説明

3次元コンピュータグラフィックス上で任意のグレーティングパターンを持つホログラム画像の作成方法、該任意のグレーティングパターンを持つホログラムのシミュレーション方法及びそのホログラム並びにそのホログラムの認証方法及びその認証装置

【課題】3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)上で、テクスチャマッピング機能を利用した処理を行うことにより、従来のグレーティングパターンの解像度、読み込み数の制限、サイズの固定、同時に使える画像の制限など、入力操作が煩雑で、調整が困難な問題点を解決する。
【解決手段】少なくとも一つのグレーティングパターン又は認証画像を形成したグレーティングパターンを、3DCGにマッピングする図柄取得ステップと、前記図柄のレイアウトを調整する調整ステップと、マッピング後のグレーティングパターンの周期、方向、輝度の値(RGB値)を抽出するRGB値抽出ステップと、回折光の波長を求める演算ステップと、波長からRGB色成分に変換するRGB色成分変換ステップと、ディスプレイに表示するための表示ステップと、表示された図柄を最適なグレーティングの回折光に表現するためのレンダリングステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)上で、少なくとも一つの任意グレーティング(回折格子)パターン又は少なくとも一つの任意グレーティング(回折格子)パターンに少なくとも一つの認証画像を持つホログラムの回折光についてのシミュレーション方法に関するものである。
【0002】
本発明は、このようなグレーティング(回折格子)によって構成された模様を持つエンボスホログラムを、3DCGを用いて仮想的に再現し、そのホログラムに任意の角度・位置から光が入射したときの、任意の位置の視点における見え方をシミュレートする方法、及びそれを記録したホログラム並びにそのホログラムの認証方法及びその認証装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
コンピュータグラフィックス(CG)の近年の進歩は目ざましく、様々な映像制作に広く用いられている。3次元CGでは、物体の3次元データから画像を作成するが、出力は2次元画像となる。出力も3次元画像とするには、例えば右眼用と左眼用の2枚の2次元画像を特殊な眼鏡により左右の目に提示する方式がある。特殊な眼鏡などを使用せず視点の移動にも対応したよりリアルな方法としてホログラフィックステレオグラムがある。
【0004】
このホログラフィックステレオグラムは、多数の視点から撮影した2次元画像から合成する。観察位置により異なる2次元画像が再生されるので、視点の変化に応じた3次元像が再現できる。この方法では、CG画像から容易にホログラムを作成することができる。
【0005】
ところで、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)において、物体をよりリアルに表現するために様々な手法が用いられており、レイトレーシング法やコースティクス法による光の反射や屈折等の表現がある。しかし、これらの手法では光の回折現象について十分な表現はなされていない。
【0006】
これまで、3DCG上で光の回折を表現したものとして真珠やオパールの表面の質感を表現したものがある(例えば、非特許文献1、2参照。)。これらは薄膜や多層膜によるブラッグ回折であり、2次元回折格子を表現するためにはラマン・ナス回折となるので、定式化及びシェーディング方法が異なっている。ラマン・ナス回折は、面に沿って周期的に透過率や屈折率などの変化する一般の回折格子の回折に対応していて、白色光を当てた場合は角度に応じて虹色のスペクトルに分光される。
【0007】
ラマン・ナス回折を扱ったものには、Diffraction Shadersがある(例えば、非特許文献3参照。)。この方法では、波動理論的解析を行い、散乱波が表面形状のフーリエ変換より求められることを利用している。異方性反射も含めた厳密な表現が可能な反面、設定すべきパラメータが多く、不均一構造の場合は、シェーディングの際に、ピクセルごとにフーリエ変換が必要となり、処理時間がかかるという問題があった。
【0008】
以前に発明者らは、回折光の表現に限定したより簡易なモデルを用い、ラマン・ナス回折のシミュレーションを行うことにより均一な2次元回折格子における回折光のCGにおける表現を容易に実現する方法について報告した(例えば、非特許文献4参照。)。更に、任意のグレーティングパターンを持つホログラムの表現方法を提案している(例えば、非特許文献5参照。)。
【0009】
これは、3DCG上でホログラムを表現する方法の一つとして、3DCG上で均一な2次元回折格子によるグレーティングを表現するものである。
【0010】
しかし、この方法では、任意のグレーティングパターンの回折光を計算する際に、任意のグレーティングパターンを読み込んだ後、グレーティング効果を適用するサーフェイスの大きさへと任意のグレーティングパターンのサイズ調整(サイズ合わせ)が数値入力のみ可能と煩雑で、サーフェイス面に沿った画像の貼り付けも不可能であった。更に、オブジェクトを移動すると任意のグレーティングパターンはサーフェイスに追随せず、ずれてしまうという問題があった。
【0011】
しかも、任意のグレーティングパターンの解像度や読み込み数にも制限があり、サイズが固定され、同時に使える画像は1種類に限定されていた。また、サーフェイスに設定した任意のグレーティングパターンのサイズについても、入力操作が煩雑で調整が困難であった。
【0012】
他方、ホログラムを検査する検査装置については、ホログラムの製造時等の検査(例えば、特許文献1参照。) 、回折格子の有無の検査、回折格子の比較検査等を行うものについては従来から知られていたが、任意のグレーティングパターンを認証する装置はこれまで存在していなかった。
【0013】
【非特許文献1】安部高明、井村誠孝行、金谷一郎、安室喜弘、眞鍋佳嗣、千原國宏;遊色現象を再現可能なレイトレーサの試作、システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集、46、p389−p390(2002)
【非特許文献2】土橋外志正、長田典子、眞鍋佳嗣、井口征志;光のにじみと干渉に着目した真珠ビジュアル、T.IEE Japan、117-C、10(1997)
【非特許文献3】Jos Stam 、Alias;Diffraction Shaders、Proceedings of the ACM Conference on Computer Graphics(SIGGRAPH `99)、New York、pp.101-110
【非特許文献4】田中悟史、吉川浩;コンピュータグラフィックスにおけるホログラムの表現、映像学技報、AIT2001-77、pp.13-16(2001)
【非特許文献5】菊池康之、飯塚篤史、吉川浩;任意パターンを持つ回折格子による回折光のCGでの表現、映像情報メディア学会誌、Vol.59、No.3、pp.427〜429(2005)
【特許文献1】特許第3556324号公報(第6頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、任意のグレーティングパターンを持つホログラムの回折光を表現する方法として、任意のグレーティングパターンを3DCG上に作成した3次元オブジェクトのサーフェイスに読み込むこととし、これにより任意のグレーティングパターンのサイズ調整だけでなく、その移動や角度の調整、任意のグレーティングパターンとサーフェイスの大きさとの自動調整などのこれまでの課題を克服しようとするものである。
【0015】
また、従来は、任意のグレーティングパターン中に、視点や光源位置の変化により他と異なる回折光の色、見え方及び形態の変化する真偽判別用の認証画像を設定し、この認証画像を証券用のデバイスに使用して製造する際、グレーティングパターンによる回折光の認証パターンのデザインが設計どおりできているかは、そのデバイスを製造するしか確認方法がなかった。本発明は、最終的に記録体に記録したホログラムを作製しなくても、3DCG上で認証画像のグレーティングパターンによる回折光の再生像を確認する方法を提供しようとするものである
【0016】
