説明

2液混合型流量調節弁構造

【課題】 バルブディスクの回転角度によって1液と2液を適正量混合して流出できるように形成して、これを通じて水(1液)と空気(2液)または水(1液)と薬品類(2液)などを混合排出するようにした2液混合型流量調節弁構造を提供する。
【解決手段】 複数個の1液流出孔が形成されている固定ディスクと、前記1液流出孔を選択的に開放させるための1液バルブホールが外周縁に切り欠き形成されているバルブディスクと、を含む流量調節弁構造であって、前記固定ディスクの中心部に互いに対向するように2液流出孔を形成し、前記バルブディスクの前記1液バルブホールの内側には、前記2液流出孔を選択的に開放するための2液バルブホールを半円弧状に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2液混合型流量調節弁構造に関し、特に、バルブディスクの回転角度によって1液と2液が適正量混合されて流出されるように形成して、これを通じて水(1液)と空気(2液)または水(1液)と薬品類(2液)などを混合排出できるようにした2液混合型流量調節弁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
温水洗浄機にはビデ洗浄ノズル及び肛門洗浄ノズルに供給される水の流量を調節するための流量調節弁が設置されている。
【0003】
図1A〜図1Cは、従来の温水洗浄機の流量調節弁構造を示す図である。
【0004】
図1A〜図1Cに示したように、固定ディスク1上には複数個の1液流出孔2、3、4が形成されており、固定ディスク1の上側に取り付けられて回転するバルブディスク5には、複数個の1液流出孔2、3、4を選択的に開放させるための1液バルブホール6が外周縁に切り欠き形成されている。また、固定ディスク1の外郭にはバルブディスク5の回転角度を確認できるようにするためのストッパ7が形成されている。
【0005】
かかる従来の流量調節弁構造は、バルブディスク5の回転角度によって1液バルブホール6が複数個の1液流出孔2、3、4を選択的に開放させることにより、ビデ洗浄ノズルまたは肛門洗浄ノズルに供給される流量を調節する。
【0006】
しかし、従来の流量調節弁構造は、水以外の他の流体、即ち、水を1液と仮定する場合、空気または薬品類のような2液を同時に供給することができない問題点があった。
【0007】
最近、ビデの機能が徐々に多様化されており、1液(水)と2液(空気または薬品類)とを混合する機能が必要となっているが、従来の流量調節弁構造は、上述のように1液と2液を混合する機能を有していない。このため、流量調節弁の後端部に別の連結口を形成して2液を投入する構造が提案されているが、このような構造は、流路構造が複雑になって生産及び設計が難しくなり、ビデが大型化されて製品の品質及びデザインが低下するという問題が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、バルブディスクの回転角度によって1液と2液を適正量混合して流出できるように形成することにより、水(1液)と空気(2液)または水(1液)と薬品類(2液)などを混合排出できるようにした2液混合型流量調節弁構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために本発明は、複数個の1液流出孔が形成されている固定ディスクと、前記1液流出孔を選択的に開放させるための1液バルブホールが外周縁に切り欠き形成されているバルブディスクと、を含む流量調節弁構造であって、前記固定ディスクの中心部に互いに対向するように2液流出孔を形成し、前記バルブディスクの1液バルブホールの内側には、前記2液流出孔を選択的に開放するための2液バルブホールを半円弧状に形成する。
【0010】
好ましくは、 前記2液流出孔は、円弧状に切開形成される。
【0011】
好ましくは、 前記2液バルブホールの長さが、前記2液流出孔の長さより長くなるように形成されており、前記バルブディスクが任意の位置に存在する際に、前記2液バルブホールの少なくとも一端が、互いに対向している2液流出孔の少なくとも一部を開放させることができるようにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水(1液)と空気(2液)または水(1液)と薬品類(2液)などを混合排出するようにした2液混合型流量調節弁構造が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、図1A〜図1Cに示される従来の流量調節弁と実質的に同一の機能を有する部分については、同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
【0014】
図2は、本発明による2液混合型流量調節弁構造を示す図であり、図3A〜図3Dは、本発明による作動状態を説明するための図である。
【0015】
