2位置3方弁
バルブマニホールドは、第1出口ポートと、第2出口ポートと、第1部材及び第1部材に対して第1位置と第2位置との間で移動可能な第2部材を有する第1バルブとを含む。第1部材は、第2部材がその第1位置に配置されたとき、第1出口ポートに流体接続する第1オリフィス、及び、前記第2部材がその第2位置に配置されたとき、第2出口ポートに流体接続される第2オリフィスを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月2日に提出された米国特許出願第12/476996号及び2009年6月2日に提出された国際特許出願第PCT/US09/45984号について優先権を主張し、その全てを援用するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧システムは、時間と共に変化する異なる流量及び圧力要求をそれぞれが有する複数の油圧負荷を含むことができる。この油圧システムは、油圧負荷に加圧流体の流れを供給するためのポンプを含むことができる。固定容量型ポンプは、可変容量型ポンプよりも小型、軽量かつ安価であることが多い。一般的に、固定容量型ポンプは、ポンプ動作の各サイクルの間、一定の体積の流体を供給する。この固定容量型ポンプの出力体積は、ポンプの速度を調整することによって制御することができる。固定容量型ポンプの出口を閉じる又は絞ることにより、対応するシステム圧力が増大することになる。油圧システムの過度の加圧を防止するため、固定容量型ポンプは、ポンプ出力が複数の油圧負荷の流量要求を超える時間中、システム内の圧力レベルを制御するために、一般的に圧力レギュレータまたはアンロードバルブを利用する。油圧システムは、更に、加圧流体の複数の油圧負荷への分配を制御するための様々なバルブを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1A】図1Aは、メイン−ステージマニホールド及びパイロットバルブマニホールドを含む一実施形態のバルブマニホールド側面の縦断面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのメイン−ステージマニホールドの一部を拡大して示す図である。
【図1C】図1Cは、図1Aのメイン−ステージマニホールドの一部を拡大して示す図である。
【図2A】図2Aは、互いに平行配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを示す図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの並列バルブ配置を概略的に示す図である。
【図3A】図3Aは、ラジアル配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを示す図である。
【図3B】図3Aのラジアルバルブ配置を概略的に示す図である。
【図4】図1Aの直線状バルブ配置を概略的に示す図である。
【図5】分割直線状配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを概略的に示す図である。
【図6A】環状に配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを示す図である。
【図6B】図6Aの環状バルブ配置を概略的に示す図である。
【図7A】2×2同軸配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを示す図である。
【図7B】図7Aの同軸バルブ配置を概略的に示す図である。
【図8】図8は、メイン−ステージバルブの縦方向の側部に沿って外部に配置されたパイロットバルブを有するバルブアセンブリを概略的に示す図である。
【図9】メイン−ステージバルブの端部に隣接して外部に配置されたパイロットバルブを有するバルブアセンブリを概略的に示す図である。
【図10】メイン−ステージバルブ内部に配置されたパイロットバルブを有するバルブアセンブリを概略的に示す図である。
【図11】それぞれがパイロットバルブを使用して開弁し、戻しバネを使用して閉弁する複数のメイン−ステージバルブを含む一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図12】それぞれがパイロットバルブを使用して開弁し、共有の戻し圧力バルブを使用して閉弁する複数のメイン−ステージバルブを含む一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図13】それぞれが1つのパイロットバルブを使用して開弁し、1つのパイロットバルブを使用して閉弁する複数のメイン−ステージバルブを含む一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図14】複数のパイロットバルブを使用して開閉する複数のメイン−ステージバルブを含む一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図15】図14の一実施形態の油圧システムと共に使用されて、メイン−ステージバルブの作動を制御するための様々なオプションを識別する論理テーブルを示す図である。
【図16】付勢部材を使用してメイン−ステージスプールを閉位置に予荷重する図14の一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図17】図16の一実施形態の油圧システムと共に使用されて、メイン−ステージバルブの作動を制御するための様々なオプションを識別する論理テーブルを示す図である。
【図18a−18b】図16の一実施形態の油圧システムと共に使用されて、メイン−ステージバルブの作動を制御するための様々な追加のオプションを識別する論理テーブルを示す図である。
【図19A】上流側の圧力に応答してメイン−ステージバルブを開くように構成された一体化された圧力補助機構を使用する一実施形態のメイン−ステージバルブの縦断面図である。
【図19B】閉位置に配置された図19Aのメイン−ステージバルブの一部を拡大して示す図である。
【図19C】開位置に配置された図19Bに示されるメイン−ステージバルブの部分を示す図である。
【図20A】上流側の圧力に応答してメイン−ステージバルブを閉じるように構成された一体化された圧力補助機構を使用する一実施形態のメイン−ステージバルブの縦断面図である。
【図20B】閉位置に配置された図20Aのメイン−ステージバルブの一部を拡大して示す図である。
【図20C】開位置に配置された図20Bに示されるメイン−ステージバルブの部分を示す図である。
【図21A】下流側の圧力に応答してメイン−ステージバルブを開くように構成された一体化された圧力補助機構を使用する一実施形態のメイン−ステージバルブの縦断面図である。
【図21B】閉位置に配置された図21Aのメイン−ステージバルブの一部を拡大して示す図である。
【図21C】開位置に配置された図21Bに示されるメイン−ステージバルブの部分を示す図である。
【図22A】下流側の圧力に応答してメイン−ステージバルブを閉じるように構成された一体化された圧力補助機構を使用する一実施形態のメイン−ステージバルブの縦断面図である。
【図22B】閉位置に配置された図22Aのメイン−ステージバルブの一部を拡大して示す図である。
【図22C】開位置に配置された図22Bに示されるメイン−ステージバルブの部分を示す図である。
【図23】メイン−ステージバルブのスプールが閉位置と開位置との間で移動されるときに生じる衝撃力を減少させるためにメイン−ステージバルブと共に使用されるダンピングシステムの部分断面図である。
【図24】図23に示すダンピングシステムを拡大して示す部分断面図である。
【図25A】メイン−ステージバルブのスプールが閉位置に移動されるときに生じる衝撃力を減少させるためにメイン−ステージバルブと共に使用されるダンピングシステムの部分断面図である。
【図25B】図25Aに見られるダンピングリング及びスプールの分解図である。
【図26】油圧ポンプアセンブリと一体化された図1A及び図4の直線状バルブ配置の部分断面図である。
【図27】油圧ポンプアセンブリと一体化された図5の直線状バルブ配置の部分断面図である。
【図28A】スプールが第1位置に配置された共通のスプール及びスリーブを共有する複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図28B】スプールが第2位置に配置された図28Aの一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図29A】スプールの外側端部表面に隣接して配置されたスプール作動表面を使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図29B】スプールの内側端部表面に隣接して配置されたスプール作動表面を使用する図29Aに示される一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図30】リング状のバルブアクチュエータを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図31A】ピン状のバルブアクチュエータを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図31B】図31Aに示されるメイン−ステージマニホールドの端面の部分断面である。
【図32】圧縮性流体の体積を最小化してシステム作動効率を改善するための一体化された油圧流体分配モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
以下の詳細な説明及び図面を参照して、開示されたシステムの実施形態が詳細に示されている。図は、いくつかの可能な実施形態を表すが、これらの図は、必ずしも正確な縮尺ではなく、開示された装置のよりよい図示及び説明のために、特定の特徴が誇張され、取除かれ、あるいは、一部が破断されている。更に、ここに示した説明は、完全なもの、あるいは、特許請求の範囲を図及び以下の詳細な説明に開示されたそのままの形状及び形態に限定、すなわち、制限することを意図していない。
【0005】
図1Aは、可変流量及び可変圧力要求を有する複数の油圧負荷への加圧流体の分配を制御するための一実施形態の油圧マニホールド20を示している。説明のため、マニホールド20は、それぞれがメイン−ステージバルブ30、32、34及び36として特定される4つの分離したバルブを含むように示されている。マニホールド20は、4つのバルブ30、32、34及び36を含むように示されているが、特定の適用例の要求に応じて、より少ない又はより多くのバルブを含んでもよい。各メイン−ステージバルブは、1つ又はそれ以上の油圧負荷に流体接続することができる。一例として、これらの油圧負荷は、これに限定されないが、油圧シリンダ及び油圧モータ等の様々な油圧作動装置を含むことができる。メイン−ステージバルブは、それぞれの油圧負荷への流体の圧力及び流量を選択的に調整することにより、油圧負荷の作動を制御する。
【0006】
これらのバルブ30、32、34及び36は、メイン−ステージマニホールドを形成するための様々な配置で相互接続できるように適当に構成することができる。図1Aに示されるメイン−ステージマニホールドの配置では、メイン−ステージバルブは、一直線状に一体に並べられている。「一直線」という用語は、個々のバルブスプールが概して端部と端部とを接して直線状に配置されていることを意味する。また、これらのメイン−ステージバルブは、以下に説明する実施形態のように他の様々な形態で配置することもできる。
【0007】
この一実施形態のメイン−ステージマニホールドは、マニホールド20に流入した高圧流体が通る入口ポート42を含む。4つのメイン−ステージバルブの数である4つの出口ポート44、46、48及び50を対応する油圧負荷に流体接続することができる。入口ポート42は、固定容量型ポンプ(図示せず)等の加圧流体源に流体接続することができる。これらに限定しないが、ギヤポンプ、ベーンポンプ、アキシャルピストンポンプ及びラジアルピストンポンプを含む様々なポンプ形式を利用することができる。しかしながら、加圧流体の流れを発生可能な他の装置も利用可能であることが分かる。流体源から受入れた加圧流体は、入口ポート42を通してメイン−マニホールド20に入り、1つ以上の出口ポート44,46、48及び50を通ってメイン−ステージマニホールドを出る。これらのバルブ30、32、34及び36は、入口ポート42から、それぞれの出口ポート44,46、48及び50への加圧流体の流れを選択的に制御する。
【0008】
各バルブ30、32、34及び36は、油圧作動のスプールバルブ40を含む。各バルブ30、32、34及び36は、バルブボディ38及びバルブボディ38内に配置されたスプールバルブ40を含む。各スプールバルブ40は、スリーブ64として示されてバルブボディ38に対して固定された略円筒状の中空スリーブ、及び、スプール66として示されてスリーブ64の外周に摺動可能に配置された略円筒状のスプールを含む。スプール66は、スリーブ64の長さの一部にわたって進退動可能である。「スプール」及び「スリーブ」という用語は、一般的にスプールバルブの部品を説明するために使用されるが、これらの用語は、一貫して同じ部品を示すために常に使用されるわけではない。したがって、この実施形態をとおして、「スリーブ」という用語は、固定した部品を示し、「スプール」という用語は、固定した部品に対して移動可能な部品を示すものとする。このため、本説明のスプールバルブ40については、内側の部材がバルブボディ38に対して固定されるので、これを「スリーブ」として示すことにし、これに対して、スリーブに対して移動可能に配置された外側の部材を「スプール」として示すものとする。一方、外側部材がバルブボディに対して固定されて、内側部材が外側部材に対して移動可能であれば、内側部材が「スプール」として示され、外側部材が「スリーブ」として示される。
【0009】
スリーブ64及びスプール66のそれぞれは、各部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含み、スプール66は、一連のオリフィス80を含み、スリーブ64は、一連のオリフィス82を含む。オリフィス80及び82は、図1Cに示されるように、ほぼ共通のパターンで配置されて、スプール66がスリーブ64に対して開位置に配置されたとき、スプール66のオリフィス80がスリーブ64のオリフィス82にほぼ整合するようになっている。バルブ30、32、34及び36は、スプール66のオリフィス80がスリーブ64のオリフィス82に整合するように、スプール66をスリーブ64に対して軸方向に摺動させることにより、開位置(例えば、図1Cに示されるバルブ36)に配置することができる。このような配置は、加圧流体をスプールバルブ40を通してバルブ30、32、34及び36のそれぞれの出口ポート44,46、48及び50に流通できるようにする。スプール66は、スプール66及びスリーブ64のオリフィスを意図的にずらしてバルブを通る流体の流れを阻止するようにスプール66をスリーブ64に対して軸方向に摺動することにより、閉位置(例えば、図1Aに示されるバルブ36)に戻すことができる。4つの各バルブ30、32、34及び36のスプール66は、図1Aでは、閉位置に図示されている。
【0010】
バルブ30、32、34及び36は、例えばソレノイド作動のパイロットバルブ62によって油圧作動することができる。パイロットバルブ62は、圧力源に流体接続される入口ポート92を含んでいる。図1Bを参照して、パイロットバルブ62の出口ポート96は、スプール66の段付領域100及びバルブボディ38の壁部102によって少なくとも一部が形成された流体室98に流体接続している。各スプール66の段付領域100は、概して垂直に向いた表面108を含む。流体室98を加圧することにより、スプール66の表面108に対して概して軸方向の力を作用させ、この力は、スプール66をスリーブ64に対して軸方向に開位置へ移動しようとする。
【0011】
図1Aに戻って、スプールバルブは、それぞれ付勢部材106を使用し、この付勢部材106は、コイルバネ及び板バネ等の様々な形態を含むことができ、スプール66を開位置から閉位置へ移動させる。また、スプールバルブは、スプール66を閉位置から開位置へ移動させる付勢部材を有するように構成してもよい。付勢部材106は、スプール66に対して付勢力を作用させ、この付勢力は、スプール66の反対側の端部の流体室98を加圧することにより生じる付勢力とはほぼ反対方向になる。バルブ30、32、34及び36は、流体室98を充分に加圧して付勢部材106によって生じる付勢力に打勝つことにより、開位置に移動させることができる。そうすることにより、図1Cに示されるように、スプール66をスリーブ64に対して軸方向に摺動させて、スプール66のオリフィス80をスリーブ64のオリフィス82に流体接続する。スプール66のスリーブ64に対する位置決めは、スプール66のオリフィス80がスリーブ64のオリフィス82に流体接続されるとき、スプール66の第1端部112に係合するストップ部110、又は、スプール66の他の適当な部分によって制御することができる。また、スリーブ64のスプール66に対する位置決めを制御するために、他の機構を使用してもよい。
【0012】
スプール66は、パイロットバルブ62を流体室98の加圧を解除するように調整することにより、閉位置に移動することができる。これにより、付勢部材106によって作用される付勢力がスプール66を軸方向に閉位置に摺動できるようにする。スプール66が閉位置に移動されたとき、スプール66のオリフィス80は、スリーブ64のオリフィス82から意図的に軸方向にずらされる。スプール66の閉位置の位置決めは、スプール66の端部113又はスプール66の他の適当な部分をストップ部110と反対側に配置された第2ストップ部114に係合させることにより、制御することができる。
【0013】
バルブ30、32、34及び36は、内側又は外側部材のいずれかがスプール66として作動するように構成することもできる。図1Aに示された一実施形態のメイン−ステージバルブでは、内側部材がスリーブ64として機能し、外側部材がスプール66として(すなわち、スリーブに対して移動可能に)機能する。一方、他の実施形態として、内側部材をスプール66として機能するように構成し、外側部材をスリーブ64としてもよい。更に、また、バルブ30、32、34及び36は、内側及び外側部材の両方が同時に互いに反対方向にバルブボディ38に対して移動するように構成してもよい。後者の構成は、バルブ作動速度をより速くするが、システムがより複雑になる。
【0014】
開位置のとき、加圧流体の流れが本実施形態のバルブ30、32、34及び36を径方向外向きの流れとなるように説明したが、メイン−ステージマニホールドは、流れが径方向内向きになるように構成してもよいものとする。この場合、図1Aにおいて、それぞれ出口ポート44、46、48及び50として示される複数の通路は、1つの入口ポートとして作動し、入口ポート42として示される通路は、出口ポートとして作動する。バルブ30、32、34及び36を通る加圧流体の方向は、バルブが作動するとき、内側又は外側バルブ部材がスプールとして作動するか、あるいは、両方の部材が互いに移動可能であるかどうかに依存しない。
【0015】
バルブ30、32、34及び36並びにパイロットバルブ62は、分離した圧力源を有してもよく、また、共通の圧力源を有してもよい。図1Aに示される本実施形態のマニホールド構造では、バルブ30、32、34及び36並びにパイロットバルブ62は、共通の圧力源を共有するように示されている。バルブ30、32、34及び36並びにパイロットバルブ62の両方に供給する加圧流体は、入口ポート42を通してメイン−ステージマニホールドに流入する。この入口ポート42は、第1バルブ30のスリーブ64に流体接続されている。
【0016】
バルブ30、32、34及び36のスリーブ64は、直列に接続されて細長いプレナム120を形成する。この直列の端部のバルブ36のスリーブ64の下流側端部には、パイロットマニホールド122が流体接続されている。パイロットマニホールド122は、メイン−ステージ流体供給源から流出してパイロットバルブ62に分配する加圧流体の一部が通るパイロット供給通路124を含む。各パイロットバルブ62の入口ポート92は、パイロット供給通路124に流体接続される。少なくとも1つのパイロットバルブ62が作動するとき、パイロット供給通路124内にある流体の一部が、パイロットバルブ62を通ってスプール66に隣接する流体室98に流れ、これにより、バルブ30、32、34及び36の少なくとも1つが開位置に作動する。
【0017】
引続き図1Aを参照して、パイロットマニホールド122は、逆止弁130を含む。逆止弁130は、パイロットマニホールド122に分配される加圧流体の流れを制御し、また、流体がパイロットマニホールド122からプレナム120に逆流するのを防止する。逆止弁130は、様々なあらゆる構造とすることができる。そのような構造の一例が図1Aに示され、ここでは、パイロットマニホールド122への及びパイロットマニホールド122からの流体の流れを制御するためにボールチェックバルブが利用されている。逆止弁130は、パイロットマニホールド122の入口通路134に選択的に係合するボール132を含む。バネ136がボール132を付勢してパイロットマニホールド122の入口通路134に係合させる。逆止弁130を横切る圧力降下がバネ136によって作用する付勢力を超えたとき、ボール132は、パイロットマニホールド122の入口通路134から離脱して、加圧流体のプレナム120からパイロットマニホールド122への流れを許容する。油圧マニホールド20からパイロットマニホールド122に流れる流体の流速は、逆止弁130を横切る圧力降下に依存する。圧力降下が大きいと、流速が速くなる。逆止弁130を横切る圧力降下がバネ136の付勢力よりも小さいとき、すなわち、パイロットマニホールド122内の圧力がプレナム120内の圧力を超えた場合、チェックバルブボール132は、パイロットマニホールド122の入口通路134に係合して、逆止弁130を通る両方向の流れを阻止する。バネ136のバネレートは、逆止弁130を横切る圧力降下が所望の圧力降下に達するまで、逆止弁130が開弁しないように選択される。
【0018】
また、パイロットマニホールド122は、油圧流体から異物を取除くためにフィルタ140を使用してもよい。フィルタ140は、パイロットバルブ62をマニホールド20に接続するパイロット供給通路124に配置することができる。バンドフィルタ及びカートリッジフィルタ、その他のフィルタを含む広範なフィルタ140を使用することができるが、これらに限定されない。バンドフィルタは、コスト効果に優れ、一般的に、カートリッジフィルタよりも小さい包装材料で潜在的により高い圧力降下を許容することができる。一方、カートリッジフィルタは、目詰まりしたとき、交換することができ、また、一般的にバンドフィルタよりも大きなフィルタ表面積を有するが、より大きな包装材料を必要とする。
【0019】
また、パイロットマニホールド122は、バルブ30、32、34及び36を作動させるために使用される加圧流体を貯留するためのアキュムレータ142を含む。アキュムレータ142は、あらゆる様々な構造とすることができる。例えば、図1Aに示される一実施形態では、加圧流体を受入れて貯留するための流体リザーバ144を含む。リザーバ144は、パイロットマニホールド122に流体接続される。アキュムレータ142は、リザーバ144内には位置された移動可能なピストン146を含む。リザーバ144内のピストン146の位置によってリザーバ144の容積の選択的な変化を調整することができる。コイルバネ等の付勢機構148がピストン146をリザーバ144の容積を最小化する方向に付勢する。付勢手段148は、パイロットマニホールド122内にある加圧流体によって作用する圧力に対抗する付勢力を作用させる。この2つの対抗する力が、不均衡になったとき、ピストン146は、リザーバ144の容積を増大する、又は、縮小する、いずれかの方向に変位し、これにより、これらの対抗する2つの力の間のバランスを修復する。少なくともいくつかの状況では、リザーバ144内の圧力レベルは、パイロットマニホールド122内の圧力に対応する。リザーバ144内の圧力による力が付勢機構148によって生じる対抗力を超えた場合、ピストン146は、付勢機構148に向って変位し、これにより、リザーバ144の容積が増大して、アキュムレータ142に貯留できる流体の量が増大する。リザーバ144が流体の充填を続けて、付勢機構148によって発生する対抗力が、その付勢力とリザーバ144内から作用する対抗する圧力による力とがほぼ等しくなる点まで増大する。この2つの対抗力が釣合ったとき、リザーバ144の容積がほぼ一定に維持される。一方、1つ又はそれ以上のパイロットバルブ62の作動により、一般的に、パイロットマニホールド122内の圧力レベルがリザーバ144内の圧力レベルよりも低下する。このことが、ピストン146を横切る圧力による力が、その後、不均衡になるということと組み合されて、リザーバ144に貯留された流体がパイロットマニホールド122に放出されて、バルブ30、32、34及び36を作動するために使用される。
【0020】
バルブ30、32、34及び36は、マニホールド20内に様々な態様で配置することができる。様々なバルブ配置の例が以下に説明されており、図2A及び2Bに示されるような平行配置;図3A及び3Bに示されるようなラジアル配置;図1A及び4に示されるような直線状配置;図5に示されるような分割直線状配置;図6A及び6Bに示されるような環状配置;及び図7A及び7Bに示されるようなツーバイツー(2×2)同軸配置を含むが、これらに限定されない。様々なバルブ配置を記載した図は、それぞれ、メイン−ステージバルブの構造を記載するマニホールド20の断面図、並びに、流体通路がメイン−ステージマニホールド及び個々のメイン−ステージバルブ(図5に示される分割直線状配置を除く)を通る態様を示すマニホールド20の1つ又はそれ以上の概略図を含む。これらは、単に可能なバルブ配置のほんの一部に過ぎず、実際には、特定の用途の要求に応じて他の配置を使用することもできる。本実施形態のバルブ配置は、いかなる限定をも意図せず、他の配置を利用してもよい。
【0021】
図2Aを参照して、マニホールド220は、2つ又はそれ以上の平行配置のバルブ230を含み、バルブ230の縦軸A−Aは、互いに略平行に整列されている。各バルブ230のスプール266及びスリーブ264は、スプール266(可動部材)が外側部材で、スリーブ264(固定部材)が内側部材となるように配置されている。また、バルブ230は、外側部材がスリーブ264として作動し、内側部材がスプール266として作動するように構成されている。各バルブ230のスプール266の移動経路は、バルブの縦軸にほぼ一致し、互いにほぼ平行に整列されている。これらのスプール266の移動経路は、ほぼ同一平面内に配置されている。バルブ230は、マニホールド通路222の同じ側に配置されている。
【0022】
図2Bも参照して、各バルブ230の入口292は、マニホールド供給通路222に流体接続されている。加圧流体は、圧力源に流体接続された入口242を通ってマニホールド供給通路222に流入する。この流体は、マニホールド供給通路222を通ってそれぞれのバルブ230の入口292に流れる。1つ以上のバルブの作動(すなわち開弁)は、加圧流体をマニホールド供給通路222からバルブ230のスプール266の内部室232に流通できるようにする。その点から流体は、スリーブ264のオリフィス280及びスプール266のオリフィス282を通って径方向外側へ流れ、その後、油圧負荷への対応する油圧回路を通るように方向付けられる。特定の性能上の利益を提供するのに加えて、平行バルブ配置は、機械加工及び組立て作業の簡素化により、製造コストを減少することができる。また、この特定の配置は、マニホールド220を特定の用途の要求に応じて容易に修正して、いかなる数のバルブを含むようにすることもできる。
【0023】
図3A及びず3Bを参照して、マニホールド320は、ラジアル配置に構成された2つ以上のバルブ330を含み、バルブ330は、共通の流体ノード342の軸A−Aの回りのほぼ円形パターンで配置されている。マニホールド320は、例えば図3Bに示されるように、車輪のスポークに類似した態様で、共通の流体ノード342から径方向外向きに延びる一連の供給通路391を含む。バルブ330の入口ポート392は、供給通路391に流体接続される。各バルブ330のスプール366及びスリーブ364は、スプール366(可動部材)が外側部材で、スリーブ364(固定部材)が内側部材となるように構成されるが、バルブ部材330は、機能が逆になるように構成されてもよい。加圧流体は、圧力源に流体接続される入口ポート393を通して供給通路391に流入する。流体は、供給通路391を通ってそれぞれのバルブ330の入口通路に流れる。1つ以上のバルブ330が作動(すなわち、開弁)することにより、加圧流体がスリーブ364のオリフィス380及びスプール366のオリフィス382を通って径方向外向きに流れるようにし、その後、油圧負荷への対応する油圧回路を流通する。
【0024】
図1A及び図4を参照して、バルブ30、32、34及び36は、マニホールド20において直線状に配置されて示され、バルブ30、32、34及び36のスリーブ64は、共通の縦軸A−Aに沿って端部どうしが隣接して配置されている。図4は、図1Aのマニホールドの概略図であり、マニホールドを通る流体通路を示している。各バルブ30、32、34及び36のスプール66及びスリーブ64は、スプール66(可動部材)が外側部材でスリーブ64(固定部材)が内側部材となるように構成されている。この構成において、スリーブ64は、共通の縦軸A−Aに沿って一体的に接続されて、連続した円筒状の供給通路91を形成する。加圧流体は、圧力源に流体接続された入口ポート42を通って供給通路に流入する。1つ以上のバルブ30、32、34及び36が作動(すなわち、開弁)することにより、加圧流体がスプール66のオリフィス80及びスリーブ64のオリフィス82を通って径方向外向きに流れて、油圧負荷に供給するための相互接続された油圧回路に流れるようにする。特定のバルブに送られる流体は、特定のバルブに送られる前に、それぞれの前のバルブのスリーブ64を通って流れる。例えば、一連の最後のバルブ36に送られる流体は、前のバルブ30、32及び34のそれぞれのスリーブ64を通って流れる。この直線状バルブ配置は、メイン−ステージの入口容積を最小限にし、延いては、油圧システムの全体の作動効率を改善することができる。各バルブ30のスプール66の移動経路は、互いにほぼ平行に整列され、それぞれのスプール66の移動経路は、ほぼ共通軸に沿って延びている。バルブ30、32、34及び36は、それぞれ共通の縦軸A−Aを有し、この縦軸は、スプール66の移動経路とほぼ平行に配置されている。縦軸A−Aは、マニホールド20において、全てのバルブ30、32、34及び36によって共有される共通の軸である。供給通路91は、バルブの軸A−Aとほぼ同軸である。