また、任意のグレーティングパターンに認証画像を持つグレーティングパターンの設定条件を記録体に記録したホログラムと、その認証画像を認証する認証方法及びその認証装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、3DCGのテクスチャマッピング機能を用いて、任意のグレーティングパターン又は認証画像を持つグレーティングパターンを、3DCG上に設定したオブジェクトのサーフェイスに読み込むこととし、これにより任意のグレーティングパターン又は認証画像を持つグレーティングパターンのサイズ調整だけでなく、その移動や角度の調整、任意グレーティングパターン又は認証画像を持つグレーティングパターンとサーフェイスの大きさとの調整により、3DCG上で少なくとも一つの任意のグレーティングパターンを持つホログラムの表現方法を提案し、本発明をなすに至った。
【0018】
すなわち、本発明は、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)上で、任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法であって、前記ホログラムの基となる一又は複数の図柄を取得する図柄取得ステップと、前記図柄について、図柄そのもの、光源又は視点が移動した時に、前記図柄がどのように色彩変化及び/又は画像変化するのかを決定する図柄の色彩・画像変化決定ステップと、前記図柄の色彩・画像変化決定ステップで決定した前記一又は複数の図柄の変化に従って図柄全体のデータを各々の図柄ごとにレイヤ分けする図柄ごとのレイヤ分けステップと、前記ホログラムを観察するときに、光源、視点及び当該ホログラムが、それぞれどのような位置関係及び動作をするのかを仮定し、前記仮定した条件を設定する観察条件設定ステップと、前記観察条件設定ステップで設定した観察条件から、前記レイヤ分けステップでレイヤ分けされた図柄ごとのグレーティング(回折格子)の周期及び角度のパラメータを設定する図柄ごとのグレーティング(回折格子)の周期・角度の割り振りステップと、前記図柄ごとのグレーティング(回折格子)の周期・角度の割り振りステップで設定した前記レイヤ分けステップでレイヤ分けされた図柄ごとのグレーティング(回折格子)の周期及び角度のパラメータをRGB画像に変換するRGB画像変換ステップと、前記RGB画像変換ステップでRGB画像に変換した前記レイヤ分けされた図柄を合成し、一体化されたビットマップ画像(グレーティングパターン)を生成するグレーティングパターン生成ステップとを有することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法である。
【0019】
また、本発明は、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)上で、任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法であって、少なくとも一つのグレーティング(回折格子)パターンに、他と異なった視認角度及び色で視認する少なくとも一つの有意味な認証画像を形成し、前記少なくとも一つの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターン又は前記少なくとも一つの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンを含む複数のグレーティング(回折格子)パターンを認証パターンとする認証パターン設定ステップと、前記認証パターン設定ステップで設定した前記認証パターンを含むホログラムの基となる一又は複数の図柄を取得する図柄取得ステップと、前記図柄について、図柄そのもの、光源又は視点が移動した時に、前記図柄がどのように色彩変化及び/又は画像変化するのかを決定する図柄の色彩・画像変化決定ステップと、前記図柄の色彩・画像変化決定ステップで決定した前記一又は複数の図柄の変化に従って、図柄全体のデータを各々の図柄ごとにレイヤ分けする図柄ごとのレイヤ分けステップと、前記ホログラムを観察するときに、光源、視点及び当該ホログラムが、それぞれどのような位置関係及び動作をするのかを仮定し、前記仮定した条件を設定する観察条件設定ステップと、前記観察条件設定ステップで設定した観察条件から、前記レイヤ分けステップでレイヤ分けされた図柄ごとのグレーティング(回折格子)の周期及び角度のパラメータを設定する図柄ごとのグレーティング(回折格子)の周期・角度の割り振りステップと、前記図柄ごとのグレーティング(回折格子)の周期・角度の割り振りステップで設定した前記レイヤ分けステップでレイヤ分けされた図柄ごとのグレーティング(回折格子)の周期及び角度のパラメータをRGB画像に変換するRGB画像変換ステップと、前記RGB画像変換ステップでRGB画像に変換した前記レイヤ分けされた図柄を合成し、一体化されたビットマップ画像(グレーティングパターン)を生成するグレーティングパターン生成ステップとを有することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法である。
【0020】
また、本発明において、少なくとも一つの認証画像を、複数の分離した部分画素に分割して一つ又は複数の任意パターンに配置することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法である。
【0021】
また、本発明において、少なくとも一つの認証画像に少なくとも一つのランダムな部分画素を付加することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法である。
【0022】
また、本発明において、一つ又は複数の任意パターンに、少なくとも一つの認証画像の複数の分離した部分画素を2次元方向又は3次元方向に配置することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法である。
【0023】
また、本発明は、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)上で、任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラムのシミュレーション方法であって、3DCG上に前記ホログラムの基となる3次元オブジェクトを作成するオブジェクト作成ステップと、段落番号0018又は段落番号0019記載のビットマップ画像(グレーティングパターン)を前記オブジェクト作成ステップで作成した前記3DCG上の3次元オブジェクトのサーフェイスに貼り付けるビットマップ画像(グレーティングパターン)設定ステップと、前記ビットマップ画像(グレーティングパターン)設定ステップで設定(マッピング)した前記3DCG上の3次元オブジェクトのサーフェイスに貼り付けたビットマップ画像(グレーティングパターン)について、3次元オブジェクト、光源及び/又は視点の位置及び/又は角度の変化による回折光を計算する演算ステップと、前記演算ステップで計算された所望の回折光をディスプレイに表示するためのRGB成分へ変換するRGB変換ステップと、前記RGB変換ステップでRGB値に変換された前記ビットマップ画像(グレーティングパターン)をディスプレイに表示する表示ステップと、前記表示ステップで表示された前記ビットマップ画像(グレーティングパターン)の質感を最適なものに設定するレンダリングステップとを有する3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)上で任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラムのシミュレーション方法である。
【0024】
また、本発明は、段落番号0023記載の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラムのシミュレーション方法における前記演算ステップにおいて、視点ベクトルと光源ベクトルの外積成分が格子ベクトルと直交する場合のみ演算することを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)上で任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラムのシミュレーション方法である。
【0025】
また、本発明は、段落番号0023又は段落番号0024記載の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラムのシミュレーション方法において設定した前記3次元オブジェクト、光源及び/又は視点の位置及び/又は角度の変化による回折光パラメータを、前記レンダリングステップにおいて所望の画像ができるまで繰り返して演算するため、前記演算ステップにフィードバックすることを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)上で任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラムのシミュレーション方法である。
