説明

(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物の製造方法

【課題】(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物、及び該化合物を簡便かつ効率的に製造方法を提供する。
【解決手段】ロジウム化合物触媒の存在下、一般式(1)で示される末端アセチレン化合物と、一般式(2)で示されるトリハロ酢酸ハライドを反応させることを特徴とする、一般式(3)で示される(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1、3−ジエン化合物はWittig反応やTebbe反応、Hoffman脱離やビニル化合物のカップリング反応等多種多様な反応によって合成され、生理活性物質として有用なピロールなどの複素芳香環の合成原料として用いられるほか、Diels−Alder反応などによる多くの変換反応を受けるため、極めて有用な一群の化合物であり(非特許文献1)、この範疇の化合物として膨大な数の化合物が知られている。
【0003】
これらの化合物の内、ブタジエン部分の1位および4位の炭素がともにハロゲンで置換された(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物については限られた化合物しか知られていないが、シロールやホスホールなどの発光材料(非特許文献2,3)、共役ポリエンなどの高分子合成におけるモノマー(非特許文献4)としての利用や、シクロペンタジエノン誘導体合成(非特許文献5)、多置換ピリジン合成(非特許文献6)、フラン誘導体合成(非特許文献7)、及びベンゼン誘導体合成(非特許文献8)に用いる例が報告されている。しかし、(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物の合成は、(i)末端アルキンをパラジウム塩および銅塩存在下でカップリングする方法(非特許文献9)、又は、(ii)アルキン2分子をZrやTiなどの前周期金属試薬を用いてメタラサイクルを形成させたのちハロゲン単体によってクエンチする方法(非特許文献10)によって行われてきたが、(i)の方法では多量の銅塩を必要とし、また反応系が不均一となるため反応を円滑に進める上で困難がある。(ii)の方法では調製に迂遠な操作を必要とする金属含有試薬を化学量論量必要し、また収率も一般に高くはなく、合成的に満足するべきものではなかった。
【非特許文献1】Synthesis、1993年、p.349
【非特許文献2】Journal of the American Chemial Society、2007年、129巻、p.3094
【非特許文献3】European Journal of Inorganic Chemistry、2005年、p.637
【非特許文献4】Liebigs Annalen、1995年、p.223
【非特許文献5】Journal of the American Chemical Society、2005年、127巻、p.8024
【非特許文献6】Journal of the American Chemical Society、2002年、124巻、p.6238
【非特許文献7】Journal of the Chemical Society,Chemical Communication、 1990年、p.1127
【非特許文献8】Journal of the American Chemical Society、2003年、125巻、p.6884
【非特許文献9】The Journal of Organic Chemistry,2004年、69巻、p.8125
【非特許文献10】The Journal of Organic Chemistry、1998年、63巻、p.10060
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物の簡便かつ効率的な製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、末端アセチレン化合物とアルファ位に塩素原子を持つアルファクロロカルボン酸塩化物を反応させると1,4−ジクロロ−3−ブテン−2−オン化合物が得られることを見いだし、1,4−ジクロロ−3−ブテン−2−オン化合物及びその製造方法として出願した(特願2007−054811)。本手法について更に鋭意研究の結果、アルファ位の炭素の置換基が全て塩素原子であるトリトリハロ酢酸ハライドを反応させると、先の発明とは全く異なって、アルキンの塩素付加2量化反応が進行することを見出し、この意外な結果に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0007】
【化1】

(式中、Rは、水素原子、炭素数14以下の脂肪族飽和炭化水素基、炭素数14以下の脂肪族不飽和炭化水素基、炭素数14以下の芳香族炭化水素基、炭素数15以下のアラルキル基、フェロセニル基、シリル基を表し、Rが芳香族炭化水素基又はアラルキル基で構成される場合の芳香族炭化水素基又はアラルキル基中の芳香環は炭素数12以下の複素芳香環であっても良い。また、Rは官能基によって置換されていても良い。)で表される末端アセチレン化合物と、一般式(2)
【0008】
【化2】