【0025】
図5に記載された実施形態のバルブ配置は、マニホールド520を含んだ図4に示される直線状バルブ配置の修正された態様を概略的に示すものである。この配置は、分割直線状配置と呼ばれ、供給通路592の両側側に配置された2つの対に分離された4つのバルブ530を含む。バルブ530のそれぞれの対は、直線状配置に関して上述された態様で端部どうしが隣接して配置されている。加圧流体は、供給通路592を通してバルブ530の各対に供給される。加圧流体は、図1A及び図4に示されるように、直線状バルブ配置に関して前述したように、バルブ530の各対に供給される。バルブ530の各セットは、2つ以上のバルブ530を含んでもよいこととする。それぞれのバルブ530のスプールの移動経路は、互いにほぼ平行に整列されている。スプールの移動経路は、ほぼ共通の軸に沿って延びている。例えば、バルブ530は、スプールの移動経路にほぼ平行に延びる共通の縦軸A−Aに沿って配置されて、マニホールド520において、縦軸A−Aは全てのバルブ530によって共有される共通の軸となっている。
【0026】
図6A及び6Bを参照して、マニホールド620は、図3A及び3Bに示される配置と同様の環状配置に配置された2つ以上のバルブ630を含む。バルブ630は、環状のプレナム693の軸A−A回りのほぼ円形パターンで配置されている。メイン−ステージマニホールド620は、圧力源に流体接続される入口ポート692を含む。入口ポート692は、加圧流体を環状のプレナム693に送る。バルブ630は、環状のプレナム693の回りに配置され、プレナム693に流体接続されている。各バルブ630のスプール666及びスリーブ664は、スプール666(可動部材)が外側部材で、スリーブ664(固定部材)が内側部材となるように構成されている。しかしながら、バルブ630は、外側部材がスリーブ664として作動し、内側部材がスプール666として作動するように構成してもよいこととする。加圧流体は、圧力源に接続される入口ポート692に流入する。この流体は、入口ポート692を通って環状のプレナム693に流れる。1つ以上のバルブが作動(すなわち、開弁)したとき、加圧流体は、環状のプレナム693からバルブ630を通って出口ポート644に流れる。前に説明したバルブ配置とは異なり、加圧流体は、スプール666及びスリーブ664のオリフィスを通して径方向内向きにバルブ630の出口ポート644に流れる。スリーブ664の内側は、バルブ630の出口ポート644に流体接続される。出口ポート644は、油圧負荷に流体接続される。
【0027】
図7A及び7Bを参照して、マニホールド720は、図2A及び2Bに記載された配置に類似するツーバイツー(2×2)同軸配置で配置された複数のバルブ730を含む。この配置は、共通のマニホールド供給通路793の両側に配置された2組のバルブ730を含む。所与のセットのバルブ730の縦軸A−Aは、互いにほぼ平行に整列されている。各バルブ730のスプール766及びスリーブ764は、スプール766(可動部材)が内側部材で、スリーブ(固定部材)が外側部材となるように配置されている。しかしながら、バルブ730は、内側部材がスリーブ764として作動し、外側部材がスプール766として作動するように構成することもできるものとする。各バルブ730の入口791は、マニホールド供給通路793に流体接続されている。加圧流体は、圧力源に流体接続される入口ポート792を通ってマニホールド供給通路793に流入する。この流体は、マニホールド供給通路793を通ってそれぞれのバルブ730の入口通路791に流れる。1つ以上のバルブ730が作動(すなわち、開弁)することにより、加圧流体がマニホールド供給通路793からスプール766の内部室732に流れるようにする。この点から、流体は、スプール766のオリフィス780及びスリーブ764のオリフィス782を通って径方向外向きに流れ、その後、油圧負荷への対応する油圧回路を通るように導かれる。各バルブ730のスプール766の移動経路は、少なくとも1つの他のバルブ730にほぼ平行に整列され、少なくとも1つの他のバルブ730にほぼ共通の平面内に配置される。各バルブ730は、少なくとも1つの他のバルブ730と共通の縦軸A−Aを共有する。
【0028】
パイロットバルブをメイン−ステージバルブに取付けるために様々な選択肢がある。3つの例示的なパイロットバルブの取付の選択肢が図8〜10に概略的に示されている。例えば、図8に示すように、パイロットバルブ862は、関連するメイン−ステージバルブ830の側部の外部に取付けることができる。この配置は、図1に示されるメイン−ステージバルブ及びパイロットバルブの配置に類似する。また、図9に示されるように、パイロットバルブ962をメイン−ステージバルブ930の端部の外部に取付けてもよい。また、図10に示されるように、パイロットバルブ1062は、少なくとも一部をメイン−ステージバルブ1030の内部に一体化することができる。
【0029】
図1A〜10に示されるバルブ配置は、様々な作動態様を使用することができる。バルブを作動させるためのそのような態様の一例が図11に概略的に示されている。この構造は、パイロットバルブ1162及び戻しバネ1106等の付勢部材を利用して、各メイン−ステージバルブ1130の作動を制御する。戻しバネ1106は、戻しバネ1106は、コイルバネ及び板バネを含むあらゆる様々な態様とすることができるが、これらに限定されない。ポンプ1133及び1135等の分離した圧力源が設けられて、加圧流体の流れをパイロットバルブ1162及びメイン−ステージバルブ1130のそれぞれに供給する。圧力源の吐出圧力を制御するために圧力レギュレータが設けられる。しかしながら、パイロットバルブ1162及びメイン−ステージバルブ1130は、共通の圧力源を利用してもよいこととする。共通の圧力源を利用するように構成された一体化されたパイロットバルブ1162及びメイン−ステージバルブマニホールドの一例が図1A、2A及び3Aに示されている。
【0030】
引続き図11を参照して、メイン−ステージバルブは、パイロットバルブ1162及び戻しバネ1106によって制御することができる。一例においては、パイロットバルブ1162は、1つ以上のソレノイドによって作動される。ソレノイドは、コイルを含み、このコイルは、励磁されたときパイロットバルブ1162を開位置と閉位置との間で移動させる。パイロットバルブ1162を開位置に配置することにより、ポンプ1133からの加圧流体をパイロットバルブ1162を通してメイン−ステージバルブ1130に流通させることができる。パイロットバルブ1162からの加圧流体により、メイン−ステージバルブ1130のスプールが開位置に移動し(図1Aに関して前述したように)、これにより、加圧流体をポンプ1135からバルブ1130を通して油圧負荷1137に流通させることができる。パイロットバルブ1162をダンプ位置に配置することにより、パイロットバルブがバルブ1130を開くために使用される加圧流体の流れを停止して、パイロットバルブを低圧リザーバ1163に流体接続する。これにより、戻しバネ1106の付勢力がメイン−ステージバルブ1130のスプールを移動させて閉位置に戻し、これにより、加圧流体の油圧負荷1137への流れを遮断する。
【0031】
メイン−ステージスプールを閉位置に戻すために戻しバネ1106を利用することは、システム圧力が低下した場合のフェイルセーフ機構の提供として優れている。このようなことが起こった場合、戻しバネ1106が作動してバルブ1130を閉じる。
【0032】
戻しバネ1106は、メイン−ステージバルブの開閉の応答時間の所望のバランスが得られる強さとする。戻しバネ1106のバネレートを増大又は減少は、開閉応答時間の違いに影響する。例えば、バネレート増大すると、一般的に、所与の供給圧力に対して閉弁応答時間が対応して短縮し、開弁応答時間が対応して増大することになる。対応する開弁応答時間の増大は、戻しバネ1106の付勢力が制御されたパイロット操作力の運動に抗して作用することよるものである。対応する開弁応答時間の増大は、例えば、メイン−ステージバルブ1130を作動させるために使用される圧力の上昇によって解消されるが、そのようにすることは、いつも実行可能な代案であるとは限らない。反対に、戻しバネのバネレートを減少させると、一般的に、閉弁応答時間が対応して増大し、開弁応答時間が対応して減少することになる。したがって、戻しバネ1106の強さは、特定の用途に対して要求される所望のバルブ開閉応答時間、同様に、パイロット制御される操作力の大きさを含む様々な要因に依存するが、これらの要因に限定されない。
【0033】
図12を参照して、図11に示されたメイン−ステージバルブの操作態様が、メイン−ステージ戻しバネ1106が省略され、代りに、メイン−ステージバルブ1230を閉じるために油圧を用いることにより、修正されている。メイン−ステージバルブ1230を閉じるために使用される戻し圧力は、単一の戻し圧力バルブ1232によって制御することができる。この構成は、ポンプ1233として示される共通の圧力源を利用する。圧力源の吐出圧力を調整するために圧力レギュレータが設けられている。ポンプ1233は、メイン−ステージバルブ1230を開閉するために必要な圧力を供給するために使用される。この構成の閉弁応答時間は、戻し圧力バルブ1232の出力圧力にほぼ比例する。戻し圧力バルブ1232の出力圧力が増大すると、一般的にバルブ1230の閉弁応答時間が対応して減少するのに対して、出力圧力が減少すると、一般的にその閉弁応答時間が対応して増大することになる。戻し圧力バルブ1232は、メイン−ステージバルブ1230のスプールを所望の応答時間内に閉位置に移動させるのに充分な圧力を供給するように、パイロットバルブ1262からの流体をドレーンするために必要な圧力よりも大きな最小限の出力圧力を発生させるように構成される。圧力レギュレータ1240は、パイロットバルブ1232からメイン−ステージバルブ1230に供給される圧力を制御するために設けられる。この圧力レギュレータは、パイロットバルブ1232の吐出ポート1242を低圧リザーバ1263に選択的に流体接続することにより、パイロットバルブ1232から吐出される圧力を制御する。この圧力レギュレータは、パイロットバルブの吐出圧力が所定圧力を超えたとき、パイロットバルブ1232から吐出される加圧流体の少なくとも一部が直接リザーバに1263に戻るようにする。ポンプ1233及び1235等の分離した圧力源が、加圧流体の流れをパイロットバルブ1262及びメイン−ステージバルブ1230のそれぞれに供給するために設けられる。また、パイロットバルブ1262及びメイン−ステージバルブ1230は、図1A、2A及び3Aに示されるように、共通の圧力源を利用してもよい。
【0034】
メイン−ステージバルブ1230の作動は、パイロットバルブ1262及び単一の戻し圧力バルブ1232によって制御される。一例では、パイロットバルブ1262は、1つ以上のソレノイドによって操作される。各ソレノイドは、コイルを含み、このコイルは、励磁されたとき、パイロットバルブ1262を開位置と閉位置との間で移動させる。開位置に配置されたとき、パイロットバルブ1262は、ポンプ1233からの加圧流体をパイロットバルブ1262を通してメイン−ステージバルブ1230に流通させる。パイロットバルブ1262からの加圧流体は、メイン−ステージバルブ1230のスプールを開位置に移動させ(例えば、図1Aに関して説明した方法で)、これにより、加圧流体をポンプ1235からメイン−ステージバルブ1230を通して油圧負荷1247に流通させる。パイロットバルブ1262を閉位置に配置することにより、メイン−ステージバルブ1230を開弁するために使用される加圧流体の流れを停止させる。単一の戻し圧力バルブ1232がメイン−ステージバルブ1230のスプールを移動させて閉位置に戻すために必要な圧力を制御するために使用され、これにより、油圧負荷1237への加圧流体の流れを遮断する。
【0035】
引続き図12を参照して、この構成は、メイン−ステージスプールを閉位置に移動させるために戻しバネを利用しないが、システム圧力が喪失又は低下した場合にメイン−ステージバルブ1230を閉じるフェイルセーフ機構を設けるために戻しバネを利用してもよい。戻しバネがメイン−ステージスプールを閉位置に戻すための第一の手段として使用されないので、戻しバネのバネレートは、圧力源がメイン−ステージバルブ1230を閉じるための圧力を供給しない場合に要求される大きさよりも非常に小さくすることができる。
【0036】
図13は、図12に示されるものと類似したメイン−ステージバルブの制御体系を示している。図12に示される構成と同様、戻しバネではなく、油圧がメイン−ステージバルブ1330を閉じるために使用される。しかし、図12に示される構成とは異なり、この構成は、単一の戻し圧力バルブ(すなわち、図12のバルブ1232)ではなくて、分離したパイロットバルブ1332を利用して、バルブを閉じるためにメイン−ステージバルブ1330に送られる圧力を制御する。このため、各メイン−ステージバルブ1330は、2つの分離したパイロットバルブ1332及び1362を使用する。パイロットバルブ1362は、メイン−ステージバルブ1330の開弁を制御し、また、他のパイロットバルブ1332は、メイン−ステージバルブ1330の閉弁を制御する。この構成は、メイン−ステージスプールを閉位置に移動するために戻しバネを利用しないが、システム圧力が喪失又は低下した場合にメイン−ステージバルブ1230を閉じるフェイルセーフ機構を設けるために戻しバネを利用してもよい。戻しバネがメイン−ステージスプールを閉位置に戻すための第一の手段として使用されないので、戻しバネのバネレートは、圧力源がメイン−ステージバルブ1230を閉じるための圧力を供給しない場合に要求される大きさよりも非常に小さくすることができる。ポンプ1333及び1335等の分離した圧力源が、加圧流体の流れをパイロットバルブ1332及び1362、同様に、メイン−ステージバルブ1330のそれぞれに供給するために設けられる。圧力源の吐出圧力を制御するために圧力レギュレータを設けてもよい。しかしながら、パイロットバルブ1332及び1362、同様に、メイン−ステージバルブ1330は、図1A、2A及び3Aに示されるように、共通の圧力源を利用してもよいこととする。
【0037】
メイン−ステージバルブ1330の作動は、パイロットバルブ1332及び1362によって制御される。一例では、パイロットバルブ1332及び1362は、1つ以上のソレノイドによって操作される。各ソレノイドは、コイルを含み、このコイルは、励磁されたとき、パイロットバルブ1332及び1362を開位置と閉位置との間で移動させる。開位置に配置されたとき、パイロットバルブ1362は、ポンプ1333からの加圧流体をパイロットバルブ1362を通してメイン−ステージバルブ1330に流通させる。パイロットバルブ1362からの加圧流体は、メイン−ステージバルブ1330のスプールを開位置に移動させ、これにより、加圧流体をポンプ1335からメイン−ステージバルブ1330を通して油圧負荷1337に流通させる。パイロットバルブ1362をダンプ位置に配置することにより、メイン−ステージバルブ1330を開弁するために使用される加圧流体の流れを停止させて、パイロットバルブ1362をリザーバ1363に流体接続する。パイロットバルブ1362をダンプ位置に配置し、そして、パイロットバルブ1332が開かれ、メイン−ステージバルブ1330のスプールを移動させて閉位置に戻すために必要な圧力を供給し、これにより、油圧負荷1337への加圧流体の流れを遮断する。
【0038】
図14は、メイン−ステージバルブ1430を開閉するために必要はパイロットバルブ1462の数を最小限にするために、組み合わされた隣接するメイン−ステージバルブ1430の操作領域を上手く利用したメイン−ステージバルブ作動態様を概略的に示している。ポンプ1433及び1435等の分離した圧力源が設けられて、加圧流体の流れをパイロットバルブ1462及びメイン−ステージバルブ1430のそれぞれに供給する。圧力源の吐出圧力を制御するために圧力レギュレータを設けてもよい。しかしながら、パイロットバルブ1462、同様に、メイン−ステージバルブ1430は、例えば、図1A、2A及び3Aに示されるように、共通の圧力源を利用してもよいこととする。各メイン−ステージバルブ1430は、2つの分離したパイロットバルブ1462を使用する。一方のパイロットバルブ1462が作動して、メイン−ステージバルブ1430を開き、他方のパイロットバルブが作動して、メイン−ステージバルブ1430を閉じる。メイン−ステージバルブ1430は、隣接するメイン−ステージバルブ1430とパイロットバルブ1462を共有する一連のバルブの端部に配置される。例えば、メイン−ステージバルブ(1)(図14中の4つのメイン−ステージバルブ1430は、バルブ(1)〜(4)として個々に識別される)は、パイロットバルブ(B)(図14中の5つのパイロットバルブは、バルブA〜Eとして個々に識別される)を隣接するメイン−ステージバルブ(2)と共有し、また、メイン−ステージバルブ(4)は、パイロットバルブDを隣接するメイン−ステージバルブ(3)と共有する。一連のバルブの中間に配置されたバルブ1430は、2つのパイロットバルブ1462を共有する。例えば、メイン−ステージバルブ(2)は、パイロットバルブBを隣接するメイン−ステージバルブ(1)と共有し、また、パイロットバルブ(C)を隣接するメイン−ステージステージバルブ(3)と共有する。
【0039】
パイロットバルブ1462は、1つ以上のソレノイドによって操作される。各ソレノイドは、コイルを含み、このコイルは、励磁されたとき、パイロットバルブ1462を開位置と閉位置との間で移動させる。開位置に配置されたとき、パイロットバルブ1462は、ポンプ1433からの加圧流体をパイロットバルブ1462を通してメイン−ステージバルブ1430に流通させる。パイロットバルブ1462をダンプ位置に配置すると、そのパイロットバルブは低圧リザーバ1463に流体接続する。共有されたパイロットバルブ1462は、共有されたバルブ1430の一方への開弁圧力及び共有されたバルブ1430の他方への閉弁圧力を同時に作用させるように作動する。例えば、パイロットバルブBを開位置配置すると、ポンプ1433からの加圧流体は、パイロットバルブBを通ってメイン−ステージバルブ(2)へ流れる。パイロットバルブA及びCがダンプ位置に配置されることにより、パイロットバルブBからの加圧流体は、メイン−ステージバルブ(2)のスプールを開位置に移動させ、これにより、加圧流体は、ポンプ1433からメイン−ステージバルブ(2)を通って油圧負荷1437に流れる。パイロットバルブBを開位置に配置すると、同時にメイン−ステージバルブ(1)に閉弁圧力を作用させる。また、このメイン−ステージバルブは、共有されたパイロットバルブ1462が、共有された両方のメイン−ステージバルブ1430に開弁圧力を同時に作用させ、又は、共有された両方のメイン−ステージバルブ1430に閉弁圧力を同時に作用させるように作動するように構成されている。例えば、パイロットバルブBを開くと、メイン−ステージバルブ(1)及び(2)の両方に同時に閉弁圧力が作用する。この構成は、単一のパイロットバルブ1462を使用して、2つのメイン−ステージバルブ1430の作動を制御することにより、パイロットバルブ1462の数を最小限にすることができる。
【0040】
図14の各メイン−ステージバルブ1430を開閉するための様々な制御体系を示す論理テーブルが図15のテーブル1で与えられている。このテーブルは、様々なパイロットバルブの作動状態がもたらす対応するメイン−ステージバルブの作動上の結果を説明している。例えば、パイロットバルブAを圧力に対して開くと(バルブ位置「1」)、メイン−ステージバルブ(1)を開く(バルブ位置「1」)。これは、残りの3つのメイン−ステージバルブの位置には影響がなく、これらのバルブは、残りのパイロットバルブがドレーンに解放されれば(バルブ位置「0」)、その以前の位置を維持する(バルブ位置「LC」)。メイン−ステージバルブ(1)及び(2)によって共有されたパイロットバルブBを開き(バルブ位置「1」)、かつ、パイロットバルブAをドレーンすると(バルブ位置「0」)、メイン−ステージバルブ(1)が閉じて(バルブ位置「0」)、メイン−ステージバルブ(2)が開くことになる(バルブ位置「1」)。メイン−ステージバルブ(3)及び(4)は、関連するパイロットバルブがドレーンに解放されれば、これらの以前の位置を維持する(バルブ位置「LC」)。他のパイロットバルブ(すなわち、パイロットバルブC、D及びE)を開くことによるメイン−ステージバルブの作動上の結果は、図15のテーブル1から容易に決定することができる。
【0041】
図16は、図14に示されるものと類似したメイン−ステージバルブの操作態様を概略的に示している。相違点は、メイン−ステージバルブ1630のスプールを閉位置に予荷重するように作動する付勢部材1606の追加である。付勢部材1606もまた、システム圧力が喪失又は低下した場合に、メイン−ステージバルブ1630を閉じるためのフェイルセーフ機構を提供する。また、付勢部材1606は、隣接するメイン−ステージバルブ1630が作動されたとき生じる圧力変動によるフィードバック効果を最小限にすることができる。
【0042】
ポンプ1633及び1635等の分離した圧力源が設けられて、パイロットバルブ1662及びメイン−ステージバルブ1630に、それぞれ加圧流体の流れを供給する。圧力源の吐出圧力を制御するために圧力レギュレータを設けてもよい。また、パイロットバルブ1662、同様に、メイン−ステージバルブ1630は、例えば図1A、2A及び3A
に示されるように、共通の圧力源を利用してもよい。各メイン−ステージバルブ1630(図16において、4つのメイン−ステージバルブがバルブ(1)〜(4)として個々に識別されている)は、2つの分離したパイロットバルブ1662(図16において、5つのパイロットバルブがバルブA〜Eとして個々に識別されている)を使用する。一方のパイロットバルブバルブ1662は、メイン−ステージバルブ1630を開くために作動し、他方のパイロットバルブ1662は、そのメイン−ステージバルブ1630を閉じるために作動する。一連のバルブの端部に配置されたメイン−ステージバルブ1630は、1つのパイロットバルブ1662を隣接するメイン−ステージバルブ1630と共有する。例えば、メイン−ステージバルブ(1)は、パイロットバルブBを隣接するメイン−ステージバルブ(2)と共有し、メイン−ステージバルブ(4)は、パイロットバルブEを隣接するメイン−ステージバルブ(3)と共有する。一連のバルブの中間に配置されたメイン−ステージバルブ1630は、2つのパイロットバルブ1662を共有する。例えば、メイン−ステージバルブ(2)は、パイロットバルブBを隣接するメイン−ステージバルブ(1)と共有し、パイロットバルブCを隣接するメイン−ステージバルブ(3)と共有する。
【0043】
パイロットバルブ1662は、1つ以上のソレノイドによって作動させることができる。ソレノイドは、励磁されたとき、パイロットバルブ1662を付勢して開位置と閉位置との間で移動させるコイルを含む。パイロットバルブ1662は、開位置に配置されたとき、ポンプ1633からの加圧流体をパイロットバルブバルブ1662を通してメイン−ステージバルブ1630に流通させる。パイロットバルブ1662をダンプ位置に配置すると、パイロットバルブが低圧リザーバ1663に流体接続する。共有されたパイロットバルブ1662は、共有するメイン−ステージバルブ1630の一方への開弁圧力及び他方への閉弁圧力を同時に作用させるように作動する。例えば、パイロットバルブBを開位置に配置すると、ポンプ1633からの加圧流体をパイロットバルブBを通してメイン−ステージバルブ(2)に流通させる。パイロットバルブA及びCをダンプ位置に配置することにより、パイロットバルブBからの加圧流体は、メイン−ステージバルブ(2)のスプールを開位置に移動させ、これにより、加圧流体をポンプ1633からメイン−ステージバルブ(2)を通して油圧負荷1637に流通させる。パイロットバルブBを開位置に配置すると、メイン−ステージバルブ(1)に閉弁圧力を同時に作用させる。付勢部材1606は、システム圧力が喪失又は低下した場合にメイン−ステージバルブ1630を閉じるためのフェイルセーフ機構を提供する。メイン−ステージバルブは、共有されたパイロットバルブ1662が共有するメイン−ステージバルブの両方への開弁圧力又は共有するメイン−ステージバルブ1630の両方への閉弁圧力を相互に作用させるように構成してもよい。例えば、パイロットバルブBを開くと、メイン−ステージバルブ(1)及び(2)の両方に同時に閉弁圧力を作用させることができる。この構成は、単一のパイロットバルブ1662を使用して2つのメイン−ステージバルブ1630の作動を制御することにより、パイロットバルブ1662の数を最小限にすることができる。
【0044】
図16に示される制御体系で使用されるメイン−ステージバルブ1630の開閉を制御するための一実施形態の制御論理が図17のテーブル2で与えられている。例えば、バルブAが圧力に対して開かれて(テーブル2のバルブ位置「1」)、かつ、パイロットバルブB〜Eがドレーンに開かれた場合(テーブル2のバルブ位置「0」)、メイン−ステージバルブ(1)が開き(テーブル2のバルブ位置「1」)、かつ、残りのメイン−ステージバルブ1630が閉じたままとなる(テーブル2のバルブ位置「0」)。他の様々なパイロットバルブの開弁シーケンスの結果は、図17のテーブル2から容易に決定することができる。
【0045】
図18A及び18Bのテーブル3は、図16に示される制御体系に使用される一実施形態の制御論理を示している。、一度にただ1つのメイン−ステージバルブが開弁される図17のテーブル2に提供される制御論理とは異なり、テーブル3に提供される制御論理は、複数のメイン−ステージバルブが同時に開弁できるようにする。図18A及び18Bのテーブル3における制御データは、図17のテーブル2における制御データと同じ方法で解釈することができる。
【0046】
図19A〜22Bは、一体化された圧力補助機構を使用する様々な実施形態のメイン−ステージバルブ構造を示す。一体化された圧力補助機構は、上流又は下流の所定圧力の存在に応答して、圧力補助機構の特定の構造に依存して、メイン−ステージバルブのスプールを開位置又は閉位置のいずれかに向けて付勢するように作動する。説明のため、外側部材はスプールとして作動し、内側部材はスリーブとして作動し、また、スリーブの内部に生じる圧力を「上流圧力」(Pu)とし、スプールの外周側の領域の圧力を「下流圧力」(Pd)とする。
【0047】
図19Aは、所定の上流側圧力Puに応答してバルブ1930を開くように配置された一実施形態の圧力補助機構1910を示す。図20Aは、所定の上流側圧力Puに応答してバルブ2030を閉じるように配置された一実施形態の圧力補助機構2010を示す。図21Aは、所定の下流側圧力Pdに応答してバルブ2130を開くように配置された圧力補助機構2110を示す。図22Aは、所定の下流側圧力Pdに応答してバルブ2230を閉じるように配置された圧力補助機構2210を示す。
【0048】
圧力補助機構1910、2010、2110及び2210は、それぞれ段部1911、2011、2111及び2211を設けることにより、メイン−ステージバルブに組込むことができる。図19A〜22Bに示されるように、段部1911、2011、2111及び2211からなる段部は、対応するバルブスプール1966、2066、2166及び2266にそれぞれ形成されている。また、対応する段部1914、2014、2114及び2214がスリーブ1964、2064、2164及び2264にそれぞれ組込まれている。この段部は、スプール及びスリーブに対して作用する軸方向の力を生じる反対方向圧力を生じ、この軸方向の力が、圧力補助機構の特定の構成に応じて、バルブを開弁又は閉弁のいずれかを行なおうとする。この対抗力の大きさは、少なくとも一部は、段部の大きさによって決定される。所与の圧力降下に対して、段部が大きいほど対抗力が大きくなる。
【0049】
引続き図19A〜22Bを参照して、スリーブのオリフィス(すなわち、オリフィス1982、2082、2182及び2282)及びスプールのオリフィス(すなわち、オリフィス1980、2080、2180及び2280)に対する段部の配置が、圧力補助機構が上流側圧力Pu又は下流側圧力Pdのいずれに応答するのかを決定する。図19A及び20Aに示される配置のように、バルブが閉じるとき段部がスリーブのオリフィスを横切る場合、圧力補助機構は、上流側圧力Puに応答する。図21A及び22Aに示される配置のように、バルブが閉じるとき段部がスプールのオリフィスを横切る場合、圧力補助機構は、下流側圧力Pdに応答する。
【0050】
図19A〜22Bに見られるように、段部の一側は、スプールによって形成され、反対側は、スリーブによって形成されている。バルブが開いたとき、スプール及びスリーブの段部は、スプールのオリフィスと対応するスリーブのオリフィスとの間の流体通路1913、2013、2113及び2213の少なくとも一部を形成する。圧力補助機構がバルブを開くように作動するか、閉じるように作動するかは、段部のスプール部分がオリフィスのいずれの側に配置されているかによって決定される。図19A及び21Aに示される配置のように、段部のスプール部分を戻しバネに最も近いオリフィスの縁部に沿って配置することにより、所定の圧力に達したとき、圧力補助機構がメイン−ステージバルブを開くことになる。図20A及び22Aに示されるように、段部のスプール部分を戻しバネから離れたオリフィスの反対側の縁部に沿って配置することにより、所定の圧力に達したとき、圧力補助機構がメイン−ステージバルブを閉じることになる。
【0051】