図2に示すように、本発明による2液混合型流量調節弁構造は、固定ディスク1上に2液流出孔10、11を形成し、バルブディスク5には2液流出孔10、11を選択的に開放させるための2液バルブホール12を形成する。
【0016】
固定ディスク1には、1液が通過する第1〜第3の1液流出孔2、3、4が更に形成されており、第1の1液流出孔2と第3の1液流出孔4の内側に、円弧状に切開された2液流出孔10、11を、互いに対向するように形成する。
【0017】
第1〜第3の1液流出孔2、3、4からは水が排出され、2液流出孔10、11からは必要によって空気または薬品類が排出される。
【0018】
一方、バルブディスク5には、その外周縁に1液流出孔2、3、4を選択的に開放させるための1液バルブホール6が切り欠き形成されており、この1液バルブホール6の内側に半円弧状を為す2液バルブホール12が形成される。
【0019】
この時、2液バルブホール12の円弧方向の長さは、固定ディスク1に形成されている2液流出孔10、11の円弧方向の長さより長くなるように形成されており、バルブディスク5が任意の位置に存在する際に、2液バルブホール12の少なくとも一端が、2液流出孔10、11の少なくとも一部を開放するように構成される。
【0020】
このように構成された本発明の作用及び効果について説明すれば、次のようである。
【0021】
図3Aに示される状態では、バルブディスク5が回転されて、1液バルブホール6が第2の1液流出孔3を開放すると共に、2液バルブホール12の両端が2液流出孔10、11のそれぞれの一端を同時に開放することにより、1液は流出孔3を通じて排出され、2液は2つの2液流出孔10、11を通じて排出され、これにより1液と2液が混合されてビデ洗浄ノズル及び肛門洗浄ノズルに供給される。
【0022】
図3Aの状態からバルブディスク5が時計方向に所定角度回転されて図3Bに示される状態になると、1液バルブホール6が、第3の流出孔4の一端を開放すると共に、2液バルブホール12が、第3の流出孔4の内側に形成されている2液流出孔11を開放し、これにより1液と2液が混合供給される。
【0023】
バルブディスク5が、図3Bの状態から更に回転されて図3Cに示される状態となっても、図3Bと同様に、1液と2液が混合供給される。
また、バルブディスク5が、図3Cの状態から更に回転されて図3Dに示される状態となっても、1液バルブホール6が、第1の1液流出孔2を開放させると共に、2液バルブホール12が、2液流出孔11を開放し、これにより1液と2液が混合供給される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】従来の温水洗浄機の流量調節弁構造を示す図である。
【図1B】従来の温水洗浄機の流量調節弁構造を示す図である。
【図1C】従来の温水洗浄機の流量調節弁構造を示す図である。
【図2】本発明による2液混合型流量調節弁構造を示す図である。
【図3A】本発明による作動状態を説明するための図である。
【図3B】本発明による作動状態を説明するための図である。
【図3C】本発明による作動状態を説明するための図である。
【図3D】本発明による作動状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0025】
1 固定ディスク
2,3,4 1液流出孔
5 バルブディスク
6 1液バルブホール
7 ストッパ
10,11 2液流出孔
12 2液バルブホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の1液流出孔が形成されている固定ディスクと、前記1液流出孔を選択的に開放させるための1液バルブホールが外周縁に切り欠き形成されているバルブディスクと、を含む流量調節弁構造であって、
前記固定ディスクの中心部に互いに対向するように2液流出孔を形成し、前記バルブディスクの前記1液バルブホールの内側には、前記2液流出孔を選択的に開放するための2液バルブホールを半円弧状に形成したこと
を特徴とする2液混合型流量調節弁構造。
【請求項2】
前記2液流出孔は、円弧状に切開形成したこと
を特徴とする請求項1に記載の2液混合型流量調節弁構造。
【請求項3】
前記2液バルブホールの長さが、前記2液流出孔の長さより長くなるように形成されており、前記バルブディスクが任意の位置に存在する際に、前記2液バルブホールの少なくとも一端が、互いに対向している2液流出孔の少なくとも一部を開放させることができるようにしたこと
を特徴とする請求項1に記載の2液混合型流量調節弁構造。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【公開番号】特開2006−170429(P2006−170429A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144552(P2005−144552)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(505026848)株式会社ノビタ (13)
【Fターム(参考)】