【0026】
また、段落番号0018記載の任意のグレーティング(回折格子)パターンを、ホログラム記録装置によりホログラム記録材料に記録したホログラムである。
【0027】
また、段落番号0019記載の少なくとも一つのグレーティング(回折格子)パターンに、他と異なった視認角度及び色で視認する少なくとも一つの有意味な認証画像を形成し、少なくとも一つの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターン又は少なくとも一つの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンを含む複数のグレーティング(回折格子)パターンを、ホログラム記録装置によりホログラム記録材料に記録したホログラムである。
【0028】
次に、本発明の認証画像を任意のグレーティングパターンに記録したホログラムの認証方法について以下に説明する。
【0029】
本発明の認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンを記録したホログラムの認証方法であって、ホログラムの移動ができる試料部と、ホログラムに白色又は単色波長成分を含む光線を照射し、その照射角度が可変である少なくとも一つの照射部と、波長成分に対し感度を有するカラー光センサで受光する受光部とが、認証対象のホログラム上の法線に対し、少なくとも一つの照射部の光源が斜めから照射し、受光部のカラー光センサが、ホログラムの認証パターンを真上で受光するように配置され、試料部、照射部及び受光部を制御部により制御し、ホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンデータ、並びにその回折角度、回折方向及び回折光の色成分の認証条件データを入力部により入力し、入力された認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンデータ及びその認証条件データに基づいて、認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンに含まれる認証画像データと前記認証条件データとを演算部で照合・演算し、演算した認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンに含まれる認証画像を表示部に表現し、ホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンの認証画像を認証することを特徴とするホログラムの認証方法である。
【0030】
また、本発明の照射部が、レーザ光、発光ダイオード又は連続スペクトルの白色光の光源からなるホログラムの認証方法である。
【0031】
また、本発明の照射部には、ホログラムの認証条件に合わせて調整する光学系が付設され、光学系はレンズからなるホログラムの認証方法である。
【0032】
また、本発明の試料部が、ホログラムを搬送により移動可能な機構を備え、光源を有する少なくとも一つの照射部の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変である傾斜・回転ステージを備え、傾斜・回転ステージを制御部により制御し、制御部は、傾斜・回転ステージを座標軸で制御するステージコントローラを備えているホログラムの認証方法である。
【0033】
また、本発明の試料部が、ホログラムを載置する試料台を移動又は回転させるため、XYθ方向に移動可能なXYθステージを備え、光源を有する少なくとも一つの照射部の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変可能な傾斜・回転ステージを備え、XYθステージ及び傾斜・回転ステージを前記制御部により制御し、前記制御部は、前記XYθステージ及び傾斜・回転ステージを座標軸で制御するステージコントローラを備えているホログラムの認証方法である。
【0034】
また、本発明において、光源を有する少なくとも二つの照射部が、切り替えにより少なくとも二つの光源が交互に点灯する機構を有しているホログラムの認証方法である。
【0035】
さらに、本発明の認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンを記録したホログラムの認証装置について以下に説明する。
【0036】
本発明の認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンを記録したホログラムの認証装置であって、ホログラムの移動ができる試料手段と、ホログラムに白色又は単色波長成分を含む光線を照射し、その照射角度が可変である少なくとも一つの照射手段と、波長成分に対し感度を有するカラー光センサで受光する受光手段とが、認証対象のホログラム上の法線に対し、少なくとも一つの照射手段の光源が斜めから照射し、受光手段のカラー光センサが、ホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンを真上で受光するように配置され、試料手段、照射手段及び受光手段を制御する制御手段と、ホログラムの認証パターンデータ並びにその回折角度、回折方向及び回折光の色成分の認証条件データを入力する入力手段と、入力された認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンデータ及び認証条件データに基づいて、認証パターンに含まれる認証画像データと認証条件データとを照合・演算する演算手段と、演算した認証画像データ及び認証条件データとあらかじめ記憶手段に記憶した基準のホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンに含まれる認証画像データ及びその認証条件データとを照合する照合手段と、照合結果を表現する表示手段とを備え、ホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティング(回折格子)パターンの認証画像を認証するホログラムの認証装置である。
【0037】
また、本発明の照射手段が、レーザ光、発光ダイオード又は連続スペクトルの白色光の光源からなるホログラムの認証装置である。
【0038】
本発明の照射手段には、ホログラムの認証条件に合わせて調整する光学系が付設され、光学系はレンズからなるホログラムの認証装置である。
【0039】
本発明の試料手段が、ホログラムを搬送により移動可能な機構を備え、光源を有する少なくとも一つの照射手段の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変可能な傾斜・回転ステージを備え、傾斜・回転ステージを制御手段で制御し、制御手段は、傾斜・回転ステージを座標軸で制御するステージコントローラを備えているホログラムの認証装置である。
【0040】
本発明の試料手段が、ホログラムを載置する試料台を移動又は回転させるため、XYθ方向に移動可能なXYθステージを備え、光源を有する少なくとも一つの照射手段の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変である傾斜・回転ステージを備え、XYθステージ及び傾斜・回転ステージを制御手段で制御し、制御手段は、XYθステージ及び傾斜・回転ステージを座標軸で制御するステージコントローラを備えているホログラムの認証装置である。
【0041】
本発明において、光源を有する少なくとも二つの照射手段が、切り替えにより少なくとも二つの光源が交互に点灯する機構を有しているホログラムの認証装置である。
【発明の効果】
【0042】
