説明

2ビュー表示のための非対称視角

【課題】関連がないか又は関連する内容の2つの画像を異なる方向に表示可能な非対称視角を有する2ビュー又は3D表示装置を提供する。
【解決手段】本表示装置の非対称視角は、複数のサブピクセルピッチを単一の表示パネルに導入することによって実現できる。より具体的には、サブピクセル自体に非対称性を実現することで、非対称整列表示装置を提供する。この結果、異なる方向に表示されるビューウィンドウ又は画像の角度拡がりが異なる、即ち非対称となる。本非対称整列表示装置は、ビューウィンドウの外側境界には影響なく非対称の視角及びウィンドウを実現し、画像を異なる方向に表示可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像を生成可能な2ビュー表示装置及び3次元(3D)表示装置に関する。
《関連する出願への相互参照》
本出願は、2007年10月08日付で出願した米国仮特許出願第60/978,287号の利益を主張する特許出願である。
【背景技術】
【0002】
従来の3D表示装置は一対の立体的な画像を、観察者が各画像を片方の目で見ることができるよう異なる方向に表示することができる。観察者がその一対の画像成分を受け取り立体像が見えるように、該一対の画像は互いに対称な方向に表示され、左目と右目はそれぞれの画像を同時にかつ対称に受け取ることができる。2ビュー表示は、同時に2つの画像を異なる方向に単一の表示パネル上に表示することができる点で3D表示に類似している。原理的には、2ビュー表示は、異なる位置(例えば表示装置の右又は左ビューウィンドウ)から見ている2人が異なる視覚画像を知覚できるように2ビュー表示の画像は互いに関連のない内容でありうる点で3D表示と異なる。例えば、自動車表示装置の用途において、運転者は車表示装置の左ビューウィンドウ上のナビゲーション情報を見るよう制限され、一方、同乗者は右ビューウィンドウ上の映画等の別の画像内容を見ることができる。通常、表示装置の右と左のビューウィンドウは、角度拡がりの点で表示装置の法線に関して対称である。
【0003】
図1は、バックライトシステム8と反対側に位置する不透明で反射する領域14を備えた後障壁6をベースとする対称2ビューLCD表示装置1の概略断面図(等倍でない)である。2ビューLCD表示装置1は色フィルター基板3と、TFT液晶基板5と、これらに挟まれたピクセル色フィルター層4とを含む表示パネル2を備える。透明な障壁基板7上の障壁6は表示パネル2の後面上に設けられ、バックライトが障壁6の透過領域11を通って色フィルター層4に到達する。更に表示パネル2の前端と基板7の後端には偏光子膜9が設けられている。この例において、障壁6は表示パネル2の後面に設けられ、2ビュー又は一対の立体画像成分を生成する。
【0004】
表示パネル2は、複数のサブピクセルをそれぞれ有する複数のピクセルを備える色フィルター層4を含む。図1に示すように、RGBサブピクセル(等倍でない)を有するピクセル列が開示されている。表示パネル2に亘って、横行と縦列の両方において各サブピクセルは主右ビューウィンドウPRか又は主左ビューウィンドウPLに割り当てられる。図1に示すように、ビューウィンドウPRは破線で示された角度拡がりを指し、ビューウィンドウPLの角度拡がりは実線で示されている。説明を容易にするために、細い実線で示された望ましくない2次ビューSVとクロストークについては本明細書で更に説明はしない。3D表示装置の場合、例えば、PRは観察者の右目ビューウィンドウに一致し、PLは左目ビューウィンドウに一致することで立体視が実現される。同様に、2ビュー表示の場合、PRは観察者の右ビューウィンドウを指し、PLは別の観察者の左ビューウィンドウに割り当てられてよい。表示装置のビュー幅又は水平/垂直視角は、表示パネル2の厚み、特にTFT液晶基板5の厚み(障壁6とピクセル色フィルター層4との距離)によって制限される。
【0005】
