説明

2次元測長機による測定値の補正方法

【課題】汎用の2次元測長機を用いても露光面に形成された座標上の露光点を高精度に測定できるようにする。
【解決手段】X軸ガイドとY軸ガイドがX軸とY軸で直角に直交している状態から、X軸とY’軸とで示すように90度以下の角度θで交差する状態になる。このとき、X軸ガイドとY軸ガイドに基づいて露光点観測カメラが露光点20を測定すると、測定される座標の測定値はx’とy’となるが、露光点20における真の座標の測定値はx、yである。一方、真の座標の測定値x、yと実際の測定値x’、y’との関係は、x=x’+y’cosθ、及び、y=y’sinθで表わすことができる。従って、X軸ガイドとY軸ガイドが90度以下の角度θで交差していても、実際に測定された測定値x’、y’と交差角度θを上式に代入すれば、真の座標の測定値x、yを容易に求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元測長機による測定値の補正方法に関するものであり、特に、2次元測長機が、レーザマーキング装置で露光されてマーキングされた複数の露光点を測定したときの測定値の補正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザマーキング装置は、レーザ光をX方向ミラーとY方向ミラーで反射させ、各ミラーの回転角をモータで任意に制御することにより、露光面に配置された液晶パネルなどの材料の任意の場所にレーザ光を集光させ、2次元コード等のマーキングを行う用途などに広く利用されている。図1は、従来のレーザマーキング装置の要部構成を模式的に示す説明図である。同図において、図示しない光源から発した入射レーザ光1は、X方向ミラー2とY方向ミラー3にて反射された後、集光レンズ4を通り、露光面5に焦点を結ぶ。そして、X方向ミラー2とY方向ミラー3の回転角θx,θyにより、露光面5における(焦点)座標位置Xm,Ymが一意的に定まる。尚、図1中の符号6’は制御ユニットであり、該制御ユニット6’の主要制御部60’は、レーザ制御部61とマーキング位置情報出力部63とから成る。又、該マーキング位置情報出力部63には設定等指令部8が接続されている。
【0003】
前記マーキング位置情報出力部63はマーキングパターン情報Pに基づきマーキング指令信号x,yを出力するが、マーキング指令信号x,yは、電力増幅器9,9’を介してX方向ミラー2の駆動モータ21及びY方向ミラー3の駆動モータ31に送出される(特許文献1又は2参照)。
【0004】
上記従来のレーザマーキング装置によれば、集光レンズ4の特性や該集光レンズ4とX方向ミラー2、Y方向ミラー3の夫々の幾何学的配置に起因してレーザ光の照射位置に歪みが発生する。依って、X方向ミラー2とY方向ミラー3の回転角θx,θyを等間隔で回転させても、前記レーザ光の照射位置に歪みにより、座標位置Xm,Ymの間隔は等間隔にならない。
【0005】
図2は、各回転角θx,θyを夫々X方向,Y方向に等間隔で回転させて、レーザ光によりマーキングした場合の理想的な結果物(マーキング後の製品)の一例をグラフで表したものであり、白丸で示す各点は、図2の直交座標におけるθx,θyの回転角に対応している。また、図3は、図2の白丸で示す位置に対して、マーキングされた露光面上の座標位置(露光点)Xm,Ymがどのような位置に変換されるかを示したものであり、黒丸で示す各点は、図3の直交座標におけるXm,Ymの位置に対応している。
【0006】
図2では、白丸の点の配置は全体として等間隔の格子状を呈しているが、図3では、黒丸の点の配置は全体として上下が膨らみ、且つ、左右が凹んだ形状を呈している。従って、露光面上での座標位置(露光点)Xm,Ymが図5に示すような等間隔の格子状になるようにするには、X方向ミラー2とY方向ミラー3の回転角θx,θyが等間隔を有しない位置、即ち、図4における白丸の位置になるように制御する必要がある。このような制御を行うことによって図5に示すような等間隔の露光点をマーキングすることができる。
【0007】
ところで、露光面5に形成された図3に示すような座標上の複数の露光点は2次元測長機によって逐次測定され、その測定結果に基づいて、X方向ミラー2とY方向ミラー3の回転角θx,θyが等間隔を有しない位置、即ち、図4における白丸の位置になるように制御を行う。さらに、図4における白丸の位置になるように制御した結果、図5に示すような等間隔の露光点が露光面にマーキングされたか否かのチェックについても2次元測長機によって逐次測定される。
【0008】