本発明では、任意のグレーティング(回折格子)パターン又は認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンを3DCG上のオブジェクトのサーフェイスへと読み込むこととしたことにより、任意のグレーティング(回折格子)パターン又は認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンのサイズ調整だけでなく、移動や角度の調整も可能となった。しかも、デザインソフトから任意のグレーティング(回折格子)パターン又は認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンとして出力されたビットマップファイルの流用が可能となり、任意のグレーティング(回折格子)パターン又は認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンを自動的にサーフェイスの大きさへとフィットさせることも可能となり、任意のグレーティング(回折格子)パターン又は認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンの解像度や、読み込む任意のグレーティング(回折格子)パターン又は認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンの数などの制限を解消し、任意のグレーティング(回折格子)パターン又は認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンの複数の処理が可能となった。これらにより、グレーティングに関する処理が容易になり、グレーティングの回折光の再生像のシミュレーション作業がより効率的に行えるようになった。
【0043】
また、複数の任意のグレーティング(回折格子)パターンの処理が可能になったことにより、任意のグレーティング(回折格子)パターンの一部に、真偽判別用の一つ又は複数の認証画像の組み込みが可能となり、任意のグレーティング(回折格子)パターンの中に付与する認証画像の付与形態のバリエーションが広がった。したがって、一つ又は複数の角度からの照射光源に対して観察できる少なくとも一つの認証画像のシミュレーションが可能となった。
【0044】
これらの任意のグレーティング(回折格子)パターンに組み込まれた認証画像が、視点や光源位置の変化による回折光の色、見え方の変化をシミュレーションによって確認でき、偽造防止技術として、認証画像を付与したグレーティングを用いたデザインを作成する際、最終的に記録体に記録したホログラムを作製しなくても、認証画像のグレーティングの回折光の再生像を確認することができる。したがって、ホログラムの効果の確認のため、ホログラムマスターを作製する必要がなく、コスト削減やホログラム設計時間の短縮が可能になる。
【0045】
また、認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンのシミュレーションによって、グレーティングの設計を反映した認証画像のグレーティングの回折光の再生像の表現を実現し、その認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンを記録体に記録したホログラムと、その認証方法及びその認証装置の提供により、認証画像を有する任意のグレーティング(回折格子)パターンを記録したホログラムの仕様が確認でき、そのホログラムの品質管理、製品管理及び製品の真偽判別に適用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明を実施するための形態を説明するに当たり、まずグレーティング(回折格子)の構造について説明する。本明細書で述べているホログラムとは、一般的にいうエンボスホログラムのことであり、その中でもグレーティング(回折格子)によって構成された模様を視認できるもののことである。グレーティング(回折格子)の構造は、一般的に図1に示すように、細かな溝が規則正しく無数に刻まれた構造となっている。この部分に光があたると、光の回折現象によって、波長別の成分(スペクトル)に分光される。
【0047】
また、本明細書ではグレーティングによって分光されたスペクトルのことを回折光と呼んでいる。回折光は波長ごとに回折する角度が異なるため、例えば様々な波長の光が混ざっている太陽光が回折格子に入射した場合、短波長(可視光の領域では青色)の成分から長波長(可視光の領域では赤色)の成分まで連続的に変化したスペクトルが現れる。そのため、視点1では回折格子で構成された模様が青に近い色に見えるが、視点2では模様が赤に近い色に見える。このようにグレーティングは、そこに入射する光や、それを見る観察者の視点の角度や位置、またグレーティング自体の溝の周期、溝の方向を変えることにより、観察者が視認する色を変化させることができる。
【0048】
したがって、図2のように、例えば光源及び観察者の視点を一定の位置に設定し、グレーティングの周期及び角度を変えることによって、観察者に特定の色が見えるようグレーティングを設計することが可能である。なお、図3は、図2をA−A'で切断した断面図である。
【0049】
次に、本発明の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法について図面を用いて説明する。
【0050】
図4は、作成しようとするグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の基になる画像をコンピュータ上に取得した状態を示す。ここで、基となる画像が手書きのようなアナログデータの場合は、スキャニング等によりデジタルデータへと変換する。
【0051】
まず、取得した画像のどの部分がどのように色彩変化、画像変化等するのか決定し、それぞれ背景部分、図柄部分といった区分けを行う。
【0052】
次に、区分けした各模様の色彩の変化等に従って図柄全体のデータを個々の図柄ごとにレイヤ分けする(図5参照)。図5では、背景部分、図柄1及び図柄2がそれぞれ異なった色変化等をするように設定している。
【0053】
次に、段落番号0051において決定した図柄そのものや光源・視点が動いたときの色彩変化、画像変化等と、ホログラムを観察する際に、光源・視点・対象物(ホログラム自体)がそれぞれどのような位置関係及び動作をするのか仮定した観察条件とから、レイヤ分けされた図柄ごとにグレーティング(回折格子)の周期及び角度を設定する(図6参照)。
なお、基本的には、視点に入ってくる色を変化させる場合はグレーティングの周期、図柄自体の見え隠れする角度を変化させる場合はグレーティングの角度を変える。
【0054】
次に、段落番号0053において設定した各図柄のグレーティング(回折格子)の周期・角度をRGB画像(グレーティングパターン)に置き換える(図7参照)。
ここでは、0〜255のRGB画像に置き換える例を説明する。
・グレーティング(回折格子)の周期(1周期);0〜5μm → R成分:0〜255
・グレーティング(回折格子)の角度;0°〜180° → G成分:0〜255
・グレーティング(回折格子)の輝度;0〜100% → B成分:0〜255
なお、グレーティング(回折格子)の輝度については、単なる明るさの程度を示すパラメータである。通常は、B成分については最大値(ここでは255)に設定する。
【0055】
図8は、レイヤ分けされ、RGB画像(グレーティングパターン)に変換した各図柄を合成し、ひとつのビットマップ画像にしたものである。ここまでが、任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の一連の作成工程となる。なお、上記の工程をフローにしたものが図9である。
【0056】
次に、3DCG上で、任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラムのシミュレーション方法について説明する。
【0057】
図10は、3DCG上で、任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラムのシミュレーション方法をフローに表したものである。
【0058】
(モデリング)
まず、3DCG上の仮想空間にホログラムとして表現するための任意の物体(オブジェクト)を作成する。このとき、オブジェクトは3次元状の平面(ポリゴン)で構成されていても、2次以上の関数(スプライン)曲線で構成されていても構わない(図10のS1)。
【0059】
(マッピング)
次に、前記任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の作成方法において作成したビットマップ画像(グレーティングパターン)を作成したオブジェクトのサーフェイスに3DCGのテクスチャマッピング機能を用いてマッピング(貼り付け)する(図10のS2)。
【0060】
(調整)
次に、マッピング後のオブジェクト、光源、視点であるカメラの位置や向きを調整する。これらは任意に設定できるので、観察者がシミュレーションしたい位置にそれぞれを配置することができる(図10のS3)。
