説明

11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の環状尿素阻害剤

本発明は、哺乳動物の11β−HSD1の調節又は阻害に関連する疾患の治療的処置に有用な、式(I)、(Ia)及び(Ib)の新規化合物、その薬学的に共用しうる塩、及びその医薬組成物に関する。本発明は更に、新規化合物の医薬組成物、ならびに細胞内のコルチゾール産生の減少又は制御あるいは細胞内でのコルチゾンのコルチゾールへの変換の阻害におけるそれらの使用方法に関する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2007年12月11日に出願された米国仮出願番号第61/007,060,の権利を主張する。上記出願の教示全体が、参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β−HSD1)の阻害剤、その医薬組成物及びそれを使用する方法に関する。
【0003】
(発明の背景)
コルチゾール(ヒドロコルチゾン)などの糖質コルチコイドは、脂質代謝、機能及び分布を調節し、炭水化物、タンパク質及び脂質代謝において役割を果たすステロイドホルモンである。糖質コルチコイドはまた、発生、神経生物学、炎症、血圧、代謝及びプログラム細胞死に対して生理学的効果を有することが知られている。コルチゾール及び他のコルチコステロイドは、糖質コルチコイド受容体(GR)及び鉱質コルチコイド受容体(MR)(これらは、核ホルモン受容体スーパーファミリーの一員であり、インビボでコルチゾール機能を媒介することが示されている)の両方に結合する。これらの受容体は、DNA結合亜鉛フィンガードメイン及び転写活性ドメインを介して、転写を直接調整する。
【0004】
最近まで、糖質コルチコイドの作用の主要な決定因子は、以下の3つの主な要因に起因すると考えられていた:(1)糖質コルチコイドの血中循環濃度(視床下部−下垂体−副腎(HPA)軸により主に決定される);(2)循環血液中の糖質コルチコイドのタンパク質結合;及び(3)標的組織内の細胞内受容体密度。最近、糖質コルチコイド機能の第4の決定因子が同定された:すなわち、糖質コルチコイド活性化及び不活性化酵素による組織特異的プレ受容体代謝である。これらの11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β−HSD)プレ受容体制御酵素は、糖質コルチコイドホルモンの調節によりGR及びMRの活性化を調整する。今日まで、11−ベータ−HSDの2つの異なるイソ酵素がクローン化され、特徴付けられている:すなわち、11β−HSD1(11−ベータ−HSD1型、11ベータHSD1、HSD11B1、HDL、及びHSD11Lとしても既知である)及び11β−HSD2である。11β−HSD1は、不活性な11−ケト型から活性なコルチゾールを再生する二方向性オキシドレダクターゼであるのに対して、11β−HSD2は、コルチゾンへの変換により生物活性コルチゾールを不活性化する一方向性デヒドロゲナーゼである。
【0005】
2つのイソ型は、異なる組織特異的様式で発現し、それらの生理学的役割の相違と一致する。11β−HSD1は、ラット及びヒトの組織中で広範に分布する:酵素及び対応するmRNAの発現は、ヒトの肝臓、脂肪組織、肺、精巣、骨、及び毛様体上皮中で検出されている。脂肪組織では、コルチゾール濃度の増加により、脂肪細胞の分化が刺激され、内臓肥満の促進においてある役割を果たしうる。眼においては、11β−HSD1は、眼圧を調節し、緑内障に寄与しうる;いくつかのデータにより、11β−HSD1の阻害が、高眼圧症(intraocular hypertension)患者の眼圧を低下させうることが示唆される(Kotelevstev et al. (1997), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94(26): 14924-9)。11β−HSD1が11−ベータ−脱水素化及び逆11−オキソ還元(oxoreduction)反応の両方を触媒するにもかかわらず、11β−HSD1は主にインタクトな細胞及び組織中でNADPH依存性オキソレダクターゼとして作用し、不活性コルチゾンからの活性コルチゾール形成を触媒する(Low et al. (1994) J. MoI. Endocrin. 13: 167-174)。対照的に、11β−HSD2発現は、主に、腎臓(皮質及び髄質)、胎盤、S状結腸及び直腸結腸(rectal colon)、唾液腺、及び結腸上皮細胞株などの鉱質コルチコイド標的組織中で見出される。11β−HSD2は、コルチゾールのコルチゾンへの不活性化を触媒するNAD依存性デヒドロゲナーゼとして作用し(Albiston et al. (1994) Mol. Cell. Endocrin. 105: R1-R7)、過剰な糖質コルチコイド(例えば、高レベルの受容体活性コルチゾール)からMRを防御することが示されている(Blum, et al. (2003) Prog. Nucl. Acid Res. MoI. Biol. 75:173-216)。
【0006】
11β−HSD1又は11β−HSD2遺伝子のいずれかの変異により、ヒトは罹患する。例えば、11β−HSD2が変異した個体は、このコルチゾール不活性化活性が欠損し、その結果、高血圧症、低カリウム血症、及びナトリウムを特徴とする見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群(「SAME」とも呼ばれる)を示す(Edwards et al. (1988) Lancet 2: 986-989; Wilson et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. 95: 10200-10205)。同様に、11β−HSD1及び同時局在NADPH生成酵素であるヘキソース6リン酸デヒドロゲナーゼ(H6PD)をコードする遺伝子の変異により、コルチゾンレダクターゼ欠損(CRD)が起こる可能性があり、これらの個体は、多能胞性卵巣症候群(PCOS)に類似の表現型である、ACTH媒介アンドロゲン過剰(男性型多毛、生理不順、アンドロゲン過剰症)を示す(Draper et al. (2003) Nat. Genet. 34: 434-439)。
【0007】
明白に、分泌又は作用の欠損又は過剰のいずれかによるHPA軸のホメオスタシスの破壊により、クッシング症候群又はアジソン病がそれぞれもたらされる(Miller and Chrousos (2001) Endocrinology and Metabolism, eds. FeNg and Frohman (McGraw-Hill, New York), 4th Ed.: 387-524)。クッシング症候群患者又は糖質コルチコイド療法を受けた患者は、可逆性内臓脂肪型肥満を発症する。クッシング症候群患者の表現型は、リーベン代謝症候群(X症候群又はインスリン抵抗性症候群としても既知である)の表現型と酷似しており、その症状には、内臓肥満、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血圧症、2型糖尿病、及び高脂血症が含まれる(Reaven (1993) Ann. Rev. Med. 44: 121-131)。ヒト肥満における糖質コルチコイドの役割は完全に特徴付けられていないが、11β−HSD1活性が肥満及び代謝症候群において重要な役割を果たすという証拠が多数存在する(Bujalska et al. (1997) Lancet 349: 1210-1213); (Livingstone et al. (2000) Endocrinology 131 : 560-563; Rask et al. (2001) J. Clin. Endocrinol. Metab. 86: 1418- 1421 ; Lindsay et al. (2003) J. Clin. Endocrinol. Metab. 88: 2738-2744; Wake et al. (2003) J. Clin. Endocrinol. Metab. 88: 3983-3988)。
【0008】
マウストランスジェニックモデル研究由来のデータは、脂肪細胞11β−HSD1活性が内臓肥満及び代謝症候群において中心的役割を果たすという仮説を支持する(Alberts et al. (2002) Diabetologia. 45(11): 1526-32)。トランスジェニックマウスにおけるaP2プロモーターの制御下での脂肪組織中での11β−HSD1の過剰発現により、ヒト代謝症候群と著しく類似する表現型が得られた(Masuzaki et al. (2001) Science 294: 2166-2170; Masuzaki et al. (2003) J. Clinical Invest. 112: 83-90)。更に、これらのマウスにおける11β−HSD1活性の増加は、ヒト肥満において認められる活性の増加と非常に類似する(Rask et al. (2001) J. Clin. Endocrinol. Metab. 86: 1418- 1421)。加えて、相同組換えにより産生された11β−HSD1欠損マウスを使用した研究由来のデータは、11β−HSD1の喪失により、活性糖質コルチコイド濃度の組織特異的欠損に起因するインスリン感受性及び耐糖能の増加がもたらされる(Kotelevstev et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94: 14924-14929; Morton et al. (2001) J. Biol. Chem. 276: 41293-41300; Morton et al. (2004) Diabetes 53: 931-938)。
【0009】
公開されたデータは、11β−HSD1発現の増加が脂肪組織におけるコルチゾンのコルチゾールへの局所的変換の増加に寄与し、したがって、11β−HSD1がヒトにおける中心性肥満の病理発生及び代謝症候群の出現においてある役割を果たすという仮説を支持する(Engeli, et al., (2004) Obes. Res. 12: 9-17)。したがって、11β−HSD1は、代謝症候群の処置のための有望な医薬標的である(Masuzaki, et al., (2003) Curr. Drug Targets Immune Endocr. Metabol. Disord. 3: 255-62)。更に、11β−HSD1活性の阻害は、多数の糖質コルチコイド関連障害の処置に有益であると証明される可能性がある。例えば、11β−HSD1阻害剤は、肥満及び/又は代謝症候群クラスターの態様(例えば、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高血圧症、及び/又は高脂血症)に対抗する上で有効でありうる(Kotelevstev et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94: 14924-14929; Morton et al. (2001) J. Biol. Chem. 276: 41293-41300; Morton et al. (2004) Diabetes 53: 931-938)。加えて、11β−HSD1活性の阻害は、膵臓(例えば、グルコース刺激インスリン放出の増強)に対して有益な効果を有しうる(Billaudel and Sutter (1979) Horm. Metab. Res. 11: 555-560; Ogawa et al. (1992) J. Clin. Invest. 90: 497-504; Davani et al. (2000) J. Biol. Chem. 275: 34841- 34844)。
【0010】
更に、全身性認識機能の個体間の相違が糖質コルチコイドへの長期間の曝露における変動に関連しており(Lupien et al. (1998) Nat. Neurosci. 1 : 69-73)、特定の脳亜領域中での過剰な糖質コルチコイドへの慢性曝露をもたらすHPA軸の調節異常が認識機能の低下に寄与するという理論が構築されている(McEwen and Sapolsky (1995) Curr. Opin. Neurobiol. 5: 205-216)ことを考慮すると、11β−HSD1の阻害により、脳内の糖質コルチコイドへの曝露が減少し、それにより、神経機能に及ぼす糖質コルチコイドの悪影響(例えば、認識障害、認知症、及び/又はうつ病)を防御することができることを予見しうる。明白に、ストレス及び糖質コルチコイドが、認識機能に影響を及ぼすことが知られており(de Quervain et al. (1998) Nature 394: 787-790);11β−HSD1が、脳内における糖質コルチコイド作用の制御を通じて、神経毒性に対して効果を有することが示されている(Rajan et al. (1996) Neuroscience 16: 65-70; Seckl (2000) Neuroendocrinol. 18:49-99)。
【0011】
糖質コルチコイド及び11β−HSD1が眼内圧(IOP)の調節において役割を果たすという証拠も存在し(Stokes et al. (2000) Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 41 : 1629-1683; Rauz et al. (2001) Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 42: 2037-2042);処置しないまま放置すると、IOPの上昇により、部分的に視野を失い、最終的に失明しうる。したがって、眼内での11β−HSD1の阻害により、局所糖質コルチコイド濃度及びIOPを低下させ、それにより11β−HSD1を使用して、緑内障及び他の視覚障害を処置する潜在的可能性がある。
【0012】
トランスジェニックaP2−11β−HSD1マウスは、高い動脈圧を示し、食物中の塩への感受性が増大する。更に、血漿アンギオテンシノーゲンレベルは、トランスジェニックマウスで上昇し、アンギオテンシンII及びアルドステロンも同様である;また、アンギオテンシンIIアンタゴニストを用いたマウスの治療により、高血圧症が緩和される(Masuzaki et al. (2003) J. Clinical Invest. 112: 83-90)。これにより、高血圧症が11β−HSD1活性により生じるか悪化しうることが示唆される。したがって、11β−HSD1阻害剤は、高血圧症及び高血圧症関連心血管障害の処置に有用でありうる。成熟脂肪細胞中の11β−HSD1の阻害もまた、独立した心血管リスク要因である、1型プラスミノゲン活性化因子阻害剤(PAI−1)の分泌を弱めることが期待されている。
【0013】
糖質コルチコイドは骨格組織に悪影響を及ぼし、中程度の糖質コルチコイド用量への長期曝露でさえも骨粗鬆症を発症させうる(Cannalis (1996) J. Clin. Endocrinol. Metab. 81 : 3441-3447)。加えて、11β−HSD1は、ヒト初代骨芽細胞の培養物ならびに成体骨由来の細胞中に存在することが示されており(Cooper et al. (2000) Bone 27: 375-381)、11β−HSD1阻害剤であるカルベノキソロンは骨小節形成に及ぼす糖質コルチコイドの負の効果を軽減することが示されている(Bellows et al. (1998) Bone 23: 119-12)。したがって、11β−HSD1の阻害は、骨芽細胞及び破骨細胞内の局所糖質コルチコイド濃度を減少させ、それにより、骨粗鬆症などの種々の形態の骨疾患形態に有益な効果を及ぼすと予想される。
【0014】
11β−HSD1阻害剤はまた、免疫調節に対して有用でありうる。糖質コルチコイドは免疫系を抑制すると認められるが、実際には、HPA軸と免疫系の間には複雑で動的な相互作用が存在している(Rook (1999) Baillier's Clin. Endocrinol. Metabl. 13: 576-581)。糖質コルチコイドは、細胞媒介及び体液免疫応答の間の均衡を調節する役割を果たし、高糖質コルチコイド活性は通常、体液応答と関連する。したがって、11β−HSD1の阻害は、免疫応答を細胞媒介応答に変化させる手段として使用することができる。特定の疾患状態、例えば、結核、癩病(ハンセン病)及び乾癬が、体液応答に偏る免疫応答を誘発するのに対して、より効果的な免疫応答は、細胞媒介性応答でありうる。したがって、11β−HSD1阻害剤はそのような疾患の処置に有用でありうる。
【0015】
糖質コルチコイドが、特に潰瘍のある糖尿病患者の創傷治癒を阻害することが報告されている(Bitar et al. (1999) J. Surg. Res. 82: 234-243; Bitar et al. (1999) Surgery 125: 594-601 ; Bitar (2000) Surgery 127: 687-695; Bitar (1998) Am. J. Pathol. 152: 547-554)。耐糖能障害及び/又は2型糖尿病を示す患者はしばしば、創傷治癒障害も有する。糖質コルチコイドは、創傷治癒遅延及び感染のリスクを増大させることが示されている(Anstead (1998) Adv. Wound Care 11 :277-285)。更に、創傷液におけるコルチゾンレベルの増加と非創傷治癒との間には相関関係が存在する(EP Patent App. No. 0 902 288)。最近公開された特許出願は、特定の11β−HSD1阻害剤が創傷治癒の促進に有用でありうることを示唆している(PCT/US2006/043,951)。
【0016】
本明細書中で明白に示すように、11β−HSD1を阻害する新規かつ改良された薬物が依然求められている。本発明の新規の化合物は、11β−HSD1の有効な阻害剤である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
(発明の概要)
今や、式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩が11β−HSD1の有効な阻害剤であることが見出された。式I及びその構成要素を、本明細書において、以下のとおり定義する:すなわち、
式I:
【0018】
【化1】