尚、露光面上の所期の位置にマーキングするためにパターン認識装置を用いて、上記格子点における誤差量を計測し、現在位置と行き先位置との間の相対移動量にプラスして、各格子点における誤差量の差を補正量として、該補正量をガルバノメータ駆動信号に付加して位置補正を行う方法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭62−94343号公報
【特許文献2】特開平7−164169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のような2次元測長機によって露光面に形成された座標上の複数の露光点を測定する場合は、該2次元測長機のX,Y駆動軸が高精度で直角に交差している必要がある。しかしながら、エンコーダ等を用いた2次元測長機は、X軸用のエンコーダとY軸用のエンコーダがX,Y座標を直交して移動しながら上記露光面に形成された露光点を測定しているので、直交するエンコーダの機構要素を高精度に直角状態に維持することは難しい。もちろん、高価な2次元測長機を用いれば、該2次元測長機のX,Y駆動軸の構成要素を高精度に直角状態に維持することはできるが、汎用の2次元測長機では構成要素を高精度に直角状態に維持することは難しいので、結果的に、露光面に形成された座標上の露光点を測定するときに測定誤差が生じてしまう。
【0011】
そこで、汎用の2次元測長機を用いても露光面に形成された座標上の露光点を高精度に測定できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、X軸方向に駆動してX座標を測定するX座標測定手段とY軸方向に駆動してY座標を測定するY座標測定手段とを備えた2次元測長機による測定値の補正方法において、前記X座標測定手段と前記Y座標測定手段との交差角度θが0<θ<πの範囲にあるとき、前記X座標測定手段と前記Y座標測定手段が直角に交差しているときに測定される座標の真の測定値x、yは、前記X座標測定手段と前記Y座標測定手段が前記交差角度θで交差しているときに実際に測定した座標の測定値x’、y’と該交差角度θとによって求められることを特徴とする2次元測長機による測定値の補正方法を提供する。
【0013】
この方法によれば、2次元測長機を構成するX座標測定手段(X軸エンコーダ)とY座標測定手段(Y軸エンコーダ)との交差角度θが直角状態からずれても、交差角度θが0<θ<πの範囲にあるときは、X座標測定手段とY座標測定手段が直角に交差しているときに測定される座標の真の測定値x、yは、X座標測定手段とY座標測定手段が実際に測定した座標の測定値x’、y’と交差角度θとの関数で表わすことができる。従って、X座標測定手段とY座標測定手段が実際に測定した座標の測定値x’、y’と交差角度θが分かれば、一義的に座標の真の測定値x、yを求めることができる。これによって、高価な2次元測長機を用意しなくても、X座標測定手段とY座標測定手段の直角度がずれ易い安価な2次元測長機を用いても、座標の真の測定値を容易に求めることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、上記交差角度θが0<θ<πのとき、上記真の測定値x、yは、x=x’+y’cosθ、及び、y=y’sinθで表わされることを特徴とする請求項1記載の2次元測長機による測定値の補正方法を提供する。
【0015】
この方法によれば、X座標測定手段とY座標測定手段との交差角度θが0度から180度までのときは、真の測定値x、yは、x=x’+y’cosθ、及び、y=y’sinθで求めることができる。従って、X座標測定手段とY座標測定手段との交差角度θの範囲が0度から180度までの範囲にあるときは、容易に座標の真の測定値x、yを求めることができるので、さらに安価で汎用的な2次元測長機を利用することが可能となる。
【0016】
請求項3記載の発明では、上記2次元測長機は、レーザマーキング装置によって形成された露光面における露光点の座標を測定することを特徴とする請求項1又は2記載の2次元測長機による測定値の補正方法を提供する。
【0017】
この方法によれば、X座標測定手段とY座標測定手段との交差角度θが90度からずれ易い安価な2次元測長機を用いて、レーザマーキング装置によって形成された露光面における露光点の座標を測定することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、上記2次元測長機は上記レーザマーキング装置と一体的に構成されていることを特徴とする請求項3記載の2次元測長機による測定値の補正方法を提供する。
【0019】