例示のために、図2は、複数のサブピクセルを有する色フィルター層4と障壁6とからなる2ビュー/3D表示装置の簡単化された概略側面図を示す。ピクセルマトリックスの1つの行の複数のサブピクセルは、二者択一的にPLか又はPRに割り当てられ、R‐1、G‐2、B‐1、R‐2、G‐1、B‐2等とされる。ここで、記号‐1、‐2はそれぞれPLの左ビューサブピクセルとPRの右ビューサブピクセルを指す。なお、G‐2、B‐1を例に取ると、G‐2、B‐1の面積又は角度拡がりは対称である。2ビュー/3D表示装置の場合、これが通常であり、対称な2つのビューが表示パネルの法線に対してほぼ同じ視角で表示される。言換えると、PLとPRの角度拡がりは等しい。この対称整列表示装置の図に示されているように、左ビューウィンドウPLとその角度拡がりは、角度L_maxとL_minによって更に画定される。角度L_maxは表示装置の想定される法線0と、PLに割り当てられたサブピクセルのいずれか(この場合、例えばG‐2)の障壁6の透過領域11を通る最大視角との間の角度を指す。L_minはPLに割り当てられたサブピクセルのいずれかの法線0に対する障壁6を通る最小視角である。PLに割り当てられたサブピクセルによって形成される画像全体を考えると、PLの角度拡がりは、L_max、L_min間の角度である。同様に、PRは角度R_minとR_maxによって画定され、PRの角度拡がりはR_max、R_min間である。通常、表示装置の厚みのために、角度R_maxとL_maxは法線0から90度未満である。これらの角度は互いに等しく、ビューウィンドウPLとPRは対称となる。
【0006】
対称なビュー又はビューウィンドウを有する2ビュー表示装置は、全ての用途に常に適切であるわけではない。例えば自動車用2表示装置の場合、運転者のビュー領域を同乗者のビュー領域と等しくすることは、運転者が運転者ビュー領域又はビューウィンドウ(同乗者ビュー領域より大きくない)を誤って越えて、同乗者のビュー領域に表示された画像内容を見る可能性があり、潜在的な安全上の問題がある。これの発生を防ぐために、2ビュー表示装置は非対称の視角を有し運転者と同乗者のビュー領域が非対称となるように作製される。
【0007】
非対称2ビュー表示装置の1つの実現法は、表示パネルに対して該障壁をシフトすることである。これにより表示装置の主右ビューウィンドウPRと主左ビューウィンドウPLとが変位され、非対称ビューPRとPLが実現される。図3は、ピクセル色フィルター層4を備える表示パネルに対して障壁6をシフトすることで非対称性が実現された非対称整列2ビュー表示装置の簡単化された概略側面図である。サブピクセル(R‐1、G‐2、B‐1、R‐2、G‐1、B‐2、・・・)に対して幅Wと距離Dの透過領域11を有する障壁6をシフトさせることで、角度La_max、La_min間の角度拡がりを有するビューウィンドウPLは、角度Ra_maxとRa_minによって画定される角度拡がりを有するビューウィンドウPRと異なるようになる。図3に示すように、角度La_maxは角度L_max(図2)より大きく、角度Ra_maxは角度R_max(図2)より小さい。その結果、角度La_maxは角度Ra_maxより大きく、外側視角は主右ビューウィンドウPRと主左ビューウィンドウPLとで異なる。言換えると、PLとPRの異なる角度拡がりが障壁のシフトによって得られる。しかし、PLとPRの全ての視角も非対称となり、ビューウィンドウの外側境界は傾く。これは障壁シフトによって実現された非対称整列表示装置の欠点である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題を解決するために、本発明の1つの態様は、単一の表示パネル上で異なる方向に関連がないか又は同じ内容の少なくとも2つの画像を、各画像のビューウィンドウまたは角度拡がりが異なる、即ち、表示パネルの法線に関して非対称となるように表示することができる2ビュー/3D表示装置を提供する。
【0009】
本発明の別の態様は、複数のサブピクセルピッチを単一の表示パネルに導入することによって非対称視角とその結果の非対称ビューウィンドウ又は領域を実現した2ビュー/3D表示装置を提供する。
【0010】
本発明の更に別の態様は、ビューウィンドウの外側視角、即ち、外側境界は影響されることなく非対称視角と非対称ビューウィンドウとを実現した2ビュー/3D表示装置を提供する。
【0011】
本発明の1つの実施形態は、非対称の視角群を有する2ビュー/3D表示装置であって、色フィルター層とマトリックス状の複数のサブピクセルとを含む表示パネルを備え、該複数のサブピクセルの各サブピクセルは、すぐ隣のサブピクセルとサブピクセルピッチが異なり、該表示パネル上に複数のサブピクセルピッチを形成して、非対称の視角群を実現する。
【0012】
本発明の実施形態は例示のためのものであり、本発明を様々な態様で実施してよい。それらの実施形態も本発明の範囲に入ると考えるべきである。本発明の好例の実施形態の詳細が本明細書において更に説明される。