【0061】
(RGB値の抽出)
次に、調整した前記オブジェクトについて、マッピング後のグレーティングパターンの周期、方向、輝度の値(RGB値)を抽出するRGB値抽出を行う(図10のS4)。
【0062】
(回折光の計算)
マッピング後のRGB値について、波長を求める(1)、(2)式から、回折光の周期・方向・輝度の計算により回折光の波長を求める(図10のS5)。
【0063】
(回折波長の計算の原理)
まず、本発明の基本となるグレーティング表現に必要な回折波長の計算原理を図11に示す。コンピュータグラフィックス内で回折現象を再現するためには、光源1から回折格子3で回折した光のうち、視点に到達する光の波長λを求める必要がある。前出の図2は光源と回折光の関係を示したものである。ここで、回折格子上の点をsとすると、光源ベクトルriは光源から点sへ向かう単位ベクトル、視線ベクトルroは点sから視点に向かう単位ベクトルである。また格子ベクトルgは、回折格子面内での格子の変化する方向を向いた単位ベクトルである。回折格子で回折し、視点に向かう光の波長λは(1)式で表される。
【0064】
【数1】

【0065】
前出の図1の3にある回折格子上の点sの周辺を拡大したものが前出の図3である。ここで、θillは光源から回折格子の法線nのなす角度、θoutは回折格子から視点に向かうベクトルと回折格子の法線nのなす角度である。回折格子の周期d及び回折次数mは定数で与えられる。回折格子による回折が観察されるのは、光源、視点と、着目している回折格子上の点の3点からなる面内に、格子ベクトルgが含まれるときのみである。よって、回折格子上の全ての点について計算を行う必要はない。 視線ベクトルroと光源ベクトルriの外積成分が、格子ベクトルgと直交する(2)式となる場合にのみ着目すればよい。
【0066】
【数2】

【0067】
(格子ベクトルの方向の決定)
格子ベクトルgの向きの指定は、回折格子上の点sにおける法線ベクトルnと、ワールド座標の軸と回折格子の溝との角度a(ユーザが任意に指定)を用いて決定する。
【0068】
(波長からRGB色成分への変換)
以上の式から求めた波長λからディスプレイに表示するにはRGB色成分への変換を行う必要がある(図10のS6)。この変換に際しては3刺激値を用いて行う。波長380nmから780nmについて、1nm毎に補間し、xyz各成分毎に0から400までの401段階に分け、あらかじめテーブルを作成する。このテーブルを式(1)より求めた波長により参照することによって、xyz各成分を得ることができる。
【0069】
【数3】

【0070】
この(3)式により求まったRGB色成分を、元の色成分に累加して最終的なRGB色成分の出力値とする。また、波長が380nmから780nmの範囲外のときはRGB各色成分を0としている。
【0071】
(RGB色成分の累加)
求めた波長からディスプレイに表示するには(3)式によりRGB色成分への変換を行う。それに、サーフェイスのRGB色成分、例えばサーフェイスの拡散反射成分や、鏡面反射成分などの色質感設定、テクスチャなどを適用した後にグレーティング処理によるRGB色成分を累加するRGB色成分と、サーフェイスのベースカラーのRGB色成分を合成して加え合わせ、最終的に累加したRGB色成分の出力値とする(図10のS7)。
【0072】
(レンダリング)
次に、ディスプレイに表示されたグレーティングパターン設定後のオブジェクトに対してレンダリング(プレビュー)を行い、視点からの回折光によるホログラムのグレーティング(回折格子)模様の見え方をシミュレートする。なお、通常、レンダリングは最適な画像ができるまで繰り返し実施することが多い。(図10のS8)
【0073】
最後に、図12により本発明のハードウエアの構成を説明する。
任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像の入力を行う入力部8と、入力部8から入力した回折格子に関する各種のパラメータにより回折波長を計算する演算部5と、演算部5で処理された回折波長を記憶する記憶部7と、記憶部7に保存されている回折波長のデータをディスプレイに表現する表示部6と、任意パターン又は認証パターンの大きさ、マッピング位置、角度等の調整、任意パターン又は認証パターンのRGB値の抽出、サーフェイスのベースカラーのRGB値の抽出等、回折光の計算に必要な各種のパラメータの収集、及び計算された回折波長のデータの受け渡しを統括して行う制御部4と、任意パターン又は認証パターンに即したシミュレーション画像の生成、及び検証の結果、変更された回折格子のパラメータを反映した任意パターン又は認証パターンの生成を行う出力部9とから構成されている。また、オフラインで出力部9からのデータをホログラム作製装置29へと渡すための変換部28とから構成される。
【0074】
(実施例1)
まず、図13(A)は、表現したいオリジナル画像であり、黒い領域で「J」と「P」が表現されている。例えば、ある視点から見ると「J」の画像、また別の視点から見ると「P」の画像という(A)のような2つの画像が切り替わる模様をグレーティングによって構成する場合のシミュレーションを考える。その一つの方法として、図13(B)のように、「J」と「P」それぞれの回折格子を施す領域(図13(A)の黒い領域)を半分に分割し、それぞれの画像に対応する位置の領域において、左側に「J」を表現するグレーティングAを、右側に「P」を表現するグレーティングBを施すこととし、この2つを合成する方法が考えられる。当然のことながら、「J」を表現するグレーティングAと、「P」を表現するグレーティングBとは、設計値が異なっている。
【0075】
(グレーティングとパターン画像との対応)
図13に示すように、合成前のグレーティング模様(B)から、グレーティングの設計値を、それぞれのグレーティング模様の領域と同じ位置に対応している領域の画素のRGB各成分(0〜255の値)に変換し設定させ、ビットマップ形式のパターン画像(C)を作成する。
この例において「J」を構成するグレーティングAの周期はR1に、方向はG1に、回折光の強度はB1に設定し、同様に「P」を構成するグレーティングBの周期はR2に、方向はG2に、回折光の強度はB2に設定する。なお、パターン画像のB成分については、パターン画像で設定されたグレーティングの領域において、R成分・G成分から計算された回折光をどのくらいの強度で出力させればよいかを決定するパラメータになっている。図13において、グレーティング模様(B)をパターン画像(C)へと変換した後、図14に示すように、二つのパターン画像を合成し、最終的なパターン画像(D)を作成し、このパターン画像を使用してシミュレーションを行う。
【0076】
(シミュレーションの例)
3DCGでシミュレーションを行う際は、図15の模式図に示すようにグレーティング模様の構成とその設計値をRGB色成分へと置き換えたビットマップ形式のパターン画像図14(D)を、テクスチャマッピング機能を利用して、3DCG上で作成されたオブジェクトのサーフェイスへ貼り付ける。更に、パターン画像設定後のオブジェクト、光源、視点であるカメラの位置や向きを調整する。これらは任意に設定できるので、観察者がシミュレートしたい位置にそれぞれを配置することができる。
【0077】
次に、パターン画像設定後のオブジェクトに対して、回折光の計算を行うよう設定する。最後に、レンダリングを行い、視点からの回折光によるグレーティング模様の見え方をシミュレートする。図15の場合では、視点4から見た場合のシミュレーション画像は、「J」に、視点5から見た場合のシミュレーション画像は「P」となる。
【0078】
(実施例2)
次に有意味な認証画像を含む場合のシミュレーションの例について説明する。
【0079】
(認証画像を組み込んだ実施例)
ある視認させたい視認画像(F)と重なるように、有意味な認証画像(E)を構成したホログラムについてシミュレートする場合は、図16に示すように、認証画像として組み込みたい意味を持つ認証画像(図16(E))と、それとは別に視認させたい視認画像(図16(F))のグレーティングパラメータ(図16(G))をそれぞれパターン画像のRGB値(認証画像はR3、G3、B3、視認画像はR4、G4、B4)へと置き換え、合成して最終的なパターン画像(図17(I))を作成し、図22に示すように、その画像をCGオブジェクトへとマッピングし、オブジェクト、光源、視点の角度・位置を認証を視認させたい希望の位置に設定し、レンダリングを行うことで、認証画像が所定の光源・オブジェクト・視点(図18の視点6)で視認できるかどうかを確認することができる。