(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるトリハロ酢酸ハライドとを、ロジウム化合物触媒の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(3)
【0009】
【化3】

(式中、R及びXは、前記と同じ意味を表す。)で表される(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物の製造方法を提供する
【0010】
本明細書において示される各基は、具体的には以下の通りである。
【0011】
炭素数14以下の脂肪族飽和炭化水素基としては、n−テトラデシル基、n−デシル基、n−デシル基、n−ノニル基、n−オクチル基、エチルヘキシル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、エチル基、メチル基、シクロヘキシル基、デカヒドロナフチル基等の直鎖、分枝又は環状の脂肪族飽和炭化水素基を例示することが出来る。
【0012】
炭素数14以下の脂肪族不飽和炭化水素基としては、ビニル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテン−1−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、3−ブテン−2−イル基、2,2−ジメチルビニル基、1−ペンテン−1−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−2−イル基、4−ペンテン−1−イル基、4−ペンテン−2−イル基、4−ペンテン−3−イル基、4−ペンテン−4−イル基、1,2−ジメチル−1−ブテン−1−イル基、1−オクテン−1−イル基、1−デセン−1−イル基、1−テトラデセン−1−イル基、13−テトラデセン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、1−シクロヘキセン−3−イル基、1−シクロオクテン−1−イル基、1−メチル−1−シクロヘキセン−2−イル基等の直鎖、分枝又は環状の脂肪族不飽和炭化水素基を例示することが出来る。
【0013】
炭素数14以下の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、パラトリル基、メタトリル基、パラクミル基、アルファナフチル基、ベータナフチル基、ベータアントリル基、オルトビフェニル基、メタビフェニル基、パラビフェニル基等の芳香族炭化水素基を例示することが出来る。
【0014】
炭素数15以下のアラルキル基をしては、ベンジル基、アルファ又はベータフェニルエチル基、アルファ又はベータナフチルメチル基、ベータアントリルメチル基等のアラルキル基を例示することが出来る。
【0015】
シリル基としては3種の炭素数6以下の芳香族又は脂肪族飽和炭化水素基で置換されたトリオルガノシリル基が包含され、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基を例示することが出来る。
【0016】
炭素数12以下の複素芳香環としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピラン環、ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環等を例示することが出来る。
【0017】
Rが官能基によって置換されている場合の官能基としては、エーテル基、エステル基、カルバモイル基、アシル基、アミノ基、スルフィド基、シリル基、シロキシキ基、シアノ基、ハロゲン原子等の官能基を例示することが出来る。エーテル基としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等のエーテル基を例示することが出来る。エステル基としては、カルボメトキシ基、カルボフェノキシ基等のエステル基を例示することが出来る。カルバモイル基としては無置換のカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等を例示することが出来る。アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、パラトルイル基、アルファ又はベータナフトイル基等を例示することが出来る。アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリル基等を例示することが出来る。スルフィド基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基を例示するが出来る。シリル基としては、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等を例示することが出来る。シロキシキ基としては、トリメチルシロキシ基、t−ブチルジメチルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基等を例示することが出来る。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素等を例示することが出来る。
【0018】
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
【0019】
一般式(3)
【0020】
【化4】

(式中、R及びXは、前記と同じ意味を表す。)で表される(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物は、一般式(1)
【0021】
【化5】

(式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)で表される末端アセチレン化合物と、一般式(2)
【0022】
【化6】

