイントに向けて該モバイルノードがバインディング更新メッセージを送信するサブステップを含むものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記トンネルは、前記モバイルノードが前記新アクセスルータに帰属してハンドオーバの手順を完了する時点まで、パケットを前記旧アクセスルータへ転送するために使用されるものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
モバイルノードが旧アクセスルータから実際に離脱する前であって、該モバイルノードが新アクセスルータに帰属する前に、
前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間にトンネルを確立するステップと、
前記モバイルノードが前記旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記モバイルノードへ送信されるパケットが前記新アクセスルータと前記旧アクセスルータとを経由するようルーティングするステップと
を実行するモジュールを備える、モバイルIPネットワークにおいてモバイルノードが旧アクセスルータから新アクセスルータへと高速ハンドオーバを実行するための装置。
【請求項9】
ハンドオーバが実行される新アクセスルータを決定するモジュールと、
未来のパケットが前記新アクセスルータにより提供される新気付アドレスへ送信されるべきであることを前記モバイルノードのホームエージェントまたは通信相手ノードに対して通知するために、バインディング更新メッセージを送信するモジュールと、
前記モバイルノードが旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記旧アクセスルータと前記新アクセスルータとの間に確立されるトンネルを通じて、前記モバイルノードの通信相手ノードからデータを受信するモジュールと
を備えるモバイルノードである装置。
【請求項10】
あるモバイルノードの新アクセスルータとして決定されるアクセスルータであって、該新アクセスルータは、前記モバイルノードが旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記モバイルノードのホームエージェントまたは通信相手ノードから該モバイルノードへ送信されるパケットを、前記旧アクセスルータを経由して前記モバイルノードへ転送するために、前記モバイルノードの旧アクセスルータへのトンネルを確立した後に前記パケットの気付アドレスを提供するものである、アクセスルータを備える装置。
【請求項11】
あるモバイルノードの旧アクセスルータとして動作するアクセスルータであって、ハンドオーバが実行される前記モバイルノードの新アクセスルータへのトンネルを確立した後に、該モバイルノードのホームエージェント、通信相手ノードまたはモビリティアンカーポイントから該モバイルノードへ送信されるパケットのための新たな気付アドレスを提供する前記新アクセスルータからパケットを受信するとともに、前記モバイルノードが前記旧アクセスルータからハンドオフを実行する時点まで、前記新アクセスルータから前記トンネルを通じて受信したパケットを前記モバイルノードへ転送するアクセスルータを備える装置。
【請求項12】
前記モバイルノードからバインディング更新メッセージを受信する時点まで、前記旧アクセスルータを経由して前記モバイルノードへデータを転送するとともに、前記バインディング更新メッセージを受信した後は、前記モバイルノードが前記新アクセスルータに帰属する時点まで、前記モバイルノードへ送信されるダウンストリームパケットを前記新アクセスルータが提供する気付アドレスへ転送する、前記モバイルノードの通信相手ノードまたはホームエージェントを更に備える請求項8〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
請求項9〜12に記載の装置のうちの一つ以上の装置、および/または、請求項2〜7のいずれか一項に記載の方法を実行する一つ以上のモジュールを更に備える請求項8に記載の装置。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムコードを含むコンピュータプログラム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate


【公開番号】特開2009−171571(P2009−171571A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−326562(P2008−326562)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】