【0080】
(実施例3)
次に認証画像として、ランダムな(見た目が無意味な)部分画素を含む場合のシミュレーションの例について説明する。
【0081】
ある視認させたい視認画像(K)と重なるように、認証画像としてランダムな部分画素(J)を構成したホログラムについてシミュレートする場合は、図19に示すように、認証画像として組み込みたいランダムパターン(意味を持たない)の部分画素(図19(J))と、それとは別に視認させたい視認画像(図19(K))のグレーティングのパラメータ(図19(L))をそれぞれパターン画像のRGB値(部分画素はR5、G5、B5、視認画像はR6、G6、B6)へと置き換え、合成して最終的なパターン画像(図20(N))を作成し、図21のように、そのパターン画像をCGオブジェクトへとマッピングし、オブジェクト、光源、視点の角度・位置を認証画像を視認させたい希望の位置に設定し、プラグインソフトを読み込み、レンダリングを行うことで、認証画像が所定の光源・オブジェクト・視点(図21の視点8)で視認できるかどうかを確認することができる。
【0082】
(実施例4)
次に、本発明のホログラムの認証方法の実施の形態について図22を参照して説明する。
【0083】
本発明の認証パターンを記録したホログラムの認証方法であり、ホログラム25を移動ができる試料部12に載置し、ホログラム25に白色又は単色波長成分を含む光線を照射し、その照射角度が可変できる少なくとも一つの照射部11と、波長成分に対し感度を有するカラー光センサで受光する受光部10とが、認証対象のホログラム25上の法線に対し、少なくとも一つの照射部11の光源が斜めから照射し、受光部10のカラー光センサが、ホログラム25の認証パターンを真上で受光するように配置され、試料部12、照射部11及び受光部10を制御部13により制御し、ホログラム25の認証パターンデータ並びにその回折角度、回折方向及び回折光の色成分の認証条件データを入力部17により入力し、入力された認証パターンデータ及び認証条件データに基づいて、認証パターンに含まれる認証画像データと認証条件データとを演算部14で照合・演算し、演算した認証パターンに含まれる認証画像を表示部15に表現、又は適正な認証画像の結果を音声やブザー等の物理的確認方法により認証し、ホログラムの認証パターンの認証画像を認証するホログラムの認証方法である。
【0084】
また、本発明のホログラムの認証方法における照射部11が、レーザ光、発光ダイオード又は連続スペクトルの白色光の光源からなる。
【0085】
また、本発明のホログラムの認証方法における照射部11には、ホログラムの認証条件に合わせて調整する光学系が付設され、光学系はレンズからなる。
【0086】
また、本発明のホログラムの認証方法における試料部12が、ホログラムを搬送により移動可能な機構(図示せず)を備え、図23に示すように、光源を有する少なくとも一つの照射部11の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが、可変可能な傾斜・回転ステージ19を備え、傾斜・回転ステージ19を制御部13により制御し、制御部13は、傾斜・回転ステージ19を座標軸で制御するステージコントローラ18を備えている。
【0087】
また、本発明のホログラムの認証方法における試料部12が、図23に示すように、ホログラム25を載置する試料台12を移動又は回転させるため、XYθ方向に移動可能なXYθステージ20を備え、光源を有する少なくとも一つの照射部11の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変である傾斜・回転ステージ19を備え、XYθステージ20及び傾斜・回転ステージ19を制御部13により制御し、制御部13は、XYθステージ20及び傾斜・回転ステージ19を座標軸で制御するステージコントローラ18を備えている。
【0088】
また、本発明のホログラムの認証方法における光源を有する少なくとも一つの照射部が、切り替えにより少なくとも二つの光源が交互に点灯する機構を有している。
【0089】
(実施例5)
更に、本発明のホログラムの認証装置の実施の形態について、図24及び図25を参照して説明する。
【0090】
本発明の認証パターンを記録したホログラムの認証装置であり、ホログラム25の移動ができる試料手段12(S41)と、ホログラム25に白色又は単色波長成分を含む光線を照射し、その照射角度が可変である少なくとも一つの照射手段11(S42)と、波長成分に対し感度を有するカラー光センサで受光する受光手段10(S43)とが、認証対象のホログラム上の法線に対し、照射手段11の光源が斜めから照射し、受光手段10のカラー光センサが、ホログラム25の認証パターンを真上で受光するように配置され(S44)し、試料手段12、照射手段11及び受光手段10を制御する制御手段13(S45)と、ホログラム25の認証パターンデータ並びにその回折角度、回折方向及び回折光の色成分の認証条件データを入力する入力手段17(S46)と、入力された認証パターンデータ及び認証条件データに基づいて、認証パターンに含まれる認証画像データと認証条件データとを照合・演算する演算手段14(S47)と、演算した認証画像データ及び認証条件データと、あらかじめ記憶手段16に記憶した基準のホログラムの認証パターンに含まれる認証画像データ及び認証条件データとを照合する照合手段26(S48)と、照合結果を表示する表示手段15とを備え(S49)、ホログラムの認証パターンの認証画像を認証するホログラムの認証装置である。
【0091】
また、本発明のホログラムの認証装置の照射手段11が、レーザ光、発光ダイオード又は連続スペクトルの白色光の光源から成る。
【0092】
また、本発明のホログラムの認証装置の照射手段11には、ホログラム25の認証条件に合わせて調整する光学系が付設され、光学系はレンズから成る。
【0093】
また、本発明のホログラムの認証装置の試料手段12が、ホログラム25を搬送により移動可能な機構(図示せず)を備え、光源を有する少なくとも一つの照射手段11の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変である傾斜・回転ステージ19を備え、傾斜・回転ステージ19を制御手段13で制御し、制御手段13は、傾斜・回転ステージ19を座標軸で制御するステージコントローラ18を備えている。
【0094】
また、本発明のホログラムの認証装置の試料手段12が、ホログラム25を載置する試料台を移動又は回転させるため、XYθ方向に移動可能なXYθステージ20を備え、光源を有する少なくとも一つの照射手段11の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変可能な傾斜・回転ステージ19を備え、XYθステージ20および傾斜・回転ステージ19を制御手段13で制御し、制御手段13は、XYθステージ20及び傾斜・回転ステージ19を座標軸で制御するステージコントローラ18を備えている。
【0095】
また、本発明のホログラムの認証装置における光源を有する少なくとも一つの照射手段11が、切り替えにより少なくとも二つの光源が交互に点灯する機構を有している。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明のグレーティング(回折格子)の構成図である。
【図2】本発明のグレーティング(回折格子)の溝の周期及び角度を示す図である。
【図3】本発明のグレーティング(回折格子)の図2のA−A′断面図である。
【図4】本発明の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像 の作成方法のうち、図柄の取得を示す図である。
【図5】本発明の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像 の作成方法のうち、図柄のレイヤ分けを示す図である。
【図6】本発明の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像 の作成方法のうち、回折格子の周期・角度の設定を示す図である。
【図7】本発明の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像 の作成方法のうち、回折格子の周期・角度をRGB変換した図である。
【図8】本発明の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像 の作成方法のうち、各図柄を合成し一つのビットマップ画像とした図である。
