説明

1−ブテンコポリマー類およびそれらの製造方法

(A)式(I)(1)[式中、Mは、遷移金属の原子であり;pは、0から3の整数であり;Xは、同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり;Lは、2価の橋架基であり;R1とR3は、炭化水素基であり;R2とR4は、水素原子または炭化水素基であり;T1とT2は、互いに同一または異なり、式(II)、(III)あるいは(IV)(式中、記号*で示される原子は、式(I)で同じ記号で示した原子に結合し;R5、R6、R7、R8とR9は、互いに同一または異なり、水素原子、または炭化水素基である)の部分である]のメタロセン化合物;および(B)アルモキサンあるいはアルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物を接触して得ることができる触媒系の存在下、1−ブテンと1つ以上のアルファーオレフィン類を重合条件下で接触させることからなる、30モル%以下の1つ以上の式CH2=CHZ(式中、ZはC3−C20炭化水素基である)のアルファーオレフィンから誘導される単位を含む、アイソタクチック1−ブテンコポリマー類の製造方法。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メタロセンを主成分とする触媒系を使用することによる1−ブテンとC5−C22アルファーオレフィンとのコポリマー類を製造する方法およびこの方法によって得られるコポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
高級アルファーオレフィンである1−ブテンポリマー類は、半硬質樹脂として知られている。それらの優れた透明性、表面の非粘着性、およびその他の引張特性のために、それらは、例えば、包装フィルムまたはシート、あるいはその他の溶融成形品の製造に使用される。
【0003】
先行技術で、これらのコポリマー類は、チタンを主成分とする触媒を用いて得られる。例えば、EP186287号は、塩化マグネシウム上に担持された四塩化チタンと外部供与体としてビニルトリエトオキシシランを使用して得られる1−ブテンのランダムコポリマー類を記載している。EP352362号は、チタンを主成分とする触媒系、内部供与体としてジイソブチルフタレートおよび外部供与体として1,8シネオールを使用することにより得られる1−ブテンコポリマー類を記載し;さらに比較例で、ビニルトリエトオキシシランもまた外部供与体として使用される
【0004】
チタンを主成分とする触媒が使用された場合、上記方法の収率は非常に低い。さらにジエチルエーテルに可溶なポリマー分率で示されるように、コモノマーの分布は、良好ではなく、改善することができる。
【0005】
最近、WO 02/16450号で、メタロセンを主成分とする触媒系を使用して得られた低アイソタクチック1−ブテンコポリマー類が記載されている。これらのコポリマー類は、高いアイソタクチシティ値を賦与されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、高収率で、高分子量で、かつ良好なコモノマー分布を有するアイソタクチック1−ブテンコポリマーを得ることを可能にする新規な方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の目的は、
a)少なくとも式(I):
【化1】

【0008】
[式中、
Mは、元素の周期表の3、4、5、6族またはランタニドまたはアクチニド族に属する遷移金属であり;好ましくはMは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり;
pは、0から3の整数であり、好ましくはpは2であり、金属Mの形式酸化状態マイナス2に等しく;
【0009】
Xは、互いに同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OSO2CF3、OCOR、SR、NR2またはPR2基(式中、Rは、元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C20アリ−ル、C7−C20アルキルアリールまたはC7−C20アリールアルキル基である)であり;または2つのXは、任意に、置換あるいは非置換のブタジエニル基、またはOR'O基(式中、R'は、C1−C20アルキリデン、C6−C40アリーリデン、C7−C40アルキルアリーリデンおよびC7−C40アリールアルキリデン基から選択された2価の基である)を形成することができ;好ましくはXは、水素原子、ハロゲン原子あるいはR基であり;より好ましくはXは、塩素あるいはメチル基であり;
【0010】
Lは、元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、C1−C20アルキリデン、C3−C20シクロアルキリデン、C6−C20アリーリデン、C7−C20アルキルアリーリデンおよびC7−C20アリールアルキリデン基、およびSiMe2、SiPh2のような5以下の珪素原子を含むシリリデン基から選択される2価の橋架基であり;好ましくはLは、Si(CH3)2、SiPh2、SiPhMe、SiMe(SiMe3)、CH2、(CH2)2、(CH2)3とC(CH3)2からなる群から選択され;
【0011】
1とR3は、互いに同一または異なり、元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C20アリ−ル、C7−C20アルキルアリールまたはC7−C20アリールアルキル基であり;
【0012】
2とR4は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C20アリ−ル、C7−C20アルキルアリールまたはC7−C20アリールアルキル基であり;好ましくは、それらは水素原子であり;
【0013】
1とT2は、互いに同一または異なり、式(II)、(III)あるいは(IV):
【化2】