図19Aから19Cを参照して、圧力補助機構1910の段部1911は、バルブ1930が閉位置に配置されているとき(すなわち、図19A及び19B)、スリーブ1911(固定部材)のオリフィス1982を横切って配置され、その結果として、圧力補助機構1910は、上流側圧力Pu(すなわち、スリーブ1964の内側領域内に生じる圧力)に応答する。図19Bは、圧力補助機構1910の拡大図であり、スプール1966の段部1912及びスリーブ1964の段部1966を示している。段部1912のスプール部分は、戻しバネ1906に最も近いオリフィス1982に沿って配置されている。戻しバネ1906は、少なくともスプール1966に連結し、スプール1966を開位置(すなわち、図19C)から閉位置(すなわち、図19A及び19B)に向かって付勢するように作動する。このため、スリーブ1964のオリフィス1982内に生じる圧力は、段部1912をスリーブ1964の段部1914から離れて戻しバネ1906に向けて押圧しようとし、これにより、図19Cに示されるように、所定の圧力に圧したとき、バルブ1930を開く。
【0052】
図19Cに示されるように、バルブ1930が開位置に配置されたとき、段部1912及び1914は、互いに協働して、スリーブ1964のオリフィス1982とスプール1966のオリフィス1980との間に流体通路1913の少なくとも一部を形成する。バルブ1930が開位置に配置されることにより、段部1912及び1914は、オリフィス1980及び1982に流体接続される。段部1912及び1914は、図19A及び19Bに示されるようにバルブ1930が閉位置に配置されたとき、オリフィス1980から実質的に流通が遮断されるが、オリフィス1982との流体接続は維持される。
【0053】
図20Aから20Cを参照して、バルブ2030が閉位置(すなわち、図20A及び20B)に配置されたとき、圧力補助機構の段部2011は、スリーブ2064(固定部材)のオリフィス2082を横切って配置され、その結果として、圧力補助機構2010は、上流側圧力Pu(すなわち、スリーブ2064の内側領域内に生じる圧力)に応答する。段部2012のスプール部分2066は、戻しバネ2006から最も遠いオリフィス2082に沿って配置される。戻しバネ2006は、スプール2066を開位置(すなわち、図20C)から閉位置(すなわち、図20A及び20B)に向けて付勢するように作動する。図20Bは、圧力補助機構2010の拡大図であり、バルブ2030が閉位置に配置されたときのスプール2066の段部2012、同様に、対応するスリーブ2064の段部2014の配置を示している。図20Cは、開位置に配置されたバルブ2030の拡大図であり、スリーブ2064のオリフィス2082に流体接続されたスプール2066のオリフィス2080を有している。スリーブ2064のオリフィス2082内に生じる
圧力は、スプール2066の段部2012をスリーブ2064の段部2014から離れ、戻しバネ2006からはなりる方向に付勢しようとし、これにより、図20A及び20Bに示すように所定の圧力に達したとき、バルブ2030を閉じる。
【0054】
図20Cに示されるように、バルブ2030が開位置に配置されたとき、段部2012及び2014は、互いに協働して、スリーブ2064のオリフィス2082とスプール2066のオリフィス2080との間に流体通路の少なくとも一部を形成する。バルブ2030が開位置(図20C)に配置されたとき、段部2012及び2014は、オリフィス2080及び2082に流体接続する。段部2012及び2014は、図20A及びBに示されるようにバルブ2030が閉位置に配置されたとき、オリフィス2080から実質的に流通が遮断されるが、オリフィス2082との流体接続を維持する。
【0055】
図21Aから21Cを参照して、スプール2166が閉位置(図21A及び21B)に配置されたとき、圧力補助機構2110の段部2111は、スプール2166(可動部材)のオリフィス2180を横切って配置され、その結果として、圧力補助機構2010は、下流側圧力Pd(すなわち、スプール2166の外側領域の周囲に生じる圧力)に応答する。段部2111のスプール部分は、戻しバネ2106に最も近いオリフィス2180に沿って配置される。戻しバネ206は、スプール2166を閉位置(すなわち、図21A及び21B)に向って付勢するように作動する。図21Bは、圧力補助機構2110の拡大図であり、バルブ2130が閉位置にあり、スプール2166の段部2112及び対応するスリーブ2164の段部2114の配置を示し、また、図21Cは、開位置に配置されたスプール2166を有するバルブ2130の拡大図である。スプール2166のオリフィス2180内に生じる圧力は、段部2112をスプール2166の段部2114から離れる方向に戻しバネ2106に向けて押圧しようとし、これにより、図21Cに示されるように、所定の圧力に達したとき、バルブ2130を開く。
【0056】
図21Cに示されるように、バルブ2130が閉位置に配置されたとき、段部2112及び2114は、互いに協働して、スリーブ2146のオリフィス2182とスプール2166のオリフィス2180との間の流体通路2113の少なくとも一部を形成する。バルブ2130が開位置に配置されることにより、段部2112及び2114は、オリフィス2180及び2182に流体接続される。段部2112及び2114は、バルブ2130が閉位置に配置されたとき、オリフィス2182から流通が実質的に遮断されるが、オリフィス2180との流体接続を維持する。
【0057】
図22Aから図22Cを参照して、スプールが閉位置(すなわち、図22A及び22B)に配置されたとき、圧力補助機構2210の段部2211は、スプール2266(可動部材)のオリフィス2280を横切って配置され、これにより、圧力補助機構2210は、下流側圧力Pd(すなわち、スプール2266の外部領域の周りに生じる圧力)に応答する。図22Bは、圧力補助機構2210の拡大図であり、バルブ2230が閉位置に配置されたときのスプール2266の段部2212とスリーブ2264の段部2214との相対位置を示し、図22Cは、開位置に配置されたスプール2266を有するバルブ2230の拡大図である。段部2212のスプール部分は、戻しバネ2206から最も遠いオリフィス2280に沿って配置されている。戻しバネ2206は、図22A及び22Bに示されるように、スプール2266を閉位置に付勢するように作動する。これにより、スプール2266のオリフィス2280内に生じる圧力は、段部2212をスプール2266の段部2214から離れ、戻しバネ2206から離れる方向に押圧しようとし、これにより、所定圧力に達したとき、バルブ2230を閉位置に付勢する。
【0058】
図22Cに示されるように、バルブ2230が開位置に配置されたとき、段部2212及び2214は、互いに協働して、スリーブ2264のオリフィス2282とスプール2266のオリフィス2280との間に流体通路2213の少なくとも一部を形成する。バルブ2230が開位置にあることにより、段部2212及び2214は、オリフィス2280及び2282に流体接続される。図22A及び22Bに示されるように、バルブ2230が閉位置に配置されたとき、段部2212及び2214は、オリフィス2282から
実質的に流通が遮断されるが、オリフィス2280との接続が維持される。
【0059】
圧力補助機構1910、2010、2110及び2210は、戻しバネから最も遠く、又は、最も近くのいずれかに配置されたオリフィスを横切って配置されるように示されているが、圧力補助機構1910、2010、2110及び2210の段部は、スプール又はスリーブのどのオリフィスを横切って配置されてもよいことに注意すべきである。また、他の例では、圧力補助機構1910、2010、2110及び2210の段部は、スプール又はスリーブに沿って、圧力補助機構がスリーブ又はスプールのオリフィスに流体接続するどの位置に配置されてもよい。
【0060】
メイン−ステージバルブが開位置と閉位置との間で往復運動することにより、スプールがスプールの移動距離を制限するストップに接触したとき、大きな衝撃力が発生する。これは、望ましくない騒音を発するだけでなく、メイン−ステージバルブの耐久性及びバルブを制御する正確さに影響する。図23は、スプールの端部に固定的に取付けられたダンパ2312を有するスプール2366を使用する一実施形態のバルブ2330を示す。ダンパ2312は、弾性的な柔軟性材料から構成されて、バルブが開位置から閉位置に移動したとき、衝撃力の発生の少なくとも一部を吸収する。バルブのほぼ反対側の端部は、バルブが閉位置から開位置に移動したとき生じる衝撃力を減衰するように作動する第2のダンパ2310を含む。図24は、メイン−ステージスプール2366の拡大図であり、バルブが閉位置に配置されたとき、バルブハウジング2319のストップ2320に接触するダンパ2312のストップ領域2311を示している。
【0061】
バルブ2330は、バルブハウジング2319に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2364及びスリーブ2364の外側の周囲に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2366を含む。スプール2366は、閉位置と開位置との間のスリーブ2364の長さの一部にわたって進退動自在である。図23及び24は、閉位置に配置されたバルブ2330を示している。バルブ2330は、付勢部材を使用し、この付勢部材は、戻しバネ2306として示され、スプール2366を開位置から閉位置に移動させる。
【0062】
図23を参照して、スリーブ2364及びスプール2366は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィス2382及び2380を含む。スプール2366のオリフィス2380は、スプール2366がスリーブ2364に対して開位置に配置されたとき、スリーブ2364のオリフィス2382に流体接続される。オリフィス2380及び2382は、スプール2366がスリーブ2364に対して閉位置に配置されたとき、スリーブ2364のオリフィス2383からの流通が実質的に遮断される。
【0063】
引続き図23を参照して、バルブ2330を開く際に生じる衝撃力は、ダンパ2310を弾性的な柔軟性材料から構成することにより、減衰することができる。適当な材料は、限定しないが、約20%のカーボンファイバー充填材を有するポリエーテルエーテルケトン等の工業用プラスチックを含むことができる。ダンパ2310は、スプール2366の一端部に係合する軸受表面2308を含む。ダンパ2310は、更に、バルブハウジング2319に係合してメイン−ステージスプール2366の開弁時の移動距離を制限する一端部2317を有するストップ領域2316を含む。バルブ2330の開弁により、スプール2366がダンパ2310をハウジング2319に向かって変位させる。ダンパ2310は、バルブハウジング2319に衝突したとき弾性変形して衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収する。また、ダンパ2310は、付勢部材2306の一端部に係合するフランジ2313を含む。付勢部材の他端部は、バルブハウジング2319に係合する。ダンパ2310の少なくとも一部は、付勢部材2306内に配置されている。付勢部材2306は、スプール2366を閉位置に向かって付勢するように作動する。ダンパ2310の端部2317は、スプール2366が開位置から離れて配置されたとき、ハウジング2319から離脱される。
【0064】
図24を参照して、バルブ2330が閉じる際に生じる衝撃力は、ダンパ2312を弾性的な柔軟性材料から形成することにより、減衰することができる。ダンパ2312のストップ領域2311は、バルブ2330のスプール2366が閉位置に移動されることにより、バルブハウジング2319に形成されたストップ2320に係合する肩部2314を含む。肩部2314は、バルブ2330が閉じることにより、バルブハウジングのストップの表面に接触するダンパ2312のいずれの表面でもよい。
【0065】
ダンパ2312は、バルブ2330が閉じられて、ダンパの肩部2314がバルブハウジングのストップ2320に接触することによって生じる衝撃エネルギーの少なくとも一部を弾性変形することにより吸収する。肩部2314は、バルブ2330が開位置に移動したとき、ストップ2320から離脱する。ダンパ2312に適した材料は、限定しないが、約20%のカーボンファイバー充填材を有するポリエーテルエーテルケトン等の工業用プラスチックを含むことができる。バルブ2330が閉じる際、ダンパ2312がストップ2320に衝突したとき、弾性的な柔軟性材料が弾性的に変形して、衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収して、衝撃を緩和する。弾性的な柔軟性材料は、スプール2366の他の部分を構成するのに使用される材料と同じ又は異なるものとすることができる。
【0066】
図25Aを参照して、バルブ2530を閉じたとき生じる衝撃力は、バルブが閉じるとき生じる衝撃力の少なくとも一部を吸収することができる弾性的な柔軟性材料の外側のバルブハウジングに接触するスプール2566の部分を形成することによって減衰することができる。バルブ2530は、バルブボディ1519に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2564、及び、スリーブ2564の外側の周囲に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2566を含む。スプール2566は、開位置と閉位置との間でスリーブ2564の長さの一部にわたって進退動自在である。図25Aは、閉位置に配置されたバルブ2530を示している。スリーブ2564及びスプール2566は、それぞれ、これらの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィス2582及び2580を含む。オリフィス2582及び2580は、ほぼ共通のパターンで配置されて、スプール2566がスリーブ2564に対して開位置に配置されたとき、スプール2566のオリフィス2580がスリーブ2564のオリフィス2582にほぼ整合することができるようになっている。オリフィス2580及び2582は、スプール2566がスリーブ2564に対して閉位置に配置されたとき、スリーブ2564のオリフィスにほぼ非整合状態となる。
【0067】
スプール2566は、バルブハウジング2519に形成されたストップ2510に係合する段付領域2518を含む。段付領域2518は、スプール2566に取付けられたリング2512を含む。一例では、リング2512は、工業用プラスチック等の弾性的な柔軟性材料、例えば、約20%のカーボンファイバー充填材を有するポリエーテルエーテルケトンから形成することができる。しかしながら、他の一般的な弾性的な柔軟性材料を使用することができるものとする。
【0068】
図25Bは、スプール2566から分離されて示される弾性的な柔軟性リング2512を有するスプール2566の分解斜視図である。弾性的な柔軟性リング2512は、バルブ2530を閉じたとき、バルブハウジング2519のストップ2510に衝突する。弾性的な柔軟性リング2512は、ストップ2510に衝突したとき、弾性変形して、バルブ2530を閉じたときの衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収する。スプール2566の弾性的な柔軟性部分は、弾性的な柔軟性リング2512をスプール2566にオーバーモールドすることによって形成することができる。弾性的な柔軟性リング2512は、スプール2566に形成された対応する開口2517に係合する少なくとも1つの内側に延びるボス2516を有するリング2512を設けることによって、スプール2566に締結することができる。しかしながら、リング2512は、他の方法で同様にスプール2566に締結できることに注意すべきである。例えば、柔軟性リング2512は、スプール2566に形成された環状溝に係合することができる。
【0069】
図26を参照して、図1Aに使用すような直線状のバルブ配置を利用するバルブマニホールド2620は、一連のバルブ2630に加圧流体を供給するポンプアセンブリ2610が一体的に設けられている。この構成は、マニホールドの体積を最小限にし、延いては、ポンプアセンブリ2610を含む油圧システムの全体の作動効率を改善することができる。ポンプアセンブリ2610は、あらゆる様々な公知の固定容量型ポンプを含むことができ、限定しないが、ギヤポンプ、ベーンポンプ、アキシャルピストンポンプ及びラジアルピストンポンプを含むことができる。ポンプアセンブリ2610は、ポンプアセンブリ2610を駆動するための入力軸2612を含むことができる。
【0070】
バルブマニホールド2620は、複数の油圧作動スプールバルブ2630を含む。各バルブ2630は、マニホールド2620に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2664、及び、スリーブ2664の外側の周囲に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2666を含む。スプール2666は、開位置と閉位置との間でスリーブ2664の長さの一部にわたって進退動可能である。
【0071】
スリーブ2664及びスプール2666は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含む。スプール2666は、一連のオリフィス2680を含み、スリーブ2664は、一連のオリフィス2682を含む。オリフィス2680及び2682は、ほぼ共通のパターンで配置されて、スプール2666がスリーブ2664に対して開位置に配置されたとき、スプール2666のオリフィス2680がスリーブ2664のオリフィスにほぼ整合できるようになっている。図26は、閉位置に配置されたスプール2666を示し、オリフィス2680及び2682は、互いにほぼ非整合状態でスプール2666とスリーブ2664との間の流体接続をほほ制限している。各バルブ2630は、戻しバネ2606として示される付勢部材を使用して、スプール2666を開位置から閉位置に移動させる。
【0072】
ポンプ2610からポンプ入力軸2612が延びている。ポンプ入力軸2612は、個々のバルブ2630の相互接続されたバルブスリーブ2664によって形成されたプレナム2614を縦に貫通して延びる。ポンプ入力軸2612の一端部2616は、メイン−ステージマニホールド2620の端部キャップ2618を貫通して延びて、エンジン、電気モータ、その他の回転トルクを出力可能な出力源等の外部出力源に連結される。端部キャップ2618は、マニホールド2620のハウジング2619に取付けられ、例えば、ニードルベアリング、ローラベアリング、又は、スリーブベアリング等のベアリング2621を含み、ポンプ入力軸2612の端部2616を回転可能に支持する。
【0073】
バルブ2630は、ソレノイド作動のパイロットバルブ2662によって油圧作動される。パイロットバルブ2662は、ポンプ2660等の圧力源に流体接続される。開弁したとき、パイロットバルブ2662は、ポンプ2660からの加圧流体をパイロットバルブ2662を通してバルブ2630に流通させる。パイロットバルブ2662からの加圧流体は、バルブ2630のスプール2666を開位置に移動させ、これにより、加圧流体をポンプ2610からバルブ2630を通して油圧負荷に流通させる。パイロットバルブ2662を閉じると、バルブ2630への加圧流体の流れが停止し、これにより、戻しバネ2606がバルブ2630のスプール2666を閉じ位置に戻す。
【0074】
ポンプアセンブリ2610は、流体が入口通路2627を通ってポンプアセンブリ2610に流入するように構成されている。入口通路2627は、ポンプアセンブリ上のあらゆる様々な位置に配置するすることができ、限定しないが、バルブマニホールド2620の反対側のポンプアセンブリ2610の外周上2623、ポンプアセンブリ2610の側部2625を含む、その他の適当な位置に配置することができる。説明のため、図26に示される入口通路2627は、ポンプの外周2623に沿って配置されている。流体は、入口通路2627を通ってポンプアセンブリ2610に流入し、流体がポンプアセンブリ210を通って、径方向内側へ移動する。加圧された流体は、ポンプアセンブリ2610の側部2626に沿って配置された1つ以上の吐出ポート2628を通ってポンプアセンブリ2610を出る。加圧流体は、ポンプアセンブリから吐出されてバルブ2630の相互接続されたスリーブ2664によって形成されたプレナム2614に流入する。加圧流体は、スリーブ2664の内壁2627と入力軸2612との間に形成された環状通路2625に沿ってそれぞれのバルブ2630に移動する。1つ以上のバルブ2630を開位置に移動させると、加圧流体がスプール2666のオリフィス2680及びスリーブ2664のオリフィス2682を通ってバルブ2630の出口ポート2629へ流通する。
【0075】
図27は、図5に示される分割直線状バルブ配置を利用したバルブマニホールド2720に一体化されたポンプアセンブリ2710を示す。この構成は、マニホールド入口の体積を最小限にし、延いては、油圧システム全体の作動効率を改善する。この構成では、ポンプアセンブリ2710は、2組のバルブ2730の間に配置されている。ポンプアセンブリ2710をこれらのバルブ2730の間に配置するには、ポンプアセンブリ2710の入口2727をポンプアセンブリ2710の外周2723に沿って配置する必要がある。しかしながら、ポンプアセンブリ2710の大きさ及び構成に応じて、ポンプ入口2727をポンプの他の位置に配置することもできる。
【0076】
バルブマニホールド2720は、複数の油圧作動スプールバルブ2730を含む。それぞれのバルブ2730は、マニホールド2720に対して固定された略円筒状の中空スリーブ、及び、スリーブ2764の外周に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2766を含む。スプール2766は、開位置と閉位置との間で、スリーブ2764の長さの一部にわたって進退動自在である。
【0077】
スリーブ2764及びスプール2766は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含む。スプール2766は、一連のオリフィス2780を含み、スリーブ2764は、一連のオリフィス2782を含む。オリフィス2780及び2782は、ほぼ共通のパターンで配置されており、スプール27766がスリーブ2764に対して開位置に配置されたとき、スプール2766のオリフィス2780がスリーブ2764のオリフィス2782にほぼ整合する。バルブ2730は、それぞれ、戻しバネ2706として示される付勢部材を使用して、スプール2766を開位置から閉位置に移動させる。
【0078】
バルブ2730は、ソレノイド作動のパイロットバルブ2762によって油圧作動される。パイロットバルブ2762は、ポンプ2760等の圧力源に流体接続される。パイロットバルブ2762は、開弁したとき、ポンプ2760からの加圧流体をパイロットバルブ2762を通してバルブ2730へ流通させる。パイロットバルブ2762からの加圧流体は、バルブ2730のスプールを開位置に移動させ、これにより、加圧流体をポンプ2710からバルブ2730を通して油圧負荷に流通させる。パイロットバルブ2762を閉じると、バルブへの加圧流体の流れを停止して、戻しバネ2706がスプール2766を閉位置に移動できるようにする。
【0079】
ポンプアセンブリ2710は、ポンプアセンブリ2710の少なくとも一側から外側へ延びるポンプ入力軸2712を含む。ポンプ入力軸2712は、個々のバルブ2730の相互接続されたバルブスリーブ2764によって形成されたプレナム2714を縦に貫通して延びる。ポンプ入力軸2712の一端部2716は、マニホールド2720の端部キャップ2718を貫通して延びて、ベアリング2721によって回転可能に支持され、このベアリングは、例えば、ニードルベアリング、ローラベアリング、又は、スリーブベアリングが含まれる。端部キャップ2718は、マニホールド2720のハウジング2719に取付けられ、ベアリング2721を含む。ポンプ入力軸2721の端部2716は、露出して、エンジン、電気モータ、その他の回転トルクを出力可能な出力源等の外部出力源に連結される。また、ポンプアセンブリ2710は、ポンプアセンブリ2710の両側から延びるポンプ入力軸を有する構成とすることもでき、この場合、ポンプ入力軸2712の反対側の端部2731は、マニホールドハウジング2719に取付けられたマニホールド端部キャップ2729に固定されたベアリング2722によって回転可能に支持される。
【0080】
流体は、ポンプ入口2727を通ってポンプアセンブリ2710に流入し、流体がポンプアセンブリ2710を流通することにより、径方向内側へ移動する。加圧された流体は、ポンプアセンブリ2710の両側2726、2727に沿って配置された1つ以上の吐出ポート2728を通ってポンプアセンブリ2710を出る。加圧流体は、ポンプ2710から吐出されて、バルブ2730の相互接続されたスリーブ2764によって形成されたプレナム2714に流入する。加圧流体は、スリーブ2764の内壁2727とポンプ入力軸2712との間に形成された環状通路2725に沿って、それぞれのバルブ2730に移動する。バルブ2730を開位置に移動させると、加圧流体がスプール2766のオリフィス2780及びスリーブ2782のオリフィス2782を通ってバルブ2730の出口ポート2729に流通する。
【0081】
図28A〜28Bは、可変流量及び圧力要求を有する複数の油圧負荷への加圧流体の供給を制御するためのマニホールド2820を示す。マニホールド2820は、単一のスリーブ2864及び単一のスプール2866を使用する一対のバルブ2830及び2832含む。マニホールド2820は、2つのバルブ2830及び2832を有するように図28A及び28Bに示されているが、実際には、少なくとも一部の特定の用途の要求に応じて、より多くのバルブを含んでもよいものとする。
【0082】
バルブ2830及び2832のそれぞれは、マニホールド2820に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2864及びスリーブ2864の外周に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2866を共有する。スプール2866は、第1位置と第2位置との間でスリーブ2864の長さの一部にわたって前後に移動自在である。
【0083】
スリーブ2864及びスプール2866は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含む。スプール2866は、一連のオリフィス2880を含み、スリーブ2864は、一連のオリフィス2882を含む。バルブ2830に対するスプール2866のオリフィス2882に対応するスリーブ2864のオリフィス2880は、SET1として表され、バルブ2832に対するスプール2866のオリフィス2882に対応するスリーブ2864のオリフィス2880は、SET2として表される。スプール2866は、スリーブ2864に対して第1位置と第2位置との間を軸方向に移動可能である。スプール2866が第1位置にあるとき(図28A)、スプール2866は、流体がスリーブ2864の内部領域からバルブ2830の出口ポート2842に流通できるようにし、スプール2866が第2位置にあるとき(図28B)、スプール2866は、流体がスリーブ2864の内部領域からバルブ2832の出口ポート2844に流通できるようにする。SET1(すなわち、バルブ2830)のオリフィス2880及び2882は、ほぼ共通のパターンで配置されて、スプール2866が第1位置に配置されたとき(図28A)、スプール2866のオリフィス2880がスリーブ2864のオリフィス2882にほぼ整合できるようにする。同様に、SET2(すなわち、バルブ2832)のオリフィス2880及び2882は、ほぼ共通のパターンで配置され、スプール2866が第2位置に配置されたとき(図28B)、スプール2866のオリフィス2880がスリーブ2864のオリフィス2882にほぼ整合できるようにする。スプール2866が第1位置に配置されることにより(図28A)、SET2(すなわち、バルブ2832)のオリフィス2880及び2882は、整合せず、バルブ2832のスプール2866がバルブ2832のスリーブ2864から実質的に流通が遮断される。スプール2866が第2位置に配置されることにより(図28B)、SET1(すなわち、バルブ2830)のオリフィス2880及び2882が整合せず、バルブ2830のスプール2866がバルブ2830のスリーブ2864から実質的に流通が遮断される。
【0084】
スプール2866は、図28Aに第1位置で示され、バルブ2830が開き、バルブ2832が閉じている。バルブ2830は、図28Bに示されるように、スプール2866をスリーブ2864に対して軸方向に摺動することにより、閉位置に配置され、同時にバルブ2832が開く。バルブ2830又は2832のいずれかを開くと、加圧流体は、バルブ2830及び2832を通ってそれぞれの出口ポートに流通する。バルブ2830及び2832の一方を閉じることにより、他方のバルブが開く。同様に、バルブ2830及び2832の一方を開くことにより、他方のバルブが閉じる。
【0085】
また、マニホールド2820は、スプール2866を第2位置と第1位置との間で作動させるためのパイロットバルブ2862を含む。バルブ2830及び2832は、ソレノイド作動のパイロットバルブ2862によって油圧的に作動される。パイロットバルブ2862は、圧力源に流体接続される入口ポート2863を含む。パイロットバルブ2862は、選択的に励磁され、流体圧力をスプール2866の一端部2865に作用させて、スプールをバルブ2832が開きバルブ2830が閉じる第2位置(図28B)から、バルブ2830が開きバルブ2832が閉じる第1位置(図28A)に移動させる。また、バルブ2830及び2832は、バルブ2830が開きバルブ2832が閉じる第1位置(図28A)とバルブ2830が閉じバルブ2832が開く第2位置(図28B)との間で移動させるために、戻しバネ2806として示される付勢手段を使用する。