[式中、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、(a)水素、あるいは(b)フッ素、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ及びHNC(=O)より独立して選択される3個までの基で場合により置換されている(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され;
Aは、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリルアミノ(ここで、ヘテロシクリル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている);ヘテロアリールアミノ(ここで、ヘテロアリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);アリールアミノ(ここで、アリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);及びシクロアルキルアミノ(ここで、シクロアルキル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている直鎖又は分岐鎖状(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;
Yは、(C−C)アルキル又はハロ(C−C)アルキルであり;
nは、0、1又は2であり;
Eは、(a)結合、あるいは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルキレニルオキシ(ここで、OはRに結合しており、そのそれぞれが、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソより独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されている)であり;
は、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリルであり、かつ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)シクロアルキルカルボニル、(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)シクロアルキル}{(C−C)アルキル}アミノカルボニル、ジ(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、(C−C)シクロアルキルアミノスルホニル、{(C−C)シクロアルキル}{(C−C)アルキル}アミノスルホニル、ジ(C−C)シクロアルキルアミノスルホニル、シアノ(C−C)アルキル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル、{(C−C)シクロアルキル}{(C−C)アルキル}アミノカルボニル(C−C)アルキル及びジ(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル(C−C)アルキルより独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、かつ、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、スピロシクロアルキル;ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより独立して選択され;
Qは、O又はNRであり;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、又はヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
ただし、
(a)QがOであり、(b)Aが、場合により置換されているC−Cアルキルであり;(c)Rが、場合により置換されているC−Cアルキルである場合;(d)E−Rは、2個の基で置換されているフェニルではない;
(ここで、2個の基は、オキサジノン環の結合点に対して、フェニルのメタ及びパラ位置にあり、2個の基は、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−Cアルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、及びジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシより独立して選択され;
ただし、
(a)QがNRであり;(b)AがC−Cアルキルであり、(c)Rが、メチル又はビニルである場合、(d)E−Rは、メチル又はフェニルではない]で示される化合物、あるいは、その薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。
【0019】
本発明の第二の実施態様は、式I:
[式中の意味は、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、(a)水素、あるいは(b)フッ素、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ及びHNC(=O)より独立して選択される3個までの基で場合により置換されている(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され;
Aは、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリルアミノ(ここで、ヘテロシクリル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている);ヘテロアリールアミノ(ここで、ヘテロアリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);アリールアミノ(ここで、アリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);及びシクロアルキルアミノ(ここで、シクロアルキル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている直鎖又は分岐鎖状(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;
Yは、(C−C)アルキル又はハロ(C−C)アルキルであり;
nは、0、1又は2であり;
Eは、(a)結合、あるいは(b)(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(ここで、OはRに結合しており、そのそれぞれが、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソより独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されている)であり;
は、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリルであり、かつ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルキルカルボニルより独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、かつ、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより独立して選択され;
Qは、O又はNRであり;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、又はヒドロキシ(C−C)アルキルである]で示される化合物、あるいは、その薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。
【0020】
別の実施態様は、i)式Iの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー;及びii)薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物。
【0021】
別の実施態様は、有効量の式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーを被検者に投与する工程を含む、11β−HSD1の活性又は発現に関連する疾患を有する被検者の処置方法である。
【0022】
本発明の別の実施態様は、11β−HSD1の活性又は発現に関連する疾患を有する被検者の処置に使用するための、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。
【0023】
本発明の別の実施態様は、11β−HSD1の活性又は発現に関連する疾患を有する被検者の処置用の医薬を製造するための、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーの使用である。
【0024】
本発明の別の実施態様は、そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーを投与する工程を含む、11β−HSD1活性の阻害方法である。
【0025】
本発明の別の実施態様は、そのような処置を必要とする哺乳動物の11β−HSD1活性の阻害用の医薬の製造のための、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーの使用である。
【0026】
本発明の別の実施態様は、そのような処置を必要とする哺乳動物の11β−HSD1活性の阻害に使用するための、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。
【0027】
別の実施態様は、以下の条件のいずれか一つ又はその任意の組み合わせが適用される、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである:
【0028】
条件1:
Qが、NRであり;Rが、ヘテロアリールで置換され、かつ、1個以上の更なる基で場合により置換されているメトキシメチルである場合、E−Rは、場合により置換されているヘテロアリール又はフェニルであることはできない。
【0029】
条件2:
(a)QがOであり、(b)Aが、場合により置換されているC−Cアルキルであり、(c)Rが、場合により置換されているC−Cアルキルである場合、(d)E−Rは、2個の基で置換されているフェニルではない(ここで、2個の基は、オキサジノン環の結合点に対して、フェニルのメタ及びパラ位置にあり、2個の基は、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、及びジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシより独立して選択される)。
【0030】
条件3:
(a)QがOであり;(b)Aが、アルキル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されているアルキル、アルケニル、アルキニルであり;(c)Rが、アルキル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニルである場合、(d)E−Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、スルホニル、又はアミノでそれぞれ場合により置換されている、シクロアルキル、アリール、アルキルではない。
【0031】
条件4:
は、i)オキソ及びii)−OR(ここで、Rは、水素、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル;ヒドロキシアルキル;及びアルコキシアルキルである)で置換されているメチル以外であり;Rは、フッ素又はC−Cアルコキシで場合により置換されているC−Cアルキル以外であり;E−Rは、i)オキソ及びii)ヒドロキシ;ハロアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアルキルで置換されているメチル以外であり;E−Rは、ハロゲン又はC−Cアルコキシでそれぞれ場合により置換されているC−Cアルキル又はフェニルメチル以外である。
【0032】
条件5:
E−R又はRは、両方とも、アミノ、チオ、又はアルコキシ基で場合により置換されているC−Cアルキルではない。
【0033】
条件6:
(a)Aが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであり;(b)Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであるか;あるいはオキソで置換されているアルコキシアルキルである場合、(c)(i)E−Rは、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルではなく;(ii)E−Rは、非置換シクロアルキル又は非置換アリールではなく、(iii)Eはアルコキシではなく、Rは、オキソで置換されているアルキルではなく、(iv)E−Rは、C−Cアルコキシ又はハロゲンでそれぞれ場合により置換されているフェニル又はフェニルメチルではない。
【0034】
条件7:
(a)QはNRである場合;(b)Aは、i)オキソならびにii)アルキルアミノで置換されているメチル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリールアミノ、アリールアミノ及びシクロアルキルアミノではない。
【0035】
条件8:
Aが、オキソ、カルボキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、スルホキシドで場合により置換されているアルキル;あるいはアルキル、ヒドロキシアルキル、又はオキソで置換されているアルケニルである場合;R及びE−Rは、両方とも、以下:オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、スルホキシド、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルで場合により置換されているアルキル;あるいはアルキル、ヒドロキシアルキル、又はオキソで置換されているアルケニルより選択することはできない。
【0036】
条件9:
(a)QがNRであり;(b)AがC−Cアルキルであり、(c)Rが、メチル又はビニルである場合、(d)E−Rは、メチル又はフェニルではない。
【0037】
本発明の別の実施態様は、上記全ての条件が適用される、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。本発明の更に別の実施態様は、上記条件2及び9が適用される、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体、又はジアステレオマーである。本発明の更に別の実施態様は、上記条件1、4、5、6、7及び8が適用される、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。本発明の更に別の実施態様は、上記条件1、2、4、5、6、7、8及び9が適用される、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。本発明の更に別の実施態様は、上記条件3が適用される、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。本発明の更に別の実施態様は、上記条件2、3、及び9が適用される、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。
【0038】
本発明の別の実施態様は、上記条件2及び/又は9が適用される、i)式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー;及びii)薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物である。
【0039】
本発明の別の実施態様は、条件1、4、5、及び6が適用される、i)式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー、及びii)薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物である。
【0040】
本発明の別の実施態様は、条件1、2、4、5、6及び9が適用される、i)式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー;及びii)薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物である。
【0041】
本発明の別の実施態様は、条件3が適用される、i)式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー、及びii)薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物である。
【0042】
本発明の別の実施態様は、条件1、2、3、4、5、6及び9が適用される、i)式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー;及びii)薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物である。
【0043】
別の実施態様において、条件1は、本明細書に開示の被検者を処置する方法に適用される。
【0044】
別の実施態様において、条件1は、式I、Ia、又はIbの化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーの本明細書に開示の医療上の使用に適用される。
【0045】
別の実施態様において、条件1は、医薬の製造のための、本明細書に開示の化合物の使用に適用される。
【0046】
一つの実施態様において、条件1は、眼内圧を低下させるように被検者を処置しているときに適用される。
【0047】
一つの実施態様において、条件1は、被験者に肥満又は糖尿病あるいはうつ病の処置をしているときに適用される。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(発明の詳細な説明)
上記の構造式I中の変数についての特定の値は、以下の意味を有している:
【0049】
Aは、ヒドロキシ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである。代替的には、Aは、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキルである。別の実施態様において、Aは、モノ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキルである。別の実施態様において、Aは、2−ピリミジニル−アミノ(C−C)アルキル;2−ピリジル−アミノ(C−C)アルキル;モノ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(ここで、ピリミジニル及びピリジルは、メチル又はエチルで、それぞれ場合により置換されている)である。別の実施態様において、Aは、ハロゲンで場合により置換されている(C−C)アルキルである。更に別の実施態様において、Aは、(C−C)アルキルスルホニル(C−C)アルキルである。代替的には、Aは、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキルである。別の実施態様において、Aは、(C−C)アルコキシアルキルアミノ(C−C)アルキルである。別の実施態様において、Aは、モノ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキルである。
【0050】
1a及びR1bは、H又は(C−C)アルキルである。代替的には、R1a及びR1bは、H、メチル、又はエチルである。別の実施態様において、R1aはMeであり、R1bはHである。
【0051】
は、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているシクロアルキルである。代替的には、Rは、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているチエニル又は場合により置換されているピリジルである。別の実施態様において、Rは、場合により置換されているフェニルである。更に別の実施態様において、Eは結合であり、Rはフルオロフェニルである。
【0052】
は、ヒドロキシ(C−C)アルキルである。代替的には、Rは、ω−HNCO(C−C)アルキルである。別の実施態様において、Rは、MeS(=O)NH(C−C)アルキルである。別の実施態様において、Rは、ジヒドロキシ(C−C)アルキルである。
【0053】
nは0、1、又は2である。代替的には、nは1である。更に別の実施態様において、nは0である。
【0054】
第1の特定の実施態様において、構造式Iについての変数は、以下の意味を有する:
【0055】
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル;(C−C)アルコキシ(C− C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、ここで、それぞれが、シアノ、R、HO;RC−、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;E、R、Y、n、Q、R1a、R1b、及びAについての意味及び特定の数値は、上記のとおりである。
【0056】
構造式Iの第2の特定の実施態様において:
【0057】
Aは、フッ素、シアノ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリルアミノ(ここで、ヘテロシクリル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている);ヘテロアリールアミノ(ここで、ヘテロアリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);アリールアミノ(ここで、アリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);及びシクロアルキルアミノ(ここで、シクロアルキル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている直鎖又は分岐鎖状(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;
は、第1の特定の実施態様について記載したとおりであり;E、R、Y、n、Q、R1a、R1b、及びAについての意味及び特定の数値は、上記のとおりである。
【0058】
別の実施態様は、式Ia:
【0059】
【化2】


[式中、E、R、R、Q、Y及びnについての意味及び特定の数値は、上記式Iについて定義したとおりである]で示される化合物である。
【0060】
別の実施態様は、式Ib:
【0061】
【化3】