(式中、記号*で示される原子は、式(I)で同じ記号で示した原子に結合し;
【0014】
5、R6、R7、R8とR9は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C40アリ−ル、C7−C40アルキルアリール、C7−C40アリールアルキル基であり;
6とR7はまた結合して、元素の周期表の13−16族に属する異原子を任意に含有する、飽和あるいは不飽和の縮合5から7員環を形成することができ;好ましくはR9は、水素、または線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基である)の部分である]
のメタロセン化合物;
【0015】
b)少なくともアルモキサンあるいはアルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物;および
c)任意に有機アルミニウム化合物
を接触して得ることができる触媒系の存在下、1−ブテンと1つ以上のアルファーオレフィン類を重合条件下で接触させることからなる、30モル%以下の1つ以上の式CH2=CHZ(式中、ZはC3−C20炭化水素基である)のアルファーオレフィンから誘導される単位を含む、アイソタクチック1−ブテンコポリマー類の製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
好ましい式(I)のメタロセン化合物は、次の下位分類に属する:
下位分類(1)
下位分類(1)に属するメタロセン化合物は、次式(V):
【化3】

【0017】
[式中、
M、L、Xとpは、上記されている;
10は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C19アルキル、C3−C19シクロアルキル、C6−C19アリ−ル、C7−C19アルキルアリール、C7−C19アリールアルキル基であり;好ましくはR10は、水素原子あるいはC1−C19アルキル基であり、より好ましくは、R10は、水素、メチルまたはエチルである;
【0018】
3とT4は、互いに同一または異なり、式(Va)、(Vb)あるいは(Vc):
【化4】

【0019】
(式中、
記号*で示される原子は、式(V)で同じ記号で示される原子に結合し;
6、R7とR9は、上で定義され;
好ましくはR6とR7は、水素原子、あるいは線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基であり、またはそれらは、元素の周期表の13−16族に属する異原子を任意に含有する、飽和あるいは不飽和の5あるいは6員環を形成し;好ましくはR9は、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基である)
の部分である]
を有する。
【0020】
下位分類(2)
下位分類(2)に属するメタロセン化合物は、次式(VI):
【化5】