(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるトリハロ酢酸ハライドとを、ロジウム化合物触媒の存在下に反応させることにより製造される。
【0023】
一般式(1)で表される末端アセチレン化合物に対する一般式(2)で表されるトリハロ酢酸ハライドのモル比に制限はないが、一般的には、0.3〜2.0の範囲から選ばれる。
【0024】
本発明の反応は、遷移金属化合物触媒、殊にロジウム化合物触媒の存在下において好ましい速度で進行する。ロジウム化合物としては種々の構造のものを用いることが出来るが、好適なものは、いわゆる低原子価のロジウム錯体である。具体的には、RhCl(PPh、RhCl(CO)(PPh、RhCl(CO)(AsPh、RhCl(CO)[P(o−Tol)、RhCl(CO)(PPhMe、RhCl(CO)(PMe、RhCl(CO)[PhP(CHPPh]、RhCl(CO)(AsPh、RhCl(CO)(dpaf)、RhCl(CO)(dppf)、RhCl(cod)(PPh)、RhCl(cod)(PPhMe)、RhCl(cod)(PMe)、RhCl(Cod)(AsPh)、Rh(acac)(CO)(PPh)、Rh(acac)(CO)(AsPh)、Rh(acac)(CO)[P(Mes)]、Rh(acac)(CO)[P(1−Naph)]、RhCl(CO)(o−ジフェニルホスフィノフェニルオキサゾリン)、RhCl(CO)[1,2−エチレンビス(オキサゾリン)]、[RhCl(CO)、[RhCl(cod)]、[RhCl(CH=CH、Rh(acac)(cod)、Rh(acac)(CO)等が例示される。なお、上記具体例の記載中、Tolはトリル基を示し、dpafは1,1’−ビス(ジフェニルアルシノ)フェロセンを示し、dppfは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを示し、codはシクロオクタジエンを示し、acacはアセチルアセトナトを示し、Mesは2,4,6−トリメチルフェニル基を示し、Naphはナフチル基を示す。これらの内でも、P(o−Tol)やP(Mes)のような立体的に嵩高い3価のリン化合物を配位子とするロジウム錯体が特に好適に用いられる。
【0025】
また、反応系中でロジウム化合物に配位子を添加して活性種を発生させそのまま触媒として用いる方法も、本発明の好適な態様に含まれる。この場合のロジウム化合物としては、[RhCl(CO)、[RhCl(cod)]、[RhCl(1,5−ヘキサジエン)]、[RhCl(CH=CH、Rh(acac)(cod)、Rh(acac)(CO)等が例示される。また、配位子としては、ホスフィン構造、ホスファイト構造、アルシン構造、イミン構造を有する配位子や、ホスフィン構造、ホスファイト構造、アルシン構造、イミン構造のいずれか2者の構造を同時に含む配位子が包含される。また、ホスフィン構造、ホスファイト構造、アルシン構造、イミン構造の配位子を2種以上混合して用いても良い。具体的には、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン、トリメシチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジシクロヘキシル(p−ビフェニル)ホスフィン、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、トリフェニルホスファイト、トリフェニルアルシン、1,1−ビス(ジフェニルアルシノ)フェロセン、[o−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]オキサゾリン、1,2−エチレンビス(オキサゾリン)等が例示されるが、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン、トリメシチルホスフィンのような立体的に嵩高いホスフィン構造のリン化合物が特に好ましい効果を示す。ロジウム錯体に対する配位子の添加量は、ロジウム化合物中のロジウム原子に対する配位子中の配位元素のモル比で1:0.5から1:10の範囲、好ましくは1:1から1:2の範囲から選択される。
【0026】
これらのロジウム化合物の使用量はいわゆる触媒量で良く、アセチレン化合物に対して20モル%以下で十分である。
【0027】
本発明の反応は空気等の酸素の存在下でも進行するが、反応中間体が酸素にやや敏感であるため、窒素やアルゴン、メタン等の不活性ガス雰囲気で実施するのが好ましい。本発明の反応は特に溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じて溶媒中で実施することもできる。溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、アニソール、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒などの種々のものが使用できる。また、これらは単独又は2種以上の混合物として使用される。
【0028】
本発明の反応は、一般的には0℃から200℃の温度域で実施できるが、好ましくは40〜160℃の範囲から選ばれる。
【0029】
反応時間は、反応温度や、溶媒使用の有無、使用するアセチレン化合物の種類その他により自ずから異なるが、通常0.1時間〜48時間である。
【0030】
反応混合物からの精製物の分離精製は、各種クロマトグラフィー、蒸留或いは再結晶等通常行われる方法により容易に達成される。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一般式(3)で示される(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物は、共役高分子、複素環化合物や医薬・農薬等の合成原料として有用である。また、本発明の製造方法によれば、容易に入手できる末端アセチレン化合物及びトリハロ酢酸ハライドから容易かつ高収率に製造することが出来、その分離精製も容易である。従って工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
実施例
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0033】
実施例1
窒素雰囲気下、内容積5mLの反応容器に1−オクチン(1mmol)、トリクロロアセチルクロリド(1mmol)、ロジウム化合物として[RhCl(CO)(ロジウム原子あたり0.05mmol)、配位子としてP(Mes)(0.1mmol)、クロロベンゼン(1mL)を加え、130℃で3時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、内部標準物質として1,1,2,2−テトラクロロエタン(24.3mg)を加えてH NMRスペクトルで分析の結果、(Z,Z)−7,10−ジクロロ−7,9−ヘキサデカエンが91%の収率で生成していることが判明した。反応液を減圧下に濃縮し、ヘキサンを用い分取薄層クロマトグラフィーで精製することで、(Z,Z)−7,10−ジクロロ−7,9−ヘキサデカエンが得られた。
【0034】
実施例2〜17
反応時間を12時間とし、ロジウム化合物、配位子、溶媒、又は反応温度を種々変えて、実施例1と同様の手法で反応し、H NMRスペクトルで分析した。(Z,Z)−7,10−ジクロロ−7,9−ヘキサデカエンの収率を第1表にまとめて示した。
【0035】
【表1】