[式中、A、R1a、R1b、R、Q、Y及びnについての意味及び特定の数値は、上記式Iについて定義したとおりであり、mは、0、1、2、3又は4であり、置換基Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルキルカルボニルより独立して選択される]で示される化合物である。
【0062】
別の実施態様は、式I又は式1a〜bのいずれか一つ:
[式中、
1aは、メチル又はエチルであり;
1bは、メチル又は水素であり;
Aは、メチル、エチル、イソプロピル又はt−ブチルであり;
nはOであり;
Eは、結合又はCHであり;
は、ハロ又はメチルでそれぞれ場合により置換されている、フェニル、チエニル又はピリジルであり;
は、HO−、MeO−、HN−、MeC(=O)NH−、MeS(=O)NH−、HNC(=O)、MeNHC(=O)−、HOC−、(HO)P(=O)O−、HNS(=O)O−、HNS(=O)NH−、MeNHC(=O)NH−、MeNHC(=O)O− オキソ、シアノ、HOC−、HOCHCHNH−、4−モルホリノ、HOCHC(=O)NH−、HNCHC(=O)NH−、EtNHC(=O)NH、MeOC(=O)NH−、MeNHC(=NC≡N)NH−、又はオキソより独立して選択される2個までの基でそれぞれ場合により置換されているメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、i−ペンチル、ビニル又はアリルである]の化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。
【0063】
別の実施態様は、式I又は式1a〜bのいずれか一つ:
[式中、
1aはメチルであり;
1bは、水素又はメチルであり;
Aは、メチル又はt−ブチルであり;
nはOであり;
Eは結合であり;
は、フェニル又は4−フルオロフェニルであり;
は、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、HNCOCHCH−、MeSONHCHCH−又はMeSONHCHCHCH−である]の化合物;あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである。
【0064】
定義
用語「アルキル」は、単独であるいは「アルコキシアルキル」又は「アルキルアミン」などのより大きな部分の一部として使用されて、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖状炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが含まれる。
【0065】
用語「シクロアルキル」は、3〜10個の炭素原子を有する単環式、二環式又は三環式飽和炭化水素環を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、スピロ[4.4]ノナン、アダマンチルなどが含まれる。他に記載しない限り、置換シクロアルキル基についての典型的な置換基には、Rにより表されるシクロアルキル基について記載された置換基が含まれる。
【0066】
用語「アリール」は、フェニル基、ナフチル基、インダニル基又はテトラヒドロナフタレン基である、芳香族基を意味する。置換される場合、アリール基は、1〜4個の置換基で置換されることができる。他に記載しない限り、置換アリール基についての典型的な置換基には、Rにより表されるアリール基について記載された置換基が含まれる。
【0067】
用語「ヘテロアリール」は、N、O、及びSより選択される0〜4個のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和環に場合により縮合してもよい5員及び6員の複素環式芳香族基を意味し、例えば、2− 又は 3−チエニル、 2− 又は 3−フラニル、 2− 又は 3− ピロリル、 2−、3−、 又は 4−ピリジル、 2−ピラジニル、 2−、 4−、 又は 5− ピリミジニル、 3− 又は 4−ピリダジニル、 1 H−インドール−6−イル、 1 H−インドール−5−イル、 1 H−ベンゾイミダゾール−6−イル、 1 H− ベンゾイミダゾール−5−イル、 2−、 4−、 5−、 6−、 7− 又は 8−キナゾリニル、 2−、 3−、 5−、 6−、 7− 又は 8−キノキサリニル、 2−、 3−、 4−、 5−、 6−、 7− 又は 8−キノリニル、 1−、 3−、 4−、 5−、 6−、 7− 又は 8−イソキノリニル、 2−、 4−、 又は 5−チアゾリル、 2−、 3−、 4−、 又は 5−ピラゾリル、 2−、 3−、 4−、 又は 5−イミダゾリルである複素環式芳香族基が含まれる。置換される場合、ヘテロアリール基は、1〜4個の置換基で置換されることができる。他に記載しない限り、置換ヘテロアリール基についての典型的な置換基には、Rにより表されるヘテロアリール基について記載された置換基が含まれる。
【0068】
用語「ヘテロシクリル」は、N、O、及びSより独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む4−、5−、6−及び7員の飽和又は部分不飽和複素環を意味する。典型的なヘテロシクリルには、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、1−メチルピロリジン−2−オン、ピペリジン、ピペリジン−2−オン、2−ピリドン、4−ピリドン、ピペラジン、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン、ピペラジン−2−オン、5,6−ジヒドロピリミジン−4−オン、ピリミジン−4−オン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、イソオキサゾリジン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、オキサゾリジン−2−オン、イミダゾリジン−2−オン、イミダゾリジン−2,4−ジオン、テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン、モルホリン、N−メチルモルホリン、モルホリン−3−オン、1,3−オキサジナン−2−オン、チオモルホリン、チオモルホリン1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−1,2,5−チアオキサゾール1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン1,1−ジオキシド、ヘキサヒドロ−1,2,6−チアジアジン1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−1,2,5−チアジアゾール1,1−ジオキシド及びイソチアゾリジン1,1−ジオキシドが含まれる。他に記載しない限り、置換ヘテロシクリル基についての典型的な置換基には、Rにより表されるヘテロシクリル基について記載された置換基が含まれる。
【0069】
本明細書で使用されるように、用語「被検者」及び「患者」は交換可能に使用されてもよく、例えばペット(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)及び実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)などの、処置を必要とする哺乳動物を意味する。典型的には、被検者は処置を必要とするヒトである。
【0070】
ある種の開示された化合物は、種々の立体異性体形態で存在しうる。立体異性体はその空間的配置においてのみ異なる化合物である。鏡像異性体は、最も一般的にはキラル中心として作用する非対称に置換された炭素原子を含むために、その鏡像を重ね合わせることができない立体異性体の対である。「鏡像異性体」は、互いに鏡像であり重ね合わせることができない分子の対の一方を意味する。ジアステレオマーは、最も一般的には2つ以上の非対称に置換された炭素原子を含むために、鏡像としては関係のない立体異性体である。構造式中の記号「*」は、キラル炭素中心の存在を表す。「R」及び「S」は1つ以上のキラル炭素原子の周囲の置換基の配置を表す。したがって、「R」及び「S」は、1つ以上のキラル炭素原子の周囲の置換基の相対的な配置を示す。
【0071】
「ラセミ体」または「ラセミ混合物」は、等モル量の2つの鏡像異性体の化合物を意味し、ここで、そのような混合物は光学活性を示さず、つまりそれらは偏光面が回転しない。
【0072】
「幾何学異性体」は、炭素−炭素二重結合、シクロアルキル環、または架橋二環系と関連する置換基原子の配向が異なる異性体を意味する。炭素−炭素二重結合の両側の原子(H以外)は、E(置換基が炭素−炭素二重結合の反対側にある)またはZ(置換基が同じ側に配向される)配置にありうる。
【0073】
「R」、「S」、「S」、「R」、「E」、「Z」、「シス」及び「トランス」は、コア分子に対する配置を示す。
【0074】
本発明の化合物は、異性体特異的合成により個々の異性体として調製されうるか、又は異性体混合物から分割されうる。従来の分割技術には、光学的に活性な酸を使用して異性体対の各異性体の遊離塩基の塩を形成する(続いて分別結晶化及び遊離塩基の再生を行う)こと、光学的に活性なアミンを使用して異性体対の各異性体の酸形態の塩を形成する(続いて分別結晶化及び遊離酸の再生を行う)こと、光学的に純粋な酸、アミン又はアルコールを使用して異性体対の各異性体のエステル又はアミドを形成する(続いてキラル補助基のクロマトグラフィー分離及び除去を行う)こと、又は種々の周知のクロマトグラフィー法を使用して開始物質又は最終生成物のいずれかの異性体混合物を分割することが含まれる。
【0075】
開示された化合物の立体化学を命名又は構造により示す場合、命名又は示された立体異性体は、他の立体異性体に対して少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%又は99.9重量%純粋である。単一の鏡像異性体を命名又は構造により示す場合は、示された又は命名された鏡像異性体は、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%又は99.9重量%光学的に純粋である。光学的純粋度の重量%は、鏡像異性体の重量+その光学異性体の重量に対する鏡像異性体の重量の比である。
【0076】
開示された化合物が立体化学を示すことなく命名又は構造により示され、化合物が少なくともひとつのキラル中心を有する場合、その名称又は構造は、対応する光学異性体を含まない化合物の1つの鏡像異性体、化合物のラセミ体混合物及び対応する光学異性体に対して一方の鏡像異性体を多く含む混合物を包含することが理解されよう。
【0077】
開示された化合物が立体化学を示すことなく命名又は構造により示され、少なくとも2つのキラル中心を有する場合、その名称又は構造は、他のジアステレオマーを含まないジアステレオマー、他のジアステレオマー対を含まない一対のジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマー対の混合物、他の(1つ又は複数の)ジアステレオマーに対して一つのジアステレオマーを多く含むジアステレオマーの混合物、他の(1つ又は複数の)ジアステレオマー対に対して一つのジアステレオマー対を多く含むジアステレオマー対の混合物を包含することが理解されよう。
【0078】
本発明の化合物は、薬学的に許容しうる塩の形態で存在し得る。薬剤における使用について、本発明の化合物の塩とは、無毒性の「薬学的に許容しうる塩」のことをいう。薬学的に許容しうる塩の形態には、薬学的に許容しうる酸性/アニオン又は塩基性/カチオン塩が含まれる。
【0079】
薬学的に許容しうる酸性/アニオン塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストラート、エシラート、フマル酸塩、グリセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシラート、硫酸メチル塩、ムケート(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、及びトリエチオジド塩が含まれる。
【0080】
薬学的に許容しうる塩基性/カチオン塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ジエタノールアミン、n−メチル−D−グルカミン、L−リジン、L−アルギニン、アンモニウム、エタノールアミン、ピペラジン及びトリエタノールアミン塩が含まれる。
【0081】
以下の略語は示された意味を有する:
【0082】
【表1】





【0083】
合成方法の一般的説明
式Iの化合物はいくつかの過程により調製することができる。下記の議論において、A、E、Q、R1a、R1b、R、R、Y及びnは、他に示さない限り、上記の意味を有する。下記の式Iの最終生成物及び合成中間体が、所望の反応を妨げうる潜在的な反応性官能基、例えばアミノ、ヒドロキシル、チオール及びカルボン酸基を含む場合、中間体の保護形態を用いることが有利であり得る。保護基の選択、導入及びその後の除去の方法は当業者に周知である(T.W. Greene and P. G. M. Wuts "Protective Groups in Organic Synthesis" John Wiley & Sons, Inc., New York 1999)。そのような保護基の操作は下記の議論中で仮定され、明示的には記載されない。一般に、反応スキーム中の試薬は、等モル量で使用されるが、特定の場合においては、反応を完全に進行させるため、ある試薬を過剰量使用することが望ましいかもしれない。これは、過剰な試薬が蒸発又は抽出により容易に除去され得る場合に特に当てはまる。反応混合物中でHClの中和に用いられる塩基は、一般に、わずかに過剰から実質的に過剰(1.05〜5当量)で使用される。
【0084】
第1の過程において、QがNRである式Iの化合物は、THF、CHCl、トルエン又はMeCNなどの不活性溶媒中、通常、それぞれトリエチルアミン又はNaHCOなどの有機又は無機塩基の存在下、−10℃〜120℃で、式IIのジアミン中間体を、式III(式中、Z及びZは、塩化物、1−イミダゾリル又は酸化アリールなどの脱離基である)の試薬と反応させることにより調製することができる:
【0085】
【化4】

【0086】
試薬IIIの特定の例は市販されているので特に都合がよい。例えば、Z及びZが両方とも塩化物である場合、IIIはホスゲンである。Z及びZが両方とも1−イミダゾリルである場合、IIIはカルボニルジイミダゾールである。Zが塩化物でZがp−ニトロフェノキシドである場合、IIIはクロロギ酸p−ニトロフェニルである。Z及びZが両方ともOCClである場合、IIIはトリホスゲンであり、わずか1/3モル当量で使用することができる。
【0087】
式IIaのジアミン中間体は、BH.THF溶液、BH.MeS又はLiAlHなどの水素化試薬を使用して、THF又はDMEなどの不活性エーテル溶媒中、20℃〜100℃で1時間〜48時間、式IVのアミドを還元することにより調製することができる:
【0088】
【化5】

【0089】
式IVのアミノアミド中間体は、HOBt及びN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、CHClなどの不活性溶媒中、0〜30℃で1時間〜24時間、EDCなどの標準的なペプチドカップリング試薬を使用して、式Vのβ−アミノ酸を、式VIのアミンとカップリングすることにより調製することができる:
【0090】
【化6】

【0091】
β−アミノ酸合成の方法が検討されている(Enantioselective Synthesis of b-Amino Acids (2nd Edition) (2005), Publisher: John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, N. J)。式V(式中、Yは(C−C)アルキル基であり、RはHであり、nは0、1又は2である)の化合物の1つの合成方法は、式VIII(式中、Rは(C−C)アルキルであり、nは0、1又は2である)のエステルのエノラートを、式VIIのスルフィニルイミンに加えて、式IXの化合物を得て、続いてエステル加水分解に付して、t−ブチルスルフィニル基を除去することである。
【0092】
【化7】

【0093】
式VI(式中、R1a及びR1bは、両方とも水素である)のアミン中間体は、THF又はDMEなどの不活性エーテル溶媒中、20℃〜100℃で、1時間〜48時間、BH.THF溶液、BH.MeS又はLiAlHなどの水素化物試薬を使用して、式Xのアミドを還元することにより調製することができる:
【0094】
【化8】

【0095】
式VI(R1bは水素である)のアミン中間体は、アンモニアを用いた還元的アミノ化又は式XIIのオキシムの還元により、式XIのアルデヒド及びケトンより調製することができる:
【0096】
【化9】

【0097】
ケトンのオキシムへの変換方法は、Smith, M. B. and March, J. "March's Advanced Organic Chemistry" pp 1194-1195, 5th Edition, Wiley, New York, NY, 2001に記載されている。オキシムの第一級アミンへの還元方法は、Smith, M. B. and March, J. "March's Advanced Organic Chemistry" p 1555, 5th Edition, Wiley, New York, NY, 2001に記載されている。ケトンの還元的アミノ化の方法は、Baxter, E. W. and Reitz, A. B. "Organic Reactions" Volume 59, Ed. Overman, L. E., Wiley Interscience, 2002に記載されている。
【0098】
式II(式中、R1a及びR1bは、両方とも水素である)の中間体は、THF又はDMEなどの不活性エーテル溶媒中、20℃〜100℃で、1時間〜48時間、BH.THF溶液、BH.MeS又はLiAlHなどの水素化物試薬を使用して、式XIIIのアミド中間体を還元することにより調製することができる:
【0099】
【化10】

【0100】
式XIIIのアミド中間体は、式XIVのジアミン中間体を、式XV(式中、Zは、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどの活性化エステル又は塩化物である)の活性化カルボン酸と反応させることにより調製することができる:
【0101】
【化11】