【0086】
スプール2866のスリーブ2864に対する位置決めは、スプール2866が第1位置(図28A)に配置されたとき、第1端部2812、その他のスプール2866の適当な領域に係合するストップ2811によって制御される。また、スプール2866のスリーブ2864に対する位置決めは、スプール2866が第2位置(図28B)に配置されたとき、第2端部2815、その他のスプール2866の適当な領域に係合する第2のストップ2813によって制御される。
【0087】
一例では、スプール2866は、図28Aに示されるように、パイロットバルブ2862を開位置に配置することにより、第1位置に移動させることができ、この位置はバルブ2830を開き、バルブ2832を閉じる。パイロットバルブ2862を開位置に配置して、加圧流体をスプール2866の端部2825に隣接する室2898に供給する。加圧流体により生じる力が戻しバネ2806によって生じる付勢力に打ち勝って、スプール2866をストップ2811に向かって第1位置に変位させる。パイロットバルブ2862を閉じて室2898を減圧することにより、スプール2866は、第2位置に戻り、バルブ2830を閉じ、バルブ2832を開く(図28B)。これにより、戻しバネ2806によって生じる付勢力がスプールを軸方向に第2位置に摺動できるようする。また、このマニホールドは、パイロットバルブ2862を開位置に配置することにより、バルブ2832を開き、また、パイロットバルブを閉じ位置に配置することにより、バルブ2830を開くように、戻しバネ2806がスプール2866の他端部に配置されるように構成してもよい。
【0088】
バルブ2830及び2832は、内側又は外側のいずれの部材がスプール2866として作動するように構成してもよい。図28A及び28Bに示される一実施形態のバルブでは、内側の部材がスリーブ2864として機能し、外側の部材がスプール2866として機能する(すなわち、スリーブに対して移動可能である)。しかしながら、実際には、内側の部材がスプール2866、外側の部材がスリーブとして作動するように構成されてもよいこととする。さらに、バルブ2830及び2832は、内側及び外側の部材がバルブボディに対して同時に移動するように構成してもよい。この後者の構成は、バルブ作動速度をより速くするが、そのようにすると、複雑さ及びコストの増大のリスクを伴う。
【0089】
開位置に配置されたとき、加圧流体の流れを一実施形態のバルブ2830及び2832を通る径方向外向きの流れとして説明しているが、メイン−ステージマニホールドは、この流れが径方向内向きになるよう構成してもよい。この場合、それぞれの出口ポート2842及び2844として示された通路は、入口ポートとして作動し、入口ポート2842として示された通路は、出口ポートとして作動する。加圧流体がバルブ2830及び2832を流通する方向は、内側又は外側のいずれのバルブ部材がスプールにとして作動するか、あるいは、バルブが作動されるとき、両方の部材が互いに対して移動可能であるかどうかに依存しない。
【0090】
バルブ2830及び2832並びにパイロットバルブ2862は、分離した圧力源を有し、あるいは、共通の圧力源を共有してもよい。図28A及び28Bに示される一実施形態のマニホールド構造では、バルブ2830及び2832並びにパイロットバルブ2862は、共通の圧力源を共有して示されている。バルブ2830及び2832並びにパイロットバルブ2862の両方に供給する加圧流体は、入口ポート2842を通ってメイン−ステージマニホールドに流入する。入口ポート2842は、スリーブ2864に流体接続される。
【0091】
バルブ2830及び2832は、直列に接続されて細長いプレナム2823を形成する。バルブ2832のスリーブ2864の下流側の端部には、パイロットマニホールド2825が流体接続される。パイロットマニホールド2825は、メイン−ステージ流体供給部から流出され、パイロットバルブ2862に供給される一部の加圧流体が通るパイロット供給通路2827を含む。パイロットバルブ2862の入口ポート2863は、パイロット供給通路2827に流体接続される。
【0092】
パイロットマニホールド2825は、逆止弁2870を含む。逆止弁2870は、パイロットマニホールド2825に供給される加圧流体の流れを制御し、また、パイロットマニホールド2825からプレナム2823への流体の逆流を防止するように作動する。逆止弁2870は、あらゆる様々な構造とすることができる。そのような構造の一例が図28A及び28Bに示され、ここでは、パイロットマニホールド2825への及びパイロットマニホールド2825からの流体の流れを制御するためにボールチェックバルブが利用されている。逆止弁2870は、パイロットマニホールド2825の入口通路2874に選択的に係合するボール2872を含む。バネ2876が設けられて、ボール2872を付勢してパイロットマニホールド2825の入口通路2874に係合させている。逆止弁2870を横切る圧力降下がバネ2876により作用する付勢力を超えたとき、ボール2872は、パイロットマニホールド2825の入口通路2874を離脱して加圧流体がプレナム2823からパイロットマニホールド2825に流通できるようにする。油圧マニホールド2820からパイロットマニホールド2825に流れる流体の速度は、逆止弁2870を横切る圧力降下に依存する。この圧力降下が大きいほど、流速が高くなる。逆止弁2870を横切る圧力降下がバネ2876の付勢力よりも小さい、すなわち、パイロットマニホールド2825内の圧力が油圧マニホールド2820ないの圧力を超える場合、チェックバルブボール2872は、パイロットマニホールド2825の入口通路2874に係合して、逆止弁2870の両方向の流体の流れを阻止する。バネ2876のバネレートは、逆止弁2870を横切る圧力降下が所定圧力に達するまで、逆止弁2870が開くのを阻止するように選択される。
【0093】
また、パイロットマニホールド2825は、バルブ2830及び2832を作動させるために使用する加圧流体を貯留するためのアキュムレータ2890を含む。アキュムレータ2890は、あらゆる様々な構造とすることができる。例えば、加圧流体を受入れて貯留するための流体リザーバ2892が含まれる。リザーバ2892は、パイロットマニホールド2825に流体接続される。アキュムレータ2890は、リザーバ2892内に配置されるピストン2894を含む。リザーバ2892内のピストン2894の位置は、リザーバ2892の容積を選択的に変化させるために調整することができる。コイルバネ等の付勢機構2892がピストン2894をリザーバ2892の容積を最小化する方向に付勢する。付勢機構2896は、パイロットマニホールド2825内にある加圧流体によって作用する圧力の力に対抗する付勢力を作用させる。この2つの反対方向の力が不均衡になると、ピストン2894が変位してリザーバ2892の体積が減少又は増大し、これにより、この2つの反対方向の力間のバランスを修復する。少なくともいくつかの状況においては、リザーバ2892内の圧力は、パイロットマニホールド2825内の圧力に一致する。リザーバ2892内の圧力の力が付勢機構2896によって生じる反対方向の力を超えると、ピストン2894は、付勢機構2896に向って変位され、これにより、リザーバ2892の容積及びリザーバ2890に貯留できる流体の量が増大する。リザーバ2892が流体の注入を続けることにより、付勢機構2892によって生じる反対方向の力は、付勢力とリザーバ2892内から作用される反対方向の圧力の力とがほぼ等しくなる点に増大する。この2つの反対方向の力が釣合ったとき、リザーバ2892の容積は、ほぼ一定になる。一方、パイロットバルブ2862の作動により、一般的にパイロットマニホールド2825内の圧力レベルは、リザーバ2892内の圧力レベルよりも下に低下する。このことと、ピストン2894を横切る圧力の力が不均衡であるという事実とが相まって、リザーバ2892に貯留された流体がパイロットマニホールド2825に放出されて、バルブ2830及び2832を作動されるのに使用される。
【0094】
図29Aは、バルブ2930を含むマニホールド2920を示す。バルブ2930は、作動表面2910を有するアクチュエータ2909を含むスプール2966を使用する。バルブ2930は、マニホールド2920に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2964及びスリーブ2964の外周に摺動可能に配置される略円筒状のスプール2966を含む油圧作動のスプールとすることができる。スプール2966は、閉位置との間でスリーブ2964の長さの部分を超えて前後に移動自在である。スリーブ2964及びスプール2966は、それぞれの壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含み、スプール2966は、一連のオリフィス2982を含み、スリーブ2964は、一連のオリフィス2980を含む。
【0095】
バルブ2930は、パイロットバルブ等の作動装置によって油圧作動されて、スプール2966を閉位置から開位置に移動させる。また、バルブ2930は、戻しバネ2906として示される付勢部材を使用して、スプール2866を開位置から閉位置に移動させる。パイロットバルブを開位置に配置することにより、加圧流体の流れが作動表面2910に流体接続された室2998に供給される。この加圧流体は、スプール2966の作動表面2910に対してほぼ軸方向の力を作用させ、この力は、スプール2966をスリーブ2964に対して軸方向に戻しバネ2906に向かう方向に移動させようとする。パイロットバルブを閉じると、室2998が減圧され、これにより、戻しバネ2906がスプール2966を閉位置に戻せるようにする。
【0096】
アクチュエータ2909は、スプール2966の戻しバネ2906とは反対側の端部2914に配置される。スプール2066のオリフィス2982は、縦軸A−Aを含み、オリフィス2982の長さを表す寸法Lは、軸A−Aに略平行に測定される。また、作動表面2910は、厚さT’を含み、厚さT’は、オリフィス2982の寸法Lよりも小さい。
【0097】
スプール2966の壁厚Tは、作動表面2910の壁厚T’よりも大きく、一例では、壁厚Tは、寸法Lにほぼ等しい。壁厚Tは、スプール2966を横切る圧力降下の結果として生じる壁部の撓みを最小化するように選択される。例えば、スリーブ2964の内部領域内の圧力は、スプール2966の外周の回りの圧力よりも高い。スプール2966を横切る圧力降下は、スプールの壁部を外方に撓ませる。撓みの量は、限定しないが、壁厚T、スプールの材料特性及びスプールを横切って生じる圧力降下の大きさを含む様々な要因に依存する。壁の撓みは、特に壁厚Tの増大によって最小化することができる。
【0098】
少なくとも一例において、スプール2966は、例えば壁厚T’等の壁厚の一部に作用する力によって作動される。スプールに加えられる力の大きさは、一般的に作動表面2910及び作用する圧力の大きさの関数である。作用する圧力又は表面積のいずれかが増大すると、一般的にスプール2966にかけられる対応する軸方向の作動力が増大する。作動力の大きさは、作動表面2910の厚さT’を調整することにより制御することができる。
【0099】
作動表面2910は、スプール2966の外側表面2914に隣接して配置される。代りに、図29Bに示されるように、作動表面2910は、スプール2966の内側表面に隣接して配置してもよい。図29A及び29Bの両方を参照して、作動表面2910(図29A)及び2910’(図29B)は、加圧流体がスプール2966に軸方向の力を作用させてスプールを開位置に摺動させることができる面積を提供する。作動表面2910及び2910’に対して作用される圧力は、スプール2966を開位置に付勢する。
【0100】
図30は、バルブ3030を含むマニホールド3020の図である。バルブ3030は、マニホールド3020に対して固定された略円筒状の中空スリーブ3064及びスリーブ3064の外周に摺動可能に配置された略円筒状のスプール3066を含む油圧作動スプールバルブである。スプール3066は、開位置と閉位置との間でスリーブ3064の長さの一部にわたって前後に移動自在である。スリーブ3064及びスプール3066は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含み、スプール3066は、一連のオリフィス3080を含み、スリーブ3064は、一連のオリフィス3082を含む。スプール3066は、図30に閉位置に配置されて示され、スプール3066のオリフィス3080は、スプール3064のオリフィス3082から実質的に流通が遮断されている。スプール3066を開位置に位置決めすると(すなわち、スプールを図30において左へ摺動させることにより)、オリフィス3080がスリーブ3064のオリフィス3082に流体接続する。
【0101】
バルブ3030は、スプールの端部に配置されて、スプール3066を開位置と閉位置との間で移動させるアクチュエータ3008を含む。アクチュエータ3008は、図29Bに示されるアクチュエータ2909と同様の構造を有することができる。一例では、スプールアクチュエータ3008は、コネクタ3010によってスプール3066に固定的に取付けることができる略環状のリングである。アクチュエータ3008は、作動力をかけてスプール3066を閉位置から開位置に付勢することができる作動表面を提供する。また、バルブ3030は、戻しバネ3006として図示され、スプール3066を開位置から閉位置に移動させる付勢部材を含む。
【0102】
スプールアクチュエータ3008は、壁厚T’を含む。図29A〜29Bに示されるものと同様、スプール3066がオリフィス3080を含むスプールの部分を横切って所望の壁厚Tを維持できるようにするのに対して、スプールアクチュエータ3008の厚さT’は、所望の作動力を達成するために、スプール3066の壁厚Tよりも小さい。スプール3066を作動するために要求される力は、スプールアクチュエータ3008の厚さT’を変化させることにより変化する。この構造は、スプールアクチュエータ3008の壁厚T’を所望の作動力が得られる寸法にし、かつ、スプール3066の壁厚Tをスプール3066の外方への撓みを最小化する寸法にする。
【0103】
スプールアクチュエータ3008は、接続部材3010を使用して、スプール3066に接続される。接続部材3010は、スプールアクチュエータ3008の対応するリップ3016に係合するリップ3014及びスプール3066の対応するリップ3019に係合するリップ3018を含む。接続部材3010をスプール3066及びスプールアクチュエータ3008に接続するために他の手段を使用することもでき、これは、限定はしないが、ロウ付け、溶接及び接着を含む。使用される接続方法のタイプは、少なくとも一部において、使用される材料のタイプ及び接続の構造的な要求に依存する。
【0104】
マニホールド3020は、スプールアクチュエータ3008の作動表面3010に流体接続する作動室3012を含む。スプールアクチュエータ3008は、少なくとも一部が作動室3012内に配置されている。また、加圧流体を作動室3012に供給してバルブを作動させるために作動流れポート3014が設けられている。作動流れポート3014は、ポンプ等の圧力源に流体接続されている。作動室3012は、作動流れポート3010から流体圧力を受ける。作動室3012の流体圧力は、マニホールド3020内でスプール3066を開位置に軸方向に移動させるために使用される作動力を与える。作動室3012内にある加圧流体により、この作動力がスプーアクチュエータ3008に作用されて、スプール3066を開位置に向かって変位させる。加圧流体が作動室3012から解放されることにより、戻しバネ3006がスプール3066を閉位置に付勢できるようにする。
【0105】
図31Aを参照して、代替構造のスプール3108は、スプール3166の作動端部3113に連結された少なくとも1つのピン3102を含む。このピン3102は、ピン3102のガイドとして作用するスプールアクチュエータハウジング3106内に収容されて、スプールアクチュエータハウジング3106内で軸方向に摺動する。作動室3112は、ピン3102の一端部に隣接して配置されている。ピン3102の少なくとも一部は、作動室3012に流体接続されている。
【0106】
作動室3112は、圧力源からの加圧流体を受入れる。加圧流体は、マニホールド3120内でスプール3166を軸方向に開位置へ移動させるために使用される作動力を与える。作動室3112内の加圧流体により、作動力がピン3102に作用される。ピン3102の端部に作用された作動力は、スプール3166を開位置に向かって付勢する。戻しバネ3106として図示された付勢部材が設けられて、スプール3166を閉位置に戻すように付勢する。
【0107】
一実施形態の構造では、図31Bに示されるように、アクチュエータハウジング3106内に4つのピン3102が配置されている。アクチュエータハウジング3106は、バルブハウジング3115に固定的に取付けられている。また、アクチュエータハウジング3106は、バルブハウジング3115の一部として構成さている。図31は、アクチュエータハウジング3106内に配置され、かつ、互いに等間隔で配置された4つのピン3102を図示しているが、異なるピンの数又は異なるピンの配分を使用する他の構造も同様に使用できることに注意すべきである。例えば、ピンハウジング3102は、互いに距離の異なる間隔の5つ以上のピン3012を含んでもよい。
【0108】
図1及び32を参照して、油圧マニホールド20(図1A参照)は、ポンプ3212と一体化して、一体化された流体分配モジュール3210を形成している。様々な装置の一体化は、油圧システム内の圧縮性流体の体積を減少させ、延いては、油圧システム内の流体を圧縮するために要求される仕事量の総和を減少させることができ、システム効率を改善することができる。
【0109】
明確化のため、油圧マニホールド20と共通の流体分配モジュール3210のコンポーネント及び機構は、図32において、同様の参照符号を用いて識別する。流体分配モジュール3120は、油圧マニホールド20の制御バルブ30、32、34及び36を含む。制御バルブ30、32、34及び36は、共通のハウジング3212に配置されている。制御バルブ30、32、34及び36の出口ポート44、46、48及び50は、それぞれ、外側ハウジング3212からアクセス可能であり、様々な油圧負荷(図示せず)を流体分配モジュール3210に流体接続することができる。また、1つ以上の制御バルブは、それぞれの制御バルブを作動させるためにソレノイド作動パイロットバルブを使用することができる。
【0110】
様々な油圧負可(図示せず)を運転するために制御バルブに流体接続される加圧流体は、固定容量型ポンプ3214によって供給される。ポンプ3214は、限定はしないが、ギヤポンプ、ベーンポンプ、アキシャルピストンポンプ及びラジアルピストンポンプを含む様々な公知のあらゆる固定容量型ポンプを含む。ポンプ3214は、ポンプを駆動するための駆動軸3216を含む。駆動軸3216は、エンジン、電気モータ、その他の回転トルクを出力可能な動力源等の外部動力源に連結することができる。ポンプ3214の入口ポート3218は、流体リザーバ(図示せず)に流体接続される。油圧マニホールドの入口ポート42は、ポンプ3214の吐出ポート3220に流体接続される。
【0111】
説明のため、単一のポンプ3214が図示されているが、流体分配モジュール3210は、それぞれが、個々の流体回路に加圧流体を供給できる共通の流体ノードに流体接続される吐出ポートを有する複数のポンプを含んでもよい。複数のポンプは、例えば、より高い流速を達成するために並列に、又は、所与の流速に対してより高圧が望まれる場合などのように直列に、流体接続してもよい。
【0112】
ここで説明されたプロセス、システム、方法等に関して、そのようなプロセス等のステップは、特定の決められた順序にしたがって生じるように説明してきたが、そのようなプロセス等は、ここで説明された順序以外の順予で実行することができることを理解すべきである。更に、あるステップは、同時に実行することができ、他のステップを加えることができ、あるいは、ここで説明されたあるステップは省略することができることが理解されるべきである。換言すれば、ここでのプロセスの説明は、特定の実施形態を示す目的のために提供されており、決して特許請求の範囲に記載された発明を限定するように解釈すべきではない。
【0113】
上述の説明は、例示を意図し、限定を意図しないことが理解されるべきである。上述の説明を読めば、提供された例以外の多くの実施形態及び適用例が当業者には、明らかになる。本発明の範囲は、上述の説明にかかわらず、代りに、添付の特許請求の範囲と共に、与えられたそのような特許請求の範囲と均等な全範囲に基づいて決定されるべきである。ここに説明された技術において更なる開発が生じ、また、開示されたシステム及び方法は、更なる実施形態として組込まれるであろうことが見込まれ、意図されている。つまり、本発明は、修正及び応用が可能であり、特許請求の範囲のみによって限定されることが理解されるべきである。
【0114】
特許請求の範囲において使用される全ての用語は、ここで明示された規定のある場合を除き、それらの最も広い妥当な構成及び当業者によって理解される通常の意味が与えられるものとする。特に、「1つの(a)」、「その(the)」「前記(said)」等のような単数形の冠詞の使用は、特許請求の範囲に明示の規定がある場合を除き、1つ以上の示された要素を挙げるものと解釈すべきである。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月2日に提出された米国特許出願第12/476996号及び2009年6月2日に提出された国際特許出願第PCT/US09/45984号について優先権を主張し、その全てを援用するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧システムは、時間と共に変化する異なる流量及び圧力要求をそれぞれが有する複数の油圧負荷を含むことができる。この油圧システムは、油圧負荷に加圧流体の流れを供給するためのポンプを含むことができる。固定容量型ポンプは、可変容量型ポンプよりも小型、軽量かつ安価であることが多い。一般的に、固定容量型ポンプは、ポンプ動作の各サイクルの間、一定の体積の流体を供給する。この固定容量型ポンプの出力体積は、ポンプの速度を調整することによって制御することができる。固定容量型ポンプの出口を閉じる又は絞ることにより、対応するシステム圧力が増大することになる。油圧システムの過度の加圧を防止するため、固定容量型ポンプは、ポンプ出力が複数の油圧負荷の流量要求を超える時間中、システム内の圧力レベルを制御するために、一般的に圧力レギュレータまたはアンロードバルブを利用する。油圧システムは、更に、加圧流体の複数の油圧負荷への分配を制御するための様々なバルブを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1A】図1Aは、メイン−ステージマニホールド及びパイロットバルブマニホールドを含む一実施形態のバルブマニホールド側面の縦断面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのメイン−ステージマニホールドの一部を拡大して示す図である。
【図1C】図1Cは、図1Aのメイン−ステージマニホールドの一部を拡大して示す図である。
【図2A】図2Aは、互いに平行配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを示す図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの並列バルブ配置を概略的に示す図である。
【図3A】図3Aは、ラジアル配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを示す図である。
【図3B】図3Aのラジアルバルブ配置を概略的に示す図である。
【図4】図1Aの直線状バルブ配置を概略的に示す図である。
【図5】分割直線状配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを概略的に示す図である。
【図6A】環状に配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを示す図である。
【図6B】図6Aの環状バルブ配置を概略的に示す図である。
【図7A】2×2同軸配置された複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドを示す図である。
【図7B】図7Aの同軸バルブ配置を概略的に示す図である。
【図8】図8は、メイン−ステージバルブの縦方向の側部に沿って外部に配置されたパイロットバルブを有するバルブアセンブリを概略的に示す図である。
【図9】メイン−ステージバルブの端部に隣接して外部に配置されたパイロットバルブを有するバルブアセンブリを概略的に示す図である。
【図10】メイン−ステージバルブ内部に配置されたパイロットバルブを有するバルブアセンブリを概略的に示す図である。
【図11】それぞれがパイロットバルブを使用して開弁し、戻しバネを使用して閉弁する複数のメイン−ステージバルブを含む一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図12】それぞれがパイロットバルブを使用して開弁し、共有の戻し圧力バルブを使用して閉弁する複数のメイン−ステージバルブを含む一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図13】それぞれが1つのパイロットバルブを使用して開弁し、1つのパイロットバルブを使用して閉弁する複数のメイン−ステージバルブを含む一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図14】複数のパイロットバルブを使用して開閉する複数のメイン−ステージバルブを含む一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図15】図14の一実施形態の油圧システムと共に使用されて、メイン−ステージバルブの作動を制御するための様々なオプションを識別する論理テーブルを示す図である。
【図16】付勢部材を使用してメイン−ステージスプールを閉位置に予荷重する図14の一実施形態の油圧システムを概略的に示す図である。
【図17】図16の一実施形態の油圧システムと共に使用されて、メイン−ステージバルブの作動を制御するための様々なオプションを識別する論理テーブルを示す図である。
【図18a−18b】図16の一実施形態の油圧システムと共に使用されて、メイン−ステージバルブの作動を制御するための様々な追加のオプションを識別する論理テーブルを示す図である。
【図19A】上流側の圧力に応答してメイン−ステージバルブを開くように構成された一体化された圧力補助機構を使用する一実施形態のメイン−ステージバルブの縦断面図である。
【図19B】閉位置に配置された図19Aのメイン−ステージバルブの一部を拡大して示す図である。
【図19C】開位置に配置された図19Bに示されるメイン−ステージバルブの部分を示す図である。
【図20A】上流側の圧力に応答してメイン−ステージバルブを閉じるように構成された一体化された圧力補助機構を使用する一実施形態のメイン−ステージバルブの縦断面図である。
【図20B】閉位置に配置された図20Aのメイン−ステージバルブの一部を拡大して示す図である。
【図20C】開位置に配置された図20Bに示されるメイン−ステージバルブの部分を示す図である。
【図21A】下流側の圧力に応答してメイン−ステージバルブを開くように構成された一体化された圧力補助機構を使用する一実施形態のメイン−ステージバルブの縦断面図である。
【図21B】閉位置に配置された図21Aのメイン−ステージバルブの一部を拡大して示す図である。
【図21C】開位置に配置された図21Bに示されるメイン−ステージバルブの部分を示す図である。
【図22A】下流側の圧力に応答してメイン−ステージバルブを閉じるように構成された一体化された圧力補助機構を使用する一実施形態のメイン−ステージバルブの縦断面図である。
【図22B】閉位置に配置された図22Aのメイン−ステージバルブの一部を拡大して示す図である。
【図22C】開位置に配置された図22Bに示されるメイン−ステージバルブの部分を示す図である。
【図23】メイン−ステージバルブのスプールが閉位置と開位置との間で移動されるときに生じる衝撃力を減少させるためにメイン−ステージバルブと共に使用されるダンピングシステムの部分断面図である。
【図24】図23に示すダンピングシステムを拡大して示す部分断面図である。
【図25A】メイン−ステージバルブのスプールが閉位置に移動されるときに生じる衝撃力を減少させるためにメイン−ステージバルブと共に使用されるダンピングシステムの部分断面図である。
【図25B】図25Aに見られるダンピングリング及びスプールの分解図である。
【図26】油圧ポンプアセンブリと一体化された図1A及び図4の直線状バルブ配置の部分断面図である。
【図27】油圧ポンプアセンブリと一体化された図5の直線状バルブ配置の部分断面図である。
【図28A】スプールが第1位置に配置された共通のスプール及びスリーブを共有する複数のメイン−ステージバルブを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図28B】スプールが第2位置に配置された図28Aの一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図29A】スプールの外側端部表面に隣接して配置されたスプール作動表面を使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図29B】スプールの内側端部表面に隣接して配置されたスプール作動表面を使用する図29Aに示される一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図30】リング状のバルブアクチュエータを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図31A】ピン状のバルブアクチュエータを使用する一実施形態のメイン−ステージマニホールドの部分断面図である。