【0036】
実施例18
窒素雰囲気下、内容積5mLの反応容器内にて、1−デシン(1mmol)、トリブロモアセチルブロミド(1mmol)、ロジウム化合物として[RhCl(CO)(ロジウム原子あたり0.05mmol)、配位子としてP(Mes)(0.1mmol)、及びガスクロマトグラフィー分析用内部標準物質としてn−テトラデカン(20.6mg)をクロロベンゼン(1mL)に加え、90℃で3時間加熱攪拌した。ガスクロマトグラフィー分析の結果、(Z,Z)−9,12−ジブロモ−9,11−エイコサジエンが43%の収率で生成していることが判明した。反応液を減圧下濃縮し、ヘキサンを展開液とする分取薄層クロマトグラフィーで繰り返し分離精製することにより、(Z,Z)−9,12−ジブロモ−9,11−イコサジエンが得られた。
【0037】
実施例19〜32
1−オクチンに代えて、種々の末端アセチレン化合物を用い、実施例1と同様の反応を行った結果を第2表にまとめて示した。
【0038】
【表2】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは、水素原子、炭素数14以下の脂肪族飽和炭化水素基、炭素数14以下の脂肪族不飽和炭化水素基、炭素数14以下の芳香族炭化水素基、炭素数15以下のアラルキル基、フェロセニル基、シリル基を表し、Rが芳香族炭化水素基又はアラルキル基で構成される場合の芳香族炭化水素基又はアラルキル基中の芳香環は炭素数12以下の複素芳香環であっても良い。また、Rは官能基によって置換されていても良い。)で表される末端アセチレン化合物と、一般式(2)
【化2】

(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるトリハロ酢酸ハライドとを、ロジウム化合物触媒の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(3)
【化3】

(式中、R及びXは、前記と同じ意味を表す。)で表される(Z,Z)−1,4−ジハロ−1,3−ブタジエン化合物の製造方法。
【請求項2】
ロジウム化合物を触媒として用いる請求項1の製造方法。
【請求項3】
3価のリン化合物を配位子とするロジウム化合物を触媒として用いる請求項1の製造方法。
【請求項4】
反応系中で、ロジウム化合物に配位子を添加して活性種を発生させそのまま触媒として用いる請求項1の製造方法。
【請求項5】
反応系中で、ロジウム化合物に3価のリン化合物を配位子として添加して活性種を発生させそのまま触媒として用いる請求項1の製造方法。

【公開番号】特開2010−13431(P2010−13431A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200200(P2008−200200)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】