【0102】
式XIV(式中、n=0であり、R=Hである)のジアミン中間体は、式XVI(式中、Rは、t−ブトキシカルボニルなどの適切なアミン保護基である)のアジリジンを、シアン化物イオンと反応させ、続いて脱保護して、式XVIIのβ−アミノニトリルを得て、続いて触媒の存在下水素ガスを用いて、あるいはLiAlHなどの水素化物源を用いて還元することにより調製することができる:
【0103】
【化12】

【0104】
式XIV(式中、nは0である)のジアミン中間体は、式XIX(式中、Rは、例えば、メチル、トリフルオロメチル又はp−メチルフェニルである)のスルホン酸エステル中間体を、(i)アンモニア又は(ii)NaNで処理し、続いて、湿潤THF又はHガス中のPPh及びパラジウム触媒を使用して還元することにより調製することができる:
【0105】
【化13】

【0106】
式XIXのスルホン酸エステル中間体は、好ましくはN−保護された式XVIIIのアルコール中間体を、RSOCl又は(RSOOと反応させることにより調製する。加えて、式XIXのスルホン酸エステル中間体を、式VIのアミンと反応させて、式IIのジアミン中間体を得ることができる:
【0107】
【化14】

【0108】
式XVIIIのアミノアルコール中間体は、式XXIのアリルアミンをヒドロホウ素化することにより調製することができる:
【0109】
【化15】

【0110】
式II(式中、R1bは水素である)のジアミン中間体は、NaCNBH又はNa(OAc)BHなどの還元剤の存在下、好ましくは保護された式XIVのジアミンを、式XXIIのメチルケトン又はアルデヒドと反応させることにより調製することができる:
【0111】
【化16】

【0112】
アルデヒド及びケトンの還元的アミノ化の方法は、Baxter, E. W. and Reitz, A. B. "Organic Reactions" Volume 59, Ed. Overman, L. E., Wiley Interscience, 2002に記載されている。
【0113】
第2の過程において、式Iの化合物は、式XXIII(式中、Rは、メチル、t−ブチル又はベンジルなどのアルキル又はアリールアルキル基である)のアミノカルバマート(Q=NR)又はヒドロキシカルバマート(Q=O)を、水素化ナトリウムなどの強塩基で処理することにより調製することができる:
【0114】
【化17】

【0115】
式XXIII(式中、QはNRであり、RはHである)のアミノカルバマートは、式XXIV(式中Rは、メチル、t−ブチル又はベンジルなどのアルキル又はアリールアルキル基である)のイミノカルバマートを、式XXV(式中、MはLi、MgCl、MgBr及びMgIである)の有機金属試薬と反応させ、続いてt−ブチルスルフィニル基を除去することにより調製することができる:
【0116】
【化18】

【0117】
式XXIVのイミノカルバマートは、式XXVIのケトカルバマートを、2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドと反応させることにより調製することができる:
【0118】
【化19】

【0119】
式XXVIのケトカルバマートは、式XXVIIのアミノケトンを、式XVIII(式中、Rは、塩化物、スクシニルオキシ、イミダゾリル又はt−ブトキシカルボキシカルボニルなどの脱離基である)の中間体と反応させることにより調製することができる:
【0120】
【化20】

【0121】
式XXVII(式中、n=0である)のアミノケトンは、式XXIXのα,β−不飽和ケトンを、式VIのアミンと反応させることにより調製することができる:
【0122】
【化21】

【0123】
式XXVII(式中、n=0である)のアミノケトンはまた、式XXX(式中、Rは低級アルキル、特にメチルである)のβ−ジアルキルアミノケトンを、式VIのアミンと反応させることにより調製することができる:
【0124】
【化22】

【0125】
式XXXIIのβ−ジアルキルアミノケトンは、同様に、式RNHRのジアルキルアミンを用い、式XXIXのα,β−不飽和ケトンより誘導する。
【0126】
式XXIIIのヒドロキシカルバマート(Q=O)は、式XXVIのケトンを、式XXV(式中、M=MgCl、MgBr、MgI又はLiである)の有機金属と反応させることにより調製することができる。
【0127】
【化23】

【0128】
式XXIIIのヒドロキシカルバマート(Q=O)はまた、式XXXIのアミノアルコールを、式XXVIIIのアシル化剤と反応させることにより調製することができる:
【0129】
【化24】

【0130】
式XXXIのアミノアルコールは、式XXVの有機金属試薬を、式XXIXのアミノケトンに加えることにより調製することができる。
【0131】
【化25】

【0132】
式XXXI(式中、n=Oである)の中間体は、Smith, M. B. and March, J. "March's Advanced Organic Chemistry" p 505, 5th Edition, Wiley, New York, NY, 2001に記載のとおり、式XXXIIのオキセタンを、式VIのアミンと反応させることにより調製することができる:
【0133】
【化26】

【0134】
式XXXIのアミノアルコール中間体は、BH.THF溶液、BH.MeS又はLiAlHなどの水素化物試薬を使用し、THF又はDMEなどの不活性エーテル溶媒中、20℃〜100℃で、1時間〜48時間、式XXXIIIのアミドを還元することにより調製することができる:
【0135】
【化27】

【0136】
式XXXIIIの中間体は、EDCなどの標準的なペプチドカップリング試薬を使用し、HOBt及びN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、CHClなどの不活性溶媒中、0〜30℃で、1時間〜24時間、式XXXIVのβ−ヒドロキシ酸を、式VIのアミンとカップリングさせることにより調製することができる:
【0137】
【化28】

【0138】
式XXXIII(式中、R1a及びR1bは、両方とも水素である)の中間体は、BH.THF溶液、BH.MeS又はLiAlHなどの水素化物試薬を使用し、THF又はDMEなどの不活性エーテル溶媒中、20℃〜100℃で、1時間〜48時間、式XXXVのアミド中間体を還元することにより調製することができる:
【0139】
【化29】

【0140】
式XXXVのアミド中間体は、HOBtの存在下でEDCを用いるなどの標準的なペプチドカップリング条件を使用し、式XXXVIのアミノ−アルコール中間体を、式XVのカルボン酸と反応させることにより調製することができる

【0141】
【化30】

【0142】
式XXXVI(式中、n=Oである)のアミノ−アルコール中間体は、式XXXVIIのエポキシドを、シアン化物イオンと反応させ、続いて触媒の存在下で水素ガスを用い、又はLiAlHなどの水素化物源を用いて、得られた式XXXVIIIのヒドロキシニトリルを還元することにより調製することができる:
【0143】
【化31】

【0144】
式XIVのエポキシド化合物は、同様に、例えば、Aube, J. "Epoxidation and Related Processes" Chapter 3.2 in Volume 1 of "Comprehensive Organic Synthesis" Edited by B. M. Trost, I. Fleming and Stuart L. Schreiber, Pergamon Press, New York, 1992に記載されているとおりの多くの方法で調製することができる。
【0145】
式XXXVIIIのヒドロキシニトリル中間体は、式XXXIXのケトンを、THFなどの不活性無水溶媒中、低温で、アセトニトリルをN−BuLi又はLDAで処理することにより形成したアセトニトリルアニオンで処理することにより調製することができる:
【0146】
【化32】

【0147】
式XXXVI(式中、nは0である)のアミノ−アルコール中間体は、式XL(式中、Rは、例えば、メチル、トリフルオロメチル又はp−メチルフェニルである)のスルホン酸エステル中間体を、アンモニアで処理することにより調製することができる:
【0148】
【化33】

【0149】
式XXXVIのアミノ−アルコール中間体は、式XLのスルホン酸エステル中間体を、アジ化ナトリウムで処理して、式XLIのアジド中間体を得て、続いて湿潤THF中のPPhを用いるシュタウディンガー還元又は接触水素化に付することにより調製することができる:
【0150】
【化34】

【0151】
式XLのスルホン酸エステル中間体は、スルホニル塩化物RSOClを用い、式XLIIのジオール中間体より調製することができる:
【0152】
【化35】

【0153】
式XLIIのジオール中間体は、式XLIIIのアリルアルコールをヒドロホウ素化することにより調製することができる:
【0154】
【化36】

【0155】
式XLIのジオール中間体は、式XLIVのホモアリルアルコールをオゾン分解及び還元することにより調製することができる:
【0156】
【化37】

【0157】
式XXXI(式中、R1bは水素である)のアミノアルコール中間体は、NaCNBH又はNa(OAc)BHなどの還元剤の存在下、式XXXVIのアミノアルコールを、式XXIIのメチルケトン又はアルデヒドと反応させることにより調製することができる:
【0158】
【化38】

【0159】
アルデヒド及びケトンの還元的アミノ化の方法は、Baxter, E. W. and Reitz, A. B. Organic Reactions" Volume 59, Ed. Overman, L. E., Wiley Interscience, 2002に記載されている。
【0160】
式XXXIのアミノアルコールは、式XLのスルホン酸エステル又は式XLVのハロゲン化物を、式VIのアミンで求核置換することにより調製することができる:
【0161】
【化39】

【0162】
第3の過程において、式I(式中、R1a及びR1bは、両方とも水素である)の化合物は、NaH又はKCOなどの塩基の存在下、式XLVIの化合物を、式XLVII(式中、Rは、Br、I、OSOMe、OSOCF又はOSOPhなどの脱離基である)の化合物と反応させることにより調製することができる:
【0163】
【化40】

【0164】
式XLVIの化合物は、THF、CHCl、トルエン又はMeCNなどの不活性溶媒中、通常それぞれトリエチルアミン又はNaHCOなどの有機又は無機塩基の存在下、−10℃〜120℃で、式XIV及びXXXVIの化合物を、式III(式中、Z及びZは、塩化物、1−イミダゾリル又はアリールオキシドなどの脱離基である)の種々の試薬で処理することにより調製することができる:
【0165】
【化41】

【0166】
第4の過程において、式Iの化合物(式中、QはOであり、nは0である)は、塩基の存在下、式XLV(式中、Halは、塩素又は臭素である)のハロ化合物を、式XLVIIIのイソシアン酸エステルと反応させることにより調製することができる:
【0167】
【化42】

【0168】
式XLVのハロ化合物は、式XLIXのβ−ハロケトンを、式XXV(式中、Mは、MgCl、MgBr、MgI又はLiなどの基を含む金属である)の有機金属試薬と反応させることにより調製することができる。反応は、場合により、無水三塩化セリウムの存在下で実施する:
【0169】
【化43】

【0170】
第5の過程において、式Iの化合物は、別の式Iの化合物より調製することができる。例えば:
【0171】
(1)Rが臭素又はヨウ素で置換されているアリール又はヘテロアリールである式Iの化合物を、パラジウム触媒の存在下、Cu(I)CN又はZN(CN)と反応させて、Rが、シアノで置換されているアリール又はヘテロアリールである式Iの化合物を得ることができる。
【0172】
(2)A又はRがω−ヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、ジョーンズ試薬を使用して、A又はRがω−カルボキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物に酸化することができる。
【0173】
(3)A又はRがω−カルボキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、EDCなどの標準的なペプチドカップリング試薬を使用して、アンモニア又は(C−C)アルキルアミンとカップリングさせて、A又はRがω−HNC(=O)(C−C)アルキル又はω−{(C−C)アルキルNHC(=O)}(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0174】
(4)A又はRがω−ヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、そのメタンスルホン酸塩又はトリフルオロメタンスルホン酸塩に変換し、アジ化ナトリウムで処理し、還元して、A又がRはω−アミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0175】
(5)A又はRがアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、無水酢酸又は塩化アセチルと反応させて、A又はRが{アセチルアミノ}(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0176】
(6)A又はRがアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、塩化メタンスルホニルと反応させて、A又はRが{メタンスルホニルアミノ}(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0177】
(7)A又はRが(C−C)アルケニルである式Iの化合物をヒドロホウ素化して、A又はRがヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得る。アルケンが(C−C)アルケニル基の末端である場合、主要生成物は一般に第一級ω−ヒドロキシ(C−C)アルケニル iであり、副生成物(minor product)は第二級アルコール iiである。
【0178】
【化44】

【0179】
(8)A又はRが(C−C)アルケニルである式Iの化合物を、四酸化オスミウム及びN−メチルモルホリン−N−オキシドと反応させて、A又はRが近接ジヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0180】
(9)A又はRが(C−C)アルケニルである式Iの化合物をオゾン、続いてNaBHと反応させて、A又はRがω−ヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0181】
(10)A又はRがアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、(C−C)アルキルイソシアナートと反応させて、A又はRが(C−C)アルキルアミノカルボニルアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0182】
(11)A又はRがアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、クロロギ酸(C−C)アルキルと反応させて、A又はRが(C−C)アルコキシカルボニルアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0183】
(12)A又はRがアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、クロロスルホニルイソシアナート又はスルファミドと反応させて、A又はRがアミノスルホニルアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0184】
(13)A又はRがアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、(C−C)アルキルスルファモイルクロリドと反応させて、A又はRが(C−C)アルキルアミノスルホニルアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0185】
(14)A又はRがヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、クロロスルホニルイソシアナートと反応させて、A又はRがアミノスルホニルオキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0186】
(15)A又はRがヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、クロロギ酸p−ニトロフェニル、クロロギ酸ペンタフルオロフェニル又はカルボニルジイミダゾール、続いてアンモニア、(C−C)アルキルアミン又はジ(C−C)アルキルアミンと反応させて、A又はRがアミノカルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノカルボキシ(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノカルボキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0187】
(16)A又はRがヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、POClと反応させて、A又はRが(HO)P(=O)O(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0188】
(17)QがNRでありRがHである式Iの化合物を、水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下、ハロゲン化(C−C)アルキルと反応させて、Rが(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0189】
(18)A又はRがω−HNCO(C−C)アルキルである式Iの化合物を、ピリジンの存在下、TFAAと反応させて、A又はRがω−シアノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0190】
(19)A又はRがヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下、ハロゲン化(C−C)アルキルと反応させて、A又はRが(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0191】
(20)A又はRがヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下、ハロゲン化(C−C)アルケニルと反応させ、続いてヒドロホウ素化して、A又はRがヒドロキシ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0192】
(21)A又はRがヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下、ハロゲン化(C−C)アルケニルと反応させ、続いてオゾン及びNaBHで処理して、A又はRがヒドロキシ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0193】
(22)A又はRがω−ヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、そのメタンスルホン酸塩又はトリフルオロメタンスルホン酸塩に変換し、(C−C)アルキルアミン又はジ(C−C)アルキルアミンで処理して、A又はRが(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0194】
(23)A又はRがアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を無水トリフルオロ酢酸と反応させ、続いてBH.THFで還元して、A又はRが2,2,2−トリフルオロエチルアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0195】
(24)A又はRがアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、2−フルオロピリジンと反応させて、A又はRが2−ピリジルアミノ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0196】
(25)A又はRがω−ヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物をそのメタンスルホン酸塩又はトリフルオロメタンスルホン酸塩に変換し、(C−C)アルキルチオールで処理し、続いてm−CPBAで酸化して、A又はRが(C−C)アルキルスルホニル(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0197】
(26)A又はRがω−ヒドロキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を、酸の存在下、イソブチレンで処理して、A又はRがω−t−ブトキシ(C−C)アルキルである式Iの化合物を得ることができる。
【0198】
(27)AがCOMe又はCHCOMeである式Iの化合物を、MeMgBrで処理して、AがCMeOH又はCHCMeOHである式Iの化合物を得ることができる。
【0199】
精製方法
本発明の化合物は、高圧液体クロマトグラフィー(分取HPLC)により精製することができる。他に示さない限り、分取HPLCとは、Gilson 215システムで行う、0.01%TFAを含む水/アセトニトリル勾配で溶離するC−18カラムの分取逆相HPLCのことをいう。
【0200】
LC−MS方法
方法1(30〜90)
【0201】
【表2】