【0021】
[式中、
10、M、L、Xとpは、上記されている;
5とT6は、互いに同一または異なり、式(VIa)、(VIb)または(VIc):
【化6】

【0022】
(式中:
記号*で示される原子は、式(VI)で同じ記号で示される原子に結合し;
6、R7とR9は、上で定義され;
好ましくはR6とR7は、水素原子、あるいは線状または分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基であり;またはそれらは、元素の周期表の13−16族に属する異原子を任意に含有する、飽和あるいは不飽和の5あるいは6員環を形成し;
好ましくはR9は、水素原子、または線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基であり;
【0023】
11、R12、R13、R14とR15は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状または分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C20アリ−ル、C7−C20アルキルアリール、C7−C20アリールアルキル基であり、または2つの隣り合った基が共に、元素の周期表の13−16族に属する異原子を任意に含有する、飽和あるいは不飽和の縮合5あるいは6員環を形成することができ;好ましくはR11は、C1−C20アルキル基であり;より好ましくはR11は、メチル基であり;好ましくはR14は、水素原子あるいはC1−C20アルキル基であり;より好ましくはR14は、メチル基であり;好ましくはR12、R13とR15は、水素原子である)の部分である]
を有する。
【0024】
式(I)、(V)と(VI)に属するメタロセン化合物は、先行技術で公知である;特に
、それらはUSP5,145,819号、EP‐A‐0485823号、WO98/22486号、WO01/44318号、USP5,786,432号およびEP02080120.5号に記載されている。
好ましくは式(I)のメタロセン化合物は、ラセミ(rac)体であある。
【0025】
この発明の使用に適したアルモキサンの例は、メチルアルモキサン(MAO)、テトラ−(イソブチル)アルモキサン(TIBAO)、テトラ−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルモキサン(TIOAO)、テトラ−(2,3−ジメチルブチル)アルモキサン(TDMBAO)およびテトラ−(2,3,3−トリメチルブチル)アルモキサン(TTMBAO)である。
特に興味ある助触媒は、アルキルとアリール基が特異な分枝パターンを有しているWO99/21899号とWO01/21674号に記載されたものである。
【0026】
WO99/21899号とWO01/21674号によるアルミニウム化合物の非限定例は、;
トリス(2,3,3−トリメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−へプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−プロピル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジエチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−プロピル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−イソブチル−3−メチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−トリメチルシリル−プロピル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−プロピル)アルミニウム、トリス[2−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[2−(4−クロロ−フェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[(2−(3−イソプロピル−フェニル)−プロピル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(3−メチル−2−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−ペンチル)アルミニウム、トリス[2−(ペンタフルオロフェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[2,2−ジフェニル−エチル]アルミニウムおよびトリス[2−フェニル−2−メチル−プロピル]アルミニウム、ならびに1つの炭化水素基が水素で置換されており、かつ1つまたは2つの炭化水素基がイソブチル基で置換されている対応する化合物である。
【0027】
上記のアルミニウム化合物の中で、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、トリス(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2,3−ジメチルブチル)アルミニウム(TDMBA)およびトリス(2,3,3−トリメチルブチル)アルミニウム(TTMBA)が好ましい。
【0028】
アルキルメタロセンカチオンを形成できる化合物の非限定例は、式D+-(式中、D+は、プロトンを供与でき、式(I)のメタロセンの置換基Xと不可逆に反応できるブレンステッド酸であり、E-は、2つの化合物の反応に由来する活性な触媒種を安定化でき、かつオレフィン系モノマーによって除去され得るに十分に不安定である親和性(compatible)アニオンである)の化合物である。アニオンE-は、1以上の硼素原子からなることが好ましい。アニオンE-は、式BAr4(-)(式中、置換基Arは、同一または異なり、フェニル、ペンタフルオロフェニルあるいはビス(トリフルオロメチル)フェニルのようなアリール基である)のアニオンがより好ましい。テトラキス−ペンタフルオロフェニルボレートが、WO91/02012号に記載されている化合物の特に好ましい例である。さらに、式BAr3の化合物は、簡便に使用できる。このタイプの化合物は、例えば、国際特許出願公開WO92/00333号に記載されている。アルキルメタロセンカチオンを形成できる化合物の他の例は、式BAr3P(式中、Pは置換または非置換ピロール基である)の化合物である。これらの化合物は、WO01/62764号に記載されている。
