説明

高電圧伝送による共聴システム

【課題】 簡易高電圧アンプによる共聴システム
【解決手段】 音響共聴システムは多くのスピーカを同時に鳴らすため大容量で多くの機能を備えるために高価な装置となっている。このような問題を解決するために商用電力を直接整流し、外部の音響機器(パソコン・ラジカセ・その他オーディオセット等)の信号により、整流電流をスイッチング変調することにより電力をダイレクトに負荷に供給することが出来る。
この出力は電源電圧を維持した高電圧となるため、負荷スピーカは高インピーダンスとすることが必要となる。
発明に供するアンプは整流電流をスイッチングする機能のみにて形態をなすため、安価で取り扱いの簡単なため、通常の共聴システムをはじめ、非常放送機能等により防災機器として、多くの問題を解決できる。
整流方式は負荷容量により半端整流、全波整流、倍電圧整流など選択できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術の分野】
【0001】
発明は直流高電圧スイッチング回路に音声波を重畳するスイッチングアンプを形成し、高電圧による長距離伝送を可能とするものである。
【背景技術】
【0002】
半導体部品(トランジスタ・FET・ダイオード等)の高耐電圧部品が普及している。
共聴システムには100V伝送・70V伝送等の高電圧による高インピーダンス結合により、伝送損失を削減した方法が多くの施設にて採用されている。
また、火災警報その他の非常放送機能を備えたものもある。
【発明の開示】

【発明を解決しようとする課題】
【0003】
共聴システムに用いられるアンプは数多くのスピーカを同時に鳴らすため大出力で、低損失伝送を可能とする高電圧を発生する機能を備えている。また、非常放送機能等を備えるなどにより複雑で高価なものとなり、非常放送等の機能を簡単に設置しにくい現状がある。
【課題を解決する手段】
【0004】
商用電源電圧を直接整流し、電源とした高電圧スイッチングアンプにパソコン・オーディオアンプ・ラジオ・テレビ等による音声波を重畳し、高インピーダンス結合のスピーカに出力する。
【発明の効果】
【0005】
高電圧スイッチングアンプは負荷抵抗に流れる電流を音声波による信号電圧で制御する簡単な構造で直流負荷と交流負荷を並列接続することで交直分離が計られ、低損失で高出力でありながら低コストにて供給可能となる。また、負荷スピーカのアッテネータとの接続により非常放送機能を設置できる。
【発明を実施するための最良の形態・実施例】
【0006】
AC100Vを倍電圧整流し、トランジスタ等による制御装置を設け、直流負荷の両端から出力端を引き出し、その片側にコンデンサーを配し交直分離する。
AC100V倍電圧整流によりDC280Vを発生させることが出来き、制御装置を外部入力変調信号電圧により制御することで実効電圧最大AC100Vの変調出力を得ることが出来る。
この出力の直流分を直流抵抗に交流分をコンデンサーを経由して高インピーダンストランスを介したスピーカに分離して流すことにより、100Vライン伝送を可能とする。
AC100Vの商用電圧を直接整流することで理論的には無限大の出力を得ることが出来る。
また、交流分の伝送を三線式とすることで非常放送機能を備えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】SEダイレクトスイッチングアンプ回路例 商用電源電圧をD1,D2ダイオードにより倍電圧整流し、その電流をRAおよびRB抵抗によりA級バイアスをかけたトランジスタTRを外部音響機器より供給される入力信号によりスイッチングし、抵抗RLと交直分離コンデンサーC3を介し、高インピーダンストランスに接続したスピーカを並列負荷とする共聴回路。アンプにはスイッチSW1、出力端子TA1,TB1,TC1が設置され、スピーカに接続されたアッテネータにはスイッチSW2、およびアッテネータ機能を備えた高インピーダンストランスが接続され、受信端子TA2,TB2,TC2および中継端子TA3,TB3,TC3とスピーカ端子SP1,SP2が取り付けられる。通常放送時はSW1をTB1にSW2は閉じた状態で作動している。非常放送時SW1をTC1に切り替え放送する。このとき端末アッテネータのSW2が開の状態になっていても、回線は直接トランスに接続しているので、通報することが出来る。
【図2】PPダイレクトスイッチングアンプ回路例 商用電源電圧をD1、D2ダイオードにより倍電圧整流し、その電流をトランジスタTR1と抵抗RL1回路とTR2と抵抗RL2の2回路に分割し、それぞれをスイッチングトランスSTによって振り分けられた入力信号によりスイッチングし、RL1,RL2の両端に誘起する電圧をコンデンサーC3により交直分離しスピーカラインに供給する。抵抗RA,RBはトランジスタTR1,TR2の歪を低下させるためのAB級バイアスを供給するものである。通常放送と非常放送の切り替え機能は当然備えることが出来る。
【図3】共聴システム回路例 ダイレクトスイッチングアンプを外部信号により作動させ、その出力をアッテネータの中継機能により分配し、個々のスピーカに供給する。個々のスピーカはアッテネータの機能により音量調節、スピーカのON/OFFを設定することが出来る。非常放送時にはアンプのスイッチSW1の切り替えによってOFF状態のスピーカも含めた一斉放送を可能とする。
【符号の説明】
D1,D2:整流用ダイオード
C1,C2:整流用コンデンサー
C3 :交直分離用コンデンサー
RA,RB:トランジスタバイアス用抵抗
RL,RL1,RL2:直流負荷抵抗
TR,TR1,TR2:トランジスタ
SW1 :通常放送、非常放送切替スイッチ
SW2 :通常放送時スピーカアッテネータON/OFFスイッチ
TA1 :共通放送ラインのアンプ出力端子
TA2 :共通放送ラインのアッテネータ入力端子
TA3 :共通放送ラインのアッテネータ中継端子
TB1 :通常放送ラインのアンプ出力端子
TB2 :通常放送ラインのアッテネータ入力端子
TB3 :通常放送ラインのアッテネータ中継端子
TC1 :非常放送ラインのアンプ出力端子
TC2 :非常放送ラインのアッテネータ入力端子
TC3 :非常放送ラインのアッテネータ中継端子
ATT :高インピーダンス切替アッテネータトランス
SP1,SP2:スピーカ用出力端子
ST :スイッチングトランス
SP :スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力を直接整流した電流を外部信号により制御し、高電圧音響出力として提供する、ダイレクトスイッチングアンプ
【請求項2】
高電圧ダイレクトスイッチングアンプに非常放送機能を備え、共聴用スピーカに非常放送機能付き高インピーダンスアッテネーターを組み合わせた共聴システム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−160392(P2011−160392A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36622(P2010−36622)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(596040541)
【Fターム(参考)】