【0202】
方法2(10〜80)
【0203】
【表3】

【0204】
実施例1
3−((2S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
方法1
【0205】
【化45】

【0206】
工程1
塩化メチレン(20mL)と飽和NaHCO水溶液(20mL)中の(S)−1,2,2−トリメチルプロピルアミン(626mg、6.2mmol)の溶液に、トリホスゲン(607mg、2.05mmol)を0℃で加えた。混合物を15分間撹拌した。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮して、(S)−3−イソシアナート−2,2−ジメチル−ブタン(845mg、90%)を得た。
【0207】
【表4】

【0208】
工程2
1000-mLフラスコに、無水CeCl(50g、0.2mol)及びTHF(360mL)を入れた。混合物を室温で3.5時間激しく撹拌した。次に、懸濁液を−78℃に冷却し、アリルマグネシウムブロミド(THF中1.0M、188.2mL、188mmol)の溶液を加えた。−78℃で2時間撹拌した後、THF(269mL)中の3−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(22.6g、120mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、一晩撹拌しながら室温にゆっくり温めるにまかせた。次に、反応物を飽和NaHCO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出して、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、残留物を、ヘキサン類/EtOAcで溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(23.8g、87%)を油状物として得た。
【0209】
【表5】

【0210】
工程3
THF(10mL)中の1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(500mg、2.19mmol)、(S)−3−イソシアナート−2,2−ジメチル−ブタン(845mg、5.58mmol)、及びDBU(681mg、5.9mmol)の混合物を、25時間加熱還流した。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。水相をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をカラムにより精製して、6−アリル−3−((2S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(80mg、粗生成物)を得た。
【0211】
工程4
乾燥CHCl(5mL)中の6−アリル−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(80mg、粗生成物)の溶液を、混合物が青色に変化するまでオゾンを用いて−78℃で処理した。次に、系を、過剰のオゾンを移動するために酸素でフラッシュした。NaBH(47mg、1.25mmol)を、室温で少量ずつ混合物に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した、混合物を水でクエンチし、層を分離した。水層をCHCl(2×6mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、3−((2S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(5mg、収率:4%)を得た。
【0212】
方法2
【0213】
【化46】


工程1
アセトニトリル(100mL)中の3−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(5.0g、0.027mol)とKCO(7.45g、0.054mol)の溶液に、(S)−3,3−ジメチルブタン−2−アミン(3.24g、0.032mol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を濾過し、濾液を濃縮して、(S)−3−(3,3−ジメチルブタン−2−イルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(6.40g、94%)を得た。
【0214】
【表6】

【0215】
工程2
CHCl(100mL)中の(S)−3−(3,3−ジメチルブタン−2−イルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(2.00g、7.97mmol)及びKCO(3.30g、23.9mmol)の溶液に、クロロギ酸メチル(2.25g、23.9mmol)を0℃で滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをクロマトグラフィーにより精製して、(S)−メチル 3,3−ジメチルブタン−2−イル(3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル)カルバマート(2.0g、81%)を得た。
【0216】
【表7】

【0217】
工程3
THF(60mL)中の(S)−メチル 3,3−ジメチルブタン−2−イル(3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル)カルバマート(4.5g、0.015mol)の溶液に、アリルマグネシウムブロミド(1M、30mL、0.03mol)をN下、−78℃で滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル(S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル(3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシヘキサ−5−エニル)カルバマート(4.80g、92%)を得、それを更に精製しないで次の工程のために使用した。
【0218】
工程4
乾燥THF(25mL)中の(S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル(3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシヘキサ−5−エニル)カルバマート(2.2g、6.27mmol)の溶液に、NaH(752mg、18.80mmol)をN下、0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをクロマトグラフィーにより精製して、6−アリル−3−((2S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンの2つの異性体を得た。
【0219】
異性体1:(R)−6−アリル−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(450mg、20%):
【0220】
【表8】

【0221】
異性体2:(S)−6−アリル−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(500mg、25%):
【0222】
【表9】

【0223】
工程5
乾燥CHCl(10mL)中の(R)−6−アリル−3−((2S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン[異性体1](450mg、1.41mmol)の溶液を、混合物が青色に変化するまでOを用いて−78℃で処理した。NaBH(157mg、4.23mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を濃縮し、残留物を分取TLCにより、続いて分取HPLCにより精製して、(S)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン[異性体1](265mg、58%)を得た。
【0224】
【表10】

【0225】
(S)−6−アリル−3−((2S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン[異性体2](500mg、1.57mmol)を、すぐ上で記載されたものと同様の手順に従って、(R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン[異性体2](300mg、59%)に変換した。
【0226】
【表11】

【0227】
実施例2
(R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0228】
【化47】

【0229】
乾燥THF(5mL)中の(R)−6−アリル−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(90mg、0.28mmol)の溶液に、1M BH.THF(0.56mL、0.564mmol)を0℃で滴下した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却して、水(1mL)、3M NaOH水溶液(0.5mL)及び30% H(0.5mL)を連続して加えた。混合物を室温で2〜3時間撹拌し、次に水(6mL)で希釈した。pHを、0.5N HClで6〜7に調整した。水相をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液(8mL)及びブライン(8mL)洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、(R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(2mg、2%)を得た。
【0230】
【表12】

【0231】
実施例3
3−((2S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0232】
【化48】

【0233】
実施例2に記載されたものと同様の手順に従って、6−アリル−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンから、標記化合物を調製した。2つの異性体を単離した:
異性体1:(R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン.
【0234】
【表13】

【0235】
異性体2:(S)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン.
【0236】
【表14】

【0237】
実施例4
3−((R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパンアミド
【0238】
【化49】

【0239】
工程1
アセトン(10mL)中の(R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(150mg、0.45mmol)の溶液に、Jones試薬(2.5mol/L、0.5mL)を0℃で加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、3−((R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパン酸(50mg、32%)を得た。
【0240】
工程2
3−((R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパン酸(50mg、0.144mmol)、EDCI(55mg、0.28mmol)、HOBt(38mg、0.28mmol)、及びDIEA(90mg、0.07mmol)を、氷浴下でCHCl(10mL)に溶解した。混合物を、NH雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、3−((R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパンアミド(15mg、30%)を得た。
【0241】
【表15】

【0242】
実施例5
N−(2−((S)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)エチル)メタンスルホンアミド
【0243】
【化50】

【0244】
工程1
CHCl(5mL)中の(S)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(220mg、0.68mmol)とトリエチルアミン(206mg、2.04mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(233mg、2.04mmol)を0℃で加え、反応混合物を、反応が終了するまで室温で撹拌した。反応物をHOでクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗2−((S)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)エチルメタンスルホナート(280mg、粗生成物)を得、それを更に精製しないで次の工程のために使用した。
【0245】
工程2
DMF(5mL)中の2−((S)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)エチルメタンスルホナート(273mg、0.68mmol)の溶液に、NaN(133mg、2.04mmol)を加え、混合物一晩を還流した。反応物をHOでクエンチし、混合物のpHを1N NaOH水溶液で>9に調整した。混合物をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(S)−6−(2−アジドエチル)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(219mg、93%)を得た。
【0246】
【表16】

【0247】
工程3
THF(5mL)とHO(0.25mL)中の(S)−6−(2−アジドエチル)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(219mg、0.63mmol)の溶液に、PPh(198mg、0.76mmol)を加え、混合物を2時間還流した。溶液を濃縮し、残留物を分取TLCにより精製して、(R)−6−(2−アミノエチル)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(144mg、71%)を得た。
【0248】
【表17】

【0249】
工程4
CHCl(5mL)中の(R)−6−(2−アミノエチル)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(144mg、0.45mmol)とトリエチルアミン(136mg、1.35mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(153mg、1.35mmol)を0℃で加え、反応混合物を、反応が終了するまで室温で撹拌した。反応物をHOでクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物,を得、それを分取TLCにより精製して、N−(2−((S)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)エチル)メタンスルホンアミド(121mg、67%)を得た。
【0250】
【表18】

【0251】
実施例6
N−(3−((R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−6−イル)プロピル)メタンスルホンアミド
【0252】
【化51】

【0253】
実施例6に記載されたものと同様の手順に従って、(R)−3−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オンから、標記化合物を調製した。
【0254】
【表19】

【0255】
実施例7
(S)−1−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン
【0256】
【化52】

【0257】
工程1
アセトニトリル(100mL)中の3−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(5.0g、0.027mol)とKCO(7.45g、0.054mol)の溶液に、(S)−3,3−ジメチルブタン−2−アミン(3.24g、0.032mol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を濾過し、濾液を濃縮して、(S)−3−(3,3−ジメチルブタン−2−イルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(6.40g、94%)を得、それを更に精製しないで次の工程のために使用した。
【0258】
【表20】

【0259】
工程2
CHCl(20mL)中の(S)−3−(3,3−ジメチルブタン−2−イルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(2.00g、7.97mmol)とトリエチルアミン(2.41g、23.9mmol)の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.25g、19.5mmol)を0℃で滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を10%クエン酸、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをクロマトグラフィーにより精製して、(S)−tert−ブチル 3,3−ジメチルブタン−2−イル(3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル)カルバマート(1.50g、54%)を得た。
【0260】
【表21】

【0261】
工程3
乾燥THF(20mL)中の(S)−tert−ブチル 3,3−ジメチルブタン−2−イル(3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル)カルバマート(1.50g、4.27mmol)の溶液に、Ti(Oi−Prl)(2.46g、8.55mmol)及び(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1.03g、8.55mmol)をN下で加え、混合物を一晩還流した。反応が終了した後、溶液をブライン20mLに注いで、濾過した。濾液をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル(E)−3−((R)−tert−ブチルスルフィニルイミノ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)カルバマート(800mg、42%)を得た。
【0262】
【表22】

【0263】
工程4
THF(10mL)中のtert−ブチル(E)−3−((R)−tert−ブチルスルフィニルイミノ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)カルバマート(800mg、1.76mmol)の溶液に、アリルマグネシウムブロミド(1M、6mL、5.29mmol)をN下、−78℃で滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert−ブチル(S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル((R)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エニル)カルバマート(870mg、粗生成物)を得、それを更に精製しないで次の工程のために使用した。
【0264】
工程5
HCl/ジオキサン(4M、10mL)中のtert−ブチル(S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル((R)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エニル)カルバマート(870mg、1.75mmol)の溶液を、0℃で一晩撹拌した。溶液を濃縮して、(R)−N−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−1,3−ジアミン(600mg、粗生成物)を得、それを次の工程のために使用した。
【0265】
工程6
CHCl(10mL)中の(R)−N−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−1,3−ジアミン(600mg、2.05mmol)とトリエチルアミン(1.04g、10.25mmol)の溶液に、トリホスゲン(203mg、0.68mmol)を0℃で加え、混合物を2時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、混合物をCHClで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、(R)−4−アリル−1−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(285mg、44%)を得た。
【0266】
【表23】

【0267】
工程7
CHCl(5mL)中の(R)−4−アリル−1−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(285mg、0.90mmol)の溶液を、混合物が青色に変化するまでOを用いて処理した。次に、NaBHを加え、混合物を、反応が終了するまで室温で撹拌した。反応物をHOでクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、(S)−1−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(120mg、42%)を得た。
【0268】
【表24】

【0269】
実施例8
3−tert−ブチル−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0270】
【化53】

【0271】
工程1
アセトニトリル(100mL)中の3−クロロ−1−フェニルプロパン−1−オン(5.0g、0.03mol)とKCO(12.4g、0.09mol)の溶液に、2−メチルプロパン−2−アミン(4.38g、0.06mol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を濾過し、濾液を濃縮して、3−(tert−ブチルアミノ)−1−フェニルプロパン−1−オン(5.89g、96%)を得た。
【0272】
【表25】

【0273】
工程2
CHCl(100mL)中の3−(tert−ブチルアミノ)−1−フェニルプロパン−1−オン(5.80g、0.028mol)及びKCO(7.73g、0.056mol)の溶液に、クロロギ酸メチル(7.98g、0.085mol)を0℃で滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を濾過した。濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミン酸メチル(5.09g、69%)を得た。
【0274】
【表26】

【0275】
工程3
THF(200mL)中のtert−ブチル(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミン酸メチル(2.0g、7.6mmol)の溶液に、アリルマグネシウムブロミド(1M、23mL、23mmol)をN下、−78℃で滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、tert−ブチル(3−ヒドロキシ−3−フェニルヘキサ−5−エニル)カルバミン酸メチル(1.05g、46%)を得た。
【0276】
【表27】