【0029】
助触媒の他の例は、EP775707号とDE19917985号に見出すことができる。硼素原子を含む化合物は、DE−A−19962814号とDE−A−19962910号の記載により簡便に担持され得る。硼素原子を含有する全てのこれらの化合物は、硼素とメタロセンの金属との間のモル比が約1:1と約10:1、好ましくは1:1と2:1、より好ましくは約1:1で使用できる。
【0030】
式D+-の化合物の非限定例は:
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリメチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(ジメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルベンジルアンモニウム−テトラキスペンタフロオロフェニルボレート、
N,N−ジメチルへキシルアンモニウム−テトラキスペンタフロオロフェニルボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
N,N−ジメチルベンジルアンモニウム−テトラキスペンタフロオロフェニルボレート、
N,N−ジメチルへキシルアンモニウム−テトラキスペンタフロオロフェニルボレート、
ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(シクロヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルフォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリエチルフォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
ジフェニルフォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(メチルフェニル)フォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(ジメチルフェニル)フォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
である。
【0031】
化合物c)として使用される有機アルミニウム化合物は、上記の式HjAlU3-jあるいはHjAl26-jの化合物である。
【0032】
この発明の重合方法は、液相で行なうことができる。重合溶媒は、任意に不活性炭化水素溶剤の存在下で1−ブテンであることができる。その炭化水素溶剤は、芳香族(トルエンのような)または(プロパン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、シクロヘキサンや2,2,4−トリメチルペンタンのような)脂肪族の何れかであることができる。それ以外にこの発明の重合方法は、気相で行なうことができる。重合は、重合溶媒として液体1−ブテンを使用して行なうことが好ましい(塊状重合)。
【0033】
また、この発明の触媒系は、不活性担体上に担持されることができる。これは、例えば、シリカ、アルミナ、酸化物を混合したAl−Si、Al−Mg、ハロゲン化マグネシウム、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー類、ポリエチレンまたはポリプロピレンのような不活性担体上に、メタロセン化合物a)またはそれと成分b)との反応生成物、あるいは成分b)を、次いでメタロセン化合物a)を付着させることで達成される。担持工程は、トルエン、ヘキサン、ヘプタンおよびプロパンから選択される炭化水素のような不活性溶剤中、0℃から100℃、さらに30℃から60℃の範囲の温度で行なわれる。
【0034】
触媒系を担持するために特に好適な方法は、WO01/44319号に記載されており、その方法は:
(a)可溶性触媒成分を含む触媒溶液の製造;
(b)接触容器中への:
(i)粒子状の多孔性担体材料と
(ii)導入された多孔性担体材料の全空隙容量より多くない容量の触媒溶液
の導入;
(c)段階(b)の結果として生じた材料の接触容器からの排出、およびその溶剤が蒸発する条件下で不活性ガス流中でのそれの懸濁;および
(d)段階(c)の結果として生じた材料の少なくとも一部の、再導入材料の全空隙容量より大きくない、別の容量の触媒溶液と共に、接触容器への再導入。
の段階からなる。
【0035】
担体の好適な分類は、活性水素原子を有する官能基で機能化された多孔性有機担体からなる。有機担体が部分架橋されたスチレンポリマーであるものが特に好適である。このタイプの担体は、EP633272号に記載されている。
この発明の使用に特に好適な他の分類の不活性担体は、ポリオレフィン多孔性プレポリマー、特にポリエチレンである。
この発明の使用にさらに好適な分類の不活性担体は、WO95/32995号に記載されているものような、多孔性ハロゲン化マグネシウムである。
【0036】
重合温度は、0℃と250℃の範囲が好ましく;好ましくは20℃と150℃の間からなり、さらに好ましくは40℃と90℃の間である。
【0037】
この発明の方法で得られるポリマーの分子量分布は、異なるメタロセン化合物の混合物、または式(I)のメタロセン化合物とチーグラー・ナッタ触媒の混合物を使用することにより、または重合を異なる重合温度および/または異なる濃度の分子量調節剤および/または異なるモノマー濃度でいくつかの段階で行なうことにより変化させることができる。
重合収率は、触媒中の遷移金属有機金属触媒化合物a)の純度に依存し、したがって、その化合物は、そのまま使用できるか、または使用の前に精製処理に付すことができる。