【図31B】図31Aに示されるメイン−ステージマニホールドの端面の部分断面である。
【図32】圧縮性流体の体積を最小化してシステム作動効率を改善するための一体化された油圧流体分配モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
以下の詳細な説明及び図面を参照して、開示されたシステムの実施形態が詳細に示されている。図は、いくつかの可能な実施形態を表すが、これらの図は、必ずしも正確な縮尺ではなく、開示された装置のよりよい図示及び説明のために、特定の特徴が誇張され、取除かれ、あるいは、一部が破断されている。更に、ここに示した説明は、完全なもの、あるいは、特許請求の範囲を図及び以下の詳細な説明に開示されたそのままの形状及び形態に限定、すなわち、制限することを意図していない。
【0005】
図1Aは、可変流量及び可変圧力要求を有する複数の油圧負荷への加圧流体の分配を制御するための一実施形態の油圧マニホールド20を示している。説明のため、マニホールド20は、それぞれがメイン−ステージバルブ30、32、34及び36として特定される4つの分離したバルブを含むように示されている。マニホールド20は、4つのバルブ30、32、34及び36を含むように示されているが、特定の適用例の要求に応じて、より少ない又はより多くのバルブを含んでもよい。各メイン−ステージバルブは、1つ又はそれ以上の油圧負荷に流体接続することができる。一例として、これらの油圧負荷は、これに限定されないが、油圧シリンダ及び油圧モータ等の様々な油圧作動装置を含むことができる。メイン−ステージバルブは、それぞれの油圧負荷への流体の圧力及び流量を選択的に調整することにより、油圧負荷の作動を制御する。
【0006】
これらのバルブ30、32、34及び36は、メイン−ステージマニホールドを形成するための様々な配置で相互接続できるように適当に構成することができる。図1Aに示されるメイン−ステージマニホールドの配置では、メイン−ステージバルブは、一直線状に一体に並べられている。「一直線」という用語は、個々のバルブスプールが概して端部と端部とを接して直線状に配置されていることを意味する。また、これらのメイン−ステージバルブは、以下に説明する実施形態のように他の様々な形態で配置することもできる。
【0007】
この一実施形態のメイン−ステージマニホールドは、マニホールド20に流入した高圧流体が通る入口ポート42を含む。4つのメイン−ステージバルブの数である4つの出口ポート44、46、48及び50を対応する油圧負荷に流体接続することができる。入口ポート42は、固定容量型ポンプ(図示せず)等の加圧流体源に流体接続することができる。これらに限定しないが、ギヤポンプ、ベーンポンプ、アキシャルピストンポンプ及びラジアルピストンポンプを含む様々なポンプ形式を利用することができる。しかしながら、加圧流体の流れを発生可能な他の装置も利用可能であることが分かる。流体源から受入れた加圧流体は、入口ポート42を通してメイン−マニホールド20に入り、1つ以上の出口ポート44,46、48及び50を通ってメイン−ステージマニホールドを出る。これらのバルブ30、32、34及び36は、入口ポート42から、それぞれの出口ポート44,46、48及び50への加圧流体の流れを選択的に制御する。
【0008】
各バルブ30、32、34及び36は、油圧作動のスプールバルブ40を含む。各バルブ30、32、34及び36は、バルブボディ38及びバルブボディ38内に配置されたスプールバルブ40を含む。各スプールバルブ40は、スリーブ64として示されてバルブボディ38に対して固定された略円筒状の中空スリーブ、及び、スプール66として示されてスリーブ64の外周に摺動可能に配置された略円筒状のスプールを含む。スプール66は、スリーブ64の長さの一部にわたって進退動可能である。「スプール」及び「スリーブ」という用語は、一般的にスプールバルブの部品を説明するために使用されるが、これらの用語は、一貫して同じ部品を示すために常に使用されるわけではない。したがって、この実施形態をとおして、「スリーブ」という用語は、固定した部品を示し、「スプール」という用語は、固定した部品に対して移動可能な部品を示すものとする。このため、本説明のスプールバルブ40については、内側の部材がバルブボディ38に対して固定されるので、これを「スリーブ」として示すことにし、これに対して、スリーブに対して移動可能に配置された外側の部材を「スプール」として示すものとする。一方、外側部材がバルブボディに対して固定されて、内側部材が外側部材に対して移動可能であれば、内側部材が「スプール」として示され、外側部材が「スリーブ」として示される。
【0009】
スリーブ64及びスプール66のそれぞれは、各部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含み、スプール66は、一連のオリフィス80を含み、スリーブ64は、一連のオリフィス82を含む。オリフィス80及び82は、図1Cに示されるように、ほぼ共通のパターンで配置されて、スプール66がスリーブ64に対して開位置に配置されたとき、スプール66のオリフィス80がスリーブ64のオリフィス82にほぼ整合するようになっている。バルブ30、32、34及び36は、スプール66のオリフィス80がスリーブ64のオリフィス82に整合するように、スプール66をスリーブ64に対して軸方向に摺動させることにより、開位置(例えば、図1Cに示されるバルブ36)に配置することができる。このような配置は、加圧流体をスプールバルブ40を通してバルブ30、32、34及び36のそれぞれの出口ポート44,46、48及び50に流通できるようにする。スプール66は、スプール66及びスリーブ64のオリフィスを意図的にずらしてバルブを通る流体の流れを阻止するようにスプール66をスリーブ64に対して軸方向に摺動することにより、閉位置(例えば、図1Aに示されるバルブ36)に戻すことができる。4つの各バルブ30、32、34及び36のスプール66は、図1Aでは、閉位置に図示されている。
【0010】
バルブ30、32、34及び36は、例えばソレノイド作動のパイロットバルブ62によって油圧作動することができる。パイロットバルブ62は、圧力源に流体接続される入口ポート92を含んでいる。図1Bを参照して、パイロットバルブ62の出口ポート96は、スプール66の段付領域100及びバルブボディ38の壁部102によって少なくとも一部が形成された流体室98に流体接続している。各スプール66の段付領域100は、概して垂直に向いた表面108を含む。流体室98を加圧することにより、スプール66の表面108に対して概して軸方向の力を作用させ、この力は、スプール66をスリーブ64に対して軸方向に開位置へ移動しようとする。
【0011】
図1Aに戻って、スプールバルブは、それぞれ付勢部材106を使用し、この付勢部材106は、コイルバネ及び板バネ等の様々な形態を含むことができ、スプール66を開位置から閉位置へ移動させる。また、スプールバルブは、スプール66を閉位置から開位置へ移動させる付勢部材を有するように構成してもよい。付勢部材106は、スプール66に対して付勢力を作用させ、この付勢力は、スプール66の反対側の端部の流体室98を加圧することにより生じる付勢力とはほぼ反対方向になる。バルブ30、32、34及び36は、流体室98を充分に加圧して付勢部材106によって生じる付勢力に打勝つことにより、開位置に移動させることができる。そうすることにより、図1Cに示されるように、スプール66をスリーブ64に対して軸方向に摺動させて、スプール66のオリフィス80をスリーブ64のオリフィス82に流体接続する。スプール66のスリーブ64に対する位置決めは、スプール66のオリフィス80がスリーブ64のオリフィス82に流体接続されるとき、スプール66の第1端部112に係合するストップ部110、又は、スプール66の他の適当な部分によって制御することができる。また、スリーブ64のスプール66に対する位置決めを制御するために、他の機構を使用してもよい。
【0012】
スプール66は、パイロットバルブ62を流体室98の加圧を解除するように調整することにより、閉位置に移動することができる。これにより、付勢部材106によって作用される付勢力がスプール66を軸方向に閉位置に摺動できるようにする。スプール66が閉位置に移動されたとき、スプール66のオリフィス80は、スリーブ64のオリフィス82から意図的に軸方向にずらされる。スプール66の閉位置の位置決めは、スプール66の端部113又はスプール66の他の適当な部分をストップ部110と反対側に配置された第2ストップ部114に係合させることにより、制御することができる。
【0013】
バルブ30、32、34及び36は、内側又は外側部材のいずれかがスプール66として作動するように構成することもできる。図1Aに示された一実施形態のメイン−ステージバルブでは、内側部材がスリーブ64として機能し、外側部材がスプール66として(すなわち、スリーブに対して移動可能に)機能する。一方、他の実施形態として、内側部材をスプール66として機能するように構成し、外側部材をスリーブ64としてもよい。更に、また、バルブ30、32、34及び36は、内側及び外側部材の両方が同時に互いに反対方向にバルブボディ38に対して移動するように構成してもよい。後者の構成は、バルブ作動速度をより速くするが、システムがより複雑になる。
【0014】
開位置のとき、加圧流体の流れが本実施形態のバルブ30、32、34及び36を径方向外向きの流れとなるように説明したが、メイン−ステージマニホールドは、流れが径方向内向きになるように構成してもよいものとする。この場合、図1Aにおいて、それぞれ出口ポート44、46、48及び50として示される複数の通路は、1つの入口ポートとして作動し、入口ポート42として示される通路は、出口ポートとして作動する。バルブ30、32、34及び36を通る加圧流体の方向は、バルブが作動するとき、内側又は外側バルブ部材がスプールとして作動するか、あるいは、両方の部材が互いに移動可能であるかどうかに依存しない。
【0015】
バルブ30、32、34及び36並びにパイロットバルブ62は、分離した圧力源を有してもよく、また、共通の圧力源を有してもよい。図1Aに示される本実施形態のマニホールド構造では、バルブ30、32、34及び36並びにパイロットバルブ62は、共通の圧力源を共有するように示されている。バルブ30、32、34及び36並びにパイロットバルブ62の両方に供給する加圧流体は、入口ポート42を通してメイン−ステージマニホールドに流入する。この入口ポート42は、第1バルブ30のスリーブ64に流体接続されている。
【0016】
バルブ30、32、34及び36のスリーブ64は、直列に接続されて細長いプレナム120を形成する。この直列の端部のバルブ36のスリーブ64の下流側端部には、パイロットマニホールド122が流体接続されている。パイロットマニホールド122は、メイン−ステージ流体供給源から流出してパイロットバルブ62に分配する加圧流体の一部が通るパイロット供給通路124を含む。各パイロットバルブ62の入口ポート92は、パイロット供給通路124に流体接続される。少なくとも1つのパイロットバルブ62が作動するとき、パイロット供給通路124内にある流体の一部が、パイロットバルブ62を通ってスプール66に隣接する流体室98に流れ、これにより、バルブ30、32、34及び36の少なくとも1つが開位置に作動する。
【0017】
引続き図1Aを参照して、パイロットマニホールド122は、逆止弁130を含む。逆止弁130は、パイロットマニホールド122に分配される加圧流体の流れを制御し、また、流体がパイロットマニホールド122からプレナム120に逆流するのを防止する。逆止弁130は、様々なあらゆる構造とすることができる。そのような構造の一例が図1Aに示され、ここでは、パイロットマニホールド122への及びパイロットマニホールド122からの流体の流れを制御するためにボールチェックバルブが利用されている。逆止弁130は、パイロットマニホールド122の入口通路134に選択的に係合するボール132を含む。バネ136がボール132を付勢してパイロットマニホールド122の入口通路134に係合させる。逆止弁130を横切る圧力降下がバネ136によって作用する付勢力を超えたとき、ボール132は、パイロットマニホールド122の入口通路134から離脱して、加圧流体のプレナム120からパイロットマニホールド122への流れを許容する。油圧マニホールド20からパイロットマニホールド122に流れる流体の流速は、逆止弁130を横切る圧力降下に依存する。圧力降下が大きいと、流速が速くなる。逆止弁130を横切る圧力降下がバネ136の付勢力よりも小さいとき、すなわち、パイロットマニホールド122内の圧力がプレナム120内の圧力を超えた場合、チェックバルブボール132は、パイロットマニホールド122の入口通路134に係合して、逆止弁130を通る両方向の流れを阻止する。バネ136のバネレートは、逆止弁130を横切る圧力降下が所望の圧力降下に達するまで、逆止弁130が開弁しないように選択される。
【0018】
また、パイロットマニホールド122は、油圧流体から異物を取除くためにフィルタ140を使用してもよい。フィルタ140は、パイロットバルブ62をマニホールド20に接続するパイロット供給通路124に配置することができる。バンドフィルタ及びカートリッジフィルタ、その他のフィルタを含む広範なフィルタ140を使用することができるが、これらに限定されない。バンドフィルタは、コスト効果に優れ、一般的に、カートリッジフィルタよりも小さい包装材料で潜在的により高い圧力降下を許容することができる。一方、カートリッジフィルタは、目詰まりしたとき、交換することができ、また、一般的にバンドフィルタよりも大きなフィルタ表面積を有するが、より大きな包装材料を必要とする。
【0019】
また、パイロットマニホールド122は、バルブ30、32、34及び36を作動させるために使用される加圧流体を貯留するためのアキュムレータ142を含む。アキュムレータ142は、あらゆる様々な構造とすることができる。例えば、図1Aに示される一実施形態では、加圧流体を受入れて貯留するための流体リザーバ144を含む。リザーバ144は、パイロットマニホールド122に流体接続される。アキュムレータ142は、リザーバ144内には位置された移動可能なピストン146を含む。リザーバ144内のピストン146の位置によってリザーバ144の容積の選択的な変化を調整することができる。コイルバネ等の付勢機構148がピストン146をリザーバ144の容積を最小化する方向に付勢する。付勢手段148は、パイロットマニホールド122内にある加圧流体によって作用する圧力に対抗する付勢力を作用させる。この2つの対抗する力が、不均衡になったとき、ピストン146は、リザーバ144の容積を増大する、又は、縮小する、いずれかの方向に変位し、これにより、これらの対抗する2つの力の間のバランスを修復する。少なくともいくつかの状況では、リザーバ144内の圧力レベルは、パイロットマニホールド122内の圧力に対応する。リザーバ144内の圧力による力が付勢機構148によって生じる対抗力を超えた場合、ピストン146は、付勢機構148に向って変位し、これにより、リザーバ144の容積が増大して、アキュムレータ142に貯留できる流体の量が増大する。リザーバ144が流体の充填を続けて、付勢機構148によって発生する対抗力が、その付勢力とリザーバ144内から作用する対抗する圧力による力とがほぼ等しくなる点まで増大する。この2つの対抗力が釣合ったとき、リザーバ144の容積がほぼ一定に維持される。一方、1つ又はそれ以上のパイロットバルブ62の作動により、一般的に、パイロットマニホールド122内の圧力レベルがリザーバ144内の圧力レベルよりも低下する。このことが、ピストン146を横切る圧力による力が、その後、不均衡になるということと組み合されて、リザーバ144に貯留された流体がパイロットマニホールド122に放出されて、バルブ30、32、34及び36を作動するために使用される。
【0020】
バルブ30、32、34及び36は、マニホールド20内に様々な態様で配置することができる。様々なバルブ配置の例が以下に説明されており、図2A及び2Bに示されるような平行配置;図3A及び3Bに示されるようなラジアル配置;図1A及び4に示されるような直線状配置;図5に示されるような分割直線状配置;図6A及び6Bに示されるような環状配置;及び図7A及び7Bに示されるようなツーバイツー(2×2)同軸配置を含むが、これらに限定されない。様々なバルブ配置を記載した図は、それぞれ、メイン−ステージバルブの構造を記載するマニホールド20の断面図、並びに、流体通路がメイン−ステージマニホールド及び個々のメイン−ステージバルブ(図5に示される分割直線状配置を除く)を通る態様を示すマニホールド20の1つ又はそれ以上の概略図を含む。これらは、単に可能なバルブ配置のほんの一部に過ぎず、実際には、特定の用途の要求に応じて他の配置を使用することもできる。本実施形態のバルブ配置は、いかなる限定をも意図せず、他の配置を利用してもよい。
【0021】
図2Aを参照して、マニホールド220は、2つ又はそれ以上の平行配置のバルブ230を含み、バルブ230の縦軸A−Aは、互いに略平行に整列されている。各バルブ230のスプール266及びスリーブ264は、スプール266(可動部材)が外側部材で、スリーブ264(固定部材)が内側部材となるように配置されている。また、バルブ230は、外側部材がスリーブ264として作動し、内側部材がスプール266として作動するように構成されている。各バルブ230のスプール266の移動経路は、バルブの縦軸にほぼ一致し、互いにほぼ平行に整列されている。これらのスプール266の移動経路は、ほぼ同一平面内に配置されている。バルブ230は、マニホールド通路222の同じ側に配置されている。
【0022】
図2Bも参照して、各バルブ230の入口292は、マニホールド供給通路222に流体接続されている。加圧流体は、圧力源に流体接続された入口242を通ってマニホールド供給通路222に流入する。この流体は、マニホールド供給通路222を通ってそれぞれのバルブ230の入口292に流れる。1つ以上のバルブの作動(すなわち開弁)は、加圧流体をマニホールド供給通路222からバルブ230のスプール266の内部室232に流通できるようにする。その点から流体は、スリーブ264のオリフィス280及びスプール266のオリフィス282を通って径方向外側へ流れ、その後、油圧負荷への対応する油圧回路を通るように方向付けられる。特定の性能上の利益を提供するのに加えて、平行バルブ配置は、機械加工及び組立て作業の簡素化により、製造コストを減少することができる。また、この特定の配置は、マニホールド220を特定の用途の要求に応じて容易に修正して、いかなる数のバルブを含むようにすることもできる。
【0023】
図3A及びず3Bを参照して、マニホールド320は、ラジアル配置に構成された2つ以上のバルブ330を含み、バルブ330は、共通の流体ノード342の軸A−Aの回りのほぼ円形パターンで配置されている。マニホールド320は、例えば図3Bに示されるように、車輪のスポークに類似した態様で、共通の流体ノード342から径方向外向きに延びる一連の供給通路391を含む。バルブ330の入口ポート392は、供給通路391に流体接続される。各バルブ330のスプール366及びスリーブ364は、スプール366(可動部材)が外側部材で、スリーブ364(固定部材)が内側部材となるように構成されるが、バルブ部材330は、機能が逆になるように構成されてもよい。加圧流体は、圧力源に流体接続される入口ポート393を通して供給通路391に流入する。流体は、供給通路391を通ってそれぞれのバルブ330の入口通路に流れる。1つ以上のバルブ330が作動(すなわち、開弁)することにより、加圧流体がスリーブ364のオリフィス380及びスプール366のオリフィス382を通って径方向外向きに流れるようにし、その後、油圧負荷への対応する油圧回路を流通する。
【0024】
図1A及び図4を参照して、バルブ30、32、34及び36は、マニホールド20において直線状に配置されて示され、バルブ30、32、34及び36のスリーブ64は、共通の縦軸A−Aに沿って端部どうしが隣接して配置されている。図4は、図1Aのマニホールドの概略図であり、マニホールドを通る流体通路を示している。各バルブ30、32、34及び36のスプール66及びスリーブ64は、スプール66(可動部材)が外側部材でスリーブ64(固定部材)が内側部材となるように構成されている。この構成において、スリーブ64は、共通の縦軸A−Aに沿って一体的に接続されて、連続した円筒状の供給通路91を形成する。加圧流体は、圧力源に流体接続された入口ポート42を通って供給通路に流入する。1つ以上のバルブ30、32、34及び36が作動(すなわち、開弁)することにより、加圧流体がスプール66のオリフィス80及びスリーブ64のオリフィス82を通って径方向外向きに流れて、油圧負荷に供給するための相互接続された油圧回路に流れるようにする。特定のバルブに送られる流体は、特定のバルブに送られる前に、それぞれの前のバルブのスリーブ64を通って流れる。例えば、一連の最後のバルブ36に送られる流体は、前のバルブ30、32及び34のそれぞれのスリーブ64を通って流れる。この直線状バルブ配置は、メイン−ステージの入口容積を最小限にし、延いては、油圧システムの全体の作動効率を改善することができる。各バルブ30のスプール66の移動経路は、互いにほぼ平行に整列され、それぞれのスプール66の移動経路は、ほぼ共通軸に沿って延びている。バルブ30、32、34及び36は、それぞれ共通の縦軸A−Aを有し、この縦軸は、スプール66の移動経路とほぼ平行に配置されている。縦軸A−Aは、マニホールド20において、全てのバルブ30、32、34及び36によって共有される共通の軸である。供給通路91は、バルブの軸A−Aとほぼ同軸である。
【0025】
図5に記載された実施形態のバルブ配置は、マニホールド520を含んだ図4に示される直線状バルブ配置の修正された態様を概略的に示すものである。この配置は、分割直線状配置と呼ばれ、供給通路592の両側側に配置された2つの対に分離された4つのバルブ530を含む。バルブ530のそれぞれの対は、直線状配置に関して上述された態様で端部どうしが隣接して配置されている。加圧流体は、供給通路592を通してバルブ530の各対に供給される。加圧流体は、図1A及び図4に示されるように、直線状バルブ配置に関して前述したように、バルブ530の各対に供給される。バルブ530の各セットは、2つ以上のバルブ530を含んでもよいこととする。それぞれのバルブ530のスプールの移動経路は、互いにほぼ平行に整列されている。スプールの移動経路は、ほぼ共通の軸に沿って延びている。例えば、バルブ530は、スプールの移動経路にほぼ平行に延びる共通の縦軸A−Aに沿って配置されて、マニホールド520において、縦軸A−Aは全てのバルブ530によって共有される共通の軸となっている。
【0026】
図6A及び6Bを参照して、マニホールド620は、図3A及び3Bに示される配置と同様の環状配置に配置された2つ以上のバルブ630を含む。バルブ630は、環状のプレナム693の軸A−A回りのほぼ円形パターンで配置されている。メイン−ステージマニホールド620は、圧力源に流体接続される入口ポート692を含む。入口ポート692は、加圧流体を環状のプレナム693に送る。バルブ630は、環状のプレナム693の回りに配置され、プレナム693に流体接続されている。各バルブ630のスプール666及びスリーブ664は、スプール666(可動部材)が外側部材で、スリーブ664(固定部材)が内側部材となるように構成されている。しかしながら、バルブ630は、外側部材がスリーブ664として作動し、内側部材がスプール666として作動するように構成してもよいこととする。加圧流体は、圧力源に接続される入口ポート692に流入する。この流体は、入口ポート692を通って環状のプレナム693に流れる。1つ以上のバルブが作動(すなわち、開弁)したとき、加圧流体は、環状のプレナム693からバルブ630を通って出口ポート644に流れる。前に説明したバルブ配置とは異なり、加圧流体は、スプール666及びスリーブ664のオリフィスを通して径方向内向きにバルブ630の出口ポート644に流れる。スリーブ664の内側は、バルブ630の出口ポート644に流体接続される。出口ポート644は、油圧負荷に流体接続される。
【0027】
図7A及び7Bを参照して、マニホールド720は、図2A及び2Bに記載された配置に類似するツーバイツー(2×2)同軸配置で配置された複数のバルブ730を含む。この配置は、共通のマニホールド供給通路793の両側に配置された2組のバルブ730を含む。所与のセットのバルブ730の縦軸A−Aは、互いにほぼ平行に整列されている。各バルブ730のスプール766及びスリーブ764は、スプール766(可動部材)が内側部材で、スリーブ(固定部材)が外側部材となるように配置されている。しかしながら、バルブ730は、内側部材がスリーブ764として作動し、外側部材がスプール766として作動するように構成することもできるものとする。各バルブ730の入口791は、マニホールド供給通路793に流体接続されている。加圧流体は、圧力源に流体接続される入口ポート792を通ってマニホールド供給通路793に流入する。この流体は、マニホールド供給通路793を通ってそれぞれのバルブ730の入口通路791に流れる。1つ以上のバルブ730が作動(すなわち、開弁)することにより、加圧流体がマニホールド供給通路793からスプール766の内部室732に流れるようにする。この点から、流体は、スプール766のオリフィス780及びスリーブ764のオリフィス782を通って径方向外向きに流れ、その後、油圧負荷への対応する油圧回路を通るように導かれる。各バルブ730のスプール766の移動経路は、少なくとも1つの他のバルブ730にほぼ平行に整列され、少なくとも1つの他のバルブ730にほぼ共通の平面内に配置される。各バルブ730は、少なくとも1つの他のバルブ730と共通の縦軸A−Aを共有する。
【0028】
パイロットバルブをメイン−ステージバルブに取付けるために様々な選択肢がある。3つの例示的なパイロットバルブの取付の選択肢が図8〜10に概略的に示されている。例えば、図8に示すように、パイロットバルブ862は、関連するメイン−ステージバルブ830の側部の外部に取付けることができる。この配置は、図1に示されるメイン−ステージバルブ及びパイロットバルブの配置に類似する。また、図9に示されるように、パイロットバルブ962をメイン−ステージバルブ930の端部の外部に取付けてもよい。また、図10に示されるように、パイロットバルブ1062は、少なくとも一部をメイン−ステージバルブ1030の内部に一体化することができる。
【0029】
図1A〜10に示されるバルブ配置は、様々な作動態様を使用することができる。バルブを作動させるためのそのような態様の一例が図11に概略的に示されている。この構造は、パイロットバルブ1162及び戻しバネ1106等の付勢部材を利用して、各メイン−ステージバルブ1130の作動を制御する。戻しバネ1106は、戻しバネ1106は、コイルバネ及び板バネを含むあらゆる様々な態様とすることができるが、これらに限定されない。ポンプ1133及び1135等の分離した圧力源が設けられて、加圧流体の流れをパイロットバルブ1162及びメイン−ステージバルブ1130のそれぞれに供給する。圧力源の吐出圧力を制御するために圧力レギュレータが設けられる。しかしながら、パイロットバルブ1162及びメイン−ステージバルブ1130は、共通の圧力源を利用してもよいこととする。共通の圧力源を利用するように構成された一体化されたパイロットバルブ1162及びメイン−ステージバルブマニホールドの一例が図1A、2A及び3Aに示されている。
【0030】
引続き図11を参照して、メイン−ステージバルブは、パイロットバルブ1162及び戻しバネ1106によって制御することができる。一例においては、パイロットバルブ1162は、1つ以上のソレノイドによって作動される。ソレノイドは、コイルを含み、このコイルは、励磁されたときパイロットバルブ1162を開位置と閉位置との間で移動させる。パイロットバルブ1162を開位置に配置することにより、ポンプ1133からの加圧流体をパイロットバルブ1162を通してメイン−ステージバルブ1130に流通させることができる。パイロットバルブ1162からの加圧流体により、メイン−ステージバルブ1130のスプールが開位置に移動し(図1Aに関して前述したように)、これにより、加圧流体をポンプ1135からバルブ1130を通して油圧負荷1137に流通させることができる。パイロットバルブ1162をダンプ位置に配置することにより、パイロットバルブがバルブ1130を開くために使用される加圧流体の流れを停止して、パイロットバルブを低圧リザーバ1163に流体接続する。これにより、戻しバネ1106の付勢力がメイン−ステージバルブ1130のスプールを移動させて閉位置に戻し、これにより、加圧流体の油圧負荷1137への流れを遮断する。
【0031】
メイン−ステージスプールを閉位置に戻すために戻しバネ1106を利用することは、システム圧力が低下した場合のフェイルセーフ機構の提供として優れている。このようなことが起こった場合、戻しバネ1106が作動してバルブ1130を閉じる。
【0032】
戻しバネ1106は、メイン−ステージバルブの開閉の応答時間の所望のバランスが得られる強さとする。戻しバネ1106のバネレートを増大又は減少は、開閉応答時間の違いに影響する。例えば、バネレート増大すると、一般的に、所与の供給圧力に対して閉弁応答時間が対応して短縮し、開弁応答時間が対応して増大することになる。対応する開弁応答時間の増大は、戻しバネ1106の付勢力が制御されたパイロット操作力の運動に抗して作用することよるものである。対応する開弁応答時間の増大は、例えば、メイン−ステージバルブ1130を作動させるために使用される圧力の上昇によって解消されるが、そのようにすることは、いつも実行可能な代案であるとは限らない。反対に、戻しバネのバネレートを減少させると、一般的に、閉弁応答時間が対応して増大し、開弁応答時間が対応して減少することになる。したがって、戻しバネ1106の強さは、特定の用途に対して要求される所望のバルブ開閉応答時間、同様に、パイロット制御される操作力の大きさを含む様々な要因に依存するが、これらの要因に限定されない。
【0033】