【0277】
工程4
乾燥THF(10mL)中のtert−ブチル(3−ヒドロキシ−3−フェニルヘキサ−5−エニル)カルバミン酸メチル(600mg、1.97mmol)の溶液に、NaH(236mg、5.91mmol)をN下、0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、6−アリル−3−tert−ブチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(325mg、61%)を得た。
【0278】
【表28】

【0279】
工程4
乾燥THF(10mL)中の6−アリル−3−tert−ブチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(400mg、1.46mmol)の溶液に、1M BH/THF(4.5mL、4.40mmol)をN下、0℃で滴下した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を0℃に再び冷却して、水(0.1mL)、3M NaOH水溶液(0.1mL)、及び30% H(0.3mL)を順次加えた。混合物を室温でさらに2時間撹拌した後、1N HCl水溶液(1.5mL)を加えた。混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより、続いて分取キラルHPLCにより精製して、3−tert−ブチル−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンの2つの異性体を得た。
【0280】
【表29】

【0281】
実施例9
3−tert−ブチル−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0282】
【化54】

【0283】
実施例8に記載されたものと同様の手順に従って、3−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オンから、標記化合物を調製した。2つの異性体を単離した。
【0284】
【表30】

【0285】
実施例10
3−((2S)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0286】
【化55】

【0287】
工程1
CHOH(150mL)中の(S)−2−アミノプロパン酸(30g、0.34mol)の溶液に、SOCl(42mL、0.58mol)を0℃で加えた。形成された混合物を一晩撹拌した。混合物を濃縮して、(S)−メチル 2−アミノプロパノアート(30g、86%)を得た。
【0288】
【表31】

【0289】
工程2
CHCl(300mL)中の(S)−メチル 2−アミノプロパノアート(30g、0.29mol)とEtN(88g、0.88mol)の溶液に、(Boc)O(125g、0.58mol)を0℃で加えた。形成された混合物を一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液をクエン酸水溶液で洗浄した。有機相を濃縮して、(S)−メチル 2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパノアート(58g、100%)を得た。
【0290】
【表32】

【0291】
工程3
THF中の(S)−メチル 2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパノアート(10g、0.0493mol)の溶液に、メチルマグネシウムブロミド(100mL、3mol/L)を0℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を、少量のブラインを加えることによりクエンチした。混合物をEtOAcで希釈し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて、(S)−tert−ブチル 3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イルカルバマート(10g、100%)を得た。
【0292】
【表33】

【0293】
工程4
20% TFA/CHCl(30mL)中の(S)−tert−ブチル 3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イルカルバマート(5g、24.6mmol)の混合物を、0℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮して、(S)−3−アミノ−2−メチルブタン−2−オール(2.5g、100%)を得、それを精製しないで次の工程のために使用した。
【0294】
【表34】

【0295】
工程5
CHCl(50mL)中の(S)−3−アミノ−2−メチルブタン−2−オール(4g、38.8mmol)とイミダゾール(5.20g、77.7mmol)の溶液に、TBSCl(8.7g、57.7mmol)を0℃で加えた。混合物を一晩撹拌した。混合物をブラインで洗浄した。有機相を分離し、濃縮して、(S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−アミン(8.4g、100%)を得、それを精製しないで次の工程のために使用した。
【0296】
【表35】

【0297】
工程6
CHCN(100mL)中の(S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−アミン(6g、27.6mmol)、1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(4.83g、23mmol)とKCO(15g、100mmol)の混合物を撹拌し、一晩加熱還流した。固体を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーにより精製して、1−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イルアミノ)−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(300mg、3%)を得た。
【0298】
【表36】

【0299】
工程7
CHCl(5mL)中の1−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イルアミノ)−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(550mg、1.41mmol)とEtN(1.4g、14.1mmol)の溶液に、トリホスゲン(138mg、0.46mmol)を0℃で加えた。形成された混合物を一晩加熱還流した。混合物を水で洗浄した。有機相を分離し、濃縮して、粗生成物を得、それをTLCにより精製して、6−アリル−3−((2S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、17%)を得た。
【0300】
【表37】

【0301】
工程8
THF(5mL)中の6−アリル−3−((2S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(300mg、0.72mmol)の溶液に、BH THF(2.2mL、1mol/L)を窒素雰囲気下、0℃で加えた。形成された混合物を2時間撹拌した。反応物を水でクエンチした。次に、NaOH水溶液(1mol/L、4.4mL)及びH(30%、2.2mL)を、上記の混合物に加えた。得られた混合物を1.5時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を濃縮して、粗生成物を得、それを分取HPLCにより精製して、3−((2S)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンの2つの異性体を得た。
【0302】
【表38】

【0303】
実施例11
【0304】
【化56】

【0305】
THF(3mL)中の(R)−4−アリル−1−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(100mg、0.31mmol)の溶液に、BH THF(1mL、1mol/L)を窒素雰囲気下、0℃で加えた。形成された混合物を2時間撹拌した。反応物を水でクエンチした。NaOH水溶液(3mol/L、0.2mL)及びH(30%、0.2mL)を加え、得られた混合物を1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を濃縮して、粗生成物を得、それを分取TLCにより精製して、(R)−1−((S)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(12mg、12%)を得た。
【0306】
【表39】

【0307】
実施例12
6−アリル−3−((2S)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0308】
【化57】

【0309】
工程1
CHCl(5mL)中の1−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イルアミノ)−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(550mg、1.41mmol)とEtN(1.4g、14.1mmol)の溶液に、トリホスゲン(138mg、0.46mmol)を0℃で加えた。形成された混合物を一晩加熱還流した。混合物を水で洗浄した。有機相を分離し、濃縮して、粗生成物を得、それをTLCにより精製して、2つの異性体を得た。
【0310】
6−アリル−3−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン異性体1(50mg、8.6%)。
【0311】
【表40】

【0312】
6−アリル−3−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン異性体2(55mg、9%)。
【0313】
【表41】

【0314】
工程2
20% TFA/DCM(2mL)中の6−アリル−3−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン異性体1(80mg、0.19mmol)の混合物を、0℃で30分間撹拌した。混合物を濃縮して、粗6−アリル−3−((S)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン異性体1(50mg、86%)を得た。
【0315】
【表42】

【0316】
6−アリル−3−((S)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン異性体2は、上述されたものと同様の手順に従って、6−アリル−3−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−メチルブタン−2−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン異性体2から調製した。
【0317】
【表43】

【0318】
生物学的試験例1
本発明の化合物による11β−HSD1のミクロソーム調製の阻害を、主として既述されているとおり測定した(K. Solly, S. S. Mundt, H.J. Zokian, G.J. Ding, A. Hermanowski-Vosatka, B. Strulovici, and W. Zheng, High-Throughput Screening of 11-Beta-Hydroxysteroid Dehydrogenase Type 1 in Scintillation Proximity Assay Format. Assay Drug Dev Technol 3 (2005) 377-384)。全反応を、96ウェルの透明フレキシブルPET Microbetaプレート(PerkinElmer)中で室温にて実施した。基質溶液49μl(50mM HEPES(pH7.4)、100mM KCl、5mM NaCl、2mM MgCl、2mM NADPH及び160nM[H]コルチゾン(1Ci/mmol))を分与することによりアッセイを開始し、0.1mMから出発する半対数(half-log)増加量(8点)で予め希釈したDMSO中の試験化合物1μL中で混合した。10分間のプレインキュベーション後、ヒト11β−HSD1を過剰発現するCHO細胞から単離したミクロソームを含む酵素溶液50μl(10〜20μg/ml総タンパク質)を添加し、プレートを室温で90分間インキュベートした。Superblock緩衝液(Bio-rad)中の10μM 18β−グリシルレチン酸、5mg/mlプロテインA被覆YSi SPAビーズ(GE Healthcare)及び3.3μg/ml抗コルチゾール抗体(East Coast Biologics)を含むSPAビーズ懸濁液50μlを加えて反応を停止させた。プレートを室温で120分間振とうし、[H]コルチゾールに対応するSPAシグナルを、Microbetaプレートリーダーで測定した。
【0319】
生物学的試験例2
本発明の化合物による11β−HSD1の阻害を、以下のとおり全細胞において測定した。アッセイ用細胞を、以下の2つの供給源から得た:すなわち、Zen-Bio, Incからの完全に分化したヒト大網脂肪細胞;及びLonza Group Ltd.からのヒト大網前駆脂肪細胞である。Zen-Bio Inc.からの分化前の大網脂肪細胞は、96ウェルプレート中の状態で購入し、脂肪前駆細胞からの分化から少なくとも2週間後にアッセイにおいて使用した。Zen-Bioは、脂肪生成ホルモン及び脂質生成ホルモン(ヒトインスリン、デキサメタゾン、イソブチルメチルキサンチン及びPPAR−γアゴニスト)を用いた培地の補充により脂肪前駆細胞の分化を誘導した。細胞を、完全脂肪細胞培地(DMEM/Hams’F-12(1:1、v/v)、HEPES(pH7.4)、ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレプトマイシン及びアンホテリシンB、Zen-Bio, Inc.により供給)中、37℃、5%COで維持した。
【0320】
脂肪前駆細胞をLonza Group Ltd.から購入し、37℃、5% COで、ウシ胎児血清、ペニシリン、及びストレプトマイシン(Lonzaにより供給)を補充した脂肪前駆細胞成長培地−2中の培養物に入れた。インスリン、デキサメタゾン、インドメタシン、及びイソブチル−メチルキサンチン(Lonzaにより供給)を脂肪前駆細胞成長培地−2に加えることにより、脂肪前駆細胞を分化させた。細胞を分化因子に7日間曝露すると、この時点で細胞は分化し、アッセイの準備が整った。アッセイを行う1日前に、分化した大網脂肪細胞を無血清及び無フェノールレッド培地に移し、一晩インキュベートした。アッセイは、総容量200μLで実施した。エタノール中の[H]コルチゾン(50Ci/mmol、ARC, Inc.)を加える少なくとも1時間前に、細胞を、0.1%(v/v)DMSO及び種々の濃度の試験化合物を含む無血清、無フェノールレッド培地でプレインキュベートして、最終コルチゾン濃度100nMを得た。細胞を、37℃、5% COで3〜4時間インキュベートした。放射性基質を用いずに陰性対照をインキュベートし、インキュベーション終了時に同量の[H]コルチゾンを入れた。[H]コルチゾールの形成を、シンチレーション近接アッセイ(SPA)での各上清25μLの分析によりモニターした(Solly, K.; Mundt, S. S.;Zokian, H.J.;Ding, G. J.; Hermanowski-Vosatka, A.; Strulovici, B.; Zheng, W. Assay Drug Dev. Technol. 2005, 3, 377-384)。本発明の多くの化合物が、このアッセイにおいて著しい活性を示した。
【0321】
【表44】