【0038】
この発明の方法を使用して、30モル%以下の1つ以上の式CH2=CHZ(式中、Zは、C3−C20の炭化水素基である)のアルファーオレフィンから誘導される単位を含有するアイソタクチック1−ブテンコポリマーを製造することができる。
アルファーオレフィン類の例は、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンである。好ましいコモノマー類は、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンであり;そのコモノマーは、1−ヘキセンである。
そのアルファーオレフィン類から誘導される単位の好ましい含有量は、2モル%と20モル%、より好ましくは3%と17モル%の範囲である。
【0039】
この発明の方法で得られる1−ブテンコポリマー類は、高度にアイソタクチックで、かつ工業用途で有用にする高分子量を示す。
さらに、この発明の目的である1−ブテンコポリマー類は、良好なコモノマー分布の指標であるジエチルエーテル可溶物の高い含有量で特徴づけられる。さらに、1−ブテンの4,1レジオインサーション(regioinsertion)は、ポリマー鎖中に存在する。ポリマー鎖に沿う4,1レジオエラー(regioerror)の存在は、コモノマー導入効果を高め、そのため結晶化度を低下させる。1−ブテンの4,1挿入物(insertion)の存在は、13C−NMRで評価できる。4,1挿入物の値の付与は、Busico(V. Busico, R. Cipullo, A. Borriello, Maromol. Rapid. Commun. 1995, 16, 269−274)により行なうことができる。
【0040】
したがって、この発明のさらなる目的は、以下の特徴:
−アイソタクチックペンタド(pentads)(mmmm)>90%;好ましくは>95%;より好ましくは>98%;と
−ジエチルエーテルに可溶な画分のパーセント(%SD)とポリマー鎖中の前記アルファーオレフィンのモル含量(%O)が、次の関係式:
%SD>2.8%O+8
を満足する、
を有する、30モル%以下の1つ以上の式CH2=CHZ(式中、Zは、C3−C20の炭化水素基である)のアルファーオレフィン類から誘導される単位を含有するアイソタクチック1−ブテンコポリマーである。
好ましいその関係式は、%SD>2.8%O+10であり;より好ましいその関係式は、%SD>2.8%O+15であり;さらに好ましいその関係式は、%SD>2.8%O+20である。
【0041】
アルファーオレフィン類の含有量が10%と30%の間からなる場合、この発明により得られるコポリマー類は、次の特性:
−アイソタクチックペンタド(mmmm)>90%;好ましくは>95%;より好ましくは>98%;と
−ジエチルエーテルに可溶な画分のパーセント>92%;好ましくは>94%
により特徴付けられる。
好ましくは、アルファーオレフィン誘導単位の含有量は、11%と25%の間からなる。
アルファーオレフィンの含有量が5%と12%の間からなる場合、この発明により得られるコポリマーは、次の特性:
−アイソタクチックペンタド(mmmm)>90%;好ましくは>95%;より好ましくは>98%;と
−ジエチルエーテルに可溶な画分のパーセント>41%;好ましくは>46%
により特徴づけられる。
【0042】
この発明により得られる1−ブテンコポリマー類は、ポリマー鎖における4,1挿入物の存在によってさらに特徴付けられる。
したがって、この発明のさらなる目的は、以下の特徴:
−アイソタクチックペンタド(mmmm)>90%;好ましくは>95%;より好ましくは>98%;と
−ポリマー鎖中における4,1挿入物の存在
を有する、30モル%以下の1つ以上の式CH2=CHZ(式中、Zは、C3−C20の炭化水素基である)のアルファーオレフィン類から誘導される単位を含有するアイソタクチック1−ブテンコポリマーである。
好ましくは、4,1挿入物は、0.02%より高く、より好ましくはそれらは0.05%と0.4%の間からなる。
【0043】
この発明の目的である1−ブテンコポリマー類は、さらに分子量分布Mw/Mn<4;好ましくはMw/Mn<3;より好ましくはMw/Mn<2.5で与えられる。
デカヒドロナフタレン中で測定された分子量(I.V.)は、1dl/gより高く、好ましくは1.25dl/gより高い。
この発明の1−ブテンコポリマーは、アイソタクチックまたはシンジオタクチックポリプロピレンのホモおよびコポリマー、1−ブテンホモポリマー、およびエチレンのホモおよびコポリマーのような他のポリオレフィン類との混合物の成分として有利に利用することができる。
【実施例】
【0044】
以下の実施例は、この発明を説明するために与えられ、限定するためではない。
実験の部
極限粘度数(I.V.)は、デカヒドロナフタレン(DHN)中135°Cで測定した。
ポリマーの融点(Tm)は、Pyris 1ソフトウエアを具えたPerkin−Elmer DSC-7熱量計を用いて測定した。その装置は、所望の精度でベースラインを決定するために、特別の注意を払ってインジウムと亜鉛で補正した。
【0045】
融点は、次の方法に従い、重合から得られた秤量試料(4−8mg)をアルミニウム皿中で密封し、次いで試料を以下の熱処理:
i) 10℃/分の走査速度で室温から180℃までの最初の加熱試験;
ii)180℃で5分間の焼鈍試験;
iii) 制御された条件下における試料の結晶化のための、10℃/分で180℃から0℃までの結晶化試験;
iv) 室温から180℃までの第二の加熱試験。
に付して測定した。
第二の加熱試験で、最大ピーク温度を融点(Tm)として採用した。
【0046】
分子量分布は、次のクロマトグラフ条件:
カラム:3x SHODEX AT 806 MS; 1x SHODEX UT 807; 1x SHODEX AT-G;
溶媒:1,2,4トリクロロベンゼン(+0.025%2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチル-フェノール);
流速:0.6−1ml/分
温度;135℃
検出器:INFRARED AT
【数1】