【0013】
本発明は様々な形態で実施されてよい。実施形態の詳細が添付の図面を参照して下記で説明される。図面(等倍でない)は実施形態を説明するためのものであり、本発明の範囲の限定と考えるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は非対称の視角を有する2ビュー/3D表示装置に関する。表示装置の非対称の視角は複数のサブピクセルピッチを単一の表示パネルに導入することによって実現できる。1つの実施形態では、表示装置の主左ビューウィンドウPLと主右ビューウィンドウPRの角度拡がりは異なる。複数のサブピクセルピッチの導入は、ビューウィンドウ又は画像の外側境界又は外側視角に影響することなく、非対称のビューウィンドウを異なる観察者に提供する。
【0015】
先ず、本発明の特徴を示す具体的な例として、図4は、自動車に適用された本発明の非対称整列表示装置の例示の実施形態を示す。前述したように、運転者の運転中の安全を保証するために、運転者はナビゲーション情報等の画像内容を持つ自身のビューウィンドウ又は領域に制限されるべきである。一方、同乗者のビューウィンドウは、より小さい角度拡がりを持ち映像、映画等の他の画像内容を表示してよい。図4に示す例では、運転者のビューウィンドウDW(陰を付けた領域)は同乗者のビューウィンドウPWより大きな角度拡がりを有し、両者の視角は表示装置の法線に関して非対称である。なお、本発明の非対称整列表示装置は、本明細書に記載するように多くの他の用途にも適用することができる。
【0016】
例示のために、互いに関連がないか又は関連する内容の2つの画像を表示可能な2ビュー表示装置と3D表示装置を参照して本発明を説明するが、本発明はLCD、OLED、及びAMOLED表示装置を含む表示装置に適用してもよい。また、本発明は3つ以上の画像を異なる方向に表示可能な多ビュー表示装置に適用することができる。
【0017】
2ビュー又は3D表示装置に適用可能な非対称整列表示装置を実現するために、本発明は、複数のサブピクセルピッチを表示パネルに導入することによって技術的解決を提供する。図5は、本発明の2ビュー/3D表示装置の実施形態の概略側面図を示す。図に示すように、非対称の視角を有する2ビュー/3D表示装置10は、色フィルター層40と、マトリックス状に配列された複数のサブピクセル46をそれぞれ有する複数のピクセル42とを含む表示パネル20を備え、各サブピクセル46はその隣のサブピクセルとは異なるサブピクセルピッチP1又はP2(図6に示す)を有して、表示パネル20上で複数のサブピクセルピッチを形成し、これにより非対称の視角群を実現できる。表示装置10の前にいる観察者に見えるサブピクセル46を通る光の入射が、対応する主左、右ビューウィンドウまたは領域PR、PL(詳細に後述する)を例示するために示されている。
【0018】
1つの実施形態では、表示装置10の表示パネル20は、色フィルター/CF基板30と、薄膜トランジスタ/TFTアレイ液晶基板50と、これらに挟まれた色フィルター層40とを更に備える。図示のように、1つの実施形態では、CF基板30は表示装置10の前面の近くか又はTFTアレイ基板50上に配置されている。別の実施形態では、TFTアレイ基板50はCF基板30の上方に配置されて表示パネル20を形成してもよい。また、偏光子90は表示パネル20の前端と後端の両方に設けられてよい。透過型、透過反射型、又は反射型LCD表示装置等のLCD表示装置の実施形態では、バックライトシステム80が表示装置10の光源の1つとして表示パネル20の後端に取付けられてもよい。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、2ビュー/3D表示装置10は、交互に配置された透過領域62と不透明領域64を備えた1つ以上の障壁60を更に備え、障壁60は色フィルター層40から距離D離れた表示パネル20の面上に位置する。図5に示すように、1つの実施形態では、光が色フィルター層40に達する前に障壁60の透過領域62を通過するように、障壁60は表示パネル20の後面22の近くに設けられている。別の実施形態では、光が障壁60の透過領域62を通過する前に色フィルター層40を通過するように、障壁60は表示パネル20の前面21の近くに設けられてもよい。更に別の実施形態では、表示パネル20の前面21と後面22の両方に障壁60を設けてもよい。