【0322】
【表45】



【0323】
本発明の化合物は、コルチゾールレベルの減少が疾患状態の処置に有効である障害又は疾患の改善又は処置に有用である。したがって、本発明の化合物は、真性糖尿病、肥満、代謝症候群の症状、耐糖能障害、高血糖症、高血圧症、高脂血症、インスリン抵抗性、心血管疾患、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、脂肪異栄養症、骨粗鬆症、緑内障、クッシング症候群、アジソン病、糖質コルチコイド療法に関連する内臓脂肪型肥満、うつ病、不安、アルツハイマー病、認知症、認知低下(加齢性認知低下が含まれる)、多嚢胞性卵巣症候群、不妊症及び性機能亢進症の治療又は予防に使用することができる。本発明化合物は、アルコール性肝疾患と関連する偽クッシング症候群の治療剤として使用することができる。加えて、本化合物は、免疫系のB細胞及びT細胞の機能を調節するので、結核、ハンセン病、及び乾癬などの疾患を処置するために使用することができる。化合物はまた、特に糖尿病患者における創傷治癒を促進するために使用することができる。
【0324】
11β−HSD1活性に関連する更なる疾患又は障害には、脂質障害、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLレベル、高LDLレベル、血管再狭窄、膵炎、腹部肥満、神経変性疾患、網膜症、腎症、ニューロパシー、糖尿病、冠状動脈性心疾患、卒中、末梢血管疾患、クッシング症候群、高インスリン血症、ウイルス疾患、及びX症候群からなる群より選択されるものが含まれる。11β−HSD1活性に関連する更なる疾患は、アルコール性肝疾患に関連する偽クッシング症候群である。
【0325】
開示した化合物は、単独で(すなわち、単独療法として)、あるいは上記適応症のいずれかの処置に有効な別の薬剤と併用して使用することができる。
【0326】
本発明の医薬組成物は、代替的にあるいは式I、Ia又はIbの化合物に加えて、式I、Ia又はIbの化合物の薬学的に許容しうる塩、あるいはそのような化合物又は塩のプロドラッグ又は薬学的に活性な代謝産物及び1個以上のその薬学的に許容しうる担体を含んでもよい。代替的には、本発明の医薬組成物は、式I、Ia、又はIbの化合物又はその薬学的な塩を、医薬組成物中の唯一の薬学的に活性な因子として含むことができる。開示した11β−HSD1阻害剤は、単独で、あるいは糖尿病、脂質異常症、心血管疾患、高血圧症、肥満、癌又は緑内障の処置のための1個以上の更なる薬剤との併用療法において使用することができる。
【0327】
本発明の組成物は、11β−HSD1阻害剤である。この組成物は、11β−HSD1に対する平均阻害定数(IC50)が約1,000nM未満;好ましくは約100nM未満;;より好ましくは約50nM未満;更にいっそう好ましくは約5nM未満;最も好ましくは約1nM未満である化合物を含む。
【0328】
本発明には、それを必要とする被検者に、有効量の式I、IaもしくはIbの化合物、又は鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくはその薬学的に許容しうる塩あるいはその組成物を投与する工程を含む、それを必要とする被検者の11β−HSD1媒介障害の処置又は改善方法を含まれる。本明細書で使用されるように、「処置する」又は「処置」には、治療的及び予防的処置の両方が含まれる。治療的処置には、疾患又は容態に関連する症状を軽減し、ならびに/あるいはその疾患又は容態を有する被検者の寿命を延長することが含まれる。予防的処置には、疾患又は容態を発症するリスクのある被検者の疾患又は容態の発生を遅延させるか、あるいはその後、疾患又は容態を発症するリスクのある被検者の疾患又は症状を発症する可能性を減少することが含まれる。
【0329】
本発明の実施態様には、糖尿病、脂質異常症、心血管疾患、高血圧症、肥満、癌又は緑内障の処置のための1つ以上の更なる薬剤との併用療法における11β−HSD1を阻害する式I、IaもしくはIbの化合物又はその組成物の投与が含まれる。糖尿病を処置するための薬剤には、インスリン、例えば、ヒューマリン(登録商標)(EIi Lilly)、ランタス(登録商標)(Sanofi Aventis)、ノボリン(Novo Nordisk)、及びエクスベラ(Exubera)(登録商標)(Pfizer);PPARγアゴニスト、例えば、アバンディア(Avandia)(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン、GSK)、及びアクトス(登録商標)(塩酸ピオグリタゾン、Takeda/Eli Lilly);スルホニル尿素、例えば、アマリール(登録商標)(グリメピリド、Sanofi Aventis)、ダイアベータ(Diabeta)(登録商標)(グリブリド、Sanofi Aventis)、ミクロナーゼ(Micronase)(登録商標)/グリナーゼ(Glynase)(登録商標)(グリブリド、Pfizer)、及びグルコトロール(Glucotrol)(登録商標)/グルコトロールXL(登録商標)及び(グリピジド、Pfizer);メグリチニド(meglitinides)、例えば、プランジン(登録商標)/ノボノーム(NovoNorm)(登録商標)(レパグリニド、Novo Nordisk)、スターリックス(Starlix)(登録商標)(ナテグリニド、Novartis)、及びグルファスト(登録商標)(ミチグリニド、Takeda);ビグアニド、例えば、グルコファージ(Glucophase)(登録商標)/グルコファージXR(登録商標)(メルホルミン HCl、Bristol Myers Squibb)及びGlumetza(メルホルミン HCl、Depomed);チアゾリジンジオン;アミリンアナログ;GLP−1アナログ;DPP−IV阻害剤;PTB−1B阻害剤;プロテインキナーゼ阻害剤(AMP活性化プロテインキナーゼ阻害剤を含む);グルカゴンアンタゴニスト;グリコゲンシンターゼキナーゼ−3β阻害剤;グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤;グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;ナトリウムグルコース共輸送体阻害剤、及びα−グルコシダーゼ阻害剤、例えば、プレコース(Precose)(登録商標)/グルコバイ(登録商標)/プランダーゼ(Prandase)(登録商標)/グルコール(Glucor)(登録商標)(アカルボース、Bayer)及びグリセット(Glyset)(登録商標)(ミグリトール、Pfizer)が含まれる。脂質異常症及び心血管疾患の処置のための薬剤には、スタチン、フィブラート、及びエゼチミブ(ezetimbe)が含まれる。高血圧症の処置のための薬剤には、α−遮断薬、β−遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、利尿薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、デュアルACE(dual ACE)、及び中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、アンギオテンシン−受容体遮断薬(ARBs)、アルドステロンシンターゼ阻害剤、アルドステロン−受容体アンタゴニスト、又はエンドセリン受容体アンタゴニストが含まれる。肥満の処置のための薬剤には、オルリスタット、フェンテルミン、シブトラミン、及びリモナバンが含まれる。
【0330】
本発明の実施態様には、1つ以上の他の11β−HSD1阻害剤(そのような阻害剤もまた、式I、IaもしくはIbの化合物、又は異なるクラス/属の化合物のいずれであっても)を用いた、あるいはアバンダメット(Avandamet)(登録商標)(メトホルミン HCl及びマレイン酸ロシグリタゾン、GSK); アバンダリル(Avandaryl)(登録商標)(グリメピリド及びマレイン酸ロシグリタゾン、GSK); メタグリプ(Metaglip)(登録商標)(グリピジド及びメトホルミン HCl、Bristol Myers Squibb);及びグルコバンス(Glucovance)(登録商標)(グリブリド及びメトホルミン HCl、Bristol Myers Squibb)などの併用製品を用いた併用療法において、11β−HSD1を阻害する式I、IaもしくはIbの化合物又はその組成物を投与することが含まれる。
【0331】
本発明の化合物は、多種多様な経口及び非経口投薬形態で調製かつ投与することができる。したがって、本発明の化合物を、注射、すなわち、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、又は腹腔内注射により投与することができる。加えて、本発明の化合物は、鼻腔内に又は経皮により投与することができる。以下の投薬形態が、活性成分として、本発明の化合物又は対応する薬学的に許容しうる化合物の塩のいずれかを含みうることが当業者には明白であろう。
【0332】
本発明の化合物から医薬組成物を調製するために、薬学的に許容しうる担体は、固体又は液体のいずれかであることができる。固体形態の製剤には、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル化物質としても作用しうる1つ以上の物質であることができる。粉末では、担体は、微粉化活性成分との混合物中に存在する微粉化固体である。
【0333】
錠剤では、活性成分を、必要な結合特性を有する担体と適切な割合で混合し、所望の形状及び大きさに圧縮する。
【0334】
粉末及び錠剤は、好ましくは、約1〜約70%の活性成分を含む。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、及びカカオバターなどである。錠剤、粉末剤、カシェ剤、トローチ剤、速溶解性ストリップ(fast-melt strip)、カプセル剤、及び丸剤を、経口投与に適切な活性成分を含む固体投薬形態として使用することができる。
【0335】
坐剤調製のために、脂肪酸グリセリド又はカカオバターの混合物などの低融点ワックスを最初に溶融し、活性成分を撹拌などによりその中で均一に分散させる。次に、溶融した均一な混合物を、好都合な大きさの鋳型に注ぎ、冷却し、それにより凝固させる。
【0336】
液体形態の製剤には、溶液、懸濁液、滞留浣腸、及びエマルション、例えば、水又はプロピレングリコール水溶液が含まれる。非経口注射のために、液体製剤をポリエチレングリコール水溶液中に配合することができる。
【0337】
経口投与に適切な水溶液は、活性成分を水に溶解し、所望であれば、適切な着色剤、香味料、安定剤、増粘剤を加えることにより調製することができる。経口投与のための水性懸濁液は、微粉化活性成分を、粘性材料、例えば、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁剤と共に水中に分散させることにより調製することができる。
【0338】
医薬組成物は、単位投薬形態であることが好ましい。そのような形態においては、組成物を、適切な量の活性成分を含む単位用量に再分割する。単位投薬形態は、パッケージ製剤(パッケージは、例えば、バイアル又はアンプル中の個別の量の錠剤、粉末剤、及びカプセル剤を含む)であることができる。また、単位投薬形態は、錠剤、カシェ剤、カプセル剤、又はトローチ剤自体であり得るか、これらのいずれかの適切な量のパッケージ形態であることができる。
【0339】
単位用量製剤中の活性成分の量は、約0.1mg〜約1000.0mg、好ましくは約0.1mg〜約100mgに変更又は調整しうる。しかし、投薬量は、患者の要件、処置を受ける容態の重篤度、及び使用される化合物に応じて変更しうる。特定の状況についての適切な投薬量の決定は、当技術分野の技術の範囲内である。また、医薬組成物は、所望であれば、他の適合可能な治療剤を含みうる。
【0340】
治療処置において、あるいは11β−HSD1の阻害剤として、又は細胞中のコルチゾール産生の阻害剤としての使用方法として、活性成分は、好ましくは、上記開示のとおり、固体投薬形態にて約0.1mg〜約100mg/1日用量の量(ここで、用量は、1日に1回又は1回を超えて投与する)で経口投与する。
【0341】
本明細書中で言及した全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個別の刊行物又は特許出願が具体的かつ個別に参照により組み入れられるように示されるのと同一の範囲まで、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書に記載の実施例及び実施態様は例示のみを目的とすると理解され、本発明を、添付の特許請求の範囲の適切な範囲又は公正な意味から逸脱することなく、修正、変更、及び変化させることができることが認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化58】


[式中、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、(a)水素、あるいは(b)フッ素、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ及びHNC(=O)より独立して選択される3個までの基で場合により置換されている(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され;
Aは、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリルアミノ(ここで、ヘテロシクリル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている);ヘテロアリールアミノ(ここで、ヘテロアリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);アリールアミノ(ここで、アリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);及びシクロアルキルアミノ(ここで、シクロアルキル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている直鎖又は分岐鎖状(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;
Yは、(C−C)アルキル又はハロ(C−C)アルキルであり;
nは、0、1又は2であり;
Eは、(a)結合、あるいは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルキレニルオキシ(ここで、OはRに結合しており、そのそれぞれが、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソより独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されている)であり;
は、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリルであり、かつ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)シクロアルキルカルボニル、(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)シクロアルキル}{(C−C)アルキル}アミノカルボニル、ジ(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、(C−C)シクロアルキルアミノスルホニル、{(C−C)シクロアルキル}{(C−C)アルキル}アミノスルホニル、ジ(C−C)シクロアルキルアミノスルホニル、シアノ(C−C)アルキル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル、{(C−C)シクロアルキル}{(C−C)アルキル}アミノカルボニル(C−C)アルキル及びジ(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル(C−C)アルキルより独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、かつ、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、スピロシクロアルキル;ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより独立して選択され;
Qは、O又はNRであり;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、又はヒドロキシ(C−C)アルキルであり;
ただし、
(a)QがOであり、(b)Aが、場合により置換されているC−Cアルキルであり;(c)Rが、場合により置換されているC−Cアルキルである場合;(d)E−Rは、2個の基で置換されているフェニルではない;
(ここで、2個の基は、オキサジノン環の結合点に対して、フェニルのメタ及びパラ位置にあり、2個の基は、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−Cアルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、及びジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシより独立して選択され;
ただし、
(a)QがNRであり;(b)AがC−Cアルキルであり、(c)Rが、メチル又はビニルである場合、(d)E−Rは、メチル又はフェニルではない]で示される化合物、あるいは、その薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー。
【請求項2】
1a及びR1bが、それぞれ独立して、(a)水素、あるいは(b)フッ素、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ及びHNC(=O)より独立して選択される3個までの基で場合により置換されている(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され;
Aが、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリルアミノ(ここで、ヘテロシクリル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている);ヘテロアリールアミノ(ここで、ヘテロアリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);アリールアミノ(ここで、アリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);及びシクロアルキルアミノ(ここで、シクロアルキル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている直鎖又は分岐鎖状(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;
Yが、(C−C)アルキル又はハロ(C−C)アルキルであり;
nが、0、1又は2であり;
Eが、(a)結合、あるいは(b)(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(ここで、OはRに結合しており、そのそれぞれが、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソより独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されている)であり;
が、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリルであり、かつ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルキルカルボニルより独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
が、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、かつ、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
が、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより独立して選択され;
Qが、O又はNRであり;
が、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、又はヒドロキシ(C−C)アルキルである、請求項1に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー。
【請求項3】
Aが、フッ素、シアノ、R;RO−;(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリルアミノ(ここで、ヘテロシクリル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている);ヘテロアリールアミノ(ここで、ヘテロアリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);アリールアミノ(ここで、アリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);及びシクロアルキルアミノ(ここで、シクロアルキル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている直鎖又は分岐鎖状(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;
が、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル;(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、ここで、それぞれが、シアノ、R、−OH;RC−、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
(a)QがOであり;(b)Aが、アルキル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されているアルキル、アルケニル、アルキニルであり;(c)Rが、アルキル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニルである場合、(d)E−Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、スルホニル、又はアミノでそれぞれ場合により置換されている、シクロアルキル、アリール、アルキルではなく;
(a)Aが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであり;(b)Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであるか;あるいはオキソで置換されているアルコキシアルキルである場合、(c)(i)E−Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルではなく;(ii)E−Rが、非置換シクロアルキル又は非置換アリールではなく、(iii)Eがアルコキシではなく、Rが、オキソで置換されているアルキルではなく、(iv)E−Rが、C−Cアルコキシ又はハロゲンでそれぞれ場合により置換されているフェニル又はフェニルメチルではなく;
Aが、オキソ、カルボキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、スルホキシドで場合により置換されているアルキル;あるいはアルキル、ヒドロキシアルキル、又はオキソで置換されているアルケニルである場合;R及びE−Rが、両方とも、以下:オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、スルホキシド、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルで場合により置換されているアルキル;あるいはアルキル、ヒドロキシアルキル、又はオキソで置換されているアルケニルより選択することができない、請求項1、2又は3に記載の化合物。
【請求項5】
Aが、ヒドロキシ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項7】
Aが、Aが、モノ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項8】
Aが、2−ピリミジニル−アミノ(C−C)アルキル;2−ピリジル−アミノ(C−C)アルキル;モノ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(ここで、ピリミジニル及びピリジルはそれぞれ、メチル又はエチルで場合により置換されている)である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項9】
Aが、ハロゲンで場合により置換されている(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項10】
Aが、(C−C)アルキルスルホニル(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項11】
Aが、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項12】
Aが、(C−C)アルコキシアルキルアミノ(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項13】
Aが、モノ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項14】
1a及びR1bが、H又は(C−C)アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
1a及びR1bが、H、メチル、又はエチルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
1aがMeであり、R1bがHである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
が、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているシクロアルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項18】
が、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているチエニル又は場合により置換されているピリジルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
が、場合により置換されているフェニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Eが結合である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
がフルオロフェニルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
がヒドロキシ(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項23】
がジヒドロキシ(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項24】
がω−HNCO(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項25】
がMeS(=O)NH(C−C)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項26】
1aが、メチル又はエチルであり;
1bが、メチル又は水素であり;
Aが、メチル、エチル、イソプロピル又はt−ブチルであり;
nが0であり;
Eが、結合又はCHであり;
が、ハロ又はメチルでそれぞれ場合により置換されている、フェニル、チエニル又はピリジルであり;
が、HO−、MeO−、HN−、MeC(=O)NH−、MeS(=O)NH−、HNC(=O)、MeNHC(=O)−、HOC−、(HO)P(=O)O−、HNS(=O)O−、HNS(=O)NH−、MeNHC(=O)NH−、MeNHC(=O)O− オキソ、シアノ、HOC−、HOCHCHNH−、4−モルホリノ、HOCHC(=O)NH−、HNCHC(=O)NH−、EtNHC(=O)NH、MeOC(=O)NH−、MeNHC(=NC≡N)NH−、又はオキソより独立して選択される2個までの基でそれぞれ場合により置換されている、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、i−ペンチル、ビニル又はアリルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項27】
1aがメチルであり;
1bが、水素又はメチルであり;
Aが、メチル又はt−ブチルであり;
nが0であり;
Eが結合であり;
が、フェニル又は4−フルオロフェニルであり;
が、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、HNCOCHCH−、MeSONHCHCH−又はMeSONHCHCHCH−である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項28】
式Ia:
【化59】