校正:PS−標準で万能校正
を使用してWATERS 150 Cで測定した。
【0047】
13C−NMRスペクトルは、120℃におけるフーリエ変換モードで100.61MHzで操作するDPX‐400スペクトロメーターで得た。2B2炭素(Carman, C. J. ;Harrington, R. A. ; Wilkes, C. E. Macromolecules 1977, 10, 535による命名)のピークを、27.73での内部参照として使用した。試料を1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2に120℃で8重量/v%濃度に溶解した。各スペクトルを90°パルスで、1H−13Cカップリングを除去するために、パルスとCPD(ワルツ16)の間の15秒の遅延で取得した。約600トランジェントを、6000Hzのスペクトルウインドーを用いて32Kデータ点で蓄えた。4,1挿入物の値の付与を、Busico(V. Busico, R. Cipullo,A. Borriello, Maromol. Rapid. Commun. 1995, 16, 269−274)により行った。
【0048】
ジエチルエーテル溶解度
約1グラムのポリマーを磁気式攪拌機を備えたガラスフラスコに移し、250ccのジエチルエーテルを添加した。その溶液を、ポリマーの可溶画分を溶解するために、N2下室温で24時間攪拌した。溶解後、液体を、溶液から残存固体を分離するために濾紙で濾過し、予め秤量しておいたたガラスフラスコに移した。その溶剤を真空下で除去し、得られたポリマーを、全ての溶剤痕跡を除去するために、1日間、温真空オーブン中で乾燥した。そのフラスコを秤量し、可溶なポリマーの量を測定した。
【0049】
触媒成分の製造
racジメチルシリルビス(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロリド(A−1)を、USP5,145,819号に従って製造した。racジメチルシランジルビス−6−[2,5−ジメチル−3−(2',5’−ジメチル−フェニル)シクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン]ジルコニウムジクロリド(A−2)を,WO01/44318号に従って製造した。
助触媒のメチルアルモキサン(MAO)は市販品で、受領のまま使用した(Witco AG,10重量/v%トルエン溶液、Al中1.7M)。
【0050】
触媒溶液の製造手順
表1に示される3mgのメタロセン化合物を、メチルアルモキサン(MAO 10重量/容積%)のトルエン溶液に添加し、所望のMAO/Zr比を得た。もし必要であれば、オートクレーブ中への供給を容易にするために、追加のトルエンを添加し、5−10mlの最終容量を得た。触媒溶液をスチールシリンダー中に挿入し、次いで上記のようにオートクレーブ中に供給した。
【0051】
重合実施例1−8
磁気的に攪拌されたアンカー(通常攪拌速度550rpm)と1−ブテンに対して9000グラム/時の最大流速を有する流量記録および制御システム(FRC)を備えた、4.25リッターのスチール製オートクレーブを、熱窒素でパージした(1.5bar g N2、70℃、1時間)。次いで、攪拌を開始し、1−ブテンと1−ヘキセンを反応器中に供給した(量を表1に示す)。引き続き、反応器の内部温度を、30℃から重合温度である70℃に上げた。圧力と温度が一定になった時に、窒素の過剰圧力で反応器中に触媒溶液を供給し、表1に示す時間、重合を行った。
【0052】
次いで、攪拌を中断し;オートクレーブ中の圧力を、窒素により20bar−gまで上げた。底部排出バルブを開き、コモノマー/コポリマー混合物を、70℃で水を含有する加熱されたスチール製タンク中に排出した。タンクの加熱を切断し、0.5bar−gの窒素の流束を供給した。室温で1時間冷却後、スチール製タンクを開き、湿潤ポリマーを回収した。湿潤ポリマーを窒素下、70℃でオーブン中で乾燥した。
【0053】
コポリマーの特徴付け
実施例1および2から得られたポリマーの試料と、PCT/EP02/06574号の実施例11に従って製造された2.3重量%のエチレン含有量を有する1−ブテン/エチレンコポリマー(比較例として使用された試料A)の試料を、180℃で1%の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を使用してBrabender(登録商標)チャンバー中で混合し、次いで200℃で圧縮成型し、30℃/分の冷却により1.9と4mm厚さのプラックに変換した。
【0054】
1.9mm厚さのプラックを、引張試験(ASTM D638法による)に付し、一方4.0mm厚さのプラックを、ISO 178法による曲げ弾性率の測定に付した。
引張弾性率は、次式:
引張弾性率=(1−3%弦)=(T3%−T1%)/0.02
(式中、T3%=3%変形時の応力;およびT1%=1%変形時の応力)
により計算した。
その結果を表2に報告する。
【0055】
【表1−1】