図12を参照して、図11に示されたメイン−ステージバルブの操作態様が、メイン−ステージ戻しバネ1106が省略され、代りに、メイン−ステージバルブ1230を閉じるために油圧を用いることにより、修正されている。メイン−ステージバルブ1230を閉じるために使用される戻し圧力は、単一の戻し圧力バルブ1232によって制御することができる。この構成は、ポンプ1233として示される共通の圧力源を利用する。圧力源の吐出圧力を調整するために圧力レギュレータが設けられている。ポンプ1233は、メイン−ステージバルブ1230を開閉するために必要な圧力を供給するために使用される。この構成の閉弁応答時間は、戻し圧力バルブ1232の出力圧力にほぼ比例する。戻し圧力バルブ1232の出力圧力が増大すると、一般的にバルブ1230の閉弁応答時間が対応して減少するのに対して、出力圧力が減少すると、一般的にその閉弁応答時間が対応して増大することになる。戻し圧力バルブ1232は、メイン−ステージバルブ1230のスプールを所望の応答時間内に閉位置に移動させるのに充分な圧力を供給するように、パイロットバルブ1262からの流体をドレーンするために必要な圧力よりも大きな最小限の出力圧力を発生させるように構成される。圧力レギュレータ1240は、パイロットバルブ1232からメイン−ステージバルブ1230に供給される圧力を制御するために設けられる。この圧力レギュレータは、パイロットバルブ1232の吐出ポート1242を低圧リザーバ1263に選択的に流体接続することにより、パイロットバルブ1232から吐出される圧力を制御する。この圧力レギュレータは、パイロットバルブの吐出圧力が所定圧力を超えたとき、パイロットバルブ1232から吐出される加圧流体の少なくとも一部が直接リザーバに1263に戻るようにする。ポンプ1233及び1235等の分離した圧力源が、加圧流体の流れをパイロットバルブ1262及びメイン−ステージバルブ1230のそれぞれに供給するために設けられる。また、パイロットバルブ1262及びメイン−ステージバルブ1230は、図1A、2A及び3Aに示されるように、共通の圧力源を利用してもよい。
【0034】
メイン−ステージバルブ1230の作動は、パイロットバルブ1262及び単一の戻し圧力バルブ1232によって制御される。一例では、パイロットバルブ1262は、1つ以上のソレノイドによって操作される。各ソレノイドは、コイルを含み、このコイルは、励磁されたとき、パイロットバルブ1262を開位置と閉位置との間で移動させる。開位置に配置されたとき、パイロットバルブ1262は、ポンプ1233からの加圧流体をパイロットバルブ1262を通してメイン−ステージバルブ1230に流通させる。パイロットバルブ1262からの加圧流体は、メイン−ステージバルブ1230のスプールを開位置に移動させ(例えば、図1Aに関して説明した方法で)、これにより、加圧流体をポンプ1235からメイン−ステージバルブ1230を通して油圧負荷1247に流通させる。パイロットバルブ1262を閉位置に配置することにより、メイン−ステージバルブ1230を開弁するために使用される加圧流体の流れを停止させる。単一の戻し圧力バルブ1232がメイン−ステージバルブ1230のスプールを移動させて閉位置に戻すために必要な圧力を制御するために使用され、これにより、油圧負荷1237への加圧流体の流れを遮断する。
【0035】
引続き図12を参照して、この構成は、メイン−ステージスプールを閉位置に移動させるために戻しバネを利用しないが、システム圧力が喪失又は低下した場合にメイン−ステージバルブ1230を閉じるフェイルセーフ機構を設けるために戻しバネを利用してもよい。戻しバネがメイン−ステージスプールを閉位置に戻すための第一の手段として使用されないので、戻しバネのバネレートは、圧力源がメイン−ステージバルブ1230を閉じるための圧力を供給しない場合に要求される大きさよりも非常に小さくすることができる。
【0036】
図13は、図12に示されるものと類似したメイン−ステージバルブの制御体系を示している。図12に示される構成と同様、戻しバネではなく、油圧がメイン−ステージバルブ1330を閉じるために使用される。しかし、図12に示される構成とは異なり、この構成は、単一の戻し圧力バルブ(すなわち、図12のバルブ1232)ではなくて、分離したパイロットバルブ1332を利用して、バルブを閉じるためにメイン−ステージバルブ1330に送られる圧力を制御する。このため、各メイン−ステージバルブ1330は、2つの分離したパイロットバルブ1332及び1362を使用する。パイロットバルブ1362は、メイン−ステージバルブ1330の開弁を制御し、また、他のパイロットバルブ1332は、メイン−ステージバルブ1330の閉弁を制御する。この構成は、メイン−ステージスプールを閉位置に移動するために戻しバネを利用しないが、システム圧力が喪失又は低下した場合にメイン−ステージバルブ1230を閉じるフェイルセーフ機構を設けるために戻しバネを利用してもよい。戻しバネがメイン−ステージスプールを閉位置に戻すための第一の手段として使用されないので、戻しバネのバネレートは、圧力源がメイン−ステージバルブ1230を閉じるための圧力を供給しない場合に要求される大きさよりも非常に小さくすることができる。ポンプ1333及び1335等の分離した圧力源が、加圧流体の流れをパイロットバルブ1332及び1362、同様に、メイン−ステージバルブ1330のそれぞれに供給するために設けられる。圧力源の吐出圧力を制御するために圧力レギュレータを設けてもよい。しかしながら、パイロットバルブ1332及び1362、同様に、メイン−ステージバルブ1330は、図1A、2A及び3Aに示されるように、共通の圧力源を利用してもよいこととする。
【0037】
メイン−ステージバルブ1330の作動は、パイロットバルブ1332及び1362によって制御される。一例では、パイロットバルブ1332及び1362は、1つ以上のソレノイドによって操作される。各ソレノイドは、コイルを含み、このコイルは、励磁されたとき、パイロットバルブ1332及び1362を開位置と閉位置との間で移動させる。開位置に配置されたとき、パイロットバルブ1362は、ポンプ1333からの加圧流体をパイロットバルブ1362を通してメイン−ステージバルブ1330に流通させる。パイロットバルブ1362からの加圧流体は、メイン−ステージバルブ1330のスプールを開位置に移動させ、これにより、加圧流体をポンプ1335からメイン−ステージバルブ1330を通して油圧負荷1337に流通させる。パイロットバルブ1362をダンプ位置に配置することにより、メイン−ステージバルブ1330を開弁するために使用される加圧流体の流れを停止させて、パイロットバルブ1362をリザーバ1363に流体接続する。パイロットバルブ1362をダンプ位置に配置し、そして、パイロットバルブ1332が開かれ、メイン−ステージバルブ1330のスプールを移動させて閉位置に戻すために必要な圧力を供給し、これにより、油圧負荷1337への加圧流体の流れを遮断する。
【0038】
図14は、メイン−ステージバルブ1430を開閉するために必要はパイロットバルブ1462の数を最小限にするために、組み合わされた隣接するメイン−ステージバルブ1430の操作領域を上手く利用したメイン−ステージバルブ作動態様を概略的に示している。ポンプ1433及び1435等の分離した圧力源が設けられて、加圧流体の流れをパイロットバルブ1462及びメイン−ステージバルブ1430のそれぞれに供給する。圧力源の吐出圧力を制御するために圧力レギュレータを設けてもよい。しかしながら、パイロットバルブ1462、同様に、メイン−ステージバルブ1430は、例えば、図1A、2A及び3Aに示されるように、共通の圧力源を利用してもよいこととする。各メイン−ステージバルブ1430は、2つの分離したパイロットバルブ1462を使用する。一方のパイロットバルブ1462が作動して、メイン−ステージバルブ1430を開き、他方のパイロットバルブが作動して、メイン−ステージバルブ1430を閉じる。メイン−ステージバルブ1430は、隣接するメイン−ステージバルブ1430とパイロットバルブ1462を共有する一連のバルブの端部に配置される。例えば、メイン−ステージバルブ(1)(図14中の4つのメイン−ステージバルブ1430は、バルブ(1)〜(4)として個々に識別される)は、パイロットバルブ(B)(図14中の5つのパイロットバルブは、バルブA〜Eとして個々に識別される)を隣接するメイン−ステージバルブ(2)と共有し、また、メイン−ステージバルブ(4)は、パイロットバルブDを隣接するメイン−ステージバルブ(3)と共有する。一連のバルブの中間に配置されたバルブ1430は、2つのパイロットバルブ1462を共有する。例えば、メイン−ステージバルブ(2)は、パイロットバルブBを隣接するメイン−ステージバルブ(1)と共有し、また、パイロットバルブ(C)を隣接するメイン−ステージステージバルブ(3)と共有する。
【0039】
パイロットバルブ1462は、1つ以上のソレノイドによって操作される。各ソレノイドは、コイルを含み、このコイルは、励磁されたとき、パイロットバルブ1462を開位置と閉位置との間で移動させる。開位置に配置されたとき、パイロットバルブ1462は、ポンプ1433からの加圧流体をパイロットバルブ1462を通してメイン−ステージバルブ1430に流通させる。パイロットバルブ1462をダンプ位置に配置すると、そのパイロットバルブは低圧リザーバ1463に流体接続する。共有されたパイロットバルブ1462は、共有されたバルブ1430の一方への開弁圧力及び共有されたバルブ1430の他方への閉弁圧力を同時に作用させるように作動する。例えば、パイロットバルブBを開位置配置すると、ポンプ1433からの加圧流体は、パイロットバルブBを通ってメイン−ステージバルブ(2)へ流れる。パイロットバルブA及びCがダンプ位置に配置されることにより、パイロットバルブBからの加圧流体は、メイン−ステージバルブ(2)のスプールを開位置に移動させ、これにより、加圧流体は、ポンプ1433からメイン−ステージバルブ(2)を通って油圧負荷1437に流れる。パイロットバルブBを開位置に配置すると、同時にメイン−ステージバルブ(1)に閉弁圧力を作用させる。また、このメイン−ステージバルブは、共有されたパイロットバルブ1462が、共有された両方のメイン−ステージバルブ1430に開弁圧力を同時に作用させ、又は、共有された両方のメイン−ステージバルブ1430に閉弁圧力を同時に作用させるように作動するように構成されている。例えば、パイロットバルブBを開くと、メイン−ステージバルブ(1)及び(2)の両方に同時に閉弁圧力が作用する。この構成は、単一のパイロットバルブ1462を使用して、2つのメイン−ステージバルブ1430の作動を制御することにより、パイロットバルブ1462の数を最小限にすることができる。
【0040】
図14の各メイン−ステージバルブ1430を開閉するための様々な制御体系を示す論理テーブルが図15のテーブル1で与えられている。このテーブルは、様々なパイロットバルブの作動状態がもたらす対応するメイン−ステージバルブの作動上の結果を説明している。例えば、パイロットバルブAを圧力に対して開くと(バルブ位置「1」)、メイン−ステージバルブ(1)を開く(バルブ位置「1」)。これは、残りの3つのメイン−ステージバルブの位置には影響がなく、これらのバルブは、残りのパイロットバルブがドレーンに解放されれば(バルブ位置「0」)、その以前の位置を維持する(バルブ位置「LC」)。メイン−ステージバルブ(1)及び(2)によって共有されたパイロットバルブBを開き(バルブ位置「1」)、かつ、パイロットバルブAをドレーンすると(バルブ位置「0」)、メイン−ステージバルブ(1)が閉じて(バルブ位置「0」)、メイン−ステージバルブ(2)が開くことになる(バルブ位置「1」)。メイン−ステージバルブ(3)及び(4)は、関連するパイロットバルブがドレーンに解放されれば、これらの以前の位置を維持する(バルブ位置「LC」)。他のパイロットバルブ(すなわち、パイロットバルブC、D及びE)を開くことによるメイン−ステージバルブの作動上の結果は、図15のテーブル1から容易に決定することができる。
【0041】
図16は、図14に示されるものと類似したメイン−ステージバルブの操作態様を概略的に示している。相違点は、メイン−ステージバルブ1630のスプールを閉位置に予荷重するように作動する付勢部材1606の追加である。付勢部材1606もまた、システム圧力が喪失又は低下した場合に、メイン−ステージバルブ1630を閉じるためのフェイルセーフ機構を提供する。また、付勢部材1606は、隣接するメイン−ステージバルブ1630が作動されたとき生じる圧力変動によるフィードバック効果を最小限にすることができる。
【0042】
ポンプ1633及び1635等の分離した圧力源が設けられて、パイロットバルブ1662及びメイン−ステージバルブ1630に、それぞれ加圧流体の流れを供給する。圧力源の吐出圧力を制御するために圧力レギュレータを設けてもよい。また、パイロットバルブ1662、同様に、メイン−ステージバルブ1630は、例えば図1A、2A及び3A
に示されるように、共通の圧力源を利用してもよい。各メイン−ステージバルブ1630(図16において、4つのメイン−ステージバルブがバルブ(1)〜(4)として個々に識別されている)は、2つの分離したパイロットバルブ1662(図16において、5つのパイロットバルブがバルブA〜Eとして個々に識別されている)を使用する。一方のパイロットバルブバルブ1662は、メイン−ステージバルブ1630を開くために作動し、他方のパイロットバルブ1662は、そのメイン−ステージバルブ1630を閉じるために作動する。一連のバルブの端部に配置されたメイン−ステージバルブ1630は、1つのパイロットバルブ1662を隣接するメイン−ステージバルブ1630と共有する。例えば、メイン−ステージバルブ(1)は、パイロットバルブBを隣接するメイン−ステージバルブ(2)と共有し、メイン−ステージバルブ(4)は、パイロットバルブEを隣接するメイン−ステージバルブ(3)と共有する。一連のバルブの中間に配置されたメイン−ステージバルブ1630は、2つのパイロットバルブ1662を共有する。例えば、メイン−ステージバルブ(2)は、パイロットバルブBを隣接するメイン−ステージバルブ(1)と共有し、パイロットバルブCを隣接するメイン−ステージバルブ(3)と共有する。
【0043】
パイロットバルブ1662は、1つ以上のソレノイドによって作動させることができる。ソレノイドは、励磁されたとき、パイロットバルブ1662を付勢して開位置と閉位置との間で移動させるコイルを含む。パイロットバルブ1662は、開位置に配置されたとき、ポンプ1633からの加圧流体をパイロットバルブバルブ1662を通してメイン−ステージバルブ1630に流通させる。パイロットバルブ1662をダンプ位置に配置すると、パイロットバルブが低圧リザーバ1663に流体接続する。共有されたパイロットバルブ1662は、共有するメイン−ステージバルブ1630の一方への開弁圧力及び他方への閉弁圧力を同時に作用させるように作動する。例えば、パイロットバルブBを開位置に配置すると、ポンプ1633からの加圧流体をパイロットバルブBを通してメイン−ステージバルブ(2)に流通させる。パイロットバルブA及びCをダンプ位置に配置することにより、パイロットバルブBからの加圧流体は、メイン−ステージバルブ(2)のスプールを開位置に移動させ、これにより、加圧流体をポンプ1633からメイン−ステージバルブ(2)を通して油圧負荷1637に流通させる。パイロットバルブBを開位置に配置すると、メイン−ステージバルブ(1)に閉弁圧力を同時に作用させる。付勢部材1606は、システム圧力が喪失又は低下した場合にメイン−ステージバルブ1630を閉じるためのフェイルセーフ機構を提供する。メイン−ステージバルブは、共有されたパイロットバルブ1662が共有するメイン−ステージバルブの両方への開弁圧力又は共有するメイン−ステージバルブ1630の両方への閉弁圧力を相互に作用させるように構成してもよい。例えば、パイロットバルブBを開くと、メイン−ステージバルブ(1)及び(2)の両方に同時に閉弁圧力を作用させることができる。この構成は、単一のパイロットバルブ1662を使用して2つのメイン−ステージバルブ1630の作動を制御することにより、パイロットバルブ1662の数を最小限にすることができる。
【0044】
図16に示される制御体系で使用されるメイン−ステージバルブ1630の開閉を制御するための一実施形態の制御論理が図17のテーブル2で与えられている。例えば、バルブAが圧力に対して開かれて(テーブル2のバルブ位置「1」)、かつ、パイロットバルブB〜Eがドレーンに開かれた場合(テーブル2のバルブ位置「0」)、メイン−ステージバルブ(1)が開き(テーブル2のバルブ位置「1」)、かつ、残りのメイン−ステージバルブ1630が閉じたままとなる(テーブル2のバルブ位置「0」)。他の様々なパイロットバルブの開弁シーケンスの結果は、図17のテーブル2から容易に決定することができる。
【0045】
図18A及び18Bのテーブル3は、図16に示される制御体系に使用される一実施形態の制御論理を示している。、一度にただ1つのメイン−ステージバルブが開弁される図17のテーブル2に提供される制御論理とは異なり、テーブル3に提供される制御論理は、複数のメイン−ステージバルブが同時に開弁できるようにする。図18A及び18Bのテーブル3における制御データは、図17のテーブル2における制御データと同じ方法で解釈することができる。
【0046】
図19A〜22Bは、一体化された圧力補助機構を使用する様々な実施形態のメイン−ステージバルブ構造を示す。一体化された圧力補助機構は、上流又は下流の所定圧力の存在に応答して、圧力補助機構の特定の構造に依存して、メイン−ステージバルブのスプールを開位置又は閉位置のいずれかに向けて付勢するように作動する。説明のため、外側部材はスプールとして作動し、内側部材はスリーブとして作動し、また、スリーブの内部に生じる圧力を「上流圧力」(Pu)とし、スプールの外周側の領域の圧力を「下流圧力」(Pd)とする。
【0047】
図19Aは、所定の上流側圧力Puに応答してバルブ1930を開くように配置された一実施形態の圧力補助機構1910を示す。図20Aは、所定の上流側圧力Puに応答してバルブ2030を閉じるように配置された一実施形態の圧力補助機構2010を示す。図21Aは、所定の下流側圧力Pdに応答してバルブ2130を開くように配置された圧力補助機構2110を示す。図22Aは、所定の下流側圧力Pdに応答してバルブ2230を閉じるように配置された圧力補助機構2210を示す。
【0048】
圧力補助機構1910、2010、2110及び2210は、それぞれ段部1911、2011、2111及び2211を設けることにより、メイン−ステージバルブに組込むことができる。図19A〜22Bに示されるように、段部1911、2011、2111及び2211からなる段部は、対応するバルブスプール1966、2066、2166及び2266にそれぞれ形成されている。また、対応する段部1914、2014、2114及び2214がスリーブ1964、2064、2164及び2264にそれぞれ組込まれている。この段部は、スプール及びスリーブに対して作用する軸方向の力を生じる反対方向圧力を生じ、この軸方向の力が、圧力補助機構の特定の構成に応じて、バルブを開弁又は閉弁のいずれかを行なおうとする。この対抗力の大きさは、少なくとも一部は、段部の大きさによって決定される。所与の圧力降下に対して、段部が大きいほど対抗力が大きくなる。
【0049】
引続き図19A〜22Bを参照して、スリーブのオリフィス(すなわち、オリフィス1982、2082、2182及び2282)及びスプールのオリフィス(すなわち、オリフィス1980、2080、2180及び2280)に対する段部の配置が、圧力補助機構が上流側圧力Pu又は下流側圧力Pdのいずれに応答するのかを決定する。図19A及び20Aに示される配置のように、バルブが閉じるとき段部がスリーブのオリフィスを横切る場合、圧力補助機構は、上流側圧力Puに応答する。図21A及び22Aに示される配置のように、バルブが閉じるとき段部がスプールのオリフィスを横切る場合、圧力補助機構は、下流側圧力Pdに応答する。
【0050】
図19A〜22Bに見られるように、段部の一側は、スプールによって形成され、反対側は、スリーブによって形成されている。バルブが開いたとき、スプール及びスリーブの段部は、スプールのオリフィスと対応するスリーブのオリフィスとの間の流体通路1913、2013、2113及び2213の少なくとも一部を形成する。圧力補助機構がバルブを開くように作動するか、閉じるように作動するかは、段部のスプール部分がオリフィスのいずれの側に配置されているかによって決定される。図19A及び21Aに示される配置のように、段部のスプール部分を戻しバネに最も近いオリフィスの縁部に沿って配置することにより、所定の圧力に達したとき、圧力補助機構がメイン−ステージバルブを開くことになる。図20A及び22Aに示されるように、段部のスプール部分を戻しバネから離れたオリフィスの反対側の縁部に沿って配置することにより、所定の圧力に達したとき、圧力補助機構がメイン−ステージバルブを閉じることになる。
【0051】
図19Aから19Cを参照して、圧力補助機構1910の段部1911は、バルブ1930が閉位置に配置されているとき(すなわち、図19A及び19B)、スリーブ1911(固定部材)のオリフィス1982を横切って配置され、その結果として、圧力補助機構1910は、上流側圧力Pu(すなわち、スリーブ1964の内側領域内に生じる圧力)に応答する。図19Bは、圧力補助機構1910の拡大図であり、スプール1966の段部1912及びスリーブ1964の段部1966を示している。段部1912のスプール部分は、戻しバネ1906に最も近いオリフィス1982に沿って配置されている。戻しバネ1906は、少なくともスプール1966に連結し、スプール1966を開位置(すなわち、図19C)から閉位置(すなわち、図19A及び19B)に向かって付勢するように作動する。このため、スリーブ1964のオリフィス1982内に生じる圧力は、段部1912をスリーブ1964の段部1914から離れて戻しバネ1906に向けて押圧しようとし、これにより、図19Cに示されるように、所定の圧力に圧したとき、バルブ1930を開く。
【0052】
図19Cに示されるように、バルブ1930が開位置に配置されたとき、段部1912及び1914は、互いに協働して、スリーブ1964のオリフィス1982とスプール1966のオリフィス1980との間に流体通路1913の少なくとも一部を形成する。バルブ1930が開位置に配置されることにより、段部1912及び1914は、オリフィス1980及び1982に流体接続される。段部1912及び1914は、図19A及び19Bに示されるようにバルブ1930が閉位置に配置されたとき、オリフィス1980から実質的に流通が遮断されるが、オリフィス1982との流体接続は維持される。
【0053】
図20Aから20Cを参照して、バルブ2030が閉位置(すなわち、図20A及び20B)に配置されたとき、圧力補助機構の段部2011は、スリーブ2064(固定部材)のオリフィス2082を横切って配置され、その結果として、圧力補助機構2010は、上流側圧力Pu(すなわち、スリーブ2064の内側領域内に生じる圧力)に応答する。段部2012のスプール部分2066は、戻しバネ2006から最も遠いオリフィス2082に沿って配置される。戻しバネ2006は、スプール2066を開位置(すなわち、図20C)から閉位置(すなわち、図20A及び20B)に向けて付勢するように作動する。図20Bは、圧力補助機構2010の拡大図であり、バルブ2030が閉位置に配置されたときのスプール2066の段部2012、同様に、対応するスリーブ2064の段部2014の配置を示している。図20Cは、開位置に配置されたバルブ2030の拡大図であり、スリーブ2064のオリフィス2082に流体接続されたスプール2066のオリフィス2080を有している。スリーブ2064のオリフィス2082内に生じる
圧力は、スプール2066の段部2012をスリーブ2064の段部2014から離れ、戻しバネ2006からはなりる方向に付勢しようとし、これにより、図20A及び20Bに示すように所定の圧力に達したとき、バルブ2030を閉じる。
【0054】
図20Cに示されるように、バルブ2030が開位置に配置されたとき、段部2012及び2014は、互いに協働して、スリーブ2064のオリフィス2082とスプール2066のオリフィス2080との間に流体通路の少なくとも一部を形成する。バルブ2030が開位置(図20C)に配置されたとき、段部2012及び2014は、オリフィス2080及び2082に流体接続する。段部2012及び2014は、図20A及びBに示されるようにバルブ2030が閉位置に配置されたとき、オリフィス2080から実質的に流通が遮断されるが、オリフィス2082との流体接続を維持する。
【0055】
図21Aから21Cを参照して、スプール2166が閉位置(図21A及び21B)に配置されたとき、圧力補助機構2110の段部2111は、スプール2166(可動部材)のオリフィス2180を横切って配置され、その結果として、圧力補助機構2010は、下流側圧力Pd(すなわち、スプール2166の外側領域の周囲に生じる圧力)に応答する。段部2111のスプール部分は、戻しバネ2106に最も近いオリフィス2180に沿って配置される。戻しバネ206は、スプール2166を閉位置(すなわち、図21A及び21B)に向って付勢するように作動する。図21Bは、圧力補助機構2110の拡大図であり、バルブ2130が閉位置にあり、スプール2166の段部2112及び対応するスリーブ2164の段部2114の配置を示し、また、図21Cは、開位置に配置されたスプール2166を有するバルブ2130の拡大図である。スプール2166のオリフィス2180内に生じる圧力は、段部2112をスプール2166の段部2114から離れる方向に戻しバネ2106に向けて押圧しようとし、これにより、図21Cに示されるように、所定の圧力に達したとき、バルブ2130を開く。
【0056】
図21Cに示されるように、バルブ2130が閉位置に配置されたとき、段部2112及び2114は、互いに協働して、スリーブ2146のオリフィス2182とスプール2166のオリフィス2180との間の流体通路2113の少なくとも一部を形成する。バルブ2130が開位置に配置されることにより、段部2112及び2114は、オリフィス2180及び2182に流体接続される。段部2112及び2114は、バルブ2130が閉位置に配置されたとき、オリフィス2182から流通が実質的に遮断されるが、オリフィス2180との流体接続を維持する。
【0057】
図22Aから図22Cを参照して、スプールが閉位置(すなわち、図22A及び22B)に配置されたとき、圧力補助機構2210の段部2211は、スプール2266(可動部材)のオリフィス2280を横切って配置され、これにより、圧力補助機構2210は、下流側圧力Pd(すなわち、スプール2266の外部領域の周りに生じる圧力)に応答する。図22Bは、圧力補助機構2210の拡大図であり、バルブ2230が閉位置に配置されたときのスプール2266の段部2212とスリーブ2264の段部2214との相対位置を示し、図22Cは、開位置に配置されたスプール2266を有するバルブ2230の拡大図である。段部2212のスプール部分は、戻しバネ2206から最も遠いオリフィス2280に沿って配置されている。戻しバネ2206は、図22A及び22Bに示されるように、スプール2266を閉位置に付勢するように作動する。これにより、スプール2266のオリフィス2280内に生じる圧力は、段部2212をスプール2266の段部2214から離れ、戻しバネ2206から離れる方向に押圧しようとし、これにより、所定圧力に達したとき、バルブ2230を閉位置に付勢する。
【0058】
図22Cに示されるように、バルブ2230が開位置に配置されたとき、段部2212及び2214は、互いに協働して、スリーブ2264のオリフィス2282とスプール2266のオリフィス2280との間に流体通路2213の少なくとも一部を形成する。バルブ2230が開位置にあることにより、段部2212及び2214は、オリフィス2280及び2282に流体接続される。図22A及び22Bに示されるように、バルブ2230が閉位置に配置されたとき、段部2212及び2214は、オリフィス2282から
実質的に流通が遮断されるが、オリフィス2280との接続が維持される。
【0059】
圧力補助機構1910、2010、2110及び2210は、戻しバネから最も遠く、又は、最も近くのいずれかに配置されたオリフィスを横切って配置されるように示されているが、圧力補助機構1910、2010、2110及び2210の段部は、スプール又はスリーブのどのオリフィスを横切って配置されてもよいことに注意すべきである。また、他の例では、圧力補助機構1910、2010、2110及び2210の段部は、スプール又はスリーブに沿って、圧力補助機構がスリーブ又はスプールのオリフィスに流体接続するどの位置に配置されてもよい。
【0060】
メイン−ステージバルブが開位置と閉位置との間で往復運動することにより、スプールがスプールの移動距離を制限するストップに接触したとき、大きな衝撃力が発生する。これは、望ましくない騒音を発するだけでなく、メイン−ステージバルブの耐久性及びバルブを制御する正確さに影響する。図23は、スプールの端部に固定的に取付けられたダンパ2312を有するスプール2366を使用する一実施形態のバルブ2330を示す。ダンパ2312は、弾性的な柔軟性材料から構成されて、バルブが開位置から閉位置に移動したとき、衝撃力の発生の少なくとも一部を吸収する。バルブのほぼ反対側の端部は、バルブが閉位置から開位置に移動したとき生じる衝撃力を減衰するように作動する第2のダンパ2310を含む。図24は、メイン−ステージスプール2366の拡大図であり、バルブが閉位置に配置されたとき、バルブハウジング2319のストップ2320に接触するダンパ2312のストップ領域2311を示している。
【0061】
バルブ2330は、バルブハウジング2319に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2364及びスリーブ2364の外側の周囲に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2366を含む。スプール2366は、閉位置と開位置との間のスリーブ2364の長さの一部にわたって進退動自在である。図23及び24は、閉位置に配置されたバルブ2330を示している。バルブ2330は、付勢部材を使用し、この付勢部材は、戻しバネ2306として示され、スプール2366を開位置から閉位置に移動させる。