障壁60の透過領域62は可視光が通過するのを許し、開口又は透明膜として実現されてよい。不透明領域64は可視光を阻止又は反射する不透明膜として実現されてよい。1つの実施形態では、不透明領域64は光源(LCD表示装置の場合はバックライトシステム80)に面した又は対向する面上に光を反射する任意の既知の光反射材料を備えることで形成されてもよい。図に示すように、更に障壁60はガラス等の透明な材料でできた障壁基板70上に支持されてもよい。2ビュー/3D表示装置では、障壁60は、通過する光を方向付けし、表示パネル、特にその色フィルター層40と協働して各画像を異なる方向に向けるよう所望の焦点距離に対応して設計されてよい。障壁60のタイプは色フィルター層及びサブピクセルと一緒に後で更に説明される。
【0020】
表示パネルへの複数のサブピクセルピッチの導入は、1つの実施形態では、各サブピクセルのサブピクセルピッチが隣のサブピクセル、より具体的には、すぐ隣のサブピクセルと異なるようにサブピクセルの幅又はサイズを変更することで実現できる。言換えると、表示パネル上のマトリックスの横行又は縦列上の互いに隣り合う2つのサブピクセルは、互いに異なるサブピクセルピッチ又は幅を有してもよい。従って、1つの実施形態では、表示パネルのサブピクセルは少なくとも2つのサブピクセルセットに分類され、第1方向(例えば自動車の運転者側/方向)に第1画像を表示する第1のサブピクセルセットの各サブピクセルは第1サブピクセルピッチP1を有し、第1方向と異なる第2方向(例えば自動車の同乗者側)に第2画像を表示する第2のサブピクセルセットの各サブピクセルは、P1と異なる第2サブピクセルピッチP2を有する。言換えると、2ビュー/3D表示装置の場合、各サブピクセルは、第1方向の第1画像の主左ビューウィンドウPLか、又は第2方向の第2画像の主右ビューウィンドウPRのどちらかに割当てることができる。PL又は第1画像のサブピクセルのサブピクセルピッチは、PR又は第2画像のサブピクセルのサブピクセルピッチとは異なる。しかし、表示装置又はサブピクセルの構成に応じて、サブピクセル群は様々な方向に異なる画像を表示する3つ以上のサブピクセルセットに分類されてもよいことは理解されるであろう。本発明の複数のサブピクセルピッチの導入は多ビュー表示装置にも適用できる。
【0021】
図6は本発明の実施形態の簡単化された概略側面図を示す。色フィルター層40はマトリックス状の複数のサブピクセル46を含み、各サブピクセルは対応するビューウィンドウ、例えば2ビュー/3D表示装置の上記PL又はPRに割当てられている。幅Wの透過領域62を有する障壁60は色フィルター層40から距離Dにある。定義として、角度Lp_minとRp_minは、それぞれ前記ビューウィンドウPLとPRの最小視角を表わし、角度Lp_maxとRp_maxは、それぞれPLとPRの最大視角を表わす。従って、本発明の2ビュー/3D表示装置の2つのビューウィンドウの角度拡がりは、通常それぞれθL、θR、又は|Lp_max−Lp_min|(主左ビューウィンドウPLの場合)、|Rp_max−Rp_min|(主右ビューウィンドウPRの場合)で表わされる。本発明の重要な特徴の1つは、色フィルターの隣り合うサブピクセルに対して異なるピッチP1、P2を選択し、表示パネル全体に亘ってP1とP2の和を一定に(P1+P2=一定値)、又はP1とP2の和をサブピクセルピッチP1を有する第1サブピクセルの中点と隣のサブピクセルピッチP2を有する第2サブピクセルの中点との距離の2倍に等しく維持することである。また、P1とP2の値を、要求される視角又は非対称性の度合いに依って選択してもよい。
【0022】
本実施形態では、各サブピクセル46は上記P1又はP2等のサブピクセルピッチを有し、距離Bだけ互いに離間している。図に示すように、1つの実施形態では、主左ビューウィンドウ又は領域PLに割当てられたサブピクセルG‐2のサブピクセルピッチP1は、主右ビューウィンドウPRに割当てられた隣のサブピクセルB‐1の幅又はサブピクセルピッチP2より小さい。図に示すように、ビューウィンドウの外側視角Lp_max、Rp_maxは対称に維持され、一方、内側視角Lp_min、Rp_minは、大きさ及び/又は符号がほぼ同じであるが、同じ方向にシフトされている。従って、P1<P2である時、θL<θRであり、サブピクセルピッチ間の差(例えば|P1−P2|)が大きいと、対応する画像又はビューウィンドウの角度拡がり間の差(例えば||Rp_max−Rp_min|−|Lp_max−Lp_min||又は|θL−θR|)も大きい。