【0056】
【表1−2】

【0057】
【表2】

【0058】
先行技術のブテン−エチレン(2.3重量%C2、IR)コポリマーと、この発明によるブテン−ヘキセンコポリマー(4.75重量%C613CNMR)との比較は、後者の高い融点と融解エンタルピー、その他の全ての特性が同じであることを示している。
先行技術の同じブテン−エチレン(2.3重量%C2、IR)コポリマーと、この発明によるより改質されたブテン−ヘキセンコポリマー(8.65重量%C613CNMR)との比較は、後者の高い融点と柔軟性、その他の全ての特性が類似であることを示している。表2において、先行技術のブテン−エチレンコポリマーに対するこの発明のブテン−ヘキセンコポリマーの優位性は、良好な耐熱性と高い柔軟性で示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも式(I):
【化1】

[式中、
Mは、元素の周期表の3、4、5、6族またはランタニドまたはアクチニド族に属する遷移金属であり;
pは、0から3の整数であり、金属Mの形式酸化状態マイナス2に等しく;
Xは、互いに同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OSO2CF3、OCOR、SR、NR2またはPR2基(式中、Rは、元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C20アリ−ル、C7−C20アルキルアリールまたはC7−C20アリールアルキル基である)であり;または2つのXは、任意に、置換あるいは非置換のブタジエニル基、またはOR'O基(式中、R'は、C1−C20アルキリデン、C6−C40アリーリデン、C7−C40アルキルアリーリデンおよびC7−C40アリールアルキリデン基から選択された2価の基である)を形成することができ;;
Lは、元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、C1−C20アルキリデン、C3−C20シクロアルキリデン、C6−C20アリーリデン、C7−C20アルキルアリーリデンおよびC7−C20アリールアルキリデン基、および5以下の珪素原子を含むシリリデン基から選択される2価の橋架基であり;;
1とR3は、互いに同一または異なり、元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C20アリ−ル、C7−C20アルキルアリールまたはC7−C20アリールアルキル基であり;
2とR4は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C20アリ−ル、C7−C20アルキルアリールまたはC7−C20アリールアルキル基であり;
1とT2は、互いに同一または異なり、式(II)、(III)あるいは(IV):
【化2】

(式中、*で示される原子は、式(I)で同じ記号結合手で示した原子に結合し;
5、R6、R7、R8とR9は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C40アリ−ル、C7−C40アルキルアリール、C7−C40アリールアルキル基であり;
6とR7はまた結合して、元素の周期表の13−16族に属する異原子を任意に含有する、飽和あるいは不飽和の縮合5から7員環を形成することができる)の部分である]
のメタロセン化合物;および
b)少なくともアルモキサンあるいはアルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物
を接触して得ることができる触媒系の存在下、1−ブテンと1つ以上のアルファーオレフィン類を重合条件下で接触させることからなる、30モル%以下の1つ以上の式CH2=CHZ(式中、ZはC3−C20炭化水素基である)のアルファーオレフィンから誘導される単位を含む、アイソタクチック1−ブテンコポリマー類の製造方法。
【請求項2】
触媒系が、さらに有機アルミニウム化合物を含む請求項1による方法。
【請求項3】
Mがチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり;Xが水素原子、ハロゲン原子あるいはR基であり;LがSi(CH3)2、SiPh2、SiPhMe、SiMe(SiMe3)、CH2、(CH2)2、(CH2)3とC(CH3)2からなる群から選択され;かつR9が水素原子、または線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基である請求項1または2による方法。
【請求項4】
メタロセン化合物が、次式(V):
【化3】

[式中、
M、L、Xとpは、請求項1におけるのと同じ意味を有し;
10は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C19アルキル、C3−C19シクロアルキル、C6−C19アリ−ル、C7−C19アルキルアリール、C7−C19アリールアルキル基であり;
3とT4は、互いに同一または異なり、式(Va)、(Vb)あるいは(Vc):
【化4】

(式中、
記号*で示される原子は、式(V)で同じ記号で示される原子に結合し;
6、R7とR9は、請求項1におけるのと同じ意味を有する)
の部分である]
を有する請求項1〜3のいずれか1つによる方法。
【請求項5】
式(V)において、R10が水素原子あるいはC1−C19アルキル基であり;R6、R7が水素原子、あるいは線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基であり、またはそれらが元素の周期表の13−16族に属する異原子を任意に含有する、飽和あるいは不飽和の5あるいは6員環を形成することができ;かつR9が線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基である請求項4による方法。
【請求項6】
メタロセン化合物が、次式(VI):
【化5】