この方法によれば、X座標測定手段とY座標測定手段との交差角度θが90度からずれ易い安価な2次元測長機をレーザマーキング装置と一体的に組み込むことで、安価で使い勝手のよいレーザマーキング装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明は、X座標測定手段とY座標測定手段が直角状態からずれても、簡単な演算よって座標の真の測定値を求めることができるので、高価な2次元測長機を用意しなくても、X座標測定手段とY座標測定手段の直角度がずれ易い汎用の安価な2次元測長機を利用することができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、X座標測定手段とY座標測定手段が実際に測定した座標の測定値x’、y’と交差角度θとによって座標の真の測定値を求めることができるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、より安価で簡易的な2次元測長機を利用することができる。
【0022】
請求項3記載の発明は、より安価で簡易的な2次元測長機を用いて、レーザマーキング装置によって形成された露光面における露光点の座標を測定することができるので、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、さらに使い勝手のよい2次元測長機を実現することができる。
【0023】
請求項4記載の発明は、X座標測定手段とY座標測定手段との交差角度θが90度からずれ易い安価な2次元測長機をレーザマーキング装置と一体的に組み込むことで、請求項3記載の発明の効果に加えて、安価で使い勝手のよいレーザマーキング装置を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来のレーザマーキング装置の要部構成を示す模式図。
【図2】図1のミラーの回転角を座標上でグラフ化した説明図。
【図3】同上ミラーの回転角に対応する露光面上のレーザ焦点位置の露光点を座標上でグラフ化した説明図。
【図4】同上露光面上のレーザ焦点位置の座標が等間隔の格子状になるようにしたときのミラーの回転角を座標上でグラフ化した説明図。
【図5】図4のミラーの回転角に対応する露光面上のレーザ焦点位置の露光点を座標上でグラフ化した説明図。
【図6】本発明に適用される2次元測長機が露光面に形成された露光点を測定する状態を示す説明図。
【図7】図6に示すX軸ガイド15とY軸ガイド16が90度以下の角度で交差している場合の座標軸を示す説明図。
【図8】図6に示すX軸ガイド15とY軸ガイド16が90度以上の角度で交差している場合の座標軸を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、汎用の2次元測長機を用いても露光面に形成された座標上の点を高精度に測定できるようにするという目的を達成するために、X軸方向に駆動してX座標を測定するX座標測定手段とY軸方向に駆動してY座標を測定するY座標測定手段とを備えた2次元測長機による測定値の補正方法において、X座標測定手段とY座標測定手段との交差角度θが0<θ<πの範囲にあるとき、X座標測定手段とY座標測定手段が直角に交差しているときに測定される座標の真の測定値x、yは、X座標測定手段とY座標測定手段が交差角度θで交差しているときに実際に測定した座標の測定値x’、y’と該交差角度θとによって求められることを特徴とする2次元測長機による測定値の補正方法を提供することによって実現した。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の好適な一実施例を図6乃至図8に従って詳細に説明する。なお、本実施例は、図1に示すレーザマーキング装置によって露光面に形成された多数の露光点を測定する2次元測長機について説明する。この場合、使い勝手の利便性を考えて、2次元測長機はレーザマーキング装置内に実装されていることが望ましいが、2次元測長機とレーザマーキング装置が別々に構成されていても、本発明に係る2次元測長機による測定値の補正方法を実現することができる。
【0027】
図6は、本発明に適用される2次元測長機が露光面に形成された露光点を測定する状態を示す説明図である、図6に示すように、2次元測長機10は、X軸エンコーダ・スケール11、X軸エンコーダ・センサ12、Y軸エンコーダ・スケール13、Y軸エンコーダ・センサ14、X軸ガイド15,15、Y軸ガイド16、X軸方向可動ビーム17、Y軸方向可動ビーム18、及び露光点観測カメラ19を主要な要素として構成されていて、平面上の複数の露光点20,20,20…を測定することができる。尚、このような2次元測長機10は、公知の装置であるので更なる詳細な構成要素の説明は省略する。