【図9】本発明の任意のグレーティング(回折格子)パターンを持つホログラム画像 の作成方法のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明のグレーティングの生成方法の処理手順のフローチャートを示す図 である。
【図11】本発明のグレーティング生成に必要な回折ベクトルを示す原理図である。
【図12】本発明のグレーティングの生成方法に使用するハードウエア構成図である。
【図13】本発明の認証画像の構成を示す模式図(分割図)である。
【図14】本発明の認証画像の構成を示す模式図(合成図)である。
【図15】本発明の認証画像のシミュレーションを示す模式図である。
【図16】本発明の有意味な認証画像を含む構成を示す模式図(分割図)である。
【図17】本発明の有意味な認証画像を含む構成を示す模式図(合成図)である。
【図18】本発明の有意味な認証画像のシミュレーションを示す模式図である。
【図19】本発明のランダムな認証画像を含む構成を示す模式図(分割図)である。
【図20】本発明のランダムな認証画像を含む構成を示す模式図(合成図)である。
【図21】本発明のランダムな認証画像のシミュレーションを示す模式図である。
【図22】本発明に基づくホログラムの認証方法を示す構成概略図である。
【図23】本発明に基づくホログラムの認証方法の可動部を示す構成概略図である。
【図24】本発明に基づくホログラムの認証装置を示す構成概略図である。
【図25】本発明に基づくホログラムの認証装置の処理手段のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0097】
1 光源
2 視点
3 回折格子
4 制御部
5 演算部
6 表示部
7 記憶部
8 入力部
9 出力部
10 受光部、又は受光手段
11 照射部、又は照射手段
12 試料部、又は試料手段
13 制御部、又は制御手段
14 演算部、又は演算手段
26 照合手段
15 表示部、又は表示手段
16 記憶部、又は記憶手段
17 入力部、又は入力手段
18 ステージコントローラ
19 傾斜・回転ステージ
20 XYθステージ
21 任意パターン(1)
22 任意パターン(2)
23 認証画像
24 認証パターン
25 ホログラム
27 部分画素
28 変換部
29 ホログラム作製装置






【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元コンピュータグラフィックス上で、任意のグレーティングパターンを持つホログラム画像の作成方法であって、
前記ホログラムの基となる一又は複数の図柄を取得する図柄取得ステップと、
前記図柄について、図柄そのもの、光源又は視点が移動した時に、前記図柄がどのように色彩変化及び/又は画像変化するのかを決定する図柄の色彩・画像変化決定ステップと、
前記図柄の色彩・画像変化決定ステップで決定した前記一又は複数の図柄の変化に従って、図柄全体のデータを各々の図柄ごとにレイヤ分けする図柄ごとのレイヤ分けステップと、
前記ホログラムを観察するときに、光源、視点及び当該ホログラムが、それぞれどのような位置関係及び動作をするのかを仮定し、前記仮定した条件を設定する観察条件設定ステップと、
前記観察条件設定ステップで設定した観察条件から、前記レイヤ分けステップでレイヤ分けされた図柄ごとのグレーティングの周期及び角度のパラメータを設定する図柄ごとのグレーティングの周期・角度の割り振りステップと、
前記図柄ごとのグレーティングの周期・角度の割り振りステップで設定した前記レイヤ分けステップでレイヤ分けされた図柄ごとのグレーティングの周期及び角度のパラメータをRGB画像に変換するRGB画像変換ステップと、
前記RGB画像変換ステップでRGB画像に変換した前記レイヤ分けされた図柄を合成し、一体化されたビットマップ画像を生成するグレーティングパターン生成ステップと、
を有することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティングパターンを持つホログラム画像の作成方法。
【請求項2】
3次元コンピュータグラフィックス上で、任意のグレーティングパターンを持つホログラム画像の作成方法であって、
少なくとも一つのグレーティングパターンに、他と異なった視認角度及び色で視認する少なくとも一つの有意味な認証画像を形成し、前記少なくとも一つの認証画像を形成した一つのグレーティングパターン又は前記少なくとも一つの認証画像を形成した一つのグレーティングパターンを含む複数のグレーティングパターンを認証パターンとする認証パターン設定ステップと、
前記認証パターン設定ステップで設定した前記認証パターンを含むホログラムの基となる一又は複数の図柄を取得する図柄取得ステップと、
前記図柄について、図柄そのもの、光源又は視点が移動したときに、前記図柄がどのように色彩変化及び/又は画像変化するのかを決定する図柄の色彩・画像変化決定ステップと、
前記図柄の色彩・画像変化決定ステップで決定した前記一又は複数の図柄の変化に従って、図柄全体のデータを各々の図柄ごとにレイヤ分けする図柄ごとのレイヤ分けステップと、
前記ホログラムを観察するときに、光源、視点及び当該ホログラムが、それぞれどのような位置関係及び動作をするのかを仮定し、前記仮定した条件を設定する観察条件設定ステップと、
前記観察条件設定ステップで設定した観察条件から、前記レイヤ分けステップでレイヤ分けされた図柄ごとのグレーティングの周期及び角度のパラメータを設定する図柄ごとのグレーティングの周期・角度の割り振りステップと、
前記図柄ごとのグレーティングの周期・角度の割り振りステップで設定した前記レイヤ分けステップでレイヤ分けされた図柄ごとのグレーティングの周期及び角度のパラメータをRGB画像に変換するRGB画像変換ステップと、
前記RGB画像変換ステップでRGB画像に変換した前記レイヤ分けされた図柄を合成し、一体化されたビットマップ画像を生成するグレーティングパターン生成ステップと、
を有することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティングパターンを持つホログラム画像の作成方法。
【請求項3】
請求項2記載において、前記少なくとも一つの認証画像を、複数の分離した部分画素に分割して前記一つの任意パターン又は複数の任意パターンに配置することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティングパターンを持つホログラム画像の作成方法。
【請求項4】
請求項3記載において、前記少なくとも一つの認証画像に少なくとも一つのランダムな部分画素を付加することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティングパターンを持つホログラム画像の作成方法。
【請求項5】
請求項3又は4記載において、前記一つの任意パターン又は複数の任意パターンに、前記少なくとも一つの認証画像の複数の分離した部分画素を2次元方向又は3次元方向に配置することを特徴とする3DCG上で任意のグレーティングパターンを持つホログラム画像の作成方法。
【請求項6】
3次元コンピュータグラフィックス上で、任意のグレーティングパターンを持つホログラムのシミュレーション方法であって、
3DCG上に前記ホログラムの基となる3次元オブジェクトを作成するオブジェクト作成ステップと、
請求項1又は2記載のビットマップ画像を前記オブジェクト作成ステップで作成した前記3DCG上の3次元オブジェクトのサーフェイスに貼り付けるビットマップ画像設定ステップと、
前記ビットマップ画像設定ステップで設定した前記3DCG上の3次元オブジェクトのサーフェイスに貼り付けたビットマップ画像について、3次元オブジェクト、光源及び/又は視点の位置及び/又は角度の変化による回折光を計算する演算ステップと、
前記演算ステップで計算された所望の回折光をディスプレイに表示するためのRGB成分へ変換するRGB変換ステップと、
前記RGB変換ステップでRGB値に変換された前記ビットマップ画像をディスプレイに表示する表示ステップと、
前記表示ステップで表示された前記ビットマップ画像の質感を最適なものに設定するレンダリングステップと、
を有する3次元コンピュータグラフィックス上で任意のグレーティングパターンを持つホログラムのシミュレーション方法。
【請求項7】