[式中、
M、L、Xとpは、請求項1におけるのと同じ意味を有し;
10は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C19アルキル、C3−C19シクロアルキル、C6−C19アリ−ル、C7−C19アルキルアリール、C7−C19アリールアルキル基であり;
5とT6は、互いに同一または異なり、式(VIa)、(VIb)または(VIc):
【化6】

(式中:
記号*で示される原子は、式(VI)で同じ記号で示される原子に結合し;
6、R7とR9は、請求項1におけるのと同じ意味を有し;
11、R12、R13、R14とR15は、互いに同一または異なり、水素原子、あるいは元素の周期表の13−17族に属する異原子を任意に含有する、線状または分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6−C20アリ−ル、C7−C20アルキルアリール、C7−C20アリールアルキル基であり、または2つの隣り合った基が共に、元素の周期表の13−16族に属する異原子を任意に含有する、飽和あるいは不飽和の縮合5あるいは6員環を形成することができる)の部分である]
を有する請求項1〜3のいずれか1つによる方法。
【請求項7】
6、R7が水素原子、あるいは線状または分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基であり;またはそれらが元素の周期表の13−16族に属する異原子を任意に含有する、飽和あるいは不飽和の5あるいは6員環を形成することができ;かつR9が水素原子、または線状あるいは分枝状の飽和あるいは不飽和C1−C20アルキル基であり;R11がC1−C20アルキル基であり;R14が水素原子あるいはC1−C20アルキル基であり;かつR12、R13とR15が水素原子である請求項6による方法。
【請求項8】
アルファーオレフィンが、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンである請求項1〜7のいずれか1つによる方法。
【請求項9】
アルファーオレフィンが、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンのコモノマーである請求項8による方法。
【請求項10】
アルファーオレフィン類から誘導される単位の含有量が、2モル%から20モル%である請求項1〜9のいずれか1つによる方法。
【請求項11】
以下の特徴:
−アイソタクチックペンタド(mmmm)>90%;と
−ジエチルエーテルに可溶な画分のパーセント(%SD)とポリマー鎖中のアルファーオレフィン類のモル含量(%O)が、次の関係式:
%SD>2.8%O+8
を満足する、
を有する、30モル%以下の1つ以上の式CH2=CHZ(式中、Zは、C3−C20の炭化水素基である)のアルファーオレフィン類から誘導される単位を含有するアイソタクチック1−ブテンコポリマー。
【請求項12】
ジエチルエーテルに可溶な画分のパーセント(%SD)とポリマー鎖中のアルファーオレフィン類のモル含量(%O)が、次の関係式:
%SD>2.8%O+10
を満足する請求項11によるアイソタクチック1−ブテンコポリマー。
【請求項13】
10モル%と30モル%の間からなるアルファーオレフィンから誘導される単位の含有量を有し、かつジエチルエーテルに可溶な画分のパーセント>92%を有する請求項11または12によるアイソタクチック1−ブテンコポリマー。
【請求項14】
5モル%と12モル%の間からなるアルファーオレフィンから誘導される単位の含有量を有し、かつジエチルエーテルに可溶な画分のパーセント>41%を有する請求項11または12によるアイソタクチック1−ブテンコポリマー。
【請求項15】
以下の特徴:
−アイソタクチックペンタド(mmmm)>90%;と
−ポリマー鎖中における4,1挿入物の存在
を有する、30モル%以下の1つ以上の式CH2=CHZ(式中、Zは、C3−C20の炭化水素基である)のアルファーオレフィン類から誘導される単位を含有するアイソタクチック1−ブテンコポリマー。

【公表番号】特表2006−509064(P2006−509064A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556159(P2004−556159)
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012944
【国際公開番号】WO2004/050713
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(502303902)バセル ポリオレフィン ジーエムビーエイチ (19)
【氏名又は名称原語表記】BASELL POLYOLEFINE GMBH
【住所又は居所原語表記】Bruhler Strasse 60,50389 Wesseling,Germany
【Fターム(参考)】