【0028】
すなわち、上述のような構成により、2次元測長機10は、X軸方向可動ビーム17及びY軸方向可動ビーム18が、それぞれ、X軸方向及びY軸方向へ移動し、露光点観測カメラ19が平面上をX軸方向とY軸方向へスキャンして行くことにより、露光面の表面に形成された各露光点20,20,20…のX座標及びY座標の位置を測定することができる。このようにして、露光点観測カメラ19が露光面の全面をスキャンして行くと、例えば、図3又は図5に示すような多数の露光点の座標位置を測定することができる。
【0029】
ところが、X軸ガイド15,15及びY軸ガイド16は、機構部品の取付け部分のクリアランス(遊び)などによって直角状態を維持できないおそれがある。すなわち、X軸ガイド15,15とY軸ガイド16が直角状態からずれると、必然的に、X軸方向及びY軸方向を移動中のX軸方向可動ビーム17及びY軸方向可動ビーム18も直交状態を維持することができなくなるおそれがある。その結果、露光点観測カメラ19が露光面をスキャンしたときに測定された複数の露光点20,20,20…に測定誤差が生じる。尚、X軸エンコーダ・スケール11、Y軸エンコーダ・スケール13、X軸方向可動ビーム17、Y軸方向可動ビーム18などに直交状態のずれが生じても、前述と同様に露光点20,20,20…に測定誤差が生じる。
【0030】
そこで、本発明の2次元測長機による測定値の補正方法では、X軸ガイド15とY軸ガイド16が交差する角度に応じて、露光点20,20,20…のX座標及びY座標の測定値を補正することにより、露光点20,20,20…の正確な測定値を求めている。以下、本発明の2次元測長機による測定値の補正方法の具体的な実施例について説明する。尚、以下の説明では、X軸ガイド15とY軸ガイド16が交差する角度が90度以下の場合と90度以上の場合とについて個別に説明する。
【0031】
図7は、図6に示すX軸ガイド15とY軸ガイド16が90度以下の角度で交差している場合の座標軸を示す説明図である。すなわち、X軸ガイド15とY軸ガイド16が、X軸とY軸とによって90度で直交している状態から、X軸とY’軸とによって90度以下の交差角度θで交差する状態になったとする。
【0032】
このとき、X軸ガイド15とY軸ガイド16の角度に基づいて露光点観測カメラ19が露光点20を測定すると、測定される座標の測定値はx’とy’となる。ところが、露光点20における真の座標の測定値はx、yである。従って、真の座標の測定値x、yと、実際の座標の測定値x’、y’及び交差角度θとの関係は、つぎの式(1)及び式(2)のようになる。
【0033】
x=x’+y’cosθ (1)
y=y’sinθ (2)
【0034】
従って、X軸ガイド15とY軸ガイド16が90度以下の交差角度θで交差している場合は、実際に測定された座標の測定値x’、y’の値と、X軸ガイド15とY軸ガイド16が交差する交差角度θとを式(1)及び式(2)に代入すれば、真の座標の測定値x、yを求めることができる。これによって、X軸ガイド15とY軸ガイド16が90度以下の交差角度θにずれていても、測定誤差のない真の座標の測定値x、yを求めることができる。
【0035】
図8は、図6に示すX軸ガイド15とY軸ガイド16が90度以上の角度で交差している場合の座標軸を示す説明図である。すなわち、X軸ガイド15とY軸ガイド16が、X軸とY軸とによって90度で直交している状態から、X軸とY’軸とによって90度以上の交差角度θで交差する状態になったとする。
【0036】
このとき、X軸ガイド15とY軸ガイド16によって露光点20を測定すると、測定される座標の測定値はx’とy’となる。ところが、露光点20における真の座標の測定値はx、yである。従って、真の座標の測定値x、yと、実際の座標の測定値x’、y’及び交差角度θとの関係は、前述の式(1)及び式(2)のようになる。
【0037】
従って、X軸ガイド15とY軸ガイド16が90度以上の交差角度θで交差している場合は、実際に測定された座標の測定値x’、y’の値と、X軸ガイド15とY軸ガイド16が交差する交差角度θとを式(1)及び式(2)に代入すれば、真の座標の測定値x、yを求めることができる。これによって、X軸ガイド15とY軸ガイド16が90度以上の交差角度θにずれていても、測定誤差のない真の座標の測定値x、yを求めることができる。
【0038】
すなわち、X軸ガイド15とY軸ガイド16の交差角度θが、0<θ<πの範囲にあれば、実際に測定された座標の測定値x’、y’と、X軸ガイド15とY軸ガイド16との交差角度θとに基づいて、真の座標の測定値x、yを一義的に求めることができる。