【0062】
図23を参照して、スリーブ2364及びスプール2366は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィス2382及び2380を含む。スプール2366のオリフィス2380は、スプール2366がスリーブ2364に対して開位置に配置されたとき、スリーブ2364のオリフィス2382に流体接続される。オリフィス2380及び2382は、スプール2366がスリーブ2364に対して閉位置に配置されたとき、スリーブ2364のオリフィス2383からの流通が実質的に遮断される。
【0063】
引続き図23を参照して、バルブ2330を開く際に生じる衝撃力は、ダンパ2310を弾性的な柔軟性材料から構成することにより、減衰することができる。適当な材料は、限定しないが、約20%のカーボンファイバー充填材を有するポリエーテルエーテルケトン等の工業用プラスチックを含むことができる。ダンパ2310は、スプール2366の一端部に係合する軸受表面2308を含む。ダンパ2310は、更に、バルブハウジング2319に係合してメイン−ステージスプール2366の開弁時の移動距離を制限する一端部2317を有するストップ領域2316を含む。バルブ2330の開弁により、スプール2366がダンパ2310をハウジング2319に向かって変位させる。ダンパ2310は、バルブハウジング2319に衝突したとき弾性変形して衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収する。また、ダンパ2310は、付勢部材2306の一端部に係合するフランジ2313を含む。付勢部材の他端部は、バルブハウジング2319に係合する。ダンパ2310の少なくとも一部は、付勢部材2306内に配置されている。付勢部材2306は、スプール2366を閉位置に向かって付勢するように作動する。ダンパ2310の端部2317は、スプール2366が開位置から離れて配置されたとき、ハウジング2319から離脱される。
【0064】
図24を参照して、バルブ2330が閉じる際に生じる衝撃力は、ダンパ2312を弾性的な柔軟性材料から形成することにより、減衰することができる。ダンパ2312のストップ領域2311は、バルブ2330のスプール2366が閉位置に移動されることにより、バルブハウジング2319に形成されたストップ2320に係合する肩部2314を含む。肩部2314は、バルブ2330が閉じることにより、バルブハウジングのストップの表面に接触するダンパ2312のいずれの表面でもよい。
【0065】
ダンパ2312は、バルブ2330が閉じられて、ダンパの肩部2314がバルブハウジングのストップ2320に接触することによって生じる衝撃エネルギーの少なくとも一部を弾性変形することにより吸収する。肩部2314は、バルブ2330が開位置に移動したとき、ストップ2320から離脱する。ダンパ2312に適した材料は、限定しないが、約20%のカーボンファイバー充填材を有するポリエーテルエーテルケトン等の工業用プラスチックを含むことができる。バルブ2330が閉じる際、ダンパ2312がストップ2320に衝突したとき、弾性的な柔軟性材料が弾性的に変形して、衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収して、衝撃を緩和する。弾性的な柔軟性材料は、スプール2366の他の部分を構成するのに使用される材料と同じ又は異なるものとすることができる。
【0066】
図25Aを参照して、バルブ2530を閉じたとき生じる衝撃力は、バルブが閉じるとき生じる衝撃力の少なくとも一部を吸収することができる弾性的な柔軟性材料の外側のバルブハウジングに接触するスプール2566の部分を形成することによって減衰することができる。バルブ2530は、バルブボディ1519に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2564、及び、スリーブ2564の外側の周囲に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2566を含む。スプール2566は、開位置と閉位置との間でスリーブ2564の長さの一部にわたって進退動自在である。図25Aは、閉位置に配置されたバルブ2530を示している。スリーブ2564及びスプール2566は、それぞれ、これらの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィス2582及び2580を含む。オリフィス2582及び2580は、ほぼ共通のパターンで配置されて、スプール2566がスリーブ2564に対して開位置に配置されたとき、スプール2566のオリフィス2580がスリーブ2564のオリフィス2582にほぼ整合することができるようになっている。オリフィス2580及び2582は、スプール2566がスリーブ2564に対して閉位置に配置されたとき、スリーブ2564のオリフィスにほぼ非整合状態となる。
【0067】
スプール2566は、バルブハウジング2519に形成されたストップ2510に係合する段付領域2518を含む。段付領域2518は、スプール2566に取付けられたリング2512を含む。一例では、リング2512は、工業用プラスチック等の弾性的な柔軟性材料、例えば、約20%のカーボンファイバー充填材を有するポリエーテルエーテルケトンから形成することができる。しかしながら、他の一般的な弾性的な柔軟性材料を使用することができるものとする。
【0068】
図25Bは、スプール2566から分離されて示される弾性的な柔軟性リング2512を有するスプール2566の分解斜視図である。弾性的な柔軟性リング2512は、バルブ2530を閉じたとき、バルブハウジング2519のストップ2510に衝突する。弾性的な柔軟性リング2512は、ストップ2510に衝突したとき、弾性変形して、バルブ2530を閉じたときの衝撃エネルギーの少なくとも一部を吸収する。スプール2566の弾性的な柔軟性部分は、弾性的な柔軟性リング2512をスプール2566にオーバーモールドすることによって形成することができる。弾性的な柔軟性リング2512は、スプール2566に形成された対応する開口2517に係合する少なくとも1つの内側に延びるボス2516を有するリング2512を設けることによって、スプール2566に締結することができる。しかしながら、リング2512は、他の方法で同様にスプール2566に締結できることに注意すべきである。例えば、柔軟性リング2512は、スプール2566に形成された環状溝に係合することができる。
【0069】
図26を参照して、図1Aに使用すような直線状のバルブ配置を利用するバルブマニホールド2620は、一連のバルブ2630に加圧流体を供給するポンプアセンブリ2610が一体的に設けられている。この構成は、マニホールドの体積を最小限にし、延いては、ポンプアセンブリ2610を含む油圧システムの全体の作動効率を改善することができる。ポンプアセンブリ2610は、あらゆる様々な公知の固定容量型ポンプを含むことができ、限定しないが、ギヤポンプ、ベーンポンプ、アキシャルピストンポンプ及びラジアルピストンポンプを含むことができる。ポンプアセンブリ2610は、ポンプアセンブリ2610を駆動するための入力軸2612を含むことができる。
【0070】
バルブマニホールド2620は、複数の油圧作動スプールバルブ2630を含む。各バルブ2630は、マニホールド2620に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2664、及び、スリーブ2664の外側の周囲に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2666を含む。スプール2666は、開位置と閉位置との間でスリーブ2664の長さの一部にわたって進退動可能である。
【0071】
スリーブ2664及びスプール2666は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含む。スプール2666は、一連のオリフィス2680を含み、スリーブ2664は、一連のオリフィス2682を含む。オリフィス2680及び2682は、ほぼ共通のパターンで配置されて、スプール2666がスリーブ2664に対して開位置に配置されたとき、スプール2666のオリフィス2680がスリーブ2664のオリフィスにほぼ整合できるようになっている。図26は、閉位置に配置されたスプール2666を示し、オリフィス2680及び2682は、互いにほぼ非整合状態でスプール2666とスリーブ2664との間の流体接続をほほ制限している。各バルブ2630は、戻しバネ2606として示される付勢部材を使用して、スプール2666を開位置から閉位置に移動させる。
【0072】
ポンプ2610からポンプ入力軸2612が延びている。ポンプ入力軸2612は、個々のバルブ2630の相互接続されたバルブスリーブ2664によって形成されたプレナム2614を縦に貫通して延びる。ポンプ入力軸2612の一端部2616は、メイン−ステージマニホールド2620の端部キャップ2618を貫通して延びて、エンジン、電気モータ、その他の回転トルクを出力可能な出力源等の外部出力源に連結される。端部キャップ2618は、マニホールド2620のハウジング2619に取付けられ、例えば、ニードルベアリング、ローラベアリング、又は、スリーブベアリング等のベアリング2621を含み、ポンプ入力軸2612の端部2616を回転可能に支持する。
【0073】
バルブ2630は、ソレノイド作動のパイロットバルブ2662によって油圧作動される。パイロットバルブ2662は、ポンプ2660等の圧力源に流体接続される。開弁したとき、パイロットバルブ2662は、ポンプ2660からの加圧流体をパイロットバルブ2662を通してバルブ2630に流通させる。パイロットバルブ2662からの加圧流体は、バルブ2630のスプール2666を開位置に移動させ、これにより、加圧流体をポンプ2610からバルブ2630を通して油圧負荷に流通させる。パイロットバルブ2662を閉じると、バルブ2630への加圧流体の流れが停止し、これにより、戻しバネ2606がバルブ2630のスプール2666を閉じ位置に戻す。
【0074】
ポンプアセンブリ2610は、流体が入口通路2627を通ってポンプアセンブリ2610に流入するように構成されている。入口通路2627は、ポンプアセンブリ上のあらゆる様々な位置に配置するすることができ、限定しないが、バルブマニホールド2620の反対側のポンプアセンブリ2610の外周上2623、ポンプアセンブリ2610の側部2625を含む、その他の適当な位置に配置することができる。説明のため、図26に示される入口通路2627は、ポンプの外周2623に沿って配置されている。流体は、入口通路2627を通ってポンプアセンブリ2610に流入し、流体がポンプアセンブリ210を通って、径方向内側へ移動する。加圧された流体は、ポンプアセンブリ2610の側部2626に沿って配置された1つ以上の吐出ポート2628を通ってポンプアセンブリ2610を出る。加圧流体は、ポンプアセンブリから吐出されてバルブ2630の相互接続されたスリーブ2664によって形成されたプレナム2614に流入する。加圧流体は、スリーブ2664の内壁2627と入力軸2612との間に形成された環状通路2625に沿ってそれぞれのバルブ2630に移動する。1つ以上のバルブ2630を開位置に移動させると、加圧流体がスプール2666のオリフィス2680及びスリーブ2664のオリフィス2682を通ってバルブ2630の出口ポート2629へ流通する。
【0075】
図27は、図5に示される分割直線状バルブ配置を利用したバルブマニホールド2720に一体化されたポンプアセンブリ2710を示す。この構成は、マニホールド入口の体積を最小限にし、延いては、油圧システム全体の作動効率を改善する。この構成では、ポンプアセンブリ2710は、2組のバルブ2730の間に配置されている。ポンプアセンブリ2710をこれらのバルブ2730の間に配置するには、ポンプアセンブリ2710の入口2727をポンプアセンブリ2710の外周2723に沿って配置する必要がある。しかしながら、ポンプアセンブリ2710の大きさ及び構成に応じて、ポンプ入口2727をポンプの他の位置に配置することもできる。
【0076】
バルブマニホールド2720は、複数の油圧作動スプールバルブ2730を含む。それぞれのバルブ2730は、マニホールド2720に対して固定された略円筒状の中空スリーブ、及び、スリーブ2764の外周に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2766を含む。スプール2766は、開位置と閉位置との間で、スリーブ2764の長さの一部にわたって進退動自在である。
【0077】
スリーブ2764及びスプール2766は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含む。スプール2766は、一連のオリフィス2780を含み、スリーブ2764は、一連のオリフィス2782を含む。オリフィス2780及び2782は、ほぼ共通のパターンで配置されており、スプール27766がスリーブ2764に対して開位置に配置されたとき、スプール2766のオリフィス2780がスリーブ2764のオリフィス2782にほぼ整合する。バルブ2730は、それぞれ、戻しバネ2706として示される付勢部材を使用して、スプール2766を開位置から閉位置に移動させる。
【0078】
バルブ2730は、ソレノイド作動のパイロットバルブ2762によって油圧作動される。パイロットバルブ2762は、ポンプ2760等の圧力源に流体接続される。パイロットバルブ2762は、開弁したとき、ポンプ2760からの加圧流体をパイロットバルブ2762を通してバルブ2730へ流通させる。パイロットバルブ2762からの加圧流体は、バルブ2730のスプールを開位置に移動させ、これにより、加圧流体をポンプ2710からバルブ2730を通して油圧負荷に流通させる。パイロットバルブ2762を閉じると、バルブへの加圧流体の流れを停止して、戻しバネ2706がスプール2766を閉位置に移動できるようにする。
【0079】
ポンプアセンブリ2710は、ポンプアセンブリ2710の少なくとも一側から外側へ延びるポンプ入力軸2712を含む。ポンプ入力軸2712は、個々のバルブ2730の相互接続されたバルブスリーブ2764によって形成されたプレナム2714を縦に貫通して延びる。ポンプ入力軸2712の一端部2716は、マニホールド2720の端部キャップ2718を貫通して延びて、ベアリング2721によって回転可能に支持され、このベアリングは、例えば、ニードルベアリング、ローラベアリング、又は、スリーブベアリングが含まれる。端部キャップ2718は、マニホールド2720のハウジング2719に取付けられ、ベアリング2721を含む。ポンプ入力軸2721の端部2716は、露出して、エンジン、電気モータ、その他の回転トルクを出力可能な出力源等の外部出力源に連結される。また、ポンプアセンブリ2710は、ポンプアセンブリ2710の両側から延びるポンプ入力軸を有する構成とすることもでき、この場合、ポンプ入力軸2712の反対側の端部2731は、マニホールドハウジング2719に取付けられたマニホールド端部キャップ2729に固定されたベアリング2722によって回転可能に支持される。
【0080】
流体は、ポンプ入口2727を通ってポンプアセンブリ2710に流入し、流体がポンプアセンブリ2710を流通することにより、径方向内側へ移動する。加圧された流体は、ポンプアセンブリ2710の両側2726、2727に沿って配置された1つ以上の吐出ポート2728を通ってポンプアセンブリ2710を出る。加圧流体は、ポンプ2710から吐出されて、バルブ2730の相互接続されたスリーブ2764によって形成されたプレナム2714に流入する。加圧流体は、スリーブ2764の内壁2727とポンプ入力軸2712との間に形成された環状通路2725に沿って、それぞれのバルブ2730に移動する。バルブ2730を開位置に移動させると、加圧流体がスプール2766のオリフィス2780及びスリーブ2782のオリフィス2782を通ってバルブ2730の出口ポート2729に流通する。
【0081】
図28A〜28Bは、可変流量及び圧力要求を有する複数の油圧負荷への加圧流体の供給を制御するためのマニホールド2820を示す。マニホールド2820は、単一のスリーブ2864及び単一のスプール2866を使用する一対のバルブ2830及び2832含む。マニホールド2820は、2つのバルブ2830及び2832を有するように図28A及び28Bに示されているが、実際には、少なくとも一部の特定の用途の要求に応じて、より多くのバルブを含んでもよいものとする。
【0082】
バルブ2830及び2832のそれぞれは、マニホールド2820に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2864及びスリーブ2864の外周に摺動可能に配置された略円筒状のスプール2866を共有する。スプール2866は、第1位置と第2位置との間でスリーブ2864の長さの一部にわたって前後に移動自在である。
【0083】
スリーブ2864及びスプール2866は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含む。スプール2866は、一連のオリフィス2880を含み、スリーブ2864は、一連のオリフィス2882を含む。バルブ2830に対するスプール2866のオリフィス2882に対応するスリーブ2864のオリフィス2880は、SET1として表され、バルブ2832に対するスプール2866のオリフィス2882に対応するスリーブ2864のオリフィス2880は、SET2として表される。スプール2866は、スリーブ2864に対して第1位置と第2位置との間を軸方向に移動可能である。スプール2866が第1位置にあるとき(図28A)、スプール2866は、流体がスリーブ2864の内部領域からバルブ2830の出口ポート2842に流通できるようにし、スプール2866が第2位置にあるとき(図28B)、スプール2866は、流体がスリーブ2864の内部領域からバルブ2832の出口ポート2844に流通できるようにする。SET1(すなわち、バルブ2830)のオリフィス2880及び2882は、ほぼ共通のパターンで配置されて、スプール2866が第1位置に配置されたとき(図28A)、スプール2866のオリフィス2880がスリーブ2864のオリフィス2882にほぼ整合できるようにする。同様に、SET2(すなわち、バルブ2832)のオリフィス2880及び2882は、ほぼ共通のパターンで配置され、スプール2866が第2位置に配置されたとき(図28B)、スプール2866のオリフィス2880がスリーブ2864のオリフィス2882にほぼ整合できるようにする。スプール2866が第1位置に配置されることにより(図28A)、SET2(すなわち、バルブ2832)のオリフィス2880及び2882は、整合せず、バルブ2832のスプール2866がバルブ2832のスリーブ2864から実質的に流通が遮断される。スプール2866が第2位置に配置されることにより(図28B)、SET1(すなわち、バルブ2830)のオリフィス2880及び2882が整合せず、バルブ2830のスプール2866がバルブ2830のスリーブ2864から実質的に流通が遮断される。
【0084】
スプール2866は、図28Aに第1位置で示され、バルブ2830が開き、バルブ2832が閉じている。バルブ2830は、図28Bに示されるように、スプール2866をスリーブ2864に対して軸方向に摺動することにより、閉位置に配置され、同時にバルブ2832が開く。バルブ2830又は2832のいずれかを開くと、加圧流体は、バルブ2830及び2832を通ってそれぞれの出口ポートに流通する。バルブ2830及び2832の一方を閉じることにより、他方のバルブが開く。同様に、バルブ2830及び2832の一方を開くことにより、他方のバルブが閉じる。
【0085】
また、マニホールド2820は、スプール2866を第2位置と第1位置との間で作動させるためのパイロットバルブ2862を含む。バルブ2830及び2832は、ソレノイド作動のパイロットバルブ2862によって油圧的に作動される。パイロットバルブ2862は、圧力源に流体接続される入口ポート2863を含む。パイロットバルブ2862は、選択的に励磁され、流体圧力をスプール2866の一端部2865に作用させて、スプールをバルブ2832が開きバルブ2830が閉じる第2位置(図28B)から、バルブ2830が開きバルブ2832が閉じる第1位置(図28A)に移動させる。また、バルブ2830及び2832は、バルブ2830が開きバルブ2832が閉じる第1位置(図28A)とバルブ2830が閉じバルブ2832が開く第2位置(図28B)との間で移動させるために、戻しバネ2806として示される付勢手段を使用する。
【0086】
スプール2866のスリーブ2864に対する位置決めは、スプール2866が第1位置(図28A)に配置されたとき、第1端部2812、その他のスプール2866の適当な領域に係合するストップ2811によって制御される。また、スプール2866のスリーブ2864に対する位置決めは、スプール2866が第2位置(図28B)に配置されたとき、第2端部2815、その他のスプール2866の適当な領域に係合する第2のストップ2813によって制御される。
【0087】
一例では、スプール2866は、図28Aに示されるように、パイロットバルブ2862を開位置に配置することにより、第1位置に移動させることができ、この位置はバルブ2830を開き、バルブ2832を閉じる。パイロットバルブ2862を開位置に配置して、加圧流体をスプール2866の端部2825に隣接する室2898に供給する。加圧流体により生じる力が戻しバネ2806によって生じる付勢力に打ち勝って、スプール2866をストップ2811に向かって第1位置に変位させる。パイロットバルブ2862を閉じて室2898を減圧することにより、スプール2866は、第2位置に戻り、バルブ2830を閉じ、バルブ2832を開く(図28B)。これにより、戻しバネ2806によって生じる付勢力がスプールを軸方向に第2位置に摺動できるようする。また、このマニホールドは、パイロットバルブ2862を開位置に配置することにより、バルブ2832を開き、また、パイロットバルブを閉じ位置に配置することにより、バルブ2830を開くように、戻しバネ2806がスプール2866の他端部に配置されるように構成してもよい。
【0088】
バルブ2830及び2832は、内側又は外側のいずれの部材がスプール2866として作動するように構成してもよい。図28A及び28Bに示される一実施形態のバルブでは、内側の部材がスリーブ2864として機能し、外側の部材がスプール2866として機能する(すなわち、スリーブに対して移動可能である)。しかしながら、実際には、内側の部材がスプール2866、外側の部材がスリーブとして作動するように構成されてもよいこととする。さらに、バルブ2830及び2832は、内側及び外側の部材がバルブボディに対して同時に移動するように構成してもよい。この後者の構成は、バルブ作動速度をより速くするが、そのようにすると、複雑さ及びコストの増大のリスクを伴う。
【0089】
開位置に配置されたとき、加圧流体の流れを一実施形態のバルブ2830及び2832を通る径方向外向きの流れとして説明しているが、メイン−ステージマニホールドは、この流れが径方向内向きになるよう構成してもよい。この場合、それぞれの出口ポート2842及び2844として示された通路は、入口ポートとして作動し、入口ポート2842として示された通路は、出口ポートとして作動する。加圧流体がバルブ2830及び2832を流通する方向は、内側又は外側のいずれのバルブ部材がスプールにとして作動するか、あるいは、バルブが作動されるとき、両方の部材が互いに対して移動可能であるかどうかに依存しない。
【0090】
バルブ2830及び2832並びにパイロットバルブ2862は、分離した圧力源を有し、あるいは、共通の圧力源を共有してもよい。図28A及び28Bに示される一実施形態のマニホールド構造では、バルブ2830及び2832並びにパイロットバルブ2862は、共通の圧力源を共有して示されている。バルブ2830及び2832並びにパイロットバルブ2862の両方に供給する加圧流体は、入口ポート2842を通ってメイン−ステージマニホールドに流入する。入口ポート2842は、スリーブ2864に流体接続される。
【0091】
バルブ2830及び2832は、直列に接続されて細長いプレナム2823を形成する。バルブ2832のスリーブ2864の下流側の端部には、パイロットマニホールド2825が流体接続される。パイロットマニホールド2825は、メイン−ステージ流体供給部から流出され、パイロットバルブ2862に供給される一部の加圧流体が通るパイロット供給通路2827を含む。パイロットバルブ2862の入口ポート2863は、パイロット供給通路2827に流体接続される。
【0092】
パイロットマニホールド2825は、逆止弁2870を含む。逆止弁2870は、パイロットマニホールド2825に供給される加圧流体の流れを制御し、また、パイロットマニホールド2825からプレナム2823への流体の逆流を防止するように作動する。逆止弁2870は、あらゆる様々な構造とすることができる。そのような構造の一例が図28A及び28Bに示され、ここでは、パイロットマニホールド2825への及びパイロットマニホールド2825からの流体の流れを制御するためにボールチェックバルブが利用されている。逆止弁2870は、パイロットマニホールド2825の入口通路2874に選択的に係合するボール2872を含む。バネ2876が設けられて、ボール2872を付勢してパイロットマニホールド2825の入口通路2874に係合させている。逆止弁2870を横切る圧力降下がバネ2876により作用する付勢力を超えたとき、ボール2872は、パイロットマニホールド2825の入口通路2874を離脱して加圧流体がプレナム2823からパイロットマニホールド2825に流通できるようにする。油圧マニホールド2820からパイロットマニホールド2825に流れる流体の速度は、逆止弁2870を横切る圧力降下に依存する。この圧力降下が大きいほど、流速が高くなる。逆止弁2870を横切る圧力降下がバネ2876の付勢力よりも小さい、すなわち、パイロットマニホールド2825内の圧力が油圧マニホールド2820ないの圧力を超える場合、チェックバルブボール2872は、パイロットマニホールド2825の入口通路2874に係合して、逆止弁2870の両方向の流体の流れを阻止する。バネ2876のバネレートは、逆止弁2870を横切る圧力降下が所定圧力に達するまで、逆止弁2870が開くのを阻止するように選択される。
【0093】
また、パイロットマニホールド2825は、バルブ2830及び2832を作動させるために使用する加圧流体を貯留するためのアキュムレータ2890を含む。アキュムレータ2890は、あらゆる様々な構造とすることができる。例えば、加圧流体を受入れて貯留するための流体リザーバ2892が含まれる。リザーバ2892は、パイロットマニホールド2825に流体接続される。アキュムレータ2890は、リザーバ2892内に配置されるピストン2894を含む。リザーバ2892内のピストン2894の位置は、リザーバ2892の容積を選択的に変化させるために調整することができる。コイルバネ等の付勢機構2892がピストン2894をリザーバ2892の容積を最小化する方向に付勢する。付勢機構2896は、パイロットマニホールド2825内にある加圧流体によって作用する圧力の力に対抗する付勢力を作用させる。この2つの反対方向の力が不均衡になると、ピストン2894が変位してリザーバ2892の体積が減少又は増大し、これにより、この2つの反対方向の力間のバランスを修復する。少なくともいくつかの状況においては、リザーバ2892内の圧力は、パイロットマニホールド2825内の圧力に一致する。リザーバ2892内の圧力の力が付勢機構2896によって生じる反対方向の力を超えると、ピストン2894は、付勢機構2896に向って変位され、これにより、リザーバ2892の容積及びリザーバ2890に貯留できる流体の量が増大する。リザーバ2892が流体の注入を続けることにより、付勢機構2892によって生じる反対方向の力は、付勢力とリザーバ2892内から作用される反対方向の圧力の力とがほぼ等しくなる点に増大する。この2つの反対方向の力が釣合ったとき、リザーバ2892の容積は、ほぼ一定になる。一方、パイロットバルブ2862の作動により、一般的にパイロットマニホールド2825内の圧力レベルは、リザーバ2892内の圧力レベルよりも下に低下する。このことと、ピストン2894を横切る圧力の力が不均衡であるという事実とが相まって、リザーバ2892に貯留された流体がパイロットマニホールド2825に放出されて、バルブ2830及び2832を作動されるのに使用される。
【0094】
図29Aは、バルブ2930を含むマニホールド2920を示す。バルブ2930は、作動表面2910を有するアクチュエータ2909を含むスプール2966を使用する。バルブ2930は、マニホールド2920に対して固定された略円筒状の中空スリーブ2964及びスリーブ2964の外周に摺動可能に配置される略円筒状のスプール2966を含む油圧作動のスプールとすることができる。スプール2966は、閉位置との間でスリーブ2964の長さの部分を超えて前後に移動自在である。スリーブ2964及びスプール2966は、それぞれの壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含み、スプール2966は、一連のオリフィス2982を含み、スリーブ2964は、一連のオリフィス2980を含む。
【0095】
バルブ2930は、パイロットバルブ等の作動装置によって油圧作動されて、スプール2966を閉位置から開位置に移動させる。また、バルブ2930は、戻しバネ2906として示される付勢部材を使用して、スプール2866を開位置から閉位置に移動させる。パイロットバルブを開位置に配置することにより、加圧流体の流れが作動表面2910に流体接続された室2998に供給される。この加圧流体は、スプール2966の作動表面2910に対してほぼ軸方向の力を作用させ、この力は、スプール2966をスリーブ2964に対して軸方向に戻しバネ2906に向かう方向に移動させようとする。パイロットバルブを閉じると、室2998が減圧され、これにより、戻しバネ2906がスプール2966を閉位置に戻せるようにする。