により表される、請求項1又は2に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー。
【請求項29】
式Ib:
【化60】


[式中、
mは0、1、2、3又は4であり、
Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルキルカルボニルより独立して選択される]により表される、請求項1又は2に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー。
【請求項30】
Qが、NRであり;Rが、ヘテロアリールで置換され、かつ、1個以上の更なる基で場合により置換されているメトキシメチルである場合、E−Rが、場合により置換されているヘテロアリール又はフェニルであることができず;
が、i)オキソ及びii)−OR(ここで、Rは、水素、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル)で置換されているメチル;ヒドロキシアルキル;及びアルコキシアルキル以外であり;Rが、フッ素又はC−Cアルコキシで場合により置換されているC−Cアルキル以外であり;E−Rが、i)オキソ及びii)ヒドロキシで置換されているメチル;ハロアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアルキル以外であり;E−Rが、ハロゲン又はC−Cアルコキシでそれぞれ場合により置換されているC−Cアルキル又はフェニルメチル以外であり;
E−R又はRが、両方とも、アミノ、チオ、又はアルコキシ基で場合により置換されているC−Cアルキルではなく;
(a)Aが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであり;(b)Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであるか;あるいはオキソで置換されているアルコキシアルキルである場合、(c)(i)E−Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルではなく;(ii)E−Rが、非置換シクロアルキル又は非置換アリールではなく、(iii)Eがアルコキシではなく、Rが、オキソで置換されているアルキルではなく、(iv)E−Rが、C−Cアルコキシ又はハロゲンでそれぞれ場合により置換されているフェニル又はフェニルメチルではなく;
(a)QはNRである場合;(b)Aが、i)オキソならびにii)アルキルアミノ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリールアミノ、アリールアミノ及びシクロアルキルアミノで置換されているメチルではなく;
Aが、オキソ、カルボキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、スルホキシドで場合により置換されているアルキル;あるいはアルキル、ヒドロキシアルキル、又はオキソで置換されているアルケニルである場合;R及びE−Rが、両方とも、以下:オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、スルホキシド、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルで場合により置換されているアルキル;あるいはアルキル、ヒドロキシアルキル、又はオキソで置換されているアルケニルより選択することができない、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項31】
(a)QがOであり;(b)Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されているアルキル、アルケニル、アルキニルであり;(c)Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニルである場合、(d)E−Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、スルホニル、又はアミノでそれぞれ場合により置換されている、アルキル、アリール、シクロアルキルではない、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項32】
i)請求項1又は2に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー;及びii)薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項33】
が、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル;(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、ここで、それぞれが、シアノ、R、−OH;RC−、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
(a)Aが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであり;(b)Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであるか;あるいはオキソで置換されているアルコキシアルキルである場合、(c)(i)E−Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルではなく;(ii)E−Rが、非置換シクロアルキル又は非置換アリールではなく、(iii)Eがアルコキシではなく、Rが、オキソで置換されているアルキルではなく、(iv)E−Rが、C−Cアルコキシ又はハロゲンでそれぞれ場合により置換されているフェニル又はフェニルメチルではない、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
(a)QがOであり;(b)Aが、アルキル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されているアルキル、アルケニル、アルキニルであり;(c)Rが、アルキル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニルである場合、(d)E−Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、スルホニル、又はアミノでそれぞれ場合により置換されている、シクロアルキル、アリール、アルキルではない、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項36】
i)請求項5〜31のいずれか一項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマー;及びii)薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項37】
Qが、NRであり;Rが、ヘテロアリールで置換され、かつ、1個以上の更なる基で場合により置換されているメトキシメチルである場合、E−Rが、場合により置換されているヘテロアリール又はフェニルであることができず;
が、i)オキソ及びii)−OR(ここで、Rは、水素、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル)で置換されているメチル;ヒドロキシアルキル;及びアルコキシアルキル以外であり;Rが、フッ素又はC−Cアルコキシで場合により置換されているC−Cアルキル以外であり;E−Rが、i)オキソ及びii)ヒドロキシで置換されているメチル;ハロアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアルキル以外であり;E−Rが、ハロゲン又はC−Cアルコキシでそれぞれ場合により置換されているC−Cアルキル又はフェニルメチル以外であり;
E−R又はRが、両方とも、アミノ、チオ、又はアルコキシ基で場合により置換されているC−Cアルキルではなく;
(a)Aが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであり;(b)Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルであるか;あるいはオキソで置換されているアルコキシアルキルである場合、(c)(i)E−Rが、ヒドロキシ又はアルコキシで場合により置換されているアルキルではなく;(ii)E−Rが、非置換シクロアルキル又は非置換アリールではなく、(iii)Eがアルコキシではなく、Rが、オキソで置換されているアルキルではなく、(iv)E−Rが、C−Cアルコキシ又はハロゲンでそれぞれ場合により置換されているフェニル又はフェニルメチルではない、請求項32又は36のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
(a)QがOであり;(b)Aが、アルキル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されているアルキル、アルケニル、アルキニルであり;(c)Rが、アルキル、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、フッ素、スルホニル、及びアミノで場合により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニルである場合、(d)E−Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、スルホニル、又はアミノでそれぞれ場合により置換されている、アルキル、アリール、シクロアルキルではない、請求項32又は36のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
有効量の式(I):
【化61】


[式中、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、(a)水素、あるいは(b)フッ素、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ及びHNC(=O)より独立して選択される3個までの基で場合により置換されている(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され;
Aは、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリルアミノ(ここで、ヘテロシクリル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている);ヘテロアリールアミノ(ここで、ヘテロアリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);アリールアミノ(ここで、アリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);及びシクロアルキルアミノ(ここで、シクロアルキル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている直鎖又は分岐鎖状(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;
Yは、(C−C)アルキル又はハロ(C−C)アルキルであり;
nは、0、1又は2であり;
Eは、(a)結合、あるいは(b)(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(ここで、OはRに結合しており、そのそれぞれが、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソより独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されている)であり;
は、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリルであり、かつ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルキルカルボニルより独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、かつ、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより独立して選択され;
Qは、O又はNRであり;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、又はヒドロキシ(C−C)アルキルである]で示される化合物、あるいは、その薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーを被検者に投与する工程を含む、11β−HSD1の活性又は発現に関連する疾患を有する被検者の処置方法。
【請求項40】
有効量の請求項1に記載の化合物を被検者に投与する工程を含む、11β−HSD1の活性又は発現に関連する疾患を有する被検者の処置方法。
【請求項41】
そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の式(I):
【化62】


[式中、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、(a)水素、あるいは(b)フッ素、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ及びHNC(=O)より独立して選択される3個までの基で場合により置換されている(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され;
Aは、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリルアミノ(ここで、ヘテロシクリル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている);ヘテロアリールアミノ(ここで、ヘテロアリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);アリールアミノ(ここで、アリール部分は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソにより場合により置換されている);及びシクロアルキルアミノ(ここで、シクロアルキル部分は、アルキル、ハロアルキル又はオキソにより場合により置換されている)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されている直鎖又は分岐鎖状(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;
Yは、(C−C)アルキル又はハロ(C−C)アルキルであり;
nは、0、1又は2であり;
Eは、(a)結合、あるいは(b)(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(ここで、OはRに結合しており、そのそれぞれが、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソより独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されている)であり;
は、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリルであり、かつ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル アミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルキルカルボニルより独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより選択され、かつ、フッ素、シアノ、オキソ、R、RO−、(RN−、RC−、RS、RS(=O)−、RS(=O)−、RC(=O)NR−、(RNC(=O)−、(RNC(=O)O−、(RNC(=O)NR−、ROC(=O)NR−、(RNC(=NCN)NR−、(RO)P(=O)O−、(RO)P(=O)NR−、ROS(=O)NR−、(RNS(=O)O−、(RNS(=O)NR−、RS(=O)NR−、RS(=O)NHC(=O)−、RS(=O)NHC(=O)O−、RS(=O)NHC(=O)NR−、ROS(=O)NHC(=O)−、ROS(=O)NHC(=O)O−、ROS(=O)NHC(=O)NR−、(RNS(=O)NHC(=O)−、(RNS(=O)NHC(=O)O−、(RNS(=O)NHC(=O)NR−、RC(=O)NHS(=O)−、RC(=O)NHS(=O)O−、RC(=O)NHS(=O)NR−、ROC(=O)NHS(=O)−、ROC(=O)NHS(=O)O−、ROC(=O)NHS(=O)NR−、(RNC(=O)NHS(=O)−、(RNC(=O)NHS(=O)O−、(RNC(=O)NHS(=O)NR−、ヘテロシクリル(同様に、アルキル、ハロアルキル又はオキソで場合により置換されていてもよい)、ヘテロアリール(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)、アリールアミノ(同様に、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドで場合により置換されていてもよい)及びヘテロアリールアミノ(同様に、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド、N,N−ジアルキル置換アミド、又はオキソで場合により置換されていてもよい)より独立して選択される4個までの基で場合により置換されており;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルより独立して選択され;
Qは、O又はNRであり;
は、H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、又はヒドロキシ(C−C)アルキルである]で示される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーを投与する工程を含む、11β−HSD1活性の阻害方法。
【請求項42】
そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を含む、11β−HSD1活性の阻害方法。
【請求項43】
Qが、NRであり;Rが、ヘテロアリールで置換され、かつ、1個以上の更なる基で場合により置換されているメトキシメチルである場合、E−Rが、場合により置換されているヘテロアリール又はフェニルであることができない、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項44】
Aが、ヒドロキシ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項45】
Aが、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項46】
Aが、モノ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項47】
Aが、2−ピリミジニル−アミノ(C−C)アルキル;2−ピリジル−アミノ(C−C)アルキル;モノ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(ここで、ピリミジニル及びピリジルは、メチル又はエチルでそれぞれ場合により置換されている)
である、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項48】
Aが、ハロゲンで場合により置換されている(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項49】
Aが、(C−C)アルキルスルホニル(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項50】
Aが、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項51】
Aが、(C−C)アルコキシアルキルアミノ(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項52】
Aが、モノ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキル又はジ(C−C)アルキルアミノカルボニル(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項53】
1a及びR1bが、H又は(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項54】
1a及びR1bが、H、メチル、又はエチルである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
1aがMeであり、R1bがHである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
が、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているシクロアルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項57】
が、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているチエニル又は場合により置換されているピリジルである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
が、場合により置換されているフェニルである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
Eが結合である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
がフルオロフェニルである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
がヒドロキシ(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項62】
がジヒドロキシ(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項63】
がω−HNCO(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項64】
がMeS(=O)NH(C−C)アルキルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項65】
1aが、メチル又はエチルであり;
1bが、メチル又は水素であり;
Aが、メチル、エチル、イソプロピル又はt−ブチルであり;
nが0であり;
Eが、結合又はCHであり;
が、ハロ又はメチルでそれぞれ場合により置換されている、フェニル、チエニル又はピリジルであり;
が、HO−、MeO−、HN−、MeC(=O)NH−、MeS(=O)NH−、HNC(=O)、MeNHC(=O)−、HOC−、(HO)P(=O)O−、HNS(=O)O−、HNS(=O)NH−、MeNHC(=O)NH−、MeNHC(=O)O− オキソ、シアノ、HOC−、HOCHCHNH−、4−モルホリノ、HOCHC(=O)NH−、HNCHC(=O)NH−、EtNHC(=O)NH、MeOC(=O)NH−、MeNHC(=NC≡N)NH−、又はオキソより独立して選択される2個までの基でそれぞれ場合により置換されている、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、i−ペンチル、ビニル又はアリルである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項66】
1aがメチルであり;
1bが、水素又はメチルであり;
Aが、メチル又はt−ブチルであり;
nが0であり;
Eが結合であり;
が、フェニル又は4−フルオロフェニルであり;
が、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、HNCOCHCH−、MeSONHCHCH−又はMeSONHCHCHCH−である、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項67】
化合物が、式Ia:
【化63】


により表されるか、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。
【請求項68】
化合物が、式Ib:
【化64】


[式中、
mは0、1、2、3又は4であり、
Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルケニル、ヒドロキシ(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)シクロアルキルアルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルコキシ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルチオ、ハロ(C−C)シクロアルキルアルキルチオ、(C−C)アルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルカンスルフィニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)アルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルフィニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルフィニル、(C−C)アルカンスルホニル、(C−C)シクロアルカンスルホニル、(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、ハロ(C−C)アルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルカンスルホニル、ハロ(C−C)シクロアルキルアルカンスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、HNCO、HNSO、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、(C−C)アルキルアミノスルホニル、ジ(C−C)アルキルアミノスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルコキシ、ヘテロアリール、オキソ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ、ジ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルキルカルボニルより独立して選択される]により表されるか、あるいはその薬学的に許容しうる塩、鏡像異性体又はジアステレオマーである、請求項39、40、41又は42に記載の方法。

【公表番号】特表2011−506438(P2011−506438A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537950(P2010−537950)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/013539
【国際公開番号】WO2009/075835
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(509235556)ヴァイティー ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (25)
【Fターム(参考)】