【0023】
図2に示す対称整列表示装置と図6に示す非対称整列表示装置の例示の実施形態との比較は、本発明の複数のサブピクセルピッチの導入によって生じた差を反映する。1つの実施形態では、サブピクセルG‐2のサブピクセルピッチP1を隣のサブピクセルB‐1のサブピクセルピッチP2より小さくすることで、ピッチP1とP2に関連するPLとPRの非対称視角を達成できる。
【0024】
障壁シフトによって実現された非対称整列表示装置と比較しながら、本発明の上記外側視角について更に詳細に説明する。少なくとも1つの第1視角と少なくとも1つの第2視角が、異なるサブピクセルピッチP1、P2に関連する外側視角Lp_max、Rp_maxを含む実施形態では、対称整列表示装置の場合と同様にビューウィンドウPL、PRの外側視角Lp_max、Rp_maxを対称に維持できる。B、W、D等の設計パラメータが維持される仮定に基づいて図3の障壁シフトの例と比較すると、図3の角度La_max、Ra_maxもシフトされ傾斜させられ非対称になっている。言換えると、障壁シフトによってLa_maxはRa_maxより大きいので、ビューウィンドウPL、PRの外側境界に好ましくない影響を与える。障壁シフトによって実現される前記例と違って、図6に示す外側視角Lp_max、Rp_maxは大きさがほぼ同じに維持でき、法線0に関して符号が異なり(例えば、左と右)、PLとPRの外側境界は対称のままであり、影響されない。
【0025】
本発明の実施形態では、異なるサブピクセルピッチのサブピクセルが交互に表示パネルの端から端まで配列されている。図5、図6に示すように、単一のパネルに少なくとも2つのサブピクセルピッチが存在する実施形態では、第1サブピクセルピッチP1に対応する第1サブピクセルセットと第2サブピクセルピッチP2に対応する第2サブピクセルセットが表示パネルを横切る1つの行に交互に配列されてよい。例として、図に示すように1つの行において、サブピクセルR‐1のサブピクセルピッチはP1、G‐2のサブピクセルピッチはP2、B‐1のサブピクセルピッチはP1、などである。また、マトリックスの各行は、異なるサブピクセルピッチを持ったサブピクセルの異なる配列を有し、単色サブピクセル群の配列及びサブピクセルピッチが全て横行又は縦列上で異なってもよい。
【0026】
本発明の別の実施形態では、同じサブピクセルピッチを持ったサブピクセルが、マトリックスを横切る各列を形成するよう整列されていてもよい。例えば、異なるサブピクセルピッチの列が交互に表示パネルを横切って配列されてもよい。図5、図6に示すように、単一のパネルに少なくとも2つの異なるサブピクセルピッチが存在する実施形態では、表示パネルは、表示パネルの縦方向にサブピクセルピッチP1の第1サブピクセルセットのサブピクセルの列と、サブピクセルピッチP2の第2サブピクセルセットのサブピクセルの列とを備え、第1サブピクセルセットと第2サブピクセルセットとの交互の列を形成してもよい。
【0027】
上記実施形態のいずれにおいても、各サブピクセルはRGB単色体のいずれかであってよい。1つの実施形態では、非対称表示パネル上の横行上に異なるサブピクセルピッチ(例えばP1とP2)の少なくとも2つのセットのサブピクセルが交互に配列されているので(例えば、R‐1、G‐2、B‐1、R‐2、G‐1、B‐2)、同じサブピクセルピッチを持ったサブピクセルを、主左ビューウィンドウPLか又は主右ビューウィンドウPRに割当てることができる。従って、交互のサブピクセルのセット(例えば、R‐1、G‐1、B‐1、又はR‐2、G‐2、B‐2)は、ビューウィンドウPL又はPRに表示される画像のいずれかのピクセルを構成してよい。
【0028】