【0096】
アクチュエータ2909は、スプール2966の戻しバネ2906とは反対側の端部2914に配置される。スプール2066のオリフィス2982は、縦軸A−Aを含み、オリフィス2982の長さを表す寸法Lは、軸A−Aに略平行に測定される。また、作動表面2910は、厚さT’を含み、厚さT’は、オリフィス2982の寸法Lよりも小さい。
【0097】
スプール2966の壁厚Tは、作動表面2910の壁厚T’よりも大きく、一例では、壁厚Tは、寸法Lにほぼ等しい。壁厚Tは、スプール2966を横切る圧力降下の結果として生じる壁部の撓みを最小化するように選択される。例えば、スリーブ2964の内部領域内の圧力は、スプール2966の外周の回りの圧力よりも高い。スプール2966を横切る圧力降下は、スプールの壁部を外方に撓ませる。撓みの量は、限定しないが、壁厚T、スプールの材料特性及びスプールを横切って生じる圧力降下の大きさを含む様々な要因に依存する。壁の撓みは、特に壁厚Tの増大によって最小化することができる。
【0098】
少なくとも一例において、スプール2966は、例えば壁厚T’等の壁厚の一部に作用する力によって作動される。スプールに加えられる力の大きさは、一般的に作動表面2910及び作用する圧力の大きさの関数である。作用する圧力又は表面積のいずれかが増大すると、一般的にスプール2966にかけられる対応する軸方向の作動力が増大する。作動力の大きさは、作動表面2910の厚さT’を調整することにより制御することができる。
【0099】
作動表面2910は、スプール2966の外側表面2914に隣接して配置される。代りに、図29Bに示されるように、作動表面2910は、スプール2966の内側表面に隣接して配置してもよい。図29A及び29Bの両方を参照して、作動表面2910(図29A)及び2910’(図29B)は、加圧流体がスプール2966に軸方向の力を作用させてスプールを開位置に摺動させることができる面積を提供する。作動表面2910及び2910’に対して作用される圧力は、スプール2966を開位置に付勢する。
【0100】
図30は、バルブ3030を含むマニホールド3020の図である。バルブ3030は、マニホールド3020に対して固定された略円筒状の中空スリーブ3064及びスリーブ3064の外周に摺動可能に配置された略円筒状のスプール3066を含む油圧作動スプールバルブである。スプール3066は、開位置と閉位置との間でスリーブ3064の長さの一部にわたって前後に移動自在である。スリーブ3064及びスプール3066は、それぞれの部品の壁部を貫通して延びる一連のオリフィスを含み、スプール3066は、一連のオリフィス3080を含み、スリーブ3064は、一連のオリフィス3082を含む。スプール3066は、図30に閉位置に配置されて示され、スプール3066のオリフィス3080は、スプール3064のオリフィス3082から実質的に流通が遮断されている。スプール3066を開位置に位置決めすると(すなわち、スプールを図30において左へ摺動させることにより)、オリフィス3080がスリーブ3064のオリフィス3082に流体接続する。
【0101】
バルブ3030は、スプールの端部に配置されて、スプール3066を開位置と閉位置との間で移動させるアクチュエータ3008を含む。アクチュエータ3008は、図29Bに示されるアクチュエータ2909と同様の構造を有することができる。一例では、スプールアクチュエータ3008は、コネクタ3010によってスプール3066に固定的に取付けることができる略環状のリングである。アクチュエータ3008は、作動力をかけてスプール3066を閉位置から開位置に付勢することができる作動表面を提供する。また、バルブ3030は、戻しバネ3006として図示され、スプール3066を開位置から閉位置に移動させる付勢部材を含む。
【0102】
スプールアクチュエータ3008は、壁厚T’を含む。図29A〜29Bに示されるものと同様、スプール3066がオリフィス3080を含むスプールの部分を横切って所望の壁厚Tを維持できるようにするのに対して、スプールアクチュエータ3008の厚さT’は、所望の作動力を達成するために、スプール3066の壁厚Tよりも小さい。スプール3066を作動するために要求される力は、スプールアクチュエータ3008の厚さT’を変化させることにより変化する。この構造は、スプールアクチュエータ3008の壁厚T’を所望の作動力が得られる寸法にし、かつ、スプール3066の壁厚Tをスプール3066の外方への撓みを最小化する寸法にする。
【0103】
スプールアクチュエータ3008は、接続部材3010を使用して、スプール3066に接続される。接続部材3010は、スプールアクチュエータ3008の対応するリップ3016に係合するリップ3014及びスプール3066の対応するリップ3019に係合するリップ3018を含む。接続部材3010をスプール3066及びスプールアクチュエータ3008に接続するために他の手段を使用することもでき、これは、限定はしないが、ロウ付け、溶接及び接着を含む。使用される接続方法のタイプは、少なくとも一部において、使用される材料のタイプ及び接続の構造的な要求に依存する。
【0104】
マニホールド3020は、スプールアクチュエータ3008の作動表面3010に流体接続する作動室3012を含む。スプールアクチュエータ3008は、少なくとも一部が作動室3012内に配置されている。また、加圧流体を作動室3012に供給してバルブを作動させるために作動流れポート3014が設けられている。作動流れポート3014は、ポンプ等の圧力源に流体接続されている。作動室3012は、作動流れポート3010から流体圧力を受ける。作動室3012の流体圧力は、マニホールド3020内でスプール3066を開位置に軸方向に移動させるために使用される作動力を与える。作動室3012内にある加圧流体により、この作動力がスプーアクチュエータ3008に作用されて、スプール3066を開位置に向かって変位させる。加圧流体が作動室3012から解放されることにより、戻しバネ3006がスプール3066を閉位置に付勢できるようにする。
【0105】
図31Aを参照して、代替構造のスプール3108は、スプール3166の作動端部3113に連結された少なくとも1つのピン3102を含む。このピン3102は、ピン3102のガイドとして作用するスプールアクチュエータハウジング3106内に収容されて、スプールアクチュエータハウジング3106内で軸方向に摺動する。作動室3112は、ピン3102の一端部に隣接して配置されている。ピン3102の少なくとも一部は、作動室3012に流体接続されている。
【0106】
作動室3112は、圧力源からの加圧流体を受入れる。加圧流体は、マニホールド3120内でスプール3166を軸方向に開位置へ移動させるために使用される作動力を与える。作動室3112内の加圧流体により、作動力がピン3102に作用される。ピン3102の端部に作用された作動力は、スプール3166を開位置に向かって付勢する。戻しバネ3106として図示された付勢部材が設けられて、スプール3166を閉位置に戻すように付勢する。
【0107】
一実施形態の構造では、図31Bに示されるように、アクチュエータハウジング3106内に4つのピン3102が配置されている。アクチュエータハウジング3106は、バルブハウジング3115に固定的に取付けられている。また、アクチュエータハウジング3106は、バルブハウジング3115の一部として構成さている。図31は、アクチュエータハウジング3106内に配置され、かつ、互いに等間隔で配置された4つのピン3102を図示しているが、異なるピンの数又は異なるピンの配分を使用する他の構造も同様に使用できることに注意すべきである。例えば、ピンハウジング3102は、互いに距離の異なる間隔の5つ以上のピン3012を含んでもよい。
【0108】
図1及び32を参照して、油圧マニホールド20(図1A参照)は、ポンプ3212と一体化して、一体化された流体分配モジュール3210を形成している。様々な装置の一体化は、油圧システム内の圧縮性流体の体積を減少させ、延いては、油圧システム内の流体を圧縮するために要求される仕事量の総和を減少させることができ、システム効率を改善することができる。
【0109】
明確化のため、油圧マニホールド20と共通の流体分配モジュール3210のコンポーネント及び機構は、図32において、同様の参照符号を用いて識別する。流体分配モジュール3120は、油圧マニホールド20の制御バルブ30、32、34及び36を含む。制御バルブ30、32、34及び36は、共通のハウジング3212に配置されている。制御バルブ30、32、34及び36の出口ポート44、46、48及び50は、それぞれ、外側ハウジング3212からアクセス可能であり、様々な油圧負荷(図示せず)を流体分配モジュール3210に流体接続することができる。また、1つ以上の制御バルブは、それぞれの制御バルブを作動させるためにソレノイド作動パイロットバルブを使用することができる。
【0110】
様々な油圧負可(図示せず)を運転するために制御バルブに流体接続される加圧流体は、固定容量型ポンプ3214によって供給される。ポンプ3214は、限定はしないが、ギヤポンプ、ベーンポンプ、アキシャルピストンポンプ及びラジアルピストンポンプを含む様々な公知のあらゆる固定容量型ポンプを含む。ポンプ3214は、ポンプを駆動するための駆動軸3216を含む。駆動軸3216は、エンジン、電気モータ、その他の回転トルクを出力可能な動力源等の外部動力源に連結することができる。ポンプ3214の入口ポート3218は、流体リザーバ(図示せず)に流体接続される。油圧マニホールドの入口ポート42は、ポンプ3214の吐出ポート3220に流体接続される。
【0111】
説明のため、単一のポンプ3214が図示されているが、流体分配モジュール3210は、それぞれが、個々の流体回路に加圧流体を供給できる共通の流体ノードに流体接続される吐出ポートを有する複数のポンプを含んでもよい。複数のポンプは、例えば、より高い流速を達成するために並列に、又は、所与の流速に対してより高圧が望まれる場合などのように直列に、流体接続してもよい。
【0112】
ここで説明されたプロセス、システム、方法等に関して、そのようなプロセス等のステップは、特定の決められた順序にしたがって生じるように説明してきたが、そのようなプロセス等は、ここで説明された順序以外の順予で実行することができることを理解すべきである。更に、あるステップは、同時に実行することができ、他のステップを加えることができ、あるいは、ここで説明されたあるステップは省略することができることが理解されるべきである。換言すれば、ここでのプロセスの説明は、特定の実施形態を示す目的のために提供されており、決して特許請求の範囲に記載された発明を限定するように解釈すべきではない。
【0113】
上述の説明は、例示を意図し、限定を意図しないことが理解されるべきである。上述の説明を読めば、提供された例以外の多くの実施形態及び適用例が当業者には、明らかになる。本発明の範囲は、上述の説明にかかわらず、代りに、添付の特許請求の範囲と共に、与えられたそのような特許請求の範囲と均等な全範囲に基づいて決定されるべきである。ここに説明された技術において更なる開発が生じ、また、開示されたシステム及び方法は、更なる実施形態として組込まれるであろうことが見込まれ、意図されている。つまり、本発明は、修正及び応用が可能であり、特許請求の範囲のみによって限定されることが理解されるべきである。
【0114】
特許請求の範囲において使用される全ての用語は、ここで明示された規定のある場合を除き、それらの最も広い妥当な構成及び当業者によって理解される通常の意味が与えられるものとする。特に、「1つの(a)」、「その(the)」「前記(said)」等のような単数形の冠詞の使用は、特許請求の範囲に明示の規定がある場合を除き、1つ以上の示された要素を挙げるものと解釈すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1出口ポート及び第2出口ポートと、
第1部材、及び、前記第1部材に対して第1位置と第2位置との間で移動可能な第2部材を含む第1バルブとを備え、
前記第1部材は、前記第2部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1出口ポートに流体接続される第1オリフィス、及び、前記第2部材がその第2位置に配置されたとき、前記第2出口ポートに流体接続される第2オリフィスを含むことを特徴とするバルブマニホールド。
【請求項2】
前記第1オリフィスは、前記第2部材がその第2位置に配置されたとき、前記第1出口ポートから実質的に流体遮断され、前記第2オリフィスは、前記第2部材がその第1位置に配置されたとき、前記第2出口ポートから実質的に流体遮断されることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項3】
更に、前記第1バルブの前記第2部材に流体接続される第2バルブを備え、前記第2バルブは、前記第2部材に選択的に圧力を付与して、前記第2部材をその第1位置と第2位置との間で移動させることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項4】
前記第1部材は、前記第1部材の前記第1及び第2オリフィスに流体接続されるプレナムを形成し、
当該バルブマニホールドは、更に、前記第2バルブと前記プレナムとの間の流体通路に配置された逆止弁を備え、
前記逆止弁は、前記第2バルブを前記プレナムに選択的に流体接続するように作動することを特徴とする請求項3に記載のバルブマニホールド。
【請求項5】
前記逆止弁は、流体が前記プレナムから前記第2バルブに流通するのを選択的に許容し、流体が前記第2バルブから前記プレナムに流通するのを実質的に阻止するように作動することを特徴とする請求項4に記載のバルブマニホールド。
【請求項6】
更に、前記逆止弁を前記第2バルブに接続する流体通路に流体接続されるアキュムレータを備えていることを特徴とする請求項4に記載のバルブマニホールド。
【請求項7】
更に、前記第2部材に作動連結された付勢部材を備え、前記付勢部材は、前記第2部材をその第2位置に向って付勢するように作動することを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項8】
前記第2バルブは、前記第2部材をその第1位置に向かって移動させるように作動することを特徴とする請求項4に記載のバルブマニホールド。
【請求項9】
前記第1及び第2オリフィスは、前記第1部材によって形成された共通の流体プレナムに流体接続されることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項10】
更に、前記第2部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1出口ポートに流体接続され、前記第2部材がその第2位置に配置されたとき、前記第2出口ポートに流体接続される入口ポートを備えていることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項11】
前記第2部材は、前記第1部材に対して軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項12】
入口ポートと、
第1出口ポートと、
第2出口ポートと、
第1オリフィス及び第2オリフィスを含み、前記第1及び第2オリフィスに流体接続されるプレナムを形成する略円筒状の第1バルブ部材と、
前記第1バルブ部材に摺動可能に係合して、前記第1バルブ部材に対して第1位置と第2位置との間で移動可能な略円筒状の第2バルブ部材とを備え、
前記第2バルブ部材は、前記第1出口ポートに流体接続される第1オリフィス及び前記第2出口ポートに流体接続される第2オリフィス含み、
前記第1バルブ部材の第1オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第1位置に配置されたとき、前記第2バルブ部材の第1オリフィスに流体接続され、前記第1バルブ部材の第2オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第2位置に配置されたとき、前記第2バルブ部材の第2オリフィスに流体接続されることを特徴とするバルブマニホールド。
【請求項13】
前記第2バルブ部材の第1オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第2位置に配置されたとき、前記第1バルブ部材の第1オリフィスから実質的に流体遮断され、前記第2バルブ部材の第2オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1バルブ部材の第2オリフィスから実質的に流体遮断されることを特徴とする請求項12に記載のバルブマニホールド。
【請求項14】
前記第1バルブ部材の第1オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1出口ポートに流体接続され、前記第2バルブ部材がその第2位置に配置されたとき、前記第1出口ポートから実質的に流体遮断されることを特徴とする請求項12に記載のバルブマニホールド。
【請求項15】
更に、前記プレナムに流体接続可能な入口ポート及び前記第2バルブ部材に流体接続される出口ポートを有する第2バルブを備え、
前記第2バルブは、加圧流体を前記第2バルブ部材に供給して前記第2バルブ部材をその第1位置から第2位置に付勢するように選択的に作動可能であることを特徴とする請求項12に記載のバルブマニホールド。
【請求項16】
更に、前記第2バルブ部材に係合する付勢部材を備え、前記付勢部材は、前記第2バルブ部材をその第2位置から第1位置に付勢するように作動することを特徴とする請求項15に記載のバルブマニホールド。
【請求項17】
更に、前記プレナムと前記第2バルブとの間の流体通路に配置された第3バルブを備え、前記第3バルブは、流体が前記プレナムから前記第2バルブに流通するのを選択的に許容し、前記第2バルブから前記プレナムへの流体の流れを阻止するように作動することを特徴とする請求項15に記載のバルブマニホールド。
【請求項18】
第1出口ポートと、
第2出口ポートと、
プレナムを形成し、前記プレナムに流体接続される第1オリフィス及び前記プレナムに流体接続される第2オリフィスを有する略円筒状の第1バルブ部材と、
前記第1出口ポートに流体接続される第1オリフィス及び前記第2出口ポートに流体接続される第2オリフィスを含む略円筒状の第2バルブ部材とを備え、
前記第2バルブ部材と前記第1バルブ部材とは、共通の縦軸に沿って配置され、
前記第2バルブ部材は、前記第1バルブ部材の第1オリフィスが前記第2バルブ部材の第1オリフィスに流体接続されて前記第1バルブ部材の第2オリフィスが前記第2バルブ部材の第2オリフィスから実質的に流体遮断される第1位置と、前記第1バルブ部材の第1オリフィスが前記第2バルブ部材の第1オリフィスから実質的に流体遮断されて前記第1バルブ部材の第2オリフィスが第2バルブ部材の第2オリフィスに流体接続される第2位置との間で移動可能であり、
更に、前記第2バルブ部材に係合し、前記第2バルブ部材をその第2位置に向って付勢するように作動する付勢部材と、
前記プレナムに流体接続可能な入口ポート及び前記第2バルブ部材に流体接続される出口ポートを含み、前記プレナムから受入れた加圧流体を前記第2バルブ部材に供給して、前記第2バルブ部材をその第2位置に付勢するように作動するバルブと、
前記プレナムに流体接続される入口ポート及び前記バルブに流体接続される出口ポートを有し、前記プレナムを前記バルブに選択的に流体接続するように作動する逆止弁とを備えていることを特徴とするバルブマニホールド。
【請求項19】
前記第2バルブ部材は、前記第1バルブ部材に対して軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項18に記載のバルブマニホールド。
【請求項20】
更に、前記プレナムに流体接続する入口ポートを備え、
この入口ポートは、前記第2バルブ部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1出口ポートに流体接続されて前記第2出口ポートから実質的に流体遮断され、前記第2バルブ部材がその第2位置に配置されたとき、前記第2出口ポートに流体接続されて前記第1出口ポートから実質的に流体遮断されることを特徴とする請求項18に記載のバルブマニホールド。
【請求項1】
第1出口ポート及び第2出口ポートと、
第1部材、及び、前記第1部材に対して第1位置と第2位置との間で移動可能な第2部材を含む第1バルブとを備え、
前記第1部材は、前記第2部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1出口ポートに流体接続される第1オリフィス、及び、前記第2部材がその第2位置に配置されたとき、前記第2出口ポートに流体接続される第2オリフィスを含むことを特徴とするバルブマニホールド。
【請求項2】
前記第1オリフィスは、前記第2部材がその第2位置に配置されたとき、前記第1出口ポートから実質的に流体遮断され、前記第2オリフィスは、前記第2部材がその第1位置に配置されたとき、前記第2出口ポートから実質的に流体遮断されることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項3】
更に、前記第1バルブの前記第2部材に流体接続される第2バルブを備え、前記第2バルブは、前記第2部材に選択的に圧力を付与して、前記第2部材をその第1位置と第2位置との間で移動させることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項4】
前記第1部材は、前記第1部材の前記第1及び第2オリフィスに流体接続されるプレナムを形成し、
当該バルブマニホールドは、更に、前記第2バルブと前記プレナムとの間の流体通路に配置された逆止弁を備え、
前記逆止弁は、前記第2バルブを前記プレナムに選択的に流体接続するように作動することを特徴とする請求項3に記載のバルブマニホールド。
【請求項5】
前記逆止弁は、流体が前記プレナムから前記第2バルブに流通するのを選択的に許容し、流体が前記第2バルブから前記プレナムに流通するのを実質的に阻止するように作動することを特徴とする請求項4に記載のバルブマニホールド。
【請求項6】
更に、前記逆止弁を前記第2バルブに接続する流体通路に流体接続されるアキュムレータを備えていることを特徴とする請求項4に記載のバルブマニホールド。
【請求項7】
更に、前記第2部材に作動連結された付勢部材を備え、前記付勢部材は、前記第2部材をその第2位置に向って付勢するように作動することを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項8】
前記第2バルブは、前記第2部材をその第1位置に向かって移動させるように作動することを特徴とする請求項4に記載のバルブマニホールド。
【請求項9】
前記第1及び第2オリフィスは、前記第1部材によって形成された共通の流体プレナムに流体接続されることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項10】
更に、前記第2部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1出口ポートに流体接続され、前記第2部材がその第2位置に配置されたとき、前記第2出口ポートに流体接続される入口ポートを備えていることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項11】
前記第2部材は、前記第1部材に対して軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のバルブマニホールド。
【請求項12】
入口ポートと、
第1出口ポートと、
第2出口ポートと、
第1オリフィス及び第2オリフィスを含み、前記第1及び第2オリフィスに流体接続されるプレナムを形成する略円筒状の第1バルブ部材と、
前記第1バルブ部材に摺動可能に係合して、前記第1バルブ部材に対して第1位置と第2位置との間で移動可能な略円筒状の第2バルブ部材とを備え、
前記第2バルブ部材は、前記第1出口ポートに流体接続される第1オリフィス及び前記第2出口ポートに流体接続される第2オリフィス含み、
前記第1バルブ部材の第1オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第1位置に配置されたとき、前記第2バルブ部材の第1オリフィスに流体接続され、前記第1バルブ部材の第2オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第2位置に配置されたとき、前記第2バルブ部材の第2オリフィスに流体接続されることを特徴とするバルブマニホールド。
【請求項13】
前記第2バルブ部材の第1オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第2位置に配置されたとき、前記第1バルブ部材の第1オリフィスから実質的に流体遮断され、前記第2バルブ部材の第2オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1バルブ部材の第2オリフィスから実質的に流体遮断されることを特徴とする請求項12に記載のバルブマニホールド。
【請求項14】
前記第1バルブ部材の第1オリフィスは、前記第2バルブ部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1出口ポートに流体接続され、前記第2バルブ部材がその第2位置に配置されたとき、前記第1出口ポートから実質的に流体遮断されることを特徴とする請求項12に記載のバルブマニホールド。
【請求項15】
更に、前記プレナムに流体接続可能な入口ポート及び前記第2バルブ部材に流体接続される出口ポートを有する第2バルブを備え、
前記第2バルブは、加圧流体を前記第2バルブ部材に供給して前記第2バルブ部材をその第1位置から第2位置に付勢するように選択的に作動可能であることを特徴とする請求項12に記載のバルブマニホールド。
【請求項16】
更に、前記第2バルブ部材に係合する付勢部材を備え、前記付勢部材は、前記第2バルブ部材をその第2位置から第1位置に付勢するように作動することを特徴とする請求項15に記載のバルブマニホールド。
【請求項17】
更に、前記プレナムと前記第2バルブとの間の流体通路に配置された第3バルブを備え、前記第3バルブは、流体が前記プレナムから前記第2バルブに流通するのを選択的に許容し、前記第2バルブから前記プレナムへの流体の流れを阻止するように作動することを特徴とする請求項15に記載のバルブマニホールド。
【請求項18】
第1出口ポートと、
第2出口ポートと、
プレナムを形成し、前記プレナムに流体接続される第1オリフィス及び前記プレナムに流体接続される第2オリフィスを有する略円筒状の第1バルブ部材と、
前記第1出口ポートに流体接続される第1オリフィス及び前記第2出口ポートに流体接続される第2オリフィスを含む略円筒状の第2バルブ部材とを備え、
前記第2バルブ部材と前記第1バルブ部材とは、共通の縦軸に沿って配置され、
前記第2バルブ部材は、前記第1バルブ部材の第1オリフィスが前記第2バルブ部材の第1オリフィスに流体接続されて前記第1バルブ部材の第2オリフィスが前記第2バルブ部材の第2オリフィスから実質的に流体遮断される第1位置と、前記第1バルブ部材の第1オリフィスが前記第2バルブ部材の第1オリフィスから実質的に流体遮断されて前記第1バルブ部材の第2オリフィスが第2バルブ部材の第2オリフィスに流体接続される第2位置との間で移動可能であり、
更に、前記第2バルブ部材に係合し、前記第2バルブ部材をその第2位置に向って付勢するように作動する付勢部材と、
前記プレナムに流体接続可能な入口ポート及び前記第2バルブ部材に流体接続される出口ポートを含み、前記プレナムから受入れた加圧流体を前記第2バルブ部材に供給して、前記第2バルブ部材をその第2位置に付勢するように作動するバルブと、
前記プレナムに流体接続される入口ポート及び前記バルブに流体接続される出口ポートを有し、前記プレナムを前記バルブに選択的に流体接続するように作動する逆止弁とを備えていることを特徴とするバルブマニホールド。
【請求項19】
前記第2バルブ部材は、前記第1バルブ部材に対して軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項18に記載のバルブマニホールド。
【請求項20】
更に、前記プレナムに流体接続する入口ポートを備え、
この入口ポートは、前記第2バルブ部材がその第1位置に配置されたとき、前記第1出口ポートに流体接続されて前記第2出口ポートから実質的に流体遮断され、前記第2バルブ部材がその第2位置に配置されたとき、前記第2出口ポートに流体接続されて前記第1出口ポートから実質的に流体遮断されることを特徴とする請求項18に記載のバルブマニホールド。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22A−22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22A−22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【公表番号】特表2012−530879(P2012−530879A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514099(P2012−514099)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/037121
【国際公開番号】WO2010/141625
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/037121
【国際公開番号】WO2010/141625
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]