【0039】
これによって、高価な測長機を用いることなく、X軸ガイド15とY軸ガイド16の交差角度が90度(直角)からずれ易い汎用の安価な測長機を用いても、容易に露光点の真の座標の測定値x、yを求めることができる。
【0040】
以上を要約すると、本発明の2次元測長機による測定値の補正方法は、X軸方向に駆動してX座標の測定に寄与するX軸方向可動ビーム17と、Y軸方向に駆動してY座標の測定に寄与するY軸方向可動ビーム18との交差角度θが0<θ<πの範囲にあれば、X軸ガイド15とY軸ガイド16が直角に交差しているときに測定される座標の真の測定値x、yは、X軸ガイド15とY軸ガイド16が交差角度θで交差しているときに実際に測定した座標の測定値x’、y’と前記交差角度θとによって容易に求めることができる。
【0041】
さらに具体的に説明すると、X軸ガイド15とY軸ガイド16との交差角度θが0<θ<πの範囲にあるときは、真の測定値x、yは、上記の式(1)と式(2)で求めることができる。
【0042】
このような補正機能を備えた2次元測長機の好適な用途としては、レーザマーキング装置によって形成された露光面における露光点の座標を測定する用途などに使用することができる。このとき、2次元測長機をレーザマーキング装置と一体的に構成すれば、露光と測定とを一括して行うことができるので、レーザマーキング装置及び2次元測長機の使い勝手が一段と向上する。
【0043】
本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明による2次元測長機による測定値の補正方法によれば、安価な汎用の2次元測長機を用いて、レーザマーキング装置で露光された露光点を正確に測定することができるので、レーザマーキング装置に2次元測長機を一体的に組み込んで露光と測定とを一括して行う複合装置として有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 入射レーザ光
2 X方向ミラー
3 Y方向ミラー
4 集光レンズ
5 露光面
6’ 制御ユニット
8 設定値等指令部
9 X方向の電力増幅器
9’ Y方向の電力増幅器
10 2次元測長機
11 X軸エンコーダ・スケール
12 X軸エンコーダ・センサ
13 Y軸エンコーダ・スケール
14 Y軸エンコーダ・センサ
15 X軸ガイド
16 Y軸ガイド
17 X軸方向可動ビーム
18 Y軸方向可動ビーム
19 露光点観測カメラ
20 露光点
21 X方向の駆動モータ
31 Y方向の駆動モータ
60’主要制御部
61 レーザ制御部
63 マーキング位置情報出力部
p マーキングパターン情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X軸方向に駆動してX座標を測定するX座標測定手段とY軸方向に駆動してY座標を測定するY座標測定手段とを備えた2次元測長機による測定値の補正方法において、
前記X座標測定手段と前記Y座標測定手段との交差角度θが0<θ<πの範囲にあるとき、前記X座標測定手段と前記Y座標測定手段が直角に交差しているときに測定される座標の真の測定値x、yは、前記X座標測定手段と前記Y座標測定手段が前記交差角度θで交差しているときに実際に測定した座標の測定値x’、y’と該交差角度θとによって求められることを特徴とする2次元測長機による測定値の補正方法。
【請求項2】
上記交差角度θが0<θ<πのとき、上記真の測定値x、yは、
x=x’+y’cosθ、及び、y=y’sinθで表わされる
ことを特徴とする請求項1記載の2次元測長機による測定値の補正方法。
【請求項3】
上記2次元測長機は、レーザマーキング装置によって形成された露光面における露光点の座標を測定することを特徴とする請求項1又は2記載の2次元測長機による測定値の補正方法。
【請求項4】
上記2次元測長機は上記レーザマーキング装置と一体的に構成されていることを特徴とする請求項3記載の2次元測長機による測定値の補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−237394(P2011−237394A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111517(P2010−111517)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000139366)株式会社ワイ・イー・データ (39)
【Fターム(参考)】