請求項6記載の任意のグレーティングパターンを持つホログラムのシミュレーション方法における前記演算ステップにおいて、視点ベクトルと光源ベクトルの外積成分が格子ベクトルと直交する場合のみ演算することを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス上で任意のグレーティングパターンを持つホログラムのシミュレーション方法。
【請求項8】
請求項6又は7記載の任意のグレーティングパターンを持つホログラムのシミュレーション方法において設定した前記3次元オブジェクト、光源及び/又は視点の位置及び/又は角度の変化による回折光パラメータを、前記レンダリングステップにおいて所望の画像ができるまで繰り返して演算するため、前記演算ステップにフィードバックすることを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス上で任意のグレーティングパターンを持つホログラムのシミュレーション方法。
【請求項9】
請求項1記載の任意のグレーティングパターンを、ホログラム記録装置によりホログラム記録材料に記録したホログラム。
【請求項10】
請求項2、3、4又は5記載の少なくとも一つのグレーティングパターンに、他と異なった視認角度及び色で視認する少なくとも一つの有意味な認証画像を形成し、前記少なくとも一つの認証画像を形成した一つのグレーティングパターン又は前記少なくとも一つの認証画像を形成した一つのグレーティングパターンを含む複数のグレーティングパターンを、ホログラム記録装置によりホログラム記録材料に記録したホログラム。
【請求項11】
請求項10記載の認証画像を形成したグレーティングパターンを記録したホログラムの認証方法であって、
前記ホログラムの移動ができる試料部と、前記ホログラムに白色又は単色波長成分を含む光線を照射し、その照射角度が可変である少なくとも一つの照射部と、前記波長成分に対し感度を有するカラー光センサで受光する受光部とが、前記認証対象のホログラム上の法線に対し、前記少なくとも一つの照射部の光源が斜めから照射し、前記受光部のカラー光センサが、前記ホログラムの認証パターンを真上で受光するように配置され、前記試料部、前記照射部及び前記受光部を制御部により制御し、前記ホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティングパターンデータ並びにその回折角度、回折方向及び回折光の色成分の認証条件データを入力部により入力し、前記入力された認証画像を形成した一つのグレーティングパターンデータ及びその認証条件データに基づいて、前記認証画像を形成した一つのグレーティングパターンに含まれる認証画像データと前記認証条件データとを演算部で照合・演算し、前記演算した認証画像を形成した一つのグレーティングパターンに含まれる認証画像を表示部に表現し、前記ホログラムの認証画像を形成したグレーティングパターンの認証画像を認証することを特徴とするホログラムの認証方法。
【請求項12】
前記照射部が、レーザ光、発光ダイオード又は連続スペクトルの白色光の光源からなる請求項11記載のホログラムの認証方法。
【請求項13】
前記照射部には、前記ホログラムの認証条件に合わせて調整する光学系が付設され、前記光学系はレンズからなることを特徴とする請求項11又は12記載のホログラムの認証方法。
【請求項14】
前記試料部が、前記ホログラムを搬送により移動可能な機構を備え、前記光源を有する少なくとも一つの照射部の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変可能な傾斜・回転ステージを備え、前記傾斜・回転ステージを前記制御部により制御し、前記制御部は、前記傾斜・回転ステージを座標軸で制御するステージコントローラを備えていることを特徴とする請求項11、12又は13記載のホログラムの認証方法。
【請求項15】
前記試料部が、前記ホログラムを載置する試料台を移動又は回転させるため、XYθ方向に移動可能なXYθステージを備え、前記光源を有する少なくとも一つの照射部の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変である傾斜・回転ステージを備え、前記XYθステージ及び前記傾斜・回転ステージを前記制御部により制御し、前記制御部は、前記XYθステージ及び前記傾斜・回転ステージを座標軸で制御するステージコントローラを備えていることを特徴とする請求項11、12、13又は14記載のホログラムの認証方法。
【請求項16】
請求項11乃至15のいずれか記載において、前記光源を有する少なくとも二つの照射部が、切り替えにより少なくとも二つの光源が交互に点灯する機構を有していることを特徴とするホログラムの認証方法。
【請求項17】
請求項10記載の認証画像を形成した一つのグレーティングパターンを記録したホログラムの認証装置であって、
前記ホログラムの移動ができる試料手段と、前記ホログラムに白色又は単色波長成分を含む光線を照射し、その照射角度が可変できる少なくとも一つの照射手段と、前記波長成分に対し感度を有するカラー光センサで受光する受光手段とが、前記認証対象のホログラム上の法線に対し、前記少なくとも一つの照射手段の光源が斜めから照射し、前記受光手段のカラー光センサが、前記ホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティングパターンを真上で受光するように配置され、前記試料手段、前記照射手段及び前記受光手段を制御する制御手段と、前記ホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティングパターンデータ並びにその回折角度、回折方向及び回折光の色成分の認証条件データを入力する入力手段と、前記入力された認証画像を形成した一つのグレーティングパターンデータ及び認証条件データに基づいて、前記認証画像を形成した一つのグレーティングパターンに含まれる認証画像データと前記認証条件データとを照合・演算する演算手段と、前記演算した認証画像データ及び認証条件データとあらかじめ記憶手段に記憶した基準のホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティングパターンに含まれる認証画像データ及びその認証条件データとを照合する照合手段と、前記照合結果を表現する表示手段とを備え、前記ホログラムの認証画像を形成した一つのグレーティングパターンの認証画像を認証することを特徴とするホログラムの認証装置。
【請求項18】
前記照射手段が、レーザ光、発光ダイオード又は連続スペクトルの白色光の光源からなる請求項17記載のホログラムの認証装置。
【請求項19】
前記照射手段には、前記ホログラムの認証条件に合わせて調整する光学系が付設され、前記光学系はレンズからなることを特徴とする請求項17又は18記載のホログラムの認証装置。
【請求項20】
前記試料手段が、前記ホログラムを搬送により移動可能な機構を備え、
前記光源を有する少なくとも一つの照射手段の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変可能な傾斜・回転ステージを備え、前記傾斜・回転ステージを制御手段で制御し、前記制御手段は、前記傾斜・回転ステージを座標軸で制御するステージコントローラを備えていることを特徴とする請求項17、18又は19記載のホログラムの認証装置。
【請求項21】
前記試料手段が、前記ホログラムを載置する試料台を移動又は回転させるため、XYθ方向に移動可能なXYθステージを備え、前記光源を有する少なくとも一つの照射手段の傾斜角度及び回転の少なくとも一つが可変可能な傾斜・回転ステージを備え、前記XYθステージ及び前記傾斜・回転ステージを制御手段で制御し、前記制御手段は、前記XYθステージ及び前記傾斜・回転ステージを座標軸で制御するステージコントローラを備えていることを特徴とする請求項17、18、19又は20記載のホログラムの認証装置。
【請求項22】
請求項17乃至21のいずれか記載において、前記光源を有する少なくとも二つの照射手段が、切り替えにより少なくとも二つの光源が交互に点灯する機構を有していることを特徴とするホログラムの認証装置。













【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−272329(P2007−272329A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−94325(P2006−94325)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】