本発明の非対称整列表示装置の障壁、例えば図5の障壁60は、異なる方向に画像が表示できるよう異なる構造体で実現されてもよい。前述したように、障壁は表示パネルの前面、後面、又は前面と後面の両方に配置されてよい。また、図7は、真直ぐな障壁600が表示パネルの1つの面(例えば前面)上に設けられた本発明の実施形態の概略前面図である。色フィルター層の一部として示されたサブピクセル460、R‐1、G‐2、B‐1、R‐2、G‐1、B‐2は、それぞれ異なるサブピクセルピッチP1又はP2を有している。図の実施形態において、第1サブピクセルピッチP1又は第2サブピクセルピッチP2とサブピクセルとの関連は、記号‐1又は‐2によって示されている。また、P1とP2はそれぞれ主左ビューウィンドウPLと主右ビューウィンドウPRに対応する。図7に示すように、P1はP2よりサイズ又は幅が大きい。P1のサブピクセルとP2のサブピクセルは表示パネルを横切る列状に交互に整列されているので、真直ぐな障壁600は、異なるサブピクセルピッチP1、P2を有するサブピクセル460の配列に一致して交互に並んだ縦方向の透過領域620と不透明領域640を有する。障壁600、特に透過領域620を通して、P1のサブピクセル(例えばR‐1、B‐1、G‐1)は、主左ビューウィンドウPLに表示される画像を構成するピクセルのいずれか1つを形成する。同様に、P2のサブピクセル(例えばG‐2、R‐2、B‐2)は、主右ビューウィンドウPRに表示される別の画像を構成するピクセルのいずれか1つを形成する。ビューウィンドウPL、PRのサブピクセルピッチP1、P2は幅又はサイズが異なるので、PLとPRの角度拡がりが互いに異なるように本表示装置の非対称視角を実現できる。
【0029】
図8は、階段状障壁600’が複数のサブピクセル460’を備える表示パネルの1つの面(例えば前面)上に配置された本発明の障壁の別の実施形態を示す。この実施形態では、図示のように、異なるサブピクセルピッチ、例えばP1、P2のサブピクセル460’が横方向の行及び縦方向の列上に交互に配列されている。行及び列内で交互する透過領域620’と不透明領域640’を有する階段状障壁600’を異なる方向のビューウィンドウPL、PRに画像を表示するために適用できる。行及び列上のサブピクセルR‐1、B‐1、G‐1によって生成される画像は、ビューウィンドウPLに表示され、ビューウィンドウPRは、サブピクセルマトリックスの行及び列のサブピクセルG‐2、R‐2、B‐2の組合せによって生成される別の画像を表示する。上述のように、ビューウィンドウPL、PRのサブピクセルピッチP1、P2は幅又はサイズが異なるので、PLとPRの角度拡がりが互いに異なるように表示装置の非対称視角を実現できる。
【0030】
本発明は様々な種類の表示装置に適用できる。本発明の1つの実施形態によれば、本表示パネルは液晶層を備える液晶表示パネル(LCD)であってよい。別の実施形態では、本表示パネルは有機化合物からなるエレクトロルミネセント層を備える有機発光表示パネル(OLED)であってよい。液晶表示装置の場合、光源の1つとしてのバックライトシステムは表示パネルの後面に設けられてもよい。表示パネルの構造に関しては、表示装置のデータ線はサブピクセルの上記間隔又はパラメータB(図5、図6)内に設けることができる。パラメータBは色フィルター層の黒マトリックスの幅を示す。
【0031】
上記詳細な実施形態を参照して本発明を開示したが、これらの実施形態は例示のためのものであり、本発明の限定として扱われるべきでないことは理解されるべきである。例えば、本発明は2ビュー/3D表示装置に適用できるが、用語「2ビュー/3D表示装置」は、一般的にいって関連がないか又は関連する内容の2つ以上の画像を生成可能な任意の表示装置を含み、本発明の複数のサブピクセルピッチの導入は多ビュー表示装置にも適用できる。また、明細書及び請求項の言葉「1つの」は、「少なくとも1つの」と同じ意味を持つ。本発明の思想と請求項の範囲に入る変更及び組合せを当業者は容易に想到するであろうことは考慮されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】対称視角を有する従来の2ビューLCD表示装置の概略断面図である。
【図2】図1の従来の2ビュー/3D表示装置の簡単化された概略側面図である。
【図3】障壁シフトによって実現された非対称整列2ビュー表示装置の簡単化された概略側面図である。
【図4】自動車の表示装置として使用された本発明の非対称整列表示装置の概略上面図である。
【図5】非対称視角を有する本発明の2ビュー/3D表示装置の実施形態の概略側面図である。
【図6】図4の本発明の2ビュー/3D表示装置の簡単化された概略側面図である。
【図7】非対称視角を有する本発明の2ビュー/3D表示装置の真直ぐな障壁の実施形態の概略前面図である。
【図8】非対称視角を有する本発明の2ビュー/3D表示装置の階段状障壁の実施形態の概略前面図である。
【符号の説明】
【0033】
10 2ビュー/3D表示装置
20 表示パネル
30 色フィルター基板
40 色フィルター層
42 ピクセル
46、R‐1、G‐1、B‐1、R‐2、G‐2、B‐2 サブピクセル
50 薄膜トランジスタアレイ液晶基板
60 障壁
62 透過領域
64 不透明領域
70 障壁基板
80 バックライトシステム
90 偏光子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非対称の視角群を有する表示装置であって、
色フィルター層とマトリックス状の複数のサブピクセルとを含む表示パネルを備え、
該複数のサブピクセルの各サブピクセルは、すぐ隣のサブピクセルとサブピクセルピッチが異なり、該表示パネル上に複数のサブピクセルピッチを形成して、非対称の視角群を実現する表示装置。
【請求項2】
交互に配置された透過領域と不透明領域を有し、前記色フィルター層から離れた前記表示パネルの1つの面上に位置する障壁を更に備える請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数のサブピクセルは少なくとも2つのサブピクセルセットに分けられ、第1画像を第1方向に表示する第1サブピクセルセットの各サブピクセルは、第1サブピクセルピッチP1を有し、第2画像を該第1方向と異なる第2方向に表示する第2サブピクセルセットの各サブピクセルは、P1と異なる第2サブピクセルピッチP2を有する請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記P1とP2の和は前記サブピクセルピッチP1を有する第1サブピクセルの中点と、隣の前記サブピクセルピッチP2を有する第2サブピクセルの中点との距離の2倍に等しい請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
該表示装置の非対称の視角群は前記第1サブピクセルピッチP1に対応する第1視角と、前記第2サブピクセルピッチP2に対応する第2視角とを含み、該第1視角に関連する角度拡がりθLは、該第2視角に関連する角度拡がりθRと異なる請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1視角は前記第1サブピクセルピッチP1に対応する外側視角を含み、前記第2視角は前記第2サブピクセルピッチP2に対応する外側視角を含み、該第1サブピクセルピッチP1に対応する該外側視角は、該第2サブピクセルピッチP2に対応する該外側視角と大きさがほぼ等しい請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1視角は前記第1サブピクセルピッチP1に対応する内側視角を含み、前記第2視角は前記第2サブピクセルピッチP2に対応する内側視角を含み、該第1サブピクセルピッチP1に対応する該内側視角は、該第2サブピクセルピッチP2に対応する該内側視角と大きさ及び符号の両方がほぼ等しい請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1方向の前記第1画像の前記角度拡がりθLと、前記第2方向の前記第2画像の前記角度拡がりθRとの差は、前記第1サブピクセルピッチP1と前記第2サブピクセルピッチP2との差と相関する請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1サブピクセルピッチP1を有する前記第1サブピクセルセットのサブピクセルと、前記第2サブピクセルピッチP2を有する前記第2サブピクセルセットのサブピクセルは、前記表示パネルを横切る1つの行に交互に配列されている請求項3に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルは、端から端まで交互に配列された前記第1サブピクセルピッチP1の前記第1サブピクセルセットのサブピクセルの列と、前記第2サブピクセルピッチP2の前記第2サブピクセルセットのサブピクセルの列とを備える請求項3に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−104129(P2009−104129A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−261551(P2008−261551)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(503141075)統寶光電股▲ふん▼有限公司 (155)
【Fターム(参考)】